(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記床板部材は、上記区画領域を第1フレーム部材の長手方向にn(nは2以上の整数)等分した部分を被覆可能であり、各区画領域につき、n個の床板部材を用いる、請求項1に記載のデッキ構造の施工法。
上記固定工程では、第1フレーム部材の上面に設けられたガイド部材に第2フレーム部材の端部を当接させることにより、第1フレーム部材間に第2フレーム部材を架け渡し、
上記敷設工程では、上記ガイド部材に補強部材の端部を当接させることにより、補強部材を第1フレーム部材間に架け渡して第1フレーム部材の上面に載置する、請求項1または2に記載のデッキ構造の施工法。
上記配置工程では、施工地盤の上に並べられた複数の高さ調節可能な脚部材の上に第1フレーム部材を載置する、請求項1から3のいずれか1項に記載のデッキ構造の施工法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献2の施工法では、相互に市松模様状に敷設した第1床部材同士の位置がずれると、第2床部材を配設するための空間の形状や大きさがバラつき、第2床部材が上記空間から脱落したり、あるいは上記空間に入らなくなるという不具合が生じる。
【0008】
上記特許文献3の施工法では、ロック機構を具備する分、デッキ構造の重量およびコストが増大するという不利益がある。また、床板のロックバーと根太枠のロック穴とを精度よく位置決めして設ける必要があるため、この点からも、デッキ構造のコストが増大する。さらに、隣接する根太枠間で根太材が重複するため、この点からも、デッキ構造の重量およびコストが増大する。
【0009】
そこで、本発明は、デッキ構造の構成部材を施工現場で加工することなく施工でき、重量増やコスト増を抑制しつつ、ユニット化した床板を安定・確実に配設できる、デッキ構造の施工法およびデッキ構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、直線状の第1フレーム部材および第2フレーム部材が相互に直交するように組み付けられ、施工地盤の上に配置されたフレーム構造体と、上記フレーム構造体の上に敷設された複数の床板ユニットと、を有する、デッキ構造の施工法であって、施工地盤の上に上記第1フレーム部材を複数本相互に平行に配置する配置工程と、相互に隣接する上記第1フレーム部材間に所定の基準長さを有する上記第2フレーム部材を複数本所定の基準間隔を空けて架け渡し、この状態で上記第2フレーム部材を上記第1フレーム部材の上面に固定することにより、上記フレーム構造体を形成する固定工程と、上記フレーム構造体において相互に隣接する第1フレーム部材と相互に隣接する第2フレーム部材とで囲まれた各区画領域を被覆可能な床板部材の裏面に、相互に隣接する第1フレーム部材間に架け渡し可能な補強部材が取り付けられたものを、上記床板ユニットとして準備する準備工程と、上記床板ユニットを上記フレーム構造体の各区画領域を埋めるように敷設する敷設工程と、を有し、
上記準備工程では、上記床板部材を構成する複数の長方形状の床板構成部材をその短手方向に並べた状態で各床板構成部材の裏面に共通の上記補強部材を固定することにより、複数の床板構成部材が補強部材により連結された上記床板ユニットを用意し、上記敷設工程では、上記補強部材を上記第1フレーム部材間に架け渡して上記第1フレーム部材の上面に載置する、デッキ構造の施工法である。
【0011】
本発明によれば、施工地盤の上に複数本の第1フレーム部材を相互に平行に配置し、相互に隣接する第1フレーム部材間に複数本の第2フレーム部材を架け渡して第1フレーム部材の上面に固定し、床板ユニットをフレーム構造体の上に敷設するだけなので、デッキ構造の構成部材を施工現場で切断したり仕上げたり加工する必要がない。そのため、一般の施工業者やユーザでもデッキ構造を施工することが容易となる。
【0012】
その上で、本発明によれば、固定工程において、第1フレーム部材間の間隔が第2フレーム部材によって設定され、準備工程において、床板ユニットの補強部材が第1フレーム部材間に架け渡し可能に設定されるので、上記補強部材は、敷設工程において、確実に、第1フレーム部材間に架け渡されて第1フレーム部材の上面に載置される。そのため、床板ユニットがフレーム構造体から脱落するという不具合が生じない。すなわち、ユニット化した床板を安定・確実に配設できる。
【0013】
また、本発明によれば、準備工程において、床板ユニットの床板部材がフレーム構造体の上記区画領域を被覆可能に設定されるので、上記床板部材は、敷設工程において、確実に、上記区画領域に収まって上記区画領域を埋める。より詳しくは、相互に隣接する2つの第1フレーム部材と相互に隣接する2つの第2フレーム部材とで囲まれた平面視で四角形の形状の区画領域に床板部材が収容される。そのため、床板ユニットがフレーム構造体に入らないという不具合が生じない。すなわち、この点からも、ユニット化した床板を安定・確実に配設できる。
【0014】
また、本発明によれば、第1フレーム部材、第2フレーム部材、および補強部材は、それぞれ形状が単純な直線状であり、また、床板部材も形状が単純な四角形状であって、余分な付属物が形成されておらず、寸法精度が容易に出せるので、デッキ構造の重量増やコスト増が抑制される。
【0015】
以上により、本発明によれば、デッキ構造の構成部材を施工現場で加工することなく施工でき、重量増やコスト増を抑制しつつ、ユニット化した床板を安定・確実に配設できる、デッキ構造の施工法が提供される。
【0016】
本発明においては、上記床板部材は、上記区画領域を第1フレーム部材の長手方向にn(nは2以上の整数)等分した部分を被覆可能であり、各区画領域につき、n個の床板部材を用いることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、準備工程において、床板ユニットの床板部材がフレーム構造体の上記区画領域のn等分の部分を被覆可能に設定されるので、上記床板部材は、敷設工程において、確実に、上記区画領域にn個が収まって上記区画領域を埋める。より詳しくは、相互に隣接する2つの第1フレーム部材と相互に隣接する2つの第2フレーム部材とで囲まれた平面視で四角形の形状の区画領域にn個の床板部材が第1フレーム部材の長手方向に並んで収容される。そのため、床板ユニットがフレーム構造体に入らないという不具合が確実に生じない。
【0018】
本発明においては、上記固定工程では、第1フレーム部材の上面に設けられたガイド部材に第2フレーム部材の端部を当接させることにより、第1フレーム部材間に第2フレーム部材を架け渡し、上記敷設工程では、上記ガイド部材に補強部材の端部を当接させることにより、補強部材を第1フレーム部材間に架け渡して第1フレーム部材の上面に載置することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、ガイド部材を介して第2フレーム部材を確実に第1フレーム部材間に架け渡すことができ、同じくガイド部材を介して補強部材を確実に第1フレーム部材間に架け渡して第1フレーム部材の上面に載置することができる。そのため、第2フレーム部材および補強部材ひいては床板ユニットを容易に位置決めできる。
【0020】
本発明においては、上記配置工程では、施工地盤の上に並べられた複数の高さ調節可能な脚部材の上に第1フレーム部材を載置することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、高さ調節可能な脚部材を介してフレーム構造体が施工地盤の上に配置されるので、脚部材の高さを調節することにより、施工地盤の状態に拘らず、フレーム構造体を水平に維持することができる。
【0022】
また、本発明は、施工地盤の上に相互に平行に配置された複数本の第1フレーム部材と、相互に隣接する上記第1フレーム部材間に所定の基準間隔を空けて架け渡された状態で上記第1フレーム部材の上面に固定された所定の基準長さを有する複数本の第2フレーム部材と、上記第1フレーム部材と上記第2フレーム部材とで形成されたフレーム構造体において相互に隣接する第1フレーム部材と相互に隣接する第2フレーム部材とで囲まれた各区画領域を埋めるように上記フレーム構造体の上に敷設された複数の床板ユニットと、を有し、上記床板ユニットは、上記各区画領域を被覆可能な床板部材と、上記床板部材の裏面に取り付けられた補強部材とを有し、
かつ上記床板部材を構成する複数の長方形状の床板構成部材をその短手方向に並べた状態で各床板構成部材の裏面に共通の上記補強部材を固定することにより、複数の床板構成部材が上記補強部材により連結されており、上記補強部材が上記第1フレーム部材間に架け渡されて上記第1フレーム部材の上面に載置されている、デッキ構造である。
【0023】
本発明によれば、上記施工法に係る発明と同様、デッキ構造の構成部材を施工現場で加工することなく施工でき、重量増やコスト増を抑制しつつ、ユニット化した床板を安定・確実に配設できる、デッキ構造が提供される。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、デッキ構造の構成部材を施工現場で加工することなく施工でき、重量増やコスト増を抑制しつつ、ユニット化した床板を安定・確実に配設できる、デッキ構造の施工法およびデッキ構造を提供するから、建物に隣接して屋外に張り出すデッキ構造の技術の発展・向上に寄与する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[1]デッキ構造の施工法
図1〜
図10を参照して、本実施形態に係るデッキ構造1(
図10参照)の施工法を説明する。
【0027】
まず、
図1に示すように、施工地盤の上に複数の脚部材11を並べる。脚部材11は、施工地盤と接する基部11aと、根太12(
図2参照)を支持する支持部11bとを有する。支持部11bは基部11aに対して螺合しており、回転することにより高さ調節が可能に構成されている。
【0028】
本実施形態では、16個の脚部材11が4列×4段に並べられている。図面上、左下と右上とを結ぶ並びを列、右下と左上とを結ぶ並びを段という。そして、左上から右下に向かって順に第1列、第2列…、左下から右上に向かって順に第1段、第2段…とする。本実施形態では、第1列が最も建物に近い側にある(つまり建物側から第1列、第2列…とする)。
【0029】
次に、
図2に示すように、脚部材11の上に根太(第1フレーム部材)12を載置する。これにより、施工地盤の上に複数本(4列)の根太12が相互に平行に配置される(配置工程)。根太12は、鋼材でできた直線状の長尺部材であり、断面がハット形状の剛性部材である。
【0030】
本実施形態では、12本の根太12が4列×3段に並べられている。1列あたり3本の根太12が直線状に並べられ、第1段の根太12の一端部は第1段の脚部材11を専有し、第1段の根太12の他端部は第2段の根太12の一端部と第2段の脚部材11を共有し、第2段の根太12の他端部は第3段の根太12の一端部と第3段の脚部材11を共有し、第3段の根太12の他端部は第4段の脚部材11を専有している。根太12は、断面ハット形状の両側のフランジ部を介して脚部材11の支持部11bにビスで固定されている。
【0031】
根太12の上面にガイド部材13が設けられている。ガイド部材13は、
図3に示すように、平板形状の取付部13aを含んでいる。取付部13aにビス穴13bが設けられ、ビス穴13bに通したビスによりガイド部材13が根太12の上面に固定されている。取付部13aの中央部に第1突起部13cが設けられ、第1突起部13cを挟んで凹状の第1コーナ部13xが2つ形成されている。取付部13aに連続して縦壁部13dが設けられている。縦壁部13dの中央部に第2突起部13eが設けられ、第2突起部13eを挟んで凹状の第2コーナ部13yが2つ形成されている。第2突起部13eは第1突起部13cよりも突出量が大きく設定されている。
【0032】
図2に示すように、本実施形態では、1本の根太12に4つのガイド部材13が設けられている。4つのガイド部材13のうち、2つが根太12の端部側にあり、残りの2つが根太12の中央部側にある。端部側のガイド部材13とこれに近い中央部側のガイド部材13とが対をなし、相互に第2突起部13eを向い合わせている。ガイド部材13は根太12の上面の幅方向の中央部に配置されている。2つの第1コーナ部13xおよび第2コーナ部13yは根太12の上面の幅方向の中央部を境に左右に振り分けられている。
【0033】
次に、
図4に示すように、根太12の上面に根がらみ材(第2フレーム部材)14A,14Bを載置する。根がらみ材14A,14Bは、鋼材でできた直線状の長尺部材であり、断面がコ字状の剛性部材である。
【0034】
本実施形態では、18本の根がらみ材14A,14Bが3列×6段に並べられている。第2列の根太12と第3列の根太12との間に架け渡された根がらみ材(第2列の根がらみ材)を第1根がらみ材14Aとし、その長さを第1基準長さとする。第1列の根太12と第2列の根太12との間に架け渡された根がらみ材(第1列の根がらみ材)および第3列の根太12と第4列の根太12との間に架け渡された根がらみ材(第3列の根がらみ材)を第2根がらみ材14Bとし、その長さを第2基準長さとする。第2基準長さは第1基準長さよりも短く設定されている。その理由は後に明らかになる。
【0035】
根がらみ材14A,14Bは、相互に隣接する列の根太12間に架け渡されている。その場合、断面コ字状の対向2辺のうちの1辺が長く設定されており、その長く設定された1辺(下辺という)を根太12の上面に対接させている。また、断面コ字状の縦辺を根太12の端部側に向けている。そして、根がらみ材14A,14Bの端部における下辺の凸状のコーナ部をガイド部材13の凹状の第1コーナ部13xに係止させ当接させている。この状態で、根がらみ材14A,14Bは、断面コ字状の下辺を介して根太12の上面にビスで固定されている(このとき根太12および根がらみ材14A,14Bにビスが貫通する下孔を予め穿孔しておくことが好ましい)。つまり、ガイド部材13は根がらみ材14A,14Bを根太12に位置決めする機能を有する。
【0036】
したがって、ガイド部材13の2つの第1コーナ部13xが根太12の上面の幅方向の中央部を境に左右に振り分けられていることと併せ、第1列の根太12と第2列の根太12との間の間隔(ピッチ)が略第2根がらみ材14Bの長さ、すなわち第2基準長さに設定され、第2列の根太12と第3列の根太12との間の間隔が略第1根がらみ材14Aの長さ、すなわち第1基準長さに設定され、第3列の根太12と第4列の根太12との間の間隔が略第2根がらみ材14Bの長さ、すなわち第2基準長さに設定される。この意味で、本実施形態に係る根がらみ材14A,14Bは定規材であるといえる。
【0037】
根がらみ材14A,14Bは、根太12の両端部において根太12間に架け渡されている。1本の根太12に設けられた4つのガイド部材13のうち根太12の端部側に設けられた2つのガイド部材13間の距離(具体的に例えば2つのガイド部材13の第1コーナ部13x間の距離)を基準間隔とする。これにより、相互に隣接する列の根太12間に、第1基準長さまたは第2基準長さを有する複数本(6段)の第1根がらみ材14Aまたは第2根がらみ材14Bが上記基準間隔を空けて架け渡され、この状態で第1根がらみ材14Aおよび第2根がらみ材14Bが根太12の上面に固定される(固定工程)。
【0038】
以上により、直線状の根太12と直線状の根がらみ材14A,14Bとが相互に直交するように組み付けられたフレーム構造体2が形成される。このフレーム構造体2は、脚部材11を介して施工地盤の上に配置されている。
【0039】
次に、
図5に示すように、第4列の根太12の上面に幕板下地材14Cを載置する。幕板下地材14Cは、鋼材でできた直線状の長尺部材であり、断面がコ字状の剛性部材である。幕板下地材14Cは、最終的にこのデッキ構造1の完成時に、
図10に示すように、正面幕板15Aおよびコーナ幕板15Cを組み付けるためのものである。
【0040】
幕板下地材14Cは、断面コ字状の対向2辺のうちの1辺が長く設定されており、その長く設定された1辺(下辺という)を第4列の根太12の上面に対接させている。また、断面コ字状の縦辺をフレーム構造体2の外方に向けている。そして、幕板下地材14Cの両端部における下辺の凸状のコーナ部を一対のガイド部材13(根太12の端部側のガイド部材13とこれに近い中央部側のガイド部材13)の凹状の第2コーナ部13yに係止させ当接させている。この状態で、幕板下地材14Cは、断面コ字状の下辺を介して第4列の根太12の上面にビスで固定されている(このとき根太12および幕板下地材14Cにビスが貫通する下孔を予め穿孔しておくことが好ましい)。つまり、ガイド部材13は幕板下地材14Cを根太12に位置決めする機能を有する。
【0041】
次に、
図6に示すように、フレーム構造体2の上に床板ユニット21を敷設する。詳しくは、フレーム構造体2において、相互に隣接する列の根太12と相互に隣接する段の根がらみ材14A,14Bとで囲まれた平面視で四角形の形状の領域を区画領域Rとする。本実施形態では、9つの区画領域Rが3列×3段に形成される(
図4参照)。床板ユニット21は、フレーム構造体2の各区画領域Rを埋めるように敷設される(敷設工程)。
【0042】
この敷設工程の前に、以下に述べるような構成の床板ユニット21を必要個数だけ予め準備しておく(準備工程)。
【0043】
すなわち、床板ユニット21は、
図7に示すように、床板部材21Fと、床板部材21Fの裏面に取り付けられた補強部材21bとを含んでいる。
【0044】
床板部材21Fは、3つの長方形状の床板構成部材21aが連結されて正方形に近い形状に形成されている。本実施形態では、床板部材21Fは、全ての床板ユニット21で共通化されている。そのため、床板部材21Fの縦の長さ(3つの床板構成部材21aの連結方向の長さ)をL1、横の長さ(床板構成部材21aの長手方向の長さ)をL2とすると、L1およびL2は全ての床板ユニット21で共通の長さに設定されている。具体的に、床板部材21Fの縦の長さL1および横の長さL2は、フレーム構造体2の各区画領域Rを根太12の長手方向に2等分した部分を床板部材21Fが被覆可能な値に設定されている。
【0045】
例えば、床板部材21Fの縦の長さL1は、第1基準長さ、つまり第2列の根太12と第3列の根太12との間に架け渡された第1根がらみ材14Aの長さと略同じ長さに設定されている。床板部材21Fの横の長さL2は、基準間隔の略半分の長さ、つまり相互に隣接する段の根がらみ材14A,14B間の距離を2等分した長さと略同じ長さに設定されている。
【0046】
床板構成部材21aは樹脂製である。これに対し、補強部材21bは、鋼材でできた直線状の長尺部材であり、断面がハット形状の剛性部材である。本実施形態では、一対(2本)の補強部材21bが所定の間隔を空けて床板部材21Fの裏面に相互に平行に取り付けられている。補強部材21bは床板部材21Fの縦の長さL1方向に延びるように配置されている。補強部材21bは、断面ハット形状の上面が床板部材21Fの裏面に対接し、この状態で上記上面を介して床板部材21Fにビスで固定されている。
【0047】
補強部材21bの長さは、床板ユニット21がどの列の区画領域Rに敷設されるかによって異なる。しかしながら、少なくとも、相互に隣接する列の根太12間に架け渡し可能な長さに設定されている点で、全ての床板ユニット21で共通している。例えば、第1列または第3列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21については、補強部材21bの長さは、第2基準長さ、つまり第1列の根太12と第2列の根太12との間に架け渡された第2根がらみ材14Bまたは第3列の根太12と第4列の根太12との間に架け渡された第2根がらみ材14Bの長さと略同じ長さに設定されている。一方、第2列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21については、補強部材21bの長さは、第1基準長さ、つまり第2列の根太12と第3列の根太12との間に架け渡された第1根がらみ材14Aの長さと略同じ長さに設定されている。そのため、第1列または第3列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21の補強部材21bの長さをL3、第2列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21の補強部材21bの長さをL3’とすると、第2基準長さは第1基準長さよりも短く設定されているから、L3<L3’に設定されている。
【0048】
具体的に、
図7に実線で示すように、第1列または第3列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21の場合、補強部材21bは、一端部が床板部材21Fの縦の長さL1方向の一方の縁部(
図7(a)、
図7(b)における下側の縁部)に届いているが、他端部は床板部材21Fの縦の長さL1方向の他方の縁部(
図7(a)、
図7(b)における上側の縁部)に届いていない。これに対し、
図7に鎖線で示すように、第2列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21の場合、補強部材21bは、他端部も床板部材21Fの縦の長さL1方向の他方の縁部(
図7(a)、
図7(b)における上側の縁部)に届いている(矢印ア参照)。
【0049】
そして、敷設工程では、補強部材21bが、根がらみ材14A,14Bと平行に、相互に隣接する列の根太12間に架け渡されて、根太12の上面に載置される。
【0050】
その場合、根がらみ材14A,14Bを相互に隣接する列の根太12間に架け渡すとき(
図4参照)に類似して、補強部材21bの端部を根太12の上面のガイド部材13に当接させる。すなわち、補強部材21bは、断面ハット形状の両側のフランジ部を根太12の上面に対接させる。そして、補強部材21bの端部におけるフランジ部(より詳しくは一対の補強部材21bの端部における外側のフランジ部)の凸状のコーナ部を一対のガイド部材13(根太12の端部側のガイド部材13とこれに近い中央部側のガイド部材13)の凹状の第2コーナ部13yに係止させ当接させる。この状態で、補強部材21bは、断面ハット形状のフランジ部を介して根太12の上面に載置される(
図9参照)。つまり、ガイド部材13は補強部材21bひいては床板ユニット21を根太12に位置決めする機能を有する。
【0051】
図6において、第2列の根太12の上面のガイド部材13の第1、第2突起部13c,13eと、第3列の根太12の上面のガイド部材13の第1、第2突起部13c,13eとの間の距離は、
図7に鎖線で示した(矢印ア参照)長さが相対的に長いほうの補強部材21bの長さL3’と略同じである。また、
図6において、第1列の根太12の上面のガイド部材13の第1、第2突起部13c,13eと、第2列の根太12の上面のガイド部材13の第1、第2突起部13c,13eとの間の距離、および、第3列の根太12の上面のガイド部材13の第1、第2突起部13c,13eと、第4列の根太12の上面のガイド部材13の第1、第2突起部13c,13eとの間の距離は、
図7に実線で示した長さが相対的に短いほうの補強部材21bの長さL3と略同じである。そのため、L3<L3’に設定されているから、第1列の根太12と第2列の根太12との間の間隔(ピッチ)および第3列の根太12と第4列の根太12との間の間隔は、第2列の根太12と第3列の根太12との間の間隔よりも短く設定されている。
【0052】
準備工程において、フレーム構造体2の各区画領域Rを根太12の長手方向に2等分した部分を被覆可能な床板部材21Fを有する床板ユニット21を準備し、敷設工程において、フレーム構造体2の各区画領域Rを埋めるように床板ユニット21をフレーム構造体2の上に敷設する。これにより、床板部材21Fがフレーム構造体2の上に敷き詰められる。このとき、平面視で根太12や根がらみ材14A,14Bが床板部材21Fの外に出ないようにする。仮に、全ての床板ユニット21を第2列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21(
図7に鎖線で示すもの)にすると、第1列の根太12と第4列の根太12とが床板部材21Fよりも列方向の外方にはみ出してしまう。具体的に、
図6において、第1列の根太12は、図示した位置よりも、図面上、左上側に移動し、第4列の根太12は、図示した位置よりも、図面上、右下側に移動する。その移動距離は、およそ根太12の幅の半分の長さである。その理由は、ガイド部材13が根太12の幅方向の中央部に配置されているからである。そこで、第1列の根太12および第4列の根太12が床板部材21Fの外に出ないようにするために、第1列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21および第3列の区画領域Rに敷設される床板ユニット21(
図7に実線で示すもの)については、補強部材21bを短くしたものである。これにより、第1列の根太12および第4列の根太12が列方向の内方に移動し、床下部材21Fの下に隠れるようになる。以上のことから、第2基準長さ(第1列の根太12と第2列の根太12との間に架け渡された第2根がらみ材14Bおよび第3列の根太12と第4列の根太12との間に架け渡された第2根がらみ材14Bの長さ)は、第1基準長さ(第2列の根太12と第3列の根太12との間に架け渡された第1根がらみ材14Aの長さ)よりも短く(およそ根太12の幅の半分の長さだけ短く)設定されているのである。
【0053】
本実施形態では、18個の床板ユニット21が3列×6段に並べられる。その場合、床板ユニット21の床板部材21Fがフレーム構造体2の上記区画領域Rの半分の部分を被覆可能に設定されているから、敷設工程において、上記区画領域Rに2個の床板部材21Fが根太12の長手方向に並んで収まって上記区画領域Rを埋める。
【0054】
なお、第1列の床板ユニット21および第3列の床板ユニット21は、床板部材21Fが補強部材21bに対してオーバーハングしている側がフレーム構造体2の外方を向くように配置される。
【0055】
準備工程では、以上のような構成の第1列用および第3列用の床板ユニット21(
図7に実線で示すもの)と第2列用の床板ユニット21(
図7に鎖線で示すもの)とを敷設工程の前に必要個数だけ予め準備しておくのである。
【0056】
図8に示すように、フレーム構造体2の上に18個の床板ユニット21が3列×6段に敷設された段階で床板3が完成する。床板3は、3列×6段に並べられた18個の床板ユニット21の床板部材21Fの集合体である。
【0057】
理解の容易のために、
図9に、
図8の構成を床板ユニット21の床板部材21Fを透視して示した。根がらみ材14A,14Bは、根太12と協働してフレーム構造体2を構成すると共に、固定工程において、相互に隣接する列の根太12間の間隔(ピッチ)を第1基準長さまたは第2基準長さに設定するための定規材として機能し、かつ、敷設工程において、床板ユニット21をフレーム構造体2に敷設するときの横ブレ(段方向のブレ)を防止する案内部材として機能する。
【0058】
また、床板ユニット21の補強部材21bの高さ(断面ハット形状の高さ)は、根がらみ材14A,14Bの高さ(断面コ字状の縦辺の高さ)と略同じ高さに設定されている。これにより、床板3に作用する荷重が床板ユニット21の補強部材21bと根太12とで常に支持され、床板部材21Fと根がらみ材14A,14Bとでのみ支持されることが回避される。その意味で、床板ユニット21の補強部材21bの高さは、根がらみ材14A,14Bの高さより若干大きくてもよい。
【0059】
そして、最後に、
図10に示すように、フレーム構造体2および床板3の周縁部に対して、正面幕板15A、側面幕板15B、およびコーナ幕板15Cを組み付けることにより、最終的にデッキ構造1が完成する。正面幕板15A、側面幕板15B、およびコーナ幕板15Cは、幕板下地材14C、第1段の根がらみ材14A,14B、第6段の根がらみ材14A,14Bの各縦辺にビスで固定される。
【0060】
なお、建物側(第1列の根太12側)は幕板が不要なので組み付けられない。
【0061】
[2]デッキ構造
以上のような施工法で施工されたデッキ構造1(
図10参照)は、次のような構成を有する。
【0062】
すなわち、デッキ構造1は、直線状の根太12および根がらみ材14A,14Bが相互に直交するように組み付けられ、施工地盤の上に配置されたフレーム構造体2と、上記フレーム構造体2の上に敷設された複数の床板ユニット21と、を有する。
【0063】
施工地盤の上に上記根太12が複数本(4列)相互に平行に配置されている。
【0064】
相互に隣接する列の根太12間に第1基準長さまたは第2基準長さを有する第1根がらみ材14Aまたは第2根がらみ材14Bが複数本(6段)所定の基準間隔を空けて架け渡された状態で第1根がらみ材14Aおよび第2根がらみ材14Bが根太12の上面に固定されている。そして、これにより、フレーム構造体2が形成されている。
【0065】
床板ユニット21が、フレーム構造体2の各区画領域Rを埋めるように敷設されている。そのとき、補強部材21bが根がらみ材14A,14Bと平行に根太12間に架け渡されて根太12の上面に載置されている。
【0066】
床板ユニット21は、床板部材21Fの裏面に、相互に隣接する列の根太12間に架け渡し可能な長さを有する直線状の補強部材21bが複数本(2本)所定の間隔を空けて相互に平行に取り付けられた構成である。床板部材21Fは、フレーム構造体2の各区画領域Rを根太12の長手方向に2等分した部分を被覆可能なように、縦の長さL1および横の長さL2が設定されている。
【0067】
[3]作用
本実施形態では、直線状の根太12および根がらみ材14A,14Bが相互に直交するように組み付けられ、施工地盤の上に配置されたフレーム構造体2と、上記フレーム構造体2の上に敷設された複数の床板ユニット21と、を有する、デッキ構造1の施工法において、次のような特徴的構成を採用した。
【0068】
すなわち、上記施工法は、施工地盤の上に上記根太12を複数本(4列)相互に平行に配置する配置工程を有する(
図2)。
【0069】
また、上記施工法は、相互に隣接する列の根太12間に第1基準長さまたは第2基準長さを有する第1根がらみ材14Aまたは第2根がらみ材14Bを複数本(6段)所定の基準間隔を空けて架け渡し、この状態で第1根がらみ材14Aおよび第2根がらみ材14Bを根太12の上面に固定することにより、上記フレーム構造体2を形成する固定工程を有する(
図4)。
【0070】
また、上記施工法は、上記フレーム構造体2において相互に隣接する列の根太12と相互に隣接する段の根がらみ材14A,14Bとで囲まれた各区画領域Rを被覆可能な床板部材21Fの裏面に、相互に隣接する列の根太12間に架け渡し可能な補強部材21bが複数本(2本)所定の間隔を空けて相互に平行に取り付けられたものを、上記床板ユニット21として準備する準備工程を有する(
図7)。
【0071】
また、上記施工法は、上記床板ユニット21を上記フレーム構造体2の各区画領域Rを埋めるように敷設する敷設工程を有する(
図6、
図8)。
【0072】
その場合、上記敷設工程では、上記補強部材21bを上記根がらみ材14A,14Bと平行に上記根太12間に架け渡して上記根太12の上面に載置する(
図9)。
【0073】
この構成によれば、施工地盤の上に複数本(4列)の根太12を相互に平行に配置し、相互に隣接する列の根太12間に複数本(6段)の根がらみ材14A,14Bを架け渡して根太12の上面に固定し、床板ユニット21をフレーム構造体2の上に敷設するだけなので、デッキ構造1の構成部材を施工現場で切断したり仕上げたり加工する必要がない。そのため、一般の施工業者やユーザでもデッキ構造1を施工することが容易となる。
【0074】
その上で、この構成によれば、固定工程において、相互に隣接する列の根太12間の間隔が根がらみ材14A,14Bによって設定され、準備工程において、床板ユニット21の補強部材21bが相互に隣接する列の根太12間に架け渡し可能に設定されるので、上記補強部材21bは、敷設工程において、確実に、相互に隣接する列の根太12間に架け渡されて根太12の上面に載置される。そのため、床板ユニット21がフレーム構造体2から脱落するという不具合が生じない。すなわち、ユニット化した床板3を安定・確実に配設できる。
【0075】
また、この構成によれば、準備工程において、床板ユニット21の床板部材21Fがフレーム構造体2の上記区画領域Rを被覆可能に設定されるので、上記床板部材21Fは、敷設工程において、確実に、上記区画領域Rに収まって上記区画領域Rを埋める。より詳しくは、相互に隣接する2つの根太12と相互に隣接する2つの根がらみ材14A,14Bとで囲まれた平面視で四角形の形状の区画領域Rに床板部材21Fが収容される。そのため、床板ユニット21がフレーム構造体2に入らないという不具合が生じない。すなわち、この点からも、ユニット化した床板3を安定・確実に配設できる。
【0076】
また、この構成によれば、根太12、第1根がらみ材14A、第2根がらみ材14B、幕板下地材14C、および補強部材21bは、それぞれ形状が単純な直線状であり、また、床板部材21Fも形状が単純な四角形状であって、余分な付属物が形成されておらず、寸法精度が容易に出せるので、デッキ構造1の重量増やコスト増が抑制される。
【0077】
以上により、本実施形態によれば、デッキ構造1の構成部材を施工現場で加工することなく施工でき、重量増やコスト増を抑制しつつ、ユニット化した床板3を安定・確実に配設できる、デッキ構造1の施工法が提供される。
【0078】
本実施形態では、上記床板部材21Fは、上記区画領域Rを根太12の長手方向に2等分した部分を被覆可能であり、各区画領域Rにつき、2個の床板部材21Fを用いる(
図6)。
【0079】
この構成によれば、準備工程において、床板ユニット21の床板部材21Fがフレーム構造体2の上記区画領域Rの2等分の部分を被覆可能に設定されるので、上記床板部材21Fは、敷設工程において、確実に、上記区画領域Rに2個が収まって上記区画領域Rを埋める。より詳しくは、相互に隣接する2つの根太12と相互に隣接する2つの根がらみ材14A,14Bとで囲まれた平面視で四角形の形状の区画領域Rに2個の床板部材21Fが根太12の長手方向に並んで収容される。そのため、床板ユニット21がフレーム構造体2に入らないという不具合が確実に生じない。
【0080】
本実施形態では、上記固定工程では、根太12の上面に設けられたガイド部材13に根がらみ材14A,14Bの端部を当接させることにより、根太12間に根がらみ材14A,14Bを架け渡す(
図4)。また、上記敷設工程では、上記ガイド部材13に補強部材21bの端部を当接させることにより、補強部材21bを根太12間に架け渡して根太12の上面に載置する(
図9)。
【0081】
この構成によれば、ガイド部材13を介して根がらみ材14A,14Bを確実に根太12間に架け渡すことができ、同じくガイド部材13を介して補強部材21bを確実に根太12間に架け渡して根太12の上面に載置することができる。そのため、根がらみ材14A,14Bおよび補強部材21bひいては床板ユニット21を容易に位置決めできる。
【0082】
本実施形態では、上記配置工程では、施工地盤の上に並べられた複数の高さ調節可能な脚部材11の上に根太12を載置する(
図2)。
【0083】
この構成によれば、高さ調節可能な脚部材11を介してフレーム構造体2が施工地盤の上に配置されるので、脚部材11の高さを調節することにより、施工地盤の状態に拘らず、フレーム構造体2を水平に維持することができる。
【0084】
また、本実施形態では、直線状の根太12および根がらみ材14A,14Bが相互に直交するように組み付けられ、施工地盤の上に配置されたフレーム構造体2と、上記フレーム構造体2の上に敷設された複数の床板ユニット21と、を有する、デッキ構造1において、次のような特徴的構成を採用した。
【0085】
すなわち、上記デッキ構造1は、施工地盤の上に相互に平行に配置された複数本(4列)の根太12を有する。
【0086】
また、上記デッキ構造1は、相互に隣接する列の根太12間に所定の基準間隔を空けて架け渡された状態で上記根太12の上面に固定された所定の第1基準長さまたは所定の第2基準長さを有する複数本(6段)の第1根がらみ材14Aまたは第2根がらみ材14Bを有する。
【0087】
また、上記デッキ構造1は、上記根太12と上記第1根がらみ材14Aおよび第2根がらみ材14Bとで形成されたフレーム構造体2において相互に隣接する列の根太12と相互に隣接する段の根がらみ材14A,14Bとで囲まれた各区画領域Rを埋めるように上記フレーム構造体2の上に敷設された複数の床板ユニット21を有する。
【0088】
上記床板ユニット21は、上記各区画領域Rを被覆可能な床板部材21Fと、上記床板部材21Fの裏面に取り付けられた補強部材21bとを有する。
【0089】
上記補強部材21bが上記根太12間に架け渡されて上記根太12の上面に載置されている。
【0090】
この構成によれば、上記施工法の実施形態と同様、デッキ構造1の構成部材を施工現場で加工することなく施工でき、重量増やコスト増を抑制しつつ、ユニット化した床板3を安定・確実に配設できる、デッキ構造1が提供される。
【0091】
[4]他の実施形態
根太12の上面に設けるガイド部材13は、根がらみ材14A,14B、幕板下地材14C、および補強部材21b(床板ユニット21)の根太12に対する位置決め機能を達成し得る限り、他の構成や形状でもよい。
【0092】
根太12ひいてはフレーム構造体2を支持する脚部材11は、高さ調節が可能でなくてもよい。
【0093】
床板ユニット21の床板部材21Fは、フレーム構造体2の各区画領域Rを根太12の長手方向に2等分した部分を被覆可能に限らず、n(nは1以上の整数)が2以外の場合、例えば、1等分した部分や、3等分した部分などを被覆可能としてもよい。
【0094】
デッキ構造1は一層構造に限らず、例えば二層構造とすることもできる。その場合のデッキ構造1を第2の実施形態として
図11および
図12に例示する。先の実施形態と同じまたは類似の構成要素には同じ符号を用いる。なお、
図12は便宜上中央部分を一部省略してある。
【0095】
この第2の実施形態に係るデッキ構造1の特徴はおよそ次のようである。
【0096】
・ 建物の屋内のフロアリングFからドアサッシWを開けて屋外へ出るところに施工されている。
【0097】
・ 建物に近い側が二層構造とされている。
【0098】
・ 二層部分は床板ユニット21が1列×6段に並べられている。
【0099】
・ 一層部分は床板ユニット21が3列×6段に並べることが可能にフレーム構造体2が構成されているが、実際には床板ユニット21は二層部分の真下には並べられず、二層部分のない領域で2列×6段に並べられている。
【0100】
・ 一層部分の床板ユニット21は、
図7に実線で示したもの、すなわち床板部材21Fが補強部材21bに対して片側だけオーバーハングしているもの(補強部材21bの長さがL3のもの)が用いられている。これに対し、二層部分の床板ユニット21は、床板部材21Fが補強部材21bに対して両側でオーバーハングしているものが用いられている。したがって、この二層部分の床板ユニット21の補強部材21bの長さは、一層部分の床板ユニット21の補強部材21bの長さL3よりもさらに短いものである(床板部材21Fは全床板ユニット21で共通化されている)。具体的に、
図12に、二層部分の真下の列における一層部分の根がらみ材(第3根がらみ材)14Xを示したが、二層部分の床板ユニット21の補強部材21bの長さは、この第3根がらみ材14Xの長さと略同じ長さに設定されている。
【0101】
・ 二層部分を支持する脚部材11は、第1列が一層部分のフレーム構造体2の上に並べられ、第2列が一層部分の床板3の上に並べられている。その場合、二層部分の水平を保つため、第1列の脚部材11は第2列の脚部材11よりも高さが高く調節されている。
【0102】
・ 二層部分を支持する第1列の脚部材11の安定性を確保するため、一層部分の第1列の根太12の上面に本来不要な幕板下地材14Cを2列設け、その上に脚部材11が載置されている。
【0103】
・ 一層部分を支持する脚部材11は、施工地盤が傾斜しているので、一層部分の水平を保つため、第1列の脚部材11<第2列の脚部材11<第3列の脚部材11<第4列の脚部材11の順に高さが高く調節されている。