(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報管理装置、情報管理方法及び情報管理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報管理装置、情報管理方法及び情報管理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.提供処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る提供処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報管理システムによる提供処理の一例を示す説明図である。
図1の例では、情報管理装置100によって顧客の購買活動における傾向を示す顧客動向に関する情報を各店舗に提供する提供処理が行われる例を示す。なお、
図1に示す店舗A〜Cは、例えば、同じショッピングモールに含まれる店舗や相互に提携し合う店舗であるものとする。
【0011】
店舗端末10
1〜10
3は、各店舗の店員によって利用される情報処理装置である。店舗端末10
1〜10
3は、各店舗の顧客に関する顧客情報を情報管理装置100に送信する。ここで、顧客情報には、例えば、商品を試着したか否かを示す情報や商品を購入したか否かを示す情報、商品を購入しなかった理由、商品を購入した理由などといった各種の顧客に関する情報が含まれる。また、店舗端末10
1〜10
3は、顧客動向に関する情報を情報管理装置100から受信する。なお、以下では、店舗端末10
1〜10
3の各端末を区別なく総称する場合には、「店舗端末10」と記載する場合がある。
【0012】
端末装置20は、店舗の顧客であるユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置20は、店舗の顧客に関する顧客情報を店舗端末10や情報管理装置100に送信する。
【0013】
情報管理装置100は、顧客動向に関する情報を提供するウェブサーバ等である。例えば、情報管理装置100は、顧客情報に基づいて算出される顧客動向に関する情報を店舗端末10に提供する。この点について
図1を用いて詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、店舗A〜Cには、店舗端末10
1〜10
3がそれぞれ設置されているものとする。ここで、店舗A〜Cに設置された店舗端末10
1〜10
3は、顧客情報を情報管理装置100に送信する(ステップS1)。一例としては、店舗端末10
1〜10
3は、商品を試着したか否かを示す情報や商品を購入したか否かを示す情報、商品を購入しなかった理由、商品を購入した理由等を顧客情報として送信する。
【0015】
例えば、店舗端末10
1は、店員によって入力された商品Aに関する顧客情報「試着した」、「購入しなかった」および「細身すぎた」を情報管理装置100に送信する。店舗端末10
2は、例えば、店舗に設置されたセンサCEによって収集された商品Bに関する顧客情報「試着した」、「購入しなかった」をセンサCEから受信する。そして、店舗端末10
2は、受信した商品Bに関する顧客情報を情報管理装置100に送信する。また、店舗端末10
2は、店員によって入力された商品Bに関する顧客情報「派手すぎた」を情報管理装置100に送信する。店舗端末10
3は、例えば、端末装置20によって収集された商品Cに関する顧客情報「試着した」、「購入した」を端末装置20から受信する。また、店舗端末10
3は、商品Cに関する顧客情報として、例えば、購入された商品Cの識別子である商品コードから商品の特徴を示す商品属性「水色」を収集する。そして、店舗端末10
3は、受信した商品Cに関する顧客情報を情報管理装置100に送信する。なお、商品Cに関する顧客情報は、店舗端末10
3に限らず端末装置20によって情報管理装置100に送信されてもよい。これにより、情報管理装置100は、店舗端末10
1〜10
3から顧客情報を受け付ける。そして、情報管理装置100は、受け付けた顧客情報を記憶する。
【0016】
続いて、情報管理装置100は、記憶された顧客情報に基づいて顧客動向を算出する(ステップS2)。具体的には、情報管理装置100は、商品を試着したか否かを示す情報や商品を購入したか否かを示す情報、商品を購入しなかった理由、商品を購入した理由等に基づいて、顧客の関心が高い商品を算出する。例えば、情報管理装置100は、「細身なものは売れにくい」、「派手なものは売れにくい」、「水色のものは売れやすい」という情報を顧客動向として算出する。
【0017】
そして、情報管理装置100は、算出された顧客動向に関する情報を各店舗に提供する(ステップS3)。例えば、情報管理装置100は、「細身なものは売れにくい」、「派手なものは売れにくい」、「水色のものは売れやすい」という情報を顧客動向に関する情報として店舗端末10
1〜10
3に提供する。
【0018】
このように、実施形態に係る情報管理装置100は、各店舗の顧客に関する情報を受け付ける。また、情報管理装置100は、受け付けられた顧客に関する情報に基づいて顧客動向を算出する。また、情報管理装置100は、算出された顧客動向に関する情報を各店舗に提供する。
【0019】
これにより、情報管理装置100は、顧客動向を各店舗に提供することができるので、有用な情報を共有することができる。例えば、情報管理装置100は、顧客に売れやすい商品情報を各店舗に提供することができるので、店舗の売上向上に役立つ情報を提供することができる。また、情報管理装置100は、例えば、顧客に売れにくい商品情報を各店舗に提供することができるので、各店舗において商品を発注する際や顧客にお薦めする商品を決定する際に役立つ情報を提供することができる。
【0020】
また、情報管理装置100は、多様な方法によって顧客情報を収集するので、多量な情報を共有することができる。例えば、情報管理装置100は、店舗に設置されたセンサや顧客が有する端末装置10を介して顧客情報を収集するので、店員が直接入力することで顧客情報を収集する場合と比較して、多量な情報を共有することができるとともに、店員の負荷を軽減することができる。
【0021】
また、情報管理装置100は、多量な顧客情報を共有することができるので、加盟店舗の集客数や売上を向上させる戦略の検討に有益な情報を提供することができる。これにより、情報管理装置100は、例えば、各店舗が属するショッピングモール全体での集客数や売上を向上させることができる。また、情報管理装置100は、各店舗に集客数や売上を把握させることができるので、テナントの入れ替えに役立たせることができる。
【0022】
〔2.情報管理装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報管理装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報管理装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報管理装置100は、情報管理装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0023】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、店舗端末10や端末装置20との間で情報の送受信を行う。
【0024】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部120は、顧客情報記憶部121と報酬情報記憶部122とを有する。
【0025】
(顧客情報記憶部121について)
顧客情報記憶部121は、各店舗の顧客に関する情報を記憶する。具体的には、顧客情報記憶部121は、店舗端末10や端末装置20から送信された顧客情報を記憶する。ここで、
図3に、実施形態に係る顧客情報記憶部121の一例を示す。
図3に示すように、顧客情報記憶部121は、「顧客情報ID」、「受付日時」、「提供元」、「提供元ID」、「商品名」、「性別」、「年齢層」、「手に取った回数」、「試着有無」、「滞在時刻」、「購入有無」、「コメント」、「商品属性」といった項目を有する。
【0026】
「顧客情報ID」は、顧客情報を識別するための識別情報を示す。「受付日時」は、情報管理装置100が顧客情報を受け付けた日時を示す。「提供元」は、顧客情報を提供した提供元を示す。なお、「提供元」には、店舗名に限らず、顧客情報を提供した顧客名が記憶されてもよい。「提供元ID」は、顧客情報を提供した提供元を識別するための識別情報を示す。「商品名」は、顧客情報に関する商品の商品名を示す。「性別」は、顧客の性別を示す。「年齢層」は、顧客の年代を示す。「手に取った回数」は、顧客が商品を手に取った回数を示す。「試着有無」は、顧客が商品を試着したか否かを示す。例えば、顧客が商品を試着した場合には、「試着有無」に「1」が記憶される。一方、顧客が商品を試着しなかった場合には、「試着有無」に「0」が記憶される。「滞在時刻」は、顧客が店舗に入店した時刻と退店した時刻とを示す。「購入有無」は、顧客が商品を購入したか否かを示す。例えば、顧客が商品を購入した場合には、「購入有無」に「1」が記憶される。一方、顧客が商品を購入しなかった場合には、「購入有無」に「0」が記憶される。「コメント」は、顧客や店員によるコメントを示す。例えば、「コメント」には、商品を購入した理由や購入しなかった理由などが記憶される。「商品属性」は、商品の特徴を示す。例えば、「商品属性」には、商品の色が記憶される。
【0027】
すなわち、
図3では、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、受付日時「2012/3/12 12:00」に受け付けられた例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、提供元ID「St01」の提供元「店舗A」によって提供された例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、商品名「商品A」に関する顧客情報の例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、顧客の年齢層「40代」で性別「女」である例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、顧客によって商品が「1」回手に取られた例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、顧客が試着した例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、滞在時刻「2012/3/12 11:00〜2012/3/12 11:20」である例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、「細身すぎた」という理由で顧客に購入されなかった例を示している。また、顧客情報ID「CI11」の顧客情報は、商品Aの色が「水色」である例を示している。
【0028】
なお、顧客情報記憶部121は、上述した項目に限らず、顧客に関する各種の情報を記憶してもよい。例えば、顧客情報記憶部121は、商品に関する質問や感想を記憶する。また、顧客情報記憶部121は、例えば、顧客の属性を示すデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性を記憶してもよい。デモグラフィック属性とは、人口統計学的な情報である。例えば、顧客情報記憶部121は、デモグラフィック属性として、ユーザの職業、家族構成、年収、学歴など様々な区分種別を記憶する。また、サイコグラフィック属性とは、ユーザの嗜好、価値観、ライフスタイル、性格などを示す情報である。例えば、顧客情報記憶部121は、サイコグラフィック属性として、「スポーツ」、「アニメ」などといったユーザが関心を持つジャンルを記憶する。
【0029】
(報酬情報記憶部122について)
報酬情報記憶部122は、顧客に関する情報を提供することで付与される報酬に関する情報を記憶する。具体的には、報酬情報記憶部122は、店舗や顧客に付与された報酬を記憶する。ここで、
図4に、実施形態に係る報酬情報記憶部122の一例を示す。
図4に示すように、報酬情報記憶部122は、「対象名」、「対象ID」、「ポイント数」といった項目を有する。
【0030】
「対象名」は、報酬が付与される対象の対象名を示す。「対象情報ID」は、報酬が付与される対象を識別するための識別情報を示す。「ポイント数」は、対象に付与された報酬の累計を示す。
【0031】
すなわち、
図4では、店舗ID「St01」の店舗Aには、報酬として「3」ポイント付与されている例を示している。
【0032】
(制御部130について)
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報管理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0033】
かかる制御部130は、
図2に示すように、受付部131と、算出部132と、提供部133と、付与部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する商品管理処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0034】
(受付部131について)
受付部131は、各店舗の顧客に関する情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、店舗端末10や端末装置20からショッピングにおける顧客の行動を示す顧客情報を受け付ける。例えば、受付部131は、顧客情報として、「提供元」、「商品名」、「性別」、「年齢層」、「手に取った回数」、「試着有無」、「滞在時刻」、「購入有無」、「コメント」といった各種の顧客に関する情報を受け付ける。なお、顧客に関する情報は、例えば、顧客にアンケートを取った結果を店員が店舗端末10に入力することで収集される。
【0035】
また、顧客に関する情報は、顧客の端末装置20によって収集されてもよい。具体的には、端末装置20は、試着や購入といった顧客の行動に関する情報を収集するアプリケーションによって顧客に関する情報を収集する。例えば、端末装置20は、商品に付されたバーコードを読み取ることで顧客に関する情報を収集する。そして、情報管理装置100の受付部131は、端末装置20によって収集された顧客に関する情報を受け付ける。
【0036】
また、顧客に関する情報は、店舗に設置されたセンサCEによって収集されてもよい。具体的には、顧客に関する情報は、店舗の棚やレジ、試着室に設置されたセンサによって収集される。例えば、センサCEは、商品と棚との間の距離が所定の距離以上になった場合に、商品が顧客の手に取られたと判定して顧客情報として収集する。他の例では、センサCEは、端末装置20を有するユーザが入店した際に、当該ユーザの年齢や性別といった各種の情報を顧客情報として端末装置20から収集する。例えば、センサCEは、端末装置20にインストールされたアプリケーションにおいて予めユーザによって入力された年齢「30歳」や性別「男性」等を端末装置20から収集する。そして、情報管理装置100の受付部131は、センサCEによって収集された顧客に関する情報を受け付ける。これにより、情報管理装置100は、顧客情報を提供する手間を削減することができるとともに、多量な情報を収集することができる。
【0037】
(算出部132について)
算出部132は、顧客の購買活動における傾向を示す顧客動向を算出する。具体的には、算出部132は、受付部131によって受け付けられた顧客に関する情報に基づいて顧客動向を算出する。例えば、算出部132は、顧客情報に基づいて売れやすい商品や売れにくい商品を算出する。
【0038】
この点について、
図3を用いて説明する。
図3の例では、顧客情報のうち商品が購入されている顧客情報の商品属性には、「水色」という商品属性が相対的に多い。これにより、商品が水色であることを理由に購入する顧客が相対的に多く、水色の商品が人気あると考えられる。このため、算出部132は、「水色のものが売れやすい」という顧客動向を算出する。また、顧客情報のうち商品が購入されなかった顧客情報のコメントには、「細身すぎた」というコメントが相対的に多い。これにより、商品が細身であることを理由に購入しない顧客が相対的に多く、細身の商品は流行っていないと考えられる。このため、算出部132は、「細身のものが売れにくい」という顧客動向を算出する。
【0039】
(提供部133について)
提供部133は、顧客動向に関する情報を各店舗に提供する。具体的には、提供部133は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報を店舗端末10に提供する。例えば、提供部133は、顧客動向に関する情報が記載されたウェブページや電子メールを店舗端末10に配信する。これにより、各店舗は、例えば、「水色のものが売れやすい」という顧客動向が提供された場合には、かかる顧客動向を基に「水色」の商品を顧客に薦めることができるので、売上を向上させることができる。また、各店舗は、かかる顧客動向を基に「水色」の商品を多く仕入れることができるので、人気商品の在庫不足を回避し、売上を向上させることができる。
【0040】
(付与部134について)
付与部134は、顧客に関する情報を情報管理装置100に提供した店舗に対して報酬を付与する。ここで、報酬とは、例えば、店舗に与える金銭的なインセンティブを示す。一例としては、付与部134は、報酬として、店舗のテナント料を安くする。具体的には、付与部134は、顧客に関する情報を提供した量に応じて報酬を決定する。例えば、付与部134は、店舗が情報管理装置100に提供した顧客情報の数が多いほど報酬のポイント数を高く決定する。そして、付与部134は、顧客に関する情報を提供した量に応じて決定した報酬を店舗と対応付けて報酬情報記憶部122に記憶する。
【0041】
この点について、
図4および
図5を用いて説明する。
図5に示すように、店舗Aは、情報管理装置100に顧客情報CI11、16、17を提供したものとする。また、店舗Bは、情報管理装置100に顧客情報CI12、19を提供したものとする。また、店舗Cは、情報管理装置100に顧客情報CI13〜15、18、20を提供したものとする。また、店舗Dは、情報管理装置100に顧客情報をひとつも提供していないものとする。
【0042】
まず、付与部134は、提供した顧客情報の数に応じて店舗に付与する報酬を決定する。この場合、付与部134は、店舗Aは顧客情報を3つ提供しているので、店舗Aに付与する報酬を3ポイントと決定する。また、付与部134は、店舗Bに付与する報酬を2ポイントと決定する。また、付与部134は、店舗Cに付与する報酬を5ポイントと決定する。また、付与部134は、店舗Dは顧客情報を提供していないので、店舗Dに付与する報酬を0ポイントと決定する。すなわち、情報管理装置100は、店舗Dに顧客動向は提供するものの、報酬は付与しない。
【0043】
そして、付与部134は、決定された報酬を店舗と対応付けて報酬情報記憶部122に記憶する。例えば、情報管理装置100は、
図4に示すように、報酬情報記憶部122が有するデータ項目の対象名「店舗A」に対応する「ポイント数」に「3」ポイントを記憶する。これにより、付与部134は、顧客に関する情報を情報管理装置100に提供した店舗に対して報酬を付与する(ステップS4)。
【0044】
このように、付与部134は、顧客に関する情報を情報管理装置100に提供した店舗に対して報酬を付与する。
【0045】
これにより、情報管理装置100は、顧客情報を提供するモチベーションを高めることができるので、多量な情報を収集することができる。
【0046】
〔3.端末装置の構成〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る端末装置の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図6に示す端末装置20は、店舗の顧客であるユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置20は、スマートフォンや、タブレット端末や、携帯電話機等である。
図6に示すように、端末装置20は、表示部210と、入力部220と、通信部230と、検知部240と、制御部250とを有する。
【0047】
(表示部210、入力部220について)
表示部210は、各種情報を表示するための表示デバイスである。例えば、表示部210は、液晶ディスプレイ等によって実現される。入力部220は、ユーザから各種操作を受け付ける入力デバイスである。なお、端末装置20がスマートフォンである場合にはタッチパネルが採用されているので、表示部210と入力部220とは一体化される。
【0048】
(通信部230について)
通信部230は、ネットワークに接続され、ネットワークを介して、店舗端末10や情報管理装置100などとの間で情報の送受信を行う。かかる通信部230は、ネットワークとの接続を有線又は無線で行う。
【0049】
(制御部250について)
制御部250は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部250は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0050】
かかる制御部250は、
図6に示すように、各種アプリ制御部260と、顧客アプリ制御部270とを有する。
【0051】
(各種アプリ制御部260について)
各種アプリ制御部260は、例えば、検索アプリ制御部262と、ブラウザ制御部263とを有する。検索アプリ制御部262は、端末装置20内の各種情報を検索する検索アプリケーションを実行制御する。ブラウザ制御部263は、ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションを実行制御する。
【0052】
なお、制御部250は、
図6に示した検索アプリ制御部262及びブラウザ制御部263のアプリ制御部に限られず、端末装置20にインストールされているアプリケーション毎に、かかるアプリケーションを実行制御するアプリ制御部を有する。例えば、制御部250は、天気予報サイトにアクセスするアプリケーションを実行制御するアプリ制御部や、オークションサイトにアクセスするアプリケーションを実行制御するアプリ制御部などを有してもよい。
【0053】
(顧客アプリ制御部270について)
顧客アプリ制御部270は、顧客に関する情報を収集する顧客アプリケーションを実行制御する。このようなメモアプリケーションは、予め端末装置20にインストールされていてもよいし、ユーザ操作に従ってサーバ装置(例えば、各種アプリケーションを提供するサーバ装置)からダウンロードされることで端末装置20にインストールされてもよい。かかる顧客アプリ制御部270は、
図6に示すように、受付部271と、送信部272とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、顧客アプリ制御部270の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部250及び顧客アプリ制御部270が有する各処理部の接続関係は、
図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0054】
(受付部271について)
受付部271は、顧客に関する情報を受け付ける。具体的には、受付部271は、端末装置20を有する顧客の購買行動に関する情報を受け付ける。一例としては、受付部271は、顧客の操作によって読み込まれたバーコードから顧客が詳細を調べた商品や試着した商品、購入した商品に関する情報を受け付ける。
【0055】
他の一例として、受付部271は、GPSによって端末装置10の位置情報を受け付ける。そして、受付部271は、受け付けた位置情報に基づいて、顧客が滞在する店舗を特定する。そして、受付部271は、顧客が店舗に入店した時刻と退店した時刻を計測する。これにより、受付部271は、顧客が店舗に滞在した時刻を受け付ける。
【0056】
他の一例として、受付部271は、顧客の操作によって入力された顧客に関する情報を受け付ける。例えば、受付部271は、顧客によって入力された商品に関する質問や欲しい商品、商品を購入した理由、商品を購入しなかった理由などを顧客に関する情報として受け付ける。
【0057】
(送信部272について)
送信部272は、顧客に関する情報を送信する。具体的には、送信部272は、受付部271によって受け付けられた顧客に関する情報を店舗端末10や情報管理装置100に送信する。例えば、送信部272は、受付部271によって顧客に関する情報が受け付けられた場合に、当該顧客に関する情報を店舗端末10や情報管理装置100に送信する。
【0058】
〔4.受付処理手順〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報管理装置100による受付処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る情報管理装置100による受付処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
図7に示すように、情報管理装置100は、店舗端末10や端末装置20から顧客に関する顧客情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。そして、情報管理装置100は、顧客情報を受け付けていない場合には(ステップS101;No)、顧客情報を受け付けるまで待機する。
【0060】
一方、情報管理装置100は、顧客情報を受け付けた場合(ステップS101;Yes)、受け付けた顧客情報を顧客情報記憶部121に格納する(ステップS102)。例えば、情報管理装置100は、顧客に関する情報として、試着された商品、購入された商品、試着されたものの購入されなかった商品、顧客が商品を購入しなかった理由、顧客が商品を購入した理由、顧客の属性、顧客が店舗に滞在した時間、店舗の集客数、商品に対する質問または商品に対する感想等に関する情報を顧客情報記憶部121に格納する。
【0061】
〔5.提供処理手順〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る情報管理装置100による提供処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る情報管理装置100による提供処理手順を示すフローチャートである。
【0062】
図8に示すように、情報管理装置100は、顧客情報に基づいて顧客動向を算出する(ステップS201)。例えば、情報管理装置100は、顧客情報記憶部121に記憶された顧客情報に基づいて、店舗ごとの客層、店舗ごとの商品の販売数、店舗ごとの売上、店舗ごとの入店人数、顧客に売れやすい商品、顧客に売れにくい商品、顧客に注目されている商品といった顧客動向を算出する。
【0063】
続いて、情報管理装置100は、算出した顧客動向を各店舗に提供する(ステップS202)。例えば、情報管理装置100は、算出した顧客動向を同じショッピングモールに含まれる店舗や相互に提携し合う店舗に提供する。
【0064】
また、情報管理装置100は、提供した顧客情報に応じて店舗に付与する報酬を決定する(ステップS203)。例えば、情報管理装置100は、店舗が情報管理装置100に提供した顧客情報の数が多いほど店舗に付与する報酬のポイント数を高く決定する。
【0065】
そして、情報管理装置100は、決定した報酬を店舗に付与する(ステップS204)。例えば、情報管理装置100は、決定した報酬のポイント数を店舗と対応付けて報酬情報記憶部122に記憶することで店舗に報酬を付与する。
【0066】
〔6.変形例〕
上述した実施形態に係る情報管理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の情報管理装置100の他の実施形態について説明する。
【0067】
〔6−1.顧客に報酬を付与〕
上記実施形態では、付与部134は、顧客に関する情報を提供した店舗に対して報酬を付与する例を示した。ここで、付与部134は、店舗に限らず、顧客に関する情報を提供した顧客に対して報酬を付与してもよい。
【0068】
具体的には、付与部134は、顧客が端末装置20から店舗端末10や情報管理装置100に提供した顧客情報に応じて顧客に付与する報酬を決定する。ここで、報酬は、例えば、顧客が商品の購入時に購入価格から割り引かれるポイントやクーポンが挙げられる。例えば、付与部134は、提供した顧客情報の数が多いほど報酬を高く決定する。そして、付与部134は、決定した報酬を顧客と対応付けて報酬情報記憶部122に記憶する。これにより、付与部134は、顧客情報を提供した顧客に対して報酬を付与する。
【0069】
このように、情報管理装置100は、顧客に関する情報を提供した顧客に対して報酬を付与する。
【0070】
これにより、情報管理装置100は、顧客情報を提供するインセンティブを顧客に与えることができるので、顧客情報を提供するモチベーションを高めることができる。このため、情報管理装置100は、多量の顧客情報を収集することができるので、多量の顧客情報を共有することができる。
【0071】
〔6−2.提供店舗を限定〕
上記実施形態では、提供部133は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報を各店舗に提供する例を示した。ここで、提供部133は、算出部によって算出された顧客動向に関する情報を、各店舗のうち顧客に関する情報を所定の条件以上提供した店舗に提供してもよい。
【0072】
具体的には、提供部133は、まず、顧客情報記憶部121に記憶された顧客情報に基づいて、顧客情報を所定の条件以上提供した店舗を抽出する。例えば、提供部133は、顧客情報を所定の数以上提供した店舗を抽出する。そして、提供部133は、抽出された店舗に対して、算出部によって算出された顧客動向に関する情報を提供する。
【0073】
この点について、
図3の例を用いて説明する。ここで、提供部133は、顧客情報を3つ以上提供した店舗に提供するものとする。この場合、提供部133は、顧客情報を3つ以上提供した店舗として、店舗Aおよび店舗Cを抽出する。そして、提供部133は、抽出された店舗Aおよび店舗Cに対して、顧客動向に関する情報を提供する。
【0074】
なお、提供部133は、顧客情報を所定の数以上提供した店舗に限らず、質の高い顧客情報を提供した店舗に顧客動向に関する情報を提供してもよい。例えば、提供部133は、データ項目の情報量が多い顧客情報を提供した店舗に顧客動向に関する情報を提供する。
【0075】
このように、情報管理装置100は、算出部によって算出された顧客動向に関する情報を、各店舗のうち顧客に関する情報を所定の条件以上提供した店舗に提供する。
【0076】
これにより、情報管理装置100は、顧客情報を所定の条件以上提供していない店舗には顧客動向を提供しないので、顧客情報を提供するモチベーションを高めることができる。このため、情報管理装置100は、多量の顧客情報を収集することができるので、多量の顧客情報を共有することができる。
【0077】
〔6−3.カテゴリに応じて顧客動向を提供〕
上記実施形態では、提供部133は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報を各店舗に提供する例を示した。ここで、提供部133は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報のうち、各店舗が取り扱う商品の種類に関する情報を各店舗に提供してもよい。
【0078】
例えば、算出部132は、「細身のものは売れない」という衣類の商品に関する顧客動向を算出したものとする。この場合、提供部133は、衣類を扱う店舗に対して「細身のものは売れない」という顧客動向を提供する。衣類を扱う店舗にとって「細身のものは売れない」という顧客動向は有益であると考えられるためである。一方、衣類を扱わない店舗(例えば、飲食店)にとって「細身のものは売れない」という顧客動向は不要な情報であると考えられるためである。
【0079】
このように、情報管理装置100は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報のうち、各店舗が取り扱う商品の種類に関する情報を各店舗に提供する。
【0080】
これにより、情報管理装置100は、店舗に有益な顧客動向を提供することができるので、店舗の販売活動を高めることができる。
【0081】
〔6−4.各種の顧客情報〕
上記実施形態では、受付部131は、顧客に関する情報として、「提供元」、「商品名」、「性別」、「年齢層」、「手に取った回数」、「試着有無」、「滞在時刻」、「購入有無」、「コメント」といった情報を受け付ける例を示した。ここで、受付部131は、上述した例に限らず、各種の顧客に関する情報を受け付けてもよい。
【0082】
例えば、受付部131は、顧客に関する情報として、顧客の属性、顧客が欲しがっている商品、顧客が試着した商品、顧客が購入した商品、顧客が試着したものの購入しなかった商品、顧客が商品を購入しなかった理由、顧客が商品を購入した理由、顧客が商品を手に取った回数、顧客が詳細を調べた商品、顧客が店舗に滞在した時間、店舗の集客数、商品に対する質問または商品に対する感想等に関する情報を受け付ける。
【0083】
その他にも、受付部131は、顧客が試着や購入した商品自体に関する情報(例えば、商品の分類や商品番号)や購買活動を行った時間(例えば、土曜日の13:00)、購買活動を行った店舗に関する情報(例えば、東京都にある店舗A)といった各種の情報を顧客に関する情報として受け付けてもよい。また、受付部131は、顧客に関する情報として、「色が気にいらなかった」、「とりあえず、取り置きしてもらって、他の店もみておきたい」といった顧客のコメントを受け付けてもよい。
【0084】
このように、情報管理装置100は、顧客に関する情報として、顧客の属性、顧客が欲しがっている商品、顧客が試着した商品、顧客が購入した商品、顧客が試着したものの購入しなかった商品、顧客が商品を購入しなかった理由、顧客が商品を購入した理由、顧客が商品を手に取った回数、顧客が詳細を調べた商品、顧客が店舗に滞在した時間、店舗の集客数、商品に対する質問または商品に対する感想等に関する情報を受け付ける。
【0085】
これにより、情報管理装置100は、多様な顧客に関する情報を受け付けることができるので、顧客動向を高い精度で算出することができる。
【0086】
〔6−5.各種の顧客動向〕
上記実施形態では、算出部132は、顧客情報に基づいて売れやすい商品や売れにくい商品を算出する例を示した。ここで、算出部132は、上述した例に限らず、各種の顧客動向を算出してもよい。
【0087】
具体的には、算出部132は、店舗ごとの客層、店舗ごとの商品の販売傾向、店舗ごとの売上傾向、店舗ごとの顧客入店人数の傾向、顧客の購買傾向、顧客に売れやすい商品、顧客に売れにくい商品または顧客に注目されている商品等を算出する。
【0088】
例えば、算出部132は、店舗Xでは20代男性のリピータの顧客が多いと算出する。また、算出部132は、例えば、店舗Xでは帽子が売れていると算出する。また、算出部132は、例えば、店舗Xでは売上が急上昇中と算出する。また、算出部132は、例えば、店舗Xでは顧客の入店人数が横ばいと算出する。また、算出部132は、例えば、商品の購入数や売上総額を来客数で除算することで、店舗Xは来客数が少ない割に商品が売れていると算出する。また、算出部132は、例えば、商品Yは顧客に手に取られている回数が多いので顧客に注目されている商品であると算出する。
【0089】
なお、算出部132は、顧客の傾向に限らず、具体的な数値を顧客動向として算出してもよい。例えば、算出部132は、店舗Xにおける3月の売上は40万円であると算出する。
【0090】
また、算出部132は、不特定多数の顧客の傾向に限らず、顧客個人の傾向を顧客動向として算出してもよい。例えば、情報管理装置100は、顧客ごとに、購入した商品に関する情報を図示しない購買履歴情報記憶部に記憶しているものとする。ここで、顧客Zは、過去に購入した商品の中で茶色の商品が相対的に多いものとする。この場合、算出部132は、顧客動向として、顧客Zは茶色を好むと算出する。このように、算出部132は、特定の顧客をパーソナライズした顧客動向を算出することができる。このため、例えば、店舗の店員は、顧客Zに特化された顧客動向に基づいて、顧客Zが来店した際に、顧客Zに対して茶色の商品を薦めることができるので、売上を向上させることができる。
【0091】
また、各店舗は、例えば、「顧客Xが店舗Aで細身の商品Aが合わず購入を断念した」という顧客Xに特化された情報が提供された場合には、顧客Xが来店した際に、かかる情報を基に商品Aよりも大きいサイズの商品Bを顧客Xに薦めることができるので、売上を向上させることができる。
【0092】
これにより、顧客は、例えば、特定の店舗で求めている商品が見つからなくても、他の店舗で嗜好に合った商品を推薦してくれるので、求めている商品を購入することができる可能性が高くなる。この結果、ショッピングモールへ行く購買機会が無駄にならず有効になる。このため、情報管理装置100は、顧客がショッピングモールへ再訪する回数を増やすことができるので、各店舗の売上を向上させることができる。
【0093】
このように、情報管理装置100は、店舗ごとの客層、店舗ごとの商品の販売傾向、店舗ごとの売上傾向、店舗ごとの入店人数の傾向、顧客の購買傾向、顧客に売れやすい商品、顧客に売れにくい商品、顧客に注目されている商品または顧客個人の傾向などを算出する。
【0094】
これにより、情報管理装置100は、多様な顧客動向を算出することができるので、店舗に有益な顧客動向を提供することができる。
【0095】
〔6−6.施設に顧客動向を提供〕
上記実施形態では、提供部133は、顧客動向に関する情報を各店舗に提供する例を示した。ここで、提供部133は、顧客動向に関する情報を各店舗を管理する管理施設に提供してもよい。
【0096】
具体的には、提供部133は、複数の店舗を受け入れてショッピングモールを形成する管理者の管理施設に顧客動向に関する情報を提供する。例えば、提供部133は、売上が高い店舗や低い店舗、また来店客数の多い店舗や少ない店舗に関する情報を管理施設に提供する。
【0097】
このように、情報管理装置100は、顧客動向に関する情報を各店舗を管理する管理施設に提供する。
【0098】
これにより、情報管理装置100は、店舗管理に有益な情報を管理者に提供することができるので、ショッピングモールの運営を最適化させることができる。具体的には、情報管理装置100は、ショッピングモールにおけるテナントの最適な配置を管理者に検討させることができる。例えば、情報管理装置100は、売上の低い店舗に関する情報や来店客数の少ない店舗に関する情報を提供することで当該店舗の入れ替えを管理者に検討させることができる。このため、情報管理装置100は、ショッピングモール全体での売上を向上させることができる。
【0099】
〔6−7.各種の報酬〕
上記実施形態では、付与部134は、報酬として金銭的なインセンティブを店舗に与える例を示した。ここで、付与部134は、上述した例に限らず、各種の報酬を付与してもよい。
【0100】
具体的には、付与部134は、報酬として広告を優先的に表示する。例えば、付与部134は、提供した顧客情報の数が多い店舗ほどモール内に設置された看板などの広告スペースに店舗の広告を優先的に表示する。
【0101】
また、付与部134は、顧客情報を提供した顧客に対する報酬として、自動的に店舗の会員カードを発行してもよい。例えば、付与部134は、モール内で共有されている顧客情報に基づいて会員カードを発行する。これにより、店舗は、顧客から個人情報を聞くことなく会員カードを発行することができる。また、顧客は、会員カードの発行に必要な個人情報を記載したり入力することなく会員カードを取得することができる。
【0102】
このように、情報管理装置100は、各種の報酬を付与する。
【0103】
これにより、情報管理装置100は、顧客情報を提供するモチベーションを高めることができるので、多量な情報を共有することができる。
【0104】
また、付与部134は、顧客情報を提供した量に限らず、顧客情報の質に応じて報酬を決定してもよい。具体的には、付与部134は、提供した顧客情報の質が高いほど報酬を高く決定する。ここで、顧客情報の質は、例えば、データ項目や文字数が多いほど高いものとする。
【0105】
このように、情報管理装置100は、顧客情報の質に応じて報酬を付与する。
【0106】
これにより、情報管理装置100は、質の高い顧客情報を収集することができるので、有益な情報を共有することができる。
【0107】
〔6−8.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0108】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図2に示した提供部133および付与部134は統合されてもよい。
【0109】
〔6−9.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報管理装置100は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報管理装置100を例に挙げて説明する。
図9は、情報管理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0110】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0111】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0112】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0113】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0114】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0115】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報管理装置100は、受付部131と、算出部132と、提供部133とを有する。受付部131は、各店舗の顧客に関する情報を受け付ける。算出部132は、受付部131によって受け付けられた顧客に関する情報に基づいて顧客動向を算出する。提供部133は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報を各店舗に提供する。
【0116】
これにより、情報管理装置100は、顧客動向を各店舗に提供することができるので、有用な情報を共有することができる。例えば、情報管理装置100は、顧客に売れやすい商品情報を各店舗に提供することができるので、店舗の売上向上に役立つ情報を提供することができる。また、情報管理装置100は、例えば、顧客に売れにくい商品情報を各店舗に提供することができるので、各店舗において商品を発注する際や顧客にお薦めする商品を決定する際に役立つ情報を提供することができる。
【0117】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、付与部134は、顧客に関する情報を情報管理装置100に提供した店舗に対して報酬を付与する。
【0118】
これにより、実施形態に係る情報管理装置100は、顧客情報を提供するモチベーションを高めることができるので、多量な情報を収集することができる。
【0119】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、付与部134は、顧客に関する情報を提供した顧客に対して報酬を付与する。
【0120】
これにより、実施形態に係る情報管理装置100は、顧客情報を提供するインセンティブを顧客に与えることができるので、顧客情報を提供するモチベーションを高めることができる。このため、情報管理装置100は、多量の顧客情報を収集することができるので、多量の顧客情報を共有することができる。
【0121】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、受付部131は、顧客の端末装置によって収集された顧客に関する情報を受け付ける。
【0122】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、受付部131は、店舗に設置されたセンサによって収集された顧客に関する情報を受け付ける。
【0123】
これにより、実施形態に係る情報管理装置100は、顧客情報を提供する手間を削減することができるとともに、多量な情報を収集することができる。
【0124】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、提供部133は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報を、各店舗のうち顧客に関する情報を所定の条件以上提供した店舗に提供する。
【0125】
これにより、情報管理装置100は、顧客情報を所定の条件以上提供していない店舗には顧客動向を提供しないので、顧客情報を提供するモチベーションを高めることができる。このため、情報管理装置100は、多量の顧客情報を収集することができるので、多量の顧客情報を共有することができる。
【0126】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、提供部133は、算出部132によって算出された顧客動向に関する情報のうち、各店舗が取り扱う商品の種類に関する情報を各店舗に提供する。
【0127】
これにより、情報管理装置100は、店舗に有益な顧客動向を提供することができるので、店舗の販売活動を高めることができる。
【0128】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、受付部131は、顧客に関する情報として、顧客の属性、顧客が欲しがっている商品、顧客が試着した商品、顧客が購入した商品、顧客が試着したものの購入しなかった商品、顧客が商品を購入しなかった理由、顧客が商品を購入した理由、顧客が商品を手に取った回数、顧客が詳細を調べた商品、顧客が店舗に滞在した時間、店舗の集客数または商品に対する質問または商品に対する感想等に関する情報を受け付ける。
【0129】
これにより、情報管理装置100は、多様な顧客に関する情報を受け付けることができるので、顧客動向を高い精度で算出することができる。
【0130】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、店舗ごとの客層、店舗ごとの商品の販売傾向、店舗ごとの売上傾向、店舗ごとの入店人数の傾向、顧客の購買傾向、顧客に売れやすい商品、顧客に売れにくい商品、顧客に注目されている商品または顧客個人の傾向等を算出する。
【0131】
これにより、情報管理装置100は、多様な顧客動向を算出することができるので、店舗に有益な顧客動向を提供することができる。また、情報管理装置100は、顧客がショッピングモールへ再訪する回数を増やすことができるので、各店舗の売上を向上させることができる。
【0132】
また、実施形態に係る情報管理装置100において、提供部133は、顧客動向に関する情報を各店舗を管理する管理施設に提供する。
【0133】
これにより、情報管理装置100は、店舗管理に有益な情報を管理者に提供することができるので、ショッピングモールの運営を最適化させることができる。具体的には、情報管理装置100は、ショッピングモールにおけるテナントの最適な配置を管理者に検討させることができる。例えば、情報管理装置100は、売上の低い店舗や来店人数の少ない店舗に関する情報を提供することで当該店舗の入れ替えを管理者に検討させることができる。このため、情報管理装置100は、ショッピングモール全体での売上を向上させることができる。
【0134】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。