【実施例】
【0029】
図1は、本発明のセキュリティカード管理サービスシステムの利用イメージを概略的に示す図である。
【0030】
同図において、セキュリティカード管理サービスシステムは、入退出管理システム40、を有する。入退出管理システム40は、認証システム10、ゲートシステム20、カード発券・カード回収システム30、等と連携する。
【0031】
認証システム10は、例えば、事業所で入退出の管理やパソコンの本人認証に使われている顔や静脈(指、手のひら)の認証/照合を行う生体認証システムとする。
【0032】
顔認証システムの場合は、カメラに映る人の顔を検出する。そして、顔認証/照合部により、あらかじめ記憶装置に登録してある顔と照合する。この照合は、例えば顔の特徴を数値化し、登録された数字の列と比較する。その他の比較方法であってもよい。指静脈システムの場合は、スキャナセンサ等に読み取った指静脈を検出し、あらかじめ登録してある指静脈の特徴と照合する。
これらの認証/照合は、生体認証システム10側で行っても入退出管理システム40側で行ってもよい。
【0033】
カード発券・カード回収システム30は、生体認証システム10により、本人確認ができた場合、例えば、アクセス権などの情報を書き込んだ物理的な認証キー、例えばIDカード等を発券する。アクセス権は、アクセス権の範囲が相違する複数のレベル化するとよい。
【0034】
ゲートシステム20は、例えば、従業員の出社時に本人確認が得られた認証キー(以下、セキュリティカードと言う)をゲート装置のカード挿入口に挿入したとき、当該カードの内容を後述するゲート装置の読取部により読み取って、ゲートを開閉する。また、帰宅時にカード返却口に挿入したとき、ゲートを開閉する。
【0035】
入退出管理システム40は、生体認証システム10、ゲートシステム20、カード発券・カード回収システム30と連携し、生体認証システム10により、本人認証ができた場合には、カード発券・カード回収システム30に対して、初期化フォーマットしたカード(以下、初期化カードと言う)にアクセス権を書き込むよう制御し、当該カード(セキュリティカードであるが、以下の実施例の説明では、アクセス権カードと言う)を発券するよう制御し、本人認証ができなかった場合には、アクセス権カードの発券を禁止するよう制御する。
【0036】
また、入退出管理システム40は、アクセス権カードを受け取った本人が建造物内や室に入るため、アクセス権カードをゲートシステム20のゲート装置のカード挿入口に挿入したとき、当該カードの情報(ゲートシステム20の読取部にて読み取った情報)を受け、当該ゲートシステム20に対して、ゲートを開閉するよう制御する。
【0037】
また、本人が建造物内から退出するため、アクセス権カードをゲート装置のカード返却口に挿入した場合には、カード発券・カード回収システム30に対して、当該カードを初期化フォーマットし、つまりアクセス権などの情報を消去し、初期化カードとなるよう制御し、また当該初期化カードを回収するよう制御する。回収した初期化カードは、再度利用できるようにストックし、上述した初期化カードとしてリサイクルできるようにする。
【0038】
図2は、本発明のセキュリティカード管理サービスシステムの処理イメージを概略的に示す図である。
【0039】
同図において、ビルなどの建造物や室内に入る場合には、まず、認証システムにおいて、(1)本人認証、(2)認証/照合処理を行い、次に、カード発券・カード回収システムにおいて、(3)初期化カードにアクセス権などの情報を書き込む書込み処理を行い、しかるのち(4)カード発券処理を順に行う。
【0040】
ここで、(1)〜(2)において、本人認証が得られた場合には、ストックした初期化カードを取り出し、(3)において、当該カードに対して、アクセス権を書き込む処理を行う。この書き込み処理は、ゲートシステム20のゲート開閉を許可するアクセス権情報の他、認証者本人を管理する上で必要と思われる、例えば日時、氏名、所属、電話番号、セキュリティレベルなどの情報書き込みである。
【0041】
しかるのち、(4)において、当該アクセス権カードを従業員に対して発券する。このカード発券処理は、例えば、従業員の指を指静脈認証システム10により、認証/照合する。この認証/照合は、入退出管理システム40の個人データ(認証/照合情報)との突合せ(照合)をもって行う。従業員は、このアクセス権カード60をもってゲートシステム20のゲートを開閉し、建造物や室内に入る。
【0042】
業務遂行・終了したあと、外に出る場合は、(a)持参しているアクセス権カード60を、ゲートシステム20のゲート装置のカード返却口に挿入し、カード発券・カード回収システム30側に対して返却する(預ける処理)。
【0043】
カード発券・カード回収システム30は、(b)当該アクセス権カードを初期フォーマット処理する。この初期フォーマット処理は、アクセス権カードに書き込んだアクセス権などの情報を消去し、初期化する処理である。(c)初期化フォーマットされた初期化カードは、リサイクルできるよう回収し、ストックする。
【0044】
図3は、本発明のセキュリティカード管理サービスシステムの一例を示す機能ブロック図である。
【0045】
同図において、生体認証システム10は、生体情報検知部101、生体認証/照合部102、個人データDB103、生体認証/照合結果送信部104、ゲート開閉部105、を有する。生体認証/照合部102及び個人データDB103は、入退出管理システム40側に設け、入退出管理システム側にて認証結果と個人データとの照合処理を行ってもよい。
【0046】
生体認証システム10として、例えば、指静脈認証システムを利用した場合について説明する。生体情報検知部101は、センサで読み取った人の指静脈を検出する。
【0047】
生体認証/照合部102は、生体認証検知部101からのデータ(指静脈に関するデータ)と個人データDB103にあらかじめ登録してある個人データ(生体認証/照合するための指静脈情報など)と照合する。この照合は、例えば指静脈の特徴を数値化し、登録された数字の列と比較する。この認証/照合は、入退出管理システム40側で行え得るように構成してもよい。
【0048】
生体認証/照合結果送信部104は、生体認証/照合部102による認証/照合結果を、ネットワーク50を介して入退出管理システム40側に送信する。
【0049】
ゲート開閉部105は、アクセス権カード60をゲートシステム20のゲート装置201のカード挿入口2012に挿入すると、当該カードのデータをゲート装置201のカード読取部2014により、読み取り、本人認証を得た者としてゲートを開閉する。
【0050】
ゲートシステム20は、ゲート装置201を有する。ゲート装置は、ゲート2011、カード挿入口2012、カード返却口2013、カード読取部2014、を有する。また、図示していないが、ゲートを開閉するゲート開閉機構、カードを搬送するカード搬送機構、カードを回収するカード回収機構、を有する。これらのゲート開閉機構、カード搬送機構及びカード回収機構は、例えば駅の改札口で使用されているような周知の自動改札口機構を使用するとよい。
【0051】
ゲート装置201は、アクセス権カード60をカード挿入口2012に入れると、カード読取部2014が読み取ると、ゲート2011が開く。ゲート2011は、その後自動的に閉じる。
【0052】
また、ゲート通過時に持参しているアクセス権カード60をカード返却口2013に挿入し、返却すると、カード発券・カード回収システム30のカード回収機構(図示せず)により、当該カードを回収することができるよう構成する。
【0053】
カード発券・カード回収システム30は、カード発券部301、アクセス権書込部302、カード初期化部303、カード回収・ストック部304、を有する。
【0054】
カード発券部301は、生体認証システム10による認証/照合をもってあらかじめ登録された本人認証、例えば、従業員であることが特定できた場合には、カード発券・回収システム30のカード発券・回収機構(図示せず)により、建造物や室内へ入ることを可能とする物理的な認証キー、例えば静脈認証によるICカード(アクセス権カード)を発券する。
【0055】
アクセス権書込部302は、カード60にゲートシステム20に対してアクセスを可能とする、つまりゲートの開閉を可能とするアクセス権や日時、氏名、所属、電話番号などの情報を書き込む(
図4参照)。
【0056】
カード初期化部303は、本人が退出する場合、アクセス権カード60を、ゲートシステム20のゲート装置201のカード返却口2013に挿入すると、当該カードのアクセス権などの情報を消去し、つまり初期化フォーマットする。
【0057】
カード回収・ストック部304は、カード初期化部303により初期化したカードを回収し、リサイクル用としてストックする。
これらのカード発券、カードアクセス権書込み、カード初期化、カード回収等の処理は、上述したように入退出管理システム40と連携して行う。
【0058】
入退出管理システム40は、入出力装置401、記憶装置402、制御装置403、を有する。
【0059】
入出力装置401は、生体認証システム10からの生体認証/照合結果情報を受信し、また後述する各制御部の制御信号をネットワーク50に送信する送受信部4011を有する。
【0060】
記憶装置402は、生体認証/照合結果情報を記憶し、格納する照合履歴情報DB4021、を有する。
【0061】
制御装置403は、アクセス権書込制御部4031、カード発券制御部4032、ゲート制御部4033、カード初期化制御部4034、カード回収・ストック制御部4035、を有する。
【0062】
アクセス権書込制御部4031は、生体認証/照合部102が、本人認証ができた場合、その結果を受け、アクセス権書込部302に対して、アクセス権などの情報を初期化カードに書き込むよう制御する。
【0063】
カード発券制御部4032は、本人認証ができた場合、その結果を受け、カード発券部301に対して、アクセス権などの情報を書き込んだアクセス権カード60を発券するよう制御する。
【0064】
このアクセス権カード60は、利用者に合わせて、その都度、アクセス権などの情報を書き込んで発券することにより、カード検索の時間を短縮する。
【0065】
本人認証ができなかった場合には、アクセス権などの情報のカードへ書き込やカード発券を規制するよう制御する。
【0066】
ゲート制御部4033は、ゲートシステム20がアクセス権カードの返却を受けたとき、ゲート開閉部202に対して、ゲート2011を開閉するよう制御する。
【0067】
カード初期化制御部4034は、ゲートシステム20がカードの返却を受けたとき、カード初期化部303に対して、カードを初期化するよう制御する。
【0068】
カード回収・ストック制御部4035は、カード回収・ストック部に対して、初期化したカードを回収・ストックするよう制御する。
【0069】
図4は、個人データDBのテーブルの内容を示す図である。同図において、個人データDB103は、個人情報管理テーブルTを有し、当該テーブルは、例えば、個人情報の会社名T1、氏名T2、所属T3、住所T4、電話番号T5、及びアクセス権可否T6、アクセルレベルT7、その他Tnを示す情報を有する。
【0070】
図5は、本発明のセキュリティカードを発券する手順を示すフローチャートである。同図において、まず、従業員70が、建造物や室内に入る場合について説明する。
【0071】
従業員70は、生体認証システム10をもって、従業員であることの本人確認を行なう。生体認証システム10は、ステップS1101において、生体認証者である従業員の生体認証を行い、ステップS1102において、その生体認証を判定し、ステップS1103において、当該認証結果情報を、ネットワーク50を介して入退出管理システム40に送信する。
【0072】
入退出管理システム40は、ステップS1401において、認証結果情報を受け、本人確認ができた場合は、カード発行・回収システム30に対して、アクセス権などの情報を書込むよう制御し、ステップS1402において、ゲート装置201のゲートを開閉するよう制御する。
【0073】
カード発券・回収システム30は、ステップS1201において、これらの制御を受け、カードに初期カードへアクセス権などの情報を書込み、ステップS1202において、アクセス権などの情報を書き込んだカード60を従業員70に対して発券する。
【0074】
このとき、入退出管理システム40は、ステップS1401において、上述認証結果情報を受け、当該情報に基づきカード発券・回収システム30のアクセス権書込み部302(
図3参照)に対して、上述したアクセス権などの情報を発券するカードに書込みするよう制御し、ステップS1402において、カード発券部301(
図3参照)に対して、アクセス権カードを発券するよう制御する。
【0075】
従業員70は、ステップS1104において、このカードを受取り、ステップS1105において、ゲートシステム20のゲート装置201のカード挿入口に挿入する。
【0076】
ゲートシステム20は、ステップS1301において、カード60を読み取り、当該読み取り情報を入退出管理システム40側に送信し、ステップS1302において、入退出管理システム40からのゲート開閉制御を受けて、ゲートを開閉する。
【0077】
このとき、入退出管理システム40は、ステップS1403において、上述したカード読み取り情報を受け、当該情報に基づきゲートシステム20のゲート装置201に対して、ゲートを開閉するよう制御する。
【0078】
この処理によって、ゲート装置201は、ステップS1501において、ゲートを開き、従業員70は、ゲートを通って、建造物や室内に入ることができる。このとき、アクセス権カード60は持参する。
【0079】
次に、従業員70が室内で業務を遂行し、終了した後、建造物や室内から退出する場合について説明する。
【0080】
従業員70は、ステップS1506において、アクセス権カード60をゲート装置201のカード返却口2013に挿入し、返却する。すると、カード発券・回収システム30は、ステップS1303において、カード60を読み取り、当該読み取り情報を入退出管理システム40側に送信し、ステップS1304において、入退出管理システム40からのゲート開閉制御を受けて、ゲートを開閉する。
【0081】
このとき、入退出管理システム40は、ステップS1403において、上述したカード読み取り情報を受け、当該情報に基づきゲートシステム20のゲート装置201に対して、ゲートを開閉するよう制御する。
【0082】
この処理によって、ゲート装置201は、ステップS1507において、ゲートを開き、従業員70は、ゲートを通って、建造物や室内から退出することができる。
【0083】
また、これらの処理と併行して、カード発券・回収システム30は、入退出管理システム40からのカード回収制御(ステップS1404)、カード初期化制御(ステップS1405)を受け、ステップS1203において、返却カード口に返却されたカード60を回収し、ステップS1204において、返却カード60の内容を消去するなどのカード初期化処理を行い、ステップS1205において、当該初期化処理したカードを回収し、ストックする。
【0084】
入退出管理システム40は、ゲート装置201からカード60が返却されたこと示す情報を受けたとき、ステップS1404において、カード発券・回収システム30に対して、カードを回収するよう制御し、またステップS1405において、回収したカードを初期化するよう制御する。
これらの処理によって、カード60は、繰り返し利用することができる。
【0085】
本実施例によれば、以下のような効果を期待することができる。
認証者(従業員)は、出勤時に、個人認証し、当該認証の毎にセキュリティカードを毎回発行するようにしているため、建造物外では、セキュリティカードを持ち歩く必要がなく、手ぶらで帰宅、出張(出先)へ出向くことが可能である。
【0086】
また、従業員は、退出や帰宅時に、セキュリティカードを返却するようにしているため、出張や帰宅などの移動時に、セキュリティカードの紛失、情報漏洩などの事故を引き起こすリスクを防止することができ、セキュリティ事故抑制の価値を向上することができる。
【0087】
換言すれば、利用者に対して、カード紛失に対する不安感を払拭することができる。また、更に退職者のセキュリティカードは、一々回収する作業が省略することができ、これにより事務工数の削減が期待できる。
【0088】
また、セキュリティカードの返却(回収)時にカードを初期化することにより、セキュリティカードを繰り返し利用(リサイクル)することができ、セキュリティカードの共有化利用が可能となる。これにより、セキュリティカードの購入費の削減、棚卸工数の管理工数の削減が図れる。また、セキュリティカードを初期化することにより、保管されるカードが第三者に利用されるようなことはない。
【0089】
建造物毎の管理を変えずに適用可能であり、建造物毎にセキュリティシステムを構築する必要がない。
【0090】
入退システムを例えばクラウド化することにより、複数の拠点(建造物など)を統合することができ、係る統合システムにあっては、セキュリティレベルの統一が図ることができるのみならず、従業員の入退管理についても集約化することで維持コストの削減が図れる。
【0091】
なお、本発明は、上記した実施例限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全て構成を備えるもの限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、等の情報は、メモリやハードディスク等の記録装置に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。