特許第6151708号(P6151708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6151708
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】調理器具の制御、調整、および操作装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
   A47J27/00 109Z
   A47J27/00 109P
   A47J27/00 109L
   A47J27/00ZJG
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-539276(P2014-539276)
(86)(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公表番号】特表2014-534867(P2014-534867A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】EP2012070085
(87)【国際公開番号】WO2013064348
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年2月23日
(31)【優先権主張番号】102011085526.2
(32)【優先日】2011年10月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502241800
【氏名又は名称】ヴェーエムエフ・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペーター バルト
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス デッペ
(72)【発明者】
【氏名】マルティーン ノイマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ラインホルト フォン バンク
【審査官】 木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−130717(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102008051265(DE,A1)
【文献】 特開2008−267668(JP,A)
【文献】 特開2001−004145(JP,A)
【文献】 特開2002−089848(JP,A)
【文献】 特開平11−118156(JP,A)
【文献】 特表2009−544005(JP,A)
【文献】 特開2010−123101(JP,A)
【文献】 特表平11−504701(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02931648(FR,A1)
【文献】 特表2009−530584(JP,A)
【文献】 特開平11−118155(JP,A)
【文献】 特開2006−196208(JP,A)
【文献】 特開2009−093805(JP,A)
【文献】 特開2008−293890(JP,A)
【文献】 特開2001−343128(JP,A)
【文献】 特開2008−029837(JP,A)
【文献】 米国特許第06698923(US,B1)
【文献】 特開2002−056077(JP,A)
【文献】 特開2011−203950(JP,A)
【文献】 特開2007−128305(JP,A)
【文献】 特許第3646030(JP,B2)
【文献】 高野 哲郎、上島 紳一,調理支援システム Cooking Studio レシピのシナリオ化と調理スケジューリング手法,第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 [online],日本,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会,2004年 6月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材が投入され、熱源によって加熱される調理器具(2)の制御、調整、および操作装置(1)であって、
関連する調理器具(2)に取り付け可能な少なくとも一つの第1のユニット(3)を備え、
前記第1のユニット(3)は、第2のユニット(4)と無線通信が可能に構成されており、
前記第1のユニット(3)は、調理過程に影響を及ぼす少なくとも一つのパラメータを検出し、当該パラメータを前記第2のユニット(4)へ送信するセンサー装置(5)として構成されており、
前記第2のユニット(4)は、前記第1のユニット(3)から受信したデータを評価および処理し、関連する操作指示を表示装置(6)に表示するとともに当該関連する操作指示を前記第1のユニット(3)へ送信するように構成されており、
前記第2のユニット(4)は、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC、ページャー、またはPCとして構成されており、
前記第1のユニット(3)は、前記第2のユニット(4)から前記操作指示を受けたときに信号を発する表示器を有する
ことを特徴とする調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項2】
前記第2のユニット(4)は、RGTルール(反応速度−温度ルール)を考慮した食材固有の調理データが格納されるデータ格納部を有し、かつ/または、
前記第2のユニット(4)は、選択された食材およびRGTルールに応じて調理過程を制御/調整するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項3】
前記センサー装置(5)は、NTCまたはPTC抵抗などの少なくとも一つの温度センサー、圧力センサー、および/または充填レベルセンサーを有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項4】
前記第2のユニット(4)は、調理時間が最長の食材から始めて調理時間が次に短い食材を加える各最適タイミングを確認および表示するように構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項5】
前記第2のユニット(4)は、選択された食材の調理温度がそれぞれ異なる場合、各食材について異なる完了タイミングを表示するように構成されている、または、
前記第2のユニット(4)は、選択された食材の調理温度がそれぞれ異なる場合、調理される全食材の平均的な共通の完了タイミングを確認して表示装置に表示するように構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項6】
前記第1のユニット(3)と前記第2のユニット(4)との間の通信は、
WLAN(Wireless Local Area Network)、
ブルートゥース、
GSM(Global System for Mobile communications)、
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、
DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、
RFID(Radio Frequency IDentification)
を通じて行われる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項7】
特にRGTルール(反応速度−温度ルール)を考慮した食材固有の理想調理値が前記第2のユニット(4)に格納されており、
前記第1のユニット(3)は、調理過程に影響を及ぼす少なくとも一つの現実調理値を検出するように構成されており、
前記第2のユニット(4)は、理想/現実調理値のずれを確認および表示するように構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項8】
前記第2のユニット(4)は、確認した理想/現実調理値のずれから操作指示を判断および表示するように構成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項9】
前記表示器は、特にLEDで構成され、理想/現実調理値のずれが許容範囲を超えたときに信号を発する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【請求項10】
調理プログラムが前記第2のユニット(4)に格納されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の調理器具の制御、調整、および操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器具の制御、調整、および操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の調理をより簡単にするために、これまで多くの補助器具、例えば、タイマーおよび/または温度計などが知られている。しかし、そのようなタイマーや温度計はもっぱら個別のパラメータを測るものであり、調理過程に影響を及ぼすような他の多くのパラメータは考慮されていない。例えば、タイマーに所定の調理時間を設定した場合、タイマーに設定した時間が経過してもうまく調理できているとは限らない。なぜなら、タイマーは調理器具の内部の調理温度および/または調理される個々の食材の個別の調理データを考慮できないからである。このため、上記の補助器具を使って得られる結果は不満足であり、特に、不慣れな素人にとって調理の喜びを損ねてしまう。
【0003】
また、コンロのようなエネルギー源と無線通信することができる調理システムも普及している。そのような調理システムは、単に時間、温度および/または圧力を監視するのとは違い、コンロを制御することができ、例えば、あらかじめプログラムされた調理プログラムを実行することができる。しかし、このような調理システムの大きな欠点は、これまで美食界でのみ取り入れられてきたかなり高価で比較的厄介な技術であるということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、本発明は、調理器具の制御、調整、および操作装置を提供し、個人の領域においても調理過程を監視できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この問題は独立請求項1の主題によって解決される。従属請求項の主題は有利な実施形態である。
【0006】
本発明によって調理器具の制御、調整、および操作装置が提供される。本質的には、当該装置は、関連する調理器具に取り付け可能な少なくとも一つの第1のユニットと、それと無線通信する第2のユニットとからなる。第1のユニットは、センサー装置として構成されており、各調理器具の内部で行われる調理過程に影響を及ぼす少なくとも一つのパラメータを検出し、当該パラメータを第2のユニットへ送信することができる。これに対して、第2のユニットは、例えば、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC、ページャー、またはPCであり、第1のユニットから受信したデータを評価および処理し、第1のユニットに関連する操作指示を表示および/または送信するように構成されている。センサー装置は、例えば、温度や圧力信号をアナログ的に検出し、測定形式変換器を用いてそれをデジタル化して、例えば無線インタフェースを通じて第2のユニットに送信することができる。そして、特にスマートフォンとして構成された第2のユニットは、入力信号を処理して、例えば第2のユニットや第1のユニットの表示器に関連する操作指示を出力する。これにより、原理的には、第1のユニットと第2のユニットとの間に双方向通信が存在する。したがって、本発明に従った制御、調整、および操作装置によって、単にスマートフォンやノートPCおよびアプリと呼ばれる関連アプリケーションを用いて簡単だが効果的な方法で、調理過程を監視し、場合によっては制御することが初めて可能になる。もちろん、1個の第2のユニットを用いて複数の第1のユニットを監視することも可能である。また、関連する調理プログラムをスマートフォンなどの第2のユニットのそれぞれに格納することが好ましく、これにより、第1のユニットから受信した信号に応じて選択された関連する操作指示を判断/選択することができる。
【0007】
本発明に従ったさらに好ましい解決手段として、第2のユニットは、RGTルール(Reaktionsgeschwindigkeit-Temperatur Regel:反応速度−温度ルール)を考慮した食材固有の調理データが格納されるデータ格納部を有し、第2のユニットは、選択された食材およびRGTルールに応じて各器具における調理過程を制御/調整するように構成されている。RGTルールは食材の最適な調理にとって重要である。なぜなら、調理温度は必要な調理時間を決定づけるからである。もし調理器具内の調理温度が上昇すれば、第2のユニットは、関連プログラムおよびRGTルールに従って残りの調理時間を調整、すなわち削減することができる。
【0008】
好ましくは、第2のユニットは、調理時間が最長の食材から始めて調理時間が次に短い食材を加える各最適タイミングを確認および表示するように構成されている。例えば、スマートフォン/コンピュータなどの第2のユニットは好ましい調理温度を知っているため、好ましい各調理時間を用いて、調理器具に食材を追加する順序をあらかじめ判断することができ、調理中に第2のユニットを通じて適当な時間にユーザーに伝えることができる。これは、全食材を同時に仕上げる場合に有利であり、同時に、各食材を早めに取り出そうとして高温の水蒸気で火傷する危険性をなくすことができる。
【0009】
本発明に従ったさらに好ましい解決手段として、特にRGTルールを考慮した食材固有の理想調理値が第2のユニットのデータ格納部に格納されており、第1のユニットは、少なくとも一つの現実調理値を検出するように構成されている。理想調理値と現実調理値との比較によって、第2のユニットは、関連する操作指示を判断することができるとともにそれらをユーザーに提示することができる。好ましくは、例えばスマートフォンなどの第2のユニットは、調理器具の実際の内部温度(現実調理温度)および規定の理想調理温度に基づいて、コンロの手動制御のための助言をユーザーに提示する。これは、例えば、第2のユニットの表示装置にバーや矢印を表示することで行うことができる。矢印の長さは理想/現実調理値のずれに相関しており、さらに、矢印は、調理器具内で検出された現実調理温度が低すぎるまたは高すぎるためコンロの熱量を上げるか下げるかしなければならない状況に応じて、向きが決められて表示されるものであってもよい。したがって、関連するスマートフォン上の適当なアプリ(アプリケーション)を用いることで、調理過程の監視およびそれと同時に制御が比較的簡単になり、プロ並みに行うことができる。もちろん、ユーザーは、第2のユニットによって特定される調理値を変更または受け取る必要がある。
【0010】
本発明に係る制御、調整、および操作装置によって、第1のユニット、第2のユニット、および関連ソフトウェアを用いて調理材料管理(さまざまな食材追加タイミング)とともにRGTルールに基づいて合理的な調理残時間の計算を可能にし、調理過程を監視および制御する商品が初めて大衆市場向けに提供可能となる。
【0011】
本発明のさらに重要な特徴および利点は、従属請求項、図面、および図面を参照した関連する説明によって明らかとなる。
【0012】
なお、上記の特徴および以下に説明する特徴は、個々の決まった組み合わせだけではなく、本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、他に組み合わせたりそれ自体で利用可能である。
【0013】
本発明の好ましい実施形態を図面に示し、以下の記載において詳細に説明する。なお、同じまたは機能的に同じの要素には同じ参照符号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る制御、調整、および操作装置の概略図である。
図2図2は、第1のユニットおよび第2のユニットの概略構成図である。
図3図3は、異なる食材の異なる調理時間を調整するフロー図である。
図4図4は、第2のユニットにおける理想/現実調理温度のずれを可視化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示したように、本発明に係る、少なくとも一つの調理器具2の制御、調整、および操作装置1は、調理器具2に取り付け可能な第1のユニット3を備え、第1のユニット3は、第2のユニット4と無線通信するように構成されている。第1のユニット3は、調理過程に影響を及ぼす調理器具2の少なくとも一つのパラメータを検出し、また、そのようなパラメータを第2のユニット4へ送信するように構成されたセンサー装置5を備える。この場合の無線とは、例えば、ラジオ、WLAN、ブルートゥース、GSM、UMTS、DECT、RFIDなどである。特に、スマートフォンに限らず、ノートPC、タブレットPC、ページャー、PCなどとして構成することができる第2のユニット4は、第1のユニット3から受信したデータを評価および処理し、そこから対応する操作指示を判断または確認し、それらを対応する表示装置6に表示する、または、そのような操作指示を第1のユニット3へ無線で送信することができる。したがって、本発明に係る制御、調整、および操作装置によって、特に個人の領域において簡単かつ低コストで調理過程を監視することができる。特に、最近のスマートフォンやタブレットPCを用いることで、関連アプリケーション、いわゆるアプリを利用して食材固有のデータだけではなく調理プログラム全体を格納することができる。
【0016】
もちろん、第2のユニット4は、関連するデータ格納部にRGTルール(反応速度−温度ルール)を考慮した食材固有の調理データを格納している。この場合、選択された食材およびRGTルールに応じた調理過程を制御/調整する上記のアプリが利用される。
【0017】
センサー装置5は、NTCやPTC抵抗などの少なくとも一つの温度センサー、圧力センサー、および/または充填レベルセンサーを備える。同様に、サーモグラフィックセンサー、中心温度センサー、および/またはピエゾ原理に基づく圧力センサーなどのセンサーも利用可能である。第1のユニット3は、調理器具2の蓋7に取り外し可能に取り付けられる。
【0018】
図2を参照することで、第1のユニット3の主要な構成が理解できる。第1のユニット3は、例えばアナログ方式で温度信号を検出するセンサー装置5を備える。アナログ−デジタル変換器8(例えば、測定形式変換器)は、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、それを送信/受信装置9(例えば、無線モジュールやアンテナ)へ送信する。対応する信号がこの送信/受信装置から第2のユニット4へ無線で送信され、あるいは、そこから各操作指示が受信される。受信信号または操作指示は、表示器10(例えば、表示器やLED)
通じて表示され得る。
【0019】
さらに、第2のユニット4は、調理時間が最長の食材から始めて調理時間が次に短い食材を加える各最適タイミングを確認し、表示装置6を通じてそれを表示するように構成されている。また、調理温度がさまざまに異なる選択された食材の各完了タイミングを表示することができ、あるいは、選択された全食材について平均した共通の完了タイミングを計算してそれを表示装置6に表示することができる。
【0020】
さらに、第2のユニット4は、特にRGTルールを考慮した食材固有の調理データを理想調理値の形式で内部に保持し、第1のユニット3は、現実調理値を検出するように構成されている。そして、図4に示したように、第2のユニット4の表示装置6を通じて、理想/現実調理値のずれを表示することができる。また、第2のユニット4は、確認した理想/現実調理値のずれから対応する操作指示を導き出してそれを表示することができる。また、第2のユニット4は、所定の理想/現実調理値の範囲を逸脱したことを確認したとき、関連する信号を第1のユニット3またはコンロへ送信することもできる。
【0021】
本発明に係る制御、調整、および操作装置1を利用することで、複数の調理過程を同時に監視して、特に一つの調理器具2または複数の調理器具2内で二つ以上の食材の調理を制御することができる。個々の調理温度や処理時間は第2のユニット4が知っているため、各調理時間に基づいて各調理器具2に食材を追加する順序を前もって決定し、適当なタイミングで第2のユニット4の表示装置6を通じてユーザーに伝えることができる。これは、全食材の調理ほぼ同時に完了しようとする場合に非常に有利であり、同時に、各食材を早めに取り出そうとして高温の水蒸気で火傷する危険性を完全になくすことができる。いずれの第2のユニット4が各食材を追加するために選択されたかをよくわかるようにするために、第2のユニット4は、第1のユニット3に関連する信号を送信することもできる。これにより、例えば、LED、ブザー、または振動機構などを通じて関連する信号をユーザーに提供することができる。
【0022】
二つ以上の食材を一つの調理器具2で調理する場合、さまざまな調理温度での調理時間しか知り得ない場合がある。これは、RGTルールによって解決される。すなわち、図3に示したように、異なる食材で調理温度T1およびT2のように異なる場合、RGTルールによって、例えば調理温度T1よりも低く、調理温度T2よりも高い共通の調理温度が計算され、各食材を追加するための各タイミングが計算されて表示される。RGTルールの評価に沿って、第2のユニット4は、共通の新たな調理温度、および両食材が同時に仕上がるように食材を追加すべき各タイミングを選択することができる。
【0023】
図4は、表示装置6の表示を示す。ここでは、理想/現実調理値の比較結果のそれぞれに関連する操作指示が表示されている。例えば、確認した調理温度が低すぎる場合、それに応じた加熱を促す矢印(上向き)が表示される。矢印の長さは、理想/現実調理値のずれの程度、あるいは特に確認した理想/現実調理温度のずれに相関する。確認した調理温度Tが規定の理想調理温度TGARよりも低い場合、矢印の向きは、確認した理想/現実調理温度のずれに応じたもの、例えば、上向きとなる。一方、確認した調理温度Tが規定の調理温度TGARよりも高い場合、下向きの矢印が表示される。このように、図4は、所望の調理温度TGAR、すなわち、規定の調理温度TGARと現実の調理温度Tとの差を可視化したものである。もし規定の調理温度TGARと現時点の現実の調理温度Tとが一致すれば、互いに逆向きの二つの矢印が表示されてもよい。
【0024】
本発明に係る制御、調整、および操作装置1によって、非営利的、すなわち、美食界以外の領域においても、単にスマートフォンやタブレットPCを用いて調理過程を監視および制御することができる。
図1
図2
図3
図4