(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
パワーエレクトロニクスコンバータが日々に普及することに伴い、半導体スイッチは、幅広く使用されている。これらの半導体スイッチは、主にIGBT、MOSFET、SiC MOSFETなどを含む。半導体スイッチから構成されるパワーエレクトロニクスコンバータは、動作中に必ず損失が発生し、その中の大部分は、半導体スイッチに起因して発生するものである。
【0003】
半導体スイッチの損失は、スイッチング損失及び導通損失を含む。半導体スイッチのスイッチング損失は、半導体スイッチ駆動回路の特性及び半導体スイッチのスイッチング周波数に関連する。例えば、異なる半導体スイッチ駆動回路において、半導体スイッチのスイッチング損失も異なる。
【0004】
IGBTを例に挙げて、
図1は、一般的なIGBT駆動回路を示し、当該IGBT駆動回路は、主に、第1抵抗R1、第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q3及び駆動抵抗R
dを含む。第1抵抗R1は、駆動制御信号DSを受信した後、第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q3からなるトーテムポール増幅器に転送し、トーテムポール増幅器により増幅された信号は、駆動抵抗R
dを介してIGBT Sのオン/オフを駆動する。
図2A及び
図2Bは、駆動抵抗R
dとIGBT Sの導通損失E
on及び遮断損失E
offとの対応関係を示す。当該図からわかるように、駆動抵抗R
dが小さくなると、スイッチング速度が上昇し、遮断損失E
off及び導通損失E
onの値が小さくなる。そのため、小さい駆動抵抗R
dは、IGBTのスイッチング損失を減少することができる。
【0005】
しかしながら、実際の回路において、駆動抵抗R
dの値は、電圧ストレスにより制限される。
図3は、IGBTから構成されるハーフブリッジを示し、LCフィルタ(Lf、Cf)、直流側の第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2から構成される通常のインバータシステムは、直流側の直列接続される第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2の両端の直流電圧を交流の出力電圧Voutに変換する。図面において、Ls1、Ls2は、それぞれ主回路の寄生インダクタンスである。IGBT S1がオフの時、出力インダクタンスLfに流れる電流が急変しないため、IGBTに流れる電流は、他側のIGBT S2に逆並列に接続されるダイオードD
2を介して自然に流れ続ける。この過程において、IGBT S1及び逆並列に接続されるダイオードD
2に流れる電流のdi/dtは、ワイヤにおける寄生インダクタンスLs1及びLs2の両端に電圧V
Ls1及びV
Ls2を発生させ、ここで、V
Ls1=Ls1・di/dt,V
Ls2=Ls2・di/dtとなる。そのため、このとき、IGBT S1の電圧ストレスV
S1=V
C1+V
C2+(Ls1+Ls2)・di/dtとなる。
図4は、電圧ストレスV
S1と駆動抵抗R
dとの間の対応関係を示し、駆動抵抗R
dが小さいほど、又は電流が大きいほど、スイッチング速度(didt)が大きくなり、それに起因して電圧ストレスが大きくなる。
【0006】
図4からわかるように、550Vを電圧ストレスV
S1の制限値とし、且つIGBTがオフする最小電流値を300Aとする場合、駆動抵抗R
dは、最小値として10Ωとしかならない。
図2A及び
図2Bからわかるように、駆動抵抗R
d=10Ωの場合のE
off及びE
onは、駆動抵抗R
d=2.5Ωの場合のE
off及びE
onより格段に大きいため、この時のIGBTのスイッチング損失が大きい。
【0007】
上記分析からわかるように、あるコンバータ(インバータ及び整流器の両方を含む)システムにおいて、小さいIGBTスイッチング損失及び小さいIGBT電圧ストレスの両方を実現するには矛盾がある。実際の運用において、安全性及び信頼性等を考慮し、所定の大きさを有する電圧ストレスを満たす必要がある。すると、IGBTのスイッチング損失をある程度犠牲しなければならない。なお、IGBT以外、他の半導体スイッチにおいても、スイッチング損失の減少及び電圧ストレスの減少を実現するには矛盾があるような問題が存在する。
【0008】
図5は、従来技術における改善方案を示す。
図5は、駆動IGBTをオンするように駆動する駆動抵抗R
d(オン抵抗R
d1)とIGBTをオフするように駆動する駆動抵抗R
d(オフ抵抗R
d2)とを分離する半導体スイッチ駆動回路を示す。当該半導体スイッチ駆動回路は、オフ抵抗が比較的大きい値となる場合、オン抵抗を比較的小さくする(R
d1//R
d2)。しかしながら、当該回路によれば、IGBTの導通損失を減少できるが、IGBTの遮断損失を減少することができず、システム全体のスイッチング損失は、小さくない。
【0009】
そのため、上記欠陥をさらに改善する技術方案を提供することは、現在解決すべき問題となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、例示的な実施形態をより全面的に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実施されることができ、ここで説明する実施形態に限らないことを理解すべきである。逆に、これらの実施形態を提供することで本開示を全面的、且つ完全にし、例示的な実施形態の思想を当業者に全面的に伝える。図面において、明確にするように、領域及び層の厚さを誇張して示す。図面における同じ符号は、同等或いは相当な構造を示し、これらについて詳細な説明を省略する。
【0017】
なお、説明した特徴、構造或いは特性は、任意の適切な形態で1つ又は複数の実施例に組み合わせることができる。以下の説明において、本開示の実施例をより理解するために、多くの具体的な細部を提供する。しなしながら、当業者は、特定な細部の中の1つ又はいくつを含まずに本開示の技術方案を実現することができ、又は、他の方法、コンポーネント、材料等を採用してもよい。他の場合において、本開示の各方面を不明瞭にしてしまうことを防ぐために、周知構造、材料或いは操作を詳細に示して説明しない。
【0018】
本例示的な実施形態は、まず、半導体スイッチ駆動回路を提供する。
図6に示されるように、当該半導体スイッチ駆動回路は、コンバータシステムA1に適用される。当該コンバータシステムA1は、主に、主回路モジュール及び制御回路モジュールを含む。主回路モジュールは、入力側部分1、出力側部分3及び半導体スイッチ部分2を含む。本例示的な実施形態において、主回路モジュールは、インバータ回路、整流器回路、DC/DC変換回路又はAC/AC変換回路である。入力側部分1及び出力側部分3は、主に、コンデンサ及びインダクタンス等の受動素子を含み、半導体スイッチ部分2は、少なくとも1つの半導体スイッチを含む。入力側部分1は、入力信号を受信し、半導体スイッチのスイッチング動作により入力信号を必要となる信号に変換した後に当該信号を出力する。制御回路モジュールは、主に、半導体スイッチをオン又はオフするように半導体スイッチにスイッチ駆動信号を提供するための半導体スイッチ駆動回路20を含む。
【0019】
本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路は、主に、サンプリングユニット201、判定選択ユニット202及び駆動ユニット203を含む。駆動ユニット203は、少なくともオン駆動ユニット203a及びオフ駆動ユニット203bを含み、オフ駆動ユニット203bは、互いに異なるオフパラメータを有する少なくとも2つ以上のオフ駆動ユニットを含む。
図6に示されるように、オフ駆動ユニット203bは、互いに異なるオフパラメータを有する第1オフ駆動ユニット203b1及び第2オフ駆動ユニット203b2を含む。
【0020】
サンプリングユニット201は、サンプリング電流ISなどの、半導体スイッチの動作状態を反映するためのサンプリング信号をサンプリングする。サンプリングユニット201は、サンプリング電流ISを判定選択ユニット202に出力し、ここでのサンプリング電流ISは、半導体スイッチの電流信号であってもよく、回路におけるコンデンサやインダクタンス等の受動素子の電流信号であってもよく、しかし、これらに限定されない。判定選択ユニット202は、駆動制御信号DS、サンプリング電流IS及び少なくとも1つのリファレンス値Refを受信する。駆動制御信号DSが第1制御信号であると、判定選択ユニット202は、サンプリング電流IS及びリファレンス値Refに基づいて、半導体スイッチの動作状態を判定し、半導体スイッチの動作状態に基づいて、オフパラメータが判定した動作状態に合致するオフ駆動ユニットを1つ選択し、半導体スイッチをオフする。例えば、第1オフ駆動ユニット203b1と第2オフ駆動ユニット203b2とは、異なるオフ速度を有し、本例示的な実施形態において、判定選択ユニット202は、サンプリング電流ISが大きいほど、オフ速度が遅いオフ駆動ユニットを選択し、又は、サンプリング電流ISが小さいほど、オフ速度が速いオフ駆動ユニットを選択するように配置される。なお、駆動制御信号DSが第2制御信号であると、判定選択ユニット202は、オン駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオンする。
【0021】
上記半導体スイッチ駆動回路において、互いに異なるオフパラメータを有する複数のオフ駆動ユニットを設けて、半導体スイッチの動作状態を取得し、半導体スイッチの動作状態に基づいて、オフパラメータが半導体スイッチの動作状態に合致するオフ駆動ユニットを選択して半導体スイッチをオフし、これにより、比較的小さいスイッチング損失を得て、システムの効率を高めるとともに、システムの安全特性を高め、システムの信頼性を向上させる。
【0022】
上記オフパラメータは、オフ駆動ユニットのオフ抵抗、オフ電圧及びオフ電流などであり、以下、それぞれについてさらに例を挙げて説明する。
【0023】
例示的な実施形態1
本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路のオフパラメータをオフ駆動ユニットのオフ抵抗とすることを例に挙げて、駆動制御信号DSが第1制御信号であると、判定選択ユニットは、オフ抵抗が判定した動作状態に合致するオフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。例えば、オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニット及び第2オフ駆動ユニットを含み、第1オフ駆動ユニットのオフ抵抗が第2オフ駆動ユニットのオフ抵抗より大きく、判定選択ユニットがリファレンス値及びサンプリング電流を受け取った後、リファレンス値とサンプリング電流とを比較し、サンプリング電流がリファレンス値より大きいと、判定選択ユニットは、第1オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフし、一方、サンプリング電流がリファレンス値以下であると、判定選択ユニットは、第2オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。以下、
図7から
図12を参照しながら、詳細に説明する。
【0024】
図7に示されるように、半導体スイッチ駆動回路は、インバータ回路に適用される。インバータ回路の主回路モジュールの入力側部分1は、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2を備え、第1コンデンサC1の第1端が第2コンデンサC2の第1端に結合される。主回路モジュールの半導体スイッチ部分2は、第1半導体スイッチS1及び第2半導体スイッチS2から構成されるハーフブリッジスイッチング回路を含む。第1半導体スイッチS1の入力端は、第1コンデンサC1の第2端に結合され、第1半導体スイッチS1の制御端は、半導体スイッチ駆動回路から出力されたスイッチ駆動信号を受信し、第2半導体スイッチS2の出力端は、第2コンデンサC2の第2端に結合され、第2半導体スイッチS2の制御端は、半導体スイッチ駆動回路から出力されたもう1つのスイッチ駆動信号(図示しない)を受信する。主回路モジュールの出力側部分3は、出力インダクタンスLf及び第1出力コンデンサC1を含む。出力インダクタンスLfの第1端は、第1半導体スイッチS1の出力端及び第2半導体スイッチS2の入力端に結合され、出力インダクタンスLfの第2端は、1つの出力ポートに結合され、第1出力コンデンサC1の第1端は、出力インダクタンスLfの第2端に結合され、第1出力コンデンサC1の第2端は、グランドに接続される。図面において、Ls1及びLs2は、ワイヤの寄生インダクタンスである。インバータ回路の主回路モジュールは、直列接続される第1コンデンサC1と第2コンデンサC2の両端の直流電圧を交流の出力電圧Voutに変換する。
【0025】
説明すべきことは、本例示的な実施形態におけるハーフブリッジスイッチング回路の構造は、インバータ回路に適用されるが、DC変換回路等のほかの回路に適用されてもよい。例えば、主回路モジュールの入力側部分1の第1コンデンサC1と第2コンデンサC2の両端に印加されたのが直流電圧であり、且つ出力側部分3から直流電圧を出力する場合、当該回路は、降圧型DC/DC変換回路である。勿論、フルブリッジ回路トポロジーにおいても、3レベル回路トポロジー等のほかの回路トポロジーにおいても、本例示的な実施形態に係る半導体スイッチ駆動回路を適用してもよい。第1半導体スイッチS1及び第2半導体スイッチS2は、MOSFETスイッチ、IGBTスイッチ、BJTスイッチ又は複数のMOSFETスイッチ、IGBTスイッチやBJTスイッチにより直列/并列接続されるスイッチの中の1種類又は数種類を含み、ここで、MOSFETは、Si Mosfetであってもよく、例えば、SiC MOSFET,GaN Mosfet等の禁止帯の広い半導体材料などのほかの材料により製造されたMosfetであってもよく、本例示的な実施形態において、これらを特に限定しない。
【0026】
続いて、
図7を参照し、当該インバータ回路の制御回路モジュールは、本例示的な実施形態に係る半導体スイッチ駆動回路を含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、主に、サンプリングユニット201、判定選択ユニット202及び駆動ユニット203を含み、駆動ユニット203は、第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット及びオン駆動ユニットを含む。
【0027】
ここで、サンプリングユニット201は、CT(Current transformer)、ホール素子或いはロゴスキーコイルなどの電流サンプリング素子を含む。これら以外、サンプリング抵抗を直列接続する等の方法を採用してサンプリングしてもよく、さらに、サンプリング素子両端の電圧降下による方法を採用してサンプリングしてもよい。
【0028】
例えば、本例示的な実施形態において、サンプリングユニット201は、ホール素子H、第1サンプリング抵抗R
s1、第1整流ダイオードD
s1、第2サンプリング抵抗R
s2及び第2整流ダイオードD
s2を含む。ホール素子Hは、サンプリングノードの電流を検出し、第1サンプリング抵抗R
s1の第1端は、ホール素子Hの第1端に結合され、第1サンプリング抵抗R
s1の第2端は、グランドに接続され、第1整流ダイオードD
s1の入力端は、第1サンプリング抵抗R
s1の第1端に結合され、第1整流ダイオードD
s1の出力端は、判定選択ユニット202に結合され、第2サンプリング抵抗R
s2の第1端は、ホール素子Hの第2端に結合され、第1サンプリング抵抗R
s1の第2端は、グランドに接続され、第2整流ダイオードD
s2の入力端は、第2サンプリング抵抗R
s2の第1端に結合され、第2整流ダイオードD
s2の出力端は、判定選択ユニット202に結合される。本例示的な実施形態において、サンプリングノードは、主回路モジュールの出力ポートに位置し、本開示の他の例示的な実施形態において、サンプリングノードは、主回路モジュールの他の位置に設けられてもよい。サンプリングユニット201のホール素子Hは、出力電流ioをサンプリングしてサンプリング電流信号とする。サンプリング電流信号は、まず第1サンプリング抵抗R
s1及び第2サンプリング抵抗R
s2を介して第1整流ダイオードD
s1及び第2整流ダイオードD
s2に到着し、さらに第1整流ダイオードD
s1及び第2整流ダイオードD
s2により整流され、その後、サンプリング電流ISが得られる。
【0029】
判定選択ユニット202は、第1コンパレータU1及び第1ANDゲートU3を含む。第1コンパレータU1の入力端は、サンプリング電流IS及びリファレンス値Refを受信し、サンプリング電流ISとリファレンス値Refとの比較結果に基づいて、比較信号を出力する。例えば、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより小さいと、第1コンパレータU1は、ハイレベルの比較信号を出力し、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより大きいと、第1コンパレータU1は、ローレベルの比較信号を出力する。第1ANDゲートU3の入力端は、比較信号を受信し、もう1つの入力端は、駆動制御信号DSを受信し、第1ANDゲートU3が受信した信号に対して「AND」演算した後に第2スイッチング素子Q3の制御端へ信号v
3を出力する。本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路は、さらに、第1NOTゲートU5を含み、第1NOTゲートU5の入力端が初期制御信号DOを受信し、第1NOTゲートU5が初期制御信号DOに対して「NOT」演算した後に上記駆動制御信号DSを出力する。
【0030】
第1オフ駆動ユニットは、第1スイッチング素子Q1及び第1オフ抵抗R
off1を含む。第1スイッチング素子Q1の入力端は、ローレベルの端子−Veeに結合され、第1スイッチング素子Q1の制御端は、駆動制御信号DSを受信するとともに、駆動制御信号DSが第1制御信号であると、第1スイッチング素子Q1をオンし、第1オフ抵抗R
off1の第1端は、第1スイッチング素子Q1の出力端に結合され、第1オフ抵抗R
off1の第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。本例示的な実施形態において、当該半導体スイッチ駆動回路のスイッチング素子は、MOSFETスイッチ、IGBTスイッチ及びBJTスイッチ等の中の1種類又は数種類を含み、ここで、MOSFETスイッチは、Si Mosfetスイッチ、SiC MOSFETスイッチ或いはGaN Mosfetスイッチ等を含む。
【0031】
第2オフ駆動ユニットは、第1スイッチング素子Q1、第1オフ抵抗R
off1、第2スイッチング素子Q3及び第2オフ抵抗R
off2を含む。第2スイッチング素子Q3の入力端は、ローレベルの端子−Veeに結合され、第2スイッチング素子Q3の制御端は、判定選択ユニット202から出力された信号を受信し、それに基づいて、第2スイッチング素子Q3をオン又はオフし、第2オフ抵抗R
off2の第1端は、第2スイッチング素子Q3の出力端に結合され、第2オフ抵抗R
off2の第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。理解すべきことは、本例示的な実施形態において、第2オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニットの一部のアセンブリを共用するが、ほかの例示的な実施形態において、第1オフ駆動ユニットと第2オフ駆動ユニットは、それぞれ独立の回路であってもよい。
【0032】
使用の場合、駆動制御信号DSが第1制御信号であり、且つハイレベルであると、第1スイッチング素子Q1をオンする。また、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより大きいと、第1コンパレータU1から出力された比較信号がローレベルであり、第1ANDゲートU3からローレベル信号を出力するため、第2スイッチング素子Q3がオフになり、この時、第1オフ駆動ユニットが動作し、オフ抵抗がR
off1となる。サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Ref以下であると、第1コンパレータU1から出力された比較信号がハイレベルであり、第1ANDゲートU3からハイレベル信号を出力し、第2スイッチング素子Q3をオンするように駆動し、このとき、第2オフ駆動ユニットが動作し、等価オフ抵抗が第1オフ抵抗R
off1と第2オフ抵抗R
off2と並列接続された後に得られた抵抗となる。以上の制御によれば、第1オフ駆動ユニットが動作する場合にも第2オフ駆動ユニットが動作する場合にも、半導体スイッチS1の制御端の電圧がプルダウンされるため、半導体スイッチS1がオフになる。
【0033】
オン駆動ユニットは、第4スイッチング素子Q7及びオン抵抗R
onを含む。第4スイッチング素子Q7の入力端は、ハイレベル端子+Vccに結合され、第4スイッチング素子Q7の制御端は、駆動制御信号DSを受信する。オン抵抗R
onの第1端は、第4スイッチング素子Q7出力端に結合され、オン抵抗R
onの第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。使用の場合、駆動制御信号DSが第2制御信号であり、且つローレベルであると、第4スイッチング素子Q7をオンし、オン駆動ユニットが動作し、オン抵抗がR
onとなる。このとき、半導体スイッチS1の制御端の電圧は、プルアップされるため、半導体スイッチS1がオンになる。
【0034】
図8を参照し、半導体スイッチS1をオフする操作を例として、図面に示したA動作モードにおいて、サンプリング電流ISがリファレンス値Refより小さいと、第1ANDゲートU3から出力された信号がハイレベル信号となり、第1半導体スイッチS1のオフ抵抗が1つの比較的小さい抵抗値R
off1//R
off2となる。これにより、良好なスイッチング損失特性を得ることができる。サンプリング電流ISがリファレンス値Refより大きいと、第1ANDゲートU3から出力された信号がローレベル信号であり、第1半導体スイッチS1のオフ抵抗が1つの比較的大きい抵抗値R
off1であり、これにより、第1半導体スイッチS1の電圧ストレスが要求を満たすことを保証できる。図面に示したB動作モードにおいて、サンプリング電流ISは、終始リファレンス値Refより小さく、第1ANDゲートU3から出力された信号は、終始ハイレベル信号であり、第1半導体スイッチS1のオフ抵抗は、終始1つの比較的小さい抵抗値R
off1//R
off2である。これにより、本例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動回路は、コンバータシステムが半導体スイッチの電圧ストレスを満たした上で、システムの効率を向上させることができる。これからわかるように、本例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動回路において、半導体スイッチのオフ抵抗の変更は、ラインサイクル(line cycle)に基づく変更であり、スイッチ周期内にオフ抵抗を快速に切り替えることに比べて、信頼性が高い。
【0035】
図9は、本例示的な実施形態におけるインバータ回路のもう1つの実施形態を示す模式図である。当該実施形態において、サンプリングユニット201のサンプリングノードは、出力インダクタンスLfの第2端と第1出力コンデンサC1の第1端との間に位置し、サンプリング電流ISが出力インダクタンスLfの電流i
Lfであり、当該回路のほかの部分が
図7におけるインバータ回路と同様であり、ここでは繰り返し説明しない。なお、本開示のほかの例示的な実施形態において、サンプリング電流ISは、半導体スイッチに流れる電流であってもよく、本例示的な実施形態において、これを特に限定しない。
【0036】
図10は、
図9に示した出力インダクタンスLfに流れる電流と第1ANDゲートU3から出力された信号との間の関係を示す。出力インダクタンスLfの電流i
Lfがリファレンス値Refより小さいと、第1ANDゲートU3から出力された信号v
3がハイレベル信号となり、第1半導体スイッチS1のオフ抵抗が比較的小さい抵抗値R
off1//R
off2となり、これにより、良好なスイッチング損失特性を得ることができる。出力インダクタンスLfの電流i
Lfがリファレンス値Refより大きいと、第1ANDゲートU3から出力された信号v
3がローレベル信号となり、第1半導体スイッチS1のオフ抵抗が比較的大きい抵抗値R
off1となり、これにより、第1半導体スイッチS1の電圧ストレスが要求を満たすことを保証できる。
図10からわかるように、出力インダクタンスLfの電流i
Lfには高周波のリップルが存在し、それぞれA箇所とB箇所において、1つのスイッチ周期内に第1ANDゲートU3から出力された信号v
3がハイレベル/ローレベルの切替を現す。A箇所において、第1ANDゲートU3から出力された信号v
3は、短時間にハイレベルになるが、この時間帯内に実際のオフ動作がしないため、当該短時間内のR
off1//R
off2が実際に現れなかった。同様に、B箇所の短時間内のR
off1も実際に現れなかった。そのため、実際に、オフ抵抗は、相変わらずラインサイクルの周波数で切り替わる。
【0037】
第1ANDゲートU3から出力された信号が高周波のリップルに影響されてスイッチ周期内に切り替わることを回避するために、ヒステリシスの方法により判定することができる。出力インダクタンスLfの電流にフィルタをかけて、その中の高周波リップルを除いて、
図8に示したサンプリング電流ISに類似する波形を取得した後に判定を行うことができ、これにより、適切なオフ抵抗を選び取ることができる。
【0038】
図11は、本例示的な実施形態におけるインバータ回路のもう1つの実施形態を示す模式図である。当該実施形態において、当該インバータ回路の主回路モジュールは、3レベルトポロジー構造であり、具体的には、ダイオードのNPC(Neutral−Point−Clamped)型3レベルトポロジーである。当該インバータ回路の主回路モジュールは、第1ブリッジレグ及び第2ブリッジレグを含む。第1ブリッジレグは、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2とが直列接続されることにより構成され、インバータ回路の主回路モジュールの入力側部分1となる。第2ブリッジレグは、第1半導体スイッチS1、第2半導体スイッチS2、第3半導体スイッチS3及び第4半導体スイッチS4が順番に直列接続されることにより構成され、当該インバータ回路の主回路モジュールは、さらに、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2を含み、第1ダイオードD1のカソードは、第1半導体スイッチS1と第2半導体スイッチS2との接続点に結合され、第1ダイオードD1のアノードは、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2との接続点に結合され、第2ダイオードD2のアノードは、第3半導体スイッチS3と第4半導体スイッチS4との接続点に結合され、第2ダイオードD2のカソードは、第1ダイオードD1アノード及び第1コンデンサC1と第2コンデンサC2との接続点に結合される。第1半導体スイッチS1、第2半導体スイッチS2、第3半導体スイッチS3、第4半導体スイッチS4、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2は、主回路モジュールの半導体スイッチ部分2を構成する。当該インバータ回路の主回路モジュールは、さらに、出力インダクタンスLf及び第1出力コンデンサC1を含み、これらは、出力側部分3を構成する。出力インダクタンスLfの第1端は、第2半導体スイッチS2と半導体スイッチとの接続点に結合され、第1出力コンデンサC1の第1端は、出力インダクタンスLfの第2端及び出力ポートに結合され、第1出力コンデンサC1の第2端は、グランドに接続される。図面におけるLs1、Ls2及びLs3は、ワイヤの寄生インダクタンスである。
【0039】
図7及び
図9に示したハーフブリッジスイッチング回路に比べて、
図11に示した3レベル回路は、定格電圧のより低い半導体スイッチを採用するため、より良好な損失特性を取得する。当該回路の他の部分は、
図9に示したインバータ回路と同様であり、ここでは繰り返し説明しない。なお、本開示のほかの例示的な実施形態において、3レベルトポロジー構造は、例えば、アクティブNPC型の3レベルトポロジーやT型の3レベルトポロジー等であってもよく、本例示的な実施形態において、これらを特に限定しない。
【0040】
図12に示されるように、半導体スイッチ駆動回路は、整流器回路に適用され、図面は、UPS等なの電源装置においてよく使用される、入力を整流するための主パワー回路を示す。当該整流器回路の主回路モジュールは、第1ブリッジレグ、第2ブリッジレグ、第1インダクタンスLf1、第2インダクタンスLf2、交流電源AC、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第1出力コンデンサC1及び第2出力コンデンサC2を含む。第1ブリッジレグは、第1SCRT1と第2SCRT2とが直列接続されることにより構成され、第2ブリッジレグは、第1半導体スイッチS1と第2半導体スイッチS2とが直列接続されることにより構成され、第1インダクタンスLf1は、第1SCRT1と第1半導体スイッチS1との間に直列接続され、第2インダクタンスLf2は、第2SCRT2と第2半導体スイッチS2との間に直列接続され、交流電源ACの第1端は、第1SCRT1と第2SCRT2との接続点に結合され、交流電源ACの第2端は、第1半導体スイッチS1と第2半導体スイッチS2との接続点に結合され、第1ダイオードD1のアノードは、第1インダクタンスLf1と第1半導体スイッチS1との接続点に結合され、第2ダイオードD2のカソードは、第2インダクタンスLf2と第2半導体スイッチS2との接続点に結合され、第1出力コンデンサC1の第1端は、第1ダイオードD1のカソードに結合され、第2出力コンデンサC2の第1端は、第1ダイオードD1のアノードに結合され、第2出力コンデンサC2の第2端は、第1出力コンデンサC1の第2端及び第1半導体スイッチS1と第2半導体スイッチS2との接続点に結合される。図面において、Ls1、Ls2、Ls3及びLs4は、ワイヤの寄生インダクタンスである。上記第1インダクタンスLf1及び第2インダクタンスLf2は、主回路モジュールの入力側部分1を構成し、第1出力コンデンサC1及び第2出力コンデンサC2は、主回路モジュールの出力側部分3を構成する。第1半導体スイッチS1、第1ダイオードD1、第2半導体スイッチS2及び第2ダイオードD2は、主回路モジュールの半導体スイッチ部分2を構成する。交流電源ACの正半周期の電圧は、第1SCRT1により整流された後に、第1インダクタンスLf1に印加され、負半周期の電圧は、第2SCRT2により整流された後に、第2インダクタンスLf2に印加される。第1インダクタンスLf1、第1半導体スイッチS1及び第1ダイオードD1は、昇圧力率改善(boost PFC)回路を構成し、交流電源ACの正半周期の電圧について力率改善機能を果し、第2インダクタンスLf2、第2半導体スイッチS2及び第2ダイオードD2は、昇圧力率改善回路を構成し、交流電源ACの負半周期の電圧について力率改善機能を果す。第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2は、直流側の電圧リップルを減少するためのフィルタコンデンサである。
【0041】
続いて、
図12を参照し、当該整流器回路の制御回路モジュールは、本例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動回路を含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、主に、サンプリングユニット201、判定選択ユニット202及び駆動ユニット203を含み、駆動ユニット203は、第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット及びオン駆動ユニットを含む。
【0042】
サンプリングユニット201は、CT、ホール素子或いはロゴスキーコイルなどの電流サンプリング素子を含む。これら以外、サンプリング抵抗を直列接続する等の方法を採用してサンプリングしてもよく、さらに、サンプリング素子両端の電圧降下による方法を採用してサンプリングしてもよい。
【0043】
例えば、本例示的な実施形態において、サンプリングユニット201は、ホール素子H及び第1サンプリング抵抗R
s1を含む。ホール素子Hは、サンプリングノードの電流を検出し、ホール素子Hの第1端は、グランドに接続され、第2端は、判定選択ユニット202に結合され、第1サンプリング抵抗R
s1は、ホール素子Hの第1端と第2端との間に並列接続される。本例示的な実施形態において、サンプリングユニット201のサンプリングノードは、第1SCRT1と第1インダクタンスLf1との間、又は第2SCRT2と第2インダクタンスLf2との間に位置し、本開示のほかの例示的な実施形態において、サンプリングノードは、主回路モジュールの他の位置に設けられてもよい。サンプリングユニット201におけるホール素子Hは、第1インダクタンスLf1の電流をサンプリングして、サンプリング電流ISとし、第1インダクタンスLf1の電流が直流信号であるため、整流する必要がない。サンプリング電流ISは、下記判定選択ユニット202の第1コンパレータU1の1つの入力端に入力され、第1コンパレータU1によりリファレンス値Refと比較する。判定選択ユニット202及び駆動ユニットの構造及び動作原理は、
図9に示したものに類似するため、ここでは繰り返し説明しない。
【0044】
説明すべきことは、本例示的な実施形態に係る整流器回路は、他の回路トポロジーを採用してもよい。第1半導体スイッチS1及び第2半導体スイッチS2は、MOSFETスイッチ、IGBTスイッチ、BJTスイッチ又は複数のMOSFETスイッチ、IGBTスイッチやBJTスイッチにより直列/并列接続されるスイッチの中の1種類又は数種類を含み、ここで、MOSFETは、Si Mosfetであってもよく、例えば、SiC MOSFET、GaN Mosfet等の禁止帯の広い半導体材料などのほかの材料により製造されたMosfetであってもよく、本例示的な実施形態において、これらを特に限定しない。
【0045】
例示的な実施形態2
本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路のオフパラメータをオフ駆動ユニットのオフ電流とすることを例にあげて、駆動制御信号が第1制御信号であると、判定選択ユニットは、オフ電流が判定した動作状態に合致するオフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。例えば、オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニット及び第2オフ駆動ユニットを含み、第1オフ駆動ユニットのオフ電流が第2オフ駆動ユニットのオフ電流より小さく、判定選択ユニットがリファレンス値及びサンプリング電流を受け取った後、リファレンス値とサンプリング電流とを比較し、サンプリング電流がリファレンス値より大きいと、第1オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフし、サンプリング電流がリファレンス値以下であると、第2オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。以下、
図13を参照しながら、より詳細に説明する。
【0046】
図13に示されるように、半導体スイッチ駆動回路は、インバータ回路に適用される。当該インバータ回路の主回路モジュールは、例示的な実施形態1におけるインバータ回路の主回路モジュールの構造に類似する。当該インバータ回路の制御回路モジュールは、本例示的な実施形態に係る半導体スイッチ駆動回路を含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、主に、サンプリングユニット201、判定選択ユニット202及び駆動ユニット203を含み、駆動ユニット203は、第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット及び1つのオン駆動ユニットを含む。
【0047】
サンプリングユニット201は、CT、ホール素子或いはロゴスキーコイルなどの電流サンプリング素子を含むことができる。これら以外、サンプリング抵抗を直列接続する等の方法を採用してサンプリングしてもよく、さらに、サンプリング素子両端の電圧降下による方法を採用してサンプリングしてもよい。サンプリングユニット201によりサンプリングされたサンプリング電流ISは、下記判定選択ユニット202の第1コンパレータU1の1つの入力端に入力され、第1コンパレータU1によりリファレンス値Refと比較される。本例示的な実施形態において、サンプリングユニット201の実施形態は、例示的な実施形態1のものに類似するため、ここでは説明を省略する。
【0048】
判定選択ユニット202は、第1コンパレータU1及び第1ANDゲートU3を含む。第1コンパレータU1の入力端は、サンプリング電流IS及びリファレンス値Refを受け取り、サンプリング電流ISとリファレンス値Refとの比較結果に基づいて、第1比較信号を出力する。例えば、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより小さいと、第1コンパレータU1は、ハイレベルの第1比較信号を出力し、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより大きいと、第1コンパレータU1は、ローレベルの第1比較信号を出力する。第1ANDゲートU3は、その1つの入力端が第1比較信号を受信し、そのもう1つの入力端が駆動制御信号DSを受信し、受信した信号に対して「AND」演算した後に第2スイッチング素子Q3の制御端1つの信号を出力する。本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路は、さらに、第1NOTゲートU5を含み、第1NOTゲートU5の入力端が初期制御信号DOを受信し、第1NOTゲートU5が初期制御信号DOに対して「NOT」演算した後に上記駆動制御信号DSを出力する。
【0049】
第1オフ駆動ユニットは、第1スイッチング素子Q1及び第1オフ抵抗R
off1を含む。第1スイッチング素子Q1の入力端は、ローレベルの端子−Veeに結合され、第1スイッチング素子Q1の制御端は、駆動制御信号DSを受信するとともに、第1オフ抵抗R
off1の第1端は、第1スイッチング素子Q1の出力端に結合され、第1オフ抵抗R
off1の第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。本例示的な実施形態において、当該半導体スイッチ駆動回路のスイッチング素子は、MOSFETスイッチ、IGBTスイッチ及びBJTスイッチ等の中の1種類又は数種類を含み、ここで、MOSFETスイッチは、Si Mosfetスイッチ、SiC MOSFETスイッチ或いはGaN Mosfetスイッチ等を含む。
【0050】
第2オフ駆動ユニットは、第1スイッチング素子Q1、第1オフ抵抗R
off1、結合コンデンサC3、第1抵抗R1、第2コンパレータU2、第2抵抗R2及び第2スイッチング素子Q3を含む。結合コンデンサC3の第1端は、判定選択ユニット202から出力された信号を受信し、第1抵抗R1の第1端は、結合コンデンサC3の第2端に結合され、第1抵抗R1の第2端は、グランド端に結合され、第2コンパレータU2の入力端は、それぞれ、第1抵抗R1の第1端及びグランド端に接続され、第1抵抗R1の第1端の電位と第1抵抗R1のグランド端の電位との比較結果に基づいて、第2比較信号を出力し、第2抵抗R2の第1端は、ローレベルの端子−Veeに結合され、第2スイッチング素子Q3の入力端は、第2抵抗R2の第2端に結合され、第2スイッチング素子Q3の出力端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合され、第2スイッチング素子Q3の制御端は、第2比較信号を受信し、これに基づいて、第2スイッチング素子Q3をオン又はオフする。理解すべきことは、本例示的な実施形態において、第2オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニットの一部のアセンブリを共用するが、ほかの例示的な実施形態において、第1オフ駆動ユニットと第2オフ駆動ユニットは、それぞれ独立の回路であってもよい。
【0051】
使用の場合、駆動制御信号DSが第1制御信号であり、且つハイレベルであると、第1スイッチング素子Q1をオンする。また、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより大きいと、第1コンパレータU1から出力された比較信号がローレベルであり、第1ANDゲートU3からローレベル信号を出力するため、第2スイッチング素子Q3がオフになり、この時、第1オフ駆動ユニットが動作し、第1半導体スイッチS1をオフする。サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Ref以下であると、第1ANDゲートU3がハイレベル信号を出力し、第1抵抗R1両側の電圧が瞬時に上昇するため、第2コンパレータU2がハイレベル信号を出力し、第2スイッチング素子Q3をオンするように駆動し、1つの電流源idcを得られ、ここで、idc=(Vcc−Vee−0.7V)/R2(0.7Vは第2スイッチング素子Q3の閾値電圧)、ここでのオフ電流は、第1オフ駆動ユニットのオフ電流にidcを加えることで得られたもので、オフ電流が増加し、第1半導体スイッチS1のオフ速度が増加し、第1半導体スイッチS1の遮断損失を減少した。上記過程において、一定の時間後、第1ANDゲートU3の出力端がまだハイレベル信号であっても、第1抵抗R1の両側の電圧がゼロになり、結合コンデンサC3で第1ANDゲートU3から出力されたハイレベルを保持するため、第2コンパレータU2がローレベル信号を出力し、第2スイッチング素子Q3をオフするように駆動し、電流源idcが切出されてオフ駆動ユニットはオフになる。
【0052】
オン駆動ユニットは、第4スイッチング素子Q7及びオン抵抗R
onを含む。第4スイッチング素子Q7の入力端は、ハイレベル端子+Vccに結合され、第4スイッチング素子Q7の制御端は、駆動制御信号DSを受信し、オン抵抗R
onの第1端は、第4スイッチング素子Q7の出力端に結合され、オン抵抗R
onの第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。使用の場合、駆動制御信号DSが第2制御信号であり、且つローレベルである場合、第4スイッチング素子Q7がオンになり、半導体スイッチS1の制御端の電圧がプルアップされ、第1半導体スイッチS1がオンになる。
【0053】
説明すべきことは、本例示的な実施形態の半導体スイッチ駆動回路は、インバータ回路に適用されるが、直流変換回路等の他の回路に適用されることができ、本例示的な実施形態において、これらを特に限定しない。
【0054】
例示的な実施形態3
本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路のオフパラメータをオフ駆動ユニットのオフ電圧とすることを例とすると、判定選択ユニットは、オフ電圧が判定した動作状態に合致するオフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。例えば、オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニット及び第2オフ駆動ユニットを含み、第1オフ駆動ユニットのオフ電圧が第2オフ駆動ユニットのオフ電圧より低いと、判定選択ユニットは、リファレンス値及びサンプリング電流を受信した後、リファレンス値とサンプリング電流とを比較し、サンプリング電流がリファレンス値より大きいと、第1オフ駆動ユニットを選択して半導体スイッチをオフし、サンプリング電流がリファレンス値以下であると、第2オフ駆動ユニットを選択して半導体スイッチをオフする。以下、
図14を参照しながらより詳細に説明する。
【0055】
図14に示されるように、半導体スイッチ駆動回路は、インバータ回路に適用される。当該インバータ回路の主回路モジュールは、例示的な実施形態1のインバータ回路の主回路モジュール構造に類似する。当該インバータ回路の制御回路モジュールは、本例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動回路を含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、主に、サンプリングユニット201、判定選択ユニット202及び駆動ユニット203を含み、駆動ユニット203は、第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット及び1つのオン駆動ユニットを含む。
【0056】
サンプリングユニット201は、CT、ホール素子或いはロゴスキーコイルなどの電流サンプリング素子を含む。これら以外、サンプリング抵抗を直列接続する等の方法を採用してサンプリングしてもよく、さらに、サンプリング素子両端の電圧降下による方法を採用してサンプリングしてもよい。サンプリングユニット201によりサンプリングされたサンプリング電流ISは、下記判定選択ユニット202の第1コンパレータU1の1つの入力端に入力され、第1コンパレータU1によりリファレンス値Refと比較される。本例示的な実施形態において、サンプリングユニット201の実施形態は、例示的な実施形態1のものに類似し、ここでは説明を省略する。
【0057】
判定選択ユニット202は、第1コンパレータU1、第1NOTゲートU5、第1ANDゲートU3及び第2ANDゲートU4を含む。第1コンパレータU1の入力端は、サンプリング電流IS及びリファレンス値Refを受信し、サンプリング電流ISとリファレンス値Refとの比較結果に基づいて、比較信号を出力し、例えば、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより小さいと、第1コンパレータU1は、ハイレベルの比較信号を出力し、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより大きいと、第1コンパレータU1は、ローレベルの比較信号を出力する。第1NOTゲートU5の入力端は、比較信号を受信し、受信した信号に対して「AND」演算した後に1つの信号を出力する。第1ANDゲートU3の入力端は、駆動制御信号DS及び第1NOTゲートU5から出力された信号を受信し、受信した信号に対して「AND」演算した後に第1スイッチング素子Q1の制御端に第1信号を出力する。第2ANDゲートU4の入力端は、駆動制御信号DS及び比較信号を受信し、受信した信号に対して「AND」演算した後に第2スイッチング素子Q3の制御端に第2信号を出力する。本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路は、さらに、第2NOTゲートU6を含み、第2NOTゲートU6の入力端は、初期制御信号DOを受信し、第2NOTゲートU6が初期制御信号DOに対して「NOT」演算した後に上記駆動制御信号DSを出力する。
【0058】
第1オフ駆動ユニットは、第1スイッチング素子Q1及び第1オフ抵抗R
off1を含む。第1スイッチング素子Q1の入力端は、第1ローレベルの端子−Vee1に結合され、第1スイッチング素子Q1の制御端は、判定選択ユニット202から出力された第1信号を受信し、第1オフ抵抗R
off1の第1端は、第1スイッチング素子Q1の出力端に結合され、第1オフ抵抗R
off1の第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。本例示的な実施形態において、当該半導体スイッチ駆動回路のスイッチング素子は、MOSFETスイッチ、IGBTスイッチ及びBJTスイッチ等の中の1種類又は数種類を含み、ここで、MOSFETスイッチは、Si Mosfetスイッチ、SiC MOSFETスイッチ或いはGaN Mosfetスイッチ等を含む。
【0059】
第2オフ駆動ユニットは、第1オフ抵抗R
off1及び第2スイッチング素子Q3を含む。第2スイッチング素子Q3の入力端は、第2ローレベルの端子−Vee2に結合され、第2スイッチング素子Q3の出力端は、第1オフ抵抗R
off1の第1端に結合され、第2スイッチング素子Q3の制御端は、判定選択ユニット202から出力された第2信号を受信する。理解すべきことは、本例示的な実施形態において、第2オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニットの一部のアセンブリを共用するが、ほかの例示的な実施形態において、第1オフ駆動ユニットと第2オフ駆動ユニットは、それぞれ独立の回路であってもよい。
【0060】
使用の場合、サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Refより大きいと、第1コンパレータU1から出力された比較信号がローレベルであり、そのため、第1ANDゲートU3及び第2ANDゲートU4のそれぞれの1つの入力端に入力された信号は、それぞれハイレベル及びローレベルである。また、駆動制御信号DSが第1制御信号であり、かつハイレベルである場合、第1ANDゲートU3と第2ANDゲートU4のそれぞれのもう1つの入力端に入力された信号は、いずれもハイレベルである。このとき、第1ANDゲートU3から出力された第1信号がハイレベルであり、第2ANDゲートU4から出力された第2信号がローレベルであり、そのため、第1スイッチング素子Q1がオンし、第2スイッチング素子Q2がオフし、第1オフ駆動ユニットは、第1オフ抵抗R
off1と第1オフ電圧(即ち、第1ローレベルの端子−Vee1の電圧)で第1半導体スイッチS1をオフする。サンプリング電流ISの絶対値がリファレンス値Ref以下であると、全体のフローが逆になり、そのとき、第2スイッチング素子Q2がオンになり、第1スイッチング素子Q1がオフになり、第2オフ駆動ユニットは、第1オフ抵抗R
off1と第2オフ電圧(即ち、第2ローレベルの端子−Vee2の電圧)で第1半導体スイッチS1をオフする。本例示的な実施形態において、第2ローレベルの端子Vee2の電圧値が第1ローレベルの端子Vee1の電圧値より大きいように設定することで、出力電流が小さいときに、オフ速度を上昇し、スイッチング損失を減少し、一方、出力電流が大きいときに、オフ速度を減少し、電圧ストレスの要求を満たす。
【0061】
オン駆動ユニットは、第4スイッチング素子Q7及びオン抵抗R
onを含む。第4スイッチング素子Q7は、その入力端がハイレベル端子+Vccに結合され、その制御端が駆動制御信号DSを受信し、オン抵抗R
onの第1端は、第4スイッチング素子Q7の出力端に結合され、オン抵抗R
onの第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。使用の場合、駆動制御信号DSが第2制御信号であり、且つローレベルであると、第4スイッチング素子Q7がオンになり、半導体スイッチS1の制御端の電圧がプルアップされ、第1半導体スイッチS1がオンになる。
【0062】
説明すべきことは、本例示的な実施形態の半導体スイッチ駆動回路は、インバータ回路に適用されるが、直流変換回路等の他の回路に適用されることができ、本例示的な実施形態において、これらを特に限定しない。
【0063】
例示的な実施形態4
上記例示的な実施形態において、2つのオフ駆動ユニットを含む。理解すべきことは、多くのオフ駆動ユニットを含んでもよい。本例示的な実施形態において、オフ駆動ユニットのオフ電圧を半導体スイッチ駆動回路のオフパラメータとし、オフ駆動ユニットが第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット及び第3オフ駆動ユニットを含むことを例に挙げて、判定選択ユニットは、オフ電圧が判定した動作状態に合致するオフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。例えば、第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット及び第3オフ駆動ユニットのオフ電圧が順番に上昇し、判定選択ユニットは、第1リファレンス値及び第1リファレンス値より大きい第2リファレンス値を受信し、それらをサンプリング電流ISと比較し、サンプリング電流ISが第2リファレンス値より大きいと、第1オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフすることができ、サンプリング電流ISが第1リファレンス値より大きく、かつ第2リファレンス値以下であると、第2オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフし、サンプリング電流ISが第1リファレンス値以下であると、第3オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。以下、
図15を参照しながら、より詳細に説明する。
【0064】
図15に示されるように、半導体スイッチ駆動回路は、インバータ回路に適用される。当該インバータ回路の主回路モジュールは、例示的な実施形態1のインバータ回路の主回路モジュール構造に類似する。当該インバータ回路の制御回路モジュールは、本例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動回路を含み、当該半導体スイッチ駆動回路は、主に、サンプリングユニット201、判定選択ユニット202及び駆動ユニット203を含み、駆動ユニット203は、第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット、第3オフ駆動ユニット及び1つのオン駆動ユニットを含む。
【0065】
サンプリングユニット201は、CT、ホール素子或いはロゴスキーコイルなどの電流サンプリング素子を含む。これら以外、サンプリング抵抗を直列接続する等の方法を採用してサンプリングしてもよく、さらに、サンプリング素子両端の電圧降下による方法を採用してサンプリングしてもよい。サンプリングユニット201によりサンプリングされたサンプリング電流ISは、下記判定選択ユニット202のAD(アナログ/デジタル)変換器U7の1つの入力端に入力され、コンパレータによりリファレンス値と比較される。本例示的な実施形態は、例示的な実施形態1のものに類似し、ここでは説明を省略する。
【0066】
第1オフ駆動ユニットは、第1スイッチング素子Q1及び第1オフ抵抗R
off1を含む。第1スイッチング素子Q1の入力端は、第1ローレベルの端子−Vee1に結合され、第1スイッチング素子Q1の制御端は、判定選択ユニット202から出力された第1信号を受信し、第1オフ抵抗R
off1の第1端は、第1スイッチング素子Q1出力端に結合され、第1オフ抵抗R
off1の第2端は、第1半導体スイッチS1の制御端に結合される。本例示的な実施形態において、当該半導体スイッチ駆動回路のスイッチング素子は、MOSFETスイッチ、IGBTスイッチ及びBJTスイッチ等の中の1種類又は数種類を含み、ここで、MOSFETスイッチは、Si Mosfetスイッチ、SiC MOSFETスイッチ或いはGaN Mosfetスイッチ等を含む。
【0067】
第2オフ駆動ユニットは、第1オフ抵抗R
off1及び第2スイッチング素子Q3を含む。第2スイッチング素子Q3の入力端は、第2ローレベルの端子−Vee2に結合され、本例示的な実施形態において、第2ローレベルの端子−Vee2の電位が第1ローレベルの端子−Vee1の電位より高い。第2スイッチング素子Q3の出力端は、第1オフ抵抗R
off1の第1端に結合され、第2スイッチング素子Q3の制御端は、判定選択ユニット202から出力された第2信号を受信し、それに基づいて、第2スイッチング素子Q3をオン或いはオフする。理解すべきことは、本例示的な実施形態において、第2オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニットの一部のアセンブリを共用するが、ほかの例示的な実施形態において、第1オフ駆動ユニットと第2オフ駆動ユニットは、それぞれ独立の回路であってもよい。
【0068】
第3オフ駆動ユニットは、第1オフ抵抗R
off1及び第3スイッチング素子Q5を含む。第3スイッチング素子Q5の入力端は、第3ローレベルの端子−Vee3に結合され、本例示的な実施形態において、第3ローレベルの端子−Vee3の電位が第2ローレベルの端子−Vee2の電位より高い。第3スイッチング素子Q5の出力端は、第1オフ抵抗R
off1の第1端に結合され、第3スイッチング素子Q5の制御端は、判定選択ユニット202から出力された第3信号を受信し、それに基づいて、第3スイッチング素子Q5をオン或いはオフする。理解すべきことは、本例示的な実施形態において、第3オフ駆動ユニットは、第1オフ駆動ユニットと第2オフ駆動ユニットの一部のアセンブリを共用するが、ほかの例示的な実施形態において、第1オフ駆動ユニット、第2オフ駆動ユニット及び第3オフ駆動ユニットは、それぞれ独立の回路であってもよい。
【0069】
判定選択ユニット202は、AD変換器U7及びデジタルコントローラU8を含む。AD変換器U7の入力端は、サンプリング電流ISを受信し、サンプリング電流ISをAD変換した後、1つのデジタル信号を出力する。デジタルコントローラU8の入力端は、それぞれ駆動制御信号DS及びサンプリング電流ISを受信し、受信したデジタル信号を加えて演算処理を行った後に、第1スイッチング素子Q1の制御端に第1信号En1を出力し、或いは、第2スイッチング素子Q3の制御端に第2信号En2を出力し、或いは、第3スイッチング素子Q5の制御端に第3信号En3を出力する。ほかの例示的な実施形態において、デジタルコントローラU8は、アナログ回路素子で取り替えられてもよく、ここでは説明を省略する。本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動回路は、さらに、第1NOTゲートU5を含み、第1NOTゲートU5の入力端は、初期制御信号DOを受信し、第1NOTゲートU5は、が初期制御信号DOに対して「NOT」演算した後に上記駆動制御信号DSを出力する。
【0070】
使用の場合、デジタルコントローラU8は、サンプリング電流ISの内部に設定された2つの異なるリファレンス値と比較し、本例示的な実施形態において、リファレンス値は、第1リファレンス値及び第2リファレンス値を含み、第1リファレンス値が第2リファレンス値より小さい。比較結果、サンプリング電流ISが第2リファレンス値より大きいと、デジタルコントローラU8は、例えば、ハイレベルの第1信号を第1スイッチング素子Q1の制御端に出力し、第1スイッチング素子Q1をオンするように駆動し、第1オフ電圧(即ち、第3ローレベルの端子−Vee1の電圧)で第1半導体スイッチS1をオフする。比較結果、サンプリング電流ISが第2リファレンス値より小さく、且つ第1リファレンス値より大きいと、デジタルコントローラU8に例えばハイレベルの第2信号第2スイッチング素子Q3の制御端を出力し、第2スイッチング素子Q3をオンするように駆動し、第2オフ電圧(即ち、第2ローレベルの端子−Vee2の電圧)で第1半導体スイッチS1をオフする。比較結果、サンプリング電流ISが第1リファレンス値より小さいと、デジタルコントローラU8は、例えばハイレベルの第3信号を第3スイッチング素子Q5の制御端に出力し、第3スイッチング素子Q5をオンするように駆動し、第3オフ電圧(即ち、第3ローレベルの端子−Vee3の電圧)で第1半導体スイッチS1をオフする。
【0071】
説明すべきことは、本例示的な実施形態の半導体スイッチ駆動回路は、インバータ回路に適用されるが、直流変換回路等の他の回路に適用されることができる。本例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動回路において、オフパラメータは、オフ電圧であるが、オフ抵抗、オフ電流等のほかのオフパラメータであってもよい。なお、本例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動回路は、3種類のオフ駆動ユニットを備えるが、実際の応用において、3種類以上のオフ駆動ユニットまで拡張してもよく、本例示的な実施形態において、これらを全て特に限定しない。
【0072】
例示的な実施形態5
本例示的な実施形態において、半導体スイッチ駆動方法を提供し、当該半導体スイッチ駆動方法は、
図6から
図15に示した互いに異なるオフパラメータを有する複数のオフ駆動ユニット及び1つのオン駆動ユニットを含む半導体スイッチ駆動回路に適用される。
図16を参照し、当該半導体スイッチ駆動方法は、以下のステップを含む。
【0073】
S10.半導体スイッチの動作状態を反映できるサンプリング電流をサンプリングする。ほかの例示的な実施形態において、さらに、サンプリングすることにより得られた電流に対して整流等の処理を行い、サンプリング電流を取得するステップを含む。
【0074】
S12.1つの駆動制御信号及び1つ又は複数のリファレンス値を受信する。
【0075】
S14.駆動制御信号が第1制御信号であるか、又は第2制御信号であるかを判定し、駆動制御信号が第1制御信号であると、ステップS16に進み、駆動制御信号が第2制御信号であると、ステップS18に進む。
【0076】
S16.サンプリング電流及びリファレンス値に基づいて、半導体スイッチの動作状態を判定し、オフパラメータが判定した動作状態に合致するオフ駆動ユニットを1つ選択し、1つの半導体スイッチをオフする。
【0077】
S18.オン駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオンする。
【0078】
半導体スイッチ駆動回路のオフ速度が順次に遅くなる第1オフ駆動ユニットないし第Mオフ駆動ユニットを備える場合、オフパラメータが判定した動作状態に合致するオフ駆動ユニットを1つ選択し、1つの半導体スイッチをオフするステップは、
サンプリング電流と順次に高くなる第1リファレンス値ないし第M−1リファレンス値とを比較し、
サンプリング電流が第1リファレンス値以下であると、第1オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフするステップ、
サンプリング電流が第N(1≦N≦M−1)リファレンス値より大きく、かつ第N+1リファレンス値以下であると、第N+1オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフするステップ、
サンプリング電流が第M−1リファレンス値より大きいと、第Mオフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフするステップの1つを実行するステップを含む。
【0079】
図17は、上記M=3、且つステップS12において、駆動制御信号が第1制御信号であると、半導体スイッチ駆動方法の一実施形態のフローを示す模式図である。当該半導体スイッチ駆動方法は、以下のステップを含む。
【0080】
S101.半導体スイッチの動作状態を反映できる電流信号をサンプリングする。
【0081】
S102.ステップS101において、サンプリングすることにより得られた電流信号が直流信号であるか否かを判定する。
【0082】
直流信号ではないと、ステップS103に進み、直流信号であると、ステップS104に進む。
【0083】
S103.ステップS101において、サンプリングすることにより得られた電流信号を整流し、整流後の電流信号の絶対値をサンプリング電流とする。
【0084】
S104.ステップS101において、サンプリングすることにより得られた電流信号の絶対値をサンプリング電流とする。
【0085】
S141.サンプリング電流が第2リファレンス値より大きいか否かを判定する。
【0086】
サンプリング電流が第2リファレンス値より大きいと、ステップS142に進み、サンプリング電流が第2リファレンス値以下であると、ステップS143に進む。
【0087】
S142.第3オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。第3オフ駆動ユニットは、遅いオフ速度を有するため、大きい電流が流れる時に半導体スイッチの電圧ストレスの要求を満たすことを保証できる。
【0088】
S143.サンプリング電流が第1リファレンス値より大きいか否かを判定する。
【0089】
サンプリング電流が第1リファレンス値より大きいと、ステップS144に進み、サンプリング電流が第1リファレンス値以下であると、ステップS145に進む。
【0090】
S144.第2オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。第2オフ駆動ユニットのオフ速度が適切であるため、小さい遮断損失を保証すると共に、半導体スイッチの電圧ストレスの要求を満たすことができる。
【0091】
S145.第1オフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフする。第1オフ駆動ユニットは、早いオフ速度を有するため、遮断損失をさらに減少するとともに、半導体スイッチの電圧ストレスの要求を満たすことができる。
【0092】
上記例示的な実施形態における半導体スイッチ駆動方法について、各ステップが操作を実行する具体的な形態は、すでに該当する半導体スイッチ駆動回路の例示的な実施形態の実施例において、詳細に説明したため、ここでは詳しく説明しない。
【0093】
上記をまとめて、本開示は、互いに異なるオフパラメータを有する複数のオフ駆動ユニットを設けて、半導体スイッチの動作状態を取得し、さらに、半導体スイッチの動作状態に基づいて、オフパラメータが半導体スイッチの動作状態に合致するオフ駆動ユニットを選択し、半導体スイッチをオフすることにより、小さいスイッチング損失を得て、システムの効率を高めるとともに、システムの安全特性を高め、システムの信頼性を向上させる。
【0094】
本開示は、上記関連する実施例で説明したが、上記実施例は、本開示を実施する例示的なものにすぎない。説明すべきことは、公開された実施例は、本開示の範囲を制限しない。逆に、本開示の思想及び範囲を逸脱しない限りに行った変更及び修飾は、すべて本開示の特許保護範囲に含まれる。