(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法であって、前記第2のLISバーコードは前記第1のLISバーコードと同一である、又は前記第2の専用バーコードは前記第1の専用バーコードと同一である、方法。
請求項1に記載の方法であって、前記スライドをスキャンする間に前記LISバーコードをスキャンするステップは、前記スライドに添付されている間に前記LISバーコードの画像を取得するステップを含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
バーコードは符号化又は埋め込みされたデータを含む。バーコードリーダーはバーコードをスキャンして埋め込みされたデータに変換する。このデータには、例えば英数字又はその他の文字の文字列が含まれ得る。
図1に示すLISバーコードの場合、埋め込みされたデータは、文字、数字、及び/又はその他の文字の文字列を含み得る(例えば「SX08−12345;S123;coz」)。
図2に示すVentana(商標)バーコードの場合、埋め込みされたデータは数字列を含む(例えば「025522」)。本明細書ではVentana(商標)染色装置又はバーコードを参照して実施形態を説明するが、開示されるシステム及び方法は、染色装置又はバーコードの特定のブランドに限定されないことに留意されたい。むしろ、開示されるシステム及び方法は、染色装置又はバーコードのいかなるブランドでも、また、その他の種類のシステム及び符号化でも、用いることができる。
【0012】
データコレクション
一の実施形態によれば、バーコードリーダーは、専用バーコードラベル(例えばVentana(商標)バーコード)が通常、スライドに取り付けられる(例えば、既にスライドに貼付されたLISバーコードラベルに重ねて貼る)際に提供される。例えば、バーコードリーダーは専用バーコードプリンターの隣に備えられる。バーコードリーダーは、任意の慣用のバーコード読み取りシステムを含み得る。例えば、レーザーを使ってバーコードを読み取るワンドを含み得る。別法として、バーコードリーダーは、例えばカメラ又はその他の光学観察装置を用いてバーコードの画像をキャプチャする撮像装置、又は撮像装置を含む装置内に存在するアプリケーション、を含み得る。バーコードリーダーは当該技術において周知であり、携帯電話やタブレット等の消費者機器において広く見られる。バーコード読み取りの具体的な実装は開示される実施形態の本質的要素ではないため、本明細書では詳述しない。
【0013】
Ventana(商標)又はその他の染色システムを含む染色ステーションにスライドが到着した際、スライドには既にLISバーコードが取り付けられているのが一般的である。技術者はVentana(商標)又はその他の専用ソフトウェアでデータを入力し、Ventana(商標)又はその他の専用バーコードを生成する。この時点で、専用バーコードの取り付けに先立って、LISバーコードと専用バーコードの両方が、技術者にとって利用可能かつアクセス可能になる。したがって、一の実施形態によれば、技術者はバーコードリーダーを用いてLISバーコードと専用バーコードの両方を、逐次又は同時に読み取る。
【0014】
バーコードリーダーは、例えば1又は複数のアプリケーション・プログラミングインターフェース(API)を経由して、ソフトウェアアプリケーションへ通信可能に接続され得る。アプリケーションはバーコードリーダーから、LISバーコード及び専用バーコードそれぞれの埋め込みされたデータを受信する。アプリケーションは、コンピュータのモニター等のディスプレイ装置に表示されるユーザーインターフェース生成し得る。例えば、アプリケーションは中央処理装置(CPU)、メモリ、及びディスプレイを含むコンピュータシステム上にインストールされていてよい。コンピュータは、1以上のデータベースへのアクセスを含む、ネットワークへのアクセスを有し得る。コンピュータシステムは更に、バーコードワンド又は撮像装置を含み得るか、又はこれらと連動し得て、バーコード読み取りアプリケーション又は変換アプリケーションを実行し得る。コンピュータはまた、バーコードラベルプリンターを含み得るか、又はこれと連動し得る。コンピュータ又はアプリケーションは、専用染色装置又はバーコードプリンターに近接して設置され得る。
【0015】
アプリケーションは、ユーザーインターフェースを通じて、どのバーコードがLISバーコードでどれがVentana又はその他の専用バーコードかを指定するよう技術者に促しうる。別法として、アプリケーションがどのバーコードがどれであるかを自動的に決定可能であってもよい。例えば、LISバーコード及び専用バーコードは異なる形式(例えば二次元と三次元)を用い得る、もしくは、異なる形式(例えば、異なる長さ、許容される文字、模様、等)の埋め込みされたデータを含み得るため、アプリケーションは、ユーザーの介入なしに、この2種類のバーコードを識別可能であり得る。アプリケーションは、2種類のバーコードを識別するための予め決められた規則を格納又はそれらにアクセスし得る。これらの規則はシステムの操作者によって設定可能又は選択可能であり得る。
【0016】
図4は、一実施形態に係るユーザーインターフェースの例を示す図である。ユーザーインターフェースは、LISバーコードに関連付けられたボックスの隣にカーソルを配置(またはボックスにフォーカスを配置)するか、もしくはユーザーにLISバーコードをスキャンするよう示し得る。ユーザー(例えば組織学技術者)は、その後バーコードワンド又はその他のバーコードリーダーを用いてLISバーコードをスキャンでき、ユーザーインターフェースはボックス内に、スキャンされたLISバーコードの値を表示し得る。LISバーコードのスキャン後、ユーザーインターフェースは専用バーコードに関連付けられたボックスの隣にカーソルを配置(またはボックスにフォーカスを配置)するか、もしくはユーザーに専用バーコードをスキャンするよう示し得る。別法として、ユーザーインターフェースはユーザーが入力(ボックス)を選択するまで待機するか、またはユーザーが専用バーコードをスキャンできるようになったことを示し得る。ユーザーはその後、バーコードリーダーを用いて専用バーコードをスキャンでき、ユーザーインターフェースはボックス内に、スキャンされた専用バーコードの値を表示し得る。一の実施形態において、ユーザーは、印刷するラベルの枚数を指定しうる。
【0017】
ラベル印刷
アプリケーションは、2つのバーコードに埋め込みされたデータを受信(例えば、バーコード読み取りアプリケーションから)し、対応する印刷用バーコードを生成する。生成されたバーコードは、形式及び/又は符号化方式が、スキャンされた元のバーコードと同一又は異なり得る。別法として、アプリケーションはスキャンされたバーコードのデジタル画像を受信し、バーコードを復号する必要なく、これらのデジタル画像を複合ラベルに印刷し得る。
【0018】
ユーザーの操作(例えば、ユーザーインターフェース上の「印刷」ボタンの押下)を受けて、アプリケーションは複合バーコードラベル(又は、複数枚のラベルの印刷が可能な実施形態においては、指定された数の複合バーコードラベル)の印刷を開始し得る。アプリケーションはバーコードラベルプリンターと連動して、プリンターに印刷用画像又はデータを送信することで印刷を開始し得る。
【0019】
図3に示されるとおり、複合バーコードラベルは2つのバーコードを含み得る。一方のバーコードはLISバーコードからのデータの符号化を含む。他方のバーコードは専用バーコードからのデータの符号化を含む。
【0020】
データルックアップ
一実施形態によれば、Aperio(登録商標)ScanScope(登録商標)スライドスキャナー又はその他のスキャナーを含み得るデジタル病理スキャニングステーションにスライドが到着すると、スキャナーは複合バーコードラベル上のLISバーコードをスキャンできる。LISバーコードは、スキャナーがスライド上の試料(例えば組織試料)をスキャンする際にスキャンされても良いし、スライド上の試料のスキャンの前又は後に別にスキャンされても良い。続いて、デジタル病理スライドスキャナーのメモリ上に格納され得るバーコード読み取りモジュール又はアプリケーションは、LISバーコードに埋め込みされたデータを抽出できる。例えば、モジュールはLISバーコードを文字列へと復号し得る。
【0021】
デジタル病理スライドスキャナーは、1以上のデータベースへのネットワークアクセスを有し得る。このように、デジタル病理スライドスキャナーのメモリ上に存在し、スライドスキャナーのプロセッサにより実行されるバーコード読み取りモジュール又はその他のモジュール又はアプリケーションは、スライドスキャナーが接続されている1以上のネットワークを通じて上記1以上のデータベースに問い合わせを行うことができる。例えばモジュールは、LISバーコードから復号されたデータをキーとして用いて、1以上のネットワークを通じてデータベースに問い合わせを行い得る。このようにして、LISバーコードデータは、スライドに関する更なる情報を取得するのに用いることができる。例えば、この情報は、LISバーコード内に符号化される値に関連付けられる複数のデータを格納するLISデータベースから取得され得る。このデータは、スライド試料に関連付けられる(スライド試料のソースを成す)患者についての情報を含み得る。別法として、又は付加的に、データは、スライドに有益に関連付けられ得る任意の他の情報を含み得る。
【0022】
実施形態の例
図5は、一実施形態によるデータコレクションとデータルックアップの工程を図示する。未染色の資料を含み、LISバーコードでラベル付けされたスライドは、染色ステーションへ運ばれる。ステップ1において、コンピュータシステムに取り付けられたバーコードワンド又はその他のバーコードリーダーを用いてLISバーコードがスキャンされる。例えば、バーコードワンドは組織学技術者又はその他のユーザーによって操作され得る。LISバーコードの値は復号され、コンピュータシステム上のメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、非揮発性メモリ等)に格納されるか、別法として、バーコードのデジタル画像がメモリに格納される。ある時点で、このスライドと共に用いられるべき専用バーコード(例えばVentana(商標)バーコード)が(例えばスライド染色装置によって)生成される。ステップ2において、バーコードワンドを用いてVentana(商標)バーコードがスキャンされる。Ventana(商標)バーコードの値は復号され、コンピュータシステム上のメモリに格納されるか、別法として、バーコードのデジタル画像がメモリに格納される。
【0023】
ステップ3において、組織学技術者は、LISバーコードと専用バーコードの両方を含む新しい複合バーコードラベルを印刷し、この複合バーコードラベルをスライドに貼付する。スライドは染色されるか、もしくは、複合バーコードラベル上の専用バーコードを用いてVentana(商標)又はその他の専用システムによって処理される。続いてスライドはデジタル病理スキャニングステーションに運ばれてデジタル化される。
【0024】
ステップ4において、スキャニングステーションでLISバーコードが読み取られる。例えば、LISバーコードは、スライド上の試料と共に、デジタル病理スライドスキャニングシステムによってデジタル化され、その後スライドスキャニングシステムのバーコード読み取りモジュールによって復号され得る。
【0025】
ステップ5において、デジタル病理スライドスキャニングシステムによってLISバーコードから取得された値は、リクエスト又は問い合わせ内のパラメータとして、LIS情報を格納するサーバーへ送信される。問い合わせを受けて、サーバーはLIS値をキーとして用いて、関連付けられたLIS情報を取得し得る。サーバーはその後、患者データ又はその他の情報を含み得るLIS情報をスライドスキャナーへ返し得る。加えて、スライドをスキャンすることで得られるデジタルスライド画像は、LISバーコード又はLIS情報に関連付けられ得る。
【0026】
スライドスキャニングシステムの例
図6は、開示されるデジタル病理スキャナーとして用いることのできるデジタル病理スライドスキャナー11の例を図示する。ラインスキャンカメラと18して、一次撮像センサーと、1又は複数のフォーカシングセンサーが(例えば、ビームスプリッターと連動して)配置され得る。撮像センサーと1又は複数のフォーカシングセンサーは、顕微鏡対物レンズ16及び/又は集束光学系34を通じて試料12からの画像情報を受信できる。更に、データプロセッサ20に情報を提供及び/又はデータプロセッサ20から情報を受信できる。データプロセッサ20は、メモリ36とデータストレージ38とに通信可能に接続される。データプロセッサ20は更に、1以上のネットワーク42によって1以上のコンピュータ44に接続され得る通信ポートに通信可能に接続され得て、該1以上のコンピュータ44は1又は複数のディスプレイモニター46に接続され得る。
【0027】
データプロセッサ20は更に、デジタル病理スライドスキャナー11の電動ステージ14を制御するステージコントローラー22に通信可能に接続され、これに命令を提供し得る。電動ステージ14は試料12を支持し、X−Y平面上を1以上の方向に移動する。データプロセッサ20は更に、圧電ポジショナー24を制御する圧電コントローラ26に通信可能に接続され、これに命令を提供し得る。圧電ポジショナー24は、対物レンズ16をZ方向に移動するよう構成される。デジタル病理スライドスキャナー11は更に、試料12を上又は下から照らす光源30及び/又は照明光学系32を含む。
【0028】
図7は、
図6のデジタル病理スライドスキャナー11の更なる実施形態を図示する。デジタル病理スキャナー11は、ラインスキャンカメラ18(上述のとおり撮像センサーと1又は複数のフォーカシングセンサーを含む)に加えて、エリアスキャンカメラ56を含み得る。エリアスキャンカメラ56は、エリアスキャンカメラ集束光学系54を通じて画像情報を受信し得て、データプロセッサ20と通信するよう構成され得る。ビームスプリッター52が、対物レンズ16の光軸に沿って挿入され、画像ビームを、ラインスキャンカメラ18とエリアスキャンカメラ56とに向かう別々の光路に分割し得る。
【0029】
デジタル病理スキャナー11は更に、蛍光フィルターキューブ50及び/又は電動ノーズピース62等の追加の要素を含み得る。電動ノーズピース62は、ノーズピースコントローラー64によって制御され得て、ノーズピースコントローラー64はデータプロセッサ20と通信し得る。更に、データプロセッサ20は、光源30及び/又は照明光学系32に通信可能に接続され得て、これらを制御し得る。一実施形態において、デジタル病理スキャナー11は更に、ローカルディスプレイモニター58と入力デバイス60(例えばキーボード及び/又はマウス)とを含み得る。
【0030】
図8は、本明細書に記載する様々な実施形態と共に用いられ得る有線又は無線システム550の例を示すブロック図である。例えば、システム550は、1又は複数の上述の機構又は工程として、もしくはこれらと共に、用いられ得て、バーコードワンド又はその他のバーコードリーダー、デジタル病理スキャナー11、及び/又は本明細書に記載されるその他の装置、の要素を表し得る。システム550は、有線又は無線データ通信が可能な、サーバー又は任意の従来型パーソナルコンピューター、もしくはプロセッサにより稼動されるその他任意の装置であってよい。当業者には明白になるであろうとおり、その他のコンピュータシステム及び/又はアーキテクチャーも用いられ得る。
【0031】
システム550は、プロサッサ560等の1以上のプロセッサを含むことが好ましい。入力/出力を管理する補助プロセッサ、不動点演算を行う補助プロセッサ、信号処理アルゴリズムの高速実行に適したアーキテクチャーを有する特殊な用途のマイクロプロセッサ(例えばデジタル信号プロセッサ)、主処理システムに従属するスレーブプロセッサ(例えばバックエンドプロセッサ)、デュアル又は複数プロセッサシステム用の追加のマイクロプロセッサ又はコントローラ、もしくはコプロセッサ等の追加のプロセッサが設けられ得る。このような補助プロセッサは個別のプロセッサでもよいし、プロセッサ560に統合されてもよい。システム550で用いられ得るプロセッサの例としては、カリフォルニア州サンタクララのIntel社が販売するPentium(登録商標)プロセッサ、Core i7(登録商標)プロセッサ、及びXeon(登録商標)プロセッサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
プロセッサ560は通信バス555に接続されていることが好ましい。通信バス555は、システム550内の、ストレージとその他の周辺機器との間の情報転送を容易にするデータチャネルを含み得る。通信バス555は更に、データバス、アドレスバス、及び制御バス(図示せず)を含むプロセッサ560との通信に使われる信号のセットを提供し得る。通信バス555は、Industry Standard Architecture(ISA)、Extended Industry Standard Architecture(EISA)、Micro Channel Architecture(MCA)、Peripheral Component Interconnect(PCI)Local Bus、もしくは、Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE)により公開される、IEEE 488汎用インターフェイスバス(GPIB)やIEEE 696/S−100をはじめとする標準、等に準拠するバスアーキテクチャー等の、任意の標準又は非標準バスアーキテクチャーを含み得る。
【0033】
システム550はメインメモリ565を含むことが好ましく、更に二次メモリ570を含み得る。メインメモリ565は、上述の1又は複数の機能及び/又はモジュールのような、プロセッサ560上で実行されるプログラム向けの命令及びデータの格納を提供する。なお、メモリに格納されプロセッサ560によって実行されるプログラムは、C/C++、Java(登録商標)、JavaScript、Perl、Visual Basic、.NET等を含むがこれらに限定されない任意の適切な言語で記述され、コンパイルされ得る。メインメモリ565は、典型的には、Dynamic Random Access Memory(DRAM)及び/又はStatic Random Access Memory(SRAM)のような半導体メモリである。その他の種類の半導体メモリとしては、例えば、synchronous Dynamic Random Access Memory(SDRAM)、Rambus Dynamic Random Access Memory(RDRAM)、Ferroelectric Random Access Memory(FRAM)等が挙げられ、Read Only Memory(ROM)もこれに含まれる。
【0034】
二次メモリ570は、任意で、内蔵メモリ575及び/又は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、デジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブ、その他の光学ドライブ、フラッシュメモリドライブ等のリムーバブルメディア580を含み得る。リムーバブルメディア580は、周知の方法で読み書き可能である。リムーバブルストレージメディア580は、例えば、フロッピーディスク、磁気テープ、CD、DVD、SDカード等であり得る。
【0035】
リムーバブルストレージメディア580は、コンピュータ実行可能コード(例えばソフトウェア)及び/又はデータを格納している非一時的コンピュータ読み取り可能媒体である。リムーバブルストレージメディア580に格納されたコンピュータソフトウェア又はデータは、プロセッサ560によって実行されるために、システム550に読み込まれる。
【0036】
別の実施形態において、二次メモリ570は、コンピュータプログラム又はその他のデータ又は命令がシステム550にロードされることを可能にするその他の同様の手段を含み得る。このような手段として、例えば、外付けストレージメディア595及びインターフェイス590が挙げられる。外付けストレージメディア595の例としては、外付けハードディスクドライブ又は外付け光学ドライブ、もしくは外付け光磁気ドライブが挙げられる。
【0037】
二次メモリ570のその他の例としては、Programmable Read−only Memory(PROM)、Erasable Programmable Readonly Memory(EPROM)、Electrically Erasable Read−Only Memory(EEPROM)、又はフラッシュメモリ(EEPROMと同様のブロック指向メモリ)等の半導体メモリが挙げられる。また、ソフトウェアとデータとが外付けメディア595からシステム550へ転送されることを可能にする、その他の任意のリムーバブルストレージメディア580及び通信インターフェイス590もこれに含まれる。
【0038】
システム550は通信インターフェイス590を含み得る。通信インターフェイス590はソフトウェアとデータとが、システム550と外部装置(例えばプリンター)、ネットワーク、又は情報ソースとの間で転送されることを可能にする。例えば、コンピュータソフトウェア又は実行可能コードが、ネットワークサーバーから通信インターフェイス590を経由してシステム550に転送され得る。通信インターフェイス590の例としては、内蔵ネットワークアダプター、ネットワークインターフェイスカード(NIC)、Personal Computer Memory Card International Association(PCMCIA)ネットワークカード、カードバスネットワークアダプター、無線ネットワークアダプター、Universal Serial Bus(USB)ネットワークアダプター、モデム、ネットワークインターフェイスカード(NIC)、無線データカード、通信ポート、赤外線インターフェイス、IEEE 1394 FireWire、又は、システム550をネットワーク又はその他のコンピューティング装置に接続することが可能なその他の装置が挙げられる。
【0039】
通信インターフェイス590は、Ethernet IEEE 802標準、Fiber Channel、デジタル加入者回線(DSL)、非対称デジタル加入者回線(ADSL)、フレームリレー、非同期転送モード(ATM)、統合サービスデジタル通信網(ISDN)、Personal Communications Services(PCS)、Transmission Control Protocol/Internet Protocol(TCP/IP)、Serial Line Internet Protocol/Point To Point Protocol(SLIP/PPP)等の業界で定められたプロトコル標準を実装することが好ましいが、カスタム又は非標準のプロトコルも実装し得る。
【0040】
通信インターフェイス590経由で転送されたソフトウェア及びデータは、通常、電気通信信号605の形式である。これらの信号605は、好ましくは、通信チャネル600経由で通信インターフェイス590に提供される。一の実施形態において、通信チャネル600は有線又は無線ネットワーク、もしくは任意の種類のその他の通信リンクであり得る。通信チャネル600は信号605を伝達し、ほんの一例としてワイヤ、ケーブル、光ファイバー、従来型電話回線、携帯電話リンク、無線データ通信リンク、無線周波(RF)リンク、又は赤外線リンク、を含む多様な有線又は無線の通信手段を用いて実装され得る。
【0041】
コンピュータ実行可能コード(例えばコンピュータプログラム又はソフトウェア)は、メインメモリ565及び/又は二次メモリ570に格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェイス590経由で受信され、メインメモリ565及び/又は二次メモリ570に格納されてもよい。このようなコンピュータプログラムは、実行される際、上述したような本発明の様々な機能をシステム550が実行することを可能にする。
【0042】
この説明において、用語「コンピュータ読み取り可能メディア」は、コンピュータ実行可能コード(例えばソフトウェアやコンピュータプログラム)をシステム550へ提供するために用いられる、任意の非一時的コンピュータ読み取り可能ストレージメディアを指す。これらのメディアの例としては、メインメモリ565、二次メモリ570(内蔵メモリ575、リムーバブルメディア580、及び外付けストレージメディア595を含む)、及び通信インターフェイス590に通信可能に接続される任意の周辺装置(ネットワーク情報サーバー又はその他のネットワーク装置を含む)が挙げられる。これらの非一時的コンピュータ読み取り可能メディアは、実行可能コード、プログラミング命令、及びソフトウェアをシステム550に提供する手段である。
【0043】
ソフトウェアを用いて実装される一の実施形態において、ソフトウェアはコンピュータ読み取り可能メディアに格納され、リムーバブルメディア580、I/Oインターフェイス585、又は通信インターフェイス590を通じてシステム550にロードされ得る。このような実施形態において、ソフトウェアは電気通信信号605の形でシステム550にロードされる。ソフトウェアは、プロセッサ560によって実行される際、上述したような本発明の特徴及び機能をプロセッサ560に実行させることが好ましい。
【0044】
一の実施形態において、I/Oインターフェイス585は、システム550の1又は複数の構成要素と1又は複数の入力及び/又は出力装置との間のインターフェイスを提供する。例示的な入力装置としては、キーボード、タッチパネル又はその他のタッチ式装置、生体検知装置、コンピュータのマウス、トラックボール、ペン型ポインティング装置等が挙げられるがこれらに限定されない。出力装置の例としては、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プリンター、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0045】
システム550は、音声ネットワーク及びデータネットワーク上での無線通信を容易にする任意の無線通信要素を含む。無線通信要素はアンテナシステム610、無線システム615、及びベースバンドシステム620を含む。システム550において、無線周波(RF)信号は、無線システム615の管理下で、アンテナシステム610によって空気中を送信及び受信される。
【0046】
一実施形態において、アンテナシステム610は1又は複数のアンテナと、アンテナシステム610に送信及び受信信号経路を提供するための切り替え機能を実行する1又は複数のマルチプレクサー(図示せず)を含み得る。受信経路において、受信されたRF信号はマルチプレクサーから、受信されたRF信号を増幅して増幅した信号を無線システム615に送信する低雑音増幅器(図示せず)まで、結合されることができる。
【0047】
別の実施形態において、無線システム615は1又は複数の多様な周波数で通信するよう構成された無線機を含み得る。一実施形態において、無線システム615は、1つの集積回路(IC)において復調器(図示せず)と変調器(図示せず)とを組み合わせ得る。復調器と変調器は、別々の構成要素であってもよい。着信経路において、復調器はRFキャリア信号を除去し、無線システム615からベースバンドシステム620へ送信されたベースバンド受信音声信号を残す。
【0048】
受信した信号が音声情報を含む場合、ベースバンドシステム620は、信号を復号してアナログ信号へと変換する。その後信号は増幅されてスピーカーへ送られる。ベースバンドシステム620はまた、マイクからアナログ音声信号を受信する。これらのアナログ信号はデジタル信号に変換され、ベースバンドシステム620によって符号化される。ベースバンドシステム620はまた、送信用にデジタル信号を符号化し、無線システム615の変調部へルーティングされるベースバンド送信音声信号を生成する。変調器はベースバンド送信音声信号とRFキャリア信号とを混合して、アンテナシステムへルーティングされ、電力増幅器(図示せず)を経由し得るRF送信信号を生成する。電力増幅器がRF信号を増幅し、これをアンテナシステム610へルーティングすると、ここで信号は送信のためにアンテナポートへ移る。
【0049】
ベースバンドシステム620も、プロセッサ560と通信可能に接続されている。中央処理装置560はデータ格納領域565と570へのアクセスを有する。中央処理装置560は、メモリ565又は二次メモリ570に格納されることができる命令(例えばコンピュータプログラム又はソフトウェア)を実行するよう構成されることが好ましい。コンピュータプログラムもまた、ベースバンドプロセッサ610から受信されてデータ格納領域565又は二次メモリ570に格納されることもできるし、受信時に実行されることもできる。このようなコンピュータプログラムは、実行される際、上述したような本発明の多様な機能をシステム550が実行することを可能にする。例えば、データ格納領域565は多様なソフトウェアモジュール(図示せず)を含み得る。
【0050】
主として、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような構成要素を用いるハードウェアにおいて、多様な実施形態が実装され得る。本明細書に記載の機能を実行可能なハードウェア状態機械の実装についても、当業者には明白になるだろう。ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いることによっても、多様な実施形態が実装され得る。
【0051】
更に、当業者は、上述の図面及び本明細書に記載の実施形態に関して説明された多様な例示のための論理ブロック、モジュール、回路、及び方法のステップは、しばしば電子機器、コンピュータソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装されることができることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互交換可能性を明確に示すために、多様な例示的要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、概してこれらの機能の面から、以上で説明されてきた。このような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定の用途及び設計の制約に依存する。当業者は、特定の用途のそれぞれに向けて、説明された機能を多様な方法で実装できるが、このような実装の判断は本発明の範囲からの逸脱をもたらすと解釈されるべきでない。また、モジュール、ブロック、回路、又はステップ内における機能のグループ化は、説明を容易にするためである。特定の機能又はステップは、本発明から逸脱することなく、一のモジュール、ブロック、又は回路から別のモジュール、ブロック、又は回路へと移動することができる。
【0052】
更に、本明細書に記載の実施形態に関して説明された多様な例示的論理ブロック、モジュール、機能、及び方法は、上記の機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、又はその他のプログラマブル論理デバイス、個別のゲート又はトランジスタ論理、個別のハードウェア要素、又はこれらの任意の組み合わせにおいて実装又は実行可能である。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、別法として、該プロセッサは任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってよい。プロセッサはコンピューティング装置の組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1又は複数のマイクロプロセッサ、又はその他任意の同様な構成、として実装されてもよい。
【0053】
更に、本明細書に記載の実施形態に関して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアとして直接実施されてもよく、または、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又はこれらの組み合わせとして実施されてもよい。ソフトウェアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は、ネットワークストレージメディアを含むその他任意の形式のストレージメディア内に存在してよい。例示的なストレージメディアは、プロセッサがストレージメディアに情報を読み取れ、かつ情報を書き込めるように、プロセッサに接続されることができる。別法として、ストレージメディアはプロセッサと一体型であってもよい。プロセッサとストレージメディアは、ASIC内に存在してもよい。
【0054】
本明細書に記載のソフトウェア要素のいずれも、多様な形式を取り得る。例えば、ある要素はスタンドアロンのソフトウェアパッケージでもあり得るし、より大規模なソフトウェア製品に「ツール」として包含されるソフトウェアパッケージでもあり得る。これは、スタンドアロン製品として、または既存のソフトウェアアプリケーションにインストールするアドインパッケージとして、例えばWebサイト等のネットワークからダウンロード可能であってもよい。これは更に、クライアント/サーバー型ソフトウェアアプリケーション、Web対応ソフトウェアアプリケーション、及び/又はモバイルアプリケーションとして入手可能であってもよい。
【0055】
開示された実施形態の上記の説明は、あらゆる当業者が本発明を実施又は利用できるようにするために提供される。当業者には、これらの実施形態の多様な変形が、直ちに明白となるであろう。また、本明細書に記載の基本原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態にも適用可能である。すなわち、ことが理解されるべきである。本明細書において提示した説明及び図面は、現時点において好適な本発明の実施形態を表すもので、したがって、本発明によって広く想定される主題を代表するものである。また、本発明の範囲は、当業者にとって明白となり得るその他の実施形態を完全に包含すること、したがって本発明の範囲は限定されないことが理解される。