特許第6151925号(P6151925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6151925基板固定装置、基板作業装置および基板固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6151925
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】基板固定装置、基板作業装置および基板固定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
   H05K13/04 Q
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-21307(P2013-21307)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2014-154627(P2014-154627A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】岸本 洋平
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−346299(JP,A)
【文献】 特開2008−004856(JP,A)
【文献】 特開2002−134992(JP,A)
【文献】 特開2002−158498(JP,A)
【文献】 国際公開第01/035708(WO,A1)
【文献】 特開平05−110297(JP,A)
【文献】 特開2001−267794(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0185810(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間して配置される一対の搬送部材により下方から支持されながら搬送路に沿って搬送されるフィルム状の基板を前記搬送路の途中の作業位置で支持して固定する基板固定装置であって、
上方からの平面視で前記一対の搬送部材の間に位置するとともに前記作業位置に搬送された基板の下方に位置するバックアップ部材と、
前記作業位置に搬送された基板の外周部表面の上方に位置する基板押さえ部材と、
前記バックアップ部材および前記基板押さえ部材のうちの少なくとも一方を昇降させる昇降駆動部と、
前記一対の搬送部材の一方を支持する第1搬送フレームと、
前記一対の搬送部材の他方を支持する第2搬送フレームと
を備え、
前記基板押さえ部材として、前記搬送路と平行にそれぞれ延設される第1基板押さえ部材と第2押さえ部材を有しており、
前記第1基板押さえ部材は前記一対の搬送部材の一方から上方に離間した状態で前記第1搬送フレームに取り付けられるとともに前記第2基板押さえ部材は前記一対の搬送部材の他方から上方に離間した状態で前記第2搬送フレームに取り付けられ、
前記昇降駆動部は、前記バックアップ部材を上昇させる、および/または前記基板押さえ部材を前記一対の搬送部材とともに下降させることで、前記バックアップ部材により前記基板のうち部品実装が行われる実装領域の下面全体を下方から支持しつつ前記一対の搬送部材から上方に前記基板を離間させた状態で前記バックアップ部材が支持する前記実装領域より外側の前記基板の外周部表面である非実装領域を前記第1基板押さえ部材および前記第2基板押さえ部材により下方に押さえ付けて前記基板の外周部の反りを矯正することを特徴とする基板固定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板固定装置であって、
前記バックアップ部材は上面に吸引孔を有し、前記作業位置に搬送された基板の下面を前記上面で支持しながら吸着して固定する基板固定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板固定装置であって、
前記昇降駆動部は、前記バックアップ部材の外方において前記基板押さえ部材を前記一対の搬送部材とともに昇降させるようにした基板固定装置。
【請求項4】
前記第1基板押さえ部材は前記基板の厚みおよび反り量を加算した値よりも大きな距離だけ前記一対の搬送部材の一方から上方に離間した状態で前記第1搬送フレームに取り付けられるとともに前記第2基板押さえ部材は前記基板の厚みおよび反り量を加算した値よりも大きな距離だけ前記一対の搬送部材の他方から上方に離間した状態で前記第2搬送フレームに取り付けられた請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板固定装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の基板固定装置であって、
前記第1基板押さえ部材は第1衝撃緩和部材を介して前記第1搬送フレームに取り付けられ、前記第2基板押さえ部材は第2衝撃緩和部材を介して前記第2搬送フレームに取り付けられる基板固定装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の基板固定装置であって、
前記基板を搬送する搬送方向における前記バックアップ部材の上流側で前記第1搬送フレームおよび前記第2搬送フレームに対して移動自在に支持される第1可動部材と、
前記搬送方向における前記バックアップ部材の下流側で前記第1搬送フレームおよび前記第2搬送フレームに対して移動自在に支持される第2可動部材と、
前記第1可動部材および前記第2可動部材を移動させて前記第1可動部材および前記第2可動部材の位置を切り替える切替駆動部とを備え、
前記基板押さえ部材として、前記搬送方向と直交する基板幅方向に延設される第3基板押さえ部材と第4基板押さえ部材を有しており、
前記第3基板押さえ部材は前記第1可動部材に取り付けられるとともに、前記第4基板押さえ部材は前記第2可動部材に取り付けられ、
前記切替駆動部は、前記第1可動部材の移動によって前記第3基板押さえ部材を前記バックアップ部材の上流側で前記作業位置に搬送された基板の外周部表面の上方位置と前記搬送路から離れた第1退避位置とに移動させ、前記第2可動部材の移動によって前記第4基板押さえ部材を前記バックアップ部材の下流側で前記作業位置に搬送された基板の外周部表面の上方位置と前記搬送路から離れた第2退避位置とに移動させる基板固定装置。
【請求項7】
前記第3基板押さえ部材および前記第4基板押さえ部材は、基板の外周部表面の上方位置に位置しつつ下降している間に、上方に反りあがった基板の外周部表面に当接した後、さらに下方に押し付けることで、基板の外周部表面の反りを矯正する請求項6に記載の基板固定装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の基板固定装置であって、
前記第3基板押さえ部材は第3衝撃緩和部材を介して前記第1可動部材に取り付けられ、前記第4基板押さえ部材は第4衝撃緩和部材を介して前記第2可動部材に取り付けられる基板固定装置。
【請求項9】
互いに離間して配置される一対の搬送部材によりフィルム状の基板を下方から支持しながら搬送路に沿って搬送する基板搬送部と、
請求項1ないし8のいずれか一項の基板固定装置と同一の構成を有し、前記基板搬送部により前記搬送路の途中の作業位置に搬送された基板を支持して固定する基板固定部と、
前記基板固定部により固定された基板の表面のうち前記基板押さえ部材で押さえ付けられた領域を除く表面領域に対して所定の作業を施す基板作業部と
を備えることを特徴とする基板作業装置。
【請求項10】
互いに離間して配置される一対の搬送部材により下方から支持されながら搬送路に沿って搬送されるフィルム状の基板を前記搬送路の途中の作業位置で支持して固定する基板固定方法であって、
前記作業位置に搬送された基板を、前記一対の搬送部材に代わって、前記作業位置での上方からの平面視で前記一対の搬送部材の間に位置するバックアップ部材で下方から支持する支持工程と、
前記バックアップ部材で支持される前記基板の外周部表面を基板押さえ部材により下方に押さえ付けて前記基板の外周部の反りを矯正する矯正工程と
を備え、
前記基板押さえ部材として、前記搬送路と平行にそれぞれ延設される第1基板押さえ部材と第2押さえ部材が設けられ、前記一対の搬送部材の一方が第1搬送フレームに支持されるとともに他方が第2搬送フレームに支持され、
前記第1基板押さえ部材は前記一対の搬送部材の一方から上方に離間した状態で前記第1搬送フレームに取り付けられるとともに前記第2基板押さえ部材は前記一対の搬送部材の他方から上方に離間した状態で前記第2搬送フレームに取り付けられ、
前記矯正工程では、前記バックアップ部材により前記基板のうち部品実装が行われる実装領域の下面全体を下方から支持しつつ前記一対の搬送部材から上方に前記基板を離間させた状態で前記バックアップ部材が支持する前記実装領域より外側の前記基板の外周部表面である非実装領域を前記第1基板押さえ部材および前記第2基板押さえ部材により下方に押さえ付けて前記基板の外周部の反りを矯正することを特徴とする基板固定方法。
【請求項11】
請求項10に記載の基板固定方法であって、
前記支持工程は、前記作業位置に搬送された基板の下面を前記バックアップ部材の上面で吸着して保持する基板固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フィルム状の基板を作業位置でバックアップ部材により支持して固定する基板固定技術および、当該基板固定技術を用いて作業位置に固定された基板に対して部品実装、検査、塗布液塗布、ペースト印刷などの基板作業を行う基板作業装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル基板などフィルム状の基板(以下では、単に「基板」という)は比較的薄く、反り変形が生じ易い。そこで、基板に対して部品実装などの作業を行う位置、つまり作業位置において基板の反りを矯正する技術が数多く提案されている。例えば特許文献1に記載の発明では、下受け部材の下受け面上に基板が載置された後、押付部材が降下して当該基板を上方から面状に押さえ込んで下受け面に押し付ける。これによって、基板の反り変形が矯正される。そして、この状態で真空吸引手段が作動することで基板が下受け面に真空吸着されて固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−296632号公報(図3図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の発明は、基板の部品搭載部位に部品を実装する装置であり、当該部品搭載部位での基板の反りを防止することを目的としている。つまり、押付部材は基板の部品搭載部位の範囲を全面的にカバーする大きさの押圧面を有しており、基板表面のうち部品搭載部位のみを押さえ込んで反り矯正を行うとともに、真空吸引手段に接続された吸着溝により基板を吸着するようにしている。この後、押付部材を基板から退避させて部品実装を行うようにしている。したがって、基板表面に基板押さえ部材を押し付けて反りを矯正したとしても、基板押さえ部材を基板表面から退避させると、基板の外周部に反りが生じ、しかもその反りによって基板周辺近くでの吸引力が低下し、反りをさらに拡大させてしまう。すなわち、部品搭載部位の周辺領域、つまり基板の外周部での反りについては全く考慮されていない。
【0005】
このため、下面から当接する吸着溝の外側となる基板周辺部分の基板上面に、フィデューシャルマークが位置する場合、その部分の反りのため正しい認識ができず、基板位置や基板の方向を正しく検出できず、実装機では正しい位置に部品搭載ができない場合があった。また、特許文献1に記載の基板固定装置を印刷機や基板検査機に搭載する場合には、印刷機では正しい位置に印刷できないことや、基板検査機では正しい基板検査ができないことが考えられる。特に、一対のコンベアなどの搬送部材を基板の幅方向に離間して配置し、基板の幅方向の下面端部をそれぞれ支持しながら作業位置に搬送する基板作業装置では、基板の外周部での反り変形が大きくなる傾向にあり、フィデューシャルマークの認識時にこれを矯正することが大きな技術課題となっている。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、一対の搬送部材により下方から支持されながら搬送路に沿って搬送されるフィルム状の基板を作業位置で支持して吸引固定する際に、基板の外周部の反りを良好に矯正する技術、および当該技術を用いて基板作業を行う基板作業装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる基板固定装置は、互いに離間して配置される一対の搬送部材により下方から支持されながら搬送路に沿って搬送されるフィルム状の基板を搬送路の途中の作業位置で支持して固定する基板固定装置であって、上方からの平面視で一対の搬送部材の間に位置するとともに作業位置に搬送された基板の下方に位置するバックアップ部材と、作業位置に搬送された基板の外周部表面の上方に位置する基板押さえ部材と、バックアップ部材および基板押さえ部材のうちの少なくとも一方を昇降させる昇降駆動部とを備え、昇降駆動部は、バックアップ部材を上昇させる、および/または基板押さえ部材を一対の搬送部材とともに下降させることで、バックアップ部材により基板を下方から支持しつつ前記一対の搬送部材から上方に離間するとともに、基板押さえ部材により基板の外周部表面を下方に押さえ付けて基板の外周部の反りを矯正することを特徴としている。
【0008】
また、この発明にかかる基板作業装置は、互いに離間して配置される一対の搬送部材によりフィルム状の基板を下方から支持しながら搬送路に沿って搬送する基板搬送部と、上記基板固定装置と同一の構成を有し、基板搬送部により搬送路の途中の作業位置に搬送された基板を支持して固定する基板固定部と、基板固定部により固定された基板の表面のうち基板押さえ部材で押さえ付けられた領域を除く表面領域に対して所定の作業を施す基板作業部とを備えることを特徴としている。
【0009】
さらに、この発明にかかる基板固定方法は、互いに離間して配置される一対の搬送部材により下方から支持されながら搬送路に沿って搬送されるフィルム状の基板を搬送路の途中の作業位置で支持して固定する基板固定方法であって、作業位置に搬送された基板を、一対の搬送部材に代わって、基板が前記一対の搬送部材から上方に離間した状態で、作業位置での上方からの平面視で一対の搬送部材の間に位置するバックアップ部材で下方から支持する支持工程と、バックアップ部材で支持される基板の外周部表面を基板押さえ部材により下方に押さえ付けて基板の外周部の反りを矯正する矯正工程とを備えることを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明では、基板が作業位置で一対の搬送部材から上方に離間しつつバックアップ部材により下方から支持された状態で、基板押さえ部材が上記基板の外周部表面を下方に押さえ付ける。これによって、基板押さえ部材による押さえ力の全てが基板を介してバックアップ部材に伝わることで、基板押さえ部材とバックアップ部材により基板が固定されるとともに基板の外周部の反りが良好に矯正される。また、このような基板固定技術を用いることで、基板の外周部の反りを矯正した状態のまま、基板押さえ部材で押さえ付けた領域を除く基板の表面領域に対して所定の作業を行うことが可能となり、当該作業を良好に行うことができる。特に基板の外周部上面に、フィデューシャルマークが位置する場合でも、その部分の反りを矯正した状態で認識することができ、正しい基板位置、基板方向を検出でき、その後の基板の表面領域に対しての所定の作業において、当該作業を良好に行うことができる。
【0011】
ここで、バックアップ部材が上面に吸引孔を有し、作業位置に搬送された基板の下面を上面で支持しながら吸着して固定するように構成してもよい。このように基板をバックアップ部材の上面で吸着する場合、例えば特許文献1に記載の発明のように基板表面に基板押さえ部材を押し付けて反りを矯正したとしても、基板押さえ部材を基板表面から退避させると、基板の外周部に反りが生じ、しかもその反りによって基板周辺近くでの吸引力が低下し、反りをさらに拡大させてしまう。これに対し、本発明では、基板押さえ部材が上記基板の外周部表面を下方に押さえ付けて反りを矯正しているため、基板周辺近くにおいても吸引力が低下することなく、バックアップ部材により基板を確実に、しかも安定して固定することができる。
【0012】
ここで、昇降駆動部は、バックアップ部材の外方において基板押さえ部材を一対の搬送部材とともに昇降させるように構成してもよい。これにより、昇降駆動部は、バックアップ部材の外方に位置することになり、点検がしやすく、保守管理が容易となる。
【0013】
また、基板押さえ部材を一対の搬送部材とともに下降させるために、例えば一対の搬送部材の一方を支持する第1搬送フレームおよび他方を支持する第2搬送フレームのうち少なくとも一方に基板押さえ部材を取り付けてもよい。この場合、基板搬送および基板矯正を両立させるためには、基板の厚みおよび反り量を加算した値よりも大きな距離だけ基板押さえ部材を一対の搬送部材から上方に離間させるのが好適である。
【0014】
また、基板押さえ部材として、搬送路と平行にそれぞれ延設される第1基板押さえ部材と第2押さえ部材を用いることができ、例えば第1基板押さえ部材を第1搬送フレームに取り付けるとともに第2基板押さえ部材を第2搬送フレームに取り付けてもよい。このような構成を採用することで、搬送方向と直交する基板幅方向における基板の両端部がそれぞれ第1基板押さえ部材および第2押さえ部材で下方に押さえ付けられて反りが矯正される。
【0015】
また、第1基板押さえ部材は第1衝撃緩和部材を介して第1搬送フレームに取り付けられ、第2基板押さえ部材は第2衝撃緩和部材を介して第2搬送フレームに取り付けられるように構成してもよい。このように衝撃緩和部材を介挿することで基板押さえ部材が基板の外周部表面に与える押付力を安定化することができる。さらに、基板押さえ部材を基板の外周部表面から離間させる際にも、上記押付力が急激に変動するのを抑制し、当該離間時において基板に作用する衝撃を緩和することができる。
【0016】
また、基板押さえ部材として、搬送方向と直交する基板幅方向に延設される第3基板押さえ部材と第4基板押さえ部材を用いてもよい。すなわち、基板を搬送する搬送方向におけるバックアップ部材の上流側で第1搬送フレームおよび第2搬送フレームに対して移動自在に支持される第1可動部材と、搬送方向におけるバックアップ部材の下流側で第1搬送フレームおよび第2搬送フレームに対して移動自在に支持される第2可動部材と、第1可動部材および第2可動部材を移動させる移動部とを設け、第3基板押さえ部材が第1可動部材に取り付けられるとともに、第4基板押さえ部材が第2可動部材に取り付けられ、移動部が、第1可動部材の移動によって第3基板押さえ部材をバックアップ部材の上流側で作業位置に搬送された基板の外周部表面の上方位置と搬送路から離れた第1退避位置とに移動させ、第2可動部材の移動によって第4基板押さえ部材をバックアップ部材の下流側で作業位置に搬送された基板の外周部表面の上方位置と搬送路から離れた第2退避位置とに移動させるように構成してもよい。このような構成を採用することで、搬送方向における基板の両端部がそれぞれ第3基板押さえ部材および第4基板押さえ部材で下方に押さえ付けられて反りが矯正される。
【0017】
さらに、第3基板押さえ部材が第3衝撃緩和部材を介して第1可動部材に取り付けられ、第4基板押さえ部材が第4衝撃緩和部材を介して第2可動部材に取り付けられるように構成してもよく、これによって、第1衝撃緩和部材および第2衝撃緩和部材を設けた場合と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、基板が一対の搬送部材から上方に離間しつつバックアップ部材により下方から支持された状態で、基板押さえ部材が上記基板の外周部表面を下方に押さえ付ける。これによって、基板押さえ部材による押さえ力の全てが基板を介してバックアップ部材に伝わるので、当該基板の外周部に生じている反り変形を良好に矯正することができる。また、基板の外周部を基板押さえ部材で押さえ付けた状態で基板押さえ部材で押さえ付けられた領域を除く表面領域に対して所定の作業を施すことが可能であり、反りの影響を受けることなく、当該作業を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明にかかる基板固定装置の第1実施形態である基板固定部を装備した基板作業装置の概略構成を示す平面図である。
図2】基板作業装置での基板搬送部および基板固定部の構成を示す部分斜視図である。
図3】基板固定部の動作を模式的に示す図である。
図4】本発明にかかる基板固定装置の第2実施形態を示す図である。
図5】本発明にかかる基板固定装置の第3実施形態である基板固定部を装備した基板作業装置を示す図である。
図6】第3実施形態における基板固定部の動作を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明にかかる基板固定装置の第1実施形態である基板固定部を装備した基板作業装置の概略構成を示す平面図である。また、図2は基板作業装置での基板搬送部および基板固定部の構成を示す部分斜視図である。さらに、図3は基板固定部の動作を模式的に示す図である。なお、これらの図面および後で説明する各図では、各図の方向関係を明確にするために、XYZ直角座標軸が示されている。
【0021】
図1に示す基板作業装置はフィルム状の基板FBに部品を実装する表面実装機1である。表面実装機1では、基台11上に基板搬送部2が配置されており、基板FBを搬送方向Xに搬送可能となっている。本実施形態の基板搬送部2では、搬送方向Xの上流側(図1図2の左手側)から下流側(図1図2の右手側)に向けて搬入機構21、メイン搬送機構22および搬出機構23が一列に配置されて基板FBを図1および図2の左手側から右手側へ搬送路TPに沿って搬送可能となっている。これらの搬入機構21、メイン搬送機構22および搬出機構23の各々には、駆動モーター(図示省略)が連結されており、表面実装機1全体を制御するコントローラ3により駆動制御される。これによって、図2に示すように搬入機構21の基板停止位置P1で停止している基板FBが作業位置P2に向けて搬送路TPに沿って搬送される。この作業位置P2では、基板固定部4が設けられており、搬送されてきた基板FBを支持して固定する。そして、部品収容部5に収容されている部品がヘッドユニット6により上記基板FBに実装される。基板FBへの部品実装が完了すると、基板固定部4による基板FBの固定が解除され、メイン搬送機構22および搬出機構23により部品実装された基板FBが搬出される。なお、本明細書では、基板FBの先端位置を基準として基板FBの位置を特定している。また、基板搬送部2および基板固定部4の構成および動作については、後で詳述する。
【0022】
基板搬送部2のY軸方向の両側には、上記した部品収容部5が配置されており、これらの部品収容部5に対して1または複数のテープフィーダー51を装着可能に構成されている。また、部品収容部5では、各フィーダー51に対応して電子部品を一定ピッチで収納・保持したテープを巻回したリール(図示省略)が配置されており、各フィーダー51による電子部品の供給が可能となっている。
【0023】
ヘッドユニット6は基台11の所定範囲にわたり基台11上方においてX軸方向およびY軸方向に移動可能に構成されている。また、本実施形態では、ヘッドユニット6において、鉛直方向Zに延設された不図示の実装用ヘッドが8本、X軸方向(基板搬送部2による基板FBの搬送方向)に等間隔で列状配置され、各実装用ヘッドの先端部に吸着ノズル61が装着されている。各実装ヘッドはヘッドユニット6に対してZ軸モーター(図示省略)を駆動源とするノズル昇降駆動機構により昇降(Z軸方向の移動)可能に、かつR軸モーター(図示省略)を駆動源とするノズル回転駆動機構によりノズル中心軸回りに回転可能となっている。これらの駆動機構のうちノズル昇降駆動機構は吸着もしくは装着を行う時の下降位置と、搬送や撮像を行う時の上昇位置との間で実装ヘッドを昇降させるものである。一方、ノズル回転駆動機構は部品吸着ノズルを、電子部品の実装方向への合致のためやR軸方向の吸着ズレの補正のため等、必要に応じて回転させるための機構であり、回転駆動により電子部品を実装時における所定のR軸方向に位置させることが可能となっている。
【0024】
このように構成されたヘッドユニット6は部品収容部5の上方位置に移動した後、吸着ノズル61によりフィーダー51から供給される電子部品を吸着保持する。また、当該ヘッドユニット6の移動によって、吸着ノズル61で吸着された電子部品は部品収容部5の上方位置から基板FBの上方位置に搬送され、基板FBに実装される。
【0025】
なお、搬送の途中において、搬送路TPの側方の2つの部品収容部5のX軸方向中間に配置される部品認識カメラC1の上方をヘッドユニット6が通過し、部品認識カメラC1が各吸着ノズル61に吸着された電子部品を下方から撮像することで、各吸着ノズル61における吸着ずれが検出され、各電子部品を基板FBに実装する際に吸着ずれに見合った位置補正がされる。
【0026】
また、ヘッドユニット6のX軸方向の両側部には、基板認識カメラC2がそれぞれ固定されており、ヘッドユニット6がX軸方向およびY軸方向に移動することで任意の位置で基板FBの上方から撮像可能となっている。このため、各基板認識カメラC2は、部品実装に先立って作業位置上にある基板FBの外周部に付された複数のフィデューシャルマークを撮影して基板位置、基板方向を画像認識する。基板FBへの部品実装に際しては、画像認識された基板位置、基板方向に基づき予め基板FB上に設定された部品搭載位置が補正され、これにより正しい位置に実装が可能となる。
【0027】
次に、基板搬送部2および基板固定部4の構成について図1ないし図3を参照しつつ詳述する。基板搬送部2を構成する3つの機構のうち搬入機構21および搬出機構23は同一構成を有している。ここでは、搬入機構21の構成を説明し、搬出機構23の構成については相当符号を付して構成説明を省略する。
【0028】
搬入機構21では、基台11の上方位置で、搬送方向Xに延設された2本のコンベアフレーム211、212が搬送路TPを挟み、基板FBのY軸方向の寸法(つまり、基板幅)より若干広い間隔となるように互いに離間して配置されている。そして、(+Y)側のコンベアフレーム211が基台11の上面に立設された2本の支持部材213、213の上端部で支持されるとともに、(−Y)側のコンベアフレーム212が基台11の上面に立設された2本の支持部材214、214の上端部で支持される。このようにコンベアフレーム211、212は基台11から所定高さだけ上方(+Z)に離れた位置で固定配置されている。なお、図2に示すように、コンベアフレーム211、212の各上端には、それぞれコンベア215側、コンベア216側に張り出す庇状部材211a、212aが設けられている。している。
【0029】
図2に示すように(−Y)側のコンベアフレーム212の(+Y)側の側面には、搬送方向Xに配列された複数個のプーリーに無端状のコンベアベルトが張架されてなる(−Y)側コンベア216が取り付けられており、基板FBの下面のうち(−Y)側端部を支持可能となっている。また、(+Y)側のコンベアフレーム211の(−Y)側面にも、(−Y)側コンベア216と同様に構成された(+Y)側コンベア215が取り付けられており、基板FBの下面のうち(+Y)側端部を支持可能となっている。このように一対のコンベア215、216によって基板FBはいわゆる両持ち状態で支持されている。
【0030】
これらのコンベア215、216のコンベアベルトはそれぞれ駆動伝達用プーリー217と係合しており、コンベア駆動モーター218で発生した回転駆動力を上記駆動伝達用プーリー217に伝達させることで両コンベアベルトが同期して周回動作する。これにより、基台11から一定の高さ位置で、コンベア215、216のコンベアベルトは基板FBを下方から支持しながら搬送路TPに沿って搬送する。
【0031】
また、コンベア215、216の(+X)側下方位置には、図示を省略するが、搬送されて来た基板FBを検出するためのセンサーが固定配置されており、コンベア215、216によって搬送方向Xに搬送される基板FBを検出し、基板検出信号がコントローラ3に出力する。そして、コントローラ3は、上記センサーにより基板FBを検出した後に搬入コンベア215、216用の駆動モーターを制御し、基板FBを一定距離だけ搬送し、図1に示すように上記センサーから搬送方向Xに所定距離だけ進んだ基板停止位置P1に停止させる。
【0032】
一方、メイン搬送機構22も、搬入機構21および搬出機構23と同様に、2つのコンベアフレーム221、222を有し、(+Y)側コンベアフレーム221にコンベア225が取り付けられるとともに(−Y)側コンベアフレーム222にコンベア226が取り付けられている。ただし、メイン搬送機構22では、次に説明するようにコンベアフレーム221、222およびコンベア225、226が一体として上下方向Zに昇降自在となっている。そのため、以下においては相違点を中心に説明し、搬入機構21と同一構成については相当符号を付して構成説明を省略する。
【0033】
メイン搬送機構22では、基台11の上面に対し、搬入機構21の(+Y)側支持部材213と搬出機構23の(+Y)側支持部材233とで挟まれるように2つの円筒状ガイドのスリーブSLが列状に固定されるとともに、搬入機構21の(−Y)側支持部材214と搬出機構23の(−Y)側支持部材234とで挟まれるように2つのスリーブSL(図2では1つのみが図示されている)が列状に固定される。また、図2に示すように(+Y)側スリーブSL、SLの各々を貫通してシャフトSFが立設され、各シャフトSFの上端部に対して(+Y)側コンベアフレーム221が固定されている。(−Y)側についても同様に構成されており、合計4本のシャフトSFが各スリーブSLに対して摺動しながらコンベアフレーム221、222およびコンベア225、226を一体的にZ軸方向(上下方向)に案内する。さらに、これらコンベアフレーム221、222およびコンベア225、226を一体的に昇降させるための駆動源として、シリンダCYが基台11の上面に固定配置されている。つまり、次に説明する基板固定部4のバックアップ部材41から下方(−Z)側に離間して連結部材(図示省略)が配置されてコンベアフレーム221、222を相互に連結する。また、連結部材はシリンダCYのピストン先端部と接続されている。このため、コントローラ3からの伸張指令に応じてシリンダCYがピストンを上方(+Z)に前進させると、その前進動作に応じてコンベアフレーム221、222が上昇し、コンベア225、226が搬入機構側のコンベア215、216および搬出機構側のコンベア235、236と同一高さ位置(バックアップ部材41の上面(基板吸着面)411よりも高い位置)に位置決めされる。逆に、収縮指令に応じてシリンダCYがピストンを下方(−Z)に後退させると、その後退動作に応じてコンベアフレーム221、222が下降し、コンベア225、226がバックアップ部材41の上面(基板吸着面)411よりも低い位置に位置決めされる。
【0034】
次に、基板固定部4の構成について説明した後で、表面実装機1の動作について説明する。この基板固定部4は、バックアップ部材41、当該バックアップ部材41を支持する4本の支柱42および2本の基板押さえ部材431、432を有している。バックアップ部材41は、上面に複数の吸引孔41aが穿設された吸着プレートで構成されている。このバックアップ部材41の上面は矩形形状であり、そのX軸方向の長さは基板FBとほぼ等しいのに対し、Y軸方向の長さ(プレート幅)Wbuは図3(a)に示すようにコンベア225、226の内法Wcvよりも若干狭い。そして、バックアップ部材41は、作業位置P2で上方からの平面視で一対のコンベア225、226の間に位置するように配置されている。また、バックアップ部材41の上流(+X)側端面および下流(−X)側端面の各々に対し、基台11の上面から立設された2本の支柱42の上端部が接続され、合計4本の支柱42によってバックアップ部材41は上面(吸着面)411を基板搬送部2により基板FBを搬送する搬送路TPよりも低い位置に位置させた状態で基台11に固定されている。
【0035】
また、バックアップ部材41の下流(−X)側端面には、複数の吸引孔41aとバックアップ部材41の内部で連通する負圧導入プラグ41bが設けられ、この負圧導入プラグ41bに負圧供給配管7の一方端が接続されている。この負圧供給配管7の他方端は図示を省略する真空ポンプなどの負圧供給源と接続されている。そして、コントローラ3がバックアップ部材41の複数の吸引孔41aへの負圧の供給および供給停止を制御することで、バックアップ部材41による基板FBの吸着固定および吸着解除が実行される。
複数の吸引孔41aのY方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離をWva1、Y方向両端の吸引孔41aの外側のY軸方向の距離をWva2とする時、複数の吸引孔41aへ負圧が供給されて基板FBをバックアップ部材41に吸着固定した状態においても、Y方向両端の吸引孔41aの外側のY軸方向の距離Wva2の領域の外側となる基板FBの外周は勿論のこと、Y方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離Wva1の領域の外側となる基板FBの外周において、反りは矯正することはできない。
【0036】
本実施形態では、基板FBのY方向端部の反りを矯正するために、基板固定部4は2本の基板押さえ部材431、432を有している。これらのうち(+Y)側の基板押さえ部材431は、図3に示すように、コンベアフレーム221の頂部の庇状部材221aからバックアップ部材41の(+Y)側端部の上方空間に向けて突き出るように固定されており、基板押さえ部材431と(+Y)側コンベア225との間にクリアランスCLが形成されている。本実施形態では、後述するように基板FBの外周部の反りを矯正するために、当該クリアランスCLが基板FBの厚みと反り量との合計値を超えるように設定している。なお、「基板FBの反り量」については、基板FBにおいて想定される反り量の最大値に設定するのが望ましい。
【0037】
もう一方、つまり(−Y)側基板押さえ部材432については、バックアップ部材41を挟んで(+Y)側基板押さえ部材431と対称に構成されている。すなわち、基板押さえ部材432はコンベアフレーム222の頂部の庇状部材222aからバックアップ部材41の(−Y)側端部の上方空間に向かって突き出るように固定されている。なお、基板押さえ部材432と(−Y)側コンベア226との間のクリアランスCLも(+Y)側と同一値に設定するのが望ましい。
【0038】
次に、上記のように構成された表面実装機1の動作に図2および図3を参照しつつ説明する。表面実装機1では、コントローラ3は図2に示すように未処理の基板FBを基板停止位置P1で停止させた状態で当該基板FBへの部品実装の開始準備が完了するのを待つ。そして、待機中の基板FBに対する部品実装が可能となると、コントローラ3は実装プログラムにしたがって搬入機構21およびメイン搬送機構22を制御して基板FBを作業位置P2に搬送して位置決めする。このとき、図3(a)に示すようにコンベアフレーム221、222は最上方位置まで上昇されて、これによってコンベアフレーム221、222に取り付けられたコンベア225、226が搬入機構側のコンベア215、216および搬出機構側のコンベア235、236と同一高さ位置に位置決めされ、コンベア225、226の上面、つまり基板FBを支持する支持面は搬送路TPと一致する。また、このとき、各基板押さえ部材431、432は搬送路TPから所定のクリアランスCLだけ上方に離れて位置している。このため、基板FBのY軸方向側の外周部が反っていたとしても、当該基板FBを搬入機構21からメイン搬送機構22にスムーズに搬送することが可能となっている。
【0039】
作業位置P2に搬送された基板FBはバックアップ部材41の直上位置に位置しており、この状態でコントローラ3はバックアップ部材41への負圧供給を開始する。これと同時あるいはこれに続いてコントローラ3はシリンダCYのピストンを下方(−Z)に後退させてコンベアフレーム221、222および基板押さえ部材431、432を一体的に下降させる。この下降動作中に、同図(b)に示すように基板FBの一部がバックアップ部材41の上面411に当接して吸着された後、更なる下降動作に伴って吸着保持される領域が上面411全体に広がっていく。さらに、同図(c)に示すようにコンベア225、226がバックアップ部材41の上面(基板吸着面)411よりも低い位置に移動すると、コンベア225、226が基板FBより下方に遊離(すなわち、基板FBが一対のコンベア225、226から上方に離間)し、基板FBのうち部品実装を行う実装領域MRの下面全体がバックアップ部材41の上面411に吸着されて固定される。
【0040】
また、実装領域MRの吸着保持を実行している間に、基板FBのうち実装領域MRを除く非実装領域NMRに生じている反りは基板押さえ部材431、432による矯正される。すなわち、(+Y)側基板押さえ部材431はコンベアフレーム221とともに下降している間に、上方に反り上がった(+Y)側非実装領域NMRと当接した後、さらに下方に押し付ける。これによって、基板押さえ部材431、432による押さえ力の全てが基板FBを介してバックアップ部材に伝わることで、同図(c)に示すように(+Y)側非実装領域NMRで発生していた反りが矯正される。また、(−Y)側基板押さえ部材432も、(+Y)側基板押さえ部材431と同様にして(−Y)側非実装領域NMRで発生していた反りを矯正する。
【0041】
基板FBの固定および矯正が完了すると、基板押さえ部材431、432により非実装領域NMRを押さえ付けて反りを矯正した状態のまま、コントローラ3は装置各部を制御して、Y方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離Wva1の領域の外側となる基板FBの外周に付与されたフィデューシャルマークの画像認識を行い、実装領域MRの表面に、Y方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離Wva1の領域の外側となる基板FBの外周を含め、部品を実装する。また、部品実装が完了すると、コントローラ3はバックアップ部材41への負圧供給を停止するとともにバックアップ部材41の吸引孔41aへの負圧供給路を大気開放した後で、シリンダCYのピストンを上方(+Z)に前進させてコンベアフレーム221、222および基板押さえ部材431、432を一体的に上昇させる。これによって、非実装領域NMRを押さえ付けていた基板押さえ部材431、432はゆっくりと非実装領域NMRから上方に離れていくとともに、部品実装された基板FBがバックアップ部材41からコンベア225、226上に移載される。
【0042】
バックアップ部材41からコンベア225、226への基板移載が完了すると、コントローラ3はメイン搬送機構22および搬出機構23を制御して基板FBを表面実装機1から搬出する。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、作業位置P2でバックアップ部材41により基板FBを下方から支持した状態で基板押さえ部材431、432により基板FBの非実装領域NMRの表面を下方に押さえ付けているため、バックアップ部材41による基板FBの固定とともに基板FBの非実装領域NMRの反りを良好に矯正することができる。また、本実施形態では吸引力によって基板FBの実装領域MRより内側となる、Y方向両端の吸引孔41aの外側のY軸方向の距離Wva2の領域の下面を吸着保持しており、Y方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離Wva1の領域の外側となる実装領域MR、および実装領域MRの外側に位置する非実装領域NMRの反りは吸引力の低下を招く主要因となる。しかしながら、本実施形態では上記したように基板固定部4は2本の基板押さえ部材431、432を有しており、Y方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離Wva1の領域の外側や非実装領域NMRの反りを確実に矯正することができるため、バックアップ部材41により基板FBを確実に、しかも安定して固定することができる。しかも、基板FBの外周部に付された複数のフィデューシャルマークが、Y方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離Wva1の領域の外側に付与されている場合においても、基板押さえ部材431、432による矯正処理を実行したまま、複数のフィデューシャルマークを撮影して基板位置、基板方向を画像認識により検出する。基板FBへの部品実装に際しては、検出された基板位置、基板方向に基づき予め基板FB上に設定された部品搭載位置が補正され、これにより正しい位置に実装が可能となる。
【0044】
また、実装領域MRの内、Y方向両端の吸引孔41aの内側のY軸方向の距離Wva1の領域の外側に部品実装する場合においても、基板押さえ部材431、432による矯正処理を実行し反りのない平坦な基板FBに対して部品実装が行われるので、予め基板FB上に設定された部品搭載位置に正しく部品実装することができる。
【0045】
さらに、バックアップ部材41のY方向外方に、(+Y)側スリーブSL、シャフトSFおよびシリンダCYが配置されており、バックアップ部材41が障害となることなく、(+Y)側から(+Y)側スリーブSL、シャフトSFおよびシリンダCYの点検がしやすく、保守管理が容易となる。同様にバックアップ部材41のY方向外方に、(−Y)側スリーブSL、およびシャフトSFが配置されており、バックアップ部材41が障害となることなく、(−Y)側から(−Y)側スリーブSL、およびシャフトSFの点検がしやすく、保守管理が容易となる。なお、複数のスリーブSL、シャフトSFおよびシリンダCYは、本発明の「昇降駆動部」の一例に相当している。
【0046】
図4は本発明にかかる基板固定装置の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、衝撃緩衝部材を追加した点であり、その他の構成は第1実施形態と同一である。そこで、以下においては、相違点を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して構成説明を省略する。
【0047】
第1実施形態では基板押さえ部材431、432はそれぞれ直接コンベアフレーム221、222に取り付けられているが、第2実施形態ではそれぞれ衝撃緩和部材441、442を介してコンベアフレーム221、222に取り付けられている。すなわち、(+Y)側コンベアフレーム221には、(+Y)側の衝撃緩和部材441を挿入するための凹部が(+Z)方向に開口して設けられている。この衝撃緩和部材441は圧縮コイルバネ451とシャフト461で構成されている。シャフト461の下端にはバネ受け部461aが設けられ、上端部はオネジが形成されている。そして、圧縮コイルバネ451をバネ受け部461aで受けた状態で圧縮コイルバネ451およびシャフト461は上記開口から凹部の内部に挿入されるとともに、シャフト461の上端部がフレーム221の庇状部材221aにネジ込まれて連結されている。これにより、シャフト461の上端部は(+Y)側基板押さえ部材431と接続されている。このため、(+Y)側基板押さえ部材431は圧縮コイルバネ451の付勢力を受けながらコンベアフレーム221に対して上下方向Zに移動自在に連結されている。なお、凹部の(−Z)方向の開口は蓋部材で蓋がされる。
【0048】
一方、(−Y)側の衝撃緩和部材442も(+Y)側衝撃緩和部材441と同様に構成されている。すなわち、圧縮コイルバネ452をバネ受け部462aで受けた状態で(−Y)側コンベアフレーム222に設けられた凹部に対して圧縮コイルバネ452およびシャフト462が挿入され、さらにシャフト462の上端部がフレーム222の庇状部材222aにネジ込まれて(−Y)側基板押さえ部材432と接続されている。このため、(−Y)側基板押さえ部材432は圧縮コイルバネ452の付勢力を受けながらコンベアフレーム222に対して上下方向Zに移動自在に連結されている。
【0049】
このように構成された第2実施形態においても、第1実施形態と同様にして、基板押さえ部材431、432による非実装領域NMRの押さえ付け、押さえ付け解除が実行されるが、衝撃緩和部材441、442を追加したことで次の作用効果が得られる。すなわち、矯正処理を行う際、非実装領域NMRに印加される押圧力は非実装領域NMRに対する基板押さえ部材431、432の当接初期段階で緩やかに上昇した後に一定値に保たれ、反りの矯正処理が実行される。逆に、部品実装後に基板押さえ部材431、432を非実装領域NMRから離間させる際、上記押圧力は緩やかに減少していく。このため、反りの矯正時に発揮される押圧力を安定化することができる。さらに、基板押さえ部材431、432を基板FBの非実装領域NMRから離間させる際にも、上記押付力が急激に変動するのを抑制することができ、当該離間時において基板FBに作用する衝撃を緩和することができ、その結果、実装部品の位置ズレをより効果的に防止することができる。
【0050】
図5は本発明にかかる基板固定装置の第3実施形態である基板固定部を装備した基板作業装置を示す図であり、当該基板作業装置における基板固定部および基板搬送部の部分斜視図である。また、図6は基板固定部の動作を模式的に示す図である。なお、これらの図面では、各図の方向関係を明確にするために、XYZ直角座標軸が示されている。
【0051】
図5に示す基板作業装置は、図1に示す基板作業装置と同様に、基板FBの実装領域MR(図6)に部品を実装する表面実装機1であり、基板固定部を除いて、第1実施形態と基本的に同一構成を有している。したがって、以下においては相違点を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して構成説明を省略する。
【0052】
本実施形態にかかる基板固定部4は、バックアップ部材41、当該バックアップ部材41を支持する4本の支柱42、2つの基板押さえ部材433、434、2つの可動部材471、472および切替駆動部(図示省略)を有している。バックアップ部材41は、そのX軸方向の長さが基板FBのX軸方向の長さ(いわゆる基板長さ)よりも若干短い点を除き、第1実施形態と同様に構成されている。すなわち、バックアップ部材41は、上面に複数の吸引孔41aが穿設された吸着プレートで構成されており、作業位置P2で上方からの平面視で一対のコンベア225、226の間に位置するように配置されている。また、このバックアップ部材41は、4本の支柱42によって上面(吸着面)411を基板搬送部2により基板FBを搬送する搬送路TPよりも低い位置に位置させた状態で基台11に対して固定されている。バックアップ部材41の下流(−X)側端面には、負圧供給配管7の一方端が接続されている。この負圧供給配管7の他方端は図示を省略する真空ポンプなどの負圧供給源と接続されている。そして、コントローラ3がバックアップ部材41への負圧の供給および供給停止を制御することで、バックアップ部材41による基板FBの吸着固定および吸着解除を実行する。
【0053】
第3実施形態においても、2本の基板押さえ部材433、434により基板FBの反りを矯正するが、後述するように基板押さえ部材433、434がそれぞれ基板FBの(+X)側端部および(−X)側端部を押さえ込んで矯正処理を行うために、次のように構成されている。バックアップ部材41の上流側、つまり(+X)側では、Y軸方向に延びる可動部材471がコンベアフレーム221、222の間でバックアップ部材41に隣接して配置されている。この可動部材471は図6に示すように紙面(XZ平面)において略L字断面を有し、その一方端部471aがコンベアフレーム221、222に両端が固着された支持軸473に軸支されて回動自在に支持されている。そして、可動部材471は図示を省略するシリンダやモーターなどの切替駆動部から与えられる駆動力によって可動部材471は回動して他方端部471bの位置をコンベア225、226よりも低い位置(同図(a)参照)および高い位置(同図(b)〜(d)参照)の間で切り替える。
【0054】
可動部材471の他方端部471bには、基板押さえ部材433が取り付けられている。そして、切替駆動部により可動部材471の他方端部471bがコンベア225、226よりも低い位置に切り替えられると、同図(a)に示すように、基板押さえ部材433は可動部材471とともに搬送路TPよりも低く、基板FBとの干渉が発生しない退避位置に位置決めされる。一方、切替駆動部により可動部材471の他方端部471bがコンベア225、226よりも高い位置に切り替えられると、同図(b)に示すように、基板押さえ部材433は可動部材471とともにコンベア225、226よりも高く、可動部材471からバックアップ部材41の(+Y)側端部の上方空間に向かって突き出るように位置決めされる。
【0055】
一方、バックアップ部材41の下流側、つまり(−X)側においては、バックアップ部材41を挟んで可動部材471および基板押さえ部材433と対称的に可動部材472および基板押さえ部材434が配置されている。つまり、XZ平面で略L字断面を有する可動部材472がコンベアフレーム221、222の間でバックアップ部材41の(−X)側に隣接して、コンベアフレーム221、222に両端が固着された支持軸474に軸支されて回動自在に設けられ、上記切替駆動部から与えられる駆動力によって可動部材472は回動して他方端部472bの位置をコンベア225、226よりも低い位置(同図(a)参照)および高い位置(同図(b)〜(d)参照)の間で切り替える。また、可動部材472の他方端部472bには、基板押さえ部材434が取り付けられており、(+X)側の可動部材471と同様に、搬送路TPから離れた退避位置とコンベア225、226の上方位置とに切り替えられる。
【0056】
次に、上記のように構成された表面実装機1の動作に図5および図6を参照しつつ説明する。表面実装機1では、第1実施形態と同様に、図5に示すように基板停止位置P1で待機中の基板FBに対する部品実装が可能となると、コントローラ3は実装プログラムにしたがって搬入機構21およびメイン搬送機構22を制御して基板FBを作業位置P2に搬送して位置決めする。この第3実施形態では、作業位置P2に位置決めされた基板FBは、図6(a)に示すように、基板FBの(+X)側端部がバックアップ部材41よりも(+X)側に位置するとともに、(−X)側端部がバックアップ部材41よりも(−X)側に位置するように、作業位置P2に位置決めされる。このように作業位置P2に基板FBを搬送している間、可動部材471、472および基板押さえ部材433、434は搬送路TPから離れた退避位置に退避しており、基板FBとの干渉が回避されている。
【0057】
それに続いて、図示を省略する切替駆動部が作動し、可動部材471、472を同図(b)の紙面においてそれぞれ時計回りおよび反時計回りに回動させる。これによって、基板FBの(+X)側で基板押さえ部材433がコンベア225、226から所定のクリアランスCLだけ上方に離れて位置するとともに、基板FBの(−X)側で基板押さえ部材434もコンベア225、226から所定のクリアランスCLだけ上方に離れて位置する。
【0058】
これに続いて、コントローラ3はバックアップ部材41への負圧供給を開始する。これと同時あるいはその後で、コントローラ3はシリンダCYのピストンを下方に後退させてコンベアフレーム221、222および基板押さえ部材433、434を一体的に下降させる。この下降動作中に、同図(c)に示すように、基板FBの一部がバックアップ部材41の上面411に当接して吸着された後、更なる下降動作に伴って吸着保持される領域が上面411全体に広がっていき、同図(d)に示すように、コンベア225、226がバックアップ部材41の上面(基板吸着面)411よりも低い位置に移動すると、コンベア225、226が基板FBより下方に遊離(すなわち、基板が一対のコンベア225、226から上方に離間)し、基板FBのうち部品実装を行う実装領域MRの下面全体がバックアップ部材41の上面411に吸着されて固定される。
【0059】
また、実装領域MRの吸着保持を実行している間に、基板FBのうち実装領域MRを除く非実装領域NMRに生じている反りは基板押さえ部材433、434による矯正される。すなわち、(+X)側基板押さえ部材433はコンベアフレーム221とともに下降している間に、上方に反り上がった(+X)側非実装領域NMRと当接した後、さらに下方に押し付ける。これによって、基板押さえ部材433による押さえ力の全てが基板FBを介してバックアップ部材41に伝わり、(+X)側非実装領域NMRで発生していた反りが矯正される。また、(−X)側基板押さえ部材434も、(+X)側基板押さえ部材433と同様にして(−X)側非実装領域NMRで発生していた反りを矯正する。
【0060】
基板FBの固定および矯正が完了すると、基板押さえ部材433、434により非実装領域NMRを押さえ付けて反りを矯正した状態のまま、コントローラ3は装置各部を制御して実装領域MRの表面に部品を実装する。また、部品実装が完了すると、コントローラ3はバックアップ部材41への負圧供給を停止するとともにバックアップ部材41の吸引孔41aを大気開放するとともに、シリンダCYのピストンを上方に前進させてコンベアフレーム221、222、可動部材471、472および基板押さえ部材433、434を一体的に上昇させる。これによって、非実装領域NMRを押さえ付けていた基板押さえ部材433、434はゆっくりと非実装領域NMRから上方に離れていくとともに、部品実装された基板FBがバックアップ部材41からコンベア225、226上に移載される。
【0061】
バックアップ部材41からコンベア225、226への基板移載が完了すると、コントローラ3は切替駆動部を制御して可動部材471、472を図6の紙面においてそれぞれ反時計回りおよび時計回りに回動させる。これによって、基板押さえ部材433、434は退避位置に位置決めされる。そして、コントローラ3はメイン搬送機構22および搬出機構23を制御して基板FBを表面実装機1から搬出する。
【0062】
以上のように、本実施形態においては、基板FBを搬送路TPに沿って搬送する際に可動部材471、472および基板押さえ部材433、434を搬送路TPから離れた位置に退避させるものの、第1実施形態と同様にして作業位置P2に位置決めされた基板FBの外周部の反りを矯正している。このため、第1実施形態と同様の作用が得られる。
【0063】
なお、上記実施形態においては、バックアップ部材41は、上面に複数の吸引孔41aが穿設された吸着プレートで構成されており、複数の吸引孔41aに負圧を供給することで基板FBをバックアップ部材41上面に固定するようにしている。しかしながら、上面に複数の吸引孔41aを配設していないバックアップ部材41で基板FBを支持する表面実装機1や印刷機、基板検査装置等の基板作業装置において、基板FBの保持固定は、基板押さえ部材431〜434による基板押さえ力を、一対のコンベア225、226から上方に離間する基板FBを介してバックアップ部材41に作用させることで基板FBの外周部の反りの矯正を兼ねて実施するようにしても良い。
【0064】
このように上記実施形態では、コンベアフレーム221、222がそれぞれ本発明の「第1搬送フレーム」および「第2搬送フレーム」の一例に相当している。また、一対のコンベア225、226が本発明の「一対の搬送部材」として機能し、フィルム状の基板FBを作業位置P2に搬送する。また、基板押さえ部材431〜434がそれぞれ本発明の「第1基板押さえ部材」、「第2基板押さえ部材」、「第3基板押さえ部材」および「第4基板押さえ部材」の一例に相当している。また、衝撃緩和部材441、442がそれぞれ本発明の「第1基板押さえ部材」および「第2基板押さえ部材」の一例に相当している。また、可動部材471、472がそれぞれ本発明の「第1可動部材」および「第2可動部材」の一例に相当している。さらに、ヘッドユニット6が本発明の「基板作業部」として機能している。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。そこで、例えば上記第3実施形態では、可動部材471、472に対して基板押さえ部材433、434をそれぞれ直接取り付けているが、第2実施形態と同様に、衝撃緩衝部材を介して取り付けてもよい。すなわち、支持軸473、474の両端を直接コンベアフレーム221、222に固着するのではなく、第2実施形態のシャフト461、462相当の上端部にそれぞれ支持軸473、474を連結固定するようにし、支持軸473、474、および可動部材471、472を介し基板押さえ部材433、434にそれぞれ圧縮コイルバネ451、452相当の付勢力を作用させるようにし、基板押さえ部材433、434はそれぞれ圧縮コイルバネ451、452相当の付勢力を受けながらコンベアフレーム221、222に対しそれぞれ上下方向Zに移動自在とする構成とすることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、バックアップ部材41を固定配置する一方、メイン搬送機構22の構成部品(コンベアフレーム、コンベア、基板押さえ部材など)を昇降させて基板FBの移載および反り矯正処理を実行しているが、メイン搬送機構22を固定配置する一方でバックアップ部材41を昇降させて基板移載および反り矯正を行うように構成してもよい。この場合、搬入機構21、メイン搬送機構22および搬出機構23を一体化する、つまり一対のコンベアのみで作業位置P2に基板FBを搬送するように基板搬送部2を構成した表面実装機に対して本発明を適用してもよい。
【0067】
なお、上記実施形態では、メイン搬送機構22の内側に両コンベアフレーム221,222の中間に位置するバックアップ部材41を固定配置する一方、バックアップ部材41の外側となるメイン搬送機構22の構成部品(コンベアフレーム、コンベア、基板押さえ部材など)を昇降させて基板FBの移載および反り矯正処理を実行するので、シリンダCY、シャフトSF、スリーブSL等からなる昇降駆動部の点検がしやすく、保守管理が容易となる。
【0068】
また、第1実施形態および第2実施形態では基板押さえ部材431、432により基板FBのY軸方向側の端部で発生する反りを矯正し、第3実施形態では基板押さえ部材433、434により基板FBのX軸方向側の端部で発生する反りを矯正しているが、基板押さえ部材の個数や配設位置はこれに限定されるものではなく、任意であり、例えば基板押さえ部材431〜434で基板FBの外周部全体を押さえ込んで反りを矯正してもよい。
【0069】
さらに、上記実施形態では、本発明にかかる基板固定技術を表面実装機1に適用しているが、当該基板固定技術の適用対象はこれに限定されるものではなく、基板に実装された部品を検査する検査装置、基板に接着剤等を基板に塗布するディスペンサー、あるいは基板を固定しつつマスク側を移動して位置合せして基板表面にクリーム半田を印刷する印刷装置などにも適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…表面実装機(基板作業装置)
2…基板搬送部
4…基板固定部
6…ヘッドユニット(基板作業部)
22…メイン搬送機構
41…バックアップ部材
221、222…コンベアフレーム(搬送フレーム)
225、226…コンベア(搬送部材)
431〜434…基板押さえ部材
441、442…衝撃緩和部材
471、472…可動部材
CL…クリアランス
CY…シリンダ(昇降駆動部)
FB…基板
P2…作業位置
TP…搬送路
X…搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6