特許第6152024号(P6152024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152024
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 21/00 20060101AFI20170612BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20170612BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20170612BHJP
   C08F 236/00 20060101ALI20170612BHJP
   C08F 230/08 20060101ALI20170612BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   C08L21/00
   C08K3/04
   C08K3/36
   C08F236/00
   C08F230/08
   B60C1/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】97
(21)【出願番号】特願2013-190780(P2013-190780)
(22)【出願日】2013年9月13日
(65)【公開番号】特開2015-54957(P2015-54957A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀口 卓也
(72)【発明者】
【氏名】本田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】西岡 和幸
(72)【発明者】
【氏名】三木 孝之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐美
【審査官】 松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/077017(WO,A1)
【文献】 特開2011−208012(JP,A)
【文献】 特開2012−177085(JP,A)
【文献】 特開2012−167207(JP,A)
【文献】 特開2013−139529(JP,A)
【文献】 特開2003−171418(JP,A)
【文献】 特開2011−225794(JP,A)
【文献】 特開2011−252137(JP,A)
【文献】 特開2011−252138(JP,A)
【文献】 特開2012−107141(JP,A)
【文献】 特開2006−257331(JP,A)
【文献】 特開2007−182463(JP,A)
【文献】 特開2013−006571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C08L 1/00 − 101/14
C08K 3/00 − 13/08
B60C 1/00 − 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分と、シリカと、導電性カーボンブラックとを含有し、
前記ゴム成分100質量%中、共役ジエンに基づく単量体単位及び下記式(1)で表される化合物に基づく単量体単位を有する共役ジエン系重合体(A)の含有量が5質量%以上であり、
前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるゴム組成物で構成されるサイドウォールを備える空気入りタイヤ。
【化1】
(式中、mは1〜3の整数を表し、Rは重合性炭素−炭素二重結合を有するヒドロカルビル基を表し、Rはヒドロカルビレン基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよく、Aは置換アミノ基を表し、Aが複数ある場合、複数あるAは同一でも異なっていてもよく、Rはヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基又は置換アミノ基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよい。)
【請求項2】
前記式(1)において、mが1であり、Rが下記式(2)で表される基であり、Rがアルキレン基であり、Rがアルキル基である請求項1記載の空気入りタイヤ。
【化2】
(式中、nは0〜2の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表す。)
【請求項3】
前記式(2)において、R、R及びRが水素原子であり、nが0である請求項2記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記共役ジエン系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1〜3である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記共役ジエン系重合体(A)のビニル結合量が、共役ジエンに基づく単量体単位の含有量を100モル%として、20モル%以上70モル%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記ゴム成分100質量部に対する前記導電性カーボンブラックの含有量が3〜40質量部である請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記導電性カーボンブラックは、窒素吸着比表面積が40〜80m/g、ジブチルフタレート吸油量が110〜230cm/100gである請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイヤの転がり抵抗を低減(転がり抵抗特性を向上)させることにより自動車の低燃費化が行なわれている。例えば、タイヤのトレッドを2層構造(内面層(ベーストレッド)及び表面層(キャップトレッド))とし、ベーストレッドに、優れた低発熱性(低燃費性)を有するゴム組成物が使用されている。しかし、近年、低燃費化への要求が更に強くなり、タイヤにおける占有比率の高いトレッドだけでなく、トレッド以外の部材(例えばサイドウォール)に対しても、より優れた低燃費性が要求されている。
【0003】
サイドウォール用ゴム組成物においては、キャップトレッド用ゴム組成物と異なり、従来から粒子径の大きいカーボンブラックが使用されており、カーボンブラックをシリカに変更しても低燃費性の改善効果はそれほど大きくない。また、低燃費性の改善のためにフィラーの配合量を減らすと、強度が低下して破壊強度や耐屈曲亀裂性が悪化するおそれがある。したがって、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善する方法が望まれている。
【0004】
特許文献1には、粒子径の異なるシリカを配合し、低燃費性を改善できるゴム組成物が開示されている。また、特許文献2〜5には、インデン系樹脂などのレジン(樹脂)を用いてグリップ性能などを改善することが提案されている。しかし、これらのゴム組成物では、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善する点について、未だ改善する余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−101127号公報
【特許文献2】特開2006−124601号公報
【特許文献3】特開2004−137463号公報
【特許文献4】特開2009−7454号公報
【特許文献5】特開2001−240704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善できるサイドウォール用ゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の本発明は、ゴム成分と、シリカと、導電性カーボンブラックとを含有し、前記ゴム成分100質量%中、共役ジエンに基づく単量体単位及び下記式(1)で表される化合物に基づく単量体単位を有する共役ジエン系重合体(A)の含有量が5質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるゴム組成物で構成されるサイドウォールを備える空気入りタイヤに関する。
【化1】
(式中、mは1〜3の整数を表し、Rは重合性炭素−炭素二重結合を有するヒドロカルビル基を表し、Rはヒドロカルビレン基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよく、Aは置換アミノ基を表し、Aが複数ある場合、複数あるAは同一でも異なっていてもよく、Rはヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基又は置換アミノ基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよい。)
【0008】
前記式(1)において、mが1であり、Rが下記式(2)で表される基であり、Rがアルキレン基であり、Rがアルキル基であることが好ましい。
【化2】
(式中、nは0〜2の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表す。)
【0009】
前記式(2)において、R、R及びRが水素原子であり、nが0であることが好ましい。
【0010】
前記共役ジエン系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1〜3であることが好ましい。
【0011】
前記共役ジエン系重合体(A)のビニル結合量が、共役ジエンに基づく単量体単位の含有量を100モル%として、20モル%以上70モル%以下であることが好ましい。
【0012】
第二の本発明は、ゴム成分と、シリカと、導電性カーボンブラックとを含有し、前記ゴム成分100質量%中、共役ジエンに基づく単量体単位及び下記式(4)で表される化合物に基づく単量体単位を有する共役ジエン系重合体(B)の含有量が5質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるゴム組成物で構成されるサイドウォールを備える空気入りタイヤに関する。
【化3】
(式中、hは1又は2を表し、iは1又は2を表し、h+iは2又は3であり、R11は重合性炭素−炭素二重結合を有するヒドロカルビル基を表し、R12はヒドロカルビル基を表し、R12が複数ある場合、複数あるR12は同一でも異なっていてもよく、R13は含酸素置換基を有していてもよいアリール基を表し、R13が複数ある場合、複数あるR13は同一でも異なっていてもよく、R14はアルキル基、又は置換アミノ基を表す。)
【0013】
前記式(4)において、h+iが3であり、R11が下記式(5)で表される基であり、R12が3級アルキル基であり、R13がアルキル基を有していてもよいフェニル基であることが好ましい。
【化4】
(式中、pは0又は1であり、R15は水素原子又はヒドロカルビル基を表し、Tはヒドロカルビレン基を表す。)
【0014】
前記式(4)において、R11がビニル基であることが好ましい。
【0015】
前記共役ジエン系重合体(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1〜1.5であることが好ましい。
【0016】
共役ジエン系重合体(B)のビニル結合量が、共役ジエンに基づく単量体単位の含有量を100モル%として、20モル%以上70モル%以下であることが好ましい。
【0017】
第三の本発明は、ゴム成分と、シリカと、導電性カーボンブラックとを含有し、前記ゴム成分100質量%中、炭化水素溶媒中において、ルイス塩基性化合物と共存下で、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、下記式(7)で表される化合物を反応させた共役ジエン系重合体(C)の含有量が5質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるゴム組成物で構成されるサイドウォールを備える空気入りタイヤに関する。
【化5】
(式中、j〜lは、独立に、1〜8の整数を表す。)
【0018】
前記共役ジエン系重合体(C)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1〜1.5であることが好ましい。
【0019】
前記共役ジエン系重合体(C)のビニル結合量が、共役ジエンに基づく単量体単位の含有量を100モル%として、20モル%以上70モル%以下であることが好ましい。
【0020】
第四の本発明は、ゴム成分と、シリカと、導電性カーボンブラックとを含有し、前記ゴム成分100質量%中、共役ジエンに基づく単量体単位及び下記式(8)で表される化合物に基づく単量体単位を有する共役ジエン系重合体の一端に下記式(9)で表される化合物を反応させて得られる共役ジエン系重合体(D)の含有量が5質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるゴム組成物で構成されるサイドウォールを備える空気入りタイヤに関する。
【化6】
(式中、R21は水素原子又は炭素原子数1〜5のヒドロカルビル基を表し、sは0又は1であり、R22はヒドロカルビレン基を表し、R23及びR24は、それぞれ、ヒドロカルビル基、又は、トリヒドロカルビルシリル基、あるいは、R23とR24とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R23とR24は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。)
【化7】
(式中、tは1〜10の整数を表し、R25、R26及びR27は、それぞれ、ヒドロカルビル基又はヒドロカルビルオキシ基を表し、R25、R26及びR27の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R28及びR29は、それぞれ、水素原子、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基、あるいは、R28とR29とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R28とR29は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。)
【0021】
前記式(8)において、R21が水素原子であり、sが1であり、R22が下記式(10)で表されることが好ましい。
【化8】
(式中、uは0〜5の整数を表し、uが1〜5の整数である場合、(CHはベンゼン環上の置換基であり、(CHが式(8)の窒素原子と結合し、uが0である場合、(CHはベンゼン環と式(8)の窒素原子との結合を表す。)
【0022】
前記式(9)において、R25、R26及びR27がヒドロカルビルオキシ基であり、R28及びR29がヒドロカルビル基であることが好ましい。
【0023】
前記式(8)で表される化合物に基づく単量体単位の含有量が、共役ジエン系重合体(D)中の単量体単位の総量を100質量%として、0.01〜20質量%であることが好ましい。
【0024】
前記共役ジエン系重合体(D)のビニル結合量が、共役ジエンに基づく単量体単位の含有量を100モル%として、20モル%以上70モル%以下であることが好ましい。
【0025】
第五の本発明は、ゴム成分と、シリカと、導電性カーボンブラックとを含有し、前記ゴム成分100質量%中、共役ジエンに基づく単量体単位及び下記式(11)で表される化合物に基づく単量体単位を有する共役ジエン系重合体の一端に下記式(12)で表される化合物を反応させて得られ、下記式(11)で表される化合物に基づく単量体単位の含有量が、共役ジエン系重合体中の単量体単位の総量を100質量%として、0.01〜20質量%である共役ジエン系重合体(E)の含有量が5質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が5〜150質量部であるゴム組成物で構成されるサイドウォールを備える空気入りタイヤに関する。
【化9】
(式中、R31は水素原子又はヒドロカルビル基を表し、wは0又は1であり、R32はヒドロカルビレン基を表し、Bは含窒素複素環基を表す。)
【化10】
(式中、xは1〜10の整数を表し、R33、R34及びR35は、それぞれ、ヒドロカルビル基又はヒドロカルビルオキシ基を表し、R33、R34及びR35の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R36及びR37は、それぞれ、水素原子、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基、あるいは、R36とR37とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R36とR37は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。)
【0026】
前記式(12)において、R33、R34及びR35がヒドロカルビルオキシ基であり、R36及びR37がヒドロカルビル基であることが好ましい。
【0027】
前記式(11)において、R31が水素原子であり、Bがピリジル基であることが好ましい。
【0028】
前記共役ジエン系重合体(E)のビニル結合量が、共役ジエンに基づく単量体単位の含有量を100モル%として、20モル%以上70モル%以下であることが好ましい。
【0029】
前記ゴム成分100質量部に対する前記導電性カーボンブラックの含有量が3〜40質量部であることが好ましい。
【0030】
前記導電性カーボンブラックは、窒素吸着比表面積が40〜80m/g、ジブチルフタレート吸油量が110〜230cm/100gであることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、特定の単量体単位を有する共役ジエン系重合体(A)〜(E)の少なくとも一つと、シリカとをそれぞれ所定量配合し、更に導電性カーボンブラックを配合したサイドウォール用ゴム組成物であるので、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明のゴム組成物は、特定の単量体単位を有する共役ジエン系重合体(A)〜(E)の少なくとも一つと、シリカと、導電性カーボンブラックとを含む。
【0033】
第一の本発明に係る共役ジエン系重合体(A)は、共役ジエンに基づく単量体単位と下記式(1)で表される化合物に基づく単量体単位とを有する。
【0034】
【化11】
(式中、mは1〜3の整数を表し、Rは重合性炭素−炭素二重結合を有するヒドロカルビル基を表し、Rはヒドロカルビレン基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよく、Aは置換アミノ基を表し、Aが複数ある場合、複数あるAは同一でも異なっていてもよく、Rはヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基又は置換アミノ基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよい。)
【0035】
共役ジエン系重合体(A)は、共役ジエンに基づく単量体単位(共役ジエン単位)を有する。該共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンがあげられる。これらは、1種以上用いられる。共役ジエンとして、好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0036】
式(1)のmは、好ましくは、1又は2である。
【0037】
式(1)のRは重合性炭素−炭素二重結合を有するヒドロカルビル基を表し、Rはヒドロカルビレン基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよく、Aは置換アミノ基を表し、Aが複数ある場合、複数あるAは同一でも異なっていてもよく、Rはヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基又は置換アミノ基を表し、Rが複数ある場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよい。
【0038】
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素残基を表す。置換ヒドロカルビル基(置換基を有するヒドロカルビル基)は、炭化水素残基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表し、ヒドロカルビレン基は2価の炭化水素残基を表し、置換アミノ基は、アミノ基の1つ以上の水素原子が置換基で置換された基を表す。
【0039】
式(1)のRとしては、下記式(2)で表される基をあげることができる。
【化12】
(式中、nは0〜2の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はヒドロカルビル基を表す。)
【0040】
、R及びRのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;メチルフェニル基、エチルフェニル基等のアリール基等があげられる。
【0041】
式(2)で表される基としては、ビニル基(R、R及びRが水素原子、n=0)、アリル基(R、R及びRが水素原子、n=1)、1−プロペニル基(Rがメチル基、R及びRが水素原子、n=0)、イソプロペニル基(R及びRが水素原子、Rがメチル基、n=0)、クロチル基(Rがメチル基、R及びRが水素原子、n=1)、メタリル基(R及びRが水素原子、Rがメチル基、n=1)があげられる。
【0042】
及びRとしては、好ましくは、水素原子又はメチル基であり、より好ましくは、水素原子である。
【0043】
としては、好ましくは水素原子又はアルキル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基である。
【0044】
式(2)のnは0〜2の整数を表す。好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
【0045】
式(2)としては、好ましくはビニル基(R、R及びRが水素原子、n=0)、アリル基(R、R及びRが水素原子、n=1)であり、より好ましくはビニル基(R、R及びRが水素原子、n=0)である。
【0046】
式(1)のRのヒドロカルビレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基;フェニレン基、トリレン基、キシリレン基等のアリーレン基;アラルキレン基があげられる。
【0047】
のヒドロカルビレン基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは、1〜4である。
【0048】
のヒドロカルビレン基として、好ましくは、アルキレン基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキレン基であり、更に好ましくは、メチレン基、エチレン基である。
【0049】
式(1)のAの置換アミノ基としては、下記式(3)で表される基をあげることができる。
【化13】
(式中、R及びRは、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜10のヒドロカルビル基、シリル基、置換シリル基、あるいは、RとRとが結合した炭素原子数が2〜20の2価基、又は、RとRは1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する炭素原子数が2〜20の基を表す。)
【0050】
及びRのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基があげられる。好ましくは、アルキル基である。
【0051】
及びRのヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは6以下であり、より好ましくは4以下であり、更に好ましくは1又は2である。
【0052】
及びRの窒素原子を有するヒドロカルビル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノエチル基等のジアルキルアミノアルキル基があげられる。
【0053】
及びRの窒素原子を有するヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは6以下であり、より好ましくは4以下である。また、該炭素原子数は、好ましくは3以上である。
【0054】
及びRの酸素原子を有するヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基;オキシラニル基、テトラヒドロフラニル基等のオキサシクロアルキル基;グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基等のオキサシクロアルキルアルキル基があげられる。好ましくは、オキサシクロアルキル基、オキサシクロアルキルアルキル基である。
【0055】
本明細書において、オキサシクロアルキル基は、シクロアルキル基の脂環上のCHが酸素原子に置き換わった基を表し、オキサシクロアルキルアルキル基は、アルキル基の水素原子がオキサシクロアルキル基に置き換わった基を表す。
【0056】
及びRの酸素原子を有するヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは6以下であり、より好ましくは4以下である。また、該炭素原子数は、好ましくは2以上である。
【0057】
及びRのケイ素原子を有するヒドロカルビル基としては、トリメチルシリルメチル基等のトリアルキルシリルアルキル基があげられる。
【0058】
及びRのケイ素原子を有するヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは6以下であり、より好ましくは4以下である。また、該炭素原子数は、好ましくは4以上である。
【0059】
及びRの置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基;トリメトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基などをあげることができる。好ましくは、トリアルキルシリル基である。
【0060】
及びRの置換シリル基の炭素原子数は、好ましくは3〜10であり、より好ましくは3〜6であり、更に好ましくは3である。
【0061】
及びRが結合した炭素原子数が2〜20の2価基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等のアルキレン基;−CH=CH−CH=CH−で表される基等のアルケニレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CH=CH−N=CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基、−CHCHCH−NH−で表される基、−CH=CHCH=N−で表される基、−CHCH−NH−CHCH−で表される基等の含窒素基;
−CHCH−O−CHCH−で表される基、−CHCHCH−O−CHCHCH−で表される基等の含酸素基があげられる。
【0062】
及びRが結合した2価基の炭素原子数は、好ましくは2〜12であり、より好ましくは2〜8である。
【0063】
及びRの窒素原子に二重結合で結合する炭素原子数が2〜20の基としては、窒素原子及び酸素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい基があげられる。例えば、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、1−メチルエチリデン基、1−メチルプロピリデン基、1,3−ジメチルブチリデン基、ベンジリデン基、4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン基があげられる。
【0064】
及びRの窒素原子に二重結合で結合する基の炭素原子数は、好ましくは、2〜12であり、より好ましくは2〜8である。
【0065】
式(3)で表される基としては、非環状アミノ基、環状アミノ基があげられる。
【0066】
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;
ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基等のジ(アルコキシアルキル)アミノ基;
ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基等のジ(トリアルキルシリル)アミノ基があげられる。
また、ジ(オキシラニル)アミノ基、ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ基等のジ(オキサシクロアルキル)アミノ基;ジ(グリシジル)アミノ基、ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ基等のジ(オキサシクロアルキルアルキル)アミノ基があげられる。
更には、エチリデンアミノ基、1−メチルプロピリデンアミノ基、1,3−ジメチルブチリデンアミノ基、1−メチルエチリデンアミノ基、4−N,N−ジメチルアミノベンジリデンアミノ基があげられる。
【0067】
該環状アミノ基としては、1−アジリジニル基、1−アゼチジニル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基等の1−ポリメチレンイミノ基があげられる。また、1−ピロリル基、1−イミダゾリジニル基、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−ピラゾリジニル基、1−ピラゾリル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基等もあげられる。
【0068】
式(3)で表される置換アミノ基としては、好ましくは、ジアルキルアミノ基又は1−ポリメチレンイミノ基であり、より好ましくは、1−ポリメチレンイミノ基である。
【0069】
式(1)のRはヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基又は置換アミノ基を表す。
【0070】
のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基があげられる。ヒドロカルビル基として、好ましくは、アルキル基である。
【0071】
のヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは、1又は2である。
【0072】
の置換ヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基があげられる。置換ヒドロカルビル基として、好ましくは、アルコキシアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が2〜4のアルコキシアルキル基である。
【0073】
の置換ヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜4である。
【0074】
の置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ベンジルアミノ基等のアラルキルアミノ基;フェニルアミノ基等のアリールアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;エチリデンアミノ基、1−メチルエチリデンアミノ基、2−メチルプロピリデンアミノ基、1,3−ジメチルブチリデンアミノ基等のアルキリデンアミノ基;1−アジリジニル基、1−アゼチジニル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−ピロリル基、1−イミダゾリジニル基、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−ピラゾリジニル基、1−ピラゾリル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基等の環状アミノ基があげられる。
【0075】
の置換アミノ基としては、好ましくは、非環状アミノ基であり、より好ましくは、ジアルキルアミノ基である。
【0076】
として、好ましくはヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基であり、より好ましくはヒドロカルビル基である。
【0077】
式(1)で表される化合物としては、Rが式(2)で表される基であり、mが1であり、Aが式(3)で表される非環状アミノ基である化合物があげられる。
該化合物としては、
(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルビニルシラン、
(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルアリルシラン、
(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキル−1−プロペニルシラン、
(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルイソプロペニルシラン、
(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルクロチルシラン、
(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルメタリルシランがあげられる。
次段落以降に、具体的な化合物を例示する。
【0078】
〔1〕 (ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルビニルシラン:
(ジメチルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、(ジ−n−プロピルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、(ジ−n−ブチルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、(ジ−t−ブチルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、
(メチルエチルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、(メチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルビニルシラン、
(ジメチルアミノ)メチルメチルエチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)メチルメチル−n−プロピルビニルシラン、(ジメチルアミノ)メチルエチル−n−プロピルビニルシラン、
【0079】
2−(ジメチルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、2−(ジエチルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、2−(ジ−t−ブチルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、
2−(メチルエチルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、2−(メチルn−プロピルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、2−(エチル−n−プロピルアミノ)エチルジメチルビニルシラン、
(ジメチルアミノ)エチルメチルエチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)エチルメチル−n−プロピルビニルシラン、ジメチルアミノ)エチルエチル−n−プロピルビニルシラン、
【0080】
3−(ジメチルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、3−(ジエチルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、3−(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、3−(ジ−t−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
3−(メチルエチルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、3−(メチルn−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、3−(エチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルエチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチル−n−プロピルビニルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチル−n−プロピルビニルシラン。
【0081】
〔2〕 (ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルアリルシラン:
(ジメチルアミノ)メチルジメチルアリルシラン、(ジエチルアミノ)メチルジメチルアリルシラン、(ジ−n−プロピルアミノ)メチルジメチルアリルシラン、(ジ−n−ブチル)アミノメチルジメチルアリルシラン、(ジ−t−ブチル)アミノメチルジメチルアリルシラン、
(メチルエチルアミノ)メチルジメチルアリルシラン、(メチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルアリルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルアリルシラン、
(ジメチルアミノ)メチルメチルエチルアリルシラン、(ジメチルアミノ)メチルメチル−n−プロピルアリルシラン、(ジメチルアミノ)メチルエチル−n−プロピルアリルシラン、
【0082】
2−(ジメチルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、2−(ジエチルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、2−(ジ−t−ブチルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、
2−(メチルエチルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、2−(メチルn−プロピルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、2−(エチル−n−プロピルアミノ)エチルジメチルアリルシラン、
(ジメチルアミノ)エチルメチルエチルアリルシラン、(ジメチルアミノ)エチルメチル−n−プロピルアリルシラン、(ジメチルアミノ)エチルエチル−n−プロピルアリルシラン、
【0083】
3−(ジメチルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、3−(ジエチルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、3−(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、3−(ジ−t−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
3−(メチルエチルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、3−(メチルn−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、3−(エチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルエチルアリルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチル−n−プロピルアリルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチル−n−プロピルアリルシラン。
【0084】
〔3〕 (ジアルキルアミノ)アルキルジアルキル−1−プロペニルシラン:
(ジメチルアミノ)メチルジメチル−1−プロペニルシラン、(ジエチルアミノ)メチルジメチル−1−プロペニルシラン、(ジ−n−プロピルアミノ)メチルジメチル−1−プロペニルシラン、(ジ−n−ブチル)アミノメチルジメチル−1−プロペニルシラン、(ジ−t−ブチル)アミノメチルジメチル−1−プロペニルシラン、
(メチルエチルアミノ)メチルジメチル−1−プロペニルシラン、(メチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチル−1−プロペニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチル−1−プロペニルシラン、
(ジメチルアミノ)メチルメチルエチル−1−プロペニルシラン、(ジメチルアミノ)メチルメチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、(ジメチルアミノ)メチルエチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0085】
2−(ジメチルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(ジエチルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(ジ−t−ブチルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、
2−(メチルエチルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(メチルn−プロピルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(エチル−n−プロピルアミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、
(ジメチルアミノ)エチルメチルエチル−1−プロペニルシラン、(ジメチルアミノ)エチルメチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、(ジメチルアミノ)エチルエチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0086】
3−(ジメチルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(ジエチルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(ジ−t−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
3−(メチルエチルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(メチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(エチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルエチル−1−プロペニルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチル−n−プロピル1−プロペニルシラン。
【0087】
〔4〕 (ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルイソプロペニルシラン:
(ジメチルアミノ)メチルジメチルイソプロペニルシラン、(ジエチルアミノ)メチルジメチルイソプロペニルシラン、(ジ−n−プロピルアミノ)メチルジメチルイソプロペニルシラン、(ジ−n−ブチル)アミノメチルジメチルイソプロペニルシラン、(ジ−t−ブチル)アミノメチルジメチルイソプロペニルシラン、
(メチルエチルアミノ)メチルジメチルイソプロペニルシラン、(メチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルイソプロペニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルイソプロペニルシラン、
(ジメチルアミノ)メチルメチルエチルイソプロペニルシラン、(ジメチルアミノ)メチルメチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、(ジメチルアミノ)メチルエチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0088】
2−(ジメチルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(ジエチルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(ジ−t−ブチルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、
2−(メチルエチルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(メチルn−プロピルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(エチル−n−プロピルアミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、
(ジメチルアミノ)エチルメチルエチルイソプロペニルシラン、(ジメチルアミノ)エチルメチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、(ジメチルアミノ)エチルエチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0089】
3−(ジメチルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、3−(ジエチルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、3−(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、3−(ジ−t−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
3−(メチルエチルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、3−(メチルn−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、3−(エチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルエチルイソプロペニルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチル−n−プロピルイソプロペニルシラン。
【0090】
〔5〕 (ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルクロチルシラン:
(ジメチルアミノ)メチルジメチルクロチルシラン、(ジエチルアミノ)メチルジメチルクロチルシラン、(ジ−n−プロピルアミノ)メチルジメチルクロチルシラン、(ジ−n−ブチル)アミノメチルジメチルクロチルシラン、(ジ−t−ブチル)アミノメチルジメチルクロチルシラン、
(メチルエチルアミノ)メチルジメチルクロチルシラン、(メチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルクロチルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルクロチルシラン、
(ジメチルアミノ)メチルメチルエチルクロチルシラン、(ジメチルアミノ)メチルメチル−n−プロピルクロチルシラン、(ジメチルアミノ)メチルエチル−n−プロピルクロチルシラン、
【0091】
2−(ジメチルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、2−(ジエチルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、2−(ジ−t−ブチルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、
2−(メチルエチルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、2−(メチルn−プロピルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、2−(エチル−n−プロピルアミノ)エチルジメチルクロチルシラン、
(ジメチルアミノ)エチルメチルエチルクロチルシラン、(ジメチルアミノ)エチルメチル−n−プロピルクロチルシラン、(ジメチルアミノ)エチルエチル−n−プロピルクロチルシラン、
【0092】
3−(ジメチルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、3−(ジエチルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、3−(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、3−(ジ−t−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
3−(メチルエチルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、3−(メチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、3−(エチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルエチルクロチルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチル−n−プロピルクロチルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチル−n−プロピルクロチルシラン。
【0093】
〔6〕 (ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルメタリルシラン:
(ジメチルアミノ)メチルジメチルメタリルシラン、(ジエチルアミノ)メチルジメチルメタリルシラン、(ジ−n−プロピルアミノ)メチルジメチルメタリルシラン、(ジ−n−ブチル)アミノメチルジメチルメタリルシラン、(ジ−t−ブチル)アミノメチルジメチルメタリルシラン、
(メチルエチルアミノ)メチルジメチルメタリルシラン、(メチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルメタリルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)メチルジメチルメタリルシラン、
(ジメチルアミノ)メチルメチルエチルメタリルシラン、(ジメチルアミノ)メチルメチル−n−プロピルメタリルシラン、(ジメチルアミノ)メチルエチル−n−プロピルメタリルシラン、
【0094】
2−(ジメチルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、2−(ジエチルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、2−(ジエチルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、2−(ジ−t−ブチルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、
2−(メチルエチルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、2−(メチルn−プロピルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、2−(エチル−n−プロピルアミノ)エチルジメチルメタリルシラン、
(ジメチルアミノ)エチルメチルエチルメタリルシラン、(ジメチルアミノ)エチルメチル−n−プロピルメタリルシラン、(ジメチルアミノ)エチルエチル−n−プロピルメタリルシラン、
【0095】
3−(ジメチルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、3−(ジエチルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、3−(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、3−(ジ−t−ブチルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
3−(メチルエチルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、3−(メチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、3−(エチル−n−プロピルアミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルエチルメタリルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチル−n−プロピルメタリルシラン、(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチル−n−プロピルメタリルシラン。
【0096】
式(1)で表される化合物としては、Rが式(2)で表される基であり、mが1であり、Aが式(3)で表される環状アミノ基である化合物があげられる。
該化合物としては、
1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルビニルシラン、
1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルアリルシラン、
1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキル−1−プロペニルシラン、
1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルイソプロペニルシラン、
1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルクロチルシラン、
1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルメタリルシランがあげられる。
次段落以降に、具体的な化合物を例示する。
【0097】
〔7〕 1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルビニルシラン:
1−アジリジニルメチルジメチルビニルシラン、2−(1−アジリジニル)エチルジメチルビニルシラン、3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
1−アジリジニルメチルジエチルビニルシラン、
1−アジリジニルメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジエチルビニルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジエチルビニルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0098】
1−アゼリジニルメチルジメチルビニルシラン、2−(1−アゼリジニル)エチルジメチルビニルシラン、3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
1−アゼリジニルメチルジエチルビニルシラン、
1−アゼリジニルメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジエチルビニルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジエチルビニルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0099】
ジメチル−1−ピロリジニルメチルビニルシラン、ジメチル−2−(1−ピロリジニル)エチルビニルシラン、ジメチル−(1−ピロリジニル)−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−1−ピロリジニルメチルビニルシラン、
1−ピロリジニルメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−2−(1−ピロリジニル)エチルビニルシラン、
2−(1−ピロリジニル)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0100】
ジメチル−1−ピペリジニルメチルビニルシラン、ジメチル−2−(1−ピペリジニル)エチルビニルシラン、ジメチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−1−ピペリジニルメチルビニルシラン、
1−ピペリジニルメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジエチルビニルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0101】
1−ヘキサメチレンイミノメチルジメチルビニルシラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジメチルビニルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
ジエチル−1−ヘキサメチレンイミノメチルビニルシラン、
1−ヘキサメチレンイミノメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルビニルシラン、
2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0102】
1−ヘプタメチレンイミノメチルジメチルビニルシラン、2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジメチルビニルシラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
ジエチル−1−ヘプタメチレンイミノメチルビニルシラン、
1−ヘプタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルビニルシラン、
2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0103】
ジメチル−1−オクタメチレンイミノメチルビニルシラン、ジメチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルビニルシラン、ジメチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−1−オクタメチレンイミノメチルビニルシラン、
1−オクタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルビニルシラン、
2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
ジエチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0104】
1−デカメチレンイミノメチルジメチルビニルシラン、2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジメチルビニルシラン、3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジエチルビニルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジエチルビニルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルビニルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン、
【0105】
1−ドデカメチレンイミノメチルジメチルビニルシラン、2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジメチルビニルシラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルビニルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジエチルビニルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルビニルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジエチルビニルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルビニルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルビニルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルビニルシラン。
【0106】
〔8〕 1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルアリルシラン:
1−アジリジニルメチルジメチルアリルシラン、2−(1−アジリジニル)エチルジメチルアリルシラン、3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
1−アジリジニルメチルジエチルアリルシラン、
1−アジリジニルメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジエチルアリルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジエチルアリルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0107】
1−アゼリジニルメチルジメチルアリルシラン、2−(1−アゼリジニル)エチルジメチルアリルシラン、3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
1−アゼリジニルメチルジエチルアリルシラン、
1−アゼリジニルメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジエチルアリルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジエチルアリルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0108】
ジメチル−1−ピロリジニルメチルアリルシラン、ジメチル−2−(1−ピロリジニル)エチルアリルシラン、3ジメチル−(1−ピロリジニル)−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−1−ピロリジニルメチルアリルシラン、
1−ピロリジニルメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−2−(1−ピロリジニル)エチルアリルシラン、
2−(1−ピロリジニル)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0109】
ジメチル−1−ピペリジニルメチルアリルシラン、ジメチル−2−(1−ピペリジニル)エチルアリルシラン、ジメチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−1−ピペリジニルメチルアリルシラン、
1−ピペリジニルメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジエチルアリルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0110】
1−ヘキサメチレンイミノメチルジメチルアリルシラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジメチルアリルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
ジエチル−1−ヘキサメチレンイミノメチルアリルシラン、
1−ヘキサメチレンイミノメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルアリルシラン、
2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0111】
1−ヘプタメチレンイミノメチルジメチルアリルシラン、2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジメチルアリルシラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
ジエチル−1−ヘプタメチレンイミノメチルアリルシラン、
1−ヘプタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルアリルシラン、
2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0112】
ジメチル−1−オクタメチレンイミノメチルアリルシラン、ジメチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルアリルシラン、ジメチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−1−オクタメチレンイミノメチルアリルシラン、
1−オクタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルアリルシラン、
2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
ジエチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0113】
1−デカメチレンイミノメチルジメチルアリルシラン、2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジメチルアリルシラン、3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジエチルアリルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジエチルアリルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルアリルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン、
【0114】
1−ドデカメチレンイミノメチルジメチルアリルシラン、2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジメチルアリルシラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルアリルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジエチルアリルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルアリルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジエチルアリルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルアリルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルアリルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルアリルシラン。
【0115】
〔9〕 1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキル−1−プロペニルシラン:
1−アジリジニルメチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(1−アジリジニル)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
1−アジリジニルメチルジエチル−1−プロペニルシラン、
1−アジリジニルメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジエチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジエチル−1−プロペニルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0116】
1−アゼリジニルメチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(1−アゼリジニル)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
1−アゼリジニルメチルジエチル−1−プロペニルシラン、
1−アゼリジニルメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジエチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジエチル−1−プロペニルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0117】
ジメチル−1−ピロリジニルメチル−1−プロペニルシラン、ジメチル−2−(1−ピロリジニル)エチル−1−プロペニルシラン、3ジメチル−(1−ピロリジニル)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−1−ピロリジニルメチル−1−プロペニルシラン、
1−ピロリジニルメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−ピロリジニル)エチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−ピロリジニル)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ピロリジニル)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0118】
ジメチル−1−ピペリジニルメチル−1−プロペニルシラン、ジメチル−2−(1−ピペリジニル)エチル−1−プロペニルシラン、ジメチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−1−ピペリジニルメチル−1−プロペニルシラン、
1−ピペリジニルメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジエチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0119】
1−ヘキサメチレンイミノメチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
ジエチル−1−ヘキサメチレンイミノメチル−1−プロペニルシラン、
1−ヘキサメチレンイミノメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0120】
1−ヘプタメチレンイミノメチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
ジエチル−1−ヘプタメチレンイミノメチル−1−プロペニルシラン、
1−ヘプタメチレンイミノメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0121】
ジメチル−1−オクタメチレンイミノメチル−1−プロペニルシラン、ジメチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチル−1−プロペニルシラン、ジメチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−1−オクタメチレンイミノメチル−1−プロペニルシラン、
1−オクタメチレンイミノメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0122】
1−デカメチレンイミノメチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジエチル−1−プロペニルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジエチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチル−1−プロペニルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
【0123】
1−ドデカメチレンイミノメチルジメチル−1−プロペニルシラン、2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジメチル−1−プロペニルシラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチル−1−プロペニルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジエチル−1−プロペニルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジエチル−1−プロペニルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチル−1−プロペニルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピル1−プロペニルシラン。
【0124】
〔10〕 1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルイソプロペニルシラン:
1−アジリジニルメチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(1−アジリジニル)エチルジメチルイソプロペニルシラン、3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
1−アジリジニルメチルジエチルイソプロペニルシラン、
1−アジリジニルメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジエチルイソプロペニルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジエチルイソプロペニルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0125】
1−アゼリジニルメチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(1−アゼリジニル)エチルジメチルイソプロペニルシラン、3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
1−アゼリジニルメチルジエチルイソプロペニルシラン、
1−アゼリジニルメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジエチルイソプロペニルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジエチルイソプロペニルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0126】
ジメチル−1−ピロリジニルメチルイソプロペニルシラン、ジメチル−2−(1−ピロリジニル)エチルイソプロペニルシラン、3ジメチル−(1−ピロリジニル)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−1−ピロリジニルメチルイソプロペニルシラン、
1−ピロリジニルメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−ピロリジニル)エチルイソプロペニルシラン、
2−(1−ピロリジニル)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0127】
ジメチル−1−ピペリジニルメチルイソプロペニルシラン、ジメチル−2−(1−ピペリジニル)エチルイソプロペニルシラン、ジメチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−1−ピペリジニルメチルイソプロペニルシラン、
1−ピペリジニルメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジエチルイソプロペニルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0128】
1−ヘキサメチレンイミノメチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
ジエチル−1−ヘキサメチレンイミノメチルイソプロペニルシラン、
1−ヘキサメチレンイミノメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルイソプロペニルシラン、
2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0129】
1−ヘプタメチレンイミノメチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
ジエチル−1−ヘプタメチレンイミノメチルイソプロペニルシラン、
1−ヘプタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルイソプロペニルシラン、
2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0130】
ジメチル−1−オクタメチレンイミノメチルイソプロペニルシラン、ジメチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルイソプロペニルシラン、ジメチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−1−オクタメチレンイミノメチルイソプロペニルシラン、
1−オクタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルイソプロペニルシラン、
2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
ジエチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0131】
1−デカメチレンイミノメチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジエチルイソプロペニルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジエチルイソプロペニルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルイソプロペニルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
【0132】
1−ドデカメチレンイミノメチルジメチルイソプロペニルシラン、2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジメチルイソプロペニルシラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルイソプロペニルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジエチルイソプロペニルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジエチルイソプロペニルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルイソプロペニルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルイソプロペニルシラン。
【0133】
〔11〕 1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルクロチルシラン:
1−アジリジニルメチルジメチルクロチルシラン、2−(1−アジリジニル)エチルジメチルクロチルシラン、3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
1−アジリジニルメチルジエチルクロチルシラン、
1−アジリジニルメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジエチルクロチルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジエチルクロチルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0134】
1−アゼリジニルメチルジメチルクロチルシラン、2−(1−アゼリジニル)エチルジメチルクロチルシラン、3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
1−アゼリジニルメチルジエチルクロチルシラン、
1−アゼリジニルメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジエチルクロチルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジエチルクロチルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0135】
ジメチル−1−ピロリジニルメチルクロチルシラン、ジメチル−2−(1−ピロリジニル)エチルクロチルシラン、3ジメチル−(1−ピロリジニル)−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−1−ピロリジニルメチルクロチルシラン、
1−ピロリジニルメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−2−(1−ピロリジニル)エチルクロチルシラン、
2−(1−ピロリジニル)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0136】
ジメチル−1−ピペリジニルメチルクロチルシラン、ジメチル−2−(1−ピペリジニル)エチルクロチルシラン、ジメチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−1−ピペリジニルメチルクロチルシラン、
1−ピペリジニルメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジエチルクロチルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0137】
1−ヘキサメチレンイミノメチルジメチルクロチルシラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジメチルクロチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
ジエチル−1−ヘキサメチレンイミノメチルクロチルシラン、
1−ヘキサメチレンイミノメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルクロチルシラン、
2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0138】
1−ヘプタメチレンイミノメチルジメチルクロチルシラン、2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジメチルクロチルシラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
ジエチル−1−ヘプタメチレンイミノメチルクロチルシラン、
1−ヘプタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルクロチルシラン、
2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0139】
ジメチル−1−オクタメチレンイミノメチルクロチルシラン、ジメチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルクロチルシラン、ジメチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−1−オクタメチレンイミノメチルクロチルシラン、
1−オクタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルクロチルシラン、
2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
ジエチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0140】
1−デカメチレンイミノメチルジメチルクロチルシラン、2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジメチルクロチルシラン、3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジエチルクロチルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジエチルクロチルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルクロチルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン、
【0141】
1−ドデカメチレンイミノメチルジメチルクロチルシラン、2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジメチルクロチルシラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルクロチルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジエチルクロチルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジエチルクロチルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルクロチルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルクロチルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルクロチルシラン。
【0142】
〔12〕 1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルメタリルシラン:
1−アジリジニルメチルジメチルメタリルシラン、2−(1−アジリジニル)エチルジメチルメタリルシラン、3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
1−アジリジニルメチルジエチルメタリルシラン、
1−アジリジニルメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジエチルメタリルシラン、
2−(1−アジリジニル)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジエチルメタリルシラン、
3−(1−アジリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0143】
1−アゼリジニルメチルジメチルメタリルシラン、2−(1−アゼリジニル)エチルジメチルメタリルシラン、3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
1−アゼリジニルメチルジエチルメタリルシラン、
1−アゼリジニルメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジエチルメタリルシラン、
2−(1−アゼリジニル)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジエチルメタリルシラン、
3−(1−アゼリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0144】
ジメチル−1−ピロリジニルメチルメタリルシラン、ジメチル−2−(1−ピロリジニル)エチルメタリルシラン、3ジメチル−(1−ピロリジニル)−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−1−ピロリジニルメチルメタリルシラン、
1−ピロリジニルメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−2−(1−ピロリジニル)エチルメタリルシラン、
2−(1−ピロリジニル)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−ピロリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0145】
ジメチル−1−ピペリジニルメチルメタリルシラン、ジメチル−2−(1−ピペリジニル)エチルメタリルシラン、ジメチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−1−ピペリジニルメチルメタリルシラン、
1−ピペリジニルメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジエチルメタリルシラン、
2−(1−ピペリジニル)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−ピペリジニル)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0146】
1−ヘキサメチレンイミノメチルジメチルメタリルシラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジメチルメタリルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
ジエチル−1−ヘキサメチレンイミノメチルメタリルシラン、
1−ヘキサメチレンイミノメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルメタリルシラン、
2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0147】
1−ヘプタメチレンイミノメチルジメチルメタリルシラン、2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジメチルメタリルシラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
ジエチル−1−ヘプタメチレンイミノメチルメタリルシラン、
1−ヘプタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルメタリルシラン、
2−(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0148】
ジメチル−1−オクタメチレンイミノメチルメタリルシラン、ジメチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルメタリルシラン、ジメチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−1−オクタメチレンイミノメチルメタリルシラン、
1−オクタメチレンイミノメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルメタリルシラン、
2−(1−オクタメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
ジエチル−3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−オクタメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0149】
1−デカメチレンイミノメチルジメチルメタリルシラン、2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジメチルメタリルシラン、3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジエチルメタリルシラン、
1−デカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジエチルメタリルシラン、
2−(1−デカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルメタリルシラン、
3−(1−デカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン、
【0150】
1−ドデカメチレンイミノメチルジメチルメタリルシラン、2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジメチルメタリルシラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジメチルメタリルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジエチルメタリルシラン、
1−ドデカメチレンイミノメチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジエチルメタリルシラン、
2−(1−ドデカメチレンイミノ)エチルジ−n−プロピルメタリルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジエチルメタリルシラン、
3−(1−ドデカメチレンイミノ)−n−プロピルジ−n−プロピルメタリルシラン。
【0151】
式(1)で表される化合物としては、Rが式(2)で表される基であり、mが2であり、Aが式(3)で表される非環状アミノ基である化合物があげられる。
該化合物としては、
ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキルビニルシラン、
ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキルアリルシラン、
ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキル−1−プロペニルシラン、
ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキルイソプロペニルシランがあげられる。
次段落以降に、具体的な化合物を例示する。
【0152】
〔13〕 ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキルビニルシラン:
ビス(ジメチルアミノ)メチルメチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルメチルビニルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルメチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルエチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルエチルビニルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルエチルビニルシラン、
【0153】
2−ビス(ジメチルアミノ)エチルメチルビニルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルメチルビニルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルメチルビニルシラン、2−ビス(ジメチルアミノ)エチルエチルビニルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルエチルビニルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルエチルビニルシラン、
【0154】
3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルビニルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルメチルビニルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルメチルビニルシラン、3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチルビニルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルエチルビニルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルエチルビニルシラン。
【0155】
〔14〕 ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキルアリルシラン:
ビス(ジメチルアミノ)メチルメチルアリルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルメチルアリルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルメチルアリルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルエチルアリルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルエチルアリルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルエチルアリルシラン、
【0156】
2−ビス(ジメチルアミノ)エチルメチルアリルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルメチルアリルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルメチルアリルシラン、2−ビス(ジメチルアミノ)エチルエチルアリルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルエチルアリルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルエチルアリルシラン、
【0157】
3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルアリルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルメチルアリルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルメチルアリルシラン、3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチルアリルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルエチルアリルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルエチルアリルシラン。
【0158】
〔15〕 ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキル−1−プロペニルシラン:
ビス(ジメチルアミノ)メチルメチル−1−プロペニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルメチル−1−プロペニルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルメチル−1−プロペニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルエチル−1−プロペニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルエチル−1−プロペニルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルエチル−1−プロペニルシラン、
【0159】
2−ビス(ジメチルアミノ)エチルメチル−1−プロペニルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルメチル−1−プロペニルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルメチル−1−プロペニルシラン、2−ビス(ジメチルアミノ)エチルエチル−1−プロペニルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルエチル−1−プロペニルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルエチル−1−プロペニルシラン、
【0160】
3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチル−1−プロペニルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルメチル−1−プロペニルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルメチル−1−プロペニルシラン、3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチル−1−プロペニルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルエチル−1−プロペニルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルエチル−1−プロペニルシラン。
【0161】
〔16〕 ビス(ジアルキルアミノ)アルキルアルキルイソプロペニルシラン:
ビス(ジメチルアミノ)メチルメチルイソプロペニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルメチルイソプロペニルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルメチルイソプロペニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルエチルイソプロペニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルエチルイソプロペニルシラン、ビス(ジ−n−プロピルアミノ)メチルエチルイソプロペニルシラン、
【0162】
2−ビス(ジメチルアミノ)エチルメチルイソプロペニルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルメチルイソプロペニルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルメチルイソプロペニルシラン、2−ビス(ジメチルアミノ)エチルエチルイソプロペニルシラン、2−ビス(ジエチルアミノ)エチルエチルイソプロペニルシラン、2−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)エチルエチルイソプロペニルシラン、
【0163】
3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルメチルイソプロペニルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルメチルイソプロペニルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルメチルイソプロペニルシラン、3−ビス(ジメチルアミノ)−n−プロピルエチルイソプロペニルシラン、3−ビス(ジエチルアミノ)−n−プロピルエチルイソプロペニルシラン、3−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−n−プロピルエチルイソプロペニルシラン。
【0164】
式(1)で表される化合物としては、Rが式(2)で表される基であり、mが2であり、Aが式(3)で表される環状アミノ基である化合物があげられる。
該化合物としては、
ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキルビニルシラン、
ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキルアリルシラン、
ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキル−1−プロペニルシラン、
ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキルイソプロペニルシランがあげられる。
次段落以降に、具体的な化合物を例示する。
【0165】
〔17〕 ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキルビニルシラン:
ジ(1−ピロリジニル)メチルメチルビニルシラン、2,2’−ジ(1−ピロリジニル)エチルメチルビニルシラン、3,3’−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルメチルビニルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチルエチルビニルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチル−n−プロピルビニルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルエチルビニルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルn−プロピルビニルシラン、
【0166】
ジ(1−ピペリジニル)メチルメチルビニルシラン、2,2’−ジ(1−ピペリジニル)エチルメチルビニルシラン、3,3’−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルメチルビニルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチルエチルビニルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチル−n−プロピルビニルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルエチルビニルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルn−プロピルビニルシラン、
【0167】
ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)メチルメチルビニルシラン、2,2’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルメチルビニルシラン、3,3’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルメチルビニルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルエチルビニルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル−n−プロピルビニルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルエチルビニルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピルビニルシラン、
【0168】
ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)メチルメチルビニルシラン、2,2’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルメチルビニルシラン、3,3’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルメチルビニルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルエチルビニルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチル−n−プロピルビニルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルエチルビニルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピルビニルシラン。
【0169】
〔18〕 ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキルアリルシラン:
ジ(1−ピロリジニル)メチルメチルアリルシラン、2,2’−ジ(1−ピロリジニル)エチルメチルアリルシラン、3,3’−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルメチルアリルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチルエチルアリルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチル−n−プロピルアリルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルエチルアリルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルn−プロピルアリルシラン、
【0170】
ジ(1−ピペリジニル)メチルメチルアリルシラン、2,2’−ジ(1−ピペリジニル)エチルメチルアリルシラン、3,3’−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルメチルアリルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチルエチルアリルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチル−n−プロピルアリルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルエチルアリルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルn−プロピルアリルシラン、
【0171】
ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)メチルメチルアリルシラン、2,2’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルメチルアリルシラン、3,3’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルメチルアリルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルエチルアリルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル−n−プロピルアリルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルエチルアリルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピルアリルシラン、
【0172】
ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)メチルメチルアリルシラン、2,2’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルメチルアリルシラン、3,3’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルメチルアリルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルエチルアリルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチル−n−プロピルアリルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルエチルアリルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピルアリルシラン。
【0173】
〔19〕 ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキル−1−プロペニルシラン:
ジ(1−ピロリジニル)メチルメチル−1−プロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ピロリジニル)エチルメチル−1−プロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルメチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチルエチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルエチル−1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルn−プロピル1−プロペニルシラン、
【0174】
ジ(1−ピペリジニル)メチルメチル−1−プロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ピペリジニル)エチルメチル−1−プロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルメチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチルエチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルエチル−1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルn−プロピル1−プロペニルシラン、
【0175】
ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)メチルメチル−1−プロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルメチル−1−プロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルメチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルエチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルエチル−1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピル1−プロペニルシラン、
【0176】
ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)メチルメチル−1−プロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルメチル−1−プロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルメチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルエチル−1−プロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチル−n−プロピル1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルエチル−1−プロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピル1−プロペニルシラン。
【0177】
〔20〕 ジ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルアルキルイソプロペニルシラン:
ジ(1−ピロリジニル)メチルメチルイソプロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ピロリジニル)エチルメチルイソプロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルメチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチルエチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ピロリジニル)エチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルエチルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ピロリジニル)−n−プロピルn−プロピルイソプロペニルシラン、
【0178】
ジ(1−ピペリジニル)メチルメチルイソプロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ピペリジニル)エチルメチルイソプロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルメチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチルエチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ピペリジニル)エチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルエチルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ピペリジニル)−n−プロピルn−プロピルイソプロペニルシラン。
【0179】
ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)メチルメチルイソプロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルメチルイソプロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルメチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチルエチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルエチルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘキサメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピルイソプロペニルシラン、
【0180】
ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)メチルメチルイソプロペニルシラン、2,2’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルメチルイソプロペニルシラン、3,3’−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルメチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチルエチルイソプロペニルシラン、
2−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)エチル−n−プロピルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルエチルイソプロペニルシラン、
3−ジ(1−ヘプタメチレンイミノ)−n−プロピルn−プロピルイソプロペニルシラン。
【0181】
式(1)で表される化合物としては、Rが式(2)で表される基であり、mが3であり、Aが式(3)で表される置換アミノ基である化合物があげられる。
該化合物としては、
トリ(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシラン、
トリ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルビニルシランがあげられる。
【0182】
〔21〕 トリ(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシラン:
トリ(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、トリ(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、2,2’,2’’−トリ(ジメチルアミノ)エチルビニルシラン、2,2’,2’’−トリ(ジエチルアミノ)エチルビニルシラン。
【0183】
〔22〕 トリ(1−ポリメチレンイミノ)アルキルビニルシラン:
トリ(1−ピロリジニル)メチルビニルシラン、トリ(1−ピロリジニル)メチルビニルシラン、2,2’,2’’−トリ(1−ピロリジニル)エチルビニルシラン、2,2’,2’’−トリ(1−ピロリジニル)エチルビニルシラン。
【0184】
式(1)で表される化合物としては、好ましくは、mが1であり、Rが式(2)で表される基であり、Rがアルキレン基であり、Rがアルキル基である化合物であり、より好ましくは、mが1であり、Rが式(2)で表される基であり、Rがアルキレン基であり、Rがアルキル基であり、Aが式(3)で表される基である化合物であり、更に好ましくは、(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルビニルシラン、1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルビニルシランである。(ジアルキルアミノ)アルキルジアルキルビニルシランとして好ましくは、ジメチル(ジメチルアミノメチル)ビニルシランであり、1−ポリメチレンイミノアルキルジアルキルビニルシランとして好ましくは、ジメチル−1−ピペリジニルメチルビニルシランである。
【0185】
式(1)で表される化合物としては、特に好ましくは、ジメチル−1−ピペリジニルメチルビニルシランである。
【0186】
共役ジエン系重合体(A)中の式(1)で表される単量体に基づく単量体単位の含有量は、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善するために、重合体単位重量あたり、好ましくは、0.001mmol/g重合体以上であり、より好ましくは、0.002mmol/g重合体以上であり、更に好ましくは、0.003mmol/g重合体以上である。また、好ましくは、0.1mmol/g重合体以下であり、より好ましくは、0.07mmol/g重合体以下であり、更に好ましくは、0.05mmol/g重合体以下である。
【0187】
共役ジエン系重合体(A)は、強度を高めるために、芳香族ビニル単位を有していることが好ましい。該ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンをあげることができる。好ましくは、スチレンである。
【0188】
共役ジエン系重合体(A)において、芳香族ビニル単位の含有量としては、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位との総量を100質量%として、好ましくは0質量%以上(共役ジエン単位の含有量は100質量%以下)であり、より好ましくは10質量%以上(共役ジエン単位の含有量は90質量%以下)であり、更に好ましくは15質量%以上(共役ジエン単位の含有量は85質量%以下)である。また、低燃費性を改善するために、芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエン単位の含有量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエン単位の含有量は55質量%以上)である。
【0189】
共役ジエン系重合体(A)のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、低燃費性を改善するために、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。また、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善するために、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは40モル%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より求められる。
【0190】
共役ジエン系重合体(A)のムーニー粘度(ML1+4)は、強度を高めるために、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、加工性を高めるために、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K 6300(1994)に従って、100℃にて測定される。
【0191】
共役ジエン系重合体(A)の分子量分布は、低燃費性を改善するために、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
【0192】
〔共役ジエン系重合体(A)の製造方法〕
共役ジエン系重合体(A)の好適な製造方法は、炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと式(1)で表される化合物とを含む単量体を重合させる方法である。例えば、次の方法A、方法B及び方法Cをあげることができる。
【0193】
<方法A>
下記工程(a1)及び(a2)を有する製造方法。
工程(a1):アルカリ金属触媒と式(1)で表される化合物とを炭化水素溶媒中で接触させて、該アルカリ金属触媒と該化合物との反応物を調製する工程。
工程(a2):炭化水素溶媒中で、工程(a1)で調整された反応物を重合開始剤として用いて、共役ジエンを含む単量体を重合する工程。
【0194】
<方法B>
下記工程(b1)を有する製造方法。
工程(b1):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと式(1)で表される化合物とを含む単量体を共重合させる工程。
【0195】
<方法C>
下記工程(c1)及び(c2)を有する製造方法。
工程(c1):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンを含む単量体を重合させ、共役ジエンに基づく単量体単位を有する重合体鎖の少なくとも一方の末端に、該触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
工程(c2):工程(c1)で得られた重合体のアルカリ金属を有する重合体末端に、式(1)で表される化合物を反応させる工程。
【0196】
方法Aにおいては、工程(a2)の単量体として、共役ジエンに加えて、式(1)で表される化合物を用いてもよく、後述のその他の単量体を用いてもよい。また、工程(a2)で得られた重合体のアルカリ金属を有する重合体末端に、式(1)で表される化合物を反応させる工程(工程(a3))を設けてもよい。
【0197】
方法Bにおいては、工程(b1)の単量体として、共役ジエン及び式(1)で表される化合物に加えて、後述のその他の単量体を用いてもよい。また、工程(b1)で得られた重合体のアルカリ金属を有する重合体末端に、式(1)で表される化合物を反応させる工程(工程(b2))を設けてもよい。
【0198】
方法Cにおいては、工程(c1)の単量体として、共役ジエンに加えて、式(1)で表される化合物を用いてもよく、後述のその他の単量体を用いてもよい。
【0199】
上記アルカリ金属触媒としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマーがあげられる。
【0200】
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムがあげられる。
【0201】
有機アルカリ金属化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、t−ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、1,4−ジリチオ−2−ブテン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド、カリウムナフタレニドがあげられる。
【0202】
アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウム−ジエトキシエタン錯体があげられる。
【0203】
アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩があげられる。
【0204】
アルカリ金属触媒としては、好ましくは、有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物であり、より好ましくは、炭素原子数が2〜20の有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物である。
【0205】
上記製造方法で用いられる炭化水素溶媒は、有機アルカリ金属化合物触媒を失活させない溶媒であり、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素があげられる。脂肪族炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセンがあげられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンがあげられる。また、脂環族炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサンがあげられる。これらは1種以上用いられ、また、炭化水素溶媒は、工業用ヘキサンのような各種成分の混合物でもかまわない。炭化水素溶媒として、好ましくは、炭素原子数が2〜12の炭化水素である。
【0206】
上記製造方法で用いる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンがあげられる。これらは、1種以上用いられる。共役ジエンとして、好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0207】
工程(a2)、工程(b1)及び工程(c1)で用いられるその他の単量体としては、芳香族ビニル、ビニルニトリル、不飽和カルボン酸エステルがあげられる。芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンがあげられる。また、ビニルニトリルとしては、アクリロニトリルがあげられ、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチルがあげられる。好ましくは、芳香族ビニルであり、より好ましくは、スチレンである。
【0208】
上記製造方法の重合工程では、共役ジエン単位のビニル結合量を調整する剤、及び/又は、共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン単位と共役ジエン以外の単量体に基づく単量体単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)の存在下で行われてもよい。このような調整剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物があげられる。エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等の脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等の脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香族エーテルがあげられる。第三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンがあげられる。また、ホスフィン化合物としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンがあげられる。これらは1種以上用いられる。
【0209】
上記製造方法の重合工程における重合温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、通常10分〜5時間である。
【0210】
第二の本発明に係る共役ジエン系重合体(B)は、共役ジエンに基づく単量体単位と下記式(4)で表される単量体に基づく単量体単位を有する。
【化14】
(式中、hは1又は2を表し、iは1又は2を表し、h+iは2又は3であり、R11は重合性炭素−炭素二重結合を有するヒドロカルビル基を表し、R12はヒドロカルビル基を表し、R12が複数ある場合、複数あるR12は同一でも異なっていてもよく、R13は含酸素置換基を有していてもよいアリール基を表し、R13が複数ある場合、複数あるR13は同一でも異なっていてもよく、R14はアルキル基、又は置換アミノ基を表す。)
【0211】
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素残基を表す。ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロキシル基の水素原子がヒドロカルビル基で置換されている基を表す。ヒドロカルビレン基は、2価の炭化水素残基を表す。
【0212】
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどをあげることができ、これらは1種以上用いられる。共役ジエンとして好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0213】
11は、重合性炭素−炭素二重結合を有するヒドロカルビル基であり、R11としては、好ましくは下記式(5)で表される基である。
【0214】
【化15】
(式中、pは0又は1であり、R15は水素原子又はヒドロカルビル基を表し、Tはヒドロカルビレン基を表す。)
【0215】
式(5)において、R15のヒドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基などをあげることができる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などをあげることができ、好ましくはメチル基である。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基などをあげることができ、好ましくはビニル基である。
【0216】
15として、好ましくは、水素原子、メチル基、ビニル基であり、より好ましくは水素原子である。
【0217】
Tのヒドロカルビレン基としては、アルキレン基、アリレーン基、アリレーン基とアルキレン基とが結合した基などをあげることができる。
【0218】
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基などをあげることができる。好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。アリレーン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基などをあげることができる。好ましくはフェニレン基である。
【0219】
アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基、ナフチレン基とアルキレン基とが結合した基、ビフェニレン基とアルキレン基とが結合した基をあげることができる。フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン−アルキレン基)では、水素原子が除かれたベンゼン環上の炭素原子の位置と、アルキレン基が結合するベンゼン環上の炭素原子の位置とによって、パラ−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(5a)で表される基。)、メタ−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(5b)で表される基。)、オルト−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(5c)で表される基。)をあげることができる。
【0220】
また、アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、式(5)のR15が結合している炭素原子に、当該基のアリレーン基の炭素原子が結合していることが好ましい。
【0221】
【化16】
【化17】
【化18】
(式中、rは、1〜10の整数を表す。)
【0222】
アリレーン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン−アルキレン基)としては、好ましくは、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基であり、より好ましくは、上記式(5a)で表される基、上記式(5b)で表される基であり、更に好ましくは、パラ−フェニレン−メチレン基(r=1である式(5a)で表される基)、メタ−フェニレン−メチレン基(r=1である式(5b)で表される基)、パラ−フェニレン−エチレン基(r=2である式(5a)で表される基)、メタ−フェニレン−エチレン基(r=2である式(5b)で表される基)である。
【0223】
15がメチル基の場合、pは、好ましくは1であり、Tは、好ましくは、アリレーン基とアルキレン基とが結合した基又はアリレーン基であり、より好ましくは、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン−アルキレン基)又はフェニレン基であり、更に好ましくは、フェニレン基、パラ−フェニレン−メチレン基、メタ−フェニレン−メチレン基、パラ−フェニレン−エチレン基、メタ−フェニレン−エチレン基である。
【0224】
15がビニル基であり、pが1の場合、Tは、好ましくはアルキレン基であり、より好ましくはメチレン基又はエチレン基ある。
【0225】
式(5)で表される基としては、好ましくは、R15が水素原子である基として、ビニル基、ビニルメチル基、ビニルエチル基、4−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、(4−ビニルフェニル)メチル基、2−(4−ビニルフェニル)エチル基、(3−ビニルフェニル)メチル基、2−(3−ビニルフェニル)エチル基があげられ、R15がメチル基である基として、4−イソプロペニルフェニル基、3−イソプロペニルフェニル基、(4−イソプロペニルフェニル)メチル基、2−(4−イソプロペニルフェニル)エチル基、(3−イソプロペニルフェニル)メチル基、2−(3−イソプロペニルフェニル)エチル基があげられ、R15がビニル基である基として、1−メチレン−2−プロペニル基、2−メチレン−3−ブテニル基があげられる。
【0226】
11として、好ましくは、ビニル基、4−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基であり、より好ましくは、ビニル基である。
【0227】
12のヒドロカルビル基としては、アルキル基、アリール基などをあげることができる。
【0228】
12のアルキル基としては、メチル基;エチル基、n−プロピル基、n−ペンチル基などの1級アルキル基(水素原子が除かれた炭素原子が第1級炭素原子であるアルキル基);イソプロピル基、sec−ブチル基、2−エチルヘキシル基などの2級アルキル基(水素原子が除かれた炭素原子が第2級炭素原子であるアルキル基);tert−ブチル基、tert−ペンチル基などの3級アルキル基(水素原子が除かれた炭素原子が第3級炭素原子であるアルキル基)をあげることができる。
【0229】
12のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基などをあげることができる。
【0230】
12のヒドロカルビル基の炭素原子数としては、好ましくは、3〜10であり、より好ましくは4〜8である。
【0231】
12のヒドロカルビル基としては、好ましくは、2級アルキル基又は3級アルキル基であり、より好ましくは、3級アルキル基であり、更に好ましくは、tert−ブチル基である。
【0232】
13は、含酸素置換基を有していてもよいアリール基である。ここで、含酸素置換基を有するアリール基とは、アリール基の水素原子が含酸素置換基で置換された基を表す。
【0233】
13のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アルキル基で置換されたフェニル基、アルキル基で置換された1−ナフチル基、アルキル基で置換された2−ナフチル基をあげることができる。
【0234】
該アルキル基としては、メチル基;エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基などの1級アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、2−エチルヘキシル基などの2級アルキル基;tert−ブチル基、tert−ペンチル基などの3級アルキル基があげられる。
【0235】
アルキル基で置換されたフェニル基としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−ペンチルフェニル基、(2−エチルヘキシル)フェニル基などをあげることができる。
【0236】
アルキル基で置換された1−ナフチル基としては、メチル−1−ナフチル基、エチル−1−ナフチル基、n−プロピル−1−ナフチル基、イソプロピル−1−ナフチル基、n−ブチル−1−ナフチル基、sec−ブチル−1−ナフチル基、tert−ブチル−1−ナフチル基、tert−ペンチル−1−ナフチル基、(2−エチルヘキシル)−1−ナフチル基などをあげることができる。
【0237】
アルキル基で置換された2−ナフチル基としては、メチル−2−ナフチル基、エチル−2−ナフチル基、n−プロピル−2−ナフチル基、イソプロピル−2−ナフチル基、n−ブチル−2−ナフチル基、sec−ブチル−2−ナフチル基、tert−ブチル−2−ナフチル基、tert−ペンチル−2−ナフチル基、(2−エチルヘキシル)−2−ナフチル基などをあげることができる。
【0238】
含酸素置換基を有するアリール基とは、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基などのアルコキシアルコキシ基を有するアリール基をあげることができる。
【0239】
アルコキシ基を有するフェニル基としては、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基をあげることができる。アルコキシアルキル基を有するフェニル基としては、(メトキシメチル)フェニル基、(エトキシメチル)フェニル基、(メトキシエチル)フェニル基、(エトキシエチル)フェニル基をあげることができる。アルコキシアルコキシ基を有するフェニル基としては、(メトキシメトキシ)フェニル基、(エトキシメトキシ)フェニル基、(メトキシエトキシ)フェニル基、(エトキシエトキシ)フェニル基をあげることができる。
【0240】
アルコキシ基を有する1−ナフチル基としては、メトキシ−1−ナフチル基、エトキシ−1−ナフチル基、イソプロポキシ−1−ナフチル基、tert−ブトキシ−1−ナフチル基をあげることができる。アルコキシアルキル基を有する1−ナフチル基としては、(メトキシメチル)−1−ナフチル基、(エトキシメチル)−1−ナフチル基、(メトキシエチル)−1−ナフチル基、(エトキシエチル)−1−ナフチル基をあげることができる。アルコキシアルコキシ基を有する1−ナフチル基としては、(メトキシメトキシ)−1−ナフチル基、(エトキシメトキシ)−1−ナフチル基、(メトキシエトキシ)−1−ナフチル基、(エトキシエトキシ)−1−ナフチル基をあげることができる。
【0241】
アルコキシ基を有する2−ナフチル基としては、メトキシ−2−ナフチル基、エトキシ−2−ナフチル基、イソプロポキシ−2−ナフチル基、tert−ブトキシ−2−ナフチル基をあげることができる。アルコキシアルキル基を有する2−ナフチル基としては、(メトキシメチル)−2−ナフチル基、(エトキシメチル)−2−ナフチル基、(メトキシエチル)−2−ナフチル基、(エトキシエチル)−2−ナフチル基をあげることができる。アルコキシアルコキシ基を有する2−ナフチル基としては、(メトキシメトキシ)−2−ナフチル基、(エトキシメトキシ)−2−ナフチル基、(メトキシエトキシ)−2−ナフチル基、(エトキシエトキシ)−2−ナフチル基をあげることができる。
【0242】
上記、モノ置換のフェニル基は、置換位置によって、2−置換フェニル基、3−置換フェニル基、4−置換フェニル基をあげることができる。また、上記のアルキル基又は含酸素置換基で置換されたフェニル基は、2置換体あるいは3置換体であってもよく、置換位置、置換数によって、2,3−ジ置換フェニル基、2,4−ジ置換フェニル基、2,5−ジ置換フェニル基、2,6−ジ置換フェニル基、3,4−ジ置換フェニル基、3,5−ジ置換フェニル基、2,3,4−トリ置換フェニル基、2,3,5−トリ置換フェニル基、2,4,5−トリ置換フェニル基、2,4,6−トリ置換フェニル基、3,4,5−トリ置換フェニル基などがあげられる。
【0243】
上記、モノ置換の1−ナフチル基は、置換位置によって、2−置換1−ナフチル基、3−置換1−ナフチル基、4−置換1−ナフチル基、5−置換1−ナフチル基、6−置換1−ナフチル基をあげることができる。また、上記のアルキル基又は含酸素置換基で置換された1−ナフチル基は、2置換体あるいは3置換体であってもよく、4,5−ジ置換1−ナフチル基、4,8−ジ置換1−ナフチル基、5,8−ジ置換1−ナフチル基、6,7−ジ置換1−ナフチル基、3,8−ジ置換1−ナフチル基、6,8−ジ置換1−ナフチル基、4,5,8−トリ置換1−ナフチル基などがあげられる。
【0244】
上記、モノ置換の2−ナフチル基は、置換位置によって、1−置換2−ナフチル基、3−置換2−ナフチル基、4−置換2−ナフチル基、5−置換2−ナフチル基、6−置換2−ナフチル基をあげることができる。また、上記のアルキル基又は含酸素置換基で置換された1−ナフチル基は、2置換体あるいは3置換体であってもよく、3,5−ジ置換2−ナフチル基、3,8−ジ置換2−ナフチル基、4,5−ジ置換2−ナフチル基、1,4,5−トリ置換2−ナフチル基などがあげられる。
【0245】
13の炭素原子数として、好ましくは6〜10であり、より好ましくは6〜8である。
【0246】
13として、好ましくは、フェニル基、又は、アルキル基で置換されたフェニル基である。アルキル基で置換されたフェニル基としては、好ましくは、4−アルキルフェニル基であり、より好ましくは、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基である。
【0247】
13として、より好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基であり、更に好ましくはフェニル基である。
【0248】
14のアルキル基としては、メチル基、エチル基などがあげられる。
【0249】
14の置換アミノ基としては、下記式(6)で表される基があげられる。
【化19】
(式中、R16及びR17は、それぞれ、ヒドロカルビル基、又は、トリヒドロカルビルシリル基を表し、あるいは、R16とR17は結合して、窒素原子及び/又は酸素原子をヘテロ原子として有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R16とR17は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。)
【0250】
16及びR17のヒドロカルビル基としては、アルキル基、アリール基などをあげることができる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などをあげることができる。アリール基としては、フェニル基などをあげることができる。好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数が1〜4のアルキル基である。
【0251】
16及びR17のトリヒドロカルビルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基をあげることができる。好ましくは、炭素原子数が3〜9のトリアルキルシリル基であり、より好ましくは、ケイ素原子に結合したアルキル基が炭素原子数1〜3のアルキル基であるトリアルキルシリル基である。
【0252】
16とR17が結合した窒素原子及び/又は酸素原子をヘテロ原子として有していてもよいヒドロカルビレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基、−CH=CH−N=CH−で表される基、−CHCH−NH−CHCH−で表される基などの窒素原子を有するヒドロカルビレン基;−CHCH−O−CHCH−で表される基などの酸素原子を有するヒドロカルビレン基などをあげることができる。
【0253】
本明細書では、X原子をヘテロ原子として有するヒドロカルビレン基とは、ヒドロカルビレン基の水素原子及び/又は炭素原子がX原子に置き換わった構造を有する基を表す。例えば、窒素原子をヘテロ原子として有するヒドロカルビレン基としては、ヒドロカルビレン基のCHがNに置き換わった構造を有する基をあげることができる。また、酸素原子をヘテロ原子として有するヒドロカルビレン基としては、CHがOに置き換わった構造を有する基、水素原子2つがOに置き換わった構造を有する基をあげることができる。
【0254】
16とR17が窒素原子に二重結合で結合する1つの基としては、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、1−メチルエチリデン基、1−メチルプロピリデン基、1,3−ジメチルブチリデン基などをあげることができる。
【0255】
14として、好ましくは、メチル基、エチル基などのアルキル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基などのジアルキルアミノ基である。
【0256】
式(4)において、iは1又は2を表し、h+iは2又は3である。好ましくは、h+iは3である。より好ましくは、hが1であり、iが2である。
【0257】
式(4)で表される化合物としては、R15が水素原子であり、p=0である化合物として、
tert−ブトキシジフェニルビニルシラン、
tert−ペントキシジフェニルビニルシラン、
ジ(tert−ブトキシ)フェニルビニルシラン、
ジ(tert−ペントキシ)フェニルビニルシラン、
tert−ブトキシメチルフェニルビニルシラン、
tert−ブトキシエチルフェニルビニルシラン、
ジメチルアミノtert−ブトキシフェニルビニルシラン、
ジエチルアミノtert−ブトキシフェニルビニルシラン
などをあげることができる。
【0258】
また、式(4)で表される化合物としては、R15が水素原子であり、p=1である化合物として、
tert−ブトキシジフェニル−4−ビニルフェニルシラン、
tert−ブトキシジフェニル−3−ビニルフェニルシラン、
ジ(tert−ブトキシ)フェニル−4−ビニルフェニルシラン、
ジ(tert−ブトキシ)フェニル−3−ビニルフェニルシラン、
tert−ブトキシメチルフェニル−4−ビニルフェニルシラン、
tert−ブトキシメチルフェニル−3−ビニルフェニルシラン、
tert−ブトキシエチルフェニル−4−ビニルフェニルシラン、
tert−ブトキシエチルフェニル−3−ビニルフェニルシラン、
ジメチルアミノtert−ブトキシフェニル−4−ビニルフェニルシラン、
ジメチルアミノtert−ブトキシフェニル−3−ビニルフェニルシラン、
ジエチルアミノtert−ブトキシフェニル−4−ビニルフェニルシラン、
ジエチルアミノtert−ブトキシフェニル−3−ビニルフェニルシラン、
などをあげることができる。
【0259】
式(4)で表される化合物としては、R15がメチル基であり、p=1である化合物として、
tert−ブトキシジフェニル−4−イソプロペニルフェニルシラン、
tert−ブトキシジフェニル−3−イソプロペニルフェニルシラン、
ジ(tert−ブトキシ)フェニル−4−イソプロペニルフェニルシラン、
ジ(tert−ブトキシ)フェニル−3−イソプロペニルフェニルシラン、
tert−ブトキシメチルフェニル−4−イソプロペニルフェニルシラン、
tert−ブトキシメチルフェニル−3−イソプロペニルフェニルシラン、
tert−ブトキシエチルフェニル−4−イソプロペニルフェニルシラン、
tert−ブトキシエチルフェニル−3−イソプロペニルフェニルシラン、
ジメチルアミノtert−ブトキシフェニル−4−イソプロペニルフェニルシラン、
ジメチルアミノtert−ブトキシフェニル−3−イソプロペニルフェニルシラン、
ジエチルアミノtert−ブトキシフェニル−4−イソプロペニルフェニルシラン、
ジエチルアミノtert−ブトキシフェニル−3−イソプロペニルフェニルシラン、
などをあげることができる。
【0260】
式(4)で表される化合物として、好ましくは、R15が水素原子であり、p=0である化合物であり、
より好ましくは、
tert−ブトキシジフェニルビニルシラン、
ジ(tert−ブトキシ)フェニルビニルシラン、
tert−ブトキシメチルフェニルビニルシラン、
ジメチルアミノ−tert−ブトキシフェニルビニルシラン、
ジエチルアミノ−tert−ブトキシフェニルビニルシランであり、
更に好ましくは、tert−ブトキシジフェニルビニルシラン、
ジ(tert−ブトキシ)フェニルビニルシランであり、
特に好ましくは、tert−ブトキシジフェニルビニルシランである。
【0261】
共役ジエン系重合体(B)において、式(4)で表される化合物に基づく単量体単位の含有量は、共役ジエン系重合体100質量%あたり、強度を高めるために、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上である。また、経済性を高めるために、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
【0262】
共役ジエン系重合体(B)において、式(4)で表される単量体に基づく単量体単位が鎖中に存在すること、すなわち、共役ジエンに基づく単量体単位を有する部分鎖(当該部分鎖には、式(4)で表される単量体に基づく単量体単位を有さない。)と、共役ジエンに基づく単量体単位を有する部分鎖(当該部分鎖には、式(4)で表される単量体に基づく単量体単位を有さない。)との間に、式(4)で表される単量体に基づく単量体単位、あるいは、式(4)で表される単量体に基づく単量体単位からなる部分鎖を有することが好ましい。
【0263】
共役ジエン系重合体(B)は、強度を高めるために、ビニル芳香族炭化水素に基づく単量体単位(芳香族ビニル単位)を有していることが好ましい。該ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンをあげることができる。好ましくは、スチレンである。
【0264】
共役ジエン系重合体(B)において、芳香族ビニル単位の含有量としては、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位との総量を100質量%として、0質量%以上(共役ジエン単位の含有量は100質量%以下)であり、好ましくは10質量%以上(共役ジエン単位の含有量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエン単位の含有量は85質量%以下)である。また、低燃費性を改善するために、芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエン単位の含有量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエン単位の含有量は55質量%以上)である。
【0265】
共役ジエン系重合体(B)のムーニー粘度(ML1+4)は、強度を高めるために、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、加工性を高めるために、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K 6300(1994)に従って、100℃にて測定される。
【0266】
共役ジエン系重合体(B)のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、低燃費性を改善するために、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。また、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善するために、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは40モル%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より求められる。
【0267】
共役ジエン系重合体(B)の分子量分布は、低燃費性を改善するために、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜1.5である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
【0268】
共役ジエン系重合体(B)の好適な製造方法としては、炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと上記式(4)で表される化合物とを含む単量体成分を重合させる方法をあげることができる。
【0269】
アルカリ金属触媒としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマーなどをあげることができる。該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどをあげることがでる。該有機アルカリ金属化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、t−ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、1,4−ジリチオ−2−ブテン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド、カリウムナフタレニドなどをあげることができる。また、アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウム−ジエトキシエタン錯体などをあげることができ、アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩をあげることができる。好ましくは、有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物であり、より好ましくは、炭素原子数が2〜20の有機リチウム化合物又は炭素原子数が2〜20の有機ナトリウム化合物である。
【0270】
炭化水素溶媒は、有機アルカリ金属化合物触媒を失活させない溶媒であり、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素などをあげることができる。該脂肪族炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどをあげることができる。また、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンをあげることができ、脂環族炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどがあげられる。これらは1種以上用いられ、また、炭化水素溶媒は、工業用ヘキサンのような各種成分の混合物でもかまわない。好ましくは、炭素原子数が2〜12の炭化水素である。
【0271】
炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと上記式(4)で表される化合物とを含む単量体成分を重合させ、共役ジエンに基づく単量体単位と上記式(4)で表される化合物に基づく単量体単位とを有する重合体を製造する。該共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンをあげることができる。これらは1種以上用いられる。好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0272】
式(4)で表される化合物の使用量は、重合で使用した単量体成分の総使用量を100質量%として、強度を高めるために、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上である。また、経済性を高めるために、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
【0273】
単量体として、共役ジエンと式(4)で表される化合物とに、ビニル芳香族炭化水素を組み合わせて重合を行ってもよく、ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等をあげることができる。好ましくは、スチレンである。
【0274】
ビニル芳香族炭化水素の使用量は、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との総使用量を100質量%として、0質量%以上(共役ジエンの使用量は100質量%以下)であり、強度を高めるために、好ましくは10質量%以上(共役ジエンの使用量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエンの使用量は85質量%以下)である。また、低燃費性を改善するために、ビニル芳香族炭化水素の使用量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエンの使用量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエンの使用量は55質量%以上)である。
【0275】
重合反応は、共役ジエン単位のビニル結合量を調整する剤、共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン単位と共役ジエン以外の単量体に基づく単量体単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)などの存在下で行ってもよい。このような剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物などをあげることができる。該エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなど環状のエーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルなどがあげられる。該第三級アミンとして、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。また、該ホスフィン化合物として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどをあげることができる。これらは1種類以上用いられる。
【0276】
重合温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃であり、より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、通常10分〜5時間である。
【0277】
第三の本発明に係る共役ジエン系重合体(C)は、炭化水素溶媒中において、ルイス塩基性化合物と共存下で、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、下記式(7)で表される化合物を反応させて得られる。
【化20】
(式中、j〜lは、独立に、1〜8の整数を表す。)
【0278】
共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン(ピペリン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等をあげることができ、これらのうちでは、得られる重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0279】
芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等をあげることができ、これらのうちでは、得られる重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、スチレンが好ましい。
【0280】
炭化水素溶媒としては、アルカリ金属触媒を失活させないものであり、適当な炭化水素溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素から選ばれ、特に炭素数3〜12個を有するプロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどをあげることができる。また、これらの溶剤は2種以上を混合して使用することができる。
【0281】
アルカリ金属系触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の金属、これらの金属を含有する炭化水素化合物又は該金属と極性化合物との錯体などをあげることができる。なお、アルカリ金属系触媒として好ましいものとしては、2〜20個の炭素原子を有するリチウム又はナトリウム化合物をあげることができ、その具体例としては、たとえば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム4−シクロペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−ブテン−2、ナトリウムナフタレン、ナトリウムビフェニル、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウムジエトキシエタン錯体、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩などをあげることができる。
【0282】
本発明で使用する前記の活性ジエン系重合体に反応させる変性化合物としては、上記式(7)で示される化合物が用いられ、j〜lは独立に1〜8の整数が好ましく、低燃費性改善のためには、j〜lがいずれも1であるイソシアヌル酸トリグリシジルが最も好ましい。
【0283】
重合用モノマーとしては、共役ジエンモノマーのみを用いてもよく、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用してもよい。共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用する場合の両者の比率は、共役ジエンモノマー/芳香族ビニルモノマーの質量比で50/50〜90/10が好ましく、より好ましくは55/45〜85/15である。該比が過小であると重合体ゴムが炭化水素溶媒に不溶となり、均一な重合が不可能となる場合があり、一方該比が過大であると重合体ゴムの強度が低下する場合がある。
【0284】
重合に際しては、アルカリ金属触媒、炭化水素溶媒、ランダム重合性を高める試薬、共役ジエン単位のビニル結合含有量調節剤など通常使用されているものを用いることが可能である。該共重合体の製造における重合温度は、特に制約を受けないが、通常−80℃〜150℃であり、反応速度とアルカリ金属触媒の安定性の観点から、20〜110℃が好ましい。重合時間は特に制限されないがアルカリ金属触媒が少なくとも24時間以内で完了する。
【0285】
共役ジエン部のビニル結合含有量を調節するためには、ルイス塩基性化合物として、各種の化合物を使用し得るが、エーテル化合物又は第三級アミンが、工業的実施上の入手容易性の点で好ましい。エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルがあげられる。また、第三級アミンの例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのほかに、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。
【0286】
アルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して本発明の前記式(7)で示される変性化合物を添加して製造する際に使用する量は、アルカリ金属を付加する際使用するアルカリ金属触媒1モル当たり、通常0.06〜10モルであり、好ましくは0.1〜5モルであり、より好ましくは0.2〜2モルである。該使用量が少なすぎる場合は低燃費性の改善効果が少なく、逆に多すぎる場合は、重合溶媒中に残存するため、その溶媒をリサイクル使用する場合には溶媒からの分離工程を必要とする等、経済的に好ましくない。
【0287】
該変性化合物とアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体との反応は、迅速に起きるので、反応温度及び反応時間は広範囲に選択できるが、一般的には、室温乃至は100℃、数秒乃至数時間である。反応は、アルカリ金属含有ジエン系重合体と該変性化合物とを接触させればよく、たとえば、アルカリ金属触媒を用いて、ジエン系重合体を重合し、該重合体溶液中に該変性化合物を所定量添加する方法が、好ましい態様として例示できるが、この方法に限定されるものではない。
【0288】
アルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、前記式(7)で示される変性化合物を反応させることにより、改質されたジエン系重合体ゴムは反応溶媒中から凝固剤の添加あるいはスチーム凝固など通常の溶液重合によるゴムの製造において使用される凝固方法がそのまま用いられ、凝固温度も何ら制限されない。
【0289】
反応系から分離されたクラムの乾燥も通常の合成ゴムの製造で用いられるバンドドライヤー、押し出し型のドライヤー等が使用でき、乾燥温度も何ら制限されない。
【0290】
共役ジエン系重合体(C)のムーニー粘度(ML1+4)は、10〜200であることが好ましく、より好ましくは20〜150である。ムーニー粘度が低すぎると加硫物の引張り強度等の機械物性が低下する場合があり、一方該粘度が高すぎると他のゴムと組み合わせて使用する場合に混和性が悪く、加工操作が困難となり、得られたゴム組成物の加硫物の機械物性が低下する場合がある。
【0291】
共役ジエン系重合体(C)の共役ジエン部のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善する観点から、10モル%以上であることが好ましい。また、低燃費性を改善する観点から、70モル%以下であることが好ましい。より好ましくは15〜65モル%である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より求められる。
【0292】
共役ジエン系重合体(C)の分子量分布は、低燃費性を改善するために、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜1.5である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
【0293】
第四の本発明に係る共役ジエン系重合体(D)は、共役ジエンに基づく単量体単位と下記式(8)で表される単量体に基づく単量体単位とを有する共役ジエン系重合体の一端に下記式(9)で表される化合物を反応させて得られる。
【化21】
(式中、R21は水素原子又は炭素原子数1〜5のヒドロカルビル基を表し、sは0又は1であり、R22はヒドロカルビレン基を表し、R23及びR24は、それぞれ、ヒドロカルビル基、又は、トリヒドロカルビルシリル基、あるいは、R23とR24とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R23とR24は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。)
【化22】
(式中、tは1〜10の整数を表し、R25、R26及びR27は、それぞれ、ヒドロカルビル基又はヒドロカルビルオキシ基を表し、R25、R26及びR27の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R28及びR29は、それぞれ、水素原子、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基、あるいは、R28とR29とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R28とR29は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。)
【0294】
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素残基を表す。ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロキシル基の水素原子がヒドロカルビル基で置換されている基を表す。ヒドロカルビレン基は、2価の炭化水素残基を表す。また、X原子を有するヒドロカルビル基とは、ヒドロカルビル基の水素原子及び/又は炭素原子がX原子に置き換わった構造を有する基を表し、X原子を有するヒドロカルビレン基とは、ヒドロカルビレン基の水素原子及び/又は炭素原子がX原子に置き換わった構造を有する基を表す。例えば、窒素原子を有する基としては、CHがNに置き換わった構造を有する基をあげることができる。また、酸素原子を有する基としては、CHがOに置き換わった構造を有する基、水素原子2つが、Oに置き換わった構造を有する基をあげることができる。
【0295】
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどをあげることができ、これらは1種以上用いられる。共役ジエンとして好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0296】
21は水素原子又は炭素原子数が1〜5のヒドロカルビル基を表す。
【0297】
21のヒドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基などをあげることができる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などをあげることができ、好ましくはメチル基である。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基などをあげることができ、好ましくはビニル基である。
【0298】
21として、好ましくは、水素原子、メチル基、ビニル基である。
【0299】
22のヒドロカルビレン基としては、アルキレン基、アリレーン基、アリレーン基とアルキレン基とが結合した基などをあげることができる。
【0300】
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基などをあげることができる。好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
【0301】
アリレーン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基などをあげることができる。好ましくはフェニレン基である。
【0302】
アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基、ナフチレン基とアルキレン基とが結合した基、ビフェニレン基とアルキレン基とが結合した基をあげることができる。好ましくは、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基である。
【0303】
また、アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、式(8)のR21が結合している炭素原子に、当該基のアリレーン基の炭素原子が結合していることが好ましい。
【0304】
フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン−アルキレン基)では、水素原子が除かれたベンゼン環上の炭素原子の位置と、アルキレン基が結合するベンゼン環上の炭素原子の位置とによって、パラ−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(8a)で表される基。)、メタ−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(8b)で表される基。)、オルト−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(8c)で表される基。)をあげることができる。
【0305】
【化23】
【化24】
【化25】
(式中、vは1〜5の整数を表す。)
【0306】
アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、好ましくは、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン−アルキレン基)であり、より好ましくは、上記式(8a)で表される基、上記式(8b)で表される基、上記式(8c)で表される基であり、更に好ましくは、上記式(8a)で表される基、上記式(8b)で表される基であり、特に好ましくは、パラ−フェニレン−メチレン基(v=1である式(8a)で表される基)、メタ−フェニレン−メチレン基(v=1である式(8b)で表される基)、パラ−フェニレン−エチレン基(v=2である式(8a)で表される基)、メタ−フェニレン−エチレン基(v=2である式(8b)で表される基)である。
【0307】
21が水素原子又はアルキル基である場合、好ましくは、s=1である。また、R22のヒドロカルビレン基としては、好ましくは、下記式(10)で表される基であり、より好ましくは、下記式(10a)で表される基又は下記式(10b)で表される基である。また、式中、uは0〜5の整数であり、好ましくは0〜2の整数である。
【0308】
【化26】
(式中、uは0〜5の整数を表し、uが1〜5の整数である場合、(CHはベンゼン環上の置換基であり、(CHが式(8)の窒素原子と結合し、uが0である場合、(CHはベンゼン環と式(8)の窒素原子との結合を表す。)
【化27】
【化28】
(式中、uは0〜5の整数を表し、uが1〜5の整数である場合、(CHはベンゼン環上の置換基であり、(CHが式(8)の窒素原子と結合し、uが0である場合、(CHはベンゼン環と式(8)の窒素原子との結合を表す。)
【0309】
21がアルケニル基であり、s=1である場合、R22のヒドロカルビレン基としては、好ましくは、アルキレン基であり、より好ましくはメチレン基、又は、エチレン基である。
【0310】
23及びR24は、それぞれ、ヒドロカルビル基、又は、トリヒドロカルビルシリル基、あるいは、R23とR24とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R23とR24は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。
【0311】
23及びR24のヒドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基をあげることができる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基をあげることができる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基をあげることができる。アルキニル基としては、エチニル基、プロパギル基をあげることができる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基をあげることができる。アラルキル基としては、ベンジル基をあげることができる。
【0312】
23及びR24のヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜4である。
【0313】
23及びR24のヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基、アルケニル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜4の直鎖アルキル基、炭素原子数2〜4のアルケニル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、アリル基である。
【0314】
23及びR24のトリヒドロカルビルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基をあげることができる。
【0315】
23及びR24のトリヒドロカルビルシリル基としては、好ましくは、炭素原子数が3〜9のトリアルキルシリル基であり、より好ましくは、ケイ素原子に結合したアルキル基が炭素原子数1〜3のアルキル基であるトリアルキルシリル基である。
【0316】
23とR24が結合した窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基としては、ヒドロカルビレン基、窒素原子を有するヒドロカルビレン基、酸素原子を有するヒドロカルビレン基などをあげることができる。ヒドロカルビレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基をあげることができる。窒素原子を有するヒドロカルビレン基としては、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基、−CH=CH−N=CH−で表される基、−CHCH−NH−CHCH−で表される基をあげることができる。酸素原子を有するヒドロカルビレン基としては、−CHCH−O−CHCH−で表される基をあげることができる。
【0317】
23とR24が結合した基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜7であり、更に好ましくは4〜6である。
【0318】
23とR24が結合した窒素原子及び/又は酸素原子をヘテロ原子として有していてもよいヒドロカルビレン基としては、好ましくはヒドロカルビレン基であり、より好ましくはアルキレン基であり、更に好ましくはポリメチレン基である。
【0319】
23及びR24が窒素原子に二重結合で結合する1つの基としては、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、1−メチルエチリデン基、1−メチルプロピリデン基、1,3−ジメチルブチリデン基などのヒドロカルビリデン基をあげることができる。
【0320】
23及びR24が窒素原子に二重結合で結合する1つの基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜6である。
【0321】
23及びR24としては、好ましくは、ヒドロカルビル基、トリヒドロカルビルシリル基、R23とR24が結合したヒドロカルビレン基であり、より好ましくは、R23とR24が結合した炭素原子数4〜6のポリメチレン基である。
【0322】
式(8)で表される化合物としては、R21が水素原子であり、s=1である次の化合物をあげることができる。
【0323】
22が式(10)で表される基であり、u=0である化合物:
4−N,N−ジメチルアミノスチレン、
3−N,N−ジメチルアミノスチレン、
4−N,N−ジエチルアミノスチレン、
3−N,N−ジエチルアミノスチレン、
4−N,N−ジ−n−プロピルアミノスチレン、
3−N,N−ジ−n−プロピルアミノスチレン、
4−N,N−ジ−n−ブチルアミノスチレン、
3−N,N−ジ−n−ブチルアミノスチレン、
4−N,N−ジアリルアミノスチレン、
3−N,N−ジアリルアミノスチレン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノスチレン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノスチレン、
4−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノスチレン、
3−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノスチレン、
4−アジリジニルスチレン、
3−アジリジニルスチレン、
4−ピロリジニルスチレン、
3−ピロリジニルスチレン、
4−ピペリジニルスチレン、
3−ピペリジニルスチレン、
4−ヘキサメチレンイミノスチレン、
3−ヘキサメチレンイミノスチレン。
【0324】
22が式(10)で表される基であり、u=1である化合物:
4−N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、
3−N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、
4−N,N−ジエチルアミノメチルスチレン、
3−N,N−ジエチルアミノメチルスチレン、
4−N,N−ジ−n−プロピルアミノメチルスチレン、
3−N,N−ジ−n−プロピルアミノメチルスチレン、
4−N,N−ジ−n−ブチルアミノメチルスチレン、
3−N,N−ジ−n−ブチルアミノメチルスチレン、
4−N,N−ジアリルアミノメチルスチレン、
3−N,N−ジアリルアミノメチルスチレン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチルスチレン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチルスチレン、
4−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノメチルスチレン、
3−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノメチルスチレン、
4−アジリジニルメチルスチレン、
3−アジリジニルメチルスチレン、
4−ピロリジニルメチルスチレン、
3−ピロリジニルメチルスチレン、
4−ピペリジニルメチルスチレン、
3−ピペリジニルメチルスチレン、
4−ヘキサメチレンイミノメチルスチレン、
3−ヘキサメチレンイミノメチルスチレン。
【0325】
22が式(10)で表される基であり、u=2である化合物:
4−N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、
3−N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、
4−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、
3−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、
4−N,N−ジ−n−プロピルアミノエチルスチレン、
3−N,N−ジ−n−プロピルアミノエチルスチレン、
4−N,N−ジ−n−ブチルアミノエチルスチレン、
3−N,N−ジ−n−ブチルアミノエチルスチレン、
4−N,N−ジアリルアミノエチルスチレン、
3−N,N−ジアリルアミノエチルスチレン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン、
4−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノエチルスチレン、
3−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノエチルスチレン、
4−アジリジニルエチルスチレン、
3−アジリジニルエチルスチレン、
4−ピロリジニルエチルスチレン、
3−ピロリジニルエチルスチレン、
4−ピペリジニルエチルスチレン、
3−ピペリジニルエチルスチレン、
4−ヘキサメチレンイミノエチルスチレン、
3−ヘキサメチレンイミノエチルスチレン。
【0326】
式(8)で表される化合物としては、R21がメチル基であり、s=1である次の化合物をあげることができる。
【0327】
22が式(10)で表される基であり、u=0である化合物:
4−N,N−ジメチルアミノイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジメチルアミノイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジエチルアミノイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジエチルアミノイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジ−n−プロピルアミノイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジ−n−プロピルアミノイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジ−n−ブチルアミノイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジ−n−ブチルアミノイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジアリルアミノイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジアリルアミノイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノイソプロペニルベンゼン、
4−アジリジニルイソプロペニルベンゼン、
3−アジリジニルイソプロペニルベンゼン、
4−ピロリジニルイソプロペニルベンゼン、
3−ピロリジニルイソプロペニルベンゼン、
4−ピペリジニルイソプロペニルベンゼン、
3−ピペリジニルイソプロペニルベンゼン、
4−ヘキサメチレンイミノイソプロペニルベンゼン、
3−ヘキサメチレンイミノイソプロペニルベンゼン。
【0328】
22が式(10)で表される基であり、u=1である化合物:
4−N,N−ジメチルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジメチルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジエチルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジエチルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジ−n−プロピルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジ−n−プロピルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジ−n−ブチルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジ−n−ブチルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジアリルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジアリルアミノメチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノメチルイソプロペニルベンゼン、
4−アジリジニルメチルイソプロペニルベンゼン、
3−アジリジニルメチルイソプロペニルベンゼン、
4−ピロリジニルメチルイソプロペニルベンゼン、
3−ピロリジニルメチルイソプロペニルベンゼン、
4−ピペリジニルメチルイソプロペニルベンゼン、
3−ピペリジニルメチルイソプロペニルベンゼン、
4−ヘキサメチレンイミノメチルイソプロペニルベンゼン、
3−ヘキサメチレンイミノメチルイソプロペニルベンゼン。
【0329】
22が式(10)で表される基であり、u=2である化合物:
4−N,N−ジメチルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジメチルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジエチルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジエチルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジ−n−プロピルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジ−n−プロピルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジ−n−ブチルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジ−n−ブチルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ジアリルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ジアリルアミノエチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルイソプロペニルベンゼン、
4−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノエチルイソプロペニルベンゼン、
4−アジリジニルエチルイソプロペニルベンゼン、
3−アジリジニルエチルイソプロペニルベンゼン、
4−ピロリジニルエチルイソプロペニルベンゼン、
3−ピロリジニルエチルイソプロペニルベンゼン、
4−ピペリジニルエチルイソプロペニルベンゼン、
3−ピペリジニルエチルイソプロペニルベンゼン、
4−ヘキサメチレンイミノエチルイソプロペニルベンゼン、
3−ヘキサメチレンイミノエチルイソプロペニルベンゼン。
【0330】
式(8)で表される化合物としては、R21がビニル基であり、s=0である次の化合物をあげることができる。
2−N,N−ジメチルアミノ−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジエチルアミノ−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジ−n−プロピルアミノ−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジ−n−ブチルアミノ−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジアリルアミノ−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノ−1,3−ブタジエン、
2−アジリジニル−1,3−ブタジエン、
2−ピロリジニル−1,3−ブタジエン、
2−ピペリジニル−1,3−ブタジエン、
2−ヘキサメチレンイミノ−1,3−ブタジエン。
【0331】
式(8)で表される化合物としては、R21がビニル基であり、s=1である次の化合物をあげることができる。
2−N,N−ジメチルアミノメチル−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジエチルアミノメチル−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジ−n−プロピルアミノメチル−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジ−n−ブチルアミノメチル−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ジアリルアミノメチル−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチル−1,3−ブタジエン、
2−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノメチル−1,3−ブタジエン、
2−アジリジニルメチル−1,3−ブタジエン、
2−ピロリジニルメチル−1,3−ブタジエン、
2−ピペリジニルメチル−1,3−ブタジエン、
2−ヘキサメチレンイミノメチル−1,3−ブタジエン。
【0332】
5−N,N−ジメチルアミノ−3−メチレン−1−ペンテン、
5−N,N−ジエチルアミノ−3−メチレン−1−ペンテン、
5−N,N−ジ−n−プロピルアミノ−3−メチレン−1−ペンテン、
5−N,N−ジ−n−ブチルアミノ−3−メチレン−1−ペンテン、
5−N,N−ジアリルアミノ−3−メチレン−1−ペンテン、
5−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ−3−メチレン−1−ペンテン、
5−N,N−ビス(tert−ブチルジメチルシリル)アミノ−3−メチレン−1−ペンテン、
5−アジリジニル−3−メチレン−1−ペンテン、
5−ピロリジニル−3−メチレン−1−ペンテン、
5−ピペリジニル−3−メチレン−1−ペンテン、
5−ヘキサメチレンイミノ−3−メチレン−1−ペンテン。
【0333】
式(8)で表される化合物としては、好ましくは、R21が水素原子であり、sが1である化合物である。より好ましくは、R23及びR24が、夫々メチル基又はエチル基である化合物、R23及びR24が、トリメチルシリル基である化合物、R23とR24とは結合しており、R23とR24とが結合した基が炭素原子数4〜6のポリメチレン基である化合物である。
【0334】
23及びR24が、夫々メチル基又はエチル基である化合物:
4−N,N−ジメチルアミノスチレン、
3−N,N−ジメチルアミノスチレン、
4−N,N−ジエチルアミノスチレン、
3−N,N−ジエチルアミノスチレン、
4−N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、
3−N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、
4−N,N−ジエチルアミノメチルスチレン、
3−N,N−ジエチルアミノメチルスチレン、
4−N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、
3−N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、
4−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、
3−N,N−ジエチルアミノエチルスチレン。
【0335】
23及びR24が、トリメチルシリル基である化合物:
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノスチレン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノスチレン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチルスチレン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチルスチレン、
4−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン、
3−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン。
【0336】
23とR24とは結合しており、R23とR24とが結合した基が炭素原子数4〜6のポリメチレン基である化合物:
4−ピロリジニルスチレン、
3−ピロリジニルスチレン、
4−ピペリジニルスチレン、
3−ピペリジニルスチレン、
4−ヘキサメチレンイミノスチレン、
3−ヘキサメチレンイミノスチレン、
4−ピロリジニルメチルスチレン、
3−ピロリジニルメチルスチレン、
4−ピペリジニルメチルスチレン、
3−ピペリジニルメチルスチレン、
4−ヘキサメチレンイミノメチルスチレン、
3−ヘキサメチレンイミノメチルスチレン、
4−ピロリジニルエチルスチレン、
3−ピロリジニルエチルスチレン、
4−ピペリジニルエチルスチレン、
3−ピペリジニルエチルスチレン、
4−ヘキサメチレンイミノエチルスチレン、
3−ヘキサメチレンイミノエチルスチレン。
【0337】
式(8)で表される化合物として、更に好ましくは、R23とR24とは結合しており、R23とR24とが結合した基が炭素原子数4〜6のポリメチレン基である化合物である。
【0338】
式(8)で表される化合物として、特に好ましくは、4−ピロリジニルエチルスチレン、3−ピロリジニルエチルスチレンである。
【0339】
25、R26、及びR27は、それぞれヒドロカルビル基、又は、ヒドロカルビルオキシ基を表す。
【0340】
25、R26、及びR27のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。ヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜3である。
【0341】
25、R26、及びR27のヒドロカルビル基として、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
【0342】
25、R26、及びR27のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基などをあげることができる。ヒドロカルビルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜3である。
【0343】
25、R26、及びR27のヒドロカルビルオキシ基として、好ましくは、アルコキシ基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
【0344】
25、R26、及びR27の少なくとも1つはヒドロカルビルオキシ基であり、低燃費性を改善するために、好ましくは、R25、R26、及びR27の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R25、R26、及びR27の3つがヒドロカルビルオキシ基である。
【0345】
28及びR29は、それぞれ、水素原子、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基、あるいは、R28とR29とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R28とR29は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。
【0346】
28及びR29のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基などのアルケニル基;エチニル基、プロパギル基などのアルキニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基をあげることができる。
【0347】
28及びR29の窒素原子を有するヒドロカルビル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができる。
【0348】
28及びR29の酸素原子を有するヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基などのアルコキシアルキル基;2−オキシラニル基、2−オキセタニル基、2−テトラヒドロフラニル基などのモノオキサシクロアルキル基;2−ジオキソラニル基などのジオキサシクロアルキル基;グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基などのモノオキサシクロアルキル基で置換されたアルキル基;3,4−エポキシシクロヘキシル基をあげることができる。
【0349】
本明細書では、モノオキサシクロアルキル基は、シクロアルキル基の1つのCHが酸素原子に置き換わった基を表す。ジオキサシクロアルキル基は、シクロアルキル基の2つのCHが酸素原子に置き換わった基を表す。
【0350】
28及びR29の窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6である。
【0351】
28とR29が結合した基としては、ヒドロカルビレン基、窒素原子を有するヒドロカルビレン基、酸素原子を有するヒドロカルビレン基などをあげることができる。ヒドロカルビレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基をあげることができる。窒素原子を有するヒドロカルビレン基としては、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基、−CH=CH−N=CH−で表される基、−CHCH−NH−CHCH−で表される基をあげることができる。酸素原子を有するヒドロカルビレン基としては、−CHCH−O−CHCH−で表される基をあげることができる。
【0352】
28とR29が結合した基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜12である。
【0353】
28及びR29が窒素原子に二重結合で結合する1つの基としては、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、1−メチルエチリデン基、1−メチルプロピリデン基、1,3−ジメチルブチリデン基などのヒドロカルビリデン基;4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン基などをあげることができる。
【0354】
28及びR29が窒素原子に二重結合で結合する1つの基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜12である。
【0355】
28及びR29としては、好ましくは、ヒドロカルビル基、又は、R28とR29とが結合した基であるヒドロカルビレン基、あるいは、R28とR29は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合した基であるヒドロカルビリデン基であり、より好ましくは、ヒドロカルビル基であり、更に好ましくは、アルキル基である。該アルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基である。
【0356】
tは1〜10の整数であり、好ましくは2〜4の整数であり、より好ましくは3である。
【0357】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29がアルキル基である化合物として、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]トリアルコキシシラン;
【0358】
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]アルキルジアルコキシシラン;
【0359】
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]ジアルキルアルコキシシラン
をあげることができる。
【0360】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29がアルコキシアルキル基である化合物として、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシランなどの
{3−[ビス(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}トリアルコキシシラン;
【0361】
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシランなどの
{3−[ビス(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}アルキルジアルコキシシラン;
【0362】
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシランなどの
{3−[ビス(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}ジアルキルアルコキシシラン
をあげることができる。
【0363】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29がオキシラニル基である化合物として、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0364】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29がテトラヒドロフラニル基である化合物として、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0365】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29がグリシジル基である化合物として、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0366】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29がテトラヒドロフルフリル基である化合物として、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0367】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29が結合した基である化合物として、
3−(1−ピペリジニル)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルトリエトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルエチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルエチルジエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルエチルジメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルエチルジエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルトリメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルトリエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルエチルジメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルメチルジエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルエチルジエトキシシラン
をあげることができる。
【0368】
式(9)で表される化合物としては、R28及びR29が窒素原子に二重結合で結合する1つの基である化合物として、
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン
をあげることができる。
【0369】
式(9)で表される化合物としては、好ましくは、[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]トリアルコキシシランである。
より好ましくは、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシランであり、
更に好ましくは、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシランである。
【0370】
共役ジエン系重合体(D)において、式(8)で表される化合物に基づく単量体単位の含有量は、共役ジエン系重合体中の単量体単位の総量を100質量%として、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、更に好ましくは0.05質量%以上である。また、強度を高めるために、好ましくは、20質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
【0371】
共役ジエン系重合体(D)は、強度を高めるために、ビニル芳香族炭化水素に基づく単量体単位(芳香族ビニル単位)を有していることが好ましい。該ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンをあげることができる。好ましくは、スチレンである。
【0372】
芳香族ビニル単位の含有量としては、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位との総量を100質量%として、0質量%以上(共役ジエン単位の含有量は100質量%以下)であり、強度を高めるために、好ましくは10質量%以上(共役ジエン単位の含有量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエン単位の含有量は85質量%以下)である。また、低燃費性を改善するために、芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエン単位の含有量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエン単位の含有量は55質量%以上)である。
【0373】
共役ジエン単位と式(8)で表される化合物に基づく単量体単位と芳香族ビニル単位との総量は、共役ジエン系重合体中の単量体単位の総量を100質量%として、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善するために、好ましくは、99.9質量%以上であり、より好ましくは99.95質量%以上であり、更に好ましくは100質量%である。
【0374】
共役ジエン系重合体(D)のムーニー粘度(ML1+4)は、強度を高めるために、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、加工性を高めるために、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K 6300(1994)に従って、100℃にて測定される。
【0375】
共役ジエン系重合体(D)のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、低燃費性を改善するために、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。また、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善するために、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは40モル%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より求められる。
【0376】
共役ジエン系重合体(D)の分子量分布は、低燃費性を改善するために、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜2である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
【0377】
共役ジエン系重合体(D)の好適な製造方法としては、下記工程A1及びB1を有する製造方法をあげることができる。
(工程A1):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと上記式(8)で表される化合物とを含む単量体成分を重合させて、共役ジエンに基づく単量体単位と上記式(8)で表される化合物に基づく単量体単位とを有する重合体鎖の少なくとも一端に、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
(工程B1):工程A1で得られた重合体と上記式(9)で表される化合物とを反応させる工程。
【0378】
工程A1で用いられるアルカリ金属触媒としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマーなどをあげることができる。該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどをあげることがでる。該有機アルカリ金属化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、t−ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、1,4−ジリチオ−2−ブテン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド、カリウムナフタレニドなどをあげることができる。また、アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウム−ジエトキシエタン錯体などをあげることができ、アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩をあげることができる。好ましくは、有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物であり、より好ましくは、炭素原子数が2〜20の有機リチウム化合物又は炭素原子数が2〜20の有機ナトリウム化合物である。
【0379】
工程A1で用いられる炭化水素溶媒は、有機アルカリ金属化合物触媒を失活させない溶媒であり、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素などをあげることができる。該脂肪族炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどをあげることができる。また、該芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンをあげることができ、該脂環族炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどがあげられる。これらは1種以上用いられ、また、炭化水素溶媒は、工業用ヘキサンのような各種成分の混合物でもかまわない。好ましくは、炭素原子数が2〜12の炭化水素である。
【0380】
工程A1では、炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと、上記式(8)で表される化合物とを含む単量体成分を重合させ、共役ジエンに基づく単量体単位と、上記式(8)で表される化合物に基づく単量体単位とを有する重合体を製造する。該共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンをあげることができる。これらは1種以上用いられる。好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0381】
式(8)で表される化合物の使用量は、重合で使用した単量体成分の総使用量を100質量%として、低燃費性を改善するために、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、更に好ましくは0.05質量%以上である。また、強度を高めるために、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以下である。
【0382】
工程A1では、単量体として、共役ジエンと式(8)で表される化合物とに、ビニル芳香族炭化水素を組み合わせて重合を行ってもよく、ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等をあげることができる。好ましくは、スチレンである。
【0383】
ビニル芳香族炭化水素の使用量は、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との総使用量を100質量%として、0質量%以上(共役ジエンの使用量は100質量%以下)であり、強度を高めるために、好ましくは10質量%以上(共役ジエンの使用量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエンの使用量は85質量%以下)である。また、低燃費性を改善するために、ビニル芳香族炭化水素の使用量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエンの使用量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエンの使用量は55質量%以上)である。
【0384】
また、重合において、共役ジエンと式(8)で表される化合物とビニル芳香族炭化水素との総使用量は、単量体の総使用量を100質量%として、強度を高めるために、好ましくは99.9質量%以上であり、より好ましくは99.95質量%以上であり、更に好ましくは100質量%である。
【0385】
工程A1の重合は、共役ジエン単位のビニル結合量を調整する剤、共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン単位と共役ジエン以外の単量体に基づく単量体単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)などの存在下で行ってもよい。このような調整剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物などをあげることができる。該エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなど環状のエーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルなどがあげられる。該第三級アミンとして、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。また、該ホスフィン化合物として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどをあげることができる。これらは1種類以上用いられる。
【0386】
工程A1での重合温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃であり、より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、通常10分〜5時間である。
【0387】
工程B1において、工程A1で調製された重合体に反応させる式(9)で表される化合物の量は、有機アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モルあたり、通常、0.1〜3モルであり、好ましくは、0.5〜2モルであり、より好ましくは、0.7〜1.5モルである。
【0388】
工程B1において、工程A1で調製された重合体と式(9)で表される化合物とを反応させる温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃であり、より好ましくは50〜80℃である。反応させる時間は、通常、60秒〜5時間であり、好ましくは5分〜1時間であり、より好ましくは15分〜1時間である。
【0389】
第五の本発明に係る共役ジエン系重合体は、共役ジエンに基づく単量体単位と下記式(11)で表される化合物に基づく単量体単位とを有する共役ジエン系重合体の一端に下記式(12)で表される化合物を反応させて得られる。
【化29】
(式中、R31は水素原子又はヒドロカルビル基を表し、wは0又は1であり、R32はヒドロカルビレン基を表し、Bは含窒素複素環基を表す。)
【化30】
(式中、xは1〜10の整数を表し、R33、R34及びR35は、それぞれ、ヒドロカルビル基又はヒドロカルビルオキシ基を表し、R33、R34及びR35の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、R36及びR37は、それぞれ、水素原子、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基、あるいは、R36とR37とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R36とR37は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。)
【0390】
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素残基を表す。ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロキシル基の水素原子がヒドロカルビル基で置換されている基を表す。ヒドロカルビレン基は、2価の炭化水素残基を表す。含窒素複素環基は、含窒素複素環を有する化合物の複素環の炭素原子から1つの水素原子を除いた基を表す。なお、含窒素複素環は、環を構成するヘテロ原子として窒素原子を有する複素環を表す。
【0391】
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどをあげることができ、これらは1種以上用いられる。共役ジエンとして好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0392】
式(11)において、R31のヒドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基などをあげることができる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などをあげることができ、好ましくはメチル基である。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基などをあげることができ、好ましくはビニル基である。
【0393】
31として、好ましくは、水素原子、メチル基、ビニル基である。
【0394】
32のヒドロカルビレン基としては、アルキレン基、アリレーン基、アリレーン基とアルキレン基とが結合した基などをあげることができる。
【0395】
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基などをあげることができる。好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
【0396】
アリレーン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基などをあげることができる。好ましくはフェニレン基である。
【0397】
アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基、ナフチレン基とアルキレン基とが結合した基、ビフェニレン基とアルキレン基とが結合した基をあげることができる。好ましくは、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基である。
【0398】
また、アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、式(11)のR31が結合している炭素原子に、当該基のアリレーン基の炭素原子が結合していることが好ましい。
【0399】
フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン−アルキレン基)では、水素原子が除かれたベンゼン環上の炭素原子の位置と、アルキレン基が結合するベンゼン環上の炭素原子の位置とによって、パラ−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(11a)で表される基。)、メタ−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(11b)で表される基。)、オルト−フェニレン−アルキレン基(例えば、下記式(11c)で表される基。)をあげることができる。
【0400】
【化31】
【化32】
【化33】
(式中、yは1〜5の整数を表す。)
【0401】
アリレーン基とアルキレン基とが結合した基としては、好ましくは、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基(フェニレン−アルキレン基)であり、より好ましくは、上記式(11a)で表される基、上記式(11b)で表される基、上記式(11c)で表される基であり、更に好ましくは、上記式(11a)で表される基、上記式(11b)で表される基であり、特に好ましくは、パラ−フェニレン−メチレン基(y=1である式(11a)で表される基)、メタ−フェニレン−メチレン基(y=1である式(11b)で表される基)、パラ−フェニレン−エチレン基(y=2である式(11a)で表される基)、メタ−フェニレン−エチレン基(y=2である式(11b)で表される基)である。
【0402】
Bの含窒素複素環基としては、含窒素脂環族複素環基、含窒素芳香族複素環基をあげることができる。
【0403】
Bの含窒素脂環族複素環基としては、環を構成するヘテロ原子として窒素原子のみを有する基、環を構成するヘテロ原子として窒素原子と酸素原子を有する基、環を構成するヘテロ原子として窒素原子と硫黄原子を有する基などをあげることができる。
【0404】
環を構成するヘテロ原子として窒素原子のみを有する含窒素脂環族複素環基としては、アジリジン環を有する基、アゼチジン環を有する基、ピロリジン環を有する基、ピペリジン環を有する基、ヘキサメチレンイミン環を有する基、イミダゾリジン環を有する基、ピペラジン環を有する基、ピラゾリジン環を有する基などをあげることができる。
【0405】
アジリジン環を有する基としては、N−アルキル−2−アジリジニル基をあげることができる。
アゼチジン環を有する基としては、N−アルキル−2−アゼチジニル基、N−アルキル−3−アゼチジニル基をあげることができる。
ピロリジン環を有する基としては、N−アルキル−2−ピロリジニル基、N−アルキル−3−ピロリジニル基をあげることができる。
ピペリジン環を有する基としては、N−アルキル−2−ピペリジニル基、N−アルキル−3−ピペリジニル基、N−アルキル−4−ピペリジニル基をあげることができる。
ヘキサメチレンイミン環を有する基としては、N−アルキル−2−ヘキサメチレンイミノ基、N−アルキル−3−ヘキサメチレンイミノ基、N−アルキル−4−ヘキサメチレンイミノ基をあげることができる。
イミダゾリジン環を有する基としては、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジル基、1,3−ジアルキル−4−イミダゾリジル基をあげることができる。
ピペラジン環を有する基としては、1,4−ジアルキル−2−ピペラジニル基をあげることができる。
ピラゾリジン環を有する基としては、1,2−ジアルキル−3−ピラゾリジル基、1,2−ジアルキル−4−ピラゾリジル基をあげることができる。
【0406】
環を構成するヘテロ原子として窒素原子と酸素原子を有する含窒素脂環族複素環基としては、モルホリン環を有する基、イソオキサゾリジン環を有する基などをあげることができる。
【0407】
モルホリン環を有する基としては、N−アルキル−2−モルホリノ基、N−アルキル−3−モルホリノ基をあげることができる。
イソオキサゾリジン環を有する基としては、N−アルキル−3−イソオキサゾリジニル基、N−アルキル−4−イソオキサゾリジニル基、N−アルキル−5−イソオキサゾリジニル基をあげることができる。
【0408】
環を構成するヘテロ原子として窒素原子と硫黄原子を有する含窒素脂環族複素環基としては、チオモルホリン環を有する基、イソチアゾリジン環を有する基をあげることができる。
【0409】
チオモルホリン環を有する基としては、N−アルキル−2−チオモルホリノ基、N−アルキル−3−チオモルホリノ基をあげることができる。
イソチアゾリジン環を有する基としては、N−アルキル−3−イソチアゾリジニル基、N−アルキル−4−イソチアゾリジニル基、N−アルキル−5−イソチアゾリジニル基をあげることができる。
【0410】
Bの含窒素芳香族複素環基としては、環を構成するヘテロ原子として窒素原子のみを有する基、環を構成するヘテロ原子として窒素原子と酸素原子を有する基、環を構成するヘテロ原子として窒素原子と硫黄原子を有する基などをあげることができる。
【0411】
環を構成するヘテロ原子として窒素原子のみを有する含窒素芳香族複素環基としては、ピロール環を有する基、イミダゾール環を有する基、ピラゾール環を有する基、ピリジン環を有する基、ピリダジン環を有する基、ピリミジン環を有する基、ピラジン環を有する基、キノリン環を有する基、イソキノリン環を有する基、シンノリン環を有する基、キナゾリン環を有する基、フタラジン環を有する基などをあげることができる。
【0412】
ピロール環を有する基としては、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−(N−メチルピロリル)基、3−(N−メチルピロリル)基をあげることができる。
イミダゾール環を有する基としては、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−(N−メチルイミダゾリル)基、4−(N−メチルイミダゾリル)基、5−(N−メチルイミダゾリル)基をあげることができる。
ピラゾール環を有する基としては、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、3−(N−メチルピラゾリル)基、4−(N−メチルピラゾリル)基、5−(N−メチルピラゾリル)基をあげることができる。
ピリジン環を有する基としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基をあげることができる。
ピリダジン環を有する基としては、3−ピリダジル基、4−ピリダジル基をあげることができる。
ピリミジン環を有する基としては、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基をあげることができる。
ピラジン環を有する基としては、2−ピラジル基をあげることができる。
キノリン環を有する基としては、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基をあげることができる。
イソキノリン環を有する基としては、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基をあげることができる。
シンノリン環を有する基としては、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基をあげることができる。
キナゾリン環を有する基としては、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基をあげることができる。
フタラジン環を有する基としては、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基をあげることができる。
環を構成するヘテロ原子として窒素原子のみを有する含窒素芳香族複素環基としては、好ましくは、イミダゾール環を有する基、ピリジン環を有する基、キノリン環を有する基である。
【0413】
環を構成するヘテロ原子として窒素原子と酸素原子を有する含窒素芳香族複素環基としては、オキサゾール環を有する基、イソオキサゾール環を有する基などをあげることができる。
【0414】
オキサゾール環を有する基としては、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基をあげることができる。
イソオキサゾール環を有する基としては、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基をあげることができる。
環を構成するヘテロ原子として窒素原子と酸素原子を有する含窒素芳香族複素環基としては、好ましくは、オキサゾール環を有する基である。
【0415】
環を構成するヘテロ原子として窒素原子と硫黄原子を有する含窒素芳香族複素環基としては、チアゾール環を有する基、イソチアゾール環を有する基などをあげることができる。
【0416】
チアゾール環を有する基としては、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基をあげることができる。
イソチアゾール環を有する基としては、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基をあげることができる。
環を構成するヘテロ原子として窒素原子と硫黄原子を有する含窒素芳香族複素環基としては、好ましくは、チアゾール環を有する基である。
【0417】
Bの含窒素複素環基としては、好ましくは、含窒素芳香族複素環基であり、より好ましくは、環を構成するヘテロ原子として窒素原子のみを有する含窒素芳香族複素環基であり、更に好ましくは、イミダゾール環を有する基、ピリジン環を有する基、キノリン環を有する基であり、特に好ましくはピリジン環を有する基である。
【0418】
式(11)で表される化合物としては、R31が水素原子である化合物として、
1−ビニルイミダゾール、
N−メチル−2−ビニルイミダゾール、
N−メチル−4−ビニルイミダゾール、
N−メチル−5−ビニルイミダゾール、
2−ビニルピリジン、
3−ビニルピリジン、
4−ビニルピリジン、
2−ビニルキノリン、
3−ビニルキノリン、
4−ビニルキノリン
をあげることができる。
【0419】
式(11)で表される化合物としては、R31がメチル基である化合物として、
1−イソプロペニルイミダゾール、
N−メチル−2−イソプロペニルイミダゾール、
N−メチル−4−イソプロペニルイミダゾール、
N−メチル−5−イソプロペニルイミダゾール、
2−イソプロペニルピリジン、
3−イソプロペニルピリジン、
4−イソプロペニルピリジン、
2−イソプロペニルキノリン、
3−イソプロペニルキノリン、
4−イソプロペニルキノリン
をあげることができる。
【0420】
式(11)で表される化合物としては、R31がビニル基である化合物として、
N−メチル−2−(1−メチレン−2−プロペニル)アジリジン、
N−メチル−2−(1−メチレン−2−プロペニル)ピロリジン、
N−メチル−3−(1−メチレン−2−プロペニル)ピロリジン、
N−メチル−2−(1−メチレン−2−プロペニル)ヘキサメチレンイミン、
N−メチル−3−(1−メチレン−2−プロペニル)ヘキサメチレンイミン、
N−メチル−4−(1−メチレン−2−プロペニル)ヘキサメチレンイミン、
1−(1−メチレン−2−プロペニル)イミダゾール、
N−メチル−2−(1−メチレン−2−プロペニル)イミダゾール、
N−メチル−4−(1−メチレン−2−プロペニル)イミダゾール、
N−メチル−5−(1−メチレン−2−プロペニル)イミダゾール、
2−(1−メチレン−2−プロペニル)ピリジン、
3−(1−メチレン−2−プロペニル)ピリジン、
4−(1−メチレン−2−プロペニル)ピリジン、
2−(1−メチレン−2−プロペニル)キノリン、
3−(1−メチレン−2−プロペニル)キノリン、
4−(1−メチレン−2−プロペニル)キノリン
をあげることができる。
【0421】
式(11)で表される化合物としては、好ましくは、R31が水素原子であり、Bがピリジン環を有する基である化合物であり、より好ましくは、R31が水素原子であり、Bがピリジル基である化合物であり、更に好ましくは、4−ビニルピリジンである。
【0422】
式(12)において、R33、R34、及びR35のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。ヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜3である。
【0423】
33、R34、及びR35のヒドロカルビル基として、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
【0424】
33、R34、及びR35のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基などのアリールオキシ基などをあげることができる。ヒドロカルビルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜3である。
【0425】
33、R34、及びR35のヒドロカルビルオキシ基として、好ましくは、アルコキシ基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
【0426】
33、R34、及びR35の少なくとも1つはヒドロカルビルオキシ基であり、低燃費性を改善するために、好ましくは、R33、R34、及びR35の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R33、R34、及びR35の3つがヒドロカルビルオキシ基である。
【0427】
36及びR37は、それぞれ、水素原子、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基、あるいは、R36とR37とが結合して、窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビレン基、又は、R36とR37は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合する基を表す。
【0428】
本明細書では、X原子を有するヒドロカルビル基とは、ヒドロカルビル基の水素原子及び/又は炭素原子がX原子に置き換わった構造を有する基を表し、X原子を有するヒドロカルビレン基とは、ヒドロカルビレン基の水素原子及び/又は炭素原子がX原子に置き換わった構造を有する基を表す。例えば、窒素原子を有する基としては、CHがNに置き換わった構造を有する基をあげることができる。また、酸素原子を有する基としては、CHがOに置き換わった構造を有する基、水素原子2つが、Oに置き換わった構造を有する基をあげることができる。
【0429】
36及びR37のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基などのアルケニル基;エチニル基、プロパギル基などのアルキニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基をあげることができる。
【0430】
36及びR37の窒素原子を有するヒドロカルビル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができる。
【0431】
36及びR37の酸素原子を有するヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基などのアルコキシアルキル基;2−オキシラニル基、2−オキセタニル基、2−テトラヒドロフラニル基などのモノオキサシクロアルキル基;2−ジオキソラニル基などのジオキサシクロアルキル基;グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基などのモノオキサシクロアルキル基で置換されたアルキル基;3,4−エポキシシクロヘキシル基をあげることができる。
【0432】
本明細書では、モノオキサシクロアルキル基は、シクロアルキル基の1つのCHが酸素原子に置き換わった基を表す。ジオキサシクロアルキル基は、シクロアルキル基の2つのCHが酸素原子に置き換わった基を表す。
【0433】
36及びR37の窒素原子及び/又は酸素原子を有していてもよいヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6である。
【0434】
36とR37が結合した基としては、ヒドロカルビレン基、窒素原子を有するヒドロカルビレン基、酸素原子を有するヒドロカルビレン基などをあげることができる。ヒドロカルビレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基をあげることができる。窒素原子を有するヒドロカルビレン基としては、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基、−CH=CH−N=CH−で表される基、−CHCH−NH−CHCH−で表される基をあげることができる。酸素原子を有するヒドロカルビレン基としては、−CHCH−O−CHCH−で表される基をあげることができる。
【0435】
36とR37が結合した基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜12である。
【0436】
36及びR37が窒素原子に二重結合で結合する1つの基としては、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基、1−メチルエチリデン基、1−メチルプロピリデン基、1,3−ジメチルブチリデン基などのヒドロカルビリデン基;4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン基などをあげることができる。
【0437】
36及びR37が窒素原子に二重結合で結合する1つの基の炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜12である。
【0438】
36及びR37としては、好ましくは、ヒドロカルビル基、又は、R36とR37とが結合した基であるヒドロカルビレン基、あるいは、R36とR37は1つの基であって、窒素原子に二重結合で結合した基であるヒドロカルビリデン基であり、より好ましくは、ヒドロカルビル基であり、更に好ましくは、アルキル基である。該アルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基である。
【0439】
xは1〜10の整数であり、好ましくは2〜4の整数であり、より好ましくは3である。
【0440】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37がアルキル基である化合物として、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]トリアルコキシシラン;
【0441】
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]アルキルジアルコキシシラン;
【0442】
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]ジアルキルアルコキシシラン
をあげることができる。
【0443】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37がアルコキシアルキル基である化合物として、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシランなどの
{3−[ビス(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}トリアルコキシシラン;
【0444】
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシランなどの
{3−[ビス(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}アルキルジアルコキシシラン;
【0445】
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ビス(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ビス(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシランなどの
{3−[ビス(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}ジアルキルアルコキシシラン
をあげることができる。
【0446】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37がオキシラニル基である化合物として、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(オキシラニル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0447】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37がテトラヒドロフラニル基である化合物として、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0448】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37がグリシジル基である化合物として、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0449】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37がテトラヒドロフルフリル基である化合物として、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン
をあげることができる。
【0450】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37が結合した基である化合物として、
3−(1−ピペリジニル)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルトリエトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルエチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(1−ピペリジニル)プロピルエチルジエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルエチルジメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルエチルジエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルトリメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルトリエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルエチルジメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルメチルジエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルエチルジエトキシシラン
をあげることができる。
【0451】
式(12)で表される化合物としては、R36及びR37が窒素原子に二重結合で結合する1つの基である化合物として、
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン
をあげることができる。
【0452】
式(12)で表される化合物としては、好ましくは、[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]トリアルコキシシランである。
より好ましくは、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシランであり、
更に好ましくは、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシランである。
【0453】
共役ジエン系重合体(E)において、式(11)で表される化合物に基づく単量体単位の含有量は、共役ジエン系重合体中の単量体単位の総量を100質量%として、0.01〜20質量%である。該含有量は、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性を改善するために、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上である。また、低燃費性を改善するために、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以下である。
【0454】
共役ジエン系重合体(E)は、強度を高めるために、ビニル芳香族炭化水素に基づく単量体単位(芳香族ビニル単位)を有していることが好ましい。該ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンをあげることができる。好ましくは、スチレンである。
【0455】
芳香族ビニル単位の含有量としては、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位との総量を100質量%として、0質量%以上(共役ジエン単位の含有量は100質量%以下)であり、強度を高めるために、好ましくは10質量%以上(共役ジエン単位の含有量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエン単位の含有量は85質量%以下)である。また、低燃費性を改善するために、芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエン単位の含有量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエン単位の含有量は55質量%以上)である。
【0456】
共役ジエン単位と式(11)で表される化合物に基づく単量体単位と芳香族ビニル単位との総量は、共役ジエン系重合体中の単量体単位の総量を100質量%として、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善するために、好ましくは、99.9質量%以上であり、より好ましくは99.95質量%以上であり、更に好ましくは100質量%である。
【0457】
共役ジエン系重合体(E)のムーニー粘度(ML1+4)は、強度を高めるために、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、加工性を高めるために、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K 6300(1994)に従って、100℃にて測定される。
【0458】
共役ジエン系重合体(E)のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、低燃費性を改善するために、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。また、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善するために、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは40モル%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より求められる。
【0459】
共役ジエン系重合体(E)の分子量分布は、低燃費性を改善するために、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜2である。分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
【0460】
共役ジエン系重合体(E)の好適な製造方法としては、下記工程A2及びB2を有する製造方法をあげることができる。
(工程A2):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと上記式(11)で表される化合物とを含む単量体成分を、上記式(11)で表される化合物の使用量を0.01〜20質量%(但し、単量体成分の総使用量を100質量%とする。)で重合させて、共役ジエンに基づく単量体単位と上記式(11)で表される化合物に基づく単量体単位とを有する重合体鎖の少なくとも一端にアルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
(工程B2):工程A2で得られた重合体と上記式(12)で表される化合物とを反応させる工程。
【0461】
工程A2で用いられるアルカリ金属触媒としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマーなどをあげることができる。該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどをあげることがでる。該有機アルカリ金属化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、t−ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、1,4−ジリチオ−2−ブテン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド、カリウムナフタレニドなどをあげることができる。また、アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウム−ジエトキシエタン錯体などをあげることができ、アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩をあげることができる。好ましくは、有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物であり、より好ましくは、炭素原子数が2〜20の有機リチウム化合物又は炭素原子数が2〜20の有機ナトリウム化合物である。
【0462】
工程A2で用いられる炭化水素溶媒は、有機アルカリ金属化合物触媒を失活させない溶媒であり、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素などをあげることができる。脂肪族炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどをあげることができる。また、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンをあげることができ、脂環族炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどがあげられる。これらは1種以上用いられ、また、炭化水素溶媒は、工業用ヘキサンのような各種成分の混合物でもかまわない。好ましくは、炭素原子数が2〜12の炭化水素である。
【0463】
工程A2では、炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエン及び上記式(11)で表される化合物を含む単量体成分を重合させ、共役ジエンに基づく単量体単位と、上記式(11)で表される化合物に基づく単量体単位とを有する重合体を製造する。該共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンをあげることができる。これらは1種以上用いられる。好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレンである。
【0464】
式(11)で表される化合物の使用量は、重合で使用した単量体成分の総使用量を100質量%として、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性を改善するために、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、更に好ましくは0.05質量%以上である。また、低燃費性を改善するために、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以下である。
【0465】
工程A2では、単量体として、共役ジエンと式(11)で表される化合物とに、ビニル芳香族炭化水素を組み合わせて重合を行ってもよく、ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等をあげることができる。好ましくは、スチレンである。
【0466】
ビニル芳香族炭化水素の使用量は、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との総使用量を100質量%として、0質量%以上(共役ジエンの使用量は100質量%以下)であり、強度を高めるために、好ましくは10質量%以上(共役ジエンの使用量は90質量%以下)であり、より好ましくは15質量%以上(共役ジエンの使用量は85質量%以下)である。また、低燃費性を改善するために、ビニル芳香族炭化水素の使用量は、好ましくは50質量%以下(共役ジエンの使用量は50質量%以上)であり、より好ましくは45質量%以下(共役ジエンの使用量は55質量%以上)である。
【0467】
また、重合において、共役ジエンと式(11)で表される化合物とビニル芳香族炭化水素との総使用量は、単量体の総使用量を100質量%として、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性を改善するために、好ましくは99.9質量%以上であり、より好ましくは99.95質量%以上であり、更に好ましくは100質量%である。
【0468】
工程A2の重合は、共役ジエン単位のビニル結合量を調整する剤、共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン単位と共役ジエン以外の単量体に基づく単量体単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)などの存在下で行ってもよい。このような調整剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物などをあげることができる。該エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなど環状のエーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルなどがあげられる。該第三級アミンとして、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。また、該ホスフィン化合物として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどをあげることができる。これらは1種類以上用いられる。
【0469】
工程A2での重合温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、通常10分〜5時間である。
【0470】
工程B2において、工程A2で調製された重合体に反応させる式(12)で表される化合物の量は、有機アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モルあたり、通常、0.1〜3モルであり、好ましくは、0.5〜2モルであり、より好ましくは、0.7〜1.5モルである。
【0471】
工程B2において、工程A2で調製された重合体と式(12)で表される化合物とを反応させる温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。より好ましくは50〜80℃である。反応させる時間は、通常、60秒〜5時間であり、好ましくは5分〜1時間であり、より好ましくは15分〜1時間である。
【0472】
共役ジエン系重合体(A)〜(E)の製造においては、必要に応じて、アルカリ金属触媒による単量体の重合開始から重合停止において、共役ジエン系重合体(A)〜(E)の炭化水素溶液にカップリング剤を添加してもよい。カップリング剤としては、下記式(X)で表される化合物があげられる。
【0473】
ML4−a (X)
(式中、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を表し、Mはケイ素原子又はスズ原子を表し、Lはハロゲン原子又はヒドロカルビルオキシ基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
【0474】
式(X)で表されるカップリング剤としては、四塩化珪素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、四塩化スズ、メチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、トリメチルクロロスズ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジエチルシランがあげられる。
式(X)において、aは0〜2の整数を表すことが好ましい。
【0475】
カップリング剤の添加量は、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モル当たり、共役ジエン系重合体(A)〜(E)の加工性を高めるために、好ましくは0.01モル以上であり、より好ましくは0.03モル以上であり、更に好ましくは0.05モル以上である。また、低燃費性を改善するために、好ましくは0.4モル以下であり、より好ましくは0.3モル以下である。なお、カップリング反応は、特に制限はされないが、通常20℃〜100℃の範囲の温度で行われる。
【0476】
共役ジエン系重合体(A)〜(E)の炭化水素溶液から共役ジエン系重合体(A)〜(E)を回収する方法としては、公知の回収方法があげられる。例えば、(i)共役ジエン系重合体(A)〜(E)の炭化水素溶液に凝固剤を添加する方法、(ii)共役ジエン系重合体(A)〜(E)の炭化水素溶液にスチームを添加する方法があげられる。回収した共役ジエン系重合体(A)〜(E)は、バンドドライヤーや押出型ドライヤーなどの公知の乾燥機で乾燥処理されてもよい。
【0477】
共役ジエン系重合体(A)〜(E)は、ゴム成分として使用することができ、他のゴム成分や、シリカなどの添加剤を配合して、本発明のゴム組成物を得ることができる。
【0478】
ゴム成分100質量%中の上記共役ジエン系重合体(A)〜(E)の含有量は、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、低燃費性の改善効果が得られにくい傾向がある。また、上記共役ジエン系重合体(A)〜(E)の含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性が低下するとともに、高コストになる傾向がある。
【0479】
上記共役ジエン系重合体(A)〜(E)以外に使用できるゴム成分としては限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。これらのゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。なかでも、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く示すことから、NR、BRが好ましい。
これらのゴム成分としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
【0480】
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性が得られない傾向がある。また、NRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
【0481】
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。1質量%未満であると、充分な低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性が得られない傾向がある。また、BRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
【0482】
本発明のゴム組成物は、補強剤として、シリカを使用する。上記シリカとしては、乾式シリカ(無水ケイ酸)、湿式シリカ(含水ケイ酸)、コロイダルシリカ、沈降シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどをあげることができる。これらは1種以上用いることができる。シリカのBET比表面積は、好ましくは、50〜250m/gである。該BET比表面積は、ASTM D1993−03に従って測定される。シリカの市販品としては、デグッサ社製 商品名 ウルトラシルVN3、東ソー・シリカ社製 商品名 VN3、AQ、ER、RS−150、Rhodia社製 商品名 Zeosil 1115MP、1165MPなどを用いることができる。
【0483】
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜150質量部である。該含有量は、低燃費性を改善するために、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。また、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性を高めるために、好ましくは100質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。
【0484】
本発明のゴム組成物は、導電性カーボンブラックを含有する。共役ジエン系重合体及びシリカとともに導電性カーボンブラックを配合することで、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性をバランス良く改善できる。
【0485】
導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上である。40m/g未満では、良好な導電性が得られない傾向がある。また、導電性カーボンブラックのNSAは、好ましくは80m/g以下、より好ましくは70m/g以下、更に好ましくは60m/g以下、特に好ましくは50m/g以下である。80m/gを超えると、充分な分散が得られず、良好な性能を発揮できない傾向がある。
なお、導電性カーボンブラックのNSAは、ASTM D4820−93に従って測定される値である。
【0486】
導電性カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)は、好ましくは110cm/100g以上である。110cm/100g未満では、充分な導電性が得られない傾向がある。また、導電性カーボンブラックのDBP吸油量は、好ましくは230cm/100g以下、より好ましくは220cm/100g以下、更に好ましくは190cm/100g以下、特に好ましくは150cm/100g以下である。230cm/100gを超えると、NSAと同様、充分なカーボンブラックの分散が得られない傾向がある。
なお、導電性カーボンブラックのDBP吸油量は、ASTM D2414−93に従って測定される値である。
【0487】
導電性カーボンブラックは、コロイダル特性のため、粒子密度が汎用カーボンブラックと比べて低いことにより、汎用カーボンブラックを同質量部添加した場合と比較して三次元的に連結性の増したネットワーク構造が形成され易くなるため、性能の向上効果が現れていると考えられる。
【0488】
導電性カーボンブラックの具体例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛化カーボンブラックなどの優れた導電性を示すものがあげられ、アセチレンブラックを好適に使用できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0489】
導電性カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、3質量部以上であることが好ましい。3質量部未満であると、性能の向上効果が充分に見られない傾向がある。これは、導電性カーボンブラックの効果が希釈されているためと考えられる。また、導電性カーボンブラックの含有量は、30質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、7質量部以下であることが更に好ましい。30質量部を超えると、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性が悪化する傾向がある。これは、導電性カーボンブラックの構造体が過度に形成されることで、ゴム組成物の伸び代が低下するためと考えられる。
【0490】
ゴム組成物の製造時において、導電性カーボンブラックの投入は、素練り、再練り、仕上げ練りのどの段階でも効果は確認されるが、ゴムのマトリクス中に適度に分配される必要があるため、可能な限り練り工程の前半に投入されることが好ましい。
【0491】
また、オイルやワックス、融点が混練り工程時の熱履歴で融解するような樹脂、流動するような低分子成分とともに配合する場合は、ゴム成分及び導電性カーボンブラックを予め混合するマスターバッチ工程を設けることが好ましい。これは、導電性カーボンブラックの粒子密度の低さに起因する凝集体内部の空隙に上記成分が浸透し易く、ゴム成分中への導電性カーボンブラックの分散及び分配や、耐摩耗性などの向上に必要なポリマーとの濡れ性及び相互作用度合いが低下するためと考えられる。
【0492】
更に、導電性カーボンブラックの微細な内部空隙へのポリマーの浸透を促すために、素練りによる温度上昇後、ゴムの脆性化する温度よりも高い温度で可能な限り冷却した後、再練りすると良い。これにより、導電性カーボンブラックの内部までポリマーが浸透し、濡れ広がったポリマーを伝ってミキサーの動力が伝わることで、導電性カーボンブラックの凝集体に最も大きく剪断応力が加わって分散を促進させることができ、かつ導電性カーボンブラック表面にポリマーが隙間なく濡れ広がることにより、導電性カーボンブラックとポリマーとの界面の相互作用が最も強くなり、補強性を最大限発揮させることができる。
【0493】
本発明のゴム組成物は、上述の薬品以外の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄などの加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤などの加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫活性化剤;ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシドなどの有機過酸化物;カーボンブラックなどの補強剤;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;シランカップリング剤;伸展油;加工助剤;老化防止剤;滑剤を例示することができる。
【0494】
上記硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄があげられる。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部であり、より好ましくは0.3〜10質量部であり、更に好ましくは0.5〜5質量部である。
【0495】
上記加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどのチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤をあげることができる。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.2〜4質量部である。
【0496】
上記補強剤としては、上記シリカ、上記導電性カーボンブラックの他に、一般的な汎用カーボンブラックを使用することができ、該汎用カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスブラック;FT及びMTのようなサーマルブラック;EPC、MPC及びCCのようなチャンネルブラック;グラファイトなどをあげることができる。これらは1種以上用いることができる。
【0497】
汎用カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、通常、5〜200m/gであり、好ましくは15〜150m/g、より好ましくは25〜80m/gである。また、汎用カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、通常、5〜300cm/100gである。該窒素吸着比表面積は、ASTM D4820−93に従って測定され、該DBP吸収量は、ASTM D2414−93に従って測定される。
【0498】
補強剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部である。また、該含有量は、耐摩耗性及び強度を高めるために、より好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上であり、更に好ましくは40質量部以上である。また、低燃費性を高めるために、より好ましくは120質量部以下であり、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは70質量部以下である。
【0499】
また、補強剤として用いるシリカの含有量と導電性カーボンブラックの含有量との質量比(シリカの含有量:導電性カーボンブラックの含有量)としては、1:2〜50:1であることが好ましい。該質量比は、低燃費性を高めるため、及び、補強性を高めるために、3:1〜20:1であることがより好ましい。
【0500】
上記シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどをあげることができる。これらは1種以上用いられる。市販品としては、デグッサ社製 商品名 Si69、Si75などを用いることができる。
【0501】
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部であり、より好ましくは2〜15質量部であり、更に好ましくは5〜10質量部である。
【0502】
上記伸展油としては、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850〜0.899)、パラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790〜0.849)などをあげることができる。伸展油の多環芳香族含有量は、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは1質量%未満である。該多環芳香族含有量は、英国石油学会346/92法に従って測定される。また、伸展油の芳香族化合物含有量(CA)は、好ましくは20質量%以上である。これらの伸展油は、1種以上用いられる。
【0503】
本発明のゴム組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロールやバンバリーのような公知の混合機で混練する方法を用いることができる。
【0504】
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理を行って用いられる。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
【0505】
本発明のゴム組成物は、低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性が高次元でバランス良く得られる。
【0506】
本発明のゴム組成物は、タイヤのサイドウォールに使用される。
【0507】
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのサイドウォールの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明の空気入りタイヤを製造できる。
【0508】
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤとして好適に用いることができる。
【実施例】
【0509】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0510】
<重合体1の作成>
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン608g、テトラヒドロフラン6.07ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.00mlを重合反応器内に投入した。次に、ジメチル−1−ピペリジニルメチルビニルシラン12.70mmol及びn−ブチルリチウム14.59mmolをn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
【0511】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとジメチル−1−ピペリジニルメチルビニルシランとの共重合を3.0時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は912gであった。
【0512】
次に、得られた重合体溶液にメタノール0.77mlを含むヘキサン溶液20mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0513】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)7.2g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)3.6gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体1を得た。
【0514】
<重合体2の作成>
内容積5リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、工業用ヘキサン(密度680kg/m)2.55kg、1,3−ブタジエン137g、テトラヒドロフラン1.52ml、エチレングリコールジエチルエーテル1.12mlを重合反応器内に投入した。次に、ジメチル−1−ピペリジニルメチルビニルシラン8.70mmol及びn−ブチルリチウム3.37mmolをn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
【0515】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとジメチル−1−ピペリジニルメチルビニルシランとの共重合を2.5時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は205gであった。また、重合転化率は、ほぼ100%であった。
【0516】
重合体溶液にメタノール0.20mlを含むヘキサン溶液10mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0517】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体2を得た。
【0518】
<重合体3の作成>
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、テトラヒドロフラン6.07ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.00mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム14.46mmolをn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
【0519】
重合体溶液にメタノール0.75mlを含むヘキサン溶液10mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0520】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体3を得た。
【0521】
<重合体4の作成>
内容積5リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器内を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)2.55kg、1,3−ブタジエン137g、tert−ブトキシジフェニルビニルシラン0.81g、テトラヒドロフラン1.52ml、エチレングリコールジエチルエーテル1.18mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム2.88mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0522】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとtert−ブトキシジフェニルビニルシランとの共重合を2時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は205gであった。また、重合反応器に投入・供給した単量体総量中、tert−ブトキシジフェニルビニルシランの投入量は、0.18質量%であった。
【0523】
メタノール0.2mlを含むヘキサン溶液10mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0524】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体4を得た。
【0525】
<重合体5の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン608g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム12.40mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0526】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は912gであった。メタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0527】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体5を得た。
【0528】
<重合体6の作成>
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1404g、テトラヒドロフラン328g、ヘキサン10.2kg、n−ヘキサン溶液(n−ブチルリチウムの含有量15.0mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、イソシアヌル酸トリグリシジルを7.5mmol(2.23g)添加した。攪拌下に65℃で30分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体6を得た。
【0529】
<重合体7の作成>
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1404g、テトラヒドロフラン328g、ヘキサン10.2kg、n−ヘキサン溶液(n−ブチルリチウムの含有量8.5mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、四塩化珪素を0.16mmol(0.027g)を添加し、攪拌下に65℃で15分間反応させた。更に、イソシアヌル酸トリグリシジルに代えて、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを7.65mmol(1.19g)添加し、攪拌下に65℃で30分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体7を得た。
【0530】
<重合体8の作成>
n−ヘキサン溶液中のn−ブチルリチウムの含有量を8.7mmolに変更したこと、四塩化珪素を0.17mmol(0.029g)に変更したこと、及び、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを添加しなかったこと以外、重合体7の作成方法と同様に行い、重合体8を得た。
【0531】
<重合体9の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン608g、4−ピロリジニルエチルスチレンと3−ピロリジニルエチルスチレンの混合物2.58g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム15.08mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0532】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエン、4−ピロリジニルエチルスチレン、及び、3−ピロリジニルエチルスチレンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は912gであった。重合反応器に投入・供給した単量体総量中、4−ピロリジニルエチルスチレン及び3−ピロリジニルエチルスチレンの投入量は、0.13質量%であった。
【0533】
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン12.8mmolを重合体溶液に添加し、更に15分間撹拌した。次に、メタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0534】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体9を得た。
【0535】
<重合体10の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン608g、4−ピロリジニルエチルスチレンと3−ピロリジニルエチルスチレンの混合物7.73g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム15.38mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0536】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエン、4−ピロリジニルエチルスチレン、及び、3−ピロリジニルエチルスチレンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は912gであった。重合反応器に投入・供給した単量体総量中、4−ピロリジニルエチルスチレン及び3−ピロリジニルエチルスチレンの投入量は、0.39質量%であった。
【0537】
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン12.8mmolを重合体溶液に添加し、更に15分間撹拌した。次に、メタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0538】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体10を得た。
【0539】
<重合体11の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.7mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム15.38mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0540】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821gであった。
【0541】
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン12.80mmolを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0542】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体11を得た。
【0543】
<重合体12の作成>
内容積5リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器内を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)2.55kg、1,3−ブタジエン137g、4−ピロリジニルエチルスチレンと3−ピロリジニルエチルスチレンの混合物0.53g、テトラヒドロフラン1.52ml、エチレングリコールジエチルエーテル1.18mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム3.73mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0544】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエン、4−ピロリジニルエチルスチレン、及び、3−ピロリジニルエチルスチレンとの共重合反応を2時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は205gであった。また、重合反応器に投入・供給した単量体総量中、4−ピロリジニルエチルスチレン及び3−ピロリジニルエチルスチレンの投入量は、0.12質量%であった。メタノール0.5mlを含むヘキサン溶液10mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0545】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体12を得た。
【0546】
<重合体13の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン608g、4−ビニルピリジン1.41g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム18.26mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0547】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエン、及び、4−ビニルピリジンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は912gであった。重合反応器に投入・供給した単量体総量中、4−ビニルピリジンの投入量は、0.07質量%であった。
【0548】
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン13.42mmolを重合体溶液に添加し、更に15分間撹拌した。次に、メタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0549】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体13を得た。
【0550】
<重合体14の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン608g、4−ビニルピリジン4.18g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム22.62mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0551】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエン、及び、4−ビニルピリジンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は912gであった。重合反応器に投入・供給した単量体総量中、4−ビニルピリジンの投入量は、0.21質量%であった。
【0552】
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン13.26mmolを重合体溶液に添加し、更に15分間撹拌した。次に、メタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0553】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体14を得た。
【0554】
<重合体15の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.7mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム15.38mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0555】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821gであった。
【0556】
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン12.80mmolを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0557】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体15を得た。
【0558】
<重合体16の作成>
内容積20リットルの撹拌装置付きステンレス製重合反応器を、洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次に、工業用ヘキサン(密度680kg/m)10.2kg、1,3−ブタジエン608g、4−ビニルピリジン1.41g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル4.0mlを重合反応器内に投入した。次に、n−ブチルリチウム18.52mmolをn−ヘキサン溶液として重合反応器内に投入し、重合反応を開始した。
【0559】
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、1,3−ブタジエンを重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエン、及び、4−ビニルピリジンの共重合反応を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は912gであった。重合反応器に投入・供給した単量体総量中、4−ビニルピリジンの投入量は、0.07質量%であった。
【0560】
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、メタノール0.8mlを含むヘキサン溶液20mlを重合体溶液に加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
【0561】
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製、商品名:スミライザーGM)8.0g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学社製、商品名:スミライザーTP−D)4.0gを加え、次に、重合体溶液を、常温、24時間で蒸発させ、更に55℃で12時間減圧乾燥し、重合体16を得た。
【0562】
得られた重合体1〜16について、下記物性評価を行った。結果を表1〜5に示す。
【0563】
<ムーニー粘度(ML1+4)>
JIS K 6300(1994)に従って、100℃にて重合体のムーニー粘度を測定した。
【0564】
<ビニル結合量(単位:モル%)>
赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より重合体のビニル結合量を求めた。
【0565】
<分子量分布(Mw/Mn)>
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、重合体の分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:東ソー(株)社製HLC−8220
(2)分離カラム:東ソー(株)社製HM−H(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
【0566】
【表1】
【0567】
【表2】
【0568】
【表3】
【0569】
【表4】
【0570】
【表5】
【0571】
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のウベポールBR150B
重合体1〜16:上記製造例で製造した重合体
導電性カーボンブラック1:東海カーボン(株)製のシーストSO(平均粒径:43nm、NSA:42m/g、DBP吸油量:115cm/100g、ヨウ素吸着量:44cm/g)
導電性カーボンブラック2:電気化学工業(株)製のアセチレンブラック(NSA:68m/g、DBP吸油量:175cm/100g)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN550(NSA:42m/g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX−140
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:住友化学(株)製のソクシノールCZ、DPG
【0572】
(実施例及び比較例)
表6〜10に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォール形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
【0573】
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表6〜10に示す。なお、以下の評価において、表6の基準比較例を比較例3、表7の基準比較例を比較例6、表8における基準比較例を比較例9、表9における基準比較例を比較例11、表10における基準比較例を比較例18とした。
【0574】
<評価項目及び試験方法>
<ムーニー粘度>
JIS K 6300に準じて、130℃で所定の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。測定結果を、基準比較例を100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(基準比較例のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
【0575】
<転がり抵抗>
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で、各配合の加硫ゴム組成物のtanδを測定し、基準比較例のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が小さく、低燃費性が優れることを示している。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
【0576】
<破壊強度>
加硫ゴム組成物について、JIS K 6251に準じて3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断強度(TB)を破断時伸び(EB)(%)を測定した。TB×EB/2の数値を破壊強度とした。基準比較例の破壊強度を100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど破壊強度に優れる。
(破壊強度指数)=(各配合の破壊強度)/(基準比較例の破壊強度)×100
【0577】
<耐屈曲亀裂性>
加硫ゴム組成物を用い、JIS K 6260「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−デマッチャ屈曲亀裂試験方法」に基づいてサンプルを作製し、屈曲亀裂成長試験を行い、70%伸張を100万回繰り返してサンプルを屈曲させた後、発生した亀裂の長さを測定した。そして、基準比較例の測定値(長さ)を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど、亀裂の成長が抑制され、耐屈曲亀裂性に優れることを示す。
(耐屈曲亀裂性指数)=(基準比較例の測定値)/(各配合の測定値)×100
【0578】
<操縦安定性>
試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。結果は、基準比較例の操縦安定性を100として指数表示した。指数が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
【0579】
【表6】
【0580】
【表7】
【0581】
【表8】
【0582】
【表9】
【0583】
【表10】
【0584】
表6〜10に示すように、特定の単量体単位を有する共役ジエン系重合体(A)〜(E)の少なくとも一つと、シリカとをそれぞれ所定量配合し、更に導電性カーボンブラックを配合した実施例のゴム組成物は、比較例のゴム組成物に比べて、少なくとも低燃費性、破壊強度及び耐屈曲亀裂性が改善し、これらの性能が高次元でバランス良く得られた。