【実施例】
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態を示す自動電源オフ装置の構成図である。
音源装置1と身体の一部に装着する、脈拍センサと体温センサを有するイヤホンタイプの装着具3と、音源装置1と装着具3との間に設けられ、装着具3から送られてくる脈拍と体温の値により、音源装置1の電源を切断する制御装置2を備えた電源オフ装置となっている。
【0017】
音源装置1から音声信号13aが制御装置2を経由して、音声信号14aとなり装着具3へ送られる。このように音声信号は単に制御装置2をスルーして装着具3へ送られている。
【0018】
イヤホンタイプの装着具3の両センサから脈拍信号
21と体温信号
22が制御装置2に入力され、処理されて音源装置1へ電源オフ信号15が出力されることになる。
【0019】
図2は脈拍計測に関する説明図であり、左から右へ時間経過しており、覚醒状態から睡眠状態へ移行している。脈拍のピーク間、すなわち周期をt1、t2、...tn(単位;秒)として、脈拍関連情報として周期差(デルタt)=t2−t1、t3−t2、・・・tn−t(n−1)とおいたとき、周期差(デルタt)を監視して閾値A以上になったら睡眠状態と判断する。即ちA以上になったということは、脈拍が下がり睡眠状態になったという判断を行う。
【0020】
体温についても同様の判断をして、例えば1秒間隔で体温を監視することとし、任意時点の体温=T1とし、1秒後の体温差=T2としたとき体温差(デルタT)=T1−T2,T3−T2、・・・Tn−T(n−1)の体温差(デルタT)を監視して閾値B以上になったら睡眠状態と判断する。
【0021】
図3は制御装置2のブロック図である。制御部24は、CPUやメモリを含み(これらは図示せず)、装置全体の制御を行っている。
【0022】
図1の装着具3の脈拍センサと体温センサから、このように脈拍信号
21と体温信号
22がA/D変換されて入力され、制御部24の脈拍検出回路21、体温検出回路22へ入力されて、さらに、バス25を介して電源オフ回路23に入力される。
【0023】
即ち、脈拍センサや体温センサによって検出された脈拍に代わる先に説明した周期tn、と体温Tnが制御装置2のそれぞれ、脈拍検出回路21、体温検出回路22へ入力されて、さらにそれぞれの回路で演算がなされ、電源オフ回路23で処理され、
図4で説明する電源オフロジックで判断され、電源オフ信号15が出力されることになる。
【0024】
図4は電源オフロジックの処理フローであり、この電源オフロジックに基づき、電源オフが判断されることになる。
【0025】
システム作動開始(S1)とは、例えば本装置の
利用者が寝床について睡眠しようとしたとき、
図1の音源装置1を電源オンして作動させ、装着具3を耳に挿入した状態を言う。
【0026】
次に脈拍・体温計測(S2)状態に入る。先に説明したように、周期差(デルタt)≧A(S3)がチェックされ、さらに体温についても同様なチェック、即ち体温差(デルタT)≧B(S4)がなされる。このように脈拍に関係する周期差、体温差についてのそれぞれが閾値A、B以上になると、電源オフ(S5)の信号が出力されることになる。
【0027】
以上は、脈拍に関係する周期差と体温差共に設定値以上になったときに、電源オフに至るロジックであるが、これらどちらか一方が設定値以上になった場合もオフとするようにする。
【0028】
即ち、脈拍関連情報の周期差(デルタt)、体温差(デルタT)のどちらかが、条件を満たした場合も電源オフするよう設定することとするが、説明は後で述べる。
【0029】
図5の(イ)は音源装置側ピンジャック13の説明図であり、左右の音声信号が、それぞれの音声信号端子13aL、13aRを通して
図1の制御装置2へ送られ、13eは接地端子となっている。また電源オフ信号端子23aを通して、制御装置2からの音声オフ信号15が音源装置1へ送られる。クリップ識別端子3eについては後述する。第2の実施形態で説明する。
【0030】
尚
図5の(ロ)は音源装置1、制御装置2、装着具3または4(装着具4は後述)と音源装置側ピンジャック13、
図6でその詳細説明する制御装置側ピンジャック14の取り付け関係図である。
【0031】
図6は制御装置側ピンジャック14の説明図であり、左右の音声信号が、それぞれの音声信号端子14aL、14aRを通して
図1の装着具3へ送られ、14eは接地端子となっている。このように、先にも説明したように、音声信号は単に制御装置2をスルーして送られている。クリップ識別端子4eについては後述する。第2の実施形態で説明する。
【0032】
脈拍信号端子21a、体温信号端子22aを通して、装着具3から送られてくる、脈拍信号
21と体温信号
22を受け取るようになっている。
【0033】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態を示す自動電源オフ装置の構成図であり、第1の実施形態と異なるところは、イヤホンタイプの装着具3からクリップタイプの装着具4に置き換わっている。第2の実施形態において、
図4のシステム作動開始(S1)とは、装着具4を耳または他の身体の一部に装着した状態である。またこのとき
図1の音源装置1からの音を直接聞くことになるが、電源切断は第1の実施形態と同じように行われる。
【0034】
図1の第1の実施形態の装着具3の場合と同様に、クリップタイプの装着具4の両センサから脈拍信号
21と体温信号
22が制御装置2に入力され、処理されて音源装置1へ電源オフ信号15が出力されることになる
【0035】
第2の実施形態において、
図5の音源装置側ピンジャック13の形状は、第1の実施形態と共通とする。従って装着具4の場合、音源装置側ピンジャック13の左右音声信号端子13aL、13aRはダミーとなり、音声信号は流れない。
【0036】
また従来のピンジャックのままだと音源装置1からの音声は出力されないことになるが、第2の実施形態の装着具4の場合、音源装置1からの音声出力がなされるようになっており、後述する。
【0037】
ここで
図6へ戻って説明する。このように制御装置側ピンジャック14においてもクリップタイプの装着具4とイヤホンタイプの装着具3のそれは共通とする。従って装着具4の場合、制御装置側ピンジャック14の左右音声信号端子14aL、14aRは同様にダミーとなり、音声信号は流れない。
【0038】
装着具4の場合クリップ識別端子4e、さらに
図5の音源装置側ピンジャック13のクリップ識別端子3eを介してクリップタイプを認識し、音源装置1のスピーカからの音声出力がなされるようになっている。
【0039】
次に脈拍と体温情報による電源オフロジックのフローについて以下のように追加して
図8を参照して説明する。図のR1がこれまで説明してきた、脈拍関連情報の周期差(デルタt)が条件を満たした場合と体温差(デルタT)を満たした場合の、二つの条件どちらをも満たした場合である。加えてどちらか一方の条件を満たした場合も電源オフするように、図のR1、R2、R3いずれかを選択できるような機械的スイッチを設けることとする。
【0040】
即ち、R1の睡眠判断ロジックに加えて、周期差(デルタt)が条件を満たした場合のR2、体温差(デルタT)を満たした場合のR3のロジックを設定し、これらを選択できるようにした。尚このR1、R2、R3選択のための機械的スイッチの詳細説明は省略する。
【0041】
さらに図中丸囲み数字はフローチャート上の結合子であり、R1、R2、R3選択いずれかの選択の際に、上下の結合子の番号を一致させて、入れ替えるような機械的スイッチが備わっているという事を示している。