特許第6152092号(P6152092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーセラス ファーマシューティカルズ コーポレーションの特許一覧

特許6152092経鼻投与のための徐放テストステロン鼻腔内ゲル、方法および複数回用量プレフィルアプリケーターシステム
この文献は図面が300枚以上あるため,図面を表示できません.
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152092
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】経鼻投与のための徐放テストステロン鼻腔内ゲル、方法および複数回用量プレフィルアプリケーターシステム
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/568 20060101AFI20170619BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20170619BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20170619BHJP
   A61P 5/26 20060101ALI20170619BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20170619BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20170619BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20170619BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   A61K31/568
   A61K9/06
   A61K47/44
   A61K47/22
   A61K47/08
   A61K47/10
   A61K47/14
   A61K47/38
   A61K47/32
   A61K47/04
   A61P5/26
   A61P15/10
   A61P25/24
   A61P15/08
   A61M11/00 D
【請求項の数】37
【全頁数】179
(21)【出願番号】特願2014-510901(P2014-510901)
(86)(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公表番号】特表2014-515038(P2014-515038A)
(43)【公表日】2014年6月26日
(86)【国際出願番号】IB2012001127
(87)【国際公開番号】WO2012156822
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年5月14日
(31)【優先権主張番号】61/486,634
(32)【優先日】2011年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/486,324
(32)【優先日】2011年5月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513283811
【氏名又は名称】エーセラス ファーマシューティカルズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】クレップナー,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】フォガーティ,シヴォーン
(72)【発明者】
【氏名】オベレガー,ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】マエ,ポール,ジョゼ,ピエール,マリー
【審査官】 天野 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0311707(US,A1)
【文献】 特表2007−524589(JP,A)
【文献】 特開昭53−079020(JP,A)
【文献】 The Aging Male,2008年,vol.11, no.4,p.171-178,DOI:10.1080/13685530802351974
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/568
A61K 9/06
A61K 47/04
A61K 47/08
A61K 47/10
A61K 47/14
A61K 47/22
A61K 47/32
A61K 47/38
A61K 47/44
A61M 11/00
A61P 5/26
A61P 15/08
A61P 15/10
A61P 25/24
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用量有効期間中に男性のテストステロン血中レベルに許容されないスパイクを生じずに男性テストステロン欠乏症を治療するために男性にテストステロン補充を提供するために、鼻腔投与後少なくとも約6時間にわたってテストステロンを放出制御するよう鼻腔中に局所投与するための鼻腔内テストステロンゲルであって、
(a)男性テストステロン欠乏症を治療するために有効な量のテストステロンと、
(b)少なくとも1種の親油性または部分的に親油性の担体と、
(c)前記鼻腔内テストステロンゲル中のテストステロン溶解度を上昇させるための超溶媒と、
(d)前記鼻腔内テストステロンゲルからの前記テストステロンの放出を制御するために有効な量の粘度調節剤と、
を含み、
前記超溶媒が、ジメチルイソソルビド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、ポリエチレングリコール、1−メチル2−ピロリドンおよびそれらの混合物からなる群から選択され
前記鼻腔内テストステロンゲルが界面活性剤をさらに含む、
鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項2】
前記親油性担体が油を含む、請求項1に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項3】
前記油が液体油である、請求項2に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項4】
前記油が、天然油、合成油、半合性油、植物油、鉱油およびそれらの混合物からなる油の群から選択される、請求項3に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項5】
前記油が、ヒマシ油、アーモンド油、亜麻仁油、カノーラ油、ココヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、ヤシ油、落花生油、ケシ油、大豆油およびそれらの混合物からなる油の群から選択される、請求項4に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項6】
前記油が植物油である、請求項2に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項7】
前記油がヒマシ油である、請求項2に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項8】
前記油が前記鼻腔内テストステロンゲルの約30重量%〜約98重量%の量で存在する、請求項2に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項9】
前記親油性担体が、鉱油、パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル(an isopropyl a myristate)、パルミチン酸イソプロピル、カプリル酸カプリル、ステアリン酸メチル、中鎖トリグリセリド、プロピレングリコール、ジカプリロカプレート、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物からなる親油性担体の群から選択される、請求項1に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項10】
前記超溶媒がジメチルイソソルビドである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項11】
前記超溶媒がジエチレングリコールモノエチルエーテルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項12】
前記超溶媒がグリセロールである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項13】
前記超溶媒がポリエチレングリコールである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項14】
前記超溶媒が前記鼻腔内テストステロンゲルの約1重量%〜約80重量%の量である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項15】
前記粘度調節剤が増粘剤またはゲル化剤を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項16】
前記増粘剤またはゲル化剤が、セルロース、セルロース誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、親油性ガム、アクリルポリマー、カルボポール、多糖、カルボマー、ポリビニルアルコール、ポビドン、二酸化ケイ素、セチルアルコール、ステアリン酸、ワックス、蜜蝋、ワセリン、トリグリセリド、ラノリン、ベヘン酸グリセリル、イヌリンまたはそれらの混合物からなる増粘剤またはゲル化剤の群から選択される、請求項15に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項17】
前記増粘剤またはゲル化剤が、コロイド二酸化ケイ素、二酸化ケイ素または親油性二酸化ケイ素からなる二酸化ケイ素の群から選択される二酸化ケイ素である、請求項15に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項18】
前記粘度調節剤が前記鼻腔内テストステロンゲルの約0.5重量%〜約10重量%の量である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項19】
前記テストステロンが前記鼻腔内テストステロンゲルの約0.05重量%〜約10重量%の量である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項20】
前記テストステロンが前記鼻腔内テストステロンゲルの約4重量%〜約10重量%の量である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項21】
前記テストステロンが前記鼻腔内テストステロンゲルの約5重量%〜約9重量%の量である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項22】
前記界面活性剤が、レシチン、多価アルコールの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、ポリグリセロールの脂肪酸エステル、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、マクロゴールグリセロール脂肪酸エステルまたはそれらの混合物からなる界面活性剤の群から選択される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項23】
前記界面活性剤がオレオイルマクロゴールグリセリドまたはオレオイルマクロゴールグリセリド類の混合物である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項24】
前記オレオイルマクロゴールグリセリドがラブラフィル(登録商標)M 1944 CSである、請求項23に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項25】
前記界面活性剤が前記鼻腔内テストステロンゲルの約0.05重量%〜約10重量%の量である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項26】
前記鼻腔内テストステロンゲルの鼻腔内投与後に前記男性において一定の有効テストステロン血中レベルが生じる、請求項1〜25のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項27】
前記鼻腔内テストステロンゲルの局所的鼻腔投与後に、前記男性において用量有効期間中、約200ナノグラム/dl〜最大約1500ナノグラム/dlの範囲のテストステロン血中レベルが達成される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項28】
前記鼻腔内テストステロンゲルの局所的鼻腔投与後に、前記男性において用量有効期間中、最大約380ナノグラム/dlのレベルのテストステロン血中レベルが達成される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項29】
前記男性テストステロン欠乏症が性欲または性行為の低下を引き起こす、請求項1〜25のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項30】
前記男性テストステロン欠乏症が男性鬱病を引き起こす、請求項1〜25のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項31】
前記男性テストステロン欠乏症が性機能低下である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項32】
前記男性テストステロン欠乏症が男性生殖能の低下、低精子形成または精子形成欠如を引き起こす、請求項1〜25のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項33】
前記鼻腔内テストステロンゲルを鼻腔内の外壁の中間部付近〜上部付近に局所適用するためのディスペンス部材を含む、前記鼻腔内テストステロンゲルを局所適用するための、請求項1〜32のいずれか一項に記載の前記鼻腔内テストステロンゲルを予め充填したデバイス。
【請求項34】
前記鼻腔内テストステロンゲルを鼻腔内の外壁の軟骨部付近またはその下部に局所適用するためのディスペンス部材を含む、前記鼻腔内テストステロンゲルを局所適用するための、請求項1〜33のいずれか一項に記載の前記鼻腔内テストステロンゲルを予め充填したデバイス。
【請求項35】
前記鼻腔内テストステロンゲルが約1,000cps〜約27,000cpsの粘度を有する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の鼻腔内テストステロンゲル。
【請求項36】
前記鼻腔内テストステロンゲルが各鼻孔の鼻腔内の鼻粘膜に少なくとも1日1回局所適用される、請求項1〜35のいずれか一項に記載の男性テストステロン欠乏症を治療する方法。
【請求項37】
前記鼻腔内テストステロンゲルが各鼻孔の鼻腔内の鼻粘膜に少なくとも1日2回局所適用される、請求項1〜36のいずれか一項に記載の男性テストステロン欠乏症を治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、男性のテストステロン欠乏症または女性の性機能障害を治療するために、テストステロン補充または補給療法における使用に適し、テストステロン補充またはテストステロン補給療法を必要とする男女の治療に有効であり、投与期間中にテストステロン血中濃度の不必要なスパイクを起こすことなく、一定の有効なテストステロン血中濃度を与えるための、経鼻適用後の男女の体循環内へのテストステロンの徐放のための鼻腔内テストステロンゲルに関する。また、本発明は、鼻腔内テストステロンゲルの経鼻投与のための方法およびプレフィル複数回用量アプリケーターシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
鼻腔内薬剤送達は、豊富な毛細血管による急速吸着、作用の急速開始、肝臓の初回通過代謝の回避、長期薬物治療に対する有用性および投与の容易さなど、多くの利点を備える。
【0003】
通常、分子量が十分低い親油性の医薬品化合物は、大きな分子および/またはイオン化分子とは対照的に、鼻の粘液膜によって容易に吸着されることが知られている。このような薬剤は、静脈内注射後に得られるものと類似の薬物動態学的プロファイルを得ることができる。
【0004】
しかし、沈着部位からの治療薬の急速粘液線毛クリアランスが、吸収に利用できる期間を短くするという理由、および鼻腔中で分解を起こすことができる酵素の存在という理由から、長期間、一定の治療薬剤濃度をインビボで維持することが課題となっている。
【0005】
鼻腔中での滞留時間を延長させる生体付着システムの使用、鼻粘膜の透過性を改善する促進剤の使用、または薬剤の分解を防ぐ安定剤の使用等のこれらの制限を克服するための努力がなされてきた。
【0006】
例えば、英国特許第GB1987000012176号には、Illumにより生体付着性微粒子の使用が、国際出願第PCT/GB98/01147号には、West Pharmaceuticalsによるインサイツのゲル化ペクチン製剤の使用が、それぞれ提案されている。
【0007】
幾分小さな親油性化合物の性ステロイド類の経鼻吸収に関する研究により、性ステロイドが、鼻粘膜により容易に吸収され、極めて早期に血清中で認められることが示された。ホルモン補充療法は、通常、長期間行われるため、この事実、化合物の短寿命、および徐放性鼻腔内適用形態の処方の可能性が低いことが原因で、臨床診療における性ステロイドの使用はこれまでのところ限られている。
【0008】
これらの薬剤について、いくつかの製剤が提案されている。例えば、水にほぼ不溶で、植物油には多少溶解するテストステロンの場合、Hussainら(Hussain et al.、「テストステロン17β−N,N−ジメチルグリクイナート塩酸塩:テストステロンの経鼻送達に有望なプロドラッグ(テストステロン17β−N,N−dimethylglyc−inate hydrochloride:A prodrug with a potential for nasal delivery of testosterone)」、J.Pharmaceut.Sci.91(3):785−789(2002))は、水への溶解度を高めることができれば、テストステロンが鼻腔内投与の理想的な候補となりうることを示唆した。そのため、Hussainらは、水可溶のプロドラッグ、テストステロン17β−N,N−ジメチルグリシナートの使用を提案し、それぞれ、12分(25mg用量)および20分(50mg用量)内のピーク血漿中濃度および約55分の除去半減期を有する、静脈内投与と同等の血清レベルを認めた。性ホルモン補充または補給療法は、投与後直ちにピーク血漿濃度が必要な救急療法ではないので、この速度は必ずしも望ましいものではないことに言及する。
【0009】
Koら(Ko et al.,鼻腔内投与用テストステロンエマルジョン製剤(Emulsion formulations of testosterone for nasal administration),J.Microencaps.,15(2):197−205(1998))は、吸収の増加は、薬剤の可溶化、および/または鼻の中での製剤滞留時間の延長により可能となるという仮説に基づいて、荷電テストステロンのサブミクロンO/Wエマルジョン製剤(水/Tween80、大豆油/Span80)の使用を提案した。Ko等は、中性のエマルジョン(37%)に比べて、正(55%)および負(51%)に帯電したエマルジョンのより高い相対的バイオアベイラビリティを見出した。全ケースで、投与後約20分で、Tmaxが観察された。グラフからは、静脈内適用(水アルコール溶液)後、血清レベルが、最長除去半減期を示すように見えるが、Ko等は、適用前に血液試料を採取せず、そのため、血清レベルの増加の差異を評価できないために、これらの結果を評価するのは困難である。しかし、実際には、液滴サイズ(430nm)を得るために必要な界面活性剤の量が、経鼻適用にとって受け入れられないので、このようなエマルジョンは、適切ではない。
【0010】
プロゲステロンの水および油中の溶解度は、テストステロンの溶解度とある程度比較できるが、研究者は異なる手法を採用している。
【0011】
例えば、Cicinelliら(Cicinelli et al.,鼻腔内噴霧によるプロゲステロン投与(Progesterone administration by nasal spray),Fertil Steril 56(1):139−141(1991)、「経鼻投与プロゲステロン:軟膏およびスプレー製剤の比較(Nasally−administered progesterone: comparison of ointment and spray formulations)」,Maturitas 13(4):313−317(1991)、閉経期の女性の鼻腔内噴霧によるプロゲステロン投与:2つの異なるスプレー製剤の間の比較(Progesterone administration by nasal sprays in menopausal women:comparison between two different spray formulations),Gynecol Endocrinol 6(4):247−251(1992)、閉経後の女性への鼻腔内噴霧によるプロゲステロンの反復投与の効果(Effects of the repetitive administration of progesterone by nasal spray in postmenopausal women),Fertil Steril,60(6):1020−1024(1993)および無修飾プロゲステロンの鼻腔内噴霧投与:3つの異なるラジオイムノアッセイ技術によるプロゲステロン血清レベルの評価(Nasal spray administration of unmodified progesterone:evaluation of progesterone serum levels with three different radioimmunoassay techniques),Maturitas 19(1):43−52(1994))は、プロゲステロンをアーモンド油(20mg/ml)に溶解し、鼻腔内噴霧として投与する場合、ジメチコーンまたはPEG−ベース軟膏中に溶解したプロゲステロンにより得られるものより高いプロゲステロンバイオアベイラビリティが得られることを示した。アーモンド油中のプロゲステロンの鼻腔内適用後、単回投与の30〜60分後にCmaxレベルが認められ、さらに、6〜8時間で大きく減少することが観察された。
【0012】
Steegeら(Steege et al.,経鼻投与プロゲステロンのバイオアベイラビリティ(Bioavailability of nasally administered progesterone),Fertil Steril,46(4):727−729(1986))は、プロゲステロンがポリエチレングリコール(200mg/ml)に溶解される場合、Tmaxは、30分で達成され、血清レベルの持続期間は、少なくとも8時間であるが、変動が大きいことを示した。
【0013】
しかし、プロゲステロンをエタノール/プロピレングリコール/水で処方する場合、Tmaxは、5.5分に過ぎない。Kumar et al.,注射、注入、または鼻腔内噴霧による卵巣切除アカゲザルへの投与後のプロゲステロンの薬物動態学(Pharmacokinetics of progesterone after its administration to ovariectomized rhesusmonkeys by injection, infusion, or nasalspraying),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,79:4185−9(1982)を参照されたい。
【0014】
Provasiら(Provasi et al.,経鼻送達プロゲステロン粉末製剤の経口投与との比較(Nasal delivery progesterone powder formulations comparison with oral administration),Boll.Chim.Farm.132(10):402−404(1993))は、プロゲステロン含有粉末混合物(同時粉砕および同時凍結乾燥したプロゲステロン/シクロデキストリン)を調査し、これらの粉末が経鼻投与される場合、プロゲステロンの2〜5分以内のTmaxおよび約20分以内の血清レベル減少が得られることを示している。
【0015】
これらの結果は、テストステロン(次記参照)および既に市販されているシクロデキストリン(Aerodiol(登録商標))で処方した水性のエストラジオール含有鼻腔内噴霧に対し認められたものと極めて類似している。最大血漿レベルは、約10〜30分以内に到達し、2時間後、ピーク値の約10%に減少する。この場合も、この速度は、性ホルモン補充療法に必要ではなく、短いホルモン排出半減期の観点から望ましくない。
【0016】
上述の「遊離/吸着」の問題とは別に、性ホルモンおよびバイオアベイラビリティ、ならびにほぼ唯一とも言える重大な肝臓代謝および短い半減期問題に関連して、男女の循環血漿中でのテストステロンの高タンパク質結合の問題もある。約40%の循環血漿テストステロンが、例えば、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)に結合し(男性で約2%のテストステロンおよび女性で3%までのテストステロンが非結合で残り(遊離))、さらに残りは、アルブミンおよび他のタンパク質に結合する。アルブミンに結合した画分は、容易に解離し、生物学的に活性であると推定される一方、SHBG画分は活性ではない。しかし、血漿中のSHBGの量は、遊離および結合形態のテストステロンの分布を規定し、遊離テストステロン濃度は、薬剤の半減期を規定(限定)する。
【0017】
上記にもかかわらず、(a)男女患者に鼻腔内投与する場合に治療的に有効な、(b)投与期間中にテストステロン血中濃度の不必要なスパイクを起こすことなく、一定の有効なテストステロン血中濃度を与え、さらに(c)安全で、使用に便利で、耐容性良好で、安定で、かつ、量産化時に容易かつ再現性よく製造される、男女の体循環中へのテストステロンの放出を制御するテストステロン製剤システムに対するニーズがまだ存在する。
【発明の概要】
【0018】
本発明は、現在のテストステロン補充または補給療法に関連する上記の不都合および欠点を解消すると共に、新規鼻腔内テストステロンゲルが男性または女性に経鼻投与される場合に、投与期間中にテストステロン血中濃度の不必要なスパイクを起こすことなく、他に類を見ない一定の有効なテストステロン血中濃度を与える、経鼻投与のための新しい徐放または放出制御テストステロンゲルを対象とする。さらに、本発明の新規の鼻腔内テストステロンゲルは、安全、使用に便利、耐容性良好、かつ安定であり、量産時に容易にかつ再現性よく製造される。さらに、過剰および正常以下のテストステロンレベルが基本的に最小に維持されるか、または回避されると考えられ、テストステロン血清レベルは、それらの投与期間中、基本的に一定に維持されると考えられる。すなわち、本発明の新規鼻腔内テストステロンゲルが経鼻投与される場合、本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、正常な日常の規則的で生理的なテストステロンレベルを模倣するか、またはテストステロン血中濃度をそのレベルに戻す。本発明の新規鼻腔内テストステロンゲルは、他に類を見ないほど、テストステロン補充または補給療法に好適であり、例えば、男性のテストステロン欠乏症または女性の性機能障害を治療するためにテストステロン補充またはテストステロン補給療法を必要とする男女の治療に有効である。
【0019】
また、本発明は、テストステロン鼻腔内ゲルの経鼻投与のための新規の方法も対象とする。一般的に、本発明の新規の方法は、テストステロン補充または補給療法で使用するための一定の有効なテストステロン血中濃度を与えるために、および、例えば、男性のテストステロン欠乏症または女性の性機能障害を治療するために、テストステロン補充またはテストステロン補給療法を必要とする男女を効果的に治療するために、投与期間中、鼻腔内テストステロンゲルを各鼻孔の鼻腔中に局所的に沈着させ、治療有効量のテストステロンを送達することを含む。
【0020】
本発明の新規の方法においては、鼻腔内テストステロンゲルは、各鼻孔の鼻腔の内側の中心から離れた外壁(鼻中隔の反対側)上に、好ましくは、各鼻孔の鼻腔の内側の中心から離れた外壁の軟骨部直下の中心から離れた外壁(鼻中隔の反対側)の真ん中当たりから上部周辺に局所的に沈着する。鼻の各鼻孔内でゲルの沈着が終わるとすぐに、外鼻は、好ましくは、患者により徐々に、慎重に圧迫され、および/またはこすられ、それにより、沈着ゲルは、投与期間中のテストステロンの徐放または放出制御のために、鼻腔内の粘膜と接触状態を維持する。本発明によれば、典型的な経鼻適用で沈着したテストステロンゲル投与量は、約140マイクロリットル〜約180マイクロリットルの範囲である。
【0021】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、本発明の新規の方法を実施する場合、好ましい製剤であるが、本発明の新規局所的鼻腔内ゲル製剤および方法は、また、任意の適切なテストステロン製剤または任意の適切な有効成分の単独の経鼻投与、あるいは、テストステロンまたは例えば、液体、クリーム剤、軟膏、軟膏またはゲル等のいずれかの適切な製剤の形態の、神経ステロイドまたは性ホルモン(例えば、アンドロゲンおよびプロゲスチン、テストステロン様物質、エストラジオール、エストロゲン、エストロン、プロゲステロン等)、神経伝達物質、(例えば、アセチルコリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニン、メラトニン、ヒスタミン、グルタメート、γアミノ酪酸、アスパルタート、グリシン、アデノシン、ATP、GTP、オキシトシン、バソプレシン、エンドルフィン、一酸化窒素、プレグネノロン等)、プロスタグランジン、ベンゾジアゼピン様ジアゼパム、ミダゾラム、ロラゼパム等、およびPDEF阻害剤様シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルなどの他の有効成分との組み合わせの経鼻投与も意図していることを理解されたい。本発明の新規の方法を実施するための追加の局所製剤の例には、例えば、米国特許第5,578,588号、同5,756,071号および同5,756,071号ならびに米国特許公開第2005/0100564号、同2007/0149454号および同2009/0227550号に開示の局所的経鼻製剤が含まれる。これらの全ての特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0022】
本発明は、また、新規の方法および本発明の教示を実施するために、戦略的に、かつ、独特な方法で鼻腔内の好ましい部位にテストステロン鼻腔内ゲルを沈着させるための、経鼻投与用の新規プレフィル複数回用量アプリケーターシステムに関する。一般的には、本発明のアプリケーターシステムは、例えば、エアレス流体、浸漬管流体分注システムまたはポンプまたは本発明の方法を実施するのに適する他のいずれかのシステムである。アプリケーターシステムまたはポンプは、例えば、本発明の複数用量の鼻腔内テストステロンゲルを予め充填された、アクチュエータノズルで閉止されている容器を含む。アクチュエータノズルは、出口チャネルおよびチップを含んでもよく、この場合、(a)鼻腔内への経鼻適用の間の、均一用量の本発明の鼻腔内テストステロンゲルの安定な送達、および(b)本発明の新規の方法および教示により意図されるように、患者の各鼻孔内の指示された部位での沈着のために、アクチュエータノズルは、使用者の鼻孔の内面にフィットするように形作られる。プレフィル複数回用量アプリケーターシステムの例には、図1〜4に示すような、Ursatec,Verpackung−GmbH,Schillerstr.4,66606 St.Wendel,Germanyから入手可能なCOMODシステム、あるいはAirlessystems,RD 149 27380 Charleval,Franceまたは250 North Route 303 Congers,NY 10950から入手可能なAlbionまたはデジタルエアレスアプリケーターシステムが含まれる。
【0023】
本発明の新規鼻腔内テストステロンゲルの際だった要素には、(a)有効量、例えば、約0.5重量%〜約10重量%以上の量のテストステロンと、(b)少なくとも1種の親油性または部分的に親油性の担体と、(c)テストステロンの溶解度を高めるための超溶媒または超溶媒の混合物と、(d)鼻腔内投与後にゲルからのテストステロンの放出を調節するためのゲル形成剤または粘度調節剤と、任意選択で(e)界面活性剤(すなわち、表面張力減少作用を有する界面活性物質)または界面活性剤の混合物と、が含まれる。
【0024】
本発明によれば、本発明の鼻腔内テストステロンゲルを処方する場合、テストステロン薬剤は、例えば、結晶、無定形、微粒子化、非微粒子化、粉末、小粒子または大粒子形態であってもよい。代表的なテストステロンの粒径の範囲は、約0.5ミクロン〜約200ミクロンである。テストステロンの粒径が、約5ミクロン〜約100ミクロンの範囲であり、テストステロンが、結晶または無定形および非微粒子化または微粒子化形態であることが好ましい。テストステロンは、結晶または無定形の微粒子化形態であることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施形態では、親油性の担体は、油であり、液体油であることが好ましい。油は、ほぼ疎水性の天然、合成、半合成、植物性または鉱物性であってもよい。油は、許容可能な植物油、例えば、ヒマシ油、アーモンド油、亜麻仁油、カノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、パーム油、ピーナッツ油、ケシ油および大豆油のうちのいずれかが好ましい。また、本発明により考察される油は、鉱物油(軽鉱物性またはパラフィン)、合成または精製イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、カプリルカプリラート、メチルステアラート、中鎖トリグリセリド、プロピレングリコールジカプリロカプラート、セトステアリルアルコールおよびこれらの混合物であってよいことが意図されている。
【0026】
さらに好ましくは、油は、許容可能な任意の植物油である。
【0027】
最も好ましくは、油は、ヒマシ油、例えば、Crystal O(登録商標)またはCrystal LC USPである。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、担体は、約30重量%〜約98重量%の量、好ましくは、約42重量%〜約96重量、さらに好ましくは、約67重量%〜約95重量%、またさらに好ましくは、約82重量%〜約95重量%、最も好ましくは、約87重量%〜約94.5重量%のテストステロンゲルの量で鼻腔内テストステロンゲル中に存在する。
【0029】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、テストステロンの溶解度を高めるために、少なくとも1種の超溶媒を使用して独特な方法で処方される。本発明において考察される超溶媒は、担体または油と混和し、ゲル処方またはゲル製造の間、および経鼻適用の前にゲルを形成するのに適した量で鼻腔内テストステロンゲル中に存在する非水性溶媒として特徴付けられる。本発明によれば、本発明の鼻腔内ゲルは、ゲルの鼻腔への適用後、インサイツで乳化状態にない。典型的な例では、超溶媒は、鼻腔内テストステロンゲル中に、約1重量%〜約50重量%の範囲の量で存在する。また、本発明で意図されている超溶媒は、(1)鼻腔内テストステロンゲル中でテストステロンの溶解度を高め、(2)鼻腔内の鼻粘膜に受容可能であり、さらに(3)界面活性作用を持たない、として特徴付けることができる。本発明の超溶媒の例には、医薬品グレードのSuper Refined(登録商標)Arlasolve(登録商標)−DMIのようなジメチルイソソルビド、トランスクトール−P(登録商標)のようなジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、プロピレングリコール、1−メチル
2−ピロリドン、グリセリンおよびこれらの適切な混合物、が含まれる。
【0030】
超溶媒は、ジメチルイソソルビド(Super Refined(登録商標)Arlasolve(登録商標)−DMI)を含むのが好ましい。
【0031】
本発明の超溶媒は、通常、鼻腔内テストステロンゲル中に、約1重量%〜約50重量%の量で存在してもよいが、好ましくは、約1重量%〜約25重量%、さらに好ましくは、約5重量%〜約20重量%、またさらに好ましくは、約5重量%〜約15重量%の量の範囲である。本発明は、超溶媒は、鼻腔内テストステロンゲル中に、約15重量%の量で存在するのが最も好ましい。
【0032】
さらに、本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、ゲル形成剤または粘度調節剤を含み、(1)ゲルが形成され、(2)ゲル粘度が高められ、さらに(3)経鼻投与後、本発明の明細書で意図されるように、鼻腔内テストステロンゲルからのテストステロンの放出が制御され、すなわち、適切な粘度の、経鼻投与後に鼻腔内テストステロンゲルからのテストステロンの緩徐な一定の放出速度を有するゲルが提供され、それにより、例えば、それぞれ、男性のテストステロン欠乏症または女性の性機能障害を治療するためにテストステロン補充療法を必要としている男性または女性患者の、一定の有効なテストステロン血中濃度またはプロファイルが、テストステロンのスパイクなしに実現され、投与期間中維持される。
【0033】
本発明の粘度調節剤は、増粘剤またはゲル化剤を含むことが好ましく、これらの例には、セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類、カルボマー、Carbopol(登録商標)等のアクリルポリマー、ポリビニルアルコールおよび他のビニルポリマー、ポビドン、アエロジル(登録商標)200またはCab−O−Sil(登録商標)等のコロイド状二酸化ケイ素、アエロジル(登録商標)R972等の親油性二酸化ケイ素、セチルアルコール、ステアリン酸、グリセリルベヘナート、ろう、蜜ろう、ペトロラタム、親油性ガム、トリグリセリド、ラノリン、イヌリンおよびこれらの適切な混合物が含まれる。
【0034】
さらに好ましくは、ゲル形成剤または増粘剤は、コロイド状二酸化ケイ素、さらに好ましくは、SiOおよびポリビニルアルコールである。
【0035】
本発明によれば、ゲル形成剤または粘度調節剤は、鼻腔内テストステロンゲル中に、通常、約0.5重量%〜約10重量%の量で、好ましくは、約0.5重量%〜約5重量%、さらに好ましくは、約1重量%〜約4重量%、最も好ましくは、約3重量%の量で存在する。
【0036】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、通常、約3,000cps〜約27,000cpsの範囲の粘度を有する。しかし、上記粘度範囲は、好ましい粘度範囲と考えられるが、本発明の目的を損なわない適切な任意の粘度または粘度範囲が意図されていることを、当業者は理解されたい。
【0037】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、必須ではないが、任意選択で少なくとも1種の界面活性剤、例えば、レシチン、多価アルコールの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、マクロゴールグリセリン脂肪酸エステルおよびこれらの適切な混合物を配合してもよい。例には、オレオイルマクロゴールグリセリドおよびオレオイルマクロゴールグリセリドの適切な混合物が含まれる。
【0038】
本発明での使用に適する他の界面活性剤の例には、米国特許第5,578,588号、同5,756,071号、および同5,576,071号ならびに米国特許公開第2005/0100564号、同2007/0149454号および同2009/0227550号に示されるものが含まれる。これらの特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
特定の状況下で治療的に有効と思われる本発明の鼻腔内テストステロンゲル中のテストステロンの量は、投与計画、適用部位、特定のゲル製剤、薬物寿命および治療される状態、等に依存するであろう。従って、本明細書で特定の投与量を規定することは実用的ではないが、当業者なら、本明細書に記載されるガイドライン、テストステロン補充または補給療法に関係する技術分野で利用可能な情報、および日常的に行われる試験に基づいて適切な治療有効量を決定できると考えられている。
【0040】
用語の「治療有効量」は、(1)テストステロン補充または補給療法における使用のために、および/または(2)(a)男性テストステロン欠乏症と診断された男性、すなわち、男性の低性欲、性衝動または性活動、低生殖能力、低精子形成、精子形成不全、うつ病および/または性腺機能低下症、および(b)女性の性機能障害(「FSD」)、すなわち、女性の低性欲、性衝動または性活動、低扁桃体活動、低性刺激、女性の性的興奮障害、性的欲求低下障害(「HSDD」)および/または女性オルガズム障害(「無オルガズム症」)の治療のために、治療または予防の効果を誘導するのに十分なテストステロンの量を意味する。
【0041】
通常、本発明の鼻腔内ゲル製剤中に存在するテストステロンの量は、上記および本明細書全体に示すように、標的にしている状態を治療し、状態の再発を防ぐか、または、男性の性的刺激および/または、生殖作用または女性の扁桃体活動もしくは性的刺激を促進するために有効な量である。特定の実施形態では、テストステロンの量または濃度は、鼻腔内テストステロンゲル製剤の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、例えば、重量%で、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、および少なくとも約10%である。他の実施形態では、テストステロンの量は、鼻腔内テストステロンゲル製剤の総重量に基づいて、最大で約10重量%、例えば、重量%で、最大で約9%、最大で約8%、最大で約7%、最大で約6%、最大で約5%、最大で約4%、最大で約3%、最大で約2%、最大で約1%、および最大で約0.5%であり、約0.25%増分で、増やすか、または減らす、等のそれらの間のいずれかの、および全ての増分を含む。特定の実施形態では、テストステロンの量または濃度は、鼻腔内テストステロンゲル製剤の総重量に基づいて、少なくとも約0.1重量%、例えば、重量%で、少なくとも約0.125%、少なくとも約0.15%、少なくとも約0.175%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.225%、少なくとも約0.25%、少なくとも約0.275%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.325%、少なくとも約0.35%、少なくとも約0.375%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.425%、少なくとも約0.45%、少なくとも約0.475%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.525%、少なくとも約0.55%、少なくとも約0.575%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.625%、少なくとも約0.65%、少なくとも約0.675%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.725%、少なくとも約0.75%、少なくとも約0.775%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.825%、少なくとも約0.85%、少なくとも約0.875%、少なくとも約0.9%、少なくとも約0.925%、少なくとも約0.95%、少なくとも約0.975%、等、約0.25%の増分で、増やすか、または、減らして、約10%までである。
【0042】
また、本発明により意図されるように、テストステロンは、本発明の鼻腔内テストステロンゲルの各経鼻投与量中に、男性の治療では、約0.5〜約10重量%、好ましくは、約1%〜約9重量%、さらに好ましくは、約7%〜約9重量%、さらに好ましくは、約7.5重量%〜約8.5重量%、最も好ましくは、約8重量%、女性の治療では、約0.1重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜1重量%、約1重量%〜約2重量%、約2重量%〜約3重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約5重量%などの範囲の量で存在してもよい。この場合、各経鼻投与量は、約140マイクロリットル〜180マイクロリットル、好ましくは、約140マイクロリットル〜160マイクロリットル、およびさらに好ましくは、約140マイクロリットル〜約150マイクロリットルの通常の経鼻投与量の範囲である。
【0043】
低性欲または低性衝動、低性活動、低精子形成、精子形成不全、うつ病、および/または性腺機能低下などの男性のテストステロン欠乏症の治療に対しては、テストステロン薬剤の有効量は、好ましくは、本発明の鼻腔内テストステロンゲル中に、通常、マイクロリットル用量当たり少なくとも約0.05mg〜約0.13mgまたはこれを超える量で存在し、例えば、少なくとも約20mg〜約36mgの経鼻適用の全体経鼻テストステロン用量に対し、約140マイクロリットル〜約180マイクロリットルの範囲の量で、各鼻孔(経鼻)中に投与される。従って、例としてであるが、総用量として20mgのテストステロンの送達を実現するために、それぞれ140マイクロリットル用量は、約0.07mgのテストステロンを含有する必要があり、180マイクロリットル用量は、約0.55mgのテストステロンを含有する必要がある。総用量約28mgテストステロンが望ましい場合は、各140マイクロリットル用量は、約0.1mgのテストステロンを含有する必要があり、180マイクロリットル用量は、約0.78mgのテストステロンを含有する必要がある。しかし、総用量として約36mgテストステロンが望ましい場合は、各180マイクロリットル用量は、約0.1mgのテストステロンを含有する必要があり、各140マイクロリットル用量は、約0.13mgのテストステロンを含有する必要がある。最近では、男性のテストステロン欠乏症を治療し、テストステロンを正常かつ健康な若い男性で観察されるテストステロン血中濃度(すなわち、約200ナノグラム/dl〜約1500ナノグラム/dlのテストステロン)に戻す場合、適用当たり約22.4mg(約11.2mgのテストステロンの経鼻適用)の全体を合わせたテストステロン用量を送達するために、または経鼻で一日1回または2回投与して、全体合わせたテストステロンの一日量の、それぞれ、約22.4mgおよび約44.8mgを送達するために、約140マイクロリットル(140マイクロリットル当たり約11.2mgのテストステロン)の経鼻投与量中の8%鼻腔内テストステロンゲルが好ましいと考えられている。
【0044】
本発明によれば、本発明鼻腔内ゲル中のテストステロンのフランツ細胞膜を通る拡散の割合の例は、本発明により意図されるように、約28〜100slope/mgT%、好ましくは、約30〜95slope/mgT%の範囲である。約4.0%〜4.5%テストステロンで処方されたこれらの鼻腔内ゲルに対し、テストステロンの好ましい拡散の割合は、約28〜35slope/mgT%である。例えば、実施例9および10を参照されたい。
【0045】
低性欲、低性衝動、低性活動、低扁桃体活動、無オルガズム症および/またはHSDDなどの女性の性機能障害の治療に対しては、最近では、中年の女性、すなわち、約40〜約65歳の女性の扁桃体活動を高めるために、またはストステロンを、健康な若い女性、すなわち、約30〜約45歳の女性に相当する正常な、例えば、約30ナノグラム/dlの低レベルから約150ナノグラム/dlの高レベルのテストステロンレベルに戻し、FSDを治療するために、毎日送達する全体テストステロン投与量は、例えば、約100マイクログラム〜約5000マイクログラムまたはこれを超える一般的な範囲であってよいと考えられている。これは、例えば、約0.1mg(鼻孔当たり約0.050mg)からまたはこの値まで、約0.2mg(鼻孔当たり約0.1mg)からまたはこの値まで、300マイクログラム(鼻孔当たり約0.15mg)からまたはこの値まで、約0.4mg、(鼻孔当たり約0.2mg)からまたはこの値まで、約0.5mg(鼻孔当たり約0.25mg)からまたはこの値まで、約0.6mg(鼻孔当たり約0.3mg)からまたはこの値まで、約0.7mg(鼻孔当たり約0.35mg)からまたはこの値まで、約0.8mg(鼻孔当たり約0.4mg)からまたはこの値まで、約0.9mg(鼻孔当たり約0.45mg)からまたはこの値まで、約1mg(鼻孔当たり約0.5mg)からまたはこの値まで、約1.1mg(鼻孔当たり約0.55mg)からまたはこの値まで、約1.2mg(鼻孔当たり約0.6mg)からまたはこの値まで、約1.5mg(鼻孔当たり約0.75mg)からまたはこの値まで、約1.8mg(鼻孔当たり約0.9mg)からまたはこの値まで、約2mg(鼻孔当たり約1mg)からまたはこの値まで、約2.5mg(鼻孔当たり約1.25mg)からまたはこの値まで、約3mg(鼻孔当たり約1.5mg)からまたはこの値まで、約3.5mg(鼻孔当たり約1.75mg)からまたはこの値まで、約4mg(鼻孔当たり約2mg)からまたはこの値まで、約4.5mg(鼻孔当たり約2.25mg)からまたはこの値まで、約5mg(鼻孔当たり約2.5mg)からまたはこの値まで、またはさらに約5.25mgまで、5.5mg、5.75mg、6mg、6.25mg、6.5mg、6.75mg、7mg、7.25mg、7.5mg、またはこれを超えるテストステロン量を、合計毎日量として、例えば、女性の性機能障害を治療するために、1日1回または2回、または女性の性機能障害を治療するために1日1回投与の合計毎日投与量として上記mg量を2回、投与することにより実現できる。
【0046】
本発明は、鼻腔内テストステロンゲル製剤の好ましい濃度、1日当たりの適用回数、治療期間、経鼻方法およびプレフィル複数回用量アプリケーターシステムであると考えられる事項を特定している。しかし、不必要なテストステロンスパイク、または反応を制限する処置、または関連する有害事象を生ずることなく、男性のテストステロン欠乏症または女性の性機能障害を効果的に治療できる、本明細書記載の有効量のテストステロンを送達する本発明の鼻腔内ゲル製剤中のいずれかの有効な濃度のテストステロン、および日、週、月または年当たりのいずれかの適用回数が、本発明により意図されていることを、当業者であれば理解されよう。
【0047】
上記の本発明の概要においては、それぞれの開示実施形態、または全ての本発明の実施態様について記載する意図はない。説明は、実例となる実施形態によりさらに例証される。出願全体のいくつかの部分で、種々の組み合わせで使用可能な例により教示が提供される。それぞれの場合、実施例は、代表的な例の集まりとしての役割を果たすものであり、排他的な例として解釈されるべきではない。
【0048】
前出のおよび他の本発明の目的、利点、および特徴、ならびにこれらが達成される方式は、添付の図面および実施例と併せて、説明される実施形態を例示している以下の本発明の詳細説明を考慮することにより、さらに容易に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の第1の実施形態の側面図である。
図2】本発明の第1の実施形態の分配ポンプの側面断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態の側面図である。
図4】本発明の第2の実施形態の分配ポンプの側面断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態の本発明のエアレスボトルアセンブリの側面図である。
図6】本発明の第2の実施形態のデジタルアクチュエータおよび丸形キャップの側面図である。
図7A】単回用量のシリンジによる投与後の対象#1の右鼻孔を示す。
図7B】複数用量ディスペンサーによる投与後の対象#1の左鼻孔を示す。
図8A】単回用量のシリンジによる投与後の対象#2の右鼻孔を示す。
図8B】複数用量ディスペンサーによる投与後の対象#2の左鼻孔を示す。
図9A】単回用量のシリンジによる投与後の対象#3の右鼻孔を示す。
図9B】複数用量ディスペンサーによる投与後の対象#3の左鼻孔を示す。
図10A】本発明の複数用量のディスペンサーの使用を示す。
図10B】本発明の複数用量のディスペンサーの使用を示す。
図11】本発明の複数用量のディスペンサーを示す。
図12】実施例5における試験を比較するためのフランツセル装置の位置のレイアウトを示す。
図13】実施例5において組成物から放出された個別テストステロン量を示す。
図14】実施例6における被験者により群別された個別テストステロン濃度の時間変化(線形y軸)を示し、番号=黒:ベースライン、青:シリンジ、サーモンピンク:複数用量のディスペンサーであり、T=0は、時刻21:00(±30分)、t=12は、時刻9:00(±30分)である。
図15】治療により群別化した、個別(青)および中央(黒)のテストステロン濃度の時間変化(線形y軸)を示す。
図16】複数用量のディスペンサーを使用して達成されたテストステロンレベルの、シリンジを使用して到達されたレベルに対するlog比率の確率密度を示す。
図17】異なる溶媒中での32℃および50℃のテストステロンの溶解度を示す。
図18】3成分溶媒混合物の最適化を示し、等高線図は、6%を越えるテストステロン溶解度を達成するために、高レベルのDMIおよびトランスクトールが必要であることを示す。
図19】TBS−1を製造するためのフローチャートを示す。
図20A】本発明の鼻腔内テストステロンゲルの製造プロセスのフローチャートを示す。
図20B】本発明の鼻腔内テストステロンゲルの製造プロセスのフローチャートを示す。
図21】3種の異なるTBS−1濃度(7.6mg=正方形、15.2mg=円、22.8mg=三角形)の単回用量投与後のテストステロン(中実四角)およびDHT(中空正方形)の平均濃度−時間曲線を示す。テストステロンに対する正常な範囲の下限値を、点線で示す(朝の血清試料をベースとする)。
図22】フランツセル法による実施例6の鼻腔内テストステロンゲル製剤のテストステロン拡散速度を示す。
図23】実施例6の処方を使った15人の男性被験者の薬物動態学的プロファイルを示す。
図24】TBS1A8%の間の比較(パートI)を示す。
図25】TBS1A8%間の比較(パートII)を示す。
図26】6時間および24時間の試験(RD11101およびRD11102)の間の比較を示す。
図27】TBS1A4%間の比較(パートI)を示す。
図28】TBS1A4%間の比較(パートII)を示す。
図29】TBS1A4%間の比較(パートIII)を示す。
図30】より遅い拡散の比較を示す。
図31】6時間試験と24時間試験(RD11063およびRD11085)との比較を示す。
図32】ゲル(RD11063)の400mgと1グラムとの比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明のより完全な理解およびその多くの付随する利点を例示し、提供する手段として、本発明の新規の鼻腔内テストステロンゲル、適用デバイスおよび方法に関する以下の詳細な説明および実施例が提供される。
【0051】
一般的には、本発明は、テストステロンおよび薬学的に許容可能なテストステロン用の溶媒を含む鼻腔内テストステロンゲル医薬組成物に関し、この溶媒は、超溶媒または超溶媒の適切な混合物、鼻腔内テストステロンゲルからのテストステロンの放出を制御するためのゲル形成剤または粘度調節剤、ならびに、任意選択で、界面活性剤(すなわち、表面張力低減作用を有する表面活性物質)、または界面活性剤の混合物を含む。さらに具体的には、本発明は、投与期間中のテストステロンスパイクなしに、例えば、男性のテストステロン欠乏症または女性の性機能障害と診断されているか、またはそれらに罹患し、テストステロン補充またはテストステロン補給療法を必要とする男女を効果的に治療するのに有効な一定のテストステロン血中濃度を与えるために、男女の体循環中へテストステロンの徐放または放出制御するための、例えば、各鼻孔の鼻腔の内側粘膜上へ局所的経鼻投与する鼻腔内テストステロンゲルに関する。鼻腔内テストステロンゲルは、(a)一定の有効なテストステロン血中濃度、例えば、約0.5重量%〜約10重量%を達成するのに有効な量のテストステロン薬剤と、(b)テストステロン薬剤を溶解するための、液体油等の、少なくとも1種の親油性または部分的に親油性の担体と、(c)特に、高テストステロン薬剤濃度で、テストステロンの溶解度を高めるかまたは増強するための超溶媒または超溶媒の混合物、(d)テストステロンの徐放プロファイルを形成するためのゲル形成剤または粘度調節剤と、任意選択で、(e)界面活性剤(すなわち、表面張力低減作用を有する表面活性物質)または界面活性剤の混合物と、を含む。本発明は、多くの異なる形態で実施できるが、いくつかの具体的実施形態は、本開示は本発明の原理の例証としてのみ考えられるべきであるという理解の下に本明細書で考察されており、本発明を、説明され、または例示された実施形態に限定する意図はない。
【0052】
別段の指示がない限り、明細書および請求項で使われる成分、反応条件等の全ての数値を表す量、比率、および、数値的特性は、用語の「約」が文の構造中に実際に使用されているかどうかに関わらず、全ての場合において、用語の「約」によって修飾されていると理解されるべきである。
【0053】
本明細書中の全ての部、パーセント、比率などは、別段の指示がない限り、重量ベースである。
【0054】
明示的に別段の定めがある場合を除き、本明細書で使われる単数形「a」または「an」または「the」は、同義に使用され、それに加え複数形も含み、それぞれの意味に含まれることが意図される。また、本明細書で使われる「少なくとも1つの」は、列挙された要素の「1つまたは複数の」を意味することが意図されている。明示的に別段の定めがある場合を除き、単数型の語は、複数型の語を含むことが意図され、適切に、それぞれの意味が含まれる場合は、同様に本明細書で同義に使用される。別段の言及がある場合を除き、全ての用語の大文字および小文字型は、それぞれの意味に含まれる。
【0055】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、化学的に、および物理的に安定であり、例えば、薬理学的活性物質の懸濁液または溶液の剤形にできる。鼻腔内テストステロンゲルは、上記テストステロンゲルの用量を正確に、また、より高い粘度で送達できる防腐剤不含のエアレス複数回投与デバイス中に充填されるのが好ましい。
【0056】
吸収部位に到着すると、テストステロンは、沈着部位で効率的に捕捉されて、患者の粘膜全体にわたり予測可能な速度で吸収され、それにより、起こりうる酵素の代謝、および/またはタンパク質結合およびテストステロンスパイクによる非活性化を制限すると考えられている。
【0057】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、(a)約0.5重量%から約10重量%までの量のホルモンであるテストステロンと、(b)少なくとも1種の親油性または部分的に親油性の担体と、(c)テストステロンの溶解度を高めるための超溶媒または超溶媒の混合物と、(d)経鼻投与後の鼻腔内テストステロンゲルからのテストステロン放出に関する徐放効果を生成するためのゲル形成剤または粘度調節剤と、任意選択で、(e)界面活性剤(すなわち、表面張力減少作用を有する界面活性物質)または界面活性剤の混合物と、を含む。
【0058】
本発明のテストステロンホルモン薬は、微粒子、リポソーム、微粉化等の処理された形態で鼻腔内テストステロンゲル中に導入できる。
【0059】
用語の「親油性の担体」は、限定するものではないが、ヒマシ油、大豆油、ゴマ油またはピーナッツ油等の植物油、エチルおよびオレイルオレアート、イソプロピルミリスタート、中鎖トリグリセリド、脂肪酸のグリセリンエステル、等の脂肪酸エステル、またはポリエチレングリコール、リン脂質、白色ワセリン、もしくは水素添加ヒマシ油を含む。特に好ましいのは、Crystal O(登録商標)またはCrystal LC USP等のヒマシ油である。
【0060】
テストステロンの組込みは、また、油混合物中へも可能であり、これも本発明で意図されている。
【0061】
有効量を構成する油の特定の量は、テストステロンゲルに使われる特定の粘度調節剤(下記参照)に依存する。従って、本発明の特定の製剤に使われる特定の使用量を列挙するのは現実的ではない。
【0062】
しかし、通常、親油性の成分は、テストステロンゲルの約30重量%〜約98重量%、好ましくは、約42重量%〜約96重量%、さらに好ましくは、約67重量%〜約94重量%、またさらに好ましくは、約82重量%〜約95重量%さらに、最も好ましくは、約87重量%〜約94.5重量%の量で製剤中に存在できる。
【0063】
上記で考察のように、本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、テストステロンの溶解度を高めるために、少なくとも1種の超溶媒を含む。超溶媒は、通常、担体または油と混和性であり、ゲル製剤またはゲル製造の間、および経鼻適用前に、ゲル形成するのに適する量で鼻腔内テストステロンゲル中に存在する(ゲルは、鼻腔中への適用後、その場で乳化しない)非水性溶媒として特徴付けられる。従って、本発明で意図される超溶媒は、(1)鼻腔内テストステロンゲル中でのテストステロン溶解度を高めること、(2)鼻腔内の鼻粘膜に受容可能であること、さらに(3)界面活性作用を持たないこと、を特徴とする。
【0064】
超溶媒の例には、Super Refined Aralasolve(登録商標)−DMI等の医薬品クレードジメチルイソソルビド、トランスクトール−P(登録商標)等のジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、プロピレングリコール、1−メチル2−ピロリドン、グリセリンおよびこれらの適切な混合物、が含まれる。本発明に使用するための好ましい超溶媒は、Super Refined(登録商標)Arlasolve(登録商標)−DMI等のジメチルイソソルビドである。
【0065】
本発明の超溶媒は、通常、鼻腔内テストステロンゲル内に、約1重量%〜約80重量%の範囲の量で存在可能であるが、好ましい範囲は、約1重量%〜約70重量%、約1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約40重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%および約1重量%〜約10重量%である。さらに好ましい範囲は、約1重量%〜約25重量%であり、またさらに好ましい範囲は、約5重量%〜約20重量%、またさらに好ましい範囲は、約5重量%〜約15重量%である。本発明の鼻腔内テストステロンゲル中で処方される超溶媒の1つの好ましい濃度は、約15重量%である。図18を参照されたい。
【0066】
用語の「粘度調節剤」は、増粘剤またはゲル化剤を意味するものとする。例には、限定するものではないが、セルロースおよびそのセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、多糖類、カルボマー、Carbopol(登録商標)等のアクリルポリマー、ポリビニルアルコールおよび他のビニルポリマー、ポビドン、コポリビドン(Kollidon VA64)、アエロジル(登録商標)200またはCab−O−Sil(登録商標)(例えば、Cab−O−Sil(登録商標)M−5P)等のコロイド状二酸化ケイ素、アエロジル(登録商標)R972等の親油性二酸化ケイ素、セチルアルコール、ステアリン酸、グリセリルベヘナート、ろう、蜜ろう、ペトロラタム、トリグリセリド、ラノリンおよびこれらの適切な混合物、が含まれる。しかし、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、Degussaから入手可能なアエロジル(登録商標)200)、SiOおよびポリビニルアルコールが特に有用であると考えられている。
【0067】
テストステロン薬剤の組込みは、また、増粘剤またはゲル化剤の混合物中へも可能である。
【0068】
有効量を構成する特定の量の増粘剤/ゲル化剤は、製剤に使われる特定の油または油混合物(上記参照)に依存する。従って、本発明の特定の製剤に使われる特定の使用量を列挙することは現実的ではない。しかし、通常、増粘剤/ゲル化剤は、製剤中に、約0.5〜約10重量%、好ましくは、約0.5〜約5重量%、さらに好ましくは、約1〜約3重量%、および最も好ましくは、約3重量%の量で存在できる。
【0069】
テストステロンゲルは、必須ではないが、任意選択で界面活性剤、限定するものではないが、例えば、レシチン、多価アルコール、ソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン、ショ糖、ポリグリセリン等の脂肪酸エステル、および/または少なくとも1種の湿潤剤、例えば、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、またはマクロゴールグリセリン脂肪酸エステルをさらに含んでもよい。しかし、特に有用なのは、オレオイルマクロゴールグリセリド(例えば、Gattefosse(France)から入手可能なLabrafil(登録商標)M1944CS)である。
【0070】
また、テストステロン薬剤の組込みは、界面活性剤の混合物中へも可能である。
【0071】
有効量を構成する特定の界面活性剤の量は、テストステロンゲルに使われる特定の油または油混合物(上記参照)に依存する。従って、本発明の特定の製剤に使われる特定の使用量を列挙することは現実的ではない。しかし、通常、界面活性剤は、製剤中に、約0.5〜約10重量%、好ましくは、約0.5〜約5重量%、さらに好ましくは、1〜4重量%、および最も好ましくは、約3重量%の量で存在できる。
【0072】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、1日1回(「QD」)、1日2回(「BID」)、1日3回(「TID」)、1日4回(「QID」)または必要に応じ(「prn」)適用できる。投与計画に関わらず、鼻腔内テストステロンゲルは、鼻腔の、好ましくは、適用毎に各鼻孔の鼻粘膜上に局所的に適用される(「経鼻」)。さらに具体的には、鼻腔内テストステロンゲルは、各鼻孔の鼻腔の内側の中心から離れた外壁(鼻中隔の反対側)に、好ましくは、中心から離れた外壁(鼻中隔の反対側)の真ん中当たりから上部周辺部に、または各鼻孔の鼻腔の内側の中心から離れた外壁(鼻中隔の反対側)の軟骨下部周辺部に、局所的に適用される。ゲルが鼻孔の奥深くまで適用される場合、ゲル投与量は、都合の悪いことに、のどの中へ洗い流され、またはゲルが、鼻孔の最前部の、もしくは外開口部に隣接する浅い部分に適用される場合は、ゲルの投与量は、都合の悪いことに、鼻腔から流れ、いずれの場合も、効果のない投薬および不満足な服薬遵守につながる可能性があると考えられている。
【0073】
テストステロン補充または補給療法を必要としている男性または女性の患者の各鼻孔の鼻腔中の中心から離れた外壁(鼻中隔の反対側)上の適切な指定領域上に、選択された用量の本発明の鼻腔内テストステロンゲルが局所的に適用、または沈着されると、男性または女性の患者が適用または沈着した鼻腔内テストステロンゲル用量を各鼻孔の鼻腔全体に均一に分布させるように、彼/彼女の鼻の外皮をマッサージすることが好ましい。
【0074】
処方されるとすぐに、鼻腔内テストステロンゲルは、好ましくは、図1〜6に示すような、指先からの汚染がなく経鼻適用を可能とする防腐剤不含エアレス鼻腔内噴霧または分注複数回投与デバイス、例えば、Ursatec、Verpackung−GmbH、Schillerstr.4、66606St.Wendel、Germany、から入手可能なCOMODシステム、またはAirles systems、RD 14927380 Charleval、Franceまたは250 North Route 303 Congers、NY 10950から入手可能なAlbionまたはデジタルエアレスアプリケーターシステムに充填される。エアレスプレフィル鼻腔内噴霧またはアプリケーター複数回投与デバイスは、本明細書で上記の各鼻孔内の部位周辺に鼻腔内テストステロンゲル用量を局所的に適用する分注部品を含むことが好ましい。例としての分注部品は、曲がった、または曲面状形状をしており、戦略的にほぼ処方された量の鼻腔内テストステロンゲルを、各鼻孔内のほぼ好ましい部位(経鼻)に安定した局所投与をすることを可能とし、女性患者の女性性機能障害および男性患者のテストステロン欠乏症の本発明の鼻腔内テストステロンゲルを使った治療において、有効性を最大化する。
【0075】
「一定の有効なテストステロン血中濃度」は、単回局所的適用後、または毎日投薬後、QD、BID、TID、QIDまたはprn投与計画を使用するかどうかに関わらず、テストステロン補充または補給療法を必要としている男性または女性患者のテストステロン血清レベルが、ベースラインよりも高いこと、すなわち、テストステロン血清レベルが、健康な若い男女に認められる正常なテストステロン血中濃度に(a)戻っている、(b)近づいている、または(c)類似している、似ている、またはそれを綿密に模倣していることを意味する。例えば、例としてではあるが、正常なテストステロン血中濃度は、健康な若い男性では、1デシリットルの血液当たり約200ナノグラム〜約1500ナノグラムのテストステロンの男性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約300ng/dl〜約1200ng/dlの男性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約350ng/dl〜約800ng/dlの男性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約350ng/dl〜約600ng/dlの男性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約380ng/dl〜約450ng/dlの男性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約380ng/dlの男性のテストステロン血中濃度であり、および、例えば、例としてではあるが、健康な若い女性では、1デシリットルの血液当たり、約30〜約150ナノグラムの女性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約35ng/dl〜95ng/dlの女性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約40ng/dl〜70ng/dlの女性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約40ng/dl〜50ng/dlの女性のテストステロン血中濃度、またはさらには、約40ng/dlの女性のテストステロン血中濃度であり、さらにこのようなテストステロン血中濃度は、通常、投与期間中、例えば、約6時間の投与期間、さらに好ましくは、約8時間の投与期間、さらに好ましくは、少なくとも約10時間の投与期間、またさらに好ましくは、少なくとも約12時間の投与期間、および/またはテストステロン補充または補給療法の全体継続期間の間、単回用量または複数投与量として投与されるか、または1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、もしくはprnとして投与されるか、または本発明の目的を損なわないいずれかの適切な治療法により投与されるかにかかわらず、一定に維持される。
【0076】
テストステロンは、水にほぼ不溶性であるため、製剤からの遊離は、吸着に対する律速ステップである。驚くべきことに、本発明における適切な界面活性剤を含む油性製剤中へのテストステロンの組込みは、生理学的血清レベル、およびテストステロンの安定な、長時間にわたる持続的作用につながることが明らかになった。
【0077】
ホルモンの放出は、油性担体中のそれの溶解度、および長い持続期間、粘膜上に残存する鼻腔内テストステロンゲル製剤の粘度に依存すると考えられている。
【0078】
また、本発明の鼻腔内テストステロンゲルの、粘膜の湿気との接触時に、テストステロンを含む特性により、テストステロンの放出が制御、または減速されると考えられている。従って、所望のゲル粘度を得るために本発明の鼻腔内テストステロンゲルにゲル形成剤または粘度調節剤を加えることにより、鼻腔内テストステロンゲルからのテストステロンの溶解パターンは、より好ましく、また、効果的になる。理由は、溶解中のテストステロンスパイク変動がなく、投与期間中の一定の有効なテストステロン血中濃度または一定のテストステロン用量の生物学的同等性を確実にするためである。
【0079】
本発明の鼻腔内テストステロンゲルは、以下のように製造できる。親油性の担体、例えば、ヒマシ油を真空および窒素下のホモジナイザーに加える。次に、テストステロンを親油性の担体にゆっくり加え、混合が完結し中間生成物を形成するまで均質化する。中間体ホモジェネートがほぼ室温まで冷却されるとすぐに、超溶媒、任意選択で界面活性剤を中間生成物に加え、塩基性混合物を形成させる。塩基性混合物を冷却するとすぐに、ゲル形成剤または粘度調節剤を冷却した塩基性混合物に加え、真空下で混合して、所望のゲル粘度を有する最終生成物を得る。
【0080】
さらに具体的には、出発材料は、隔離し無菌状態に保持される。各製造ステップ(例えば、溶解、均質化)の後、得られた生成物は、次の製造ステップまで隔離して貯蔵する。品質管理用試料は、製造プロセスの異なる段階で採取できる。最終生成物のバッチは、同様に、使用するまで隔離貯蔵する。
【0081】
それぞれのバッチの全体製造プロセスのプロトコルおよびバッチ番号を定め、記録する。全設備、容器、およびインプロセス制御用試料は、この番号を使用して標識する。
【0082】
原薬混合物のためのテストステロンの必要量は、それぞれのバッチの含量測定に基づいて計算される。この測定は、出発材料に対する隔離プロセスの一部である。その量は、100%テストステロンの必要含量が、原薬混合物中で達成されるような方法で計算される。
【0083】
計算と対応する秤量方法は製造プロトコルに記録される。
【0084】
それぞれの物質は、重量の表示のある電子天秤を使用して秤量され、篩にかけられる。
【0085】
鼻腔内テストステロンゲルの製造は、油混合物の増粘およびブローフィルシール技術によるパッケージングにより行われる。
【0086】
親油性の担体、例えば、ヒマシ油、および超溶媒、例えば、DMI(ステップ1)を、混合容器(例えば、FrymaKoruma Vacuum−Mixing、Dispersing and Homogenising machine type Dinex700)中に導入する。担体および超溶媒混合物を窒素(ステップ2)で覆い、酸素を排除し、例えば、約40℃〜約50℃に予熱する。
【0087】
通篩(メッシュサイズ:約2mm)テストステロン(ステップ3)を、担体および超溶媒混合物に加え、処理して、下記の中間生成物を得る。
【0088】
次のステップでは、溶解テストステロンに加えられる剪断力による顕著な温度増加を防ぐために、担体および超溶媒混合物の温度制御が必要である。
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
中間生成物の均質化を、約50℃を超えないように混合物の温度を制御して行う。テストステロンが完全に溶解するまでは、3つのこのようなサイクルが必要であると考えられている。各サイクルは、指定された混合サイクルに対し分散モードでの均質化の過程を経る均質化。
【0090】
任意選択で、界面活性剤、例えば、オレオイルマクロゴールグリセリド(ステップ5)を中間生成物に加え、塩基性混合物を得る。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0091】
3回目の均質化サイクル後、塩基性混合物(ステップ6)を、テストステロンの含量をチェックし、テストステロンの溶解が完了していることに留意する。含量は、UV法で検査でき、塩基性混合物は、選択テストステロン濃度に相当するテストステロンのmg量とする。
【0092】
最後の均質化ステップ後、塩基性混合物を約40℃(±2°)以下の温度になるまで冷却する。その後、ゲル形成剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素(ステップ7)を、塩基性混合物に加える。
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0093】
コロイド状二酸化ケイ素の導入を、行い、その後、ミキサーを、真空下の攪拌付き分散モードで均質化が起こる条件に調節する。
【0094】
最終混合物を、真空中攪拌下で脱気して、放出させた後、均一性を目視チェックできる。
【0095】
その後、得られた均質鼻腔内テストステロンゲルは、ステンレス鋼貯蔵タンク中に入れる用意ができた状態である。容器を閉じる前に、最終原薬混合物を、約0.5〜約1.5barの窒素でコートするか、または覆う。
【0096】
上述のように、本発明の鼻腔内テストステロンゲルを投与するために、中央上部鼻腔(軟骨の下)の各鼻孔中の外壁に、投与量をその上に沈着させるために、正確な投与量の送達を可能とする複数回投与デバイスを使用するのが好ましい。テストステロンゲルが、鼻孔の鼻腔の外壁上に投与されるとすぐ、外鼻を、優しく指でマッサージし、のどまたは鼻の外への投与量の損失なく、または損失を最小限にして、鼻腔内テストステロンゲルを鼻腔全体に均一に分布させる。本発明における鼻の中の好ましい部位への経鼻沈着のための複数回投与デバイスの例としては、図1〜4に示すような、Ursatec,Verpackung−GmbH,Schillerstr.4,66606St.Wendel,Germany、から入手可能なCOMODシステム、またはAirles systems,RD 149 27380 Charleval,Franceもしくは250 North Route 303 Congers,NY 10950、から入手可能なAlbionもしくはデジタルエアレスアプリケーターシステムが挙げられる。
【0097】
本発明の実施形態における鼻腔内複数回用量ディスペンサーデバイス、例えば、Airles systemsから入手可能なAlbionまたはデジタルエアレスアプリケーターシステムは、液体容器および複数用量のゲルまたは他の局所製剤の送達用分配器ポンプを含む。本発明の一実施形態では、鼻腔内複数回用量ディスペンサーデバイスは、エアレス流体分注システムに適する。本発明の別の実施形態では、鼻腔内複数回用量ディスペンサーデバイスは、浸漬管液体分注システムに適する。
【0098】
本発明で意図されているエアレスシステムの一例は、液体(またはゲル)と接触する加圧ガスまたは空気ポンプの必要がなく、ゲルを含む液体を送達するものである。一般的に、本発明のエアレスシステムは、例えば、図1〜4に示すような、液体を含む可撓性パウチ、堅牢な円柱状容器、可動ピストン、吸引ポンプ、投薬弁および送達ノズルを含む。
【0099】
本発明によれば、図1の複数回用量ディスペンサー100は、液体容器120、分配器ポンプ140およびキャップ102を備える。
【0100】
液体容器120は、容器本体122、ベース124およびネック126を含む。分配器ポンプ140は、スリーブ128によりネックに固定される。容器本体122の上端は、分配器ポンプ140によって閉じられている。スリーブ128は、ネックガスケット150を容器本体122の上端を堅固に挟持する。容器本体122は、真空を形成し、分注される液体を収容する。
【0101】
分配器ポンプ140は、分配器ポンプ140のアクチュエータノズル130により閉止され、これによりステム144がステムヘッドに保持される。アクチュエータノズル130は、出口チャネル132およびチップ134を含む。
【0102】
アクチュエータノズル130は、使用者の鼻孔の内面にフィットするように形成される。アクチュエータノズル130は、下の開位置と上の閉位置との間で移動させることができる。使用者は、キャップ102を外し、アクチュエータノズル130を使用者の鼻孔に挿入する。使用者がアクチュエータノズル130を下方の開位置まで押すと、投薬室180中の液体が分配器ポンプ140により引き出され、アクチュエータノズル130の出口チャネル132を通ってチップ134から出て行く。
【0103】
図2は、分配器ポンプ140の断面図を示す。
【0104】
分配器ポンプは、弁の構成部品としてのボール162を含む入り口弁160を有する底部取り込み口を備えた本体142を有する。ボール162は、ケージ164および伸縮ばね170により適所に保持される。
【0105】
ステム144は、その底端部に、ばねキャップ172を保持している。ピストン174は、ばねキャップ172の上部に配置される。ステム144は、ピストンベース176の軸方向オリフィスを貫通する。
【0106】
ピストン174の側壁は、分配器ポンプ本体142との間を、リップを介してシールする。スリーブ128は、ステムカラー146、分配器ポンプ本体142およびピストン174の先端に対し、ステムガスケット152を堅固に挟持する。
【0107】
予圧ばね178は、ピストンベース176とステムカラー146との間に配置される。予圧ばね178は、アクチュエータノズル130を、ステム144を介して閉位置に移動させる。
【0108】
ピストン174を後上方に戻す伸縮ばね170は、ケージ164およびばねキャップ172上の向かい合った2つのシートの間で圧縮される。
【0109】
分配器ポンプ140は、ケージ164およびピストン174の間に形成された投薬室180を有する。使用者がアクチュエータノズルを下に開位置まで下に開位置まで押すと、投薬室の液体が分配器ポンプ140により引き出され、アクチュエータノズル130のチップから分注される。
【0110】
使用者がアクチュエータノズル130を上に閉位置まで緩めると、容器本体122中の液体が分配器ポンプ140により投薬室180引き出される。従って、投与量の液体に対し、使用者による次のアクチュエータノズルの作動の準備が整った状態になる。
【0111】
本発明の別の実施形態では、図3のディスペンサー200は、液体容器220、分配器ポンプ240およびキャップ202を備える。
【0112】
液体容器220は、容器本体222、ベース224およびネック226を含む。分配器ポンプ240は、スリーブ228によりネックに固定される。容器本体222の上端は、分配器ポンプ240により閉じられる。スリーブ228は、ネックガスケット250を容器本体222の上端を堅固に挟持する。容器本体222は、分注される液体を収容する。
【0113】
分配器ポンプ240は、ステムヘッドにステム244を保持するアクチュエータノズル230により閉じられる。アクチュエータノズル230は、出口チャネル232およびチップ234を含む。アクチュエータノズル230は、使用者の鼻孔の内面にフィットするように形成される。アクチュエータノズル230は、下の開位置と上の閉位置との間で移動させることができる。使用者は、キャップ202を外し、アクチュエータノズル230を使用者の鼻孔に挿入する。使用者がアクチュエータノズル230を下方の開位置まで押すと、投薬室280中の液体が分配器ポンプ240により引き出され、アクチュエータノズル230の出口チャネル232を通ってチップ234から出て行く。
【0114】
図4は、分配器ポンプ240の断面図を示す。
【0115】
分配器ポンプは、弁の構成部品としてのボール262を含む入り口弁260を有する底部取り込み口を備えた本体242を有する。ボール262は、ケージ264および伸縮ばね270により適所に保持される。任意選択で、浸漬管290は、入り口弁260から下方へ延びることができ、容器本体に含まれる液体中に浸漬される。
【0116】
ステム244は、その底端部に、ばねキャップ272を保持している。ピストン274は、ばねキャップ272の上部に配置される。ステム244は、ピストンベース276の軸方向オリフィスを貫通する。
【0117】
ピストン274の側壁は、分配器ポンプ本体242間を、リップを介してシールする。スリーブ228は、ステムカラー246、分配器ポンプ本体242およびピストン274の先端に対し、ステムガスケット252を堅固に挟持する。
【0118】
予圧ばね278は、ピストンベース276とステムカラー246との間に配置される。予圧ばね278は、アクチュエータノズル230を、ステム244を介して閉位置に移動させる。
【0119】
ピストン274を後上方に戻す伸縮ばね270は、ケージ264およびばねキャップ272上の向かい合った2つのシートの間で圧縮される。
【0120】
分配器ポンプ240は、ケージ264およびピストン274の間に形成された投薬室280を有する。使用者がアクチュエータノズルを下に開位置まで下に開位置まで押すと、投薬室280に空気が入り、これが投薬室の液体を分配器ポンプ240により引き出すように作用し、アクチュエータノズル230のチップから分注させる。
【0121】
使用者がアクチュエータノズル230を上に閉位置まで緩めると、投薬室280中に含まれる空気が容器本体222中の液体を投薬室280に引き上げるように作用する。従って、投与量の液体に対し、使用者による次のアクチュエータノズルの作動の準備が整った状態になる。
【0122】
分配器ポンプにより投薬室中に引き上げられる液体の量は、固定容量であってよい。分配器ポンプは、一連の送達容量を収容できる種々の大きさであってよい。例えば、分配器ポンプは、140μlの送達容量であってもよい。
【0123】
本発明のディスペンサーは、液体、クリーム剤、軟膏、軟膏またはゲルの形態の、神経ステロイドまたは性ホルモン(例えば、アンドロゲンおよびプロゲスチン、テストステロン様物質、エストラジオール、エストロゲン、エストロン、プロゲステロン等)、神経伝達物質、(例えば、アセチルコリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニン、メラトニン、ヒスタミン、グルタメート、γアミノ酪酸、アスパルタート、グリシン、アデノシン、ATP、GTP、オキシトシン、バソプレシン、エンドルフィン、一酸化窒素、プレグネノロン等)、プロスタグランジン、ジアゼパム等のベンゾジアゼピン、ミダゾラム、ロラゼパム等、およびシルデナフィル等のPDEF阻害剤、タダラフィル、バルデナフィル等の、代替または追加の有効成分を含む局所的鼻腔内ゲルまたは他の局所的鼻腔内製剤を、好ましくは、経鼻的に分注できる。ディスペンサーは、化粧品、皮膚科または医薬品用途に適する場合もある。本発明に係る分注可能な局所的経鼻適用のための局所的鼻腔内製剤の例には、テストステロンが置換、または本明細書の上記で考察された有効成分等の別の有効量の有効成分と組み合わされている、本発明の経鼻テストステロンゲルまたは他の鼻腔内局所的ゲルが含まれる。さらに、ディスペンサー、および/または、本発明の方法により、分注するために適し、そのように意図された他のテストステロン製剤には、例えば、米国特許第5,578,588号、同5,756,071号および同5,756,071号ならびに米国特許公開第2005/0100564号、同2007/0149454号および同2009/0227550号中で開示された製剤が含まれる。これらの特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0124】
以下、本発明の各種実施形態の実施例を、下記実施例を参照してさらに説明す。従って、下記の実施例は、本発明を例示するために提供されているが、それを理由に限定する意図はない。部およびパーセンテージは、特段の指定がない限り、重量ベースである。
【0125】
実施例1
テストステロンゲル製剤処方例
本発明のテストステロンゲルの例を下記の表1〜3に示す。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0126】
鼻腔内テストステロンゲル製剤14〜21は、本発明で意図されるゲル製剤のさらなる例である(100部当たり)。微粒子化形態のテストステロンが好ましい。
ゲル14
ヒマシ油 83
DMI(ジメチルイソソルビド) 10
テストステロン 4
アエロジル(登録商標)200 3
ゲル15
ヒマシ油 79
DMI 12
テストステロン 5
Cab−O−sil(登録商標)M5P 4
ゲル16
中鎖トリグリセリド(Labrafac(登録商標)) 91.5
DMI 5.5
テストステロン 0.5
Cab−O−sil(登録商標) 2.25
PVA 0.25
ゲル17
Labrafac(登録商標)WL1349 63
DMI 20
トランスクトール(登録商標)
(ジエチレングリコールモノエチルエーテル) 5
テストステロン 7
Kollidon 2
HPC 0.1
アエロジル(登録商標)200 2.9
ゲル18
Labrafac(登録商標)PG
(P−グリコールジカプロイラート) 40
DMI 25
プロピレングリコール 10
トランスクトール(登録商標) 10
テストステロン 8
ポビドンK30 2
HPC 0.2
アエロジル(登録商標)R972 4.8
ゲル19
イソプロピルミリスタート 18
アーモンド油 50
2−ピロリドン 10
トランスクトール(登録商標) 10
テストステロン 6.5
Carbopol(登録商標)934 0.5
グリセリルベヘナート 5.0
ゲル20
中鎖トリグリセリド(Labrafac(登録商標)) 4
Labrafil(登録商標)M1944CS 55
DMI 20
トランスクトール(登録商標) 10
テストステロン 8
Cab−O−Sil(登録商標) 2.75
HPC 0.25
ゲル21
中鎖トリグリセリド(Labrafac(登録商標)) 55
カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド 4
DMI 20
トランスクトール(登録商標) 12
テストステロン 6
Cab−O−Sil(登録商標) 2.75
HPC−L 0.25
(イタリックは「表面張力剤」)
ゲル22
ヒマシ油 58
DMI 20
トランスクトールP 5
Kollidon 17PF 5
SiO
テストステロン 8
ゲル23
ヒマシ油 62
DMI 20
トランスクトールP 5
Kollidon 17PF 2
HPCGF 1
SiO
テストステロン 8
ゲル24
ヒマシ油 62
DMI 20
トランスクトールP 5
Kollidon VA64 2
HPCGF 1
SiO
テストステロン 8
ゲル25
ヒマシ油 62.5
DMI 20
トランスクトールP 5
Kollidon 17PF 2
HPCHF 0.5
SiO
テストステロン 8
ゲル26
ヒマシ油 62.5
DMI 20
トランスクトールP 5
Kollidon VA64 2
HPCHF 0.5
SiO
テストステロン 8
ゲル27
ヒマシ油 58
DMI 20
トランスクトールP 5
Kollidon 17PF 5
SiO
テストステロン 8
ゲル28
ヒマシ油 74
DMI 15
トランスクトールP 2.5
Kollidon 17PF 2
HPCXHF 0.5
SiO
テストステロン 4
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
可能バッチサイズ1.0〜2.0kg。可能な臨界量は、Super Refined Arlasolveである。IMPバッチを反復する必要がある場合は、すぐに使える十分な材料を確保するために、バッチサイズを1kg(または、1.5kg)に制限したほうがよい。
【0127】
賦形剤および役割
ヒマシ油−主溶媒
ポビドン−溶媒和化ポリマー(Kollidon 17PFまたはPlasdone K17)
コポリビドン−溶媒和化ポリマー(Kollidon VA64またはPlasdone S630)
ジメチルイソソルビド−超溶媒(Arlasolve)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル−超溶媒(トランスクトール)
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)−粘性化剤/SR剤(Klucel XHFまたはG250)
二酸化ケイ素−粘性化剤(アエロジル)
【0128】
実施例2
健常成人男性ヒト被験者における2種の投与量レベルの鼻腔内テストステロンゲル製剤、すなわちTrimel Biopharma、Inc.、Canada、のCompleo(登録商標)の非盲検、平衡化、無作為化、クロスオーバー、2群、2治療(用量レベル1および2)、2期、薬物動態学的試験
試験製品:経鼻投与用テストステロンゲル。
【0129】
プロファイル レベル1:
各鼻孔当たり6.75mgのテストステロンを送達するための4.5%テストステロンゲルをプレフィルしたNasobol(登録商標)シリンジ(Trimel Biopharma、Inc.Canada、が製造)。Nasobol(登録商標)製剤を、以下に示す。
4.5% テストステロン
4% Labrafil(登録商標)M1944
3% アエロジル(登録商標)(SiO
88.5% ヒマシ油。
【0130】
プロファイル レベル2:
150mgのCompleo(登録商標)ゲルのプレフィル重量に基づいて、各鼻孔当たり9.75mgのテストステロンを送達するための6.5%%テストステロンゲルをプレフィルしたCompleo(登録商標)シリンジ(Trimel Biopharma、Inc.Canada、が製造)。Compleo(登録商標)製剤を、以下に示す。
ヒマシ油 65.5
DMI 20.0
トランスクトール(登録商標)
(ジエチレングリコールモノエチルエーテル) 5.0
テストステロン 6.5
HPC 0.1
アエロジル(登録商標)200 2.9
【0131】
実施例3
テストステロンに関する非拘束的勧告ガイダンス
本ガイダンスは、この主題に関する食品医薬品局の(FDAの)現在の考えを表すものである。このガイダンスは、いずれの人に対しても、またはいずれの人に関しても何らかの権利を創出または与えるものではなく、また、FDAまたは国民に対し義務を負わせる作用をするものでもない。ある手法が適用可能法規および規制の要求を満たす場合には、その代替手法を使用してもよい。代替手法について相談を希望する場合は、ジェネリック医薬品部に連絡されたい。
有効成分: テストステロン
剤形/経路: 徐放錠剤/頬側
推奨試験: 2種類の試験
【0132】
1.試験の種類:絶食
デザイン:単回投与、2ウェイクロスオーバーインビトロ濃度:30mg
被験者:テストステロン欠乏症(性機能低下性)男性。
追加コメント:被験者は、現在、性腺機能低下に一切の治療を受けていない必要がある。
テストステロン欠乏症(性機能低下性)男性に対する選択基準は、血清テストステロンレベルが2.5ng/ml未満である。
少なくとも3回の投与前レベルをベースラインとして使用。
「摂食」BE試験は、勧められない。理由は、この製品は、頬側付着性であり、この製品が摂食されてはいけないからである。これにより、食物の経口投与量のダンピング評価の必要性がなくなる。
【0133】
2.試験の種類:インビトロで付着性比較性能試験
デザイン:試験および基準製品に対し、ピーク剥離力を比較する、張力測定試験が推奨される。バッカル錠および張力計のベースプレートの間には、水が望ましい。荷重が加えられ、バッカル錠を加圧してベースプレートと接触させる際の荷重および時間は、指定される。荷重の除去後、バッカル錠がベースプレートから引き離される速度は、指定される。ピーク剥離力は、ベースプレートからバッカル錠を剥離するのに要する力として測定される。比較付着試験は、それぞれ12単位の試験および基準製品を使用して行われる。
【0134】
ANDAに提出用の試験を実施する前に、医療チームは、荷重が加えられ、バッカル錠を加圧し張力計のベースプレートと接触させるのに適切な荷重、時間、およびベースプレートからバッカル錠が引き離される速度を決定する。これらの試験は、試験および基準製品に対する試験条件の妥当性を確認するために行われる。例えば、HE Junginger et al:薬剤送達における粘膜付着性ヒドロゲル(Mucoadhesive hydrogels in drug delivery)、Encyclopedia Pharm Technol(2002);およびSJ Jackson,AC Perkins:ブタおよびヒト胃粘膜に対するコレスチラミンの粘膜付着のインビトロ評価(Invitro assessment of the mucoadhesion of cholestyramine to porcine and human gastric mucosa)、Eur J Pharm Biopharm.52:121−127(2001)、を参照されたい。
【0135】
測定用分析物(適切な生体液中の):血漿中の全テストステロン。
生物学的同等性(90%CI):ベースライン補正テストステロンに基づく。
インビトロ試験の免除申請:該当なし。
【0136】
溶解試験方法およびサンプリング時間:
OGDウエブサイト:http://www.fda.gov/cder/ogd/index.htmから、溶解方法データベースが利用できることに留意されたい。この製品に対する溶解情報をこのウエブサイトで見つけること。試験および基準製品の全濃度のそれぞれ12投与量単位で比較溶解試験を行う。仕様は、本出願を再検討することにより決定される。
【0137】
実施例4
テストステロンは、内因性テストステロンの欠乏または不在に関連する病状を有する男性のためのホルモン補充療法として適用される。テストステロンの欠乏は、性的機能不全、筋肉の損失、脂肪の増加、不妊、ひげまたは体毛の減少および他の病状を引き起こし得る。
【0138】
Compleo(商標)は、ホルモンのテストステロンを含む半固形ヒマシ油ベースの生体接着性ゲル製剤である。Compleo(商標)は、男性における性腺機能低下症(原発性および続発性の両方)の治療薬として評価されており、鼻腔に投与される。Compleo(商標)の有効性を試験する以前の臨床試験において、鼻腔にこのゲルを投与するために、単回投与用のブローフィルシールディスペンサー(blow
fill seal dispenser)を含む多くの種々のディスペンサーおよび単回投与用シリンジが用いられてきた。最近、鼻腔内沈着用のチップを有する複数回用量ディスペンサーが、鼻粘膜にCompleo(商標)を送達するように設計された。複数回用量ディスペンサーの主要構成要素には、バレル、ピストン、ベース、ポンプおよびアクチュエータが含まれる。このディスペンサーは、大気圧を利用して、必要な用量を送達するように設計されている。デジタルアクチュエータが押された時に、ポンプ機構のバルブが開く。これは、大気圧がバレルのベースを介してピストンに作用し、ピストンを押し上げることを可能にする。その結果、このゲルは、チップを通り抜けて鼻腔内の正しい位置に進む。
【0139】
本試験は、複数回用量ディスペンサーおよび単回投与用シリンジの配置特性を比較するように設計した。本試験を、各ディスペンサーからのゲルの配置、各デバイスの使いやすさおよびゲル液滴のサイズを検討するために行った。
【0140】
3人の健常者(男性2人および女性1人)を本試験に含め、プラセボゲルで満たした単回投与用シリンジおよび複数回用量ディスペンサーの両方を各被験者で試験した。配置場所および液滴サイズを、主任治験責任医師が観察し、記録した。比較目的で、各投与後に写真を撮った。投与後に、これらの被験者に、各ディスペンサーの使いやすさについて意見を求める。
【0141】
本試験の主目的は、主任治験責任医師の目視観察を経て、2つの異なるディスペンサーからの鼻腔内投与後のゲル配置を比較することであった。
【0142】
これは、2つの異なるディスペンサーである単回投与用シリンジおよび複数回用量ディスペンサーを用いて鼻腔内に投与されるプラセボゲル(125μl)を用いた、健常者における非盲検試験である。
【0143】
被験者は、一度、試験場所を訪れる必要がある。本治験薬を、以下のスケジュールに従って投与する。
【0144】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0145】
各鼻孔にゲルを投与した後に、KarlStorz社の0°硬性内視鏡およびStorz
AIDA画像キャプチャプラットフォームを用いて鼻腔の写真を撮る。ゲル沈着の場所およびゲル液滴のサイズについて、主任治験責任医師が目視観察を行い、記録する。次いで、各被験者に、このディスペンサーの使いやすさについて尋ねる。
【0146】
3人の健常者である女性1人(被験者1)および男性2人(被験者2および被験者3)が本試験に参加した。
【0147】
主任治験責任医師のゲル配置の説明および被験者による使いやすさの評価を表1にまとめる。
【0148】
これらの被験者の全員に、複数回用量ディスペンサーおよび単回投与用シリンジの両方を効果的に用いて、本治験薬を投与することができた。複数回用量ディスペンサーおよび単回投与用シリンジを介した投与後の鼻腔内のゲルの配置は同じであった。同様に、ゲルが投与された鼻孔にかかわらず、これらのディスペンサーのそれぞれからのゲル沈着物のサイズは一貫していた。これらの観察は、図7図9に提供する各投与後の写真によって支持される。
【0149】
被験者1および被験者3の2人は、使いやすさに関して、複数回用量ディスペンサーが単回投与用ディスペンサーよりも快適であるとコメントしている。
【0150】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0151】
本試験の目的は、2つの異なるディスペンサー間でゲル沈着を比較することである。鼻腔におけるゲルの適切な配置および患者にとっての使いやすさが、全ての提案されるディスペンサーに対しての重要な考慮事項である。以前の臨床試験では、シリンジがCompleoを投与するために用いられたが、複数回用量ディスペンサーは、将来の臨床試験に最適なディスペンサーとして提案される。
【0152】
本試験結果は、複数回用量ディスペンサーおよび単回投与用シリンジの両方が、鼻腔内の正しい位置にゲルを沈着させることができ、サイズが同じであるゲル沈着物を提供することを示す。ゲルの配置および沈着の観察結果は、写真によって裏付けられる。
【0153】
これらの被験者は、該ディスペンサーの使いやすさの違いを報告している。3人の被験者のうちの2人は、鼻腔内の挿入およびゲル沈着に関して、複数回用量ディスペンサーが単回投与用シリンジよりも快適であると反応している。
【0154】
本試験は、複数回用量ディスペンサーによるゲル沈着が、単回投与用シリンジと同等であり、鼻腔の正しい位置にゲルを沈着させることができることを証明する。複数回用量ディスペンサーが鼻腔内にゲルを正しく配置することができることにより、本試験の投与説明書を用いて、患者のための投薬説明書を作成する。この投薬パンフレットのコピーは、図10図11の中で見つけることができる。
【0155】
実施例5
インビトロ放出速度(Ivrt)の比較試験
IVRT実験的アプローチを、薬物放出の評価を経た半固体投薬形態の製品の比較に用いる。公平に比較するために、比較すべき製品は同程度の年月を経ているべきであり、それらの放出速度は、同じ条件下で同じ日に決定されるべきである。不公平な比較を保証するために、フランツセルのバンク内の試料位置を無作為化する。各ランの試験(T)製品および参照(R)製品を無作為化するか、または混合配置で予め割り当てる。
【0156】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
FDAが推奨する勾配の比較試験を実施し、IVRT法の再現性の証拠を提供する。
【0158】
表1のテストステロンゲル製品の2つ異なる製剤を、改良したフランツセル装置システムの12個のセル(図12に示すように、参照製品(R)用の6個のセルおよび試験製品(T)用の6個のセル)にアプライした。これらの2つのゲル製品であるテストステロンNasabolゲル4%、ロット番号E10−007、およびTBS1Aテストステロン鼻用ゲル4%、ロット番号IMP11002については、実施例6で説明し、4%TSA−1AおよびTBS1と略記する。
【0159】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0160】
1、2、3、4、5および6時間の時点で試料を収集し、試験する。
【0161】
比較試験のためのフランツセル装置の位置のレイアウト
T製品の6個のセルおよびR製品の他の6個のセルの放出速度(勾配)を得る。放出速度の中央値の比(T/R)の90%信頼区間(CI)を算出する。
【0162】
6行7列の表を作成し、参照勾配(RS)を表2の第一行の全てに記入し、試験勾配(TS)を第一列の下方に記入する。各試験勾配と各参照勾配の間のそれぞれのT/R比(30)を算出し、対応する値を表に入力する。
【0163】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
これらの30個のT/R比を、最下位から最上位までランク付けする。第6番目および第25番目の比は、放出速度の中央値の比の90%CIにおける上限および下限を表す。
【0165】
標準基準:90%CIが75%〜133.3%の範囲内にある場合に、試験製品と参照製品とは同一であると考えられる。
【0166】
テストステロンNasabolゲル4%、ロット番号E10−007、およびTBS1Aテストステロン鼻用ゲル4%、ロット番号IMP11002の2つのバッチを試験し、同一性について評価する。
【0167】
試験バッチロット番号IMP11002(T)の5個のセルに対する参照ロット番号E10−007(R)の6個のセルの放出速度の比をとることによって統計比較を行う。
【0168】
インビトロ薬物放出試験中に、参照バッチおよび試験バッチを、改良したフランツセルシステムの装置Aおよび装置Bのセルに無作為にアプライする。
【0169】
試験製品(T)の5個のセルと参照製品(R)の6個のセルの放出速度(勾配)を比較する。放出速度の中央値の比(T/R)の90%信頼区間(CI)を算出する。
【0170】
90%信頼区間は、最下位から最上位にランク付けした時の第6番目および第25番目の放出速度の比によって表される。これらの比は、それぞれ160.77%および202.90%に相当し、同一性の限界に満たない(CI75%〜133.33%)。したがって、テストステロンNasabolゲル4%、ロット番号E10−007およびTBS1Aテストステロン鼻用ゲル4%、ロット番号IMP11002の2つのバッチは、同一であるとみなされない。
【0171】
2つのゲル製品のテストステロンNasabolゲル4%、ロット番号E10−007およびTBS1Aテストステロン鼻用ゲル4%、ロット番号IMP11002を試験し、同一性について評価する。試験ロット番号IMP11002の平均放出速度(勾配)は、参照ロット番号E10−007の平均放出速度(勾配)よりも約1.8倍高い。試験を行ったこの2つの製品は、同一ではないことが判明している。
【0172】
インビトロ放出速度(IVRT)試験結果および生データを、以下の表3〜表8および図13に示す。
【0173】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0174】
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0175】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0177】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0178】
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
【0179】
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0180】
実施例6
薬物動態によって測定されるテストステロン鼻腔ゲル用の複数回用量ディスペンサーの可能性を決定するための、健常男性被験者におけるフェーズ1非盲検、平衡化、無作為化、クロスオーバー、2群、2治療、2期間のパイロット試験
テストステロン補充療法は、性機能低下症の男性のテストステロン欠乏症を是正することを目的とする。Trimel BioPharma社は、現在利用可能なテストステロンの投与形態に代わるものとして鼻腔テストステロンゲル(TBS−1)を開発した。これまで、臨床試験ではシリンジを用いてTBS−1を送達した。Trimelは、商業用途向きの複数回用量ディスペンサーと認められている。本試験の目的は、以前に臨床試験で使用されたシリンジと比較した、複数回用量ディスペンサーの相対性能を明らかにすることであった。
【0181】
これは、18〜28歳の健常男性被験者における、TBS−1テストステロン鼻用ゲルの非盲検、平衡化、無作為化、クロスオーバー、2群、2治療、2期間の薬物動態学的試験であった。治療は、21時に与えられ、総量11.0mg用のシリンジまたは複数回用量ディスペンサーのいずれかを用いて送達される、鼻孔当たりテストステロン5.5mgの単回投与としての4.5%TBS−1テストステロンゲルからなっていた。最初の投与の前に、被験者は、ベースラインテストステロンプロファイルを決定するための血液採取のために入院した。薬物投与の間のウォッシュアウトは、少なくとも48時間であった。
【0182】
全被験者が本試験を完了し、治療の耐容性は良好であった。
【0183】
血清中濃度−時間曲線下の平均面積(ng・hr/dLのAUC0−12)によって測定されるテストステロンへの総曝露は、該ディスペンサーまたはシリンジを用いたTBS−1投与後にのみ内在性レベルよりも高い(4911ngh/dLに対して、それぞれ7484および7266)。平均Cmaxは、シリンジを用いた投与後よりも、該ディスペンサーを用いた投与後に高い(それぞれ1028対778.8ng/dL)。Tmaxは、シリンジに比べて該ディスペンサーを用いた投与後により早く生じる(それぞれ2.75対5.6時間)。したがって、テストステロンの吸収は、シリンジよりも複数回用量ディスペンサーを用いた場合により速くなるように思われるが、全吸収量は類似している。また、以前の試験では、患者で得られるシリンジのTmaxは、1.0または2.0時間に近かった。
【0184】
図3に示すとおり、複数回用量ディスペンサーを用いて到達するテストステロンレベルの、シリンジを用いて到達するレベルに対する対数比の確率密度をプロットした時に、95%信頼区間の下限および上限内のAUC0−12またはCmaxのいずれかについての有意差は示されなかった。Cmaxの差異に傾向がある。しかし、このデータは、AUC0−12またはCmaxのいずれかの90%信頼区間レベルで生物学的同等性を確証しない。ここで見つかる傾向がより大きなデータセットで確証される場合に、投与経路は、AUC0−12についてほぼ同等であろうが、ボランティアで得られるCmax/tmaxプロファイルは、患者で得られるCmax/tmaxプロファイルと一致しないように思われるので、Cmaxに対するtのさらなる調査が必要となる可能性がある。
【0185】
性腺機能低下症の治療薬としてのテストステロン
内因性アンドロゲンは、男性生殖器の正常な成長および発達だけでなく、前立腺、精嚢、陰茎、および陰嚢の成長ならびに成熟、髭、陰部、胸、および腋毛などの男性の毛の分布の発達、喉頭部の拡張、声帯肥厚、体筋肉の変化、ならびに脂肪分布を含む二次性徴の促進に関与する。
【0186】
男性の性機能低下症は、性欲の低下、勃起不全、射精の量の減少、体重および顔髭の減少、骨密度の減少、除脂肪体重の減少、体脂肪の増加、疲労、衰弱ならびに貧血を含み得る徴候および症状を引き起こす血清テストステロン濃度の減少によって特徴付けられる。
【0187】
性腺機能低下症の原因は、本来は原発性または続発性であり得る。原発性性腺機能低下(先天性または後天性)において、精巣障害は、停留精巣、両側精巣捻転、精巣炎、消失精巣症候群、精巣摘出、クラインフェルター症候群、化学療法、またはアルコールもしくは重金属の中毒性障害が原因で生じ得る。これらの男性は、通常、低い血清テストステロンレベルおよび正常範囲を超える血清性ゴナドトロピンレベル(FSH、LH)を有する。
【0188】
続発性性腺機能低下症(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(先天性または後天性))において、欠陥は精巣の外に存在し、通常、視床下部または下垂体のレベルにある。続発性性腺機能低下症は、特発性ゴナドトロピンまたはLHRH欠乏症、または腫瘍、外傷、または放射線からの下垂体視床下部の損傷によって引き起こされ得る。これらの男性は、血清テストステロンレベルは低いが、血清ゴナドトロピンレベルは正常または低い範囲にある。
【0189】
テストステロンホルモン療法は、内因性テストステロンの欠乏または不在に関連する病状の男性におけるホルモン補充療法として指示される。テストステロンの投与のために現在利用可能な選択肢は、経口投与、頬側投与、注射、および経皮投与である。
【0190】
Trimel
BioPharma社は、男性性腺機能低下症の治療のためのホルモン補充療法としての鼻腔テストステロンゲル(TBS−1)を開発した。鼻粘膜は、初回通過代謝を受けない投与の代替経路を提供し、全身循環への迅速な吸収により高透過率を有する。他の製剤と比べた時の該テストステロン鼻腔ゲルの利点には、投与の簡便性および他の家族へのテストステロンの非転移が含まれる。
【0191】
治験薬製品
この治験における治験薬製品はTBS−1の鼻腔テストステロン剤形であった。その物理的特性、化学的特性および医薬品特性の説明は、治験薬概要書で見つけることができる。
【0192】
非臨床試験および臨床試験の概要
非臨床試験の概要
異なるテストステロン製剤および投与経路の薬理学、毒物学および前臨床薬物動態学の概要を治験薬概要書に提供する。製品固有の反復投与の毒性および耐性の研究をエクスビボモデルおよび異なる動物種で行った。
【0193】
以前のTBS−1臨床試験の概要
現在まで、Trimelは、性腺機能低下症の男性における4つのフェーズII臨床試験を完了した。最近行われた試験のTBS−1−2010−01については以下に記載し、他の試験は、治験薬概要書にまとめる。
【0194】
試験TBS−1−2010−01の目的は、性腺機能低下症の男性における4.0%および4.5%のTBS−1テストステロンゲルの有効性ならびに耐容性を調べることである。本試験では、TBS−1は、商用の複数回用量ディスペンサーではなく、シリンジを用いて投与する。試験TBS−1−2010−01で用いた用量および投与計画を、以下の表1に記載する。
【0195】
全ての治療群の結果は、有効性についてのFDAの基準を満たし、この基準は、被験者の少なくとも75%が、24時間Cavg値≧300ng/dLおよび≦1050ng/dLの正常範囲内の平均総T濃度(Cavg)を達成すべきであると定義している。
【0196】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
被験者への利点およびリスクの概要
利点
性腺機能低下症の男性のテストステロン補充療法は、テストステロン欠乏症の臨床的異常を是正しなくてはならない。これは、短期間、18〜45歳の健常男性が登録するフェーズI試験であったので、これらのボランティアが、この試験に参加することによって直接恩恵を受けることは予想されなかった。ボランティアには、かれらの参加に対してお金が支払われた。
【0198】
リスク
この試験に参加することによる被験者へのリスクは、最小限であると考えられた。テストステロン補充療法は、性腺機能低下症の治療のために指示され、TBS−1が100人を超える男性に投与され、副作用は最小限であった。
【0199】
TBS−1は臨床開発中の治験薬であるので、完全な副作用プロファイルが十分に知られていなかった。鼻出血、鼻詰まり、鼻の不快感、鼻の乾燥および鼻炎が、TBS−1の使用後に報告された。承認された(長期の)テストステロン補充療法の副作用には、肝酵素(アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)の上昇、血中クレアチンホスホキナーゼの増加、前立腺特異抗原の増加、拡張期血圧の低下、血圧上昇、女性化乳房、頭痛、ヘマトクリット/ヘモグロビンレベルの増加、顔面紅潮、不眠症、流涙の増加、気分変動、嗅覚障害、自発的な陰茎の勃起、および味覚障害が含まれる。
【0200】
鼻腔内薬物送達経路の主な利点は、この方法を用いることで、他の製品で観察される異なる欠点の多くが予期されないということである。これには、皮膚から皮膚への移動、粘性、不快な臭い(ゲル)、皮膚刺激(パッチ)、高いDHT(パッチおよび経口)、注射の痛みならびに高いTおよびDHTのピーク(筋肉注射)、食物相互作用(経口)が含まれる。
【0201】
試験原理
Trimelは、市販のディスペンサーとしてこの臨床試験プログラムで使用されるように意図される複数回用量ディスペンサーとして確認された。これまで、シリンジが、以前の臨床試験においてTBS−1を送達するために用いられてきた。本試験の目的は、複数回用量ディスペンサーまたはシリンジを用いて得られる薬物動態の結果の比較可能性を実証することであった。
【0202】
参考文献
1.Nasobol(登録商標)治験薬概要書 発売日 2010年8月19日、第5版
2.http://www.androgel.com/pdf/500122−00127_Rev_1E_Sep_2009_FPI_with_MedGuide.pdf(最終アクセス 2010年9月6日)
3.http://www.mattern−pharmaceuticals.com/downloads/Nasobol.pdf(最終アクセス 2010年9月6日)
4.http://www.medicines.org.uk/EMC/medicine/22159/SPC/Testim+Gel/(最終アクセス 2010年9月6日)
【0203】
試験目的
本試験の主要目的は、健常男性被験者において2つの異なるディスペンサーを用いてTBS−1を投与した後のテストステロン薬物動態プロファイルを比較することである。
【0204】
第2の目的は、TBS−1の安全性を評価することである。
【0205】
治験計画
全体的な試験のデザインおよび計画
これは、健常男性ヒト被験者における、テストステロン鼻用ゲル製剤の非盲検、平衡化、無作為化、クロスオーバー、2群、2治療、2期間の薬物動態学的試験である。本試験の事象スケジュールは、表2のセクション?????にまとめる。
【0206】
18〜45歳(18歳および45歳を含む)の健常男性ボランティアを、この試験のためにスクリーニングした。目標は、本試験のために12人の男性被験者を無作為化することであった。
【0207】
各薬物投与の間に、6日間のウォッシュアウト期間が設けられた。
【0208】
試験デザインの考察
本試験は、健常男性被験者における2つの異なるディスペンサーからのTBS−1投与後のテストステロン薬物動態プロファイルを比較する目的での比較的小規模な第I相PK試験であるので、真の試料サイズ計算を行わない。典型的な初期段階の薬物動態学的試験に基づいて、コホート当たり6人の対象群が、単回投与後の薬物動態パラメータの容認できる説明に十分である。
【0209】
治験対象母集団の選択
試験対象患者基準
本試験に登録される被験者は、以下の適格性評価を満たす必要がある。
1.18〜45歳(18歳および45歳を含む)の年齢範囲の健常男性ヒト被験者であること
2.本試験に参加するための書面によるインフォームドコンセントを提供する意思があること
3.肥満度指数が35kg/m以下であること
4.スクリーニング中に、検査室評価において重大な疾患もしくは臨床的に有意な異常検査値、病歴または身体検査がないこと
5.耳鼻咽喉科検査が正常であること
6.少なくとも6ヶ月間、非喫煙者であること
7.本試験の本質および目的の理解ならびにプロトコルの要求に順守すること
【0210】
除外基準
以下の基準のいずれかに該当する場合、被験者は本試験に含めるのにふさわしくないと判断される。
1.テストステロンもしくは関連する薬物に対するアレルギーまたは過敏性の個人歴/家族歴
2.アナフィラキシーまたは血管浮腫の既往歴
3.過去3ヶ月中の全ての重病または任意の臨床的に有意な、継続している慢性の内科的疾患、例えば、鬱血性心不全、肝炎、膵炎など
4.スクリーニング中の任意の臨床的に有意な異常値の存在、例えば、肝機能テスト(LFT)、腎(腎臓)機能テスト(RFT)などの有意な異常の存在
5.スクリーニング中、ヘモグロビン<13g/dlかつヘマトクリット>52%
6.任意の心臓、腎臓または肝臓の機能障害、任意の他の臓器または系の機能障害
7.発作の病歴または臨床的に有意な精神疾患
8.HIV1および/またはHIV2、B型肝炎および/またはC型肝炎のウイルスの疾患マーカーの存在
9.鼻の手術、特に、鼻甲介手術(turbinoplasty)、鼻中隔形成、鼻形成術、(「鼻の美容整形」)、または副鼻腔手術の経歴、
10.以前に鼻骨折をしたことのある被験者
11.鼻炎、鼻漏、または鼻詰まりなどの活発なアレルギーのある被験者
12.粘膜の炎症性疾患、特に、天疱瘡またはシェーグレン症候群の被験者
13.副鼻腔疾患、特に、急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、またはアレルギー性真菌性副鼻腔炎の被験者
14.鼻疾患(例えば、ポリープ症、反復性鼻出血(1月当たり1回を上回る鼻出血)、鼻充血除去薬の乱用)または睡眠時無呼吸の病歴
15.薬剤、特に、鼻スプレーを含む鼻用コルチコステロイドおよびオキシメタゾリン(例えば、ドリスタン(Dristan)12時間用鼻スプレー)の鼻腔内送達の任意の形態を利用する被験者
16.喘息および/または進行中の喘息治療の病歴
17.1日のアルコールが3単位(1単位=300mlのビール、1グラスワイン、1メジャーの蒸留酒)を上回る定期的な飲酒者、または投与前48時間以内および試験中のアルコールの消費
18.入院期間中のチェックイン時の(呼気アルコール分析器を用いる)アルコール消費試験で陽性を示すボランティア
19.アルコールまたは合法もしくは違法な任意の原薬の乱用の病歴、あるいはその最新の証拠
20.入院期間中のチェックイン時における尿中の濫用薬物(アヘン、ベンゾジアゼピン系薬、アンフェタミン、THCおよびコカイン)試験で陽性を示すボランティア
21.左右の腕の静脈にアクセスしにくいこと
22.最初の入院期間の4週間以内に任意の処方薬療法を受けること
23.試験期間中のOTC薬剤(時々のパラセタモール/アスピリンを除く)を控えることが困難であること
24.血清PSA≧4ng/mlを示すボランティア
25.この試験の実施中またはこの試験の開始前30日間の任意の他の調査試験への参加
26.この試験中、またはこの試験の開始前12週間以内の任意の時点での献血(通常550ml)
【0211】
治療または評価からの患者の除去
登録する全12人のが本試験を完了し、交代したどの被験者もいなかった。
【0212】
治療
実施される治療
薬物投与のために、被験者は、TBS−1が予め充填されたシリンジまたは複数回用量ディスペンサーを鼻腔内投与する方法について指導される。TBS−1の自己投与は、試験要員によって監視される。各被験者は、投与後の1時間、鼻をすすったり、かんだりしないように指導される。
【0213】
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0214】
治療1は、A群に対しては期間Iの2日目およびB群に対しては期間IIの4日目の21時(±30分)に投与される単回投与で鼻孔当たりテストステロン5.5mg(総量11.0mg)を送達するために、4.5%テストステロンゲルが予め充填されているTBS−1のシリンジからなる。
【0215】
治療2は、B群に対しては期間Iの2日目およびA群に対しては期間IIの4日目の21時(±30分)に投与される単回投与で鼻孔当たりテストステロン5.5mg(総量11.0mg)を送達するために、4.5%テストステロンゲルが予め充填されているTBS−1の複数回用量ディスペンサーからなる。
【0216】
治験薬(複数可)の素性
この試験の治験薬は、経鼻投与用テストステロン剤形のTBS−1である。
【0217】
試験薬はTBS−1ゲルからなり、ゲル125μlを押し出すように設計された使い捨てシリンジ(2本のシリンジが1つのホイル袋にパッケージされている)、または1回の作動当たりゲル125μlを押し出すように設計された複数回用量ディスペンサーのいずれか一方に充填されている。
【0218】
試験薬は、1袋の中に2本のシリンジまたは複数回用量ディスペンサーを含む個々の試験用キットを準備する試験薬剤師によって分配される。
【0219】
治療群に患者を割り当てる方法
治療の割り当てを、訪問1の終わりの無作為化スケジュールに従って決定する。参加基準を満たした被験者は、2つの治療群(A群またはB群)の1つに1対1で無作為に割り当てられる。この無作為化は、バランスが取れており、コードは制御アクセス下で保持される。治験薬の分配に関与する担当者は、無作為化スケジュールへの順守を保証する責任がある。
【0220】
用量の選択およびタイミング
健常男性は、早朝にピークに達する概日リズムで変動する内因性のテストステロンレベルを有しているので、夜に試験薬を投与することを決める。
【0221】
盲検化
経鼻投与用ディスペンサーの物理的な違いが盲検化を防ぐので、これは、被験者および治験責任医師の両方にとっての非盲検試験である。
【0222】
前治療および併用療法
どの被験者も、本試験直前、本試験中または本試験後2週間は処方薬を使用しない。1人の被験者が、ベースライン訪問後の朝の排出直前(任意の治験薬の投与前)にパラセタモール(500mgを2錠)の単回投与を受ける。薬の使用に関する他の報告はない。
【0223】
治療のコンプライアンス
全ての被験者は、説明書に従って試験薬の両方の投与を受け、TBS−1の説明書への適合を保証するために、投与後1時間の間、治験担当者によって監視される。全ての被験者は、12時間のPKサンプリング期間中は診療所に留まる。その間、被験者は厳密に監視される。
【0224】
スクリーニング
スクリーニング訪問(訪問1)は、最初の試験日の最大で21日前に行われる。インフォームドコンセントを得た後に、被験者の試験参加に対する適合性を、以下の項目からなるスクリーニングで評価する。
・病歴
・身体検査およびバイタルサイン
・以下のことを測定するために、空腹時の血液試料を採取する:全血球計算、化学プロファイル、HBV、HCV、HIVおよびPSAについての試験
・尿検査、尿中薬物スクリーニング、および呼気アルコール濃度検査
・ENT専門家によって行われる耳鼻咽喉科の経鼻内視鏡検査
【0225】
試験被験者患者基準の全てを満たし、除外基準を満たさない被験者が、本試験に登録され、治療の2群(1または2)のいずれか一方に無作為化される。
【0226】
試験日
被験者は、1日目(訪問2、ベースライン)、2(訪問3、期間1)および4(訪問4、期間2)の19時30分に臨床試験センターに入院する。チェックイン後に、薬物乱用およびアルコール消費についてのテストを行う。バイタルサインが記録され、被験者は自分の健康の変化について質問される。
【0227】
訪問2の時に、12時間のベースラインテストステロンプロファイルを測定する。12時間のベースラインテストステロンプロファイル用の血液を、以下のスケジュールに従って採取する:最初の試料を20時45分に採取し、その後、21時の時点に対して0.33、0.66、1.00、1.50、2.00、3.00、4.00、5.00、6.00、8.00、10.00、および12.00時間に採取する(合計13試料)。2日目に、バイタルサインを測定し、安全性パラメータ(徴候、AE)をチェックアウト前に記録する。
【0228】
投与を、2日目および4日目の夜の21時に行う。投与前に、ENT試験を行い、投与前のベースライン血清テストステロン血液試料を採取する。投与後、12時間のテストステロンPKプロファイルを測定する。21時の投与後に、以下のスケジュールに従って血液試料を採取する:0.33、0.66、1.00、1.50、2.00、3.00、4.00、5.00、6.00、8.00、10.00、および12.00時間の時点(期間当たり合計13試料)。
【0229】
3日目および5日目に、バイタルサインを測定し、ENT検査を行い、最後のPKサンプリング後およびチェックアウト前に、安全性パラメータ(徴候、AE)を記録する。5日目に、一般的な身体検査および臨床検査室での調査(全血球計算、化学プロファイルおよび尿検査)からなる最終検査を行う。
【0230】
薬物動態学的サンプリング
テストステロンレベルの分析のための血液試料を、静脈カニューレを用いて4mlの標準凝固チューブに回収する。凝固させるために、30〜45分間チューブを放置する。1時間以内に、試料を4℃で10分間、2000gで遠心分離する。その後、血清を、それぞれ1mlの2つのアリコートに直接移し、−40℃で凍結させる。
【0231】
安全性
血液学用の血液試料を4mlのEDTAチューブに収集し、日常分析のためにライデン大学医療センター(LUMC)の血液学研究室に送る。血液化学用の血液試料を4mlのヘパリンチューブに収集し、日常分析のために臨床化学検査室に送る。
【0232】
薬物濃度測定
PK分析用の凍結血清試料を−40℃の冷凍庫で保存し、試験終了時に、ドライアイス上で検査室に送る。試料を、テストステロンレベルの測定のために有効なLC−MS法を用いて分析する。この方法を用いて、互いに内因性および外因性のテストステロンを識別することは不可能である。
【0233】
品質保証
本試験を、関係するCHDR標準操作手順およびCHDRのQA手順を順守して実施する。
【0234】
薬物動態パラメータの算出
有効なLC−MS/MS法を用いて、血清テストステロンを測定する。両期間を完了した試験参加者の全ての試料を分析する。
【0235】
必要とされる試料再分析を行う。
・Cmin、Cmax、およびtmaxの実測値。値を、治療対象のテストステロン投与時間に対して決定する。
・濃度曲線下の面積(AUC)を、台形公式を用いて0〜12時間の時間間隔で推定する。
・有意性を、t−検定を用いて評価する。必要に応じて、PKパラメータの追加の予備解析を行うことができる。
【0236】
予め充填したシリンジおよび複数回用量ディスペンサーの相対的な薬物動態プロファイルを、内因性血清テストステロン濃度に対して補正したAUC0−12hおよびCmax0−12hを用いて決定する。生物学的同等性については、予め充填したシリンジに対する該ディスペンサーの、AUC0−12hおよびCmax0−12hの対数変換データを用いた相対平均値を、内因性の血清テストステロン濃度に対して補正し、80%〜125%の間であると決定する。
【0237】
安全性パラメータの解析
5日目の完了時の試験結果をスクリーニング結果と比較し、以下の臨床的に有意な変化が認められた:
1.バイタルサインおよび有害事象:血圧、体温、呼吸数、心拍数
2.耳鼻咽喉科検査(鼻の耐容性データはまとめの表にある)
3.全血球計算:白血球数、ヘモグロビンおよびヘマトクリット
4.臨床化学プロファイル:ナトリウム、カリウム、塩化物、ブドウ糖、尿素、クレアチニン、カルシウム、リン、尿酸、総ビリルビン、アルブミン、AST、ALT、ALP、GGT、CKおよびコレステロール
5.尿検査
【0238】
試料サイズの決定
これは、健常男性被験者における2つの異なるディスペンサーからのTBS−1の投与後に、テストステロン薬物動態プロファイルを比較する目的の比較的小規模の第I相PK試験であるので、真の試料サイズの計算は行わない。
【0239】
被験者
26人の被験者が参加
・2人の被験者が、計画の問題によりスクリーニングされなかった
・1人の被験者が、一般開業医を有していないためにスクリーニングされなかった
23人の被験者がスクリーニングされ、
・ENT異常により3人がスクリーニングで失格となった
・1人がB型肝炎テストの陽性によりスクリーニングで失格となった
・1人がC型肝炎テストの陽性によりスクリーニングで失格となった
18人の被験者がスクリーニングに合格
・12人の被験者が無作為化され、本試験を完了
・1人の被験者が、合併症によりベースライン訪問前にキャンセル
・5人の被験者が保留になったが、必要とされなかった。
無作為化後に離脱した被験者はいない。
【0240】
有効性評価
収集したデータを分析に用いる。これにより、それぞれ12時間の3つのPK曲線が得られ、1つは無治療のもの(ベースライン)、および該複数回用量ディスペンサーまたはシリンジを用いたTBS−1の投与後のものが1つずつ得られる。
【0241】
人口統計学的特性
被験者の人口統計学データを、以下の表4にまとめる。
【0242】
【表22】
[この文献は図面を表示できません]
【0243】
治療コンプライアンスの測定
鼻用ゲルを被験者が自己投与する。全ての投与が成功している。
【0244】
個々の患者データの有効性結果および作表
図14は、T=0が21時の時刻で生じた時の、機会当たり(薬なしのベースライン、複数回用量ディスペンサーを用いるTBS−1およびシリンジを用いるTBS−1)の個々の血清テストステロンレベルを示す。図14は、治療によって群別された時間に対する個々のテストステロン濃度およびテストステロン濃度の中央値を示す。
【0245】
全ての被験者は、テストステロンレベルが正常範囲内である(24時間のCAVG≧300ng/dLおよび≦1050ng/dL)。ベースライン曲線は、若い健康な集団において早朝に最高レベルに達することが期待されるテストステロンレベルにおいて遅い概日変動を明確に示している。
【0246】
投与されるTBS−1の用量および体積は、投与の両方の形態について全く同じであるが、図14および図15のグラフは、薬物動態プロファイルに違いがあることを示唆する。
【0247】
薬物動態パラメータ
以下の機会ごとに主要な薬物動態パラメータを計算する。:
・AUC0−12:21時〜9時までのそれぞれの機会についての血清中濃度−時間曲線下面積(ng・hr/dL)を、線形台形法を用いて計算する。
・CAVG:21時〜9時までのそれぞれの機会の平均濃度(ng/dL)を、AUC_0−12/12として計算する。
・Cmax:それぞれの機会に観察される最大濃度(ng/dL)
・Cmin:それぞれの機会に観察される最低濃度(ng/dL)
・tmax:Cmaxが観察される時間(時)
【0248】
以下の表5〜表7に、治療が実施されていないベースライン訪問中の内因性テストステロン、複数回用量ディスペンサーを用いて投与した時のTBS−1、およびシリンジを用いて投与した時のTBS−1の主な薬物動態パラメータをまとめる。
【0249】
テストステロン、ベースライン、無治療
【0250】
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
テストステロン、TBS−1の複数回用量ディスペンサー
【0252】
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
テストステロン、TBS−1のシリンジ
【0254】
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0255】
個々の主要な薬物動態パラメータのリストを表7Aに含める。
【0256】
【表26】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
総テストステロン暴露は、血清中濃度−時間曲線下の平均面積(ng・hr/dLでのAUC0−12)によって推定され、該ディスペンサーまたはシリンジを用いたTBS−1投与後にのみ内因性レベルよりも高い(4911ngh/dLに対して、それぞれ7484および7266)。投与法間での平均AUC0−12の差異は小さい。この差異の有意性を以下で調査する。
【0258】
意外なことに、平均Cmaxは、シリンジを用いた時よりも、該ディスペンサーを用いた投与後に高い(それぞれ1028対778.8ng/dL)。Tmaxは、シリンジを用いた投与後よりも該ディスペンサーを用いた投与後により早く生じる(それぞれ2.75対5.6時間)。したがって、シリンジを用いた場合よりも、複数回用量ディスペンサーを用いた投与後に、血清テストステロンは速く吸収されるように思われる。これらの差の有意性を以下で調査する。
【0259】
2人の被験者が、該ディスペンサーを用いた投与後10時間および12時間にのみテストステロンのtmaxに達する。3人の被験者において、tmaxは、シリンジを用いた投与後10時間および12時間であり、他の2人においては、tmaxは5時間および6時間である。ほとんどの場合、内因性テストステロンのピークの変動は、外因性のテストステロン投与によって引き起こされるレベルを超える。したがって、計算される平均tmaxは、外因性投与によって引き起こされるピークが内因性のピークを超えるほど十分高い用量でテストステロンが投与される時により速くなり得る。
【0260】
導き出される薬物動態パラメータ
以下の導き出される薬物動態パラメータを、それぞれの機会の結果と合わせて計算する。
・AUC0−12_薬物:治療(シリンジまたはディスペンサー)後のAUC0−12と無治療(ベースライン時)のAUC0−12との間の差異
・Cmax_薬物:治療(シリンジまたはディスペンサー)後のCmaxと無治療(ベースライン時)のtmaxで観察される濃度との間の差異
・AUC0−12_薬物の比:ディスペンサーを用いた時のAUC0−12_薬物とシリンジを用いた時のAUC0−12_薬物との間の比(%)
・Cmax_薬物の比:ディスペンサーを用いた時のCmax_薬物とシリンジを用いた時のCmax_薬物との間の比(%)
・AUC0−12_薬物の比の対数の平均値および不確かさ(95%、90%および80%の信頼区間)
・Cmax_薬物の比の対数の平均値および不確かさ(95%、90%および80%の信頼区間)
【0261】
TBS−1を用いた時の、ベースラインを差し引いたテストステロンレベル
以下の表8および表9は、テストステロンのベースラインレベルを差し引いた後の異なるTBS−1送達法についてのAUCおよびCmaxを示す。
【0262】
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
【表28】
[この文献は図面を表示できません]
【0264】
TBS−1のシリンジに対するディスペンサーのテストステロンレベルの比
以下の表10は、ベースラインのテストステロンレベルを差し引いた後の、該ディスペンサーまたはシリンジを用いて達する血清テストステロンレベルの比を示す。投与形態間のCmaxに明らかな差異がある(シリンジのCmaxに対するディスペンサーのCmaxの平均の比は2.057である)が、AUCは同程度である(シリンジのAUCに対するディスペンサーのAUCの平均の比は1.12である)。
【0265】
【表29】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
以下の表11は、95%、90%および80%の信頼区間で、ベースラインのテストステロンレベルを差し引いた後の、シリンジで投与した時に達する血清テストステロンレベルに対する、複数回用量ディスペンサーで投与した時に達する血清テストステロンレベルの比の対数を示す。
【0267】
図16に示すとおり、シリンジを用いて達するレベルに対して、複数回用量ディスペンサーを用いて達するテストステロンレベルの対数比の確立密度をプロットした時に、95%信頼区間内に、AUC0−12またはCmaxのいずれかについての有意差は示されない。Cmaxの差異に傾向がある。しかし、本試験は2つの片側検定に対する力がないので、このデータは、90%の信頼区間で、AUC0−12またはCmaxのいずれかの生物学的同等性を裏付けない。
【0268】
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
離脱または欠損データの取扱い
本試験を離脱した被験者はいない。盲検データのレビューは、任意のデータポイントの除去には至らなかった。
【0270】
暴露の程度
薬物動態の結果は、テストステロンへの曝露が、TBS−1投与後の非常に短期間にのみ正常範囲の上限レベルよりも高いことを示す。
【0271】
有害事象(AE)
治療は、耐容性が良好である。合計12個の有害事象報告がある。3つの事象は、治験薬の初回投与前に発症していたので、無関係である。喉の痛みなどの軽度の苦情の4つの報告は、苦情の性質および投与後の時間経過を考慮して試験薬によって引き起こされる可能性は低いと考えられる。治験薬に関連する可能性の低い胃腸の苦情により、1人の被験者が1つの機会を変更するが、症状の発症は、治験薬投与後の日である。症状は、無治療で回復する。
【0272】
悪臭および味についての報告は、明らかに薬の投与に関連すると考えられる最適な苦情である。これらの苦情は強度が軽度であり、病状よりもむしろ製品の特性と考えることができた。悪臭および味の苦情は、試験薬の中止に至らず、反復投与で減少する。
【0273】
有害事象の表示
有害事象のリストを表12に示す。
【0274】
【表31】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
有害事象の分析
全ての有害事象は軽度とみなされ、一時的なものである。鼻の耐容性は良好である。悪臭または味の最初の苦情は、本試験の中止には至らなかった。
【0276】
死亡、他の重篤な有害事象、および他の重要な有害事象
死亡、重篤な有害事象または他の重要な有害事象はない。
【0277】
各実験パラメータの評価
治験責任医師の意見では臨床的に有意とみなされる、血液学、血液化学または尿検査所における異常な所見は無い。
【0278】
バイタルサイン、身体所見および安全性に関連する他の観察
治験責任医師の意見では臨床的に有意とみなされるバイタルサイン、身体検査または他の観察における異常な所見はない。
【0279】
安全性の結論
治療は耐容性が良好であり、鼻の耐性は良好である。全ての有害事象は軽度とみなされ、一時的なものである。悪臭または味の最初の苦情によって、試験が中止になることは無かった。
【0280】
考察および全体の結論
本試験は、複数回用量ディスペンサーを用いて投与されるTBS−1テストステロン鼻用ゲルの薬物動態プロファイルを、シリンジを用いたTBS−1送達のプロファイルと比較する。反復投与によって引き起こされる持ち越し効果を回避するために、投与の順序を無作為化する。最初の投与に先立ち、被験者は、ベースラインテストステロンプロファイルを決定するための血液採取のために入院する。
【0281】
18〜28歳の12人の被験者の全員が、本試験を完了している。スクリーニングでは評価されていないが、全ての被験者のベースラインテストステロンレベルは正常範囲内である。治療は、耐容性が良好であり、報告された全ての有害事象は一時的であり、軽度とみなされる。悪臭または味の苦情は報告されるが、これによる中止に至ることはなく、反復投与により減少した。
【0282】
予想どおり、該ディスペンサーまたはシリンジを用いたTBS−1投与後の(血清中濃度−時間曲線下の平均面積(AUC0−12)によって推定される)テストステロンへの総暴露は、内因性レベルを超える。2つの投与形態間の平均AUC0−12の差異は小さい。
【0283】
意外なことに、平均Cmaxは、シリンジを用いて投与した時よりも該ディスペンサーを用いて投与した後のほうが非常に高い。Tmaxも、シリンジを使用した後よりも該ディスペンサーを用いて投与した後のほうが早い。したがって、テストステロン吸収は、シリンジを用いた場合よりも複数回用量ディスペンサーを用いた場合に早くなるように思われるが、全吸収量は類似している。
【0284】
2人の被験者が、該ディスペンサーを用いた投与後10時間および12時間にのみテストステロンのtmaxに達する。3人の被験者において、tmaxは、シリンジを用いた投与後10時間および12時間であり、他の2人においては、tmaxは5時間および6時間である。ほとんどの場合、内因性テストステロンのピークの変動は、外因性のテストステロン投与によって引き起こされるレベルを超える。したがって、計算される平均tmaxは、外因性投与によって引き起こされるピークが内因性のピークを超えるほど十分高い用量でテストステロンが投与される時により速くなり得る。
【0285】
シリンジを用いて達するレベルに対して、複数回用量ディスペンサーを用いて達するテストステロンレベルの対数比の確立密度をプロットした時に、95%信頼区間内に、AUC0−12またはCmaxのいずれかについての有意差は示されない。Cmaxについての差異に傾向がある。しかし、このデータは、90%の信頼区間レベルで、AUC0−12またはCmaxのいずれかの生物学的同等性を裏付けない。この試験結果は、送達チップの理想的な位置決めが、シリンジよりも複数回用量装置を用いた場合に見つけやすいという事実によるものであり得る。
【0286】
この実施例6にしたがって、図22および図23も参照されたい。
【0287】
以下の表13に示す製剤は、実施例5〜7ならびに図22および図23で用いられる。
【0288】
【表32】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0289】
実施例7
鼻腔内テストステロンゲル、TBS−1およびTBS−IAは、性腺機能低下症の治療のためのホルモン補充療法として開発された。TBS−1/TBS−1Aゲルは、性腺機能低下症の治療のための既存の治療法を超える有意な安全性および有効性を提供すると考えられる。
【0290】
TBS−1/TBS−1Aは、経鼻投与用のテストステロンの革新的な生薬製剤である。TBS−1/TBS−1Aの鼻用ゲルの利点には、他のテストステロン補充療法と比較して有効成分の量が減少していること、および他の家族への移動がないことが含まれる。
【0291】
このテストステロン経鼻投与用ゲルは、(男性における性腺機能低下症の治療用の)NasobolまたはTBS−1と呼ばれる。
【0292】
治験薬のTBS−1およびTBS−1Aは、テストステロンの経鼻投与用製剤である。
【0293】
テストステロンの化学組成は、288.42の分子量を有するC1928である。テストステロンは、アンドロゲンの薬理学的クラスに属する。
【0294】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0295】
【表33】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
【表34】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
テストステロン原薬の規格を表2.1.S.4.1−1に示す。
【0298】
表2.1.S.4.1−1:テストステロンの規格
【表35】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
テストステロンの容器施栓系(USP)
テストステロンを、ポリエチレン袋中に調剤する;次いで、それぞれのポリエチレン袋を密封し、ポリエチレン−アルミニウム薄層袋に入れる。ポリエチレン−アルミニウム薄層袋をプラスチック容器に入れ、不正開封防止金属シールで密閉されているファイバードラム内で出荷される。
【0300】
テストステロン(USP)の安定性
テストステロン(USP)は、5年の再試験期間を有する。
【0301】
医薬品(TBS−1、ゲル)
TBS−1ゲルは、鼻腔内投与用に意図された可溶化テストステロンを含む粘性かつ揺変性の油性製剤である。この医薬品は、公定非活性成分であるヒマシ油、オレオイルポリオキシグリセリド(oleoyl polyoxylglyceride)、およびコロイド状二酸化ケイ素で製剤化される。
【0302】
組成
この臨床試験で投与される医薬品の組成物を、表2.1.P.1−1に提供する。
【0303】
【表36】
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
TBS−1ゲルを、単位用量ポリプロピレンシリンジに供給する。各投与量の2つのシリンジを、1つの保護アルミホイル袋に詰める。
【0305】
TBS−1/TBS−1Aゲルに用いられるテストステロンは、白色もしくは若干クリームのような白色の結晶または結晶性粉末に見える。これは、メタノールおよびエタノールに溶けやすく、アセトンおよびイソプロパノールに可溶であり、かつn−ヘプタンに不溶である。これは、水にも不溶であるとみなされ得(S20℃=2.41×10−2g/L±0.04×10−2g/L)、そのn−オクタノール/水分配係数(HPLCによって決定されるlog
Pow)は2.84である。油中のテストステロンの溶解度は、イソプロピルミリステートに0.8%、ピーナッツ油に0.5%、大豆油に0.6%、コーン油に0.5%、綿実油に0.7%およびヒマシ油に最大4%であると決定する。
【0306】
テストステロンは、この製剤に完全に溶解するので、原薬の物理的特性は、製剤TBS−1/TBS−1Aゲルの性能に影響を与えない。しかし、TBS−l/TBS−1Aゲルの製造可能性は、テストステロンの粒径によって影響される。25ミクロン以下が50%、50ミクロン以下が90%である粒径を用いる場合に、マトリックス中の原薬の溶解度は特に良好である。
【0307】
テストステロンの分子構造は、生理的なpH範囲でプロトン化または脱プロトン化され得る官能基を含まない。したがって、テストステロンは、1〜14の範囲のpKa値をもたない中性分子と考えられるべきである。これは中性なので、テストステロンは、賦形剤と適合性がある。
【0308】
TBS−1/TBS−1A製剤の製剤化に用いられる賦形剤は、半固体の投薬形態で用いられる非活性成分である。(特定のモノグラフに従属するジメチルイソソルビドを除く)成分は、NFおよび/または欧州薬局方でモノグラフ化されており、全ては、FDAが発行した承認製剤の「不活性成分」リストに記載されている。
【0309】
ヒマシ油(欧州薬局方/USP)
TBS−1/TBS−1Aゲル中の主な賦形剤は、合計が製剤の約50〜65%に達するヒマシ油であり、テストステロンの溶媒として役立つ。製剤性能に影響を与え得る油の特性は、原薬を可溶化する能力、必要とされるゲル化剤の量に影響する粘性、患者のコンプライアンスに影響を与える可能性がある臭気/味、および皮膚炎の可能性に影響を及ぼす酸/水酸基/ヨウ素/鹸化の値である。原薬。テストステロンの溶解度は、経鼻投与に適した他の溶媒と比較してヒマシ油で最も高く、ヒマシ油は、粘膜を刺激しない。
【0310】
経鼻送達には、少量を投与する。経鼻投与用のテストステロンの半固体剤形は、鼻孔につき100μL当たり2.5〜5mgの用量の有効成分を必要とする。テストステロンの水溶液は、100μL当たり0.002mgのみを含み得るが、対照的に、ヒマシ油溶液は、100μL当たり最高で約4.5mgを含み得る。
【0311】
オレオイルポリオキシグリセリド(NF)
オレオイルポリオキシグリセリドは、ラブラフィルM1944CS、杏仁油PEG−6エステル、ペグリコール−5−オレイン酸、グリセリドおよびポリエチレンエステルの混合物とも呼ばれる。TBS−1ゲルのための溶媒として用いられるヒマシ油は、不揮発性油である。そのような油は、不揮発性であるかまたは拡散する利点を有する(精油または流動パラフィンとは対照的である)が、疎水性という欠点を有する。鼻粘膜は、水を95〜97%含んでいる。オレオイルポリオキシグリセリドを含まない場合、有効成分を含むヒマシ油は、粘膜上に相互作用しない層を形成する。ヒマシ油層と粘膜との間の適切な接触を達成するために、親水性オレオイルポリオキシグリセリドをこの製剤に添加し、ヒマシ油と粘液との間にエマルジョンを形成する。オレオイルポリオキシグリセリドは、ヒマシ油中のテストステロンの溶解性をわずかに減少させるという些細な欠点を有する。
【0312】
オレオイルポリオキシグリセリドは、投与に応じて、約3〜20重量%の範囲の濃度の半固体で使用される。TBS−1ゲル中のオレオイルポリオキシグリセリドの量は、粘膜との担体油の良好な接触を可能にするほど十分に高く、この担体油に組み込むことができるテストステロン量への影響を最小限に抑えるほど十分に低い。TBS−1ゲル中のオレオイルポリオキシグリセリドの好ましい濃度は、製剤の4%であることが判明している。
【0313】
オレオイルポリオキシグリセリドは、良好な粘膜耐容性を示し、承認された鼻および膣用の製剤中の賦形剤として使用される。この油は、オリーブ油、ピーナッツ油、ユーカリプトール、ニアウリ油などの他の賦形剤と共に鼻用スプレー/点鼻液に用いられ、かつ鉱油およびtefose 63(PEG−6−32 ステアレートおよびグリコールステアレート)と共に膣クリームに用いられる。
【0314】
ジエチレングリコールエチルエーテル(トランスクトール P)(欧州薬局方/NF)
油性TBS−1Aゲルのテストステロン溶解度は約4.5%に制限される。鼻腔へのゲルの推奨量は、好ましくは約150μLを超えるべきではないので、送達されるゲルの量を減少させるために、テストステロンの溶解度をより高いレベルまで増加させることが必要である。
【0315】
1つの可能性は、TBS−1A製剤への界面活性剤の添加であるが、文献では、粘膜上の高レベルの界面活性剤による耐容性の問題が報告されている。
【0316】
単独のジエチレングリコールエチルエーテルは、10%を超えるテストステロンを溶解することができ、ゲル中のテストステロンの全体的な溶解度を高めるためにDMIと共に使用される。ジエチレングリコールエチルエーテルは、欧州、米国、カナダおよび他のいくつかの国で承認された多くの皮膚製剤に使用されている。
【0317】
ジメチルイソソルビド(DMI)
非常に洗練されたアラソルブ(Arlasolve)とも呼ばれるジメチルイソソルビド(DMI)は、スーパー溶媒でもあり、12%を超えるテストステロンを溶解することができる。他の賦形剤と組み合わせて使用することで、DMIは、ゲル中のテストステロンレベルを少なくとも約8.0%まで可能にする。
【0318】
DMIの安全性プロファイルは、例えば、オーストラリアの保健省によって公表されている:http://www.nicnas.gov.au/search/cache.cgi?collection=nicnas−web&doc=http/www.nicnas.gov.au/publications/car/new/std/stdfullr/std1000fr/std1052fr.pdf.Pan.txt。
【0319】
ポビドン(欧州薬局方/USP)
ポビドン(コリドンKまたはプラスドンK)は、様々な医薬品の剤形で何十年も用いられているビニルポリマーである。結合剤としてのポビドンの機能は、スプレー中の膜形成剤および飽和溶液中の結晶成長の阻害剤としても使用される。ポビドンは、TBS−1A混合物にのみ部分的に可溶性であり、その量は限られている。
【0320】
コポビドン(欧州薬局方/USP)
コリドンVA
64またはプラスドンS 630として知られるコポビドンは、酢酸ビニルとピロリドンのコポリマーである。コポビドンは、それが多数の経口製剤中の結合剤として使用されているだけでなく、ドイツで承認された局所製剤(皮膚用エリスロマイシンまたは膣用クロトリマゾール)、ならびに英国で承認された抗アクネクリーム)中にも見られ得るという点でポビドンと機能的に類似している。
【0321】
コポビドンは、TBS−1A混合物中のポビドンよりも多少か可溶性があり、結晶成長におけるその活性は、ポビドンとは異なりポビドンよりもやや低い。コポビドンは、ゲルの粘度を増大させるのに役立つ。
【0322】
コロイド状二酸化ケイ素(NF)
TBS−1/TBS−1Aゲル中の油は、ゲル形成剤であるコロイド状二酸化ケイ素と共に濃くなる。この化合物は、オレオゲル(oleogels)を肥厚するために一般的に用いられている。
【0323】
TBS−1/TBS−1Aゲルに意図される剤形は半固体であり、液体ではない。製剤は、コロイド状二酸化ケイ素により厚くなり、固形脂肪の代わりに、コロイド状二酸化ケイ素により得られる粘性は温度に非常に依存しているが、SiOにより得られる粘性は温度と共に安定している。さらに、コロイド状二酸化ケイ素は、ゲルの揺変性に寄与し、鼻孔への薬物送達を単純化する。
【0324】
コロイド状二酸化ケイ素は、一般的に、坐剤などの粘膜投与における賦形剤として耐容性が良好である不活性材料である。コロイド状二酸化ケイ素は、典型的には、約0.5〜10%の範囲の濃度でこれらの製剤に使用される。TBS−1/TBS−1Aゲル中のコロイド状二酸化ケイ素の濃度は、ゲル形成を達成するのに十分に高いが、担体油へのテストステロンの組み込みへの影響を最小限に抑えるレベルである。
【0325】
ヒドロキシプロピルセルロース(ヒプロロース(Hyprolose))(欧州薬局方/USP)
ヒドロキシプロピルセルロース(クルーセル(Klucel)またはNisso HPC)は、医薬品における粘剤として用いられるセルロース誘導体である。ヒプロロースは、動物における経鼻経路を介した親水性薬物の吸収を改善し、延長させることができるものとして文献に引用されている(ドーパミン)。
【0326】
他のセルロース誘導体とは異なり、ヒプロロースは、多くの有機溶媒または半親水性油にも可溶性があるので、TBS−1Aにおける第2の増粘剤として用いることができる。DMIおよびトランスクトールは、これらの両親媒性溶媒が、シリカと油との間の水素結合を減少させると考えられているように、二酸化ケイ素のゲル化効率を低下させるので、ヒプロロースをTBS−1Aに添加する。
【0327】
医薬品(TBS−1、ゲル)
治験薬製品であるTBS1およびTBS−1Aゲルは、4.0%w/wのTBS−1ゲル125μl(5.0mg)の送達と、4.0%w/wのTBS−1Aゲル125μl(5.0mg)および8.0%w/wのTBS−1Aゲル62.5μl(5.0mg)の送達を比較する第I相臨床試験に提案されている鼻腔ゲル中のテストステロン製剤である。
【0328】
経鼻送達の課題としては、以下が挙げられる。
(1)肺内投与よりも粒子を大きくする必要がある(すなわち、10μmを超える粒子のみが、気道への進入を避けるのに十分重い)
(2)投与できる量が少ないため、濃度を上げる必要がある点
(3)沈着部位からの治療剤の急速なクリアランスにより、吸収に利用可能な時間が短くなる
(4)局所的な組織炎症の可能性
(5)薬物送達プロファイルを変更するために制限される製剤の取扱の可能性
【0329】
複数の文献の報告が、経鼻薬物送達の限界を克服するための様々な戦略を要約しているが、多くの場合、問題の分子の物理化学的特性および/または薬物動態学的特性によりそれらの戦略を採用することは不可能である。
【0330】
初回通過代謝、バイオフィードバックおよび個体間変動により、内分泌物の投薬は多少困難になり得る。男性における自然なテストステロン分泌は、一日当たり5〜10mgである。性腺機能低下症の治療については、テストステロンの経口投与量は、一日当たり300〜400mgであり、テストステロンの経皮投与量は、24.3mg(パッチによる)かまたは50〜150mg(ゲルによる)であり、頬側投与量は60mgである。
【0331】
TBS−1/TBS−1Aについては、現在承認されているテストステロン含有投与形態による投与よりもはるかに低い用量当たりのテストステロン量が選択される。初期用量は、経鼻送達用にも製剤化されている他の経口投与薬物に使用される投与量を考慮して選択される。各鼻孔に140μL中約5.6mgのテストステロンを送達する4%テストステロン含有製剤を評価する。この4%製剤および4.5%テストステロン含有製剤を、さらに、表2.1.P.2.2.1−1に示した投与計画によって第II相臨床試験で用いる。
【0332】
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0333】
提案される臨床試験は、アルミホイルで密封されたHDPEシリンジに包装された4.0%w/wのTBS−1ゲル125μl(5.0mg)を、4.0%w/wのTBS−1Aゲル125μl(5.0mg)および8.0%w/wのTBS−1Aゲル62.5μl(5.0mg)と比較する。
【0334】
水性ベースの製剤(製剤1)
テストステロンの経鼻送達用製剤を開発するための第1のアプローチは、純粋な水性ベースの製品を作製することである。最初に開発されたテストステロンの微結晶懸濁液の製剤(「製剤1」とも言う)を、表2.1.P.2.2.1−2に記載する。
【0335】
【表38】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
製剤1を、防腐剤が入っていないテストステロンの鼻への投与を可能にした装置に充填する。この装置の各作動により、鼻アクチュエータからテストステロンが5.6mg送達された。製剤1を使用して、概念実証試験を、性腺機能低下症の男性において行う。この試験は、5人の被験者における非盲検、複数回用量、平衡化、用量範囲の試験である。
【0337】
概して、24時間にわたって正規化されたテストステロンレベルを維持するために、許容できないであろう製剤1を使用して、最大6回の経鼻投与が必要であると結論づけられる。したがって、この製品を再製剤化することを決める。高い膜透過性および血漿からのテストステロンの短い排出半減期が、特有の課題をもたらした。この課題を克服するために、非水性ベースの製剤を探求する。
【0338】
油性製剤(製剤2A−D)=TBS−1
純粋な油性テストステロン製剤を開発する。概念実証試験で製剤1を用いて評価された鼻孔当たり5.6mgの用量が、比較的高いCmax値を与える。したがって、この油性製剤からのより低いCmaxを達成するために、この油性製剤のテストステロン量を低下させる。
【0339】
この製剤を、個々の容器に充填する。最初の試験研究室規模のバッチ(バッチ番号100304)をガラスバイアルに充填する。予備バッチの製造後、非臨床バッチ、安定バッチおよび臨床バッチを、ブローフィルシール技術を用いてLDPE包装に包装する。この試験用の臨床製品を、シリンジキャップ付きシリンジにパッケージ化する。
【0340】
製剤2A
製剤2Aのテストステロン量は3.5%を目標にする。正確な製剤化を、表2.1.P.2.2.1−3に記載する。製剤2Aを、1回のインビトロおよび2回のインビボの予備的安全性試験で用いる。
【0341】
製剤2B
製剤2Bのテストステロン量を、ヒマシ油の量の調整と共に、3.5%から3.2%に減らす。正確な処方を表2.1.P.2.2.1−3に記載する。製剤2Bを、動物における3ヶ月の安定性試験およびヨーロッパでの2つの臨床試験(すなわち、第I相の24時間の動態試験および第II相の用量範囲試験)で用いる。
【0342】
製剤2C
製剤2Cのテストステロン量を、ヒマシ油の量の調整と共に、3.5%から4.0%に増加する。正確な処方を表2.1.P.2.2.1−3に記載する。製剤2Cを、第II相臨床試験で用いる。
【0343】
製剤2D
製剤2Dのテストステロン量を、ヒマシ油の量の調整と共に、3.5%から4.5%に増加する。正確な処方を表2.1.P.2.2.1−3に記載する。製剤2Dを、第II相臨床試験で用いる。
【0344】
【表39】
[この文献は図面を表示できません]
【0345】
油性製剤(製剤3)=TBS−1A
鼻腔の推奨容量が150μLであるので、150μLを超える量のTBS−1の投与後のテストステロン吸収を示すヒトインビボデータは一定しない。油性TBS−1製剤は、現在、4.5%がその最高の溶解度であるので、5.5mg/投与を超える用量で使用することはできない。
【0346】
TBS−1製剤は、急速な最高最低間(peak to trough)プロファイルを示す。おそらくインビボでのテストステロン排出半減期を増加させ、したがって、最高最低間のプロファイルを最小化するために、少量のポリマーを添加した製品を再製剤化することを決める。テストステロンの溶解度およびゲル形成に基づく製剤を、表2.1.P.2.2.1−4に記載する。
【0347】
【表40】
[この文献は図面を表示できません]
【0348】
過多量(TBS−1、ゲル)
過多量は、この製剤に加えない。
【0349】
物理化学的特性および生物学的特性(TBS−1、ゲル)
この製剤の性能に関連するパラメータは粘度である。粘度は、それが、鼻粘膜と接触して、鼻腔内のゲルの維持を容易にするために重要である。
【0350】
製造プロセス開発(TBS−1、ゲル)
1つの予備バッチ(バッチ番号100304)、4つのパイロットスケールバッチ(バッチ番号ED187、ED188、ED189およびED014)ならびに3つの商業スケール(バッチ番号9256、0823および0743)のTBS−1バッチを生成した。
【0351】
概して、製造工程は簡単であり、複雑ではない。個々の成分を混合し、その後、この臨床試験のための臨床材料用シリンジに充填する。
【0352】
容器施栓系(TBS−1、ゲル)
TBS−1/TBS−1Aゲルを、単位用量ポリプロピレンシリンジに供給する。シリンジは、投与の容易さ、充填量を変えることによって複数回用量を与える能力、送達される用量の一貫性を可能にするので、TBS−1臨床試験用の臨床材料の一次包装として使用されている。シリンジ本体はポリプロピレンから成形され、プランジャーはポリエチレンから成形され、キャップはHDPEである。これらのシリンジは、低量で滅菌溶液および非滅菌溶液、液体ならびにゲルを送達するように設計され、製造されている。環境(すなわち、汚れ、光、湿度および酸素への曝露)からのさらなる保護のために、シリンジをホイルラミネート上包に包装する。
【0353】
シリンジおよびキャップは、臨床設定で使用するために設計されており、1993年6月14日に改正された欧州医療機器指令93/42/EECの要件を満たしている。この容器蓋は、臨床プログラムのこの部分でのみ使用するように意図されているので、シリンジおよびシリンジ部品についての追加的な試験は行わない。
【0354】
抽出可能量試験を、投薬後にシリンジに保持されるゲルの量を決定するために行った。シリンジ充填量に依存せず、ゲル23μgがシリンジに保持される。
【0355】
微生物特性(TBS−1、ゲル)
「人体用医薬品および生物学的製剤の容器施栓系」III F.2.(1999年5月)のガイダンスにしたがって、この製品を局所製剤として分類し、バッチリリースの安全上の理由で、鼻使用のための非滅菌剤形についての欧州薬局方5.1.4/2.6.12に関連したUSP<61>による微生物限度試験を、以下の基準を適用して行う:
TAMC(総好気性微生物数)<10CFU/g
TYMC(酵母およびカビの総数)<10CFU/g
緑膿菌 0/g
黄色ブドウ球菌 0/g
【0356】
適合性(TBS−1、ゲル)
この薬物は、希釈剤、別の製剤または投与装置を用いて投与しないので、適合性試験を行わなかった。
【0357】
製造1(TBS−1、ゲル)
バッチ処方(TBS−1、ゲル)
4.0%TBS−1のバルク完成品の1バッチを、提案した臨床試験用に製造した。このバッチ処方を表2.1.P.3.2−1に示す。
【0358】
【表41】
[この文献は図面を表示できません]
【0359】
製造工程および工程管理の説明(TBS−1、ゲル)
臨床試験材料を、図19に示すとおり、以下の工程に従って製造する。
【0360】
製造中の工程内管理の概要
工程内管理は、原薬および賦形剤の受入検査ならびにリリースから製剤の包装までの製品の全体の製造工程を含む。
【0361】
製造工程の説明
成分の混合−バルクゲル
プレミックスを、プロペラミキサーを用いて、ヒマシ油25.0kgと全量のテストステロンを5分間混合することによって調製する。
【0362】
残りのヒマシ油にプレミックスを添加し、完全にテストステロンを溶解させるために1分間混合することによって、混合物Iを調製する。製品温度を、全混合工程中50℃以下に維持する。
【0363】
オレオイルポリオキシグリセリドを50℃まで予め加熱し、混合物Iに添加する。製品温度を50℃以下に維持しながら、これを10分間混合する。これを、混合物IIとして識別する。
【0364】
混合物IIにコロイド状二酸化ケイ素を添加し、製品温度を50℃以下に維持しながら10分間混合することによって、混合物IIIを調製する。この工程後に目視検査を行い、テストステロンが全て溶解し、ゲルが均質であることを確かめる。溶液が透明であり、溶解していないテストステロンがない場合、冷却ステップおよび放電ステップを開始する。溶解していないテストステロンが残っている場合には、製品温度を50℃以下に維持しながら、ゲルをさらに10分間混合し、目視検査を繰り返す。
【0365】
混合が完了した時点で、ゲルを撹拌し、製品温度を30℃以下まで冷却する。次いで、この製品をステンレス製のドラムに排出し、バルクゲル試料を解析的分析のために取得する。
【0366】
充填および包装−臨床補給品
管理研究室によって最終的なゲル混合物がリリースされると、充填および包装のプロセスは、所定の量をシンリンジに充填し、続いてシリンジのキャップを付けることで実行される。2本のシリンジを、ホイルパウチに包装する。
【0367】
ピペットを用いて、無菌に保持されたタンクからゲルを取り出して、シリンジに充填する。シリンジに充填し、シリンジキャップを付けた後、ピペットの先を捨てる。各シリンジには、個々にラベルを付ける。
【0368】
ラベルを付けた後、2本のシリンジを予め形成したホイルパウチに包装して、該パウチを密封する。各パウチにラベルを付ける。
【0369】
リリース
パッケージ製品を隔離した所に保存して、最終製品を管理するために、サンプルを品質管理研究室に提出する。
最終製品の管理は、仕様の全てのパラメータを含む。全てのパラメータは、リリース仕様に適合する必要がある。品質管理をパスした後、最終製品TBS−1ゲルがリリースされる。
【0370】
仕様(TBS−1、ゲル)
TBS−1ゲル中の全ての賦形剤は、公定賦形剤である。全ての公定賦形剤は、対応する欧州薬局方/米国薬局方のモノグラフによって試験されている。
【表42】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
ヒト由来または動物由来の賦形剤(TBS−1、ゲル)
TBS−1ゲル中の賦形剤のいずれも、ヒト由来または動物由来ではない。
【0372】
仕様(TBS−1、ゲル)
バッチのリリースのためにTBS−1バルクゲルを以下の仕様で試験する。
【表43】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
TBS−1 RC4−17β−ヒドロキシアンドロスタ−4,6−ジエン−3−オン(Δ−6−テストステロン);欧州薬局方 不純物I
TBS−1 RC5−17α−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3−オン(エピテストステロン);欧州薬局方 不純物C
TBS−1ゲルを単回投与シリンジまたは複数回用量ディスペンサーに包装し、バッチリリース用の以下の仕様に対して試験する。
【表44】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
TBS−1 RC4−17β−ヒドロキシアンドロスタ−4,6−ジエン−3−オン(Δ−6−テストステロン);欧州薬局方 不純物I
TBS−1 RC5−17α−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3−オン(エピテストステロン); 欧州薬局方 不純物C
分析方法(TBS−1、ゲル)
製剤中のテストステロンの確定試験のために、2つ独立の方法、すなわちUV法とHPLC法を用いる。
【0375】
UV法
UVによる確認試験は、ダイオドアレイ検出器(DAD)を備えたHPLCを用いるアッセイ法で決定する。
【0376】
サンプル溶液のUVスペクトルが標準溶液のUVスペクトルに対応する場合、要件は満たされる。
【0377】
関連化合物−HPLCの決定
最終製品中の関連化合物不純物C/エピテストステロンおよび不純物I/Δ−6−テストステロン並びに未知の不純物を、HPLCによって分析する。
【表45】
[この文献は図面を表示できません]
アッセイの概要
【表46】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0378】
送達される投与量の均一性(欧州薬局方2.9.40)
本方法は、最終製品の送達される投与量の均一性を決定するための方法を説明する。送達される投与量の均一性を、欧州薬局方2.9.40によって行う。
【0379】
微生物限度(米国薬局方<61>および欧州薬局方2.6.12と2.6.13)
微生物限度試験を米国薬局方<61>および欧州薬局方2.6.12と2.6.13によって行う。
【0380】
バッチ分析(TBS−1、ゲル
TBS−1の予備バッチを1(バッチ番号100304)、パイロット規模バッチを4(バッチ番号ED187、ED188、ED189およびED014)および商業規模バッチを3(バッチ番号9256、0823および0743)生成した。TBS−1バッチの説明は、表2.1.P5.4−1と表2.1.P.5.4−2に示す。
【表47】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【表48】
[この文献は図面を表示できません]
バッチ0823、バルク4.0%テストステロンゲルをリリースし、単回投与シリンジに充填した(バッチ0942)。バルクゲルのリリースデータを表2.1.P.5.4−3に示し、最終製品(バッチ0942)のリリースデータを表2.1.P.5.4−4に示す。
【表49】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【表50】
[この文献は図面を表示できません]
【0381】
不純物の特性評価(TBS−1、ゲル
テストステロンCoAによって、TBS−1のテストステロン原薬中に存在し得ることが確認された、潜在的な不純物には、
アンドロステンジオン(欧州薬局方、不純物A)、アンドロステンジオン・メチルエノールエーテル(欧州薬局方、不純物J)、Δ−4−アンドロステンジオール(欧州薬局方、不純物D)、Δ−4−テストステロン(欧州薬局方、不純物I)およびエピテストステロン(欧州薬局方、不純物C、主要な不純物)の5種類がある。
【0382】
テストステロンの合成経路からの不純物で、その量は最終製品での保存中、変化しないはずであると考えられる
【0383】
初期の製品開発中、不純物A,D,IおよびCをアッセイする。不純物A(アンドロステンジオン)および不純物D(Δ−4−アンドロステンジオール)は、それぞれ出発物質および出発物質の誘導体であり、30ヵ月の期間およびそれに続く応力研究(光安定性および温度サイクル)にわたり安定した状態を保っているため、これらの不純物をバッチリリース試験から除外した。不純物J(アンドロステンジオン・メチルエノールエーテル、出発物質アンドロステンジオンの誘導体)は、最終製剤で試験せずに、むしろ製剤中の「非特定」不純物とともに含まれる。
【0384】
製造プロセスからの分解生成物または不純物を、「未確認不純物」として特定して、最終製品中NMT0.2%に限定する。
【0385】
外観
判定基準:わずかに黄色のゲル
【0386】
確認試験
最終製品中の有効成分についての適切な確認試験は、リリース時および保存有効期間中にそのHPLC保持時間によって、ならびにリリース時にUVによって行われる。
【0387】
関連化合物
判定基準:エピテストステロン(不純物C) ≦0.5%

Δ−6−テストステロン(不純物I) ≦0.2%
単一の不純物 ≦0.2%
総不純物 ≦1.0%
【0388】
理論的根拠:
テストステロンの最大一日量は、33mgである。
【0389】
ICH Q3B(R)により、以下の閾値が適用できる。
報告の必要な閾値は、0.1%である。
【0390】
構造決定の必要な閾値は、0.2%である。これはテストステロンの最大一日量の33mgに基づいて算出した一日摂取量2mgよりも低い。
安定性確認の必要な閾値は、0.5%である。これはテストステロンの最大一日量の33mgに基づいて算出した一日摂取量200μgよりも低い。
【0391】
不純物I(TBS−1関連化合物4)の限度は、0.2%であり、ICH Q3Bの安定性確認の必要な閾値よりも厳しい。不純物C(TBS−1関連化合物5)Iの限度は、0.5%であり、200μgの一日摂取量よりも低い。
【0392】
アッセイ
判定基準:95.0〜105.0%
【0393】
本アッセイの目的は、1適用当たりの意図された投与量に基づいて1グラム当たりのテストステロン含有量を確認し、決定することである。
リリース時のアッセイの範囲(表示量±5%)
【0394】
投与量の均一性
判定基準:欧州薬局方2.9.40による
【0395】
微生物限度
判定基準:欧州薬局方/米国薬局方による
微生物試験および判定基準を、ICHおよび欧州薬局方勧告5.1.4/2.6.12、2.6.13に基づいて、酵母とカビの総数、好気性微生物の総数、黄色ブドウ球菌(Straphylococcus aerus)および緑膿菌(Pseudonomas
aeruginosa)について確定した。
【0396】
参照標準または標準材料(TBS−1、ゲル
製剤の試験のために、出願人は全般に米国薬局方または欧州薬局方の参照標準を使用する/使用した。利用できる公的標準がない/なかった場合、対応する化合物は製造者によってまたは専門の研究所によって提供される/提供された。
表2.1.P.6.1に、使用した参照標準を記載する。
【表51】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
容器施栓系(TBS−1、ゲル
臨床補給品のための一次包装は、単回投与シリンジである。
【0398】
単回投与シリンジ
単回投与シリンジは、シリンジキャップで閉じたシリンジからなる。これらのシリンジのための二次包装は、適切にラベルを付けたアルミニウムホイルパウチで作られている。
【0399】
シリンジおよびシリンジキャップ
シリンジおよびシリンジキャップは、シリンジ本体とプランジャーの2つの部品からなる。本体は、ポリプロピレンから成型される。プランジャーは、ポリエチレンから成型される。
シリンジキャップは、HDPEから作製される。
【0400】
アルミニウムパウチ
さらなる保護要素のために、2本のシリンジをアルミニウムホイルパウチからなる二次包装に入れる。2本のシリンジをアルミニウムホイルパウチに包装して、各パウチを密封する。
このパウチは、柔軟で、a)ポリエステル12ミクロン、b)アルミニウム12ミクロンおよびc)ポリエチレン75ミクロンの3層のホイル積層からなる。ホイルパウチは、Floeter Flexibles GmbHで製造され、「CLIMAPAC II12−12−75」の商品名で供給されている。
【0401】
安定性(TBS−1、ゲル
TBS−1バッチの安定性の試験を行う。
【表52】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
全体的に見て、このセクションに示した安定性データは、制御された室温条件[すなわち、25℃(77F);温度逸脱15〜30℃(59〜86F)]で保存されるTBS−1の24ヵ月の「使用期限」を裏付けると結論する。また、このデータが示すのは、製剤のための特別な保存条件は必要とされないことである。包装構成は、製剤を光から保護するのに十分であり、および製剤は、温度サイクルストレスに曝露された後、物理的に分解または変化しない。
【0403】
臨床補給品は、制御された室温条件[すなわち、25℃(77F);温度逸脱15〜30℃(59〜89F)]で保存される場合、臨床試験および利用できるデータの継続期間を反映させるために、1年間の再試験期間が適用される。
【0404】
安定性データ[TBS−1、ゲル
本セクションでは、商業規模バルクのバッチ9256、0743および0823、ならびに最終製品ロット9445、9446、9447および0943についての安定性データの表を提示する。
【0405】
6ヵ月のリアルタイム安定性プログラムを、商業規模バルク(バッチ9256)で行う。36ヵ月のリアルタイムおよび6ヵ月の加速安定性プログラムを、1mLシリンジに包装したバッチ9256を異なる3つの投与量、すなわちバッチ9445を4.0mg(3.2%ゲル)、バッチ9446を5.5mg(3.2%ゲル)、バッチ9447を7.0mg(3.2%)ゲルで進行させる。
【0406】
6ヵ月のリアルタイム安定性プログラムは、4.5%ゲルおよび4.0%ゲルで進行中である。36ヵ月のリアルタイムおよび6ヵ月の加速安定性プログラムはバッチ0943(1mLシリンジに充填したバルクバッチ0743)で進行中である。
【0407】
【表53】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0408】
【表54】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0409】
【表55】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
【表56】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
【表57】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0412】
【表58】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0413】
【表59】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0414】
【表60】
[この文献は図面を表示できません]
【0415】
【表61】
[この文献は図面を表示できません]
【0416】
【表62】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
【表63】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
【表64】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0419】
医薬品(TBS−1A、ゲル)
TBS−1Aゲルは、鼻腔内適用を目的とする可溶化テストステロンを含有する、粘着性のあるチキソトロピックな油性製剤である。この製剤は、ヒマシ油、ジメチルイソソルビド、ジエチレングリコールエチルエーテル、コロイド状二酸化ケイ素、ポビドン、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロースで処方する。
【0420】
本臨床試験では、TBS−1Aゲルを4%w/wと8%w/wの2つの異なる投与量で投与する。投与後シリンジ内に残存するゲル分として、各シリンジに過多量を加える。シリンジ内のゲルの量に関係なく、この過多量は23μLで一定である。
【0421】
組成物
本臨床試験で投与される製剤の組成物を、表2.1.P.1−1〜2.1.P.1.1−3に示す。
【0422】
【表65】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0423】
【表66】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
【表67】
[この文献は図面を表示できません]
【0425】
容器
TBS−1Aゲルは、単位投与のポリプロピレンシリンジで供給される。各用量の2本のノシリンジを保護アルミニウムホイルパウチに包装する。
【0426】
医薬品(TBS−1A、ゲル
製造工程の開発(TBS−A、ゲル)
4%TBS−1A(バッチ番号IMP11001)、4%(代替物)TBS−1A(バッチ番号IMP11002)および8%TBS−1A(バッチ番号IMP11003)の1バッチを製造した。
【0427】
全体的に見て、製造プロセスは、容易であり、かつ複雑ではない。個々の構成成分を混合し、次いで、本臨床試験のための臨床材料用のシリンジに充填する。
【0428】
バッチ処方(TBS-1A、ゲル
バルク最終製品、4%、4%(代替物)および8%のTBS−1Aの1バッチを臨床試験案のために製造する。このバッチ処方を表2.1.P.3.2−1に示す。
【0429】
【表68】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0430】
製造プロセスおよびプロセス管理の説明(TBS−1A、ゲル)
図20Aおよび20Bに示すよう臨床試験材料を以下のプロセスによって製造する。
【0431】
製造プロセスの説明
成分の混合−バルクゲル
第I段階プレミックスは、プロペラミキサーでジメチルイソソルビドとジエチレングリコールエチルエーテルとを混合して調製する。
【0432】
第II段階プレミックスは、第I段階プレミックスにポビドンとコポビドンが完全に溶解するまで添加することにより調製する。製品の温度は、混合プロセス全体にわたり、50℃以下で維持する。
【0433】
第III段階プレミックスは、冷却した(30〜35℃)第II段階プレミックスにヒドロキシプロピルセルロースをゆっくりと添加することにより調製する。この溶液が完全に透明になるまで混合して、温度を40〜50℃の間で維持する。
【0434】
第III段階プレミックスが透明になると、プロペラミキサーの設定を調製して、微粒子粉末のテストステロンを添加する。テストステロンが全て溶解するまで混合して、温度を40〜50℃で維持する。これを、活性混合物と特定する。
【0435】
ヒマシ油を適切な大きさのステンレス製容器に入れ、40〜50℃まで加熱する。プロペラミキサーをヒマシ油に入れて、活性混合物をゆっくりと添加する。透明な溶液が形成されるまで、混合する。活性混合物を40℃まで冷却して、コロイド状二酸化ケイ素をゆっくりと加える。完全に溶解して、この溶液から空気泡がなくなるまで混合し、次いでこの混合物を30℃まで冷却する。次いでこのバルクゲルをステンレス製ドラムに流し入れ、解析的分析のためにバルクゲルのサンプルを取り出す。
【0436】
充填および包装−臨床補給品
管理研究所からバルクゲルがリリースされると、所定量をシリンジに充填し、続いてシリンジキャップを付けることで充填および包装のプロセスを行う。2本のシリンジを1つのホイルパウチに包装する。
【0437】
ピペットを用いて、無菌に保持されたタンクからゲルを取り出して、シリンジに充填する。シリンジに充填し、シリンジキャップを付けた後、ピペットの先を捨てる。各シリンジ個々にラベルを付ける。
【0438】
ラベルを付けた後、2本のシリンジを予め形成したホイルパウチに包装して、密封する。各パウチにラベルを付ける。
【0439】
賦形剤の管理(TBS−1A,ゲル)
TBS−1Aゲル中の全ての賦形剤は、ジメチルイソソルビドを除いて、Croda USAで製造された公定賦形剤である。全ての公定賦形剤を、対応する欧州薬局方/米国薬局方のモノグラフによって試験する。
【0440】
【表69】
[この文献は図面を表示できません]
【0441】
ジメチルイソソルビド
他の医薬では、ジメチルイソソルビドは、一般的である。Trimel BioPharmaは、製造業者であるCroda USAの分析方法によってジメチルイソソルビドについて以下のリリース試験を行う。データを、製造業者の分析証明書と比較する。
【0442】
【表70】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0443】
バッチ分析(TBS−1、ゲル)
4%TBS−1A(バッチ番号IMP11001)、4%TBS−1A(代替物)(バッチ番号IMP11002)および8%TBS−1A(バッチ番号IMP11003)の1バッチを製造した。TBS−1Aバッチの説明を表2.1.P.5.4−1に示す。
【0444】
【表71】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0445】
【表72】
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
安定性(TBS−1A、ゲル
本出願人は、リアルタイム条件および加速条件でバルクTBS−1Aについての6ヵ月安定性試験を行うことを表明する。バルクゲルは、Trimel BioPharmaでガラス瓶中に保存される。安定性試験のプロトコルは、表2.1.P.8.1−1に示す。バルク安定性プログラムの試験パラメータおよび判定基準は、表2.1.P.8.1−2に示す。
【0447】
【表73】
[この文献は図面を表示できません]
【0448】
【表74】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0449】
安定性データ[TBS−1A、ゲル]
本出願人は、安定性データが利用できるようになったとき、該データを提供することを表明する。
非臨床的薬理学、薬動学および毒性学
【0450】
高投与量のテストステロン鼻腔内ゲル(TBS−1)のパイロット規模製品(バッチ100304およびEI014)を、表2.2.1−1により毒性試験で使用した。
【0451】
【表75】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0452】
最終製品中の不純物とアンドロステンジオン、エピテストステロンとΔ−6−テストステロン、並びに未知の不純物をHPLCによって分析する。不純物Δ4−アンドロステンジオール(アンドロステ−4−エン−3β,17β−ジオール、欧州薬局方不純物D)をGC/MSで決定する。表2.2.1−2は、毒性試験で使用した試験材料中に発見した不純物を示す。不純物プロファイルは、バッチ100304中では決定されなかった。
【0453】
【表76】
[この文献は図面を表示できません]
【0454】
データパッケージの統合評価
本セクションについては、治験薬概要書、第5版、2010年8月を参照する。
【0455】
実施した試験および参考文献の一覧
以下の非臨床的試験は、臨床試験依頼者が行った。本明細書でおよび他者によって発表された試験の詳細は、治験薬概要書、第5版、2010年8月に記載されている。
【表77】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
テストステロンの文献調査のために、テストステロンについて多数の薬理学、薬動学および毒性の試験を行い、治験薬概要書第1版、2010年8月にまとめた。
【0457】
GLPステートメントおよび生化学分析方法
Conformaで行われた全ての毒性試験は、優良試験所基準によって行われる。GLPステートメントは、添付文書に見出すことができる。テストステロン、DHTおよびエストラジオールを定量化する生化学分析方法を確認した。
参考文献
Study of HET−CAM of “Nasobol” (study report 208040403), 2004
Local tolerance, single application of “Nasobol” (study report 208040401) plus histopathology report (analysis number 208040401), 2004
Local tolerance, multiple application of “Nasobol” during 2 weeks (study report 208040402) plus histopathology report (analysis number 208040402), 2004
Repeat−dose toxicity study of “Nasobol” (study number 227120417), 2005
【0458】
臨床薬物動態
性腺機能低下の男性へのTBS−1の鼻腔内投与についての非盲検、無作為、平衡化、3治療群、並行設計、薬物動態試験(第II相、プロトコルID番号:TBS−1−2010−01
TBS−1−2010−01試験は、性腺機能低下の男性において4.0%と4.5%TBS−1の有効性および忍容性を調べた。本試験において、Nasobol−01−2009で試験したものと同等の投与量を、量を減らしてより高い濃度のTBS−1で評価する。最も高い一日2回の投与量は、Nasobol−01−2009試験での最も高い投与量と同じような、それぞれ27.0mgと28.0mgであるとはいえ、少ない量である。加えて、本試験は、以下に記載の一日3回の投薬を評価した。
【0459】
TBS−1−2010−01試験での投与量および投与レジメンを以下に記載する。
・治療A:10.0mgのTBS−1(4.0%)を一日3回、2100、0700および1300時に、計30.0mgの一日量
・治療B:13.5mgのTBS−1(4.5%)を一日2回、2100と0700時に、計27.0mgの一日量
・治療C:11.25mgのTBS−1(4.5%)を一日3回、2100、0700および1300時に、計33.75mgの一日量
【0460】
平均血清テストステロン薬物動態プロファイルの結果を表2.3.1.1−1にまとめる。
【0461】
【表78】
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
TBS−1−2010−01試験での全ての治療群の結果は、有効率全体平均合計T濃度(Cavg)の基準が正常範囲内であり、24時間Cavg値は、≧300ng/dLと1050ng≦dLであった。
【0463】
性腺機能低下の男性において、テストステロン補充療法用の鼻腔内テストステロン製品であるNasobolの有効性と忍容性の試験(第II相、プロトコルID番号:Nasobol−01−2009
Nasobol−01−2009試験は、性腺機能低下の男性において、TBS−1(3.2%)の有効性および忍容性を調べる。有効性を、テストステロン薬物動態プロファイルによって決定する。これは、全ての被験者がTBS−1の以下の各投与量と、対照薬とを7日間投与される、4期間クロスオーバーデザインである:
・8.0mgのTBS−1(3.2%)を一日2回、0700と2100時に、計16.0mgの一日量
・11.0mgのTBS−1(3.2%)を一日2回、0700と2100時に。計22.0mgの一日量
・14.0mgのTBS−1(3.2%)を一日2回、0700と2100時に、計28.0mgの一日量
・5.0mgのAndroderm(登録商標)パッチを2100時に
【0464】
3種類の異なる有効成分含量のTBS−1を得るために、3.2%TBS−1ゲルを、8mg投与量の場合は1鼻孔当たり123.9mg、11mg投与量の場合は1鼻孔当たり170.1mgおよび14mg投与量の場合は1鼻孔当たり217mgとして充填する。本試験において、14.0mgのTBS−1を一日2回投与される被験者の52%は、基準範囲のCavgテストステロン血清値を達成する。一日2回の11.0mgの投与後および一日2回の8.0mgの投与後のCavg値は、それぞれ被験者の36.5%と49.1%が基準範囲内である。14.0mgと1.0mgの投与量は、テストステロンの全体Cavg>300ng/dLを満たした。
【0465】
複数回用量、1期間、3治療群、平行群、非盲検、無作為の用量設定試験を、性腺機能低下の男性に14日連続で投与した鼻に適用するTBS−1ゲルについて実施した(第1相、プロトコルID番号TST−DF−02−MAT/05)。
テストステロン(およびDHT)の薬物動態プロファイルを、3つの異なる投与計画でTBS−1の鼻腔内投与に続いて決定し、初回治療の最適な計画を見出す。本試験は、非盲検、3治療群、並行群、複数回用量、薬物動態試験として、21名の性腺機能低下の成人男性でデザインされる。
患者は、以下の投与計画によって治療を受ける:
計画A:7.6mgのテストステロンを一日2回(8:00時、14:00時)
計画B:7.6mgのテストステロンを一日2回(8:00時、20:00時)
計画C:7.6mgのテストステロンを一日3回(8:00時、14:00時、20:00時)
【0466】
最初の2日間、トラフ濃度が、初期の低(ほぼ弱体化)テストロステロンレベルから、200と400ng/dLの間の新たな定常状態に達するまで急速に上昇した。平均的定常状態の濃度の平均値は、3治療群の全てにおいて生理学的範囲内に留まったが、C群(一日3回)のみにおいて95%CIも完全に生理学的範囲内であった。3群全てにおいて、個々の患者(各群でわずかに1名の患者)のCmaxは、時々、正常範囲の上限をわずかに超えることもあったが、これは短時間であった。
【0467】
これらの結果から、血清テストステロン濃度を完全24時間にわたり生理学的範囲の下限より上に維持するためには、一日2回レジメンおよび1投与当たりのテストステロン投与量の増加が好ましい。
【0468】
2.3.1.4 性腺機能低下の男性において7.6mg、15.2mgおよび22.8mgのテストステロンの単回投与を経鼻投与した後のテストステロンの24時間薬物動態(第II相、プロトコルID番号:TST−PKP−01−MAT/04
性腺機能低下の男性8名においてTBS−1を鼻腔内投与した後に、テストステロン(およびDHT)の薬物動態プロファイルを決定した。各被験者は、テストステロンの異なる3用量、すなわち7.6mg、15.2mgおよび22.8mgで、投与間に7日の休薬期間を設けて、TBS−1を投与された。この投与に続いてテストステロンの超生理的濃度が達成されるかどうかを決定するために、最高投与量を安全上の理由で検討することになる。
【0469】
異なる投与量のTBS−1を鼻腔内投与した後に、テストステロンは十分に吸収される。最大血清濃度は、投与からおよそ1〜2時間後に到達し(これは、経皮投与(すなわちゲルおよびパッチ類)から知られている時間よりも大幅に短い)、鼻腔からの迅速な吸収を示している。テストステロンは、およそ10時間の半減期で、血清から排除される。DHTの濃度は、観察期間にわたって低いままであり、その半減期は20〜23時間に及ぶ。図21は、異なる3投与量のTBS−1を投与した後の、テストステロンおよびDHTの平均濃度−時間曲線を示す。
【0470】
ヒトへの曝露
テストステロンは、性腺機能低下の男性の治療のためのホルモン補充療法として示される。現在のところ利用できるテストステロン投与の選択肢は、経口、口腔、注射型、埋め込み型および経皮がある。HMAホームページおよび種々の著者のデータベースによると、以下のテストステロン含有医薬品が現在、欧州で承認されている。
【0471】
−Testopatch(登録商標)(MRPを通して欧州9ヵ国で承認)、Andropatch(登録商標)(2002年、英国で承認される)
【0472】
−経皮ゲル、例えばAndrogel(登録商標)、Testim(登録商標)、Tesstogel(登録商標)(MRPを通して欧州15ヵ国で承認)
【0473】
−注射型、例えばNebido(登録商標)(MRPを通して欧州17ヵ国で承認)、Reandron(登録商標)(MRPを通して欧州8ヵ国で承認され、異なる製品名を有する)
【0474】
−カプセル剤、口腔錠剤、例えばAndriol(登録商標)(1979年、ドイツで承認される)、Striant(登録商標)(MRPを通して欧州で、およそ17ヵ国で承認される)
【0475】
これまで、100人を超える男性がTBS−1に曝露されているが、重篤な有害事象は報告されていない。有害事象のため、治験薬TBS−1を中止する被験者はいない。報告された有害事象は、重症度で経度または中等度として分類されている。諸試験の各々からの有害事象を以下にまとめる。
【0476】
試験表題:性腺機能低下の男性へのTBS−1の鼻腔内投与についての非盲検、無作為、平衡化、3治療群、並行設計、薬物動態試験(第II相、プロトコルID番号:TBS−1−2010−01)
性腺機能低下の22名の男性をTBS−1に曝露した。被験者は、3投与量レベルの全てに対して十分な忍容性を示す。本試験において死亡者はおらず、何らかの重篤の有害事象も経験した被験者はいなかった。本試験において、8例の有害事象に遭遇する。2例の有害事象は、関連があるかもしれないとして、6例は本試験薬に関連がないとして分類される。全ての有害事象は、軽度から中等度の重症度である。有害事象のため、治療を中止する被験者はいない。DHTおよびエストラジオールの薬物動態プロファイルは、TTBS−1投与の後に、適切な増加を示す。血清DHTおよびエストラジオールの増加は、全てDHTおよびエストラジオールの基準範囲内にそれぞれ十分に留まり、治療中止後、基礎レベルに戻った。健康診断と鼻の検査、生命徴候と臨床検査室評価の結果から、さらに、試験治療に関連した何らかの臨床的に深刻な所見もみられない。
【0477】
試験表題:性腺機能低下の男性において、テストステロン補充療法用の鼻腔内テストステロン製品であるNasobolの有効性と忍容性の試験(第II相、プロトコルID番号:Nasobol−01−2009
本試験(Nasobol−01−2009)において、性腺機能低下の男性57名を、テストステロン鼻腔内ゲルに曝露する。本試験において死亡者はおらず、何らかの重篤の有害事象も経験した被験者はいなかった。報告された有害事象の大部分は、強度が軽度である。有害事象の多くは、試験薬とは無関係であると考えられる。合計56例の有害事象が報告されている。46例は、軽度と考えられ、そのうち22例は試験薬に関連する。10例の有害事象が中等度と考えられ、そのうち2例が試験治療に関連する。
【0478】
試験表題:複数回用量、1期間、3治療群、平行群、非盲検、無作為の用量設定試験を、性腺機能低下の男性に14日連続で投与した鼻に適用するTBS−1ゲルについて実施した(第I1相、プロトコルID番号TST−DF−02−MAT/05)。
性腺機能低下の男性21名をTBS−1に曝露する。本試験において死亡者はおらず、何らかの重篤な有害事象も経験した被験者はいなかった。本試験においては、36例の有害事象に遭遇する。これらの全ての有害事象は、試験薬に起こりそうもないまたは関連がないとして分類され、重症度は軽度から中等度であった。有害事象のため、治療を中止する被験者はいない。DHTの薬物動態プロファイルが示すことは、DHTの平均的定常状態の濃度が生理的範囲(85ng/dL)の上限を超えてなく、DHTレベルの増加に起因する安全上の懸念がないことを示していることであった。
【0479】
試験表題:性腺性機能低下の男性において7.6mg、15.2mgおよび22.8mgのテストステロンの単回投与を経鼻投与した後のテストステロンの24時間薬物動態(第II相、プロトコルID番号:TST−PKP−01−MAT/04)
性腺機能低下の男性8名をTBS−1の単回投与に曝露する。本試験において死亡者はおらず、何らかの重篤の有害事象も経験した被験者はいなかった。TBS−1に関連しない、1名の患者において2例の有害事象(発熱と嘔気)が生じた(患者は最初の投与の前に、本試験から除外する)。有害事象のいずれも、試験薬物に関連すると考えられない。
【0480】
実施例8
Uplc定量的方法による改変型フランツセルを使用する、テストステロンゲル(0.15w/w%、0.6w/w%、4.0w/w%、4.5w/w%)からのテストステロンのインビトロ放出速度の決定
【0481】
1.0 目的
この分析法は、テストステロンゲル(0.15w/w%、0.6w/w%、4.0w/w%、4.5w/w%)からのテストステロンのインビトロ放出速度の決定、並びに放出速度を用いての製品間の比較に使用される。速度比較試験は、補足Iに記載の方法に従って、実行することができる。
【0482】
2.0 安全注意事項
関連するMSDSを一読されたい。この材料を扱う場合、個人を適切に保護するものを着用すべきであり、適切な換気を維持すべきである。全ての使用済み材料は、関連する検査法に従って処理されたい。
【0483】
3.0 材料および機器
3.1 機器
FDC−6経皮的拡散セルドライブコンソール、Logan Instruments Corp
【0484】
TUVまたはPDA検出器とデータ収集システムを備えたUPLCシステム
UPLCカラム、VanGuard プレカラム BEH C18、1.7μm、5mm×2.1mmとともにAcquity BEH C18、1.7μm、
サーモスタット、VTC200、FDCヒーター
FDC−6マグネチックスターラ
0.1mgを正確に秤量できる化学天秤
フィルター、0.45μm、90mm、ナイロン膜フィルター
Durapore HVLP、孔径0.45μm、直径25mm、HVLP02500、Millipore
クラスA適合ガラス製体積計
マイクロピペット
標準研究室の他のさまざまなガラス製品および機器
【0485】
3.2 材料
テストステロン参照標準、米国薬局方
無水エタノール、HPLCグレード級または等価物
アセトニトリル(ACN)
精製水
【0486】
4.0 処置のハイライト
4.1 フランツ拡散セル装置
リングの厚さ:3.2mm
テフロン(登録商標)リングのオリフィス直径:15mm
フランツセル装置のオリフィス直径:15mm
表面積:1.7671cm
拡散溶媒:エタノール:水=50:50(セクション4.4の調製を参照されたい)
温度(℃):37℃±0.5℃
撹拌速度:600rpm
膜の予浸:≧30分
溶媒の量:12mL
アリコート量:溶媒を交換して0.5mL
取り除いたアリコート数:6
サンプリング時間(分):60、120、180、240、300および360
【0487】
4.2 クロマトグラフィー条件
計器:TUVまたはFDA検出器を備えたACQUITY UPLCシステム
UPLCカラム:VanGuardプレカラム BEH C18、1.7μm、5mm×2.1mmとともにAcquity UPLC BEH C18、1.7μm、50mm×2.1mmカラム
カラム温度:30℃±5℃
移動相A:50%
移動相B:50%
検出器波長:254nmでUV
注入量:2μL
流速:0.3mL/分
実行時間:3分
強洗浄:80%ACN
弱洗浄:50%ACN
密封洗浄:50%ACN
【0488】
4.3 溶液の調製
4.3.1 移動相:
移動相A:100%ACN
移動相B:水
【0489】
4.3.2 強洗浄溶液(80%ACN)
1000mLの強洗浄溶液を調製するために、800mLのACNと200mLのHOを適切な容器内で混合する。必要に応じて調製量を比例して調製する。
【0490】
4.3.3 弱洗浄溶液(50%ACN)
1000mLの弱洗浄溶液を調製するために、500mLのACNと500mLのHOとを適切な容器中で混合する。必要に応じて調製量を比例して調製する。
【0491】
4.3.4 密封洗浄溶液(50%ACN)
1000mLの弱洗浄溶液を調製するために、500mLのACNと500mLのHOとを適切な容器中で混合する。必要に応じて調製量を比例して調製する。
【0492】
4.4 拡散溶媒の調製
(エタノール:水=50:50)
1000mLの拡散溶媒を調製するために、500mLの無水エタノールを適切な容器に移し、500mLの精製水を加えて、十分に混合する。0.45μmナイロン膜フィルターを介して濾過し、超音波処理する。この調製は、必要に応じて増減させることができる。
【0493】
4.5 希釈液の調製
希釈液として拡散媒質を使用する。
【0494】
4.6 標準液の調製
4.6.1 テストステロン標準ストック溶液1の調製
100mLのメスフラスコに約20mgのテストステロン参照標準を正確に秤量する。約70mLの希釈液を加える。溶解するために、5分間超音波処理する。希釈液で規定の量まで希釈し、次いで十分に混合する。このストック1溶液は、約200μg/mLのテストステロンの濃度である。
【0495】
4.6.2 テストステロン標準ストック溶液2の調製
セクション4.6.1を参照されたい。
【0496】
4.6.3 テストステロン操作標準液
テストステロンサンプルを多点の直線性標準に対して定量化する。表1にまとめた濃度で、6較正標準を、テストステロン標準ストック溶液1から調製する。規定のメスフラスコの各々に規定量のテストステロン標準液を移して、希釈液で規定の量を作成する。十分に混合する。
注:必要に応じて、より多くの量を比例して調製する。操作標準液は、周囲温度および冷蔵(約4℃)で10日間安定である。
【0497】
【表79】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0498】
4.6.4 テストステロンのチェック標準液の調製
3レベルのチェック標準液を用いて、実行中の正確さと精度をモニターする。表2にまとめた濃度で、チェック標準液を標準ストック溶液2から調製する。
規定のメスフラスコの各々に規定量のテストステロン標準液を移して、希釈液で規定の量を作成する。十分に混合する。
【0499】
【表80】
[この文献は図面を表示できません]
【0500】
4.7 サンプル溶液の調製
4.7.1 膜の調製
選択した膜を少なくとも30分間、拡散溶媒中に浸漬し、欠陥をチェックして、欠陥のあるどのような膜でも廃棄する。
【0501】
4.7.2 インビトロ放出フランツセル法
フランツセル中に拡散溶媒を移し、どんな泡でも慎重に除去し、事前に浸漬しておいた膜をフランツセルの上部に置く。Kimwipeを使用して、膜上の余分な溶媒を取り除いて、該膜の上部にリングを置く。ゲルのサンプルをリングの中央に添加し、へらを使用して該サンプルがリングと同じ高さになるまでサンプルの表面を平らにする。ガラスを載せてリングを覆い、次いでそれをクランプする。
【0502】
溶媒のレベルを確認して、必要に応じてサンプリングポートのマーク位置までレベルを上げる。60分、120分、180分、240分、300分および360分の時点でサンプル0.5mLを取り除き、マーク位置まで溶媒を補充する。
サンプルの希釈
【0503】
0.15w/w%と0.6w/w%のゲル製剤の場合、サンプル溶液を希釈せずにフランツセルから注入する。4.0w/w%と4.5w/w%のゲル製剤の場合、サンプルを希釈して、注入する。マイクロピペットを用いて、UPLCバイアルに、サンプル溶液0.2mLを移し、希釈液1mLを加えて混合する。
注:サンプル溶液は、周囲温度および冷蔵(約4℃)で2日間安定である。
【0504】
4.8 注入方法
注入順序を以下のように設定する。
希釈液(拡散溶媒)を少なくとも1注入する。
操作標準STD−4を6連続注入する。
STD−4からSTD−6までのテストステトロン操作標準液を1注入する。
サンプル順番の最初、中間および最後で、チェック標準(CSTD−1からCSTD−3)を各1セット注入する(各実行で3セット、計9セットの注入)。
各チェック標準間でテストサンプルを均一に広げる。
【0505】
4.9 システム適合性
4.9.1 希釈液(拡散溶媒)
システムが無菌で安定なことを保証にするために、希釈液を注入する。希釈液からのテストステロンの保持時間で、著しい妨害ピークがあってはならない。
【0506】
4.9.2 注入の再現性
テストステロンの操作標準液STD−4を連続して6回注入する。
Calculate % RSD of the peak area of Testosterone from the six replicate injections from:
6反復注入からのテストステロンのピーク面積の%RSDを
【数1】
[この文献は図面を表示できません]
から算出する。
式中、Aiはピーク面積として表される個々の値であり、stdAは個々の値の平均値であり、nは注入の回数であり、この場合6である。
STD−4の6反復注入からのテストステロンピークの保持時間の%RSDを算出する。
【0507】
4.9.3 テーリング係数
テストステロンについての米国薬局方のテーリング係数を算出して、報告書に記載する。米国薬局方テーリング係数(T)を
【数2】
[この文献は図面を表示できません]
から算出する。
式中、W0.05はベースラインからのピーク高さの5%でのピーク幅であり、fはベースラインからピーク高さの5%ポイントで測定したピークの立ち上りから最大ピークまでの距離である。
【0508】
4.9.5 保持時間(RT)
STD−4の6連続注入からのテストステロンの平均保持時間(RT)を、報告書に記載する。
【0509】
4.9.6 理論プレート数(N)
ABCの1カラム当たりの理論なプレート数を米国薬局方および欧州薬局方により算出して、報告書に記載する。
1カラム当たりの米国薬局方/欧州薬局方の理論プレート数を
【数3】
[この文献は図面を表示できません]
から算出する。
式中、tはピークの保持時間であり、Wh/2はピーク半分高さのピーク幅である。
【0510】
判定基準
1.ピーク面積および操作標準液STD−4の6反復注入の保持時間の%RDSは、2.0%になるべきである。
2.操作標準液STD−4の6反復注入におけるテストステロンピークのテーリング係数は、−2になるべきである。
3.操作標準液STD−4の6反復注入におけるテストステロンピークの理論プレート数(N)は、NLT1,000になるべきである。
【0511】
5.2 較正曲線と判定基準
全てのSTDを注入しての較正曲線をプロットする(計6ポイント)。線形回帰分析のための重み(1/×)関数を、以下の要件を満たすために適用すべきである。線形回帰を用いて、最良適合の線、y=mx+bを決定する。式中xは濃度であり、yは応答である。相関係数(r)、勾配およびy切片を算出する。
【0512】
各標準注入の応答関数(面積対濃度の割合)および応答関数のRSDを算出する。答関数の全RSD(n=6)は、NMT10.0%になるべきである。
曲線の相関係数(r)は、NLT0.98になるべきである。
STD−1のピーク面積とy切片を比較する。
y切片は、STD−1ピーク応答の20%を超えてはいけない。
【0513】
5.3 チェック標準と判定基準
分析の正確さは、チェック標準回復によって示される。
較正曲線によってチェック標準濃度を算出して、その濃度を理論濃度と比較する。
CSTD−1の%回復は、90.0%〜110.0%内になるべきである。でSTD−2およびCSTD−3の%回復は、98.0%〜102.0%内になるべきである。
上記基準に満たない9のチェック標準のうちの2は、チェック標準に満たなかった2が同じ濃度レベルでないという条件で、許容される。
【0514】
6.0 算出結果および報告結果
6.1 各時点のテストステロン濃度の算出
拡散ステップからのサンプル中のテストステロンの濃度を算出する。
式1としての較正曲線を、Empower2ソフトウェアで
標準濃度(μg/mLで)対対応する標準ピーク面積をプロットすることによって作成する、
Y=AX+B(式1)。
この式を用いて、各時点でのサンプル中のテストステロン濃度(μg/mLで)を算出することになる。
注:適用できる場合、サンプル希釈係数6を使用する。
【0515】
6.2 放出された累積テストステロンの算出
【数4】
[この文献は図面を表示できません]
を用いて、各サンプル時点でテストステロンゲルから放出されたテストステロンの累積量をμgで算出する。
式中、
Cn=n時点で取り除くサンプル溶液中のテストステロン濃度。その時点のテストステロンの濃度を算出する、
Ci=最初の時点から、その時点の累積%放出が算出される時点nの直前の時点までの取り除いたサンプル溶液中のテストステロン濃度。
V1=容器中のサンプル溶液の量、12mL。
V2=各時点で取り除かれるサンプル溶液の量、0.5mL。
【0516】
6.3 単位表面積当たり放出されるテストステロンの算出
【数5】
[この文献は図面を表示できません]
に従って、単位表面積当たりの放出(Q)をμg/cmで算出する。
式中、Aステトステロン=特定のサンプル時点でテストステロンゲルから放出されたテストステロンのμgでの累積量。
【数6】
[この文献は図面を表示できません]
【0517】
6.4 放出率の算出
溶媒からの薬拡散は、フィックの法則に従う。
以下の式4は、ヒグチによって導き出されたように、拡散のフィックの法則の簡易解である。
【数7】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Q=単位面積当たり放出された薬物の量(μg/cm2)
t=分での経過時間
したがって、放出量(Q)対√1のプロットは、
【数8】
[この文献は図面を表示できません]
の勾配に対して線形になるべきである。
【数9】
[この文献は図面を表示できません]
の勾配を、放出率として報告する。
【0518】
【表81】
[この文献は図面を表示できません]
【0519】
【表82】
[この文献は図面を表示できません]
実施例8の補足
インビトロ放出率の比較試験
【0520】
比較すべき参照製剤(変更前のロット)と変更後の製剤の放出率は、同じ条件下で、同日に決定すべきである。放出率比較を二段階試験として行ってもよい。不偏比較感度を確実にするために、フランツセルのバンク内のサンプル位置をランダム化すべきであり、または不偏比較を確実にするために該位置を混合配置で事前に割り当てるべきである。セル配列の一例は、T(試験製剤)はセルA1、A3、A5、B2、B4、B6中にあり、R(参照製剤)はセルA2、A4、A6、B1、B3、B5中にある。
【0521】
第1段階
試験製剤(T)の6セルと、参照製剤(R)の6セルから放出率(勾配)を得る。放出率の中央値の比(T/R)の90%信頼区間(CI)を算出する。この比較を以下の計算方法で行う。
ステップ1:7行×7列の表を作成する。表の1行目にわたり参照勾配(R)を記載し、試験勾配を第1列に記載する。各試験勾配と各参照勾配の間の個々のT/R比(36)を算出して、対応する値を表に入力する。
ステップ2:これら36のT/R比を最低値から最高値まで順位付ける。
ステップ3:8番目と29番目の比は、放出率の中央値の比の90%CIの下限と上限を表す。注:単一セルのデータが、複数のロットのうちの1つが欠けている場合、5×6=30の個々noT/R比になり、90%CIの限度は、個々のT/R比の6番目と25番目になるはずである。複数のセルのデータが欠けている場合、スーパーバイザーと相談して正しい算出を決定すべきである。
【0522】
評価基準:
90%CIが75%〜133.33%の限度内に含まれる場合、試験製剤および参照製剤は「同じ」と考えられる。試験製剤が第1段階をパスしない場合、第2段階に進む。
【0523】
第2段階:
12のセル(1製剤/ロット当たり6セル)でさらに2回インビトロ実行を行い、各ロットについてさらに12の勾配、すなわち計18(第1段階の6の結果を入れて)を得る。放出率の中央値の比(T/R)についての90%信頼区間を18勾配の全てを用いて算出する。324(18×18)の個々の比の全てを得て、最低値から最高値に順位付ける。110番目と215番目の比は、放出率の中央値の比の90%CIの下限と上限を表す。
【0524】
評価基準:
90%CIが75%〜133.33%の限度内に含まれる場合、試験製剤および参照製剤は「同一」であると考えられる。
【0525】
実施例9
4%および8%バルクゲルについてのTBS1A報告
目的:
IMP臨床バッチの製造を追求するため。主要点は、安定性に関してのプロセスフローおよびバルク外観に関する。
・プロセスフローの改善
・バルクゲルの粘度
・安定性(再結晶化)
・代替材料の供給源とグレード
・インビボでの結果、放出の開始に影響を与えるために製剤の変更
・フランツセルを用いる臨床試験の試験、臨床試験の選択
・臨床試験で使用するよう特定された原材料のリスト:
【0526】
【表83】
[この文献は図面を表示できません]
【0527】
使用した機器
TBS1A IMP臨床バッチの製造中のみに使用されるSilversonハイシアミキサーに加えて、いくつかのプレミックス作業では臨床試験用のプロペラ型混合ユニットも含まれる。高せん断力の動きで唯一応用されるのは、共溶媒中での活性混合物を分散させるためである。
より均一な混合と温度制御のために、内側ボウル壁から材料を除去するためのワイピングブレードが付いたジャッケト付き容器を推奨する(特に、加熱サイクル中ならびに冷却サイクル中、バルク温度を均一するために重要である)。
【0528】
IMPバッチ製造に関する背景情報
IMP臨床バッチ製造中の観察には、PVP K17/S640、Klucel HFおよび微粒子化テストステロンからなるDMI/トランスクトール共溶媒混合のプレミックス物を調製する間の高粘度が含まれる。高せん断ミキサーのセットアップを使用して、ヒマシ油に添加すると粘着性のある塊の混合物がもたらされる。同じ高せん断ミキサーのセットアップで、Cab−O−Sil(以後SiO2と称する)を添加すると、材料を取り入れるボルテックスを得ることができず、かつ添加段階中、さらに手作業での混合が必要であった。したがってプロペラ型混合ユニットを推奨する。その添加段階中、粘着性のある材料であって、さらなる混合時に最終バルクゲルの粘度は、約1,500〜2,000cpsまで落ちる。混合時間および速度は、目標ゲル温度を飛び越えないように制御する必要がある。
【0529】
臨床試験の概略
初期の臨床試験(プラセボ)は、粘度への影響を特定するために、添加の順番を変えることに集中した。以前のプロセスには、最終段階でSiO2の添加が含まれ(上記コメントを参照されたい)、代替の活性混合物を添加する前に、ヒマシ油中にSiO2を分散させるように変えた。種々のパーセンテージを用いたヒマシ油/SiO2の混合物が与える粘度は、Arlasolve(DMI)をごく少量加えると増加した。
【0530】
次のステップは、活性混合物(共溶媒/PVP/HPC/活性混合物)を用いて、これらの結果を再現することであり、その混合物をヒマシ油とSiO2のプレミックスに加えた。だが、これは、低粘度の溶液をもたらし、粘性ゲルの形成に対する活性混合物の影響を示唆した。
【0531】
さらなる材料を加えることなく、共溶媒の混合は、粘度の増加をもたらしたので、溶媒の量を、溶媒混合のみをヒマシ油混合物に添加する部と、PVP、HPCおよび活性混合物を分散させるのに使用する残りの溶媒混合との2つの部に分けた。共溶媒を減らした活性混合物は、ヒマシ油プレミックスに添加すると、粘着性が増加し、加えて同程度の低粘度になった。さらなる臨床試験では、DMIのみ(PVPは含まず)での活性混合物の調製が含まれ、良好な粘度が得られた。HPCを、Transcutol P中で別々に調製し、混合物(IMP観察結果と類似した)に添加すると、糸引きの問題が生じた。0.1〜0.3%のレベルでSiO2を添加すると、この問題は解消した。
共溶媒中の活性を溶解する上記のプロセスは、十分であり、4%製剤の溶解度を増加させるためにPVPを必要としないが、8%の有効成分含量の製剤の溶解度を達成するための製剤中の共溶媒には十分でない。8%製剤での試験では、その混合物にSiO2を入れることによって、PVPを含有する活性分散を調製するための別のアプローチに首尾よく含めた。DMI並びにTranscutol Pに添加したSiO2の影響を評価する評価試験で示したように、もたらされる良好な粘度は、DMIと形成されるが、Transcutolとでは形成されない。したがって、活性分散は、PVPをDMIのみに溶解させ、続いて55℃(50〜60℃)で活性混合物と利用できるSiO2の一部を添加することによって調製される。
【0532】
このプロセスは、8%製剤での試験作業中に開発されただけであり、したがってPVPがさらなる機能性を示す場合、4%の有効成分含量の製剤に比例的に減らすことができることに留意された(フランツセル試験)。
【0533】
精製水の添加に関するコメント(表xxxに記載した)は、HPCを含む試験により粘度が増加したが、PVPのみを用いた試験では粘度は増加しなかったことを示す。これらの試験は、鼻腔内への適用後の水の吸収と粘度への影響を試験するための情報を含めただけである。HPCセットアップ中の重要なステップは、透明な溶液を得るために少なくとも24時間溶媒和化合物を供給することである。
【0534】
また、臨床試験の目的に概要を述べたように、製剤比を材料の別のグレードおよび供給源を用いて実行し、製剤の表に特定する。
【0535】
プロセスの変更(共溶媒を加えての粘度増加の反応など)の影響を特定するために、DMIまたはTrsnscutol Pに関連するかの影響を試験するために、臨床試験を行った。臨床試験は、DMIのみに、並びにTranscutol PのみにSiO2(ヒマシ油混合物で用いたのと同じ比で)を分散させることから開始した。DMIとの混合物は、粘着性のある混合物をもたらしたが、Transcutol Pの混合物は極めて流動的であった。
【0536】
Transcutol Pの減少が予想される高分子混合物ならびに活性混合物の溶解度を試験するために、同様の臨床試験を、共溶媒を個々に用いて開始した。4%の有効成分含量で該混合物または個々の溶媒を用いての溶解度に目立った差異はなかった。だが、PVPおよびHPCをDMIのみで調製すると、一晩保存した場合、これら2つの材料の分離が観察された(共溶媒混合物中で混合した場合、明らかでない)。
【0537】
活性/高分子混合物を添加する際、分散での粘着性を取り除くために、製剤からHPCを取り除いて、PVPのみ(個々のグレードは、K17〜K29/32〜K90,混合物は含まない)を用いる。これは、使用したグレードに関連してさまざまな程度の粘度をもたらした。
【0538】
材料もLabrafil M1944CSの使用を含み、バッチの説明で概要を述べ、およびフランツセルで試験するために選択した。
【0539】
コメント
4%の有効成分含量ならびに8%の有効成分含量についてのさまざまな臨床試験を以下にまとめる。両方の有効成分含量の臨床試験ロットをフランツセルで試験するために選択した。選択したロットを特定する。
【0540】
全ての臨床試験は、再結晶化の物理的エビデンスおよび外観の変化をモニターし、粘度の変化を試験する。
【0541】
臨床試験の粘度値を記録して、未決定のフランツセル結果の評価を更新し、製剤およびプロセスの最適化を実行することができる。臨床試験の概要には、全てのプロセスパラメータに関連した粘度への影響が含まれていなかったので、これは特定するために重要である(分析試験および安定性データを含む必要がある)。
【0542】
スピンドル#6とともにBrookfield Viscometer Model DVII+を50rpmで30秒間用いる粘度試験中の観察では、より高粘度のグレードのHPCで調製したサンプルにおいて、試験期間にわたり粘度値の増加を実際に示していた。これは、ドラッグを生じるスピンドルシャフトと円盤に凝集を引き起こすゲルの粘着性に起因する可能性がある(報告された結果の真の粘度値ではない)。いくつかの臨床試験のバルクゲルは、チキソトロピーではない。また、一部の臨床試験では37℃で粘度を試験した。ピンドル4を6rpmで用いる、新しいHaupt方法を用いていくつかの臨床試験を行った。
【0543】
さまざまな別表に、活性ゲル、プレミックスおよびプラセボについての臨床試験番号を示す。
【0544】
両有効成分含量による追跡試験のための考察および検討
「粘度の改善」は臨床試験を始める主要な目標ではなかったが、確かに、製剤中に存在する高率のSiO2を考えると、低粘度の原因を試験するための計画的な取り組みであった。テストステロンを溶解するには、特定のパーセンテージを必要とするので、SiO2代替供給源の比較に対するクロスチェックは、大きな差異を示さず、共溶媒の種々の比、わずかな調整を示さなかった。PVPのグレードを変えて、活性分散で用いた場合、粘度への影響を示したが、他の混合物に添加すると該影響を示さなかった。HPCのグレード(使用した上質の材料の代替供給源)を変えると、最終ゲルへの影響を示したが、HCPの分子量が高くなると、最終ゲルでの粘性および糸引きへの影響を示した。数週間後に粘度を試験すると、容器の底に沈殿した粘着性のあるゲル中に分離を示していた。
【0545】
テストステロンを保持するSiO2を示すことで、粘度を増加するためにさらに添加することは選択肢ではなかった。目標は、特に、8%TBS1Aに比べて保持されるTのかなり高いパーセンテージを示したTBS1Aの4%の有効成分含量について、使用する%を下げることであった。目標は、SiO2の8%の有効成分含量のTに対する比を4%の有効成分含量に対して少なくとも得ることであった(したがって3%に比例的に減らすことを目指した)。これらの臨床試験によって、8%の有効成分含量でのプロセスの変更を利用することで、製剤中にPVPの使用も含むことになる4%の有効成分含量にとって当然可能であるSiO2の減少を完成させ、プロセスおよび製剤の変化に関連して粘度への影響を示した。
【0546】
上記は、粘度のみに基づいている。しかし、インビボで初期の吸収速度を落とすための製剤での変化への影響は、フランツセルを使用した分析試験で用いた臨床試験で得たデータからのみ評価することができる。これらの結果から、初期の臨床試験を再現するか、またはDOEに基づくかのいずれかで、予想される提案とともにさらなる臨床試験について再検討され、評価される。
【0547】
粘度についての別表は、製造日および最新の試験結果(フランツセルについての臨床試験選択に役立つ)を示す。コメントにおけるカラムの元データは、臨床試験プロセスの説明において参照となるか、または参照される。各有効成分含量についての最初の製剤およびプロセスが直接比較を確立したならば、さらなる代替材料供給源を評価することを推奨する。
【0548】
【表84】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0549】
ロット番号RD11037
HPCを含まないIMPバッチ(4%)でプロセスを繰り返した。K17およびS630をDMI/トランスクトール混合物に溶かした後、有効成分を加えた。透明な溶液。ヒマシ油を予熱し、上記有効混合物を加えた。透明な溶液が見られた。その後、低剪断を伴ってカボシルを添加した。製造時の粘度は500cpsであり、48時間後の試験では620cpsとなった。粘度の低さは主としてHPCが存在しないことによる(注:IMP 4%はおよそ1,500cpsであった)。
【0550】
ロット番号RD11038
DMI/トランスクトールを減らしてヒマシ油で調節した同じ製剤を用い、添加の順序を変えた。カボシルをヒマシ油に混合し、透明な粘稠溶液を得た。有効混合物をRD11037のとおりに調製した。ヒマシ油/カボシル混合物の粘度は1180cpsに変化した(プラセボ試験の際の補助溶媒の添加に基づけば、より高い粘度が予想された)。溶媒混合物に対するPVPおよび有効成分の影響の可能性があった。
【0551】
ロット番号RD11039
ヒマシ油およびカボシル中にラブラフィルもまた含有するプラセボ混合物(IP用)に基づき、作業を繰り返した。有効混合物を添加した際に粘度が低下するという同様の反応が見られた。
【0552】
ロット番号RD11040
ヒマシ油/カボシル混合物に少量のDMI/トランスクトールP補助溶媒混合物を加えてプラセボプロセスを繰り返した。この油混合物の粘度は上昇した。PVPを用いずに残りの補助溶媒で有効混合物を調製し、前記油混合物に加えた。バルクゲルの最終粘度は10,400cpsであった。F/C対象の可能性あり。
【0553】
ロット番号RD11041
有効混合物とともにPVP K17およびS630を含めて、RD11040と同様のプロセスを繰り返したところ、粘度は500cpsに低下した(3週間後には1,500cpsに上昇した)。K17およびS630を用いた場合の粘度低下に対するPVPの影響が明らかに示された。
【0554】
ロット番号RD11042
ヒマシ油/ラブラフィルを添加し、カボシルを減らし、PVPを含まない有効補助溶媒混合物を用いて、RD11037と同様の試験を繰り返した。粘度は1,750cpsであった。
以下の試験は、より高いPVPグレードならびに別のHPC源(2グレード)に変更する影響を特定するように計画された。前混合物を、ラブラフィルを含まず天然ヒマシ油およびアエロジル200を用いる混合物に着目する表3に概説するように作製した。
【0555】
ロット番号RD11050
ヒマシ油とアエロジル200の分散物(プレミックスI)を調製し、少量のDMI(4%)を加えることにより粘度を高めた。有効混合物の調製にはDMI単独中のRD11047A(PVP K17−3%)のプレミックスを用い、0.3%のHPC Nisso Hを加えた後、有効成分を加えた。有効混合物を前記プレミックスIに加えた。
【0556】
ロット番号RD11050A
RD11050と同じ基本製剤に、成分に1%のアエロジル200を追加する変更を加えた。
【0557】
ロット番号RD11051
ヒマシ油とアエロジル200の分散物(プレミックスI)を調製し、少量のDMI(4%)を加えることにより粘度を高めた。有効混合物の調製にはDMI単独中のRD11047B(PVP K30−3%)のプレミックスを用い、0.3%のHPC Nisso Mを加えた後、有効成分を加えた。有効混合物を前記プレミックスIに加えた。
【0558】
ロット番号RD11051A
RD11051と同じ基本製剤に、成分に1%のアエロジル200を追加する変更を加えた。
【0559】
ロット番号RD11053
ヒマシ油とアエロジル200の分散物(プレミックスI)を調製し、少量のDMIとトランスクトールPを加えることにより粘度を高めた。有効混合物の調製にはRD11048A(PVP K17−3%)のプレミックスを用い、0.3%のHPC Nisso Hを加えた後、有効成分を加えた。有効混合物を前記プレミックスIに加えた。
【0560】
ロット番号RD11054
ヒマシ油とアエロジル200の分散物(プレミックスI)を調製し、少量のDMIとトランスクトールPを加えることにより粘度を高めた。有効混合物の調製にはRD11048B(PVP K30−3%)のプレミックスを用い、0.3%のHPC Nisso Hを加えた後、有効成分を加えた。有効混合物を前記プレミックスIに加えた。
【0561】
ロット番号RD11055
ヒマシ油とアエロジル200の分散物(プレミックスI)を調製し、少量のDMIとトランスクトールPを加えることにより粘度を高めた。有効混合物の調製にはRD11048C(PVP K90−3%)のプレミックスを用いた。HPCは加えなかった。有効混合物を前記プレミックスIに加えた。
【0562】
ロット番号RD11056
ヒマシ油とアエロジル200の分散物(プレミックスI)を調製し、少量のDMIを加えることにより粘度を高めた。有効混合物の調製にはRD11047C(PVP K90−3%)のプレミックスを用いた。HPCは加えなかった。有効混合物を前記プレミックスIに加えた。
【0563】
ロット番号RD11059
ヒマシ油とカボシル(2.5%)の混合物を調製した。有効成分をDMIおよびトランスクトールPに溶かした。乳白色の外観となった。この混合物を前記ヒマシ油プレミックスに加えても、混合物は明澄化しなかった。DMIを用いてPVP(K30)溶液を調製し、前記ミックスに加えても外観は変化しなかったが、粘度は低下した。
注)0.1%HPCの混合物を加えても外観の評価は変わらず、粘度がやや上昇した。この試験は、本試験下でロット番号を報告していない。
【0564】
ロット番号RD11060
ヒマシ油に3.5%カボシルを加えた後に、増粘のためにDMI/トランスクトールP混合物を加えたものを調製した。有効分散物は、補助溶媒としてDMIを用い(HPCは不含)PVP(K30)中に調製した。
【0565】
ロット番号RD11061
ヒマシ油に3%カボシルを加えた後、増粘のためにラブラフィル(2%)を加えたものを調製した。有効分散物は、PVP K17(2%)を含有するDMI混合物中に調製した。混合物は低粘度となったが、F/C試験対象とみなすことができた。
【0566】
ロット番号RD11062
天然ヒマシ油にアエロジル200(3%)を混合し、増粘のためにDMI/トランスクトールP(6+2)の混合物を加えた。K17とK30のPVP混合物をDMI/トランスクトールPに溶かした後にHPC Hを加え、4日間溶媒和した。混合物を再加熱した後に有効成分を加えた。ヒマシ油プレミックスを加熱した後に前記有効分散物を加えた。F/C対象に推奨。
【0567】
ロット番号RD11063
天然ヒマシ油にアエロジル200(4%)を混合し、DMI(6%)を加えたところ、高粘度混合物となった。PVP K17とL29/32の混合物をDMIおよびにHPC Nisso H(0.2)に溶かした。一晩置くと分離が見られ、再混合が必要であった。この高粘度ヒマシ油プレミックスに有効成分を加えた。組成に修正を加えて追跡試験を要する。
F/C対象の可能性あり、またはRD11065を使用のこと。
【0568】
ロット番号RD11064
ロットRD11062の一部に0.3%添加
【0569】
ロット番号RD11065
ロットRD11063の一部に0.3%添加
【0570】
ロット番号RD11066
ロットRD11041の一部に0.3%添加
【0571】
ロット番号RD11070
ロットRD11037の一部に0.3%添加
【0572】
ロット番号RD11071
ロットRD11042の一部に0.3%添加
【0573】
ロット番号RD11072
ロットRD11040の一部に0.3%添加
【0574】
ロット番号RD11073
ヒマシ油/アエロジル200前混合物を調製した。PVPおよびテストステロンを用いずにDMI(6%)に溶かし、ヒマシ油プレミックスに加えた。6,300cpsの粘度が得られた。トランスクトールPとDMIの混合物においてHPC M(調製物の0.25%で使用したに過ぎない)を分散させ、主要混合物に加えた。F/C対象として提案。
【0575】
ロット番号RD11074
ロットRD11072の成分に0.3%添加
【0576】
ロット番号RD11075
ヒマシ油(68%)アエロジル200(3%)DMI(6%)からなる3×500gの試験を実施するためにストック混合物を調製した。この混合物にDMI(10)中PVP K29−32(1%)および有効成分を加えた。トランスクトール中、異なる混合物およびグレードのHPC Nissoを含有する3試験(参照ロットRD11067/68/69)が実施されるように、バルクを3つに分割した。
【0577】
ロット番号RD11076
RD11075のバルクを用い、HPCミックスRD11067(Nisso H(0.15%)を含むトランスクトールP)を加えた。
【0578】
ロット番号RD11077
RD11075のバルクを用い、HPCミックスRD11068(Nisso H(0.2%)を含むトランスクトールP)を加えた。
【0579】
ロット番号RD11078
RD11075のバルクを用い、HPCミックスRD11069(Nisso H(0.1)およびM(0.1)を含むトランスクトールP)を加えた。
【0580】
ロット番号RD11079
ロットRD11076の一部に0.3%添加
【0581】
ロット番号RD11080
ロットRD11077の一部に0.3%添加
【0582】
ロット番号RD11081
ロットRD11078の一部に0.3%添加
【0583】
ロット番号RD11082
SiO2を用いずにバッチを調製する試験的試みは失敗した。
【0584】
ロット番号RD11085
2.5%アエロジル200、次いで、DMI(10)とテストステロンの混合物を加えたヒマシ油プレミックスを調製した。3,100cpsの粘度が得られた。その後、DMIならびにトランスクトールおよび0.3%アエロジル200に混合した、HPC Nisso L(0.2%)およびNisso M(0.3%)を加えて粘着性を軽減した。材料は糸曳きなく主要混合物に添加され、製造日には4,800cps、3週間後には4,900cpsの粘度が得られた。F/C対象として提案。
【0585】
ロット番号RD11086
ロットRD11085の一部に0.3%添加
【0586】
【表85】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0587】
【表86】
[この文献は図面を表示できません]
【0588】
有効成分試験のプロセス概略
ロット番号RD11087
T溶解度に対する影響を確認するためにPVPを用いずに試験を開始した。使用した有効分散物(%DMI)は透明な溶液とならず、ヒマシ油/SiO2混合物を加えても明澄化しなかった。HPC混合物に補助溶媒が存在しても透明なバルクゲルは得られなかった。糸曳きと粘着性を軽減するためにこのHPV混合物に0.1%SiO2を加えた。
粘度4,400
しかしながら、この試験は、PVPを除いた場合の拡散速度を確認するためにフランツセル試験対象として選択する。
【0589】
ロット番号RD11088
粘度に対する影響を確認するために、ロットRD11087の一部に0.3%の水を加えた。4%試験で見られたように、HPC中、SiO2を混合したバルクでは、粘度の上昇は明らかでない。この試験はF/C対象とみなされない。
【0590】
ロット番号RD11089
この試験は、別のHPC源を用いたこと以外(元のHPC源はKlucel HF)、IMP Clinical8%と同じ量的処方を用いた。また、軽微なプロセス変更を行い、PVPをDMI単独に溶かし、有効成分を加えた。HPCはトランスクトール中に調製し、主要バルクに個別に加えた。
ヒマシ油に有効補助溶媒混合物を加えた際に透明な溶液が得られ、SiO2の添加後にHPCを加えても顕著な糸曳きは見られなかった。
製造日のゲルの粘度は1,800cpsであり、24時間後に再試験したところ3,700cps、48時間後では最大4,300cpsであった。10月3日に再試験したところ(表参照)、4,500cpsが記録された。
この試験をF/C対象として選択した。
【0591】
ロット番号RD11089A
粘度に対する影響を確認するために、ロットRD11089の一部に0.3%水を加えた。
粘度は上記試験と同様に経時的に変化し、製造日は2,700cps、24時間後に試験したところ3,920cps、48時間後では最大4,600cpsであった。10月3日に再試験したところ(表参照)、5,040cpsが記録された。
水の影響に関する検討対象として選択した。
【0592】
ロット番号RD11090
HPCに添加されるSiO2と同様に、種々のプレミックスに関してDMIおよびトランスクトールの分割パーセンテージを高くして用いた。しかし、これら2つの賦形剤間の比率が低いためにヒマシ油とSiO2のプレミックスを作製したところ、この混合物はかなり粘稠となり、少量のDMIを加えるとさらに増粘された。
試験の終了時には低粘度となり、製造日では900cps、10月3日の試験では1,260cpsであった。影響を検討するためにさらに低レベルのSiO2も考えられたが、加工上の問題が懸念された(RD11100参照)。
F/C試験対象としては不適。
【0593】
ロット番号RD11100
上記試験RD11090の一部を用い、2%SiO2(合計5.5%に対して)を追加し、粘度に対する影響を検討した。製造日には1,900cpsに上昇し、10月3日に再試験したところ(表参照)、3.060の値となった。
【0594】
ロット番号RD11101
PVPの影響を潜在的に軽減するために、ヒマシ油/SiO2混合物に添加する際に有効成分を溶かす必要があり、DMI−PVP−テストステロン混合物に2%のSiO2を加え、粘稠な混合物を得た。この混合物を、1%SiO2を含有するヒマシ油分散物に添加した後、粘稠な混合物を50%の温度で維持した(冷却するとさらに増粘する)。HPC混合物および最終量のSiO2の添加でさらに粘度が高まる。
ゲルを21℃に冷却した後の粘度は3,800cpsであった(注:経時的再試験が必要となる。バッチは10月3日製造)。
この試験はF/C対象として選択した。
【0595】
ロット番号RD11102
TBS1Aプロジェクトでは5,000cpsの粘度が目標であるので、これまでのところ、SiO2のさらなる追加の影響を評価するための最良の候補は上記のRD11101であったので、このロットの一部に1%SiO2を追加した。6%を得るために合理的には、4%力価に対して3%SiO2という目標レベルと同じ有効成分/SiO2比を得ることであった。
粘度は8,000cpsに上昇し、このロットを、SiO2を1%添加すること以外は同じ組成のRD11101と比べて、拡散速度に対する粘度の影響を確認するためにF/C対象として選択し、得られたアッセイについて考察する必要がある。
【0596】
ロット番号RD11103
粘度への影響に関しての水の添加は追跡試験の対象とは考えられなかった(結果については粘度表を参照、RD11101の3,800から4,500cpsに上昇)。
【0597】
ロット番号RD11104
この試験はラブラフィルの添加を評価するために含めた。ラブラフィルは、SiO2を混合したヒマシ油に1%で加えた。従前に見られたように、SiO2を含有するヒマシ油へのラブラフィルの添加は粘度を上昇させる。試験RD11101と同様に調製および添加を行った他の全ての混合物に2%SiO2を加えて混合物を完成させた。この混合物は比較的高いパーセンテージの気泡を含み、これはラブラフィルを含有する製剤に共通していた。
3,300cpsの粘度が得られ、これを追跡調査し、種々の時点で試験した。
F/C試験対象として選択した。
【0598】
ロット番号RD11105
RD11104に0.5%SiO2を追加した(RD11102で見られた高い上昇を避けるために%を調整)。
3,300cpsから4,100cpsに上昇
F/C試験対象として選択した。
注:2つの異なる供給源のヒマシ油およびSiO2を用い、粘度に対する影響を確認するためのプラセボ試験を計画した。これらの試験はまた、TBS1およびTBS2に関する潜在的問題にも答えを出すであろう。
【0599】
【表87】
[この文献は図面を表示できません]
【0600】
【表88】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0601】
【表89】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0602】
実施例10
フランツセル試験−テストステロン拡散速度
概して言えば、メンブレンを拡散溶液に30分間浸漬した。このメンブレンをフランツセル上に載せた後、そのメンブレンの上にリングとドナーチャンバーを載せ、それを締め付ける。およそ1グラムのゲル(TBS 1A4%または8%)を加える。フランツセル内の拡散溶液のレベルを確認する。それがマーク上にあると仮定する。蒸発を防ぐためにサンプリングポートに「パラフィルム」をかける。60分、120分、180分、240分、300分および360分の時点で0.3mLのサンプルを、シリンジを用いて抜き取る。フランツセルのマークまで拡散溶液を加える。各サンプルはインサート内に採取する必要がある。
【0603】
この実施例9および本発明に従って使用される典型的なフランツセルを図12に示す。材料を以下に示す。
拡散溶液:エタノール/水50:50
メンブレン:ミリポア0.45μm
温度:37±0.5℃
撹拌速度:600rpm
媒体容量:20mL
表面積:1.7671cm
フランツセルの数:6
サンプリング時間(分):60、120、180、240、300および360
アリコート容量:0.3mL
インサート:0.4mL
【0604】
TBS1A製剤は以下のとおりであり、また、本明細書の上記実施例に示されたとおりである。フランツセルメンブランからのテストステロンの拡散速度の結果を、各供試ゲル濃度に関してノーマライズし、傾き/mgT%として評価して、以下のフランツセル表に報告する。
【0605】
【表90】
[この文献は図面を表示できません]
【0606】
【表91】
[この文献は図面を表示できません]
【0607】
【表92】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0608】
【表93】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
【表94】
[この文献は図面を表示できません]
【0610】
【表95】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0611】
【表96】
[この文献は図面を表示できません]
【0612】
【表97】
[この文献は図面を表示できません]
【0613】
【表98】
[この文献は図面を表示できません]
【0614】
【表99】
[この文献は図面を表示できません]
【0615】
【表100】
[この文献は図面を表示できません]
【0616】
【表101】
[この文献は図面を表示できません]
【0617】
TBS−1Aゲル4.0%およびTBS−1Aゲル4.5%の放出速度試験要約に関するTBS−1Aゲルインビトロ放出速度バリデーションを、本明細書とともに提出した証拠書類AおよびBに示す。
【0618】
これらの概要は例示的TBS−1Aゲルの放出速度実験データをまとめたものである。この方法バリデーションには4種類のナソボール(Nasobol)ゲル(0.15%、0.6%、4.0%および4.5%)が含まれる。1日目と2日目の試験の目的は、傾き(放出速度)の特異性および日内/日間精度を決定することであり、3日目と4日目の目的は、サンプル力価の変動に対する傾き感度を評価することである。
【0619】
本明細書とともに提出した証拠書類A(4.0%)および証拠書類B(4.5%)を参照。なお、双方とも、参照によりその全内容が本明細書に組み入れられる。
【0620】
本明細書に引用される特許、特許文献、および刊行物の全開示は、それぞれが個々に組み入れられているかのように、参照によりそれらの全内容が本明細書に組み入れられる。定義を含め、矛盾がある場合には、本明細書が優先するものとする。以上の記載は単に本発明の特定の実施形態を説明するものである。従って、本発明は、以上の例および例示的実施形態に限定されず、それらは単に例として示されるに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図しない。よって、当業者には、本発明の範囲および主旨から逸脱することなく、様々な修正および変更が自明である。すなわち、当業者は、修正および変形が本発明の教示を利用および実施可能であること、または利用および実施可能とするであろうことを認識および理解するであろう。従って、好適な修正、変形および均等物は全て使用可能であり、このような修正、変形および均等物は、記載されている本発明の範囲内および特許請求の範囲内に入るものとする。
【0621】
証拠書類A
ナソボールゲル4.0%についてのインビトロ放出速度法バリデーション
ナソボールゲルインビトロ放出速度法バリデーション改訂
放出速度調査概要
パート3:ナソボールゲル4.0%
目的
この概要は、ナソボールゲルについての全放出速度実験データをまとめたものである。本方法バリデーションには4種のナソボールゲル(0.15%、0.6%、4.0%および4.5%)が含まれる。1日目と2日目の試験の目的は、傾き(放出速度)の特異性および日内/日間精度を決定することであり、3日目と4日目の目的は、サンプル力価の変動に対する傾き感度を評価することである。
【0622】
【表102】
[この文献は図面を表示できません]
【0623】
【表103】
[この文献は図面を表示できません]
【0624】
【表104】
[この文献は図面を表示できません]
【0625】
【表105】
[この文献は図面を表示できません]
【0626】
【表106】
[この文献は図面を表示できません]
【0627】
【表107】
[この文献は図面を表示できません]
【0628】
【表108】
[この文献は図面を表示できません]
【0629】
【表109】
[この文献は図面を表示できません]
【0630】
【表110】
[この文献は図面を表示できません]
【0631】
【表111】
[この文献は図面を表示できません]
【0632】
【表112】
[この文献は図面を表示できません]
【0633】
【表113】
[この文献は図面を表示できません]
【0634】
【表114】
[この文献は図面を表示できません]
【0635】
証拠書類B
ナソボールゲル4.5%についてのin vitro放出速度法バリデーション
ナソボールゲルin vitro放出速度法バリデーション改訂
放出速度調査概要
パート4: ナソボールゲル4.5%
目的
この概要は、ナソボールゲルについての全放出速度実験データをまとめたものである。本方法バリデーションには4種のナソボールゲル(0.15%、0.6%、4.0%および4.5%)が含まれる。1日目と2日目の試験の目的は、傾き(放出速度)の特異性および日内/日間精度を決定することであり、3日目と4日目の目的は、サンプル力価の変動に対する傾き感度を評価することである。
【0636】
【表115】
[この文献は図面を表示できません]
【0637】
【表116】
[この文献は図面を表示できません]
【0638】
【表117】
[この文献は図面を表示できません]
【0639】
【表118】
[この文献は図面を表示できません]
【0640】
【表119】
[この文献は図面を表示できません]
【0641】
【表120】
[この文献は図面を表示できません]
【0642】
【表121】
[この文献は図面を表示できません]
【0643】
【表122】
[この文献は図面を表示できません]
【0644】
【表123】
[この文献は図面を表示できません]
【0645】
【表124】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
【表125】
[この文献は図面を表示できません]
【0647】
【表126】
[この文献は図面を表示できません]
【0648】
【表127】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
図5
[この文献は図面を表示できません]
図6
[この文献は図面を表示できません]
図10A
[この文献は図面を表示できません]
図10B
[この文献は図面を表示できません]
図11
[この文献は図面を表示できません]
図12
[この文献は図面を表示できません]
図13
[この文献は図面を表示できません]
図14
[この文献は図面を表示できません]
図15
[この文献は図面を表示できません]
図16
[この文献は図面を表示できません]
図17
[この文献は図面を表示できません]
図18
[この文献は図面を表示できません]
図19
[この文献は図面を表示できません]
図20A
[この文献は図面を表示できません]
図20B
[この文献は図面を表示できません]
図21
[この文献は図面を表示できません]
図22
[この文献は図面を表示できません]
図23
[この文献は図面を表示できません]
図24
[この文献は図面を表示できません]
図25
[この文献は図面を表示できません]
図26
[この文献は図面を表示できません]
図27
[この文献は図面を表示できません]
図28
[この文献は図面を表示できません]
図29
[この文献は図面を表示できません]
図30
[この文献は図面を表示できません]
図31
[この文献は図面を表示できません]
図32
[この文献は図面を表示できません]