(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カテーテル本体内に、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔をさらに含み、前記障壁機構も、前記ガイドワイヤの通過に適応するための管腔を含む、請求項1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
X線撮影によって前記有効注入長さを可視化するために、第1の放射線不透過性マーカーを前記障壁機構上に、第2の放射線不透過性マーカーを前記カテーテル本体上にさらに含む、請求項1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
前記多孔性流体分配区画は、前記多孔性流体分配区画の前記所定の最大長さに沿って、サイズおよび/または密度が変動する離間された開口のアレイを備えている、請求項1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
前記多孔性流体分配区画は、前記多孔性流体放出区画の前記最大長さに沿って、前記内部管腔と連通する、軸方向に離間した開口または細孔のアレイを備えている、請求項1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
注入カテーテルアセンブリであって、
内部管腔を有するカテーテル本体であって、前記カテーテル本体は、前記内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、カテーテル本体と、
外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートであって、前記少なくとも1つの流体送達ポートは、ある流量での前記多孔性流体分配区画を通した注入のために、前記多孔性流体分配区画と連通している、少なくとも1つの流体送達ポートと、
障壁機構と
を備え、
前記障壁機構は、前記カテーテル本体内で移動可能であることにより、前記注入カテーテルアセンブリのために、前記多孔性流体分配区画に沿って、前記最大長さと任意のより小さい長さとの間で、無限可変範囲の有効注入長さを確立する、注入カテーテルアセンブリ。
(項目2)
前記障壁機構は、拡張可能構造を備えている、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目3)
前記障壁機構は、流体の導入に応答して拡張する拡張可能構造を備えている、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目4)
前記カテーテル本体内に、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔をさらに含み、前記障壁機構も、前記ガイドワイヤの通過に適応するための管腔を含む、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目5)
X線撮影によって前記有効注入長さを可視化するために、第1の放射線不透過性マーカーを前記障壁機構上に、第2の放射線不透過性マーカーを前記カテーテル本体上にさらに含む、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目6)
前記多孔性流体分配区画は、前記流体の滲漏注入またはパルス噴霧注入のためのサイズおよび構成を有している、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目7)
前記カテーテル本体は、血管内導入のためのサイズおよび構成を有している、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目8)
前記カテーテル本体は、組織塊または器官内への導入のためのサイズおよび構成を有している、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目9)
前記カテーテル本体は、筋肉内導入のためのサイズおよび構成を有している、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目10)
流体送達ポートによって分注される前記流体は、治療剤を含む、項目1に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目11)
注入カテーテルアセンブリであって、
内部管腔を有するカテーテル本体であって、前記カテーテル本体は、前記内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含み、前記多孔性放出区画は、前記多孔性流体分配区画の長さに沿って、サイズおよび/または密度が変動する離間された開口のアレイを備えている、カテーテル本体と、
外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートであって、前記少なくとも1つの流体送達ポートは、ある流量での前記多孔性流体分配区画を通した注入のために、前記多孔性流体分配区画と連通している、少なくとも1つの流体送達ポートと
を備えている、アセンブリ。
(項目12)
障壁機構をさらに含み、前記障壁機構は、前記カテーテル本体内で移動可能であることにより、前記注入カテーテルアセンブリのために、前記多孔性流体分配区画に沿って、前記最大長さと任意のより小さい長さとの間で、無限可変範囲の有効注入長さを確立し、
前記離間された開口は、前記流量が、前記有効注入長さから独立して、所与の入口圧力に対して本質的に一定のままであるように、前記最大長さに沿って、所定の方式でサイズおよび/または密度を変動させる、項目11に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目13)
前記障壁機構は、拡張可能構造を備えている、項目12に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目14)
前記障壁機構は、流体の導入に応答して拡張する拡張可能構造を備えている、項目12に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目15)
前記カテーテル本体内に、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔をさらに含み、障壁機構も、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔を含む、項目12に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目16)
X線撮影によって前記有効注入長さを可視化するために、第1の放射線不透過性マーカーを前記障壁機構上に、第2の放射線不透過性マーカーを前記カテーテル本体上にさらに含む、項目12に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目17)
前記障壁機構は、
内側カテーテル本体であって、前記内側カテーテル本体は、前記多孔性流体分配区画の前記最大長さに沿って、前記カテーテル本体内をスライドすることによって操作されるためのサイズおよび構成を有し、前記内側カテーテル本体は、少なくとも1つの流体送達ポートを含む、内側カテーテル本体と、
前記流体送達ポートの近位の前記内側カテーテル本体によって支持されている障壁構造であって、前記障壁構造は、多孔性流体分配区画の最大長さに沿った前記内側カテーテル本体のスライド操作に適応する減少寸法状態と、増加寸法状態とを有し、前記増加寸法状態は、前記内部管腔を押圧して障壁を形成し、前記障壁は、前記障壁の近位の前記多孔性流体分配区画と連通する分注された流体の流動を遮断する、障壁構造と、
前記多孔性流体分配区画の最大長さに沿った任意の場所で前記外側カテーテル本体内の前記障壁構造を選択的に減少および増加させることにより、前記注入カテーテルアセンブリのために、前記最大長さと前記多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で、無限可変範囲の有効注入長さを確立する機構と
を含む、項目12に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目18)
前記多孔性流体分配区画は、前記流体の滲漏注入またはパルス噴霧注入のためのサイズおよび構成を有している、項目11に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目19)
前記カテーテル本体は、血管内導入のためのサイズおよび構成を有している、項目11に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目20)
前記カテーテル本体は、組織塊または器官内への導入のためのサイズおよび構成を有している、項目11に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目21)
前記カテーテル本体は、筋肉内導入のためのサイズおよび構成を有している、項目11に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目22)
流体送達ポートによって分注される前記流体は、治療剤を含む、項目11に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目23)
注入方法であって、
(i)注入カテーテルアセンブリを提供することであって、前記注入カテーテルアセンブリは、内部管腔を有するカテーテル本体を備え、前記カテーテル本体は、前記内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含み、前記多孔性放出区画は、前記多孔性流体分配区画の長さに沿って、サイズおよび/または密度が変動する離間された開口のアレイを備え、前記注入カテーテルアセンブリは、外部源からの流体を入口圧力で分注するための少なくとも1つの流体送達ポートであって、前記少なくとも1つの流体送達ポートは、ある注入流量での前記多孔性流体分配区画を通した注入のために、前記多孔性流体分配区画と連通している、少なくとも1つの流体送達ポートと、障壁機構とをさらに備え、前記障壁機構は、前記カテーテル本体内で移動可能であることにより、前記注入カテーテルアセンブリのために、前記多孔性流体分配区画に沿って、前記最大長さと任意のより小さい長さとの間で、無限可変範囲の有効注入長さを確立し、前記離間された開口は、前記流量が、前記有効注入長さから独立して、所与の入口圧力に対して本質的に一定のままであるように、前記最大長さに沿って、所定の方式でサイズおよび/または密度を変動させる、ことと、
(ii)前記カテーテル本体内の前記障壁機構を移動させることにより、所望の有効注入長さを確立することと、
(iii)前記多孔性流体分配区画の所望の有効注入長さを通して流体を注入することと
を含む、注入方法。
(項目24)
(iii)は、前記カテーテル本体上の第1の放射線不透過性マーカーおよび前記障壁機構上の第2の放射線不透過性マーカーのX線撮影によって、前記有効注入長さを可視化することを含む、項目23に記載の注入方法。
(項目25)
(iii)は、血管内で行なわれる、項目23に記載の注入方法。
(項目26)
(iii)は、組織塊または器官内で行なわれる、項目23に記載の注入方法。
(項目27)
(iii)は、治療剤の送達を含む、項目23に記載の注入方法。
(項目28)
(iii)は、麻酔剤の送達を含む、項目23に記載の注入方法。
(項目29)
(iii)は、血管系内の閉塞または血栓の治療を含む、項目23に記載の注入方法。
(項目30)
注入方法であって、
(i)注入カテーテルアセンブリを提供することであって、前記注入カテーテルアセンブリは、内部管腔を有するカテーテル本体を備え、前記カテーテル本体は、前記内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含み、前記注入カテーテルアセンブリは、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートであって、前記少なくとも1つの流体送達ポートは、前記多孔性流体分配区画を通した注入のために、前記多孔性流体分配区画と連通している、少なくとも1つの流体送達ポートと、障壁機構とをさらに備え、前記障壁機構は、前記カテーテル本体内で移動可能であることにより、前記注入カテーテルアセンブリのために、前記多孔性流体分配区画に沿って、前記最大長さと任意のより小さい長さとの間で、無限可変範囲の有効注入長さを確立する、ことと、
(ii)前記カテーテル本体内の前記障壁機構を移動させることにより、所望の有効注入長さを確立することと、
(iii)前記多孔性流体分配区画の所望の有効注入長さを通して流体を注入することと
を含む、注入方法。
(項目31)
(iii)は、前記カテーテル本体上の第1の放射線不透過性マーカーおよび前記障壁機構上の第2の放射線不透過性マーカーのX線撮影によって、前記有効注入長さを可視化することを含む、項目30に記載の注入方法。
(項目32)
(iii)は、血管内で行なわれる、項目30に記載の注入方法。
(項目33)
(iii)は、組織塊または器官内で行なわれる、項目30に記載の注入方法。
(項目34)
(iii)は、治療剤の送達を含む、項目30に記載の注入方法。
(項目35)
(iii)は、麻酔剤の送達を含む、項目30に記載の注入方法。
(項目36)
(iii)は、血管系内の閉塞または血栓の治療を含む、項目30に記載の注入方法。
(項目37)
注入カテーテルアセンブリであって、
内部管腔を有する外側カテーテル本体であって、前記外側カテーテル本体は、前記内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、外側カテーテル本体と、
使用時、前記外側カテーテル本体内に挿入され、前記多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、前記外側カテーテル本体内をスライドすることによって操作されるためのサイズおよび構成を有する内側カテーテル本体であって、前記内側カテーテル本体は、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートを含み、前記少なくとも1つの流体送達ポートは、前記多孔性流体分配区画を通した注入のために、前記多孔性流体分配区画と連通している、内側カテーテル本体と、
前記流体送達ポートの近位の前記内側カテーテル本体によって支持されている障壁構造であって、前記障壁構造は、多孔性流体分配区画の最大長さに沿った前記内側カテーテル本体のスライド操作に適応する減少寸法状態と、増加寸法状態とを有し、前記増加寸法状態は、前記内部管腔を押圧して障壁を形成し、前記障壁は、前記障壁の近位の前記多孔性流体分配区画と連通する分注された流体の流動を遮断する、障壁構造と、
前記多孔性流体分配区画の最大長さに沿った任意の場所で前記外側カテーテル本体内の前記障壁構造を選択的に減少および増加させることにより、前記注入カテーテルアセンブリのために、前記最大長さと前記多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で、無限可変範囲の有効注入長さを確立する機構と
を備えている、注入カテーテルアセンブリ。
(項目38)
X線撮影によって前記有効注入長さを可視化するために、外側放射線不透過性マーカーを前記外側カテーテル本体上に、内側放射線不透過性マーカーを前記内側カテーテル本体上にさらに含む、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目39)
前記内側カテーテル本体内に、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔をさらに含み、
前記外側カテーテル本体も、前記ガイドワイヤの通過に適応するための管腔を含む、
項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目40)
前記多孔性流体分配区画は、前記多孔性流体放出区画の前記最大長さに沿って、前記内部管腔と連通する、軸方向に離間した開口または細孔のアレイを備えている、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目41)
前記多孔性流体放出区画は、前記流体の滲漏注入またはパルス噴霧注入のためのサイズおよび構成を有している、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目42)
前記障壁構造は、拡張可能構造を備えている、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目43)
前記障壁構造は、流体の導入に応答して拡張する拡張可能構造を備えている、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目44)
前記内側および外側カテーテル本体は各々、血管内導入のためのサイズおよび構成を有している、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目45)
前記内側および外側カテーテル本体は各々、組織塊または器官内への導入のためのサイズおよび構成を有している、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目46)
前記内側および外側カテーテル本体は各々、筋肉内導入のためのサイズおよび構成を有している、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目47)
流体送達ポートによって分注される前記流体は、治療剤を含む、項目37に記載の注入カテーテルアセンブリ。
(項目48)
注入方法であって、
(i)内部管腔を有する外側カテーテル本体を提供することであって、前記外側カテーテル本体は、前記内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、ことと、
(ii)前記外側カテーテル本体内に、内側カテーテル本体を挿入することであって、前記内側カテーテル本体は、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートを有し、前記少なくとも1つの流体送達ポートは、前記多孔性流体分配区画を通した注入のために、前記多孔性流体分配区画と連通しており、前記内側カテーテル本体は、前記流体送達ポートの近位に障壁構造を含み、前記障壁構造は、減少寸法状態および増加寸法状態を有する、ことと、
(iii)前記障壁構造が減少寸法状態にある場合に、前記内側カテーテル本体を前記外側カテーテル本体内で前記多孔性流体分配区画の最大長さに沿ってスライドすることによって、前記内側カテーテル本体を操作することと、
(iv)前記障壁構造を増加寸法状態にすることにより、前記障壁構造を前記内部管腔に押圧して障壁を形成することによって、前記内側カテーテル本体を操作することであって、前記障壁は、前記障壁の近位の前記多孔性流体分配区画と連通する前記分注された流体の流体を遮断する、ことと、
(v)(iii)および(iv)を行い、前記多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、前記外側カテーテル本体内の前記障壁構造の寸法を選択的に減少および増加させることにより、前記注入カテーテルアセンブリのために、所望の有効注入長さを確立することであって、前記所望の有効注入長さは、前記最大長と前記多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で無限に可変である、ことと、
(vi)前記多孔性流体分配区画の所望の有効注入長さを通して流体を注入することと
を含む、注入方法。
(項目49)
(v)は、前記外側カテーテル本体上の外側放射線不透過性マーカーおよび前記内側カテーテル本体上の内側放射線不透過性マーカーのX線撮影によって、前記有効注入長さを可視化することを含む、項目48に記載の注入方法。
(項目50)
(v)は、ガイドワイヤの使用を含む、項目48に記載の注入方法。
(項目51)
(vi)は、血管内で行なわれる、項目48に記載の注入方法。
(項目52)
(vi)は、組織塊または器官内で行なわれる、項目48に記載の注入方法。
(項目53)
(vi)は、治療剤の送達を含む、項目48に記載の注入方法。
(項目54)
(vi)は、麻酔剤の送達を含む、項目48に記載の注入方法。
(項目55)
(vi)は、血管系内の閉塞または血栓の治療を含む、項目48に記載の注入方法。
(項目56)
(vi)は、腫瘍の治療を含む、項目48に記載の注入方法。
本発明の一側面は、注入区画の長さを原位置で無限に調整するための能力を有する、注入カテーテルアセンブリを提供する。注入カテーテルアセンブリは、規定された範囲にわたって無限に変動され得る、注入の長さを提供し、有効注入長さおよび注入率を制御する。注入カテーテルアセンブリを使用することによって、医師は、所望される脈管の長さのみ治療し、それによって、過剰な薬物/患者暴露を防止する能力を有する。
【0005】
本発明の別の側面は、多孔性流体分配区画の長さに沿って、サイズおよび/または密度が変動する離間された開口のアレイを含む、多孔性流体分配区画を有する、注入カテーテルアセンブリを提供する。障壁機構は、多孔性分配区画に沿って移動可能であり、注入カテーテルアセンブリのために、最大長と多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で無限可変範囲の有効注入長さを確立するために提供されることができる。離間された開口は、流量が、有効注入長さから独立して、所与の入口圧力に対して本質的に一定のままであるように、最大長さに沿って、所定の方式でサイズおよび/または密度を変動させる。
【0006】
本発明の別の側面では、注入カテーテルアセンブリは、内部管腔を有するカテーテル本体であって、カテーテル本体は、内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、カテーテル本体を備えている。カテーテルアセンブリはまた、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートであって、少なくとも1つの流体送達ポートは、ある流量での多孔性流体分配区画を通した注入のために、多孔性流体分配区画と連通している、少なくとも1つの流体送達ポートと、また、カテーテル本体内で移動可能であり、注入カテーテルアセンブリのために、多孔性流体分配区画に沿って、最大長さと任意のより小さい長さとの間で無限可変範囲の有効注入長さを確立するための障壁機構とを含む。
【0007】
本発明の別の側面では、注入カテーテルアセンブリは、内部管腔を有するカテーテル本体であって、カテーテル本体は、内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、カテーテル本体を備え得る。多孔性放出区画は、多孔性流体分配区画の長さに沿って、サイズおよび/または密度が変動する離間された開口のアレイを備え得る。カテーテルアセンブリはまた、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートであって、少なくとも1つの流体送達ポートは、ある流量での多孔性流体分配区画を通した注入のために、多孔性流体分配区画と連通している、少なくとも1つの流体送達ポートを有し得る。
【0008】
障壁機構は、流体の導入に応答して、拡張し得る、拡張可能構造を備え得る。障壁機構はまた、カテーテル本体内で移動可能であり、注入カテーテルアセンブリのために、最大長さと多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で無限可変範囲の有効注入長さを確立するためのものであり得る。離間された開口は、流量が、有効注入長さから独立して、所与の入口圧力に対して本質的に一定のままであるように、最大長さに沿って、所定の方式において、サイズおよび/または密度を変動させ得る。アセンブリはさらに、カテーテル本体内に、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔を含み得、障壁機構はまた、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔を含み得る。第1の放射線不透過性マーカーは、障壁機構上に配置され得、第2の放射線不透過性マーカーは、カテーテル本体上に配置され、X線撮影によって、有効注入長さを可視化し得る。
【0009】
多孔性流体分配区画は、流体の滲漏注入またはパルス噴霧注入のためのサイズおよび構成を有し得る。カテーテル本体は、血管内導入、筋肉内導入、または組織塊または器官内への導入のためのサイズおよび構成を有し得る。流体送達ポートによって分注される流体は、血栓溶解剤等の治療剤を含み得る。
【0010】
障壁機構は、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、カテーテル本体内をスライドすることによって操作されるためのサイズおよび構成を有する、内側カテーテル本体を含み得る。内側カテーテル本体は、少なくとも1つの流体送達ポートを含み得る。障壁構造は、流体送達ポートの近位の内側カテーテル本体によって支持され得る。障壁構造は、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、内側カテーテル本体のスライド操作に適応する、減少寸法状態を有し得る。障壁構造は、内部管腔を押圧し、障壁の近位の多孔性流体分配区画と連通する分注された流体の流動を遮断する、障壁を形成する、増加寸法状態を有し得る。アセンブリはまた、選択的に、外側カテーテル本体内の障壁構造を減少および増加させ、任意の場所に、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、注入カテーテルアセンブリのために、最大長さと多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間の無限可変範囲の有効注入長さを確立するための機構を有し得る。
【0011】
本発明のさらに別の側面では、注入方法は、(i)内部管腔を有するカテーテル本体であって、カテーテル本体は、内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、カテーテル本体を備えている、注入カテーテルアセンブリを提供することを含む。多孔性放出区画は、多孔性流体分配区画の長さに沿って、サイズおよび/または密度が変動する離間された開口のアレイを備えている。注入カテーテルアセンブリはさらに、ある注入流量での多孔性流体分配区画を通した注入のために、多孔性流体分配区画と連通する、ある入口圧力における外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートと、カテーテル本体内を移動可能であり、注入カテーテルアセンブリのために、最大長さと多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で無限可変範囲の有効注入長さを確立するための障壁機構とを備えている。離間された開口は、流量が、有効注入長さから独立して、所与の入口圧力に対して本質的に一定のままであるように、最大長さに沿って、所定の方式でサイズおよび/または密度を変動させる。方法はまた、(ii)カテーテル本体内の障壁機構を移動させることにより、所望の有効注入長さを確立することと、(iii)多孔性流体分配区画の所望の有効注入長さを通して、流体を注入することとを含む。
【0012】
注入ステップは、カテーテル本体上の第1の放射線不透過性マーカーおよび障壁機構上の第2の放射線不透過性マーカーのX線撮影によって、有効注入長さを可視化することを含み得る。注入は、血管、組織塊、または器官内で行なわれ得、血管系内の血栓の閉塞の治療剤、麻酔剤、または治療の送達、あるいは腫瘍の治療を含み得る。
【0013】
本発明のさらに別の側面では、注入方法は、(i)内部管腔を有するカテーテル本体であって、カテーテル本体は、内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、カテーテル本体を備えている、注入カテーテルアセンブリを提供することを含む。注入カテーテルアセンブリはさらに、多孔性流体分配区画を通した注入のために、多孔性流体分配区画と連通する、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートと、カテーテル本体内を移動可能であり、注入カテーテルアセンブリのために、最大長さと多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で無限可変範囲の有効注入長さを確立するための障壁機構とを備えている。方法はまた、(ii)カテーテル本体内の障壁機構を移動させることにより、所望の有効注入長さを確立することと、(iii)多孔性流体分配区画の所望の有効注入長さを通して、流体を注入することとを含む。
本発明のさらに別の側面では、注入カテーテルアセンブリは、内部管腔を有し、内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、外側カテーテル本体を備えている。アセンブリはまた、使用時、外側カテーテル本体内に挿入され、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、外側カテーテル本体内をスライドすることによって操作されるためのサイズおよび構成を有する、内側カテーテル本体を備えている。内側カテーテル本体は、多孔性流体分配区画を通した注入のために、多孔性流体分配区画と連通する、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートを含む。アセンブリは、流体送達ポートの近位の内側カテーテル本体によって支持される、障壁構造を含む。障壁構造は、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、内側カテーテル本体のスライド操作に適応する、減少寸法状態と、内部管腔を押圧し、障壁の近位の多孔性流体分配区画と連通する分注された流体の流動を遮断する障壁を形成する、増加寸法状態とを有する。アセンブリはまた、選択的に、外側カテーテル本体内の障壁構造の寸法を減少および増加させ、任意の場所に、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、注入カテーテルアセンブリのために、最大長と多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で無限可変範囲の有効注入長さを確立するための機構を含む。
【0014】
注入カテーテルアセンブリはさらに、外側カテーテル本体上の外側放射線不透過性マーカーおよび内側カテーテル本体上の内側放射線不透過性マーカーを含み、X線撮影によって、有効注入長さを可視化し得る。アセンブリは、内側カテーテル本体内に、ガイドワイヤの通過に適応する管腔を有し得、外側カテーテル本体はまた、ガイドワイヤの通過に適応するための管腔を含み得る。多孔性流体分配区画は、多孔性流体放出区画の最大長さに沿って、内部管腔と連通する、軸方向に離間した開口または細孔のアレイを備え得る。多孔性流体放出区画は、流体の滲漏注入またはパルス噴霧注入のためのサイズおよび構成を有し得る。
【0015】
本発明の別の側面では、注入方法は、(i)内部管腔を有し、内部管腔と連通する所定の最大長さを有する多孔性流体分配区画を含む、外側カテーテル本体を提供することを含む。方法はまた、(ii)外側カテーテル本体内に、多孔性流体分配区画を通した注入のために、多孔性流体分配区画と連通する、外部源からの流体を分注するための少なくとも1つの流体送達ポートを有する、内側カテーテル本体を挿入することを含む。内側カテーテル本体は、流体送達ポートの近位の障壁構造を含み、障壁構造は、減少寸法状態および増加寸法状態を有する。方法はまた、(iii)障壁構造が、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、減少寸法状態にある場合に、内側カテーテル本体を外側カテーテル本体内でスライドすることによって、内側カテーテル本体を操作することと、(iv)障壁構造を増加寸法状態にし、障壁構造を内部管腔に押圧して、障壁の近位の多孔性流体分配区画と連通する分注された流体の流体を遮断する、障壁を形成することによって、内側カテーテル本体を操作することと、(v)(iii)および(iv)を行い、選択的に、多孔性流体分配区画の最大長さに沿って、外側カテーテル本体内の障壁構造の寸法を減少および増加させ、注入カテーテルアセンブリのために、所望の有効注入長さを確立することであって、所望の有効注入長さは、最大長と多孔性流体分配区画に沿った任意のより小さい長さとの間で無限に可変である、ことと、(vi)多孔性流体分配区画の所望の有効注入長さを通して、流体を注入することとを含む。ステップ(v)は、ガイドワイヤを使用して行なわれ得る。
【0016】
本発明のこれらおよび他の側面ならびに利点は、以下の説明および付随の図面において明白である。
【0017】
(参照による引用)
本明細書に記載の全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個々に、参照することによって組み込まれるように意図される場合と同程度において、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の新規特徴は、添付の請求項に特異性とともに記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する、以下の発明を実施するための形態および付随の図面を参照することによって、得られるであろう。
【
図1A】
図1Aは、本発明の技術的特徴を具現化する、内側カテーテル本体および外側カテーテル本体を備えている、注入カテーテルアセンブリの分解図である。
【
図1B】
図1Bは、障壁構造の存在を示す、
図1Aに示される内側カテーテル本体の遠位端の拡大図である。
【
図1C】
図1Cは、概して、
図1Aの線1C−1Cに沿った、内側カテーテル本体の断面図である。
【
図2B】
図2Bおよび2Cは、外側カテーテル本体内に常駐する内側カテーテル本体の遠位端の拡大図であり、それぞれ、減少寸法状態(
図2B)および増加寸法状態(
図2C)で示される、液密シールを形成し、外側カテーテル本体内に流体分配チャンバを画定するための障壁構造を伴う。
【
図2C】
図2Bおよび2Cは、外側カテーテル本体内に常駐する内側カテーテル本体の遠位端の拡大図であり、それぞれ、減少寸法状態(
図2B)および増加寸法状態(
図2C)に示される、液密シールを形成し、外側カテーテル本体内に流体分配チャンバを画定するための障壁構造を伴う。
【
図2D】
図2Dは、外側カテーテル本体内で内側カテーテル本体の遠位端を原位置で無限に移動させる能力を示す、拡大図である。
【
図2E】
図2Eは、外側カテーテル本体内の第1の位置に常駐する、内側カテーテル本体の遠位端の拡大図であり、障壁構造は、その増加寸法状態では、液密シールの場所の遠位(近位ではない)の外側カテーテル本体内の流体放出開口のみによって放出するために、治療剤を分配するチャンバを形成する。
【
図2F】
図2Fは、外側カテーテル本体内の第2の位置に常駐する、内側カテーテル本体の遠位端の拡大図であり、障壁構造は、その増加寸法状態では、同様に、液密シールの場所の遠位(近位ではない)の外側カテーテル本体内の流体放出開口のみによって放出するために、治療剤を分配する、
図2Eに示されるチャンバより大きいチャンバを形成し、
図2Fに示される注入長さは、
図2Eに示される注入長さより長い。
【
図3A】
図3A−3Eは、アセンブリの最大注入長さより有意に短い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示する。
【
図3B】
図3A−3Eは、アセンブリの最大注入長さより有意に短い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示する。
【
図3C】
図3A−3Eは、アセンブリの最大注入長さより有意に短い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示する。
【
図3D】
図3A−3Eは、アセンブリの最大注入長さより有意に短い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示する。
【
図3E】
図3A−3Eは、アセンブリの最大注入長さより有意に短い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示する。
【
図4A】
図4A−4Eは、
図3A−3Eに示される閉塞の長さより長い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示し、所望される脈管の長さのみ治療し、それによって、過剰な薬物/患者暴露を防止する注入カテーテルアセンブリの能力を図示する。
【
図4B】
図4A−4Eは、
図3A−3Eに示される閉塞の長さより長い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示し、所望される脈管の長さのみ治療し、それによって、過剰な薬物/患者暴露を防止する注入カテーテルアセンブリの能力を図示する。
【
図4C】
図4A−4Eは、
図3A−3Eに示される閉塞の長さより長い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示し、所望される脈管の長さのみ治療し、それによって、過剰な薬物/患者暴露を防止する注入カテーテルアセンブリの能力を図示する。
【
図4D】
図4A−4Eは、
図3A−3Eに示される閉塞の長さより長い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示し、所望される脈管の長さのみ治療し、それによって、過剰な薬物/患者暴露を防止する注入カテーテルアセンブリの能力を図示する。
【
図4E】
図4A−4Eは、
図3A−3Eに示される閉塞の長さより長い長さを有する、閉塞を治療するための
図1Aおよび2Aに示される注入カテーテルアセンブリの使用を図示し、所望される脈管の長さのみ治療し、それによって、過剰な薬物/患者暴露を防止する注入カテーテルアセンブリの能力を図示する。
【
図5】
図5は、外側カテーテル本体内で移動可能であり、所望の注入流量を有意に改変せずに、注入区画の長さを原位置で無限に調整するために、内側カテーテル本体を備えている、注入カテーテルアセンブリの別の代表的実施形態である。
【
図6】
図6−8は、所望の注入流量(F)を有意に改変せずに、注入区画の長さを原位置で無限に調整するために、
図5に示される注入カテーテルアセンブリの操作を図示する拡大図である。
【
図7】
図6−8は、所望の注入流量(F)を有意に改変せずに、注入区画の長さを原位置で無限に調整するために、
図5に示される注入カテーテルアセンブリの操作を図示する拡大図である。
【
図8】
図6−8は、所望の注入流量(F)を有意に改変せずに、注入区画の長さを原位置で無限に調整するために、
図5に示される注入カテーテルアセンブリの操作を図示する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
開示される物理的実施形態は、単に、他の具体的構造に具現化され得る、本発明の技術的特徴を例示するものである。好ましい実施形態が、説明されるが、詳細は、本発明の技術的特徴から逸脱することなく、変更され得る。
【0020】
(I.アセンブリ)
図1Aは、分解図において、注入カテーテルアセンブリ10を示す。
図1Aでは、注入カテーテルアセンブリ10は、溶液中の1つ以上の治療剤を末梢血管系内に送達するためのサイズおよび構成を有する。しかしながら、説明される技術的特徴は、血管内注入に限定されない。血管内注入は、アセンブリの技術的特徴を図示する、多くの例示的実施形態のうちの1つにすぎない。説明される注入カテーテルアセンブリ10の技術的特徴は、身体全体を通る任意の非経口経路によって、治療剤を標的組織または器官領域に送達することによって、多様な注入療法または治療目的を達成するための使用のため(例えば、外科手術の間)、および/または腫瘍の治療における腫瘍学的目的のため、および/または皮下、筋肉内、または硬膜外注入が所望されるいかなるときにも適用可能であることを理解されたい。
【0021】
図1Aが、例示的目的のために示すように、アセンブリ10は、第1のカテーテル本体12および第2のカテーテル本体14を含む。
図2Aが、組み立てられた図で示すように、第2のカテーテル本体14は、使用時、第1のカテーテル本体12内に挿入されるためのサイズおよび構成を有する。この理由から、第1および第2のカテーテル本体12および14は、それぞれ、外側カテーテル本体12および内側カテーテル本体14とも呼ばれる。
【0022】
例示的実施形態では、
図2Aがまた示すように、内側カテーテル本体14および外側カテーテル本体12のアセンブリは、末梢血管系内の標的治療領域内への送達のために、従来のガイドワイヤ16(例えば、.035インチ直径)の上に導入されるためのサイズおよび構成を有する(
図3A参照)。標的治療領域は、所望される治療目的に応じて、末梢血管系の静脈内または動脈内にあり得る。外側カテーテル本体12の外径は、標的治療領域の生体構造に応じたサイズを有し得、例えば、4Fr〜10Frである。
図1Aが示すように、外側カテーテル本体12の遠位端は、望ましくは、標的組織領域への非外傷性アクセスを提供するようにテーパ状にされる。
【0023】
カテーテル本体12および14は、例えば、低摩擦表面を有する高密度または低密度ポリエチレンを備え、低摩擦表面は、ガイドワイヤ16の上を通ることを容易にすることができる。他の候補材料として、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルブロックアミド、ナイロン12、ポリアミド、ポリアミドコポリマー、ポリプロピレン、ポリエステルコポリマー、ポリビニル二フッ化物、またはシリコンゴムが挙げられる。アセンブリの長さは、標的治療領域の生体構造に応じた範囲であり得、例えば、45cm以下から135cm以上である。
【0024】
例示的実施形態では、末梢血管系内の標的治療領域への導入に応じて(例えば、
図3E参照)、アセンブリ10は、溶液中の1つ以上の治療剤を標的領域内へ送達するためのサイズおよび構成を有する。図示される実施形態では、治療剤として、例えば、個人を治療するための全身性循環用薬物、または麻酔剤、または標的治療領域に常駐する血栓を溶解するための溶解剤が挙げられ得る。
【0025】
この目的のために、外側カテーテル本体12の遠位領域は、多孔性流体分配区画18を含む。区画18の長さまたは範囲は、例えば、1〜3cmに変動することができる。外側カテーテル本体12内に常駐する場合、内側カテーテル本体14は、多孔性流体分配区画18と連通する外部源から、溶液中の治療剤を送達する(
図2A参照)。多孔性流体分配区画18は、例えば、標的治療部位における治療剤の滲漏注入(局所的な持続性の低圧送達)またはパルス噴霧注入(直接注入される高圧でのバーストまたはパルス送達)のためのサイズおよび構成を有していることができる。源は、例えば、治療剤の低速持続性注入のための従来の注入ポンプ、あるいは手動および/またはバースト送達のための従来の注射器システムを備えていることができる。
【0026】
以下により詳細に説明されるように、内側カテーテル本体14は、多孔性流体分配区画18の長さに沿って、外側カテーテル本体12内をスライドすることによって操作されることができる。多孔性流体分配区画18に沿って、内側カテーテル本体14の所望の相対的位置を固定することによって、多孔性流体分配区画18の有効注入長さまたは範囲が、多孔性流体分配区画18の最大長とその最小長さまでの多孔性流体分配区画18の任意のより小さい長さとの間の範囲内の任意の場所に、原位置で調整されることができる(
図2Eおよび2F参照)。
【0027】
本発明の本側面によると、
図2Eおよび2Fに例示されるように、外側カテーテル本体12に対して内側カテーテル本体14を操作することは、ゼロから外側カテーテル本体12によって提供される最大長さまで、多孔性流体分配区画18の有効注入長さまたは範囲を原位置で無限に変動させることを可能にする。このように、治療剤の分配は、標的治療領域の形態および送達要求に従って、原位置で精密に調整されることができる。
【0028】
アセンブリ10は、これらの技術的特徴を含むように、多様に構築され得る。
【0029】
図1Aに図示される実施形態では、内側カテーテル本体14は、近位端20および遠位端22を含む。治療提供者による操作のためのサイズおよび構成を有しているハンドル24は、近位端20に取り付けられる。
【0030】
外側カテーテル本体12は、内部管腔26を含む(
図1A参照)。内部管腔26の内径および内側カテーテル本体14の外径は、内側カテーテル本体14が、外側カテーテル本体12の内部管腔26の中に嵌入され、その遠位末端まで内部管腔26を通してスライドすることによって、容易に前進され得るようなサイズを互に有している。
【0031】
内側カテーテル本体14内のガイドワイヤ管腔28(
図1C参照)は、従来のガイドワイヤ16の通過に適応するためのサイズおよび構成を有する。ハンドル24(
図1A参照)上の止血継手30は、ガイドワイヤ管腔28と連通し、内側カテーテル本体14を通して軸方向に、ガイドワイヤ管腔28内へのガイドワイヤ16の導入を可能にする。これは、内側カテーテル本体14が、ガイドワイヤ16の上に導入されることを可能にする。内側カテーテル本体14の遠位先端は、ガイドワイヤ16に対して密閉する、閉塞弁または隔壁32を含み得る。
【0032】
図2Aが示すように、外側カテーテル本体12はまた、内側カテーテル本体14が、ガイドワイヤ16の上で、外側カテーテル本体12内に挿入され得るように、ガイドワイヤ16の通過に適応する。したがって、使用時、外側カテーテル本体12および内側カテーテル本体14は両方とも、
図2Aが図示するように、ガイドワイヤ16の上で、末梢血管系内へ連動して導入されることができる。外側カテーテル本体12の内部管腔の遠位末端はまた、同様に、ガイドワイヤ16に対して密閉する閉塞弁または隔壁32を含み得る。
【0033】
さらに
図1Cに示されるように、1つ以上の注入管腔34が、内側カテーテル本体14内に形成される。注入管腔32は、内側カテーテル本体14の遠位端における注入ポート36と連通する。ハンドル24上の標準的ルアーロックアダプタ38は、注入管腔34と連通する。治療剤源40は、アダプタ38に連結されることができる(
図2Aに例示されるように)。溶液中の治療剤は、外側カテーテル本体12の内部管腔26内へのポート36による放出のために、内側カテーテル本体14の注入管腔34を通して搬送される(
図2Eおよび2F参照)。
【0034】
図示される実施形態では、外側カテーテル本体12の多孔性流体分配区画18は、多孔性流体分配区画18の長さに沿って、内部管腔26と連通する、軸方向に離間した開口42のアレイを備えている。開口42は、例えば、レーザ穿孔によって形成された離散孔のアレイ、または外側カテーテル本体12の遠位端に添着されたマイクロ多孔性膜内の細孔のアレイ、またはそれらの組み合わせを備えていることができる。
【0035】
内側カテーテル本体14が、多孔性流体分配区画18内の外側カテーテル本体12の内部管腔26を占有すると、注入ポート36によって放出された溶液中の治療剤は、外側カテーテル本体12の内部管腔内に搬送される。
【0036】
内側カテーテル本体14の遠位端は、例えば、バルーン状の拡張可能本体またはコーティングされたワイヤメッシュを備え得る、障壁構造44を支持する。
図1Aでは、障壁構造44は、通常、減少寸法状態(例えば、崩れた状態または薄型状態)で示され、外側カテーテル本体12の内部管腔26内への内側カテーテル本体14のスライド挿入に適応する(
図2Bが示すように)。
【0037】
図2Cが示すように、障壁構造44は、所望に応じて、増加寸法状態に向かって拡大されることができる。障壁構造44は、種々の方法で拡大されることができる。例えば、内側カテーテル本体14内を軸方向に移動可能なスタイレット(図示せず)によって動作させられる傘状機構を含むことができる。
【0038】
図示される代表的実施形態では、障壁構造44は、拡張媒体の導入によって拡張する。この配列では、内側カテーテル本体14は、
図1Cに示される、拡張媒体管腔46を含む(説明される代替傘状実施形態では、スタイレットが、この管腔46を占有し、それを通して、軸方向にスライドし得る)。拡張媒体管腔46は、障壁構造44と連通し、拡張媒体を障壁構造44内に搬送し、それを拡大または拡張させる。この配列では、ハンドル24上の標準的ルアーロックアダプタ48は、拡張媒体管腔48と連通し、拡張媒体源(例えば、
図2Aに例示されるように、生理食塩水を含む注射器50)への連結に適応し、所望に応じて、拡張媒体を搬送し、障壁構造44をその増加寸法状態(
図2Cが示すように)にする。この配列では、ハンドル24上のルアーロックアダプタ48はまた、望ましくは、内側カテーテル本体14の再位置付けまたは引き出しが所望される場合、所望に応じて、拡張媒体を排出させ、障壁構造44をその減少寸法状態(
図2Bが示すように)に戻すことが可能である。
【0039】
その増加寸法状態(
図2C参照)にあるとき、障壁構造44は、外側カテーテル本体12の内部管腔26を押圧し、液密シールを形成する。液密シールは、治療剤が内部管腔内に放出された場合、治療剤の近位流動方向へ(すなわち、ハンドル24に向かって)の通過を遮断する障壁を形成する。流体分配チャンバ52は、内部管腔26内の原位置で形成される。流体分配チャネル52は、障壁構造44によって形成される液密シールと外側カテーテル本体12の内部管腔26の遠位末端との間の分離距離によって、軸方向に画定される。分離の程度は、外側カテーテル本体12上の外側放射線不透過性マーカー54および内側カテーテル本体14上の内側放射線不透過性マーカー56のX線撮影によって、原位置で可視化されることができる。
【0040】
治療剤が形成されたチャンバ52内に放出されると(
図2Eおよび2F参照)、その増加寸法状態にある場合、治療剤は、障壁構造44によって形成される液密シールの場所の遠位(近位ではない)の多孔性流体分配区画18内の流体放出開口42のみによって分配される。
【0041】
障壁構造44の選択的拡大と連動して、外側カテーテル本体12に対して内側カテーテル本体14を操作し、それによってチャンバ52を形成することによって、外側カテーテル本体12の流体分配区画18の有効注入長さまたは範囲は、原位置で無限に変動されることができる。
図2Dが示すように、内側カテーテル本体14上の障壁構造44と外側カテーテル本体12の内部管腔26の末端との間の相対的分離(すなわち、チャンバ52の体積を画定する)は、障壁構造44がその減少寸法状態にある間、内側カテーテル本体14を外側カテーテル本体12内で引き出すことおよび/または前進させることによって、無限に変動されることができる(X線可視化支援下)。所望の分離が達成されると、その増加寸法状態への障壁構造44の拡大は、分離を係止し、
図2Eおよび2Fが図示するように、それぞれのチャンバ52を形成する。
【0042】
(II.アセンブリの代表的使用)
図3A−3Eは、溶液中の1つ以上の治療剤を末梢血管系内へ送達するためのアセンブリ10の使用を図示する。例証の目的のために、
図3A−3Eは、血管系の罹患範囲を通して血流を再確立するための血管系内の閉塞または血栓の治療の文脈において説明される。このように、使用時のアセンブリ10の技術的特徴は、例えば、末梢動脈閉塞、または血液透析移植片閉塞、または深静脈血栓形成を治療するように説明され得る。
【0043】
依然として、この特定の文脈において説明される、アセンブリ10は、その用途を血管閉塞の治療に限定されないことを理解されたい。アセンブリ10の使用は、説明されるように、経口経路以外によって、1つ以上の治療剤を身体の領域に送達することが所望される、「注入療法」を必要とする多様な状況に適用可能である。このようなものとして、例えば、全身性薬物送達における、末梢血管系内への溶液中の治療剤の送達、あるいは麻酔剤の送達が挙げられるが、また、組織塊または器官内への治療剤の注入、例えば、外科手術の間、および/または腫瘍の治療における腫瘍学的目的、および/または筋肉内注入、および/または硬膜外注入も包含する。
【0044】
図3Aは、例証の目的のために、従来の方式における、末梢血管系内へのガイドワイヤ16の上でのアセンブリ10の導入を描写する。導入されるとき、アセンブリ10は、既に説明されたように、外側カテーテル本体12内に入れ子にされた内側カテーテル本体14を備え、その減少寸法状態における障壁構造44を伴う。例示的実施形態では、アセンブリ10は、X線撮影支援下、溶解剤によって治療可能な血管閉塞(血栓)が存在する領域内に位置付けられる。
【0045】
X線撮影支援下、ガイドワイヤ16は、最初に、血管閉塞を通過させられる。さらにX線撮影支援下、アセンブリ10は、外側カテーテル本体12の多孔性流体分配区画18が、血管閉塞の有意な部分を占有するまで、ガイドワイヤ16の上で前進される。
【0046】
図3Aに図示されるように、血管閉塞は、外側カテーテル本体12の多孔性流体分配区画18の最大長さ未満の軸方向長さを有する。アセンブリ10の技術的特徴により、治療提供者は、多孔性流体分配区画18の注入長さ(すなわち、範囲)を閉塞の長さ(すなわち、範囲)により緻密に合致するように調整し、それによって、アセンブリ10の注入範囲を治療されるべき解剖学的領域の治療要求に焦点を当てるよう選定することができる。
図3Bが示すように、外側カテーテル本体12を静止させたままで、治療提供者は、X線撮影によって、2つのマーカー54および56の分離距離を計測しながら、外側カテーテル本体12内の内側カテーテル本体14を引き出すことによって、外側カテーテル本体12内の内側カテーテル本体14を操作し、外側カテーテルの多孔性流体分配区画18の注入長さを減少させる。
【0047】
マーカー54および56によって可視化された分離距離が、血管閉塞の形態に最良に一致すると(
図3C参照)、治療提供者は、内側カテーテル本体14を通して、障壁構造44内へ拡張媒体を搬送することによって、障壁構造44をその増加寸法状態まで拡大させる。障壁構造44は、
図3Cに示されるその増加寸法状態に向かって拡大する。この状態にあるとき、障壁構造44は、外側カテーテル本体12の内部管腔26を押圧し、液密シールを形成する。チャンバ52が形成される。
【0048】
治療提供者は、内側カテーテル本体14の注入ポート36を通して、チャンバ52内に選択された溶解剤を搬送する(
図3D参照)。チャンバ52は、その規定された寸法により、障壁構造44によって形成される液密シールの場所の遠位(近位ではない)の流体放出開口42のみに薬剤を分配する(
図3E参照)。この画定された注入長さまたは範囲は、多孔性流体分配区画18の最大注入長さより有意に短く、したがって、アセンブリ10の注入範囲を治療されるべき解剖学的領域の治療要求に合わせる。
【0049】
図4A−4Eは、血管閉塞が、外側カテーテル本体12の多孔性流体分配区画18の最大長さにより近い軸方向長さを有する異なる状況を図示する。アセンブリ10の技術的特徴により、治療提供者は、
図3A−3Eに示されるより小さい閉塞を治療するために原位置で調整され得るアセンブリ10を使用して、ここでは、代わりに、
図4A−4Eに示されるより長い閉塞を治療するために、多孔性流体分配区画18の注入長さ(範囲)を原位置で調整するように選定することができる。
【0050】
図4Bが示すように、障壁構造44がその減少寸法状態にある状態において、治療提供者は、X線撮影によって、2つのマーカー54および56の分離距離を計測しながら、内側カテーテル本体14を外側カテーテル本体12から引き出すことによって、内側カテーテル本体14を外側カテーテル本体12内で操作し、外側カテーテル本体12の多孔性流体分配区画18の注入長さまたは範囲を増加させる。
【0051】
マーカー54および56によって可視化された分離距離が、血管閉塞の形態に一致すると(
図4C参照)、治療提供者は、内側カテーテル本体14を通して、障壁構造44内へ拡張媒体を搬送することによって、障壁構造44を拡大させる。障壁構造44は、
図4Cに示されるその増加寸法状態に向かって拡大する。その増加寸法状態にあるとき、障壁構造44は、外側カテーテル本体12の内部管腔26を押圧し、液密シールを形成する。
図4Cでは、
図3Cにおけるアセンブリ10の操作によって形成されるチャンバ52より有意に大きいチャンバ52が、形成される。
【0052】
治療提供者は、内側カテーテル本体14の注入ポート36を通して、より大きなチャンバ52内へ選択された溶解剤を搬送し(
図4D参照)、これは、より大きなチャンバ52の液密シールの場所の遠位(近位ではない)の流体分配区画18の開口42によって、外側カテーテル本体12から分配される(
図4E参照)。
【0053】
障壁構造44の選択的拡大と連動し、外側カテーテル本体12に対して内側カテーテル本体14を操作することによって、チャンバ体積、したがって、外側カテーテル本体12の流体分配区画18の有効長さまたは範囲が、原位置で無限に変動されることができる。内側カテーテル本体14上の拡張可能本体と外側カテーテル本体12の内部管腔の末端との間の相対的分離(すなわち、チャンバ体積)は、障壁構造44が、その減少直径状態にある間、外側カテーテル本体12に対して内側カテーテル本体14を引き出すことおよび/または前進させることによって、無限に変動されることができる。分離の程度は、外側カテーテル本体12上の外側放射線不透過性マーカー54および内側カテーテル本体14上の内側放射線不透過性マーカー56のX線監視によって、原位置で可視化されることができる。所望の分離が達成されると、その増加寸法状態への障壁構造44の拡大は、分離を係止し、チャンバ52を形成する。
【0054】
本明細書による本発明は、多孔性分配区画18の長さを原位置で無限に調整する能力を有する注入カテーテルアセンブリ10を提供する。注入カテーテルアセンブリ10は、規定された範囲にわたって無限に変動され得る注入の長さを提供し、有効注入長さおよび注入率を制御する。注入カテーテルアセンブリ10を使用することによって、医師は、所望される脈管の長さのみを治療し、それによって、過剰な薬物/患者暴露を防止する能力を有する。
【0055】
(III.他の代表的実施形態)
図5は、規定された範囲にわたって無限に変動され得る、注入の長さを提供し、有効注入長さを制御する注入カテーテルアセンブリ10の別の代表的実施形態を示す。前述のように、アセンブリ10は、多孔性流体分配区画の長さ18に沿って、外側カテーテル本体12内でスライドすることによって操作され得る内側カテーテル本体14を含む。前述の様式における、外側カテーテル本体12に対する内側カテーテル本体14の操作は、ゼロから外側カテーテル本体12によって提供される最大長さまで、多孔性流体分配区画18の有効注入長さまたは範囲を原位置で無限に変動させることを可能にする。
【0056】
図5では、外側カテーテル本体12の多孔性流体分配区画18は、軸方向に離間した開口42のアレイ、例えば、例えば、レーザ穿孔によって形成される離散孔のアレイ、または外側カテーテルの遠位端に添着されるマイクロ多孔性膜内の細孔のアレイ、またはそれらの組み合わせを備えている。
図5に示されるように、開口42は、確立された多孔性流体分配区画18の有効注入長さまたは範囲にかかわらず、流量が、本質的に、一定のままであるように、多孔性流体分配区画18の長さに沿って、所定の方式において、サイズおよび/または密度が変動する。言い換えると、内側カテーテル本体14に対する一定入口流体圧力を前提として、外側カテーテル本体12からの注入流量は、有効注入長さまたは範囲から独立して、本質的に、同一のままである。
【0057】
一例示的実施形態(
図5に図示)では、多孔性流体分配区画18の遠位端における開口42は、多孔性流体分配区画18の近位端における開口42より直径が大きく(すなわち、サイズが大きく)、かつ数が少ない(すなわち、あまり密集していない)。多孔性流体分配区画18の遠位および近位端間の開口42の直径(すなわち、サイズ)および数(すなわち、密度)は、望ましくは、遠位および近位端間の多孔性流体分配区画18の長さに沿って、線形方式に変動するためのサイズおよび構成を有する。
【0058】
図6に示されるように、内側カテーテル本体14が、外側カテーテル本体12の遠位端近傍で密閉関係に位置付けられている場合(前述のように)、内側カテーテル本体14からの確立された圧力における流体放出は、内側カテーテル本体14の末端を越えて延びる多孔性流体分配区画18の遠位端における開口42のみを通して注入される。これらの遠位開口42は、多孔性流体分配区画18上のより近位に位置する開口42より大きくかつあまり密集せずに配列される。
図6に画定される多孔性流体分配区画18の有効注入長さを通しての注入流量(F)は、所与の期間(t)にわたって、有効開口42を通して注入される個々の流体体積Aの合計、すなわち、F=Σ
(1からn)A
n/tとして表されることができる(nは、有効開口42の数に等しい)。
【0059】
図7に示されるように、内側カテーテル本体14が、外側カテーテル本体12の遠位端からより離れて密閉関係に位置付けられている場合、内側カテーテル本体14からの同一の確立された圧力状態において放出される流体は、ここでは、多孔性流体分配区画18上に、より多いが意図的に小さくかつより密集して配列される開口42のアレイを通して注入されるであろう。
図7では、多孔性流体分配区画18の有効注入長さを通した注入流量(F)は、所与の期間(t)にわたって、有効開口42を通して注入される個々の流体体積Bの合計、すなわち、F=Σ
(1からn)B
n/tとして表されることができる(nは、有効開口42の数に等しい)。
図7では、個々の注入流体体積Bは、
図6における個々の流体体積Aより小さいであろうが、
図7における有効開口42の数(n)は、
図6におけるより多い。多孔性流体分配区画18の遠位および近位端間の開口42の直径(すなわち、サイズ)および数(すなわち、密度)は、多孔性流体分配区画18の長さに伴って、線形方式に変動するためのサイズおよび構成を有するので、F=Σ
(1からn)B
n/t(
図7におけるより大きい有効注入長さの場合)は、本質的に、F=Σ
(1からn)A
n/t(
図6におけるより小さい有効注入長さの場合)と同一である。
【0060】
図8に示されるように、内側カテーテル本体14が、外側カテーテル本体12の遠位端からさらに離れて密閉関係に位置付けられている場合、内側カテーテル本体14からの同一の確立された圧力における流体放出は、ここでは、多孔性流体分配区画18上にさらに多いが意図的にさらに小さくかつより密集して配列される開口42のアレイを通して注入される。
図8では、多孔性流体分配区画18の有効注入長さを通しての注入流量(F)は、所与の期間(t)にわたって、有効開口42を通して注入される個々の流体体積Cの合計、すなわち、F=Σ
(1からn)C
n/tとして表されることができる(nは、有効開口42の数に等しい)。
図8では、個々の注入流体体積Cは、
図7における個々の流体体積Bおよび
図6における個々の流体体積Aより小さいであろうが、
図8における有効開口42の数(n)は、
図6および7におけるより多い。多孔性流体分配区画18の遠位および近位端間の開口42の直径(すなわち、サイズ)および数(すなわち、密度)は、多孔性流体分配区画18の長さに伴って、線形方式で変動するためのサイズおよび構成を有するので、F=Σ
(1からn)C
n/t(
図8に示される有効注入長さの場合)は、本質的に、F=Σ
(1からn)B
n/t(
図7に示されるより小さい有効注入長さの場合)と同一であり、これは、本質的に、F=Σ
(1からn)A
n/t(
図6に示されるさらに小さい有効注入長さの場合)と同一である。
【0061】
図5に示される代表的実施形態は、所望の注入流量を有意に変更せずに、注入区画の長さを原位置で無限に調整する能力を有する注入カテーテルアセンブリ10を提供する。
図5に示される注入カテーテルアセンブリ10を使用することによって、医師は、画定された有効注入長さから独立して、所望される脈管の長さのみ治療するだけではなく、また、所望の注入流量を維持し、過剰な薬物/患者暴露を防止する能力を有する。
【0062】
図5に示される代表的実施形態は、説明される前述の代表的実施形態のように、経口経路以外によって、身体の領域に1つ以上の治療剤を送達することが所望される、「注入療法」を要求する多様な状況に適用可能である。このようなものとして、例えば、全身性薬物送達における、末梢血管系内への溶液中の治療剤の送達(説明されるように)、または麻酔剤の送達が挙げられるが、また、例えば、外科手術の間の組織塊または器官内への治療剤の注入、および/または腫瘍の治療における腫瘍学的目的のため、および/または筋肉内注入、および/または硬膜外注入を包含する。
【0063】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に図示および説明されたが、そのような実施形態は、一例として提供されるにすぎないことは、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、現時点において、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項およびその均等物の範囲内にある方法および構造は、それによって網羅されることが意図される。