【文献】
Thomas L. Mindt, et al.,Bioconjugate Chem,2009年,Vol.20,pp.1940-1949
【文献】
Cristina Muller, et al.,Journal of Nuclear Medicine,2013年,Vol.54, No.1,pp.1-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属キレーターが、DTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、EHPG、HBED、NOTA、DOTMA、TETMA、PDTA、TTHA、LICAM、MECAMから選択される、請求項10に記載の化合物。
ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団を診断イメージングする方法において使用するための請求項29に記載の医薬組成物であって、前記方法が請求項29に記載の医薬組成物を診断イメージング量で投与するステップと、前記細胞または細胞集団の診断イメージを得るステップとを含む、医薬組成物。
組織試料においてホラート受容体を発現している細胞をin vitroで検出する方法において使用するための請求項29に記載の医薬組成物であって、前記方法が、前記組織試料を、結合を生じさせるために有効な量の請求項29に記載の医薬組成物と十分な時間および条件で接触させるステップと、PETイメージングによってそのような結合を検出するステップとを包含する、医薬組成物。
対象を診断イメージングもしくはモニタリングする方法において使用するための請求項29に記載の医薬組成物であって、前記方法が、(i)請求項29に記載の医薬組成物を診断イメージング量で投与するステップと、(ii)前記医薬組成物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む、医薬組成物。
対象において癌療法をモニタリングする方法において使用するための請求項29に記載の医薬組成物であって、前記方法が、(i)それを必要とする対象に、請求項29に記載の医薬組成物を診断イメージング量で、治療活性な作用物質と組み合わせて投与するステップと、(ii)癌療法の経過に従うように、前記医薬組成物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む、医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、第1の態様では、ホラート、アルブミンバインダー、および放射性核種をベースとする治療用または診断用部分を含む新たな三官能性ホラートコンジュゲート(本明細書において下記では、本発明の化合物とも称される)を対象とする。
【0029】
放射性核種をベースとする治療用または診断用部分(本明細書において下記では、「放射性核種部分」とも称される)は、放射性金属イオン、常磁性金属イオン、γ放出性もしくは陽電子放出性放射性ハロゲン、陽電子放出性放射性非金属、過分極NMR活性核、in vivo光学イメージングに適したレポーター、または血管内検出に適したβエミッターなどの、任意の知られている金属または非金属放射性核種も含んでいてよい。
【0030】
診断目的のために好ましい放射性核種部分は、in vivo投与後に、外部から、非侵襲性の手法で検出することができる本発明で使用するための任意の知られている部分である。最も好ましい放射性核種部分は、キレート化金属放射性核種(すなわち、放射性金属)、またはγ放出性もしくは陽電子放出性非金属放射性核種、すなわち詳細には、SPECTもしくはPETを使用する検出に適したものである。一部の実施形態では、ホラート、アルブミンバインダー、および放射性核種部分は、放射状に配置されている、すなわち、アルブミンバインダーおよび放射性核種部分の両方は、ホラート分子のアミノ酸ポーションに付着している。他の実施形態では、ホラート、アルブミンバインダー、および放射性核種部分は、線状に配置されている、すなわち、アルブミンバインダーおよび放射性核種部分のうちの1つのみが、ホラート分子のアミノ酸ポーションに付着している。例えば、A
2がアルブミンバインダーであり、Mが好ましくはキレート化金属放射性核種(すなわち、放射性金属)である場合に、どちらの配置が適しているかは、当業者であれば分かるであろう。
【0031】
治療目的のために好ましい放射性核種部分は、in vivo投与後に、放射性核種治療に応答する任意の疾患、例えば癌を治療するために使用することができる本発明で使用するための任意の知られている部分である。多くの好ましい放射性核種部分は、キレート化金属放射性核種(すなわち、放射性金属)、またはγ放出性もしくは陽電子放出性非金属放射性核種である。一部の実施形態では、ホラート、アルブミンバインダー、および放射性核種部分は、放射状に配置されている、すなわち、アルブミンバインダーおよび放射性核種部分の両方は、ホラート分子のアミノ酸ポーションに付着している。他の実施形態では、ホラート、アルブミンバインダー、および放射性核種部分は、線状に配置されている、すなわち、アルブミンバインダーおよび放射性核種部分のうちの1つのみが、ホラート分子のアミノ酸ポーションに付着している。例えば、A
2がアルブミンバインダーであり、Mが好ましくはキレート化金属放射性核種(すなわち、放射性金属)である場合に、どちらの配置が適しているかは、当業者であれば分かるであろう。
【0032】
本発明は特に、式Iの化合物を対象とする
【0033】
【化5】
[式中、
Zは、プテロアートまたはその誘導体であり、
L
1、L
4は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
L
3は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−、および5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
Y
1、Y
3は互いに独立に、O、N、またはSであり、
A
1、A
2、A
3は互いに独立に、H、キャッピング基、またはアルブミンバインダーであり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分、好ましくはM
1またはM
2であり、ここで、M
1は、キレート化金属放射性核種であり、M
2は、場合によって補欠分子族と組み合わされているγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であるが、
ただし、A
1、A
2、およびA
3のうちの少なくとも1個、好ましくは1個は、アルブミンバインダーであることを条件とする]。
【0034】
別段に規定されていない限り、本明細書において下記で示されている定義は全て、本明細書(全ての構造式を含めて)を通じて当てはまる。
【0035】
用語「プテロアート」(「プテロイル」、または「プテロイン酸〜」)は、例えば、プテリジンまたはピロロピリミジン二環など、さらなる5員または6員の複素環と縮合しているピリミジンを包含する縮合ピリミジン複素環をベースとする化合物を指す。そのようなプテロアートを次いで、アミノベンゾイル部分に連結することができ、これを次いで、グルタミン酸残基などの選択されたリンカーとパラ位でさらに誘導体化すると、ホラートを得ることができる。したがって、ホラートは、プテロイル−グルタミン酸骨格(より具体的には、N−[4(プテリジン−6−イルメチルアミノ)ベンゾイル]−グルタミン酸)によって表される。したがって、プテロアート構造はホラート構造の前駆体であるので、プテロアート誘導体は、類似の誘導体を、例えば、テトラヒドロプテリン、ジヒドロホラート、テトラヒドロホラート、ならびにそれらのデアザ類似体およびジデアザ類似体などの場合によって置換されている葉酸、ホリン酸、プテロポリグルタミン酸、およびホラート受容体結合性プテリジンであるホラート構造で典型的に知られているものとして包含する。用語「デアザ」および「ジデアザ」類似体は、炭素原子が天然に存在する葉酸構造中の1個または2個の窒素原子で置換されている当分野で認められている類似体を指す。例えば、デアザ類似体には、1−デアザ、3−デアザ、5−デアザ、8−デアザ、および10−デアザ類似体が包含される。ジデアザ類似体には、例えば、1,5−ジデアザ、5,10−ジデアザ、8,10−ジデアザ、および5,8−ジデアザ類似体が包含される。
【0036】
より具体的には、本発明は、式IIの化合物を対象とする
【0037】
【化6】
[式中、
X
1〜X
5は互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
R
1、R
2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R
3、R
4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
L
1、L
4は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
L
3は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−、および5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
Y
1、Y
3は互いに独立に、O、N、またはSであり、
A
1、A
2、A
3は互いに独立に、H、キャッピング基、またはアルブミンバインダーであり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分M
1またはM
2であり、ここで、M
1は、キレート化金属放射性核種であり、M
2は、場合によって補欠分子族と組み合わされているγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有するが、ただし、
A
1、A
2、およびA
3のうちの少なくとも1個、好ましくは1個は、アルブミンバインダーであることを条件とする]。
【0038】
略語「N」および「C」は、全ての可能な飽和度を表しており、すなわち、Nは−NH−および−N=結合を包含し、Cは−CH
2−および−CH=結合を包含すると理解される。
【0039】
さらに、(H)
rは、示されている環上の全ての水素置換基(すなわちX
3、C6、C7、およびX
4上)を表すと理解される。例えば、完全に飽和している5,8−ジデアザ類似体(X
3=X
4=C)ではr=7であり、X
3=X
4=Nを有する完全に不飽和の類似体では、r=1である。
【0040】
用語「アルキル」は、単独で、または組み合わせて使用されている場合、示されている数の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を指す。したがって、用語「C(1〜12)アルキル」は、その炭素鎖が直鎖または分枝であり、1〜12個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを指す。好ましいアルキル基には、その炭素鎖が直鎖または分枝であり、1〜8個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを指すC(1〜8)アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキシル、ヘプチル、オクチルが包含される。より好ましいアルキル基は、1〜6個のC原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するC(1〜6)アルキル基である。−(CHR)
x−によって示されるものなどの場合によって置換されているアルキル鎖は、示されている値xの−CH
2−基を有し、−CH
2−基がそれぞれ、互いに独立に、示されている基Rで置換されていてよいアルキル鎖を表す。したがって、R基が多数である場合には、それらのR基は、同じか、または異なってよい。
【0041】
用語「アルケニル」は、単独で、または他の基と組み合わされて、1個または複数の炭素−炭素二重結合を有する、本明細書において上記で定義したとおりの直鎖または分枝アルキル基を指す。したがって、用語「C(2〜12)アルケニル」は、その炭素鎖が直鎖または分枝であり、1〜12個の炭素原子および1個または複数の炭素−炭素二重結合を含む炭化水素ラジカルを指す。好ましいアルケニル基には、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、t−ブチレン、sec−ブチレン、イソブチレン、アミレン、イソアミレン、ペンチレン、イソペンチレン、ヘキシレンなどのC(2〜8)アルケニル基が包含される。好ましいアルケニル基は、2〜6個、より好ましくは2〜4個の炭素原子を含有する。
【0042】
用語「アルキニル」は、本明細書において使用する場合、1個または複数の炭素−炭素三重結合を有する、本明細書において上記で定義したとおりの直鎖または分枝アルキル基を指す。好ましいアルキニル基は、2〜6個、より好ましくは2〜4個の炭素原子を含有する。
【0043】
上記で示したとおり、「アルキル」についての定義は、単独で使用する場合および他の基と組み合わせて使用する場合の両方に当てはまる。したがって、アルコキシ基(または−O−アルキル)は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシなど、酸素で置換されている上記で定義したとおりのアルキル基を指す。アルカノイル基は、本明細書において使用する場合、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイルなど、カルボニルで末端置換されている上記で定義したとおりのアルキル基を指すホルミルおよび−CO−アルキル−基を包含する。アルキルアミノ基(または−NHR−アルキルもしくは−N(R)
2−アルキル)は、窒素で置換されている上記で定義したとおりのアルキル基を指し、これには、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、tert−ブチルアミノなどのモノアルキルアミノおよびジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノなどのジアルキルアミノの両方が包含される。
【0044】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書において使用する場合、任意の第7族元素を指し、これには、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが包含される。
【0045】
用語「ハロ置換されている」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の水素の代わりにハロゲン部分を有するアルキル基を指す。
【0046】
好ましい実施形態では、R
1およびR
2は互いに独立に、H、C(1〜12)アルキル、−OR
5、−NHR
5、より好ましくは−OR
5、−NHR
5であってよく;かつ/またはR
3は、H、C(1〜12)アルキル、または−CO−C(1〜8)アルキルであり;かつ/またはR
4は、H、ニトロソ、−O−C(1〜8)アルキル、または−CO−C(1〜8)アルキルである。
【0047】
用語「アルブミンバインダー」は、本明細書において使用する場合、ヒト血清アルブミンに非共有結合する基を指す(典型的には、約10μM未満の結合親和性で)。アルブミン結合特性は、J.Biol.Chem.277(38)、35035〜35042頁、(2002)に記載されているとおり、表面プラスモン共鳴によって測定することができる。本発明の化合物において使用するために適した典型的なアルブミンバインダーには、12〜40個の炭素原子および遠位酸性基を有する直鎖および分枝親油性基が包含される。本発明の化合物において使用するために適したアルブミンバインダーは、式IIIの化合物から選択される
【0048】
【化7】
[式中、
Y
2、Y
2’は互いに独立に、N、O、またはSであり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、またはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D
2は、酸性基であり、
破線は、L
1、L
2、またはL
4(本発明の化合物中の)への結合を表す]。
【0049】
したがって、具体的な実施形態では、本発明は式IVa、IVb、およびIVcの化合物を企図している
【0050】
【化8】
[式中、
X
1〜X
5は互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
Y
1、Y
3は互いに独立に、N、O、またはSであり、
Y
2、Y
2’は互いに独立に、N、O、またはSであり、
R
1、R
2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R
3、R
4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A
1は、Hまたはキャッピング基であり、
A
2は、Hまたはキャッピング基であり、
A
3は、Hまたはキャッピング基であり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分M
1またはM
2であり、ここで、M
1は、キレート化金属放射性核種であり、M
2は、場合によって補欠分子族と組み合わされているγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
mは、1、2、または3であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、
L
1、L
4は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
L
3は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−、および5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、またはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D
2は、酸性基であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
【0051】
基L
1およびL
4は互いに独立に、好ましくは、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキル、好ましくは、共有結合か、あるいは直鎖または分枝の非置換C(1〜6)アルキル、最も好ましくは共有結合である。
【0052】
基L
2は、好ましくは共有結合か、あるいは非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基である。
【0053】
好ましくは、m
1およびm
2は、両方一緒には0ではない。具体的な実施形態では、m
1は2であり、m
2は0であり、他の具体的な実施形態では、m
1は0であり、m
2は2である。
【0054】
Y
1は、N、O、またはS、好ましくはOであり;Y
3はN、O、またはS、好ましくはOであり;Y
2はN、O、またはS、好ましくはOであり;Y
2’はN、O、またはS、好ましくはNである。
【0055】
酸性基D
2は、イオン化して水素イオンを塩基に供与し、塩を形成し得る基であり、好ましくは−COOH、−SO
3H、−SO
2H、−NR’SO
3H、−P(O)(OH)
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)からなる群から選択される。
【0056】
基D
1は、オルト位、メタ位、またはパラ位に、好ましくはパラ位にあってよい。D
1は好ましくは、H、ハロゲン、またはC(1〜12)アルキル、より好ましくはハロゲン、より好ましくはヨウ素(最も好ましくは、パラ位のヨウ素)から選択される基である。
【0057】
好ましくは、S
1およびS
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−COO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−CH=CH−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルから選択されるスペーサーである。
【0058】
具体的な実施形態では、S
1およびS
2は互いに独立に、単結合か、あるいは直鎖または分枝C(1〜6)アルキルから選択されるスペーサーである。
【0059】
したがって、具体的な実施形態では、本発明の化合物において使用するためのアルブミンバインダーは、式IIIaの基である:
【0060】
【化9】
[式中、
S
1およびS
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−COO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−CH=CH−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルから選択されるスペーサー、好ましくは単結合か、あるいは直鎖または分枝C(1〜6)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、またはC(1〜12)アルキルから選択される基、好ましくはハロゲン、より好ましくはヨウ素であり、
D
2は、−COOH、−SO
3H、−SO
2H、−NR’SO
3H、好ましくは−COOHであり、破線は、L
1またはL
2(式IまたはIIの化合物中の)に対する結合を表す]。
【0061】
したがって、好ましい実施形態では、式IVa、IVb、およびIVcの化合物は、式Va、Vb、およびVcの化合物によって表され得る:
【0062】
【化10】
[式中、
X
1〜X
5は互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
Y
1、Y
3は互いに独立に、O、N、またはSであり、
R
1、R
2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R
3、R
4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A
1は、Hまたはキャッピング基であり、
A
2は、Hまたはキャッピング基であり、
A
3は、Hまたはキャッピング基であり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分M
1またはM
2であり、ここで、M
1は、キレート化金属放射性核種であり、M
2は、場合によって補欠分子族と組み合わされているγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
mは、1、2、または3であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、
L
1、L
4は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
L
3は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、トリアゾリルもしくはテトラゾリル基から選択される5員のアザ複素環によって置き換えられていてよい(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−COO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−CH=CH−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルから選択されるスペーサー、好ましくは単結合、または直鎖もしく分枝C(1〜6)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、またはC(1〜12)アルキルから選択される基、好ましくはハロゲン、より好ましくはヨウ素であり、
D
2は、−COOH、−SO
3H、−SO
2H、−NR’SO
3H、好ましくは−COOHであり、破線は、L
1またはL
2(式IまたはIIの化合物中)に対する結合を表し、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
【0063】
具体的な実施形態では、イメージング部分Mは、放射性イメージング金属イオンおよび金属キレーターを含むキレート化放射性イメージング金属M
1である。用語「金属キレーター」(またはキレーター)は、金属イオンまたは放射性核種で錯化するために当技術分野で知られている(かつ所定の用途に有用な)金属キレーターのうちのいずれであってもよい。イオン/放射性核種へのキレーターの結合は、キレーターとイオン/放射性核種との間の解離定数を測定することによって決定することができる。本発明のこの目的のために、キレーターとイオン/放射性核種との間の解離定数K
Dは、約10
−3〜約10
−15M
−1である。好ましくは、キレーターとイオン/放射性核種との間の解離定数K
Dは、約10
−6〜約10
−15M
−1である。
【0064】
キレーターの例は、当技術分野でよく知られており、直鎖、三脚、および大環状形態の二座、三座、および四座リガンドを包含する。典型的な例には、ビピリジル(bipy);テルピリジル(terpy);クラウンエーテル;アザ−クラウンエーテル;コハク酸;クエン酸;サリチル酸;ヒスチジン;イミダゾール;エチレングリコール−ビス−(ベータ−アミノエチルエーテル)N,N’−四酢酸(EGTA);ニトロロ酢酸(nitroloacetic acid);アセチルアセトナート(acac);スルファート;ジチオカルバマート;カルボキシラート;アルキルジアミン;エチレンジアミン(en);ジエチレントリアミン(dien);ニトラート;ニトロ;ニトロソ;(C
6H
5)
2PCH
2CH
2P(C
6H
5)
2(diphos);グリム;ジグリム;ビス(アセチルアセトナート)エチレンジアミン(acacen);エチレンジアミノ四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸(DTPA);N−[2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]−3−(4−エトキシフェニル)プロピル]−N−[2−[ビス(カルボキシメチル)−アミノ]エチル]−L−グリシン(EOB−DTPA);N,N−ビス[2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]−エチル]−L−グルタミン酸(DTPA−Glu);N,N−ビス[2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]−エチル]−L−リシン(DTPA−Lys);N,N−ビス[2−[カルボキシメチル[(メチルカルバモイル)メチル]アミノ]−エチル]グリシン(DTPA−BMA);4−カルボキシ−5,8,11−トリス(カルボキシメチル)−1−フェニル−2−オキサ−5,8,11−トリアズアミデカン−13−酸(BOPTA);DTPA BOPTA、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(DO3A);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA);10−(2−ヒドロキシプロピル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(HPDO3A);2−メチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(MCTA);テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTMA);3,6,9,15−テトラアザビシクロ[9.3.1]ペンタデカ−1(15);11,13−トリエン−3,6,9−三酢酸(PCTA);PCTA12;シクロ−PCTA12;N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(TETA);1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(TRITA);1,12−ジカルボニル、15−(4−イソチオシアネートベンジル)1,4,7,10,13−ペンタアザシクロヘキサデカン−N,N’,N’’三酢酸(HETA);1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸モノ−(N−ヒドロキシスクシンイミジル)エステル(DOTA−NHS);N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン−N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(TETA−NHS);[(2S,5S,8S,11S)−4,7,10−トリス−カルボキシメチル−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル]酢酸(M4DOTA);[(2S,5S,8S,11S)−4,7−ビス−カルボキシメチル−2,5,8,11−テトラメチル−1;4,7,10−テトラアザシクロ−ドデカン−1−イル]酢酸;(M4DO3A);(R)−2−[(2S,5S,8S,11S)−4,7,10−トリス−((R)−1−カルボキシエチル)−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル]プロピオン酸(M4DOTMA);10−ホスホノメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(MPDO3A);ヒドロキシベンジル−エチレンジアミン−二酢酸(HBED)およびN,N’−エチレンビス−[2−(o−ヒドロキシフェノール酸)グリシン](EHPG)などのDTPAのモノまたはビスアミド誘導体が包含される。
【0065】
本発明の化合物において使用するために適した金属キレーターには、本明細書において上記で同定したとおりの直鎖、三脚、および大環状形態の二座、三座、および四座リガンドが包含される。具体的な実施形態では、本発明のために使用される金属キレーターには、DTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、EHPG、HBED、NOTA、DOTMA、TETMA、PDTA、TTHA、LICAM、MECAMなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラート、好ましくは、DTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの大環状ポリアミノカルボキシラートが包含される。
【0066】
金属キレーターは、放射性イメージング金属イオンまたは放射性核種で錯化されていてよいか、または錯化されていなくてよく、単一のアミノ酸などの場合によるスペーサーを包含してよい。シンチグラフィーまたは放射性核種療法のための典型的な金属放射性核種には、
99Tc、
51Cr、
67Ga、
68Ga、
47Sc、
51Cr、
167Tm、
141Ce、
111In、
168Yb、
175Yb、
140La、
90Y、
88Y、
153Sm、
166Ho、
165Dy、
166Dy、
62Cu、
64Cu、
67Cu、
97Ru、
103Ru、
186Re、
188Re、
203Pb、
211Bi、
212Bi、
213Bi、
214Bi、
105Rh、
109Pd、
117mSn、
149Pm、
161Tb、
155Tb、
152Tb、
149Tb、
177Lu、
198Au、および
199Auが包含される。金属の選択は、所望の治療用途または診断用途に基づき決定されるであろう。例えば、診断目的では、放射性核種には、
64Cu、
67Ga、
68Ga、
99mTc、および
111Inが包含され得る一方で、治療目的では、放射性核種には、
64Cu、
90Y、
105Rh
111In、
117mSn、
149Pm、
153Sm、
161Tb、
166Dy、
166Ho、
175Yb、
177Lu、
186/188Re、および
199Auが包含され得る。当業者であれば、所定の用途のためにどの放射性核種を選択すべきかは分かるであろう。好ましい放射性核種には、
177Lu、
161Tb、
213Bi、および
111Inが包含される。
【0067】
他の具体的な実施形態では、イメージング部分Mは、
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性放射性イメージング非金属M
2である。
11C、
13N、
18F、より好ましくは
18Fなどの陽電子放出性放射性イメージング非金属が好ましい。選択された放射性イメージング非金属は、補欠分子族と組み合わせることができ、すなわち、これは、直接、または例えばベンゾアート誘導体もしくは糖基などの適切な補欠分子族を介して、その隣接基(すなわち基L
3および/またはL
4)に連結していてよい。
【0068】
用語「糖基」は、環状単糖および環状糖単位(複数可)をベースとする環状オリゴ糖の両方を包含する。用語「糖単位」は、本明細書において使用する場合、直鎖(単/オリゴ)糖の細胞内環状ヘミアセタールまたはヘミケタール形態を指す環状糖単位を指す。単糖は、1個の糖単位を含む一方で、オリゴ糖は、糖単位からなる鎖を指し、好ましくは2〜20の糖単位、好ましくは2〜10の糖単位、より好ましくは単糖、二糖、および三糖を含む。オリゴ糖は、直鎖または分枝であってよく、オリゴ糖内の糖単位は互いに、α(1−2)、(1−4)、もしくは(1−6)、またはβ(1−2)、(1−4)、もしくは(1−6)結合によって連結している。好ましくは選択されるオリゴ糖は、直鎖であり、より好ましくは、オリゴ糖は直鎖であり、オリゴ糖内の糖単位は、α(1−4)またはβ(1−4)結合によって連結している。最も好ましい実施形態では、オリゴ糖は直鎖であり、オリゴ糖内の糖単位はα(1−4)結合によって連結している。
【0069】
好ましくは糖単位は、ピラノシドまたはフラノシド、およびそれらの天然および合成誘導体、好ましくはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、およびフコースから選択されるピラノシド、またはリボース、アラビノース、キシロース、およびリキソースから選択されるフラノシドである。誘導体という用語は、任意の化学的または酵素的に修飾された単糖単位を指し、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、またはチオール基などによる1個または複数のヒドロキシル基の酸化、脱酸素化、置き換え、さらにヒドロキシ基またはアミノ基のアルキル化、アシル化、硫酸化、またはリン酸化によって得られるものが包含される。本発明の好ましい糖単位には、例えば、グルコースおよびガラクトースが包含される。
【0070】
したがって、具体的な一実施形態では、糖基は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フコース、好ましくはグルコースおよびガラクトースから選択される単糖である。
【0071】
他の具体的な実施形態では、糖基は、同じか、または異なり、それぞれリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フコース、好ましくはグルコースおよびガラクトースからなる群から選択される少なくとも2、好ましくは2〜20の糖単位を含むオリゴ糖である。
【0072】
より具体的な実施形態では、オリゴ糖は、(a)二糖、例えばラクトース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース;(b)二糖同族体、例えば、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、ラクトトリオース、ラクトテトラオース;(c)ウロン酸、例えば、グルクロン酸、ガラクツロン酸;(d)分枝オリゴ糖、例えば、パノース、イソパノース;(e)アミノ単糖、例えば、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、フコサミン、キノボサミン、ノイラミン酸、ムラミン酸、ラクトースジアミン、アコサミン、バシロサミン、ダウノサミン、デソサミン、ホロサミン、ガロサミン、カノサミン、カンソサミン、ミカミノース、ミコサミン、ペロサミン、プノイモサミン、プルプロサミン、ロドサミン;(f)修飾糖、例えば、アベクオース、アミセトース、アルカノース、アスカリロース、ボイビノース、カコトリオース、カルコース、クラジノース、コリトース、シマロース、2−デオキシリボース、2−デオキシグルコース、ジギノース、ジギタロース、ジギトキソース、エバロース、エベルニトロース、ハマメロース、マンニノトリオース、メリビオース、ミカロース、ミシノース、ニゲロース、ノビオース、オレアンドロース、パラトース、ロジノース、ルチノース、サルメントース、セドヘプツロース、ソラトリオース、ソホロース、ストレプトース、ツラノース、チベロースであってよい。
【0073】
より好ましい実施形態では、糖基は、単糖またはオリゴ糖であり、したがって、グルコース、ガラクトース、グルコサミン、ガラクトサミン、グルクロン酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、ラクトース、ラクトテトラオース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、およびノイラミン酸からなる群から選択される1つまたは複数の(同じか、または異なる)糖単位(複数可)を含む。
【0074】
本発明の化合物の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、回転異性体、互変異性体、およびラセミ化合物を包含する全ての異性体が、本発明の一部であると企図されていることは理解される。本発明は、光学的に純粋な形態およびラセミ混合物を包含する混合物での立体異性体を包含する。従来の技法を使用して、光学的に純粋か、または光学的に濃縮された出発物質を反応させるか、または式Iの化合物の異性体を分離するかのいずれかによって、異性体を調製することができる。このことは特に、糖基または任意の他の基に、例えば、天然L型または非天然D型で存在し得る式Iの化合物(および後続の式)中に存在するアミノ酸基、すなわち、グルタミン酸ポーション(またはその誘導体)に当てはまる。
【0075】
用語「キャッピング基」(または末端基)は、本明細書において使用する場合、さもなければHであるか、またはアルブミンバインダーに連結している官能基L
1、L
2、またはL
4に付着している部分を指す。より具体的には、そのようなキャッピング基は、(i)L
1が共有結合を表す場合には、Y
1のために、(ii)L
4が共有結合を表す場合には、Mのために、かつ(iii)L
2が官能基であるか、または末端官能基を持つ場合には、L
2のために適した保護基を表す。これらの保護基は、官能基(典型的には、アミノ、カルボキシル、またはヒドロキシ官能基)の性質に左右され、したがって、様々であり得る。アミノ官能基に適した保護基には、例えば、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、メトキシ−またはエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アセチルまたはトリフルオロアセチル、ベンジルまたは2,4,6−トリメトキシベンジル、フタロリル基、およびトリチルまたはトシル保護基が包含される。カルボキシル官能基に適した保護基には、例えば、シリル基、およびアルキル、アリール、またはアリールアルキルエステル、より具体的には、メチルおよびt−ブチルなどのアルキルエステル;メトキシメチルなどのアルコキシアルキル;メチル、チオメチルなどのアルキルチオアルキルエステル;2,2,2−トリクロロエチルなどのハロアルキルエステル、およびベンジル、p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル、ジフェニルメチルなどのアラルキルエステルが包含される。ヒドロキシ官能基に適した保護基には、例えば、アルキルエステル、t−ブチル、ベンジル、またはトリチル基が包含され、メチルエーテル、置換メチルエーテル(例えば、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM、またはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル))、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル(例えば、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、TBDPS(tert−ブチルジフェニルシリルエーテル))が包含される。本発明は、これらの保護基に限定されることを意図したものではなく;むしろ、様々な追加の同等の保護基を容易に同定し、本発明において利用することができる。上記の保護基およびさらなる保護基、さらに、それらを導入および除去するための技法は、その内容全体が参照によって本明細書に援用される「Protective Groups in Organic Synthesis」、Third Ed.Greene,T.W.およびWuts,P.G.編、John Wiley & Sons、New York:1999に記載されている。
【0076】
具体的な実施形態では、Y
1はOであり、L
1は共有結合であり、したがって、A
1はHまたはカルボキシル保護基であり得る。同様に、Mがポリアミノカルボキシラートであり、L
4が共有結合である場合、A
3はHまたはカルボキシル保護基であり得る。L
2がカルボキシル基(すなわち、CH
2基が−COO−によって置き換えられたC1−アルキル)である場合、A
2は、Hまたはカルボキシル保護基であり得る。同様に、Mが、糖基などの補欠分子族と組み合わされたγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種である場合、A
3は、ヒドロキシル保護基であってよい。
【0077】
基L
3は、好ましくは共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCOOR’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−CH=CH−、および5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基である。
【0078】
より好ましくは、基L
3は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、トリアゾリルもしくはテトラゾリル基から選択される5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルである。
【0079】
用語「アザ複素環」は、少なくとも1個の窒素原子を環中に包含し、非置換か、または置換されていてよい複素環式基を指す。アザ複素環式基は、当技術分野で認められるとおり、例えばC(1〜6)アルキルによって置換されていてもよい。本化合物において使用するためには、5員のアザ複素環式基は、好ましくはトリアゾリルまたはテトラゾリル基、より好ましくは次の構造の基である
【0080】
【化11】
[式中、
点線は、L
3内の隣接する−CH
2−基への連結部位を表し、R”は、Hか、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、もしくはNO
2によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルである]。
【0081】
したがって、好ましい実施形態では、L
3は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルである基L
3’であるか、あるいはL
3が下式(a)、(b)、または(c)の基である
【0082】
【化12】
[式中、
R”は、Hか、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、もしくはNO
2によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、p、qは互いに独立に0、1、2、3、4、5、または6である]。
【0083】
好ましい実施形態では、L
3’は、非置換か、または少なくとも1個のOH、NH
2、もしくはCOOH、好ましくはCOOHによって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−CO−O−または−CO−NH−から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルである。
【0084】
一部の実施形態では、本発明は、式VIa〜eを有する式Iの化合物を提供する
【0085】
【化13】
[式中、
X
1〜X
5は互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
Y
1、Y
2、Y
2’は互いに独立に、N、O、またはSであり、
R
1、R
2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5はH、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R
3、R
4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換の−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A
1は、Hまたはキャッピング基であり、
A
2は、Hまたはキャッピング基であり、
M
1は、放射性イメージング金属イオンで錯化されているDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートであり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、
L
1、L
4は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、またはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D
2は、酸性基であり、
L
3’は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5、または6であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
【0086】
まださらなる実施形態では、本発明は、式VIIa〜eを有する式Iの化合物を提供する
【0087】
【化14】
[式中、
X
1〜X
5は互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
Y
1、Y
2、Y
2’は互いに独立に、N、O、またはSであり、
R
1、R
2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R
3、R
4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A
2は、Hまたはキャッピング基であり、
A
3は、Hまたはキャッピング基であり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分M
1またはM
2であり、ここで、M
1は、金属放射性核種で錯化されたDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートから選択されるキレート化金属放射性核種であり、M
2は、場合によって補欠分子族と組み合わされている、好ましくは
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性放射性イメージング非金属放射性核種であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、
L
1、L
4は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、またはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D
2は、酸性基であり、
L
3’は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5、または6であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
【0088】
まださらなる実施形態では、本発明は、式VIIIa〜eを有する式Iの化合物を提供する
【0089】
【化15】
[式中、
X
1〜X
5は互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
Y
1、Y
2、Y
2’は互いに独立に、N、O、またはSであり、
R
1、R
2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R
3、R
4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A
1は、Hまたはキャッピング基であり、
A
3は、Hまたはキャッピング基であり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用M
1またはM
2であり、ここで、M
1は、放射性核種金属で錯化されているDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートから選択されるキレート化金属放射性金属であり、M
2は、場合によって補欠分子族と組み合わされている、好ましくは
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、
L
1、L
4は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR
5、−COR
5、−COOR
5、−NHR
5、−CONHR
5(ここで、R
5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、またはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D
2は、酸性基であり、
L
3’は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5、または6であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
【0090】
好ましい実施形態では、Y
2はOであり、およびY
2’はNHである。
【0091】
本発明の化合物のさらに好ましい実施形態は、例えば、X
1〜X
5がNであり、R
1がNY
6Y
7であり、R
2がOであり、R
4がY
8であり、kが0であり、rが1である化合物を包含する。
【0092】
したがって、本発明はより具体的には、Y
1、Y
2がOであり、Y
3、Y
2’がNHであり、L
1が好ましくは共有結合である式IXa〜eの化合物を企図している:
【0093】
【化16】
[式中、
Y
6、Y
7は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
Y
8は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
A
1は、Hまたはカルボキシ保護基であり、
A
2は、Hまたはキャッピング基であり、
M
1は、放射性イメージング金属イオンで錯化されているDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートであり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、好ましくはm
1は0であり、m
2は2であるか、またはm
1は2であり、m
2は0であり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個もしくは複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
4は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、好ましくはハロゲンから選択される基であり、
D
2は、−COOH、−SO
3H、−SO
2H、−NR’SO
3H、−P(O)(OH)
2から選択される酸性基であり、
L
3’は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個もしくは複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5、または6である]。
【0094】
好ましい実施形態では、L
2は、共有結合か、あるいは直鎖または分枝の非置換C(1〜6)アルキル、最も好ましくは共有結合であり;かつ/または(i)m1は0であり、m2は2であるか、または(ii)m1は2であり、m2は0であり;かつ/またはS
1およびS
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−COO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−CH=CH−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルから選択されるスペーサー、より好ましくは単結合か、あるいは直鎖または分枝C(1〜6)アルキルから選択されるスペーサーである。
【0095】
さらなる化合物には、Y
2がOであり;Y
1、Y
3、Y
2’がNHであり;L
4が好ましくは共有結合である式Xa〜eの化合物が包含される
【0096】
【化17】
[式中、
Y
6、Y
7は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
Y
8は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
A
2は、Hまたはキャッピング基であり、
A
3は、Hまたはキャッピング基、例えば保護基であり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分M
1またはM
2であり、ここで、M
1は、金属放射性核種で錯化されているDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートから選択されるキレート化金属放射性核種であり、M
2は、場合によって補欠分子族と組み合わされている、好ましくは
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、好ましくはm
1は0であり、m
2は2であるか、またはm
1は2であり、m
2は0であり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、好ましくはハロゲンから選択される基であり、
D
2は、−COOH、−SO
3H、−SO
2H、−NR’SO
3H、−P(O)(OH)
2から選択される酸性基であり、
L
1は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、もしくはNO
2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、L
3’は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5、または6である]。
【0097】
本発明はまた、Y
1、Y
2がOであり、Y
3、Y
2’がNHであり、L
1およびL
4が好ましくは共有結合である式XIa〜eの化合物も企図している:
【0098】
【化18】
[式中、
Y
6、Y
7は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
Y
8は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
A
1は、Hまたはカルボキシ保護基であり、
A
3は、Hまたはカルボキシ保護基もしくはヒドロキシル保護基であり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分M
1またはM
2であり、ここで、M
1は、金属放射性核種で錯化されているDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートから選択されるキレート化金属放射性核種であり、M
2は、場合によって、補欠分子族と組み合わされている、好ましくは
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m
1、m
2は互いに独立に、0、1、2、または3であり、好ましくはm1は0であり、m2は2であるか、またはm1は2であり、m2は0であり、
S
1、S
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO
2R’、SH、SO
3H、もしくはNO
2によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO
3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D
1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、好ましくはハロゲンから選択される基であり、
D
2は、−COOH、−SO
3H、−SO
2H、−NR’SO
3H、−P(O)(OH)
2から選択される酸性基であり、
L
2は、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L
3’は、非置換か、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5、または6である]。
【0099】
好ましい実施形態では、L
1は、共有結合か、あるいは直鎖または分枝の非置換C(1〜6)アルキル、最も好ましくは共有結合であり;かつ/または(i)m
1は0であり、m
2は2であるか、または(ii)m
1は2であり、m
2は0であり;かつ/またはS
1およびS
2は互いに独立に、単結合か、あるいは非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−COO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−CH=CH−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルから選択されるスペーサー、より好ましくは単結合か、あるいは直鎖または分枝C(1〜6)アルキルから選択されるスペーサーである。
【0100】
L
2は、好ましくは共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C1−、C2−、C3−、またはC4−アルキルである。
【0101】
L
3’は、好ましくは、非置換か、または少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO
2R’によって置換されていて、非隣接のCH
2基のうちの1個または複数が独立に、−CO−O−、または−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルである。
【0102】
最も好ましい本発明の化合物は、例えば:
【0103】
【化19】
[式中、
Y
6、Y
7は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
Y
8は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
R
aは、HまたはC(1〜8)アルキルである];および下式の化合物:
【0104】
【化20】
[式中、
Y
6、Y
7は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
Y
8は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
R
aは、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
R
bは互いに独立に、−OH、−OC(1〜8)アルキル、または式(i)の基:
【0105】
【化21】
から選択されるが、ただし、基Rのうちの少なくとも1個は、式(i)の基であることを条件とする];および化合物:
【0106】
【化22】
[式中、
Y
6、Y
7は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
Y
8は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
R
aは、HまたはC(1〜8)アルキルである]である。
【0107】
他の態様では、本発明は、本発明の化合物を合成する方法も提供する。合成は好ましくは、モジュラー式手法(適切に誘導体化された官能基、すなわち、ホラート基、アルブミンバインダー基、およびキレート基を使用)に基づき、エステル化、アミド化(amdiation)、およびクリック反応を包含する当技術分野で知られている標準的なカップリング化学に基づく。後者の反応は、特に有用であることが証明されており、熱条件下または触媒の存在下、付加環化でアジドおよびアルキン基をカップリングさせて、選択された最終化合物を得ることに基づく(KolbおよびSharpless、Drug Discovery Today 2003、8、1128頁;Kolbら、Angew.Chem.Int.Ed.2001、40、2004;Rostovtsev,V.V.ら、Angew.Chem.Int.Ed.2002、41、2596頁;米国特許出願公開第2005/02222427号;WO06/116629)。これらの反応は、Huisgen1,3−双極性付加環化(熱条件)およびクリック反応(触媒条件)として知られており、当技術分野において記載されている(KolbおよびSharpless、Drug Discovery Today 2003、8、1128頁;Kolbら、Angew.Chem.Int.Ed.2001、40、2004;Rostovtsevら、Angew.Chem.Int.Ed.2002、41、2596頁;米国特許出願公開第2005/02222427号;WO06/116629)。より具体的には、5員の複素環がトリアゾールである式Iの化合物は、アジドR
a−N
3をアルキンR
b−C≡C−R
cと付加環化させることによって得られ、5員の複素環がテトラゾールである式Iの化合物は、アジドR
a−N
3をシアニドR
b−C≡Nと付加環化させることによって得られる。全ての可能な組合せが本明細書においては企図されており、すなわち、R
aは、ホラート誘導体であり、R
bはキレート部分またはその前駆体であり、さらに、R
bはホラート誘導体であり、R
aはキレート部分またはその前駆体である。したがって、反応のモジュラー式かつ可変的性質によって、幅広い様々なリンカーを利用して、イメージング部分を葉酸にカップリングさせることができる。
【0108】
様々なカップリングステップに適した条件を選択し、適切な保護基PG(例えば、Greene & Wuts編、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、1991、John Wiley & Sons、NY.を参照されたい)および脱離基LG(例えば、ハロゲン、トシラート、メシラート、トリフラート、カルボナート基)を選択することは当業者には明白であろう。
【0109】
本発明の化合物の合成における最後のステップが好ましくは金属放射性核種(イメージング部分がキレート化金属放射性核種M
1である場合)またはγ放出性もしくは陽電子放出性非金属放射性核種(イメージング部分がγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種M
2である場合)を導入することを包含することも、当業者には明白であろう。
【0110】
したがって、イメージング部分が、DTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートから選択されるものなどのキレート化金属放射性核種M
1である場合、本発明はさらに、そのような本発明の化合物を標識することを含む、本発明の複合体を合成する方法を提供し、この方法は、本発明の化合物を初めに得るステップと、一般に還元剤の存在下で、その化合物を本明細書において上記で規定されたとおりの放射性核種と反応させて、本発明の化合物と放射性核種との間で金属キレート錯体を形成するステップとを包含する。還元剤は、任意の知られている還元剤であってよいが、好ましくは、ジチオナイトイオンまたはスズイオンである。
【0111】
別法では、イメージング部分が、好ましくは
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種M
2である場合、本発明はさらに、個々の本発明の化合物を合成する方法を提供し、この方法は、非金属放射性核種M
2を対応する前駆体から、当技術分野で知られている方法に従って導入することを含む。
【0112】
さらなる態様では、本発明は、診断イメージング量または治療有効量の少なくとも1種の本発明の化合物と、薬学的に許容可能なそのための担体とを含む医薬組成物を提供する。好ましい実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の、Mが例えば、
177Lu、
161Tb、
213Bi、または
111Inから選択される金属放射性核種で錯化されているDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAから選択されるキレート化金属放射性核種M
1である化合物を含有する。他の好ましい実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の、Mが
18F、
123I、
124I、
131Iから選択される非金属放射性核種M
2である化合物を含有する。
【0113】
本明細書において使用する場合、適切な適用量で存在する薬学的に許容可能な担体には、生理学的に許容できる溶媒、分散媒体、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤などが包含される。そのような媒体および作用物質の使用は、当技術分野でよく知られている。
【0114】
さらなる態様では、本発明は、診断イメージングまたは放射性核種療法を必要とする対象に簡便かつ有効に投与するための本発明の化合物および/または医薬組成物の使用を提供する。本発明の方法の対象は、好ましくは動物またはヒトなどの哺乳動物、好ましくはヒトである。
【0115】
したがって、個別の実施形態では、本発明は、ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団を診断イメージングする方法を提供し、前記方法は、少なくとも1種の本発明の化合物または組成物を診断イメージング量で投与するステップと、前記細胞または細胞集団の診断イメージを得るステップとを含む。
【0116】
本発明の化合物および/または組成物は、それを必要とする対象を治療するために有用な放射性核種療法作用物質のために使用することもできる。
【0117】
したがって、他の特定の実施形態では、本発明は、放射性核種療法のための方法を提供し、この方法は、それを必要とする対象に少なくとも1種の本発明の化合物または組成物を治療有効量で投与するステップと、前記少なくとも1種の化合物または組成物を所望の組織に局在化させた後に、その組織に放射線を掛けて、所望の治療効果を達成するステップとを含む。
【0118】
まだ他の実施形態では、本発明は、同時に診断および放射性核種療法のための方法を提供し、この方法は、それを必要とする対象に少なくとも1種の本発明の化合物または組成物を診断有効量および治療有効量で投与するステップと、前記少なくとも1種の化合物または組成物を所望の組織に局在化させた後に、その組織に放射線を掛けるステップと、治療経過に従うように前記組織の診断イメージを得るステップを含む。
【0119】
1種または複数の本発明の化合物または組成物で標識されたホラート受容体を発現している細胞または組織、すなわち、腫瘍細胞または組織のイメージは、放射線検出器、例えばγ放射線検出器を使用して検出することができる。そのような手順の1つは、シンチグラフィーを利用する。単一光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)または陽電子放射型断層撮影法(PET)などの断層イメージング手順も、可視化を改善するために使用することができる。そのような放射線検出器の選択および使用は、当業者の技能の範囲内である。したがって、投与されるべき本発明の化合物または組成物の診断イメージング量は、本明細書において上記で記載したとおりの対象の臓器または他の部位の診断イメージをもたらすためなどに十分な量で選択することができる。投与されるべき治療有効量の本発明の化合物または組成物は、所望の放射線治療効果をもたらすためなどに十分な量で選択することができる。より具体的には、治療有効量は、腫瘍の増殖またはサイズを停止および/または縮小させるために十分な複合体の腫瘍局在化を可能にするであろう少なくとも1種の本発明の化合物の量である。本明細書において提示するとおり、腫瘍増殖またはサイズは、本発明の方法または任意の他の知られている診断イメージング手順を使用してモニタリングすることができる。
【0120】
勿論、診断イメージングまたは放射性核種療法のための投薬量を決定する際には、選択された金属放射性核種、例えば
99mTc、
186/188Re、
111In
+3、
67/68Ga
+3、
90Y
+3、
109Pd
+2、
105Rh
+3、
177Lu、
64/67Cu
166Ho、
213Bi、好ましくは
99mTcもしくは
186/188Re、または選択された非金属放射性核種、例えば
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131I、好ましくは
18F、
123I、
124I、
131Iの特異活性を考慮する。
【0121】
一般に、投与されるべき単位用量は、約0.01mCi〜約300mCi、好ましくは10mCi〜約200mCiの放射能を有する。注射される液剤では、好ましい単位投薬量は、約0.01mL〜約10mLである。例えば、静脈内投与の後に、所望の場合には、放射標識された試薬を対象に投与してから数分以内から数時間またはさらに長時間まで、臓器または腫瘍のイメージングをin vivoで行うことができる。典型的には、約1〜4時間以内に、十分な量の投与用量が、イメージングされる標的化領域に蓄積する。
【0122】
本発明の化合物および/または組成物は、非経口(例えば、静脈内)、筋肉内、もしくは腹腔内などの適切な経路によって、または任意の他の適切な方法によって投与することができる。例えば、本発明の化合物および/または組成物は、ボーラスまたは低速の点滴静脈内注射によって対象に投与することができる。注射に適した形態には、上述の本発明の化合物および/または組成物の滅菌水性液剤または分散剤、および滅菌散剤が包含される。
【0123】
化合物または医薬組成物は、好ましくは滅菌されている。これらに限られないが、抗菌剤または抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどを加えることを包含する任意の当分野で認められている技法によって、減菌は達成することができる。
【0124】
本発明の化合物および/または組成物は、対象から採取された組織生検においてホラート受容体を発現している細胞をin vitroで検出するために使用することもできる。したがって、さらなる実施形態では、本発明は、組織試料においてホラート受容体を発現している細胞、例えば、腫瘍細胞をin vitroで検出するための方法を提供し、この方法は、前記組織試料を、結合を生じさせるために有効な量の本発明の化合物または組成物と十分な時間および条件で接触させるステップと、イメージング技法によってそのような結合を検出するステップとを包含する。
【0125】
当業者に知られている手順によって、例えば、組織生検または体液を収集することによって、気管または肺試料などを吸引することによって、試料を収集することができる。
【0126】
試験される組織試料には、腫瘍細胞、上皮細胞、腎臓、胃腸、または肝胆道系などの、ホラート受容体を発現している細胞を含有すると疑われる任意の組織が包含される。例えば、ミクロトームを用いて、試料を薄片にして、結合した複合体の顕微鏡検査および観察を容易にすることができる。本発明の化合物または組成物のうちの1種と共にインキュベーションする前または後のいずれかに、適切な固定剤を用いて、試料を固定して、試料組織の組織学的品質を改善することもできる。
【0127】
本発明の複合体が細胞上のホラート受容体に結合するために十分な時間および条件には、標準的な組織培養条件が包含され、すなわち、生理学的培地中で、試料をin vitroで培養し、本発明の化合物または組成物のうちの1種と共にインキュベートすることができる。そのような条件は、当業者によく知られている。別法では、試料を固定し、次いで、等張性または生理学的緩衝液中、本発明の複合体または組成物と共にインキュベートすることができる。
【0128】
腫瘍細胞をin vitroで検出するための前記本発明の複合体の典型的な量は、約1ng/l〜約1000μg/lの範囲であり得る。好ましい量は、約1μg/l〜約100μg/lである。イメージング部分が、腫瘍細胞のin vitro診断のために使用されるキレート化金属放射性核種M
1である好ましい本発明の化合物は、in vivo用途のためのものと同じであり、
99mTc、
186/188Re、
111In
+3、
67/68Ga
+3、
90Y
+3、
109Pd
+2、
105Rh
+3、
177Lu、
64/67Cu、
161Tb、
213Bi、好ましくは
177Lu、
161Tb、
213Bi、または
111Inを包含する。
【0129】
同様に、イメージング部分が腫瘍細胞のin vitro診断のために使用される非金属放射性核種M
2である好ましい本発明の化合物は、in vivo用途のためのものと同じであり、
11C、
13N、
150、
17F、
18F、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
131I、好ましくは
18F、
123I、
124I、
131Iを包含する。
【0130】
本化合物のうちの1種の細胞結合を検出するために、試料を選択された化合物の存在下でインキュベートし、次いで洗浄し、かつ標準的なシンチレーションカウンターでカウントすることができる。別の方法が当てはまり、当業者に知られている。
【0131】
上記の本発明の方法は、他の既に開発されている診断薬および/または治療薬を使用する方法、ならびにX線コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴画像法(MRI)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、単一光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、光学画像法、および超音波を利用する方法を包含する、任意の他の癌診断方法または癌療法と組み合わせて行うことができることは理解される。
【0132】
診断または放射性核種療法用途では、本発明の化合物を、使用される現場で、またはその付近で調製することが簡便であり得る。したがって、Mがキレート化金属放射性核種M
1である本発明の化合物では、本発明は、さらなる態様において、放射性イメージング金属イオン自体以外の本発明の化合物または組成物を調製するために必要な成分の全てを含有する単一バイアルキットまたはマルチバイアルキットを提供する。したがって、好ましい本発明の単一バイアルキットは、Mがキレート化金属放射性核種M
1である本発明の化合物および第一スズ塩などの薬学的に許容可能な還元剤の供給源を含む。加えて、キットは場合によって、さらなる添加剤を含み、例えばキットは、pHを複合体形成に望ましい値に調節するための薬学的に許容可能な酸または塩基で緩衝される。そのような単一バイアルキットは場合によって、グルコヘプトナート、グルコナート、マンニトール、マレアート、クエン酸、または酒石酸などの交換リガンドを含有してよく、ジエチレントリアミン五酢酸またはエチレンジアミン四酢酸などの反応調節剤を含有してもよい。溶解補助剤(例えば、シクロデキストリン)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)、および/または増量剤(例えば、NaCl)などの追加の添加剤を使用して、最終生成物の放射化学的純度および安定性を改善するか、またはキットの生産を補助することができる。放射性核種、例えば、Lu、Tb、Bi、またはInを好ましくは、溶液の形態で別に加える。
【0133】
同様に、好ましい本発明のマルチバイアルキットは、1つのバイアル内に、不安定な放射性核種複合体を形成するために必要な放射性核種自体以外の成分、すなわち、交換リガンドおよび第一スズ塩などの薬学的に許容可能な還元剤を含む。Mがキレート化金属放射性核種M
1である本発明の化合物、さらに、pHをその最適な値に調節するにの適切な緩衝液などの場合による添加剤は、第2のバイアルに含有される。場合によって、放射性核種を、加えられる溶液の形態で提供する。
【0134】
全てのキット成分は、液体形態、凍結形態、または乾燥形態であってよい。好ましい実施形態では、キット成分を、凍結乾燥された形態で提供する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.式Iの化合物
[式中、
Zは、プテロアートまたはその誘導体であり、
L1、L4は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L2は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のOR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
L3は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−および5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
Y1、Y3は互いに独立に、O、NまたはSであり、
A1、A2、A3は互いに独立に、H、キャッピング基またはアルブミンバインダーであり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分であり、
m1、m2は互いに独立に、0、1、2または3であり、
ただし、A1、A2およびA3のうちの少なくとも1個、好ましくは1個は、アルブミンバインダーであることを条件とする]。
2.式IIを有する、上記1に記載の化合物
[式中、
X1〜X5は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
R1、R2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R3、R4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
L1、L4は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L2は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のOR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
L3は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’、もしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−および5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
Y1、Y3は互いに独立に、O、NまたはSであり、
A1、A2、A3は互いに独立に、H、キャッピング基またはアルブミンバインダーであり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分、好ましくはイメージング部分M1またはM2であり、ここで、M1は、キレート化金属放射性核種であり、M2は、場合によって補欠分子族と組み合わされているγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m1、m2は互いに独立に、0、1、2または3であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有し、
ただし、A1、A2およびA3のうちの少なくとも1個、好ましくは1個は、アルブミンバインダーであることを条件とする]。
3.アルブミンバインダーが、式IIIの化合物などの、12〜40個の炭素原子および遠位酸性基を有する直鎖または分枝親油性基である、上記1または2に記載の化合物:
[式中、
Y2、Y2’は互いに独立に、N、OまたはSであり、
S1、S2は互いに独立に、単結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’、SH、SO3HもしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニルまたはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D2は、酸性基であり、
破線は、L1、L2またはL4に対する結合を表す]。
4.式IVa、IVbおよびIVcを有する、上記1〜3のいずれか一つに記載の化合物
[式中、
X1〜X5は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
Y1、Y3は互いに独立に、N、OまたはSであり、
Y2、Y2’は互いに独立に、N、OまたはSであり、
R1、R2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R3、R4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A1は、Hまたはキャッピング基であり、
A2は、Hまたはキャッピング基であり、
A3は、Hまたはキャッピング基であり、
Mは、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分、好ましくはイメージング部分M1またはM2であり、ここで、M1は、キレート化金属放射性核種であり、M2は、場合によって補欠分子族と組み合わされているγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m1、m2は互いに独立に、0、1、2または3であり、
L1、L4は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L2は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のOR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
L3は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−および5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S1、S2は互いに独立に、単結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’、SH、SO3HもしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニルまたはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D2は、酸性基であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
5.酸性基が、好ましくは−COOH、−SO3H、−SO2H、−NR’SO3H、−P(O)(OH)2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)からなる群から選択される、イオン化して水素イオンを塩基に供与し、塩を形成し得る基である、上記4に記載の化合物。
6.S1およびS2が互いに独立に、単結合であるか、あるいは非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−COO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−CH=CH−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルから選択されるスペーサーである、上記..に記載の化合物。
7.m1が2であり、m2が0であるか、またはm1が0であり、m2が2である、上記1〜6のいずれか一つに記載の化合物。
8.Mが、放射性核種をベースとする治療用または診断用部分M1またはM2であり、ここで、M1は、キレート化金属放射性核種であり、M2は、場合によって補欠分子族と組み合わされているγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種である、上記1〜7のいずれか一つに記載の化合物。
9.A2がアルブミンバインダーである場合に、Mがキレート化金属放射性核種M1であることを条件とする、上記1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
10.イメージング部分Mが、金属放射性核種および金属キレーターを含むキレート化金属放射性核種M1である、上記1〜9のいずれか一つに記載の化合物。
11.金属放射性核種が、99Tc、51Cr、67Ga、68Ga、47Sc、51Cr、167Tm、141Ce、111In、168Yb、175Yb、140La、90Y、88Y、153Sm、166Ho、165Dy、166Dy、62Cu、64Cu、67Cu、97Ru、103Ru、186Re、188Re、203Pb、211Bi、212Bi、213Bi、214Bi、105Rh、109Pd、117mSn、149Pm、161Tb、177Lu、198Auおよび199Auから選択される、上記9に記載の化合物。
12.金属キレーターが、二座、三座または四座の、直鎖、三脚または大環状リガンド、好ましくはDTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、EHPG、HBED、NOTA、DOTMA、TETMA、PDTA、TTHA、LICAM、MECAMなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートキレーター、より好ましくは大環状ポリアミノカルボキシラートから選択される、上記9に記載の化合物。
13.イメージング部分Mが、場合によって補欠分子族と組み合わされている11C、13N、150、17F、18F、75Br、76Br、77Br、123I、124I、131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種M2である、上記1〜12のいずれか一つに記載の化合物。
14.L1が共有結合であるか、あるいは直鎖または分枝C(1〜6)アルキルである、上記1〜13のいずれか一つに記載の化合物。
15.L2が共有結合であるか、あるいは直鎖または分枝C(1〜6)アルキルである、上記4〜14のいずれか一つに記載の化合物。
16.Y2がOであり、かつ/またはY2’がNである、上記3〜14のいずれか一つに記載の化合物。
17.Y1がOまたはNであり、かつ/またはY3がNである、上記1〜16のいずれか一つに記載の化合物。
18.L3が、非置換かまたは少なくとも1個のHal、OR’、NHR’もしくはCO2Rによって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−およびトリアゾリルもしくはテトラゾリル基から選択される5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルである、上記1〜17のいずれか一つに記載の化合物。
19.L3が、非置換かまたは少なくとも1個のHal、OR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルである基L3’であるか、あるいはL3が、式(a)、(b)または(c)の基である、上記1〜18のいずれか一つに記載の化合物
[式中、
R”は、Hであるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalもしくはNO2によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6である]。
20.式VIa〜eを有する、上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物
[式中、
X1〜X5は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
Y1、Y2、Y2’は互いに独立に、N、OまたはSであり、
R1、R2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5はH、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R3、R4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
R5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニルまたはC(2〜12)アルキニルであり、
A1は、Hまたはキャッピング基であり、
A2は、Hまたはキャッピング基であり、
M1は、放射性イメージング金属イオンで錯化されている、DTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートであり、
m1、m2は互いに独立に、0、1、2または3であり、
L1、L4は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L2は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S1、S2は互いに独立に、単結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’、SH、SO3HもしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C□C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニルまたはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D2は、酸性基であり、
L3’は、非置換かまたは少なくとも1個のHal、OR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
21.式VIIa〜eを有する、上記1〜20のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
X1〜X5は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
Y1、Y2、Y2’は互いに独立に、N、OまたはSであり、
R1、R2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R3、R4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A2は、Hまたはキャッピング基であり、
A3は、Hまたはキャッピング基であり、
Mは、イメージング部分M1またはM2であり、ここで、M1は、金属放射性核種イオンで錯化された、DTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートから選択されるキレート化金属放射性核種であり、M2は、場合によって補欠分子族と組み合わされている、好ましくは11C、13N、150、17F、18F、75Br、76Br、77Br、123I、124I、131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m1、m2は互いに独立に、0、1、2または3であり、
L1、L4は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L2は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のOR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S1、S2は互いに独立に、単結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’、SH、SO3HもしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニルまたはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D2は、酸性基であり、
L3’は、非置換かまたは少なくとも1個のHal、OR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
22.式VIIIa〜eを有する、上記1〜21のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
X1〜X5は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
Y1、Y2、Y2’は互いに独立に、N、OまたはSであり、
R1、R2は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
R3、R4は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
A1は、Hまたはキャッピング基であり、
A3は、Hまたはキャッピング基であり、
Mは、イメージング部分M1またはM2であり、ここで、M1は、放射性イメージング金属イオンで錯化されている、DTPA、DOTA、DO3A、HP−DO3A、EDTA、TETA、NOTA、DOTMAなどの直鎖または大環状ポリアミノカルボキシラートから選択されるキレート化金属放射性核種であり、M2は、場合によって補欠分子族と組み合わされている、好ましくは11C、13N、150、17F、18F、75Br、76Br、77Br、123I、124I、131Iから選択されるγ放出性または陽電子放出性非金属放射性核種であり、
m1、m2は互いに独立に、0、1、2または3であり、
L1、L4は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’もしくはNO2(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
L2は、共有結合であるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のOR’、NHR’、もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
S1、S2は互いに独立に、単結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OR’、NHR’、CO2R’、SH、SO3H、もしくはNO2によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO3R’−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキルから選択されるスペーサーであり、
D1は、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR5、−COR5、−COOR5、−NHR5、−CONHR5(ここで、R5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニルまたはC(2〜12)アルキニルを表す)から選択される基であり、
D2は、酸性基であり、
L3’は、非置換であるか、または少なくとも1個のHal、OR’、NHR’もしくはCO2R’によって置換されていて、非隣接のCH2基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−NR’−、−NR’−CO−(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
p、qは互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6であり、
kは、0または1であり、
rは、1〜7の値を有する]。
23.R3が、H、C(1〜12)アルキルまたは−CO−C(1〜8)アルキルである、上記2〜22のいずれか一つに記載の化合物。
24.R4が、H、ニトロソ、−O−C(1〜8)アルキルまたは−CO−C(1〜8)アルキルである、上記2〜23のいずれか一つに記載の化合物。
25.R1およびR2が互いに独立に、H、C(1〜12)アルキル、−OR5、−NHR5(ここで、R5は、H、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニルまたはC(2〜12)アルキニルである)である、上記2〜24のいずれか一つに記載の化合物。
26.少なくとも1種の、上記1〜25のいずれか一つに記載の化合物を含む、医薬組成物。
27.ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団をin vitroまたはin vivoで診断イメージングするための上記1〜25のいずれか一つに記載の化合物の使用。
28.診断イメージングを必要とする対象に、簡便かつ有効に投与するための上記1〜25のいずれか一つに記載の化合物の使用。
29.ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団を診断イメージングする方法であって、少なくとも1種の、上記1〜25のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で投与するステップと、前記細胞または細胞集団の診断イメージを得るステップとを含む方法。
30.診断イメージングを、ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団でin vitroまたはin vivoで行う、上記29に記載の方法。
31.組織試料においてホラート受容体を発現している細胞をin vitroで検出する方法であって、前記組織試料を、結合を生じさせるために有効な量の上記1〜25のいずれか一つに記載の化合物と十分な時間および条件で接触させるステップと、PETイメージングによってそのような結合を検出するステップとを包含する方法。
32.対象を診断イメージングもしくはモニタリングする方法であって、(i)少なくとも1種の、上記1〜25のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で投与するステップと、(ii)前記少なくとも1種の化合物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む方法。
33.対象において癌療法をモニタリングする方法であって、(i)それを必要とする対象に、少なくとも1種の、上記1〜25のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で、治療活性な作用物質と組み合わせて投与するステップと、(ii)癌療法の経過に従うように、前記少なくとも1種の化合物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む方法。
34.任意の他の癌診断方法または癌療法と組み合わせて使用される、上記32または33に記載の方法。
【0135】
本明細書において開示および請求されている化合物、組成物、および/または方法は全て、本開示を考慮すれば過度の実験を伴うことなく、製造および実行することができる。本発明の範囲から逸脱しなければ、変形形態も本発明に該当し得ることは、当業者には明らかであろう。本明細書において提示されている例は、実例を意図したものであって、網羅的なものではない;したがって、説明されている例は、本発明を制限するものとしては決して考察されるべきではない。
【実施例】
【0136】
材料および方法
全ての薬品をSigma−AldrichまたはFluka、Buchs、スイスから購入した。全ての薬品および溶媒は、試薬グレードのものであり、別段に述べられていない限り、さらに精製することなく使用した。Boc保護アミノ酸は、Bachem AG、Bubendorf、スイスから購入した。プテロイン酸前駆体は、Merck Eprova AG、Schaffhausen、スイスからの贈与であり、DOTAアジドおよびDOTA−NHSエステルは、Macrocyclics、Dallas、米国から得た。[Na][
99mTcO
4]は、
99Mo/
99mTc発生剤(Mallinckrodt−Tyco、Petten、オランダ)から、0.9%生理食塩水を用いて溶離した。
67GaCl
3は、Mallincrodt−Tyco、Petten、オランダから得、
177LuCl
3は、Nuclear Research and Consultancy Group、NRG、Petten、オランダから得た。
【0137】
HPLCによってか、またはプレコーティングされているシリカゲル60 F254アルミニウムシート(Merck)を使用する薄層クロマトグラフィー(TLC)によって、反応をモニタリングし、UV吸収によって可視化するか、またはEtOH中のニンヒドリン溶液(100ml中に0.2g)で染色した。シリカゲル60(Fluka;粒径0.04〜0.063mm)を使用するカラムクロマトグラフィーを行った。L−7400チューナブル吸収検出器およびXBridge(商標)C−18逆相カラム(5μM、4.6×150mm、Waters)を備えたMerck−Hitachi L−7000システムを使用して、分析HPLCを行った。HPLC溶媒は、1mL/分の流速の0.1%のTFAを有する水(溶媒A)およびMeCN(溶媒B)、または水中に0.1%のTFA(溶媒A)およびMeOH(溶媒B)のいずれかであった。勾配は次のとおりであった:0〜15分:95%のAから20%のAへの勾配。Sep−PakRカラム(Waters)を使用前に、メタノールおよび水で洗浄した。分析放射性HPLCを、L−2450ダイオードアレー検出器およびBertholdラジオディテクタを備えたMerck−Hitachi L−2130システムで、逆相カラム(Gemini C18、5μm、4.6×250mm、Phenomenex)を用いて、0.05MのNH
4HCO
3(溶媒A)およびアセトニトリル(溶媒B)を溶媒系として、0〜15分は80%のA、15〜20分で80〜30%のA、20〜25分は30%のAの勾配および1mL/分の流速で使用して行った。Smartline pump 1000、Smartline Manager 5000、Smartline UV検出器2500(Knauer)、およびGabiStarラジオディテクタ(Raytest)を備えたHPLCシステムで、逆相半分取カラム(Gemini C18、5μm、250×10mm、Phenomenex)を4mL/分の流速で、0.05MのNH
4HCO
3(溶媒A)およびアセトニトリル(溶媒B)を溶媒系として、かつ次のとおりの勾配:0〜20分は80%のA、20〜25分で80〜30%のA、25〜30分は30%のAで使用して、半分取放射性HPLCを行った。
【0138】
核磁気共鳴スペクトルを400MHz Bruker分光計で記録した。1Hおよび13C化学シフトは残留溶媒ピークまたは基準としての水に対して報告された。結合定数Jの値は、ヘルツ(Hz)で示した。1H−NMRスペクトルを記載するために、次の略語を使用する:一重項(s)、二重項(d)、三重項(t)、四重項(q)、多重項(m)。複雑な多重項の化学シフトは、その存在範囲として示されている。低分解能質量スペクトルは、Micromass Quattro microTM API LC−ESIで、負または正イオンモードのいずれかを使用して記録した。高分解能質量スペクトルはBruker FTMS 4.7T BioAPEXIIで記録した。
【0139】
細胞培養:KB細胞(ヒト上咽頭癌細胞系)はAmerican Type Culture Collection(CCL−17)から購入した。JK24−FBP細胞は、Patrick Hwu博士(米国国立癌研究所、Bethesda、MD)からの寄贈であった。細胞を単層として、37℃、5%のCO
2を含有する加湿雰囲気下で培養した。重要なことに、本明細書においてFFRPMI(変性RPMI 1640培地、葉酸、ビタミンB12、およびフェノールレッド不含;Cell Culture Technologies GmbH)と称される特別なRPMI細胞培地中で、細胞を培養した。FFRPMI培地に、10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS、ホラートの唯一の供給源として)、L−グルタミン、および抗生物質(ペニシリン100IU/ml、ストレプトマイシン100μg/ml、ファンギゾン0.25μl/ml)を補足した。各実験の18〜20時間前に、細胞を12ウェルプレート(7×10
5細胞/2ml)に播種して、集密な単層を一晩形成した。
【0140】
取り込みおよび内部移行研究:次の一般的な手順に従って、受容体結合研究を行った:細胞の単層をPBS pH7.4ですすいだ。純粋なFFRPMI培地(FCS、L−グルタミン、抗生物質を不含、975μl)のみ、FFRPMI培地(475μl)、および受容体遮断研究のための葉酸溶液(500μl、培地中200μM)、または4%のBSAを含有するFFRPMI培地を対応するウェルに加えた。ウェルプレートを37℃で15分間予めインキュベートした。67Ga標識された化合物16または6(25μl、1.5MBq/ml)の溶液を各ウェルに加えた。プレートを37℃で4時間までインキュベートした。次いで、各ウェルをPBS緩衝液 pH7.4で2回、または個々にPBS pH7.4で1回および酸性ストリッピング緩衝液(0.1Mの酢酸および0.15MのNaClの水溶液)で1回すすいで、細胞表面上に結合した複合体をFRから除去した。単層をNaOH(1M)1mlに溶かし、4ml管に移した。cobra(商標)II γカウンターを使用して、試料、さらに4種の標準試料(標識された
67Ga−16または
67Ga−6 25μl)を放射能についてカウントした。測定された試料の放射能を、1ウェル当たりタンパク質0.5mgまたは0.3mg(結果の下に示されているとおり)である平均試料タンパク質含有量に対して正規化するために、タンパク質の濃度を各試料について決定した(Thermo Scientific Pierce BCA Protein Assay、Product#23225)。
【0141】
アルブミン結合研究:次の一般的な手順に従って、HPLCおよびSuperose(商標)12サイズ排除カラムを使用するアルブミン結合研究を行った:上記のプロトコルに従って、化合物16および6を放射標識した。溶離剤としてのPBS pH7.4中0.05%のtweenR20を使用して、1MBqの試料をカラムに注入した。HSA溶液20%(100μl)またはヒト血漿(100μl)のいずれかと共に、放射性化合物
67Ga−16および
67Ga−6(12μl、約1MBq)を37℃で30分間インキュベートした。インキュベートした溶液100μl体積をSuperose(商標)12サイズ排除カラム上に注入した。血漿タンパク質および放射標識化合物の溶離をHPLCによって、UVトレース(220nm)および放射性γトレースにおいて個々にモニタリングした。次の一般的な手順83に従って、超遠心分離デバイスを使用するアルブミン結合研究を行った:ヒト血漿350μlまたは1×PBS、pH7.4 350μlと共に、HPLC精製放射標識化合物16、6、FA2、FA4、および22(2.5〜3.0 66MBq)を37℃で10分間インキュベートした。試料を限外濾過膜(CentrifreeR、Ultracel YMTデバイス、Millian(Geneva)製、)に負荷し、2000rpmで35分間遠心分離した。Cobra(商標)II γカウンターを使用して、濾液(3×25μl)および初めにインキュベートした溶液(3×25μl、標準)を放射能についてカウントした。標準化のために、PBS中の化合物の濾液を、100%であると示した。この100%画分を、血漿試料の濾液中で見出された活性化合物の画分と比較し、血漿試料の活性を、PBS濾液中での活性に対する%で表した。
【0142】
in vitroオートラジオグラフィー:マウス組織切片(KB腫瘍異種移植片および腎臓)を有するスライドをトリス−HCl緩衝液(170mM、pH7.6、5mMのMgCl
2)中、0.25%(w/v)のBSAと共に室温で10分間予めインキュベートした。次いで、切片を
67Ga−16および
67Ga−6(1%のBSAを含有するトリス−HCl緩衝液中0.5MBq/ml)の溶液と共に室温で60分間インキュベートした。インキュベーションの後に、切片を冷トリス−HCl緩衝液(25%のBSAを含む)中で2回、5分間すすぎ、次いで、純粋なトリス−HCl緩衝液中で5分間洗浄し、最後に、冷蒸留水ですすいだ。切片を風乾させ、蛍光体イメージングスクリーン(phosphor imaging screens)に曝露した。
例1
【0143】
三官能性コンジュゲート16の合成
(a)
【0144】
【化23】
Boc−Glu−OMe(181.5mg、0.65mmol)をDMF(1.5ml)に溶かし、HBTU(314.2mg、0.83mmol、1.2当量)およびNEt
3(2当量)を加えた。溶液を0℃で1時間撹拌した。溶液をDMF(2ml)中のH−Pra−OMe・HCl(120.2mg、0.74mmol、1.06当量)およびNEt
3(4当量)に加えた。懸濁液を0℃→室温で一晩撹拌した。MeOHを加えて、残りの粒子を溶かした。溶液を0℃で3時間撹拌した。生成物をクエン酸(1M)および酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインですすぎ、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。精製をCC(SiO
2、MeOH/CH
2C
l2 1:50)によって達成して、透明なオイルを得た。233mg(0.63mmol、90%)。
LC−MS[M−C
5H
7O
2(Boc)]H+=270.87(C
17H
26N
2O
7の計算値:370.17)。1H−NMR(DMSO−d6)δ 8.3、7.17、4.36〜3.31、3.92〜3.87、3.57、3.55、3.24、2.8、2.52、2.15、1.87〜1.79/1.72〜1.62、1.3ppm。
【0145】
(b)
【0146】
【化24】
1(233mg、0.63mmol)をTFA(CH
2Cl
2中10%)に溶かした。溶液を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、MeOH/CH
2Cl
2 1:30)によって達成して、TFA塩を透明な固体として得た。224mg(0.58mmol、92%)。
LC−MS[M+H]+=270.84(C
12H
18N
2O
5の計算値:270.12)。1H−NMR(MeOH−d4)δ 7.98、4.58、4.10、3.85、3.74、2.82、2.71、2.54、2.19。
【0147】
(c)
【0148】
【化25】
プテロイン酸(166.9mg、0.41mmol、1.04当量)をDMF(3ml)に溶かした。HBTU(208.9mg、0.55mmol、1.4当量)およびNEt
3(2当量)を加えた。懸濁液を0℃で1.5時間撹拌した。懸濁液をDMF(2ml)中の2(105.2mg、0.39mmol、1当量)およびNEt
3(2当量)に加えた。溶液を0℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、MeOH/CH
2Cl
2 1:20)によって達成して、黄色の粉末を得た。90mg(0.14mmol、36%)。
LC−MS[M+H]+=647.93(C
30H
33N
9O
8の計算値:647.25)。
【0149】
(d)
【0150】
【化26】
3(22.88mg、35μmol)および4−アジドブチル−1−アミン・TFA(27.7mg、0.12mmol、3.4当量)を3:1のtBuOH/H
2O(1.1ml)中で混合した。Cu(OAc)
2・H
2O(31μl、100mMのステム溶液(stem solution)から、0.1当量)およびアスコルビン酸Na(1.5mg、100mMのステム溶液から、0.2当量)を滴加した。溶液を室温で数時間撹拌した。溶媒の一部を減圧下で蒸発させた。H
2O中0.1%のTFAおよびアセトニトリルを溶離剤として使用する半分取HPLCによって精製を達成して、黄色の粉末を得た。8.64mg(11.3μmol、32%)。
LC−MS[M−C
3H
7N(ジメチルホルムアミド保護基)]+=706.95(C
34H
43N
13O
8の計算値:761.34)。
【0151】
(e)
【0152】
【化27】
4(8.64mg、11.3μmol)およびNHS−DOTA・PF
6(8.05mg、12.4μmol、1.1当量)をDMF(0.4ml)およびDIPEA(4当量)の混合物に溶かした。反応物を40℃で数時間撹拌した。さらなるNHS−DOTA PF
6を加えることによって、反応を完了させた。溶媒を減圧下で除去し、生成物をさらに精製することなく使用した。
LC−MS[M−C
3H
7N(ジメチルホルムアミド保護基]+=1093.02(C
50H
69N
17O
15の計算値:1147.52)。
【0153】
(f)
【0154】
【化28】
5をMeOH/H
2Oの1:1混合物に溶かし、NaOH(1M)を使用して、pH13に調節した。溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。生じた固体をH
2Oに再び溶かし、HCl(1M)を使用して、溶液を中和した。逆相SepPakカラムをH
2Oで使用し、かつ溶離剤としてのMeOHの濃度を高める固相抽出によって、最終精製を達成した。溶媒の一部を減圧下で蒸発させた。化合物を凍結乾燥させて、明黄色の粉末を得た。4.1mg(3.95μmol、35%)。
LC−MS[M+Na]+=1059.44、(C
44H
60N
16O
14の計算値:1036.45)。
【0155】
(g)
【0156】
【化29】
4−p−ヨードフェニル−酪酸(butric acid)(502mg、1.7mmol、1.07当量)をDMF(1.5ml)およびNEt
3(2当量)に溶かした。HBTU(751mg、1.98mmol、1.23当量)を加えた。溶液を0℃で1時間撹拌した。溶液をDMF(1.5ml)中のBoc−Lys−OMe(428mg、1.6mmol)およびNEt
3(2当量)に滴加した。溶液を0℃で4時間撹拌した。生成物をクエン酸(1M)および酢酸エチル/n−ヘキサン(9:1)で抽出した。有機相をブラインですすぎ、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。精製をCC(SiO
2、MeOH/CH
2Cl
2 1:50)によって達成して、透明なオイルを得た。653.5mg(1.23mmol、75%)。
LC−MS[M+H]+=532.77(C
22H
33IN
2O
5の計算値:532.14)。1H−NMR(MeOH−d4)δ 7.59、6.98、4.09、3.69、3.15、2.59、2.29、2.18、1.88、1.78/1.64、1.51、1.42ppm。
【0157】
(h)
【0158】
【化30】
7(568.5mg、1.07mmol)を、CH
2Cl
2中10%のTFAを用いて、室温で2時間脱保護した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、MeOH/CH
2Cl
2 1:30)によって達成して、TFA塩をやや黄色のタール状物質として得た。478.9mg(0.88mmol、82%)。
LC−MS[M+H]+=432.94、(C
17H
25IN
2O
3の計算値:432.09)。1H−NMR(MeOH−d4)δ 7.60、6.99、3.96、3.80、3.17、2.58、2.19、1.88、1.53、1.4ppm。
【0159】
(i)
【0160】
【化31】
Boc−Pra−OH(50.7mg、0.24mmol、1.06当量)をDMF(1ml)およびNEt
3(1.8当量)に溶かした。HBTU(101.4mg、0.27mmol、1.2当量)を加えた。溶液を0℃で1時間撹拌した。溶液をDMF(1.5ml)中の8・TFA(122.6mg、0.224mmol)およびNEt
3(1.8当量)に滴加した。溶液を0℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、初めにCH
2Cl
2、次いでMeOH/CH
2Cl
2 1:50)によって達成して、黄色のオイルを得た。125mg(0.2mmol、89%)。
LC−MS[M+H]+=627.86(C
27H
38IN
3O
6の計算値:627.18)。1H−NMR(MeOH−d4)δ 7.98、6.99、4.42、4.25、3.69、3.15、2.68/2.63、2.58、2.38、2.18、1.87、1.72、1.45、1.45ppm。
【0161】
(j)
【0162】
【化32】
9(122.2mg、0.195mmol)をCH
2Cl
2中10%のTFA(10ml)で脱保護した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、初めにMeOH/CH
2Cl
2 1:30、次いでMeOH/CH
2Cl
2 1:20)によって達成して、TFA塩を黄色のオイルとして得た。92.5mg(0.144mmol、74%)。
LC−MS[M+H]+=527.87(C
22H
30IN
3O
4の計算値:527.13)。1H−NMR(MeOH−d4)δ 7.6、6.99、4.45、3.7、3.59、3.15 2.59、2.44 1.28、1.88、1.76、1.51、1.41ppm。
【0163】
(k)
【0164】
【化33】
Boc−Glu−OMe(38.9mg、0.149mmol、1.01当量)をDMF(1ml)およびNEt
3(2当量)に溶かした。HBTU(60.2mg、0.159mmol、1.08当量)を加えた。溶液を0℃で1時間撹拌した。溶液をDMF(1.5ml)中の10・TFA(90mg、0.147mmol)およびNEt
3(2当量)に加えた。反応物を0℃で3時間撹拌し、5℃で48時間貯蔵した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO2、MeOH/CH
2Cl
2 1:20)によって達成して、透明なオイルを得た。53.9mg(0.07mmol、48%)。
LC−MS[M+H]+=771.02(C
33H
47IN
4O
9の計算値:770.24)。1H−NMR(CDCl
3/MeOH−d4)δ 7.55、7.45、6.92、4.49、4.42、4.17、3.70、3.68、3.12、2.63、2.55、2.14、1.84、1.68、1.45、1.40、1.32ppm。
【0165】
(l)
【0166】
【化34】
11(319mg、0.414mmol)をCH
2Cl
2(10ml)中10%のTFAで脱保護した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、初めにCH
2Cl
2、次いでMeOH/CH
2Cl
2 1:20)によって達成して、多重TFA塩(multiple TFA salt)を透明なオイルとして得た。331.5mg。
LC−MS[M+H]+=670.96(C
28H
39IN
4O
7の計算値:670.19)。1H−NMR(MeOH−d4)δ 7.6、6.99、4.58〜4.50、4.4、3.86、3.79、3.69、3.20〜3.09、2.73〜2.62、2.47、2.43〜2.41、2.18、2.14〜2〜0、1.93〜1.81、1.76〜1.67、1.53〜1.46、1.43〜1.34、1.33〜1.25、1.18ppm。
【0167】
(m)
【0168】
【化35】
プテロイン酸(167.6mg、0.41mmol、1.05当量)をDMF(1ml)およびNEt
3(2当量)に溶かした。HBTU(177.9mg、0.47mmol、1.2当量)を加えた。溶液を0℃で1時間撹拌した。溶液をDMF(1.5ml)中の12・TFA(305.5mg、0.39mmol、1.0当量)およびNEt
3(2当量)に加えた。反応物を0℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、初めにCH
2Cl
2、次いでMeOH/CH
2Cl
2 1:10)によって達成して、黄色の固体を得た。178.4mg(0.17mmol、44%)。
【0169】
(n)
【0170】
【化36】
13(178.4mg、0.17mmol)をMeOH/NaOH(水溶液) pH12.8(10ml)中で、室温で一晩脱保護した。逆相SepPakカラムを使用し、H
2Oで溶離し、かつMeOHおよびNaOH(水溶液)の量を高める固相抽出によって、精製を達成した。211.36mg(0.23mmol)。
LC−MS[M+H]+=936.93(C
40HtIN
10O
9の計算値:936.24)。
【0171】
(o)
【0172】
【化37】
14(21.9mg、23.4μmol)および4−アジドブチル−1−アミン・TFA(5.24mg、4.7μmol、2当量)を1:1のtBuOH/H
2O(1.2ml)中で混合した。Cu(OAc)
2・H
2O(0.43mg、100mMのステム溶液から、0.1当量)およびアスコルビン酸Na(0.93mg、100mMのステム溶液から、0.2当量)を滴加した。溶液を室温で一晩、50℃で数時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。逆相SepPakカラムを使用し、H
2O、やや塩基性のEDTAで溶離し、かつMeOHおよびNaOH(水溶液)の濃度を高める固相抽出によって、精製を達成した。10.58mg(10.1μmol、43%)。
LC−MS[M+H]+=1050.95(C
44H
55IN
14O
9の計算値:1050.33)。
【0173】
(p)
【0174】
【化38】
15(10.58mg、10.1μmol)およびNHS−DOTA・PF
6(9.7mg、15.0μmol、1.5当量)をDMF(1ml)およびDIPEA(2.03当量)に溶かした。反応物を40℃で数時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。固体を塩基性の水に再び溶かし、酸中で沈澱させた。沈澱物を遠心分離し、高真空下で乾燥させて、黄色の粉末を得た。6.7mg(4.7μmol、46%)。
LC−MS[M+H]+=1437.76(C
60H
81IN
18O
16の計算値:1436.51)。
【0175】
【化39】
H−Lys−(Boc)OMe・HCl(291.9mg、0.98mmol)、3−ブロモ−1−プロピン(トルエン中80%、110.85μl、1.16mmol、1.2当量)、およびCs
2CO
3(643mg、2.0mmol、2.05当量)をDMF(4.5ml)中、室温および60℃で数時間撹拌した。懸濁液を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。精製をCC(SiO
2、初めに純粋なCH
2Cl
2、次いでMeOH/CH
2Cl
2 1:50)によって達成して、透明なオイルを得た。164.1mg(0.55mmol、56%)。
LC−MS[M+H]+=298.89(C
15H
26N
2O
4の計算値:298.19)。1H−NMR(CDCl
3−d)δ 7.97、3.68、3.38〜3.36、3.35〜3.33、3.05、2.17、1.81、1.72〜1.53、1.48〜1.28、1.39ppm。
【0176】
【化40】
17(164.1mg、0.55mmol)をCH
2Cl
2中の10%TFA中、室温で3時間脱保護した。精製を、逆相SepPakカラムを使用し、溶離剤としてH
2Oを用いる固相抽出によって達成して、透明なオイルを得た。144mg(0.46mmol、84%)。
LC−MS[M+H]+=198.92(C
10H
18N
2O
2の計算値:198.14)。
例2
【0177】
三官能性DOTA−Lys−コンジュゲート26の合成
(a)
【0178】
【化41】
無水DMF50ml中のFmoc−Lys(Z)−OH(Z=ベンジルオキシカルボニル)5gに、トリエチルアミン2.2mlおよびHBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート)4.1gを加えた。混合物を25℃で15分間撹拌した。次いで、化合物8 4.9gおよびトリエチルアミン2.2mlのDMF50ml中の混合物を加えた。20時間撹拌した後に、溶媒を真空中で除去し、残渣を塩化メチレン50mlに溶かした。塩化メチレン溶液を5%クエン酸水溶液30mlで2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液30mlで2回、および水30mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで、蒸発乾固させて、ろう状の残渣8.4gを得、これを、CH
2Cl
2/MeOH 95:5を溶離剤として使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、純粋な19 7.3gを得た。
【0179】
(b)
【0180】
【化42】
化合物19 5gをメタノール100mlに溶かし、Pd/C200mgを加えた。水素3バールを使用して、混合物を25℃で24時間水素化した。固体を濾過によって除去し、濾液を蒸発乾固させて、化合物20を得た。
【0181】
(c)
【0182】
【化43】
化合物20(1当量)をCH
2Cl
2に溶かし、等モル量のDOTA−NHSエステル(Macrocyclicsから購入)を加えた。混合物を25℃で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、純粋な21を得た。
【0183】
(d)
【0184】
【化44】
化合物21(1当量)をCH
2Cl
2に溶かした。ジエチルアミン30当量を加えた後に、混合物を20時間撹拌した。蒸発乾固させた後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、純粋な22を得た。
【0185】
(e)
【0186】
【化45】
Fmoc−Glu−OMe(1当量)を無水DMFに溶かした。ジイソプロピルエチルアミン2当量およびHBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート)1.1当量を加えた後に、混合物を25℃で15分間撹拌した。次いで、化合物22 1当量のDMF中の溶液を加え、混合物を20時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を塩化メチレンに溶かした。塩化メチレン溶液を5%クエン酸水溶液で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、および水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで、蒸発乾固させて、残渣を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、純粋な23を得た。
【0187】
(f)
【0188】
【化46】
化合物23(1当量)をCH
2Cl
2に溶かした。ジエチルアミン30当量を加えた後に、混合物を20時間撹拌した。蒸発乾固させた後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、純粋な24を得た。
【0189】
(g)
【0190】
【化47】
N
2−(N,N−ジメチルアミノメチレン)−10−ホルミルプテロイン酸(1当量)を無水DMFに溶かした。トリエチルアミン2当量およびHBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート)1.2当量を加え、混合物を30分間撹拌した。次いで、化合物24の無水DMF中の溶液を加え、混合物を25℃で20時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した後に、残渣を塩化メチレンに溶かした。塩化メチレン溶液を5%クエン酸水溶液で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、および水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで蒸発乾固させて、残渣を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して純粋な25を得た。
【0191】
(h)
【0192】
【化48】
化合物25(1当量)をテトラヒドロフランに溶かし、水中の水酸化リチウム水溶液(3当量)を加えた。25℃での4時間の後に、塩酸水溶液を加えることによって、混合物をpH=1まで酸性化した。50℃に2時間加熱した後に、混合物を25℃に冷却し、沈澱した生成物を遠心分離によって単離した。
例3
【0193】
三官能性DOTA−Lys−コンジュゲート26の別の合成
【0194】
【化49】
Fmoc−Lys(Boc)−OH(6.4g、13.7mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(53ml)に溶かした。トリエチルアミン(3.75ml)およびHBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート、5.2g)を加えた後に、溶液を室温で15分間撹拌した。無水N,N−ジメチルホルムアミド(64ml)中の化合物8(6.4g、13.7mmol)およびトリエチルアミン(3.75ml)の混合物を加えた。反応混合物を室温で17時間撹拌した。次いで、固体を抜き取り、濾液を真空中、40℃で蒸発させて、油性残渣を得た。残渣を塩化メチレン(100ml)に溶かし、5%クエン酸水溶液(3×50ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(3×50ml)、および水(50ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中、40℃で蒸発乾固させて、化合物27(7.2g、収率60%)を得、これをさらに精製することなく、化合物28を合成するために使用した。
【0195】
【化50】
無水塩化メチレン(36ml)中の化合物27(粗製の生成物7.2g)に、ジエチルアミン(36ml)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、真空中、40℃で蒸発乾固させた。次いで、塩化メチレン/メタノール 90:10の混合物(50ml)を残渣に加え、固体を除去した。濾液を蒸発乾固させ、残渣を、SiO
2(70g)および溶離剤として塩化メチレン/メタノール 90:10を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物28(4.1g、収率76%)を白色の固体(SiO
2、R
f=0.34(CH
2Cl
2/MeOH/90:10)として得た。
【0196】
【化51】
N
2−イソブチリル−10−トリフルオロアセチル−葉酸−α−メチルエステル(3.4g、5.54mmol、WO2009/082606に従って調製)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(34ml)中の溶液に、トリエチルアミン(1.5ml)およびHBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート、2.1g)を加え、混合物を室温で10分間撹拌した。次いで、化合物28(3.8g、5.8mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(38ml)中の溶液を加え、混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を真空中、40℃で蒸発乾固させた。残渣を塩化メチレン(128ml)に溶かし、5%クエン酸水溶液(50ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、および水(50ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中、40℃で蒸発乾固させて、オフホワイト色の泡(7.2g)を得、これをSiO
2(210g)および溶離剤として塩化メチレン/メタノール 93:7を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイト色の泡を得、これを、SiO
2(250g)および溶離剤として塩化メチレン/メタノール 95:5を使用する2回目のカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物29(3.7g、収率53%)をオフホワイト色の泡として得た。R
f=0.33(SiO
2、CH
2Cl
2/MeOH/90:10)。
【0197】
【化52】
化合物29(3.5g、mmol)の塩化メチレン(88ml)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(8.8ml)およびトリイソプロピルシラン(0.88ml)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、真空中、40℃で蒸発乾固させた。残渣を、SiO
2(235g)および溶離剤として塩化メチレン/メタノール 90:10を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物30をオフホワイト色の泡(2.8g、収率79%)として得た。R
f=0.16(SiO
2、CH
2Cl
2/MeOH/90:10)。
【0198】
【化53】
DOTA−トリス(tBu)エステル(224mg、0.39mmol、Macrocyclicsから購入、No.B−260)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(12.5ml)中の溶液に、HBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート、148mg)およびトリエチルアミン(54.2μl)を加えた。室温で5分間撹拌した後に、化合物30(500mg、0.39mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)およびトリエチルアミン(54.2μl)中の溶液を加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌し、次いで、真空中、40℃で蒸発乾固させた。残渣を塩化メチレン(25ml)に溶かし、5%クエン酸水溶液(2×5ml)で、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(2×5ml)および水(2×5ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中、40℃で蒸発乾固させて、黄色の泡(0.5g)を得、これを、SiO
2(17g)および溶離剤として塩化メチレン/メタノール 93:7を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物31をオフホワイト色の泡(0.43g、収率64%)として得た。R
f=0.45(SiO
2、CH
2Cl
2/MeOH/90:10)。
【0199】
次の手順に従って、化合物26を化合物31から得た:化合物31(0.43g、0.25mmol)の塩化メチレン(20ml)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(20ml)を加え、生じた溶液を室温で20時間撹拌した。反応混合物を真空中、40℃で蒸発乾固させて、残渣をテトラヒドロフラン(20ml)に溶かした。次いで、水酸化リチウム(120mg)の水(20ml)中の溶液を加え、反応混合物を20時間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下、40℃で除去し、残った水溶液に、1Mの塩酸水溶液(2.6ml)をpH=3まで加えた。沈澱した生成物を遠心分離(1分当たり5000回転)によって単離し、水(4×3ml)で洗浄した。生成物を真空中、40℃で48時間乾燥させて、化合物26をオレンジ−黄色の固体(279mg、収率82%)として得た。HPLC:97.0面積%(生成物5.9mgを水5mlおよび緩衝液(水200mlに溶かしたNa2CO3 4gおよびKHCO3 4g)3滴に溶かし、注入体積:2μl、カラム:Phenomenex、XB−C18、75×4.6mm、2.6μm、溶離剤A:水中0.1%のトリフルオロ酢酸、溶離剤B:水中0.1%のトリフルオロ酢酸アセトニトリル/90:10、流速:2.0ml/分、圧力:230バール、勾配:20分で0%の溶離剤Bから100%の溶離剤Bへ。UV−検出器、波長230nm)。
LC−MS:[M+H]+=1356.8(C
57H
78IN
18O
16の計算値:1355.5)。
例4
【0200】
三官能性DOTA−Lys−α−コンジュゲート32の合成
【0201】
【化54】
N
2−イソブチリル−10−トリフルオロアセチル−葉酸−α−メチルエステルの代わりに、N
2−イソブチリル−10−トリフルオロアセチル−葉酸−γ−メチルエステルを使用して、合成を例4と同様に達成した(N
2−イソブチリル−10−トリフルオロアセチル−葉酸−γ−メチルエステルは、N
2−イソブチリル−10−トリフルオロアセチル−葉酸−α−メチルエステルと同様に、WO2009/082606に従って調製した)。
【0202】
化合物32を、オレンジ−黄色の固体として得た。HPLC:95.0面積%(化合物26の分析について記載した方法と同じ方法)。
LC−MS:[M+H]+=1356.6(C
57H
78IN
18O
16の計算値:1355.5)。
例5
【0203】
三官能性コンジュゲート[
18F]FDG−AB−ホラート34の合成
(a)
【0204】
【化55】
18F−置換グルコースをクリック反応を介してホラートにカップリングするために使用される3,4,6−トリ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノシルアジド前駆体を、文献手順(例えばMaschauerおよびPrante、Carbohydr.Res.2009、753頁;Takataniら、Carbohydr.Res.2003、1073頁)に従って得た。
【0205】
(b)2−[
18F]フルオログルコピラノシルアジド33の放射性合成
無水
18F−フルオリド−クリプタート複合体に、無水アセトニトリル0.30mL中の前駆体、3,4,6−トリ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノシルアジド(3.0mg、6.5μmol)を加えた。混合物を80℃で5分間撹拌して、放射性UPLC分析によると最大75%の
18F導入を得た。5分間冷却し、水8mLを加えた後に、混合物を逆相カートリッジ(Sep−Pak C18 Plus;Waters;MeOHおよびH
2Oで前処理)に通した。カートリッジを水5mlで洗浄した。
18F標識された保護中間体、3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−[
18F]フルオログルコピラノシルアジドをアセトニトリル2.0mLで別の10ml密閉反応容器に溶離し、減圧および窒素流下、80℃で乾燥させた。加水分解のために、60mMの水酸化ナトリウム溶液0.25mlを加え、混合物を65℃に5分間加熱して、脱アセチル化を完了した。冷却後に、混合物を60mMの塩化水素溶液0.25mlで中和し、さらに精製することなく、クリック反応のためにそのまま使用した。
【0206】
(c)ホラートアルキン前駆体14へのカップリング
ステップ(b)で得られた脱保護された2−デオキシ−2−[
18F]フルオログルコピラノシルアジド33を、DMF300μl中のホラートアルキン14を含有する他の反応容器に移し、続いて、0.1MのCu(OAc)
2溶液10μlおよび0.1Mのアスコルビン酸ナトリウム溶液20μlを加えた。反応混合物を50℃で15分間撹拌した。0.05MのNH
4HCO
3溶液3mlを加えた後に、混合物を半分取放射性HPLCシステムに掛けた。生成物画分[
18F]FDG−アルブミンバインダーホラート(R
T=19.3分)を水20ml中に収集し、混合物を逆相カートリッジ(Sep−Pak C18 light;Waters;EtOH(5ml)およびH
2O(5ml)で前処理)に通した。カートリッジを水10mlで洗浄し、
18F標識生成物[
18F]FDG−アルブミンバインダーホラート34をエタノール1.0mlで滅菌された発熱物質不含のバイアルに溶離した。エタノールを蒸発させた後に、注入のために、最終生成物溶液をPBS2mlで希釈した。
【0207】
単離された生成物の全減衰補正収率は、3時間の全合成時間の後に1〜2%に達し、その際、放射化学的純度は常に、95%超であった。[
18F]FDG−アルブミンバインダーホラート34の特異活性は、約40〜50GBq/μmolであった。
【0208】
振盪フラスコ法によって、[
18F]FDG−アルブミンバインダーホラートのlogD
7.4値は、−3.2±0.4であることが見出された。
例6
【0209】
例1(f)および1(p)の化合物の放射標識
(a)
67Gaおよび
177Luでの放射標識
化合物16および6(1mM)15μl体積を、酢酸Na緩衝液(0.4M、pH5)250μlおよび
67GaCl
3溶液(40MBq、2.7×10
−11mol)または
177LuCl
3溶液(50MBq、30nmol化合物では0.7×10
−11mol)と混合した。混合物を90℃で30分間インキュベートし、次いで、室温に冷却した。潜在的痕跡量の未反応の67Gaまたは
177Luを個々に錯化させるために、DTPA溶液(10μl、5mM、pH5)を加えた。HPLCによって、品質管理を行った。HPLCシステムは、チューナブル吸光度検出器およびUnispecマルチチャンネルアナライザーγ−検出器およびWaters XTerraR MS C18(5μm、4.6mm×150mm)を備えたWatersシステムを、30分掛けて80%のメタノールになる直線状勾配を伴う0.05Mのトリエチルアンモニウムホスファート水性緩衝液(pH2.25またはpH7.5)およびメタノールからなる溶離剤と共に含んだ。in vitro細胞実験およびアルブミン結合アッセイのために、化合物
67Ga−16および
67Ga−6、または
177Lu−16および
177Lu−6を個々に、HPLCによって精製した。全てのin vitro実験のために、放射性化合物をHPLCを介して精製した。放射性ピークを収集し、PBSで希釈した。MeOHをN
2流下で除去した。
【0210】
【化56】
【0211】
(b)
99mTc(CO)
3での放射標識
0.9%生理食塩水(1ml、2〜10GBq)中の溶離された[Na][
99mTcO
4]を、Isolink Kit(BC4.5mg、2.9Borax、Na
2(CO)
37.8mg、酒石酸Na−K9mg)に、N
2雰囲気下で加えた。溶液を100℃に20分間加熱し、次いで室温に冷却し、酸性HCl/リン酸塩緩衝液を使用して中和した。PBS(1×の250μl、pH7.4)、50nmolの化合物FA2、FA4または22、および
99mTc(CO)
3(H
2O)
3(約0.8GBq)200μlをペニシリンバイアル中で混合し、80℃に45分間加熱した。上記のプロトコルに従って、HPLCを介して放射標識の品質を分析した。
例7
【0212】
177Lu放射標識されたDOTA−AB−ホラート16のin vitro安定性
177Lu放射標識されたDOTA−AB−ホラート16は、ヒト血漿およびPBSにおいて、対照化合物よりも高い安定性を示した(
図1、中実の四角:PBS中の
177Lu−DOTA−ホラート、中実の三角:血漿中の
177Lu−DOTA−ホラート、中実の円:PBS中の
177Lu−DOTA−AB−ホラート、中実の菱形:血漿中の
177Lu−DOTA−AB−ホラート)。対照化合物
177Lu−DOTA−ホラートがPBS中で比較的急速に分解した理由は、まだ分かっていない。放射性ホラートは両方とも、KB腫瘍細胞(FRを過剰発現しているヒト子宮頸癌細胞系)へのFR特異的結合を示した。両方の化合物について、取り込みは高く、匹敵した。細胞タンパク質0.5mg当たり、加えられた放射性トレーサー全体のうちの約75%が、定常状態で結合し(37℃で2時間のインキュベーションの後に)、そのうち、
177Lu−DOTA−AB−ホラートの場合には約30%が内部移行し、対照化合物の場合には、15%が内部移行した。
例8
【0213】
FR陽性KB細胞への
177Lu放射標識されたDOTA−AB−ホラート16の細胞取り込みおよび内部移行
オクタノール/PBS pH7.4分布係数(logD値)の決定によって、高い負値が示された(
177Lu−DOTA−AB−ホラート16では−4.04±0.01、
177Lu−DOTA−ホラートでは−4.44±0.29)。放射性トレーサーのアルブミン結合画分を決定するために行われたフィルター試験によって、
177Lu−DOTA−AB−ホラートの約90%の結合が判明した一方で、対照化合物は、アルブミンへの結合を示さなかった(
図2(左から右へ):カラム1(縦縞)および3(斜め縞):それぞれ2時間目および4時間目での
177Lu−DOTA−ホラート;カラム2(横縞)および4(中実):それぞれ2時間目および4時間目での
177Lu−DOTA−AB−ホラート)。
例9
【0214】
KB腫瘍を有するマウスにおける
177Lu放射標識されたDOTA−AB−ホラート16の生体内分布試験
KB腫瘍異種移植片を有する雌のヌードマウスで、in vivo実験を行った。
177Lu放射標識されたDOTA−AB−ホラート16または対照化合物
177Lu−DOTA−ホラートのいずれかをそれぞれ注射した後の種々の時点で、マウスを安楽死させた。予測されたとおり、我々は、対照化合物(注射後4時間目および24時間目で約0.2%ID/gおよび約0.05ID/g)と比較して、血液中における
177Lu−DOTA−AB−ホラート16の循環時間の上昇(注射後4時間目および24時間目で>4%ID/gおよび>1%ID/g)を見出した。
177Lu−DOTA−AB−ホラート16の腫瘍取り込みは、既に注射から4時間後には非常に高く(18.12±1.80%ID/g)、経時的に保持された。これは、対照化合物で達成された取り込み(注射後4時間目で4.98±1.21%ID/g)よりも約4倍高かった。対照的に、腎臓取り込みは、対照化合物での70%ID/g超と比較して、
177Lu−DOTA−AB−ホラートの注射後4時間目および24時間目で約30%ID/gでしかなかった。アルブミン結合部分のおかげで、DOTA−ホラートの組織分布が、有意に改善され得て、腫瘍対腎臓比が数倍上昇した(
図3を参照されたい:
177Lu−DOTA−AB−ホラート(左から右へ白色および黒色のカラム3および4)および対照化合物
177Lu−DOTA−ホラート(左から右へ点付きおよび縞のカラム1および2)を注射してから4時間および24時間後のKB腫瘍を有するマウスにおける生体内分布)。
図4(A)は、59MBq量での注射後3時間目(左の画像)での、および注射後24時間目(右の画像)でのKB腫瘍異種移植片(T)への、および腎臓(K)への
177Lu放射標識されたDOTA−AB−ホラート16の取り込みを示している。
図4(B)は、58MBq量での注射後2時間目(左の画像)での、および注射後48時間目(右の画像)でのKB腫瘍異種移植片(T)への、かつ腎臓(K)への
161Tb放射標識されたDOTA−AB−ホラート16の取り込みを示している。
【0215】
図5は、療法の有効性をKB腫瘍を持つヌードマウスにおいて経時的に(19日間)を示している。治療の5日前に、マウスに、4.5MioのKB腫瘍細胞をそれぞれの肩に接種した。群Aは、t=0日目に、
177Lu放射標識されたDOTA−AB−ホラート16を注射されたマウスを示している。群Bは、対照群、すなわち、t=0にPBS pH7.4を注射されたマウスを示している。
図5(A)は、群A(中実の菱形)および群B(中実の三角)の相対的な腫瘍サイズ(y軸)を経時的に(x軸)に示している。
図5(B)は、t=17日目での結果を示している。
例10
【0216】
KB腫瘍を持つマウスにおける
18F−FDG−AB−ホラート34の生体内分布試験
KB腫瘍異種移植片を有する雌のヌードマウスで、in vivo実験を行った。
【0217】
動物に、約3MBqの[
18F]FDG−AB−ホラート34を外側尾静脈を介して注射した。放射性トレーサーを注射してから2時間後に、動物をと殺した。臓器および組織を切開し、γカウンター(Wizard、PerkinElmer)で測定した。導入された放射能を、組織1グラム当たりの注射用量百分率(%ID)として表した。生体内分布データを表1にまとめた。
【0218】
【表1】