【実施例1】
【0022】
本発明による音楽再生アプリケーションプログラムは、スマートフォン等の電子機器や音楽再生に特化した再生装置等(以下、これらを総称して音楽再生装置10という)で使用されるアプリケーションプログラムであり、ハードウェア構成として、CPU、メモリ、タッチパネルやキースイッチ等の入力装置、液晶等のディスプレイ装置、音源データを記憶させる外部記憶装置(ストレージ)、スピーカーやイヤホン出力等の音声出力部を具備したものである必要がある。すなわち、コンピュータと同等の演算処理機能を有した音楽再生装置10において使用されることを想定している。
【0023】
この本発明による音楽再生アプリケーションプログラムは、
図8に示すような、ネットワークアタッチトストレージ11(Network Attached Storage:以下、NAS11)や、音楽再生コンポのような外部再生装置12が互いに互換性のある規格でネットワーク接続される状況において、当該音楽再生アプリケーションプログラムをリモコン装置のように使用して、前記NAS11に記憶された音源データを前記外部再生装置12又は前記音楽再生装置10で再生したり、前記音楽再生装置10に記憶された音源データを前記外部再生装置12で再生したりすることを容易に行えるようにしたことを特徴とするものである。
なお、本実施例においてNAS11という場合には、文字通りのネットワークアタッチトストレージのみならず、音源を格納可能なストレージを有しかつネットワーク接続可能な全ての機器を含むものとする。
【0024】
図2に示すのは、前記音楽再生装置本体10の内部構成を表したブロック図である。この
図2に示すように、音楽再生装置本体10は、コンピュータのCPUに相当する演算処理部13と、再生バッファ等の一時記憶を行うためのメモリ14と、音源データ等を記憶させるためのストレージ15と、ユーザが操作に用いる入力装置16と、当該音楽再生アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを表示させるディスプレイ17と、実際の音楽再生に寄与する再生ユニット18と、ネットワーク接続を実現するための機能を備えたネットワーク接続部19を具備してなる。
また、図示は省略するが、前記NAS11は、前記音楽再生装置本体10における演算処理部13、メモリ14、ストレージ15、ネットワーク接続部19を具備したものである必要がある。
同様に、前記外部再生装置12は、前記音楽再生装置本体10における演算処理部13、メモリ14、入力装置16、再生ユニット18、ネットワーク接続部19を具備したものである必要がある。なお、外部再生装置12がストレージ15を有していて、NAS11のように機能することができるものであってもよい。
【0025】
前記音楽再生装置本体10、NAS11、及び、外部再生装置12は、
図8に示すように、ネットワーク接続によって互いを認識してリンクするようになっているが、この時のネットワーク接続方法としては、UPnP(Universal Plug and Play)という通信規約(プロトコル)を用いた相互認識が考えられ、例えば、DLNA(Digital Living Network Allianceという業界団体の略称であり、「DLNA」は当該団体の登録商標)のような、製品に互いに互換性を持たせて家庭内で電子装置間のネットワーク接続を可能にする業界標準(ガイドライン)を採用することによって、当該業界標準の規格を採用した電子機器であれば簡単にネットワーク接続できるような仕組みとしておく方法が考えられる。DLNAはLAN接続における規格であるが、転送速度等の音楽再生に必要な要件を満たすものであれば、LAN接続に限られず、他の通信規格を採用してもよい。
【0026】
次に、本発明の音楽再生アプリケーションプログラムを使用する場合の操作画面について説明する。
図1に示すのは、音楽再生アプリケーションプログラムの操作画面であるグラフィカルユーザインターフェースを表した説明図である。この
図1において、音楽再生装置本体10のディスプレイ17に表示されているのが、音楽再生アプリケーションプログラムによるグラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)の一例である。この
図1に示すように、本発明による音楽再生アプリケーションプログラムは、再生装置の選択と再生音源データの選択を同一画面上で行えるようにするために、GUIの画面上に、再生装置選択領域20と、音源データ選択領域21とを固定的に配置したことを特徴とする。さらに、再生装置選択領域20と、音源データ選択領域21を用いて選択を行う際に、それらの選択対象を階層的に表示するための階層表示領域22を設けている。
【0027】
前記再生装置選択領域20は、再生装置を選択するための領域であり、一例として、2つのアイコンが配置してある。一つは、音楽再生装置本体10に直接接続して利用するイヤホン、ヘッドホン等の再生ユニットや、音楽再生装置本体10でD/A変換(デジタルアナログ変換)を行って無線で信号飛ばして利用するイヤホン、ヘッドホン等の再生ユニットを選択する際に用いる「再生ユニット選択アイコン23」である。もう一つは、ネットワーク接続された機器であって、音楽再生コンポのようなそれ自体が音楽再生処理を行える外部再生装置12を選択するための「外部再生装置選択アイコン24」である。これら2つのアイコンのうち、何れか一方を選択すると、選択肢となる機器が階層表示領域22に表示されるので、その中から再生に用いる機器を選択する。再生ユニット選択アイコン23の選択肢については、音楽再生装置本体10と接続状態(ワイヤレス接続も含む)にある機器の情報を収集して階層表示領域22に表示し、外部再生装置選択アイコン24の選択肢については、DLNA等のネットワーク接続によって外部再生装置と認識された機器の情報を階層表示領域22に表示する。選択したアイコンについては、選択状態であることが分かるように、他のアイコンと表示を異ならせて(色彩を異なるものとするなど)視覚的に区別できるようにする。同様に、選択した機器についても、選択状態であることが分かるように、他の機器と表示を異ならせて視覚的に区別できるようにする。
【0028】
前記音源データ選択領域21は、再生したい音源データを選択するための領域であり、一例として、3つのアイコンが配置してある。一つは、音楽再生装置本体10のストレージ15に直接保存してある音源データを選択するための「本体ストレージ音源選択アイコン25」である。もう一つは、ハイレゾリューションオーディオ音源(いわゆるハイレゾ音源)に分類される音源データを選択するための「ハイレゾ音源選択アイコン26」である。最後の一つは、NAS11のようにネットワーク接続された機器に保存された音源を選択するための「ネットワーク音源選択アイコン27」である。これら3つのアイコンのうち、何れか一つを選択すると、選択肢となる音源データが階層表示領域22に表示されるので、その中から再生したい音源データを選択する。本体ストレージ音源選択アイコン25の選択肢については、音楽再生装置本体10本体のストレージに保存されている音源の情報を収集して階層表示領域22に表示し、ハイレゾ音源選択アイコン26の選択肢については、音楽再生装置本体10本体のストレージ若しくはネットワーク接続された機器からハイレゾ音源の情報のみを抽出して階層表示領域22に表示し、ネットワーク音源選択アイコン27の選択肢については、DLNA等のネットワーク接続によって接続されている機器のうち曲を格納するストレージを有した機器から音源情報を収集して表示する。選択したアイコンについては、選択状態であることが分かるように、他のアイコンと表示を異ならせて(色彩を異なるものとするなど)視覚的に区別できるようにする。同様に、選択した音源データについても、選択状態であることが分かるように、他の音源データと表示を異ならせて視覚的に区別できるようにする。なお、音源データに辿り着くまでに複数の階層を経る場合もあり得るので、各階層においては、存在するフォルダも合わせて表示するようにする。
図1に示す例では、ネットワーク音源選択アイコン27が選択中であり、階層表示領域22には、Album1〜4のフォルダと、Title1〜3の音源データが表示されている。
【0029】
次に、本発明の音楽再生アプリケーションプログラムを使用する場合の処理の流れについて図面に基づいて説明する。
図3に示すのは、NAS11上の音源データを再生する場合の流れを表したフローチャート図である。NAS11上の音源データを再生する場合には、
図3に示すように、先ず、ユーザがネットワーク音源選択アイコン27を選択する(S301)。これを受けて、ネットワーク接続されたNAS11等の機器の一覧を階層表示領域22に表示する(S302)。DLNA等のネットワーク接続に対応したNAS11であるか否か判断処理は、例えば、SSDP(Simple Service Discovery Protocol)を使用する。階層表示領域22に表示されたNAS11等の機器の一つをユーザが選択する(S303)と、選択された機器のストレージに格納されたフォルダと音源データを階層表示領域22に表示する(S304)。表示されたフォルダ、音源データの何れかを選択する(S305)と、選択されたものがフォルダか音源データかを判断し(S306)、フォルダが選択された場合には、フォルダの中身を階層表示するためにステップ(S304)に戻り、音源データが選択された場合には、(S307)へ移行する。最後に、選択された音源データを再生する機器が外部再生装置12なのか音楽再生装置本体10なのかを判断し(S307)、外部再生装置12で再生する場合には、外部再生装置12での再生処理へ移行し(S308)、音楽再生装置本体10で再生する場合には、音楽再生装置本体10での再生処理へ移行する(S309)。
【0030】
図4に示すのは、NAS11上の音源データを音楽再生装置本体10で再生処理する場合の流れを表したフローチャート図である。
図3のフローチャートの(S309)において音楽再生装置本体10での再生処理に移行することが選択された場合に、この
図4における処理が開始される。この
図4において、先ず、選択された音源データに応じてデコーダの選択が行われる(S401)。ファイルの種類に応じてヘッダ解析の処理を変更する必要があるからである。デコーダを選択後に、NAS11からデータの受信を開始する(S402)。データの取得方法としては、例えば、HTTP通信を利用して、サーバーから8192バイト単位でデータをダウンロードする。その後、ヘッダ解析に必要なデータまで読み込めたかを判定し(S403)、データ量が足りない場合はデータ受信を継続し(S402)、ヘッダ解析に十分なデータまで読み込めた場合には、音源データのヘッダからフォーマット解析を行う(S404)。フォーマット解析の内容としては、サンプリングレート・ビット数・チャンネル数の取得は必須の項目である。解析結果に基づいて、音楽再生装置本体10が当該音源データのフォーマットに対応しているか否かを判定する(S405)。フォーマットがサポート対象外である場合には、その旨を表示して(S414)終了する。
【0031】
フォーマットが対応可能なものである場合には、バッファ再生処理を並列処理で開始する(S406)。バッファ再生処理は、再生バッファキューに再生データを蓄積させて順次再生していく方法であるが、蓄積可能な再生データにはメモリ容量の都合から限りがあるため、再生バッファキューに空きがあるか否かを確認する必要がある(S407)。再生バッファキューに空きがある場合には、NAS11からデータの受信を継続する(S408)。再生バッファキューに空きがない場合には、再生バッファキューに空きができるまで待機する(S409)。その後、受信したデータについてデコード処理を行う(S410)。そして、デコード後のデータを再生バッファキューに追加する(S411)。再生中の音源データの終端に至ったかを判別(S412)し、終端に至っていない場合には、(S407)〜(S412)のステップを繰り返して、随時再生バッファキューに再生データを追加しながら再生を続ける。再生中の音源データの終端に至った段階で、音源データの再生終了フラグを立てて終了とする(S413)。
【0032】
図5に示すのは、NAS11上の音源データを外部再生装置12で再生処理する場合の流れを表したフローチャート図である。
図3のフローチャートの(S308)において外部再生装置12での再生処理に移行することが選択された場合に、この
図5における処理が開始される。この
図5において、先ず、選択された音源データに応じてデコーダの選択が行われる(S501)。デコーダを選択後に、NAS11からデータの受信を開始する(S502)。その後、ヘッダ解析に必要なデータまで読み込めたかを判定し(S503)、データ量が足りない場合はデータ受信を継続し(S502)、ヘッダ解析に十分なデータまで読み込めた場合には、音源データのヘッダからフォーマット解析を行う(S504)。解析結果に基づいて、外部再生装置12が当該音源データのフォーマットに対応しているか否かを判定する(S505)。フォーマットがサポート対象外である場合には、その旨を表示して(S512)終了する。
【0033】
フォーマットが対応可能なものである場合には、外部再生装置12において現在他の音源データを再生中か否かを確認する(S506)。他の音源データを再生中の場合には、外部再生装置12に対して再生停止を要求する(S507)。その後、NAS11から取得した音源データのパス情報(例えば、HTTP通信を利用する場合は音源データのURL)を外部再生装置12に送信する(S508)。そして、外部再生装置12に音源データの再生要求を行う(S509)。音源データの再生中は、現在の再生位置を取得(S510)しつつ、曲が終端に達しているかを確認する(S511)。曲が終端に達した段階で終了する。
【0034】
図6に示すのは、音楽再生装置本体10に記憶された音源データを外部再生装置12で再生処理する場合の流れを表したフローチャート図である。この
図6において、先ず、音楽再生装置本体10に記憶された音源データの中から再生したい音源データを選択する(S601)。音源データを選択したら、音源データのヘッダ情報を読み込み、フォーマット解析を行う(S602)。そして、フォーマット解析結果に基づいて、外部再生装置12が当該音源データのフォーマットに対応しているか否かを判定する(S603)。フォーマットがサポート対象外である場合には、その旨を表示して(S613)終了する。
【0035】
外部再生装置12が当該音源データのフォーマットに対応している場合には、外部再生装置12が選択されているか否かを確認する(S604)。外部再生装置12が選択されていない場合には、音楽再生装置本体10で再生処理する(S614)。外部再生装置12が選択されている場合には、外部再生装置12において現在他の音源データを再生中か否かを確認する(S605)。他の音源データを再生中の場合には、外部再生装置12に対して再生停止を要求する(S606)。その後、HTTPサーバーが起動しているか否かを確認する(S607)。HTTPサーバーが起動していない場合には、音楽再生装置本体10においてHTTPサーバーを直ちに起動させる(S608)。音楽再生装置本体10においてHTTPサーバーを立ち上げることで、音楽再生装置本体10から他の機器への音源データの転送を可能としている。HTTPサーバーが起動した状態において、選択した音源データのURLを外部再生装置12に送信(S609)し、音源データの再生を要求する(S610)。音源データの再生中は、現在の再生位置を取得(S611)しつつ、曲が終端に達しているかを確認する(S612)。曲が終端に達した段階で終了する。
【0036】
図7に示すのは、バッファ再生処理時に再生バッファが空になった場合の処理の流れを表したフローチャート図である。バッファ再生処理を開始したら、先ず、再生バッファキューにデータが存在するか否かを確認する(S701)。このとき、再生バッファキューにデータが存在した場合には、当該再生バッファキューのデータを音声として鳴らす(S702)が、再生バッファキューにデータが存在しなかった場合には、無音を鳴らすようにする(S703)。その後、曲終了フラグが立っているか否かを判別し(S704)、曲終了フラグが立っていない場合には、(S701)〜(S704)のステップを繰り返して曲を連続再生するようにし、曲終了フラグが立った段階(S704でYes)でバッファ再生処理を終了する。
【0037】
以上のように、本発明の音楽再生アプリケーションプログラムを使用することによって、音楽再生装置本体10、NAS11及び外部再生装置12をネットワーク接続によって相互に接続し、
図1に示すような音楽再生アプリケーションプログラムのGUIを利用してリモコンのようにこれらの機器を操作することで、何れかの機器に保存されている音源データを他の機器で再生する設定を音楽再生装置本体のみの操作で実現できる。
【0038】
また、再生装置選択領域と音源データ選択領域とを同一画面上に配置して表示するようにし、さらに、階層表示領域も同時に表示するようにすることで、例えば、階層表示領域に表示された再生装置を選択する操作が終了した後、直ぐに音源データ選択領域に存在するアイコンを選択して音源データの選択に移行することができる。これにより、初期操作画面に戻るという操作をしなくとも次の操作に移行できるというメリットがあり、また、音源データの選択途中であっても今現在選択している再生装置がイヤホン等の直接接続の機器なのか外部再生装置なのかをアイコンを見ただけで認識することができるというメリットがある。