特許第6152169号(P6152169)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6152169電子部品装着機が用いるデータを表示する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152169
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】電子部品装着機が用いるデータを表示する装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
   H05K13/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-530644(P2015-530644)
(86)(22)【出願日】2013年8月9日
(86)【国際出願番号】JP2013071668
(87)【国際公開番号】WO2015019492
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2016年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 輝之
(72)【発明者】
【氏名】尾種 茂直
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−281227(JP,A)
【文献】 特開2000−196299(JP,A)
【文献】 特開平10−49494(JP,A)
【文献】 特開2003−37397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品装着機が用いるデータの内容を表示する装置であって、前記データは、電子部品装着機において選択的に使用されるオプション機能毎にその使用の要否を記述する要否情報を含み、前記表示装置は、
前記データから複数のオプション機能についての前記要否情報を抽出する抽出処理部と、
抽出処理部が抽出した複数のオプション機能についての前記要否情報を可視的に表示する表示部と、
を備える装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記要否情報が必要と記述する複数のオプション機能を表示する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記要否情報が必要と記述する複数のオプション機能を同時に表示する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記要否情報が必要と記述する全てのオプション機能を同時に表示する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記要否情報が必要と記述する複数のオプション機能を、他のオプション機能の要否にかかわらず、それぞれ所定の位置に表示する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記要否情報において必要と記述されたオプション機能を、アイコンを用いて表示する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記表示部は、表示するオプション機能に応じて、アイコンのサイズ、形状、色彩、動作の少なくとも一つを変更する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記表示部は、作業者がアイコンを選択する操作をしたときに、そのアイコンに対応するオプション機能に関するパラメータの設定画面を表示する、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記抽出処理部は、二以上の教示データから前記要否情報を抽出し、
前記表示部は、抽出処理部が一のデータから抽出した要否情報と、抽出処理部が他の一のデータから抽出した要否情報とを、同時に表示する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記データは、電子部品の種類毎に、電子部品装着機に動作条件を教示するパートデータを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記表示部は、前記要否情報を可視的に表示するときに、前記パートデータが動作条件を記述する電子部品の形状を示す図形を同時に表示する、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、回路基板に電子部品を装着する技術に関し、特に、電子部品装着機が用いるデータの内容を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板に電子部品を装着する電子部品装着機が知られている。電子部品装着機の動作は、予め用意された生産プログラム及びパートデータに基づいて制御される。生産プログラムは、主に、回路基板に装着すべき複数の電子部品と、各々の電子部品を装着すべき回路基板上の位置とを記述する。通常、生産プログラムは、生産品目(電子部品を装着する回路基板の種類)毎に用意される。電子部品装着機は、生産プログラムに基づいて動作することによって、生産プログラムに記述された各々の電子部品を、回路基板上の対応する装着位置に装着する。
【0003】
一方、パートデータは、通常、電子部品の種類毎に用意される。パートデータには、電子部品装着機が電子部品を装着するときの動作条件が記述されている。例えば、パートデータには、電子部品の供給形態、装着ヘッドの移動速度、画像認識用の撮影態様及び照合用データが記述されている。電子部品装着機は、生産プログラムに記述された各々の電子部品を装着する際に、その電子部品に対応するパートデータを参照し、パートデータに記述された動作条件で動作する。それにより、電子部品装着機の動作は、装着する電子部品に応じて適宜変更される。生産プログラムやパートデータといった、電子部品装着機が用いるデータの例が、特開平11−203338号公報に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子部品装着機の多機能化が進み、複数のオプション機能を有する電子部品装着機が広く使用されている。電子部品装着機のオプション機能とは、必要に応じて選択的に使用される機能であり、例えば、コプラナリティのチェックや、フラックスのディッピングが挙げられる。そのため、電子部品装着機に動作条件を教示するデータ(例えば生産プログラムやパートデータ)においても、オプション機能毎にその使用の要否を記述する情報(以下、要否情報という)が付与されている。
【0005】
複数の電子部品装着機を有する生産現場では、オプション機能を有する電子部品装着機と、複数のオプション機能を有さない電子部品装着機とが混在することがある。このような生産現場では、作業者が、複数の生産ロットを複数の電子部品装着機に割り当てるときに、各々の生産ロットについて、オプション機能の要否を確認する必要がある。即ち、オプション機能を必要とする生産ロットについては、当該オプション機能を有する電子部品装着機に割り当てる必要があり、当該オプション機能を必要としない生産ロットについては、オプション機能を有さない生産ライン(電子部品装着機)へ優先的に割り当てる必要がある。
【0006】
各々の生産ロットがいかなるオプション機能を必要とするかについては、当該生産ロットのために電子部品装着機が使用するデータ(生産プログラムやパートデータ)の要否情報を参照することによって、確認することができる。しかしながら、電子部品装着機が使用するデータには、複数のオプション機能についての要否情報が記述されている。そして、従来の技術では、複数のオプション機能についての要否情報を効率的に表示することができず、全てのオプション機能についての要否情報を一つずつ確認する作業は、作業者にとって面倒なものとなっていた。
【0007】
上記した実情を考慮して、本明細書は、複数のオプション機能についての要否情報を作業者が容易に確認するための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、電子部品装着機が使用するデータの内容を表示する装置を開示する。ここでいうデータは、複数のオプション機能についての要否情報を含むデータを広く意味し、特定のデータに限定されない。また、オプション機能とは、電子部品装着機が有する機能のなかで、選択的に使用される機能であり、要否情報とは、オプション機能毎にその使用の要否を記述する情報である。
【0009】
本明細書で開示される装置は、抽出処理部と表示部とを備えている。抽出処理部は、電子部品装着機が使用するデータから、前記した要否情報を複数のオプション機能について抽出することができる。表示部は、抽出処理部が抽出した複数のオプション機能についての要否情報を、可視的に表示することができる。この表示装置によると、作業者は、例えば生産ロットをいずれかの電子部品装着機に割り当てるときに、その生産ロットのために電子部品装着機が使用するデータから、電子部品装着機に必要とされる複数のオプション機能を、容易に確認することができる。
【0010】
ここで、表示部が複数のオプション機能についての要否情報を表示する態様は、特に限定されない。例えば、表示部は、複数のオプション機能についての要否情報を同時に表示してもよい。あるいは、表示部は、複数のオプション機能についての要否情報を、一つずつ順に表示してもよい。典型的には、表示部は、作業者による多くの操作を必要とすることなく、複数のオプション機能についての要否情報を表示することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子部品装着システムの構成を示す図。
図2】電子部品装着機が用いるデータの一例である生産プログラムの内容を示す図。
図3】電子部品装着機が用いるデータの一例であるパートデータの内容を示す図。
図4】データ管理装置の構成を示すブロック図。
図5】データ管理装置による表示画面の一例を示す図。
図6】データ管理装置による設定画面の一例を示す図。
図7】データ管理装置による表示画面の他の一例を示す図。
図8】データ管理装置による設定画面の他の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本技術の一実施形態において、電子部品装着機が用いるデータであって、表示装置がその内容を表示するデータは、例えば、ジョブデータ、生産プログラム、パートデータとすることができる。ここで、ジョブデータは、主に、生産品目と生産数量を記述するものであり、例えば生産ロット毎に用意することができる。生産プログラムは、前述したように、回路基板に装着すべき複数の電子部品と、各々の電子部品を装着すべき回路基板上の位置とを記述するデータであり、例えば生産品目毎に用意することができる。パートデータは、前述したように、電子部品装着機が電子部品を装着するときの動作条件を記述するデータであり、例えば電子部品の種類毎に用意される。
【0013】
本技術の一実施形態において、表示部は、要否情報が必要と記述する複数のオプション機能を表示することが好ましい。この場合、表示部は、要否情報が不要と記述する一又は複数のオプション機能を、必ずしも表示する必要はない。即ち、表示部は、要否情報が必要と記述する複数のオプション機能のみを表示してもよい。このような構成であると、作業者は、必要とされるオプション機能を特定しやすい。
【0014】
本技術の一実施形態において、表示部は、要否情報が必要と記述する複数のオプション機能を、同時に表示することが好ましい。このような構成によると、作業者は、表示部による表示画面をスクロールさせたり、切り替えたりすることなく、複数のオプション機能についての要否情報を確認することができる。
【0015】
本技術の一実施形態において、表示部は、要否情報が必要と記述する全てのオプション機能を、同時に表示することが好ましい。このような構成によると、作業者は、表示部による表示画面をスクロールさせたり、切り替えたりすることなく、必要とされる全てのオプション機能を特定することができる。ただし、他の一実施形態として、表示部は、要否情報が必要と記述する複数のオプション機能の一部のみを同時に表示するものであってもよい。
【0016】
本技術の一実施形態において、表示部は、要否情報が必要と記述する複数のオプション機能を、他のオプション機能の要否にかかわらず、それぞれ所定の位置に表示することが好ましい。このような構成によると、作業者は、表示部が表示したオプション機能の位置に基づいて、必要とされる複数のオプション機能を容易に把握することができる。
【0017】
本技術の一実施形態において、表示部は、要否情報が必要と記述する複数のオプション機能を、アイコンを用いて表示することが好ましい。このような構成によると、作業者は、必要とされる複数のオプション機能を容易に把握することができる。加えて、表示部は、要否情報が不要と記述する複数のオプション機能についても、アイコンを用いて表示してもよい。但し、他の実施形態として、表示部は、要否情報が必要と記述する複数のオプション機能と、要否情報が不要と記述する複数のオプション機能との少なくとも一方を、アイコンを用いることなく、リスト形式で表示してもよい。
【0018】
本技術の一実施形態において、表示部は、表示するオプション機能に応じて、アイコンのサイズ、形状、色彩、動作の少なくとも一つを変更することが好ましい。この場合、例えば、強調して表示すべきオプション機能には、大きなアイコン、特異な形状のアイコン、目立つ色彩のアイコン、点滅するアイコン、サイズや色彩が変化するアイコン等を使用するとよい。例えば、使用頻度が少ないオプション機能については、強調表示すべきオプション機能であるとして、サイズ、形状、色彩、動作の少なくとも一つが特有のアイコンを使用するとよい。
【0019】
本技術の一実施形態において、表示部は、作業者がアイコンを選択する操作をしたときに、そのアイコンが表示するオプション機能に関するパラメータの設定画面を表示することが好ましい。このような構成によると、作業者は、オプション機能の要否だけでなく、当該オプション機能に関するパラメータをさらに確認したり、当該パラメータの設定や編集を行うことができる。
【0020】
本技術の一実施形態において、抽出処理部は、二以上のデータから要否情報を抽出することが好ましい。この場合、表示部は、抽出処理部が一のデータから抽出した要否情報と、抽出処理部が他の一のデータから抽出した要否情報とを、同時に表示することが好ましい。このような構成によると、一つの生産ロットの生産において複数のデータが使用される場合でも、作業者は、当該生産ロットの生産で必要とされる複数のオプション機能を、まとめて把握することができる。
【0021】
本技術の一実施形態において、前記したデータは、電子部品の種類毎に、電子部品装着機に動作条件を教示するパートデータを含むことが好ましい。この場合、前記した要否情報は、パートデータに含まれることが好ましい。電子部品装着機が有するオプション機能の多くは、生産品目にかかわらず、装着すべき電子部品に応じて選択的に使用される。そのことから、オプション機能についての要否情報がパートデータに付与されていると、生産品目にかかわらず、パートデータを汎用することができる。
【0022】
本技術の一実施形態において、表示部は、パートデータに記述された要否情報を可視的に表示するときに、当該パートデータが動作条件を記述する電子部品の形状を示す図形を同時に表示することが好ましい。このような構成によると、作業者は、電子部品の形状を示す図形から、当該電子部品が必要とするオプション機能を推認することもでき、必要とされるオプション機能を見誤ることなく把握することができる。
【実施例】
【0023】
図面を参照して実施例の電子部品装着システムについて説明する。図1に示すように、実施例の電子部品装着システムは、データ管理装置10と、データサーバ100と、複数の電子部品装着機200を備える。データ管理装置10とデータサーバ100と複数の電子部品装着機200は、電気通信回線300を介して互いに通信可能に接続されている。
【0024】
電子部品装着機200は、回路基板に電子部品を装着する装置である。電子部品装着機200の動作は、データサーバ100に記憶された各種のデータ(例えば、生産プログラム102やパートデータ104)に基づいて制御される。電子部品装着機200は、電子部品を供給する複数のフィーダ(図示省略)と、フィーダが供給する電子部品を回路基板へ搬送して装着する装着ヘッド(図示省略)とを備える。電子部品装着機200は、一又は複数の装着ヘッドを備えることができる。また、電子部品装着機200は、各々が少なくとも一つの装着ヘッドを有する複数の装着装置を、一連に接続して構成することもできる。さらに、電子部品装着機200は、回路基板にはんだを印刷するはんだ印刷機や、回路基板を光学的に検査する検査装置や、リフロー炉を含んで構成されてもよい。
【0025】
データサーバ100は、電子部品装着機200が用いる各種のデータを記憶する装置である。例えば、データサーバ100には、複数の生産プログラム102と、複数のパートデータ104が記憶されている。生産プログラム102及びパートデータ104は、電気通信回線300を通じて電子部品装着機200に教示される。
【0026】
図2に、生産プログラム102の一例を示す。図2に示すように、生産プログラム102は、生産品目(例えばCB001)毎に用意され、回路基板に装着すべき複数の電子部品(B欄)を、装着順序(A欄)、そのフィーダの位置(C欄)、回路基板上の装着位置(D欄)及びその他の情報とともに記述する電子データである。電子部品装着機200は、生産プログラム102に基づいて動作することによって、生産プログラム102に記述された複数の電子部品を、回路基板上に定められたそれぞれの装着位置に装着する。
【0027】
図3に、パートデータ104の一例を示す。パートデータ104は、電子部品の種類(P001、P002、・・・・)毎に用意され、電子部品に対応した電子部品装着機200の動作条件を記述するデータである。電子部品装着機200は、回路基板へ装着する電子部品毎に、当該電子部品のパートデータ104を参照して、パートデータ104に記述された動作条件で動作する。即ち、電子部品装着機200は、装着する電子部品毎にその動作を変更する。
【0028】
一例ではあるが、パートデータ104は、外形データ106、装着条件データ108及び部品識別データ110を含んでいる。外形データ106は、電子部品の外形に関する情報を記述するデータであり、電子部品の各寸法や図面データを含んでいる。装着条件データ108は、電子部品の装着に係る動作条件を記述するデータであり、例えば、使用ノズル、ノズルでの吸着条件、ノズルの移動速度などを含んでいる。部品識別データ110は、電子部品の識別に係る動作条件を記述するデータであり、カメラによる電子部品の撮影方向、そのときの照明方向、及びパターンマッチングデータなどを含んでいる。
【0029】
図3に示すように、パートデータ104は、オプション要否情報112をさらに含んでいる。オプション要否情報112は、装着条件データ108の一部や、部品識別データ110の一部として記述されている。オプション要否情報112は、電子部品装着機200のオプション機能(オプション機能A、B、・・・・)毎に、その使用の要否(即ち、「必要」、「不要」)を記述する。
【0030】
電子部品装着機200のオプション機能とは、電子部品装着機200が有する様々な機能のなかで、選択的に使用される機能を意味する。例えば、オプション機能には、コプラナリティのチェックや、フラックスのディッピングが含まれる。これらのオプション機能は、一部の電子部品や回路基板において必要とされるが、一部の電子部品や回路基板においては必要とされない。例えば、図3に示すように、一例である電子部品「P001」は、三つのオプション機能A、C及びEを必要とし、三つのオプション機能B、D及びFについては必要としない。従って、電子部品「P001」を使用する生産品目は、三つのオプション機能A、C及びEを有する電子部品装着機200において生産する必要がある。
【0031】
複数の電子部品装着機200は、必ずしも同一のオプション機能を有していない。即ち、一部の電子部品装着機200のみが有し、他の一部の電子部品装着機200が有さないオプション機能もいくつか存在する。従って、作業者は、ある生産品目を電子部品装着機200のいずれかに割り当てるときに、当該生産品目が必要とするオプション機能を確認し、必要とされるオプション機能を有する電子部品装着機200に、当該生産品目を割り当てる必要がある。
【0032】
次に、データ管理装置10について説明する。データ管理装置10は、データサーバ100に記憶された各種のデータ(例えば、生産プログラム102やパートデータ104)を操作するための装置である。例えば、データ管理装置10は、データサーバ100に記憶された各種のデータを読み出し、作業者へ可視的に内容を表示することができる。また、データ管理装置10は、作業者の指示に基づいて、データサーバ100に記憶された各種のデータを編集することができる。
【0033】
図1に示すように、データ管理装置10は、電子計算機12とディスプレイ14とマウス16とキーボード18を備える。ディスプレイ14とマウス16とキーボード18は、電子計算機12に接続されている。データ管理装置10は、データサーバ100に記憶されたデータの内容を、ディスプレイ14に表示することができる。また、データ管理装置10は、作業者の指示に基づいて、データサーバ100に記憶されたデータを複製したり編集したりすることができる。マウス16とキーボード18はユーザインターフェースであり、作業者は、マウス16とキーボード18を用いて、電子計算機12に対する各種の指示を行うことができる。
【0034】
図4は、データ管理装置10の構成を示すブロック図である。図4に示すように、電子計算機12は、通信インターフェース20とデータ処理部30とメモリ40を備える。通信インターフェース20は、データサーバ100と通信可能に接続し、生産プログラム102やパートデータ104といった、電子部品装着機200が用いる各種のデータを取得する。データ処理部30は、データサーバ100から取得したデータに対して、各種の処理を実行する。メモリ40は、データサーバ100から取得したデータや、データ処理部30が作成したデータを記憶する。
【0035】
データ処理部30は、主に、編集処理部32と、抽出処理部34と、表示処理部36を備える。編集処理部32は、電子部品装着機200が用いる各種のデータ(例えば生産プログラム102やパートデータ104)を、作業者の指示に基づいて編集することができる。抽出処理部34は、電子部品装着機200が用いる各種のデータから、複数のオプション機能についてのオプション要否情報112を抽出することができる。そして、表示処理部36は、抽出処理部34が抽出したオプション要否情報112を、ディスプレイ14において可視的に表示することができる。
【0036】
図5は、データ管理装置10がディスプレイ14に表示する表示画面50の一例を示す。なお。図5に示す表示画面50は、パートデータ104を表示するときの初期画面の一例である。図5に示すように、ディスプレイ14の表示画面50(ここではパートデータ104の初期画面)には、電子部品の基本情報に加えて、抽出処理部34が抽出したオプション要否情報112が、ディスプレイ14に併せて表示される。それにより、作業者は、パートデータ104に記述されたオプション要否情報112の設定状態を、簡単に確認することができる。
【0037】
図5に示すように、本実施例のデータ管理装置10は、オプション要否情報112が必要と記述する複数のオプション機能(ここではオプション機能A、C、Eであり、以下では必要オプション機能と称する)を、第1のアイコン54で表示し、オプション要否情報112が不要と記述するオプション機能(ここではオプション機能B、D、Fであり、以下では不要オプション機能と称する)を、第2のアイコン56で表示する。ここで、第1のアイコン54と第2のアイコン56は、異なる色彩を有しており、作業者は容易に区別することができる。なお、第1のアイコン54と第2のアイコン56は、互いに区別可能な形態であればよく、例えばサイズ、形状、色彩、動作(例えば点滅)のうちの少なくとも一つが異なるものであればよい。
【0038】
本実施例のデータ管理装置10では、表示処理部36(及びディスプレイ14)が、必要オプション機能と不要オプション機能との両者を、同時に表示することができる。このような構成によると、作業者は、表示画面50をスクロールさせたり、切り替えたりすることなく、必要とされるオプション機能を特定することができる。ただし、他の実施形態において、表示処理部36(及びディスプレイ14)は、不要オプション機能を表示しないで、必要オプション機能のみを表示してもよい。
【0039】
図5に示すように、本実施例のデータ管理装置10では、表示処理部36(及びディスプレイ14)が、複数の必要オプション機能を、他のオプション機能の要否にかかわらず、それぞれ所定の位置に表示することができる。このような構成によると、作業者は、表示画面50に表示された位置に基づいて、必要オプション機能を容易に確認することができる。
【0040】
本実施例のデータ管理装置10では、図5に示す表示画面50において、作業者がアイコン54、56を選択する操作を行うことができる。この場合、表示処理部36(及びディスプレイ14)は、図6に示すように、選択されたアイコン54、56が要否を表示するオプション機能の設定画面60を表示することができる。この設定画面60では、作業者が、オプション機能の要否の選択や、オプション機能に関する各種のパラメータを設定することができる。このような構成により、作業者は、オプション機能の要否だけでなく、当該オプション機能に関するパラメータをさらに確認したり、当該パラメータの設定や編集を行うことができる。ここで、図6に示す設定画面60では、オプション機能毎にタブ62が表示されており、作業者がいずれか一つのタブ62を選択すると、選択されたタブ62に対応するオプション機能の設定画面60がディスプレイ14に表示される。
【0041】
図5に示すように、本実施例のデータ管理装置10では、表示処理部36(及びディスプレイ14)が、オプション要否情報112を可視的に表示するときに、パートデータ104が動作条件を記述する電子部品の形状を示す図形58を同時に表示することができる。このような構成によると、作業者は、電子部品の形状を示す図形58から、当該電子部品が必要とするオプション機能を推認することができ、必要とされるオプション機能を見誤ることなく把握することができる。
【0042】
本実施例のデータ管理装置10では、抽出処理部34が、二以上のパートデータ104からオプション要否情報112を抽出することができる。この場合、表示処理部36(及びディスプレイ14)は、抽出処理部34が一のパートデータ104から抽出したオプション要否情報112と、抽出処理部34が他の一のパートデータ104から抽出したオプション要否情報112とを、同時に表示することができる。このような構成によると、作業者は、一つの生産品目で使用される複数の電子部品について、必要とされる複数のオプション機能をまとめて把握することができる。
【0043】
図7は、表示処理部36(及びディスプレイ14)によるオプション要否情報112の他の表示例を示す。図7に示す表示画面50では、一部のオプション機能については比較的に小型のアイコン74で表示され、一部のオプション機能については比較的に大型のアイコン76で表示されている。このように、表示処理部36(及びディスプレイ14)は、表示するオプション機能に応じて、アイコン74、76のサイズを変更することが好ましい。あるいは、表示処理部36(及びディスプレイ14)は、アイコン74、76のサイズに限られず、表示するオプション機能に応じて、アイコン74、76の形状、色彩、動作(例えば点滅)の少なくとも一つを変更してもよい。この場合、例えば使用頻度が少ないオプション機能については、強調表示すべきオプション機能であるとして、サイズ、形状、色彩、動作の少なくとも一つが特有のアイコンを使用するとよい。
【0044】
図8は、表示処理部36(及びディスプレイ14)によるオプション要否情報112の他の表示例を示す。図8に示すように、表示処理部36(及びディスプレイ14)は、パートデータ104の設定画面60において、オプション要否情報112を表示してもよい。この場合、オプション要否情報112は、オプション機能毎に表示されたタブ82の形態(例えばサイズ、形状、色彩、動作の少なくとも一つ)を、そのオプション機能の要否に応じて変更するとよい。
【0045】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0046】
例えば、本実施例のシステムでは、データ管理装置10が、オプション要否情報112を可視的に表示する装置として機能を有する。しかしながら、本技術の他の実施形態では、電子部品装着機200が、オプション要否情報112を可視的に表示する装置としての機能を有してもよい。あるいは、オプション要否情報112を可視的に表示する装置は、スマートフォンやタブレットといった携帯型の電子計算機であってもよい。
【0047】
あるいは、本実施例のシステムでは、オプション要否情報112がパートデータ104に記述されている。しかしながら、本技術の他の実施形態では、オプション要否情報112が、生産プログラム102やジョブデータといった、電子部品装着機200が用いる他のデータに記述されていてもよい。ここで、ジョブデータとは、少なくとも生産品目と生産数量を記述するデータであり、典型的には生産ロット毎に用意されるデータである。
【0048】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0049】
10:データ管理装置
12:電子計算機
14:ディスプレイ
30:データ処理部
32:編集処理部
34:抽出処理部
36:表示処理部
50:表示画面
54、56、74、76:アイコン
60:設定画面
100:データサーバ
102:生産プログラム
104:パートデータ
112:オプション要否情報
200:電子部品装着機
300:電気通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8