(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、機械式駐車設備の一例としてエレベータ式駐車設備を例に説明する。また、この実施形態では、一般車両V(非電気自動車、ガソリン車等)を搭載する標準パレット30と、電気自動車EVを搭載する充電用パレット20とを混載した、下部90°乗入れ方式のエレベータ式駐車設備1を例に説明する。
【0022】
図1に示すように、このエレベータ式駐車設備1は、鉄骨構造体の外面に外装板が設けられた駐車塔2を有し、この駐車塔2の地上1階が乗入れ部3となっている。この乗入れ部3の乗入れ床4には、ピット5が形成されている。また、乗入れ部3の入庫側(この例では左側)には入出庫口6が設けられ、この入出庫口6には、開閉式の入出庫口扉7が設けられている。また、入出庫口6の外部側方には、運転操作盤8が配設されている。このようなエレベータ式駐車設備1は、駐車塔2の中央部の鉛直方向に昇降路10が形成され、この昇降路10を挟んで図の左右両側の鉛直方向に複数段の格納棚11(格納スペース)が設けられている。これらの格納棚11は、鉛直方向に設けられた棚柱9に支持されている。以下、図示する左右の格納棚11を個別に指す場合、左側を左格納棚11L、右側を右格納棚11Rともいう。
【0023】
また、この実施の形態のエレベータ式駐車設備1では、上層4階が標準パレット30の格納棚11となっており、下層3階が充電用パレット20の格納棚11となっている。これら標準パレット30と充電用パレット20とは、両側端部に立上り側縁部21,31を有し、中央部に中央隆起部22,32を有し、それらの間に凹状の車路23,33が形成されたものである。
【0024】
さらに、この実施の形態では、下層3階の充電用パレット20を、一部をフリーロケーション方式(契約利用者であれば、どの格納棚でも格納可能)とし、一部を固定契約方式(契約者及び電気自動車EVの充電口配置を固定した契約)としている。この電気自動車EVの固定契約には、電気自動車EVの充電口80が左側・右側のいずれであるかの登録が含まれる。充電用パレット20の契約形態等は、この例に限定されるものではない。
【0025】
一方、上記昇降路10には、パレット20,30を搬送する搬器12が設けられている。この搬器12は、駐車塔2の上部に設けられた昇降駆動部13で巻かれるワイヤロープ15によって昇降路10を昇降させられる。ワイヤロープ15の反エレベータ側には、巻上げ力を軽減するカウンタウエイト16が設けられている。
【0026】
また、搬器12には、パレット20,30を持上げて旋回させる機能と、パレット20,30を上記格納棚11の棚レール18との間で移載させる機能とを有するパレット移載兼持上げ旋回手段17が備えられている。各パレット20,30は、このパレット移載兼持上げ旋回手段17により、各格納棚11と搬器12との間で出し入れされるとともに、乗入れ部3で旋回させられる。このパレット移載兼持上げ旋回手段17は、公知の手段が採用される。
【0027】
さらに、
図1,2に示すように、この実施の形態の駐車設備1には、上記充電用パレット20を格納する各格納棚11にコネクタ接続方式の給電側接続部
(この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「給電側接続部」は、接触型の接続部及び非接触型の接続部を含む)たる給電側コネクタ40が備えられている。この給電側コネクタ40は、充電用パレット20を格納することで、充電用パレット20側に設けられたパレット側接続部たるパレット側コネクタ41が接続されるようになっている。上記各給電側コネクタ40は、充電ケーブル42を介して乗入れ部3に設けられた制御装置43に内蔵された充電電源装置44と接続されている。
【0028】
また、給電側コネクタ40は、格納棚11の奥の壁側(反昇降路側)に設けられており、各充電用パレット20に設けられたパレット側コネクタ41も、格納された状態で格納棚11の奥の壁側(反昇降路側)となる一側方に設けられている。つまり、充電用パレット20は、パレット側コネクタ41が反昇降路側の片側にのみ設けられている。また、充電用パレット20に設けられた充電用コネクタ50も、上記パレット側コネクタ41と同じ一側方の壁側に全て設けられている。このように、パレット側コネクタ(パレット側接続部)41は、充電用パレット20の1個所に設けられている。
【0029】
従って、図示する状態では、後述するように充電用パレット20を旋回させた状態で電気自動車EVを駐車する場合があり、電気自動車EVの充電口80の位置によっては、格納状態の電気自動車EVは、5台中左右それぞれ何台か(この図では最下部の2台)は、後ろ向きに格納された状態となる。
【0030】
つまり、電気自動車EVの充電口80の位置が全て右なら、左側の格納棚11に駐車された電気自動車EVは図では前向き状態で駐車され、右側の格納棚11に駐車された電気自動車EVは図では後向きの状態となる。そして、電気自動車EVの充電口80が左右混在なら、左右の格納棚11で電気自動車EVの向きが混在することになる。
【0031】
図2,3に示すように、上記充電用パレット20は、一側方の立上り側縁部21上に充電用コネクタ(スタンド式)50が設けられている。この実施の形態では、充電用コネクタ50が充電用パレット20の一側方に設けられている。この充電用コネクタ50は、上部に設けられた充電用コネクタ収納用箱体51内に、電気自動車EVの充電口蓋81を開放して充電口80に接続する充電ケーブル52が設けられている。充電ケーブル52の先端にはガン形の充電アダプタ53が設けられている。
【0032】
また、
図3に示すように、この実施形態の充電用パレット20は、両側部に形成した立上り側縁部21の一方が幅の広い立上り側縁部21Wに形成されており、この立上り側縁21Wに上記充電用コネクタ50が設けられている。このように一方の立上り側縁部21Wを幅広くすることで、充電用パレット20に乗入れる電気自動車EVを反充電用コネクタ方向に片寄せして搭載できるようにしている。電気自動車EVを反充電用コネクタ側に片寄せすることにより、充電口蓋81を開放して充電ケーブル52の充電アダプタ53を接続しても、それらが充電用パレット20からはみ出すことがないようにしている。
【0033】
図4に示す充電用パレット25は、第2実施形態の充電用パレットである。上記第1実施形態の充電用パレット20と同一の構成には同一符号を付し、対応する構成には同様に符号を付して説明する。上記充電用パレット20では、パレット長手方向の後部位置の1個所に充電用コネクタ50を設けているが、この第2実施形態の充電用パレット25は、充電用パレット25の長手方向の2個所に充電用コネクタ50が設けられている。
【0034】
この充電用パレット25も、両側端部に立上り側縁部26を有し、中央部に中央隆起部27を有し、それらの間に凹状の車路28が形成されたものである。そして、一方の立上り側縁部26が幅の広い立上り
側縁部26Wに形成されており、この立上がり側縁部26Wに充電用コネクタ50が設けられている。このように、この充電用パレット25でも、充電用コネクタ50はパレットの長手方向中心線に対して同一側方に設けられている。
【0035】
この第2実施形態の充電用パレット25によれば、パレット長手方向の前後位置に充電用コネクタ50が設けられているので、電気自動車EVの充電口位置が前部にある場合は前部位置の充電用コネクタ50を利用し、後部にある場合は後部位置の充電用コネクタ50を利用して接続することで、充電ケーブル52の接続作業を迅速に行うことができる。
【0036】
なお、上記いずれの充電用パレット20,25も、充電用コネクタ50のパレット長手方向の配置は電気自動車EVの充電口80の位置に適した配置であればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
【0037】
図5は、
図1に示すエレベータ式駐車設備の制御ブロック図である。図示するように、上記駐車設備1の制御ブロックとしては、パレット番号/格納する格納棚番号/契約者暗証番号又はICカードID/電気自動車EVの充電口位置/充電要求有無等を一体的に記憶する記憶手段(RAM)や、ROM、CPU等を備え、各部を制御する信号を発する制御部60(制御装置)と、エレベータの昇降駆動部、パレットの持上げ・旋回・移載駆動部、入出庫口扉の開閉駆動部等を備えた駆動部61と、乗入れ部の車両・人検知手段、入出庫口の車両・人検知手段等を備えた検知部62と、入庫誘導案内灯55と、外部交流電源46に接続された充電電源装置44と、上記運転操作盤8とが、I/O装置63(入出力装置)を介して接続されており、各部の間で信号の送受信が行われる。
【0038】
上記制御部60は、この実施の形態では、駐車設備1を充電用パレット20と標準パレット30の混載型としているため、充電用パレット20と標準パレット30を格納する格納棚11の位置を管理している。また、充電用パレット20を格納する格納棚11も、フリーロケーション方式と固定契約方式との混合としているため、後述するように、各充電用パレット20に格納した電気自動車EVの充電口位置等を記憶するようになっている。
【0039】
さらに、上記運転操作盤8には、最上部に表示部65が設けられ、その下方に、「スタート」、「安全確認」、「終了扉閉」、「空呼」、「暗証」、「取消」の各ボタンと、「充電口左」ボタン69及び「充電口右」ボタン70が配置されたボタン部66が設けられている。これらのボタン69,70は、固定契約をしていない利用者が、入庫登録時に充電口80の位置を指定するボタンである。上記ボタン部66の側方には、「入口番号」と「呼番号」の表示部67、入出庫を行うパレット番号や暗証番号の入力等に使用されるテンキー68等が設けられている。
【0040】
また、運転操作盤8には、固定契約会員毎に提供されるICカード72によって認証
(この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「認証」は、ICカード登録情報、暗証番号等をいう)できるIC操作部73が設けられている。このIC操作部73には、認証可能状態で点灯している「緑ランプ」とICカードを点線部分にかざしたときに点灯する「赤ランプ」とが設けられている。このIC操作部73にICカード72をかざすと、記憶されたID、充電口位置等が入力される。このICカードが提供されている駐車契約会員であれば、ICカード72を忘れても暗証番号を入力することで操作可能である。この運転操作盤8の最下部には、「制御電源」、「運転モード」、「運転管理」の各選択スイッチが配設されたスイッチ部75が設けられている。
【0041】
一方、上記充電電源装置44には、各格納棚11毎の開閉器45が設けられており、図では、最下部の開閉器45に接続された給電側コネクタ40が充電用パレット20のパレット側コネクタ41と接続されている。
【0042】
また、上記パレット側コネクタ41は、充電用パレット20の立上がり側縁部21Wに設けられた上記充電用コネクタ50と配線47で接続されている。この例では、充電用パレット20の一側方(図示する左側)に充電用コネクタ50が設けられている。
【0043】
そして、上記充電用コネクタ50の充電ケーブル52を電気自動車EVの充電口80に接続することにより、配線82を介して電気自動車EVのバッテリ83が充電される。このバッテリ83の充電状況は、充電ECU84(電子コントロールユニット)によって管理されている。
【0044】
次に、
図6のフローチャートに基づいて、上記エレベータ式駐車設備1に入庫する流れを説明する。この図では、180°乗入れ方式のエレベータ式駐車設備1に入庫呼び(入庫のために空パレットを呼ぶ)を説明する。なお、この例では180°乗入れ方式を例示するが、その他の90°乗入れ方式なども、同様である。
【0045】
また、この例では、初期状態(180°乗入れ)として、左格納棚11Lには、給電側コネクタ40が左側に設けられ、右格納棚11Rには、給電側コネクタ40が右側に設けられている。そして、左格納棚11Lには、パレット側コネクタ41と電気自動車EVの充電用コネクタ50とが左側に位置するように充電用パレット20が格納され、右格納棚11Rには、パレット側コネクタ41と電気自動車EVの充電用コネクタ50とが右側に位置するように充電用パレット20が格納されるものとする。
【0046】
さらに、以下の説明では、空パレットに電気自動車EVを乗入れて充電する流れを説明し、充電コネクタの接続等の作業については説明を省略する。
【0047】
まず、スタートとして、ICカードまたは暗証番号を使用するか否かの判断がなされる(S1)。そして、ICカードまたは暗証番号を使用しない場合、「充電口左/右」ボタン69,70が押されたか否かが判断される(S2)。この「充電口左/右」ボタン69,70が押された場合、所定の判断方法に則って選ばれた呼びパレット(例えば、フリーロケーションパレットの内、最も乗入れ部3に近いパレット)が左棚か否かが判断される(S3)。
【0048】
このように、電気自動車EVを格納して充電する充電用パレット20の呼び操作時には、充電口の方向(右側又は左側)ボタン(69,70)を押してからパレット呼び操作が行われる。その操作により、乗入れ部3で旋回が必要な充電用パレット20(格納棚11上で充電用コネクタ50が充電口80の反対側となっている充電パレット20)である場合は180°旋回させて、入庫する電気自動車EVに対応した位置に充電用コネクタ50の位置が切替えられる。
【0049】
一方、上記判断(S1)でICカードまたは暗証番号を使用した場合、登録情報が電気自動車EVか否かが判断され(S4)、登録情報が電気自動車EVの場合には、その登録情報から充電口の左/右位置が取得され(S5)、上記判断(S3)の呼ぶパレットが左棚か否かの判断がなされる。
【0050】
また、上記判断(S2)で「充電口左/右」ボタン69,70が押されない場合、標準パレット30を選択し(S6)、通常の呼び動作と、乗入れ・格納動作が行われて(S7)、終了する。なお、上記(S4)で登録情報が電気自動車EVでない場合には、上記(S6)以降の動作がなされて終了する。
【0051】
そして、上記判断(S3)で呼ぶパレットが左棚の場合には、充電口80が左か否かの判断がなされる(S8)。この判断で、充電口80が左の場合には、充電用パレット20が旋回されずに呼び出される(S9)。
【0052】
また、上記判断(S3)で呼ぶ充電用パレット20が左棚ではない場合、充電口80が右か否かが判断され(S10)、充電口80が右の場合には、上記(S9)のパレット呼出しへと進む。
【0053】
この充電用パレット20の呼出し(S9)は、呼ぶ充電用パレット20が左棚であって電気自動車EVの充電用コネクタ50が左の場合と、呼ぶ充電用パレット20が右棚であって電気自動車EVの充電用コネクタ50が右の場合とである。
【0054】
そして、呼出した充電用パレット20に入庫車が乗入れられ(S11)、その充電用パレット20が格納棚11に格納される(S12)。この格納された充電用パレット20は、パレット番号に関連付けて「非旋回」が記憶手段に記憶され(S13)、入庫作業が終了となる。
【0055】
一方、上記判断(S8)において充電口80が左ではない場合、及び上記判断(S10)において充電口80が右でない場合には、充電用パレット20を呼出した後、+180°旋回させる(S14)。
【0056】
その後、入庫車が乗入れられ(S15)、その充電用パレット20は−180°旋回させられて格納棚11に格納される(S16)。この格納された充電用パレット20は、パレット番号に関連付けて「旋回」が記憶手段に記憶され(S17)、入庫作業が終了となる。
【0057】
なお、上記「+180°」と「−180°」は回転方向が互いに逆であることを示す。また、記憶情報に基づき、「充電ケーブル等のパレットからのはみ出しにご注意ください」などのアナウンスを流してもよい。さらに、上記入庫時の操作は、個別に電気自動車EVの充電口80の位置を入力した場合でも、上記したようにICカード72に記憶された情報や暗証番号等によって、予め登録されていた情報に基づいて自動的に切替えられるようにしてもよい。
【0058】
次に、
図7に基づいて、上記エレベータ式駐車設備1から出庫する流れを説明する。この図でも、180°乗入れ方式のエレベータ式駐車設備1において実車呼び(出庫のために実車パレットを呼ぶ)を説明する。なお、この例では180°乗入れ方式を例示するが、その他の90°乗入れ方式なども、これに準ずる。
【0059】
この例も、初期状態(180°乗入れ)は、上記空呼びと同じである。左格納棚11Lには、給電側コネクタ40が左側に設けられ、右格納棚11Rには、給電側コネクタ40が右側に設けられている。そして、左格納棚11Lには、パレット側コネクタ41と電気自動車EVの充電用コネクタ50とが左側に位置するように格納され、右格納棚11Rには、パレット側コネクタ41と電気自動車EVの充電用コネクタ50とが右側に位置するように格納されているものとする。
【0060】
また、以下の説明でも、実車充電用パレット20に対する電気自動車EVの乗出しを説明し、充電コネクタの取外し等の作業については説明を省略する。
【0061】
まず、スタートとして、ICカードまたは暗証番号を使用するか、もしくはパレット番号の入力が行われる(S20)。そして、その情報から、入庫時に「旋回」したか否かの判断がなされる(S21)。
【0062】
この判断(S21)で充電用パレット20が旋回していない場合、充電用パレット20を呼出して+180°旋回させ(S22)、前方を向いた車両に乗り込んで乗出される(S23)。その後、空充電用パレット20が−180°旋回させられて格納棚に格納され(S24)、出庫作業が終了となる。なお、判断(S21)による分岐は、標準パレット30の場合も同じ動作に分岐する。
【0063】
一方、上記判断(S21)で充電用パレット20を旋回している場合、充電用パレット20が呼出され(S25)、前方を向いている車両に乗り込んで乗出される(S26)。その後、空充電用パレット20が格納棚11に格納されて(S27)、出庫作業が終了となる。このように、出庫呼び時は、入庫時に記憶した電気自動車EVの向きに合わせて充電用パレット20を旋回させるので、充電口80の左/右位置は指定不要となる。
【0064】
なお、この図でも、「+180°」と「−180°」は回転方向が互いに逆であることを示す。また、車両を出庫方向に向けるために、旋回の有無は入庫時とは逆(入庫時に旋回したパレットは出庫時には非旋回)となる。さらに、記憶情報に基づき、「充電ケーブルの取り忘れにご注意ください」などのアナウンスを流してもよい。
【0065】
このように、上記
図6,7で説明した180°乗入れ方式(入出庫時の充電用パレット20の長手方向と、搬器12による移動中のパレット長手方向が同一方向となる。すなわち電気自動車EVが進入時と同じ向きか180°反対向き)のエレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)1では、入庫時に充電用パレット20を旋回させるか、出庫時に充電用パレット20を旋回させるかは、電気自動車EVの充電口80の位置と、充電用パレット20が昇降路(移動経路)10の一方側又は反対側(図示する右又は左)とに応じて決定される。
【0066】
すなわち、入庫時の「空」パレット呼出し時に乗入れ部3で充電用パレット20を180°旋回させ、入庫後の「実車」パレット格納時に乗入れ部3で充電用パレット20を180°逆旋回させた場合、出庫時の「実車」パレット呼出し時は充電用パレット20の旋回は無しで、出庫後の「空」パレット格納時も充電用パレット20の旋回は無しとなる。
【0067】
また、電気自動車EVの充電口80が反対位置の場合、入庫時の「空」パレット呼出し時は充電用パレット20の旋回は無し、入庫後の「実車」パレット格納時も充電用パレット20の旋回は無しとなる。この場合、出庫時の「実車」パレット呼出し時は乗入れ部3で充電用パレット20を180°旋回させ、出庫後の「空」パレット格納時は乗入れ部3で充電用パレット20を180°逆旋回させる。
【0068】
これらの入庫時の乗入れ部3での旋回又は出庫時の乗入れ部3での旋回のいずれになるかは、電気自動車EVの充電口80の左右位置と、乗入れる充電用パレット20の左右格納位置との組合わせに応じて、位置制御装置(制御部)60によって切替えられる。例えば、同一の充電用パレット20に充電口位置が逆の電気自動車EVを格納する場合、上記した操作は逆となる。
【0069】
一方、エレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)1が180°乗入れ方式以外(入出庫時の充電用パレット20の長手方向と、搬器12による移動中のパレット長手方向が異なる。すなわち、電気自動車EVの進入時向きに対し0°<搬器移動中<180°または0°>搬器移動中>−180°)の場合には、以下のようになる。以下の例では、A°乗入れ方式を例に説明する。上記
図1、
図2に示す構成は、この方式である。
【0070】
まず、電気自動車EVの充電口80の位置(左又は右)に応じて、入庫時の「空」パレット呼出し時に乗入れ部3で充電用パレット20を所定角度A°旋回
(例えば、右旋回)させ、入庫後の「実車」パレット格納時に乗入れ部3で充電用パレット20を所定角度A°逆旋回
(左旋回)させた場合、出庫時の「実車」パレット呼出し時は乗入れ部3で充電用パレット20を(
所定角度A°−180°)旋回
(左旋回)させ、出庫後の「空」パレット格納時は乗入れ部3で充電用パレット20を(
所定角度A°−180°)逆旋回
(右旋回)させるか、入庫時の「空」パレット呼出し時に乗入れ部3で充電用パレット20を(
所定角度A°−180°)旋回
(左旋回)させ、入庫後の「実車」パレット格納時に乗入れ部3で充電用パレット20を(
所定角度A°−180°)逆旋回
(右旋回)させた場合、出庫時の「実車」パレット呼出し時に乗入れ部3で充電用パレット20を所定角度A°旋回
(右旋回)させ、出庫後の「空」パレット格納時に乗入れ部3で充電用パレット20を所定角度A°逆旋回
(左旋回)させるかが切替えられる。
ここで、角度の正/負及び「旋回」/「逆旋回」はともに回転方向が互いに逆であることを示し、負の角度の「逆旋回」は、その角度の絶対値の「旋回」と同じ方向を意味する。なお、旋回方向は、一例である。
【0071】
これらの入庫時と出庫時の旋回角度の組合わせも、電気自動車EVの充電口80の左右位置と、乗入れる充電用パレット20の左右格納位置との組合わせに応じて、位置制御装置(制御部)60によって切替えられる。例えば、同一の充電用パレット20に充電口位置が逆の電気自動車EVを格納する場合、上記した操作は逆となる。
【0072】
以上のように、上記エレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)1によれば、電気自動車EVの充電口80の位置に応じた向きに充電用コネクタ50の位置を切替えるように、少なくとも一つの充電用コネクタ50が備えられた充電用パレット20を旋回させるので、充電口位置(左・右)が異なる電気自動車EVでも同じ充電用パレット20に充電可能な状態で格納することができる。従って、少なくとも一つの充電用コネクタ50が備えられた充電用パレット20に対して種々の電気自動車EVを駐車して充電できるエレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)1を構成することが可能となる。
【0073】
しかも、充電用パレット20に対して充電用コネクタ50の振り替え工事や追加工事を行うことなく、種々の充電口位置の電気自動車EVを充電可能な状態で駐車できるエレベータ式駐車設備1を構成するので、充電可能な駐車設備1の部品数低減を図って、駐車設備工事の工期短縮や製作費用の低減を図ることができる。
【0074】
なお、上記実施形態では、標準パレット30と充電用パレット20とを混載させたエレベータ式駐車設備1を例に説明したが、全てのパレットが充電用パレット20となったエレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)1であってもよく、機械式駐車設備は上記実施形態に限定されるものではない。
【0075】
また、上記実施形態における給電側コネクタ(給電側接続部)40、パレット側コネクタ(パレット側接続部)41、及び充電用コネクタ(スタンド式)50等は、種々の方式を採用することができ、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
【0076】
さらに、上記実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。