特許第6152213号(P6152213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6152213広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6152213
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム
(51)【国際特許分類】
   B60T 11/08 20060101AFI20170612BHJP
   B62L 3/08 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   B60T11/08
   B62L3/08
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-209311(P2016-209311)
(22)【出願日】2016年10月26日
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】105114899
(32)【優先日】2016年5月13日
(33)【優先権主張国】TW
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516322717
【氏名又は名称】明鴻工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和なぎさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曾 全佑
(72)【発明者】
【氏名】邱 ▲イク▼翔
(72)【発明者】
【氏名】林 苑▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 季石
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−287287(JP,A)
【文献】 特開2016−147607(JP,A)
【文献】 特開2000−043778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 11/08
B62L 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後輪ブレーキを備えたブレーキ装置において、
広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキシステムであって、本体と、リンクレバーと、スイングアームモジュールと、ドラッグロッドモジュールとを含み、
前記本体は、筐体を含み、前記筐体の主動側は、それぞれ前記筐体に挿入する右ハンドルケーブルと左ハンドルケーブルとを提供し、前記右ハンドルケーブルは、前記右ハンドルブレーキレバーに連接され、前記左ハンドルケーブルは、前記左ハンドルブレーキレバーに連接され、前記筐体において前記主動側に対向する受動側は、それぞれ前輪ブレーキに連接される前ブレーキケーブルと、後輪ブレーキに連接される後ブレーキケーブルとを提供し、
前記リンクレバーは、前記筐体内に設置され、一端が前記右ハンドルケーブルに連接され、他端が揺動自在に前記前ブレーキケーブルに連接され、かつ、前記リンクレバーの両端部の間の棒体に溝穴を有し、前記溝穴において前記主動側に対応する側に係止部を有し、
前記スイングアームモジュールは、前記後ブレーキケーブルに連接される連接座、前記溝穴の方向へ延伸するスイングアーム、及び、前記連接座と前記スイングアームとにそれぞれ枢結される第一連動部材を有し、前記スイングアームにおいて前記受動側に反対側の面に勾配を有するブレーキ比率制御摺動面が形成され、前記スイングアームは、さらに、前記溝穴の方向へ延伸する摺動溝、及び前記溝穴の位置に対応するガイド部を有し、前記摺動溝には、弾性部材に連接されるピンが、前記摺動溝に沿って前記溝穴の方向へ移動するとき、前記弾性部材による弾性抵抗を発生させるように貫設され、
前記ドラッグロッドモジュールは、スリーブとドラッグロッドとを含み、前記スリーブは、前記左ハンドルケーブルに連接され、前記ドラッグロッドは、一端が前記スリーブに枢結され、他端は摺動部を有し、前記摺動部は、前記ブレーキ比率制御摺動面に跨設され、前記ドラッグロッドにおいて前記リンクレバーの方向に近接する側で棒体が、前記ピンに当接し、前記ドラッグロッドは、最初に左ハンドルケーブルに引かれていないときから、左ハンドルケーブルに規定の引く力で引かれる際、前記ドラッグロッドが、前記ピンを押して前記リンクレバーへ移動させ、同時に、前記摺動部は、前記ブレーキ比率制御摺動面に当接して、前記左ハンドルケーブルの引く力と釣り合う位置まで坂を下るように移動し、前後輪のブレーキ力比率を変更することを特徴とする、広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム。
【請求項2】
前記スイングアームモジュールのスイングアームと前記スリーブとの間には、第二連動部材が連接され、前記第二連動部材の一端は、前記スイングアームに枢結され、他端には、レールが形成され、前記レールは、前記スリーブに枢結され、かつ、前記第二連動部材は、前記スリーブと前記ドラッグロッドとの間に挟装されていることを特徴とする、請求項1に記載の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム。
【請求項3】
前記弾性部材は、圧縮バネであり、その両端は、それぞれ前記摺動溝において前記リンクレバーに近接する端部と、前記ピンとに設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム。
【請求項4】
前記リンクレバーは、中空の柱であり、前記溝穴が、その中空の部分であり、前記係止部は、水平な隔板であることを特徴とする、請求項1に記載の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム。
【請求項5】
前記リンクレバーは、板状の棒体であり、その板状の棒体の中段に前記溝穴が設置され、前記ガイド部は、前記溝穴を貫通して前記スイングアームに連結されるバーであり、前記係止部は、前記溝穴において前記主動側に近接する下縁であることを特徴とする、請求項1に記載の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム。
【請求項6】
前記弾性部材は、引張バネであり、その両端は、それぞれ前記ピンと前記筐体とに連接されていることを特徴とする、請求項1に記載の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム。
【請求項7】
前記リンクレバーと前記主動側との間に、第二弾性部材が設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムに関し、特に、前後輪のブレーキ力を集中制御装置により、前後輪のブレーキを連動させて、自動的かつ連続的に前後輪のブレーキ力比率を変更することができるブレーキ連動システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的な自転車、バイクなどの車両に使用されるブレーキシステムは、主に、ハンドルの両側にそれぞれ設けられたブレーキレバーによりブレーキをかけるものである。
その片側(通常は右側)のブレーキレバーは、前輪を制御するブレーキであり、もう片側(通常は左側)のブレーキレバーは、後輪を制御するブレーキである。
ブレーキをホイール、ハブまたは車輪に設けられたディスク(いわゆる機械式ディスクブレーキ)に摩擦させることにより、車両の走行速度を減少させる、或いは、完全に停止させる。
【0003】
二輪または三輪バイクは、乗り手がブレーキをかける際に、前輪のみをブレーキをかけることで転倒してしまう危険を避けるために、後輪をブレーキしてから前輪をブレーキをかけることで、車体を安定させることが好ましい。
強いブレーキ力がかけられた場合、車両の慣性力により、前輪にかかる垂直荷重が増加するため、この際、車両が十分な減速度で速やかに停止できるように、前輪のブレーキ力が後輪のブレーキ力より強いことが好ましい。
しかしながら、緊急な状況、高速走行や下り坂で急ブレーキをかける場合、乗り手は、緊張またはブレーキ技術に対する理解不足により前輪のブレーキだけをかけて、転倒事故を起こしてしまう問題があった。
各国の安全規定を満たすために、市場ではCBS(Combined Brake System)を搭載したバイクが発売され、または、開発中のものがあり、前後ブレーキの連動により、乗り手が急な減速で前輪のブレーキだけをかけてしまう問題を改善した。
ただし、大部分のCBSは、前輪と後輪とのブレーキ力比率が一定の技術であった。
【0004】
前輪と後輪とのブレーキ力比率が一定の連動システムの欠点は、図12により、説明される。
図12は、ブレーキレバーによりブレーキをかける際に、車両における前輪のブレーキ力と後輪のブレーキ力の配分曲線図である。
理想曲線Aは、ブレーキをかける際に前輪及び後輪を同時にロックさせることで最大減速度を得て、かつ、車体の安定性を保つ前輪のブレーキ力と後輪のブレーキ力との関係を示す曲線である。
前記理想曲線Aは、前輪のブレーキ力と後輪のブレーキ力とを適切に配分することで、車体の安定性を保ち、ブレーキ距離を縮めることができるので、走行の安全を向上できる。
線Bは、前輪のブレーキ力と後輪のブレーキ力との比率が、一定に設計された配分曲線であり、その結果として、ブレーキレバーから強いブレーキ力が入力される場合、後輪がロックするタイミングが早すぎて、後輪が滑り、車体がドリフトしてしまう。
線Cは、もう一つの前輪のブレーキ力と後輪のブレーキ力との比率が、一定に設計された配分曲線であり、その欠点は、前輪が後輪より早くロックし、車体が倒れやすくなってしまうことにある。
曲線Dは、前輪のブレーキ力と後輪のブレーキ力との比率が、可変に設計された配分曲線であり、その結果として、ブレーキ初期にブレーキ力が小さく入力される際、後輪にかかるブレーキ力が、前輪にかかるブレーキ力より大きいので、車体の安定を保つことができる。
ブレーキ中後期に、前輪にかかるブレーキ力が、後輪にかかるブレーキ力より大きくなるが、構造設計の欠陥により、ブレーキ比率の可変範囲が狭くなり、ブレーキレバーから強いブレーキ力が入力される場合、後輪は、依然として、ロックするタイミングが早すぎて、後輪が滑り出して、車体がドリフトしてしまい、深刻な場合には、安定性を失う欠点があった。
【0005】
特許文献1(図14に示す)には、筐体71、モジュレーター72及び摺動ブロック73を含む前後輪連動式ブレーキ配分器70が開示されている。
前記筐体71の片側には、近接する第一、第二固定端が設けられ、反対側には、対応する第三、第四固定端が設けられる。
前記モジュレーター72は、前記筐体71に収容され、左ハンドルケーブルL2に連結される入力部721と、後ブレーキケーブルL4に連結される出力部722とを有する。
前記摺動ブロック73は、同じく、前記筐体71に収容され、固結部731及び摺動構造732を有し、摺動構造732によって前記摺動ブロック73を前記モジュレーター72の入力部721と出力部722とを繋がる側に摺動自在にする。
このような構成により、図13図14及び図15に示される連続動作図のように、前輪及び後輪のブレーキ力を配分する。
図13は、ブレーキ初期の状態であり、左ハンドルケーブルL2は、まず、入力部721を引き、この際に、ほとんどのブレーキを引く力は、直接に後ブレーキケーブルL4に伝わって後輪をブレーキさせ始めるので、後輪のブレーキ力は、前輪のブレーキ力より遥かに大きい。
図14は、左ハンドルケーブルL2を引き続ける場合を示すものであり、モジュレーター72は、まず、時計回りに少し回転し、力が釣り合う角度に達するまで、後ブレーキケーブルL4の引く力が次第に減少し、前ブレーキケーブルL3の引く力が次第に増加するが、後輪のブレーキ力は、依然として前輪のブレーキ力より大きい。
図15は、力が釣り合う角度に達した後、前ブレーキケーブルL3及び後ブレーキケーブルL4は、さらに、予め設定されたブレーキ力比率による力配分で同時に引くことを示す。
上述した動作は、図12に示す曲線Dとして描かれている。
大きいブレーキ力がかけられるブレーキ後期、つまり、車体の慣性により車体の重量が前輪に移動すると、それに応じて、前輪のブレーキ力が最も必要とされるが、ブレーキ配分器70は、ブレーキ比率範囲が狭く設計されたため、前輪のブレーキ力の比率をさらに増加させることができないので、曲線Dは、大きいブレーキ力において理想曲線に近づけることができない。
すなわち、前輪のブレーキ力を十分に利用して車両全体のブレーキ効能を向上させることができない。
更に、後輪がロックするタイミングが早すぎるので、後輪が滑り出して、車体がドリフトしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許453315号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ユーザーが片側のブレーキレバーを引く場合、優先的に後輪をブレーキし、ブレーキレバーを引く力が増加すると、連続的かつ自動的に前後ブレーキ力の比率を配分し、理想な曲線変化をさせる。
結果として、ブレーキ効能を向上させ、ブレーキ距離が縮小し、車体の安定性を向上させることができる、広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成する為に、本発明は、本体と、リンクレバーと、スイングアームモジュールと、ドラッグロッドモジュールとを含む。
前記本体は、筐体を含み、前記筐体の主動側は、それぞれ前記筐体に挿入する右ハンドルケーブルと左ハンドルケーブルとを提供し、前記筐体の受動側は、それぞれ前輪ブレーキに連接される前ブレーキケーブルと、後輪ブレーキに連接される後ブレーキケーブルとを提供する。
前記リンクレバーは、前記筐体内に設置され、一端が前記右ハンドルケーブルに連接され、他端が前記前ブレーキケーブルに連接され、前記リンクレバーの棒体に溝穴を有し、前記溝穴において前記主動側に対応する側に係止部を有する。
前記スイングアームモジュールは、前記後ブレーキケーブルに連接される連接座、前記溝穴の方向へ延伸するスイングアーム、及び、前記連接座と前記スイングアームとにそれぞれ枢結される第一連動部材を有し、前記スイングアームにおいて前記受動側に反対側の面に勾配を有するブレーキ比率制御摺動面が形成される。
前記スイングアームは、さらに、前記溝穴の方向へ延伸する摺動溝、及び、前記溝穴の位置に対応するガイド部を有し、前記摺動溝には、弾性部材に連接されるピンが、前記摺動溝に沿って前記溝穴の方向へ移動するとき、前記弾性部材による弾性抵抗を発生させるように貫設される。
前記ドラッグロッドモジュールは、スリーブとドラッグロッドとを含み、前記スリーブは、前記左ハンドルケーブルに連接され、前記ドラッグロッドは、一端が前記スリーブに枢結され、他端は摺動部を有し、前記摺動部は、前記ブレーキ比率制御摺動面に跨設され、前記ドラッグロッドにおいて前記リンクレバーの側で棒体が、前記ピンに当接する。
前記ドラッグロッドは、最初に左ハンドルケーブルに引かれていないときから、左ハンドルケーブルに規定の引く力で引かれる際、前記ドラッグロッドが、前記ピンを押して前記リンクレバーへ移動させ、同時に、前記摺動部は、前記ブレーキ比率制御摺動面に当接して、坂を下るように摺動する。
【0009】
広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例において、前記スイングアームモジュールのスイングアームと前記スリーブとの間には、第二連動部材が連接され、前記第二連動部材の一端は、前記スイングアームに枢結され、他端には前記スリーブに枢結されるレールが形成され、かつ、前記第二連動部材は、前記スリーブと前記ドラッグロッドとの間に挟装される。
【0010】
本発明のブレーキ連動システムの実施例において、前記スイングアームモジュールのスイングアームと前記スリーブとの間には、第二連動部材が連接され、前記第二連動部材の一端は、前記スイングアームに枢結され、他端には、前記スリーブに枢結されるレールが形成され、かつ、前記第二連動部材は、前記スリーブと前記ドラッグロッドとの間に挟装される。
【0011】
本発明のブレーキ連動システムの実施例において、前記弾性部材は、圧縮バネであり、その両端は、それぞれ前記摺動溝において前記リンクレバーに近接する端部と、前記ピンとに設置される。
または、前記弾性部材は、引張バネであり、その両端は、それぞれ前記ピンと前記筐体とに連接される。
【0012】
本発明のブレーキ連動システムの実施例において、前記リンクレバーと前記主動側との間に第二弾性部材が設置される。
【0013】
本発明のブレーキ連動システムの実施例において、前記リンクレバーは、中空の柱であり、前記溝穴が、その中空の部分であり、前記係止部は、水平な隔板であり、または、前記リンクレバーは、板状の棒体であり、その板状の棒体の中段に前記溝穴が設置され、前記係止部は、前記溝穴において前記主動側に近接する下縁である。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明の特徴は、少なくとも、
1.乗り手が、ブレーキレバーを引く力の大きさにより、自動的かつ連続的に前後輪のブレーキ力比率の変更ができること、
2.前後ブレーキがドラムブレーキ、前ブレーキがディスクブレーキで後ブレーキがドラムブレーキ、前後ブレーキがディスクブレーキなどのブレーキシステムに適用できること、
3.ブレーキ初期に、後輪ブレーキは、前輪ブレーキより早く作動し、ブレーキ力が小さく入力される際、後輪にかかるブレーキ力が前輪にかかるブレーキ力より大きいこと、
4.ブレーキ比率の変動範囲が広く、かつ、ブレーキ比率の変化曲線は、理想的な前後ブレーキ配分曲線に近似していることを含む。
本発明のブレーキ比率変動方式を、以下に示す。
ブレーキ力が小さく入力される初期のブレーキ比率は、後輪にかかるブレーキ力が前輪にかかるブレーキ力より大きい。
ブレーキレバーを引く力が増大し続けると、ブレーキ比率制御摺動面に接触する摺動部は、ブレーキ比率制御摺動面の山からブレーキ比率制御摺動面の谷へ下る方向に沿って移動し、これにより、前輪ブレーキ力の比率を増加させる。
この比率変動方式は、
(1)前後輪ブレーキ比率変化曲線は、理想曲線に近づき、かつ、近づく程度は、容易に設定できる
(2)ブレーキ初期に後輪が先にブレーキをかけられ、前輪ブレーキ作動との時間差を容易に設定できる
(3)ブレーキ力が小さく入力される際、後輪にかかるブレーキ力が前輪にかかるブレーキ力より大きい
(4)ブレーキ力が大きく入力される際、前輪の最大ブレーキ比率が後輪のブレーキ比率より遥かに大きい
という4つの重大なブレーキ性能を確保し易くなる。
また、本発明の特徴は、さらに、
5.制動の自動補償装置を加えれば、配分曲線がブレーキライニングの磨耗により変化しないことを確保できること、
6.前輪ブレーキが失効しても、後輪に十分なブレーキがかけられることを確保できること、
7.後輪のブレーキのライニングが磨耗して、ユーザーに調整されることがなくても、後輪に先にブレーキをかけることを確保できることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例の正面図である。
図2】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例の斜視図である。
図3】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例の斜視図である。
図4】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムのもう一つの実施例の斜視図である。
図5】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例において左右ハンドルブレーキレバーが引かれていない場合を示す正面図である。
図6】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例において右ハンドルブレーキレバーのみが引かれる場合の作動を示す正面図である。
図7】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例において左ハンドルブレーキレバーのみが引かれる場合の作動を示す正面図である。
図8】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例において左ハンドルブレーキレバーのみが引かれる場合の後輪ブレーキの作動、さらに前輪ブレーキに連動しようとする作動を示す正面図である。
図9】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例において左ハンドルブレーキレバーのみが引かれる場合の後輪ブレーキの作動、さらに前輪ブレーキに連動する作動を示す正面図である。
図10】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例において左ハンドルブレーキレバーのみが引かれる場合の失効パターンの作動を示す正面図である。
図11】本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システムの実施例の前後輪ブレーキ比率配分曲線と理想曲線との比較図である。
図12】従来の前後輪のブレーキ力比率の配分曲線を比較した図である。
図13】従来のブレーキ配分器の動作を示す図である。
図14】従来のブレーキ配分器の動作を示す図である。
図15】従来のブレーキ配分器の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の一形態について、以下、図面を参照して説明する。
図面は、何れも簡略化された概略図であり、本発明の基本的な構造を概略的に説明しているため、それらの図面においては、本発明に係る部品のみを示している。
また、示された部品は、実施される場合における数量、形状、寸法によって作図されたものではなく、実際に実施される場合において、その規格や寸法は、選択的な設計であり、部品のレイアウト形態がさらに複雑になることがある。
【0017】
本発明に係る広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム10は、図1図3に示されるとおりである。
これらの実施例において、広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム10の構造は、本体20、リンクレバー30、スイングアームモジュール40及びドラッグロッドモジュール50を含む。
前記本体20は、筐体21を含み、筐体21は、一般的に台座211及びボックス212からなり、その内部には、図2に示されるように収容空間があるが、説明の便宜上、図1の実施例は、ボックス212を取り除いた状態である。
前記筐体21の主動側22は、それぞれ筐体21に挿入する右ハンドルケーブルL1と左ハンドルケーブルL2とを提供し、右ハンドルケーブルL1は、右ハンドルブレーキレバーS1に連接される。
前記左ハンドルケーブルL2は、左ハンドルブレーキレバーS2に連接される。
前記筐体21において主動側22の反対側の受動側23は、それぞれ前輪ブレーキS3に連接される前ブレーキケーブルL3と、後輪ブレーキS4に連接される後ブレーキケーブルL4とを提供する。
【0018】
前記リンクレバー30は、筐体21内に設置され、一端が右ハンドルケーブルL1に連接され、他端が揺動自在に前ブレーキケーブルL3に連接される(一般的なブレーキケーブルの連接方式であれば良い)。
前記リンクレバー30は、両端部の間の棒体に溝穴31を有し、溝穴31において前記主動側22に対応する側に係止部32を有する。
【0019】
前記スイングアームモジュール40は、後ブレーキケーブルL4に連接される連接座41、前記溝穴31の方向へ延伸するスイングアーム42、及び、前記連接座41とスイングアーム42とにそれぞれ枢結される第一連動部材43を有する。
前記スイングアーム42において、受動側23に反対側の面に勾配を有するブレーキ比率制御摺動面421が形成される。
さらに、スイングアーム42は、溝穴31の方向へ延伸する摺動溝422、及び溝穴31の位置に対応するガイド部423を有する。
前記摺動溝422には、弾性部材424に連接されるピン425が貫設される(本実施例において、弾性部材424は、圧縮バネであり、その両端は、摺動溝422においてリンクレバー30に近接する端部とピン425とにそれぞれ設置される)。
前記ピン425を摺動溝422に沿って溝穴31の方向へ移動させると、前記弾性部材424により弾性抵抗が発生する。
【0020】
前記ドラッグロッドモジュール50は、スリーブ51とドラッグロッド52とを含み、前記スリーブ51は、左ハンドルケーブルL2に連接される。
前記ドラッグロッド52は、一端がスリーブ51に枢結され、他端は摺動部521を有し、前記摺動部521は、ブレーキ比率制御摺動面421に跨設される。
前記ドラッグロッド52においてリンクレバー30の方向に近接する側で棒体が、ピン425に当接し、ドラッグロッド52は、最初に左ハンドルケーブルL2に引かれていないときから、左ハンドルケーブルL2に規定の引く力で引かれる際、前記引く力が、ドラッグロッド52に伝わり、ドラッグロッド52が、前記引く力によりリンクレバー30に向かう分力を発生させる。
この分力が、弾性部材424の支える力より大きくなると、ドラッグロッド52が、ピン425を押してリンクレバー30へ移動させ(弾性部材424が弾性変形を起こし)、同時に、摺動部521は、ブレーキ比率制御摺動面421に当接して坂を下るように摺動する。
さらに詳しく述べると、前記ブレーキ比率制御摺動面421の接触する摺動部521は、ブレーキ比率制御摺動面421の山からブレーキ比率制御摺動面421の谷へ下る方向に沿って移動する。
【0021】
図1及び図2に示されるように、一つの実施例において、スイングアームモジュール40のスイングアーム42とスリーブ51との間には、第二連動部材44が連接される。
第二連動部材44の一端は、スイングアーム42に枢結され、他端には、レール441が形成されている。
さらに、レール441は、スリーブ51に枢結され、かつ、第二連動部材44は、スリーブ51とドラッグロッド52との間に挟装される。
【0022】
図2に示されるように、一つの実施例において、リンクレバー30は、中空の柱であり、溝穴31が、その中空の部分であり、係止部32は、水平な隔板である。
【0023】
図4に示されるように、広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム10’のもう一つの実施例において、リンクレバー30’は、板状の棒体であり、その板状の棒体の中段に溝穴31’が設置される。
前記ガイド部423’は、溝穴31’を貫通してスイングアーム42に連結されるバーであり、前記係止部32’は、溝穴31’において主動側22に近接する下縁311’である。
また、本実施例において、前記弾性部材424’は、引張バネであり、その両端は、それぞれピン425と筐体21とに連接され、実務においては、クリップ61を応用して、前記引張バネの一端をクリップ61に連接し、さらに、前記クリップ61を着脱自在に筐体21に結合する。
【0024】
図2に示されるように、一つの実施例において、リンクレバー30と主動側22との間に第二弾性部材60が設置され、これにより、リンクレバー30が外力により移動された場合、外力が解除された後に復位する回復力を提供する。
【0025】
上述した構造により、図5及び図6に示されるように、本実施例の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム10の初期状態は、図4に示されるとおりである。
図4では、右ハンドルケーブルL1或いは左ハンドルケーブルL2に引かれていないことを示す。
当然ながら、右ハンドルケーブルL1の引きは、右ハンドルブレーキレバーS1を引くことで行い、左ハンドルケーブルL2の引きは、左ハンドルブレーキレバーS2を引くことで行うことができるが、これに限定されることはなく、例えば、電動方式で伝動するものもある。
前輪ブレーキのみを使用して制動する場合、右ハンドルケーブルL1を引き、さらに、リンクレバー30に連動して下方へ移動させ(ここで、下方とは、図面に、例えば、図5に面する際、図面の各部品の相対的方位に準ずるものであり、例えば、下方が図面の下側方向であり、右側が図面の右側であり、後述した方向の依拠も同様である)、リンクレバー30が、前ブレーキケーブルL3に連動することで、前輪ブレーキS3を制動する目的を達する。
このとき、リンクレバー30の溝穴31は、下方へ引かれる方向において係止する構造がないので、リンクレバー30の下方への移動は、前ブレーキケーブルL3のみを引き、スイングアームモジュール40に連動することはない。
また、右ハンドルケーブルL1の引く力を解除する際、リンクレバー30は、前輪ブレーキS3の復帰作用或いは第二弾性部材60の回復力により、速やかに初期状態の位置へ戻る。
【0026】
上述した構造により、図5及び図7〜9に示されるように、本実施例の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム10は、右ハンドルケーブルL1或いは左ハンドルケーブルL2に引かれていない初期状態で、前ブレーキケーブルL3及び後ブレーキケーブルL4は、図5に示されるように引かれていない。
さらに、図7に示されるように、後輪ブレーキのみを使用して制動する場合、つまり、左ハンドルケーブルL2のみを引くと、ドラッグロッドモジュール50が連動して下方へ移動し、ドラッグロッドモジュール50は、スイングアームモジュール40を引いて、スイングアーム42のガイド部(423,423’)が、溝穴(31,31’)の係止部(32,32’)に係止するまで下方へ移動し続ける。
左ハンドルケーブルL2のみによる引きの第一段階は、後ブレーキケーブルL4に連動するだけで、後輪ブレーキS4に制動力を発生させることができる。
第二段階は、図8及び図4に示されるように、左ハンドルケーブルL2を下方へ(筐体21の外部へ)引き続けて設定された引く力に達すると、てこの原理によって、スイングアーム42は、ガイド部(423,423’)を支点として時計回りに回動する。
これと同時に、弾性部材(424,424’)に押されまたは引かれたドラッグロッド52のピン425の受けた押す力や引く力が、弾性部材(424,424’)の変形力を超えると、弾性部材(424,424’)は変形し、ドラッグロッド52が、ピン425の弾性抵抗を克服して反時計回りに回動し、スイングアーム42を係止部(32,32’)に係止させることで前記リンクレバー(30,30’)を連動して下方へ移動させることができる(この際、広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム10による後輪に対するブレーキ力は、前輪に対するブレーキ力より大きい)。
第二段階の過程において、ドラッグロッド52の摺動部521は、スイングアーム42のブレーキ比率制御摺動面421との下り坂方式勾配により移動経路が決まり、左ハンドルケーブルL2の引く力の変化に応じて、前ブレーキケーブルL3及び後ブレーキケーブルL4との異なる平衡を生じ、平衡に近づく過程において、前後ブレーキの比率を配分する。
第三段階は、ドラッグロッド52の摺動部521からブレーキ比率制御摺動面421に対する力点が、リンクレバー(30,30’)にある程度近づくところまで偏ると、ドラッグロッド52からスイングアーム42に対する力は、図9に示されるように、ガイド部(423、423’)を支点としてスイングアーム42を反時計回りに回動させる。
さらに詳しく述べると、ブレーキ比率制御摺動面421が接触する摺動部521は、ブレーキ比率制御摺動面421の山からブレーキ比率制御摺動面421の谷へ下る方向に沿って移動することで、前輪ブレーキ力の比率を次第に上昇させる。
この過程は、前後輪ブレーキ力の比率を連続的に変化させるので、後輪ブレーキと前輪ブレーキとが作動する時間差は設定できる。
図11に示されるように、本実施例の上述した操作は、図11の曲線Eとして示すことができ、かつ、本実施例の曲線Eは、理想曲線Aに近似している。
なお、理想曲線Aからの距離Tは、理想曲線Aは実際の構造による制限を考慮しないものであるため、理想曲線Aに近づく変動範囲において、3〜5%をいわゆる安全余裕度とする。
曲線Eは、左ハンドルケーブルL2の入力が小さい場合、後輪のブレーキ力は、前輪のブレーキ力より大きく、左ハンドルケーブルL2の入力が大きい場合、前輪の最大ブレーキ比率は後輪のより大きいことも示しているので、本発明は、実務において車体の安定を保つ前提で、最大減速(すなわち最短ブレーキ距離)を達成できる。
当然ながら、左ハンドルケーブルL2にかけられた引く力が解除されると、広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム(10,10’)のドラッグロッドモジュール50、スイングアームモジュール40及びリンクレバー30などの部品は、第二弾性部材60、前輪ブレーキS3及び後輪ブレーキS4の回復力を応用して図5に示される元の位置まで戻ることができる。
【0027】
本発明は、車両の安全性に関わるブレーキシステムに応用されるものであるため、本発明のブレーキ連動システムが、前後連動ブレーキ及び変動ブレーキ比率の機能が失効した状況でも安全なブレーキ力を提供することを確保する必要がある。
図5図7〜9に示されるように、ブレーキ連動システム10が失効する状態は、前ブレーキケーブルL3或いは後ブレーキケーブルL4が破断する場合を含む。
【0028】
前ブレーキケーブルL3が破断する場合、左ハンドルケーブルL2が、スリーブ51を引いてドラッグロッド52に連動して下へ引き、傾動したドラッグロッド52が、リンクレバー30に連動して下へ引くと、前ブレーキケーブルL3は、前輪ブレーキS3による抵抗を失うため、ドラッグロッド52は、直ちに傾動できる限界の位置まで傾動する。
それと同時に、スイングアーム42も、ガイド部423を中心に反時計回りで傾動できる限界の位置(図10に示される)まで傾動し、この際、左ハンドルケーブルL2の引く力も、スリーブ51−ドラッグロッド52−スイングアーム42−第一連動部材43−連接座41などの部品経由で後ブレーキケーブルL4へ伝わることができ、これにより、後輪ブレーキS4の制動力を発生させる。
当然ながら、前ブレーキケーブルL3が破断した前提で後輪のみブレーキをかける場合に、左ハンドルケーブルL2の引く力をリンクレバー30の分力(傾動)へと力の分解をすると、後ブレーキケーブルL4の引く力も減少し、後輪ブレーキ力が不足しやすいので、前記第二連動部材44を応用してこういった状況を改善することができる。
以下に、改善構造を示す。
左ハンドルケーブルL2が、スリーブ51を引いてドラッグロッド52を傾動させて、ガイド部423を中心にスイングアーム42を反時計回りに傾動させる際、ドラッグロッド52及びスリーブ51の枢結部である軸511は、下へ移動する。
さらに、前記スイングアーム42が限界の位置まで傾動する前に、軸511が一歩先に第二連動部材44のレール441の端まで滑り落ち、第二連動部材44が、左ハンドルケーブルL2の引く力を伝える部材となる。
すなわち、スリーブ51−第二連動部材44−スイングアーム42−第一連動部材43−連接座41などの部品経由で力を分解させずに、左ハンドルケーブルL2の引く力が、直接後ブレーキケーブルL4に伝わり、これにより、速やかに十分な後輪ブレーキ力を発生させる。
また、後輪ブレーキS4のライニングが磨耗して、後輪ブレーキS4のライニングとハブとの距離が増加すると、一般的なブレーキ連動システムでは、後輪を先にブレーキさせる効果が失われるが、本発明の広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム(10,10’)では、ブレーキ比率制御摺動面421の山からブレーキ比率制御摺動面421の谷へ下る方向に沿って移動する過程により、後輪を先にブレーキさせる機能が確実に作動することを確保できる。
【0029】
後ブレーキケーブルL4が破断する場合、左ハンドルケーブルL2がスリーブ51を引いてドラッグロッド52に連動し、更に傾動するドラッグロッド52により、リンクレバー30が連動して、前ブレーキケーブルL3の下へ引く力を発生させ、前輪ブレーキS3の制動力を発生させる。
この場合、左ハンドルケーブルL2を引いても後輪ブレーキS4の制動力を発生させることはできないが、依然として、前輪ブレーキS3の制動力を発生させることができる。
【0030】
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。
従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0031】
A 理想曲線
B 線
C 線
D 曲線
E 曲線
S1 右ハンドルブレーキレバー
S2 左ハンドルブレーキレバー
S3 前輪ブレーキ
S4 後輪ブレーキ
L1 右ハンドルケーブル
L2 左ハンドルケーブル
L3 前ブレーキケーブル
L4 後ブレーキケーブル
10、10’ ブレーキ連動システム
20 本体
21 筐体
211 台座
212 ボックス
22 主動側
23 受動側
30,30’ リンクレバー
31,31’ 溝穴
311’ 下縁
32,32’ 係止部
40 スイングアームモジュール
41 連接座
42 スイングアーム
421 ブレーキ比率制御摺動面
422 摺動溝
423、423’ ガイド部
424、424’ 弾性部材
425 ピン
43 第一連動部材
44 第二連動部材
441 レール
50 ドラッグロッドモジュール
51 スリーブ
511 軸
52 ドラッグロッド
521 摺動部
60 第二弾性部材
61 クリップ
70 ブレーキ配分器
71 筐体
72 モジュレーター
721 入力部
722 出力部
73 摺動ブロック
731 固結部
732 摺動構造
【要約】      (修正有)
【課題】ブレーキ効能を向上させることができるブレーキ連動システムを提供することにある。
【解決手段】広い変動ブレーキ比率範囲を有するブレーキ連動システム10であって、本体20には、スイングアームモジュール40は、連接座41、スイングアーム42及び第一連動部材43を有し、スイングアームは、ブレーキ比率制御摺動面421、摺動溝422及びガイド部423を有し、摺動溝には弾性部材424に連接されるピン425が設けられ、ドラッグロッドモジュール50は、スリーブ51とドラッグロッド52とを含み、ドラッグロッドは一端がスリーブに枢結され、他端はブレーキ比率制御摺動面に跨設される摺動部521を有し、ドラッグロッドは、規定された力に達するまで引かれると、摺動部は、ブレーキ比率制御摺動面に沿って、左ハンドルケーブルの引く力と釣り合う位置まで坂を下るように移動し、前後輪のブレーキ力比率を変更する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15