(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
情報を交換するために、前記データ集中器ユニットおよび前記レガシーAFMCに機能的に接続されたMCDU(Multipurpose Control Display Unit)を更に備える、請求項1に記載の飛行管理システム。
情報を交換するために、前記第2のデータ集中器ユニットおよび前記レガシーAFMCに機能的に接続された第2のMCDUを更に備える、請求項9に記載の飛行管理システム。
情報を交換するために、前記第2のデータ集中器ユニットに機能的に接続された第2の一体化フラット・パネル・ディスプレイを更に備える、請求項11に記載の飛行管理システム。
前記既存のFMSにNAV(Navigation)情報を提供するために、VHF NAV(Very High Frequency Navigation)受信機を更に備える、請求項1に記載の飛行管理システム。
情報を交換するために、前記データ集中器ユニットおよび前記レガシーAFMCにMCDUを機能的に接続するステップを更に備える、請求項14に記載の既存の飛行管理システムをグレードアップする方法。
情報を交換するために、前記データ集中器ユニットをディスプレイ制御パネルに接続するステップを更に備える、請求項15に記載の既存の飛行管理システムをグレードアップする方法。
情報を交換するために、前記データ集中器ユニットを一体化フラット・パネル・ディスプレイに機能的に接続するステップを更に備える、請求項16に記載の既存の飛行管理システムをグレードアップする方法。
NAV情報を前記既存の飛行管理システム(FMS)へ提供するために、VHF NAV受信機を提供するステップを更に備える、請求項14に記載の既存の飛行管理システムをグレードアップする方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図示を簡単および明瞭にするため、図面は概略的に構築するやり方で示され、周知の特徴および手法の説明および詳細は、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるため省略される。加えて、図面の中の要素は、必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。たとえば、図の中の或る要素の寸法は、本発明の実施形態の理解の改善を助けるように、他の要素に対して誇張されている。異なる図の中の同じ参照番号は、同じ要素を表す。
【0010】
説明および特許請求の範囲の中にある「第1」、「第2」、「第3」、および「第4」などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の系列的または時間的順序を説明するものではない。そのように使用された用語は、適当な状況のもとで相互に交換可能であり、本明細書で説明される実施形態は、たとえば、本明細書で図示または説明される系列以外の系列として動作が可能であることを理解すべきである。更に、「含む」および「有する」の用語および変形は、非排他的包含をカバーするように意図され、要素の列挙を備えるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置は、必ずしもそれらの要素に限定されず、明白には列挙されていない他の要素を含んでもよく、または、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置に固有でない他の要素を含んでもよい。
【0011】
説明および特許請求の範囲の中にある「左」、「右」、「前」、「後」、「頂点」、「底」、「上」、「下」などの用語は、説明目的で使用され、必ずしも永久的な相対位置を説明するものではない。そのように使用された用語は、適当な状況のもとで相互に交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、たとえば、本明細書で図示または説明される方位以外の他の方位で動作が可能であることを理解すべきである。
【0012】
「接続」、「接続される」、「接続する」、「接続している」、「結合」、「結合される」、「結合する」、「結合している」などの用語は、広く理解されるべきであり、2つ以上の要素または信号を電気的、機械的、および/または他のやり方で連結することを意味する。2つ以上の電気的要素は電気的に接続/結合されるかもしれないが、機械的または他のやり方では接続/結合されない。2つ以上の機械的要素は機械的に接続/結合されるかもしれないが、電気的または他のやり方では接続/結合されない。2つ以上の電気的要素は機械的に接続/結合されるかも知れないが、電気的または他のやり方では接続/結合されない。接続/結合は、任意の時間長、たとえば永久的または半永久的または単に瞬間的であってもよい。
【0013】
「電気的接続」、「電気的結合」などは、広く理解されるべきであり、電力信号、データ信号、および/または電気信号の他のタイプまたは組み合わせであるかを問わず、電気信号を関与させる接続/結合を含む。「機械的接続」、「機械的結合」などは、広く理解されるべきであり、全てのタイプの機械的接続/結合を含む。
【0014】
「接続される」および/または「結合される」などの語句の近くに「取り外し可能に」、「取り外し可能な」などの語句が存在しないことは、問題とされる接続および/または結合などが、取り外し可能であること、または取り外し可能でないことを意味しない。
【0015】
説明および特許請求の範囲の中にある「主要」の用語は、説明目的で使用され、必ずしも相対的重要性を説明するものではない。たとえば、「主要」の用語は、第1のコンポーネントおよび同等の冗長コンポーネントを区別するために使用され得る。しかしながら、「主要」の用語は、いわゆる主要コンポーネントと冗長コンポーネントとの重要性の差を暗示することを必ずしも意図されない。他の意味で明白に陳述されていない限り、冗長コンポーネントは、主要コンポーネントと並行して、および/または主要コンポーネントの予備として(たとえば、コンポーネント/システムが故障した場合)、システムの主要コンポーネントと相互交換的に動作し得るものとして取り扱われるべきである。
【0016】
ここで図面を詳細に参照する。最初に
図1を参照すると、従来のMD−80/90航空機に通常搭載される典型的な先行技術のレガシーMD−80/90航法システム100を図示する
図1の簡単な説明が、本発明のレガシーシステム100のグレードアップについての次の説明を理解するために助けとなると思われる。例示を目的として、
図2に、グレードアップされた飛行管理システム200の好ましい実施形態を示す。
図1の既存の飛行管理システムの既存すなわちレガシーコンポーネントであって、本発明に従って
図1のシステムをグレードアップした後に残るコンポーネントについては、
図2で同じ参照番号が利用される。
図1で示されるように、本発明に従ってグレードアップされる先行技術すなわち既存の飛行管理システム100は、例として、ボーイング社、および現在ではボーイング社の一部分であるマクドネル・ダグラス社によって以前に提供された既存のMD−80/90航空機に通常搭載される従来のレガシーMD−80/90航法システムを参照して説明される。
【0017】
図1で示されるように、典型的なMD−80/90航空機に搭載される既存の先行技術飛行管理システムすなわちFMS100は、通常、パイロットおよび1等航空士のために冗長システムを含む。既存のMD−80/90航空機に通常装備される冗長FMSシステム100は、2つの従来の慣性参照ユニットすなわちIRU110、120、2つの従来のVHF NAV受信機116、118、2つの従来のDME受信機112、122、従来のマーカビーコン受信機119、2つの従来の多目的制御ディスプレイユニットすなわちMCDU130、132、共通の従来の先進飛行管理コンピュータすなわちAFMC105、2つの従来の中央空調データコンピュータすなわちCADC111、121、および2つの従来の飛行案内コンピュータすなわちDFGC113、123を含む。加えて、
図1で更に示されるように、既存の従来のFMSシステム100は、通常、従来の記号生成器134、136、GMTをAFMC105へ提供するための従来のシステムクロック138、2つの従来のVHF全方向式無線すなわちVOR140、142、2つの従来のDME同調コンバータ144、146、および飛行乗務員を構成するパイロットおよび1等航空士へ飛行情報を表示する一対の従来の飛行ディスプレイ148、150を更に含む。
図1で更に示されるように、IRU110、120は、それぞれARINC429データバスを介してAFMC105および記号生成器134、136に接続され、CADC111、121は、それぞれARINC575データバスを介してAFMC105および記号生成器134、136に接続され、DME112、122、VOR140、142、および更にDFGC113、123は、ARINC429データバスを介してAFMC105に続される。
図1のFMSシステム100によって示される従来の先行技術レガシーMD−80/90航法ソリューションにおいて、共通のAFMC105は、航空機のために水平方向案内、垂直方向案内、および性能計算を計算するために利用される。それを行うとき、AFMC105は、位置データについて2重INU入力に頼り、既知の基準からのDME距離に基づき補正を適用することによって、混合された位置ソリューションを従来のように生成する。
【0018】
図2および他の図を参照して下記で詳細に説明されるように、本発明のグレードアップされたFMSシステム200は、既存の飛行管理システム、たとえば
図1で示される既存の飛行管理システムすなわちFMS100をグレードアップし、好ましくは機能性を追加し、今日の要件が与えられるとすれば、先行技術の飛行管理システム、たとえば
図1で示される先行技術のFMSシステム100に存在する既存のシステム欠陥を克服する実行可能な費用効果的ソリューションを提供する。たとえば、下記で説明されるように、本発明のグレードアップされたFMSシステム200は、FMS航法データベース記憶容量を増加し、GPSに基づく航法ソリューションを利用するRNP
(Required Navigational Performance)、VNAV
(Vertical Navigation)およびRNAV
(Area Navigation)能力を提供し、および/または到達要求時刻すなわちRTA
(Required Time of Arrival)能力を提供することが期待される。これらの全ては、本発明に従ってグレードアップされる既存のFMSシステム100の機能性を増加し、システム欠陥を克服することを支援する。
【0019】
ここで
図2を参照すると、
図2は本発明に従ってグレードアップされた既存の飛行管理システム(FMS)200を示す。既存のFMSシステム100の既存のコンポーネントであって、グレードアップされたFMSシステム200の中に残るものは、
図1で利用される同じ参照番号を有する。
図2を参照して説明されるグレードアップされた既存のFMSシステム200は、本発明に従ってグレードアップされるシステムの単なる例であり、本明細書で提示される実施形態へ本発明が限定されることは意図されない。
【0020】
図2で示されて好ましいとされるように、グレードアップされたFMSシステム200は、既存の飛行管理システム100の中に存在していたレガシーAFMC
(Advanced Flight Management Computer)、105、ならびにレガシーIRU
(Inertial Reference Unit)110、120、CADC
(Central Air Data Computer)111、121、VHF NAV
(Very High Frequency Navigation)受信機116、118、DME
(Distance Measuring Equipment)受信機112、122、およびDFGC
(Digital Flight Guidance Computer)113、123を保持する。レガシーAFMC105は、好ましくは、以前に証明されたその性能能力を活用するために、グレードアップされたFMSシステム200の中に保持される。既存のMCDU
(Multipurpose Control Display Unit)130、132は、好ましくは、新しいMCDU225、255で置換される。新しいMCDU225、255は好ましくは航法コンピュータ280、282を含む。航法コンピュータ280、282は飛行計画を管理し、水平方向および垂直方向案内、自動スロットル制御を生成し、レガシーAFMC105を構成および同期化して、それが飛行中に航空機性能パラメータの計算を続けることを許す。好ましくは、MCDU225、255の上に現れるAFMC性能に基づくページは、ARINC739プロトコルによりMCDU225、255を介してアクセス可能である。そのような性能に基づくページは、例として、
図6〜
図17に示される。
【0021】
好ましくは、
図2のグレードアップされたFMSシステム200の中のAFMC105の性能データは、飛行の各区間(レグ、leg)の推定到達時間および最終目的地への推定到達時間、予測される区間速度および高度区間巡航風、残距離のような進展、ETAおよび残存燃料、現在の速度モード、たとえばLRC/ECONに関連づけられたパラメータ、選択された対気速度すなわちマッハ、限定速度、たとえばVMO、MMO、フラップ、アルファ、速度オーバーライド、およびエンジン・アウト・モード、降下頂点(top of decent)、上昇頂点(top of climb)、ステップ上昇、および燃料量および使用された燃料を提供するために利用される。所望の飛行計画ルートは、好ましくはRNP能力を有するNAV
(Navigation)コンピュータ280、282へ入力されて計算される。本発明の好ましいシステム200において、飛行計画ページは既存のAFMC105ページを複製したフォーマットである。好ましくは、飛行計画のサブセットは、従来のARINC739インタフェースを介して、MCDU225、255の中に置かれたNAVコンピュータ280、282からレガシーAFMC105へ自動的に転送される。好ましくは、本発明のグレードアップされたFMSシステム200において、飛行計画のサブセットは、出発地、目的地、および中間ウェイポイントから構成される。SIDSおよびSTARの上のウェイポイントは、好ましくは、緯度経度データを介してレガシーAFMC105へ転送される。というのは、本発明のAFMC105データベースは、全ての必要なターミナル手順を含まず、より小さいデータベースの保持を許すので、既存のFMSシステム100に存在するメモリ制限問題を克服するうえで、アップグレードされたFMSシステム200を支援する。
【0022】
好ましくは、本発明のグレードアップされたFMSシステム200において、レガシーAFMC105は航空機のために最良性能に基づき降下頂点および上昇頂点ウェイポイントを計算し、これらのウェイポイントをARINC702データバスで各データ集中器ユニット201、251へ送信する。DCU201、251は、それぞれNAVコンピュータ280、282へ接続され、好ましくは、この情報をNAVコンピュータ280、282へ中継する。好ましくは、NAVコンピュータ280、282は、順番に、その情報を航空機の飛行プロフィールの中に含める。
【0023】
AFMC105は、好ましくは、緯度および経度によって参照されるウェイポイント挿入を許容するインタフェースページを提供する。採用されるレガシーAFMC105に依存して、このインタフェースは、緯度値および経度値の双方を、フォーマットによって、たとえば1分の1/10の正確さすなわち1つの小数点(少数第1位)の正確さに限定される。そのような場合、同等のAFMCウェイポイントの解決は、たとえば約608フィートへ限定される。しかしながら、そのような不正確度は、AFMC105によって計算される性能ソリューションに有意ではなく、NAVコンピュータ280、282によって提供される水平方向および垂直方向案内には関係しないと思われる。
【0024】
ここで、本発明のグレードアップされたFMSシステム200で採用される慣性参照ユニットすなわちIRU110、120を参照すると、これらのIRU110、120は、グレードアップされたFMSシステム200のための航法ソリューションを生成するため、レガシーAFMC105によって利用される位置データ、すなわち緯度および経度の主要な源である。通常、IRU位置は初期設定または整合の直後に最も正確であり、IRUが再整合されるときまで飛行中に劣化することは公知の事実である。本発明のグレードアップされたFMSシステム200において、NAVコンピュータ280、282は、それぞれ好ましくはIRU110、120からの位置データに頼る。これらの位置データは、主要な航法について、従来の2重ベータ3GPS受信機202、252を用いて増大されている。GPSデータをIRU位置データと混合するため、好ましくはカルマン・フィルタ・アルゴリズムが利用される。この混合されたGPS/IRUデータは、好ましくは、正規のIRU生成データの代わりに、AFMC105へ送信される。本発明によれば、或る時間量にわたってGPSデータが利用可能でない場合、IRU位置情報を増大するために、好ましくはDME受信機112、122からのデータが使用される。加えて、好ましくは、NAVコンピュータ280、282はMCDUページを含む。MCDUページは、航空機がゲートに存在する間、IRU110、120の整合を許す。更に、好ましくは、IRU110、120の位置は、もし所望されるならば、GPS位置および時間データを使用して再初期設定され得る。
【0025】
本発明の好ましいグレードアップされたFMSシステム200において、NAVコンピュータ280、282は、好ましくは、提供された自動操縦および自動スロットル機能の制御権限を常に維持するために、それぞれディジタル飛行案内コンピュータすなわちDFGC113、123と直接インタフェースする。
【0026】
更に、グレードアップされたFMSシステム200によって提供される好ましい航法ソリューションは、前述したクラスベータ3GPS受信機202、252に加えて、2つの従来のTSO−C190アンテナを利用する。GPS受信機202、252は、例として、TSO−C145cクラスベータ3GPS受信機である。結果のGPS信号は、好ましくは、それぞれのDCU201、251へ送り込まれ、IRU110、120からの位置情報の増大に使用される。
【0027】
グレードアップされたFMSシステム200における好ましい航法ソリューションは、好ましくは、2つのNAVコンピュータ280、282の周りに構築される。2つのNAVコンピュータ280、282は、例として、DO−229D、DO−238A、およびDO−236Bに準拠し、RNP能力を有する。これらのNAVコンピュータ280、282は、例として、TSO−C146cガンマ3に準拠して追加のRNAVおよびVNAV RNP能力を有し、好ましくは、それぞれ空間および電力要件を低減するために、MCDU225、255エンクロージャの中に格納される。もっとも、もし所望されるならば、これらのコンピュータは、そこに格納される必要はない。例として、MD−80/90FMSシステムに関して説明される本発明のFMSシステム200において、NAVコンピュータ280、282の各々は、好ましくは、RNP0.3能力を有し、既存のAFMC105のデータベース限定を有しない。好ましくは、グレードアップされたFMSシステム200のFMSメニュー構造は、既存のAFMC105のメニュー構造の複製であるが、従来スタイルのメニューをエミュレートするために設計された追加の特徴を提供する。
【0028】
MCDU225、255の各々は、好ましくはマイクロプロセッサを含む。これらのマイクロプロセッサは、MCDU225、255に制御ロジックの遂行能力を与える。制御ロジックの或るものは、グレードアップされるレガシー機器では利用できない。各々のMCDU225、255は、好ましくは、従来のARINC739A準拠インタフェースを介して周辺機器、たとえばACARSをサポートする。それぞれのMCDU225、255は、好ましくは、同じくARINC739Aインタフェースを介して、AFMC105へのインタフェースとして働く。
【0029】
本発明におけるNAVコンピュータ280、282は、好ましくは、飛行計画ウェイポイントのために到達要求時刻すなわちRTA、ならびにRTA制約を満たすための要求区間対気速度を計算し得る。好ましいNAVコンピュータ280、282は、好ましくは、レグ(LEGS)メニューページを介して特定ウェイポイントへのRTA能力を提供する。これに関して、RTAが飛行計画ウェイポイントの1つで確立されたとき、それぞれのNAVコンピュータ280、282は、到達要求時刻を達成するため、そのウェイポイントへ至る区間について区間速度を指令する。好ましくは、指令された対気速度の境界チェックは、航空機が安全な対気速度包絡線(エンベロープ)の中で作動されることを保証するために遂行され、もし安全な対気速度制限に起因してRTAが達成可能でなければ、好ましくは警告がパイロットへ提供される。
【0030】
AFMC105は、好ましくは、現在の航空機性能に基づき飛行計画中の区間の各々について到達推定時刻すなわちETAを継続的に計算し、NAVコンピュータ280、282は、このETAを使用して、指定されたウェイポイントへRTAに到達するために必要な速度を決定する。好ましくは、飛行が進展するにつれて、NAVコンピュータ280、282は、計算されたETAをモニタし、それに従って区間速度を修正する。各々の飛行計画区間は、好ましくは、従わねばならない適切な速度制約を決定するために解析される。最良性能に基づくAFMC105区間速度は、好ましくは、RTAが指定されなかった場合に、NAVコンピュータ280、282によって使用される。
【0031】
好ましくは、飛行経路の非連続性は、NAVコンピュータ280、282によって解決され、飛行計画の修正としてAFMC105へ送信される。AFMC105は、通常、その飛行計画が緯度/経度座標を接続することによって作成されたとき、直接のポイント間区間を仮定するが、小さい偏差、たとえば飛行経路の非連続性に起因する偏差は、好ましくは、AFMC105で計算された性能データに有意の誤差を作り出さない。緯度/経度座標を使用して飛行計画を転送することは、規定された経路からの偏差を生じ得る全ての屈曲RFタイプの区間を排除する。しかしながら、本発明に従って、この偏差は屈曲経路を近似する追加のウェイポイントを挿入することによって最小化され、こうしてAFMC105の性能計算に対する有意のインパクトを最小化する。これは
図5で示される。
図5は、AFMC105への屈曲区間の転送を示している。注意すべきは、速度制約はRTA要件を満たすため区間ごとに手作業で入力されるか、AFMC105から決定されてもよいが、公開された手順および航空機限定に関連づけられた制約は、好ましくは、対気速度について超えるべきでない包絡線(エンベロープ)を提供するために使用される。好ましくは、RTAは、主として、降下頂点に先立って速度を調整することによって達成され得る。
【0032】
これまで論じたように、様々な性能計算は、好ましくは、AFMC105から取得され、航法コンピュータ280、282によって使用される。たとえば、各区間のETAと最終目的地のETAは、好ましくは、A739進展ページを介してAFMC105に質問することによって、航法コンピュータ280、282で利用可能にされる。情報は、好ましくはテキストデータを介して受け取られ、航法コンピュータ280、282によって数字フォーマットへ翻訳される。その後、航法コンピュータ280、282は、好ましくは、このデータを使用してRTA性能を照合する。
【0033】
他の性能計算は、好ましくは、予測区間速度および高度区間巡航風である。一般的に、この情報は航法コンピュータ280、282によって要求されず、従来のA739インタフェースの役割としてパイロット情報および修正のために表示されるにすぎない。同様に、残距離、ETA、および残存燃料も一般的には航法コンピュータ280、282によって要求されず、パイロット情報のために表示されるだけである。これは、好ましくは、現在の速度モードおよび燃料量および使用された燃料についても当てはまる。これらは航法コンピュータ280、282によって要求されず、従来のA739インタフェースの役割としてパイロット情報および修正のために表示されるだけである。
【0034】
更に、他の性能計算は降下頂点である。降下頂点は、好ましくは、降下終了のパイロット入力に基づき計算される。この情報は、好ましくは、ARINC702プロトコルによってAFMC105からDCU201、251へ送信され、境界チェックがデータ上で遂行された後に、航法コンピュータ280、282によって飛行プロフィールへ挿入される。好ましくは、降下頂点において、航法コンピュータ280、282は遊休推力およびピッチダウンを指令し、AFMC/DFGC105、113、123送信バスから取得された目標対気速度を追跡する。指令対気速度は、好ましくは、それぞれのDFGC113、123へ送信される前に航法コンピュータ280、282によって境界チェックされる。好ましくは、目標EPRおよび/または目標対気速度への修正は、モニタされ、境界チェックが航法コンピュータ280、282によって遂行された後に、それぞれのDFGC113、123へ渡される。
【0035】
更に、好ましくは遂行される他の性能計算は、上昇頂点である。上昇頂点は、好ましくは、各高度制約への上昇限定推力に基づいて計算される。上昇頂点は、好ましくは、ARINC702プロトコルによってAFMC105からDCU201、251へ送信され、それぞれの航法コンピュータ280、282によって飛行プロフィールへ挿入される。好ましくは、上昇中に、AFMC105は要求される推力およびピッチを計算する。航法コンピュータ280、282は、上昇限定推力およびピッチを指令し、AFMC/DFGC105、113、123送信バスから取得されたプロフィールを追跡する。指令は、好ましくは、それぞれのDFGC113、123へ送信される前に、航法コンピュータ280、282によって境界チェックされる。好ましくは、自動スロットル指令および/またはピッチへの修正は、モニタされ、境界チェックが航法コンピュータ280、282によって遂行された後に、それぞれのDFGC113、123へ渡される。
【0036】
更に、好ましくは遂行される他の性能計算は、ステップ上昇ポイントである。ステップ上昇ポイントは、好ましくは、最適高度および選択された経済モードに基づきAFMC105によって計算される。好ましくは、航空機の上昇中に、AFMC105は要求される推力およびピッチを計算する。航法コンピュータ280、282は、好ましくは、上昇限定推力およびピッチを指令して、AFMC/DFGC105、113、123送信バスから取得されたプロフィールを追跡する。指令は、好ましくは、それぞれのDFGC113、123へ送信される前に、航法コンピュータ280、282によって境界チェックされる。上昇頂点の場合と同じように、ステップ上昇の場合も、自動スロットル指令および/またはピッチへの修正は、好ましくは、モニタされ、それぞれの航法コンピュータ280、282によって境界チェックが遂行された後に、DFGC113、123へ渡される。
【0037】
前に論じたように、航法コンピュータ280、282は、好ましくは、航空機の飛行の全ての段階で、それぞれのDFGC113、123への自動スロットル、ピッチ、およびロール指令を支配する。航空機の進入段階では、より少ない優先順位が、好ましくは、AFMC105によって提供される性能関連のピッチおよび自動スロットル指令へ与えられる。制御コマンドは、好ましくは、最終進入の全体で航空機のために要求される進入経路について垂直、水平、および最適対気速度を維持するため、航法コンピュータ280、282によって計算および実行される。好ましくは、航空機の進入復行中の案内も、RNP要件を満たすために、航法コンピュータ280、282によって計算および維持される。
【0038】
好ましくは提供されるメニューインタフェースに関しては、MCDU225、255は、好ましくは、全ての性能ページのためにARINC739プロトコルによって既存のAFMC105メニュー構造を利用する。航法コンピュータ280、282は、好ましくは、グレードアップされたシステム200のパイロット訓練の最小化を助け、好ましくは、本発明のグレードアップされたFMSシステム200の運用が、FMSシステムがグレードアップされた航空機の上で飛行乗務員が精通していた既存の飛行管理システム100から可能な限りシームレスに遷移することを助けるため、飛行計画について既存のAFMC105のメニュー構造を複製する。これに関して、好ましくは、航法コンピュータ280、282は、常にAFMC105の絶対的理解を維持し、既存のレガシーAFMC105と同じやり方でパイロット入力へ反応する。たとえば、航法コンピュータ280、282は、AFMC105がMCDU225、255から期待する同じ方法で、ARINC739プロトコルによって飛行計画情報をAFMC105へ転送する。更に、AFMC105との通信は、好ましくは、MCDU225、255ページインタフェースの自動的使用に基づいており、本発明のFMSシステム200は、
図6〜
図17に関して一層詳細に論じられるように、好ましくは、AFMC105性能ページへの直接アクセスを許し、他のAFMC105性能ページに置かれた様々なパラメータについて通信を自動化する。
【0039】
図2で示されて好ましいとされるように、
図1のディスプレイ148および150は、それぞれ従来の一体化フラット・パネル・ディスプレイ235、265を備える。一体化フラット・パネル・ディスプレイ235、265は、関連づけられた従来のディスプレイ制御パネル230、260を有し、これらのディスプレイ制御パネル230、260は、関連づけられたフラット・パネル・ディスプレイ235、265および対応するMCDU225、255の間に接続され、同様に
図2で示されるように、それぞれのDCU201、251へ接続される。
【0040】
図3Aに示されるように、好ましい飛行管理システム200は、飛行乗務員による航空機300の制御を可能にするために、航空機300に搭載される。前に述べたように、航空機300に搭載されたグレードアップされたFMSシステム200の中に格納されたレガシーAFMC105は、好ましくは、依然として航空機300の飛行中に、その航空機性能能力を活用し得る。これに関して、
図6〜
図17を参照して下記で説明されるように、好ましくは、レガシーAFMC105は、本発明のグレードアップされたFMSシステム200の中で性能計算に利用されるので、性能に関するメニューページは、好ましくは、MCDU225、255を介して直接にアクセス可能である。これに関して、これらの初期設定ページは、性能初期設定、離陸参照、および進入参照のようなページを含む。
【0041】
性能ページを詳細に説明する前に、
図3Bは、例として、それぞれのMCDU225、255の中に置かれた航法コンピュータ280、282の前述された関連機能を実行させるために採用されるソフトウェアの典型的なシステムフローチャートを示している。たとえば、航法コンピュータ280、282は、
図3Bのシステムフローチャートで示される機能を実行するために、従来どおりC言語でプログラムされる。
図3Bのシステムフローチャートに従って、MCDU/NAVユニットは、飛行計画目的のためにパイロットへの主要インタフェースとして動作する。MCDU/NAV内部航法データベースは、様々な航法ポイントに関する情報を検索し、計画された飛行経路の計算を支援するために利用される。その後、計画された飛行経路は、レガシーAFMC105へ転送され、レガシーAFMC105は、最適の燃料燃焼およびルート時間について従来のように性能パラメータを計算することを許される。次に、航法コンピュータ280、282によって、レガシーAFMC105の推力および対気速度目標が従来のように解析され、その後、水平方向、垂直方向、推力、および対気速度目標から成る最終セットがDFGC113、123に提供される。システムフローチャートは自明であり、本発明のグレードアップされたFMSシステム200の中の航法コンピュータ280、282の好ましい動作を理解するためには、これ以上詳細に説明する必要はない。
【0042】
ここで
図6を参照すると、少なくとも1つのメニューページは、レガシーAFMC105(
図2)へ性能計算を提供するためのAFMC初期設定ページを備え得る。好ましくは、AFMC初期設定ページは、下記で説明されるように、性能初期設定ページ、離陸参照ページ、または進入参照ページの少なくとも1つへのアクセスを許容し得る。
【0043】
ここで
図7Aおよび
図7Bを参照すると、少なくとも1つのメニューページは位置初期設定ページ(
図7A)を備え、他のメニューページは位置参照ページ(
図7B)を備え得る。位置初期設定ページ(
図7A)は、初期設定および/またはIRU110、120(
図2)の検証および/またはレガシーAFMC105(
図2)の選択を許容し、位置参照ページ(
図7B)は位置の検証を許容し得る。
【0044】
ここで
図8を参照すると、少なくとも1つのメニューページは性能初期設定ページを備え得る。性能初期設定ページは、レガシーAFMC105(
図2)へ提供される燃料、重量、および/または性能構成の入力を許容し得る。
【0045】
ここで
図9を参照すると、少なくとも1つのメニューページは離陸参照ページを備え得る。離陸参照ページは、レガシーAFMC105(
図2)へ提供される離陸性能および参照速度構成の入力を許容し得る。
【0046】
ここで
図10を参照すると、少なくとも1つのメニューページは進入参照ページを備え得る。進入参照ページは、レガシーAFMC105(
図2)へ提供される進入性能および参照速度構成の入力を許容し得る。
【0047】
ここで
図11を参照すると、少なくとも1つのメニューページはレガシーAFMCレグ(LEGS)ページを備え得る。このページは、示される例では、「ACTルート1レグ」の名称を有する。このメニューページは、本発明に従って、MCDUインタフェースを使用してレガシーAFMC105(
図2)へ転送される実際のルート1レグページを示す。
【0048】
ここで
図12を参照すると、少なくとも1つのメニューページは、前に参照されたように、AFMC上昇ページを備え得る。このページは、示された例では、「ACT250ノット上昇」の名称を有する。このページは、航空機300(
図3)の飛行の各区間について巡航高度および/または速度詳細のようなパラメータを表示し得る。
【0049】
様々な実施形態において、少なくとも1つのメニューページはルートメニューページ(図示されず)を備え得る。そのような場合、ルートメニューページは、VHF NAV受信機116(
図2)および/またはレガシーAFMC105(
図2)へ提供される飛行計画を入力するためのインタフェースを提供し得る。更なる実施形態において、少なくとも1つのメニューページは、飛行計画の選択されたウェイポイントにおける待機パターンを規定するための待機メニューページ(図示されず)を備え得る。
【0050】
他の実施形態において、少なくとも1つのメニューページは、VHF NAV受信機116(
図2)へ提供される出発および/または到達手順を選択するための出発および/または到達ページ(図示されず)を備え得る。出発および/または到達手順は、VHF NAV受信機116(
図2)の航法データベースの中に記憶され、レガシーAFMC105へ転送され得る。
【0051】
様々な実施形態において、少なくとも1つのメニューページは1つまたは複数の進展ページ(図示されず)を備え得る。各々の進展ページは、航空機300(
図3A)の飛行計画の中の各々の区間について高度、残距離、ETA、または燃料燃焼の少なくとも1つを表示する。そのような場合、このデータのいずれかは、レガシーAFMC105(
図2)から自動的に検索され得る。更に、少なくとも1つのメニューページは、フィックス情報についてVHF NAV受信機116の航法データベースに質問するためのフィックスページ(図示されず)を備え得る。さらに、少なくとも1つのメニューページは上昇ページを備え得る。上昇ページは、航空機300(
図3A)について、上昇性能モードを選択し、および/または上昇制約(たとえば、巡航高度、上昇モード、速度制約など)を指定するためのページである。
【0052】
ここで
図13を参照すると、幾つかの実施形態において、メニューページはエンジンアウト上昇ページを備え得る。そのような場合、エンジンアウト上昇ページは、単一エンジン性能データに基づき上昇性能を再計算するためのインタフェースを提供し得る。様々な実施形態において、エンジンアウト上昇ページは、前に説明したように、上昇ページを介してアクセスされ得る。
【0053】
ここで
図14を参照すると、幾つかの実施形態において、メニューページは巡航ページを備え得る。巡航ページは、巡航性能モードを選択し、および/または、たとえば
図14で示される経済値のように、航空機300(
図3A)について巡航制約(たとえば、巡航高度、ドリフトダウン高度、巡航対気速度、最小安全動作速度など)を指定するためのページである。ここで
図15を参照すると、メニューページはエンジンアウト巡航ページを備え得る。エンジンアウト巡航ページは、単一エンジン性能データに基づき巡航性能を再計算するためのインタフェースを提供する。多くの実施形態において、エンジンアウト巡航ページおよび巡航ドリフトダウンページ(図示されず)は巡航ページからアクセスされ得る。
【0054】
ここで
図16を参照すると、メニューページは降下ページを備え得る。降下ページは、
図16に示される経済値のように、飛行の降下段階を規定するためのインタフェースを提供する。そのような場合、降下ポイントの頂点で降下を決定および開始するため、レガシーAFMC105(
図2)は降下ページを介して提供される入力へ構成され得る。
【0055】
ここで
図17を参照すると、メニューページは降下予測ページを備え得る。降下予測ページは、追加の降下パラメータ(たとえば、予測風、防氷など)を規定するためのインタフェースを提供する。
【0056】
ここで、
図4(
図4A,
図4B)は、レガシーAFMC105を有する既存のFMS、たとえば前に説明したFMSシステム100をグレードアップする方法400の例示的フローチャートを示している。その方法400は、既存のFMS100の上に、追加された機能性を提供し、グレードアップされた既存のFMS200が、少なくとも増加された航法データベース記憶容量の能力、および/またはGPSに基づく航法ソリューションを利用するRNP、VNAVおよびRNAV能力、および/またはRTA能力を有することを可能にし、同時に依然として、レガシーAFMCが、グレードアップされた既存のFMS200を搭載された航空機300の飛行中に、その航空機性能を活用することを可能にするための方法である。
図4に示される方法400は、単なる例であることを意図され、本明細書で提示されるFMSシステム200の実施形態へ限定されない。方法400は、本明細書で具体的に図示または説明されない多くの異なる実施形態または例の中で採用され得る。幾つかの実施形態において、方法400の活動、手順、および/またはプロセスは、提示された順序で遂行され得る。他の実施形態において、方法400の活動、プロセス、および/または手順は、他の適切な順序で遂行され得る。更に他の実施形態において、方法400における活動、プロセス、および/または手順の1つまたは複数は、組み合わせられるかスキップされ得る。こうして、
図4は、最初に航空機300へ搭載された既存のFMSシステム100から、本発明の好ましいグレードアップされたFMSシステム200を達成するために、好ましくは遂行される様々なステップの例にすぎない。留意すべきこととして、これらのステップは、究極的に
図2のグレードアップされたFMSシステム200を生じる限り、特定の順序で遂行される必要はない。
【0057】
もちろん、修正が、本明細書の仕様および下記の特許請求の範囲で記述された本発明の趣旨および範囲から逸脱しない限り、そのような修正は、本明細書で説明されたグレードアップシステム200および方法へ行われてもよい。