(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のBEMSからのデータを一元管理するCEMS(Cluster/Community Energy Management System)等のシステムでは、複数のBEMS間でエネルギーの消費量を比較して削減の余地を検討することができる。また、各BEMSから提供されるエネルギー使用量が、どのような場所にあるどのような機器のエネルギー使用量なのか等の点で詳細に区分されていれば、より細かな視点でエネルギー使用量の削減を具体的に検討することができる。このように、参加するBEMSの数が多ければ多いほど、提供されるエネルギー使用量の情報が詳細であればあるほど、CEMSの利便性が増すことになる。
【0005】
しかし、エネルギー使用量について、どのような場所にあるどのような機器の情報なのか等を公開することは、その施設を使用または管理している企業等のプライバシーを公開することになり、セキュリティ等の点で様々な問題を生じる可能性がある。
【0006】
そのため、そのようなリスクをおそれるあまり、BEMSを使用している各企業等は、積極的にCEMSにエネルギー使用量の詳細情報を提供したがらない場合がある。そのため、CEMSに参加するBEMSの数が伸びず、CEMSの利便性が生かされないことになる。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、各施設の管理者がエネルギー使用量の情報の非開示を制御できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0009】
本願は、上記課題を解決するための手段を複数含んでいるが、その第一の態様を挙げるならば、それぞれの施設から当該施設で使用されたエネルギーの使用量の情報を収集して管理する使用量管理サーバであって、
それぞれの施設から当該施設で使用されたエネルギーの使用量の情報を収集する使用量収集部と、
前記使用量収集部が収集したエネルギーの使用量の情報を格納する使用量格納部と、
施設毎に、当該施設の施設名の情報を格納する施設情報格納部と、
エネルギーの使用量を開示する際の開示方法を指定する開示制御情報を格納する開示制御情報格納部と、
端末装置から要求があった場合に、前記使用量格納部に格納されているエネルギーの使用量の情報を開示する画面情報を作成して当該端末装置へ送信する使用量開示制御部と
を備え、
前記使用量開示制御部は、
施設名を開示しない開示方法を指定する開示制御情報が前記開示制御情報格納部に格納されている場合、開示するエネルギーの使用量を使用した施設の施設名に代えて、当該施設名とは異なる名称を用いて前記画面情報を作成する。
【0010】
上記した使用量管理サーバは、
前記端末装置からエネルギーの使用量の情報毎に開示制御情報を受け付け、受け付けた開示制御情報を当該エネルギーの使用量の情報に対応付けて前記開示制御情報格納部に格納する情報登録部をさらに備えてもよい。
【0011】
上記した使用量管理サーバにおいて、
前記開示制御情報格納部には、
エネルギーの使用量の情報毎に、前記開示制御情報の内容に関わらず、当該使用量のエネルギーを使用した施設の施設名を開示する第三者の情報を含む開示先情報がさらに対応付けられていてもよく、
前記使用量開示制御部は、
前記端末装置から要求があった場合に、当該端末装置のユーザが前記開示先情報に含まれている第三者に該当するエネルギーの使用量の情報については、施設名を開示しない開示方法を指定する開示制御情報が対応付けられていたとしても、当該使用量のエネルギーを使用した施設の施設名を用いて前記画面情報を作成してもよい。
【0012】
上記した使用量管理サーバにおいて、
前記使用量開示制御部は、
他の施設の使用量の情報と統計処理する場合に開示を許可する開示方法を指定する開示制御情報が対応付けられているエネルギーの使用量の情報については、他の施設の使用量の情報と統計処理した情報を用いて、当該使用量のエネルギーを使用した施設の施設名を用いることなく前記画面情報を作成してもよい。
【0013】
上記した使用量管理サーバにおいて、
前記統計処理には、複数の施設のエネルギーの使用量の情報を平均する処理が含まれていてもよい。
【0014】
上記した使用量管理サーバは、
前記画面情報を作成する処理の名称毎に、当該画面情報の作成に用いられるデータ系列として予め定められたエネルギーの使用量の識別情報を対応付けて格納する処理情報格納部をさらに備えていてもよく、
前記使用量開示制御部は、
前記端末装置から処理の名称を示す情報を受信した場合に、当該処理の名称に対応付けられているエネルギーの使用量の識別情報を前記処理情報格納部から抽出し、当該識別情報で特定されるエネルギーの使用量の情報を用いて前記画面情報を作成してもよい。
【0015】
上記した使用量管理サーバは、
前記端末装置からエネルギーの使用量の識別情報と共に処理の名称の情報を受け付け、受け付けたエネルギーの使用量の識別情報を、受け付けた処理の名称の情報に対応付けて処理情報格納部に格納する処理登録部をさらに備えていてもよい。
【0016】
上記した使用量管理サーバにおいて、
前記処理情報格納部内のデータ系列には、
1または複数のエネルギーの使用量の情報を用いた演算式を指定することができ、
前記使用量開示制御部は、
前記端末装置から処理の名称を示す情報を受信した場合に、当該処理の名称に対応付けられているデータ系列が演算式で指定されている場合、当該演算式で指定されているエネルギーの使用量の情報に当該演算式を適用したデータ系列をエネルギーの使用量の情報として前記画面情報を作成してもよい。
【0017】
また、本発明の第二の態様は、コンピュータを、それぞれの施設から当該施設で使用されたエネルギーの使用量の情報を収集して管理する使用量管理サーバとして機能させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
それぞれの施設から当該施設で使用されたエネルギーの使用量の情報を収集する使用量収集機能と、
前記使用量収集機能が収集したエネルギーの使用量の情報を記憶装置に格納する使用量格納機能と、
施設毎に、当該施設の施設名の情報を前記記憶装置に格納する施設情報格納機能と、
エネルギーの使用量を開示する際の開示方法を指定する開示制御情報を前記記憶装置に格納する開示制御情報格納機能と、
端末装置から要求があった場合に、前記記憶装置に格納されているエネルギーの使用量の情報を開示する画面情報を作成して当該端末装置へ送信する使用量開示制御機能と
を備え、
前記使用量開示制御機能は、
施設名を開示しない開示方法を指定する開示制御情報が前記記憶装置に格納されている場合、開示するエネルギーの使用量を使用した施設の施設名に代えて、当該施設名とは異なる名称を用いて前記画面情報を作成する。
【0018】
また、本発明の第三の態様は、それぞれの施設から当該施設で使用されたエネルギーの使用量の情報を収集して管理する使用量管理サーバにおける使用量管理方法であって、
前記使用量管理サーバが、
それぞれの施設から当該施設で使用されたエネルギーの使用量の情報を収集する使用量収集ステップと、
前記使用量収集ステップにおいて収集したエネルギーの使用量の情報を記憶装置に格納する使用量格納ステップと、
施設毎に、当該施設の施設名の情報を前記記憶装置に格納する施設情報格納ステップと、
エネルギーの使用量を開示する際の開示方法を指定する開示制御情報を前記記憶装置に格納する開示制御情報格納ステップと、
端末装置から要求があった場合に、前記記憶装置に格納されているエネルギーの使用量の情報を開示する画面情報を作成して当該端末装置へ送信する使用量開示制御ステップと
を実行し、
前記使用量開示制御ステップにおいて、前記使用量管理サーバは、
施設名を開示しない開示方法を指定する開示制御情報が前記記憶装置に格納されている場合、開示するエネルギーの使用量を使用した施設の施設名に代えて、当該施設名とは異なる名称を用いて前記画面情報を作成する。
【0019】
また、本発明の第四の態様は、それぞれの施設から情報を収集して管理する情報管理サーバであって、
それぞれの施設から情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部が収集した情報を格納する情報格納部と、
施設毎に、当該施設の施設名の情報を格納する施設情報格納部と、
情報を開示する際の開示方法を指定する開示制御情報を格納する開示制御情報格納部と、
端末装置から要求があった場合に、前記情報格納部に格納されている情報を開示する画面情報を作成して当該端末装置へ送信する情報開示制御部と
を備え、
前記情報開示制御部は、
施設名を開示しない開示方法を指定する開示制御情報が前記開示制御情報格納部に格納されている場合、開示する情報の施設名に代えて、当該施設名とは異なる名称を用いて前記画面情報を作成する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、各施設の管理者がエネルギー使用量の情報の非開示を制御できるようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る使用量管理システム10の構成の一例を示すシステム構成図である。使用量管理システム10は、それぞれの施設12に設けられた通信装置120および使用量管理サーバ20を備える。それぞれの施設12は、例えばオフィスビルや工場、商業施設などである。
【0024】
それぞれの通信装置120は、施設12に設けられている空調装置121や照明装置122等の機器が使用した電力の使用量を示す情報を収集し、通信回線11を介して使用量管理サーバ20へ送る。なお、通信装置120は、例えばBEMS管理装置として構成されてもよく、使用量管理システム10は、CEMSとして構成されてもよい。
【0025】
それぞれの施設12内には、施設12内の空調装置121や照明装置122等の機器の稼働を制御する管理装置123が設けられている。管理装置123は、施設12内の機器の管理者によって操作され、これらの機器の電力使用量の収集および表示も行う。なお、管理装置123は、必ずしも施設12内に設けられていなくてもよく、通信回線11を介して施設12の外部から施設12内の機器の電力使用量の収集および表示を行ってもよい。また、管理装置123は、汎用のコンピュータ等により実現することができる。
【0026】
使用量管理サーバ20は、各施設12の通信装置120から各機器の電力使用量の情報を収集し、保持する。そして、使用量管理サーバ20は、各施設12の管理装置123から要求があった場合に、当該管理装置123の管理者に開示が許可されている電力使用量の情報を、通信回線11を介して当該管理装置123へ送信する。管理装置123は、使用量管理サーバ20から受信した他の施設12の機器の電力使用量の情報を表示する。
【0027】
図2は、使用量管理サーバ20の機能構成の一例を示すブロック図である。使用量管理サーバ20は、施設情報格納部21、開示制御情報格納部22、処理情報格納部23、使用量格納部24、情報登録部25、使用量開示制御部26、および使用量収集部27を備える。
【0028】
施設情報格納部21には、例えば
図3に示すような施設情報210が格納される。施設情報210には、それぞれの施設12を識別する施設ID211に対応付けて、当該施設12の施設名212、当該施設12の管理者が使用量管理サーバ20にアクセスするためのログインID213およびパスワード214、ならびに、当該施設12の属性情報215等が格納される。
【0029】
施設情報210において、施設ID211は使用量管理サーバ20によって自動的に割り当てられるが、その他の情報は施設12の管理者が設定する。なお、業種コードや、規模コード、地域コードは、例えばその値毎に、その値が示す内容が予め定められており、管理者は、その内容に従って、施設12に対応する各種コードの値を入力する。
【0030】
開示制御情報格納部22には、例えば
図4に示すような開示制御情報220が格納される。開示制御情報220には、施設ID221に対応付けて、当該施設ID221に対応する施設で使用されている機器の名称222、当該施設12内において当該機器の電力使用量のデータ系列を識別するサイト内タグID223、当該データ系列を使用量管理サーバ20内において一意に識別するグローバルID224、当該データ系列の種別を示すデータ種別225、当該データ系列を他の施設12の管理者に開示するか否かを示す開示フラグ226、および、当該データ系列を、開示フラグ226の値に関わらず開示する他の施設12の施設IDを示す開示先情報227が格納される。なお、開示先情報227は、他の管理者のログインID等、開示してもよい第三者を特定する情報が指定されていてもよい。
【0031】
開示制御情報220において、施設ID221およびグローバルID224は、使用量管理サーバ20によって自動的に割り当てられるが、その他の情報は、施設12の管理者が設定する。なお、データ種別225に設定される情報は、例えば、機器のカテゴリ毎に予め定められており、各施設12の管理者は、その情報に従ってデータ種別225の欄に該当する情報を設定する。例えば「空調装置」のカテゴリについては「D001」が予め定められており、各施設12の管理者間で呼び方が異なる機器であっても、「空調装置」のカテゴリの機器の電力使用量を特定できるようになっている。
【0032】
開示フラグ226については、例えば
図5に示すように、開示フラグの値毎に、データ系列の開示方法が予め定められている。開示フラグの値が例えば「0」である場合、施設名および全ての属性情報と共にデータ系列が他の施設12の管理者に開示される。また、開示フラグの値が例えば「3」である場合、他の施設12の管理者に対しては、施設名、業種コード、および規模コードが伏せられてデータ系列が開示される。また、開示フラグの値が例えば「5」である場合、他の施設12の管理者に対しては、施設名や属性情報が開示されず、データ系列も統計利用の場合にのみ利用される。
【0033】
なお、「0」以外の値の開示フラグが設定されていた場合でも、開示先情報227に登録されている施設IDに対応する管理者に対しては、データ系列と共に施設名および全ての属性情報が開示される。また、開示フラグについては、上記の他、所定期間毎の移動平均の処理を施すなどデータ系列の粒度を下げて開示するという開示方法が対応付けられていてもよい。また、開示先情報227に登録されている施設ID毎に開示フラグを指定できるようにしてもよい。また、期間を指定して、その期間だけ指定した開示フラグの開示方法で開示できるようにしてもよい。
【0034】
処理情報格納部23には、例えば
図6に示すように、施設ID230毎に処理情報テーブル231が格納される。それぞれの処理情報テーブル231には、それぞれの処理(アプリケーションと呼んでもよい)を識別する処理ID232に対応付けて、当該処理の名称233、および、当該処理に用いられる1つ以上のデータ系列234が格納される。
【0035】
処理情報テーブル231において、処理ID232は、使用量管理サーバ20によって自動的に割り当てられるが、その他の情報は、施設12の管理者が設定する。なお、データ系列234に単一のデータ系列を指定する場合には、当該データ系列に対応するグローバルIDを指定する。
【0036】
また、データ系列234内には複数のデータ系列を用いた演算式や関数を用いてデータ系列を指定することもできる。
図6に例示した処理情報格納部23において、「(G001+G003)/2」は、「G001」と「G003」のデータ系列の平均をデータ系列として指定することを示している。また、「Ave(地域3:D002)」は、地域コードが「3」でデータ種別が「D002」である全てのデータ系列の平均をデータ系列として指定することを示している。
【0037】
本実施形態におけるデータ系列の加工処理は、データ系列234で指定されたデータ系列を時系列に折れ線グラフとして表示するものであるが、本発明はこれに限られず、施設毎に、指定された期間における電力使用量の合計を表示する棒グラフや、施設毎に電力使用量の内訳を表示する円グラフ、所定期間毎の電力使用量の合計とその内訳を組み合わせた積み上げ棒グラフなどとして表示するものであってもよい。
【0038】
使用量格納部24には、例えば
図7に示すように、グローバルID240毎に使用量テーブル241が格納される。それぞれの使用量テーブル241には、当該グローバルID240に対応するデータ系列である電力使用量の測定値242に対応付けて、当該測定値242を測定した測定時刻243が格納される。
【0039】
図2に戻って説明を続ける。使用量収集部27は、通信回線11を介して各通信装置120から、サイト内タグID、電力使用量の測定値、および測定時刻を受信した場合に、開示制御情報格納部22内の開示制御情報220を参照して、受信したサイト内タグIDに対応付けられているグローバルIDを特定する。そして、使用量収集部27は、特定したグローバルIDに対応付けられている使用量テーブルに、受信した電力使用量の測定値と測定時刻とを対応付けて格納する。
【0040】
情報登録部25は、通信回線11を介して管理装置123等からアクセスされた場合に、例えば
図8に示すようなログイン画面30のデータをアクセス元の管理装置123等に送信する。管理装置123は、受信したデータに基づいてログイン画面30を表示する。施設12の管理者は、既に登録を済ませている場合には、管理装置123を操作して、ログイン画面30の領域300にログインIDを入力し、領域301にパスワードを入力して、ログインボタン303を押下する。
【0041】
管理装置123は、ログインボタン303が押下された場合に、領域300に入力されたログインIDと領域301に入力されたパスワードとを使用量管理サーバ20へ送信する。情報登録部25は、管理装置123から受け取ったログインIDおよびパスワードの組が施設情報格納部21内の施設情報210に存在する場合、例えば
図12に示すようなメニュー画面34のデータを通信回線11を介して管理装置123に送信する。
【0042】
一方、登録が完了していない場合、管理者は、管理装置123を操作して、
図8に示すログイン画面30の新規登録ボタン302を押下する。管理装置123は、新規登録を示す情報を通信回線11を介して使用量管理サーバ20へ送信する。情報登録部25は、管理装置123から新規登録を示す情報を受け取った場合、例えば
図9に示すような施設情報登録画面31のデータを管理装置123へ送信する。管理装置123は、受信したデータに基づいて施設情報登録画面31を表示する。
【0043】
施設12の管理者は、管理装置123を操作して、施設情報登録画面31の領域310に施設名を入力し、領域312にログインIDを入力し、領域313にパスワードを入力し、領域314に属性情報を入力し、登録ボタン315を押下する。領域311には、使用量管理サーバ20により自動的に割り当てられた施設IDが表示される。管理装置123は、登録ボタン315が押下された場合、領域310、領域312、領域313、および領域314に入力された情報を、領域311に表示した施設IDと共に使用量管理サーバ20へ送信する。
【0044】
情報登録部25は、管理装置123から受け取った施設名、ログインID、パスワード、および属性情報を、施設IDに対応付けて施設情報格納部21内の施設情報210に格納する。そして、情報登録部25は、例えば
図10に示すようなデータ系列登録画面32のデータを管理装置123へ送信する。管理装置123は、受信したデータに基づいてデータ系列登録画面32を表示する。
【0045】
施設12の管理者は、管理装置123を操作して、データ系列登録画面32の領域322にデータ系列の名称を入力し、領域323にサイト内タグIDを入力し、領域325にデータ種別を入力し、領域326に開示フラグを入力し、必要であれば領域327に開示先情報を入力し、登録ボタン328を押下する。
【0046】
領域320および領域321には、
図9の施設情報登録画面31において入力された施設IDおよび施設名がそれぞれ表示される。領域324内のグローバルIDは、1つのレコード329に情報が登録された場合に、使用量管理サーバ20によって自動的に設定される。例えば、管理装置123は、1つのレコード329にデータが入力された場合に、通信回線11を介して使用量管理サーバ20にグローバルIDを要求し、使用量管理サーバ20からグローバルIDを受信して当該レコード329の領域324に設定する。
【0047】
管理装置123は、登録ボタン328が押下された場合、領域322から領域327に設定されたデータを、領域320に表示されている施設IDと共に使用量管理サーバ20へ送信する。情報登録部25は、受信したこれらの情報を、施設IDに対応付けて開示制御情報格納部22内の開示制御情報220に格納する。
【0048】
次に、情報登録部25は、開示テーブルを生成し、開示制御情報220内のデータ系列毎、即ちグローバルID毎に、開示フラグを参照して、開示先フラグの値に応じて、グローバルIDに対応付けられている施設名や属性情報を、これらの内容が特定できない情報に置換し、置換後の施設名や属性情報を、生成した開示テーブルに格納する。
【0049】
このとき、開示フラグに「5」が設定されているデータ系列については、情報登録部25は、当該データ系列の情報を開示テーブルに格納しない。また、開示先情報に登録されている施設IDの中に、データ系列登録画面32の領域320に表示されている施設IDが含まれている場合、情報登録部25は、開示フラグの値が「0」以外の値であっても、当該データ系列の施設名や属性情報を置換することなく開示テーブルに格納する。
【0050】
そして、情報登録部25は、作成した開示テーブルを含む処理登録画面33のデータを通信回線11を介して管理装置123へ送信する。管理装置123は、受信したデータに基づいて処理登録画面33を表示する。処理登録画面33は、例えば
図11に示すように構成することができる。
【0051】
処理登録画面33において、領域330には施設IDが表示され、領域331には施設名が表示され、領域332には作成された開示テーブルが表示され、その下には処理の名称333毎に処理に用いるデータ系列を入力するための領域334が表示される。
【0052】
領域332に表示された開示テーブルにおいて、施設名が「○○工業」の行の情報は、現在ログインしている管理者の施設の情報であるため、開示フラグの値に関わらず、施設名や属性情報が表示されている。また、施設名が「施設1」となっている行の情報は、開示フラグの値が「1」であり、現在ログインしている管理者の施設の施設IDが開示先情報として登録されていないため、施設名が、施設名を特定できない情報である「施設1」に置換されて表示されている。また、施設名が「施設2」となっている行の情報は、開示フラグの値が「3」であり、現在ログインしている管理者の施設の施設IDが開示先情報として登録されていないため、施設名、業種コード、および規模コードが、これらを特定できない情報に置換されて表示されている。
【0053】
施設12の管理者は、管理装置123を操作して、タグ335を選択して処理の名称を入力することで領域334を新たに作成することができる。また、管理者は、領域334内の領域336にデータ系列を指定する情報を入力し、登録ボタン338を押下すると、管理装置123は、処理の名称333、および、領域336に入力されたデータ系列を指定する情報を、領域330に表示されている施設IDと共に使用量管理サーバ20へ送信する。
【0054】
情報登録部25は、受信した施設IDに対応する処理情報テーブルを処理情報格納部23内で特定する。そして、情報登録部25は、処理IDを新たに割り当て、当該処理IDに対応付けて、受信した処理の名称およびデータ系列を指定する情報を、特定した処理情報テーブルに登録する。
【0055】
追加ボタン337が押下されると、データ系列の入力欄が領域336内に追加される。完了ボタン339が押下されると、管理装置123は、その旨を使用量管理サーバ20へ通知する。そして、情報登録部25は、例えば
図12に示すようなメニュー画面34のデータを管理装置123へ送信する。管理装置123は、受信したデータに基づいてメニュー画面34を表示する。
【0056】
メニュー画面34の領域340には施設IDが表示され、領域341には施設名が表示される。施設情報登録ボタン342が押下された場合、管理装置123はその旨を使用量管理サーバ20へ送信し、情報登録部25は
図9に示した施設情報登録画面31のデータを管理装置123へ送信する。また、データ系列登録ボタン343が押下された場合、管理装置123はその旨を使用量管理サーバ20へ送信し、情報登録部25は
図10に示したデータ系列登録画面32のデータを管理装置123へ送信する。また、処理登録ボタン344が押下された場合、管理装置123はその旨を使用量管理サーバ20へ送信し、情報登録部25は
図11に示した処理登録画面33のデータを管理装置123へ送信する。ログアウトボタン346が押下された場合、管理装置123はその旨を使用量管理サーバ20へ送信し、情報登録部25は
図8に示したログイン画面30のデータを管理装置123へ送信する。
【0057】
処理実行ボタン345が押下された場合、管理装置123は領域340に表示されている施設IDと共にその旨を使用量管理サーバ20へ送信し、使用量開示制御部26は、受信した施設IDに対応する処理情報テーブルを処理情報格納部23内で特定する。そして、使用量開示制御部26は、特定した処理情報テーブルから、処理ID毎に処理の名称を抽出し、例えば
図13に示すような処理選択画面35のデータを作成して管理装置123へ送信する。管理装置123は、受信したデータに基づいて処理選択画面35を表示する。
【0058】
図13に示すように、処理選択画面35において、領域350には施設IDが表示され、領域351には施設名が表示される。そして、その下には、処理の名称を表示する領域353毎に、ラジオボタン352が表示される。施設12の管理者が、管理装置123を操作して、いずれかのラジオボタン352を選択して実行ボタン354を押下すると、管理装置123は、選択されたラジオボタン352に対応付けられている領域353に表示されている処理の名称を、領域350に表示されている施設IDと共に使用量管理サーバ20へ送信する。
【0059】
使用量開示制御部26は、受信した施設IDに対応する処理情報テーブルを処理情報格納部23内で特定する。そして、使用量開示制御部26は、特定した処理情報テーブル内で、管理装置123から受信した処理の名称を含む行を特定し、特定した行に登録されているデータ系列を抽出する。データ系列は1つ以上抽出される。
【0060】
次に、使用量開示制御部26は、抽出したデータ系列の中で、平均等の統計処理が指定されているデータ系列について、当該データ系列に含まれているグローバルIDに対応するデータ系列を使用量格納部24から抽出する。そして、使用量開示制御部26は、抽出したデータ系列に、指定されている統計処理を施してデータ系列を作成する。
【0061】
次に、使用量開示制御部26は、平均等の統計処理が指定されていない、グローバルIDが単独で指定されているデータ系列について、当該データ系列を示すグローバルIDに基づいて開示制御情報格納部22内の開示制御情報220を参照し、当該グローバルIDが対応付けられている施設ID、開示フラグ、および開示先情報をそれぞれ抽出する。
【0062】
そして、使用量開示制御部26は、開示フラグに「5」の値が設定されており、開示先情報に管理者の施設IDが含まれていないデータ系列と、先に統計処理が施されたデータ系列とを用いてグラフを作成する。
【0063】
次に、使用量開示制御部26は、これらのデータ系列の凡例を作成する。このとき、使用量開示制御部26は、統計処理が施されたデータ系列については、対象となったデータ系列の数やデータ種別等の情報を凡例として作成する。
【0064】
また、統計処理が施されていないデータ系列については、対応する施設ID、開示フラグ、および開示先情報に基づいて開示してはならない情報の項目を特定し、特定した項目の情報について、これらの情報が特定できない名称に置換したものを凡例として作成する。そして、使用量開示制御部26は、例えば
図14〜
図17に示すような使用量表示画面36のデータを管理装置123へ送信する。管理装置123は、受信したデータに基づいて使用量表示画面36を表示する。
【0065】
図14に例示した使用量表示画面36では、領域360にデータ系列に基づいて作成されたグラフが表示され、領域361に各データ系列の凡例が表示される。
図14の例において、領域361に表示されている凡例の一つが管理装置123のマウス等で選択されると、ポップアップ362や別ウィンドウなどにより、当該凡例のデータ系列に対応する属性情報等が表示される。
【0066】
図14の例では、実線の凡例が選択された場合を示している。実線のデータ系列には「0」の値の開示フラグが対応付けられており、凡例に施設名が表示され、マウス等により凡例が選択された場合に表示されるポップアップ362には、全ての属性情報が表示されている。
【0067】
また、
図15の例では、破線の凡例が選択された場合を示している。破線のデータ系列には「1」の値の開示フラグが対応付けられており、凡例には施設名が特定されない「施設1」が表示され、マウス等により凡例が選択された場合に表示されるポップアップ362には、全ての属性情報が表示されている。
【0068】
また、
図16の例では、点線の凡例が選択された場合を示している。点線のデータ系列には「3」の値の開示フラグが対応付けられており、凡例には施設名が特定されない「施設2」が表示され、マウス等により凡例が選択された場合に表示されるポップアップ362には、業種コードと規模コードの値が伏せて表示され、その他の属性情報(例えば地域コードの値)は表示されている。
【0069】
また、
図17の例では、破線の凡例は統計処理が施されたデータ系列である場合を示している。凡例には施設名は表示されず、統計処理の方法を示す情報が表示されている。マウス等により凡例が選択された場合に表示されるポップアップ362には、統計処理の対象となったデータ系列の詳細が表示される。
【0070】
図18は、使用量管理サーバ20によって行われる処理登録の動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示したデータ系列登録画面32において登録ボタン328が押下された場合、または、
図12に示したメニュー画面34において処理登録ボタン344が押下された場合に、管理装置123から施設IDを受信し、使用量管理サーバ20は、本フローチャートに示す動作を開始する。
【0071】
まず、情報登録部25は、開示制御情報格納部22内の開示制御情報220を参照し、未選択のデータ系列のグローバルIDを1つ選択する(S100)。そして、選択したグローバルIDのデータ系列について開示テーブル作成処理を実行する(S120)。
【0072】
図19は、開示テーブル作成処理(S120)の一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、情報登録部25は、ステップS100で選択したグローバルIDについて開示制御情報220を参照し、管理装置123から受信した施設IDが開示先情報として登録されているか否かを判定する(S121)。開示先情報として登録されている場合(S121:Yes)、情報登録部25は、ステップS124に示す処理を実行する。
【0074】
開示先情報として登録されていない場合(S121:No)、情報登録部25は、開示制御情報220を参照し、ステップS100で選択したグローバルIDに対応付けられている施設ID、データ系列の名称、データ種別、および開示フラグの値を抽出し(S122)、開示テーブルを生成する。そして、情報登録部25は、抽出した施設IDに対応付けられている施設名および全ての属性情報を施設情報格納部21内の施設情報210から抽出する。
【0075】
次に、情報登録部25は、抽出した開示フラグの値が「0」であるか否かを判定する(S123)。開示フラグの値が「0」である場合(S123:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名、全ての属性情報、データ系列の名称、データ種別、およびグローバルIDの情報等を、開示テーブルに登録し(S124)、本フローチャートに示した開示テーブル作成処理を終了する。
【0076】
また、開示フラグの値が「1」である場合(S125:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名を、当該施設名が特定できない名称(例えば「施設1」)に置換する。そして、置換後の施設名と共に、抽出した全ての属性情報、データ系列の名称、データ種別、およびグローバルIDの情報等を開示テーブルに登録し(S126)、本フローチャートに示した開示テーブル作成処理を終了する。
【0077】
また、開示フラグの値が「2」である場合(S127:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名および業種コードを、これらの情報を特定できない情報(例えば、業種コードについては「情報なし」)に置換する。そして、置換後の施設名および業種コードと共に、抽出した残りの属性情報、データ系列の名称、データ種別、およびグローバルIDの情報等を開示テーブルに登録し(S128)、本フローチャートに示した開示テーブル作成処理を終了する。
【0078】
また、開示フラグの値が「3」である場合(S129:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名、業種コード、および規模コードを、これらの情報を特定できない情報(例えば規模コードについては「情報なし」)に置換する。そして、置換後の施設名、業種コード、および規模コードと共に、抽出した残りの属性情報、データ系列の名称、データ種別、およびグローバルIDの情報等を開示テーブルに登録し(S130)、本フローチャートに示した開示テーブル作成処理を終了する。
【0079】
また、開示フラグの値が「4」である場合(S131:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名、業種コード、規模コード、および地域コードを、これらの情報を特定できない情報(例えば規模コードについては「情報なし」)に置換する。そして、置換後の施設名および属性情報と共に、データ系列の名称、データ種別、およびグローバルIDの情報等を開示テーブルに登録し(S132)、本フローチャートに示した開示テーブル作成処理を終了する。
【0080】
なお、開示フラグの値が「5」である場合(S131:No)、統計利用以外では施設名や属性情報の開示を行わないため、情報登録部25は、当該データ系列の情報を開示テーブルに登録することなく本フローチャートに示した開示テーブル作成処理を終了する。
【0081】
図18に戻って説明を続ける。情報登録部25は、開示制御情報格納部22内の開示制御情報220を参照して、全てのグローバルIDを選択したか否かを判定する(S101)。未選択のグローバルIDがある場合(S101:No)、情報登録部25は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0082】
一方、全てのグローバルIDを選択した場合(S101:Yes)、情報登録部25は、作成した開示テーブルを含む処理登録画面33(
図11参照)のデータを管理装置123へ送信する(S102)。そして、情報登録部25は、管理装置123から施設ID、処理の名称、および1つ以上のデータ系列の情報を受信したか否かを判定する(S103)。
【0083】
これらの情報を受信した場合(S103:Yes)、情報登録部25は、受信した施設IDに対応する処理情報テーブルを処理情報格納部23内で特定する。そして、情報登録部25は、処理IDを新たに割り当て、当該処理IDに対応付けて、受信した処理の名称およびデータ系列を指定する情報を、特定した処理情報テーブルに登録する(S104)。
【0084】
次に、情報登録部25は、処理登録画面33の完了ボタン339が押下された旨の情報を管理装置123から受信したか否かを判定する(S105)。完了ボタン339が押下された旨の情報を受信していない場合(S105:No)、情報登録部25は、再びステップS103に示した処理を実行する。完了ボタン339が押下された旨の情報を受信した場合(S105:Yes)、情報登録部25は、本フローチャートに示した処理登録の動作を終了する。
【0085】
図20は、使用量管理サーバ20によって行われる登録処理の実行動作の一例を示すフローチャートである。
図12に示したメニュー画面34において処理実行ボタン345が押下された場合に、管理装置123から施設IDを受信し、使用量管理サーバ20は、本フローチャートに示す動作を開始する。
【0086】
まず、使用量開示制御部26は、受信した施設IDに対応する処理情報テーブルを処理情報格納部23内で特定する(S200)。そして、使用量開示制御部26は、特定した処理情報テーブルから、処理ID毎に処理の名称を抽出し、処理選択画面35(
図13参照)のデータを作成して管理装置123へ送信する(S201)。
【0087】
そして、使用量開示制御部26は、処理IDおよび処理の名称の情報を管理装置123から受信したか否かを判定する(S202)。これらの情報を受信した場合(S202:Yes)、使用量開示制御部26は、受信した施設IDに対応する処理情報テーブルを処理情報格納部23内で特定する。そして、使用量開示制御部26は、凡例テーブルを生成する。なお、この時点では、凡例テーブルにデータは登録されていない。そして、使用量開示制御部26は、特定した処理情報テーブル内で、管理装置123から受信した処理の名称を含む行を特定し、特定した行に登録されているデータ系列を抽出する(S203)。
【0088】
次に、使用量開示制御部26は、抽出したデータ系列の中で、未選択のデータ系列を1つ選択し(S204)、選択したデータ系列は統計処理が指定されているか否かを判定する(S205)。統計処理が指定されている場合(S205:Yes)、使用量開示制御部26は、指定されている統計処理を実行してデータ系列を作成する(S206)。このとき、作成したデータ系列の統計処理の方法等の情報を当該データ系列の凡例の情報として凡例テーブルに登録する。
【0089】
統計処理が指定されていない場合(S205:No)、使用量開示制御部26は、ステップS204において選択したデータ系列の凡例の情報を作成する凡例作成処理を実行する(S220)。
【0090】
図21は、凡例作成換処理(S220)の一例を示すフローチャートである。
【0091】
まず、使用量開示制御部26は、ステップS204において選択したデータ系列のグローバルIDに対応付けられている施設ID、データ系列の名称、データ種別、開示フラグ、および開示先情報を開示制御情報格納部22内の開示制御情報220から抽出する(S221)。そして、使用量開示制御部26は、管理装置123から受信した施設IDが開示先情報として登録されているか否かを判定する(S222)。開示先情報として登録されている場合(S222:Yes)、使用量開示制御部26は、ステップS224に示す処理を実行する。
【0092】
開示先情報として登録されていない場合(S222:No)、情報登録部25は、抽出した施設IDに対応付けられている施設名および全ての属性情報を施設情報格納部21内の施設情報210から抽出する。そして、使用量開示制御部26は、抽出した開示フラグの値が「0」であるか否かを判定する(S223)。
【0093】
開示フラグの値が「0」である場合(S223:Yes)、使用量開示制御部26は、抽出した施設名、全ての属性情報、データ系列の名称、およびデータ種別の情報等を、凡例テーブルに登録し(S224)、本フローチャートに示した凡例作成処理を終了する。
【0094】
また、開示フラグの値が「1」である場合(S225:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名を、当該施設名が特定できない名称に置換する。そして、置換後の施設名と共に、抽出した全ての属性情報、データ系列の名称、およびデータ種別の情報等を凡例テーブルに登録し(S226)、本フローチャートに示した凡例作成処理を終了する。
【0095】
また、開示フラグの値が「2」である場合(S227:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名および業種コードを、これらの情報を特定できない情報に置換する。そして、置換後の施設名および業種コードと共に、抽出した残りの属性情報、データ系列の名称、およびデータ種別の情報等を凡例テーブルに登録し(S228)、本フローチャートに示した凡例作成処理を終了する。
【0096】
また、開示フラグの値が「3」である場合(S229:Yes)、情報登録部25は、抽出した施設名、業種コード、および規模コードを、これらの情報を特定できない情報に置換する。そして、置換後の施設名、業種コード、および規模コードと共に、抽出した残りの属性情報、データ系列の名称およびデータ種別の情報等を凡例テーブルに登録し(S230)、本フローチャートに示した開示テーブル作成処理を終了する。
【0097】
また、開示フラグの値が「4」である場合(S229:No)、情報登録部25は、抽出した施設名、業種コード、規模コード、および地域コードを、これらの情報を特定できない情報に置換する。そして、置換後の施設名および属性情報と共に、データ系列の名称およびデータ種別の情報等を凡例テーブルに登録し(S231)、本フローチャートに示した凡例作成処理を終了する。
【0098】
図20に戻って説明を続ける。使用量開示制御部26は、ステップS203において抽出したデータ系列を全て選択したか否かを判定する(S207)。未選択のデータ系列がある場合(S207:No)、使用量開示制御部26は、再びステップS204に示した処理を実行する。
【0099】
一方、全てのデータ系列を選択した場合(S207:Yes)、使用量開示制御部26は、ステップS203において抽出したそれぞれのデータ系列についてグラフを作成する。そして、使用量開示制御部26は、作成したグラフの画像と、ステップS206およびステップS220において作成された凡例テーブルの情報を含む使用量表示画面36(
図14参照)のデータを管理装置123へ送信し(S208)、使用量管理サーバ20は、本フローチャートに示した登録処理の実行動作を終了する。
【0100】
図22は、使用量管理サーバ20の機能を実現するコンピュータ40のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ40は、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)44、通信インターフェイス(I/F)45、入出力インターフェイス(I/F)46、およびメディアインターフェイス(I/F)47を備える。
【0101】
CPU41は、ROM43またはHDD44に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM43は、コンピュータ40の起動時にCPU41によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ40のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0102】
HDD44は、CPU41によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス45は、通信回線11を介して他の機器からデータを受信してCPU41へ送ると共に、CPU41が生成したデータを、通信回線11を介して他の機器へ送信する。
【0103】
CPU41は、入出力インターフェイス46を介して、ディスプレイ等の出力装置、および、マウスやキーボード等の入力装置を制御する。CPU41は、入出力インターフェイス46を介して、入力装置から信号を取得する。また、CPU41は、生成した信号を、入出力インターフェイス46を介して出力装置へ出力する。
【0104】
メディアインターフェイス47は、記録媒体48に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM42を介してCPU41に提供する。CPU41は、当該プログラムを、メディアインターフェイス47を介して記録媒体48からRAM42上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体48は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0105】
コンピュータ40のCPU41は、RAM42上にロードされたプログラムを実行することにより、情報登録部25、使用量開示制御部26、および使用量収集部27の各機能を実現する。また、ROM43やHDD44には、施設情報格納部21、開示制御情報格納部22、処理情報格納部23、使用量格納部24、および使用量格納部24内のデータが格納される。
【0106】
コンピュータ40のCPU41は、これらのプログラムを、記録媒体48から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信回線11を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0107】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0108】
上記説明から明らかなように、本実施形態の使用量管理システム10によれば、各施設の管理者の希望に応じてエネルギー使用量の情報の非開示を制御できるようにすることができる。
【0109】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、上記した実施形態では、各施設12内の機器における電力使用量の情報を使用量管理サーバ20において一括管理しているが、一括管理する情報は電力使用量に限られず、化石燃料やガス等のエネルギーを対象としてもよい。また、エネルギーの他に、水等の資源や、CO
2の排出量等を対象としてもよい。さらには、複数店舗の商品売上数量の情報を上記使用量と読み替えて複数店舗にわたる売上数量の管理を行うこともできるし、インターネット上のサービスの使用量を上記使用量と読み替えて企業や人ごとのサービス使用量の管理を行うこともできる。
【0110】
また、上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明が、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0111】
また、上記した実施形態では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。