(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152271
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】爪研ぎ具
(51)【国際特許分類】
A01K 13/00 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
A01K13/00 G
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-6829(P2013-6829)
(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公開番号】特開2014-135938(P2014-135938A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】荒内 隆志
(72)【発明者】
【氏名】越塚 正康
【審査官】
大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−196701(JP,A)
【文献】
実公昭47−028145(JP,Y1)
【文献】
登録実用新案第3003974(JP,U)
【文献】
実開昭54−145677(JP,U)
【文献】
米国特許第05269261(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00,15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に載置して使用するペット用の爪研ぎ具であって、
弾性体よりなり、一方面の少なくとも一部に凹凸形状が形成された爪研ぎ部材と、
前記床面に載置することができ、前記床面に載置した場合に前記爪研ぎ部材の前記一方面が上面の側に現れるように前記爪研ぎ部材を保持することができる枠体とからなり、
前記爪研ぎ部材の摩擦係数は、前記枠体の摩擦係数より大きく、
前記爪研ぎ部材を保持した前記枠体を前記床面に載置した場合に、前記爪研ぎ部材の他方面の少なくとも一部が前記床面に当接する、爪研ぎ具。
【請求項2】
床面に載置して使用するペット用の爪研ぎ具であって、
弾性体よりなり、一方面の少なくとも一部に凹凸形状が形成された爪研ぎ部材と、
前記床面に載置することができ、前記床面に載置した場合に前記爪研ぎ部材の前記一方面が上面の側に現れるように前記爪研ぎ部材を保持することができる枠体とからなり、
前記爪研ぎ部材の摩擦係数は、前記枠体の摩擦係数より大きく、
前記爪研ぎ部材の他方面の外縁部分は、平面視環状に形成され、
前記爪研ぎ部材を保持した前記枠体を前記床面に載置した場合に、前記爪研ぎ部材の前記他方面の前記外縁部分の全部が前記床面に当接する、爪研ぎ具。
【請求項3】
前記爪研ぎ部材は、硬度50〜80のシリコンゴムよりなる、請求項1又は請求項2記載の爪研ぎ具。
【請求項4】
弾性体よりなり、押圧により凸状の外面が内面の側に凹むと共に押圧状態を解除すると前記外面が元の状態に復帰するように形成された足踏み部材を更に備え、
前記枠体は、前記床面に載置した場合に前記足踏み部材の前記外面が上面の側に現れるように前記足踏み部材を保持することができる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の爪研ぎ具。
【請求項5】
床面に載置して使用するペット用の爪研ぎ具であって、
弾性体よりなり、一方面の少なくとも一部に凹凸形状が形成された爪研ぎ部材と、
前記床面に載置することができ、前記床面に載置した場合に前記爪研ぎ部材の前記一方面が上面の側に現れるように前記爪研ぎ部材を保持することができる枠体とからなり、
弾性体よりなり、押圧により凸状の外面が内面の側に凹むと共に押圧状態を解除すると前記外面が元の状態に復帰するように形成された足踏み部材を更に備え、
前記枠体は、前記床面に載置した場合に前記足踏み部材の前記外面が上面の側に現れるように前記足踏み部材を保持することができる、爪研ぎ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は爪研ぎ具に関し、特にペット用の爪研ぎ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内で飼育される猫等の愛玩動物用の爪研ぎとして、例えば特許文献1に示すような猫の爪研ぎが提案されている。
【0003】
図7は、そのような爪研ぎの外観形状を示す斜視図である。
【0004】
図を参照して、爪研ぎ80は、段ボールブロック81と、段ボールブロック81を収容し、収容した段ボールブロック81の外側にレール溝82が一周して設けられた本体83と、レール溝82の内部で転動自在なボール84とからなる。尚、レール溝82の底部には、樋部85が設けられている。又、ボール84はレール溝82より転がり出ないような寸法であって、猫がボール84を取ろうとするとボール84がレール溝82に沿って転がるように構成されており、猫の玩具として使用される。
爪研ぎは、段ボールブロック81にて行われる。尚、爪研ぎにより段ボールブロック81から生じる研ぎくずはレール溝82に落ちるので、室内に研ぎくずが散らばりにくい。又、レール溝82に落ちた研ぎくずは更に樋部85へと落ちるので、研ぎくずによりボール84の転動が阻害されにくい。更に、爪自身の研ぎカスは発生するが、この量は極微量であるので、衛生面ではほとんど影響を与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような爪研ぎ80は、研ぎくずが室内に散らばりにくいものではあるが、研ぎくずがレール溝82を越えて爪研ぎ80の外方に飛び出たり、爪研ぎ80自身がひっくり返ったりすることによって研ぎくずが散らばる可能性があり、衛生的に問題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、衛生的な爪研ぎ具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、床面に載置して使用するペット用の爪研ぎ具であって、弾性体よりなり、一方面の少なくとも一部に凹凸形状が形成された爪研ぎ部材と、床面に載置することができ、床面に載置した場合に爪研ぎ部材の一方面が上面の側に現れるように爪研ぎ部材を保持することができる枠体とからなり、爪研ぎ部材の摩擦係数は、枠体の摩擦係数より大きく、爪研ぎ部材を保持した枠体を床面に載置した場合に、爪研ぎ部材の他方面の少なくとも一部が床面に当接するものである。
【0011】
このように構成すると、研ぎくずが出にくくなる。又、爪研ぎ部材の他方面と床面との間に摩擦力が生じる。
【0012】
請求項2記載の発明は、床面に載置して使用するペット用の爪研ぎ具であって、弾性体よりなり、一方面の少なくとも一部に凹凸形状が形成された爪研ぎ部材と、床面に載置することができ、床面に載置した場合に爪研ぎ部材の一方面が上面の側に現れるように爪研ぎ部材を保持することができる枠体とからなり、爪研ぎ部材の摩擦係数は、枠体の摩擦係数より大きく、爪研ぎ部材の他方面の外縁部分は、平面視環状に形成され、爪研ぎ部材を保持した枠体を床面に載置した場合に、爪研ぎ部材の他方面の外縁部分の全部が床面に当接するものである。
【0013】
このように構成すると、研ぎくずが出にくくなる。又、他方面の外縁部分の全部が平滑な床面に当接すると、他方面の内方が密封状態となる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、爪研ぎ部材は、硬度50〜80のシリコンゴムよりなるものである。
【0015】
このように構成すると、引き裂きに強く、又、爪研ぎ時に最初の形状を維持できるものとなる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、弾性体よりなり、押圧により凸状の外面が内面の側に凹むと共に押圧状態を解除すると外面が元の状態に復帰するように形成された足踏み部材を更に備え、枠体は、床面に載置した場合に足踏み部材の外面が上面の側に現れるように足踏み部材を保持することができるものである。
【0017】
このように構成すると、ペットの足が乗ると足踏み部材が凹む。
請求項5記載の発明は、床面に載置して使用するペット用の爪研ぎ具であって、弾性体よりなり、一方面の少なくとも一部に凹凸形状が形成された爪研ぎ部材と、床面に載置することができ、床面に載置した場合に爪研ぎ部材の一方面が上面の側に現れるように爪研ぎ部材を保持することができる枠体とからなり、弾性体よりなり、押圧により凸状の外面が内面の側に凹むと共に押圧状態を解除すると外面が元の状態に復帰するように形成された足踏み部材を更に備え、枠体は、床面に載置した場合に足踏み部材の外面が上面の側に現れるように足踏み部材を保持することができるものである。
このように構成すると、研ぎくずが出にくくなる。又、ペットの足が乗ると足踏み部材が凹む。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、研ぎくずが出にくくなるので、衛生的なものとなる。又、爪研ぎ部材の他方面と床面との間に摩擦力が生じるので、爪研ぎ時のずれが生じにくくなる。
【0020】
請求項2記載の発明は、研ぎくずが出にくくなるので、衛生的なものとなる。又、他方面の外縁部分の全部が平滑な床面に当接すると、他方面の内方が密封状態となるので、使用時に内方が負圧状態になるので爪研ぎ時のずれがより生じにくくなる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、引き裂きに強く、又、爪研ぎ時に最初の形状を維持できるものとなるので、より爪研ぎに適したものとなる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、ペットの足が乗ると足踏み部材が凹むので、ペット用の遊戯具としての機能も備わる。
請求項5記載の発明は、研ぎくずが出にくくなるので、衛生的なものとなる。又、ペットの足が乗ると足踏み部材が凹むので、ペット用の遊戯具としての機能も備わる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】この発明の第1の実施の形態による爪研ぎ具の平面図である。
【
図3】
図1で示した爪研ぎ具の底面図の上下を逆転させた図である。
【
図4】
図1で示したIV−IVラインの断面図である。
【
図6】
図1で示した足踏み部材の使用前後及び使用中の状態を示した模式図である。
【
図7】従来の爪研ぎの外観形状を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、この発明の第1の実施の形態による爪研ぎ具の平面図であり、
図2は、
図1で示した爪研ぎ具の右側面図であり、
図3は、
図1で示した爪研ぎ具の底面図の上下を逆転させた図であり、
図4は、
図1で示したIV−IVラインの断面図であり、
図5は、
図1で示したV−Vラインの断面図であり、
図6は、
図1で示した足踏み部材の使用前後及び使用中の状態を示した模式図である。
【0025】
まず、
図1から
図5の各々を参照して、爪研ぎ具10は床面に載置して使用するものであって、床面に載置することができるプラスチック製の枠体20と、爪研ぎ部材30と、4つの足踏み部材40a、40b、40c及び40dとからなる。尚、
図1、
図4及び
図5を参照して、枠体20には、爪研ぎ部材30を保持する爪研ぎ部材設置孔23と、足踏み部材40a、40b、40c及び40dの各々を保持する足踏み部材設置孔24a、24b、24c、24dの各々とが形成されている。枠体20による爪研ぎ部材30及び足踏み部材40a、40b、40c及び40dの各々の保持については後述する。
【0026】
次に、
図1から
図5の各々を参照して、爪研ぎ部材30は、硬度65のシリコンゴムよりなり、一方面31に格子状の凸部32よりなる凹凸形状が形成されている。尚、爪研ぎ部材30は、枠体20を床面に載置した場合に一方面31が枠体20の上面21の側に現れるように、底面側から爪研ぎ部材設置孔23に嵌め込まれることによって枠体20に保持されている。爪研ぎは爪研ぎ部材30の一方面31において行われる。
【0027】
このように構成すると、研ぎくずが出にくくなるので、爪研ぎ具10が衛生的なものとなる。又、爪研ぎ部材30が引き裂きに強く、爪研ぎ時に最初の形状を維持できるものとなるので、爪研ぎに適したものとなる。
【0028】
次に、
図3を参照して、爪研ぎ部材30の他方面33の外縁部分34は、平面視環状に形成されており、爪研ぎ部材30を保持した枠体20を床面に載置した場合には、
図4及び
図5に示すように、爪研ぎ部材30の他方面33の外縁部分34の全部が床面に当接する。尚、上述したように爪研ぎ部材30はシリコンゴムよりなり、枠体20はプラスチックよりなるため、爪研ぎ部材30の摩擦係数は枠体20の摩擦係数よりも大きい。
【0029】
このように構成すると、他方面33の外縁部分34の全部が平滑な床面に当接すると、他方面33の内方が密封状態となる。すると、使用時には爪研ぎ部材30の一方面31にペットが爪を立てることにより一方面31が押圧され、内方の空気が多少外方に抜けるため、内方が負圧状態にて密封状態となるので、爪研ぎ時のずれがより生じにくくなる。
【0030】
更に、爪研ぎ部材30の他方面33には、爪研ぎ部材30の形状を保持するための格子状のリブ35a、35b及び35c等が形成されている。
【0031】
次に、
図1から
図3、
図5及び
図6の各々を参照して、足踏み部材40a、40b,40c及び40dの各々はシリコンゴムよりなる。尚、足踏み部材40a、40b,40c及び40dの各々の構成は共通であるため、以下、足踏み部材40aの構成についてのみ述べる。
【0032】
足踏み部材40aは押圧により外面41が内面42の側に凹むと共に、押圧状態を解除すると外面41が元の状態に復帰するように形成されている。又、足踏み部材40aの外面41は凸状に形成されており、枠体20を床面に載置した場合に外面41が枠体20の上面21の側に現れるように、底面側から足踏み部材設置孔24aに嵌め込まれることによって枠体20に保持されている。
【0033】
このように構成すると、ペットの足が乗ると足踏み部材40aが凹み、凹む感触がペットにリラックス効果をもたらすので、ペットの興味を引き、又、ペットのストレス解消が可能となるペット用の遊戯具としての機能も備わる。更に、足踏み部材40aが目に入りやすいので、よりペットの興味を引くものとなる。
【0034】
次に、
図3、
図5及び
図6の(1)を参照して、足踏み部材40aの内面42の外縁部分43は、同一平面上で環状に形成され、外縁部分43には、内面42の側から外面41の側に掛けて延びる2本の溝44a及び44bが形成されている。又、足踏み部材40aの内面42には、下面46が同一平面上の環状となるリブ45が形成され、リブ45の下面46には内方と外方とに渡る2つの溝47a及び47bが形成されている。
【0035】
足踏み部材40aの使用時の状態については、
図6の(2)を参照して、ペットの足50が足踏み部材40aの外面41に乗る等して足踏み部材40aが押圧されると、足踏み部材40aの外面41が内面42の側に凹むと共に、足踏み部材40aが床面60の側に押し下がり、リブ45の下面46の全面が床面60に当接する。このように構成すると、足踏み部材40aの凹みが急激なものとならないので足踏み部材40aの耐久力が向上する。
【0036】
又、外縁部分43の全面も床面60に当接する。このように構成すると、図の矢印で示すように、足踏み部材40aの内方の空気が、リブ45の溝47aと外縁部分43の溝44aとの各々を通過して外方に抜ける。又、同様に、
図3にて示したリブ45の溝47bと外縁部分43の溝44bとの各々を通過して足踏み部材40aの内方の空気が外方に抜ける。よって、足踏み部材40aの凹みに抵抗を与えるが、凹みが阻害されない。
【0037】
ペットの足50が足踏み部材40aの上面21から外れて足踏み部材40aへの押圧状態が解除されると、足踏み部材40aの外面41は、
図6の(2)の状態から
図6の(1)の状態に復帰するので、足踏み部材40aを使用した足踏み運動の遊びを繰り返し行うことが可能である。
【0038】
尚、上記の第1の実施の形態では、爪研ぎ具は足踏み部材を備えるものであったが、無いものであってもよい。
【0039】
又、上記の第1の実施の形態では、爪研ぎ部材の硬度は65であったが、それ以外の硬度に設定されていてもよく、望ましくは硬度50〜80に設定されるとよい。
【0040】
更に、上記の第1の実施の形態では、爪研ぎ部材はシリコンゴムよりなるものであったが、他の弾性体よりなるものであってもよい。
【0041】
更に、上記の第1の実施の形態では、爪研ぎ部材の他方面の外縁部分は平面視環状に形成されたものであったが、他の形状に形成されていてもよい。
【0042】
更に、上記の第1の実施の形態では、爪研ぎ部材の他方面は、床面に載置した場合にその全部が床面に当接するものであったが、他方面が床面に当接しないものであってもよい。又、他方面の少なくとも一部が床面に当接するものであってもよい。尚、このように構成すると、爪研ぎ部材の他方面と床面との間に摩擦力が生じるので、爪研ぎ時のずれが生じにくくなる。
【0043】
更に、上記の第1の実施の形態では、格子状の凸部によって爪研ぎ部材の一方面に凹凸形状が形成されていたが、他の形状によって凹凸形状が形成されてもよい。又、ここで言う凹凸形状とはなだらかでない形状を意味し、例えばざらざらとした感触を与えるやすり状の形状も凹凸形状に含む。
【符号の説明】
【0044】
10…爪研ぎ具
20…枠体
21…上面
30…爪研ぎ部材
31…一方面
32…凸部
33…他方面
34…外縁部分
40a、40b、40c、40d…足踏み部材
41…外面
42…内面
60…床面
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。