(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152285
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】搬送装置及び搬送方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/06 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
B29D30/06
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-55313(P2013-55313)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-180780(P2014-180780A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2016年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 亮史
(72)【発明者】
【氏名】坪谷 壮祐
【審査官】
松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第01643999(US,A)
【文献】
特開2011−183750(JP,A)
【文献】
特開2003−072926(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0179400(US,A1)
【文献】
特開平02−185432(JP,A)
【文献】
国際公開第01/017761(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/06
B29C 47/34
B65G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出装置から湾曲させた状態で押し出したゴム部材を搬送するための搬送装置であって、
支柱と、螺旋状の搬送経路を構成するように前記支柱の周囲に螺旋状に並べて配置され、前記ゴム部材の下面を支持しながら回転する複数のローラと、を備え、
前記ローラは、軸方向の一端から他端に向かって外径が増大し、かつ、前記一端が前記支柱に回転可能に固定されており、
前記複数のローラは、回転駆動する駆動ローラを有し、
隣り合う2つのローラの間に、前記ゴム部材を切断するカット手段が設けられ、
前記複数のローラは、前記カット手段よりも搬送方向上流側に、前記一端を支点として前記他端が上昇するフリーローラを有し、
前記フリーローラは、このフリーローラよりも搬送方向上流側の搬送速度に応じた上昇速度で上昇することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記カット手段よりも搬送方向上流側及び下流側には、前記2つのローラとの間でゴム部材を挟持可能な2つの固定具が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の搬送装置を用いて前記ゴム部材を搬送する搬送方法であって、
前記押出装置から湾曲させた状態で押し出した前記ゴム部材を、前記押出装置による押出速度と同じ第1の搬送速度で前記複数のローラにより搬送する工程と、
前記カット手段よりも搬送方向下流側の前記ゴム部材が所望の長さとなると、前記カット手段により前記ゴム部材を切断する工程と、を含み、
前記ゴム部材を切断する工程において、前記フリーローラよりも搬送方向下流側の前記ローラの回転を停止し、かつ前記フリーローラをこのフリーローラよりも搬送方向上流側の前記第1の搬送速度に応じた上昇速度で上昇させることを特徴とする搬送方法。
【請求項4】
前記ゴム部材を切断する工程において、前記2つのローラと間で前記ゴム部材を挟持可能な2つの固定具によって、前記カット手段の搬送方向上流側及び下流側で前記ゴム部材を固定することを特徴とする請求項3に記載の搬送方法。
【請求項5】
前記ゴム部材を切断する工程の後、前記フリーローラよりも搬送方向下流側の前記ローラにより、前記第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度で前記ゴム部材を搬送するとともに、前記フリーローラを前記第2の搬送速度と前記第1の搬送速度との差に応じた下降速度で下降させることを特徴とする請求項3に記載の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出装置から湾曲させた状態で押し出したゴム部材を搬送するための搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの製造において、円環状のビードフィラーを成型する際、所定の断面形状を有するビードフィラーを直線状に押し出し、ビードワイヤーの外周側に巻き付けて端部同士を接合するという方法が多く用いられている。しかし、ビードワイヤーに巻き付ける際、ビードフィラーの内外周差により張力が発生するため、外周部が撓む若しくは薄くなる、接合部が剥がれる、又は切削ゴムが発生する等の問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するため、特許文献1では、直線状に押し出したビードフィラーを、ビードワイヤーの外径よりも小さい内径となるようにドラムに螺旋状に巻き付け、その後、螺旋状のビードフィラーをドラムから外すことで螺旋を弛め、張力を緩和させるようにしている。また、特許文献2では、直線状に押し出したビードフィラーを螺旋状に巻き付けるとともに、この巻き付けたビードフィラーを冷却水により冷却することで、内部応力を緩和させるようにしている。
【0004】
特許文献1では、直線状に押し出したビードフィラーを、ビードフィラーの断面形状に対応する開口部を有する成形部材の中を通すことで、断面形状を保持しながら螺旋状に成形している。そのため、タック性のあるゴムの場合、成形部材に接する面でビードフィラーの形状変化が起こりやすい。特に、断面形状が薄くて高いビードフィラーの場合、所望の断面形状を保持しながら成形するのは非常に困難である。また、特許文献2では、並設された2つのドラムの間にビードフィラーを巻き付けながら冷却しているため、ビードフィラーは2つのドラム間で延ばされてしまう。
【0005】
よって、円環状のビードフィラーを成型する際、押出装置から直線状に押し出したビードフィラーを円環状に湾曲させる方法ではなく、押出装置から所望の曲率を有するように湾曲させた状態で押し出したビードフィラーを、その曲率を保持したまま円環状に成型する方法が好ましい。しかしながら、湾曲させて押し出したビードフィラーを、その曲率を保持したまま成型機へ搬送することは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−236803号公報
【特許文献2】特開平2−179503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、押出装置から湾曲させた状態で押し出したゴム部材をその曲率を保持したまま搬送することができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の搬送装置は、押出装置から湾曲させた状態で押し出したゴム部材を搬送するための搬送装置であって、
支柱と、螺旋状の搬送経路を構成するように前記支柱の周囲に螺旋状に並べて配置され、前記ゴム部材の下面を支持しながら回転する複数のローラと、を備え、
前記ローラは、軸方向の一端から他端に向かって外径が増大し、かつ、前記一端が前記支柱に回転可能に固定されており、
前記複数のローラは、回転駆動する駆動ローラを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の搬送装置では、複数のローラが支柱の周囲に螺旋状に並べて配置されることで螺旋状の搬送経路を構成している。複数のローラは、押出装置から押し出したゴム部材の下面を支持しながら回転することで、ゴム部材を搬送経路に沿って搬送することができる。湾曲させた状態で押し出したゴム部材を、螺旋状の搬送経路に沿って搬送することで、その曲率を保持したまま搬送することができる。また、ローラは、軸方向の一端から他端に向かって外径が増大する形状を有し、かつ、一端が支柱に回転可能に固定されているため、隣り合うローラ間の隙間を狭くすることができる。さらに、複数のローラは、回転駆動する駆動ローラを有するため、ゴム部材を確実に搬送することができる。これにより、ゴム部材の曲率を保持したまま適切に搬送することができる。
【0010】
本発明にかかる搬送装置において、隣り合う2つのローラの間に、ゴム部材を切断するカット手段が設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、ゴム部材の曲率を保持したまま搬送するとともに、ゴム部材を所望の長さに切断することができる。
【0012】
本発明にかかる搬送装置において、前記カット手段よりも搬送方向上流側及び下流側には、前記2つのローラとの間でゴム部材を挟持可能な2つの固定具が設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、カット手段よりも搬送方向上流側及び下流側でゴム部材を固定できるため、カット手段によりゴム部材を切断する際、ゴム部材を精度よく切断することができる。
【0014】
本発明にかかる搬送装置において、前記複数のローラは、前記カット手段よりも搬送方向上流側に、前記一端を支点として前記他端が上昇するフリーローラを有し、前記フリーローラは、このフリーローラよりも搬送方向上流側の搬送速度に応じた上昇速度で上昇することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、フリーローラよりも搬送方向上流側の搬送速度に応じた上昇速度でフリーローラを上昇させることで、フリーローラよりも搬送方向下流側へのゴム部材の搬送を停止することができる。カット手段は、フリーローラよりも搬送方向下流側に位置するため、カット手段によりゴム部材を切断する際、ゴム部材を精度よく切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の搬送装置の全体を示す平面図及び正面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、搬送装置の全体を示す平面図及び正面図である。本発明の搬送装置1は、押出装置10から湾曲させた状態で押し出したゴム部材11を搬送するためのものである。
【0018】
押出装置10は、湾曲させた状態でゴム部材11を押し出すことができればよく、種々の形態を採用し得る。例えば、押出機から押し出されるゴムを成型用口金へと送り出すギアポンプをヘリカルギアにより構成し、成型用口金から押し出されるゴム部材を湾曲させる押出装置(特開2007−237596に記載された装置)、成型用口金内の対向する1対のランド長を異ならせることで、成型用口金から押し出されるゴム部材を湾曲させる押出装置(特開2008−246880に記載された装置)、又は複数の押出機を用いて、成型用口金の開口の外周部に内周部よりも多くのゴムを流すことで、成型用口金から押し出されるゴム部材を湾曲させる押出装置(特開2009−61691に記載された装置)などが示される。
【0019】
本実施形態では、押出装置10から押し出されたゴム部材11は、鉛直方向の厚みが薄く、水平方向の幅が広い断面形状を有しており、幅方向に湾曲している。
【0020】
搬送装置1は、支柱2と、螺旋状の搬送経路1aを構成するように支柱2の周囲に螺旋状に並べて配置され、ゴム部材11の下面を支持しながら回転する複数のローラ3と、を備えている。支柱2は、台座から鉛直方向上方に向かって延びている。ここで、搬送経路1aは、図に示すように、支柱2を中心として周囲を取り囲むように上方から下方へ螺旋状に延びており、ゴム部材11を上方から下方へ螺旋状に搬送することができる。
【0021】
複数のローラ3は、上方から下方へ向けて円周方向に少しずつずらした位置に順次配置されており、並べられたローラ面30aが螺旋状の搬送経路1aを構成する。なお、
図1の正面図では、複数のローラ3の一部のみを示している。
【0022】
ローラ3は、ローラ部30と、ローラ部30の両端部にそれぞれ形成された第1軸部31,第2軸部32とで構成されている。第1軸部31及び第2軸部32は、螺旋の径方向に延びている。ローラ部30は、軸方向の一端33から他端34に向かって外径が増大するテーパ状となっている。テーパ度は、螺旋の中心からの距離による周速を考慮して決定される。
【0023】
ローラ3は、軸方向の一端33、より具体的には第1軸部31の端部が支柱2に回転可能に固定されている。第1軸部31と第2軸部32は略水平となっている。これにより、ローラ部30のローラ面30aは、水平面に対して傾斜した状態となっている。
【0024】
複数のローラ3は、回転駆動する駆動ローラ3aを有する。本実施形態では、複数の駆動ローラ3aからなる駆動ローラ群が3つ設けられており、搬送方向上流側から下流側へ向かって、第1駆動ローラ群41、第2駆動ローラ群42、第3駆動ローラ群43とする。各駆動ローラ群中の少なくとも1つの駆動ローラ3aは、モータ4により回転駆動される。モータ4の駆動力は、隣り合う駆動ローラ3aの第2軸部32同士を繋ぐ無端状ベルト又は無端状チェーン5により、その他の駆動ローラ3aに伝達される。これにより、同じ駆動ローラ群に含まれる複数の駆動ローラ3aは、同じ回転数で回転することができる。
【0025】
また、複数のローラ3は、第1フリーローラ3bを有する。第1フリーローラ3bは、後述するカッター6よりも搬送方向上流側に位置し、かつ第1駆動ローラ群41と第2駆動ローラ群42との間に位置している。
【0026】
第1フリーローラ3bは、軸方向の一端33を支点として他端34が上昇するように構成されている。第1フリーローラ3bは、この第1フリーローラ3bよりも搬送方向上流側の搬送速度、より具体的には第1駆動ローラ群41の搬送速度に応じた上昇速度で上昇することができる。第1フリーローラ3bは、螺旋状の搬送経路1aの中心でもある支柱2を支点として上昇するため、ゴム部材11に無理な力がかからず、形状の変形はない。
【0027】
また、本実施形態では、第2駆動ローラ群42と第3駆動ローラ群43との間に、第2フリーローラ3c及び第3フリーローラ3dが設けられている。搬送装置1は、第2フリーローラ3c又は第3フリーローラ3dとの間でゴム部材11を挟持可能な2つの固定具を備える。第2フリーローラ3cとの間でゴム部材11を挟持する固定具を第1固定具71、第3フリーローラ3dとの間でゴム部材11を挟持する固定具を第2固定具72とする(
図2Dを参照)。第1固定具71及び第2固定具72は、第2フリーローラ3c又は第3フリーローラ3dとの間で上方からゴム部材11を挟持する挟持姿勢と、第2フリーローラ3c又は第3フリーローラ3dから上方へ退避してゴム部材11を解放する待機姿勢と、の間を移動可能に構成されている。
【0028】
本実施形態の第1固定具71及び第2固定具72は、ローラ3のローラ部30と略同じ形状をしている。ただし、第1固定具71及び第2固定具72の形状は、第2フリーローラ3c又は第3フリーローラ3dとの間でゴム部材11を挟持できる形状であればよく、特に限定されない。
【0029】
隣り合う第2フリーローラ3cと第3フリーローラ3dの間には、ゴム部材11を切断するカッター6(カット手段に相当)が設けられている。カッター6は、螺旋の径方向にスライド可能となっている。
【0030】
以下、上記の搬送装置1を用いて、押出装置10から押し出したゴム部材11を上方から下方へ搬送する方法について説明する。
図2A〜
図2Hは、ゴム部材11の搬送方法を模式的に示す平面図である。
【0031】
押出装置10は、所定の曲率を有するように湾曲させた状態でゴム部材11を連続して押し出すことができる。押出装置10からのゴム部材11の押出速度をv1とする。
【0032】
図2A〜
図2Cに示すように、連続して押し出されたゴム部材11は、第1駆動ローラ群41、第2駆動ローラ群42、及び第3駆動ローラ群43により螺旋状の搬送経路1aに沿って搬送される。このとき、第1〜第3駆動ローラ群41〜43の搬送速度は、押出装置10による押出速度と同じくv1とする。これにより、押出装置10から湾曲させた状態で押し出したゴム部材11をその曲率を保持したまま上方から下方へ搬送することができる。
【0033】
カッター6よりも搬送方向下流側のゴム部材11が、所望の長さ、例えば1周分の長さとなると、カッター6が螺旋の径方向内側へ前進してゴム部材11を切断する。この際、
図2Dに示すように、カッター6よりも搬送方向上流側の第2駆動ローラ群42及び下流側の第3駆動ローラ群43は、回転を停止する。さらに、第1固定具71及び第2固定具72は、前述の待機姿勢から挟持姿勢へと移動し、カッター6よりも搬送方向上流側及び下流側でゴム部材11を固定する。これにより、ゴム部材11を精度よく切断することができる。
【0034】
このとき、ゴム部材11は、押出装置10から押出速度v1で連続して押し出され、第1駆動ローラ群41により搬送速度v1で搬送され続けており、第2駆動ローラ群42の回転が停止すると、第2駆動ローラ群42の部分にゴム部材11が溜まっていく。そのため、
図2Eに示すように、第1フリーローラ3bを第1駆動ローラ群41の搬送速度v1に応じた上昇速度で上昇させる。これにより、第1フリーローラ3bよりも搬送方向下流側へのゴム部材11の搬送を停止することができるため、第2駆動ローラ群42の部分でのゴム溜まりを防ぐことができる。
【0035】
次いで、
図2Fに示すように、ゴム部材11の切断が終了すると、カッター6は螺旋の径方向外側へ後退する。また、カッター6よりも搬送方向下流側の第2固定具72は、挟持姿勢から待機姿勢へと移動して、ゴム部材11を解放する。そして、第3駆動ローラ群43は、v1以上の搬送速度v2でゴム部材11の搬送を再開する。
【0036】
次いで、
図2Gに示すように、カッター6よりも搬送方向上流側の第1固定具71は、挟持姿勢から待機姿勢へと移動する。そして、第2駆動ローラ群42は、v1よりも速い搬送速度v3でゴム部材11の搬送を再開し、第3駆動ローラ群43の搬送速度もv2からv3にする。同時に、第1フリーローラ3bを、第2駆動ローラ群42の搬送速度v3と第1駆動ローラ群41の搬送速度v1との差に応じた下降速度で下降させる。これにより、第1フリーローラ3bに溜まっていたゴム部材11が第2駆動ローラ群42へと徐々に搬送される。
【0037】
第1フリーローラ3bを初めに位置まで下降させ、ゴム部材11の溜まりが完全に無くなると、
図2Hに示すように、第2駆動ローラ群42と第3駆動ローラ群42の搬送速度をv1とする。
【0038】
上記の搬送方法によれば、押出装置10から湾曲させた状態で連続して押し出したゴム部材11をその曲率を保持したまま上方から下方へ搬送することができる。
【0039】
図1に示す搬送装置1は、螺旋状の搬送経路1aが約3周分となっているが、この周回数を増やすことで、切断した複数のゴム部材11を搬送経路1a上にストックしておくことができる。
【0040】
[他の実施形態]
(1)本発明にかかる搬送装置において、
図3に示すように、隣り合うローラ3の間にゴム部材11の内周側の移動を規制するガイドローラ8を備えることが好ましい。ガイドローラ8はフリーローラとなっている。ガイドローラ8は、ゴム部材11の内周側の移動を規制することができ、支柱2を中心とした螺旋状の搬送経路1aに沿ってゴム部材11を正確に搬送させることができる。また、ガイドローラ8は螺旋の径方向に移動可能に構成されており、押出装置10から押し出されたゴム部材11の曲率に応じて位置を調節することができる。
【0041】
(2)第2フリーローラ3c及び第3フリーローラ3dは、必ずしもフリーローラである必要はなく、第2駆動ローラ群42と第3駆動ローラ群43に含まれる駆動ローラであってもよい。
【0042】
(3)ゴム部材11の形状は特に限定されないが、本発明の搬送装置は、厚みが薄くて幅の広い断面形状を有し、幅方向に湾曲したゴム部材を搬送する際に有用であり、径方向に縦長となる断面略三角形状をなす円環状のビードフィラーを成型するために押出装置から湾曲した状態で押し出されたゴム部材を搬送する際に特に有用である。
【0043】
(4)前述の実施形態では、押出装置10から押し出したゴム部材11を上方から下方へ向かって搬送する搬送装置1の例を示した。しかし、本発明の搬送装置は、
図4に示すように、下方に配置した押出装置10から押し出したゴム部材11を下方から上方へ向かって搬送するものであってもよい。
【0044】
(5)前述の実施形態では、支柱2は、台座から鉛直方向上方へ向かって延びているが、これに限定されない。支柱2は、
図5に示すように、上方から吊り下げられるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 搬送装置
1a 搬送経路
2 支柱
3 ローラ
3a 駆動ローラ
3b 第1フリーローラ
3c 第2フリーローラ
3d 第3フリーローラ
6 カッター
10 押出装置
11 ゴム部材
30 ローラ部