(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152298
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/24 20160101AFI20170612BHJP
H01R 9/22 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
H01M8/24 Z
H01M8/24 E
H01R9/22
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-103482(P2013-103482)
(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公開番号】特開2014-130798(P2014-130798A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2016年4月1日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0157098
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】512288787
【氏名又は名称】ユラ コーポレーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 周 漢
(72)【発明者】
【氏名】安 炳 ギ
(72)【発明者】
【氏名】徐 正 ド
(72)【発明者】
【氏名】琴 榮 範
(72)【発明者】
【氏名】嚴 基 旭
(72)【発明者】
【氏名】鄭 吉 祐
【審査官】
高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−146830(JP,A)
【文献】
特開2008−204939(JP,A)
【文献】
特開2004−356005(JP,A)
【文献】
特開平06−310123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/24
H01M 2/34
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性材質からなり、燃料電池スタック(30)のエンドプレート(31)に形成された集電端子(32)と、バスバー(20)の接続部(21)が締結される露出充電部を囲む方式で絶縁させるプロテクター(10)と、を含み、
前記プロテクター(10)は、前記エンドプレート(31)に接触し、ボルト(33)により締結される前記エンドプレート(31)の集電端子(32)と、前記バスバー(20)の接続部(21)と、を内部に収容するプロテクターボディー(11)と、
前記プロテクターボディー(11)に結合され、前記露出充電部をカバーするプロテクターカバー(12)と、
で構成され、
前記プロテクターボディー(11)の前面下端に形成された方向性規制突起(17)を含み、前記方向性規制突起(17)を指すように前記プロテクターカバー(12)の前方端部に矢印形状の表示部(12a)が形成されて、前記プロテクター(10)と前記バスバー(20)との誤組立を防止することを特徴とする燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置。
【請求項2】
前記プロテクターボディー(11)と前記プロテクターカバー(12)とは、それぞれボックス形態であり、共用化した形状をもって多数の露出充電部に適用され、絶縁機能により短絡を防止することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置。
【請求項3】
前記プロテクターボディー(11)は、内部に互いに間隔をおいて対向するように突出形成される仮組立用突起(16)が設けられ、前記バスバー(20)の接続部(21)が前記仮組立用突起(16、16)の間に嵌め込まれることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置。
【請求項4】
前記プロテクターボディー(11)の両側面にそれぞれ突出形成され、締結孔(15)を有する側面突出片(14)と、
前記プロテクターカバー(12)の両側面に形成され、前記側面突出片(14)の締結孔(15)に挿入結合される締結突起(13)と、
を含み、
前記プロテクターボディー(11)と前記プロテクターカバー(12)とが着脱可能に結合されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置。
【請求項5】
前記プロテクターボディー(11)は、底面の外側に振動異音を防止する複数の密着突起(19)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置。
【請求項6】
前記プロテクターボディー(11)の周縁部の両側面に形成されたガイド突出部(18)と、
前記プロテクターカバー(12)に形成され、前記ガイド突出部(18)と干渉する方式で前記プロテクターボディー(11)と前記プロテクターカバー(12)との誤組立を防止する誤組立防止突起(12b)と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置に係り、より詳しくは、外部に露出している燃料電池充電部の短絡防止用絶縁機能と共に、燃料電池システムの構成及び電気的接続部の構造の適切な形状と、組立性を向上させるための誤組立防止機能と、を備えた燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の単位セルは、最も内側に、水素陽イオン(Proton)を移動させる電極膜(MEA:Membrane−Electrode Assembly)及びこの電極膜の両面に水素と酸素が反応するように塗布された触媒層、すなわちカソード(空気極:cathode)及びアノード(燃料極:anode)が形成される。
また、カソード及びアノードが位置している電極膜の外側部分には、ガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)及びガスケット(Gasket)が順次積層され、更にガス拡散層の外側には、燃料を供給し、反応により発生した水を排出する流路(Flow Field)が形成された分離板が配置され、最も外側には各構成を支持及び固定するためのエンドプレート(End plate)が結合される(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
上記のように構成された複数の単位セルを積層した燃料電池スタックを燃料電池車両に装着し、燃料電池スタックは所望する大きさの電圧及び電力を発生させて車両を駆動する。
このような構成の燃料電池スタック(Stack)において、エンドプレートのアセンブリーは、
図8に示すように、締結力を支持するエンドプレート3と、スタックの内部で発生した電気を外部に漏洩することを防止する絶縁板2と、スタックで発生した電気を集めて外部に取り出す集電板1及び集電端子4と、で構成される。
【0004】
また、燃料電池スタックが複数個である場合に導電性材質のバスバーがエンドプレートの集電端子4の間を電気的に接続することにより燃料電池スタックを連結する。
しかしながら、エンドプレート3の集電端子4とバスバーとの間の接続部は外部に露出して露出充電部として存在するが、車体の衝突及び変形などにより、露出充電部が金属製のスタックエンクロージャと直接接触して電気的短絡を引き起こすという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−179415
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、燃料電池スタックのエンドプレートに形成された集電端子と、バスバーの締結時に外部に露出している露出充電部と、を絶縁して短絡を防止すると共に、単一形状で複数の出力端子に適用できる構造であり、適用箇所に応じて誤組立防止及び組立容易性を確保できる燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置は、絶縁性材質からなり、燃料電池スタック(30)のエンドプレート(31)に形成された集電端子(32)と、バスバー(20)の接続部(21)が締結される露出充電部を囲む方式で絶縁させるプロテクター(10)と、を含
み、前記プロテクター(10)は、前記エンドプレート(31)に接触し、ボルト(33)により締結される前記エンドプレート(31)の集電端子(32)と、前記バスバー(20)の接続部(21)と、を内部に収容するプロテクターボディー(11)と、前記プロテクターボディー(11)に結合され、前記露出充電部をカバーするプロテクターカバー(12)と、で構成され、前記プロテクターボディー(11)の前面下端に形成された方向性規制突起(17)を含み、前記方向性規制突起(17)を指すように前記プロテクターカバー(12)の前方端部に矢印形状の表示部(12a)が形成されて、前記プロテクター(10)と前記バスバー(20)との誤組立を防止することを特徴とする。
【0009】
前記プロテクターボディーとプロテクターカバーとは、それぞれボックス形態であり、共用化した形状をもって多数の露出充電部に適用され、絶縁機能により短絡を防止することを特徴とする。
前記プロテクターボディーは、内部に互いに間隔をおいて対向するように突出形成される仮組立用突起を含み、エンドプレートの集電端子と組立てる前にプロテクターボディーをバスバーの接続部に嵌め込み式で仮組立して組立性を向上させることを特徴とする。
【0010】
前記プロテクターボディーの両側面にそれぞれ突出形成され、締結孔を有する側面突出片と、前記プロテクターカバーの両側面に形成され、側面突出片の締結孔に挿入結合される締結突起と、を含み、プロテクターボディーとプロテクターカバーが着脱可能に結合されることを特徴とする。
【0012】
前記プロテクターボディーは、底面に形成された複数の密着突起を含み、部品組立時の公差による振動異音を防止することを特徴とする。
前記プロテクターボディーの周縁部の両側面に形成されたガイド突出部と、前記プロテクターカバーに形成され、ガイド突出部と干渉する方式でプロテクターボディーとプロテクターカバー(12)との誤組立を防止する誤組立防止突起と、を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置の長所を説明すると次の通りである。
第1に、本発明による燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置は、燃料電池スタックモジュールの露出充電部を、ボックス形態のプロテクターボディーとプロテクターカバーを用いて囲むことにより、露出充電部を絶縁して露出充電部の短絡を防止するだけでなく、単一形状で複数の出力端者に適用できるため、原価を低減することができる。
【0014】
第2に、プロテクターボディーの前方端部に形成された方向性規制突起と、プロテクターカバーにマーキングされた矢印と、を用いてバスバー及びプロテクターを組み立てる時に方向性を規制することにより、誤組立を防止することができる。
【0015】
第3に、プロテクターボディーの内部に形成された仮組立用突起を用い、バスバーとプロテクターボディーとを組み立てる時に、嵌め込み式で仮組立することにより、組立性を向上させることができる。
【0016】
第4に、プロテクターボディーの底面に形成された密着突起を適用することにより、部品組立時の公差による振動異音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置の斜視図である。
【
図3】
図1のプロテクターボディーの底面斜視図である。
【
図4】露出充電部が、
図1のプロテクターにより囲まれた状態を示す断面図である。
【
図5】本発明のプロテクターが、燃料電池スタックの露出充電部に装着された状態を示す分解斜視図である。
【
図6】
図5の結合図であって、プロテクターカバーが装着される前の状態を示す斜視図である。
【
図7】
図5の結合図であって、プロテクターカバーが装着された後の状態を示す斜視図である。
【
図8】従来技術による燃料電池スタックのエンドプレートのアセンブリーを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
図1は、本発明による燃料電池スタックの露出充電部絶縁装置の斜視図であり、
図2は、
図1の分解図であり、
図3は、
図1のプロテクターボディーの底面斜視図であり、
図4は、露出充電部が
図1のプロテクターにより囲まれた状態を示す断面図である。
【0019】
また、
図5は、本発明のプロテクターが燃料電池スタックの露出充電部に装着された状態を示す分解斜視図であり、
図6は、
図5の結合図であって、プロテクターカバーが装着される前の状態を示す斜視図であり、
図7は、
図5の結合図であって、プロテクターカバーが装着された後の状態を示す斜視図である。
本発明は、燃料電池スタック30のエンドプレート31に露出している電気的接続部が存在する場合、露出充電部を絶縁する燃料電池スタック30の露出充電部絶縁装置に関する。
【0020】
露出充電部は、エンドプレート31の集電端子32とバスバー20との間の電気的接続部であり、バスバー20は、長いバー(BAR)の形態であり、燃料電池スタック30のモジュールが1段あるいは複数段、例えば2段配置された場合、各燃料電池スタック30に両末端に配置されたエンドプレート31の集電端子32は、バスバー20により電気的に接続される。
【0021】
この際、バスバー20は、ボルト33によりエンドプレート31の集電端子32にそれぞれ締結されて組み立てられる。
燃料電池スタック30の露出充電部絶縁装置は、ボックス形態のプロテクター10で構成され、エンドプレート31の集電端子32とバスバー20の接続部21とを囲んで車体の衝突及び変形などから露出充電部を保護し、また、燃料電池スタック30の露出充電部が車体の衝突及び変形により、金属製のスタックエンクロージャと直接接触して短絡することを防止する。
【0022】
プロテクター10は、内部に収容空間を有するプロテクターボディー11と、プロテクターボディー11の上端に結合されるプロテクターカバー12と、で構成される。
プロテクターボディー11は、外形がボックス形態であり、プロテクターボディー11の内部に収容空間が形成され、エンドプレート31に複数形成された集電端子32と、この集電端子32に接続するバスバー20と、集電端子32及びバスバー20を締結するためのボルト33と、を収容空間に個別的に収容して囲むようになっている。
【0023】
プロテクターボディー11の下部に楕円形の貫通孔が形成され、エンドプレート31の集電端子32が貫通孔を通してプロテクターボディー11の収容空間に挿入されることによって、集電端子32はプロテクターボディー11により囲まれる。
また、プロテクターボディー11の前面と後面とに「U」字状の開口部が形成され、開口部を通してバスバー20がプロテクターボディー11を前後方向に貫通し、プロテクターボディー11の内部に収容された集電端子32とボディーを貫通するバスバー20とが互いに接触して電気的に接続されることになる。
【0024】
プロテクターカバー12はボックス形態であり、プロテクターボディー11の上端部に結合されてプロテクターボディー11の上端部を覆う。
この際、プロテクターカバー12の前面に「U」字状をひっくり返した形状の開口部が形成され、プロテクターカバー12がプロテクターボディー11の上端に結合される場合に、プロテクターボディー11の開口部と共に矩形の開口部を形成する。
【0025】
プロテクターカバー12の後面は閉鎖されており、プロテクターカバー12がプロテクターボディー11の上端に結合される場合に、プロテクターボディー11の開口部を通してのみバスバー20が貫通するようになっている。
プロテクターカバー12は、プロテクターボディー11の上端部に嵌め込み式で着脱可能に装着される。
【0026】
プロテクターカバー12の着脱可能な締結構造は、プロテクターカバー12の両側の側面部には締結突起13が片面当たり2個ずつ間隔をおいて形成され、この締結突起13が挿入される締結孔15を有するようにプロテクターボディー11の両側の側面に側面突出片14が一体に突出形成されており、側面突出片14の内側にギャップをおいてプロテクターボディー11の周縁に沿ってガイド突出部18が突出形成され、プロテクターカバー12をプロテクターボディー11の上部から下部に押圧するとプロテクターカバー12の締結突起13がプロテクターボディー11のガイド突出部18と側面突出片14との間に挿入されて側面突出片14に形成された締結孔15に挿入され締結される。
【0027】
この際、側面突出片14は、下端部がプロテクターボディー11に一体型で固定されており、上端部が側方に弾性変形されてもよい。
プロテクターボディー11の内部には、仮組立用突起16が、下部の貫通孔を隔てて側方向に互いに対向するように突出形成される。プロテクターボディー11の内部で前後方向の同一直線上に間隔をおいて突出形成される仮組立用突起16によりプロテクターボディー11をバスバー20の接続部21に仮組立することができる。
【0028】
プロテクターボディー11の前面下端には方向性規制突起17が形成される。方向性規制突起17は、プロテクターボディー11の前面下端から前面に少し突出し、その突出部から上方向に突出形成され、バスバー20に組み立てられる時、組立方向性を規制して誤組立を防止することができる。
【0029】
また、プロテクターボディー11とプロテクターカバー12との組立方向性を規制するために、プロテクターカバー12には矢印形状の表示部12aが形成される。矢印の方向がプロテクターボディー11の方向性規制突起17を指すように、プロテクターカバー12をプロテクターボディー11に組み立てて結合する。
【0030】
そして、プロテクターカバー12とプロテクターボディー11との誤組立を防止するために、例えばプロテクターカバー12の矢印方向とプロテクターボディー11の方向性規制突起17とが互いに反対方向に組み立てられた場合、プロテクターカバー12の内側面に形成された誤組立防止突起12bによりプロテクターカバー12とプロテクターボディー11との組立が不可能になる。
【0031】
更に詳細には、プロテクターカバー12の周縁部の内側面、例えば矢印の指示方向の反対面、すなわちプロテクターカバー12の後方周縁部の内側面、より正確には後方周縁部においても左右方向のうちの片側だけ、に誤組立防止突起12bを形成する。プロテクターボディー11の両側周縁部に形成されたガイド突出部18のうち、片方の側面に位置したガイド突出部18の一端部を長く延長させることによって、誤組立時に誤組立防止突起12bが他のガイド突出部18よりも長く延びたガイド突出部18と干渉することにより、誤組立を防止する。
【0032】
具体的には、プロテクターカバー12とプロテクターボディー11とは、それぞれ横方向と縦方向の長さが相異なり、プロテクターカバー12の横方向の側面とプロテクターボディー11の縦方向の側面とが互いに重なって誤組立される可能性はない。プロテクターカバー12の矢印方向がプロテクターボディー11の方向性規制突起17と180°交互にずれて誤組立となることを防止するために、プロテクターカバー12の矢印方向とプロテクターボディー11の方向性規制突起17の方向が互いに一致するように正しく組み立てれば、プロテクターカバー12の誤組立防止突起12bとプロテクターボディー11のガイド突出部18とが干渉することはないが、その反対方向に誤って組み立てると、プロテクターカバー12の誤組立防止突起12bがプロテクターボディー11のガイド突出部18と干渉して組立を不可能にして誤組立を防止する。
【0033】
プロテクターカバー12とプロテクターボディー11との誤組立防止構造がなくても、プロテクターカバー12の矢印方向とプロテクターボディー11の方向性規制突起17の方向とを一致させることにより、プロテクターカバー12とプロテクターボディー11の誤組立を防止できるが、誤組立防止構造は、作業者の錯誤によってプロテクターカバー12の矢印方向が180°変えられて組み立てられてしまうことを予防することができる。
【0034】
プロテクターボディー11の底面には密着突起19が形成され、部品組立時の公差による振動異音を防止することができる。
例えば、密着突起19はプロテクターボディー11の前端部に位置した方向性規制突起17の下端底面に2つ、そしてプロテクターボディー11の後端底面に2つずつ互いに間隔をおいて形成される。
【0035】
上記のように構成された燃料電池スタック30の露出充電部絶縁装置の組立方法を説明すると次の通りである。
先ず、エンドプレート31の集電端子32に締結されるバスバー20の接続部21に4つのプロテクターボディー11をその方向に注意して嵌め込み式で結合する。
【0036】
ここで、前記方向に注意して結合するということは、プロテクターボディー11の方向性規制突起17がバスバー20の両端部に向かうようにして2つのプロテクターボディー11の方向性規制突起17が互いに反対方向に向かうように結合することを意味する。
この場合、プロテクターボディー11の仮組立用突起16により4つのプロテクターボディー11をバスバー20の接続部21に組み立てる方式でバスバー20の端部が方向性規制突起17に接する。
【0037】
次に、プロテクターボディー11が組み立てられたバスバー20を、エンドプレート31の集電端子32にボルト33により締結する。
この際、プロテクターボディー11が、下部の貫通孔を通してエンドプレート31の集電端子32を収容してエンドプレート31に接し、エンドプレート31の集電端子32に形成された締結孔15とバスバー20の接続部21に形成されたボルト孔とを一致させた後、ボルト33によりバスバー20をエンドプレート31に締結する。
【0038】
次に、ボルト33により締結されたバスバー20の接続部21とプロテクターボディー11の上端部とを覆うようにプロテクターカバー12をプロテクターボディー11に結合する。
この際、プロテクターカバー12の締結突起13がプロテクターボディー11の側面突出片14の締結孔15に挿入され、プロテクターカバー12がプロテクターボディー11に締結された状態を維持する。
【0039】
ここで、プロテクター10はプラスチックのような絶縁性材質からなり、短絡防止用絶縁機能を提供することができる。
したがって、本発明によれば、燃料電池スタックモジュールの露出充電部を、ボックス形態のプロテクターボディー11とプロテクターカバー12とを用いて囲むことにより、露出充電部を絶縁させ、露出充電部が車体の衝突及び変形などにより金属製のスタックエンクロージャと直接接触して電気的短絡を引き起こすことを防止するだけでなく、単一形状で複数の出力端子に適用できるため、製造原価を低減させることができる。
【0040】
また、プロテクターボディー11の前方端部に形成された方向性規制突起17及びプロテクターカバー12にマーキングされた矢印を用いて、バスバー20とプロテクター10を組み立てる時に方向性を規制することにより、誤組立を防止することができる。
【0041】
更に、プロテクターボディー11の内部に形成された仮組立用突起16を用いて、バスバー20とプロテクターボディー11とを組み立てる時に、嵌め込み式で仮組立することにより組立性を向上させることができる。
更に、プロテクターボディー11の底面に形成された密着突起を適用することにより、部品組立時の公差による振動異音を防止することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 プロテクター
11 プロテクターボディー
12 プロテクターカバー
12a 表示部
12b 誤組立防止突起
13 締結突起
14 側面突出片
15 締結孔
16 仮組立用突起
17 方向性規制突起
18 ガイド突出部
19 密着突起
20 バスバー
21 接続部
30 燃料電池スタック
31 エンドプレート
32 集電端子
33 ボルト