(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152303
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】ドライバー用ネジ保持具
(51)【国際特許分類】
B25B 23/10 20060101AFI20170612BHJP
【FI】
B25B23/10 A
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-117560(P2013-117560)
(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公開番号】特開2014-233810(P2014-233810A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】501481481
【氏名又は名称】戸松 真也
(74)【復代理人】
【識別番号】100171354
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100071663
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 保夫
(72)【発明者】
【氏名】戸松 真也
【審査官】
亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−036770(JP,U)
【文献】
米国特許第03837244(US,A)
【文献】
実開昭52−043199(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/10
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーの先端部に嵌着可能な軟質の筒状体からなり、該筒状体の内部にドライバーを用いて締め付けるネジなど(以下、単にネジという)を挿入、保持させて、締め付け作業時にネジがドライバーから外れないようにするために用いるネジ保持具において、前記筒状体のネジが挿入される部位が朝顔形に拡開可能となるよう該部位に縦方向のスリットを形成して、やや拡開された部位にネジが保持されるようにするとともに、前記部位の先端部に保持片を設けて、該保持片によりネジを安定して保持することができるようにし、ネジ締め時に前記筒状体のネジが挿入される部位が朝顔形に拡開してネジから離れるようにしたことを特徴とするドライバー用ネジ保持具。
【請求項2】
前記筒状体のネジが挿入される部位に、少なくとも3個所にスリットを形成したことを特徴とする請求項1記載のドライバー用ネジ保持具。
【請求項3】
前記ドライバーが自動ネジ締めを行う電動ドライバーであることを特徴とする請求項1または2記載のドライバー用ネジ保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバー用ネジ保持具、詳しくは、ドライバー特に電動ドライバーの先端部に嵌着可能な軟質の筒状体からなり、該筒状体の内部にドライバーを用いて締め付けるネジなど(以下、単にネジという)を挿入、保持させて、締め付け作業時、特に締め付け作業開始までの間にネジがドライバーから外れないようにするために用いるネジ保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼製のネジ、銅やアルミニウム製のネジなど、マグネットの効かないネジをドライバーを用いて締め付ける場合、締め付け時に、ネジがドライバーから外れたり、落下したりするのを防止するために、ドライバーの先端部に嵌着可能なゴムや軟質のプラスチック製の筒状体からなり、該筒状体の内部にネジを挿入、保持させるようにしたネジ保持具が提案されている。
【0003】
しかしながら、前記提案のネジ保持具においては、ドライバーによる部材へのネジ締め込みの最終段階において、ネジと部材との間、特にネジ頭と部材との間に筒状体ネジ保持具の端部が挟まり易いという問題点がある。自動ネジ締めを行う電動ドライバーの場合には、筒状体ネジ保持具の端部がネジと部材との間に挟まると、最後まで一気に締め付けができないという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−276094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記提案のドライバー用ネジ保持具において、ドライバーによる部材へのネジ締め込みの最終段階において、ネジと部材との間に筒状体ネジ保持具の端部が挟まるという問題を解消するためになされたものであり、その目的は、ネジと部材との間に筒状体ネジ保持具の端部が挟まることがなく、電動ドライバーを使用した場合には、最後まで一気に締め付けることを可能とするドライバー用ネジ保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための請求項1によるドライバー用ネジ保持具は、ドライバーの先端部に嵌着可能な軟質の筒状体からなり、該筒状体の内部にドライバーを用いて締め付けるネジを挿入、保持させて、締め付け作業時にネジがドライバーから外れないようにするために用いるネジ保持具において、前記筒状体のネジが挿入される部位が朝顔形に拡開可能となるよう該部位に縦方向のスリットを形成し
て、やや拡開された部位にネジが保持されるようにするとともに、前記部位の先端部に保持片を設けて、該保持片によりネジを安定して保持することができるようにし、ネジ締め時に前記筒状体のネジが挿入される部位が朝顔形に拡開してネジから離れるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2によるドライバー用ネジ保持具は、請求項1において、前記筒状体のネジが挿入される部位に、少なくとも3個所にスリットを形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項3によるドライバー用ネジ保持具は、請求項1または2において、前記ドライバーが自動ネジ締めを行う電動ドライバーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ドライバーによる部材へのネジ締め込みの最終段階において、ネジと部材との間に筒状体ネジ保持具の端部が挟まることがなく、電動ドライバーを使用した場合には、最後まで一気に締め付けることを可能とするドライバー用ネジ保持具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のドライバー用ネジ保持具1の内面輪郭が見えるように示した側面図である。
【
図2】
図1のドライバー用ネジ保持具1をドライバービット5の先端部に嵌着した図である。
【
図4】
図3において、ネジ6を挿入、保持させた図である。
【
図5】
図4の状態からドライバービット5を回転させて、ネジ6を部材9に締め付けている図である。
【
図6】ネジ6を部材9に最終段階まで締め付けた図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のドライバー用ネジ保持具は、シリコンゴムなどの軟質のゴム、軟質のプラスチックから筒状体に形成されており、手動ドライバー、電動ドライバーのいずれにも適用することができる。
図1に示すように、ドライバー用ネジ保持具1には、ネジ6が挿入される部位2が朝顔形に拡開可能となるよう部位2に縦方向のスリット4が形成される。部位2には少なくとも3個所にスリット4を形成するのが望ましく、スリット4を略等間隔に形成するのが部位2を朝顔形に拡開する上でさらに好ましい。
【0012】
使用に際し、ドライバー用ネジ保持具1は、
図2、
図3に示すように、ドライバービット5の先端に嵌着され、ネジ締めに際して、
図4に示すように、ネジ6をドライバー用ネジ保持具1の部位2に挿入する。この時、
図4に示すように、スリット4により分割されて多又形状となっている部位2はやや拡開され、ネジ6は、拡開された部位2が
図3のように閉じようとする力と軟質材からなる保持具1の材質特性の相互作用により部位2に保持される。この場合、ネジ保持具1の部位2の先端部に内側に折り曲げられた保持片3を設けておくことにより、ネジ6を安定して保持することができる。
【0013】
ついで、電動ドライバーを例として説明すると、
図5に示すように、ドライバーを矢印のように回転させると、多又形状の部位2は遠心力により朝顔形に拡開してネジ6から離れ、ドライバーとネジとの関係はネジ保持具が無い場合と同じ状態となるが、ネジ6のネジ込み部8は部材9に到達して締め付けを開始しており、ドライバーが部材9に対してネジ6を押圧している状態となっているため、ネジ6が外れたり、落下したりすることはない。
【0014】
ネジ6を保持していた部位2がネジ6から離れるため、
図6に示すように、最後まで一気に締め付けても、ネジ保持具1の先端がネジ6のネジ頭7と部材9との間に挟まることはない。ドライバーの回転が止まり締め付けが終了すると、多又形状の部位2は閉じ、ドライバーを部材9から引き抜いて締め付け作業は終了する。
【0015】
ネジ保持具1、特に多又形状の部位2については、保持力を維持しながら比較的低い回転数でも遠心力で拡開し易くなるようにするために、材質、スリット4の本数、スリット4の形成形態を改変することができ、ドライバービット5に対するネジ保持具1の嵌着度合を高めるために、筒状体からなるネジ保持具1の形態を変更することができる。また、ネジ保持具1にネジ6をより保持し易くするために、部位2の内面に凹凸や突条を設けることもできる。
【0016】
本発明によるドライバー用ネジ保持具の特徴は、締め付けの全工程においてネジを強固に保持するのではなく、保持を必要とする間だけ保持し、保持の必要が無くなった時点で保持具はネジから離れ、保持具がネジと部材の間に挟まるなどのトラブルを生じることなく、最後まで一気に締め付けを行うことができる点にある。
【0017】
本発明によるドライバー用ネジ保持具は、軟質な材質で構成され、ネジを保持する部位がスリット4により分割されて多又形状となっているため、皿ネジ、なべネジ、六角ネジなどの異なるネジ形状のもの、異なるネジサイズ(M3mm〜M6mm程度)にも対応することができる。また、本発明のネジ保持具においては、ネジを緩めたり、取り外したりする作業も、ネジ保持具を付けたままで行うことが可能である。
【符号の説明】
【0018】
1 ドライバー用ネジ保持具
2 ネジ保持具のネジが挿入される部位
3 保持片
4 スリット
5 ドライバービット
6 ネジ
7 ネジ頭
8 ねじ込み部
9 ネジを締め付ける部材