(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定部はさらに、前記封筒に封入する印刷用紙における、前記印刷用紙を前記封筒に封入する場合に、前記封筒の内側面と接する領域である外側印刷面領域にオブジェクトデータが配置されているか否かを判定し、
前記制御部は、前記判定部により前記外側印刷面領域にオブジェクトデータが配置されないと判定されたことを以て、前記ユーザ認証が行われることなく、前記印刷処理を開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本実施形態1の印刷システム100の構成例を示す図である。印刷システム100は、
図1に示すように、画像形成装置である印刷装置10と、一又は複数の情報端末装置20と、封入封緘装置30と、を含み、印刷装置10と情報端末装置20は、ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
封入封緘装置30は、印刷装置10に接続されており、印刷装置10で印刷され、搬送された印刷物(封筒Fや印刷用紙PP)を受け入れて処理し、封筒Fに印刷用紙PPを封入し封緘する装置である。
【0020】
なお、本実施形態1においては、封入封緘装置30による封筒Fへの封入封緘処理が必要な場合には、封入封緘指定が印刷ジョブ(以下、ジョブデータという)に含まれるものとして、以下説明する。
【0021】
図2は、本実施形態1における印刷システム100を構成する印刷装置10の構成例を示す機能ブロック図である。印刷装置10は、例えば、情報端末装置20により出力されるジョブデータを処理して、印刷用紙PPなどの印刷媒体上に印刷して出力する装置であり、
図2に示すように、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、プリンタ部15と、認証情報取得部16と、制御部17と、を備えて構成されている。
【0022】
通信部11は、通信モジュールなどで構成され、ネットワークNWを介して、情報端末装置20との間で通信を行う。例えば、通信部11は、情報端末装置20により出力されるジョブデータを受信する。
【0023】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどで構成され、制御部17を構成するCPU(Central Processing Unit)のワークエリア、印刷装置10全体を制御するための動作プログラムなどの各種プログラムを格納するプログラムエリア、詳しくは後述の管理テーブルT1、認証管理テーブルT2などの各種データを格納するデータエリアとして機能する。
【0024】
ここで、
図3と
図4を参照して、記憶部12のデータエリアに格納されている管理テーブルT1について説明する。
図3は、本実施形態1における管理テーブルT1の例を示す図である。
図4a乃至4dは、いずれも、印刷用紙PPの分割領域を説明するための図である。
【0025】
印刷用紙PPの分割領域は、印刷用紙PPが、指定されている折り種別(例えば、二つ折り、外三つ折りなど)に従って、折られた際に、折り目線Lにより分割される領域を意味する。例えば、二つ折りの場合、
図4aと
図4b示すように、印刷用紙PPの表面と裏面は、折り目線Lにより、それぞれ、2つの領域に分割され、本実施形態1においては、表面に対して、印刷用紙PPの上端UE側の領域を、領域2A−1とし、下端LE側の領域を、領域2A−2とする。また、裏面に対して、印刷用紙PPの上端UE側の領域を、領域2B−1とし、下端LE側の領域を、領域2B−2とする。
【0026】
また、例えば、三つ折りの場合、
図4cと
図4dに示すように、印刷用紙PPの表面と裏面は、折り目線Lにより、それぞれ、3つの領域に分割され、本実施形態1においては、表面に対して、印刷用紙PPの上端UE側の領域から順に、領域3A−1、領域3A−2、領域3A−3とする。また、裏面に対して、印刷用紙PPの上端UE側から順に、領域3B−1、領域3B−2、領域3B−3とする。
【0027】
同様に、四つ折りの場合は、表面に対して、印刷用紙PPの上端UE側の領域から順に、領域4A−1、領域4A−2、領域4A−3、領域4A−4とし、裏面に対して、印刷用紙PPの上端UE側から順に、領域4B−1、領域4B−2、領域4B−3、領域4B−4とする。なお、本実施形態1においては、片面印刷する際の印刷面を、印刷用紙PPの表面とする。
【0028】
管理テーブルT1は、例えば、詳しくは後述の認証設定制御処理において、詳しくは後述の外側印刷面領域特定部17fが「外側印刷面領域」を特定する際などに参照されるテーブルであり、
図3に示すように、「折り種別」ごとに、「印刷面種別」と「フラグ」と「外側印刷面領域」とが対応付けられているテーブルである。
【0029】
「折り種別」は、印刷用紙PPの折り方の種別を示すものであり、例えば、内三つ折り、外三つ折りなどがある。この「折り種別」を特定するための情報は、一般的には、ジョブデータに含まれている。なお、管理テーブルT1において、「折り種別」として設定される印刷用紙PPの折り方の種別は、封入封緘装置30が対応可能な折り方の種別であればよく、例えば、封入封緘装置30が対応可能な印刷用紙PPの折り方の種別が、内三つ折りのみの場合には、内三つ折りのみを設定すればよい。
【0030】
「印刷面種別」は、印刷する面を指定するものであり、片面印刷と両面印刷とがある。この「印刷面種別」を特定するための情報は、一般的には、ジョブデータに含まれている。
【0031】
「フラグ」は、対応する「折り種別」と「印刷面種別」との組合せにおいて、「外側印刷面領域」が存在するか否かを示すフラグである。本実施形態1においては、フラグ値“0”は、「外側印刷面領域」が存在しないことを示し、一方、フラグ値“1”は、「外側印刷面領域」が存在することを示している。
【0032】
「外側印刷面領域」は、対応する「折り種別」に従って印刷用紙PPを折った際に外側になる印刷面の領域である。なお、フラグ値“0”に対応する欄は、「外側印刷面領域」が存在しないことから、空欄としている。
【0033】
例えば、
図3を参照して、「折り種別」が、印刷用紙PPの表面を内側にして二つに折る二つ折りであり、「印刷面種別」が片面印刷の場合には、印刷面ではない裏面側の領域2B−1と領域2B−2が、印刷用紙PPを折った際の外側の領域となる。したがって、この場合には、「外側印刷面領域」は存在しないことから、対応する「フラグ」欄にフラグ値“0”を設定する。
【0034】
また、例えば、「折り種別」が、印刷用紙PPの表面を内側にして二つに折る二つ折りであり、「印刷面種別」が両面印刷の場合には、印刷面である裏面側の領域が外側になることから、対応する「フラグ」欄にフラグ値“1”を設定する。そして、封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が一枚の場合には、対応する「外側印刷面領域」欄に、領域2B−1と領域2B−2とを設定する。封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が複数枚の場合には、一番後ろ(最後)の印刷用紙PPの裏面の領域が「外側印刷面領域」となることから、「最後」欄の対応する「外側印刷面領域」欄に、領域2B−1と領域2B−2とを設定する。なお、本実施形態1においては、封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が複数枚の場合は、印刷用紙PPを重ねた後に一緒に折られるものとする。
【0035】
また、例えば、「折り種別」が、印刷用紙PPの表面が内側になるように三つ折りにする内三つ折りであり、「印刷面種別」が両面印刷の場合には、印刷面である裏面側の領域が外側になることから、対応する「フラグ」欄にフラグ値“1”を設定する。この場合、折り方よって、領域3B−1と領域3B−2との組合せ、又は、領域3B−2と領域3B−3との組合せが、「外側印刷面領域」の組合せとなるが、本実施形態1においては、領域3B−1と領域3B−2とが「外側印刷面領域」となるものとする。そのため、封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が一枚の場合には、対応する「外側印刷面領域」欄に、領域3B−1と領域3B−2とを設定する。封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が複数枚の場合には、一番後ろ(最後)の印刷用紙PPの裏面の領域が「外側印刷面領域」となることから、「最後」欄の対応する「外側印刷面領域」欄に、領域3B−1と領域3B−2とを設定する。
【0036】
また、例えば、「折り種別」が、印刷用紙PPを蛇腹状に三つ折りにする外三つ折りであり、「印刷面種別」が片面印刷の場合には、印刷面である表面側の領域が外側になることから、対応する「フラグ」欄にフラグ値“1”を設定する。この場合、折り方によって、領域3A−1、又は、領域3A−3が、「外側印刷面領域」となり得るが、本実施形態1においては、領域3A−1が「外側印刷面領域」となるものとする。そのため、封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が一枚の場合には、対応する「外側印刷面領域」欄に、領域3A−1を設定する。封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が複数枚の場合には、一番前(最初)の印刷用紙PPの表面の領域が「外側印刷面領域」となることから、「最初」欄の対応する「外側印刷面領域」欄に、領域3A−1を設定する。
【0037】
また、例えば、「折り種別」が、印刷用紙PPを蛇腹状に三つ折りにする外三つ折りであり、「印刷面種別」が両面印刷の場合には、印刷面の領域が外側になることから、対応する「フラグ」欄にフラグ値“1”を設定する。この場合、折り方によって、領域3A−1と領域3B−3との組合せ、又は、領域3A−3と領域3B−1との組合せが、「外側印刷面領域」の組合せとなるが、本実施形態1においては、領域3A−1と領域3B−3とが「外側印刷面領域」となるものとする。そのため、封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が一枚の場合には、対応する「外側印刷面領域」欄に、領域3A−1と領域3B−3とを設定する。封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が複数枚の場合には、一番前(最初)の印刷用紙PPの領域3A−1と、一番後ろ(最後)の印刷用紙PPの領域3B−3とが「外側印刷面領域」となることから、「最初」欄の対応する「外側印刷面領域」欄に、領域3A−1を設定し、「最後」欄の対応する「外側印刷面領域」欄に、領域3B−3を設定する。
【0038】
また、例えば、「折り種別」が、印刷用紙PPを2回二つ折にする内四つ折りであり、「印刷面種別」が両面印刷の場合には、印刷面の領域が外側になることから、対応する「フラグ」欄にフラグ値“1”を設定する。この場合、領域4B−1と領域4B−2との組合せ、又は、領域4B−3と領域4B−4との組合せが、「外側印刷面領域」の組合せとなるが、本実施形態1においては、領域4B−1と領域4B−2とが「外側印刷面領域」となるものとする。そのため、封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が一枚の場合には、対応する「外側印刷面領域」欄に、領域4B−1と領域4B−2とを設定する。封筒Fに封入する印刷用紙PPの枚数が複数枚の場合には、一番後ろ(最後)の印刷用紙PPの裏面の領域が「外側印刷面領域」となることから、「最後」欄の対応する「外側印刷面領域」欄に、領域4B−1と領域4B−2とを設定する。
【0039】
なお、印刷用紙PPを折った際にどの領域が外側になるかは、上述したように、封入封緘装置30が備える折り機構の折り方などにより変わるが、それに応じて管理テーブルT1の「外側印刷面領域」を設定すればよい。例えば、二つ折りの際に表面を内側にして折るか外側にして折るかにより「外側印刷面領域」が変わる。また、例えば、封筒Fに封入する印刷用紙PPが複数枚の場合において、印刷用紙PPを別々に折った後に重ねて封筒Fに封入する場合と、印刷用紙PPを重ねた後に一緒に折ったものを封筒Fに封入する場合とでは、やはり、「外側印刷面領域」が変わる。
【0040】
次に、
図5を参照して、記憶部12のデータエリアに格納されている認証管理テーブルT2について説明する。
図5は、本実施形態1における認証管理テーブルT2の例を示す図である。認証管理テーブルT2は、ユーザ認証の設定の状態を管理するためのテーブルであり、
図5に示すように、「一括認証設定」と「個別認証設定」とで構成されているテーブルである。
【0041】
「一括認証設定」は、印刷装置10に接続されている情報端末装置20を利用する全ユーザが、印刷処理を実行する際のユーザ認証を必要とするか否かの設定であり、「一括認証フラグ」のフラグ値“0”は、全ユーザがユーザ認証を必要としないことを示し、「一括認証フラグ」のフラグ値“1”は、全ユーザがユーザ認証を必要とすることを示す。
【0042】
「個別認証設定」は、印刷装置10に接続されている情報端末装置20を利用するユーザごとの、印刷処理を実行する際のユーザ認証を必要とするか否かの設定であり、「ユーザID」ごとに、「個別認証フラグ」が対応付けられている。本実施形態1においては、「個別認証フラグ」のフラグ値“0”は、対応するユーザはユーザ認証を必要としないことを示し、「個別認証フラグ」のフラグ値“1”は、対応するユーザはユーザ認証を必要とすることを示す。
【0043】
なお、本実施形態1においては、「一括認証設定」の「一括認証フラグ」のフラグ値が“1”の場合は、「一括認証設定」は「個別認証設定」より優先され、「一括認証設定」の「一括認証フラグ」のフラグ値が“0”の場合は、「個別認証設定」は「一括認証設定」より優先されるものとする。また、これらの設定は、印刷装置10の操作部14を操作することで設定可能としている。
【0044】
例えば、現時点における認証設定が、
図5に示す認証管理テーブルT2の状態であるとすると、「一括認証フラグ」のフラグ値が“0”となっていることから、「個別認証設定」が優先され、例えば、ユーザIDがA2のユーザは、印刷処理を開始する前にユーザ認証を行う必要があることとなる。
【0045】
図2に戻り、表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)などの表示装置などで構成され、例えば、画像データや各種機能ボタンなどを表示画面上に表示する。また、例えば、表示部13は、ユーザ認証時にその結果を、表示画面上に表示し、ユーザ認証に失敗した場合は、再度ユーザ認証手続きを行うよう示すメッセージを表示画面上に表示する。
【0046】
操作部14は、テンキ−や表示部13の表示画面上に表示されるタッチパネルなどで構成され、ユーザは、操作部14を操作して、印刷装置10への指示を入力することで、所望の処理を実行させることが可能である。例えば、ユーザは、操作部14を操作して、ユーザ認証が必要とされる際に、ユーザIDや暗証番号などを入力したりすることが可能である。
【0047】
プリンタ部15は、プリンタエンジンなどで構成され、図示しないRIP処理部によりラスタデータが生成されると、プリンタ部15は、ページ毎にレイアウト処理を実行し、レイアウト処理後のページデータに対して、例えば、キャリブレーションなどの画像処理を施した後に、印刷用紙PPなどの印刷媒体に印刷し出力する。そして、封入封緘指定が有る場合には、印刷された印刷用紙PPは封入封緘装置30の折り機構で折られ、封筒Fに封入封緘される。なお、認証設定が有効の場合には、認証処理部
17iにより認証処理の結果が認証可の場合に、プリンタ部15は印刷処理を開始する。
【0048】
認証情報取得部16は、例えば、非接触型カードリーダなどで構成され、ユーザ認証時に、ユーザがかざしたICカードからユーザ認証に必要な情報である認証情報を取得する。
【0049】
制御部17は、CPUなどで構成され、記憶部12のプログラムエリアに格納されている動作プログラムを実行して、
図2に示すように、判定部17aと、折り種別特定部17bと、印刷面種別特定部17cと、フラグ特定部17dと、封入枚数特定部17eと、外側印刷面領域特定部17fと、設定制御部17gと、情報生成部17hと、認証処理部17iとしての機能を実現すると共に、印刷装置10全体を制御する制御処理や認証設定制御処理などの処理を実行する。
【0050】
判定部17aは、ジョブデータを受信したか否かを判定する。そして、ジョブデータを受信した場合には、判定部17aは、更に、受信したジョブデータに封入封緘指定が含まれているか否かを判定する。
【0051】
また、判定部17aは、認証管理テーブルT2を参照して、認証設定が有効か否かを判定する。より具体的には、判定部17aは、認証管理テーブルT2の「一括認証設定」欄を参照して、「一括認証フラグ」のフラグ値が“1”の場合は、認証設定が有効であると判定する。また、判定部17aは、「一括認証フラグ」のフラグ値が“0”の場合は、更に、処理対象のジョブデータに含まれるユーザIDに対応する「個別認証フラグ」のフラグ値を参照して、「個別認証フラグ」のフラグ値が“1”の場合は、認証設定が有効であると判定し、「個別認証フラグ」のフラグ値が“0”の場合は、認証設定が無効であると判定する。
【0052】
また、判定部17aは、「外側印刷面領域」が存在するか否かを判定する。より具体的には、判定部17aは、フラグ特定部17dにより特定された「フラグ」のフラグ値が“1”の場合には、「外側印刷面領域」が存在すると判定し、特定された「フラグ」のフラグ値が“0”の場合には、「外側印刷面領域」が存在しないと判定する。
【0053】
また、判定部17aは、「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置されるか否かを判定する。より具体的には、判定部17aは、ジョブデータに含まれる、文字データや画像データなどのオブジェクトデータの配置を示すレイアウト情報に基づいて、外側印刷面領域特定部17fにより特定された「外側印刷面領域」に、配置されるオブジェクトデータが有るか否かを判定する。
【0054】
また、判定部17aは、ユーザ認証が行われたか否かを判定する。そして、ユーザ認証が行われた場合は、判定部17aは、更に、認証処理部17iにより実行される認証処理の結果が認証可か否かを判定する。例えば、後述の指示情報を受信した情報端末装置20のユーザが、ICカードを認証情報取得部16にかざして、その際に認証情報取得部16が認証情報を取得した場合に、判定部17aは、ユーザ認証が行われたと判定する。
【0055】
折り種別特定部17bは、ジョブデータを解析し、ジョブデータに含まれる「折り種別」を特定するための情報に基づいて、印刷用紙PPの折り方を指定する「折り種別」を特定する。
【0056】
印刷面種別特定部17cは、ジョブデータを解析し、ジョブデータに含まれる「印刷面種別」を特定するための情報に基づいて、印刷面を指定する「印刷面種別」を特定する。
【0057】
フラグ特定部17dは、管理テーブルT1の「フラグ」欄を検索して、折り種別特定部17bにより特定された「折り種別」と印刷面種別特定部17cにより特定された「印刷面種別」との組合せに対応する「フラグ」を特定する。
【0058】
封入枚数特定部17eは、「外側印刷面領域」が存在する場合には、ジョブデータを解析し、ジョブデータに含まれる「印刷面種別」を特定するための情報やレイアウト情報などに基づいて、封筒Fに封入される印刷用紙PPの枚数を特定する。例えば、「印刷面種別」が両面印刷であり、レイアウト情報に5ページ分のレイアウトを指定する情報が含まれている場合には、封入枚数特定部17eは、封入枚数として、三枚を特定する。
【0059】
外側印刷面領域特定部17fは、封入枚数特定部17eにより特定された封入枚数が一枚である場合には、管理テーブルT1の「一枚」欄を検索して、折り種別特定部17bにより特定された「折り種別」と印刷面種別特定部17cにより特定された「印刷面種別」との組合せに対応する「外側印刷面領域」を特定する。
【0060】
一方、封入枚数特定部17eにより特定された封入枚数が複数枚である場合には、外側印刷面領域特定部17fは、管理テーブルT1の「複数枚」欄を検索して、折り種別特定部17bにより特定された「折り種別」と印刷面種別特定部17cにより特定された「印刷面種別」との組合せに対応する「外側印刷面領域」を特定する。
【0061】
設定制御部17gは、判定部17aの判定結果に応じて、処理対象のジョブデータにおける、ユーザ認証の有効設定を解除して設定を無効にしたり、ユーザ認証の無効設定を有効の設定にしたりする。例えば、判定部17aにより、「外側印刷面領域」は存在しないと判定され、その際の認証設定が有効の場合に、設定制御部17gは、処理対象のジョブデータにおいては、有効設定を解除して、設定を無効にする。
【0062】
情報生成部17hは、ユーザ認証が必要な場合に、ユーザ認証を行うよう指示する指示情報を生成し、通信部11を介して、生成した指示情報を処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20へ送信する。指示情報を受信した情報端末装置20は、例えば、表示画面上に、ユーザ認証を行うよう示すメッセージを表示する。該情報端末装置20のユーザは、本メッセージに従って、印刷装置10においてユーザ認証手続きを行う。
【0063】
認証処理部17iは、認証情報取得部16により取得された認証情報、又は、ユーザが操作部14を操作して入力した情報に基づいて、認証処理を実行する。
【0064】
次に、
図6と
図7を参照して、本実施形態1における認証設定制御処理について説明する。
図6と
図7は、それぞれ、本実施形態1における認証設定制御処理のフローを説明するためのフローチャートの例の一部と、他の一部である。本認証設定制御処理は、情報端末装置20により出力されるジョブデータの受信をトリガとして開始される。
【0065】
判定部17aは、ジョブデータを受信したか否かを判定する(ステップS001)。判定部17aにより、ジョブデータを受信していないと判定された場合には(ステップS001;NO)、処理はステップS001の処理を繰り返し、ジョブデータの受信を待つ。
【0066】
一方、ジョブデータを受信したと判定した場合には(ステップS001;YES)、判定部17aは、更に、受信したジョブデータに封入封緘指定が含まれているか否かを判定する(ステップS002)。封入封緘指定が含まれていないと判定した場合には(ステップS002;NO)、判定部17aは、更に、認証管理テーブルT2を参照して、認証設定は有効か否かを判定する(ステップS201)。
【0067】
判定部17aにより、認証設定は有効であると判定された場合には(ステップS201;YES)、処理は後述のステップS011の処理へと進み、一方、認証設定は無効であると判定された場合には(ステップS201;NO)、プリンタ部15は印刷処理を開始する(ステップS015)。そして、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘されることなく、トレイ上に排出される。
【0068】
一方、ステップS002の処理において、判定部17aにより、封入封緘指定が含まれていると判定された場合には(ステップS002;YES)、折り種別特定部17bは、受信したジョブデータを解析し、印刷用紙PPの折り方を指定する「折り種別」を特定し(ステップS003)、印刷面種別特定部17cは、印刷面を指定する「印刷面種別」を特定する(ステップS004)。
【0069】
そして、フラグ特定部17dは、管理テーブルT1を参照して、折り種別特定部17bにより特定された「折り種別」と印刷面種別特定部17cにより特定された「印刷面種別」との組合せに対応する「フラグ」を特定する(ステップS005)。
【0070】
そして、判定部17aは、「外側印刷面領域」が存在するか否かを判定する(ステップS006)。より具体的には、判定部17aは、フラグ特定部17dにより特定された「フラグ」のフラグ値が“1”の場合には、「外側印刷面領域」が存在すると判定し、特定された「フラグ」のフラグ値が“0”の場合には、「外側印刷面領域」が存在しないと判定する。
【0071】
「外側印刷面領域」は存在しないと判定した場合には(ステップS006;NO)、判定部17aは、更に、認証管理テーブルT2を参照して、認証設定は有効か否かを判定する(ステップS301)。判定部17aにより、認証設定は無効であると判定された場合には(ステップS301;NO)、プリンタ部15は印刷処理を開始する(ステップS015)。そして、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0072】
一方、判定部17aにより、認証設定は有効であると判定された場合には(ステップS301;YES)、設定制御部17gは、処理対象のジョブデータにおける認証設定を無効にし(ステップS302)、ユーザ認証が行われることなく、プリンタ部15は印刷処理を開始する(ステップS015)。そして、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0073】
一方、ステップS006の処理において、判定部17aにより、「外側印刷面領域」が存在すると判定された場合には(ステップS006;YES)、封入枚数特定部17eは、処理対象のジョブデータを解析し、封筒Fに封入される印刷用紙PPの枚数を特定する(ステップS007)。
【0074】
そして、外側印刷面領域特定部17fは、管理テーブルT1を参照して、封入枚数特定部17eにより特定された封入枚数に基づいて、「外側印刷面領域」を特定する(ステップS008)。
【0075】
そして、判定部17aは、外側印刷面領域特定部17fにより特定された「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置されるか否かを判定する(ステップS009)。判定部16aにより、「外側印刷面領域」にオブジェクトデータは配置されないと判定された場合には(ステップS009;NO)、処理はステップS301の処理へと進み、前述の処理を実行する。
【0076】
一方、「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置されると判定した場合には(ステップS009;YES)、判定部17aは、更に、認証管理テーブルT2を参照して、認証設定は有効か否かを判定する(ステップS010)。判定部17aにより、認証設定は無効であると判定された場合には(ステップS010;NO)、設定制御部17gは、処理対象のジョブデータにおける認証設定を有効にし(ステップS401)、処理は後述のステップS011の処理へと進む。
【0077】
一方、判定部17aにより、認証設定は有効であると判定された場合には(ステップS010;YES)、処理は後述のステップS011の処理へと進む。
【0078】
ここで、ステップS201又はステップS010の処理でYESと判定された場合、あるいは、S401の処理の後に、処理はステップS011の処理へと進み、情報生成部17hは、ユーザ認証を行うよう指示する指示情報を生成し、通信部11を介して、生成した指示情報を処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20へ送信する(ステップS011)。指示情報を受信した情報端末装置20は、例えば、表示画面上に、ユーザ認証を行うよう示すメッセージを表示する。
【0079】
そして、判定部17aは、ユーザ認証が行われたか否かを判定する(ステップS012)。判定部17aにより、ユーザ認証はまだ行われていないと判定された場合には(ステップS012;NO)、処理はステップS012の処理を繰り返し、ユーザ認証が行われるのを待つ。
【0080】
一方、判定部17aにより、ユーザ認証が行われたと判定された場合には(ステップS012;YES)、認証処理部17iは、認証処理を実行し(ステップS013)、そして、判定部17aは、認証処理の結果が認証可か否かを判定する(ステップS014)。判定部17aにより、認証処理の結果が認証不可であると判定された場合には(ステップS014;NO)、表示部13は、再度ユーザ認証を行うように示すメッセージを、表示画面上に表示し(ステップS501)、処理はステップS012の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
【0081】
一方、判定部17aにより、認証処理の結果が認証可であると判定された場合には(ステップS014;YES)、プリンタ部15は印刷処理を開始する(ステップS015)。そして、封入封緘指定が有る場合には、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出され、封入封緘指定が無い場合には、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘されることなく、トレイ上に排出される。
【0082】
次に、
図8を参照して、具体例に従って、本実施形態1における認証設定制御処理について説明する。
図8(a)と(b)は、それぞれ、本実施形態1における封筒Fに封入される内容物(印刷後の印刷用紙PP)の表面と裏面の例を示す図である。
【0083】
なお、本例においては、処理対象のジョブデータに封入封緘指定が含まれているものとする。また、ジョブデータを処理し印刷用紙PPに印刷すると、
図8に示すようになるものとする。つまり、「印刷面種別」は両面印刷であり、封入枚数は一枚であるものとする。また、指定されている「折り種別」は外三つ折りであり、管理テーブルT1は、
図3に示すものであるとする。また、認証設定は無効になっているものとする。
【0084】
ジョブデータを受信すると(ステップS001;YES)、受信したジョブデータには封入封緘指定が含まれており(ステップS002;YES)、指定されている「折り種別」は外三つ折りであることから、折り種別特定部17b
は、「折り種別」として外三つ折りを特定する(ステップS003)。
【0085】
そして、「印刷面種別」は両面印刷であることから、印刷面種別特定部17cは、「印刷面種別」として両面印刷を特定する(ステップS004)。
図3に示す管理テーブルT1を参照すると、外三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「フラグ」のフラグ値は“1”である(ステップS005)。従って、判定部17aにより、「外側印刷面領域」が存在すると判定され(ステップS006;YES)、封入枚数は一枚であることから(ステップS007)、外側印刷面領域特定部17fは、
図3に示す管理テーブルT1の「一枚」欄を検索して、外三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「外側印刷面領域」を特定する。すなわち、外側印刷面領域特定部17fは、「外側印刷面領域」として、領域3A−1と領域3B−3を特定する(ステップS008)。
【0086】
図8を参照すると、領域3A−1と領域3B−3のいずれの領域にもオブジェクトデータが配置され(ステップS009;YES)、認証設定は無効であることから(ステップS010;NO)、設定制御部17gは、本ジョブデータにおける認証設定を有効する(ステップS401)。
【0087】
そして、情報生成部17hは、ユーザ認証を行うよう指示する指示情報を生成し、通信部11を介して、生成した指示情報を処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20へ送信する(ステップS011)。指示情報を受信した情報端末装置20は、例えば、表示画面上に、ユーザ認証を行うよう示すメッセージを表示する。このメッセージを見たユーザは、印刷装置10の認証情報取得部16にICカードをかざして、ユーザ認証を行う(ステップS012;YES)。
【0088】
認証処理部17iは、認証情報取得部16により取得された認証情報に基づいて、認証処理を実行し(ステップS013)、認証可と判定する(ステップS014;YES)。プリンタ部15は印刷処理を開始し(ステップS015)、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0089】
次に、
図9を参照して、別の具体例に従って、本実施形態1における認証設定制御処理について説明する。
図9(a)と(b)は、それぞれ、本実施形態1における封筒Fに封入される内容物(印刷後の印刷用紙PP)の表面と裏面の別の例を示す図である。
【0090】
なお、本例においては、処理対象のジョブデータに封入封緘指定が含まれているものとする。また、ジョブデータを処理し印刷用紙PPに印刷すると、
図9に示すようになるものとする。また、「印刷面種別」は両面印刷であり、封入枚数は一枚であるものとする。また、指定されている「折り種別」は内三つ折りであり、管理テーブルT1は、
図3に示すものであるとする。また、認証設定は有効になっているものとする。
【0091】
ジョブデータを受信すると(ステップS001;YES)、受信したジョブデータには封入封緘指定が含まれており(ステップS002;YES)、指定されている「折り種別」は内三つ折りであることから、折り種別特定部17b、「折り種別」として内三つ折りを特定する(ステップS003)。
【0092】
そして、「印刷面種別」は両面印刷であることから、印刷面種別特定部17cは、「印刷面種別」として両面印刷を特定する(ステップS004)。
図3に示す管理テーブルT1を参照すると、内三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「フラグ」のフラグ値は“1”である(ステップS005)。従って、判定部17aにより、「外側印刷面領域」が存在すると判定され(ステップS006;YES)、封入枚数は一枚であることから(ステップS007)、外側印刷面領域特定部17fは、
図3に示す管理テーブルT1の「一枚」欄を検索して、内三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「外側印刷面領域」を特定する。すなわち、外側印刷面領域特定部17fは、「外側印刷面領域」として、領域3B−1と領域3B−2を特定する(ステップS008)。
【0093】
しかしながら、
図9を参照すると、裏面は白紙であることから、領域3B−1と領域3B−2のいずれの領域にもオブジェクトデータは配置されない(ステップS009;NO)。また、認証設定は有効であることから(ステップS301;YES)、設定制御部17gは、本ジョブデータにおける認証設定を無効する(ステップS302)。
【0094】
そして、ユーザ認証は行われることなく、プリンタ部15は印刷処理を開始し(ステップS015)、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0095】
また、上記実施形態1によれば、印刷装置10は、処理対象のジョブデータに封入封緘指定が含まれているか否かを判定し、封入封緘指定が含まれている場合、認証設定が有効であっても印刷処理を開始した。このように構成することで、ユーザ認証処理負担を軽減することが可能となる。これにより、ユーザの利便性を向上させることが可能となると共に、不必要なユーザ認証を省くことが可能となることから、ジョブデータの出力から結果物を得るまでの処理時間を短縮することが可能となり、生産性を高めることが可能となる。
【0096】
また、上記実施形態1によれば、印刷装置10は、封入封緘指定が有る場合に、封筒Fに印刷用紙PPを封入した際に封筒Fの内側面と接する領域であり、且つ、印刷面上の領域である「外側印刷面領域」を特定した。そして、印刷装置10は、特定した「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置されるか否かに応じて、ユーザ認証の設定を変更する制御を行った。このように構成することで、情報漏洩の防止を図りつつ、ユーザ認証処理負担を軽減することが可能となる。
【0097】
また、上記実施形態1によれば、印刷装置10は、特定した「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置されない場合には、ユーザ認証の設定が有効であっても、ユーザ認証を行うことなく印刷処理を開始した。一方、特定した「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置される場合には、印刷装置10は、ユーザ認証の設定が無効であっても、ユーザ認証が行なわれた後に印刷処理を開始した。このように構成することで、封筒Fに印刷用紙PPを封入した際に一番外側になる面にデータが印刷される場合には、印刷装置10で、ユーザ認証が行われた後に印刷処理を開始することから、情報の漏洩の防止を図ることが可能となる。
【0098】
また、上記実施形態1によれば、印刷装置10は、「外側印刷面領域」が存在しない場合には、ユーザ認証の設定が有効であっても、ユーザ認証を行うことなく、印刷処理を開始した。このように構成することで、封筒Fに印刷用紙PPを封入した際に一番外側になる面が印刷面で無い場合には、ユーザ認証は行われずに印刷処理が開始されることとなる。これにより、封筒Fの外側から内容が透けて見える可能性が極めて低い場合には、ユーザ認証を省くことが可能となる。
【0099】
また、上記実施形態1によれば、印刷装置10は、ユーザ認証が必要な場合に、ユーザ認証を行うよう指示する指示情報を生成し、処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20へ送信した。このように構成することで、指示情報を受信した情報端末装置20は、ユーザに対して、ユーザ認証を行うよう指示することが可能となる。これにより、例えば、認証設定が無効となっている場合に、設定が変更され、印刷処理を開始させるためにユーザ認証が必要になった場合であっても、ユーザはすぐに対処することが可能となる。その結果、処理の遅延を防止することが可能となる。
【0100】
(実施形態2)
上記実施形態1においては、「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置される場合には、ユーザ認証を行うように構成した。
【0101】
本実施形態2においては、処理対象のジョブデータがバリアブル印刷に関するジョブデータの場合には、「外側印刷面領域」に配置されるオブジェクトデータの中に可変データがある場合のみ、ユーザ認証を行うように構成する。これは、可変データは、個人情報やパスワードなど機密情報に関するデータである可能性が極めて高いからである。そのため、「外側印刷面領域」に可変データが配置される場合には、印刷装置10においてユーザ認証を行わせることで、情報の漏洩を防止する。
【0102】
本実施形態2における印刷装置10の基本的な構成は、実施形態1の場合と同じである。但し、本実施形態2においては、制御部17が、
図10に示すように、抽出部17jを更に備える点で、実施形態1の場合と異なっている。また、判定部17aが果たす機能が、実施形態1の場合と異なっている。
【0103】
判定部17aは、更に、処理対象のジョブデータがバリアブル印刷に関するジョブデータか否かを判定する。また、判定部17aは、更に、抽出部17jにより可変データが抽出されたか否かを判定する。
【0104】
抽出部17jは、ジョブデータがバリアブル印刷に関するジョブデータである場合には、ジョブデータに含まれるレイアウト情報に基づいて、外側印刷面領域特定部17fにより特定された「外側印刷面領域」に配置されるオブジェクトデータを特定し、特定したオブジェクトデータの中から、可変データを抽出する。オブジェクトデータが、定型データか、それとも、可変データかの判定は、ジョブデータを解析することで可能である。
【0105】
次に、
図11を参照して、本実施形態2における認証設定制御処理について説明する。
図11は、本実施形態2における認証設定制御処理のフローを説明するためのフローチャートの例の一部である。本認証設定制御処理は、情報端末装置20により出力されるジョブデータの受信をトリガとして開始される。
【0106】
本実施形態2における認証設定制御処理では、ステップS009迄の処理については実施形態1の場合と同じであることから、それ以降の処理について以下説明する。
【0107】
「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置されると判定した場合には(ステップS009;YES)、判定部17aは、更に、処理対象のジョブデータがバリアブル印刷に関するジョブデータか否かを判定する(ステップS601)。判定部17aにより、処理対象のジョブデータはバリアブル印刷に関するジョブデータではないと判定された場合には(ステップS601;NO)、処理は実施形態1において説明したステップS010の処理へと進み、それ以降の処理は実施形態1の場合と同じである。
【0108】
一方、判定部17aにより、処理対象のジョブデータがバリアブル印刷に関するジョブデータであると判定された場合には(ステップS601;YES)、抽出部17jは、ジョブデータに含まれるレイアウト情報に基づいて、ステップS008の処理で外側印刷面領域特定部17fにより特定された「外側印刷面領域」に配置されるオブジェクトデータを特定し、特定したオブジェクトデータの中から、可変データを抽出する(ステップS602)。
【0109】
そして、判定部17aは、抽出部17jにより可変データが抽出されたか否かを判定する(ステップS603)。判定部17aにより、可変データが抽出されたと判定された場合には(ステップS603;YES)、処理はステップS010の処理へと進み、それ以降の処理は実施形態1の場合と同じである。
【0110】
一方、可変データは抽出されなかったと判定した場合には(ステップS603;NO)、判定部17aは、更に、認証管理テーブルT2を参照して、認証設定は有効か否かを判定する(ステップS604)。判定部17aにより、認証設定は無効であると判定された場合には(ステップS604;NO)、プリンタ部15は印刷処理を開始する(ステップS015)。そして、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0111】
一方、判定部17aにより、認証設定は有効であると判定された場合には(ステップS604;YES)、設定制御部17gは、処理対象のジョブデータにおける認証設定を無効にする(ステップS605)。そして、ユーザ認証は行われることなく、プリンタ部15は印刷処理を開始し(ステップS015)、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0112】
次に、
図8を参照して、具体例に従って、本実施形態2における認証設定制御処理について説明する。
【0113】
なお、本例においては、処理対象のジョブデータに封入封緘指定が含まれており、バリアブル印刷に関するジョブデータであるものとする。また、ジョブデータを処理し印刷用紙PPに印刷すると、
図8に示すようになるものとする。つまり、「印刷面種別」は両面印刷であり、封入枚数は一枚であるものとする。また、指定されている「折り種別」は外三つ折りであり、管理テーブルT1は、
図3に示すものであるとする。また、認証設定は無効になっているものとし、
図8の領域3A−1に配置されているオブジェクトデータは可変データであるものとする。
【0114】
ジョブデータを受信すると(ステップS001;YES)、受信したジョブデータには封入封緘指定が含まれており(ステップS002;YES)、指定されている「折り種別」は外三つ折りであることから、折り種別特定部17b、「折り種別」として外三つ折りを特定する(ステップS003)。
【0115】
そして、「印刷面種別」は両面印刷であることから、印刷面種別特定部17cは、「印刷面種別」として両面印刷を特定する(ステップS004)。
図3に示す管理テーブルT1を参照すると、外三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「フラグ」のフラグ値は“1”である(ステップS005)。従って、判定部17aにより、「外側印刷面領域」が存在すると判定され(ステップS006;YES)、封入枚数は一枚であることから(ステップS007)、外側印刷面領域特定部17fは、
図3に示す管理テーブルT1の「一枚」欄を検索して、外三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「外側印刷面領域」を特定する。すなわち、外側印刷面領域特定部17fは、「外側印刷面領域」として、領域3A−1と領域3B−3を特定する(ステップS008)。
【0116】
図8を参照すると、領域3A−1と領域3B−3のいずれの領域にもオブジェクトデータが配置されている(ステップS009;YES)。また、処理対象のジョブデータはバリアブル印刷に関するジョブデータであり(ステップS601;YES)、外側印刷面領域特定部17fにより、「外側印刷面領域」として特定された領域3A−1に配置されているオブジェクトデータは、可変データである(ステップS603;YES)。また、認証設定は無効であることから(ステップS010;NO)、設定制御部17gは、本ジョブデータにおける認証設定を有効する(ステップS401)。
【0117】
そして、情報生成部17hは、ユーザ認証を行うよう指示する指示情報を生成し、通信部11を介して、生成した指示情報を処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20へ送信する(ステップS011)。指示情報を受信した情報端末装置20は、例えば、表示画面上に、ユーザ認証を行うよう示すメッセージを表示する。このメッセージを見たユーザは、印刷装置10の認証情報取得部16にICカードをかざして、ユーザ認証を行う(ステップS012;YES)。
【0118】
認証処理部17iは、認証情報取得部16により取得された認証情報に基づいて、認証処理を実行し(ステップS013)、認証可と判定する(ステップS014;YES)。プリンタ部15は印刷処理を開始し(ステップS015)、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0119】
次に、同じく
図8を参照して、別の具体例に従って、本実施形態2における認証設定制御処理について説明する。
【0120】
なお、本例においては、処理対象のジョブデータに封入封緘指定が含まれており、バリアブル印刷に関するジョブデータであるものとする。また、ジョブデータを処理し印刷用紙PPに印刷すると、
図8に示すようになるものとする。つまり、「印刷面種別」は両面印刷であり、封入枚数は一枚であるものとする。また、指定されている「折り種別」は内三つ折りであり、管理テーブルT1は、
図3に示すものであるとする。また、認証設定は有効になっているものとし、可変データは、
図8の領域3A−1に配置されているオブジェクトデータのみであるものとする。
【0121】
ジョブデータを受信すると(ステップS001;YES)、受信したジョブデータには封入封緘指定が含まれており(ステップS002;YES)、指定されている「折り種別」は内三つ折りであることから、折り種別特定部17b、「折り種別」として内三つ折りを特定する(ステップS003)。
【0122】
そして、「印刷面種別」は両面印刷であることから、印刷面種別特定部17cは、「印刷面種別」として両面印刷を特定する(ステップS004)。
図3に示す管理テーブルT1を参照すると、内三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「フラグ」のフラグ値は“1”である(ステップS005)。従って、判定部17aにより、「外側印刷面領域」が存在すると判定され(ステップS006;YES)、封入枚数は一枚であることから(ステップS007)、外側印刷面領域特定部17fは、
図3に示す管理テーブルT1の「一枚」欄を検索して、外三つ折りと両面印刷との組合せに対応する「外側印刷面領域」を特定する。すなわち、外側印刷面領域特定部17fは、「外側印刷面領域」として、領域3B−1と領域3B−2を特定する(ステップS008)。
【0123】
図8を参照すると、領域3B−1と領域3B−2のいずれの領域にもオブジェクトデータが配置されており(ステップS009;YES)、処理対象のジョブデータはバリアブル印刷に関するジョブデータである(ステップS601;YES)。しかしながら、外側印刷面領域特定部17fにより、「外側印刷面領域」として特定された領域3B−1と領域3B−2に配置されているオブジェクトデータは、可変データではなく(ステップS603;NO)、認証設定は有効であることから(ステップS604;YES)、設定制御部17gは、本ジョブデータにおける認証設定を無効する(ステップS605)。
【0124】
そして、ユーザ認証は行われることなく、プリンタ部15は印刷処理を開始し(ステップS015)、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘され、印刷された印刷用紙PPは封筒Fに封入封緘された状態でトレイ上に排出される。
【0125】
上記実施形態2によれば、「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置され、処理対象のジョブデータがバリアブル印刷に関するジョブデータの場合に、印刷装置10は、「外側印刷面領域」に配置されるオブジェクトデータの中から、可変データを抽出した。そして、可変データが抽出されなかった場合には、認証設定が有効であっても、ユーザ認証を行うことなく、印刷処理を開始した。このように構成することで、機密情報に該当する可能性が極めて低い定型データのみが「外側印刷面領域」に配置される場合には、ユーザ認証を行うことなく、印刷処理を開始することから、ユーザ認証処理負担を軽減させ、ユーザの利便性を更に向上させることが可能となる。また、不必要なユーザ認証を省くことが可能となることから、ジョブデータの出力から結果物を得るまでの処理時間を短縮することが可能となり、生産性を更に高めることが可能となる。
【0126】
また、上記実施形態2によれば、「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置され、処理対象のジョブデータがバリアブル印刷に関するジョブデータの場合に、印刷装置10は、「外側印刷面領域」に配置されるオブジェクトデータの中から、可変データを抽出した。そして、可変データが抽出された場合には、認証設定が無効であっても、ユーザ認証を行なった後に、印刷処理を開始した。このように構成することで、機密情報に該当する可能性が極めて高い可変データが「外側印刷面領域」に配置される場合には、ユーザ認証が行われた後に、印刷処理を開始することから、情報の漏洩を防止することが可能となる。
【0127】
(実施形態3)
上記実施形態1又は2においては、ジョブデータに封入封緘指定が含まれておらず、認証設定が無効になっている場合には、そのまま、ユーザ認証を行うことなく、印刷処理を開始させた。
【0128】
本実施形態3においては、ジョブデータに封入封緘指定が含まれておらず、認証設定が無効になっている場合には、印刷装置10は、後述の開始情報を生成して、処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20へ送信する。そして、所定時間経過後に、ユーザ認証を行うことなく、印刷処理を開始させるように構成する。
【0129】
なお、本構成は、実施形態1又は2のいずれに対しても適用可能であることから、ここでは、実施形態1に対して本構成を適用した場合を例に、以下説明する。
【0130】
本実施形態3における印刷装置10の基本的な構成は、実施形態1の場合と同じである。但し、本実施形態3においては、制御部17が、
図12に示すように、タイマ17kを更に備える点で、実施形態1の場合と異なっている。また、判定部17aと情報生成部17hが果たす機能が、実施形態1の場合と異なっている。
【0131】
判定部17aは、更に、タイマ17kがタイムアウト(所定時間経過)したか否かを判定する。
【0132】
情報生成部17hは、更に、ジョブデータに封入封緘指定が含まれておらず、認証設定が無効になっている場合には、認証設定は無効である旨と所定時間(例えば、60秒)経過後に印刷処理を開始する旨を通知するための開始情報を生成し、通信部11を介して、生成した開始情報を、処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20に送信する。開始情報を受信した情報端末装置20は、例えば、認証設定は無効である旨と所定時間経過後に印刷が開始される旨を、表示画面上に表示する。これにより、該情報端末装置20のユーザは、必要に応じて、印刷装置10が設置されている場所に行って、印刷処理を監視することが可能となる。
【0133】
タイマ17kは、開始情報を送信してから所定時間経過したか否かを管理するためのタイマであり、制御部17によりスタートされる。
【0134】
次に、
図13を参照して、本実施形態3における認証設定制御処理について説明する。
図13は、本実施形態3における認証設定制御処理のフローを説明するためのフローチャートの例の一部である。本認証設定制御処理は、情報端末装置20により出力されるジョブデータの受信をトリガとして開始される。
【0135】
なお、本実施形態3における認証設定制御処理では、ステップS201の処理でNOと判定された場合の処理以外は、実施形態1において説明した処理と同じであることから、ステップS201以降の処理について、以下に説明する。
【0136】
判定部17aは、認証管理テーブルT2を参照して、認証設定は有効か否かを判定する(ステップS201)。判定部17aにより、認証設定は有効であると判定された場合には(ステップS201;YES)、処理は実施形態1で説明したステップS011の処理へと進む。
【0137】
一方、判定部17aにより、認証設定は無効であると判定された場合には(ステップS201;NO)、情報生成部17hは、認証設定は無効である旨と所定時間経過後に印刷処理を開始する旨を通知するための開始情報を生成し、通信部11を介して、生成した開始情報を、処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20に送信する(ステップS701)。
【0138】
そして、制御部17は、タイマ17kをスタートさせ(ステップS702)、判定部17aは、タイムアウトしたか否かを判定する(ステップS703)。判定部17aにより、まだタイムアウトしていないと判定された場合には(ステップS703;NO)、処理はステップS703の処理を繰り返して、タイムアウトするのを待つ。
【0139】
一方、判定部17aにより、タイムアウトしたと判定された場合には(ステップS703;YES)、ユーザ認証は行われることなく、プリンタ部15は印刷処理を開始する(ステップS015)。そして、印刷された印刷用紙PPは、封入封緘装置30により封筒Fに封入封緘されることなく、トレイ上に排出される。
【0140】
上記実施形態3によれば、ジョブデータに封入封緘指定が含まれておらず、認証設定が無効になっている場合に、印刷装置10は、所定時間の経過を待って、ユーザ認証を行うことなく、印刷処理を開始した。このように構成することで、例えば、認証設定が誤って無効となっており、印刷物に機密情報が含まれている場合であっても、ユーザは、印刷処理が開始される前に、印刷装置10が設定されている場所に行くことができ、情報の漏洩を防止することが可能となる。また、所定時間経過したら、ユーザ認証は行われることなく、印刷処理が開始されることから、認証設定が誤っていない場合には、ユーザは、印刷処理を開始させるために印刷装置10が設置されている場所に行く必要がないため、ユーザの利便性を損なうこともない。
【0141】
また、上記実施形態3によれば、ジョブデータに封入封緘指定が含まれておらず、認証設定が無効になっている場合に、印刷装置10は、認証設定は無効である旨と所定時間経過後に印刷処理を開始する旨を通知するための開始情報を生成して、処理対象のジョブデータを出力した情報端末装置20へ送信した。このように構成することで、開始情報を受信した情報端末装置20は、認証設定は無効である旨と所定時間経過後に印刷処理を開始する旨を、ユーザに報知することが可能となる。
【0142】
なお、上記実施形態1乃至3において、印刷後の印刷用紙PPを封筒Fに封入封緘する機能を備える印刷装置10により上記機能を実現するように構成してもよい。
【0143】
また、上記実施形態1乃至3において、認証設定制御処理のステップS009の処理で、「外側印刷面領域」にオブジェクトデータが配置される場合に、例えば、その配置されるオブジェクトデータが印刷される際にメインとなる色彩を検出し、検出した色彩と印刷物(印刷後の印刷用紙PP)を封入する封筒Fの厚みや色との組合せに応じて、認証設定を変更するように構成してもよい。
【0144】
また、上記実施形態1乃至3において、指示生成部17hは、ユーザ認証が必要な場合に、ユーザ認証を行うよう指示する指示情報を生成し、情報端末装置20へ送信し、指示情報を受信した情報端末装置20は、例えば、表示画面上に、ユーザ認証を行うよう示すメッセージを表示すると説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、指示情報を受信した情報端末装置20は、音声でその旨を報知してもよいし、所定のLEDライトを点灯させることで、その旨を報知するようにしてもよく、ユーザ認証が必要なことがユーザに伝えられるような方法であればよい。
【0145】
また、上記実施形態1乃至3において、認証処理の結果が認証不可の場合に、表示部13は、再度ユーザ認証を行うよう示すメッセージを、表示画面上に表示すると説明した。この場合も同様に、印刷装置10は、音声でその旨を報知してもよいし、所定のLEDライトを点灯させることで、その旨を報知するようにしてもよく、ユーザ認証に失敗したため再度ユーザ認証が必要なことが、ユーザに伝えられるような方法であればよい。
【0146】
また、上記実施形態3において、指示生成部17hは、ジョブデータに封入封緘指定が含まれておらず、認証設定が無効になっている場合に、所定時間経過後に印刷処理を開始する旨を通知するための開始情報を生成し、情報端末装置20に送信し、開始情報を受信した情報端末装置20は、例えば、表示画面上に、所定時間経過後に印刷が開始される旨を、表示画面上に表示すると説明した。この場合も同様に、例えば、開始情報を受信した情報端末装置20は、音声でその旨を報知してもよく、所定時間経過後に印刷処理を開始されることがユーザに伝えられるような方法であればよい。
【0147】
また、上記実施形態1乃至3において、封入封緘装置30が複数の折り機構を備える場合などには、対応する複数種の管理テーブルT1を保持するように構成してもよい。
【0148】
なお、上記動作を実行するための動作プログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magnet Optical disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記憶して配布し、これを印刷装置10のコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行するように構成してもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0149】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は実施形態を取ることができる。