(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サイズ検出部において検出された媒体の寸法が、操作者によって選択された候補サイズの媒体の寸法より大きい場合に、ガイド部材を移動させて、ガイド部材と媒体との間の隙間を小さくするように操作者に促す注意喚起処理部を有する請求項1に記載の画像形成装置。
前記サイズ検出部において検出された媒体の寸法が、操作者によって選択された候補サイズの媒体の寸法より小さい場合に、ガイド部材を移動させて、ガイド部材と用紙との間に隙間を形成するように操作者に促す注意喚起処理部を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としての複合機について説明する。
【0017】
図2は本発明の実施の形態における複合機の概念図である。
【0018】
図において、10は複合機であり、該複合機10は、印刷動作を行う印刷部50、及び読取動作を行うスキャナ部60を備える。そして、プリンタの機能が選択されると、上位装置としての図示されないホストコンピュータから送信された印刷データが印刷部50に送られ、該印刷部50において、印刷データに基づいて第1の媒体としての用紙に対して印刷(画像の形成)が行われる。また、複写機の機能が選択されると、スキャナ部60において、第2の媒体としての原稿の画像が読み取られ、読み取られた画像のデータ、すなわち、読取データが印刷データに変換されて印刷部50に送られ、該印刷部50において、印刷データに基づいて用紙に対して印刷が行われる。
【0019】
前記印刷部50は、各種の用紙を収容する媒体収容部としての用紙トレイ部51、該用紙トレイ部51から繰り出された用紙を給紙する給紙部52、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成し、順次用紙に転写し、カラーのトナー像を形成する画像形成部Bk、Y、M、C、転写されたカラーのトナー像を用紙に定着させ、カラーの画像を形成する定着装置としての定着器55、カラーの画像が形成された用紙を排出する排出部56等を備える。
【0020】
前記用紙トレイ部51は、各種の用紙サイズの用紙をセットすることができるように複数のトレイ31〜33を備える。ここで、用紙サイズは、用紙の寸法によって規定されたA4、A5、A6等の紙の工業規格において規定され、短手方向の寸法(以下「短辺の長さ」という。)をWm〔mm〕とし、長手方向の寸法(以下「長辺の長さ」という。)をLm〔mm〕としたとき、
Wm×Lm
で表される。
【0021】
前記各画像形成部Bk、Y、M、Cは、像担持体としての感光体ドラム53、該感光体ドラム53と対向させて配設された転写部材としての転写ローラ54等を備え、印刷部50に送られた印刷データに基づいて、各感光体ドラム53にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が形成され、転写ローラ54によって各トナー像が用紙に順次転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0022】
そして、カラーのトナー像が形成された用紙は、定着器55においてトナー像が加熱され、加圧されて用紙に定着させられ、カラーの画像が形成される。なお、画像形成部Bk、Y、M、C、定着器55等によって印刷出力部13が構成される。
【0023】
前記スキャナ部60は、原稿を自動的に給紙するための自動原稿送り装置(ADF)61、原稿を載置するためのフラットベッド62、原稿の画像を読み取る読取ヘッド等から成る読取部16等を備える。
【0024】
操作者が自動原稿送り装置61又はフラットベッド62に原稿をセットし、図示されない読取開始用のボタンを押下すると、前記読取部16は、原稿を光学的に走査し、反射光、透過光等の光強度を測定することによって原稿の画像を読み取り、測定した光強度を読取データとして出力する。該読取データは印刷データに変換されて印刷部50に送られ、該印刷部50において、印刷出力部13によって印刷データに対応する画像が形成される。
【0025】
次に、前記複合機10の制御装置について説明する。
【0026】
図1は本発明の実施の形態における複合機の制御ブロック図である。
【0027】
図において、10は複合機、11は、ホストコンピュータに複合機10のステータス情報を送信したり、ホストコンピュータから送信された印刷データ等を受信したりする送受信部、12は複合機10の全体の制御を行う制御部、13は前記印刷出力部、14は媒体情報を管理する媒体情報管理部、15は複合機10の筐体の所定の箇所に配設されたパネル部、16は前記読取部である。前記パネル部15は、キー、ボタン等の操作要素を備え、該操作要素を操作者が操作することによって各種の情報を入力したり、複合機10に指示を送ったりするための操作部、及びLEDパネル等の表示要素を備え、該表示要素によって操作者に各種の情報を通知するための表示部から成る。なお、表示要素がタッチパネルによって形成される場合、表示部は操作部としても機能する。
【0028】
また、17は前記トレイ31〜33にセットされた用紙の用紙サイズに類似する用紙サイズを候補サイズとして抽出する候補サイズ抽出部、18は、複合機10の本体、すなわち、装置本体に装着されたトレイ31〜33を検出するトレイ装着検出部、19は前記トレイ31〜33にセットされた用紙の有無を検出する媒体検出部、20は各トレイ31〜33にセットされた用紙の用紙サイズ、及び自動原稿送り装置61又はフラットベッド62にセットされた用紙の用紙サイズを検出するサイズ検出部、21は用紙の色を検出する色検出部、22は用紙の画像のパターンを検出するパターン検出部、71は第1の記憶装置としてのRAM、72は第2の記憶装置としての、かつ、用紙サイズ記憶部としてのROMである。
【0029】
次に、トレイ31〜33、及びトレイ31〜33にセットされる用紙の状態について説明する。なお、各トレイ31〜33は同じ構造を有するので、トレイ31について説明する。
【0030】
図3は本発明の実施の形態におけるトレイの概念図、
図4は本発明の実施の形態におけるトレイにセットされる用紙の状態を示す図である。
【0031】
図において、31は上面が開放された箱状体Csによって形成されるトレイであり、前記箱状体Csは前壁Pf、背壁Pr、側壁Ps、Pu及び底壁Pbを備える。トレイ31内には、セットされた用紙を位置決めするとともに、用紙の所定の方向への移動、本実施の形態においては、短手方向及び長手方向への移動を規制する規制部材としての、かつ、ガイド部材としての複数の用紙ガイド34〜36が移動可能に、かつ、所定の箇所で固定可能に配設される。なお、前記前壁Pfの所定の箇所には、装置本体からトレイ31を引き出すための図示されない取っ手が配設される。
【0032】
用紙ガイド34は背壁Prに近接する位置に置かれ、用紙の後縁に当接させられ、用紙が用紙ガイド34より背壁Pr側に移動するのを規制する。また、用紙ガイド35は側壁Psに近接する位置に置かれ、用紙の側縁に当接させられ、用紙が用紙ガイド35より側壁Ps側に移動するのを規制する。そして、用紙ガイド36は側壁Puに近接する位置に置かれ、用紙の側縁に当接させられ、用紙が用紙ガイド36より側壁Pu側に移動するのを規制する。前記用紙ガイド35、36は、ラックアンドピニオン等の機構によって連動して移動させられ、互いに近接したり、離間したりする。なお、前記各用紙ガイド34〜36は、所定の位置で固定することができるように、底壁Pbに係止させられる図示されない係止具を備える。また、トレイ31には、媒体検出要素としての図示されない媒体センサが配設され、該媒体センサは、用紙ガイド34〜36の状態、すなわち、位置に基づいて、用紙の短辺の長さ及び長辺の長さをミリ単位で検出し、サイズ信号としてサイズ検出部20に送る。
【0033】
前記用紙ガイド34〜36を所定の位置に置くことによって、
図4に示されるように、各種の用紙サイズの用紙を縦向き又は横向きにセットすることができる。なお、
図4において、A4、A5、往復葉書及びSTATEMENTは各用紙サイズの名称を、SEFは用紙が縦向きにセットされることを、LEFは用紙が横向きにセットされることを表す。
【0034】
次に、前記構成の複合機10の動作について説明する。
【0035】
この場合、用紙を交換するに当たり、操作者がトレイ31に往復葉書をセットする場合について説明する。
【0036】
図5は本発明の実施の形態における制御部の制御ブロック図、
図6は本発明の実施の形態における複合機の動作を示すフローチャート、
図7は本発明の実施の形態における詳細設定処理のサブルーチンを示す図、
図8は本発明の実施の形態における複合機が認識する用紙の一覧から成る媒体リストの例を示す図、
図9は本発明の実施の形態における用紙交換の確認画面の第1の例を示す図、
図10は本発明の実施の形態における候補サイズの例を示す図、
図11は本発明の実施の形態における用紙交換の確認画面の第2の例を示す図、
図12は本発明の実施の形態における第1の用紙サイズの詳細設定画面の例を示す図、
図13は本発明の実施の形態における用紙の画像のパターンの例を示す図、
図14は本発明の実施の形態における第2の用紙サイズの詳細設定画面の例を示す図、
図15は本発明の実施の形態における第3の用紙サイズの詳細設定画面の例を示す図である。
【0037】
まず、操作者は、用紙を交換するに当たり、装置本体からトレイ31(
図2)を引き出し、所望の用紙、この場合、往復葉書をトレイ31にセットし、該トレイ31を装置本体に装着する。
【0038】
このとき、トレイ装着検出部18(
図1)は、トレイ31が装置本体から引き出されると、トレイ31を検出しなくなり、その後、トレイ31が装置本体に装着されると、トレイ31を検出し、トレイ検出信号を制御部12に送る。また、媒体検出部19は、トレイ31にセットされた用紙があることを検出し、媒体検出信号を制御部12に送る。そして、媒体センサは、トレイ31にセットされた用紙の寸法、すなわち、短辺の長さ及び長辺の長さを検出し、サイズ信号をサイズ検出部20に送り、該サイズ検出部20は前記サイズ信号に基づいて用紙サイズを検出する。
【0039】
そのために、制御部12の媒体認識処理部Pm1は、サイズ検出部20に指示を送り、サイズ検出部20は媒体認識処理部Pm1の指示に基づいてサイズ検出処理を行う。すなわち、前記サイズ検出部20は、前記サイズ信号を読み込み、ROM72に形成された媒体リストを参照し、媒体センサによって検出された短辺の長さ及び長辺の長さ(以下「検出短辺・長辺長さ」という。)と、媒体リストに記録された用紙サイズの用紙の短辺の長さ及び長辺の長さ(以下「参照短辺・長辺長さ」という。)とが一致するかどうかを判断し、検出短辺・長辺長さと参照短辺・長辺長さとが一致する場合に、参照短辺・長辺長さの用紙サイズを、トレイ31にセットされた用紙の用紙サイズとして検出する。
【0040】
図8に示されるように、前記媒体リストには、各用紙サイズごとに、用紙サイズの名称、用紙の向き、並びに用紙の寸法、すなわち、短辺の長さ及び長辺の長さ(Wm×Lm)が互いに対応させて記録される。なお、用紙サイズの名称がCustom Sizeの欄には、操作者が任意に設定した用紙サイズが記録される。
【0041】
媒体センサによって検出された用紙の短辺の長さをWs〔mm〕とし、長辺の長さをLs〔mm〕とし、媒体リストに記録された用紙サイズの用紙の短辺の長さをWm〔mm〕とし、長辺の長さをLm〔mm〕とし、媒体センサの検出誤差に対応させて設定された第1、第2の許容誤差をεs、εb〔mm〕としたとき、
Ws〔mm〕+εb〔mm〕≦Wm〔mm〕≦Ws〔mm〕−εs〔mm〕
であり、かつ、
Ls〔mm〕+εb〔mm〕≦Lm〔mm〕≦Ls〔mm〕−εs〔mm〕
である場合に、前記媒体認識処理部Pm1は、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕と参照短辺・長辺長さWm、Lm〔mm〕とが一致すると判断する。
【0042】
ところで、トレイ31に用紙をセットする際に、用紙に用紙ガイド34〜36が緩めに当接させられると、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕が、参照短辺・長辺長さWm、Lm〔mm〕より小さくなる可能性が低く、大きくなる可能性が高い。
【0043】
そこで、本実施の形態においては、前記第1、第2の許容誤差εs、εb〔mm〕がいずれも正の値とされ、短辺の長さWs〔mm〕が長さWm〔mm〕より大きいかどうかを判断し、長辺の長さLs〔mm〕が長さLm〔mm〕より大きいかどうかを判断するための第1の許容誤差εsが、短辺の長さWs〔mm〕が長さWm〔mm〕より小さいかどうかを判断し、長辺の長さLs〔mm〕が長さLm〔mm〕より小さいかどうかを判断するための第2の許容誤差εbより大きくされる。
【0044】
なお、例えば、第1、第2の許容誤差εs、εb〔mm〕を、いずれも10〔mm〕にすることもできる。
【0045】
前記媒体リストには、
図8に示されるように、用紙の短辺の長さWm〔mm〕及び長辺の長さLm〔mm〕が類似する用紙サイズが複数記録されているので、媒体リストの上方に記録された用紙サイズを上位の用紙サイズとし、下方に記録された用紙サイズを下位の用紙サイズとしたとき、前記サイズ検出部20は、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕と一致するかどうかの判断を、上位の用紙サイズから下位の用紙サイズにかけて順次行い、最初に検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕が一致すると判断された用紙サイズをトレイ31にセットされた用紙の用紙サイズとして検出する。なお、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕と一致すると判断された用紙サイズのうちの、短辺の長さWm〔mm〕、Ws〔mm〕の差及び長辺の長さLm〔mm〕、Ls〔mm〕の差が最も小さい用紙サイズをトレイ31にセットされた用紙の用紙サイズとして検出することができる。
【0046】
ところで、用紙には寸法が類似するものがあるので、用紙をトレイ31にセットしたときの用紙ガイド34〜36の状態によっては、用紙の短辺の長さ及び長辺の長さが精度よく検出されないことがあり、その場合、複合機10においてトレイ31にセットされた用紙を正確に認識することができず、用紙サイズの設定を正確に行うことができない。その結果、ホストコンピュータから送信された印刷データで指定された用紙とトレイ31にセットされた用紙とが一致しなくなることがあり、その場合、用紙に画像を適正に形成することができない。
【0047】
そこで、制御部12の照会処理部Pm2は、照会処理を行い、パネル部15の表示部に、
図9に示されるような、第1の確認画面としての第1の用紙交換の確認画面ds1を形成し、該第1の用紙交換の確認画面ds1の領域Ar1に、前記サイズ検出部20によって検出された用紙サイズ(用紙サイズの名称(A5)、用紙の向き(SEF)、及び用紙の寸法(Wm×Lm))を表示するとともに、トレイ31にセットされた用紙が交換されたことを操作者に通知するメッセージms1、領域Ar1に表示された用紙サイズが正しいかどうかを操作者に問い合わせるメッセージms2、及び領域Ar1に表示された用紙サイズが適切でない場合に、領域Ar1に表示された用紙サイズと類似する複数の用紙サイズから成る候補サイズに基づいて簡易設定を行うか、又は詳細設定を行うかを指示するように操作者に促すメッセージms3を表示する。
【0048】
これにより、照会処理手段Pm2は、簡易設定を選択するか又は詳細設定を選択することを操作者に促す。そのために、前記照会処理部Pm2は、前記第1の用紙交換の確認画面ds1に、簡易設定を行うための操作要素としてのボタンbt1、及び詳細設定を行うための操作要素としてのボタンbt2を表示する。
【0049】
そして、前記照会処理手段Pm2は、第1の用紙交換の確認画面ds1において操作者によってボタンbt1が押下されたか、又はボタンbt2が押下されたかを判断する。
【0050】
ボタンbt1が押下され、簡易設定が選択されると、制御部12の簡易設定処理部Pm3は、簡易設定処理を行い、候補サイズ抽出部17に指示を送り、候補サイズ抽出部17は、簡易設定処理部Pm3の指示に基づいて、候補サイズ抽出処理を行い、前記媒体認識処理において、媒体リストに記録された用紙サイズのうちの、参照短辺・長辺長さWm、Lm〔mm〕が、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕と一致すると判断された用紙サイズを候補サイズとして抽出する。本実施の形態においては、
図10に示されるように、複数の候補サイズが抽出される。なお、あらかじめ、媒体リストに記録された各用紙サイズを、類似する複数の用紙サイズから成る複数のグループに分け、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕と参照短辺・長辺長さWm、Lm〔mm〕との差が最も小さい用紙サイズが属するグループの各用紙サイズを候補サイズとすることができる。
【0051】
続いて、前記簡易設定処理部Pm3の照会処理部Pm31は、照会処理を行い、パネル部15の表示部に、
図11に示されるような、第2の確認画面としての第2の用紙交換の確認画面ds2を形成し、該第2の用紙交換の確認画面ds2の領域Ar2に、前記第1の用紙交換の確認画面ds1と同様に、前記サイズ検出部20によって検出された用紙サイズを表示し、前記領域Ar2と隣接する領域Ar3に、候補サイズ抽出部17によって抽出された候補サイズをリストで表示する。また、照会処理部Pm31は、第2の用紙交換の確認画面ds2に、トレイ31にセットした用紙の用紙サイズと一致する候補サイズを選択するように操作者に促すメッセージms4、及び領域Ar3に表示された候補サイズが、トレイ31にセットした用紙の用紙サイズと一致せず、適切な用紙サイズではない場合に、詳細設定を選択するように操作者に促すメッセージms5を表示する。さらに、照会処理部Pm2は、前記第2の用紙交換の確認画面ds2に、詳細設定を行うための操作要素としてのボタンbt3を表示する。
【0052】
そして、照会処理部Pm31は、操作者によって領域Ar3に表示された候補サイズのうちの所定の候補サイズが選択されたかどうかを判断し、所定の候補サイズが選択されると、前記簡易設定処理部Pm3の媒体設定処理部Pm32は、媒体設定処理を行い、操作者によって選択された候補サイズを、トレイ31にセットした用紙の用紙サイズとして設定し、用紙サイズ等の情報を媒体情報として媒体情報管理部14(
図1)に記録する。
【0053】
続いて、前記簡易設定処理部Pm3の注意喚起処理部Pm33は、注意喚起処理を行い、サイズ検出部20によって検出された用紙サイズ、及び操作者によって選択された候補サイズに基づいて、操作者に注意喚起をする。
【0054】
そのために、前記注意喚起処理部Pm33は、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕が、操作者によって選択された候補サイズの用紙の短辺・長辺長さWm、Lm〔mm〕より大きい場合、パネル部15の表示部に第1の注意喚起画面を形成し、該第1の注意喚起画面に、用紙ガイド34〜36を移動させて用紙ガイド34〜36と用紙との間の隙間を小さくするように操作者に促すメッセージを表示し、検出短辺・長辺長さWs、Ls〔mm〕が、操作者によって選択された候補サイズの用紙の短辺・長辺長さWm、Lm〔mm〕より小さい場合、パネル部15の表示部に第2の注意喚起画面を形成し、該第2の注意喚起画面に、用紙ガイド34〜36を移動させて用紙ガイド34〜36と用紙との間に隙間を形成するように操作者に促すメッセージを表示する。
【0055】
したがって、用紙ガイド34〜36と用紙との間の隙間を適正にすることができるので、用紙を安定させて繰り出すことができる。
【0056】
また、前記第1の用紙交換の確認画面ds1において操作者によってボタンbt2が押下され、詳細設定が選択されるか、第2の用紙交換の確認画面ds2において操作者によってボタンbt3が押下されると、制御部12の詳細設定処理部Pm4は、詳細設定処理を行う。
【0057】
そのために、前記詳細設定処理部Pm4の読取指示処理部Pm41は、読取指示処理を行い、パネル部15の表示部に、
図12に示されるような、第1の指示画面としての第1の用紙サイズの詳細設定画面ds3を形成し、該第1の用紙サイズの詳細設定画面ds3に、用紙サイズの詳細設定を開始する旨を通知するとともに、トレイ31にセットした用紙をスキャナ60(
図2)の自動原稿送り装置61又はフラットベッド62にセットし、読取部16によって用紙の画像を読み取る(スキャンする)ように操作者に促すメッセージms6を表示する。さらに、読取指示処理部Pm41は、第1の用紙サイズの詳細設定画面ds3に、読取部16による用紙の画像の読取りを開始するための操作要素としてのボタンbt4を表示する。操作者がボタンbt4を押下すると、読取部16は用紙の画像の読取りを開始し、用紙の画像に応じた読取データを生成する。
【0058】
続いて、前記詳細設定処理部Pm4はサイズ検出部20に指示を送り、該サイズ検出部20は、詳細設定処理部Pm4の指示に基づいて、読取部16によって生成された読取データを読み込み、読取データの画像処理を行うことによって短辺の長さWs’〔mm〕及び長辺の長さLs’〔mm〕を検出短辺・長辺長さWs’、Ls’〔mm〕として検出するとともに、用紙サイズを検出する。
【0059】
この場合、読取部16による読取誤差に対応させて設定された許容誤差をε〔mm〕としたとき、
Wm〔mm〕−ε〔mm〕<Ws’〔mm〕<Wm〔mm〕+ε〔mm〕
であり、かつ、
Lm〔mm〕−ε〔mm〕<Ls’〔mm〕<Lm〔mm〕+ε〔mm〕
である場合に、サイズ検出部20は、媒体リストを参照し、読取データに基づいて検出した用紙の短辺・長辺長さWs’、Ls’〔mm〕と参照短辺・長辺長さWm、Lm〔mm〕とが一致すると判断するとともに、該判断を、媒体リストにおける上位の用紙サイズから下位の用紙サイズにかけて順次行い、最初に検出短辺・長辺長さWs’、Ls’〔mm〕と一致すると判断された用紙サイズを、トレイ31にセットした用紙サイズとして検出する。
【0060】
また、前記詳細設定処理部Pm4は色検出部21に指示を送り、該色検出部21は詳細設定処理部Pm4の指示に基づいて、読取データを読み込み、読取データに基づいて用紙の色を検出する。本実施の形態においては、用紙の色の白を検出する。
【0061】
そして、前記詳細設定処理部Pm4はパターン検出部22に指示を送り、該パターン検出部22は、詳細設定処理部Pm4の指示に基づいて読取データを読み込み、読取データに基づいて用紙の画像のパターンを検出する。なお、用紙の画像のパターンには、
図13に示されるように、葉書、罫線紙、方眼紙等に特有のパターンがある。
【0062】
続いて、前記詳細設定処理部Pm4の照会処理部Pm42は、照会処理を行い、サイズ検出部20によって検出された用紙サイズ、色検出部21によって検出された用紙の色、及びパターン検出部22によって検出された用紙の画像のパターンを読み込み、パネル部15の表示部に、
図14に示されるような、第2の指示画面としての第2の用紙サイズの詳細設定画面ds4を形成し、該第2の用紙サイズの詳細設定画面ds4の領域Ar4に、サイズ検出部20によって検出された用紙サイズを、領域Ar5に色検出部21によって検出された用紙の色を、領域Ar6にパターン検出部22によって検出された用紙の画像のパターンをそれぞれ検出情報として表示するとともに、検出情報に誤りがある場合、手動で用紙サイズの設定を行うように操作者に促すメッセージms7を表示する。そして、照会処理部Pm42は、第2の用紙サイズの詳細設定画面ds4において前記領域Ar4〜Ar6に隣接させて、操作者が手動で用紙サイズの設定を行うための操作要素としてのボタンbt5〜bt7を表示する。
【0063】
次に、前記詳細設定処理部Pm4の媒体設定処理部Pm43は、媒体設定処理を行い、操作者がボタンbt5〜bt7を押下しないで所定の時間が経過すると、トレイ31にセットされた用紙の用紙サイズは往復葉書であると判断し、用紙サイズの設定を行う。なお、操作者がボタンbt5〜bt7を押下した場合、媒体設定処理部Pm43は、その後、操作者が手動で設定を行ったときの用紙サイズに基づいて、用紙サイズを設定する。
【0064】
そして、媒体設定処理部Pm43は、パネル部15の表示部に、
図15に示されるような、第3の指示画面としての第3の用紙サイズの詳細設定画面ds5を形成し、該第3の用紙サイズの詳細設定画面ds5の領域Ar7に、トレイ31にセットされた用紙サイズが往復葉書であり、用紙の色が白であり、用紙の画像のパターンが葉書であることを表示するとともに、領域Ar7に表示された情報が登録された旨を通知し、用紙サイズの設定を訂正する場合、トレイ31に用紙を再セットするように操作者に促すメッセージms8を表示する。
【0065】
なお、本実施の形態においては、サイズ検出部20によって検出された用紙サイズ、色検出部21によって検出された用紙の色、及びパターン検出部22によって検出された用紙の画像のパターンに基づいて用紙サイズの設定が行われるようになっているが、媒体情報管理部14において、他の検出パラメータを記録しておき、読取データに基づいて検出パラメータを検出し、用紙サイズの設定を行うことができる。
【0066】
次に、
図6のフローチャートについて説明する。
ステップS1 操作者は用紙をトレイ31にセットし、トレイ31を装置本体に装着する。
ステップS2 簡易設定処理部Pm3は簡易設定が選択されたかどうかを判断する。簡易設定が選択された場合はステップS3に、簡易設定が選択されない場合はステップS7に進む。
ステップS3 候補サイズ抽出部17は候補サイズを抽出し、照会処理部Pm31は候補サイズを第2の用紙交換の確認画面ds2に表示する。
ステップS4 照会処理部Pm31は所定の候補サイズが選択されたかどうかを判断する。所定の候補サイズが選択された場合はステップS5に、所定の候補サイズが選択されなかった場合はステップS7に進む。
ステップS5 媒体設定処理部Pm32は用紙サイズを設定する。
ステップS6 注意喚起処理部Pm33は注意喚起処理を行い、処理を終了する。
ステップS7 詳細設定処理部Pm4は詳細設定処理を行う。
【0067】
次に、
図7のフローチャートについて説明する。
ステップS7−1 読取指示処理部Pm41は用紙の画像を読み取るように操作者に促す。
ステップS7−2 読取部16は用紙の画像を読み取る。
ステップS7−3 サイズ検出部20は用紙サイズを、色検出部21は用紙の色を、パターン検出部22は用紙の画像のパターンを検出する。
ステップS7−4 照会処理部Pm42は検出情報を第2の用紙サイズの詳細設定画面ds4に表示し、手動の設定を行うように操作者に促す。
ステップS7−5 媒体設定処理部Pm43は手動の設定に基づいて用紙サイズを設定し、リターンする。
【0068】
このように、本実施の形態においては、用紙ガイド34〜36の位置、及びROM72の媒体リストに記録された用紙の寸法に基づいて、複数の候補サイズが抽出され、各候補サイズのうちの、操作者によって選択された候補サイズに基づいて用紙の設定が行われるので、複数の用紙の寸法の差が媒体センサの検出誤差の範囲内に収まってしまっても、用紙サイズを正確に検出することができ、用紙サイズの設定を精度よく行うことができる。また、用紙の種類が多くても、用紙サイズの設定を容易に行うことができる。
【0069】
そして、詳細設定においては、読取部16によって生成された読取データに基づいて、用紙サイズ、用紙の色及び用紙の画像のパターンを検出するだけで、用紙サイズを設定することができるので、詳細設定処理を簡素化することができる。
【0070】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。