【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成27年1月8日 ウェブサイトのアドレス: http://liica.co.jp/contents/ https://twitter.com/aNewFolder https://www.facebook.com/liicaNewFolder https://itunes.apple.com/jp/app/id909566506?mt=8 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.liica.physics
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来より興趣性の高い、物理演算を用いたコンピュータゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の一局面は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号、説明文言等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の一局面の範囲を何ら限定するものではない。
【0006】
ポインティングデバイス(14)と表示部(12)とを備える情報処理装置(10)のコンピュータ(11)に、
複数のゲームステージから1つを選択するステップ(S101)と、
仮想ゲーム空間内に、選択された前記ゲームステージに応じて少なくとも位置および形状が定められた1つ以上の所定オブジェクトを配置するステップ(S102)と、
前記仮想ゲーム空間内に、前記ポインティングデバイスが受け付けた1つ以上の入力操作にそれぞれ応じた位置および形状にプレイヤ定義オブジェクトを生成して配置するステップ(S103)と、
前記プレイヤ定義オブジェクトおよび前記所定オブジェクトの少なくとも一部の、前記仮想ゲーム空間内における移動を所定の規則に基づき制御するステップ(S104)と、
前記所定オブジェクトと前記プレイヤ定義オブジェクトとを少なくとも含む前記仮想ゲーム空間を、
スクロールさせることなく前記表示部に表示するステップ(S105)と、
選択された前記ゲームステージに応じて定められたステージクリア条件を満たしたか否かを判定するステップ(S106)とを実行させ、
前記ステージクリア条件は、
前記所定オブジェクトおよび前記プレイヤ定義オブジェクトに含まれる少なくとも1つの着目オブジェクトに関して、
その位置が前記仮想ゲーム空間内の所定の領域にある状態(
図5)、その姿勢が所定の範囲内にある状態(
図7)、および、前記所定オブジェクトおよび前記プレイヤ定義オブジェクトに含まれる少なくとも1つの他のオブジェクトとの相対位置および相対姿勢の少なくとも1つが所定の範囲内にある状態(
図10、
図18)のうち、少なくとも1つの状態が、
実現すること(
図6)、または、実現した後少なくとも所定の期間維持されること(
図7)を含み、
前記複数のゲームステージは、相異なる前記ステージクリア条件が定められた2つ以上のゲームステージを含み、
生成された前記プレイヤ定義オブジェクトは、少なくとも前記ステージクリア条件が満たされたと判定されるまでは、前記仮想ゲーム空間から消去されない、プログラム。
【0007】
前記ポインティングデバイス(14)および前記表示部(12)は、タッチパネルディスプレイであり、
前記プレイヤ定義オブジェクトを生成して配置するステップ(S103)において、前記プレイヤ定義オブジェクトは、前記入力操作として前記ポインティングデバイスにタッチして軌跡を描く操作によって指定された位置及び形状に生成され(
図4、23)てもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来より興趣性の高い、物理演算を用いたコンピュータゲームを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下に本発明の一実施形態に係るコンピュータゲームについて説明する。
【0012】
<ゲーム装置>
本実施形態に係るコンピュータゲームが実行されるゲーム装置10は、スマートフォン、携帯型ゲーム機、PC等であり、とくに限定されない。
図1にゲーム装置10の機能ブロック図を示す。ゲーム装置10は、CPUおよびメモリを含む制御部11、画像を表示する表示部12、各種データを記憶する記憶部13、ポインティングデバイスである入力部14を含み、これらは適宜互いに接続されている。表示部12および入力部14は一体的に形成されたタッチパネルであることが好ましい。入力部14に対しては、表示部12上の位置等を指定する入力操作を行うことができる。ゲーム装置10は、その他無線通信を行う通信部等を備えてもよい。
【0013】
<ゲーム処理>
以下に本実施形態に係るゲーム処理の一例を説明する。ゲーム処理は、記憶部13に記憶されたゲームプログラムを制御部11が読み出して実行することによって行われる。ゲームプログラムは、制御部11のCPUに後述するステップを実行させるための指令である。ゲームプログラムは、ゲームデータを含み得る。ゲームデータは、一例として、各ゲームステージの仮想ゲーム空間内に配置する1つ以上のオブジェクトの位置、形状、質量、はね返り係数等の力学的特性を示す情報を含む。
【0014】
各処理ステップを、
図2に示し、以下に説明する。
ステップS101:制御部11は、ゲームステージを選択する。ゲームステージは複数準備されており、例えば、プレイヤの指示に応じて選択してもよいし、ステージ進行度合いに応じて未クリアのものを選択してもよい。
【0015】
ステップS102:制御部11は、選択されたゲームステージに対応するゲームデータに基づき、仮想ゲーム空間内の所定の位置にオブジェクトを配置する。オブジェクトは1つでもよく2つ以上でもよい。本ステップで配置されるオブジェクトは、ゲーム開始時に予め存在するオブジェクトである。このオブジェクトを所定オブジェクトと呼ぶ。
【0016】
ステップS103:制御部11は、入力部14が受け付けたプレイヤの入力操作に基づき、入力操作に応じた位置および形状にオブジェクトを生成して配置する。このオブジェクトをプレイヤ定義オブジェクトと呼ぶ。プレイヤ定義オブジェクトは他のオブジェクトが存在する位置には生成することはできない。また、ゲームステージによっては、仮想ゲーム空間内に、プレイヤ定義オブジェクトを生成できない領域があってもよい。この場合、プレイヤ定義オブジェクトの生成可能な領域を制御部11が参照するための情報を、ゲームデータが含んでいてもよい。なお、入力操作が行われていない間は、本ステップは実行されない。
【0017】
ステップS104:制御部11は、所定オブジェクトおよびプレイヤ定義オブジェクトに対して所定の規則に基づいて演算を行う。所定の規則に基づく演算とは、力学的法則の少なくとも一部を含む規則に基づく演算であり、いわゆる物理演算を含む。制御部11は、物理演算を行い、所定オブジェクトおよびプレイヤ定義オブジェクトの移動を制御する。ここでいう移動とは、仮想ゲーム空間内での各オブジェクトの、重心位置の変化、および、姿勢の変化(回転)を含む。物理演算においては、各オブジェクトの位置、速度、回転量、モーメント、摩擦係数等の力学パラメータの少なくとも一部に基づいて、重力、オブジェクトの慣性、オブジェクト間の接触、はね返り、摩擦等の力学現象の少なくとも一部がシミュレートされ、また力学パラメータが繰り返し更新される。
【0018】
なお、少なくとも一部の制御項目に関して、制御対象とならないオブジェクトがあってもよい。すなわち、例えば仮想ゲーム空間内で移動せず常に静止しているオブジェクトが存在してもよいし、他のオブジェクトが素通りするようなオブジェクトが存在してもよい。
【0019】
また、オブジェクトの移動は、所定の規制を受けてもよい。例えば、仮想ゲーム空間内の所定の軸を中心に回転することのみが許容されたオブジェクトが存在してもよい。
【0020】
このような、オブジェクトごとの制御対象の該否、規制条件等を制御部11が参照するための情報を、ゲームデータが含んでいてもよい。また、制御部11は物理演算以外にも、物理演算の結果に応じて、オブジェクトの色を変更したり、オブジェクトを消去したりする各種の演出や効果の処理を行ってもよい。
【0021】
ステップS105:制御部11は、所定オブジェクトおよびプレイヤ定義オブジェクトを含む仮想ゲーム空間を表示部12に表示する。また、プレイヤによる入力部14への入力操作の途中において、入力経過を示す軌跡を表示してもよい。他にも、プレイヤに対するメッセージやゲーム関連あるいは非関連のアイコン等を適宜表示してもよい。
【0022】
ステップS106:制御部11は、ステージクリア条件を満たしたか否かを判定する。ステージクリア条件はゲームステージに応じて定められている。ステージクリア条件は、いずれかのオブジェクトの位置、姿勢等に関する条件である。制御部11はステージクリア条件に関するオブジェクトの各種力学的パラメータに基づいて判定を行う。制御部11が、ステージクリア条件を満たしたと判定すると、当該ゲームステージは終了する。ゲームステージ終了後、ステップS101に戻ってもよい。ステージクリア条件を満たしたと判定しない場合は、ステップS103に戻る。
【0023】
上記ステップS103〜S106の処理は、並列的に行うことができる。また、その処理タイミングは、互いに同期的であってもよく、非同期的であってもよい。
【0024】
<ゲーム処理の例>
以下に、本実施形態に係るゲーム処理の具体例を示す。一例として、本ゲーム処理が提供するゲームの内容は、仮想ゲーム空間内に予め配置された所定オブジェクトに対して、プレイヤが生成したプレイヤ定義オブジェクトを力学的に干渉させ、その最終結果または途中経過において、いずれか着目するオブジェクトにおける所定の物理的、力学的状態を実現することである。なお、仮想ゲーム空間は、典型的には2次元平面あるいは3次元空間が2次元平面に投影された、平面的空間である。
【0025】
図3にゲームの進行にともなって、表示部12に表示される画像の例を示す。ゲームを起動すると、
図3の(a)に示すように、ゲームステージの選択画面が表示される。選択画面には、選択可能な各ゲームステージを表すアイコン21が表示されており、プレイヤは所望のゲームステージに対応するアイコンをタップすることで当該ゲームステージを選択する。各アイコンは、ゲームステージの番号を表示してもよいし、各ゲームステージの初期画面を表示してもよいし、全体で1つの画像を構成する各ピースとなるよう部分画像を表示してもよい。また、これらの態様を切り替え可能にしてもよい。
【0026】
選択されたゲームステージに応じて、
図3の(b)に示すように、表示部12に所定オブジェクト22が表示される。この例では、左右に壁オブジェクト22−1が存在し、下部に地面オブジェクト22−2が存在する。また、地面オブジェクト22−2上に、皿オブジェクト22−3と、さらオブジェクトに載ったボールオブジェクト22−4が表示される。また、表示部12には、ステージクリア条件に応じたメッセージが表示される。
【0027】
プレイヤが、入力操作として、入力部14をタッチし、タッチ位置を移動させると、その移動軌跡23が、
図4の(c)に示すように、表示部12に表示される。プレイヤが入力部14へのタッチをやめたり、移動軌跡23が表示部12上で他のオブジェクトに接触したりすると、入力操作の終了と判定され、それまでの移動軌跡23がプレイヤ定義オブジェクト24として確定する。また、これを契機として、各オブジェクトに対する物理演算が開始される。なお、移動軌跡23が自身と交差するような入力操作が行われた場合は、入力操作の終了とは判定されず、引き続き入力操作が受け付けられる。
図4の(d)に確定したプレイヤ定義オブジェクト24の例を示す。また、プレイヤ定義オブジェクトは、複数の入力操作によって複数生成されてもよい。
【0028】
各オブジェクトは物理演算によって移動し、また互いに衝突、干渉する。
図4の(e)に示す例では、仮想ゲーム空間内の空中に生成されたプレイヤ定義オブジェクト24は、重力によって落下したのち、皿オブジェクト22−3に当たり、これを傾けさせ、さらにボールオブジェクト22−4が、空中に舞い上がって皿オブジェクト22−3からこぼれ出る結果をもたらしている。
【0029】
この例では、ステージクリア条件は、ボールオブジェクトを皿オブジェクトの外に出すことである。
図4の(e)に示す状態が実現されると、ステージクリアしたこととなり、
図4の(f)に示すように、この旨が表示部12に表示され、ステージ終了となる。
【0030】
なお、上記の例におけるボールオブジェクトのような、ステージクリアに関連するオブジェクトは、色を変える等、他のオブジェクトと区別できる態様で表示してもよい。あるいはその他の、仮想ゲーム空間内で所定の位置等、ステージクリア条件に関連する領域を、同様に区別できる態様で表示してもよい。これにより、プレイヤは、ステージクリア条件を理解しやすくなる。
【0031】
<ゲームステージ例>
上述のゲーム処理の例において説明したもの以外に、ゲームステージの例を説明する。
(1)
図5の(a)に示す例は、所定オブジェクト22の1つであるボールオブジェクト22−1が複数の他のオブジェクト22−2が積まれた上に載っている。ボールオブジェクト22−1を所定の領域に移動させるとステージクリアとなる。着目するオブジェクトであるボールオブジェクト22−1は、固有の色が付けられて他と区別されて表示されてもよい。以降、各図面において、ハッチングで示す部分は、所定の色で表示されているものとする。プレイヤは、例えば、
図5の(b)に示すように、傾斜を有するプレイヤ定義オブジェクト24を生成し、他の所定オブジェクト22を崩しながら、ボールオブジェクト22−1を地面オブジェクトに誘導し一瞬でも触れさせることで、ステージをクリアできる。
【0032】
(2)
図6の(a)に示す例は、プレイヤ定義オブジェクトの一部を所定の領域に移動させるとステージクリアとなる。所定の領域は、固有の色が付けられて表示され、この領域にプレイヤ定義オブジェクトを作成することはできない。プレイヤは、例えば、
図6の(b)に示すように、2つのプレイヤ定義オブジェクト24−1、24−2を生成し、シーソーの脚と腕として機能させ、腕の一端を一瞬でも所定の領域(表示画面上部)に触れさせることで、ステージをクリアできる。
【0033】
(3)
図7の(a)に示す例は、所定オブジェクト22である人型オブジェクトを所定の姿勢に移動させ、所定期間その姿勢を維持させるとステージクリアとなる。プレイヤは、例えば、
図7の(b)に示すように、ボール形状のプレイヤ定義オブジェクト24を生成し、所定オブジェクト22の足に当てて回転させ、起立した状態を3秒間維持することで、ステージをクリアできる。ここでいう起立した状態とは、人型オブジェクトの姿勢(例えば頭と足の所定位置とを結ぶ線の方向)が、表示画面の上下方向を中心に、一定の角度範囲内にあることである。この例においては、所定オブジェクト22が回転しすぎて、起立状態が維持できない場合がある。その場合プレイヤは、さらに壁等として機能する他のプレイヤ定義オブジェクトを生成して、回転しすぎることを抑制すればよい。この例では、起立した状態が成立すると、その状態が続く限り、所定期間が経過するまで、カウント表示が行われる。
【0034】
(4)
図8に示す例では、所定オブジェクト22である天秤オブジェクト22−1と、その右の皿に載った人型オブジェクト22−2とが表示される。天秤オブジェクトの支点部分は、固定されており、天秤オブジェクトは支点を中心に回転運動のみすることができる。また仮想ゲーム空間の支点より右側は、プレイヤ定義オブジェクトを生成することができない。この例では、天秤オブジェクト22−1を所定期間釣り合い状態にするとステージクリアとなる。ここでいう釣り合いとは、天秤オブジェクトの姿勢(例えば両腕の延長方向)が、表示画面の左右方向を中心に、一定の角度範囲内にあることである。プレイヤは、プレイヤ定義オブジェクト24を生成して、天秤オブジェクト22−1の左の皿に載せることによって、天秤オブジェクト22−1を釣り合い状態にすることでステージをクリアできる。
【0035】
以下にさらにゲームステージ例を説明するが、個別のステージクリア方法については説明を省略する。いずれも上述した方法と同様に、プレイヤ定義オブジェクトを1つ以上生成しゲームステージに応じた力学的効果を発生させることによってステージクリアを行うことができる。
【0036】
(5)
図9に示す例では、仮想ゲーム空間内の所定オブジェクトである、点オブジェクト22−1に吊るされたハンガーオブジェクト22−2を落とすことによってステージクリアとなる。
【0037】
(6)
図10に示す例では、所定オブジェクトである容器オブジェクト22−1の中に棒オブジェクト22−2を入れる、すなわち、容器オブジェクト22−1が囲む領域内に棒オブジェクト22−2の一部が移動することによってステージクリアとなる。このように所定オブジェクトの内部領域という概念が導入される。所定オブジェクトに対して、その内部領域は例えば、所定オブジェクトの頂点をつなぐ凸多角形によって定義される。
【0038】
(7)
図11に示す例では、所定オブジェクトである容器オブジェクト22−1の中に入っているボールオブジェクト22−2を、容器オブジェクト22−1の外に出す、すなわち、容器オブジェクト22−1が囲む領域以外の領域にボールオブジェクト22−2の全てが移動することによってステージクリアとなる。このように、所定オブジェクトの外部領域が、例えば上述の内部領域以外の領域として定義される。
【0039】
(8)
図12に示す例では、所定オブジェクト22を移動させ、各部分を順次、全体にわたって所定領域を通過させることによってステージクリアとなる。所定領域は、特定の色によって示され、所定オブジェクト22の、所定領域を通過した部分は、この色に変化するため、容易に視認することができる。
【0040】
(9)
図13に示す例では、複数の所定オブジェクト22の全てにプレイヤ定義オブジェクトを接触させることによってステージクリアとなる。
【0041】
(10)
図14に示す例では、所定オブジェクト22−1を移動させ、所定オブジェクト22−2の凹部に嵌合させると、左右方向に一列揃った箇所が消去される。所定オブジェクト22−2を回転させて、各列すべてが揃うように嵌合させることによってこれらを消去することでステージクリアとなる。
【0042】
(11)
図15に示す例では、複数の点状の所定オブジェクト22−1が、所定オブジェクト22−2によって仕切られて構成された迷路上に配置されている。点状の所定オブジェクト22−1は、プレイヤ定義オブジェクトが素通りすることができ、素通りされた所定オブジェクト22−1は消滅する。すべての所定オブジェクト22−1を消滅させることでステージクリアとなる。
【0043】
(12)
図16に示す例では、複数のブロック状の所定オブジェクト22が、格子状に配置されている。所定オブジェクト22は、プレイヤ定義オブジェクトが1回接触すると消滅する。プレイヤ定義オブジェクトは所定オブジェクトに接触すると跳ね返る。すべての所定オブジェクト22を消滅させることでステージクリアとなる。所定オブジェクト22は、プレイヤ定義オブジェクトが2回以上の所定回数接触すると消滅するものとし、接触するごとに色が変わる演出を行ってもよい。
【0044】
(13)
図17に示す例では、ボールオブジェクト22−1を除く複数の所定オブジェクト22−2が同一の回転軸を中心に回転するよう固定されている。所定オブジェクト22−2を回転させることで、ボールオブジェクト22−1を移動させ、所定オブジェクト22−2のうち複数の点状のオブジェクトの全てを通過させることでステージクリアとなる。
【0045】
(14)
図18に示す例では、所定オブジェクトとして、けん玉のけんオブジェクト22−1とその一方の皿に載った玉オブジェクト22−2とが配置されている。これらを移動させて、けんオブジェクト22−1の反対側の皿にけんオブジェクト22−1を載せることでステージクリアとなる。
【0046】
(15)
図19に示す例では、所定オブジェクトとして、けん玉のけんオブジェクト22−1と玉オブジェクト22−2とが離れて配置されている。これらを移動させて、けんオブジェクト22−1のけん先に、玉オブジェクト22−2が刺さった状態にすることでステージクリアとなる。
【0047】
(16)
図20に示す例では、所定オブジェクトとして、容器オブジェクト22−1と複数の雪オブジェクト22−2とが、配置されており、雪オブジェクト22−2は上方から下方へと移動する。雪オブジェクト22−2の容器オブジェクト22−1内部への移動数を所定期間中、所定数に維持することでステージクリアとなる。
【0048】
以上のゲームステージは例示であって、ゲームステージはさらに多種多様に設定できる。各オブジェクトの質量、はね返り係数等のパラメータは、ゲームステージの特徴に応じてゲームステージごとに適宜設定すればよく、また同一ゲームステージ内のオブジェクト間でパラメータは同一であってもよく相異なっていてもよい。また、オブジェクトは、跳ね返り等によって表示部12の描画範囲を飛び出してもよい。また、重力等によって、描画範囲に再び戻って来てもよい。
【0049】
本実施形態に係るゲームは、ゲームステージごとに提示されるステージクリア条件が上述したように多様性を有する点で興趣性が高い。ステージクリア条件の多様性をまとめると、以下のような点が挙げられる。
【0050】
まず、ステージクリアに関連のある着目するオブジェクトが、所定オブジェクトである場合とプレイヤ定義オブジェクトである場合とがある。
【0051】
また、実現すべき状態として、着目するオブジェクトの位置が仮想ゲーム空間内の所定の領域にある状態である場合と、着目するオブジェクトの姿勢が所定の範囲内にある状態である場合とがある。あるいはさらに、着目するオブジェクトの位置や姿勢が、他のオブジェクトとの相対的な位置関係にある状態である場合とがある。あるいは、
図15、17に示した例のように、このような位置や姿勢が、所定の位置を順不同あるいは所定の順序で辿った状態である場合もあり得る。
【0052】
また、状態成立の判定タイミングとして、状態が一瞬でも実現することである場合と、その状態が所定期間維持されることである場合とがある。
【0053】
これらの組み合わせによって、現実世界同様に微妙なバランスの上に成立する、仮想ゲーム空間内の多様な物理的現象を好適に条件化することができる。また、プレイヤは新たなゲームステージに挑戦することによって、まったく異なるステージクリア条件を与えられ得るため、新鮮な気持ちでゲームに臨むことができ、ゲームとしての興趣性が高い。
【0054】
また、プレイヤ定義オブジェクトはゲームステージ開始後、ゲームステージ終了まで、所望のタイミングで複数個生成することができる。そのため、プレイヤは、いくつのプレイヤ定義オブジェクトをどのような位置、形状で、どのタイミングで組み合わせれば、所望の状態が実現できるか、高度な解法検討をしなければならず、難易度が向上し、この点においてもゲームとしての興趣性が高い。
【0055】
また、このようにプレイヤ定義オブジェクトの自由度が非常に高いため、解法は1つとは限らない。そのため、他の解法を探す等、リプレイにおいても新たな楽しみがあり、この点においてもゲームとしての興趣性が高い。
【0056】
また、一度生成したプレイヤ定義オブジェクトは、典型的には、消去されないため、最終的にステージクリアの障害にならないよう、慎重にプレイヤ定義オブジェクトを生成しなければならない。このため、一度生成したプレイヤ定義オブジェクトを消去することができる場合に比べて、難易度が向上し、この点においてもゲームとしての興趣性が高い。
【0057】
以上のように本発明によれば、多くの意味において従来より興趣性の高い、物理演算を用いたコンピュータゲームを提供することができる。