特許第6152521号(P6152521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6152521
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】位置通知方法、サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   G06F13/00 510G
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-235607(P2016-235607)
(22)【出願日】2016年12月5日
【審査請求日】2016年12月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313012741
【氏名又は名称】株式会社Special Medico
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】中曽根 暁子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敏春
(72)【発明者】
【氏名】横井 正之
(72)【発明者】
【氏名】金井 誠
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−232679(JP,A)
【文献】 特開2014−110438(JP,A)
【文献】 特開2001−126187(JP,A)
【文献】 特開2013−134504(JP,A)
【文献】 特開2004−86236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 17/30
G08B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位部を有する第1の端末と、第2の端末と、地図を生成可能なサーバとを有するシステムの位置通知方法であって、
前記サーバは、第1の端末を送信元として且つ第2の端末を宛先として識別可能な第1のURL(Uniform Resource Locator)に、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶しており、
第1の端末が、第1のURLに向けてページ要求を送信し、前記サーバから、第1のページを受信する第1のステップと、
第1の端末が、第1のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行することによって、前記測位部から現在の位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバへ送信する第2のステップと、
前記サーバが、第1の端末の当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける第3のステップと、
前記サーバが、第2のURLを、第1のURLによって宛先として識別された第2の端末へ送信する第4のステップと、
第2の端末が、第2のURLに向けてページ要求を送信し、前記サーバから、第2のページを受信する第5のステップと、
第2の端末が、第2のページに描画された前記地図を、ディスプレイに表示する第6のステップと
を有することを特徴とする位置通知方法。
【請求項2】
第1のURLとして、通知項目に応じて異なる複数項目の第1のURLを記憶しており、
第1のステップについて、第1の端末が、複数項目の第1のURLの中でいずれか1つの第1のURLを操作させ、
第3のステップについて、地図上に第1の端末の位置情報がプロットされると共に、ページ要求の第1のURLに基づく前記通知項目が表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の位置通知方法。
【請求項3】
前記サーバは、宛先となる第2の端末に、電話番号又はメールアドレスを対応付けて記憶しており、
第4のステップについて、前記サーバは、前記電話番号に基づくSMS(Short Message Service)のプッシュメッセージ、又は、前記メールアドレスに基づくメールに、第2のURLを記述し、第2の端末へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置通知方法。
【請求項4】
第1のステップについて、第1の端末は、メール若しくはメッセージに記述された第1のURLに対するユーザの発動操作、又は、インストールされたアプリケーションによって表示された操作ボタンに対するユーザの発動操作によって、第1のURLに向けてページ要求を送信する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項5】
第1の端末は、前記測位スクリプトをバックグランドで常時実行することによって、前記位置情報を、第1の所定時間間隔又は所定移動距離毎に、前記サーバへ送信し、
第2の端末は、第2の所定時間間隔毎に、第5のステップ及び第6のステップを繰り返すことによって、前記地図上で第1の端末の移動軌跡を第2のユーザへ明示する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項6】
第1のページ及び第2のページは、Webブラウザによって表示可能なマークアップ言語で記載されたものであり、
第1のページに埋め込まれた測位スクリプトは、WebアプリケーションにおけるGeolocationAPI(Application Programming Interface)を用いて記述されたスクリプトである
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項7】
前記サーバが、複数の第1の端末へ同報的に、第1のURLを送信した後、
第1のステップ及び第2のステップについて、前記サーバと複数の第1の端末との間で実行され、
第3のステップについて、前記サーバは、複数の第1の端末の当該位置情報をプロットした地図を生成する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項8】
前記サーバは、第2の端末の位置情報を予め登録しており、
第3のステップについて、前記サーバが、地図上に、第2の端末の当該位置情報を更にプロットすることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項9】
第2の端末は、測位部を有し、
第2のURLに基づく第2のページには、測位スクリプトが埋め込まれており、
第6のステップについて、第2の端末は、第2のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行することによって、前記測位部から現在の位置情報を取得し、自らの当該位置情報を前記地図に更にプロットし、当該地図をディスプレイに表示する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項10】
第2の端末は、測位部を有し、
第2のURLに基づく第2のページには、測位スクリプトが埋め込まれており、
第6のステップについて、第2の端末は、第2のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行することによって、前記測位部から現在の位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバが、第2のURLの第2のページに描画された前記地図に、第2の端末の当該位置情報をプロットする第7のステップと、
前記サーバが、第2のURLを、第1の端末へ送信する第8のステップと、
第1の端末が、第2のURLに向けてページ要求を送信し、前記サーバから、第2のページを受信する第9のステップと、
第1の端末が、第2のページに描画された前記地図を、ディスプレイに表示する第10のステップと
を更に有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の位置通知方法。
【請求項11】
測位部を有する第1の端末と、第2の端末と通信すると共に、地図を生成可能な位置通知サーバであって、
第1の端末を送信元として且つ第2の端末を宛先として識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶した第1のページ記憶手段と、
第1の端末から、第1のURLに対するページ要求を受信し、第1のページを送信する第1のページ送信手段と、
第1のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行した第1の端末から、前記測位部によって取得された現在の位置情報を受信し、当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける地図ページ生成手段と、
第2のURLを、第1のURLによって宛先として識別された第2の端末へ送信する第2のURL送信手段と、
第2の端末から、第2のURLに対するページ要求を受信し、第2のページを送信する第2のページ送信手段と
を有し、
第2のページに描画された前記地図が、第2の端末のディスプレイに表示される
ことを特徴とする位置通知サーバ。
【請求項12】
測位部を有する第1の端末と、第2の端末と通信すると共に、地図を生成可能なサーバに搭載されたコンピュータを機能させる位置通知プログラムであって、
第1の端末を送信元として且つ第2の端末を宛先として識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶した第1のページ記憶手段と、
第1の端末から、第1のURLに対するページ要求を受信し、第1のページを送信する第1のページ送信手段と、
第1のページに埋め込まれた前記測位スクリプトを実行した第1の端末から、前記測位部によって取得された現在の位置情報を受信し、当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける地図ページ生成手段と、
第2のURLを、第1のURLによって宛先として識別された第2の端末へ送信する第2のURL送信手段と、
第2の端末から、第2のURLに対するページ要求を受信し、第2のページを送信する第2のページ送信手段と
してコンピュータを機能させ、
第2のページに描画された前記地図が、第2の端末のディスプレイに表示される
ようにコンピュータを機能させることを特徴とするサーバ用の位置通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末が自らの位置情報を、相手方端末へ通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンに代表される携帯端末は、一般に、GPS(Global Positioning System)を搭載しており、現在の位置情報をリアルタイムに測位することができる。また、相手方の携帯端末の位置情報を取得することができる位置追跡アプリも多く存在する(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
従来、自らの携帯端末の位置情報を相手方端末へ通知するために、電子メールを用いた技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、送信元端末が、ユーザの選択に応じて、自らのGPSによって測位した位置情報を電子メールに添付して送信する。電子メールを中継する情報管理装置は、その電子メールに含まれる位置情報と送信元端末とを対応付けて記憶する。そして、宛先端末へ送信する電子メールに、送信元端末の位置を表す地図を添付して送信する。宛先端末のユーザは、電子メールに添付された地図を見ることによって、送信元端末の位置を知ることができる。
【0004】
尚、Webサイトを介して地図を提供する際に、地図のURL(Uniform Resource Locator)を、地図上に表示したいポップアップ情報のパラメータを含めるように変換する技術もある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、変換されたURLを相手方端末へ送信し、相手方端末は、そのURLにアクセスするだけで、ポップアップ情報が重畳された地図を閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−163670号公報
【特許文献2】特開2007−213128号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】StressFreeNAVI、[online]、[平成28年12月5日検索]、インターネット<URL:http://any-stress.com/archives/14503>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載の技術によれば、自らの携帯端末と相手方の携帯端末との両方が、同じ位置追跡アプリをインストールしておく必要がある。また、アプリによっては、自らの携帯端末に、相手方の携帯端末を所持するユーザのID及びパスワードを入力する必要もある。このように、悪意の第三者が、相手方の携帯端末の位置情報を追跡することを防止するために、セキュリティを高める必要がある。
【0008】
また、特許文献1に記載の技術によれば、電子メールに位置情報や地図を含めるために、送信元端末及び宛先端末の両方に、専用の電子メールソフトウェアを予めインストールしておく必要がある。また、電子メールを中継するSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ又はPOP(Post Office Protocol)サーバが、電子メールから位置情報を取得し、その位置情報を記録し、更に、その位置情報を表示した地図を生成する必要がある。
【0009】
これに対し、本願の発明者らは、位置情報の送信元端末と宛先端末との両方に、専用アプリや専用ソフトウェアをインストールすることなく、一時的に、その位置情報を通知することができないか?と考えた。例えば、ユーザが訪問先に遅刻するかもしれない場合、そのユーザは、その時のみ、訪問先に自らの位置情報を通知したい場合もあると考えた。
【0010】
そこで、本発明は、位置情報の送信元端末と宛先端末との両方に、専用アプリや専用ソフトウェアをインストールすることなく、一時的に、その位置情報を通知することができる位置通知方法、サーバ及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、測位部を有する第1の端末と、第2の端末と、地図を生成可能なサーバとを有するシステムの位置通知方法であって、
サーバは、第1の端末を送信元として且つ第2の端末を宛先として識別可能な第1のURL(Uniform Resource Locator)に、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶しており、
第1の端末が、第1のURLに向けてページ要求を送信し、サーバから、第1のページを受信する第1のステップと、
第1の端末が、第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって、測位部から現在の位置情報を取得し、当該位置情報をサーバへ送信する第2のステップと、
サーバが、第1の端末の当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける第3のステップと、
サーバが、第2のURLを、第1のURLによって宛先として識別された第2の端末へ送信する第4のステップと、
第2の端末が、第2のURLに向けてページ要求を送信し、サーバから、第2のページを受信する第5のステップと、
第2の端末が、第2のページに描画された地図を、ディスプレイに表示する第6のステップと
を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第1のURLとして、通知項目に応じて異なる複数項目の第1のURLを記憶しており、
第1のステップについて、第1の端末が、複数項目の第1のURLの中でいずれか1つの第1のURLを操作させ、
第3のステップについて、地図上に第1の端末の位置情報がプロットされると共に、ページ要求の第1のURLに基づく通知項目が表示される
ことも好ましい。
【0014】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
サーバは、宛先となる第2の端末に、電話番号又はメールアドレスを対応付けて記憶しており、
第4のステップについて、サーバは、電話番号に基づくSMS(Short Message Service)のプッシュメッセージ、又は、メールアドレスに基づくメールに、第2のURLを記述し、第2の端末へ送信する
ことも好ましい。
【0015】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第1のステップについて、第1の端末は、メール若しくはメッセージに記述された第1のURLに対するユーザの発動操作、又は、インストールされたアプリケーションによって表示された操作ボタンに対するユーザの発動操作によって、第1のURLに向けてページ要求を送信する
ことも好ましい。
【0016】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第1の端末は、測位スクリプトをバックグランドで常時実行することによって、位置情報を、第1の所定時間間隔又は所定移動距離毎に、サーバへ送信し、
第2の端末は、第2の所定時間間隔毎に、第5のステップ及び第6のステップを繰り返すことによって、地図上で第1の端末の移動軌跡を第2のユーザへ明示する
ことも好ましい。
【0017】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第1のページ及び第2のページは、Webブラウザによって表示可能なマークアップ言語で記載されたものであり、
第1のページに埋め込まれた測位スクリプトは、WebアプリケーションにおけるGeolocationAPI(Application Programming Interface)を用いて記述されたスクリプトである
ことも好ましい。
【0018】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
サーバが、複数の第1の端末へ同報的に、第1のURLを送信した後、
第1のステップ及び第2のステップについて、サーバと複数の第1の端末との間で実行され、
第3のステップについて、サーバは、複数の第1の端末の当該位置情報をプロットした地図を生成する
ことも好ましい。
【0019】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
サーバは、第2の端末の位置情報を予め登録しており、
第3のステップについて、サーバが、地図上に、第2の端末の当該位置情報を更にプロットすることも好ましい。
【0020】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第2の端末は、測位部を有し、
第2のURLに基づく第2のページには、測位スクリプトが埋め込まれており、
第6のステップについて、第2の端末は、第2のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって、測位部から現在の位置情報を取得し、自らの当該位置情報を地図に更にプロットし、当該地図をディスプレイに表示する
ことも好ましい。
【0021】
本発明の位置通知方法における他の実施形態によれば、
第2の端末は、測位部を有し、
第2のURLに基づく第2のページには、測位スクリプトが埋め込まれており、
第6のステップについて、第2の端末は、第2のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって、測位部から現在の位置情報を取得し、当該位置情報をサーバへ送信し、
サーバが、第2のURLの第2のページに描画された地図に、第2の端末の当該位置情報をプロットする第7のステップと、
サーバが、第2のURLを、第1の端末へ送信する第8のステップと、
第1の端末が、第2のURLに向けてページ要求を送信し、サーバから、第2のページを受信する第9のステップと、
第1の端末が、第2のページに描画された地図を、ディスプレイに表示する第10のステップと
を更に有することも好ましい。
【0022】
本発明によれば、測位部を有する第1の端末と、第2の端末と通信すると共に、地図を生成可能な位置通知サーバであって、
第1の端末を送信元として且つ第2の端末を宛先として識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶した第1のページ記憶手段と、
第1の端末から、第1のURLに対するページ要求を受信し、第1のページを送信する第1のページ送信手段と、
第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行した第1の端末から、測位部によって取得された現在の位置情報を受信し、当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける地図ページ生成手段と、
第2のURLを、第1のURLによって宛先として識別された第2の端末へ送信する第2のURL送信手段と、
第2の端末から、第2のURLに対するページ要求を受信し、第2のページを送信する第2のページ送信手段と
を有し、
第2のページに描画された地図が、第2の端末のディスプレイに表示される
ことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、測位部を有する第1の端末と、第2の端末と通信すると共に、地図を生成可能なサーバに搭載されたコンピュータを機能させる位置通知プログラムであって、
第1の端末を送信元として且つ第2の端末を宛先として識別可能な第1のURLに、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶した第1のページ記憶手段と、
第1の端末から、第1のURLに対するページ要求を受信し、第1のページを送信する第1のページ送信手段と、
第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行した第1の端末から、測位部によって取得された現在の位置情報を受信し、当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける地図ページ生成手段と、
第2のURLを、第1のURLによって宛先として識別された第2の端末へ送信する第2のURL送信手段と、
第2の端末から、第2のURLに対するページ要求を受信し、第2のページを送信する第2のページ送信手段と
してコンピュータを機能させ、
第2のページに描画された地図が、第2の端末のディスプレイに表示される
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする。

【発明の効果】
【0024】
本発明の位置通知方法、サーバ及びプログラムによれば、位置情報の送信元端末と宛先端末との両方に、専用アプリや専用ソフトウェアをインストールすることなく、一時的に、その位置情報を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明におけるシステム構成図である。
図2】本発明におけるシーケンス図である。
図3】本発明における第1の端末の操作画面を表す説明図である。
図4】本発明における位置の追跡を表すシーケンス図である。
図5】本発明における位置の追跡を表す第2の端末の画面図である。
図6】本発明における複数の第1の端末の位置を表示するシーケンス図である。
図7】第2の端末の位置をプロットした地図を、第1の端末へ送信するシーケンス図である。
図8】本発明における位置通知サーバの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
【0028】
図1によれば、携帯端末2Aを所持するユーザAが、端末2Bを所持するユーザBの場所へ訪問しようとしているとする。ユーザAは、例えば交通機関を用いてユーザBの場所へ訪問している途中で、遅刻しそうな場合を想定する。
図1によれば、携帯端末2A及び端末2Bは、携帯電話網やアクセスネットワークを介して、インターネットに接続された「位置通知サーバ1」と通信する。本発明における位置通知サーバ1は、地図を生成可能なものであって、地図上に位置をプロットすることができる。
【0029】
携帯端末2Aは、例えばスマートフォンであって、一般的に、GPS(Global Positioning System)のような測位部を有する。このような測位部は、位置情報として緯度経度を出力する。勿論、GPSに限られず、基地局測位やアクセスポイント測位のようなものであってもよい。
ここでは、ユーザA(送信元)が、ユーザB(宛先)へ、ユーザA自らの位置を通知する場合を想定する。
【0030】
図2は、本発明におけるシーケンス図である。
【0031】
位置通知サーバ1は、宛先となる端末2Bの「電話番号」又は「メールアドレス」を予め記憶しているとする。
また、位置通知サーバ1は、第1のURLに、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶している。第1のページに埋め込まれた測位スクリプトは、WebアプリケーションにおけるGeolocationAPI(Application Programming Interface)を用いて記述されたスクリプトである。これは、第1のページが、端末のブラウザに表示された際に、自発的に起動され、当該端末の測位部から位置情報を取得するようにプログラムされたものである。
【0032】
[S1:第1のステップ]
(S11)ユーザAは、自らの位置を、ユーザBへ通知したいとする。このとき、ユーザAは、携帯端末2Aのタッチパネルディスプレイに表示された所定URL又は所定ボタンをタップする。所定URLは、例えばユーザAが予め受信したメールに記述されたものであって、タッチパネルディスプレイ上でタップすることができる。また、所定ボタンは、所定URLへの発動操作用にブラウザに表示されたものであって、携帯端末2Aのタッチパネルディスプレイに表示されたものである。
【0033】
図3は、本発明における第1の端末の操作画面を表す説明図である。
【0034】
図3(a)は、携帯端末2A(第1の端末)における、メール又はメッセージに記述された第1のURLに対するユーザの発動操作を表す。これによって、第1のURLに向けてページ要求(GET Request)が送信される。メール内容としては、通知項目に応じて、異なる複数項目のURL(第1のURL)が表示されている。
(通知項目) (URL)
「遅刻」 http://www.SM.co.jp/A/B/late
「今ココ」 http://www.SM.co.jp/A/B/here
「緊急」 http://www.SM.co.jp/A/B/alert
これらURLは、位置通知サーバ1のページを特定すると共に、携帯端末2A(ユーザA)を送信元として、且つ、端末2B(ユーザB)を宛先として識別可能なものである。位置通知サーバ1は、ページ要求の第1のURLを受信した際に、第2のURLを送信すべき端末2B(ユーザB)を特定することができる。
【0035】
図3(b)は、HTML(HyperText Markup Language)コードがブラウザ上に表示された操作ボタンに対する、ユーザの発動操作を表す。これは単に、ユーザAに対して、所定URLへのタップ操作を簡易にしたものに過ぎない。
図3(a)と同様に、所定ボタンへのタップ操作によって、第1のURLに向けてページ要求が送信される。また、タッチパネルディスプレイに表示された各操作ボタンには、図3(a)と同様に、「遅刻」「今ココ」「緊急」における各第1のURLが対応付けられている。
【0036】
(S12)ユーザAが、携帯端末2Aに表示された、複数項目の第1のURLの中でいずれか1つの第1のURLに対して発動操作をする。これによって、携帯端末2Aは、ユーザの発動操作に基づく第1のURLに向けて、ページ要求を送信する。
【0037】
(S13)位置通知サーバ1は、第1のURLに基づく第1のページを、携帯端末2Aへ応答する。第1のページには、測位スクリプトが埋め込まれたものである。
【0038】
[第2のステップ:S2]
(S21)携帯端末2Aが、第1のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行する。GeolocationAPIのような測位スクリプトは、第1のページがブラウザに表示されると同時に起動し、測位部から現在の位置情報を取得する。
【0039】
(S22)携帯端末2Aは、測位スクリプトのプログラムによって、当該位置情報を位置通知サーバ1へ送信する。送信先となる位置通知サーバ1のアドレスも、測位スクリプトによって特定されている。
【0040】
[第3のステップ:S3]
(S3)位置通知サーバ1は、携帯端末2Aの当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける。第2のページも、Webブラウザによって表示可能なマークアップ言語(例えばHTML)で記述されたものである。
【0041】
ここで、位置通知サーバ1は、地図上に携帯端末2Aの位置をプロットした部分に、ページ要求の第1のURLに基づく通知項目を表示するものであってもよい。図2によれば、地図上に「★A」として、携帯端末2Aの位置をプロットした部分に、例えば通知項目「遅刻」が明示されている。
地図としては、例えばGoogle Map(登録商標)のようなWebGIS(Geographic Information System)を用いることが好ましい。これによれば、地図上に様々な情報を重畳することができる。
【0042】
[第4のステップ:S4]
(S4)位置通知サーバ1が、第2のURLを、端末2Bへ送信する。
第2のURL:http://www.SM.co.jp/A/B/map
位置通知サーバ1は、2つの方法で、第2のURLを、端末2Bへ送信することができる。
電話番号に基づくSMS(Short Message Service)のプッシュメッセージ
メールアドレスに基づくメール
これらメッセージ及びメールには、地図が表示された第2のページの第2のURLが記述されている。
プッシュメッセージの場合、即時に、端末2Bへ送信することができる。
尚、位置通知サーバ1は、端末2Bにおける電話番号及びメールアドレスを、予め記憶しておく必要がある。
【0043】
[第5のステップ:S5]
(S51)宛先のユーザBは、所持する端末2Bのディスプレイに表示された所定URLをタップする。
(S52)所定URLがタップされた際、端末2Bが、第2のURLに向けてページ要求を送信する。
(S53)これに対し、位置通知サーバ1は、地図が描画された第2のページを、端末2Bへ応答する。
【0044】
[第6のステップ:S6]
(S6)端末2Bは、第2のページに描画された地図を、ブラウザを用いてディスプレイに表示する。これによって、端末2Bを操作するユーザBは、地図を視認し、ユーザAの現在位置を知ることができる。
【0045】
尚、他の実施形態として、位置通知サーバ1は、端末2Bの位置情報を予め登録しておくものであってもよい。これによって、位置通知サーバ1は、S3で、地図上に、端末2Bの当該位置情報を目的地として、直ぐにプロットすることができる。
端末2BのユーザBは、ユーザAの携帯端末2Aの位置情報のプロットと共に、自らの位置情報のプロットも視認することができる。
【0046】
図4は、本発明における位置の追跡を表すシーケンス図である。
【0047】
図4によれば、携帯端末2Aは、図2のS13によって受信した測位スクリプトを、バックグランドで常時実行する。これによって、携帯端末2Aは、第1の所定時間間隔又は所定移動距離毎に、現在の位置情報を測位部から取得し、その位置情報を位置通知サーバ1へ送信することができる。
第1の所定時間間隔とは、例えば3分毎であってもよい。
また、所定移動距離とは、第1の所定時間間隔で測位部から位置情報を取得し、先に位置通知サーバ1へ送信した位置情報からの所定直線距離、例えば100mであってもよい。即ち、先に送信した位置情報から所定直線距離だけ離れている場合にのみ、携帯端末2Aはその位置情報を位置通知サーバ1へ送信する。
【0048】
一方で、端末2Bも、第2の所定時間間隔(例えば1分)毎に、前述したS5及びS6を繰り返すことによって、地図上で携帯端末2Aの移動軌跡を、ユーザへ明示することができる。既存のブラウザによれば、所定時間間隔におけるページの自動更新機能を実行することできる。これは、サーバへ所定時間間隔毎にページ要求を送信することによって実現することができる。
【0049】
図5は、本発明における位置の追跡を表す第2の端末の画面図である。
【0050】
前述した図4のシーケンスを実行することによって、図5のように、端末2B(第2の端末)のユーザBは、地図上に表示された携帯端末2Aの位置のプロットの移動軌跡を視認することができる。
【0051】
図6は、本発明における複数の携帯端末の位置を表示するシーケンス図である。
【0052】
図6によれば、位置通知サーバ1は、複数の端末2Aへ同報的に、第1のURLを送信する。これによって、各端末2Aと位置通知サーバ1との間で、前述したS1〜S3が実行される。そして、位置通知サーバ1は、S3で複数の端末2Aの位置情報をプロットした地図を生成することができる。
位置通知サーバ1は、複数の端末2Aの位置情報をプロットした地図を、S4〜S6によって、端末2BのユーザBへ視認させることができる。
【0053】
図7は、第2の端末の位置をプロットした地図を、第1の端末へ送信するシーケンス図である。
【0054】
端末2B(第2の端末)の位置をプロットした地図を、携帯端末2AのユーザAに視認させることもできる。ユーザAにとっては、ユーザBの位置を目的地(訪問先)として認識することができる。
尚、端末2Bは、携帯端末2Aと同様に、GPSのような測位部を有する。
【0055】
(S53)位置通知サーバ1は、第2のURLに基づく第2のページに、測位スクリプトを埋め込む。そして、前述したS53について、位置通知サーバ1は、その第2のページを、ページ応答として端末2Bへ応答する。
【0056】
(S61)端末2Bは、第2のページに埋め込まれた測位スクリプトを実行することによって、測位部から現在の位置情報を取得する。
(S62)そして、端末2Bは、測位スクリプトのプログラムに従って、自らの位置情報を位置通知サーバ1へ送信する。
【0057】
(S7)位置通知サーバ1は、第2のURLの第2のページに描画された地図に、端末2Bの当該位置情報をプロットする。
【0058】
(S8)位置通知サーバ1は、第2のURLを、携帯端末2Aへ送信する。ここでは、前述したS4と同様に、プッシュメッセージ又はメールアドレスによって、第2のURLを送信する。
【0059】
(S91)ユーザAは、所持する携帯端末2Aのディスプレイに表示された所定URLをタップする。
(S92)これによって、携帯端末2Aは、第2のURLに向けてページ要求を送信する。
(S93)これに対し、位置通知サーバ1は、携帯端末2Aへ、第2のページを応答する。
【0060】
(S10)そして、携帯端末2Aは、第2のページに描画された地図を、ディスプレイに表示する。これによって、携帯端末2AのユーザAは、端末2BのユーザBの位置を、地図上で視認することができる。
【0061】
(S11)一方で、端末2Bは、S6で実行された測位スクリプトに従って、測位部から現在の位置情報を、自ら表示している地図に更にプロットすることもできる。ユーザBにとっては、地図上で、ユーザBとユーザAとの間の大凡の距離感を認識することができる。
【0062】
図8は、本発明における位置通知サーバの機能構成図である。
【0063】
図8によれば、位置通知サーバ1は、測位部を有する第1の端末と、第2の端末と通信すると共に、地図を生成可能なサーバである。位置通知サーバ1は、第1のページ記憶部100と、地図ページ記憶部101と、第1のURL送信部110と、第1のページ送信部111と、地図ページ生成部112と、第2のURL送信部113と、第2のページ送信部114と、メールインタフェース121と、Webインタフェース122とを有する。これら機能構成部は、サーバに搭載されたコンピュータを機能させる位置通知プログラムを実行することによって実現される。
【0064】
[第1のページ記憶部100]
第1のページ記憶部100は、第1のURLに、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶する。
【0065】
[第1のURL送信部110]
第1のURL送信部110は、第1のURLを第1の端末へ送信する。第1のURLは、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページに基づくものである。前述した図2のシーケンスには明示されていないが、前述した図3のように、第1の端末を操作するユーザがタップ操作をすべき第1のURLが記述されたメール又はメッセージを送信する。例えば、第1の端末のユーザへ、「遅刻する場合には、以下のURLをタップしてください。htttp://www.SM.co.jp/A/B/late」のようなテキストを送信する。
【0066】
[第1のページ送信部111]
第1のページ送信部111は、第1の端末から、第1のURLに対するページ要求を受信し、第1のページを送信する(前述した図2のS12及びS13参照)。
【0067】
[地図ページ生成部112]
地図ページ生成部112は、測位スクリプトを実行した第1の端末から、測位部によって取得された現在の位置情報を受信し、当該位置情報をプロットした地図を生成し、第2のURLに、当該地図を描画した第2のページを対応付ける(前述した図2のS22及びS3参照)。
【0068】
[地図ページ記憶部101]
地図ページ記憶部101は、地図ページ生成部112によって生成された第2のページを記憶する。
【0069】
[第2のURL送信部113]
第2のURL送信部113は、第2のURLを、第2の端末へ送信する(前述した図2のS4参照)。
【0070】
[第2のページ送信部114]
第2のページ送信部114は、第2の端末における第2のユーザの操作によって、第2のURLに対するページ要求を受信し、地図ページ記憶部101の第2のページを送信する(前述した図2のS52及びS53参照)。
【0071】
これによって、第2の端末には、第2のページに描画された地図が、第2のユーザへ明示される。その地図には、第1の端末の位置情報がプロットされており、第2のユーザは、地図上で第1のユーザの位置を視認することができる。
【0072】
以上、詳細に説明したように、本発明の位置通知方法、サーバ及びプログラムによれば、位置情報の送信元端末と宛先端末との両方に、専用アプリや専用ソフトウェアをインストールすることなく、一時的に、その位置情報を通知することができる。
【0073】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0074】
1 位置通知サーバ
100 第1のページ記憶部
101 地図ページ記憶部
110 第1のURL送信部
111 第1のページ送信部
112 地図ページ生成部
113 第2のURL送信部
114 第2のページ送信部
121 メールインタフェース
122 Webインタフェース
2 端末

【要約】
【課題】位置情報の送信元端末と、その宛先端末との両方に、アプリや専用ソフトウェアをインストールすることなく、一時的に、その位置情報を通知する方法等を提供する。
【解決手段】サーバ1は、第1のURLに、測位スクリプトを埋め込んだ第1のページを記憶している。携帯端末2Aが、第1のURLに向けてページ要求を送信し、サーバ1から第1のページを受信する。次に、携帯端末2Aが、第1のページの測位スクリプトを実行し、測位部から取得した現在の位置情報をサーバ1へ送信する。次に、サーバ1が、第2のURLに、携帯端末2Aの当該位置情報をプロットした地図を描画した第2のページを対応付ける。次に、サーバ1が、第2のURLを、端末2Bへ送信する。次に、端末2Bが、第2のURLに向けてページ要求を送信し、サーバ1から、第2のページを受信する。そして、端末2Bが、第2のページに描画された地図を、ディスプレイに表示する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8