特許第6152891号(P6152891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6152891放射状に配置された複数の金属接触フィンガーを有する太陽電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6152891
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】放射状に配置された複数の金属接触フィンガーを有する太陽電池
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20170619BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20170619BHJP
【FI】
   H01L31/04 262
   H01L31/06 300
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-528449(P2015-528449)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-526906(P2015-526906A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2012069892
(87)【国際公開番号】WO2014031137
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2015年12月8日
(31)【優先権主張番号】13/591,641
(32)【優先日】2012年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505379467
【氏名又は名称】サンパワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウェスターバーグ、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】カズンズ、ピーター ジェイ
【審査官】 山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−521811(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/090725(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/067338(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の正金属接触フィンガーであって、それぞれ太陽電池の裏側上の1つ又は2つ以上のP型拡散領域に連結しており、前記太陽電池の前側が、太陽放射を集めるための通常の動作の間、太陽に対向している、複数の正金属接触フィンガーと、
複数の負金属接触フィンガーであって、それぞれ前記太陽電池の裏側上の1つ又は2つ以上のN型拡散領域に連結しており、前記複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合する、複数の負金属接触フィンガーと、
その上に外部相互連結リードが取り付けられ、前記複数の負金属接触フィンガー経由で、N型拡散領域に電気的に連結してよい表面を提供する負接触パッドであって、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する複数の屈曲点を有し、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドの周辺の少なくとも25%を取り巻くように放射状に伸張する、負接触パッドと、を含み、
前記複数の屈曲点と前記負接触パッドとの間の領域において、前記負接触パッドからより近い位置で終端する前記複数の正金属接触フィンガーと、前記負接触パッドからより遠い位置で終端する前記複数の正金属接触フィンガーとが交互に配置され、
それぞれの前記複数の正金属接触フィンガーが終端する位置で、2つの負金属接触フィンガーがまとまって、前記2つの負金属接触フィンガーのいずれかより幅広い単一の主要な負金属接触フィンガーになる、太陽電池。
【請求項2】
その上に外部相互連結リードが取り付けられ、前記複数の正金属接触フィンガー経由で、P型拡散領域に電気的に連結してよい表面を提供する正接触パッドであって、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記正接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する複数の屈曲点を有し、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記正接触パッドの周辺の少なくとも25%を取り巻くように放射状に伸張する、正接触パッドを更に含む、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合する複数の負金属接触フィンガーであって、前記複数の正金属接触フィンガーのそれぞれが、太陽電池の対応するP型拡散領域に連結し、前記複数の負金属接触フィンガーのそれぞれが、前記太陽電池の対応するN型拡散領域に連結する、複数の負金属接触フィンガーと、
前記複数の負金属接触フィンガーに電気的に接続するが、前記複数の正金属接触フィンガーには電気的に接続しない負接触パッドであって、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する複数の屈曲点を有し、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドまで放射状に伸張するように配置される、負接触パッドと、を含み、
前記複数の屈曲点と前記負接触パッドとの間の領域において、前記負接触パッドからより近い位置で終端する前記複数の正金属接触フィンガーと、前記負接触パッドからより遠い位置で終端する前記複数の正金属接触フィンガーとが交互に配置され、
それぞれの前記複数の正金属接触フィンガーが終端する位置で、2つの負金属接触フィンガーがまとまって、前記2つの負金属接触フィンガーのいずれかより幅広い単一の主要な負金属接触フィンガーになる、太陽電池。
【請求項4】
前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドの周辺の少なくとも25%を取り巻くように放射状に伸張する、請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記複数の正金属接触フィンガーに電気的に接続するが、前記複数の負金属接触フィンガーには電気的に接続しない、正接触パッドを更に含み、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記正接触パッドまで放射状に伸張するように配置される、請求項3又は4に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記単一の主要な負金属接触フィンガーは、絶縁体に挟まれて前記負接触パッドまで伸張する、請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
複数の主要な負金属接触フィンガーがまとまって、前記負接触パッドまで伸張する、請求項6に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドの周辺の25%〜75%の間を取り巻くように放射状に伸張する、請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記外部相互連結リードが、前記負接触パッド上にはんだ付けされる、請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記太陽電池が、前記負接触パッドを他の太陽電池の正接触パッドに電気的に接続させる太陽電池相互連結によって、他の太陽電池に直列接続される、請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する対象の実施形態は、全体として太陽電池に関する。より具体的には、対象の実施形態は、複数の太陽電池金属接触フィンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽放射光を電気エネルギーに変換するための公知の装置である。太陽電池は、P型及びN型の拡散領域を含む。太陽電池に衝突する太陽放射光によって電子及び正孔が生成され、これらの電子及び正孔が拡散領域に移動することにより、拡散領域間に電位差が生じる。複数の金属接触フィンガーは、拡散領域に電気的に連結する。外部電気回路は次に、電気回路が太陽電池によって動力供給されることを許容するように、複数の金属接触フィンガーに連結する複数のリードを含んでよい。本発明は、太陽電池効率に役立つ、金属接触フィンガー配置を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの実施形態において、太陽電池には、複数の負金属接触フィンガーと、複数の正金属接触フィンガーが含まれる。複数の負金属接触フィンガーは、複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合する。正及び負両方の複数の金属接触フィンガーは、対応する接触パッドの周辺の少なくとも25%まで、放射状に伸張し、取り巻く、放射デザインを有する。複数の金属接触フィンガーは、複数の屈曲点を有し、これは、接触パッド内に中心点を有する放射パターンを全体として形成する。ちょうど2つの金属接触パッドがまとまって、このちょうど2つの金属接触パッドのいずれかよりも幅広い、単一の主要な金属接触パッドになる。
【0004】
本発明のこれら及びその他の特徴は、添付の図面及び特許請求の範囲を含む本開示の全体を読むことにより、当業者には容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
詳細な記述及び請求項を参照し、以下の図面と共に考慮することによって、対象をより完全に理解できる。ここで、同様の参照番号は、図面を通して同様の要素を意味する。
図1】本発明の実施形態に従った太陽電池の裏側の平面図である。
図2】本発明の実施形態に従った太陽電池相互連結を有する図1の太陽電池である。
図3図1の太陽電池の角部負接触パッドの拡大図である。
図4図1の太陽電池の角部負接触パッドの拡大図である。
図5図1の太陽電池の中央負接触パッドの拡大図である。
図6図1の太陽電池の中央負接触パッドの拡大図である。
図7図1の太陽電池の中央正接触パッドの拡大図である。
図8図1の太陽電池の中央正接触パッドの拡大図である。
図9図1の太陽電池の角部正接触パッドの拡大図である。
図10図1の太陽電池の角部正接触パッドの拡大図である。
図11】本発明の実施形態に従った、図1の太陽電池の断面図である。
図12】本発明の実施形態に従った太陽電池の複数の金属接触フィンガーを配置する方法のフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示において、本発明の実施形態の全体の理解を提供するために、構造、材料及び方法の例のような、多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、本発明はこれらの具体的な詳細のうちの1つ又は2つ以上を欠いても実施できることは理解されよう。他の例では、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるため、公知の詳細については図示又は説明をしていない。
【0007】
図1は、本発明の実施形態に従った、太陽電池100の裏側の平面図を示す。図1の例において、太陽電池100は、拡散領域とその、拡散領域に連結する複数の金属接触フィンガーとの両方が、太陽電池100の裏側上にある、裏側接合太陽電池である。太陽電池100の裏側は、通常の動作の間、太陽に対面する表側と反対である。
【0008】
太陽電池100には、複数の負接触パッド110(すなわち110−1、110−2及び110−3)及び複数の正接触パッド120(すなわち120−1、120−2及び120−3)が含まれる。接触パッドは、太陽電池100を、他の太陽電池又はリードのような外部電子回路に接続するために、例えばはんだ付けによって、外部相互連結リードが接続して良い表面を提供する。太陽電池100は、負エッジ112と正エッジ122を有する。その名前が暗示するように、負エッジ112は、複数の負接触パッド110が位置する太陽電池100のエッジである。複数の負接触パッド110−1と110−3は、複数の角部接触パッドであり、負接触パッド110−2は中央接触パッドである。同様に、正エッジ122は、複数の正接触パッド110が位置する太陽電池100のエッジである。複数の正接触パッド120−1及び120−3は、複数の角部接触パッドであり、正接触パッド120−2は中央接触パッドである。一般に、太陽電池は、より多くのまたはより少ない接触パッドを有してよい。同一の太陽電池100内で、複数の負接触パッド110は複数の負金属接触フィンガーに電気的に接続するが、複数の正金属接触フィンガーには接続せず、複数の正接触パッド120は、複数の正金属接触フィンガーに電気的に接続するが、複数の負金属接触フィンガーに接続しない。
【0009】
太陽電池モジュール内でのように、連続して接続した太陽電池を形成するために、太陽電池100の複数の負接触パッド110が、他の太陽電池の複数の正接触パッドに連結するなどしてよい。図2は、本発明の実施形態に従った、太陽電池相互連結220を有する太陽電池100を示す。正エッジ122と負エッジ112は、図面を混乱させることを避けるために、図2では表示されていない、複数の負接触パッド110と複数の正接触パッド120を位置付けることを補助するために、図2で表示されている。相互連結220は、太陽電池100を他の太陽電池に連結する。図2の例において、相互連結220は、対応する複数の接触パッドに添付される複数のタブ221を有する。例えば、タブ221は、太陽電池100の正接触パッド120上へはんだ付けされてよく、同一の相互連結220の反対のタブ221は、(図示せず)他の太陽電池の負接触パッド上にはんだ付けされて良い。同じことが、負エッジ112上の複数の負接触パッド110に付随する相互連結220に当てはまる。使用してよい他の例示相互連結としては、その全てが参考文献によって本明細書に組み込まれている、同一出願人による米国特許第8,148,627号明細書にて開示されているものが挙げられる。
【0010】
図3及び4は、角部負接触パッド110−1の拡大図を示している。図3は、参照として適切な図面を提供しているので表示を用いずに負接触パッド110−1を示している。図4は、図3と同一の図を示すが、太陽電池100の特徴を示すための表示を含む。まだ、図面の明確化のために、全ての特徴が図4で表示されているわけではない。図1〜10の例において、太陽電池100内の白空間が、金属材料(例えば銅)によって覆われ、白空間の間の黒空間は、電気絶縁体を表す。
【0011】
太陽電池100は、対応する複数の負接触パッド110に連結される複数の負金属接触フィンガー401(すなわち401−1、401−2、401−3など)を含む。図4の例において、負接触パッド110−1の周辺は、図示の目的のために点線によって結合されている。1つの実施形態において、抵抗損失を最小化するために、ちょうど2つの負金属接触フィンガー401がまとまって、このちょうど2つの負金属接触フィンガー401のいずれかよりも幅広い、単一の主要な負金属接触フィンガー403(すなわち403−1、403−2、403−3など)になる。主要な負金属接触フィンガー403は、次に、対応する負接触パッド110に連結する。例として、複数の負金属接触フィンガー401−1と401−2が、主要な負金属接触フィンガー403−1にまとまって、続いて、負接触パッド110−1に連結する。主要な負金属接触フィンガー403−1は、負金属接触フィンガー401−1又は401−2のいずれかよりも幅広い。図4にて表示される他の例には、一緒にまとまって主要な負金属接触フィンガー403−2を形成する複数の負金属接触フィンガー401−3及び401−4と、一緒にまとまって主要な負金属接触フィンガー403−3を形成する複数の負金属接触フィンガー401−5及び401−6が含まれる。主要な複数の負金属接触フィンガー403−2及び403−3両方が、負接触パッド110−1まで伸張する。主要な負金属接触フィンガー403−2は、負金属接触フィンガー401−3又は401−4のいずれかよりも幅広い。同様に、主要な負金属接触フィンガー403−3は、負金属接触フィンガー401−5又は401−6のいずれかよりも幅広い。
【0012】
複数の負金属接触フィンガー401及び403は、対応する複数のN型拡散領域に連結するので、そのように呼ばれる。太陽電池100はさらに、対応する複数のP型拡散領域に連結する、複数の正金属接触フィンガー451(すなわち、451−1、451−2、451−3など)及び453(すなわち、453−1、453−2、453−3など、図8を参照のこと)を含む。1つの実施形態において、太陽電池100には、交互嵌合した複数の金属接触フィンガーが含まれる。とりわけ、複数の負金属接触フィンガー401は、複数の正金属接触フィンガー451と交互嵌合する。複数の負金属接触フィンガー401−1と401−2との間である正金属接触フィンガー451−1と、複数の負金属接触フィンガー401−3と401−4との間である正金属接触フィンガー451−2と、複数の負金属接触フィンガー401−5と401−6との間である正金属接触フィンガー451−3と共に、図4にて示される。効率の改善のために、N型シリコン基板の場合、複数の正金属接触フィンガー451と対応する複数のP型拡散領域(すなわちエミッタ拡散領域)が好ましくは、複数の負金属接触フィンガー401間で可能な限り広く作製されることが留意されるべきである。
【0013】
1つの実施形態において、複数の負金属接触フィンガー401は、太陽電池100の中間部位にそって、直線であり、平行であるが、対応する負接触パッド110に向かって、放射状に接近するか伸張するように屈曲する。全体として、負接触パッド110内にある中心点を有する放射パターンを形成している、複数の負金属接触フィンガー401の複数の屈曲点402(402−1、402−2、402−3など)と共に、図4にて示される。屈曲402は、複数の金属接触フィンガー401が、負接触パッド110に放射状に接近するか、伸張することを許容する。図4の例において、屈曲点402の放射パターンが、点線421と422によって図示される。1つの実施形態において、放射パターンは、負接触パッド110の周辺の少なくとも25%、又は25%〜75%の間を覆う周辺部を有する。2つの金属接触フィンガーの、1つの金属接触フィンガー内への融合と共に、放射デザインが、接触パッド周辺の電流収集を最大化し、ほとんど又は全く電流が抽出できないデッドスペースを減少させることによって、効率を増加させることに役立つ。
【0014】
直前に記述した、複数の負金属接触フィンガー401、主要な複数の負金属接触フィンガー403及び複数の負接触パッド110の特徴が一般に、複数の正金属接触フィンガー451、主要な複数の正金属接触フィンガー453及び複数の正接触パッド120内を含む、太陽電池100内に存在する。
【0015】
図5及び6は、中央負接触パッド110−2の拡大図を示している。図5は、符号なしで、負接触パッド110−2を示している。図6は、図5と同一の図を示すが、太陽電池100の特徴を指摘するために、符号が付されている。図示の明確化のために、すべての特徴が図6にて符号が付されているわけではない。
【0016】
図6を参照すると、負金属接触フィンガー401−7及び401−8が一緒にまとまって、主要な負金属接触フィンガー403−4を形成し、これは、負金属接触フィンガー401−7又は負金属接触フィンガー401−8のいずれかよりも幅広い。複数の負金属接触フィンガー401−7及び401−8の両方と、主要な負金属接触フィンガー403−4が、放射様式にて、負接触パッド110−2に向かって伸張し、指すように、複数の負金属接触フィンガー401−7及び401−8が、それぞれ屈曲点402−7及び402−8にて屈曲する。複数の負金属接触フィンガー401−7及び401−8が、正金属接触フィンガー451−4と交互嵌合し、これは、複数の負金属接触フィンガー401−7及び401−8の間にある。
【0017】
図6にて示すように、複数の負金属接触フィンガー401は、それらのそれぞれの屈曲点402(例えば屈曲点402−7、402−8、402−9及び402−10を参照のこと)が、全体として、図6の例では負接触パッド110−2である、負接触パッド110内に中心点を有する放射パターンを形成する、放射デザインを有する。放射パターンは、点線423、424及び425によって図示される。図6の例において、放射パターンは、点線によって概して境界付られる、負接触パッド110−2の周辺の75%を覆う周辺部を有する。すなわち、図6の例において、複数の負金属接触フィンガー401と403が、負接触パッド110−2の周辺の75%を指し、取り巻く。図4でのものと比較して放射包括域が増加しているのは、負接触パッド110−2の中心位置のためである。
【0018】
図7及び8は、中心正接触パッド120−2の拡大図を示している。図7は、符号なしで、正接触パッド120−2を示している。図8図7と同一の図を示すが、太陽電池100の特徴を指摘するために符号を有する。図示の明確化のために、全ての特徴が図8にて符号付けされているわけではない。
【0019】
図8では、複数の正金属接触フィンガー451−5及び451−6が、一緒にまとまって、主要な正金属接触フィンガー453−1を形成する。抵抗損失を減少させるために、主要な正金属接触フィンガー453−1は、正金属接触フィンガー451−5又は正金属接触フィンガー451−6のいずれかよりも幅広い。電流収集を増加させるために、複数の正金属接触フィンガー451−5及び451−6両方と、主要な正金属接触フィンガー453−1が、正接触パッド120−2に向かって、放射状に伸張するか指すように、複数の正金属接触フィンガー451−5と451−6が、それぞれ屈曲点402−11及び402−12にて屈曲する。複数の正金属接触フィンガー451−5及び451−6は、負金属接触フィンガー401−9と交互嵌合し、これは、複数の正金属接触フィンガー451−5及び451−6の間である。同様に、複数の正金属接触フィンガー451−7と451−8はまとまって、主要正金属接触フィンガー453−2を形成し、負金属接触フィンガー401−10は、複数の正金属接触フィンガー451−7と451−8の間である。
【0020】
複数の負金属接触フィンガー401と同様に、複数の正金属接触フィンガー451は、正接触パッド110まで放射状に接近するか、伸張する。例図8にて、複数の正金属接触フィンガー451は、それらのそれぞれの屈曲点402(例えば屈曲点402−11、402−12、402−13及び402−14を参照のこと)が全体として、図8の例では陽性接触パッド120−2である、正接触パッド120内に中心点を有する放射パターンを形成する、放射デザインを有する。放射パターンは、点線426、427及び428によって図示される。図8の例において、放射パターンは、一般に点線によって境界付られた、正接触パッド120−2の周辺の75%を覆う周辺部を有する。言い換えれば、図8の例において、複数の正金属接触フィンガー451と453は、正接触パッド120−2の周囲の75%まで指すか、取り巻く。
【0021】
図9及び10は、角部正接触パッド120−1の拡大図を示す。図9は、符号なしに、正接触パッド120−1を示す。図10は、図9と同一の図を示しているが、太陽電池100の特徴を指摘するために符号を有する。全ての特徴が、図示の明確化のために図10にて符号付けされるわけではない。
【0022】
図10では、複数の正金属接触フィンガー451−9及び451−10が一緒にまとまって、主要な正金属接触フィンガー453−3を形成する。主要な正金属接触フィンガー453−3は、正金属接触フィンガー451−9又は正金属接触フィンガー451−10のいずれかよりも幅広い。正金属接触フィンガー451−9、正金属接触フィンガー451−10、及び主要な正金属接触フィンガー453−3の両方が、正接触パッド120−1に向かって放射状に伸張し、指すように、正金属接触フィンガー451−9及び451−10が、複数の屈曲点402−17及び402−18にて屈曲する。複数の正金属接触フィンガー451−9及び451−10は、負金属接触フィンガー401−11と交互嵌合し、これは、複数の正金属接触フィンガー451−9及び451−10の間である。
【0023】
図10中で示すように、複数の正金属接触フィンガー451は、それらのそれぞれの屈曲点402(例えば、屈曲点402−15、402−16、402−17及び402−18)が全体として、図10の例では正接触パッド120−1である、正接触パッド120内に中心点を有する放射パターンを形成する、放射デザインを有する。放射パターンは、点線429及び430によって図示される。図10の例において、放射パターンは、正接触パッド120−1の周囲の少なくとも25%を覆う周辺部を有し、点線によって概して境界付られた。図10の例において、複数の正金属接触フィンガー451及び453は、正接触パッド120−1の周囲の25%を指し、取り巻く。
【0024】
図11は、本発明の実施形態に従った、太陽電池100の断面図を示している。太陽電池100は、そのN型拡散領域601とP型拡散領域602が、太陽電池の裏側上にある、裏側接合太陽電池である。通常の動作の間、太陽電池100の前側は、太陽放射を回収するために、太陽に対向する。図11にて示すように、複数の負金属接触フィンガー401は電気的にN型拡散領域601に接続し、複数の正金属接触フィンガー451は、裏側上のP型拡散領域602に電気的に接続する(ただ1つの正金属接触フィンガーとP型拡散領域を、図示の明確化のために示している)。空間610が、複数の正金属接触フィンガー451から複数の負金属接触フィンガー401を単離するために、電気絶縁体(例えば誘電体)で満たされて良い。N型拡散領域601とP型拡散領域602が、基板603中、又は基板603上に形成された他の層(例えばポリシリコン)中で形成されて良い。複数の金属接触フィンガー401及び451には、金属(例えばアルミニウム)の単一層、又は金属のスタック(例えば銅/バリア層/アルミニウム)が含まれてよい。
【0025】
1つの実施形態において、基板603は、N型シリコン基板を含む。したがって、その実施形態において、N型拡散領域601は、主要な電荷キャリアを回収する太陽電池の基体として働き、P型拡散領域602は、マイナーな電荷キャリアを回収する太陽電池のエミッタとして働く。基板603がP型シリコン基板を含むもう一つの実施形態において、P型拡散領域602は、主要な電荷キャリアを回収する太陽電池の基板として働き、N型拡散領域601が、マイナーな電荷キャリアを回収する太陽電池のエミッタとして働く。
【0026】
図12は、本発明の実施形態に従った、太陽電池の複数の金属接触フィンガーを配置する方法のフローダイアグラムを示す。理解可能であるように、図12の方法の段階は、例えば、適切なマスキング及びエッチング技術を用いて同時に実施して良い。特に、金属接触フィンガーマスクが、複数の金属接触フィンガーが、対応する複数の接触パッドまで放射状に伸張するように設計されて良い。
【0027】
図12の例において、方法には、複数の負金属接触フィンガーを、複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合することが含まれ、複数の負金属接触フィンガーは、太陽電池の裏側上で、N型拡散領域に電気的に接続し、複数の正金属接触フィンガーは、太陽電池の裏側上で、P型拡散領域に電気的に接続し、太陽電池は、通常の動作の間、太陽に対向する表側を含む(段階701)。方法には更に、太陽電池の負接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する屈曲点を有するように、複数の負金属接触フィンガーを配置することが含まれ、複数の負金属接触フィンガーは、負接触パッドの周辺の少なくとも25%まで伸張し、取り巻く(段階702)。方法にはまた更に、太陽電池の正接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する屈曲点を有するように、複数の正金属接触フィンガーを配置することが含まれ、複数の正金属接触フィンガーは、正接触パッドの周辺の少なくとも25%まで伸張し、取り巻く(段階703)。
【0028】
ちょうど2つの負金属接触フィンガーはまとまって、負接触パッドまで伸張する単一の主要な負金属接触フィンガーになるように配置されて良い。単一の主要負金属接触フィンガーは、実際の2つの負金属接触フィンガーのいずれかよりも幅が広く形成されて良い。複数の負金属接触フィンガーは、負接触パッドの周辺の25%〜75%の間を指し、取り巻くように配置されて良い。外部相互連結リードは、負接触パッド上へはんだ付けされて良い。太陽電池は、負接触パッドを他の太陽電池のもう一つの負の接触パッドに電気的に接続する、太陽電池相互連結によって、もう一つの太陽電池に連続して接続されよい。太陽電池の複数の正金属接触フィンガーと複数の正接触パッドは、それらの負の同等物と同一の特徴を有されよい。
【0029】
本発明の具体的な実施形態を提示したが、これらの実施形態は図示を目的としたものであり、限定するものではないことは理解されよう。多くの追加的実施形態が、本開示を読む当業者にとっては明らかとなろう。即ち、本発明は以下の項目によっても実施されてよい。
[項目1]
複数の正金属接触フィンガーであって、それぞれ太陽電池の裏側上の1つ又は2つ以上のP型拡散領域に連結しており、前記太陽電池の前側が、太陽放射を集めるための通常の動作の間、太陽に対向している、複数の正金属接触フィンガーと、
複数の負金属接触フィンガーであって、それぞれ前記太陽電池の裏側上の1つ又は2つ以上のN型拡散領域に連結しており、前記複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合する、複数の負金属接触フィンガーと、
その上に外部相互連結リードが取り付けられ、前記複数の負金属接触フィンガー経由で、N型拡散領域に電気的に連結してよい表面を提供する負接触パッドであって、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する複数の屈曲点を有し、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドの周辺の少なくとも25%を取り巻くように放射状に伸張する、負接触パッドと
を含む太陽電池。
[項目2]
その上に外部相互連結リードが取り付けられ、前記複数の正金属接触フィンガー経由で、P型拡散領域に電気的に連結してよい表面を提供する正接触パッドであって、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記正接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する複数の屈曲点を有し、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記正接触パッドの周辺の少なくとも25%を取り巻くように放射状に伸張する、正接触パッドを更に含む、項目1に記載の太陽電池。
[項目3]
ちょうど2つの負金属接触フィンガーがまとまって、前記負接触パッドまで伸張する単一の主要な負金属接触フィンガーになる、項目1に記載の太陽電池。
[項目4]
前記単一の主要な負金属接触フィンガーが、前記ちょうど2つの負金属接触フィンガーのいずれかよりも幅広い、項目3に記載の太陽電池。
[項目5]
前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドの周辺の25%〜75%の間を取り巻くように放射状に伸張する、項目1に記載の太陽電池。
[項目6]
前記外部相互連結リードが、前記負接触パッド上にはんだ付けされる、項目1に記載の太陽電池。
[項目7]
前記太陽電池が、前記負接触パッドを他の太陽電池の正接触パッドに電気的に接続させる、太陽電池相互連結によって、他の太陽電池に直列接続される、項目1に記載の太陽電池。
[項目8]
複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合する複数の負金属接触フィンガーであって、前記複数の正金属接触フィンガーのそれぞれが、太陽電池の対応するP型拡散領域に連結し、前記複数の負金属接触フィンガーのそれぞれが、前記太陽電池の対応するN型拡散領域に連結する、複数の負金属接触フィンガーと、
前記複数の負金属接触フィンガーに電気的に接続するが、前記複数の正金属接触フィンガーには電気的に接続しない負接触パッドであって、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドまで放射状に伸張するように配置される、負接触パッドと、を含む太陽電池。
[項目9]
前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドの周辺の少なくとも25%を取り巻くように、放射状に伸張する、項目8に記載の太陽電池。
[項目10]
前記複数の正金属接触フィンガーに電気的に接続するが、前記複数の負金属接触フィンガーには電気的に接続しない、正接触パッドを更に含み、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記正接触パッドまで放射状に伸張するように配置される、項目8に記載の太陽電池。
[項目11]
ちょうど2つの負金属接触フィンガーがまとまって、前記負接触パッドまで放射状に伸張する、単一の主要な負金属接触フィンガーになる、項目8に記載の太陽電池。
[項目12]
前記単一の主要な負金属接触フィンガーが、前記ちょうど2つの負金属接触フィンガーのいずれかよりも幅広い、項目11に記載の太陽電池。
[項目13]
前記外部相互連結リードが、前記負接触パッド上にはんだ付けされる、項目8に記載の太陽電池。
[項目14]
前記太陽電池が、前記負接触パッドを他の太陽電池の正接触パッドに電気的に接続させる、太陽電池相互連結によって、前記他の太陽電池に直列接続される、項目8に記載の太陽電池。
[項目15]
太陽電池の複数の金属接触フィンガーを配置する方法であって、
複数の負金属接触フィンガーを、複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合することであって、前記複数の負金属接触フィンガーが、太陽電池の裏側上のN型拡散領域に電気的に接続し、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記太陽電池の裏側上のP型拡散領域に電気的に接続し、前記太陽電池が、通常の動作の間、太陽に対向する表側を含む、複数の負金属接触フィンガーを、複数の正金属接触フィンガーと交互嵌合することと、
前記太陽電池の負接触パッド内に中心点を有する放射パターンを形成する複数の屈曲点を有するように、前記複数の負金属接触フィンガーを配置することであって、前記複数の負金属接触フィンガーが、前記負接触パッドの周辺の少なくとも25%まで放射状に伸張し、取り巻く、前記複数の負金属接触フィンガーを配置することと、を含む方法。
[項目16]
前記太陽電池の正接触パッド内に中心点を有する、放射パターンを形成する複数の屈曲点を有するように、前記複数の正金属接触フィンガーを配置することで、前記複数の正金属接触フィンガーが、前記正接触パッドの周辺の少なくとも25%まで放射状に伸張し、取り巻く、前記複数の正金属接触フィンガーを配置すること、を更に含む、項目15に記載の方法。
[項目17]
まとまって前記負接触パッドまで伸張する単一の主要な負金属接触フィンガーになるように、ちょうど2つの負金属接触フィンガーを配置すること、を更に含む、項目15に記載の方法。
[項目18]
前記単一の主要な負金属接触フィンガーが、前記ちょうど2つの負金属接触フィンガーのいずれかよりも幅広く形成される、項目17に記載の方法。
[項目19]
前記負接触パッド上へ外部相互連結リードをはんだ付けすること、を更に含む、項目15に記載の方法。
[項目20]
前記負接触パッドを他の太陽電池の正接触パッドに電気的に接続させる、太陽電池相互連結によって、前記太陽電池を前記他の太陽電池に直列接続すること、を更に含む、項目15に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12