【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によると、廃棄物ガス化溶融装置及び廃棄物ガス化溶融方法は、次のように構成され、その作用効果は、下述する通りである。
【0019】
I.<廃棄物ガス化溶融装置>
I.(1)石炭コークスと共にバイオマスを用いる装置
シャフト炉式の廃棄物ガス化溶融炉に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、残留する灰分を溶融する廃棄物ガス化溶融装置において、
廃棄物ガス化溶融炉に石炭コークスを供給する石炭コークス供給装置と、廃棄物ガス化溶融炉にバイオマスを供給するバイオマス供給装置と、廃棄物ガス化溶融炉の下部に酸素富化空気を吹き込む主羽口から吹込み燃料を吹込む吹込み燃料供給装置と、
石炭コークス供給装置からの石炭コークス供給量、バイオマス供給装置からのバイオマス供給量及び吹込み燃料供給装置からの吹込み燃料供給量を制御する燃料供給制御装置とを備え、
燃料供給制御装置は、バイオマス及び吹込み燃料のそれぞれの供給量に対して燃焼させるために必要な酸素量の総和Aと、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量BとがA/B<1の関係になるように、バイオマス供給量及び吹込み燃料供給量を制御し、供給するバイオマス供給量及び吹込み燃料供給量に応じて石炭コークス供給量を減じるように制御することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
【0020】
本発明において、燃料供給制御装置が、さらに、吹込み燃料供給量、石炭コークス供給量及びバイオマス供給量を、主羽口への酸素富化空気の送風圧又は排ガスの組成成分濃度に応じて制御するようになっていることが好ましい。
【0021】
I.(2)石炭コークス以外の塊状燃料を用いる装置
シャフト炉式の廃棄物ガス化溶融炉に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、残留する灰分を溶融する廃棄物ガス化溶融装置において、
廃棄物ガス化溶融炉に石炭コークス以外の塊状燃料を供給する塊状燃料供給装置と、廃棄物ガス化溶融炉の下部に酸素富化空気を吹き込む主羽口から吹込み燃料を吹込む吹込み燃料供給装置と、
塊状燃料供給装置からの塊状燃料供給量と吹込み燃料供給装置からの吹込み燃料供給量を制御する燃料供給制御装置とを備え、
塊状燃料は熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%以上であり、
燃料供給制御装置は、吹込み燃料の供給量に対して燃焼させるために必要な酸素量Aと、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量BとがA/B<1の関係となるように、吹込み燃料供給量を制御し、供給する吹込み燃料供給量に応じて塊状燃料供給量を減じるように制御することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
【0022】
本発明において、燃料供給制御装置が、さらに、吹込み燃料供給量と塊状燃料供給量を、主羽口への酸素富化空気の送風圧又は排ガスの組成成分濃度に応じて制御するようになっていることが好ましい。
【0023】
I.(3)石炭コークスと共に低強度塊状燃料と吹込み燃料を用いる装置
炉内の高温下で細粒化し炉下部の空隙を閉塞させるような塊状燃料は、熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%未満の塊状燃料であり、このような低強度塊状燃料を用いる場合は、閉塞への対策が必要であることを見出した。また、もともと小さい塊状燃料は炉下部の空隙を閉塞させるため、塊状燃料のうち最短径が20mm未満、より好ましくは30mm未満の小粒径のものを除去した後に廃棄物ガス化溶融炉に投入することが好ましいことを見出した。また、除去した小粒径の塊状燃料を粉砕して粉体状とし吹込み粉体燃料として利用することが好ましい。
【0024】
シャフト炉式の廃棄物ガス化溶融炉に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、残留する灰分を溶融する廃棄物ガス化溶融装置において、
廃棄物ガス化溶融炉に石炭コークスを供給する石炭コークス供給装置と、石炭コークス以外の塊状燃料を供給する塊状燃料供給装置と、廃棄物ガス化溶融炉の下部に酸素富化空気を吹き込む主羽口から吹込み燃料を吹込む吹込み燃料供給装置と、
石炭コークス供給装置からの石炭コークス供給量、塊状燃料供給装置からの塊状燃料供給量、吹込み燃料供給装置からの吹込み燃料供給量を制御する燃料供給制御装置とを備え、
塊状燃料は熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%未満、かつ最短径が20mm以上であり、
燃料供給制御装置は、塊状燃料及び吹込み燃料のそれぞれの供給量に対して燃焼させるために必要な酸素量の総和Aと、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量BとがA/B<1の関係となるように、塊状燃料供給量及び吹込み燃料供給量を制御し、供給する塊状燃料供給量及び吹込み燃料供給量に応じて石炭コークス供給量を減じるように制御することを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置。
【0025】
本発明において、燃料供給制御装置が、さらに、吹込み燃料供給量、石炭コークス供給量及び塊状燃料供給量を、主羽口への酸素富化空気の送風圧又は排ガスの組成成分濃度に応じて制御するようになっていることが好ましい。
【0026】
II.<廃棄物ガス化溶融方法>
II.(1)石炭コークスと共にバイオマスを用いる方法
シャフト炉式の廃棄物ガス化溶融炉に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、残留する灰分を溶融する廃棄物ガス化溶融方法において、廃棄物ガス化溶融炉に石炭コークスを供給するとともにバイオマスを供給し、廃棄物ガス化溶融炉の下部に酸素富化空気を吹き込む主羽口から吹込み燃料を吹き込み、
バイオマス及び吹込み燃料のそれぞれの供給量に対して燃焼させるために必要な酸素量の総和Aと、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量BとがA/B<1の関係となるように、バイオマス供給量及び吹込み燃料供給量を制御し、供給するバイオマス供給量及び吹込み燃料供給量に応じて石炭コークス供給量を減じるように制御することを特徴とする廃棄物ガス化溶融方法。
【0027】
本発明において、さらに、石炭コークス供給量、バイオマス供給量及び主羽口への吹込み燃料供給量を主羽口への酸素富化空気の送風圧又は排ガスの組成成分濃度に応じて制御することが好ましい。
【0028】
II.(2)石炭コークス以外の塊状燃料を用いる方法
シャフト炉式の廃棄物ガス化溶融炉に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、残留する灰分を溶融する廃棄物ガス化溶融方法において、廃棄物ガス化溶融炉に石炭コークス以外の塊状燃料を供給し、廃棄物ガス化溶融炉の下部に酸素富化空気を吹き込む主羽口から吹込み燃料を吹き込み、
塊状燃料は熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%以上であり、
吹込み燃料の供給量に対して燃焼させるために必要な酸素量Aと、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量BとがA/B<1の関係となるように、吹込み燃料供給量を制御し、供給する吹込み燃料供給量に応じて塊状燃料供給量を減じるように制御することを特徴とする廃棄物ガス化溶融方法。
【0029】
本発明において、さらに、塊状燃料供給量と吹込み燃料供給量を、主羽口への酸素富化空気の送風圧又は排ガスの組成成分濃度に応じて制御することが好ましい。
【0030】
II.(3)石炭コークスと共に低強度塊状燃料と吹込み燃料を用いる方法
炉内の高温下で細粒化し炉下部の空隙を閉塞させるような塊状燃料は、熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%未満の塊状燃料であり、このような低強度塊状燃料を用いる場合は、閉塞への対策が必要であることを見出した。また、もともと小さい塊状燃料は炉下部の空隙を閉塞させるため、塊状燃料のうち最短径が20mm未満、より好ましくは30mm未満の小粒径のものを除去した後に廃棄物ガス化溶融炉に投入することが好ましいことを見出した。また、除去した小粒径の塊状燃料を粉砕して粉体状とし吹込み粉体燃料として利用することが好ましい。
【0031】
シャフト炉式の廃棄物ガス化溶融炉に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、ガス化、燃焼し、残留する灰分を溶融する廃棄物ガス化溶融方法において、廃棄物ガス化溶融炉に石炭コークスを供給するとともに石炭コークス以外の塊状燃料を供給し、廃棄物ガス化溶融炉の下部に酸素富化空気を吹き込む主羽口から吹込み燃料を吹込み、
塊状燃料は熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%未満、かつ最短径が20mm以上であり、
塊状燃料及び吹込み燃料のそれぞれの供給量に対して燃焼させるために必要な酸素量の総和Aと、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量BとがA/B<1の関係となるように、塊状燃料供給量及び吹込み燃料供給量を制御し、供給する塊状燃料供給量及び吹込み燃料供給量に応じて石炭コークス供給量を減じるように制御することを特徴とする廃棄物ガス化溶融方法。
【0032】
本発明において、さらに、吹込み燃料供給量、石炭コークス供給量及び塊状燃料供給量を、主羽口への酸素富化空気の送風圧又は排ガスの組成成分濃度に応じて制御することが好ましい。
【0033】
上述のI.(1)およびI.(3)の装置そしてII.(1)およびII.(3)の方法の場合、石炭コークスは、燃料となると同時に高温火格子形成としての機能をも有しており、高温火格子形成に必要な分だけについて石炭コークスを供給し、不足する燃料分については石炭コークスに代えてバイオマスまたは低強度塊状燃料を供給する。すなわち、バイオマスまたは低強度塊状燃料を石炭コークスの一部の代替として用いることにより、二酸化炭素排出量の削減または燃料コストの削減が可能である。しかし、特許文献3について前述したように、バイオマスまたは低強度塊状燃料は石炭コークスに比べて高温強度が低く、炉内で細粒化し易くコークス塊の間隙を閉塞して通気抵抗を増大させるため、単に石炭コークスの一部をバイオマスまたは低強度塊状燃料に置き換えただけでは酸素富化空気と燃焼ガスの通気性、溶融スラグの通液性を損ない、操業に支障を及ぼす場合が生じる。そこで本発明では、炉下部に酸素富化空気を吹き込む主羽口から吹込み燃料を吹き込む吹込み燃料供給装置を備え、炉下部にて石炭コークス、バイオマスまたは低強度塊状燃料とともに吹込み燃料を燃焼することとしている。
【0034】
吹込み燃料は気体燃料、液体燃料及び粉体燃料のうちの少なくとも一つが主羽口に吹き込む酸素富化空気と混合されて、炉内へ吹き込まれる。
【0035】
バイオマスはFAO(国際食料農業機関)によって分類されており、バイオマスとして、林地残材、間伐材、未利用樹、製材残材、建設廃材等の木質系バイオマス、稲わら、籾殻、草本系バイオマス、さらに、製紙系バイオマス、農業残渣、家畜糞尿、食品廃棄物等の未利用バイオマス資源等を挙げることができる。本発明では、これらのバイオマス、これらのバイオマスを原料として成形した成形物、これらのバイオマスを原料として乾留した炭化物をまとめてバイオマスという。
【0036】
本発明にて、石炭コークス、バイオマスまたは低強度塊状燃料と共に吹込み燃料を供給すると、次のように作用する。
【0037】
(i)炉頂から投入する石炭コークスの一部をバイオマスまたは低強度塊状燃料に置換すると、バイオマスまたは低強度塊状燃料が炉内で崩壊して細粒となりコークス塊の間隙を閉塞させる現象が生じるため、この閉塞が生じないようにするにはバイオマスまたは低強度塊状燃料の投入量をむやみに多くしないようにする必要があり、すなわち、これらの投入量に上限がある。炉頂から投入するバイオマスまたは低強度塊状燃料の投入量が上限となった場合、羽口から吹込み燃料を吹込めば、石炭コークスの供給量をさらに削減することができる。炉下部で石炭コークス、バイオマスまたは低強度塊状燃料とともに吹込み燃料を燃焼することにより、三者の燃焼による燃焼熱を溶融熱源として使用できる。その結果、コークス床でバイオマスまたは低強度塊状燃料の細粒物がコークス塊の間隙を閉塞することを防ぎ通気抵抗の増大を抑制する。これにより、炉下部での通気性と通液性が確保されコークス床が高温火格子として十分に機能することになる。
【0038】
(ii)炉下部での通気抵抗の増大を抑制することにより、主羽口から供給される酸素富化空気が炉下部内に十分に行き渡り、石炭コークス、バイオマスまたは低強度塊状燃料の燃焼が確実に行われ、炉下部内が均一に高温に維持される。また、石炭コークスとバイオマスまたは低強度塊状燃料と吹込み燃料が主羽口からの酸素富化空気により燃焼してその燃焼ガスと酸素富化空気が高温火格子を良好に上昇通気して、局所的な偏りを生じさせることなく均一に廃棄物を加熱して熱分解、燃焼させる。そして、石炭コークスとバイオマスまたは低強度塊状燃料と吹込み燃料の燃焼により、炉下部内が均一に高温に維持され、灰分を高温に加熱し溶融し、溶融物が良好に上記高温火格子を降下通液し炉底部に滴下する。
【0039】
このような構成における本発明によると高温火格子を形成する石炭コークスは元来有しているその塊状形状により、コークス塊同士間に生ずる空隙で通気確保と通液確保とが確実に行われる高温火格子とする機能と、灰分を溶融するためと廃棄物を熱分解するための熱源としての機能とをもつ。一方、バイオマスまたは低強度塊状燃料は、炉内で速やかに燃焼・ガス化されるため高温火格子を形成する機能は持たないが、一定の大きさを持ち最小限の崩壊で炉下部に到達するものは石炭コークスの熱量を補足する熱源としての機能をもつ。したがって、石炭コークスは高温火格子を形成するに必要な最小限の量で足り、熱源として不足する分はバイオマスまたは低強度塊状燃料と吹込み燃料で補うことができ、三者で十分な熱源を確保しつつ、最少量の石炭コークスで高温火格子層の形成を可能とする。
【0040】
本発明において、石炭コークスの炉内への投入量は、少なくとも高温火格子を形成することに必要な量とし、灰分を溶融するためと廃棄物を熱分解するための熱源として必要な熱量をバイオマスまたは低強度塊状燃料と吹込み燃料により補うこととすることが好ましい。
【0041】
さらに、本発明において、燃料供給制御装置は、バイオマスまたは低強度塊状燃料及び吹込み燃料のそれぞれの供給量に対して燃焼させるために必要な酸素量の総和Aと、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量BとがA/B<1の関係となるように、バイオマスまたは低強度塊状燃料及び吹込み燃料供給量を制御する。
【0042】
このようにすることにより、主羽口から吹込む酸素富化空気の酸素量に対して適正な供給量でバイオマスまたは低強度塊状燃料及び吹込み燃料を供給することができ、過剰に供給して燃料が燃焼せずに炉外に排出されることを防止でき、運転費用を低減できる。石炭コークスは、燃料として供給したバイオマスまたは低強度塊状燃料及び吹込み燃料が代替する分を減じて投入すればよい。
【0043】
さらに、本発明において、燃料供給制御装置により、石炭コークス、バイオマスまたは低強度塊状燃料及び吹込み燃料の供給について、主羽口送風圧に基づく制御そして排ガスの組成成分濃度に基づく制御が次のように行われる。
【0044】
(a)主羽口送風圧に基づく制御
炉下部内での間隙が閉塞され通気性が低下し通気抵抗が増加すると、主羽口から吹き込む酸素富化空気の送風圧力が増加する。炉下部内の通気性を監視するために主羽口送風圧力を計測しながら、適正な炉内通気性を確保して操業に支障を及ぼさないように、炉内の通気性が低下した場合に、それを検知し、適正な炉内通気性を確保するように、吹込み燃料、バイオマスまたは低強度塊状燃料、石炭コークスの供給量を制御する。
【0045】
(b)排ガスの組成成分濃度に基づく制御
炉下部内の通気性が低下し廃棄物の熱分解が安定して行われなくなったり、廃棄物の熱分解が炉内で不均一になると、排ガスの組成成分の濃度が変動する。廃棄物の熱分解が不安定になったり不均一になると、排ガス中の酸素濃度が増減し、CO濃度が増加する。これらの変動を検知して、炉下部内の通気状態を把握し、その状態に対応して適正な炉内通気性を確保するように、吹込み燃料、バイオマスまたは低強度塊状燃料、石炭コークスの供給量を制御する。
【0046】
このような本発明では、石炭コークスに代え塊状燃料を供給することも可能である。既述したように、石炭コークスは燃料として使用されると同時に高温火格子形成の機能を得ることを目的としているので、石炭コークスによらずとも燃料であり高温火格子を形成するような塊状燃料であればよい。使用可能な塊状燃料としてはバイオマス炭化物、木炭等が挙げられる。好ましくは、塊状燃料の熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%以上とするのがよい。
【0047】
次に、塊状燃料として要求される性状である上記熱間反応強度指標(CSR)について説明する。
【0048】
この熱間反応強度指標について具体的に説明する。熱間反応後強度指標(CSR)は、一般にコークス品質の指標の一つとして用いられる。
【0049】
炉内に装入後のコークスの挙動を考慮し、反応性を含めた強度を評価する方法として、熱間反応後強度(CO
2反応後強度、CSR)がある。これは、規定の条件下でCO
2と反応させた後の強度を測定するものであり、コークス品質の重要な指標であるとされている。
【0050】
この熱間反応後強度CSRの測定方法は、所定の粒度範囲に調整されたコークス試料を1100℃の温度でCO
2ガスと一定時間反応させ、反応後のコークス試料を特定の試験装置に装入し、一定回転数(例えば、600回転)回転させた後、目開き10mmの篩により篩い分け、篩上に残るコークス重量の、試験装置に投入した反応後のコークス試料の重量に対する割合を上記熱間反応後強度(CO
2反応後強度、CSR)としているものである。すなわち、熱間反応後強度CSRは、CO
2ガスと反応させた後のコークスが、特定の試験装置での回転によっても破壊されることなく残留している割合を示しており、CO
2反応後のコークス強度を示す指標とされている。このCSRが高いほどコークス強度が大きいこと、換言すれば、熱間反応後強度指標(CSR)が低い場合は、CO
2反応後にコークスが破壊され粉状になる量が多くなることを意味する。
【0051】
このような熱間反応後強度指標(CSR)により、塊状燃料の熱間強度を下記のように評価する。
【0052】
塊状燃料を1100℃の温度でCO
2ガスと2時間反応させ、20mmに整粒した後、I型ドラム試験装置で600回回転させた後、目開き10mmの篩により篩い分け、篩上に残る分の重量の、試験装置に投入した試料の重量に対する割合を熱間反応後強度指標CSR(10mm)とした。熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%以上となる強度を有する塊状燃料は、炉内に投入されて崩壊することなく炉下部に到達し、高温火格子を維持することができる。熱間反応後強度指標CSR(10mm)が10%未満の塊状燃料は、高温火格子の機能を持たないため、灰分を溶融するためと廃棄物を熱分解するための熱源として必要な熱量を補う燃料として利用するのがよい。