特許第6153102号(P6153102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6153102
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】折り畳み式テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 3/087 20060101AFI20170619BHJP
   A47B 3/10 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   A47B3/087 B
   A47B3/10 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-273088(P2012-273088)
(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公開番号】特開2014-117357(P2014-117357A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】500010967
【氏名又は名称】株式会社ニューテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100067644
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100125313
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】白石 徳宏
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭49−132102(JP,U)
【文献】 特開2002−223861(JP,A)
【文献】 実開昭62−181234(JP,U)
【文献】 米国特許第02709631(US,A)
【文献】 米国特許第02326461(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの一縁を軸線として回動可能に連結し、下面側を対面させて折り畳み自在とした2枚の天板部材と、該2枚の天板部材を左右に展開して形成される天板の下面に天板を支えるための少なくとも3本の脚部材と、各脚部材に連結し、天板部材の回動にともない脚部材を回動させるための支持棒と案内棒を備えた自動開閉機構と、を備えた折り畳み式テーブルであって、一方の天板部材の下面には、天板部材が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部を連結した脚部材と、該脚部材が天板部材に連結する位置より外方に、天板部材が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部を連結した支持棒と、を備え、他方の天板部材の下面には、天板部材が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部を連結した案内棒を備え、支持棒と案内棒を、脚部材が回動する平面と略同一の平面上で回動するように配置するとともに、支持棒の先端部と案内棒の先端部を回動可能に連結した連結部を、脚部材の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結することにより、天板部材を回動して天板を展開すると、支持棒と案内棒の連結部が脚部材の長手方向に沿って上方に移動し、脚部材が引き上げられて展開し、天板部材を回動して天板を折り畳むと、支持棒と案内棒の連結部が脚部材の長手方向に沿って下方に移動し、脚部材が押し下げられて閉じる自動開閉機構を各脚部材ごとに備えることを特徴とする折り畳み式テーブル。
【請求項2】
周囲に枠を設けて下面を浅い凹部とした2枚の天板部材を、枠の縁端部で連結することにより、天板部材を回動して天板を折り畳むと、2つの凹部で形成される空間内に脚部材が収容されることを特徴とする請求項1記載の折り畳み式テーブル。
【請求項3】
天板部材を回動し天板を展開してテーブルを設置したときの脚部材と支持棒とのなす角度が略90度であることを特徴とする請求項1又は2記載の折り畳み式テーブル。
【請求項4】
支持棒の先端部と案内棒の先端部が連結する連結部の位置を、天板を展開しテーブルを設置したときの位置を上限とし、連結部がさらに脚部材に沿って上方に摺動することを防止するための摺動制限手段を脚部材に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の折り畳み式テーブル。
【請求項5】
脚部材に、脚部材の側面を貫通し長手方向に沿って延びる貫通溝孔と、該貫通溝孔の両側壁に長手方向に沿って伸びる互いに内向きに突出した一対の凸条部と、を形成し、貫通溝孔の両側開口からそれぞれ差し込んだ支持棒と案内棒のそれぞれの先端部を軸芯部材で回動可能に連結した連結部を貫通溝孔内に形成するとともに、該連結部に左右に2つずつ突起部を設け、片側2つの突起部をそれぞれ凸条部を挟むように配置することにより、支持棒と案内棒との連結部を脚部材の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の折り畳み式テーブル。
【請求項6】
連結部から突出する軸芯部材の両端が連結部の左右一対の突起部を形成することを特徴とする請求項5記載の折り畳み式テーブル。
【請求項7】
脚部材に、脚部材の側面を貫通し長手方向に沿って延びる貫通溝孔と、該貫通溝孔の両側壁に長手方向に延びる凹条部と、を形成し、貫通溝孔の両側開口からそれぞれ差し込んだ支持棒と案内棒のそれぞれの先端部を軸芯部材で回動可能に連結した連結部を貫通溝孔内に形成するとともに、該連結部から突出する軸芯部材の両端を2本の凹条部内にそれそれ嵌入することにより、支持棒と案内棒との連結部を脚部材の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の折り畳み式テーブル。
【請求項8】
脚部材の外側面に、貫通溝孔に連通する略水平の貫通孔を設け、脚部材の外側面から貫通孔を通して軸芯部材を挿入することにより、貫通溝孔内にある支持棒の先端部と案内棒の先端部とを回動可能に連結するとともに、軸芯部材の両先端部を貫通溝孔内に配置することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の折り畳み式テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の天板部材を左右に展開して形成される天板と、天板の下面に天板を支えるための少なくとも3本の脚部材を備える折り畳み式テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋外で飲食する際には、飲食物を置くための携帯可能な折り畳み式テーブルが使用されることが多い。通常の折り畳み式テーブルは、2つ折りの天板を左右に展開し、天板に脚部材を取り付けたり(例えば、特許文献1)、天板に回動可能に取り付けられた脚部材を引き出してテーブルを設置する(例えば、特許文献2)。
【0003】
しかしながら、従来の折り畳み式テーブルは、テーブルの天板を分割あるいは折り曲げるなどして小さく収容することができるとしても、テーブルを組み立て又は片づける際には、定まった手順に従い、複数の操作を行う必要があるため、屋外における組み立て又は片付け作業が必ずしも容易であるとはいえなかった。
【0004】
また、従来の折り畳み式テーブルは、構成する部品の数が多く、組み立て又は片づけ作業が煩雑になるばかりでなく、テーブルの重量が増すことから、持ち運びに不便なものが多かった。
【0005】
したがって、屋外でのレジャーを快適に楽しむため、誰もが簡便に設置することができ、しかも、天板に荷重を加えても破損することが無く、さらに、使用後は簡単に収容することができ、持ち運びが容易な折り畳み式テーブルの開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−143378号公報
【特許文献2】特開2011−15945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、持ち運びに優れ、組み立てが容易でありながら、野外での使用において十分な強度を有する折り畳み式テーブルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者が検討を行った結果、回動可能に連結した2枚の天板部材が展開して形成する天板の下面に、天板を支えるための脚部材と、かかる脚部材に連結し、天板部材の回動にともない脚部材を回動させるための支持棒と案内棒を備えた自動開閉機構と、を備えることにより、2枚の天板部材の開閉操作だけでテーブルを容易に組み立て又は片づけることが可能になることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、互いの一縁を軸線として回動可能に連結し、下面側を対面させて折り畳み自在とした2枚の天板部材と、該2枚の天板部材を左右に展開して形成される天板の下面に天板を支えるための少なくとも3本の脚部材と、各脚部材に連結し、天板部材の回動にともない脚部材を回動させるための支持棒と案内棒を備えた自動開閉機構と、を備えた折り畳み式テーブルであって、一方の天板部材の下面には、天板部材が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部を連結した脚部材と、該脚部材が天板部材に連結する位置より外方に、天板部材が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部を連結した支持棒と、を備え、他方の天板部材の下面には、天板部材が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部を連結した案内棒を備え、支持棒と案内棒を、脚部材が回動する平面と略同一の平面上で回動するように配置するとともに、支持棒の先端部と案内棒の先端部を回動可能に連結した連結部を、脚部材の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結することにより、天板部材を回動して天板を展開すると、支持棒と案内棒の連結部が脚部材の長手方向に沿って上方に移動し、脚部材が引き上げられて展開し、天板部材を回動して天板を折り畳むと、支持棒と案内棒の連結部が脚部材の長手方向に沿って下方に移動し、脚部材が押し下げられて閉じる自動開閉機構を各脚部材ごとに備えることを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【0010】
さらに本発明は、周囲に枠を設けて下面を浅い凹部とした2枚の天板部材を、枠の縁端部で連結することにより、天板部材を回動して天板を折り畳むと、2つの凹部で形成される空間内に脚部材が収容されることを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【0011】
さらに本発明は、天板部材を回動し天板を展開してテーブルを設置したときの脚部材と支持棒とのなす角度が略90度であることを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【0012】
さらに本発明は、支持棒の先端部と案内棒の先端部が連結する連結部の位置を、天板を展開しテーブルを設置したときの位置を上限とし、連結部がさらに脚部材に沿って上方に摺動することを防止するための摺動制限手段を脚部材に備えることを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【0013】
さらに本発明は、脚部材に、脚部材の側面を貫通し長手方向に沿って延びる貫通溝孔と、該貫通溝孔の両側壁に長手方向に沿って伸びる互いに内向きに突出した一対の凸条部と、を形成し、貫通溝孔の両側開口からそれぞれ差し込んだ支持棒と案内棒のそれぞれの先端部を軸芯部材で回動可能に連結した連結部を貫通溝孔内に形成するとともに、該連結部に左右に2つずつ突起部を設け、片側2つの突起部をそれぞれ凸条部を挟むように配置することにより、支持棒と案内棒との連結部を脚部材の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結することを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【0014】
さらに本発明は、連結部から突出する軸芯部材の両端が連結部の左右一対の突起部を形成することを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【0015】
また本発明は、脚部材に、脚部材の側面を貫通し長手方向に沿って延びる貫通溝孔と、該貫通溝孔の両側壁に長手方向に延びる凹条部と、を形成し、貫通溝孔の両側開口からそれぞれ差し込んだ支持棒と案内棒のそれぞれの先端部を軸芯部材で回動可能に連結した連結部を貫通溝孔内に形成するとともに、該連結部から突出する軸芯部材の両端を2本の凹条部内にそれそれ嵌入することにより、支持棒と案内棒との連結部を脚部材の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結することを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【0016】
さらに本発明は、脚部材の外側面に、貫通溝孔に連通する略水平の貫通孔を設け、脚部材の外側面から貫通孔を通して軸芯部材を挿入することにより、貫通溝孔内にある支持棒の先端部と案内棒の先端部とを回動可能に連結するとともに、軸芯部材の両先端部を貫通溝孔内に配置することを特徴とする折り畳み式テーブルである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の折り畳み式テーブルによれば、天板部材を回動して天板を展開すると、支持棒と案内棒の連結部が脚部材の長手方向に沿って上方に移動し、脚部材が引き上げられて展開し、天板部材を回動して天板を折り畳むと、支持棒と案内棒の連結部が脚部材の長手方向に沿って下方に移動し、脚部材が押し下げられて閉じるため、テーブルの組み立て及び片付けを天板部材を回動する一動作で容易に行うことができる。
【0018】
また、周囲に枠を設けて下面を浅い凹部とした2枚の天板部材を、枠の縁端部で連結することにより、天板部材を回動して天板を折り畳むと、2つの凹部で形成される空間内に脚部材が収容されるため、携帯性にすぐれ持ち運びが容易となる。
【0019】
さらに、天板部材を展開しテーブルを設置したときの脚部材と支持棒とのなす角度を略90度とすることにより、設置したテーブルの天板に相当の重量物を載置したとしても、天板を支える支持棒の先端部が脚部材に対してずれて移動することがなく、設置したテーブルの形状を安定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】折り畳み式テーブルの外観図((a)正面図、(b)側面図、(c)底面図)
図2】折り畳み式テーブルのA−A断面図
図3】折り畳み式テーブルの外観斜視図((a)天板が展開した状態、(b)天板が折り畳み途中の状態、(c)天板が折り畳んだ状態)
図4】支持棒の先端部と案内棒の先端部との連結部の拡大図
図5】支持棒と案内棒との連結部を脚部材に取り付ける工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の折り畳み式テーブルについて、図を参照して以下に説明する。
【0022】
図1に示すように、折り畳み式テーブル(1)は、互いの一縁を軸線として回動可能に連結し、下面側を対面させて折り畳み自在とした2枚の天板部材(3a,3b)と、当該2枚の天板部材(3a,3b)を左右に展開して形成される天板(2)の下面に天板を支えるための少なくとも3本の脚部材と、各脚部材に連結し、天板部材(3a,3b)の回動にともない脚部材を回動させるための支持棒(5)と案内棒(6)を備えた自動開閉機構(7)と、を備えることを特徴とする。図1では、4本の脚部材を備えたテーブルを例示するが、これに限定されるものではない。また、一方の天板部材の下面に配置される2本の脚部材は、補強部材(20)によって連結されているが、補強部材(20)は脚部材の撓みを抑え強度を向上させるものである。補強部材(20)は、脚部材の形状、材質等にしたがい脚部材を補強する必要があるときに適宜取り付けるべきものであり、必ずしも必要な部材ではない。
【0023】
2枚の天板部材(3a,3b)は、蝶番などの連結器具を取り付けて連結するか、連結する2枚の天板部材のそれぞれの辺部分に筒状部を一体的に形成し、かかる筒状部に軸芯部材を挿通して蝶番構造を形成するなどして回動可能に連結することができる。
【0024】
脚部材(4)の天板部材(3a)下面への取り付け位置は、2枚の天板部材(3a,3b)が連結する辺部分付近で行うことが好ましい。脚部材(4)をこのような位置に取り付ければ、天板部材を回動して天板を折り畳んだとき、2枚の天板部材(3a,3b)の間から脚部材(4)が延び出ることがなく、携帯性を向上させることができる。図1に示すテーブルでは、脚部材(4)が回動する軸心と2枚の天板部材(3a,3b)が回動する軸心とが同一線上となるように、脚部材が天板部材の下面に取り付けられている。ただし、脚部材が短い場合には、折り畳んだ2枚の天板部材の間から脚部材が延び出ることがないため、取り付け位置を自由に選択することができる。
【0025】
自動開閉機構(7)は、図2に示すように、一方の天板部材(3a)の下面に、天板部材(3a)が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部(4b)を連結した脚部材(4)と、当該脚部材(4)が天板部材に連結する位置より外方に、天板部材が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部(5b)を連結した支持棒(5)と、を備え、他方の天板部材(3b)の下面に、天板部材(3b)が回動する方向と同一方向に回動可能に基端部(6b)を連結した案内棒(6)を備え、支持棒(5)と案内棒(6)を、脚部材(4)が回動する平面と略同一の平面上で回動するように配置するとともに、支持棒(5)の先端部(5a)と案内棒(6)の先端部(6a)を回動可能に連結した連結部(8)を、脚部材(4)の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結した構造である。
【0026】
支持棒(5)の先端部(5a)と案内棒(6)の先端部(6a)を回動可能に連結した連結部(8)と脚部材(4)との連結は特に限定されるものではないが、例えば、図4に示すように、脚部材(4)に、脚部材の側面を貫通し長手方向に沿って延びる貫通溝孔(12)と、該貫通溝孔の両側壁(12a,12b)に長手方向に沿って伸びる互いに内向きに突出した一対の凸条部(13a,13b)と、を形成し、貫通溝孔(12)の両側開口からそれぞれ差し込んだ支持棒(5)と案内棒(6)のそれぞれの先端部(5a,6a)を軸芯部材(連結ピン)(14)で軸着し回動可能に連結した連結部(8)を貫通溝孔(12)内に形成するとともに、当該連結部に左右に2つずつ突起部(8aと8b,8cと8d)を設け、片側2つの突起部(8aと8b,8cと8d)をそれぞれ凸条部(13a,13b)を挟むように配置することにより、支持棒(5)と案内棒(6)との連結部(8)を脚部材(4)の長手方向に沿って摺動可能に脚部材(4)に連結することができる。
【0027】
ここで、軸芯部材(連結ピン)(14)は金属製とし、連結部(8)から突出する左右一対の突起部(8a,8c)は、軸芯部材(連結ピン)(14)の両端を連結部(8)から突出させることにより形成することができる。このように軸芯部材の両端を突起部として凸条部に沿って移動する構造とすれば、支持棒と案内棒を脚部材の長手方向に沿って確実に移動させることができるとともに、強度にもすぐれたものとなる。なお図4では、他方の一対の突起部(8b,8d)は、案内棒(6)の先端部(6a)に一体的に形成して設けた形態例を示している。

【0028】
また、図には示さないが、貫通溝孔(12)の両側壁(12a,12b)に長手方向に延びる凹条部を形成し、連結部(8)から突出する軸芯部材(14)の両端を2本の凹条部内にそれぞれ嵌入することにより、支持棒(5)と案内棒(6)との連結部(8)を脚部材(4)の長手方向に沿って摺動可能に脚部材に連結することもできる。
【0029】
支持棒(5)と案内棒(6)とを軸着する軸芯部材(14)の取り付けは、図5に示すように、脚部材(4)の外側面に、貫通溝孔(12)に連通する略水平の貫通孔(15)を設け、脚部材(4)の外側面から貫通孔(15)を通して軸芯部材(14)を挿入することにより、貫通溝孔(12)内にある支持棒(5)の先端部(5a)と案内棒(6)の先端部(6a)とを回動可能に連結するとともに、軸芯部材(14)の両先端部を貫通溝孔内に配置することができる。
【0030】
このようにして、脚部材(4)に自動開閉機構(7)を設けることにより、天板部材(3a,3b)を回動して天板(2)を展開すると、支持棒(5)と案内棒(6)の連結部(8)が脚部材(4)の長手方向に沿って上方に移動し、脚部材(4)が引き上げられて展開し、天板部材(3a,3b)を回動して天板(2)を折り畳むと、支持棒(5)と案内棒(6)の連結部(8)が脚部材の長手方向に沿って下方に移動し、脚部材(4)が押し下げられて閉じることが可能となる(図2)。そして、この自動開閉機構(7)は各脚部材ごとに備えられており、天板部材を回動するだけで、すべての脚部材を展開あるいは収容することが可能となる(図3(a)乃至(c))。
【0031】
図1に示すように、4本の脚部材の先端部を天板の四隅下方に配置するようなテーブルにおいては、自動開閉機構(7)を各脚部材ごとに備えると、たとえば2枚の天板部材(3a,3b)が連結する一辺を挟んで向かい合う2本の脚部材(4,16)に連結する2本の案内棒(6,17)は互いに交差する構造となるが、図1(c)に示すように、右側の天板部材(3a)を支える脚部材(4)に連結する案内棒(6)は、左側の天板部材(3b)から延び出し、左側の天板部材(3b)を支える脚部材(16)に設けた貫通溝孔(18)を通り、右側の脚部材(4)に連結する。一方、左側の天板部材(3b)を支える脚部材(16)に連結する案内棒(17)は、右側の天板部材(3a)から延び出し、右側の天板部材(3a)を支える脚部材(4)に設けた貫通溝孔(12)を通り、左側の脚部材(16)に連結する。そして2本の案内棒(6,17)は交差する部分を肉薄として互いに干渉することがないような形状としている。このようにして2本の案内棒(6,17)を向かい合う2本脚部材(4,16)にそれぞれ連結することにより同一の平面上で回動する2本の脚部材(4,16)を円滑に開閉することが可能となる。
【0032】
天板部材(3)は、図2に示すように、周囲に枠(9)を設けて下面に浅い凹部を設けた形状とし、2枚の天板部材(3a,3b)はそれぞれの枠(9a,9b)の縁端部(10)で連結することができる。天板部材(3a,3b)をこのような形状にすれば、天板部材(3a,3b)を回動して天板(2)を折り畳むと(図3(c))、2つの凹部で形成される空間内にすべての脚部材(4)を収容することができ、持ち運びが容易となる。
【0033】
天板(2)を展開しテーブルを設置したときの脚部材(4)と支持棒(5)のなす角度は略90度とすることが好ましい。このようにして支持棒の先端部を脚部材に略90度の角度で突き当てることにより、例えば、天板(2)の上方から荷重が加えられたとしても、連結部(8)が脚部材(4)に沿って上方向あるいは下方向に移動することがなく、相当の荷重に対してもテーブルを安定に保持することができる。したがって、本発明の折り畳み式テーブルにおいては、テーブルを安定に保持するためのロック機構を特に必要とすることなく、天板を展開してテーブルを据え置くだけで、テーブルを安定に保持することができる。
【0034】
支持棒(5)の先端部(5a)と案内棒(6)の先端部(6a)が連結する連結部(8)の位置は、天板部材(3a,3b)を展開しテーブルを設置したときの位置を上限とし、連結部(8)がさらに上方に摺動することを防止するための摺動制限手段(ストッパ棒(11))を脚部材(4)に備えることができる(図1(b)、図2)。天板部材を回動し、2枚の天板部材の天面が水平をなす位置でテーブルの設置は完了することから、テーブルの破損を防止するためにも天板部材がさらに回動することがないよう、天板部材の回動を制限する必要がある。図1に示す折り畳み式テーブルでは天板部材を回動すると、2枚の天板部材の天面が水平となる位置で、回動軸付近にある2つの枠(9a,9b)の対向する外側壁面どうしが当接するため、天板部材がさらに回動することを防ぐことができるが、強い力で天板部材を回動した場合に、2枚の天板部材の連結部分が破損する危険性がある。また、テーブルの形状によっては、そもそも天板部材に枠を設けず、枠(9a,9b)の側壁面どうしが当接する構造を採らない場合もある。したがって、天板部材の過剰な回動を確実に制限するためには、各脚部材ごとに摺動制限手段(ストッパ棒(11))を設置することが必要となる。
【0035】
摺動制限手段は、図1(b)に示すように、支持棒(5)の先端部(5a)と案内棒(6)の先端部(6a)を回動可能に連結した連結部(8)が摺動する脚部材(4)の長手方向の上限位置で、例えば、貫通溝孔(12)の対向する内側面をストッパ棒(11)で連結し、かかるストッパ棒に連結部(8)を当接させることにより、連結部(8)がさらに上方向に摺動することを防止することができる。ただし、摺動制限手段は連結部(8)の摺動を止めることができる形状であれば、特に制限されるものではなく、図に示すようなストッパ棒(11)に限定されるべきものではない。
【符号の説明】
【0036】
1 折り畳み式テーブル
2 天板
3 天板部材
3a 天板部材
3b 天板部材
4 脚部材
4a 先端部
4b 基端部
5 支持棒
5a 先端部
5b 基端部
6 案内棒
6a 先端部
6b 基端部
7 自動開閉機構
8 連結部
9 枠
9a 枠
9b 枠
10 縁端部
11 摺動制限手段(ストッパ棒)
12 貫通溝孔
12a 貫通溝孔の側壁
12b 貫通溝孔の側壁
13 凸条部
13a 凸条部
13b 凸条部
14 軸芯部材(連結ピン)
15 貫通孔
16 脚部材
17 案内棒
18 貫通溝孔
19 支持棒
20 補強部材
図1
図2
図3
図4
図5