特許第6153181号(P6153181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6153181高速道路上で外部車両照明を制御するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6153181
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】高速道路上で外部車両照明を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/14 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   B60Q1/14 A
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-519813(P2016-519813)
(86)(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公表番号】特表2016-531786(P2016-531786A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】US2014058635
(87)【国際公開番号】WO2015050996
(87)【国際公開日】20150409
【審査請求日】2016年5月25日
(31)【優先権主張番号】61/885,126
(32)【優先日】2013年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ライト デイヴィッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ファルブ ディヴィッド エム
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−255825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御される車両の外部照明を制御するための外部照明制御システムであって、
前記制御される車両の外部および前方の情景を撮像し、前記取得された画像に対応する画像データを生成するよう構成されている撮像システムと、
前記画像データを受信・分析するよう構成され、前記外部照明を前記画像データの分析に応答して、かつ選択した動作モードに応答して制御するために使用される外部照明制御信号を生成するためのコントローラとを備え、
前記コントローラが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、前記コントローラは、前記外部照明の明度を低減させるための外部照明制御信号を生成し、前記取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの前記取得された画像内の相対的位置を決定し、前記ヘッドランプの前記相対的位置に応答して動的に変化する遅延を選択するように構成されており、前記外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが前記取得された画像にもはや存在しないと決定したとき、前記コントローラは、前記外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、前記選択された遅延の間、取得された画像の分析を継続するように構成されている外部照明制御システム。
【請求項2】
前記コントローラは、閾値の上限および下限を使用して光源がAC光源かどうかを検出し、前記コントローラは、前記閾値の上限および下限をオフセット値だけ変更することにより、第一の感度と第二の感度の間で感度を調節する、請求項1に記載の外部照明制御システム。
【請求項3】
前記遅延の間にヘッドランプが検出された場合、前記コントローラは、前記外部照明の明度を増加させるための外部照明制御信号を生成する前に、前記選択された遅延に対応する時間の間、対向ヘッドランプが前記取得された画像中にもはや存在しなくなる時まで、取得された画像の分析を継続する、請求項1又は2に記載の外部照明制御システム。
【請求項4】
前記ヘッドランプが前記取得された画像の中心フィーチャに近いほど、前記選択された遅延が長くなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外部照明制御システム。
【請求項5】
前記取得された画像の前記中心フィーチャは、前記取得された画像のオプティカルフローの中心である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の外部照明制御システム。
【請求項6】
前記取得された画像の前記中心フィーチャは、前記取得された画像の実際の中心である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外部照明制御システム。
【請求項7】
選択された一つの動作モードは、前記制御される車両が高速道路上を走行している時に選択される高速道路モードであり、
前記高速道路モードにある時、前記コントローラは、前記ヘッドランプの相対的位置に応答して、動的に変化する遅延を選択するように構成されており、
前記高速道路モードでない時、前記コントローラが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、前記コントローラは、前記外部照明の明度を低減させるための外部照明制御信号を生成し、静的遅延を選択するように構成されており、前記外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが前記取得された画像にもはや存在しないと決定したとき、前記コントローラは、前記外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、前記静的遅延の間、取得された画像の分析を継続するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の外部照明制御システム。
【請求項8】
前記取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの前記取得された画像内の相対的位置を決定するために、前記コントローラは、どのヘッドランプが前記画像の右端のヘッドランプであるかを決定し、前記右端のヘッドランプの前記相対的位置を決定するように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の外部照明制御システム。
【請求項9】
前記取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの前記取得された画像内の相対的位置を決定するために、前記コントローラは、どのヘッドランプが前記画像の左端のヘッドランプであるかを決定し、前記左端のヘッドランプの前記相対的位置を決定するように構成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の外部照明制御システム。
【請求項10】
制御される車両の外部照明を制御するための外部照明制御システムであって、
前記制御される車両の外部および前方の情景を撮像し、前記取得された画像に対応する画像データを生成するよう構成されている撮像システムと、
前記画像データを受信・分析するよう構成され、前記外部照明を前記画像データの分析に応答して、かつ選択した動作モードに応答して制御するために使用される外部照明制御信号を生成するためのコントローラとを備え、選択されたモードの一つは、前記コントローラが前記車両が高速道路上を走行していると判断した時に選択される高速道路モードであり、
前記高速道路モードでない時、前記コントローラは、第一の感度を使用して光源がAC光源であるかどうかを検出するように構成されており、
前記高速道路モードにある時、前記コントローラは、前記取得された画像の左側の指定された高さより下に現れる光源がAC光源かどうかを、前記第一の感度より低い第二の感度を使用して検出する一方、前記取得された画像の残りの部分に現れる光源がAC光源かどうかを前記第一の感度を使用して検出するように構成されており、
前記高速道路モードにある時、前記コントローラが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、前記コントローラは、前記外部照明の明度を低減させるための外部照明制御信号を生成するように構成されている、外部照明制御システム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの前記取得された画像内の相対的位置を決定し、前記ヘッドランプの前記相対的位置に応答して動的に変化する遅延を選択するように構成されており、前記外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが前記取得された画像にもはや存在しないと決定したとき、前記コントローラは、前記外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、前記選択された遅延の間、取得された画像の分析を継続する、請求項10に記載の外部照明制御システム。
【請求項12】
プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに制御される車両の外部照明を制御するための制御信号を生成させる、その上に格納されたソフトウェア命令を持つ、非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記ソフトウェア命令は、
前記制御される車両の外部前方の情景を撮像し、前記取得された画像に対応する画像データを生成する手順と、
前記画像データを前記プロセッサで受信および分析する手順と、
前記画像データの分析に応答して、かつ選択された動作モードに応答して前記外部照明を制御するために使用される制御信号を前記プロセッサから生成する手順とを含む手順によって実行され、
前記プロセッサが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、前記プロセッサは、前記外部照明の明度を低減させるための外部照明制御信号を生成し、前記取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの前記取得された画像内の相対的位置を決定し、前記ヘッドランプの前記相対的位置に応答して動的に変化する遅延を選択するように構成されており、前記外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが前記取得された画像にもはや存在しないと決定したとき、前記プロセッサは、前記外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、前記選択された遅延の間、取得された画像の分析を継続するように構成されている非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記プロセッサは、閾値の上限および下限を使用して光源がAC光源かどうかを検出し、前記プロセッサは、前記閾値の上限および下限をオフセット値だけ変更することにより、前記第一の感度と第二の感度の間で感度を調節する、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記遅延の間にヘッドランプが検出された場合、前記プロセッサは、前記外部照明の明度を増加させるための外部照明制御信号を生成する前に、前記選択された遅延に対応する時間の間、対向ヘッドランプが前記取得された画像中にもはや存在しなくなる時まで、取得された画像の分析を継続する、請求項12又は13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記ヘッドランプが前記取得された画像の中心フィーチャに近いほど、前記選択された遅延が長くなる、請求項12〜14のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記取得された画像の前記中心フィーチャは、前記取得された画像のオプティカルフローの中心である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記取得された画像の前記中心フィーチャは、前記取得された画像の実際の中心である、請求項12〜16のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
選択された一つの動作モードは、前記制御される車両が高速道路上を走行している時に選択される高速道路モードであり、
前記高速道路モードにある時、前記プロセッサは、前記ヘッドランプの相対的位置に応答して、動的に変化する遅延を選択するように構成されており、
前記高速道路モードでない時、前記プロセッサが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、前記プロセッサは、前記外部照明の明度を低減させるための外部照明制御信号を生成し、静的遅延を選択するように構成されており、前記外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが前記取得された画像にもはや存在しないと決定したとき、前記プロセッサは、前記外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、前記静的遅延の間、取得された画像の分析を継続するように構成されている、請求項12〜17のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記制御される車両が高速道路速度閾値を超える速度で走行している時、前記プロセッサは、前記制御される車両が高速道路上を走行していると判断し、高速道路モードを選択する、請求項12〜18のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には制御される車両の外部照明を制御するシステムおよび方法に関し、より具体的には、特に高速道路上でのその他の車両の検出に応答して、制御される車両の外部照明を制御するシステムの改善に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の一つの態様によれば、制御される車両の外部照明を制御するために、外部照明制御システムが提供されている。外部照明制御システムは、制御される車両の外部および前方の情景を撮像し、取得された画像に対応する画像データを生成するように構成された撮像システムと、画像データを受信および分析するように構成され、画像データの分析に応答して、また選択された動作モードに応答して、外部照明を制御するために使用される外部照明制御信号を生成するためのコントローラとを備える。コントローラが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、コントローラは、外部照明の明度を低減するための外部照明制御信号を生成し、取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの取得画像内の相対的位置を決定し、ヘッドランプの相対的位置に応答して動的に変化する遅延を選択するように構成されている。外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが、取得された画像にもはや存在しないと判断したとき、それにもかかわらず、コントローラは、外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、選択された遅延の間、取得された画像の分析を継続するように構成されている。
【0003】
本発明の別の態様によれば、制御される車両の外部照明を制御するために、外部照明制御システムが提供されている。外部照明制御システムは、制御される車両の外部および前方の情景を撮像し、取得された画像に対応する画像データを生成するように構成された撮像システムと、画像データを受信および分析するように構成され、画像データの分析に応答して、また選択された動作モードに応答して、外部照明を制御するために使用される外部照明制御信号を生成するためのコントローラとを備える。選択された一つの動作モードは、制御される車両が高速道路上を走行しているとコントローラが判断した時に選択される高速道路モードである。高速道路モードでない時、コントローラは、第一の感度を使用して光源がAC光源であるかどうかを検出するように構成されている。高速道路モードにある時、コントローラは、取得された画像の左側の指定された高さより下に現れる光源がAC光源かどうかを、第一の感度より低い第二の感度を使用して検出する一方、取得された画像の残りの部分に現れる光源がAC光源かどうかを第一の感度を使用して検出するように構成されている。高速道路モードにある時、コントローラが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、コントローラは、外部照明の明度を低減させるための外部照明制御信号を生成するように構成されている。
【0004】
本発明の別の態様によると、プロセッサによって実行された時に、制御される車両の外部および前方の情景を撮像して取得された画像に対応する画像データを生成する手順と、プロセッサで画像データを受信・分析する手順と、画像データの分析に応答して、また選択された動作モードに応答して外部照明を制御するために使用される、プロセッサからの制御信号を生成する手順とを実行することによって、制御される車両の外部照明をプロセッサに制御させる、その上に格納されたソフトウェア命令を持つ非一時的コンピュータ可読媒体が提供されており、プロセッサが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、プロセッサは、外部照明の明度を低減させるための外部照明制御信号を生成し、取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの取得画像内の相対的位置を決定し、ヘッドランプの相対的位置に応答して動的に変化する遅延を選択するように構成されており、ここで外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが、取得された画像にもはや存在しないと判断したとき、それにもかかわらず、コントローラは、外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、選択された遅延の間、取得された画像の分析を継続するように構成されている。
【0005】
本発明のこれらおよびその他の特徴、利点、および目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付図面を参照することにより、当業者によってさらに理解および認識される。
本発明は、下記の詳細な説明および添付図面からより完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一つの実施形態により構築されるシステムのブロック図である。
図2】別の実施形態によるシステムを組み入れたバックミラー組立品の部分断面図である。
図3】取得された画像の右端の対向ヘッドランプの相対的位置の関数としての動的遅延のプロットである。
図4図1のコントローラによって実行されるサブルーチンを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここで、本発明の好適な実施態様を詳細に参照し、その例を添付図面に図示する。可能な限り、同一または類似した部品を参照するために、図面全体を通して同一の参照番号が使用される。図面では、描画された構造要素は原寸に比例しておらず、ある特定の構成要素は、強調および理解の目的で、その他の構成要素と比較して拡大されている。
【0008】
本明細書に記述される実施形態は、車両の前方の画像を取り込む画像センサーから取得された画像データに応答して、制御される車両の外部照明を制御するための外部照明制御システムに関する。先行システムは、車両の前方で取り込まれた画像に応答して外部車両照明の制御について知られている。これらの先行システムでは、コントローラは、取り込まれた画像を分析し、いずれかの先行する車両または対向する車両が、このシステムを採用した車両の前方のグレア領域内に存在しているかどうかを判断する。この「グレア領域」は、外部照明がハイビーム状態(またはロービーム状態以外の何らかの状態)である場合に、外部照明によって運転者に過度のグレアを発生させることになる領域であった。グレア領域内に車両が存在する場合、コントローラは、他の運転者(複数可)にグレアを発生させないように外部照明の状態を変化することによって応答することになる。こうしたシステムの例は、米国特許第5,837,994号、第5,990,469号、第6,008,486号、第6,049,171号、第6,130,421号、第6,130,448号、第6,166,698号、第6,379,013号、第6,403,942号、第6,587,573号、第6,611,610号、第6,631,316号、第6,774,988号、第6,861,809号、第7,321,112号、第7,417,221号、第7,565,006号、第7,567,291号、第7,653,215号、第7,683,326号、第7,881,839号、第8,045,760号、第8,120,652号、および第8,543,254号に記載があり、その開示全体を参照し本書に組み込む。
【0009】
米国特許第8,543,254号は、その他の車両と非車両光源、反射材、および道路標識をより正確に区別し、制御される車両が走行している道路のタイプに応じて異なる動作モードを可能にするために、車道幅員および車道タイプ(すなわち、高速道路、2車線道路、複数車線道路など)に基づいて道路モデルを判断することによって、先行システムを改善する画像化システムを開示している。より具体的には、車道幅員は、車線マーカー、反射材、道路標識、道路の端を検出するのに有用である場合があるその他の任意の物体を含む、前方情景で検出されるさまざまな物体から推測される場合がある。車道タイプは、車道幅員から判断される場合がある。車両速度、左右の揺れ、横揺れ、ハンドル位置および車両方向などのその他の車両パラメータも、車道タイプおよび道路モデルを判断する時に使用される場合がある。そのため、道路モデルを使用して、システムは、光源が車道上に現れるかどうかを判断するために、制御される車両に対する測位(または「ワールド測位」)、動き、明るさ、サイズ、色、およびさまざまな検出される光源のその他の特徴を追跡する場合がある。光源が車道上に現れる場合、光源は、システムが外部照明を適切に制御することによって応答する別の車両である可能性がより高い。
【0010】
外部照明制御システムが動作しうるモードの一つは高速道路モードである。高速道路モードは、制御される車両が高速道路(すなわち、高速道路または中央分離帯のある高速道路)を走行しているとシステムが判断した時に選択される。高速道路モードでは、中央分離帯のガードレールまたはその他のバリアの存在が対向車両のヘッドランプをブロックして検出を困難にするので、システムは対向車両に反応しない場合がある。しかし、このようなバリアは、そうでなければ対向車両の運転者にグレアを生じるであろう、制御される車両からの光もブロックする。高速道路を検出し高速道路モードで動作する外部照明制御システムの例が、米国特許第6,861,809号および第8,045,760号に開示されており、それらの開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0011】
高速道路の中央分離帯には断続的障害物があるという点で問題が存在することが分かっている。例えば、制御される車両が高速道路上で対向車両を検出し、そのヘッドライトを暗くした場合、中央分離帯の障害物のために、その後対向車両がもはや存在しないかのように見える可能性があり、この場合制御される車両はヘッドライトを最も明るいレベルに戻す。しかし、これらの断続的中央分離帯障害物が通過する時、制御される車両のヘッドランプからの明るい光は、対向車両に対して過剰なグレアを生じさせる可能性がある。さらに、断続的中央分離帯障害物は、制御される車両のヘッドライトの状態を頻繁に変えさせ、それによって制御される車両の運転者の気を散らし、運転者の邪魔となる可能性がある。
【0012】
従って、本明細書に記述された外部照明制御システムは、高速道路モードで動作している間、制御される車両のヘッドライトが明るい光の状態に戻るのを動的に遅延させることができる。下記に説明されるように、遅延は、対向車両の右端の(または高速道路の中央分離帯または取得された画像の中心フィーチャに最も近い)ヘッドランプが、取得された画像内のどこにあるかという決定に応答して、動的に変化しうる。車両が高速道路の右側を走行する国では、中央分離帯は左側にある。このような国では、ヘッドランプが取り込まれた画像の中心フィーチャの近くに現れる車両は、ヘッドランプが画像の左側の近くに現れる車両よりも一般的に遠く離れている。遠く離れている車両は通過するのにより長い時間がかかるため、遅延は、右端のヘッドランプが画像の中心フィーチャの近くに検出された時により大きく、右端のヘッドランプが左側の近くに検出された時はより少ない。
【0013】
反対に、車両が高速道路の左側を走行する国では、中央分離帯は右側にある。このような国では、ヘッドランプが取り込まれた画像の中心フィーチャの近くに現れる車両は、ヘッドランプが画像の右側の近くに現れる車両よりも一般的に遠く離れている。遠く離れている車両は通過するのにより長い時間がかかるため、遅延は、左端のヘッドランプが画像の中心フィーチャの近くに検出された時により大きく、左端のヘッドランプが右側の近くに検出された時はより少ない。
【0014】
本明細書で使用される場合、取得された画像の「中心フィーチャ」は、画像の実際の物理的中心であるか、または取得された画像のオプティカルフローの中心でありうる。取得された画像のオプティカルフローの中心の検出は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,004,425号、米国特許広報第US 2014/0247351 A1号、および「IMAGING SYSTEM AND METHOD WITH EGO MOTION DETECTION(自己運動検出による撮像システムおよび方法)」と題する米国特許出願第14/462,888号(David J. Wrightらにより2014年8月19日に出願)に公開された方法で実施でき、これらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。オプティカルフローの中心の使用は、狙いの許容誤差ならびに変化する前方情景を計算して入れるので、単に画像の物理的中心を使うよりも確実な方法である。
【0015】
こうして外部照明制御システム10(図1)は、制御される車両の外部および前方の情景を撮像し、取得された画像に対応する画像データを生成するように構成された撮像システム20と、画像データを受信および分析するように構成され、画像データの分析に応答して、また選択された動作モードに応答して、外部照明80を制御するために使用される外部照明制御信号を生成するためのコントローラ30とを含みうる。選択された一つの動作モードは、制御される車両が高速道路上を走行しているとコントローラが判断した時に選択される高速道路モードである。高速道路モードにあるとき、コントローラが一台以上の対向車両のヘッドランプを検出した場合、コントローラは、外部照明の明度を低減するための外部照明制御信号を生成し、取得された画像の中心フィーチャに最も近いヘッドランプの取得画像内の相対的位置を決定し、ヘッドランプの相対的位置に応答して動的に変化する遅延を選択する。外部照明を低減した明度状態にしておく必要のある対向ヘッドランプが、取得された画像にもはや存在しないと判断したとき、それにもかかわらず、コントローラは、外部照明の明度を増加するための外部照明制御信号を生成する前に、選択された遅延の間、取得された画像の分析を継続する。遅延の間にヘッドランプが検出された場合、コントローラは、外部照明の明度を増加させるための外部照明制御信号を生成する前に、選択された遅延に対応する時間の間、対向ヘッドランプが取得された画像中にもはや存在しなくなる時まで、その後取得された画像の分析を継続する。ヘッドランプが取得された画像の中心フィーチャに近いほど、選択された遅延は長くなる。
【0016】
コントローラは、高速道路モードでない時、例えば3秒の静的遅延を使用しうる。高速道路上にある時、静的遅延を設定する代わりに、取得された画像内の右端の(または画像の中心フィーチャに最も近い)ヘッドランプの相対的位置に基づいて動的遅延を設定しうる。動的遅延は、ルックアップテーブルまたは方程式を使用するなど、さまざまな方法を使用して選択または計算されうる。方程式ベースのアプローチの例が、例示目的で以下に示されている。具体的には、遅延(dynamic_delay)は以下のように決定されうる:
dynamic_delay = (x_pos * ((max_delay - hl_delay) / (x_max - x_min))) + max_delay
【0017】
上記の方程式で、x_posは取得された画像内の右端の対向ヘッドランプの検出位置である。hl_delayは最小設定可能ヘッドランプ保持遅延である。max_delayは最大設定可能ヘッドランプ保持遅延であり、これは2*hl_delayと等しい場合がある。x_maxは画像の中心フィーチャに対する右端の対向ヘッドランプの最大可能位置である。x_minは画像の左側に対する右端対抗ヘッドランプの最小可能位置である。この例をさらに示すために、取得された画像内の右端の対向ヘッドランプの位置(x_pos)(度)の関数として、動的遅延(dynamic_delay)(ミリ秒)のプロットが図3に示されている。この例では、hl_delay = 3秒、max_delay = 6秒、x_max = 0度、x_min = −16.6度である。この例では、ヘッドランプ位置と遅延の間に直線関係が生じるが、システムは非直線的または指数関係を持つように構成されうる。これらの例で、座標系は、取得された画像のオプティカルフローの中心に位置する原点に基づく。正軸は中心の右側(+x)および中心の上方(+y)である。
【0018】
コントローラは、制御される車両が高速道路の速度閾値を超える速度で走行している時、制御される車両が高速道路上を走行していると判断しうる。代替的に、コントローラは、GPSナビゲーションデータにアクセスするか、または画像システムを使用して決定された道路モデルを使用しうる。このような道路モデルは、システムによって検出される時の以前の対向交通の相対的ワールド位置を分析することによって決定されうる。道路モデルは、制御される車両のナビゲーションシステムを使用しても決定されうる。道路モデルを決定するためのシステムは、米国特許第8,543,254号に開示されており、この開示全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0019】
現在の外部照明制御システムは、光源内のAC変調を検出することによって、街灯および家の照明をその他の車両の照明から区別することができる。理想的には、このようなシステムは、対向車両に応答するのと同じようには、街灯または家の照明に応答しない。高速道路上を走行している時に時々起こる別の問題は、高速道路の中央分離帯にある断続的障害物によって、対向ヘッドランプが明滅しているように見える場合であり、これはAC電源の街灯と間違われることがある。人口集中地域を走行しているのでないかぎり、AC電源の光源は一般的には高速道路の近くにないと仮定すると、システムが高速道路モードにある時はAC光源検出の感度を低減させるのが安全である。高速道路上の対向ヘッドランプは一般的には高速道路の中央分離帯側(車両が道路の右側を走行する国では画像の左側、および車両が道路の左側を走行する国では画像の右側)で検出されるので、コントローラ30は、中央分離帯に最も近い取得画像の片側部分のAC光源検出感度のみを低減させうる。さらに、街灯は一般的には画像の上部に現れる一方、ヘッドランプは中央から下部に現れるので、AC検出感度は画像の上部に渡って維持されうる。こうして、高速道路モードでない時、コントローラは、第一の感度を使用して光源がAC光源であるかどうかを検出する。しかし、高速道路モードにある時、コントローラは、取得された画像の左側の指定された高さより下に現れる光源がAC光源かどうかを、第一の感度より低い第二の感度を使用して検出する一方、取得された画像の残りの部分に現れる光源がAC光源かどうかを第一の感度を使用して検出する。コントローラは、閾値の上限および下限を使用して、光源がAC光源かどうかを検出する。コントローラは、閾値の上限および下限をオフセット値だけ変更することにより、第一の感度と第二の感度の間で感度を調節する。例えば、感度の低減は、閾値の上限および下限をオフセット値だけ増やすことによって達成されうる。
【0020】
外部照明制御システム10の第一の実施形態を図1に示す。外部照明制御システム10は、外部照明80、および随意に、制御される車両のその他の装置(50、62)を制御するために提供される。システム10は、撮像システム20およびコントローラ30を含む。撮像システム20は、制御される車両の外部前方の情景を画像化し、取得された画像に対応する画像データを生成するよう構成された画像センサー(201、図2)を含む。コントローラ30は、画像データを受信および分析し、外部照明80を制御するために使用される外部照明制御信号を生成し、任意の追加的装置(50、62)を制御するための信号を生成する。これらの制御信号は、画像データの分析に応答して生成される。
【0021】
コントローラ30は、生成された制御信号が装置を直接的に制御するよう、制御されている装置(50)に直接接続するよう構成しうる。代替的に、コントローラ30は、コントローラ30によって生成された制御信号が装置を間接的に制御するよう、装置コントロール(60および70)に接続され、それが制御される装置(62および80)に接続されるように構成しうる。例えば、装置が外部照明80のケースでは、コントローラ30は、外部照明80を制御する際に、どちらかというと外部照明コントロール70が使用するための制御信号を生成するよう、撮像システム20からの画像データを分析しうる。制御信号はさらに、装置コントロール60および70が推奨を無効にするかどうかを判断しうるように、推奨値だけではなく、推奨の理由を表すコードも含みうる。
【0022】
図1に示すとおり、推奨や直接制御信号の形成にあたって考慮に入れうる様々な入力(入力21〜24など)をコントローラ30に供給しうる。一部のケースでは、こうした入力が代わりに装置コントロール(60および70)に提供されうる。例えば、手動スイッチからの入力が装置コントロール(60および70)に提供される場合があり、これにより装置コントロール(60および70)はコントローラ30からの推奨をオーバーライドする場合がある。コントローラ30と装置コントロール(60および70)間で様々なレベルの相互作用や連動が存在する場合があることが理解されるであろう。制御機能を分離する一つの理由は、撮像システム20が、画像を取得するために車両内の最適な位置(制御される装置からのある距離としうる)に配置できるようにし、また車両バス25を経由した通信を可能にするためである。
【0023】
一つの実施形態によれば、システム10が制御する装置は、一つ以上の外部照明80を含むことができ、またコントローラ30により生成される制御信号は、外部照明制御信号としうる。この実施形態では、外部照明80は、コントローラ30によって、またはコントローラ30から制御信号を受信する外部照明コントロール70によって直接制御されてもよい。本明細書で使用する場合、「外部照明」は大まかに車両の任意の外部照明を含む。こうした外部照明は、ヘッドランプ(互いに分離されている場合にはロービームとハイビームの両方)、テールライト、ファウルウェザーライト(フォグランプなど)、ブレーキライト、中央取付式ストップライト(CHMSL)、方向指示灯、後退灯などを含みうる。外部照明は、従来式のロービームおよびハイビームの状態を含めた、いくつかの異なるモードで動作しうる。これらはまた、日中の走行灯として、それらが許可されている国々で非常に明るいハイビームおよび/またはレーザーハイビームとして追加的に動作する場合もある。
【0024】
外部照明の明度もまた、ロー、ハイ、およびスーパーハイの状態間を連続的に変化しうる。これらの外部照明のそれぞれの状態を得るために別個の照明を提供することも、外部照明の実際の明るさを変化させて、これらの異なる外部照明の状態を提供することもできる。いずれのケースでも、外部照明の「知覚明度」または照明パターンは変化する。本明細書で使用するとき、「知覚明度」という用語は、車両の外部の観察者によって知覚される外部照明の明るさを意味する。最も一般には、こうした観察者は、先行する車両内または同じ通りを逆方向に移動する車両内の運転者または搭乗者である。理想的には、外部照明は、観察者が車両に対して車両内の「グレア領域」(すなわち、観察者が、過度のグレアを招くものとして外部照明の明るさを知覚する領域)内に位置する場合、観察者がもはやグレア領域内に存在しないようにビームの照明パターンが変化するように制御される。外部照明の知覚明度および/またはグレア領域は、一つ以上の外部照明の照明出力を変化させることによるか、一つ以上の照明の方向を変えて、一つ以上の外部照明の照準を変化させ、選択的に外部照明の一部またはすべてを遮断するか、または別の方法で起動または停止して、車両前方の照明パターンを変化させることによるか上記の組み合わせにより変化させうる。
【0025】
撮像システム20は任意の従来システムでありうる。適切な撮像システムの例は、公開米国特許公報番号第20080192132 A1号および同第20120072080 A1号、ならびに「メジアンフィルター(MEDIAN FILTER)」と題し、Jon H. Bechtelらによって2011年6月23日に出願された米国仮出願番号第61/500,418号、「メジアンフィルター(MEDIAN FILTER)」と題し、Jon H. Bechtelらによって2011年10月7日に出願された同第61/544,315号、および「高ダイナミックレンジカメラの低照明レベルフィルタリング(HIGH DYNAMIC RANGE CAMERA LOW LIGHT LEVEL FILTERING)」と題し、Jon H. Bechtelらによって2011年11月8日に出願された同第61/556,864号に開示されており、これらの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
画像システムは、外部照明に加えて車両装置を制御するために、その後に表示および/または分析される場合がある画像を取り込むための画像センサー(またはカメラ)を含む。例えば、このような撮像装置は、車線逸脱警報システム、前方衝突警報システム、適応クルーズコントロールシステム、歩行者検出システム、暗視システム、地形検出システム、駐車支援システム、交通標識認識システム、および後方カメラ表示システムに使用されてきた。このような目的で撮像装置を使用するシステムの例は、米国特許番号第5,837,994号、同第5,990,469号、同第6,008,486号、同第6,049,171号、同第6,130,421号、同第6,130,448号、同第6,166,698号、同第6,379,013号、同第6,403,942号、同第6,587,573号、同第6,611,610号、同第6,631,316号、同第6,774,988号、同第6,861,809号、同第7,321,112号、同第7,417,221号、同第7,565,006号、同第7,567,291号、同第7,653,215号、同第7,683,326号、同第7,881,839号、同第8,045,760号、および同第8,120,652号、ならびに「隆起車線マーカー検出システムおよびその方法(RAISED LANE MARKER DETECTION SYSTEM AND METHOD THEREOF)」と題し、Brock R. Rycengaらによって2011年7月27日に出願された米国仮出願番号第61/512,213号、および「衝突警報システムおよびその方法(COLLISION WARNING SYSTEM AND METHOD THEREOF)」と題し、Brock R. Rycengaらによって2011年7月27日に出願された米国仮出願番号第61/512,158号(これらはまとめて公開米国公報第US 2013/0028473 A1号に対応する)に開示されており、これらの開示全体は参照により本書に組み込まれる。
【0027】
図1に示す例で、撮像システム20は、コントローラ30により制御しうる。撮像システムのパラメータおよび画像データの通信は、通信バス40を経由して発生し、これは双方向のシリアルバス、パラレルバス、その組み合わせ、またはその他の適切な手段としうる。コントローラ30は、撮像システム20からの画像を分析し、装置(または外部照明)の状態をそれらの画像内で検出された情報に基づき判断し、判断された装置(または外部照明)の状態を装置50、装置コントロール60、または外部照明コントロール70に、バス42(これは車両バス25、CANバス、LINバスまたはその他任意の適切な通信リンクとしてもよい)を通じて通信することにより、装置制御機能を実行する役目をする。コントローラ30は、起動の対象となる撮像システムを、異なる露光時間および異なる読み取りウィンドウを備えたいくつかの異なるモードで制御しうる。コントローラ30は、装置または外部照明コントロールの機能の実行と、撮像システム20のパラメータの制御の両方に使用される場合がある。
【0028】
コントローラ30はまた、外部照明80の動作に関する判断を下すにあたり、個々の接続を介して、または車両バス25を経由して通信される信号(車両速度、および左右の揺れなど)の可用性を利用することもできる。特に、速度入力21は、車両速度情報をコントローラ30に提供し、そこから速度を外部照明80またはその他の装置の制御状態を決定するための要因とすることができる。後退信号22は、コントローラ30に車両が後退していることを伝え、それに応答して、コントローラ30は、光センサーから出力される信号に関係なく、エレクトロクロミックミラー要素をクリアにする場合がある。自動オン/オフスイッチ入力23は、車両外部照明80を自動制御で制御するべきかあるいは手動で制御するべきかのコントローラ30に命令する2通りの状態を有するスイッチに接続される。オン/オフスイッチ入力23に接続されている自動オン/オフスイッチ(図示せず)は、従来から車両のダッシュボードに取り付けられるか、またはステアリングコラムのレベルに組み込まれるヘッドランプスイッチに組み込まれる場合がある。手動減光スイッチ入力24は、外部照明コントロール状態について手動によるオーバーライド信号を提供するために、手動起動式のスイッチ(図示せず)に接続される。入力21、22、23、24および出力42a、42b、および42cの一部またはすべて、ならびにハンドル入力など、任意の他の可能性のある入力または出力を、図1に図示した車両バス25を通して任意選択で提供することができる。代替的に、これらの入力21〜24は、装置コントロール60または外部照明コントロール70に提供される場合がある。
【0029】
コントローラ30は、車両バス42を経由してコントローラ30に接続されている車両内のその他の装置50を少なくとも部分的に制御できる。具体的には、外部照明80、雨センサー、コンパス、情報ディスプレイ、フロントガラスワイパー、ヒーター、霜取り装置、曇り除去装置、空調システム、電話システム、ナビゲーションシステム、セキュリティシステム、タイヤ圧監視システム圧力モニタリング、車庫ドア開放トランスミッター、リモートキーレスエントリーシステム、テレマティックスシステム、音声認識システム(デジタル信号プロセッサベースの音声作動システムなど)、車両速度コントロール、室内灯、バックミラー、音響システム、エンジン制御システム、ならびに車両全体にわたって位置している場合があるその他の各種のスイッチおよびその他の表示装置は、コントローラ30によって制御される場合がある一つ以上の装置50のいくつかの例である。
【0030】
さらに、コントローラ30は、少なくとも部分的に、車両のバックミラー組立品内に位置するか、または車両内のその他の場所に位置しうる。コントローラ30はまた、装置コントロール60などの追加的コントローラ(複数可)も使用する場合があり、これは一定の種類の装置62を制御するために、バックミラー組立品内か、または車両内のいずれかの場所に位置する場合がある。装置コントロール60は、車両バス42を経由して、コントローラ30により生成された制御信号を受信するよう接続することができる。その後、装置コントロール60は、バス61を経由して装置62と通信し、それを制御する。例えば、装置コントロール60は、フロントガラスワイパー装置を制御し、この装置をオンまたはオフにするフロントガラスワイパー制御ユニットであってもよい。装置コントロール60はまた、電子制御ユニットが、周辺光センサー、グレアセンサー、ならびにプロセッサに結合されたその他任意の構成要素から取得された情報に応答して、エレクトロクロミックミラーの反射率を変更するように、コントローラ30がエレクトロクロミック制御ユニットと通信するようプログラミングされたエレクトロクロミックミラー制御ユニットであってもよい。具体的には、コントローラ30と通信している装置制御ユニット60は次の装置、すなわち、外部照明、雨センサー、コンパス、情報ディスプレイ、フロントガラスワイパー、ヒーター、霜取り装置、曇り除去装置、空調、電話システム、ナビゲーションシステム、セキュリティシステム、タイヤ圧監視システム圧力モニタリング、車庫ドア開放トランスミッター、リモートキーレスエントリー、遠隔測定システム、音声認識システム(デジタル信号プロセッサベースの音声作動システムなど)、車両速度、室内灯、バックミラー、音響システム、環境制御、エンジン制御、ならびに車両全体に位置する場合があるその他の各種のスイッチおよびその他の表示装置を制御する場合がある。
【0031】
システム10の部分は有利にも、図2に図示したとおりバックミラー組立品200に組み込むことができ、ここで撮像システム20は、バックミラー組立品200のマウント203に組み込まれる。この位置は、一般に車両のフロントガラスワイパー(図示せず)によって清掃される車両のフロントガラス202の領域を通して、遮られることのない前方の視界を提供する。さらに、撮像システム20の画像センサー201をバックミラー組立品内に取り付けることにより、電源、マイクロコントローラおよび光センサーなどの回路の共有が許容される。
【0032】
図2を参照すると、画像センサー201は、車両フロントガラス202に取り付けられるバックミラーマウント203内に取り付けられる。バックミラーマウント203は、それを通して光が前方の外部の情景から受信される絞りを除いて画像センサーに不透明な筐体を提供する。
【0033】
図1のコントローラ30は、メイン回路基板215上に提供でき、図2に示すとおりバックミラーハウジング204内に取り付けうる。上述のとおり、コントローラ30は、バス40またはその他の手段により撮像システム20に接続しうる。主回路基板215は、従来式の手段によりバックミラーハウジング204内に取り付けられる場合がある。外部照明80(図1)を含む車両電気システムとの電源および通信リンク42は、車両配線ハーネス217(図2)を経由して提供される。
【0034】
バックミラー組立品200は、後方の視界を表示するミラー要素またはディスプレイを含む場合がある。ミラー要素は、プリズム要素、またはエレクトロクロミック要素などの電気光学要素であってもよい。
【0035】
それによってシステム10をバックミラー組立品200に組み込みうる方法についての追加的な詳細は、米国特許第6,611,610号に記載があり、その開示全体を参照し本書に組み込む。外部照明制御システムを実施するために使用される代替的なバックミラー組立品の構造は、米国特許第6,587,573号に開示され、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
上述の方法は、撮像システム20から受信された画像データを使用して、コントローラ30によって実施されうる。この方法は、任意のプロセッサによって実行されるサブルーチンである場合があるため、この方法は、プロセッサによって実行されたときに、下記に説明した方法の工程を実行することにより、制御される車両の装置をプロセッサに制御させる、その上に格納されたソフトウェア命令を持つ、非一時的コンピュータ可読媒体で具現化される場合がある。言い換えれば、この発明性のある方法の態様は、非一時的コンピュータ可読媒体上に格納されたソフトウェア、または非一時的コンピュータ可読媒体内に常駐する既存のソフトウェアに対するソフトウェア修正もしくは更新によって達成される場合がある。こうしたソフトウェアまたはソフトウェア更新は、コントローラ30の(またはコントローラ30またはいずれかの他のプロセッサと局所的に関連付けられる)第一の非一時的コンピュータ可読媒体32に、典型的には車両に搭載される前に、第一の非一時的コンピュータ可読媒体32から離れた場所に位置する第二の非一時的コンピュータ可読媒体90から、ダウンロードされる場合がある。第二の非一時的コンピュータ可読媒体90は、任意の適切な手段によって第一の非一時的コンピュータ可読媒体32と通信状態にあってもよく、これはインターネットまたはローカルエリアまたは広域の有線または無線のネットワークを少なくとも部分的に含む場合がある。
【0037】
上述のように、本発明の方法は、コントローラ30またはその他のプロセッサによって実行されるサブルーチンでありうる。動的遅延処理サブルーチン300の一例が図4に示されている。プロセスは、コントローラ30が右端(車両が道路の左側を走行する国では左端)の車両の位置を見つける手順302で始まる。次に、コントローラ30が、右端の車両の位置に基づいて動的遅延を計算する(手順304)。コントローラ30は次に手順306で、高速道路が検出されるかどうか(従って、システムが高速道路モードで動作しているかどうか)を判断する。高速道路が検出された場合、コントローラ30は、サブルーチンを終了する前に、手順308でホールドオフ遅延を計算された動的遅延に設定する。そうではなく、高速道路が検出されない場合、コントローラ30は、ホールドオフ遅延を静的遅延に設定する。
【0038】
上述の実施形態では、高速道路モードにある時の動的遅延および高速道路モードにない時の静的遅延の使用を記述してきたが、動的遅延は静的遅延を使用する代わりに、その他のモードまたはその他すべての動作モードで使用されうる。さらに、コントローラ30は、車両が高速道路上を走行しているかどうかを決定する責任を負う必要はない、というのもこれは車両のナビゲーションシステムなどの別のコントローラによって決定でき、それをコントローラ30に伝達しうる。
【0039】
上記の説明は、好ましい実施形態についてのものとみなされる。当業者や本発明の製作者または使用者に対して、発明の変形が発生するであろう。従って、図面に示し上述した実施形態は、単に図示の目的のためであり、均等論を含む、特許法の原理に従い解釈されるものとして、特許請求によって定義される発明の範囲を制限する意図はないことが理解される。
図1
図2
図3
図4