【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 第27回スズモフェア2013東京 開催場所 サンシャインシティ文化会館4階Bホール(東京都豊島区東池袋3−1−4) 展示日 平成25年5月22日〜平成25年5月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 スズモフェア2013名古屋 開催場所 ウインクあいち7階展示場(愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4−38) 展示日 平成25年7月10日〜平成25年7月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 スズモフェア2013大阪 開催場所 マイドームおおさか1階Aホール(大阪府大阪市中央区本町橋2番5号) 展示日 平成25年7月17日〜平成25年7月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転駆動手段は、前記均しローラの回転軸の一方端側に配置された均しローラ側回転駆動手段および前記送り出しローラの回転軸の一方端側に配置された送り出しローラ側回転駆動手段で構成され、
前記均しローラ側回転駆動手段および前記送り出しローラ側回転駆動手段は、相互に同軸上に設けられた第1駆動軸および第2駆動軸をそれぞれ回転させる第1回転駆動部および第2回転駆動部を有し、
前記均しローラおよび前記送り出しローラは、前記回転駆動手段側の第1ローラ部および当該回転駆動手段と反対側の第2ローラ部にそれぞれ2分割され、
前記第1ローラ部は前記第1駆動軸に、前記第2ローラ部は前記第2駆動軸に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の食材処理装置。
前記第1駆動軸は、前記第1回転駆動部の回転軸と並列に配置され、前記第1回転駆動部の回転軸に取り付けられたプーリ、および前記プーリと前記第1駆動軸とに架け渡されたベルトを介して当該第1回転駆動部の回転軸と連結され、
前記第2駆動軸は、前記第1駆動軸を貫通してカップリングを介して前記第2回転駆動部の回転軸と同軸上で連結されている、
ことを特徴とする請求項4記載の食材処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態に係る食材処理装置である米飯成形装置の正面図、
図2は
図1の米飯成形装置の背面側を示す斜視図である。
【0020】
本実施の形態の米飯成形装置(食材処理装置)1は、シャリ玉や俵形米飯塊等のような米飯塊(食材塊の一例)を成形する米飯成形装置であり、1単位動作で同時に複数個の米飯塊を成形することが可能な上、1台で米飯塊の大きさ(種類)を種々変更することが可能な米飯成形装置である。
【0021】
この米飯成形装置1は、架台2と、ライスリフタ(食材供給部)3aと、供給ホッパ(食材供給部)3bと、均し部3cと、メイン処理部4と、トレイストッカ5aと、エアインレット部5bと、アルコール噴霧部5cと、トレイ搬送部5eと、メイン操作部6aと、サブ操作部6bとを備えている。
【0022】
ライスリフタ3aは、食材の一例である米飯を供給ホッパ3bに投入する機構部であり、米飯成形装置1の片横側に設置されている。
【0023】
供給ホッパ3bは、ライスリフタ3aから投入された米飯を解し羽の回転動作により解した後、均し部3cに供給する機構部であり、米飯成形装置1の最上部に設置されている。この供給ホッパ3bの解し羽の回転動作は、均し部3cに設置された光学センサからの検出情報に基づいて制御される。
【0024】
均し部3cは、供給ホッパ3bから下方傾斜コンベア(搬送路)32の上に供給された米飯の凹凸を均しローラ30により装置の前後方向に対して(つまり、均しローラ30の幅方向に対して)均し、当該均しローラ30よりも米飯塊の搬送方向下流に配置された送り出しローラ31および下方傾斜コンベア32を介してメイン処理部4に供給する機構部であり、供給ホッパ3bとメイン処理部4との間に設置されている。この均し部3cについては後ほど詳細に説明する。
【0025】
メイン処理部4は、均し部3cから供給された米飯を計量部10aで計量し、分割部10bで分割した後に米飯塊に成形する機構部であり、均し部3cと架台2との間に設置されている。このメイン処理部4についても後ほど詳細に説明する。
【0026】
トレイストッカ5aは、成形後の複数個の米飯塊を載置するトレイを複数枚収容するとともに1枚ずつ取り出してトレイ搬送部5eに供給する機構部であり、架台2上においてライスリフタ3aとメイン処理部4との間に設置されている。トレイストッカ5aは、例えば50枚のトレイを収容することができる。
【0027】
エアインレット部5b(
図2参照)は、トレイをトレイストッカ5aからトレイ搬送部5eに搬送する際にトレイを吸着したり、トレイ搬送部5eを除菌するためのアルコール噴霧を行うための外部エアを供給する機構部であり、米飯成形装置1の背面側、ライスリフタ3aの後ろ側に設置されている。
【0028】
アルコール噴霧部5cは、トレイストッカ5aから搬送されてきたトレイの表面に対してアルコールタンク(図示せず)内の除菌用のアルコールを噴霧する機構部であり、トレイの搬送経路途中に設置されている。
【0029】
トレイ搬送部5eは、トレイストッカ5aから供給され、成形後の複数個の米飯塊が載置されたトレイを投入部、出口へと搬送する機構部であり、メイン処理部4の後段に設置されている。
メイン操作部6aは、米飯成形装置1の全体的な動作を操作するための操作部であり、オペレータの立ち位置に応じて移設自在の状態で設置されている。このメイン操作部6aのケーブル長は、例えば10mほどである。
【0030】
サブ操作部6bは、停止ボタンおよび非常停止ボタンのみが配置された緊急用操作部である。サブ操作部6bは、緊急性を要する操作を行うので位置が固定されている。
【0031】
次に、
図3は
図1の米飯成形装置の均し部およびメイン処理部の一部を示す斜視図、
図4は
図3の均し部の平面図、
図5は
図3の均し部の正面図、
図6は
図3の均し部を構成する均しローラおよび送り出しローラの分解斜視図、
図7は
図3の均し部を構成する均しローラおよび送り出しローラの断面図である。
【0032】
図3および
図4に示すように、均しローラ30および送り出しローラ31は搬送路を形成する下方傾斜コンベア32と所定の間隔を開けて前面板FBおよび背面板RBに挟まれるようにして配置され、モータ(回転駆動手段)40によって回転可能に設けられている(
図6、
図7参照)。
【0033】
また、
図4に詳しく示すように、前面板FBおよび背面板RBの内側には、上流で供給ホッパ3bに対応した幅になっている米飯の搬送路を、均しローラ30に至る間に両側から徐々に所定の幅まで狭めるための案内板GBが設置されている。この案内板GBにより、供給ホッパ3bから下方傾斜コンベア32に供給された米飯は均しローラ30に到達する間に徐々に中央部に寄せられ、搬送路の幅方向における米飯の密度ムラが少なくなる。なお、本実施の形態において、搬送路の供給ホッパ3b側の幅は364mm、案内板GBで狭められた後の幅は275mmになっている。但し、これらの幅は自由に設定することができる。
【0034】
前述のように、均しローラ30は下方傾斜コンベア32に供給された米飯の凹凸を均して全体的にほぼ等しい厚みで後工程に供給するためのもので、外周面には、均しローラ30が回転したときにスムーズに米飯が送られるようにするための複数の溝33が軸方向に延びて形成されている。
【0035】
当該均しローラ30は、両端部の径よりも中央部の径の方が大きくなっている。これは、案内板GBにより米飯が中央部に寄せられることで中央部の米飯の密度が相対的に高くなった場合、幅方向に広げて平均化を図るためである。なお、
図5に示すように、本実施の形態において、均しローラ30の中央部の径が115mm、両端部の径が105mmとなっており、均しローラ30の中央部と下方傾斜コンベア32との間隔が33mm、両端部と下方傾斜コンベア32との間隔が38mmになっている。但し、これらの幅も自由に設定することができる。また、均しローラ30は必ずしも中央部の径の方が大きくなっていなくてもよい。
【0036】
均しローラ30の下流に設けられた送り出しローラ31は、均しローラ30で均された下方傾斜コンベア32上の米飯を送り出すもので、外周面には、多数の掻き出し突起34が形成されている。これにより、送り出しローラ31が回転すると掻き出し突起34で米飯が解されながら後工程に供給される。
【0037】
ここで、
図6および
図7に示すように、モータ40は、均しローラ30の回転軸の一方端側に配置された均しローラ側モータ(均しローラ側回転駆動手段)41、および送り出しローラ31の回転軸の一方端側に配置された送り出しローラ側モータ(送り出しローラ側回転駆動手段)42で構成されている。
【0038】
さらに、均しローラ側モータ41は、相互に同軸上に設けられた第1駆動軸41−1および第2駆動軸41−2をそれぞれ回転させる第1モータ(第1回転駆動部)41aおよび第2モータ(第2回転駆動部)41bを有している。そして、第1駆動軸41−1は、第1モータ41aの回転軸と並列に配置され、第1モータ41aの回転軸に取り付けられたプーリ45、および当該プーリ45と第1駆動軸41−1とに架け渡されたベルト43を介して第1モータ41aの回転軸と連結されている、また、第2駆動軸41−2は第1駆動軸41−1を貫通し、カップリング44を介して第2モータ41bの回転軸と同軸上で連結されている。
【0039】
同様に、送り出しローラ側モータ42は、相互に同軸上に設けられた第1駆動軸42−1および第2駆動軸42−2をそれぞれ回転させる第1モータ(第1回転駆動部)42aおよび第2モータ(第2回転駆動部)42bを有している。そして、第1駆動軸42−1は、第1モータ42aの回転軸と並列に配置され、第1モータ42aの回転軸に取り付けられたプーリ45、および当該プーリ45と第1駆動軸42−1とに架け渡されたベルト43を介して第1モータ42aの回転軸と連結されている、また、第2駆動軸42−2は第1駆動軸42−1を貫通し、カップリング44を介して第2モータ42bの回転軸と同軸上で連結されている。
【0040】
図3、
図4および
図6に示すように、均しローラ30は、前述したモータ40(均しローラ側モータ41)側の第1ローラ部30aおよびモータ40と反対側の第2ローラ部30bの2つに回転軸方向に沿って分割されている。そして、第1ローラ部30aは前述した第1駆動軸41−1に取り付けられ、第2ローラ部30bは第2駆動軸41−2に取り付けられている。したがって、第1ローラ部30aは第1モータ41aにより、第2ローラ部30bは第2モータ41bによりそれぞれ同軸上で別駆動され、相互に独立して回転可能になっている。
【0041】
また、送り出しローラ31は、このように2分割された均しローラ30に対応して、モータ40(送り出しローラ側モータ42)側の第1ローラ部31aおよびモータ40と反対側の第2ローラ部31bの2つに回転軸方向に沿って分割されている。第1ローラ部31aは前述した第1駆動軸42−1に取り付けられ、第2ローラ部31bは第2駆動軸42−2に取り付けられている。したがって、第1ローラ部31aは第1モータ42aにより、第2ローラ部31bは第2モータ42bによりそれぞれ同軸上で別駆動され、均しローラ30と同様、相互に独立して回転可能になっている。
【0042】
なお、均しローラ30と送り出しローラ31は複数に分割されていればよく、本実施の形態のように2分割に限定されるものではない。また、均しローラ30や送り出しローラ31が2分割されている場合であっても、本実施の形態のように、プーリ45とベルト43とにより第1ローラ部30a,31aの取り付けられた第1駆動軸41−1,42−1が第1モータ41a,42aの回転軸と連結され、カップリング44により第2ローラ部30b,31bの取り付けられた第2駆動軸42−1,42−2が第2モータ41b,42bの回転軸と同軸上で連結される構成である必要はない。
【0043】
さて、
図3において、前述したメイン処理部4の計量部10aは、以上の構成を有する均し部3cの米飯搬出口の直下に設置されており、均し部3cから供給された米飯を予め決められた大きさ、形状および重さに計量しながら分割部10bへ搬送する。
【0044】
そして、送り出しローラ31と計量部10aとの間には、2分割されたそれぞれの部分の均しローラおよび送り出しローラ(つまり、均しローラ30の第1ローラ部30aおよび第2ローラ部30b、ならびに送り出しローラ31の第1ローラ部31aおよび第2ローラ部31b)にそれぞれ対応して、計量部10aの上に蓄積された米飯の有無を検知する光学センサ(センサ)SRが2個配置されている。すなわち、第1ローラ部30a,31aに対応して光学センサSRaが、第2ローラ部30b,31bに対応して光学センサSRbが、それぞれ配置されている。
【0045】
これらの光学センサSRは、計量部10aの上に蓄積された米飯の一方側に位置する発光部と、当該米飯の他方側に位置する受光部の一対で1個のセンサが構成され、発光部からの光が米飯の有無により受光部で受光されるか否かにより、計量部10aの上の米飯の有無を検知している。なお、センサは本実施の形態のような光学式に限定されるものではなく、計量部10aの上に蓄積された米飯の有無を検出することができるセンサであれば、様々な方式のものを適用することができる。
【0046】
さて、均し部3cの均しローラ30および送り出しローラ31の回転動作は、これら2個の光学センサSRからの検出情報を受け取った制御部(図示せず)によって制御されている。
【0047】
ここで、制御部による均しローラ30および送り出しローラ31の回転動作の制御について説明する。
【0048】
制御部は、光学センサSR(SRa,SRb)により米飯が検知されなかったときに、モータ40(均しローラ側モータ41を構成する第1モータ41aおよび第2モータ41b、送り出しローラ側モータ42を構成する第1モータ42aおよび第2モータ42b)を介して当該光学センサSR(SRa,SRb)に対応した部分の均しローラ30(つまり、第1ローラ部30aと第2ローラ部30b)および送り出しローラ31(つまり、第1ローラ部31aと第2ローラ部31b)を回転させ、計量部10aに米飯を供給するように制御している。
【0049】
すなわち、2個の光学センサSRの両方(光学センサSRa,SRb)で米飯が検出されない場合は、均しローラ30を構成する第1ローラ部30aを回転させる第1モータ41aおよび第2ローラ部30bを回転させる第2モータ41bを駆動し、さらに送り出しローラ31を構成する第1ローラ部31aを回転させる第1モータ42aおよび第2ローラ部31bを回転させる第2モータ42bを駆動し、均し部3cの米飯を計量部10aの全体にわたって供給する。
【0050】
また、2個の光学センサSRの両方(光学センサSRa,SRb)で米飯が検出された場合は、均しローラ30の第1モータ41aおよび第2モータ41bを停止し、さらに送り出しローラ31の第1モータ42aおよび第2モータ42bを停止し、均し部3cから計量部10aへの米飯の供給を停止する。
【0051】
そして、光学センサSRの一方では米飯が検出されないが他方では検出された場合、例えば、光学センサSRaでは米飯が検出されないが光学センサSRbでは検出された場合、米飯が検出されなかった光学センサSRaに対応した部分の均しローラ30および送り出しローラ31のみを回転させ、当該部分の均しローラ30および送り出しローラ31のみを用いて米飯を計量部10aに供給する。
【0052】
つまり、光学センサSRaでは米飯が検出されないが光学センサSRbでは検出された場合には、均しローラ30を構成する第1ローラ部30aを回転させる第1モータ41aを駆動する一方で第2ローラ部30bを回転させる第2モータ41bを停止し、さらに送り出しローラ31を構成する第1ローラ部31aを回転させる第1モータ42aを駆動する一方で第2ローラ部31bを回転させる第2モータ42bを停止する。そして、均しローラ30の第1ローラ部30aおよび送り出しローラ31の第1ローラ部31aのみを回転させて均し部3cの米飯を計量部10aに供給する。
【0053】
なお、逆に光学センサSRaでは米飯が検出されたが光学センサSRbでは検出されない場合には、均しローラ30を構成する第1ローラ部30aを回転させる第1モータ41aを停止する一方で第2ローラ部30bを回転させる第2モータ41bを駆動し、さらに送り出しローラ31を構成する第1ローラ部31aを回転させる第1モータ42aを停止する一方で第2ローラ部31bを回転させる第2モータ42bを駆動する。そして、均しローラ30の第2ローラ部30bおよび送り出しローラ31の第2ローラ部31bのみを回転させて均し部3cの米飯を計量部10aに供給する。
【0054】
これにより、計量部10aの幅方向において米飯が存在していない領域には均し部3cから米飯が供給されるが、既に米飯が存在している領域にさらに米飯が供給されることはないので、計量部10a上に供給される米飯の量を当該計量部10aの幅方向に対して均一化させることができる。
【0055】
また、計量部10aよりも上流側の工程、つまり均し部3cを制御することで米飯の量を均一化させているので、計量部10aの構造がシンプルになる。
【0056】
なお、前述のように、均しローラ30と送り出しローラ31は複数に分割されていればよく、2分割に限定されるものではない。したがって、光学センサSRはこれら均しローラ30と送り出しローラ31の分割数に対応して設けられるもので、例えば均しローラ30と送り出しローラ31とが3分割されていれば、光学センサSRも3個設けられる。
【0057】
次に、
図8は
図1の米飯成形装置のメイン処理部の要部構成図、
図9は
図8の計量部の拡大正面図、
図10は
図9の計量部のI−I線の断面図である。なお、
図8では図面を見易くするため仕切り板SBにハッチングを付した。また、
図9では図面を見易くするためローラRにハッチングを付した。
【0058】
図8に示すように、メイン処理部4は、計量分割部10と、バッファ部11と、米飯搬送型12と、成形部13と、投入部14とを備えている。
【0059】
計量分割部10は、均し部3cから供給された米飯を予め決められた大きさ、形状および重さになるように計量分割する機構部であり、計量部10aと、分割部10bとを備えている。
【0060】
前述のように、計量部10aは、均し部3cから供給された米飯を予め決められた大きさ、形状および重さに計量しながら分割部10bへ搬送する機構部であり、均し部3cの米飯搬出口の直下に設置されている。
【0061】
この計量部10aには、例えば、3段の一対のローラRと、4枚の仕切り板(仕切り部材)SBと、スクレッパSPとが配置されている。ただし、一対のローラRの段数は、3段に限定されるものではなく、例えば2段でも4段でも良い。また、仕切り板SBの枚数も4枚に限定されるものではなく、例えば3枚以下でも5枚以上でも良い。
【0062】
一対のローラRは、米飯塊の搬送空間を挟んで互いに対向するように配置されているとともに、互いの対向方向(内向き)に回転自在の状態で回転軸Axに軸止されている。そして、各一対のローラRは、米飯塊の搬送方向(下方)に沿って各対の対向間隔(米飯塊の搬送空間)が狭くなるように配置されている。これにより、計量部10aに供給された米飯塊は、米粒の密度が一定に保たれたまま各段の一対のローラRにより順に挟み込まれ圧縮されながら下方に送られる。
【0063】
各ローラRは、軸方向に沿って横長の筒状体により形成されており、その外周には、米飯塊を下方に掻き下ろすための複数の突起Pが周方向に沿って凹凸を形成するように予め決められた間隔毎に形成されている。
【0064】
また、各ローラRの内周と回転軸Axの外周との間には回転軸Axの回転動作をローラRに伝達する回転伝達部材Ta,Tbが設けられている。これにより、各ローラRは、回転自在で、かつ、着脱自在の状態で回転軸Axに装着されている。
【0065】
すなわち、最上段および中段のローラRには、
図9に示すように、当該ローラRの端面側の形状が略四角形状の中空孔Haが形成されている。一方、最上段および中段の回転軸Axの外周には、端面形状が最上段および中段のローラRの中空孔Haに丁度収まる大きさの略四角形状に形成された回転伝達部材Taが接合されている。そして、最上段および中段のローラRは、その中空孔Haに回転伝達部材Taを嵌め入れることで回転軸Axに着脱自在の状態で装着されている。
【0066】
また、最下段のローラRには、
図9に示すように、当該ローラRの端面側の形状が円形領域とその外周の2つの対称位置に径方向に広がる広がり領域とを持つ形状の中空孔Hbが形成されている。一方、最下段の回転軸Axの外周には、端面形状が円形部とその外周の2つの対称位置に径方向に突出する突出部(
図9には図示せず。
図12(a)の符号Tbp参照)とを持つ形状に形成された回転伝達部材Tbが接合されている。そして、最下段のローラRは、その中空孔Hbに回転伝達部材Tbを嵌め入れること回転軸Axに着脱自在の状態で装着されている。
【0067】
また、最下段のローラRの中空孔Hbの側面には、最下段のローラRの周方向に延びる固定溝(図示せず)が形成されている。この最下段のローラRの固定溝に、回転伝達部材Tbの突出部(
図12(a)の符号Tbp参照)を嵌め入れることで、最下段のローラRが軸方向(長手方向)に移動しないように固定されている。
【0068】
さらに、最下段のローラRの外周には、仕切り板SBを位置決め固定するための位置決め溝(位置決め部:
図9には図示せず。
図13(e)の符号PT参照)が形成されている。この位置決め溝は、最下段のローラRの軸方向に沿って予め決められた間隔毎に、ローラRの外周に沿って一周するように形成されている。この位置決め溝に仕切り板SBの幅方向両端部が嵌め込まれることで仕切り板SBは位置決め固定されている。この位置決め溝は、最上段および中段のローラRには形成されていない。最下段のローラRのみに位置決め溝を形成することにより、仕切り板SBによる分割数の変更のときに最下段のローラRのみを交換すれば良い。このため、交換作業を容易にすることができる。また、交換部品点数を減らせるので米飯成形装置1のコストを低減できる。
【0069】
上記仕切り板SBは、ローラRの軸方向(長手方向)に沿って予め決められた間隔毎に配置されている。これにより、本実施の形態においては、均し部3cから供給された米飯を計量部10a内において複数個の米飯塊に分割することができる。このため、後工程での米飯の分割作業が不要となるので、米飯成形装置1を小型化することができる。
【0070】
また、仕切り板SBは、最下段の一対のローラRに形成された位置決め溝に固定された状態で着脱自在の状態で設置されている。これにより、本実施の形態においては、最下段の一対のローラRを取り外して交換する(位置決め溝の位置や数の異なる他のローラRに交換する)ことにより、仕切り板SBの隣接間隔や数を変えることができる。すなわち、装置本体を改造することなく1台の米飯成形装置1で、しかも簡単な構造で、米飯塊の長手方向(軸方向)の長さ(種類)を種々変えることができる。
【0071】
また、複数枚の仕切り板SBで分けられた領域毎に米飯塊の搬送駆動部(ローラRに相当)を設ける構造もあるが、そのようにすると米飯塊の個数や長手向長さの変更に対応できない。これに対して、本実施の形態においては、複数枚の仕切り板SBで分けられた領域毎に米飯塊の搬送駆動部を分けないで横長のローラRで対応したことにより、米飯塊の個数や軸方向長さの変更に容易に対応することができる。
【0072】
また、米飯塊の供給の状況により仕切り板SBがローラRの軸方向に押され、最下段の一対のローラRが軸方向に移動してしまう場合がある。その場合、
図10に示すように、ローラRの軸方向前面側では、前面板FBと仕切り板SBとの間で米飯塊が成形され、ローラRの軸方向背面側では背面板RBと仕切り板SBとの間に米飯塊が成形されるため、最下段のローラRが軸方向に移動してしまうと軸方向両端側の米飯塊の長手方向長さが他の米飯塊の長手方向長さと異なってしまう。これに対して、本実施の形態においては、上記したように最下段の一対のローラRが、軸方向に移動しないように固定されているので、上記のような米飯塊の長さの不具合を回避することができる。
【0073】
また、仕切り板SBは、
図10に示すように、最上段のローラRの回転軸Ax中心の高さ位置から最下段のローラRの回転軸Ax中心より若干低い高さ位置まで延びて終端しているとともに、上部から下部に向かって厚さが次第に広くなるようなテーパを持つように形成されている。これにより、計量部10a内において、米飯の抜けや練り過ぎ、あるいは詰まり等のような搬送上の不具合を生じさせることなく米飯塊を良好に搬送することができる。これについては後ほど説明する。
【0074】
なお、仕切り板SBの下部は、分割部10bの可動刃Cの上面付近まであることが望ましい。ここでは、スクレッパSPが配置されているので、仕切り板SBの下部がスクレッパSPの上面付近まであることが望ましい。
【0075】
また、本実施の形態においては、仕切り板SBの隣接間隔を等間隔とした場合を例示したが、これに限定されるものではなく、仕切り板SBの隣接間隔を場所によって変えても良い。これにより、1単位動作で長さの異なる米飯塊を同時に成形することができる。
【0076】
上記スクレッパSPは、最下段の一対のローラRと分割部10bの可動刃Cとの間に米飯が入り込まないようにする部材である。すなわち、スクレッパSPを設けたことにより、最下段の一対のローラRの隣接間の下部において米飯が時間とともに広がってしまうのを防止し、米飯塊を良好に計量することができるようになっている。
【0077】
スクレッパSPは、最下段の一対のローラRの隣接間の下部に設置されており、分割された米飯塊毎に開口部を備えている。スクレッパSPの開口部の内側面には、開口面が下方に向かって次第に小さくなるような傾斜が形成されているとともに、米飯の摩擦抵抗を低減するための複数の溝SPT(
図10参照)が形成されている。
【0078】
図8に示す分割部10bは、計量部10aから送られた複数個の米飯塊を一括して分割する機構部であり、計量部10aの最下部の米飯搬出口に配置されている。この分割部10bは、2枚の可動刃C,Cを備えている。可動刃C,Cは、互いの刃先を対向させ、近接および離間する方向に移動自在の状態で設置されている。計量部10aから送られた米飯塊は、予め決められた大きさ、形状および重さになるタイミングで2枚の可動刃C,Cが近接方向にスライド動作することにより分割されてバッファ部11のバッファ領域BA内に収容される。
【0079】
バッファ部11は、計量分割部10から供給された米飯塊を下方の米飯搬送型12に供給するタイミング等を調整し、計量分割部10と米飯搬送型12とを独立して動作可能とする機構部である。このバッファ部11は、計量分割部10の米飯搬出口の直下に設置されており、一対のローラBR,BRと、開閉板BBと、上記バッファ領域BAとを備えている。
【0080】
一対のローラBRは、バッファ領域BAに収容された米飯塊を強制落下させる機構部であり、例えば、高さ方向に沿って2段設置されている。開閉板BBは、バッファ領域BAに収容された米飯塊の保持および落下を制御する機構部であり、バッファ領域BAの底部に開閉(
図8の左右横方向に移動)自在の状態で設置されている。
【0081】
バッファ部11を設けない場合、米飯搬送型12を成形部13等に移動させている間、計量分割部10での計量分割を停止しなければならないし、逆に計量分割部10で計量分割をしている間、米飯搬送型12をバッファ部11の直下で待機させなければならないので米飯塊の生産性が低下する。これに対して、本実施の形態においてはバッファ部11を設けたことにより、米飯搬送型12の移動と、計量分割部10での計量分割とを独立して行うことができる。すなわち、米飯搬送型12を移動中に、計量分割部10での計量分割が可能なので、米飯塊の生産性を向上させることができる。
【0082】
米飯搬送型12は、バッファ部11から供給された米飯塊を成形部13や投入部14に搬送するとともに、成形時の横型や投入時の米飯投入ガイドを構成する部材であり、バッファ部11の直下と成形部13や投入部14との間を搬送台CS上に沿って移動(
図8の左右横方向に移動)自在の状態で設置されている。
【0083】
本実施の形態においては、米飯搬送型12がローラRの軸方向に沿って複数個並んで配置されており、計量分割部10の仕切り板SBで分けられた複数の米飯塊を成形部13や投入部14に同時に搬送することが可能になっている。
【0084】
上記のように米飯塊を米飯搬送型12で搬送する方式を採用せず、成形部13や投入部14をバッファ部11の直下に設置した場合、バッファ部11の直下に成形部13や投入部14の構成機器を配置する分、米飯成形装置1の高さが高くなってしまう。これに対して、本実施の形態においては上記のように米飯搬送型12の搬送方式を採用したことにより、成形部13や投入部14を計量分割部10の横に並べて配置することができるので、米飯成形装置1の高さを低くすることができる。
【0085】
成形部13は、成形位置に搬送された米飯塊を米飯搬送型12と上型13aと下型13bとで成形する機構部である。上型13aおよび下型13bは、互いに近接および離間する方向(上下方向)に移動自在の状態で設置されている。なお、上型13aの押圧面は、成形される米飯塊の要求形状に合わせて湾曲状に形成されている。
【0086】
本実施の形態においては、上型13aおよび下型13bが複数の米飯搬送型12に対応してローラRの軸方向に沿って複数個並んで配置されており、その複数の上型13aおよび下型13bが同時に動作することで計量分割部10の仕切り板SBで分けられた複数の米飯塊を同時に成形することが可能になっている。
【0087】
投入部14は、成形部13で成形された米飯塊を投入部材14aにより投入孔14bを通じて下方に押し出し、下方に搬送されてきたトレイに載置する機構部である。投入部材14aは、投入孔14bの直上に上下動自在の状態で設置されている。なお、投入部材14aの押圧面も、成形される米飯塊の要求形状に合わせて湾曲状に形成されている。
【0088】
本実施の形態においては、投入部材14aおよび投入孔14bが複数の米飯搬送型12に対応してローラRの軸方向に沿って複数個並んで配置されており、その複数の投入部材14aが同時に下降することで計量分割部10の仕切り板SBで分けられた複数の米飯塊を同時にトレイ上に載置することが可能になっている。
【0089】
次に、
図11(a),(b)は
図1の米飯成形装置の計量部の正面図、
図12(a)は
図11の計量部の背面板裏側の機構部の要部正面図、
図12(b)は
図12(a)の回転ギアを示した計量部の背面板裏側の機構部の要部正面図である。なお、
図12(b)においては図面を見易くするためローラRに接続された回転ギアにハッチングを付した。
【0090】
本実施の形態においては、
図11(a),(b)に示すように、右列の3段のローラRが右列の最上段のローラRの回転軸Axを中心として左右横方向に旋回可能な状態で設置されている。すなわち、中段および最下段の一対のローラRは、その各々の隣接間隔を拡縮可能な状態で設置されている。
【0091】
これにより、本実施の形態の米飯成形装置1においては、装置本体を改造することなく1台で、米飯塊の幅方向長さ(種類)を変更することができる。例えばシャリ玉を成形する場合は、中段および最下段の一対のローラRの隣接間隔を狭くし、俵形米飯塊を成形する場合は、中段および最下段の一対のローラRの隣接間隔を広くする。これにより、1台の装置でシャリ玉や俵形米飯塊等のような種類の異なる米飯塊の成形に容易に対応することができる。ただし、ここでは一対のローラRの隣接間隔を2段階で変えられる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3段階以上に変えられるようにすることもできる。
【0092】
図11および
図12に示すように、右列の3段のローラRの回転軸Axは、ベアリング等を介して連結板20aに係合されている。この連結板20aは、連結板20bを介して操作部21に接続されている。そして、
図11(a),(b)に示すように、操作部21の操作レバー21aを上下動すると、右列の中段および最下段のローラRが横方向に移動し、中段および最下段の一対のローラRの隣接間隔が拡縮する構成になっている。
【0093】
また、
図12に示すように、右列の3段のローラRの回転軸Axの軸方向端部側には、回転ギアGaが接合されている。また、左列の3段のローラRの回転軸Axの軸方向端部側には、回転ギアGbが接合されている。
【0094】
右列最上段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGaと、左列最上段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGbとは、それらの間の2つの回転ギアGc,Gcを介して係合されている。2つの回転ギアGcは、互いに係合し、回転自在の状態で背面壁22に軸止されている。
【0095】
また、左列最上段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGbは、左上側の回転ギアGdに係合されている。この回転ギアGdには、上段ローラ回転用の回転モータ(図示せず)が接続されている。回転ギアGdが上段ローラ回転用の回転モータにより回転すると、回転ギアの作用により最上段の一対のローラRが対向方向に同時に回転するようになっている。
【0096】
右列中段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGaと、左列中段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGbとは、それらの間の2つの回転ギアGe,Gfを介して係合されている。2つの回転ギアGe,Gfは、互いに係合されている。
【0097】
また、左列中段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGbは、左上側の回転ギアGgに係合されている。この回転ギアGgには、中段ローラ回転用の回転モータ(図示せず)が接続されている。回転ギアGgが中段ローラ回転用の回転モータにより回転すると、回転ギアの作用により中段の一対のローラRが対向方向に同時に回転するようになっている。
【0098】
また、右列中段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGaと回転ギアGe,Gfとは、リンク板La,Lbを介して接続されている。一方の回転ギアGfは、回転自在の状態で背面壁22に軸止されているが、他方の回転ギアGeは、その厚さ方向に配置された2枚のリンク板La,La,Lb,Lbに挟まれ浮遊した状態でリンク板La,La,Lb,Lbに軸止されている。
【0099】
これにより、中段の一対のローラRの隣接間隔を拡縮するために右列中段のローラRを左右横方向に移動させると、回転ギアGeは、リンク板La,Lbの作用により斜め上下方向に移動する(リンク板La,Lbは屈曲状態または直線状態になる)が、回転ギアGfとの係合状態を維持したまま移動する。このため、中段の一対のローラRの隣接間隔を拡縮しても回転ギアGgの回転動作を右列中段のローラRに伝達することが可能になっている。
【0100】
右列最下段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGaと、左列最下段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGbとは、それらの間の2つの回転ギアGh,Giを介して係合されている。2つの回転ギアGh,Giは、互いに係合されている。
【0101】
また、左列最下段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGbは、左側の2つの回転ギアGj,Gjを介して回転ギアGkに係合されている。2つの回転ギアGj,Gjは互いに係合されている。また、回転ギアGkには、下段ローラ回転用の回転モータ(図示せず)が接続されている。回転ギアGkが下段ローラ回転用の回転モータにより回転すると、回転ギアの作用により最下段の一対のローラRが対向方向に同時に回転するようになっている。
【0102】
また、右列最下段のローラRの回転軸Axに接合された回転ギアGaと回転ギアGh,Giとは、リンク板Lc,Ldを介して接続されている。一方の回転ギアGiは、回転自在の状態で背面壁22に軸止されているが、他方の回転ギアGhは、その厚さ方向に配置された2枚のリンク板Lc,Lc,Ld,Ldに挟まれ浮遊した状態でリンク板Lc,Lc,Ld,Ldに軸止されている。
【0103】
これにより、最下段の一対のローラRの隣接間隔を拡縮するために右列最下段のローラRを左右方向に移動させると、回転ギアGhは、リンク板Lc,Ldの作用により斜め上下方向に移動する(リンク板Lc,Ldは屈曲状態または直線状態になる)が、回転ギアGiとの係合状態を維持したまま移動する。このため、最下段の一対のローラRの隣接間隔を拡縮しても回転ギアGkの回転動作を右列最下段のローラRに伝達することが可能になっている。
【0104】
一対のローラRの隣接間隔を変える構造として片側のローラRの列を左右方向に移動させる構造にしても良いが、上記のように片側のローラRの列を旋回動作させる場合、回転ギアとリンク板とを用いた簡単な構造で一対のローラRの隣接間隔を変えることができる。
【0105】
次に、
図13(a)〜(e)は仕切り板の形状や設置状態を変えた場合を示した
図9のI−I線に相当する箇所の断面図である。
【0106】
図13(a)は、本実施の形態の米飯成形装置1の仕切り板SBの形状および配置を示している。この場合は、上記したように計量部10a内において米飯の抜けや練り過ぎ、あるいは詰まり等のような搬送上の不具合を生じさせることなく米飯塊を良好に搬送することができた。
【0107】
図13(b)は、仕切り板SBの上部が最上段のローラRの上部よりも高い位置に在り、仕切り板SBの上部だけにテーパが形成され、それよりも下部は垂直面になっている場合を示している。この場合は、最上段のローラRで米飯を掴まず、米飯が抜けてしまう不具合が多発した。
【0108】
図13(c)は、仕切り板SBの上部が最上段のローラRの回転中心の高さ位置に在るが、仕切り板SBの上部だけにテーパが形成され、それよりも下部は垂直面になっている場合を示している。この場合、最上段のローラRのグリップが足りず、米飯が抜けてしまう不具合が発生した。
【0109】
図13(d)は、仕切り板SBの上部が中段のローラRの回転中心の高さ位置に在り、仕切り板SBの上部から下部までテーパが形成されている場合を示している。この場合は、徐々に米飯が詰まり、米飯が練られてしまった。
【0110】
図13(e)は、計量部10aの米飯搬出口に仕切り板SBが設けられており、仕切り板SBの上部から下部までテーパが形成されている場合(スクレッパ一体型)が示されている。この場合は、直ぐに米飯が詰まってしまった。なお、
図13(e)の符号PTは、仕切り板SBの位置決め固定のためにローラRに形成された上記位置決め溝である。
【0111】
次に、本実施の形態の米飯成形装置1の米飯成形方法について
図1、
図14〜
図16を参照して説明する。
図14〜
図16は、
図1の米飯成形装置における米飯塊の成形工程中のメイン処理部の構成図である。
【0112】
まず、
図1に示すように、米飯成形装置1のライスリフタ3a内の米飯を供給ホッパ3b内に投入し、供給ホッパ3b内の解し羽の回転動作により適度に解して均し部3cに送る。
【0113】
続いて、均し部3cでは供給ホッパ3bから送られた米飯を均しローラ30により前後均等に均してメイン処理部4の計量部10aに送る。
【0114】
続いて、計量部10aでは、均し部3cから送られた米飯を、
図14に示すように、3段の一対のローラRの内向きの回転動作により圧縮し計量しながら下方に送る。この際、計量部10aでは、仕切り板SBを上記形状および配置にしたことにより、米飯の抜け、練り過ぎ、あるいは詰まり等を生じさせることなく米飯塊を良好に送ることができる。
【0115】
続いて、分割部10bでは、2枚の可動刃C,Cを予め決められたタイミングで近接方向に移動することにより、分割部10bに送られた米飯塊を分割する。これにより、予め決められた大きさ、形状および重さの米飯塊RMをバッファ部11のバッファ領域BA内に落とす。
【0116】
続いて、
図15に示すように、米飯搬送型12を計量部10aの米飯搬送口(バッファ部11)の直下に移動した後、バッファ部11の開閉板BBを開き、一対のローラBRを回転させてバッファ領域BA内の米飯塊RMを米飯搬送型12内に強制的に落とす。この工程では、計量部10aでの計量動作を停止し、2枚の可動刃C,Cを互いに近接する方向に移動して重ね米飯搬送口を閉じる。また、上型13a、下型13bおよび投入部材14aは定位置(待機位置)で停止している。
【0117】
次いで、
図16に示すように、米飯塊RMを収容した米飯搬送型12を成形部13に搬送した後、上型13aおよび下型13bを互いに近接する方向に移動することにより米飯塊RMを成形する。この工程では、バッファ部11の開閉板BBを閉じ、一対のローラBRを停止し、分割部10bの2枚の可動刃C,Cを互いに離間する方向に移動して、計量部10aでの米飯の計量を開始する。また、投入部材14aは定位置(待機位置)で停止している。
【0118】
続いて、
図14に示すように、成形後の米飯塊RMを収容した米飯搬送型12を投入部14に搬送した後、投入部材14aを下方に移動することにより成形後の米飯塊RMをトレイ(図示せず)上に載置する。この工程では、成形部13の上型13aおよび下型13bを定位置に戻す。また、計量部10aでは米飯の計量動作を行う。
【0119】
このように本実施の形態においては、バッファ部11を設けたことにより、米飯塊の成形および投入工程時でも計量分割部10で米飯の計量分割を開始実行することができるので、米飯塊の生産性を向上させることができる。
【0120】
また、米飯塊の幅方向の大きさを変える場合には、片側の3段のローラRの列を旋回させることで中段および最下段の一対のローラの隣接間隔を変える。例えばシャリ玉を成形する際には、中段および最下段の一対のローラRの隣接間隔を狭くし、俵形米飯塊を成形する際には、中段および最下段の一対のローラRの隣接間隔を広くする。これにより、装置本体を改造しないでも1台の装置で、幅(種類)の異なる米飯塊の成形に容易に対応することができる。
【0121】
また、米飯塊の長手方向の大きさを変える場合には、最上段および中段の一対のローラRを取り外し、複数枚の仕切り板SBを取り外した後、最下段の一対のローラRを取り外し、代わりに位置決め溝の位置や数の異なる他のローラRを装着する。そして、最下段のローラRの位置決め溝に合わせて複数枚の仕切り板SBを配置した後、中段および最上段の一対のローラRを装着する。このように最下段の一対のローラRを取り外し種類を変えることで仕切り板SBの数や位置を変える。これにより、装置本体を改造しないでも1台の装置で、長さ(種類)の異なる米飯塊の成形に容易に対応することができる。
【0122】
したがって、本実施の形態の米飯成形装置1においては、幅および長さの異なる種々の米飯塊を1台の装置で容易に成形することができる。
【0123】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0124】
例えば前記実施の形態においては、複数段の一対のローラを全て着脱自在とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも仕切り板の位置決め溝が形成された最下段の一対のローラを着脱自在としても良い。この場合、仕切り板の配置変更に際しては、最下段の一対のローラを仕切り板を装着したまま水平に移動して抜き取り、代わりに位置決め溝の位置や数の異なる他の最下段の一対のローラを用意し、その一対のローラの位置決め溝に仕切り板を装着した後、その状態を維持したまま上記他の最下段の一対のローラを水平に移動して回転軸に装着すれば良い。