特許第6153275号(P6153275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6153275
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20170619BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20170619BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20170619BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20170619BHJP
   A61Q 3/02 20060101ALI20170619BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20170619BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   A61K8/36
   A61K8/49
   A61Q1/02
   A61Q1/04
   A61Q3/02
   A61Q5/06
   A61Q5/10
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-91005(P2016-91005)
(22)【出願日】2016年4月28日
【審査請求日】2016年10月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391066319
【氏名又は名称】高級アルコール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】荒平 奈々
(72)【発明者】
【氏名】川合 清隆
【審査官】 中村 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−200378(JP,A)
【文献】 特開2011−020933(JP,A)
【文献】 特開2009−209056(JP,A)
【文献】 特開昭48−036323(JP,A)
【文献】 特開2002−285098(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/078451(WO,A1)
【文献】 特開2012−097011(JP,A)
【文献】 特開2013−227287(JP,A)
【文献】 特開2014−181218(JP,A)
【文献】 特開2009−235017(JP,A)
【文献】 特開2008−050271(JP,A)
【文献】 特開2009−184980(JP,A)
【文献】 特開2007−022950(JP,A)
【文献】 特開2009−235000(JP,A)
【文献】 特開平10−218732(JP,A)
【文献】 特開2005−145871(JP,A)
【文献】 特開2012−046449(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/015947(WO,A1)
【文献】 特開2006−131887(JP,A)
【文献】 特開2011−173852(JP,A)
【文献】 特開2006−070030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトン部分を含むフルオレセイン系染料を含む油性化粧料であって、炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸の配合量が0.03〜2.00%である、油性化粧料。
【請求項2】
炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸の配合量が0.03〜0.10%である、請求項1に記載の油性化粧料。
【請求項3】
炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸がパルミチン酸、イソステアリン酸またはステアリン酸である、請求項1または2に記載の油性化粧料。
【請求項4】
口唇、皮膚、毛髪または爪への塗布後に色が変化する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の油性化粧料。
【請求項5】
ラクトン部分を含むフルオレセイン系染料のCI番号が、C.I. 45410またはC.I. 45380である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の油性化粧料。
【請求項6】
油性化粧料が、ファンデーション、口紅、リップバーム、リップグロス、リップライナー、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、マニキュア、まゆずみ、おしろい、ほほ紅、整髪剤、染毛剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の油性化粧料。
【請求項7】
口唇、皮膚、毛髪または爪への塗布後に色が変化する請求項1〜6のいずれか一項に記載の油性化粧料の製造方法であって、色素安定剤として炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸を0.03〜2.00%配合する、前記方法。
【請求項8】
色素安定剤として炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸を用いる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の油性化粧料の着色をコントロールする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色をコントロールできる化粧料、およびその着色コントロールの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メークアップ化粧料において、皮膚への塗布後に色を呈し、または変化するものが市販されている。とくに皮膚への塗布後に変色するメークアップ化粧料、さらには、無色〜淡い色を有する化粧料が、皮膚に塗布すると徐々に濃い色に変化し、固有の色合いを楽しめる化粧料が市販されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、酸性染料が一般に変色しやすいことが知られており、クエン酸、無水クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の水溶性有機酸を組み合わせることで、着色性および経時安定性が改良されることが記載されている。また、特許文献2には、油性口紅に古くから使用されているフルオレッセン系染料である赤色218号(テトラクロルテトラブロムフルオレセイン)、赤色223号(テトラブロムフルオレセイン)および橙色201号(ジブロムフルオレセイン)について、塗布時におけるラクトン環の開環により皮膚タンパク質に染着し、唇の荒れの原因になるだけでなく、保存時にこれらの染料が発色し、口紅そのものが変色するという経時安定性に問題があり、フッ素系油剤を用いることで、これらの問題を解決したことが記載されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、活性物質及びマイクロカプセル封入着色剤および非カプセル封入着色剤を含み、皮膚への適用時に変色効果を提供する、色変化組成物が記載されている。
一方、イソステアリン酸などの油溶性有機酸が配合された口唇用油性化粧料が市販されているが、いずれも結合剤などのためこれらの油溶性有機酸は「化粧料分野における公知技術集、2010年版、p18−19」に記載されているように、10%と比較的多量に配合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−206635号公報
【特許文献2】特開平7−082116号公報
【特許文献3】特表2011−519969号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】化粧料分野における公知技術集、2010年版、日本化粧品工業連合会 特許委員会、p18−19
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
油性化粧料において、使用前における温度や湿度などに起因する変色やロット間での変色度合の相違など、低い保存安定性により使用前の化粧料が変色するという問題が生じている。また、皮膚への塗布前には無色〜淡色で皮膚への塗布後に色が濃く変化することを楽しむ嗜好性の高い化粧品も期待されていることから、保存状態やロットに依存せず、使用前には一定の色を保持できる高品質の化粧料を供給することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するため、保存安定性を高め、皮膚への塗布前における変色を防ぐことができる成分について鋭意研究を進める中で、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸等の脂肪酸は、経時的な水分量の変化にも影響を受けることなく安定的に上記の問題を克服できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下[1]〜[8]に関する。
[1]染料を含む油性化粧料であって、炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸の配合量が0.03〜5.00%である、油性化粧料。
[2]油溶性脂肪酸の配合量が0.03〜0.10%である、[1]に記載の油性化粧料。
[3]油溶性脂肪酸がパルミチン酸、イソステアリン酸またはステアリン酸である、[1]または[2]に記載の油性化粧料。
[4]口唇、皮膚、毛髪または爪への塗布後に色が変化する、[1]〜[3]のいずれかに記載の油性化粧料。
[5]染料のCI番号が、C.I. 20170 , C.I. 20470 , C.I. 60725 , C.I. 60730 , C.I. 42090 , C.I. 73015 , C.I. 73000 , C.I. 42052 , C.I. 69825 , C.I. 42090 , C.I. 61520 , C.I. 74160 , C.I. 61570 , C.I. 61565 , C.I. 59040 , C.I. 42095 , C.I. 42053 , C.I. 10020 , C.I. 42085 , C.I. 45350 , C.I. 47005 , C.I. 47000 , C.I. 21090 , C.I. 19140 , C.I. 11680 , C.I. 18950 , C.I. 10316 , C.I. 11380 , C.I. 11390 , C.I. 13065 , C.I. 18820 , C.I. 15985 , C.I. 45370 , C.I. 12075 , C.I. 21110 , C.I. 15510 , C.I. 45425 , C.I. 11725 , C.I. 14600 , C.I. 12100 , C.I. 16255 , C.I. 45410 , C.I. 45440 , C.I. 45100 , C.I. 16185 , C.I. 15850 , C.I. 15585 , C.I. 15630 , C.I. 45170 , C.I. 15800 , C.I. 15880 , C.I. 12120 , C.I. 45380 , C.I. 26100 , C.I. 73360 , C.I. 17200 , C.I. 12085 , C.I. 45430 , C.I. 45190 , C.I. 12315 , C.I. 15865 , C.I. 26105 , C.I. 16155 , C.I. 16150 , C.I. 14700 , C.I. 12140 , C.I. 15620である、[1]〜[4]のいずれかに記載の油性化粧料。
[6]油性化粧料が、ファンデーション、コンシーラー、口紅、リップバーム、リップグロス、リップライナー、アイシャドウ、アイライナー、 マスカラ、マニキュア、まゆずみ、おしろい、ほほ紅、整髪剤、染毛剤である、[1]〜[5]のいずれかに記載の油性化粧料。
[7]口唇、皮膚、毛髪または爪への塗布後に色が変化する油性化粧料の製造方法であって、色素安定剤として炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸を0.03〜5.00%配合する、前記方法。
[8]色素安定剤として炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸を用いる、油性化粧料の着色をコントロールする方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明における油溶性脂肪酸は、染料であるフルオセイン構造のラクトン部分が開環してカルボン酸塩となることを防止することができ、そのため、油性化粧料の保存状態や、水分量の経時的変化などに依存することなく初期の色を保持した油性化粧料を安定的に保存すること、とくに皮膚への塗布後に色が変化する油性化粧料においては、皮膚への塗布前の濃い着色を防ぎ、皮膚への塗布後に濃い着色をもたらすことができる。


【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、口紅基剤Lot 640395とLot 650975、及びLot 650975にDLリンゴ酸およびクエン酸を各々0.1%配合した際の、塗布直後と塗布後10分における着色の変化を示した図である。
図2図2は、イソステアリン酸、ステアリン酸およびコハク酸を各々0.1%配合した際の、塗布直後と塗布後10分における着色の変化を示した図である。なお、図2内の表の数値は、目視による評価結果である。
図3図3は、実施例4の口唇用油性化粧料における、イソステアリン酸の配合量に依存した着色変化を示した図である。なお、図内の表の数値は、目視による評価結果である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸としては、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、を用いることができ、好ましくはパルミチン酸、イソステアリン酸またはステアリン酸、特に好ましくはイソステアリン酸を用いることができる。
本発明における直鎖または分岐の脂肪酸の配合量は0.03〜5.0%、好ましくは0.03〜2.0%、より好ましくは0.03〜1.0%、さらに好ましくは0.03〜0.5%、特に好ましくは0.03%〜0.3%、最も好ましくは0.03〜0.1%であり、多すぎるとその刺激により唇の荒れの原因となり、少なすぎると保存安定性および皮膚への塗布後の着色変化の効果が十分に得られない。
【0013】
本発明の油溶性染料としては、CI番号が、C.I. 20170 , C.I. 20470 , C.I. 60725 , C.I. 60730 , C.I. 42090 , C.I. 73015 , C.I. 73000 , C.I. 42052 , C.I. 69825 , C.I. 42090 , C.I. 61520 , C.I. 74160 , C.I. 61570 , C.I. 61565 , C.I. 59040 , C.I. 42095 , C.I. 42053 , C.I. 10020 , C.I. 42085 , C.I. 45350 , C.I. 47005 , C.I. 47000 , C.I. 21090 , C.I. 19140 , C.I. 11680 , C.I. 18950 , C.I. 10316 , C.I. 11380 , C.I. 11390 , C.I. 13065 , C.I. 18820 , C.I. 15985 , C.I. 45370 , C.I. 12075 , C.I. 21110 , C.I. 15510 , C.I. 45425 , C.I. 11725 , C.I. 14600 , C.I. 12100 , C.I. 16255 , C.I. 45410 , C.I. 45440 , C.I. 45100 , C.I. 16185 , C.I. 15850 , C.I. 15585 , C.I. 15630 , C.I. 45170 , C.I. 15800 , C.I. 15880 , C.I. 12120 , C.I. 45380 , C.I. 26100 , C.I. 73360 , C.I. 17200 , C.I. 12085 , C.I. 45430 , C.I. 45190 , C.I. 12315 , C.I. 15865 , C.I. 26105 , C.I. 16155 , C.I. 16150 , C.I. 14700 , C.I. 12140 , C.I. 15620の染料を用いることができ、好ましくは、C.I. 45350 , C.I. 45370 , C.I. 45425 , C.I. 45410 , C.I. 45440 , C.I. 45380 , C.I. 45430 , C.I. 45190であり、特に好ましくは、C.I. 45410 , C.I. 45380であり、これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
本明細書において「色素安定剤」とは、油性化粧料の色素の色合いを調整するために使用される酸性剤である。
【0015】
本発明における油性化粧料は、上記油溶性脂肪酸および油溶性染料の他に、必要に応じて、各種成分、例えば、高粘性のエステル油剤、低粘性のエステル油剤、非水系増粘剤、トリエステル、テトラエステル、ポリエステル、高級アルコール、ポリアミド樹脂、界面活性剤、皮膚コンディショニング剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料等を適宜配合することができる。
【0016】
高粘性のエステル油剤としては、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ミリストイルメチルアラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)、(ジグリセリン/ジリノール酸/ヒドロキシステアリン酸)コポリマー等を用いることができ、好ましくはリンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマーである。
【0017】
低粘性のエステル油剤としては、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジエチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル等を用いることができ、好ましくはイソノナン酸イソデシルである。
【0018】
非水系増粘剤としては、(エチレン/アクリル酸)コポリマー、ビスジアルキル(C14−18)アミド(エチレンジアミン/水添ダイマージリノール酸)コポリマー、(VP/ヘキサデセン)コポリマー、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、ポリエチレン、マイクロクリスタリン等を用いることができ、好ましくはビスジアルキル(C14−18)アミド(エチレンジアミン/水添ダイマージリノール酸)コポリマー、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンである。
【0019】
トリエステルとしては、トリエチルヘキサノイン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸エリスリチル等を用いることができ、好ましくはトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルである。
【0020】
テトラエステルとしては、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル等を用いることができる。
ポリエステルとしては、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル等を用いることができ、好ましくはイソステアリン酸ポリグリセリルである。
【0021】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、オクチルデカノール等を用いることができる。
【0022】
また、本発明における油性化粧料には、基材としてはポリアミド樹脂を含む混合物、例えば、商品名ハイマレートPAM(高級アルコール工業社製)を用いることができる。
【0023】
皮膚コンディショニング剤としては、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド等を用いることができる。
【0024】
紫外線散乱剤としては、特に制限されないが、例えば酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム等の無機化合物等を用いることができる。
【0025】
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、BHT、アスコルビン酸、EDTA等、美容成分としては、例えばビタミン類、コラーゲン、ヒアルロン酸、消炎剤等、防腐剤としては、例えばp−オキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等を用いることができる。
【0026】
本発明の油性化粧料は、目的に応じて種々の形状、製品形態とすることができる。形状としては 、パウダー状、リキッド状、ジェル状、クリーム状、スティック状、ペンシル状等が挙げられ、製品形態としては、ファンデーション、コンシーラー、口紅、リップバーム、リップグロス、リップライナー、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、マニキュア、まゆずみ、おしろい、ほほ紅、整髪剤、染毛剤等を用いることができる。
【0027】
また、これらの成分の使用において、透明な油性化粧料とするために特に好ましい組み合わせは、リンゴ酸ジイソステアリル、ビスジアルキル(C14-18)アミド(エチレンジアミン/水添ダイマージリノール酸)コポリマーである。
さらに本発明の効果を得るのに好ましい成分の組み合わせは、オクチルドデカノール、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミドである。
【0028】
実施例1
次の処方に従い、リップバームを製造した。
【表1】
【0029】
実施例2
次の処方に従い、口紅を製造した。
【表2】
【0030】
実施例3
次の処方に従い、リップグロスを製造した。
【表3】
【0031】
実施例4
イソステアリン酸の着色変化実験における配合量を表1に示す。
【表4】
イソステアリン酸の配合量0%、0.01%、0.03%、0.05%、0.1%および0.2%それぞれの着色実験を行った結果、図3に示すとおり、イソステアリン酸の配合量0.03%以上で、塗布直後の色が薄く、塗布後に徐々に色が濃くなる効果が観察された。
【要約】      (修正有)
【課題】保存状態やロットに依存せず、皮膚への塗布前には無色〜淡色で皮膚への塗布後に色が濃く変化することを楽しむ嗜好性の高い化粧品の提供。
【解決手段】炭素数16〜18の直鎖または分岐の油溶性脂肪酸を0.03〜5.00%配合した、染料を含む油性化粧料、その製造方法およびその着色コントロールの方法。
【選択図】なし
図1
図2
図3