【課題を解決するための手段】
【0014】
以上を踏まえて、本発明の第一構成は、自転車のボトムブラケットアセンブリに関する。この自転車のボトムブラケットアセンブリは、長手方向に沿って延びる軸心を有するシャフトと、前記シャフトの第一の端部に結合した左側のクランクアームと、前記シャフトの第二の端部に結合した右側のクランクアームと、を備え、前記長手方向に沿って延在し、かつ、一切の障害物がなく前記左側のクランクアーム、前記シャフトおよび前記右側のクランクアームを完全に通り抜ける貫通空洞を有することを特徴とする。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲をとおして、1つまたは複数の構成品(例えば、自転車のボトムブラケットアセンブリの左側のクランクアームおよび/または右側のクランクアームおよび/またはシャフト等)における「貫通空洞」とは、いずれの部位における横断面も大幅なまたは急激な直径変化のない面で画成され、かつ、両端部が開いた空洞のことを言う。換言すれば、そのような貫通空洞を画成する面は、どのような直径の部位においても、鋭いエッジ部やアンダーカット部のない丸み部(丸み付けされた部分)となっている。
【0016】
つまり、この定義に準ずると、前記貫通空洞は、左側のクランクアームおよび右側のクランクアームのうちの一方のクランクアームの外側面(すなわち、シャフトと反対側の方向に向いた表面、または装着時に自転車のフレームと反対側の方向に向く表面)から他方のクランクアームの外側面まで(すなわち、左側のクランクアームの左側外表面から右側のクランクアームの右側外表面まで)、一切の途切れまたは障害物を有さずに延在する。したがって、前記貫通空洞の、前記ボトムブラケットアセンブリの長手方向に沿った広がりは、当該ボトムブラケットアセンブリの同じ長手方向に沿った広がりにほぼ等しい。
【0017】
有利なことに、上述したような貫通空洞を設けることにより、シャフト内部における泥および/または腐食性物質の付着を劇的に減少させることができる。事実、一方の端部からシャフト空洞に侵入した泥および/または腐食性物質は、走行時のシャフトの高速回転により、それらが侵入した端部から(場合によっては、反対側の端部から)簡単に排出することができる。また、貫通空洞なので、簡単に清浄にすることができる。
【0018】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリは、前記貫通空洞の径方向外側位置に設けられ、前記左側のクランクアームと前記シャフトとを結合する第一結合手段、を備える。
【0019】
より好ましくは、前記第一結合手段は、前記シャフトの径方向外側位置に設けられている。
【0020】
これにより、左側のクランクアームには、シャフト内部に侵入した泥および/または腐食性物質の排出を邪魔する障害物が存在しない。
【0021】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリは、前記貫通空洞の径方向外側位置に設けられ、前記右側のクランクアームと前記シャフトとを結合する第二結合手段、を備える。
【0022】
より好ましくは、前記第二結合手段は、前記シャフトの径方向外側位置に設けられている。
【0023】
これにより、右側のクランクアームには、シャフト内部に侵入した泥および/または腐食性物質の排出を邪魔する障害物が存在しない。
【0024】
好ましくは、前記貫通空洞は、第一の直径を有する円筒状中央部、および前記第一の直径と異なる少なくとも1つの第二の直径を有する第一軸方向端部を含む。
【0025】
より好ましくは、前記第一軸方向端部は、第一丸み面を介して前記円筒状中央部と連なっている。
【0026】
本明細書および添付の特許請求の範囲をとおして、「丸み面」とは、鋭いエッジ部やアンダーカット部のない湾曲面のことを指す。
【0027】
これにより、シャフト内部には、泥および/または腐食性物質が前記貫通空洞の端部に向かって滑る間、その滑りに対する大きな邪魔となる部分が存在しないので、当該貫通空洞に侵入した泥および/または腐食性物質を、より簡単に排出することができる。
【0028】
好ましくは、前記第一軸方向端部は、前記円筒状中央部に近い側の位置に、複数の第一横断部位を有しており、前記第一横断部位の直径は、前記第一の直径よりも小さい。
【0029】
より好ましくは、前記第一横断部位は、円筒状面を形成している。
【0030】
さらに好ましくは、前記第一軸方向端部は、前記円筒状中央部から遠い側の位置に、複数の第二横断部位を有しており、前記第二横断部位の直径は、前記円筒状中央部から遠ざかるにつれて徐々に増加する。
【0031】
これにより、前記第二横断部位は、円錐状の面を形成する。この構成により、前記貫通空洞に侵入した泥および/または腐食性物質を、さらに簡単に排出することができる。
【0032】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリのシャフトは金属製であり、より好ましくは軽合金製であり、例えば、アルミニウム合金製である。
【0033】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの円筒状中央部は、直径が約25mm(ミリメートル)である。
【0034】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリのシャフトは、前記円筒状中央部における外径が約30mmである。
【0035】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第一横断部位は、直径が約20mmである。
【0036】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第二横断部位は円錐状面を形成しており、より好ましくは直線の母線を有する円錐状面を形成している。
【0037】
好ましくは、前記直線の母線は、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの軸心に対して約5°から約7°傾いており、より好ましくは約6.7°傾いている。
【0038】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの複数の第二横断部位のうちの軸方向最外側の横断部位は、直径が約20mmを超えており、より好ましくは約20.8mmである。
【0039】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第一丸み面は、凹面および凸面を含む。
【0040】
本明細書および添付の特許請求の範囲をとおして、「凹面」とは、凹みがボトムブラケットアセンブリの軸心側に向いた湾曲面のことを言う。「凸面」とは、それとは反対で、凹みがボトムブラケットアセンブリの軸心と反対側に向いた湾曲面のことを言う。
【0041】
好ましくは、前記第一丸み面の前記凹面の曲率半径は、前記凸面の曲率半径よりも大きい。より好ましくは、前記凹面の曲率半径は約7mmであり、前記凸面の曲率半径は約5mmである。
【0042】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの貫通空洞は、前記円筒状中央部を挟んだ前記第一軸方向端部の反対側に、前記第一の直径と異なる少なくとも1つの第三の直径を有する第二軸方向端部を含む。
【0043】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、第二丸み面を介して前記円筒状中央部と連なっている。
【0044】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、前記円筒状中央部に近い側の位置に、複数の第三横断部位を有しており、当該第三横断部位の直径は、前記第一の直径よりも小さい。
【0045】
好ましくは、前記第三横断部位は、円筒状面を形成している。
【0046】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、前記円筒状中央部から遠い側の位置に、複数の第四横断部位を有しており、当該第四横断部位の直径は、前記円筒状中央部から遠ざかるにつれて徐々に増加する。
【0047】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第三横断部位は、直径が約20mmを超えており、より好ましくは約21mmである。
【0048】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの複数の第四横断部位のうちの軸方向最外側の横断部位は、直径が約25mmを超えており、より好ましくは約28mmである。
【0049】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第二丸み面は、凹面および凸面を含む。
【0050】
好ましくは、前記第二丸み面の前記凹面の曲率半径は、前記第二丸み面の前記凸面の曲率半径よりも大きい。より好ましくは、前記第二丸み面の前記凹面の曲率半径は約7mmであり、前記第二丸み面の前記凸面の曲率半径は約5mmである。
【0051】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第一軸方向端部は、前記左側のクランクアームの位置に形成されている。
【0052】
好ましくは、前記左側のクランクアームは複合材料製であり、より好ましくは炭素繊維複合材料製である。あるいは、前記左側のクランクアームは金属製であってもよく、より好ましくは軽合金製であってもよく、例えば、アルミニウム合金製であってもよい。
【0053】
前記左側のクランクアームが複合材料製である場合、好ましくは、当該左側のクランクアームの複合材料ボディが、環状の金属製インサートの径方向外表面に結合(より好ましくは螺合)しており、かつ、当該金属製インサートが、前記シャフトの前記第一軸方向端部に結合している。この場合の左側のクランクアームは、本明細書および添付の特許請求の範囲をとおして、前記複合材料ボディおよび前記金属製インサートを含むアセンブリの形態を取る。
【0054】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、当該ボトムブラケットアセンブリの前記右側のクランクアームの位置に形成されている。
【0055】
好ましくは、前記右側のクランクアームは金属製であり、より好ましくは軽合金製であり、例えば、アルミニウム合金製である。
【0056】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリのシャフトの前記第一の端部が溝付きの外表面を有し、前記左側のクランクアームが貫通孔を有しており、当該貫通孔の少なくとも一部に、前記溝付きの外表面と摺接結合する溝が形成されている。
【0057】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリのシャフトの第一の端部が、前記溝付きの外表面よりも軸方向の最外側の位置に、雄ねじ部位を有しており、かつ、当該ボトムブラケットアセンブリが、さらに、前記雄ねじ部位に螺合して前記左側のクランクアームに対して軸方向に突き合わせられた、雌ねじ付きのリングナット、を備える。
【0058】
好ましくは、前記リングナットは、前記左側のクランクアームに形成された円周状の台座部に収容され、前記左側のクランクアームから軸方向に突出していない。
【0059】
好ましくは、前記リングナットは、前記リングナットの軸方向の外側面(外側の端面)に、取付け工具を結合させるための少なくとも1つの孔を有する。より好ましくは、前記リングナットは、周方向に互いに等間隔に離間した4つの孔を有する。
【0060】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリのシャフトの前記第二の端部が溝付きの外表面を有し、前記右側のクランクアームが、前記溝付きの外表面に螺合するねじ付きの孔を有している。
【0061】
好ましくは、本発明にかかるボトムブラケットアセンブリは、さらに、自転車のフレームに設けられたハウジングボックスに対し、前記シャフトを回転可能に支持する一対の軸受と、前記左側のクランクアームおよび前記右側のクランクアームのうちの少なくとも一方のクランクアームの、前記一対の軸受に対する軸方向位置を調節する調節手段と、を備えており、前記調節手段が、軸方向において、前記左側のクランクアームおよび前記右側のクランクアームのうちの前記少なくとも一方のクランクアームと、前記一対の軸受のうちの対応する軸受との間に設けられている。
【0062】
好ましくは、前記調節手段は、前記一対の軸受のうちの対応する軸受に対して軸方向に突き合わせられた第一サービスリングナットと、前記第一サービスリングナットに結合し、前記左側のクランクアームおよび前記右側のクランクアームのうちの前記少なくとも一方のクランクアームに対して軸方向に突き合わせられた第二サービスリングナットと、前記第一サービスリングナットに対する前記第二サービスリングナットの軸方向位置を固定する固定手段と、を含む。
【0063】
好ましくは、前記第一サービスリングナットが雄ねじ部位を有し、前記第二サービスリングナットが前記雄ねじ部位に螺合する雌ねじ部位を有しており、かつ、前記固定手段が、前記第二サービスリングナットに形成された径方向に延びる径方向孔を通って前記第一サービスリングナットに作用する差し込み固定部材を含む。好ましくは、前記差し込み固定部材は、雄ねじ部位を有しており、前記径方向孔のねじ部位に螺合する。
【0064】
本発明の第二構成は、自転車の左側のクランクアームアセンブリに関する。この左側のクランクアームアセンブリは、長手方向に沿って延びる軸心を有するシャフトと、前記シャフトの第一の端部に結合した左側のクランクアームと、を備え、前記左側のクランクアームが、前記シャフトの前記第一の端部に形成された雄ねじ部位に螺合して当該左側のクランクアームに対して突き合わせられたリングナットにより、前記シャフトの前記第一の端部に対して軸方向に固定されている。
【0065】
好ましくは、前記自転車の左側のクランクアームアセンブリは、本発明の第一構成である自転車のボトムブラケットアセンブリに関連して既述した、シャフトの構造的な特徴および機能的な特徴、ならびに左側のクランクアームの構造的な特徴および機能的な特徴を、単独でまたは組合せで有する。すなわち、前記自転車の左側のクランクアームアセンブリは、本発明の第一構成である自転車のボトムブラケットアセンブリに関連して既述した、あらゆる利点を有する。
【0066】
本発明の第三構成は、自転車のボトムブラケットアセンブリに関する。このボトムブラケットアセンブリは、長手方向に沿って延びる軸心を有するシャフトと、前記シャフトの対応する端部にそれぞれ結合した、一対のクランクアームと、自転車のフレームに設けられた、当該ボトムブラケットアセンブリを収容するハウジングボックスに対し、前記シャフトを回転可能に支持する一対の軸受と、前記一対のクランクアームのうちの少なくとも一方のクランクアームの、前記一対の軸受に対する軸方向位置を調節する調節手段であって、軸方向において、前記少なくとも一方のクランクアームと、前記一対の軸受のうちの対応する軸受との間に設けられた調節手段と、を備え、前記調節手段が、前記対応する軸受に対して軸方向に突き合わせられた第一サービスリングナットと、前記第一サービスリングナットに結合し、前記少なくとも一方のクランクアームに対して軸方向に突き合わせられた第二サービスリングナットと、前記第一サービスリングナットに対する前記第二サービスリングナットの軸方向位置を固定する固定手段と、を含むことを特徴とする。
【0067】
有利なことに、前記調節手段により、前記軸受に対する前記クランクアームの軸方向位置の微調節が可能となり、結果として、自転車のフレームに設けられた、ボトムブラケットアセンブリを収容するハウジングボックスに対する、前記クランクアームの軸方向位置の微調節が可能になる。
【0068】
これにより、使用するハウジングボックスの軸方向寸法(場合によっては、ハウジングボックスの軸方向寸法およびアダプタ部材の軸方向寸法)が、標準仕様のものと異なる場合であっても、クランクアームをハウジングボックスに対して所望の軸方向位置に位置決めすることができる。つまり、使用するハウジングボックス(場合によっては、ハウジングボックスおよびアダプタ部材)の、設計寸法および/または寸法公差からのずれを、実質上補償することができる。これにより、狭い寸法公差が要求されずに済むので、ハウジングボックス(場合によっては、ハウジングボックスおよびアダプタ部材)の加工コストが安価になる。
【0069】
好ましくは、前記第一サービスリングナットが雄ねじ部位を有し、前記第二サービスリングナットが前記雄ねじ部位に螺合する雌ねじ部位を有しており、かつ、前記固定手段が、前記第二サービスリングナットに形成された径方向に延びる径方向孔を通って前記第一サービスリングナットに作用する差し込み固定部材を含む。好ましくは、前記差し込み固定部材は、雄ねじ部位を有しており、前記径方向孔のねじ部位に螺合する。
【0070】
好ましくは、本発明の第三構成である自転車のボトムブラケットアセンブリは、本発明の第一構成である自転車のボトムブラケットアセンブリに関連して既述した構造的な特徴および機能的な特徴を、単独でまたは組合せで有する。すなわち、本発明の第三構成である自転車のボトムブラケットアセンブリは、本発明の第一構成である自転車のボトムブラケットアセンブリに関連して既述した、あらゆる利点を有する。
【0071】
なお、以下の説明における自転車のボトムブラケットアセンブリとは、本発明の第三構成である自転車のボトムブラケットアセンブリのことを指す。
【0072】
好ましくは、本発明の第三構成である自転車のボトムブラケットアセンブリは、前記長手方向に沿って延在する貫通空洞であって、一切の障害物がなく前記一対のクランクアームおよび前記シャフトを完全に通り抜ける貫通空洞を有する。
【0073】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリは、前記貫通空洞の径方向外側位置に設けられ、左側のクランクアームと前記シャフトとを結合する第一結合手段、を備える。
【0074】
より好ましくは、前記第一結合手段は、前記シャフトの径方向外側位置に設けられている。
【0075】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリは、前記貫通空洞の径方向外側位置に設けられ、右側のクランクアームと前記シャフトとを結合する第二結合手段、を備える。
【0076】
より好ましくは、前記第二結合手段は、前記シャフトの径方向外側位置に設けられている。
【0077】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの前記貫通空洞は、第一の直径を有する円筒状中央部、および前記第一の直径と異なる少なくとも1つの第二の直径を有する第一軸方向端部を含む。
【0078】
より好ましくは、前記第一軸方向端部は、第一丸み面を介して前記円筒状中央部と連なっている。
【0079】
好ましくは、前記第一軸方向端部は、前記円筒状中央部に近い側の位置に、複数の第一横断部位を有しており、前記第一横断部位の直径は、前記第一の直径よりも小さい。
【0080】
より好ましくは、前記第一横断部位は、円筒状面を形成している。
【0081】
さらに好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリは、前記円筒状中央部から遠い側の位置に、複数の第二横断部位を有しており、前記第二横断部位の直径は、前記円筒状中央部から遠ざかるにつれて徐々に増加する。
【0082】
これにより、前記第二横断部位は、円錐状の面を形成する。
【0083】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリのシャフトは金属製であり、より好ましくは軽合金製であり、例えば、アルミニウム合金製である。
【0084】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの円筒状中央部は、直径が約25mmである。
【0085】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリのシャフトは、前記円筒状中央部における外径が約30mmである。
【0086】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第一横断部位は、直径が約20mmである。
【0087】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第二横断部位は円錐状面を形成しており、より好ましくは直線の母線を有する円錐状面を形成している。
【0088】
好ましくは、前記直線の母線は、前記ボトムブラケットアセンブリの軸心に対して約5°から約7°傾いており、より好ましくは約6.7°傾いている。
【0089】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの複数の第二横断部位のうちの軸方向最外側の横断部位は、直径が約20mmを超えており、より好ましくは約20.8mmである。
【0090】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第一丸み面は、凹面および凸面を含む。
【0091】
好ましくは、前記第一丸み面の前記凹面の曲率半径は、前記凸面の曲率半径よりも大きい。より好ましくは、前記凹面の曲率半径は約7mmであり、前記凸面の曲率半径は約5mmである。
【0092】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの貫通空洞は、前記円筒状中央部を挟んだ前記第一軸方向端部の反対側に、前記第一の直径と異なる少なくとも1つの第三の直径を有する第二軸方向端部を含む。
【0093】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、第二丸み面を介して前記円筒状中央部と連なっている。
【0094】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、前記円筒状中央部に近い側の位置に、複数の第三横断部位を有しており、前記第三横断部位の直径は、前記第一の直径よりも小さい。
【0095】
好ましくは、前記第三横断部位は、円筒状面を形成している。
【0096】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、前記円筒状中央部から遠い側の位置に、複数の第四横断部位を有しており、前記第四横断部位の直径は、前記円筒状中央部から遠ざかるにつれて徐々に増加する。
【0097】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第三横断部位は、直径が約20mmを超えており、より好ましくは約21mmである。
【0098】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの複数の第四横断部位のうちの軸方向最外側の横断部位は、直径が約25mmを超えており、より好ましくは約28mmである。
【0099】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第二丸み面は、凹面および凸面を含む。
【0100】
好ましくは、前記第二丸み面の前記凹面の曲率半径は、前記第二丸み面の前記凸面の曲率半径よりも大きい。より好ましくは、前記第二丸み面の前記凹面の曲率半径は約7mmであり、前記第二丸み面の前記凸面の曲率半径は約5mmである。
【0101】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第一軸方向端部は、前記左側のクランクアームの位置に形成されている。
【0102】
好ましくは、前記左側のクランクアームは複合材料製であり、より好ましくは炭素繊維複合材料製である。あるいは、前記左側のクランクアームは金属製であってもよく、より好ましくは軽合金製であってもよく、例えば、アルミニウム合金製であってもよい。
【0103】
前記左側のクランクアームが複合材料製である場合、当該左側のクランクアームの複合材料ボディは、環状の金属製インサートの径方向外表面に結合(より好ましくは螺合)しており、かつ、当該金属製インサートが、前記シャフトの前記第一軸方向端部に結合可能とされている。
【0104】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリの第二軸方向端部は、前記右側のクランクアームの位置に形成されている。
【0105】
好ましくは、前記右側のクランクアームは金属製であり、より好ましくは軽合金製であり、例えば、アルミニウム合金製である。
【0106】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリのシャフトの第一の端部が溝付きの外表面を有し、前記左側のクランクアームが貫通孔を有しており、当該貫通孔の少なくとも一部に、前記溝付きの外表面と摺接結合する溝が形成されている。
【0107】
好ましくは、前記ボトムブラケットアセンブリのシャフトの第一の端部が、前記溝付きの外表面よりも軸方向の最外側の位置に、雄ねじ部位を有し、前記ボトムブラケットアセンブリが、さらに、前記雄ねじ部位に螺合して前記左側のクランクアームに対して軸方向に突き合わせられた、雌ねじ付きのリングナット、を備える。
【0108】
好ましくは、前記リングナットは、前記左側のクランクアームに形成された円周状の台座部に収容され、前記左側のクランクアームから軸方向に突出していない。
【0109】
好ましくは、前記リングナットは、前記リングナットの軸方向の外側面(外側の端面)に、取付け工具を結合させるための少なくとも1つの孔を有する。より好ましくは、前記リングナットは、周方向に互いに等間隔に離間した4つの孔を有する。
【0110】
好ましくは、前記シャフトの第二の端部が溝付きの外表面を有し、前記右側のクランクアームが、前記溝付きの外表面に螺合するねじ付きの孔を有している。