(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱源機側熱媒受入部から受け入れた熱媒を予め設定された設定暖房熱媒温度に加熱し、加熱された熱媒を熱源機側熱媒吐出部から吐出して暖房用循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機に併設され、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を循環する冷却水と、前記湯水循環路を循環する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器とを備え、
運転を制御する本体側制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、
前記暖房運転は、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が目標温度より所定温度低い温度で加熱を開始し、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度より所定温度高い温度で加熱を停止するON−OFF制御運転であり、
前記暖房用循環路において、前記暖房放熱器を通過した後の熱媒を受け入れる本体側熱媒受入部から、前記熱源機側熱媒受入部に接続される本体側熱媒吐出部までの間で、熱媒を通流させる熱媒流路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と前記熱媒流路を通流する熱媒とを熱交換させる暖房用熱交換器と、
前記熱源機と通信する通信部を備え、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記暖房運転において前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度の前記目標温度に関する目標温度関連情報を受信し、当該目標温度関連情報に基づいて、湯水を前記湯水循環路の前記排熱回収熱交換器を介して循環させる湯水循環状態を制御する湯水循環状態制御を実行し、且つ、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として前記暖房運転が低温暖房運転か高温暖房運転の何れかであるという情報を受信し、且つ、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として前記暖房運転が前記低温暖房運転であるという情報を受信した場合、前記目標温度関連情報として、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度と、前記熱源機における加熱開始時期及び加熱停止時期を加えて受信し、前記目標温度が、前記加熱開始時期に前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度と、前記加熱停止時期に前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度との間の温度であると推定するコージェネレーションシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示のコージェネレーションシステムでは、暖房運転を実行する場合に、コージェネレーションシステムの本体側が、熱源機側から、暖房運転を実行するか否かの情報は取得しているものの、暖房目標温度等の具体的な暖房負荷に係る情報までは取得しておらず、本体側の運転が、暖房運転に関し、熱効率の観点で、最適化されたものではなかった。また、暖房負荷に係る情報までを取得していないことから、本体側にて熱媒に排熱を与えすぎてしまう場合があり、このような場合には、使用者の意図した温度調整ができなくなり、室温や床温度を下げたいにもかかわらず、下げることができない虞があり、快適性の観点で問題があった。
また、上記特許文献1に開示のコージェネレーションシステムでは、上水として供給されることのある湯水が循環する湯水循環路と、熱媒を循環する暖房用循環路とが、暖房用熱交換器にて熱交換するように構成されているのであるが、当該暖房用熱交換器が破れた場合、圧力の高い上水としての湯水が、暖房用循環路に流れ込み、熱源機の内部に設けられる膨張タンクから湯水が溢れ出す虞があった。
しかも、通常の熱源機は、暖房用循環路を通流する熱媒は、バーナで加熱されるように構成され、他の流体との熱交換により加熱されるようには構成されていないため、熱交換器の破れにより膨張タンクから熱媒(湯水)が溢れ出すことは想定されておらず、膨張タンクに、熱媒(湯水)の溢れ出しを検知する機能は設けられておらず、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、コージェネレーションシステムの本体と、暖房放熱器へ循環される熱媒を加熱する熱源機とが別体に構成されているものにおいて、本体側と熱源機側とを適切に連携させた運転を実行することにより、全体としての熱効率及び快適性を向上させながらも、熱交換器破れによる熱源機からの湯水の溢れ出しを防止可能なコージェネレーションシステム、及びそれを備えた暖房設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本願に係るコージェネレーションシステムは、
熱源機側熱媒受入部から受け入れた熱媒を予め設定された設定暖房熱媒温度に加熱し、加熱された熱媒を熱源機側熱媒吐出部から吐出して暖房用循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機に併設され、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を循環する冷却水と、前記湯水循環路を循環する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器とを備え、
運転を制御する本体側制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
前記暖房運転は、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が目標温度より所定温度低い温度で加熱を開始し、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度より所定温度高い温度で加熱を停止するON−OFF制御運転であり、
前記暖房用循環路において、前記暖房放熱器を通過した後の熱媒を受け入れる本体側熱媒受入部から、前記熱源機側熱媒受入部に接続される本体側熱媒吐出部までの間で、熱媒を通流させる熱媒流路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と前記熱媒流路を通流する熱媒とを熱交換させる暖房用熱交換器と、
前記熱源機と通信する通信部を備え、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記暖房運転において前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度の前記目標温度に関する目標温度関連情報を受信し、当該目標温度関連情報に基づいて、湯水を前記湯水循環路の前記排熱回収熱交換器を介して循環させる湯水循環状態を制御する湯水循環状態制御を実行
し、且つ、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として前記暖房運転が低温暖房運転か高温暖房運転の何れかであるという情報を受信し、且つ、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として前記暖房運転が前記低温暖房運転であるという情報を受信した場合、前記目標温度関連情報として、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度と、前記熱源機における加熱開始時期及び加熱停止時期を加えて受信し、前記目標温度が、前記加熱開始時期に前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度と、前記加熱停止時期に前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度との間の温度であると推定する点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、コージェネレーションシステムの本体側において、熱源機側において保持されている暖房運転の目標温度に関する目標温度関連情報が取得可能に構成されているから、本体側の運転状態を、熱源機側の目標温度関連情報に反映させたものにできる。
即ち、本体側においては、熱源機側にて暖房運転を実行するか否かの情報だけではなく、その目標温度関連情報までをも受信するから、当該目標温度関連情報に基づき、湯水循環路を循環する湯水循環状態を制御することにより、暖房用循環路を通流する熱媒の温度及び熱媒へ供給する熱量を制御できる。これにより、単純に、熱源機側から本体側へ、暖房運転の実行の有無に係る情報のみを送る場合に比べて、本体側において、より一層細やかな制御が実現できる。
更に、上記特徴構成によれば、本体側制御部は、通信部を介して、暖房運転が低温暖房運転と高温暖房運転との何れであるかの情報を受信できるから、当該情報に基づいて、本体側における湯水循環状態を制御できる。
更に、熱源機の構成上の理由により、暖房運転にて暖房放熱器へ導かれる熱媒の目標温度は、コージェネレーションシステムの本体側にて、受信することができない場合がある。この場合、コージェネレーションシステムの本体側からは、暖房運転における目標温度を知ることはできない。
一方、熱源機において、暖房運転時における熱源機からの熱媒の吐出温度、及び、熱媒の加熱と非加熱がON−OFF制御される暖房運転の実行における熱媒の加熱開始時期、及び熱媒の加熱停止時期については、コージェネレーションシステムの本体側から知ることができる。
そこで、本発明にあっては、加熱開始時期における熱媒の吐出温度と、及び加熱停止時期における熱媒の吐出温度との間の温度を、暖房運転の目標温度と推定する。これにより、暖房運転にて暖房放熱器へ導かれる熱媒の目標温度が、コージェネレーションシステムの本体側にて知ることができない場合であっても、その目標温度を適切に推定し、当該目標温度に基づいて、湯水循環状態制御を実行できるのである。
更に、上記目的を達成するための本願に係るコージェネレーションシステムは、
熱源機側熱媒受入部から受け入れた熱媒を予め設定された設定暖房熱媒温度に加熱し、加熱された熱媒を熱源機側熱媒吐出部から吐出して暖房用循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機に併設され、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を循環する冷却水と、前記湯水循環路を循環する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器とを備え、
運転を制御する本体側制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
前記暖房用循環路において、前記暖房放熱器を通過した後の熱媒を受け入れる本体側熱媒受入部から、前記熱源機側熱媒受入部に接続される本体側熱媒吐出部までの間で、熱媒を通流させる熱媒流路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と前記熱媒流路を通流する熱媒とを熱交換させる暖房用熱交換器と、
前記熱源機と通信する通信部を備え、
前記冷却水循環路には、冷却水を、前記熱電併給部の側と、当該熱電併給部をバイパスする冷却水バイパス路との側とで切り替える切替手段が設けられ、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記暖房運転において前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度の目標温度に関する目標温度関連情報を受信し、当該目標温度関連情報に基づいて、湯水を前記湯水循環路の前記排熱回収熱交換器を介して循環させる湯水循環状態を制御する湯水循環状態制御を実行し、且つ、
前記熱電併給部が停止している場合、
前記本体側制御部が、前記切替手段を、冷却水を冷却水バイパス路の側へ切り替えると共に、前記湯水循環状態制御により、前記貯湯タンクに貯留されている湯水を前記排熱回収熱交換器へ通過させる点にある。
更に、上記目的を達成するための本願に係るコージェネレーションシステムは、
熱源機側熱媒受入部から受け入れた熱媒を予め設定された設定暖房熱媒温度に加熱し、加熱された熱媒を熱源機側熱媒吐出部から吐出して暖房用循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機に併設され、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を循環する冷却水と、前記湯水循環路を循環する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器とを備え、
運転を制御する本体側制御部を備えたコージェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
前記暖房用循環路において、前記暖房放熱器を通過した後の熱媒を受け入れる本体側熱媒受入部から、前記熱源機側熱媒受入部に接続される本体側熱媒吐出部までの間で、熱媒を通流させる熱媒流路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と前記熱媒流路を通流する熱媒とを熱交換させる暖房用熱交換器と、
前記熱源機と通信する通信部を備え、
前記熱源機に併設される一の筐体内に各種部位を配置した一体型に構成され、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記暖房運転において前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度の目標温度に関する目標温度関連情報を受信し、当該目標温度関連情報に基づいて、湯水を前記湯水循環路の前記排熱回収熱交換器を介して循環させる湯水循環状態を制御する湯水循環状態制御を実行する点にある。
更に、上記目的を達成するための本願に係るコージェネレーションシステムを備えた暖房設備は、
熱源機側熱媒受入部から受け入れた熱媒を予め設定された設定暖房熱媒温度に加熱し、加熱された熱媒を熱源機側熱媒吐出部から吐出して暖房用循環路にて暖房放熱器へ導く暖房運転を実行可能な熱源機に併設され、
電力と熱とを発生する熱電併給部と、
前記熱電併給部で発生した熱を回収する冷却水を循環する冷却水循環路と、
貯湯タンクに貯留される湯水を循環する湯水循環路と、
前記冷却水循環路を循環する冷却水と、前記湯水循環路を循環する湯水とを熱交換する排熱回収熱交換器とを備え、
運転を制御する本体側制御部を備えたコージェネレーションシステムを備えた暖房設備であって、その特徴構成は、
前記コージェネレーションシステムと前記熱源機とを、互いの間を熱媒を循環させる前記暖房用循環路を介して接続しており、
前記暖房用循環路において、前記暖房放熱器を通過した後の熱媒を受け入れる本体側熱媒受入部から、前記熱源機側熱媒受入部に接続される本体側熱媒吐出部までの間で、熱媒を通流させる熱媒流路と、
前記冷却水循環路を通流する冷却水と前記熱媒流路を通流する熱媒とを熱交換させる暖房用熱交換器と、
前記熱源機と通信する通信部を備え、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記暖房運転において前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度の目標温度に関する目標温度関連情報を受信し、当該目標温度関連情報に基づいて、湯水を前記湯水循環路の前記排熱回収熱交換器を介して循環させる湯水循環状態を制御する湯水循環状態制御を実行するコージェネレーションシステムを備えた暖房設備を備える点にある。
【0008】
また、当該構成においては、熱媒循環路を循環する熱媒が、湯水循環路を循環して上水として供給させることのある湯水と熱交換することはない。このため、例え、暖房用熱交換器の破れが発生した場合であっても、圧力の高い上水が、暖房用循環路を介して、熱源機の側に導かれ、当該熱源機内に設けられる膨張タンクから漏れ出すことを防止できる。
【0009】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記暖房用循環路は、循環する熱媒の全流量を、前記本体側の前記暖房用熱交換器へ導く本体側熱媒流路が設けられている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、循環する熱媒の全量を、本体側の暖房用熱交換器へ導くように構成されているから、簡易な構成にて、熱媒を暖房用熱交換器の側へ導くことができる。
【0011】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記暖房用循環路には、循環する熱媒から所定流量を取り出し前記本体側の前記暖房用熱交換器へ導いた後に循環する熱媒へ戻す本体側熱媒流路が設けられる点にある。
【0012】
通常、暖房用循環路を通流する熱媒の流量は、暖房用循環路に接続される暖房放熱器における暖房負荷(暖房放熱器の稼働台数、種類等)により決定される。従って、当該熱媒の全流量を、暖房用熱交換器の側へ導くように構成すると、当該暖房用熱交換器を通流する熱媒の流量を調整することができなくなる。結果、暖房用熱交換器にて回収する熱量や、暖房用熱交換器の出口での熱媒温度を、熱媒の流量制御により調整することはできない。
上記特徴構成によれば、循環する熱媒から所定流量を取出し、暖房用熱交換器の側へ導く本体側熱媒流路が設けられているから、暖房用熱交換器へ通流させる熱媒の所定流量を制御できる。
これにより、暖房用循環路を通流する熱媒の全流量については、暖房負荷(暖房放熱器の稼働台数等)により制御される状態を維持しながらも、熱媒の循環流量に関係なく、熱媒を取り出し、暖房用熱交換器に導いて、暖房用熱交換器にて回収する熱量や、暖房用熱交換器の出口での熱媒温度を、本体側熱媒流路を通過する熱媒の所定流量の制御により、調整できる。
【0013】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記本体側制御部は、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として前記暖房運転が低温暖房運転か高温暖房運転の何れかであるという情報を受信する点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、本体側制御部は、通信部を介して、暖房運転が低温暖房運転と高温暖房運転との何れであるかの情報を受信できるから、当該情報に基づいて、本体側における湯水循環状態を制御できる。
【0015】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記本体側制御部が、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として前記暖房運転が高温暖房運転であるという情報を受信した場合、
前記本体側制御部は、前記暖房運転が高温暖房運転であるという情報に基づいて、前記湯水循環状態制御を実行する点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、本体側制御部は、通信部を介して、暖房運転が高温暖房運転であるという情報を受信できるから、例えば、本体側熱媒吐出部から吐出される熱媒の温度が、高温暖房運転にて必要とされる高い温度(高温側目標温度)に近づくように、湯水循環状態を制御できる。
【0017】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記暖房運転は、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度より所定温度低い温度で加熱を開始し、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度より所定温度高い温度で加熱を停止するON−OFF制御運転であり、
前記本体側制御部は、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として前記暖房運転が前記低温暖房運転であるという情報を受信した場合、前記目標温度関連情報として、前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度と、前記熱源機における加熱開始時期及び加熱停止時期を加えて受信し、前記目標温度が、前記加熱開始時期に前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度と、前記加熱停止時期に前記熱源機側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度との間の温度であると推定する点にある。
【0018】
熱源機の構成上の理由により、暖房運転にて暖房放熱器へ導かれる熱媒の目標温度は、コージェネレーションシステムの本体側にて、受信することができない場合がある。この場合、コージェネレーションシステムの本体側からは、暖房運転における目標温度を知ることはできない。
一方、熱源機において、暖房運転時における熱源機からの熱媒の吐出温度、及び、熱媒の加熱と非加熱がON−OFF制御される暖房運転の実行における熱媒の加熱開始時期、及び熱媒の加熱停止時期については、コージェネレーションシステムの本体側から知ることができる。
そこで、本発明にあっては、加熱開始時期における熱媒の吐出温度と、及び加熱停止時期における熱媒の吐出温度との間の温度を、暖房運転の目標温度と推定する。これにより、暖房運転にて暖房放熱器へ導かれる熱媒の目標温度が、コージェネレーションシステムの本体側にて知ることができない場合であっても、その目標温度を適切に推定し、当該目標温度に基づいて、湯水循環状態制御を実行できるのである。
【0019】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記本体側制御部は、前記通信部を介して、前記目標温度関連情報として、前記暖房運転が前記低温暖房運転であるという情報を取得した場合、前記目標温度関連情報として、さらに、前記目標温度を直接受信する点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、本体側制御部は、通信部を介して、目標温度を直接受信して、当該目標温度に基づいて、湯水循環状態を制御できる。
【0021】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記本体側制御部は、前記熱源機により熱媒が加熱されない時間である非加熱時間が、非加熱判定経過時間を越えている場合、前記目標温度が低い側に変更されたと判定する点にある。
【0022】
上述のごとく、加熱開始時期の熱媒の吐出温度と、加熱停止時期の熱媒の吐出温度とから、目標温度を推定するように構成している場合で、当該目標温度が使用者等により、低い側に変更されたときには、変更前に推定されていた目標温度に基づいて、湯水循環状態の制御が実行されることになるため、熱媒の吐出温度が、変更後の目標温度よりも高い状態に維持されることとなる。このような状況になった場合、熱源機における加熱は実行されなくなるから、コージェネレーションシステムの本体側は、加熱開始時期を受信できなくなり、新たな目標温度を推定できなくなる。
そこで、上記特徴構成にあっては、このような状況を推定し、熱源機における非加熱時間が、非加熱判定経過時間を越えている場合、熱源機における目標温度が低い側に変更されたと判定するのである。
本体側制御部は、当該判定に基づいて、湯水循環状態の制御を実行することになる。
【0023】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記湯水循環状態制御は、前記湯水循環路を循環する湯水のうち、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量、又は前記排熱回収熱交換器の入口の湯水の温度のうち、少なくとも何れか一方を制御する点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、湯水循環状態制御は、湯水循環路を循環する湯水
に関し、排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量、
及び排熱回収熱交換器の入口の湯水の温度のうち、少なくとも何れか一方を制御することにより、排熱回収熱交換器から湯水へ回収する排熱の熱量を調整することができる。
【0025】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記湯水循環状態制御は、前記湯水循環路を循環する湯水のうち、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を制御するものであり、
前記本体側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度未満の場合、前記湯水循環状態制御において、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を減少させ、
前記本体側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度を超える場合、前記湯水循環状態制御において、前記排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を増加させる点にある。
【0026】
上記特徴構成によれば、本体側熱媒吐出部から吐出された熱媒の吐出温度が目標温度未満の場合、暖房負荷がその時点で熱媒に与えられている排熱量よりも大きいということなので、排熱回収熱交換器を通流する湯水の流量を減少させ、暖房負荷側への排熱の供給を増加させる。そして、暖房負荷が排熱よりも十分に大きいときは、結果的に、排熱回収熱交換器に湯水を通過させず、発生するすべての排熱を暖房負荷にて使用する。
一方、本体側熱媒吐出部から吐出された熱媒の吐出温度が目標温度を超える場合、暖房負荷がその時点で熱媒に与えられている排熱量よりも小さく、排熱が余っているということなので、余った熱を排熱回収熱交換器にて回収するべく、当該排熱回収熱交換器を通過する湯水の流量を増加させる。そして、回収した排熱は、貯湯タンクに貯留することができる。
尚、ここで、「その時点で熱媒に与えられている排熱量」とは、熱電併給部にて発生する排熱の全量のみでなく、一部を含むことを意味するものである。
【0027】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記湯水循環状態制御は、前記湯水循環路を循環する湯水のうち、前記排熱回収熱交換器の入口の湯水の温度を制御するものであり、
前記湯水循環路には、前記貯湯タンクの側へ導く湯水の流量と、前記貯湯タンクをバイパスする湯水バイパス路の側へ導く湯水の流量とを、調整可能な流量調整手段を備え、
前記本体側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度未満の場合、前記湯水循環状態制御において、前記流量調整手段により前記湯水バイパス路の側へ導かれる湯水の流量を増加させ、
前記本体側熱媒吐出部から吐出される熱媒の吐出温度が前記目標温度を超える場合、前記湯水循環状態制御において、前記流量調整手段により前記湯水バイパス路の側へ導かれる湯水の流量を減少させる点にある。
【0028】
上記特徴構成によれば、本体側熱媒吐出部から吐出された熱媒の吐出温度が目標温度未満の場合、暖房負荷がその時点で熱媒に与えられている排熱量よりも大きいということなので、貯湯タンクをバイパスする湯水バイパス路の側へ導かれる湯水の流量を増加させ、排熱回収熱交換器の入口の湯水の温度を上昇させる。このとき、結果的に、貯湯タンクの側へ導かれる湯水の流量は減少する。
一方、本体側熱媒吐出部から吐出された熱媒の吐出温度が目標温度を超える場合、暖房負荷がその時点で熱媒に与えられている排熱量よりも小さく、排熱が余っているということなので、余った排熱を貯湯タンクへ蓄熱すべく、湯水バイパス路の側へ導かれる湯水の流量を減少させ、排熱回収熱交換器の入口の湯水の温度を低下させる。これにより、結果的に、貯湯タンクの側へ導かれる湯水の流量は増加し、余った排熱が貯湯タンクに蓄熱される。
【0029】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記冷却水循環路には、前記排熱回収熱交換器及び前記暖房用熱交換器をバイパスする冷却水バイパス路が備えられ、前記排熱回収熱交換器及び前記暖房用熱交換器を通過する冷却水の流量と、前記冷却水バイパス路を通過する冷却水の流量との流量比を制御する冷却水循環状態制御を実行する冷却水循環状態制御手段が設けられている点にある。
【0030】
上記特徴構成によれば、例えば、暖房負荷がコージェネ本体にて発生する排熱よりも大きい場合、冷却水バイパス路を通流する冷却水の流量を増加させ、冷却水の温度の下がり過ぎを防止することができる。逆に、暖房負荷がコージェネ本体にて発生する排熱よりも小さい場合、排熱回収熱交換器及び暖房用熱交換器を通過する冷却水の流量を増加させ、冷却水の温度が上昇しすぎることを防止し、熱電併給部の過熱を防止できる。
【0031】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記冷却水循環路には、冷却水を、前記熱電併給部の側と、当該熱電併給部をバイパスする冷却水バイパス路との側とで切り替える切替手段が設けられ、
前記熱電併給部が停止している場合、
前記本体側制御部が、前記切替手段を、冷却水を冷却水バイパス路の側へ切り替えると共に、前記湯水循環状態制御により、前記貯湯タンクに貯留されている湯水を前記排熱回収熱交換器へ通過させる点にある。
【0032】
上記特徴構成によれば、熱電併給部が停止している場合で、コージェネ本体にて排熱が発生していないときでも、貯湯タンクに貯留される湯水を排熱回収熱交換器へ通過させ、当該排熱回収熱交換器を通過した冷却水を暖房用熱交換器へ通過させることにより、熱媒を加熱することができる。これにより、貯湯タンクに貯留されている熱を、暖房負荷を賄うべく、有効に利用できる。
また、上記特徴構成によれば、停止して低温となった熱電併給部に冷却水が導かれ、当該熱電併給部に排熱が奪われたり、そこから排熱が放熱することを防止できる。
【0033】
本発明に係るコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記冷却水循環路は、前記熱電併給部を通過した後の冷却水が、前記排熱回収熱交換器と前記暖房用熱交換器とを記載順に直列に通過するように配設されている点にある。
【0034】
冷却水循環路を、熱電併給部を通過した後の冷却水が、排熱回収熱交換器と暖房用熱交換器とを並列に通過するように配設する場合、熱電併給部を停止しているときに、貯湯タンクの熱を取り出し、暖房に用いるのが困難となる。
また、冷却水循環路を、熱電併給部を通過した後の冷却水が、暖房用熱交換器と排熱回収熱交換器とを記載順に直列に通過するように配設する場合、熱電併給部を運転しているときに、冷却水の温度が、暖房用熱交換器で低下してしまうことを防止できず、貯湯タンクへの貯湯温度を目標温度(75℃程度)まで上げられない。
上記特徴構成によれば、熱電併給部を停止しているときには、冷却水が排熱回収熱交換器にて貯湯タンクの熱を取り出すことができると共に、取り出した熱を暖房用熱交換器にて熱媒へ供給することができる。
また、熱電併給部を運転しているときには、熱電併給部を通過し高温となっている冷却水が、最初に排熱回収熱交換器を通過することになるから、当該排熱回収熱交換器を通過する湯水を適切に昇温でき、目標温度(75℃程度)にまで昇温した湯水を貯湯タンクに貯湯することができる。
【0035】
本発明のコージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記熱源機に併設される一の筐体内に各種部位を配置した一体型に構成されている点にある。
【0036】
上記特徴構成によれば、熱源機を別体とし、熱電併給部を貯湯タンク等と同じ一の筐体内に内蔵する形態で、一体型に構成することができるので、搬送及び設置作業の簡略化を図り、更に設置面積及び製造コストの縮小を図ることができる。
【0037】
上記目的を達成するための暖房設備は、上述したコージェネレーションシステムを備えた暖房設備であって、その特徴構成は、
前記コージェネレーションシステムと前記熱源機とを、互いの間を熱媒を循環させる前記暖房用循環路を介して接続している点にある。
【0038】
本発明の暖房設備にあっては、上述したコージェネレーションシステムが奏する作用効果を同様の作用効果を、発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明に係るコージェネレーションシステムの実施形態について、図面に基づいて説明する。
尚、本実施形態に係るコージェネレーションシステム40は、
図1に示すように、熱源機10に並設されるように構成されており、具体的には、熱源機10に並設される一の筐体内に各種部位を配置した一体型に構成されている。
【0041】
〔熱源機〕
先ず、本実施形態のコージェネレーションシステム40に並設される熱源機10の構成について、
図1に基づいて説明する。
熱源機10は、詳細については後述するが、一般的な給湯暖房器として構成され、上水道から熱源機側入水部20aを介して供給された湯水Wを、予め設定された設定給湯温度に加熱して給湯栓30に供給する、所謂給湯運転を行うと共に、暖房放熱器33へ加熱した熱媒を循環させる暖房用循環路34を通流する熱媒を加熱する暖房運転を行うものであり、後述するコージェネレーションシステム40に並設されるように構成されている。
外部インターフェースとしては、上水管路20の一端側に設けられ外部から湯水Wを当該上水管路20に取り込む熱源機側入水部20a、同上水管路20の他端側に設けられ当該上水管路20の湯水Wを外部に吐出する熱源機側出水部20b、熱媒流路16の一端側に設けられ外部から熱媒Hを当該熱媒流路16に取り込む熱源機側熱媒受入部16a、同熱媒流路16の他端側に設けられ当該熱媒流路16の熱媒Hを外部に吐出する熱源機側熱媒吐出部16b、及び、天然ガス系都市ガスである燃料ガスGを取り込む燃料ガス供給部14、などが設けられている。
熱源機側出水部20bは、給湯栓30に接続されることで、当該熱源機側出水部20bから吐出された湯水Wが給湯栓30に供給される。
また、熱源機側熱媒受入部16a及び熱源機側熱媒吐出部16bは、温水床暖房パネルなどの暖房放熱器33との間に設けられた暖房用循環路34を循環する熱媒Hを取り込み又は吐出する形態で、当該暖房用循環路34に接続される。当該暖房用循環路34は、熱源機側熱媒吐出部16bから吐出された熱媒Hの全量のうち、所定流量が、往きヘッダ31を介して暖房用循環路34に設けられた暖房放熱器33に供給され、一方、暖房放熱器33を通過した熱媒Hが、戻りヘッダ32を通過し、当該戻りヘッダ32を通過した熱媒Hの全量をコージェネレーションシステム40へ導く本体側熱媒流路104を通流して、熱源機側熱媒受入部16aに戻すように配設されている。
【0042】
熱源機10には、後述するバーナ11a,12aの作動を制御したり、その他弁やポンプなどの各種補機の運転を制御したりするコンピュータからなる熱源機側制御部25が設けられている。
熱源機側制御部25は、住居内に設置されたリモコン27との間で通信部26を介して通信可能に構成されており、この構成により、リモコン27から給湯時の設定給湯温度や暖房運転の運転及び停止を操作することができる。また、この通信部26は、後述するコージェネレーションシステム40側の通信部96との間でも、無線又は有線での双方向の通信が可能に構成されている。
【0043】
熱源機10は、熱源機側入水部20aに取り込んで熱源機側出水部20bから吐出される湯水Wを加熱するための給湯用加熱部11と、熱源機側熱媒受入部16aに取り込んで熱源機側熱媒吐出部16bから吐出される熱媒Hを加熱するための暖房用加熱部12とを有する。
給湯用加熱部11は、調整弁11cを介して供給される燃料ガスGをファン13により供給される燃焼用空気により燃焼させるバーナ11aと、当該バーナ11aから排出される高温の燃焼ガスとの熱交換により上水管路20を通流する湯水Wを加熱する給湯熱交換器11bとを有して構成されている。
一方、暖房用加熱部12は、調整弁12cを介して供給される燃料ガスGをファン13により供給される燃焼用空気により燃焼させるバーナ12aと、当該バーナ12aから排出される高温の燃焼ガスとの熱交換により熱媒流路16を通流する熱媒Hを加熱する暖房熱交換器12bとを有して構成されている。
【0044】
また、上水管路20には、熱源機側入水部20aから取り込んだ湯水Wの温度(以下「熱源機側入水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する入水温度センサ21と、熱源機側出水部20bから吐出する湯水Wの温度(以下「熱源機側出水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する出水温度センサ22と、湯水Wの通流を検出する水スイッチ23とが配置されている。
一方、熱媒流路16には、熱源機側熱媒受入部16aから取り込んだ熱媒Hの温度(以下「熱源機側入熱媒温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する入熱媒温度センサ17と、熱源機側熱媒吐出部16bから吐出する熱媒Hの温度(以下「熱源機側出熱媒温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する出熱媒温度センサ18と、熱媒Hを送出する熱媒循環ポンプ19とが配置されている。
【0045】
このような構成により、熱源機側制御部25は、熱源機側入水部20aから供給された湯水Wを予めリモコン27で設定された設定給湯温度に加熱して給湯栓30に供給する給湯運転や、暖房運転時において暖房放熱器33との間に設けられた暖房用循環路34を循環する熱媒Hを予め設定された目標温度に加熱する暖房運転を実行可能となる。以下に、給湯運転と暖房運転との詳細について説明を加える。
【0046】
(給湯運転)
給湯運転は、上水管路20に配置された水スイッチ23により給湯栓30の開栓による湯水Wの流通を検知している状態において、入水温度センサ21で検出される熱源機側入水温度が設定給湯温度未満である場合に、バーナ11aで燃料ガスGを燃焼させる燃焼運転を行う形態で実行される。また、この給湯運転では、出水温度センサ22で検出される熱源機側出水温度が設定給湯温度になるように、バーナ11aでの燃焼量が、燃料ガスGの供給量を調整する調整弁11cの開度制御により調整される。
従って、給湯栓30を開栓した場合には、適宜給湯運転が実行されて、その給湯栓30には設定給湯温度の湯水Wが供給されることになる。
【0047】
更に、上水管路20には、給湯熱交換器11bの上流側と下流側とを接続する形態でバイパス調整弁24が設けられている。
給湯運転では、上述のように調整弁11cの開度制御により、ガスの流量を制御しバーナ11aでの燃焼量を調整することに加えて、バイパス調整弁24の開度制御して、バイパス流量を細かく制御することにより、給湯の出湯温度をより正確に設定温度に制御する。
【0048】
(暖房運転)
暖房運転は、リモコン27において暖房運転の開始ボタンが押操作されて熱媒流路16に配置された熱媒循環ポンプ19の作動が開始され、熱媒流路16に熱媒Hが通流している状態で、入熱媒温度センサ17で検出される熱源機側入熱媒温度が目標温度未満である場合に、バーナ12aで燃料ガスGを燃焼させる燃焼運転を行う形態で実行される。尚、当該暖房運転では、出熱媒温度センサ18で検出される熱源機側出熱媒温度が目標温度になるように、バーナ12aの燃焼状態が、燃料ガスGの流量制御を実行可能であると共に、燃料ガスGの供給・供給停止状態を切り替え可能な調整弁12cの開度制御により、調整される。
また、詳細については、後述するが、暖房運転には、高温暖房運転と、低温暖房運転とがあり、低温暖房運転には、ホットダッシュ運転、通常低温暖房運転、床暖房低負荷運転があり、夫々の運転における目標温度は、異なる温度となっている。
【0049】
〔コージェネレーションシステム〕
次に、本発明に係るコージェネレーションシステム40の実施形態について、
図2〜
図6に基づいて説明する。
尚、
図2〜
図6は、コージェネレーションシステム40の各種運転状態を示すものであるが、湯水W、冷却水C、又は熱媒Hの流体が通流している配管を太実線で表示し、当該流体が通流してない配管を細実線で表示している。
図2に示すように、コージェネレーションシステム40は、上述した熱源機10に並設される一の筐体内に各種部位を配置した一体型に構成されている。
尚、このコージェネレーションシステム40は、外部インターフェースとして、上水道から湯水W(上水)を取り込む本体側入水部80a、湯水Wを熱源機10側へ吐出する本体側出水部78a、貯湯タンク90の排水を行う排水弁75、熱源機10側から暖房用の熱媒Hを取り込む本体側熱媒受入部58a、熱源機10側へ同熱媒Hを吐出する本体側熱媒吐出部58bなどが設けられている。
更に、当該コージェネレーションシステム40側に設けられた熱電併給部41並びに弁やポンプなどの各種補機の運転を制御するコンピュータからなる本体側制御部95が設けられている。この本体側制御部95は、通信部96を介して、熱源機10側の通信部26との間で無線又は有線での双方向通信を行ったり、外部に設けた表示部(図示省略)に運転状態などの所定の表示を行ったりするための通信を行うように構成されている。
具体的には、詳細については後述するが、熱源機10の通信部26からコージェネレーションシステム40の通信部96に対しては、熱源機10側で設定された設定給湯温度や暖房運転の目標温度に関連する目標温度関連情報が出力され、逆に、コージェネレーションシステム40の通信部96から熱源機10の通信部26に対しては、熱源機10による給湯運転を制限するための指令情報が出力される。
尚、上記指令情報の入力を受け付けた熱源機10では、当該指令情報が給湯運転の実行を禁止するものである場合には、給湯栓30へ湯水Wを供給する給湯時においても、給湯運転を実行することがないように構成されている。
【0050】
コージェネレーションシステム40は、燃料電池やエンジン駆動式発電機などのような電力と熱とを発生する熱電併給部41を備え、発生した電力は適宜インバータ等を介して商用電源と連系する形態で外部の電力負荷等に供給される。また、熱電併給部41が発生した熱は湯水Wの加熱に利用され、かかる加熱された湯水Wを貯留する貯湯タンク90が設けられている。
【0051】
熱電併給部41は、内部に設けられた水冷ジャケット(図示省略)を通流する冷却水Cにより冷却される構造を有し、その冷却水Cが循環する冷却水循環路42が設けられている。
冷却水循環路42には、冷却水Cの循環方向に沿って、冷却水Cを送り出す冷却水ポンプ46、冷却水Cの通流を断続可能な電磁弁47、熱電併給部41における冷却水ジャケット(図示省略)、当該冷却水ジャケットから吐出された冷却水Cの温度(以下「高温側冷却水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する高温側冷却水温度センサ50、排熱回収熱交換器55、暖房用熱交換器56、第1バイパス路43を通じて流入する冷却水Cの流量を調整する三方調整弁45、及び、冷却水Cを一時的に貯えるバッファタンク51が、記載の順で配置されている。
バッファタンク51には、一時的に貯留される冷却水Cの温度(以下「低温側冷却水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する低温側冷却水温度センサ49が設けられている。また、本体側入水部80aに供給された湯水Wが、電磁弁52を介して適宜冷却水Cとしてバッファタンク51に補充される。
【0052】
更に、冷却水循環路42には、排熱回収熱交換器55の上流側と暖房用熱交換器56との下流側に配置された三方調整弁45とを接続する第1バイパス路43と、電磁弁47の上流側と熱電併給部41の下流側とを接続する第2バイパス路44(冷却水バイパス路の一例)とが架設されている。また、この第2バイパス路44には、冷却水Cの通流を断続可能な電磁弁48が配置されている。
即ち、冷却水循環路42に冷却水Cを循環させている状態において、三方調整弁45を調整することで、排熱回収熱交換器55及び暖房用熱交換器56をバイパスして第1バイパス路43を通流する冷却水Cの流量が調整される。
また、冷却水循環路42に冷却水Cが循環している状態において、熱電併給部41の上流側に配置された電磁弁47を閉弁させると共に第2バイパス路44に配置された電磁弁48を開弁させることで、冷却水Cの全量を、熱電併給部41をバイパスさせて第2バイパス路44に通流させることができる。
【0053】
排熱回収熱交換器55は、冷却水循環路42を通流する冷却水Cと加熱貯湯循環路60を通流する湯水Wとの間で熱交換を行うように構成されている。一方、暖房用熱交換器56は、冷却水循環路42を通流する冷却水Cと熱媒流路58を通流する熱媒Hとの間で熱交換を行うように構成されている。
即ち、熱電併給部41において熱を発生している状態で、冷却水ポンプ46を作動させて、冷却水循環路42に冷却水Cを循環させると、熱電併給部41を通過して加熱された冷却水Cが、排熱回収熱交換器55及び暖房用熱交換器56を通過することで湯水W及び熱媒Hとの間で熱交換を行い、再び熱電併給部41に供給されることになる。
【0054】
熱電併給部41で加熱された冷却水Cの温度、即ち高温側冷却水温度センサ50で検出される高温側冷却水温度が、所定の温度(例えば75℃〜80℃程度)となるように、冷却水ポンプ46の出力や三方調整弁45の開度が制御される。
具体的には、冷却水ポンプ46の出力を低下させる、又は、三方調整弁45の第1バイパス路43側の開度を増加させることで、排熱回収熱交換器55及び暖房用熱交換器56を通流する冷却水Cの流量を減少させると、冷却水Cの当該熱交換器55、56での放熱量が減少することから、高温側冷却水温度が上昇する。そして、この原理を利用して、冷却水Cの温度が所定の温度に調整される。
尚、排熱回収熱交換器55及び暖房用熱交換器56で冷却された冷却水Cの温度、即ち低温側冷却水温度センサ49で検出される低温側冷却水温度が、所定の温度になるように、冷却水ポンプ46の出力や三方調整弁45の開度を制御するように構成しても構わない。
【0055】
貯湯タンク90は、下部90bに湯水Wが供給され上部90aから本体側出水部78aに湯水Wが取り出される密閉式タンクとして構成されている。また、貯湯タンク90の下部90bから取り出した湯水Wを、熱電併給部41が発生した熱で加熱するべく排熱回収熱交換器55に通流させて、貯湯タンク90の上部90aに戻す形態で、湯水Wを循環させる加熱貯湯循環路60が設けられている。
この加熱貯湯循環路60は、貯湯タンク90の下部90bに対しては、当該下部90bに接続された底部管路72に対して三方弁73を介して接続されており、一方、貯湯タンク90の上部90aに対しては、当該上部90aに接続された上部管路66に対して比例弁65を介して接続されている。
また、上部管路66には、湯水バイパス路67が接続されており、また、この湯水バイパス路67の他方側端部は、逆止弁69を介して加熱貯湯循環路60に配置された三方調整弁68に接続されている。
【0056】
この加熱貯湯循環路60には、湯水Wの流通方向に沿って、湯水バイパス路67を通じて流入する湯水Wの流量を調整する三方調整弁68、湯水Wを送り出す循環ポンプ61、排熱回収熱交換器55、当該排熱回収熱交換器55を通過した後の湯水Wの温度(以下「高温側湯水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する循環水高温センサ63、同湯水Wの流量を検出する循環流量センサ62、貯湯タンク90の上部90aに流入する湯水Wの温度(以下「貯湯温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する貯湯温度センサ64、比例弁65、及び、貯湯タンク90が、記載の順で配置されている。
尚、加熱貯湯循環路60には、後述する蓄熱による暖房運転の際に、貯湯タンク90の上部から取り出され、排熱回収熱交換器55にて冷却水Cに熱を与えた後の湯水Wを貯湯タンク90の下部に戻す蓄熱暖房用湯水通流路70が併設されており、当該蓄熱暖房用湯水通流路70には、湯水の流量を調整可能な比例弁71が設けられている。
【0057】
また、貯湯タンク90の上部90aに接続された上部管路66は、三方調整弁77及び出湯管路78を介して本体側出水部78aに接続されており、その三方調整弁77の上流側には、貯湯タンク90の上部90aから上部管路66に取り出された湯水Wの温度(以下「タンク取出湯水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する取出水温度センサ76が設けられている。尚、このタンク取出湯水温度の検出は、取出水温度センサ76の代わりに、貯湯タンク90の上下方向に分散配置した複数の温度センサ91のうち最上部に設けられた温度センサ91aで行っても構わない。
また、この三方調整弁77には、本体側入水部80aに通じる給水管路82が接続されている。更に、出湯管路78と給水管路82とは、バイパス管路86により接続されており、このバイパス管路86には、湯水Wの通流を断続可能な電磁弁87が配置されている。
即ち、上記三方調整弁77は、貯湯タンク90の上部90aから本体側出水部78aに供給される湯水Wに対し、混合比調整を伴って、給水管路82から供給される湯水Wを混合可能な混合部として機能する。
尚、出湯管路78のバイパス管路86との接続部の下流側には、湯水Wの通流方向に沿って、湯水Wの流量を検出する流量センサ79、本体側出水部78aから吐出される湯水Wの温度(以下「本体側出水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する出水温度センサ81が、記載の順に配置されている。
一方、給水管路82のバイパス管路86との接続部の上流側には、湯水Wの通流方向に沿って、湯水Wの圧力を調整する減圧弁84、本体側入水部80aに供給された湯水Wの温度(以下「本体側入水温度」と呼ぶ場合がある。)を検出する温度センサ85、湯水Wの逆流を阻止する逆止弁83が、記載の順に配置されている。
【0058】
また、給水管路82は、貯湯タンク90の下部90bに接続された底部管路72の三方弁73に対して逆止弁89を介して接続されており、この構成により、貯湯タンク90では、上部90aから湯水Wが取り出されると同時に、下部90bから湯水Wが、給水管路82、三方弁73、及び底部管路72を介して供給されることになる。
これまで説明してきたように、加熱貯湯循環路60、湯水バイパス路67、蓄熱暖房用湯水通流路70が、湯水循環路として働く。
【0059】
暖房用熱交換器56が配置された熱媒流路58の一方側端部に設けられた本体側熱媒受入部58aは、戻りヘッダ32に接続され、一方、同熱媒流路58の他方側端部に設けられた本体側熱媒吐出部58bは、熱源機10の熱源機側熱媒受入部16aに接続される。
即ち、暖房用循環路34において暖房放熱器33を通過した後の熱媒Hは、戻りヘッダ32及び本体側熱媒受入部58aを介して、熱媒流路58に配置された暖房用熱交換器56に供給され、更に、この暖房用熱交換器56を通過した後の熱媒Hは、本体側熱媒吐出部58b及び熱源機側熱媒受入部16aを介して、熱源機10の熱媒流路16(
図1参照)に配置された暖房熱交換器12b(
図1参照)に供給され、更に、この暖房熱交換器12bを通過した後の熱媒Hは、熱源機側熱媒吐出部16b及び往きヘッダ31を介して、暖房用循環路34に配置された暖房放熱器33に供給されることになる。
【0060】
尚、暖房用熱交換器56が設けられている熱媒流路58には、暖房用熱交換器56の入口での熱媒Hの温度を測定する本体側入熱媒温度センサ102aが設けられると共に、暖房用熱交換器56の出口での熱媒Hの温度を測定する本体側出熱媒温度センサ102bが設けられている。そして、本体側制御部95は、暖房用熱交換器56への熱媒Hの入り温度と、暖房用熱交換器56からの熱媒Hの出温度とを監視するように構成されている。
【0061】
また、本体側制御部95は、詳細については後述するが所定の運転指令制御及び混合制御を実行するように構成されている。
この運転指令制御では、貯湯タンク90の上部90aから上部管路66に取り出された湯水Wの温度、即ち取出水温度センサ76で検出されるタンク取出湯水温度に基づいて、本体側出水温度が目標出水温度よりも低いものとなるかの判断を行い、その判断結果に基づいて、熱源機10の給湯運転の可否を決定し、当該決定した給湯運転の可否に従って熱源機10による給湯運転を制限するための指令情報を、通信部96を介して熱源機10に出力する。
一方、混合制御では、通信部96を介して熱源機10又はリモコン27から入力を受け付けた設定給湯温度に基づいて、本体側出水温度の目標値である目標出水温度を決定し、当該決定した目標出水温度に基づいて混合部としての三方調整弁77を制御する。
尚、上記熱源機10又はリモコン27から入力を受け付けた設定給湯温度は、以下では、熱源機10側から入力を受け付けた設定給湯温度とする。
【0062】
以上のような構成により、コージェネレーションシステム40は、以下に示す、給湯運転、貯湯運転、暖房運転を実行することができる。ここで、暖房運転には、熱源機側出熱媒温度の目標温度が高温である高温暖房運転と、当該目標温度が低温である低温暖房運転とがある。
そして、高温暖房運転と低温暖房運転は、排熱回収熱交換器55では排熱を湯水Wへ回収せずに排熱のすべてを暖房用熱交換器56にて放熱することにより、排熱を蓄熱しない暖房運転(
図4に示す状態の運転)と、排熱の一部を排熱回収熱交換器55で湯水Wへ回収し貯湯タンク90に蓄熱すると共に、他部を暖房用熱交換器56にて放熱することにより、排熱の一部を蓄熱する暖房運転(
図5に示す状態の運転)とを切り替えて実行されることになる。
更に、本願のコージェネレーションシステム40にあっては、
図6に示すように、貯湯タンク90に蓄熱された熱のみにより暖房運転(高温及び低温)を行う、蓄熱による暖房運転を実行可能に構成されている。
そこで、以下では、給湯運転及び貯湯運転につき説明した後、排熱を蓄熱しない暖房運転、排熱の一部を蓄熱する暖房運転について説明し、その後、高温暖房運転、低温暖房運転、蓄熱による暖房運転について、説明する。
【0063】
(給湯運転)
図2に示すように、給湯運転は、給湯栓30が開栓されることで熱源機10の熱源機側出水部20bから給湯栓30へ湯水Wが供給され、それに伴って本体側出水部78aから熱源機側入水部20aへ湯水Wが供給され、それに伴って出湯管路78に配置された流量センサ79で湯水Wの通流が検知された状態で実行される。
かかる給湯運転では、貯湯タンク90の上層の比較的高温の湯水Wが、上部90aから上部管路66に取り出されて、三方調整弁77を介して出湯管路78に供給される。
更に、この給湯運転では、一旦、目標出水温度を、熱源機10側から入力を受け付けた設定給湯温度と等しい温度又は同設定給湯温度よりも放熱分を考慮した若干高めの温度に決定した状態で、混合制御が実行されて、三方調整弁77の開度が制御される。
すなわち、この混合制御では、取出水温度センサ76で検出されるタンク取出湯水温度が目標出水温度以上である場合には、三方調整弁77において適当な湯水Wが混合されることで、目標出水温度の湯水Wが得られ、その湯水Wが熱源機10の熱源機側入水部20aに供給されることになる。
また、本体側制御部95による運転指令制御では、熱源機10における給湯運転の実行の禁止を決定し、当該給湯運転の実行を禁止するための指令情報を、通信部96、26を介して熱源機側制御部25に出力する。
すると、熱源機10においては、熱源機側入水温度が設定給湯温度以上であれば、その湯水Wを再加熱する必要がないために、給湯運転が行われることなく、この設定給湯温度の湯水Wがそのまま給湯栓30に供給されることになる。また、熱源機側入水温度が設定給湯温度を若干下回っていたとしても、入力された指令情報により無用な給湯運転の実行が禁止されることになる。よって、熱源機10の熱効率が向上されながら、貯湯タンク90に貯留されている湯水Wが有効利用されてシステム全体のエネルギー効率が向上されることになる。
【0064】
一方、取出水温度センサ76で検出されるタンク取出湯水温度が目標出水温度未満である場合には、目標出水温度を設定給湯温度よりも十分に低い温度(例えば30℃)に設定して、三方調整弁77を介して供給される湯水Wの量を増加させ、本体側出水部78aから低く設定された目標出湯温度以下の湯水Wを吐出するようにする。
【0065】
(貯湯運転)
図3に示すように、熱電併給部41が発生した熱で加熱された湯水Wを貯留する所謂貯湯運転は、熱電併給部41が作動して熱を発生しながら、冷却水ポンプ46及び循環ポンプ61が作動することにより、排熱回収熱交換器55において、比較的高温(例えば75℃〜80℃程度)に維持された冷却水Cと貯湯タンク90の下部90bから取り出した比較的低温の湯水Wとの熱交換が行われて、当該湯水Wが加熱され、一方、当該冷却水Cが冷却される形態で実行される。
そして、このように加熱された湯水Wが、比例弁65及び上部管路66を介して貯湯タンク90の上部90aに流入することになり、結果、貯湯タンク90には、上部に高温の湯水Wが存在し下部に低温の湯水Wが存在する状態の温度成層を形成する状態で湯水Wが貯留されることになる。
また、貯湯タンク90において温度成層を形成する形態で湯水Wを貯留するので、貯湯タンク90の上下方向に分散配置した複数の温度センサ91の検出結果により、貯湯タンク90の上層に貯留されている高温の湯水Wの量、即ち貯湯量を判定することができる。
【0066】
更に、この貯湯運転では、この排熱回収熱交換器55で加熱された湯水Wの温度、循環水高温センサ63で検出される高温側湯水温度が、所定の温度(例えば75℃程度)となるように、三方調整弁68の開度が制御される。
具体的には、三方調整弁68の湯水バイパス路67側の開度を増加させることで、排熱回収熱交換器55で加熱された湯水Wのうち、貯湯タンク90に供給されるのではなく湯水バイパス路67を介して排熱回収熱交換器55の上流側に再循環される湯水Wの割合が増加すると、高温側湯水温度が上昇する。そして、この原理を利用して、高温側湯水温度が所定の温度に調整される。
【0067】
(排熱を蓄熱しない暖房運転)
図4に示すように、熱電併給部41が発生した熱で暖房放熱器33との間に設けられた暖房用循環路34を循環する熱媒Hを加熱する運転である、排熱を蓄熱しない暖房運転は、熱電併給部41が作動して熱を発生しながら、熱源機10側から暖房運転開始の情報の入力を受け付けて、冷却水ポンプ46が作動することにより、暖房用熱交換器56において、比較的高温(例えば75℃〜80℃程度)に維持された冷却水Cと循環する熱媒Hとの熱交換が行われて、当該熱媒Hが加熱され、一方当該冷却水Cが冷却される形態で実行される。
【0068】
このような排熱を蓄熱しない暖房運転では、暖房用循環路34において暖房放熱器33を通過した後の熱媒Hが、先ず、戻りヘッダ32及び本体側熱媒受入部58aを介して、熱媒流路58に配置された暖房用熱交換器56に供給され、この暖房用熱交換器56における冷却水Cとの熱交換によって加熱される。
更に、この暖房用熱交換器56を通過して加熱された熱媒Hは、本体側熱媒吐出部58b及び熱源機側熱媒受入部16aを介して、熱源機10の熱媒流路16(
図1参照)に配置された暖房熱交換器12b(
図1参照)に供給される。ここで、熱源機10においては、上述した暖房運転が適宜実行され熱媒Hが目標温度に加熱される。そして、この目標温度の熱媒Hが、熱源機側熱媒吐出部16b及び往きヘッダ31を介して、暖房用循環路34に配置された暖房放熱器33に再度供給されることになる。
即ち、暖房放熱器33で放熱される熱の少なくとも一部が、熱電併給部41が発生した熱で補われることになり、システム全体のエネルギー効率が一層向上される。
【0069】
(排熱の一部を蓄熱する暖房運転)
排熱の一部を蓄熱する暖房運転は、
図5に示すように、熱電併給部41にて発生した熱の一部を、冷却水循環路42に配設された排熱回収熱交換器55にて湯水Wに回収し貯湯タンク90に蓄熱すると共に、他部を冷却水循環路42に配設された暖房用熱交換器56にて熱媒Hに供給するものである。
当該排熱の一部を蓄熱する暖房運転は、熱電併給部41を作動させて熱を発生しながら、本体側制御部95が、熱源機側制御部25から暖房運転開始の情報を受け付けて、冷却水ポンプ46、循環ポンプ61を作動させると共に、加熱貯湯循環路60で貯湯タンク90の上部90aの上流に設けられる比例弁65の開度を調整する。これにより、排熱回収熱交換器55にて排熱の一部を冷却水Cから湯水Wに回収して貯湯タンク90に蓄熱すると共に、残りの排熱を暖房用熱交換器56にて冷却水Cから熱媒Hに回収する。
排熱の一部を蓄熱する暖房運転では、暖房用循環路34にて暖房放熱器33を通過した後の熱媒Hの循環状態は、上述した排熱を蓄熱しない暖房運転と同様であるので、ここではその詳細な説明を割愛する。
排熱の一部を蓄熱する暖房運転を実行することにより、熱電併給部41にて発生した熱のうち、暖房に必要な分を、暖房用熱交換器56から熱媒Hに供給すると共に、余った分は、貯湯タンク90に蓄熱することにより、省エネルギー性を向上できる。
【0070】
尚、本願にあっては、エネルギー効率の一層の向上を図るべく、上述した熱源機10での目標温度に関連する目標温度関連情報を、本体側制御部95にて受信し、当該目標温度関連情報に基づいて、排熱を蓄熱する暖房運転、排熱を蓄熱しない暖房運転において、湯水Wの循環状態、及び熱媒Hの循環状態を制御することにより、後述する熱源機10側にて設定される熱媒Hの目標温度が高温である高温暖房運転、同目標温度が低温である低温暖房運転を実行するように構成されている。
説明を追加すると、本体側制御部95は、通信部96を介して、目標温度関連情報として、暖房運転が低温暖房運転と高温暖房運転との何れかであるという情報を受信するように構成されている。以下、高温暖房運転及び低温暖房運転につき、詳細に説明する。
【0071】
(高温暖房運転)
高温暖房運転は、浴室暖房乾燥機等の比較的高温を必要とする暖房放熱器33を働かせる場合に実行される暖房運転である。
当該高温暖房運転は、本体側制御部95が、通信部96を介して、熱源機10から高温暖房運転の実行に係る情報を受信し、それに基づいて、湯水Wの循環状態、熱媒Hの循環状態、及び冷却水Cの循環状態を制御する。以下、当該高温暖房運転に関する制御の流れを、
図4、
図5のコージェネレーションシステムの概略構成図を参照しつつ、
図7の制御フローに基づいて説明する。
【0072】
コージェネレーションシステム40は、熱電併給部41の運転が維持されている状況とする。
本体側制御部95は、通信部96を介して、熱源機10側から、高温暖房運転の実行に係る情報を受信する(♯01)。
【0073】
本体側制御部95は、高温暖房運転の実行に係る情報を受信すると、高温暖房運転に対する熱媒Hの目標温度を、予め、高温暖房運転に対する温度として記憶されている高温側目標温度(75℃程度)に設定する(♯02)。
【0074】
本体側制御部95は、三方調整弁68(流量調整手段の一例)の開度を調整して、貯湯タンク90の側に導かれる湯水の流量と、貯湯タンク90をバイパスする湯水バイパス路67の側に導かれる湯水の流量との流量比を調整することで、加熱貯湯循環路60を循環する湯水の排熱回収熱交換器55の出温度を、目標貯湯温度(75℃〜77℃)に維持するように、湯水循環状態を制御する(♯03)。
具体的には、排熱回収熱交換器55の出温度が、目標貯湯温度を超える場合、貯湯タンク90の側に導かれる湯水の流量を増加させ、排熱回収熱交換器55の出温度が、目標貯湯温度未満の場合、貯湯タンク90の側に導かれる湯水の流量を減少させる。
尚、当該制御においては、排熱回収熱交換器55を通流する湯水の流量、即ち、貯湯タンク90の側に導かれる湯水の流量と、湯水バイパス路67の側に導かれる湯水の流量とを合わせた流量は、以下の♯05〜♯09に示す制御により決定される。
【0075】
本体側制御部95が、冷却水循環路42を通流する冷却水Cの循環流量を一定に維持すべく、冷却水ポンプ46の回転速度を一定に維持し、冷却水循環路42に配置される排熱回収熱交換器55への冷却水Cの入り温度を、75℃〜80℃に維持する(♯04)。
尚、当該高温暖房運転を実行する場合、排熱回収熱交換器55への冷却水Cの入温度が低下しすぎて、湯水Wの貯湯(75℃)に必要な冷却水温度下限値(75〜80℃)を維持できなくなる虞がある。
そこで、本体側制御部95は、熱電併給部41に導かれる冷却水Cの温度(暖房用熱交換器56からの冷却水Cの出温度)が、冷却水温度下限値未満である場合、冷却水Cの温度が下がりすぎていると判定し、冷却水Cが排熱回収熱交換器55及び暖房用熱交換器56を通過して降温することを防止すべく、第1バイパス路43を通流する冷却水Cの流量を増加させ、排熱回収熱交換器55及び暖房用熱交換器56を通過する冷却水Cの流量を減少させる。
一方、本体側制御部95は、暖房用熱交換器56からの冷却水Cの出温度が、冷却水温度下限値を超える場合、排熱回収熱交換器55及び暖房用熱交換器56を通過する冷却水Cの流量を増加させる。
【0076】
本体側制御部95は、暖房用熱交換器56からの熱媒Hの出温度である本体側出熱媒温度が、高温側目標温度(75℃程度)を超える場合(♯05)、暖房負荷がその時点で熱媒Hが回収する回収熱量よりも小さいということなので、熱媒Hにおける回収熱量を減少させるべく、排熱回収熱交換器55を通過する湯水Wの流量を増加させ、当該湯水Wを貯湯タンク90へ貯留する(♯06)。
これにより、冷却水循環路42を通流する冷却水Cの温度は、排熱回収熱交換器55の通過により低下し、当該低下した冷却水Cが、暖房用熱交換器56に導かれることになるから、当該暖房用熱交換器56にて熱媒Hが回収する熱量を減少させることができる。
【0077】
一方、本体側制御部95は、暖房用熱交換器56からの熱媒Hの出温度である本体側出熱媒温度が、高温側目標温度(75℃程度)未満である場合(♯05)、暖房負荷がその時点で熱媒Hが回収する回収熱量よりも大きいと判定し、熱媒Hの回収熱量を増加させるべく、排熱回収熱交換器55を通過する湯水Wの流量を減少させる(♯07)。
【0078】
上記(♯07)の制御により、暖房負荷が十分に大きい場合、即ち、排熱回収熱交換器55を通過する湯水の流量が下限値以下(又はゼロ)の場合(♯08)、本体側制御部95は、湯水の循環ポンプ61を停止すると共に、三方調整弁68の開度制御を停止し湯水の温度制御を停止する(♯09)。
【0079】
(低温暖房運転)
低温暖房運転が実行される場合にも、本体側制御部95は、通信部96を介して、熱源機10側から、低温暖房運転の実行に係る情報を受信する。
当該低温暖房運転には、ホットダッシュ運転、通常低温暖房運転、低温床暖房運転の複数の種類があり、夫々に対応する低温側目標温度は、72℃、60℃、40℃程度となっている。そして、熱源機10においては、熱源機側制御部25が、当該低温側目標温度を記憶しており、熱媒Hの熱源機側出熱媒温度が、当該記憶された目標温度となるように、そのバーナ12aでの加熱状態を制御している。
コージェネレーションシステム40の本体側では、当該低温目標温度を受信し、当該低温目標温度に基づいて、暖房運転の際の湯水Wの循環状態や、熱媒Hの循環状態を制御することが好ましい。
しかしながら、熱源機側制御部25が記憶する上記低温目標温度は、設計上の理由により、外部に出力することができない構成となっている場合がある。
一方、熱源機10には、熱媒Hの熱源機側出熱媒温度を測定する出熱媒温度センサ18が設けられているため、当該出熱媒温度センサ18に測定された熱媒Hの温度は、外部に出力することができる。
また、熱源機10において、暖房熱交換器12bを通過する熱媒を加熱するバーナ12aは、熱媒Hの温度を目標温度に維持すべく、熱媒Hの温度が低温側目標温度よりも所定温度だけ低い場合に燃焼し、熱媒Hの温度が低温側目標温度よりも所定温度だけ高い場合に燃焼を停止するように構成されており、熱源機10は、当該バーナ12aにて燃焼が開始される時期である加熱開始時期、及び燃焼が停止される時期である加熱停止時期についても、外部へ出力することができる。
そこで、本願にあっては、本体側制御部95は、通信部96を介して、出熱媒温度センサ18の出力である熱源機側出熱媒温度(熱媒Hの吐出温度の一例)と、加熱開始時期、加熱停止時期を受信すると共に、加熱開始時期の熱源機側出熱媒温度と、加熱停止時期の熱源機側出熱媒温度との中間値を、低温側目標温度と推定する。
【0080】
以下、当該低温側目標温度の推定を含む、低温側暖房運転の制御フローを、
図4、5のコージェネレーションシステムの概略構成を参照しつつ、
図8の制御フローに基づいて、説明する。
【0081】
本体側制御部95は、通信部96を介して、熱源機10側から、低温側暖房運転の実行に係る情報を受信する(♯01)。
本体側制御部95は、低温暖房運転の実行に係る情報を受信すると、低温側暖房運転の目標温度である低温側暖房目標温度を推定すべく、通信部96を介して、熱源機10側から、バーナ12aの加熱開始時期の熱源機側出熱媒温度と、加熱停止時期の熱源機側出熱媒温度とを受信する(♯02)。
【0082】
本体側制御部95は、加熱開始時期の熱源機側出熱媒温度と、加熱停止時期の熱源機側出熱媒温度との中間値を、低温側目標温度であると推定する(♯03)。
以下、♯04〜♯10の制御は、高温側目標温度が低温側目標温度となっている以外は、上述した高温暖房運転の♯03〜♯09の制御と同一であるので、ここでは、その詳細な説明を割愛する。
【0083】
(蓄熱による暖房運転)
蓄熱による暖房運転は、
図6に示すように、熱電併給部41が停止している場合に、貯湯タンク90に蓄熱された熱を、熱媒Hへ供給し、暖房運転の熱を補う運転である。
【0084】
蓄熱による暖房運転では、貯湯タンク90の温度成層をなるべく維持すべく、湯水Wの循環流量をなるべく小さく抑制し、貯湯タンク90の下部90bから流入する湯水の流量を抑制すると共に、排熱回収熱交換器55からの湯水Wの出温度をなるべく小さく抑制し、貯湯タンク90の下部90bから流入する湯水が昇温しすぎることを抑制する。
当該目的を達成するためには、冷却水循環路42を通流する冷却水Cで、排熱回収熱交換器55への冷却水Cの入り温度をなるべく低く抑制する必要がある。
【0085】
そこで、本体側制御部95は、まず、暖房用熱交換器56において、当該暖房用熱交換器56からの冷却水Cの出温度と、暖房用熱交換器56への熱媒Hの入り温度との差を、所定の最適値以内に抑えるように、冷却水Cの流量をなるべく小さくするように制御する。
本体側制御部95は、当該制御を実行している状態で、排熱回収熱交換器55を通過する湯水の流量を制御することで、暖房用熱交換器56にて、冷却水Cから熱媒Hへ受け渡す熱量を調整する。
尚、当該蓄熱による暖房運転にあっては、熱電併給部41が停止しているのであるが、熱電併給部41が停止している状態で、当該熱電併給部41に冷却水Cが通流すると、冷却水Cが保持する熱が、熱電併給部41から放熱されるため、好ましくない。
そこで、本願にあっては、冷却水循環路42に、熱電併給部41をバイパスする第2バイパス路44を備えると共に、冷却水Cの全量を当該第2バイパス路44の側と熱電併給部41の側との何れか一方に切り替え可能な流量調整弁47、48(切替手段の一例)を設け、蓄熱による暖房運転にあっては、冷却水Cの全量を当該第2バイパス路44を通流させている。
【0086】
〔別実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)以下、
図1と
図9とを比較して説明する。上記実施形態においては、熱媒Hを循環する暖房用循環路34を構成する本体側熱媒流路104は、戻りヘッダ32に戻された熱媒Hの全量を、本体側の暖房用熱交換器56へ導いた後、直接、熱源機側熱媒受入部16aへ導くように構成した。
しかしながら、当該本体側熱媒流路104は、戻りヘッダ32に戻された熱媒Hの一部を、本体側の暖房用熱交換器56へ導いた後、一端、戻りヘッダ32に戻すように構成しても構わない。この場合、本体側熱媒流路104には、当該流路を通流する熱媒Hの流量を制御するための熱媒循環ポンプ103を設けることとなる。
尚、当該構成においても、本体側制御部95が、上記熱媒循環ポンプ103の回転速度を制御することにより、本体側熱媒流路104を通流する熱媒Hの流量を、戻りヘッダ32に戻される熱媒Hの全量と同一(又は、それ以上)にすることができる。
これにより、本体側制御部95により実行される制御については、上記実施形態にて示したものと同様の制御を実行することができる。
尚、当該実施形態においては、本体側制御部95は、熱を回収した後の熱媒Hの温度を制御するべく、本体側熱媒流路104を通流する熱媒Hの流量を制御するように構成しても構わない。
【0087】
(2)上記実施形態では、熱源機10を、給湯運転と暖房運転との両方を実行可能なように、暖房機と給湯器とを組み合わせたものとして構成したが、別に当該熱源機10を暖房専用機として構成しても構わない。
【0088】
(3)上記実施形態では、本体側出水温度を目標出水温度に調整するために、混合部として機能する三方調整弁77を備え、混合制御を行って、貯湯タンク90の上部90aから取り出した湯水Wに低温の湯水Wを混合比調整を伴って混合するように構成したが、例えば、貯湯タンク90の上層に目標出水温度の湯水Wを貯留するように構成して、かかる混合部等の構成を省略しても構わない。
【0089】
(4)上記実施形態では、貯湯タンク90を、温度成層を形成する形態で加熱された湯水Wを貯留するように構成された密閉式タンクとしたが、開放式タンクとしたり、更には、加熱された湯水Wのみを貯留するように構成しても構わない。
【0090】
(5)上記実施形態では、熱源機10に並設される熱電併給部41や貯湯タンク90やその他各種部位について、一の筐体内に配置して一体型に構成したが、別に、複数の筐体の夫々に分配して複数のユニットからなるものといて構わない。
【0091】
(6)上記実施形態の低温暖房運転時に、低温暖房運転の種類(ホットダッシュ運転、通常低温暖房運転、低温床暖房運転等)が、変更された場合、低温側目標温度も変更されることになる。そして、当該変更が、低温側目標温度の高い運転から、低い運転への変更である場合、熱源機10では、バーナ12aの加熱が停止される。
そして、このとき、本体側制御部95は、通信部96を介して、加熱開始時期及び停止時期の情報は受信できなくなり、目標温度の推定ができなくなる。
そこで、上記実施形態の低温暖房運転においては、以下のように構成することが好ましい。
即ち、本体側制御部95は、熱源機10のバーナ12aにて熱媒Hが加熱されない時間である非加熱時間が、非加熱判定経過時間(例えば、20分程度)を越えている場合、目標温度が低い側に変更されたと判定するように構成することが好ましい。
本体側制御部95は、目標温度が低い側に変更されたと判定した場合には、排熱回収熱交換器55での湯水Wへの排熱回収量を大幅に増やす等の制御を実行する。
【0092】
(7)上記実施形態では、本体側制御部95が、通信部96を介して、熱源機10から高温暖房運転と低温暖房運転とを判定可能な情報を取得できる例を示した。
しかしながら、本体側制御部95は、高温側暖房運転と低温側暖房運転とを判定する情報を受信できない場合であっても、上記実施形態の低温暖房運転にて、示した目標温度を推定する制御を実行することにより、エネルギー効率の高いコージェネレーションシステムが実現できる。
【0093】
(8)高温暖房運転、低温暖房運転の両運転において、コージェネレーションシステム40の本体側が、側目標温度を直接受信することができる場合には、上記実施形態の如く、目標温度を推定したり、本体側制御部95に記憶したりすることなく、直接受信することが好ましい。
【0094】
(9)上記実施形態において、低温暖房運転及び高温暖房運転では、熱媒Hによる回収熱量を制御するべく、排熱回収熱交換器55を通過する湯水Wの流量を制御する例を示した。しかしながら、本願にあっては、排熱回収熱交換器55の入口での湯水Wの温度を制御するように構成しても構わない。
上述の高温暖房運転の場合を例に説明を追加すると、
図7に示す(♯05)〜(♯09)の制御が、以下の制御に置換される。
本体側制御部95は、暖房用熱交換器56からの熱媒Hの出温度である本体側出熱媒温度が、高温側目標温度(75℃程度)を超える場合(♯05)、暖房負荷がその時点で熱媒Hが回収する回収熱量よりも小さいということなので、熱媒Hの回収熱量を減少させるべく、湯水Wの排熱回収熱交換器55の入口での湯水Wの温度を低下させる(♯06)。
具体的には、本体側制御部95が、貯湯タンク95の側と、湯水バイパス路67の側とを通流する湯水Wの流量比を、三方調整弁68の開度を制御して、貯湯タンク95の側を通流する湯水の流量を増加させる。
一方、本体側制御部95は、暖房用熱交換器56からの熱媒Hの出温度である本体側出熱媒温度が、高温側目標温度(75℃程度)未満の場合(♯05)、暖房負荷がその時点で熱媒Hが回収する回収熱量よりも大きいということなので、熱媒Hの回収熱量を増加させるべく、湯水Wの排熱回収熱交換器55の入口での湯水Wの温度を上昇させる(♯07)。
具体的には、本体側制御部95が、三方調整弁68の開度を制御して、貯湯タンク95の側と、湯水バイパス路67の側とを通流する湯水Wの流量比を、貯湯タンク95の側を通流する湯水の流量を減少させる。
本体側制御部95は、貯湯タンク95側へ導かれる湯水Wの流量が下限値以下(またはゼロ、即ち、湯水Wの全量が湯水バイパス路67側)になれば、湯水循環ポンプ61を停止させる(♯08〜♯09)。