(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
顔料(A)、バインダー樹脂(B)、溶剤(C)、および光重合開始剤(D)を含有するカラーフィルタ用着色組成物において、顔料(A)の主顔料が青色顔料であり、調色顔料として、黄色顔料を顔料全体の含有量を基準として1〜3.5重量%、および赤色顔料を顔料全体の含有量を基準として18〜40重量%の範囲で含有することを特徴とするカラーフィルタ用青色着色組成物。
青色顔料がC.I.ピグメントブルー15:6を含み、黄色顔料がC.I.ピグメントイエロー150、138、および139からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、赤色顔料がC.I.ピグメントレッド177および254からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用青色着色組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物の各種構成成分について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、または「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、「アクリルおよび/またはメタクリル」、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」、または「アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド」を表すものとする。
また、以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0015】
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、顔料(A)、バインダー樹脂(B)、溶剤(C)、および光重合開始剤(D)を含有するカラーフィルタ用青色着色組成物であって、顔料(A)の主顔料が青色顔料であり、調色顔料として、黄色顔料を顔料全体の含有量を基準として1〜3.5重量%、および赤色顔料を顔料全体の含有量を基準として18〜40重量%の範囲で含有することを特徴とする。
【0016】
<顔料(A)>
本発明の顔料(A)は、主顔料が青色顔料であり、調色顔料として、黄色顔料および赤色顔料を含む。また、さらに紫色顔料を含むことで、塗膜の膜厚を薄くできるために好ましい。
(主顔料)
主顔料とは、顔料全体の含有量を基準として、含有する重量の比率が最も高いものであり、本発明においては、青色顔料である。
[青色顔料]
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比の観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、または15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
【0017】
主顔料である青色顔料の含有量は、顔料全体の含有量に占める重量%が最も多ければよいが、顔料全体の合計100重量%中、50重量%以上99.93重量%以下が好ましい。99.93重量%を超えると、調色用顔料の効果が発揮されず、50重量%未満では、色特性の低下が生ずる場合がある。より好ましくは70重量%を超えると、明度、色再現領域のすべてにおいて優れた効果が確認できる。
【0018】
(調色顔料)
調色用顔料は、黄色顔料および赤色顔料を必須とし、好ましくは紫色顔料をさらに含むものである。その他併用することのできる有機顔料として、緑色顔料、オレンジ色顔料等を挙げることができる。
【0019】
[黄色顔料]
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、または185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、または180であり、特に好ましくはC.I.ピグメントイエロー150、138、または139である。
【0020】
[赤色顔料]
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比の観点から、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、または254であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、242、または254であり、特に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、または254である。
【0021】
[紫色顔料]
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、または23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
【0022】
[緑色顔料]
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、16、17、18、19、22、26、36、45、48、50、51、54、55、58、60、64、および81を挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36または58である。
【0023】
[オレンジ色顔料]
オレンジ色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントオレンジ38、または71である。
【0024】
調色顔料の含有量は、顔料全体を基準として黄色顔料が1〜3.5重量%の範囲にあり、赤色顔料が18〜40重量%の範囲である。
これらの調色顔料を用いて青色着色組成物の明度を調整することにより、薄膜でもAdobe RGBの色空間規格を変更することなくホワイトを目標の色温度に調整することが可能となるものである。
【0025】
黄色顔料の含有量が3.5重量%を超える場合は、明度が低くなりすぎホワイトの色特性を満たせなくなる。1重量%未満の場合は明度が目的の値よりも高くなってしまいホワイトの色特性を満たせない。
また、赤色顔料が40重量%を超える場合は、明度が低くなりすぎホワイトの色特性を満たせなくなってしまう。18重量%未満の場合は明度が目的の値よりも高くなってしまいホワイトの色特性を満たせない。
また、黄色顔料もしくは赤色顔料の含有量が上記の範囲を超える場合は色がAdobe RGBの色に合わすことが出来ない場合もある。
【0026】
さらに、紫色顔料を含有する場合には、顔料全体を基準として5重量%以下の範囲で含有すると、色濃度が高く、所望の色度における塗膜の膜厚を薄くすることができるためにより好ましい。好ましくは0.1重量%以上5重量%以下である。
【0027】
着色組成物における、顔料(A)の含有量は、全固形分100重量%中、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、又、通常95重量%以下、好ましくは85重量%以下である。顔料(A)の割合が少な過ぎると、色濃度に対する膜厚が大きくなり過ぎて、液晶セル化の際のギャップ制御等に悪影響を及ぼすおそれがある。一方で、逆に顔料の割合が多過ぎると分散安定性が得られ難い場合がある。
【0028】
(顔料の微細化)
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることができる。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化し、顔料の一次粒子径を20〜50nmの範囲とすることができる。平均一次粒子径が20nm未満の場合は顔料分散が難しくなる場合がある。また、平均一次粒子径が50nmを超えると、コントラスト比や明度が低下する場合がある。すなわち平均一次粒子径が大きくなることで、バックライトの光が散乱し偏光板がクロスの時に漏れ光が発生するためコントラスト比低下につながる。また、透過率が下がることから明度の低下にも影響する。
【0029】
なお、顔料の平均一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
【0030】
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
【0031】
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
【0032】
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
【0033】
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
【0034】
<バインダー樹脂(B)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に含まれるバインダー樹脂(B)は、顔料を分散するものであって、例えば、熱可塑性樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂(B)は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
【0035】
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0036】
酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性置換基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性置換基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性置換基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性置換基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
【0037】
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
【0038】
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
【0039】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0040】
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
【0041】
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
【0042】
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
【0043】
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
【0044】
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
【0045】
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
【0046】
顔料を好ましく分散させるためには、バインダー樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
【0047】
また、顔料の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、顔料吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、顔料担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
【0048】
バインダー樹脂(B)は、成膜性および諸耐性が良好なことから、顔料(A)の全重量100重量部に対して、30重量部以上の量で用いることが好ましく、顔料濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。より好ましくは100〜400重量部。さらに好ましくは160〜320重量部である。このような顔料の構成比率により色度領域を広げることができる。
【0049】
<溶剤(C)>
溶剤は、ガラス基板等の基板上に本発明の着色組成物を乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。
溶剤としては、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、P−クロロトルエン、P−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、及び二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0050】
溶剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、800〜4000重量部の量で用いることが、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから好ましい。
【0051】
<光重合開始剤(D)>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤(D)を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
【0052】
光重合開始剤(D)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0053】
光重合開始剤(D)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
【0054】
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0055】
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
【0056】
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤(D)100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
【0057】
<光重合性化合物>
本発明に用いる光重合性化合物には、紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
光重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0058】
光重合性単量体の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、10〜300重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜200重量部であることがより好ましい。
【0059】
<多官能チオール>
本発明の着色組成物は、多官能チオールを含有することができる。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物である。
多官能チオールは上述の光重合開始剤(E)とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる感光性着色組成物は高感度となる。特にSH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。
【0060】
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0061】
多官能チオールの含有量は、顔料(A)100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。
多官能チオールを0.05重量部以上用いることで、より良い現像耐性を得ることができる。チオール(SH)基が1個の単官能チオールを用いた場合には、このような現像耐性の向上は得られない。
【0062】
<紫外線吸収剤>
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。
【0063】
紫外線吸収剤としては、例えば2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチレート系、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(トリアセトン−アミン−N−オキシル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]等のヒンダードアミン系等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0064】
紫外線吸収剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
紫外線吸収剤を0.01重量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
【0065】
<重合禁止剤>
本発明の着色組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。
【0066】
重合禁止剤としては、例えばメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ベンゾキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン誘導体およびフェノール化合物、フェノチアジン、ビス−(1−ジメチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のアミン化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン等の銅およびマンガン塩化合物、4−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物およびそのアンモニウム塩またはアルミニウム塩等が挙げられる。
これらの重合禁止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0067】
重合禁止剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
重合禁止剤を0.01重量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
【0068】
<貯蔵安定剤>
本発明の着色組成物は、貯蔵安定剤を含有することができる。貯蔵安定剤を含有することで、組成物の経時粘度を安定化させることができる。
貯蔵安定剤としては、例えば2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、ペンタエリスチリル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)1,3,5−トリアジン等のヒンダードフェノール系、テトラエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン系、ジメチルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸モリブデン等の亜リン酸塩系、ドデシルスルフィド、ベンゾチオフェンなどのイオウ系、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル等が挙げられる。
これらの貯蔵安定剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0069】
貯蔵安定剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
貯蔵安定剤を0.01重量部以上用いることで、着色組成物の経時安定性が向上する。
【0070】
<その他の成分>
本発明の着色組成物には、透明基板等との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤、または溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
【0071】
密着向上剤としては、例えばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。
これらの密着向上剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0072】
密着向上剤は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
【0073】
アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
これらのアミン系化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0074】
<着色組成物の製法>
本発明の着色組成物は、顔料(A)をバインダー樹脂(B)などの顔料担体および/または溶剤中に、必要に応じて分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して顔料分散体を製造し、該顔料分散体に光重合開始剤(D)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物、場合によって増感剤、多官能チオール、紫外線吸収剤、重合禁止剤、貯蔵安定剤、溶剤、その他成分を混合攪拌して製造することができる。また、主顔料である青色顔料ろ調色顔料である黄色顔料および赤色顔料等とは、各顔料分散体を別々に顔料担体および/または溶剤中に微細に分散したものを混合し、さらに光重合開始剤や光重合性化合物等を混合攪拌して製造することができる。
【0075】
(分散助剤)
顔料(A)を顔料担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
【0076】
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
【0077】
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、顔料(A)100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
【0078】
樹脂型分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0079】
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
【0080】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0081】
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、顔料(A)100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
【0082】
<粗大粒子の除去>
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0083】
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基材上に、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物から形成されてなる青色フィルタセグメントを備えるものである。
カラーフィルタは、ブラックマトリックスと、赤色、緑色、青色のフィルタセグメントとを備えることができる。前記フィルタセグメントは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、または黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
【0084】
次に、カラーフィルタセグメントとして、ともに使用する赤色、および緑色着色組成物について、使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
【0085】
赤色フィルタセグメントは、通常の赤色着色組成物を用いて形成することができる。赤色着色組成物に用いることができる赤色顔料としては、本願の青色着色組成物に用いる赤色顔料で記載したものと同じものを用いることができる。好ましくは、C.I.ピグメントレッド177、または254等である。
赤色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。用いることのできる黄色顔料としては、本願の青色着色組成物に用いる黄色顔料で記載したものと同じものを用いることができる。
【0086】
緑色フィルタセグメントは、通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色着色組成物は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、または58等の緑色顔料を用いて得られる組成物である。緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。用いることのできる黄色顔料としては、本願の青色着色組成物に用いる黄色顔料で記載したものと同じものを用いることができる。また、C.I.ピグメントブルー15:3を併用することもできる。
【0087】
透明基板等の基材としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
【0088】
フィルタセグメントの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
【0089】
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
【0090】
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメントの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いフィルタセグメントが形成できる。
【0091】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0092】
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
【0093】
本発明の着色組成物は上記記載のいずれの方法にも用いることが出来るが、フォトリソグラフィー法に最も適している。
【0094】
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜等が形成される。
【0095】
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
【0096】
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
【0097】
また、液晶表示装置におけるバックライトとしては、冷陰極管タイプバックライト、無機材料を用いた発光ダイオードや白色有機EL素子を用いた、2波長ピークの擬似白色バックライトや3波長ピークのバックライトなどがあげられる。LEDを光源とするバックライトユニットとしては、光源から各ピーク波長特性をブロードにした複数の波長の光を出射する装置や、赤色光、緑色光、青色光を混色し白色光とした三波長域発光型LEDランプ装置等があり、本願のカラーフィルタは、いずれのバックライトでも用いることができる。
【0098】
LED白色バックライトとしては、例えば日亜化学製のNSPW500GS−K1などがある。
特に好ましくは、色度範囲、色温度や低消費電力の観点からLEDを光源とするバックライトを用いることが好ましい。
【実施例】
【0099】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
【0100】
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法は以下の通りである。
【0101】
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
【0102】
続いて、実施例および比較例で用いた微細化顔料の製造方法と、バインダー樹脂(B)溶液の製造方法と、樹脂型分散剤溶液の調整方法と、顔料分散体の製造方法と、赤色感光性着色組成物および緑色感光性着色組成物の製造方法とについて説明する。
【0103】
<微細化顔料の製造方法>
(微細化PB15:6顔料(PB15:6−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化青色顔料(PB15:6−1)を得た。
【0104】
(微細化PY150顔料(PY150−1))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。
【0105】
(微細化PY138顔料(PY138−1))
黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 138(BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY138−1)を得た。
【0106】
(微細化PY139顔料(PY139−1))
アゾ系黄色顔料C.I. ピグメントイエロー139(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、アゾ系の微細化黄色顔料(PY139−1)を得た。
【0107】
(微細化PR177顔料(PR177−1)の製造)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、アントラキノン系の微細化赤色顔料(PR177−1)を得た。
【0108】
(微細化PR254顔料(PR254−1)の製造)
ジケトピロロピロール顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化ジケトピロロピロール顔料(PR254−1)を得た。
【0109】
(微細化PV23顔料(PV23−1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット 23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼乾燥し、ジオキサジン系の紫色微細化紫色顔料(PV23−1)を得た。
【0110】
(微細化PG58顔料(PG58−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。
【0111】
<バインダー樹脂(B)溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液(B−1))
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコに、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30重量%、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してアルカリ可溶性樹脂である、アクリル樹脂溶液(B−1)を得た。
【0112】
<樹脂型分散剤溶液の調製>
(樹脂型分散剤溶液1)
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1として使用した。
【0113】
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(P−1);PB15:6)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(P−1)を作製した。
微細化PB15:6顔料(PB15:6−1) :12.0部
アクリル樹脂溶液(B−1) :14.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :68.0部
樹脂型分散剤溶液1 : 5.5部
【0114】
(顔料分散体(P−2〜P−8))
微細化顔料を表1に示す微細化顔料に変えた以外は、顔料分散体(P−1)と同様にして顔料分散体(P−2〜P−8)を得た。
【0115】
【表1】
【0116】
<赤色感光性着色組成物および緑色感光性着色組成物の製造方法>
(赤色感光性着色組成物(RR−1))
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、赤色着色組成物(RR−1)を作製した。
顔料分散体(P−6);PR254 :64.07部
顔料分散体(P−5);PR177 : 2.6 部
アクリル樹脂溶液(B−1) : 2.92部
光重合性単量体 (東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 4.0 部
ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア OXE−02」) : 1.5 部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :24.91部
【0117】
(緑色感光性着色組成物(RG−1)の作製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、緑色着色組成物(RG−1)を作製した。
顔料分散体(P−8);PG58 :37.34部
顔料分散体(P−1);PB15:6 :29.33部
アクリル樹脂溶液(B−1) : 2.92部
光重合性単量体 (東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 4.0 部
ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア OXE−02」) : 1.5 部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :24.91部
【0118】
<青色着色組成物>
[実施例1]
(青色着色組成物(RB−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色着色組成物着色組成物(RB−1)を作製した。
顔料分散体(P−1);PB15:6 :49.33部(74.0%)
顔料分散体(P−2);PY150 : 0.67部( 1.0%)
顔料分散体(P−3);PR177 :16.67部(25.0%)
アクリル樹脂溶液(B−1) : 2.92部
光重合性単量体 : 4.0 部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
光重合開始剤 : 1.5部
(BASF社製「イルガキュア OXE−02」)
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :24.91部
【0119】
[実施例2〜14、比較例1〜7]
(青色着色組成物(RB−2〜21))
顔料分散体の種類と顔料分散体の合計の66.67部中の含有比率(重量%)を表2に示すように変えた以外は、青色着色組成物(RB−1)と同様にして青色着色組成物(RB−2〜19)を得た。
【0120】
【表2】
【0121】
<塗膜作製と青色着色組成物の評価>
得られた青色着色組成物(RB−1〜21)を用いて青色塗膜を作製し、明度、膜厚の評価を下記方法で行った。表3に評価結果を示す。
【0122】
(明度、膜厚評価)
青色着色組成物(RB−1〜19)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で20分加熱して得られた基板の色度が、日亜化学製のNSPW500GS−K1の光源においてx=0.150、y=0.060になるような塗布基板を得た。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。得られた基板の膜厚は、アルバック販売株式会社製「触針式表面形状測定器 DekTak 8」で測定した。膜厚および明度の評価基準は下記のとおりである。評価結果において、○は良好であり、△は使用上問題ないレベル、×は使用することができない状態に相当する。
なお、明度(Y)がx=0.150、y=0.060において0.9以上3.48以下であれば、カラーフィルタとしたときのAdobe RGBの規格を満たし、かつホワイトバランスに優れたものとなる。
膜厚
○ ・・・ 2.1μm未満
△ ・・・ 2.1μm以上2.6μm以下
× ・・・ 2.6μmより大きい
明度(Y)
○ ・・・ 2.46以上3.48以下
△ ・・・ 0.9以上2.46未満
× ・・・ 0.9より小さい、または3.48より大きい
【0123】
【表3】
【0124】
顔料(A)の主顔料が青色顔料であり、調色顔料として、黄色顔料を顔料全体の含有量を基準として1〜3.5重量%、及び赤色顔料を顔料全体の含有量を基準として18〜40重量%の範囲で含有することで、薄膜であってもAdobe RGBの規格を満たし、かつホワイトバランスにも優れた効果を有する明度を有する青色着色組成物であった。
【0125】
中でも、顔料(A)がさらに紫色顔料を有することで塗膜の膜厚を薄くすることに優れていた。
【0126】
表3に示すように、比較例6、7の青色着色組成物(RB−20、21)は、狙いとするx=0.150、y=0.060の塗膜を得ることができなかった。
【0127】
<カラーフィルタ>
[実施例15]
(カラーフィルタ(CF−1))
本発明の赤色着色組成物(RR−1)をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されているガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。
その後、この基板を23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で20分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の着色画素層を形成した。
次に、緑色着色組成物(RG−1)を使用し、赤色着色画素層と同様にして緑色着色画素層を形成し、さらに、青色着色組成物(RB−1)を用いて赤色着色画素層と同様にして青色着色画素層を形成し、カラーフィルタを得た。
【0128】
[実施例16〜28、比較例9〜13]
(カラーフィルタ(CF−2〜19))
青色着色組成物(RB−1)を表5に示すように変えた以外は、カラーフィルタ(CF−1)と同様にしてカラーフィルタ(CF−2〜19)を得た。
【0129】
<カラーフィルタの評価>
得られたカラーフィルタを用い、各色の色度(x、y、Y)から求めたホワイトの色温度の計算結果を表5に示す。
緑色と赤色のフィルタセグメントについての日亜化学製のNSPW500GS−K1の光源における色度の測定結果は表4に示すとおりである。
また、ホワイトの色温度(K)の評価基準は下記のとおりである。
なお、評価結果において、○は良好であり、△は使用上問題ないレベル、×、××は使用することができない状態に相当する。
色温度(K)
○ ・・・ 5200K以上6500K未満
△ ・・・ 3850K以上5200K未満
× ・・・ 3850K未満、または6500以上10000未満
××・・・ 10000以上
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
表5に示すように、本発明の青色着色組成物を用いることにより、Adobe RGBの色空間規格を変更することなくホワイトを目標の色温度に調整することが可能なカラーフィルタを得ることが出来た。
【0133】
なお、青色着色組成物(RB−20、21)では、狙いとするx=0.150、y=0.060の塗膜を得ることができないために、Adobe RGBの規格を満たすカラーフィルタを得ることはできなかった。