(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記直流電力生成制御部は、前記感知された無線電力伝送状態に基づいて前記直流電力生成制御信号のデューティー率を変更することを特徴とする、請求項2に記載の無線電力送信装置。
前記感知部は、前記直流−直流変換部の出力電流のピーク−ツウ−ピーク大きさに基づいて前記無線電力伝送状態を感知することを特徴とする、請求項1乃至5のうち、いずれか1項に記載の無線電力送信装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかしながら、本発明はさまざまな相異する形態で具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書の全体を通じて類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0014】
また、どの部分がどの構成要素を“含む”とする時、これは特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外するものでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
以下、
図1乃至
図4を参考して本発明の一実施形態に従う無線電力伝送システムを説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に従う無線電力伝送システムを説明するための図である。
【0017】
図1を参考すると、無線電力伝送システムは、電力供給装置100、無線電力送信装置200、無線電力受信装置300、及び負荷400を含むことができる。
【0018】
一実施形態において、電力供給装置100は無線電力送信装置200に含まれることができる。
【0019】
無線電力送信装置200は、送信誘導コイル部210及び送信共振コイル部220を含むことができる。
【0020】
無線電力受信装置300は、受信共振コイル部310、受信誘導コイル部320、及び整流部330を含むことができる。
【0021】
電力供給装置100の両端は送信誘導コイル部210の両端と連結される。
【0022】
送信共振コイル部220は、送信誘導コイル部210と一定の距離を置いて配置できる。
【0023】
受信共振コイル部310は、受信誘導コイル部320と一定の距離を置いて配置できる。
【0024】
受信誘導コイル部320の両端は整流部330の両端と連結され、負荷400は整流部330の両端に連結される。一実施形態において、負荷400は無線電力受信装置300に含まれることができる。
【0025】
電力供給装置100で生成された電力は無線電力送信装置200に伝達され、無線電力送信装置200に伝達された電力は共振現象により無線電力送信装置200と共振をなす、即ち、共振周波数値が同一な無線電力受信装置300に伝達される。
【0026】
以下、より具体的に電力伝送過程を説明する。
【0027】
電力供給装置100は、所定周波数を有する交流電力を生成して無線電力送信装置200に伝達する。
【0028】
送信誘導コイル部210と送信共振コイル部220とは誘導結合されている。即ち、送信誘導コイル部210は、電力供給装置100から供給を受けた電力により交流電流が流れれば、電磁気誘導により物理的に離隔している送信共振コイル部220にも交流電流が誘導される。
【0029】
その後、送信共振コイル部220に伝達された電力は共振により無線電力送信装置200と共振回路をなす無線電力受信装置300に伝達される。
【0030】
インピーダンスがマッチングされた2つのLC回路の間は共振により電力が伝送できる。このような共振による電力伝送は電磁気誘導による電力伝送より遠い距離まで、より高い効率で電力伝達が可能である。
【0031】
受信共振コイル部310は、送信共振コイル部220から共振により電力を受信する。受信された電力により受信共振コイル部310には交流電流が流れる。受信共振コイル部310に伝達された電力は電磁気誘導により受信共振コイル部310と誘導結合された受信誘導コイル部320に伝達される。受信誘導コイル部320に伝達された電力は整流部330を通じて整流されて負荷400に伝達される。
【0032】
一実施形態において、送信誘導コイル部210、送信共振コイル部220、受信共振コイル部310、及び受信誘導コイル部320は、円形、楕円形、四角形などの形状を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0033】
無線電力送信装置200の送信共振コイル部220は、磁場を通じて無線電力受信装置300の受信共振コイル部310に電力を伝送することができる。
【0034】
具体的に、送信共振コイル部220と受信共振コイル部310とは共振周波数で動作するように共振結合されている。
【0035】
送信共振コイル部220と受信共振コイル部310との共振結合により、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送効率は格段に向上できる。
【0036】
無線電力伝送において、品質指数(Quality Factor)と結合係数(Coupling Coefficient)は重要な意味を有する。即ち、電力伝送効率は品質指数及び結合係数が大きい値を有するほど向上できる。
【0037】
品質指数(Quality Factor)は、無線電力送信装置200または無線電力受信装置300の付近に縮尺できるエネルギーの指標を意味することができる。
【0038】
品質指数(Quality Factor)は、動作周波数(w)、コイルの形状、寸法、素材などによって変わることができる。品質指数は、数式でQ=w*L/Rのように表現できる。Lはコイルのインダクタンスであり、Rはコイル自体で発生する電力損失量に該当する抵抗を意味する。
【0039】
品質指数(Quality Factor)は0で無限帯の値を有することができ、品質指数が大きいほど無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送効率が向上できる。
【0040】
結合係数(Coupling Coefficient)は送信側コイルと受信側コイルとの間の磁気的結合の程度を意味するものであって、0から1の範囲を有する。
【0041】
結合係数(Coupling Coefficient)は、送信側コイルと受信側コイルとの相対的な位置や距離などによって変わることができる。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態に従う送信誘導コイル部210の等価回路図である。
【0043】
図2に示すように、送信誘導コイル部210は、送信誘導コイルL1とキャパシタC1を含み、これらにより適切なインダクタンスとキャパシタンス値を有する回路を構成するようになる。
【0044】
送信誘導コイル部210は、送信誘導コイルL1の両端がキャパシタC1の両端に連結された等価回路で構成できる。即ち、送信誘導コイル部210は、インダクタL1とキャパシタC1とが並列に連結された等価回路で構成できる。
【0045】
キャパシタC1は可変キャパシタであることがあり、キャパシタC1のキャパシタンスが調節されるにつれて、インピーダンスマッチングが遂行できる。送信共振コイル部220、受信共振コイル部310、受信誘導コイル部320の等価回路図も
図2に図示されたものと同一である。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に従う電力供給装置100と無線電力送信装置200の等価回路図である。
【0047】
図3に示すように、送信誘導コイル部210は所定のインダクタンス値を有する送信誘導コイルL1と所定のキャパシタンス値を有するキャパシタC1とを含む。送信共振コイル部220は、所定のインダクタンス値を有する送信共振コイルL2と所定のキャパシタンス値を有するキャパシタC2とを含む。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態に従う無線電力受信装置300の等価回路図である。
【0049】
図4に示すように、受信共振コイル部310は、所定のインダクタンス値を有する受信共振コイルL3と所定のキャパシタンス値を有するキャパシタC3とを含む。受信誘導コイル部320は、所定のインダクタンス値を有する受信誘導コイルL4と所定のキャパシタンス値を有するキャパシタC4とを含む。
【0050】
整流部330は、受信誘導コイル部320から伝達を受けた交流電力を直流電力に変換して、変換された直流電力を負荷400に伝達することができる。
【0051】
具体的に、整流部330は整流器と平滑回路とを含むことができる。一実施形態において、整流器はシリコン整流器が使われることができ、
図4に示すように、ダイオードD1で等価化できる。
【0052】
整流器は、受信誘導コイル部320から伝達を受けた交流電力を直流電力に変換することができる。
【0053】
平滑回路は、整流器で変換された直流電力に含まれた交流成分を除去して滑らかな直流電力を出力することができる。一実施形態において、平滑回路は
図4に示すように、整流キャパシタC5が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0054】
負荷400は、直流電力を必要とする任意の充電池または装置でありうる。例えば、負荷400はバッテリーを意味することができる。
【0055】
無線電力受信装置300は、携帯電話、ノートブック、マウスなど、電力を必要とする電子機器に装着できる。これによって、受信共振コイル部310及び受信誘導コイル部320は、電子機器の形態に合う形状を有することができる。
【0056】
無線電力送信装置200は、無線電力受信装置300とインバンド(In band)またはアウトオブバンド(out of band)通信を用いて情報を交換することができる。
【0057】
インバンド(In band)通信は、無線電力伝送に使われる周波数を有する信号を用いて無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の情報を交換する通信を意味することができる。無線電力受信装置300はスイッチをさらに含むことができ、上記スイッチのスイッチング動作を通じて無線電力送信装置200から送信される電力を受信するか、受信しないことがある。これによって、無線電力送信装置200は無線電力送信装置200で消耗される電力量を検出して無線電力受信装置300に含まれたスイッチのオンまたはオフ信号を認識することができる。
【0058】
具体的に、無線電力受信装置300は抵抗とスイッチを用いて抵抗で吸収する電力量を変化させて無線電力送信装置200で消耗される電力を変更させることができる。無線電力送信装置200は、上記消耗される電力の変化を感知して無線電力受信装置300の状態情報を獲得することができる。スイッチと抵抗は直列に連結できる。一実施形態において、無線電力受信装置300の状態情報は無線電力受信装置300の現在充電量、充電量の推移に対する情報を含むことができる。
【0059】
より具体的に説明すると、スイッチが開放されれば、抵抗が吸収する電力は0となり、無線電力送信装置200で消耗される電力も減少する。
【0060】
スイッチが短絡されれば、抵抗が吸収する電力は0より大きくなり、無線電力送信装置200で消耗される電力は増加する。無線電力受信装置でこのような動作を繰り返すと、無線電力送信装置200は無線電力送信装置200で消耗される電力を検出して無線電力受信装置300とディジタル通信を遂行することができる。
【0061】
無線電力送信装置200は、上記のような動作によって無線電力受信装置300の状態情報を受信し、それに適合した電力を送信することができる。
【0062】
これとは反対に、無線電力送信装置200側に抵抗とスイッチを具備して無線電力送信装置200の状態情報を無線電力受信装置300に伝送することも可能である。一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力送信装置200が伝送することができる最大供給電力量、無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数、及び無線電力送信装置200の使用可能な電力量に対する情報を含むことができる。
【0063】
次に、アウトオブバンド通信について説明する。
【0064】
アウトオブバンド通信は、共振周波数帯域でない別途の周波数帯域を用いて電力伝送に必要な情報を交換する通信をいう。無線電力送信装置200と無線電力受信装置300とはアウトオブバンド通信モジュールを装着して電力伝送に必要な情報を交換することができる。上記アウトオブバンド通信モジュールは電力供給装置に装着されることもできる。一実施形態において、アウトオブバンド通信モジュールはブルートゥース(登録商標)、ジグビー、無線LAN、NFC(Near Field Communication)のような近距離通信方式を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0065】
次に、
図5乃至
図10を参考して本発明の一実施形態に従う電力供給装置100を説明する。
【0066】
図5は、本発明の一実施形態に従う電力供給装置のブロック図である。
【0067】
図5に示すように、本発明の一実施形態に従う電力供給装置100は、給電部110、発振器130、交流電力生成部150、電力伝送状態感知部180、及び送信電力制御部190を含み、電力供給装置100は無線電力送信装置200と連結される。
【0068】
給電部110は、直流電圧を有する電力である直流電力を生成して出力端に出力する。
【0069】
発振器130は、小電力サイン波を生成する。
【0070】
電力伝送状態感知部180は、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の無線電力伝送状態を感知する。
【0071】
送信電力制御部190は、感知された無線電力伝送状態に基づいて交流電力生成部150を制御するための制御信号を生成する。
【0072】
交流電力生成部150は、送信電力制御部190の制御信号に基づいて給電部110の直流電力を用いて発振器130の小電力サイン波の電力を増幅して矩形波形状の電圧を有する交流電力を生成する。
【0073】
無線電力送信装置200は、交流電力生成部150の出力電力を共振により無線電力受信装置300に伝達する。
【0074】
図6は、本発明の一実施形態に従う交流電力生成部と送信電力制御部のブロック図である。
【0075】
図6に示すように、本発明の一実施形態に従う交流電力生成部150は、交流電力生成制御部151、直流−交流変換部153、及び直流−直流変換部155を含み、送信電力制御部190は、直流電力生成制御部191及び格納部192を含む。
【0076】
交流電力生成制御部151は、発振器130の小電力サイン波に基づいて交流電力生成制御信号を生成する。
【0077】
直流電力生成制御部191は、感知した無線電力伝送状態に基づいて直流−直流変換部155が目標電流範囲内の出力電流及び目標直流電圧を有する電力を出力できるようにする直流電力生成制御信号を生成する。
【0078】
格納部192は、ルックアップテーブルを格納する。
【0079】
直流−直流変換部155は、直流電力生成制御信号に基づいて給電部110の出力電力を目標電流範囲内の出力電流及び目標直流電圧を有する直流電力に変換する。
【0080】
直流−交流変換部153は、交流電力生成制御信号に基づいて直流−直流変換部155の出力電力を矩形波交流電圧を有する交流電力に変換して、送信誘導コイル部210に出力する。
【0081】
図7は、本発明の一実施形態に従う直流−直流変換部の回路図である。
【0082】
図7に示すように、直流−直流変換部155は、インダクタL11、電力スイッチT11、ダイオードD11、及びキャパシタC11を含む。電力スイッチT11は、トランジスタで具現されることができ、特に電力スイッチT11はN−チャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(n-channel metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:NMOSFET)であるが、同一な作用をすることができる他の素子に取り替えることができる。
【0083】
インダクタL11の一端は給電部110の出力端に連結され、他端は電力スイッチT11のドレイン電極に連結される。
【0084】
電力スイッチT11のゲート電極は、直流電力生成制御部191の出力端であるノード(A)に連結され、ソース電極はグラウンドに連結される。
【0085】
ダイオードD11のアノード電極は電力スイッチT11のドレイン電極に連結され、カソード電極はノード(B)に連結される。
【0086】
キャパシタC11の一端はダイオードD11のカソード電極に連結され、他端はグラウンドに連結される。
【0087】
図8は、本発明の一実施形態に従う直流−交流変換部と電力伝送状態感知部の回路図である。
【0088】
図8に示すように、直流−交流変換部153はハーフブリッジ構造のトランジスタ回路部を含み、ハーフブリッジトランジスタ回路部は、上側トランジスタT21、下側トランジスタT22、及び直流遮断キャパシタC21を含み、交流電力生成制御部151及び送信誘導コイル部210に連結される。電力伝送状態感知部180は、抵抗(R1)と電圧差測定部181を含み、直流−直流変換部155、直流−交流変換部153、及び直流電力生成制御部191に連結される。直流−交流変換部153は抵抗(R1)を通じて直流−直流変換部155に連結される。上側トランジスタT21と下側トランジスタT22はN−チャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(n-channel metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:NMOS)であるが、同一な作用をすることができる他の素子に取り替えることができる。
【0089】
交流電力生成制御部151は、上側トランジスタ制御信号出力端と下側トランジスタ制御信号出力端を有し、発振器130の小電力サイン波に基づいて交流電力生成制御信号を生成する。交流電力生成制御部151は、発振器130の小電力サイン波に基づいて上側トランジスタ制御信号を交流電力生成制御信号として生成し、上側トランジスタ制御信号出力端を通じて上側トランジスタ制御信号を出力する。交流電力生成制御部151は発振器130の小電力サイン波に基づいて下側トランジスタ制御信号を交流電力生成制御信号として生成し、下側トランジスタ制御信号出力端を通じて下側トランジスタ制御信号を出力する。
【0090】
上側トランジスタT21のドレイン電極は抵抗(R1)の一端に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部151の上側トランジスタ制御信号出力端に連結される。
【0091】
下側トランジスタT22のドレイン電極は上側トランジスタT21のソース電極に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部151の下側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極はグラウンドに連結される。
【0092】
直流遮断キャパシタC21の一端は上側トランジスタT21のソース電極に連結され、送信誘導コイルL1の一端に連結され。送信誘導コイルL1の他端はグラウンドに連結される。
【0093】
電圧差測定部181は抵抗(R1)の両端にかかる電圧の差を測定する。
【0094】
次に、
図9と
図10を参考して本発明の一実施形態に従う無線電力送信方法を説明する。
【0095】
図9は本発明の一実施形態に従う無線電力送信方法のフローチャートであり、
図10は本発明の一実施形態に従う電力供給装置内のノードの波形図である。
【0096】
特に、
図9は
図6乃至
図8の実施形態が具体化された無線電力送信方法である。
【0097】
給電部110は、直流電圧を有する電力である直流電力を生成する(S101)。特に、給電部110は交流電圧を有する交流電力を直流電圧を有する電力である直流電力に変換できる。
発振器130は、小電力サイン波を生成する(S103)。
【0098】
電力伝送状態感知部180は、無線電力伝送状態を感知する(S105)。電力伝送状態感知部180は、直流−直流変換部155の出力電流の大きさを無線電力伝送状態として感知することができる。抵抗(R1)の両端にかかる電圧は直流−直流変換部155の出力電流の大きさに比例するので、電力伝送状態感知部180の電圧差測定部181は抵抗(R1)の両端にかかる電圧の差を無線電力伝送状態として感知することができる。
【0099】
無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の距離や相対的な位置によって結合係数が変わり、無線電力伝送状態も変更できる。即ち、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間が遠ざかるほど結合係数は小さくなって無線電力伝送状態は悪くなることがある。無線電力伝送状態が悪くなるほど無線電力送信装置200が無線電力受信装置300に同一な電力を伝送しても伝送効率がよくないので、より大きい電力が消耗される。したがって、電力伝送状態感知部180は直流−直流変換部155の出力電流の大きさに基づいて無線電力伝送状態を感知することができる。
【0100】
直流−直流変換部155の出力電流は一定に維持されないことがあるので、電力伝送状態感知部180は直流−直流変換部155の出力ピーク−ツウ−ピーク電流の大きさを測定することもできる。
【0101】
直流電力生成制御部191は、感知した無線電力伝送状態に基づいて、直流−直流変換部155が目標電流範囲内の電流及び目標直流電圧を有する直流電力を出力できるようにする直流電力生成制御信号を生成して(S107)、トランジスタT11のゲート電極に出力する。この際、目標電流範囲は目標直流電圧の大きさに関わらず一定であることもあり、目標直流電圧の大きさによって可変することもできる。また、目標電流範囲は目標ピーク−ツウ−ピーク電流範囲でありうる。直流電力生成制御信号は、
図10に示すように、全区間で続くパルス幅変調(pulse width modulation:PWM)信号でありうる。直流電力生成制御部191は、感知した無線電力伝送状態に基づいてPWM信号のデューティー率を決定することができる。
【0102】
一実施形態において、電圧差測定部181は抵抗(R1)の両端の間の電圧差に基づいて測定出力電流値を得る。その後、測定出力電流値が基準範囲から外れた場合、直流電力生成制御部191はデューティー率を変更し、変更されたデューティー率を有するパルス幅変調信号の直流電力生成制御信号をトランジスタT11のゲート電極に出力して、直流−直流変換部155の出力電流値が基準範囲内にくるようにする。具体的に、測定出力電流値が基準範囲より大きい場合、直流電力生成制御部191はデューティー率を減少し、減少したデューティー率を有するパルス幅変調信号の直流電力生成制御信号をトランジスタT11のゲート電極に出力して、直流−直流変換部155の出力電流値が基準範囲内にくるようにする。また、測定出力電流値が基準範囲より小さい場合、直流電力生成制御部191はデューティー率を増加し、増加したデューティー率を有するパルス幅変調信号の直流電力生成制御信号をトランジスタT11のゲート電極に出力して、直流−直流変換部155の出力電流値が基準範囲内にくるようにする。
【0103】
更に他の実施形態において、格納部192は複数の測定出力電力値と複数の目標出力電圧値との間の関係を表すルックアップテーブルを有していることができる。<表1>は本発明の一実施形態に従う複数の測定出力電力値と複数の目標出力電圧値との間の関係を表すルックアップテーブルを表す。
【0105】
この際、電圧差測定部181は抵抗(R1)の両端の間の電圧差に基づいて測定出力電流値を得る。その後、直流電力生成制御部191は測定出力電流値に基づいて直流−直流変換部155の現在の出力電力である測定出力電力値を得て、測定出力電力値に該当する目標出力電圧値をルックアップテーブルで探し、直流−直流変換部155の出力電圧が目標出力電圧値になることができるようにノード(B)の電圧をフィードバック情報として用いてPWM信号のデューティー率を決定し、このデューティー率に従う直流電力生成制御信号を生成することができる。
【0106】
更に他の実施形態において、格納部192は複数の測定出力電流値と複数の目標出力電圧値との間の関係を表すルックアップテーブルを有していることができる。この際、電圧差測定部181は、抵抗(R1)の両端の間の電圧差に基づいて測定出力電流値を得る。その後、直流電力生成制御部191は測定出力電流値に該当する目標出力電圧値をルックアップテーブルで探し、直流−直流変換部155の出力電圧が目標出力電圧値になることができるようにノード(B)の電圧をフィードバック情報として用いてPWM信号のデューティー率を決定し、このデューティー率に従う直流電力生成制御信号を生成することができる。
【0107】
<表2>は、本発明の一実施形態に従うルックアップテーブルを表す。
【0109】
<表2>に表すように、格納部192には直流−直流変換部155の出力電流値、結合係数、直流−直流変換部155の出力電圧値、適正電流範囲を対応させるルックアップテーブルを有することができる。
【0110】
直流−直流変換部155が初期出力電圧値を有する直流電力を出力する時、直流−直流変換部155の出力電流の大きさが100mA以上の場合、無線電力受信装置300が検出されたことと見ることができる。初期出力電圧は12Vであるが、これは例示に過ぎない。
【0111】
仮に、直流−直流変換部155が初期出力電圧値を有する直流電力を出力する時、直流−直流変換部155の出力電流の大きさが120mAの場合、無線電力送信装置200の送信共振コイル部220と無線電力受信装置300の受信共振コイル部310との結合係数は0.05に該当する。この場合、直流電力生成制御部191は無線電力受信装置300が無線電力送信装置200から遠く離れてあることと判断し、直流−直流変換部155の出力電圧の大きさが28Vになるように直流−直流変換部155を制御する。
【0112】
その後、直流−直流変換部155の出力電圧の大きさが28Vに維持される場合、直流電力生成制御部191は直流−直流変換部155の出力電流の大きさが適正電流範囲(751〜800mA)を満たすかを確認する。
【0113】
仮に、直流−直流変換部155の出力電流の大きさが適正電流範囲から外れる場合、直流電力生成制御部191は直流−直流変換部155の出力電圧の大きさが初期出力電圧の大きさ(12V)になるように直流−直流変換部155を制御する。直流−直流変換部155の出力電流の大きさが180mAの場合、制御部270は120mAの場合より無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の距離がより近くなったと判断し、直流−直流変換部155の出力電圧の大きさが26Vになるように直流−直流変換部155を制御する。
【0114】
上記の例では無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との距離を電流の強さと関連して説明したが、その他にも無線電力送信装置200と無線電力受信装置300が置いてある方向など、多様な無線電力伝送状態が考慮できる。
【0115】
このように、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300との距離、方向など、多様な無線電力伝送状態を考慮して無線電力受信装置300に伝達する電力を調節することによって、電力伝送効率を極大化させることができ、電力損失を防止することができる。
【0116】
直流−直流変換部155は、直流電力生成制御信号に基づいて給電部110の出力電力を目標電流範囲内の出力電流及び目標直流電圧を有する直流電力に変換する(S109)。直流−直流変換部155の出力電圧の大きさは給電部110の出力電圧の大きさと同一であることもあり、給電部110の出力電圧の大きさより大きいか小さいことがある。
【0117】
交流電力生成制御部151は、発振器130の小電力サイン波に基づいて交流電力生成制御信号を生成する(S111)。交流電力生成制御部151は、発振器130の小電力サイン波に基づいて上側トランジスタ制御信号を交流電力生成制御信号として生成し、上側トランジスタ制御信号出力端を通じて上側トランジスタ制御信号を出力することができる。交流電力生成制御部151は、発振器130の小電力サイン波に基づいて下側トランジスタ制御信号を交流電力生成制御信号として生成し、下側トランジスタ制御信号出力端を通じて下側トランジスタ制御信号を出力することができる。
【0118】
図10を参考して上側トランジスタ制御信号及び下側トランジスタ制御信号を説明する。
【0119】
図10に示すように、上側トランジスタ制御信号及び下側トランジスタ制御信号は矩形波である。
【0120】
上側トランジスタ制御信号の一周期は、上側トランジスタT21のターンオンタイムスロット、上側トランジスタT21のターンオフタイムスロットを順次に含む。上側トランジスタT21のターンオンタイムスロットは発振器130の小電力サイン波の半周期に該当し、上側トランジスタT21のターンオフタイムスロットは小電力サイン波の残りの半周期に該当することができる。
【0121】
下側トランジスタ制御信号の一周期は、下側トランジスタT22のターンオンタイムスロット、下側トランジスタT22のターンオフタイムスロットを順次に含む。下側トランジスタT22のターンオンタイムスロットは小電力サイン波の半周期に該当し、下側トランジスタT22のターンオフタイムスロットは小電力サイン波の残りの半周期に該当することができる。
【0122】
上側トランジスタT21のターンオンタイムスロットで、上側トランジスタ制御信号は上側トランジスタT21をターンオンするためのレベルを有する。上側トランジスタT21をターンオンするためのレベルはハイレバルでありうる。
【0123】
上側トランジスタT21のターンオフタイムスロットで、上側トランジスタ制御信号は上側トランジスタT21をターンオフするためのレベルを有する。上側トランジスタT21をターンオフするためのレベルはローレベルでありうる。
【0124】
下側トランジスタT22のターンオンタイムスロットで、下側トランジスタ制御信号は下側トランジスタT22をターンオンするためのレベルを有する。下側トランジスタT22をターンオンするためのレベルはハイレバルでありうる。
【0125】
下側トランジスタT22のターンオフタイムスロットで、下側トランジスタ制御信号は上側トランジスタT22をターンオフするためのレベルを有する。下側トランジスタT22をターンオフするためのレベルはローレベルでありうる。
【0126】
上側トランジスタT21のターンオンタイムスロットで、下側トランジスタT22のターンオフタイムスロットの下側トランジスタ制御信号は下側トランジスタT22をターンオフするためのレベルを有する。
【0127】
下側トランジスタT22のターンオンタイムスロットで、上側トランジスタT21のターンオフタイムスロットの下側トランジスタ制御信号は下側トランジスタT22をターンオフするためのレベルを有する。
【0128】
上側トランジスタT21と下側トランジスタT22との同時ターンオンによるショートサーキットを防止するために、上側トランジスタ制御信号と下側トランジスタ制御信号はデッドタイムスロットを有することができる。
【0129】
50%デューティー率の矩形波電圧を有する電力を出力するために、上側トランジスタT21のターンオンタイムスロットは一周期(T)の(50−a)%の時間長さを有し、上側トランジスタT21のデッドタイムスロットは一周期(T)のa%の時間長さを有し、上側トランジスタT21のターンオフタイムスロットは50%の時間長さを有し、下側トランジスタT22のターンオンタイムスロットは一周期(T)の(50−a)%の時間長さを有し、下側トランジスタT22のデッドタイムスロットは一周期(T)のa%の時間長さを有し、下側トランジスタT22のターンオフタイムスロットは50%の時間長さを有することができる。例えば、ここでaは1%でありうる。
【0130】
直流−交流変換部153は、交流電力生成制御信号に基づいて直流−直流変換部155の出力電力を矩形波交流電圧を有する交流電力に変換して(S113)、送信誘導コイル部210に出力する。
【0131】
図10を参考して直流−交流変換部153の動作を説明する。
【0132】
デッドタイムスロットを有する上側トランジスタ制御信号と下側トランジスタ制御信号によって上側トランジスタT21と下側トランジスタT22は
図10に図示されたような矩形波電圧(V3)を有する矩形波電力を出力する。
【0133】
直流遮断キャパシタC21は、矩形波電力の直流電圧を遮断して矩形波交流電圧(V4)を有する矩形波交流電力を送信誘導コイル部210に出力する。
【0134】
無線電力送信装置200は、矩形波交流電圧を有する矩形波交流電力を共振により無線電力受信装置300に伝達する(S115)。
【0135】
次に、
図11乃至
図15を参考して本発明の更に他の実施形態に従う電力供給装置100を説明する。
【0136】
図11は、本発明の更に他の実施形態に従う電力供給装置のブロック図である。
【0137】
図11に示すように、本発明の更に他の実施形態に従う電力供給装置100は、給電部110、発振器130、交流電力生成部160、電力伝送状態感知部180、及び送信電力制御部190を含み、電力供給装置100は無線電力送信装置200と連結される。
【0138】
給電部110は、直流電圧を有する電力である直流電力を生成して出力端に出力する。
【0139】
発振器130は、小電力サイン波を生成する。
【0140】
電力伝送状態感知部180は、無線電力伝送状態を感知する。
【0141】
送信電力制御部190は、感知された無線電力伝送状態と発振器130の小電力サイン波に基づいて交流電力生成部160を制御するための制御信号を生成する。
【0142】
交流電力生成部160は、送信電力制御部190の制御信号に基づいて、給電部110の直流電力を用いて発振器130の小電力サイン波の電力を増幅して矩形波形状の電圧を有する交流電力を生成する。
【0143】
無線電力送信装置200は、交流電力生成部160の出力電力を共振により無線電力受信装置300に伝達する。
【0144】
図12は、本発明の更に他の実施形態に従う交流電力生成部と送信電力制御部のブロック図である。
【0145】
図12に示すように、本発明の一実施形態に従う交流電力生成部160は直流−交流変換部163を含み、送信電力制御部190は交流電力生成制御部193を含む。
【0146】
交流電力生成制御部193は、発振器130の小電力サイン波に基づいて交流電力生成制御信号を生成する。交流電力生成制御部193は、感知した無線電力伝送状態にさらに基づいて、給電部110が目標電流範囲内の出力電流を有する直流電力を出力できるようにする交流電力生成制御信号を生成することができる。目標電流範囲は目標ピーク−ツウ−ピーク電流範囲でありうる。
【0147】
直流−交流変換部163は、交流電力生成制御信号に基づいて給電部110の出力電力を矩形波交流電圧を有する交流電力に変換して、送信誘導コイル部210に出力する。
【0148】
図13は、本発明の更に他の実施形態に従う直流−交流変換部と電力伝送状態感知部の回路図である。
【0149】
図13に示すように、直流−交流変換部163はフルブリッジトランジスタ回路部を含み、このフルブリッジトランジスタ回路部は2つのハーフブリッジトランジスタ回路部を含む。2つのハーフブリッジトランジスタ回路部のうちの1つは上側トランジスタT41と下側トランジスタT42を含み、他の1つは上側トランジスタT44と下側トランジスタT43を含む。上側トランジスタT41、T44と下側トランジスタT42、T43は、N−チャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(n-channel metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:NMOS)であるが、同一な作用をすることができる他の素子に取り替えることができる。
【0150】
電力伝送状態感知部180は抵抗(R1)と電圧差測定部181を含み、給電部110、直流−交流変換部163、及び交流電力生成制御部193に連結される。直流−交流変換部163は抵抗(R1)を通じて給電部110に連結される。
【0151】
交流電力生成制御部193は、第1及び第2上側トランジスタ制御信号出力端と第1及び第2下側トランジスタ制御信号出力端を有し、発振器130の小電力サイン波と無線電力伝送状態に基づいて交流電力生成制御信号を生成する。
【0152】
上側トランジスタT41のドレイン電極は抵抗(R1)の一端に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第1上側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極は送信誘導コイルL1の一端に連結される。
【0153】
下側トランジスタT42のドレイン電極は上側トランジスタT41のソース電極に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第1下側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極はグラウンドに連結される。
【0154】
上側トランジスタT44のドレイン電極は抵抗(R1)の一端に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第2上側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極は送信誘導コイルL1の他端に連結される。
【0155】
下側トランジスタT43のドレイン電極は上側トランジスタT44のソース電極に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第2下側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極はグラウンドに連結される。
【0156】
電圧差測定部181は、抵抗(R1)の両端にかかる電圧の差を測定する。
【0157】
次に、
図14と
図15を参考して本発明の更に他の実施形態に従う無線電力送信方法を説明する。
【0158】
図14は本発明の更に他の実施形態に従う無線電力送信方法のフローチャートであり、
図15は本発明の更に他の実施形態に従う電力供給装置内のノードの波形図である。
【0159】
特に、
図14は
図11乃至
図13の実施形態が具体化された無線電力送信方法である。
【0160】
給電部110は、直流電圧を有する電力である直流電力を生成する(S301)。特に、給電部110は交流電圧を有する交流電力を直流電圧を有する電力である直流電力に変換することができる。
【0161】
発振器130は、小電力サイン波を生成する(S303)。
【0162】
電力伝送状態感知部180は、無線電力伝送状態を感知する(S305)。電力伝送状態感知部180は、給電部110の出力電流の大きさを無線電力伝送状態として感知することができる。抵抗(R1)の両端にかかる電圧は給電部110の出力電流の大きさに比例するので、電力伝送状態感知部180の電圧差測定部181は抵抗(R1)の両端にかかる電圧の差を無線電力伝送状態として感知することができる。給電部110の出力電流は一定に維持されないことがあるので、電力伝送状態感知部180は給電部110の出力ピーク−ツウ−ピーク電流の大きさを無線電力伝送状態として測定することもできる。
【0163】
交流電力生成制御部193は、感知した無線電力伝送状態に基づいて、給電部110が目標電流範囲内の出力電流を有する直流電力を出力できるようにする交流電力生成制御信号を生成して(S311)、直流−交流変換部163に出力する。給電部110の出力電流は一定に維持されないことがあるので、電力伝送状態感知部180は給電部110のピーク−ツウ−ピーク出力電流の大きさを測定することもできる。
【0164】
一実施形態において、交流電力生成制御部193は、感知した無線電力伝送状態に基づいて、直流−交流変換部163の動作モードを決定し、この動作モードのための交流電力生成制御信号を直流−交流変換部163に出力することができる。この際、動作モードはフルブリッジ動作モードとハーフブリッジ動作モードのうちの1つになることができる。電圧差測定部181は、抵抗(R1)の両端の間の電圧差に基づいて測定出力電流値を得る。直流電力生成制御部191は、測定出力電流値と基準値と比較して、比較結果によって直流−交流変換部163の動作モードを決定することができる。この際、基準値は初期出力電圧値によって設定されている<表2>の適正電流範囲でありうる。測定出力電流値が基準値より大きい場合、直流電力生成制御部191は直流−交流変換部163の動作モードをフルブリッジ動作モードに決定することができる。測定出力電流値が基準値より小さな場合、直流電力生成制御部191は直流−交流変換部163の動作モードをハーフブリッジ動作モードに決定することができる。
【0165】
ハーフブリッジ動作モードで、交流電力生成制御部193は2つのハーフブリッジトランジスタ回路部のうちの1つを動作させ、残りの1つの動作を中断させる。交流電力生成制御部193は動作が中断されるハーフブリッジトランジスタ回路部の上側トランジスタをターンオフさせ、下側トランジスタをターンオンさせる。交流電力生成制御部193は、動作させるハーフブリッジトランジスタ回路部に
図10を参考しながら説明したような制御信号を提供する。
【0166】
フルブリッジ動作モードで、交流電力生成制御部193は一周期の半分のための制御信号と残りの半分の周期のための制御信号とを交互に直流−交流変換部163に提供する。一周期の半分で、1つのハーフブリッジトランジスタ回路部の上側トランジスタT41はターンオンされ、下側トランジスタT42はターンオフされ、他の1つのハーフブリッジトランジスタ回路部の上側トランジスタT44はターンオフされ、下側トランジスタT43はターンオンされる。一周期の残りの半分で、1つのハーフブリッジトランジスタ回路部の上側トランジスタT41はターンオフされ、下側トランジスタT42はターンオンされ、他の1つのハーフブリッジトランジスタ回路部の上側トランジスタT44はターンオンされ、下側トランジスタT43はターンオフされる。2つのトランジスタ動作モードは発振器130の小電力サイン波に同期できる。上側トランジスタと下側トランジスタの同時ターンオンによるショートサーキットを防止するために、上側トランジスタ制御信号と下側トランジスタ制御信号はデッドタイムスロットを有することができる。
【0167】
更に他の実施形態において、電圧差測定部181は抵抗(R1)の両端の間の電圧差に基づいて測定出力電流値を得て、直流電力生成制御部191は測定出力電流値に基づいて給電部110の現在の出力電力である測定出力電力値を得て、この測定出力電力値に基づいて直流−交流変換部163の動作モードを決定することができる。この際、動作モードはフルブリッジ動作モードとハーフブリッジ動作モードのうちの1つになることができる。直流電力生成制御部191は測定出力電力値と基準値とを比較して、比較結果によって直流−交流変換部163の動作モードを決定することができる。この際、基準値は初期出力電圧値によって設定されている<表2>の適正電流範囲でありうる。測定出力電力値が基準値より大きい場合、直流電力生成制御部191は直流−交流変換部163の動作モードをフルブリッジ動作モードに決定することができる。測定出力電力値が基準値より小さな場合、直流電力生成制御部191は直流−交流変換部163の動作モードをハーフブリッジ動作モードに決定することができる。
【0168】
直流−交流変換部163は、交流電力生成制御信号に基づいて給電部110の出力電力を矩形波交流電圧(V3)を有する交流電力に変換して(S313)、送信誘導コイル部210に出力する。
【0169】
無線電力送信装置200は、矩形波交流電圧(V3)を有する矩形波交流電力を共振により無線電力受信装置300に伝達する(S315)。
【0170】
次に、
図16乃至
図19を参考して本発明の更に他の実施形態に従う電力供給装置100を説明する。
【0171】
図16は、本発明の更に他の実施形態に従う電力供給装置のブロック図である。
【0172】
図16に示すように、本発明の更に他の実施形態に従う電力供給装置100は、給電部110、発振器130、交流電力生成部170、電力伝送状態感知部180、及び送信電力制御部190を含み、電力供給装置100は無線電力送信装置200と連結される。
【0173】
給電部110は、直流電圧を有する電力である直流電力を生成して出力端に出力する。
【0174】
発振器130は、小電力サイン波を生成する。
【0175】
電力伝送状態感知部180は、無線電力伝送状態を感知する。
【0176】
送信電力制御部190は、感知された無線電力伝送状態と発振器130の小電力サイン波に基づいて交流電力生成部170を制御するための制御信号を生成する。
【0177】
交流電力生成部170は、送信電力制御部190の制御信号に基づいて、給電部110の直流電力を用いて発振器130の小電力サイン波の電力を増幅して矩形波形状の電圧を有する交流電力を生成する。
【0178】
無線電力送信装置200は、交流電力生成部170の出力電力を共振により無線電力受信装置300に伝達する。
【0179】
図17は、本発明の更に他の実施形態に従う交流電力生成部と送信電力制御部のブロック図である。
【0180】
図17に示すように、本発明の一実施形態に従う交流電力生成部170は直流−直流変換部175及び直流−交流変換部173を含み、送信電力制御部190は直流電力生成制御部191、格納部192、及び交流電力生成制御部193を含む。
【0181】
直流電力生成制御部191は、感知した無線電力伝送状態に基づいて、直流−直流変換部175が目標電流範囲内の出力電流及び目標直流電圧を有する直流電力を出力することができるようにする直流電力生成制御信号を生成する。
【0182】
格納部192は、ルックアップテーブルを格納する。
【0183】
直流−直流変換部175は、直流電力生成制御信号に基づいて給電部110の出力電力を目標電流範囲内の出力電流及び目標直流電圧を有する直流電力に変換する。
【0184】
交流電力生成制御部193は、発振器130の小電力サイン波に基づいて交流電力生成制御信号を生成する。交流電力生成制御部193は、感知した無線電力伝送状態にさらに基づいて、直流−直流変換部175が目標電流範囲内の出力電流を有する直流電力を出力することができるようにする交流電力生成制御信号を生成することができる。目標電流範囲は目標ピーク−ツウ−ピーク電流範囲でありうる。
【0185】
直流−交流変換部173は、交流電力生成制御信号に基づいて直流−直流変換部175の出力電力を矩形波形状電力に変換して、送信誘導コイル部210に出力する。
【0186】
図18は、本発明の更に他の実施形態に従う直流−交流変換部と電力伝送状態感知部の回路図である。
【0187】
図18に示すように、直流−交流変換部173はフルブリッジトランジスタ回路部を含み、このフルブリッジトランジスタ回路部は2つのハーフブリッジトランジスタ回路部を含む。2つのハーフブリッジトランジスタ回路部のうちの1つは上側トランジスタT61及び下側トランジスタT62を含み、他の1つは上側トランジスタT64及び下側トランジスタT63を含む。上側トランジスタT61、T64及び下側トランジスタT62、T63は、N−チャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(n-channel metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:NMOS)であるが、同一な作用をすることができる他の素子に取り替えることができる。
【0188】
電力伝送状態感知部180は抵抗(R1)及び電圧差測定部181を含み、直流−直流変換部175、直流−交流変換部173、及び交流電力生成制御部193に連結される。直流−交流変換部173は、抵抗(R1)を通じて直流−直流変換部175に連結される。
【0189】
交流電力生成制御部193は、第1及び第2上側トランジスタ制御信号出力端と第1及び第2下側トランジスタ制御信号出力端を有し、発振器130の小電力サイン波と無線電力伝送状態に基づいて交流電力生成制御信号を生成する。
【0190】
上側トランジスタT61のドレイン電極は抵抗(R1)の一端に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第1上側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極は送信誘導コイルL1の一端に連結される。
【0191】
下側トランジスタT62のドレイン電極は上側トランジスタT61のソース電極に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第1下側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極はグラウンドに連結される。
【0192】
上側トランジスタT64のドレイン電極は抵抗(R1)の一端に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第2上側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極は送信誘導コイルL1の他端に連結される。
【0193】
下側トランジスタT63のドレイン電極は上側トランジスタT64のソース電極に連結され、ゲート電極は交流電力生成制御部193の第2下側トランジスタ制御信号出力端に連結され、ソース電極はグラウンドに連結される。
【0194】
電圧差測定部181は、抵抗(R1)の両端にかかる電圧の差を測定する。
【0195】
次に、
図19を参考して本発明の更に他の実施形態に従う無線電力送信方法を説明する。
【0196】
図19は、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力送信方法のフローチャートである。
【0197】
特に、
図19は
図16乃至
図18の実施形態が具体化された無線電力送信方法である。
【0198】
給電部110は、直流電圧を有する電力である直流電力を生成する(S501)。特に、給電部110は交流電圧を有する交流電力を直流電圧を有する電力である直流電力に変換することができる。
【0199】
発振器130は、小電力サイン波を生成する(S503)。
【0200】
電力伝送状態感知部180は、無線電力伝送状態を感知する(S505)。電力伝送状態感知部180は、直流−直流変換部175の出力電流の大きさを電力伝送状態として感知することができる。抵抗(R1)の両端にかかる電圧は給電部110の出力電流の大きさに比例するので、電力伝送状態感知部180の電圧差測定部181は抵抗(R1)の両端にかかる電圧の差を無線電力伝送状態として感知することができる。直流−直流変換部175の出力電流は一定に維持されないことがあるので、電力伝送状態感知部180は直流−直流変換部175の出力ピーク−ツウ−ピーク電流の大きさを測定することもできる。
【0201】
直流電力生成制御部191は、感知した無線電力伝送状態に基づいて、直流−直流変換部175が目標電流範囲内の電流及び目標直流電圧を有する直流電力を出力できるようにする直流電力生成制御信号を生成して(S507)、トランジスタT11のゲート電極に出力する。ステップS507は、前述したステップS107により具体化できる。
【0202】
直流−直流変換部175は、直流電力生成制御信号に基づいて給電部110の出力電力を目標電流範囲内の出力電流及び目標直流電圧を有する直流電力に変換する(S509)。
【0203】
交流電力生成制御部193は、感知した無線電力伝送状態に基づいて、直流−直流変換部175が目標電流範囲内の出力電流を有する直流電力を出力できるようにする交流電力生成制御信号を生成して(S511)、直流−交流変換部173に出力する。ステップS511は前述したステップS311により具体化できる。
【0204】
直流−交流変換部173は、交流電力生成制御信号に基づいて給電部110の出力電力を矩形波交流電圧(V3)を有する交流電力に変換して(S513)、送信誘導コイル部210に出力する。
【0205】
無線電力送信装置200は、矩形波交流電圧(V3)を有する矩形波交流電力を共振により無線電力受信装置300に伝達する(S515)。
【0206】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるものではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0207】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するのでない。本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、多様な変形及び応用が可能であることが同業者にとって明らかである。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。