特許第6153612号(P6153612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6153612型枠台システムを積み重ねて操作されるリフトトラック及びその操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6153612
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】型枠台システムを積み重ねて操作されるリフトトラック及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 25/00 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   E04G25/00 Z
【請求項の数】22
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-524227(P2015-524227)
(86)(22)【出願日】2012年7月27日
(65)【公表番号】特表2015-524526(P2015-524526A)
(43)【公表日】2015年8月24日
(86)【国際出願番号】SG2012000274
(87)【国際公開番号】WO2014017980
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】515023475
【氏名又は名称】タン,イェオ クーン
(73)【特許権者】
【識別番号】515023486
【氏名又は名称】エスエイチ デザイン アンド ビルド ピーティーイー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(72)【発明者】
【氏名】タン,イェオ クーン
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04841708(US,A)
【文献】 特開平08−284439(JP,A)
【文献】 特開平06−158877(JP,A)
【文献】 特開昭57−096173(JP,A)
【文献】 特許第4623570(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 25/00 − 25/08
E04G 11/48 − 11/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠支持システムにおいて、
少なくとも1つの積層可能なトラスフレームを備え、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームは、他の積層可能なトラスフレームに積み重ねるために、使用されるリフティング手段による該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームの持ち上げを可能にするように構成されたリフティング手段係合具を備え、
該リフティング手段係合具は、使用される該リフティング手段の横方向の移動による係合が可能になるように構成されていることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項2】
請求項1に記載の型枠支持システムにおいて、
該リフティング手段係合具は、使用されるフォークリフトのフォークに係合するように構成されていることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項3】
請求項1に記載の型枠支持システムにおいて、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームに係合するように構成された高さ調整可能な着床手段を更に備え、
該高さ調整可能な着床手段は、低い設定と高い設定との間に設定することが可能であることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項4】
請求項3に記載の型枠支持システムにおいて、
該高さ調整可能な着床手段は、少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚を備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項5】
請求項4に記載の型枠支持システムにおいて、
該少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚は、伸縮自在であることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項6】
請求項4に記載の型枠支持システムにおいて、
該少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚は、ギヤ式の高さ調整機構を更に備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項7】
請求項6に記載の型枠支持システムにおいて、
該ギヤ式の高さ調整機構は、ウインチハンドルを備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項8】
請求項1に記載の型枠支持システムにおいて、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームは、使用される他の積層可能なトラスフレームが備える他の補助的なメカニカルインターロックと係合するように構成された補助的なメカニカルインターロックを更に備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項9】
請求項8に記載の型枠支持システムにおいて、
該補助的なメカニカルインターロックは、オス型とメス型のメカニカルインターロックで構成されることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項10】
請求項1に記載の型枠支持システムにおいて、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームと係合するように構成された型枠台を更に備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項11】
請求項10に記載の型枠支持システムにおいて、
該型枠台は、リフティング手段係合具を許容にするように間隔を空けた複数の梁を備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項12】
請求項3に記載の型枠支持システムにおいて、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームは、使用される他の積層可能なトラスフレームが備える他の補助的なメカニカルインターロックと係合するように構成された補助的なメカニカルインターロックを更に備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項13】
請求項12に記載の型枠支持システムにおいて、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームと係合するように構成された型枠台を更に備えることを特徴とする型枠支持システム。
【請求項14】
少なくとも1つの積層可能なトラスフレームを備えた型枠支持システムを組み立てる方法であって、
リフティング手段を使用して該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームのリフティング手段係合具を係合すること、及び、
他の積層可能なトラスフレームに積み重ねるために、該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームを持ち上げることを含み、
該リフティング手段係合具は、係合のステップにおいて該リフティング手段の横方向の移動による係合が可能になるように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームは、特定の高さの型枠支持システムを形成するために、該リフティングステップの後で、他の少なくとも1つの積層可能なトラスフレームの上に積み重ねられることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載の型枠支持システムを組み立てる方法において、
該リフティング手段は、2以上の積層可能なトラスフレームを含む積層体を形成する目的のために、該積層可能なトラスフレームを持ち上げるように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14乃至請求項16のいずれか1項に記載の方法において、
高さ調整着床手段を用いた結果として型枠支持システムの高さを調整するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項14乃至請求項17のいずれか1項に記載の方法において、
最上段の積層可能なトラスフレームの上に型枠台を供給するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
該型枠台は、使用されるリフティング手段の係合に用いられるように間隔を空けた梁を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
該間隔を空けた梁は、使用するフォークリフトのフォークを収容できるように間隔が空けられていることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項15又は請求項16に記載の方法において、
該少なくとも1つの積層可能なトラスフレームは、他の少なくとも1つの積層可能なトラスフレームと比べて高さが異なることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法において、
該高さ調整着床手段は、傾斜又は凸凹のフロア面を考慮するように構成されていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築及び建設のための天井型枠システムに関し、特に、計画された高さ及びその近くでの中間のフロアのコンクリート打設のために、一連の支持された型枠台を組み立てる型枠支持システム及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
型枠台を組み立てる従来の方法は、幾つかの手順を含む。例えば、縦と横のキャリアを保持する支持体の位置を決定するために、型枠の材料構成に関連する複雑な計算テーブルが使用される。位置をマーキングした後、支持体が組み立てられる。支持体を組み立てる間、追加の器材が支持体を水平にするために使用される。支持体を組み立てた後、型枠台はコンクリート打設するために支持体の上に配置される。このような従来の方法の問題点は、このような従来の方法は労働集約的であり、構造物の建設に大量の工数が必要となることである。上記の問題とは別に、このような従来の方法は、6メートル以上の高さにもなる高い天井のための高い支持体を組み立てるために労働者は高所に登る必要があるので、高所からの落下のような安全上の脅威ももたらす。
【0003】
更に、型枠台は、よく再利用される。具体的には、最初の場所で天井がコンクリート打設された後、型枠台は同じ階層の別の場所又は次の階層に搬送される。コンクリート打設された天井から型枠台が取り外されると、型枠台は、支持体の脚の近くのスクリュージャッキをハンマーで調整することによって低下させなければならず、時間が掛かり、ハンマーで叩くことで支持体の寿命も減少してしまう。クレーンが型枠台を揚げて次の場所へ移す際のプラットフォームに容易に搬送するために、型枠台を備えた高い支持体は、ジャッキベースをキャスターと入れ替えるべく、チェーンブロックを用いて傾けられる。高い型枠台の傾斜は、下にいる労働者の上に倒れ込む危険性がある。更に、キャスターを使用した型枠台の搬送は、4,5人が搬送に必要であり、それによって建設に更なる追加の工数が加えられる。高い型枠台を押すと、凸凹の地面のために倒れて搬送に携わる4,5人が危険にされされる可能性がある。
【0004】
上述の型枠システムの改良が、特許文献1,2の実施形態に示されている。後者は、通常の支持体を、縦材を支持する三脚に置き換えている。固定の位置は、複雑なテーブルを使用せずに支持体の縦と横のキャリアの上に指示される。後者は、基本的に型枠システムを簡素化し、トロリーや箱で材料を移動可能にしている。しかしながら、後者はまだ、作業において多くの人員が必要であり、更に、人の高さの上で任意の取付け作業を行う場合はいつも、落下の危険性に労働者が置かれることになる。より高い高さのためには、労働者は高所から落下する危険性を引き起こす更なる高所に登らなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0025563号明細書
【特許文献2】米国特許第6,176,463号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、型枠支持システムの建設における工数の削減と安全性の増加によって、既存の構成にある欠陥に対処し又は少なくとも実質的に改善するために作成された。本発明は、型枠台、少なくとも1つの積層可能なトラスフレーム、及び着床ギヤの3つの構成要素を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
型枠支持システムは、型枠台を備える。型枠台は、縦梁、フォークリフトの係合のために間隔を空けた横梁、及び上面層を備える。本明細書中の“フォークリフト”、“リフトトラック”等の用語は、任意の種類のフォークリフトトラックや持ち上げのアプリケーションに適合された類似の機械装置を指すことに留意すべきである。
【0008】
型枠支持システムは、少なくとも1つの積層可能なトラスフレームを更に備える。好ましい実施形態では、積層可能なトラスフレームは、略直方体であり、筋交によって支持される。リフティング手段係合具は、リフトトラックのアプリケーションのためにフレームの底部で統合される。フレームの縦の支持では、頂部にメス部があり底部にオス部があるメカニカルインターロックが結合され、これらはフレームの積み重ね能力を構成する。ベースフレームは、型枠台を水平にする動作を容易にするためにギヤボックスを備えた4つの調整可能な着床脚が取り付けられている。フレームの幅と高さの標準化は、システムの位置を定めるために複雑なテーブルを用いるシステムから、持ち上げと配置の動作だけが要求されるシステムまで、型枠システムを簡易化する。従って、支持体の数や支持体の間隔の計算違いのために崩壊する可能性を排除する。
【0009】
本発明は、一旦組み立てられたリフトトラックで十分に操作される。より高い高さに型枠台を組み立てる場合、型枠台は最初にフレームに取り付けられ、調整可能な着床脚が他のフレームに取り付けられ、計画した高さに到達するために、異なる高さのフレームの組み合わせが適宜積み重ねられる。本発明は、任意の高さに型枠台を組み立てることができるが、より高い高さに積み重ねるために最も有効である。本発明の積み重ね能力は、リフトトラックのアプリケーションに順応することに伴って、建設に使用する人員の数を大幅に減少させ、型枠台を組み立てるために高所から労働者が落下する危険性も減少する。
【0010】
本発明における調整可能な着床脚は、重い型枠台の水平化と高さの調整が容易になるギヤ機構を備える。着床ギヤの使用は、器材の窪みや歪みの原因となるハンマーで叩くことが無いので、器材の寿命を延ばすことができる。好ましい実施形態では、ギヤボックスは、より長いメンテナンス不要の操作のためにグリースで永続的に封止されている。
【0011】
上の階層に型枠台を組み立てるために搬送される下の階層の型枠台の解体の間に移行の時間とエネルギーがかかる。型枠台の解体は3つのステップに簡略化される。
第1に、天井から離すために着床ギヤを調整する。第2に、フレームの積み重ねのためにロックやピンがないので、天井から離した後で、持ち上げることで型枠台を簡単に解体することができる。最後に、個々のコンポーネントが、天井がコンクリート打設される次のエリア、又は次の階層に揚げられるクレーンのプラットフォームに搬送される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の利点は、費用、時間、工数、安全性、収納空間の節減である。ハンマーで叩くことが無いので、器材の寿命が延び、従って器材の維持費と人件費が節減される。組み立てのための搬送と解体が大幅に減少し、時間が節減される。重いものの持ち上げと搬送はリフトトラックですぐに行われるので、建設のために少ない労力で済む。部品の組み立てが人の高さで行われ、所望の高さに到達するための積層可能なトラスフレームの積み重ねはフォークリフトトラックで行われるので、労働者の安全性が向上する。本発明は、コンパクトな収納に有利な個々の部品までに分解することができる。
【0013】
本発明のより良い理解のために、幾つかの例示的な構成要素が、添付の図面を参照して以下に示される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態における型枠支持システムを示す図である。
図2図2は、本発明の好ましい実施形態における型枠支持フロアで支持する目的のために同じ場所に配置される多数の図1の型枠支持システムの下方からの斜視図である。
図3図3は、本発明の好ましい実施形態に係る型枠支持フロアで支持する目的のために同じ場所に配置される多数の図1の型枠支持システムの上方からの斜視図である。
図4図4は、本発明の好ましい実施形態における積層可能なトラスフレームと型枠台を更に詳細に示す型枠支持システムの拡大図である。
図5図5は、本発明の好ましい実施形態における図1の型枠支持システムの積層可能なトラスフレームの拡大図である。
図6図6は、本発明の好ましい実施形態における図1の型枠支持システムの積層可能なトラスフレームの拡大図である。
図7図7は、本発明の好ましい実施形態における図1の型枠支持システムの積層可能なトラスフレームの拡大図である。
図8図8は、本発明の好ましい実施形態におけるメカニカルインターロック装置で隣接する積層可能なトラスフレームを示す図である。
図9図9は、本発明の好ましい実施形態における積層可能なトラスフレームのリフティング手段係合具をより詳細に示す図である。
図10図10は、本発明の好ましい実施形態における積層可能なトラスフレームのリフティング手段係合具をより詳細に示す図である。
図11図11は、本発明の好ましい実施形態における図1の型枠支持システムの高さ調整着床手段をより詳細に示す図である。
図12図12は、本発明の好ましい実施形態における図1の積層可能なトラスフレームのメカニカルインターロック部をより詳細に示す図である。
図13図13は、本発明の好ましい実施形態における図1の積層可能なトラスフレームのメカニカルインターロック部をより詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
型枠支持システム
図1を参照すると、型枠を支持するための型枠支持システム100が示されている。
型枠支持システム100は、型枠を支持するための型枠台150を支持するように構成される。図2及び図3に示す実施例から明らかなように、型枠支持システム100は、型枠台150に対する所望の適用範囲を提供するために、他の型枠支持システムと同じ場所に構成される。隣接する型枠支持システム100は、更なる安定性を提供するために、使用時に互いに結合することができる。更に、隣接する型枠支持システム100は、コンクリート打設される領域の形状に応じて互いに結合することができる。
【0016】
図2を参照すると、連続的な型枠台150を形成するために割り当てられた共同設置の型枠支持システム100の下方からの斜視図が示されており、図3を参照すると、共同設置の型枠支持システム100の上方からの斜視図が示されている。一般的に、使用時に、隣接する型枠支持システム100は、安定性のために横方向に取り付けられたブレース(例えば、長いパイプ)によって結合される。
【0017】
図1を再び参照すると、型枠支持システム100は、少なくとも1つの積層可能なトラスフレーム105を備える。少なくとも1つの積層可能なトラスフレーム105は、可変的な数の積層可能なトラスフレームの105が可変的な高さで型枠台150を支持する際に使用できるように、積み重ねができるように構成される。このように、より高所に型枠台150を配置することが要求される場合に、より多くの積層可能なトラスフレーム105を所望の高さに到達するまで積み重ねることができる。
【0018】
好ましい実施形態では、積層可能なトラスフレーム105は、略直方体であり、縦トラス145、横トラス155及び筋交トラス115を備えている。積層可能なトラスフレーム105は、使用のための現場での組み立て及び搬送のための分解を提供するために、分解可能にすることができる。
【0019】
積層可能なトラスフレーム105は、用途に応じて様々な寸法を有するが、好ましい実施形態では、幅2m、高さ2m、奥行き2mである。一実施形態では、異なる高さを持つ積層可能なトラスフレーム105の積層体を特定の高さに到達する目的のために使用できるように、異なる高さの積層可能なトラスフレーム105を使用することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、積層可能なトラスフレーム105は分解可能である。図5を参照すると、積層可能なトラスフレーム105の種々の部分を固定するための固定手段505が示されている。この実施形態では、固定手段505はボルト締め可能なフランジプレートを備えているが、他の実施形態では、他の固定手段を用いるようにしてもよい。このように、固定手段505を用いて、積層可能なトラスフレーム105を、折り畳んだ形で搬送し、積み重ねて使用するために現場で組み立てることができる。
【0021】
使用時に、積層可能なトラスフレーム105は、フォークリフト等のリフティング手段を用いて所定の場所にセットすることができる。一つの方法として、積層可能なトラスフレーム105は、所望の高さに到達するために積層可能なトラスフレーム105の積層体の上に配置することができる。あるいは、他の方法として、積層可能なトラスフレーム105の積層体は、追加の積層可能なトラスフレーム105を積層体の下に配置できるように、リフティング手段によって持ち上げることができる。どちらの方法でも、積層可能なトラスフレーム105は、使用されるリフティング手段に結合するように構成されたリフティング手段結合部120を更に備える。種々のリフティング手段を用途に応じて使用することができるが、好ましい実施形態では、リフティング手段係合具120はフォークリフトに係合するように構成される。
【0022】
図9を参照すると、リフティング手段係合具120が更に詳細に示されている。図9に示す実施形態では、隣接する積み重ねられた積層可能なトラスフレーム105の間のリフティング手段係合具120が示されている。リフティング手段係合具120は、好ましくは、少なくとも1つの積み重ねたフレームの底部に配置され、それによって、積み重ねたフレームをフォークリフトが提供できる最大限の高さに持ち上げることが可能になる。フォークリフトのフォークと係合できるようにするために、リフティング手段係合具120は、第1及び第2の水平リフティング手段係合部120a及び120bを備える。このように、使用時に、フォークリフトは、低い位置でフォークリフトのフォークを積層可能なトラスフレーム105に近接させることになる。その後、フォークリフトは、フォークリフトのフォークが水平リフティング手段係合部によって係合されるように、積層可能なトラスフレーム105に向かって運転されることになる。可変的な数の水平リフティング手段係合部が、フォークの間隔が異なるフォークリフトに係合するように設けられてもよいことに留意すべきである。水平リフティング手段係合部は、好ましくは、矩形の断面であり、断面はフォークリフトのフォークのサイズに応じたサイズとされる。
【0023】
図9に示す実施形態から明らかなように、第1及び第2のリフティング手段係合部が積層可能なトラスフレームの対向する横トラスの間に取り付けられるように、積層可能なトラスフレーム105は、略直方体であってもよい。更に、リフティング手段係合部は、更なる剛性のために積層可能なトラスフレーム105の対角トラス150と一致する場所にしてもよい。
【0024】
再び図1を参照すると、型枠支持システム100は、高さ調整着床手段110を備える。高さ調整着床手段110は、型枠台150のための所望の高さに到達するように、型枠支持システム100を正確に上昇又は降下させることを可能にする。例えば、2mの高さを持つ積層可能なトラスフレーム105を用い、型枠台150を4.5mの高さに配置することが要求される場合、2段重ねの積層可能なトラスフレーム105が4mの高さに到達するために使用され、高さ調整着床手段110が残りの0.5mの高さを達成するために使用される。好ましい実施形態では、高さ調整着床手段110は、型枠台150が任意の所望の高さに到達できるように、積層可能なトラスフレーム105の少なくとも半分の高さを提供するように構成される。
【0025】
好ましい実施形態では、高さ調整着床手段110は、傾斜又は凸凹のフロア面を考慮するように構成される。このように、高さ調整着床手段110は、少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚125を備える。図8を参照すると、一実施形態では、積層可能なトラスフレーム105は、積層可能なトラスフレーム105に少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚125を取り付けできるようにした着床脚取付手段805を備えてもよい。ナットとボルトで構成された取付手段805が図8に示されているが、取付手段805はスライド可能なメカニカルインターロック装置を含む任意の方法で取り付けできることが理解されるべきである。
【0026】
少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚125は、調整可能な着床脚125の正確な高さ調整を可能にするために、好ましくは伸縮自在である。高さ調整可能な着床脚125の高さ調整は、例えばスクリューサック等の種々の手段により提供することができる。しかしながら好ましい実施形態では、少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚125は、ギヤ機構130を備える。ギヤ機構130は、ハンマーなどによって供給される大量の力を用いずに、高さ調整可能な着床脚125の高さを調整することができる。好ましい実施形態では、高さ調整可能な着床脚125の高さは、手で調整可能であり、従ってウインチハンドル135を備える。
【0027】
好ましい実施形態では、型枠支持システム100は、4つの高さ調整可能な着床脚125を備える。4つの高さ調整可能な着床脚125は、積層可能なトラスフレーム105の縦トラス145に係合するように配置することができる。高さ調整可能な着床脚125の各々は、凸凹の面を考慮して、旋回式足部160を更に備えてもよい。
【0028】
好ましい実施形態では、積層可能なトラスフレーム105は、使用される他の積層可能なトラスフレーム105の補助的なメカニカルインターロックと係合するよう構成された補助的なメカニカルインターロック140を備える。メカニカルインターロック140は、積層体中の積層可能なトラスフレーム105が重量によって外れてしまうことを実質的に防止する。
【0029】
積層可能なトラスフレーム105は、上側の積層可能なトラスフレーム105に係合する上側のメカニカルインターロック部と、下側の積層可能なトラスフレーム105に係合する下側のメカニカルインターロック部を備える。図12,13を参照すると、補助的なメカニカルインターロック140が更に詳細に示されている。具体的には、図13を参照すると、下側のメカニカルインターロック部140aと、補助的な上側のメカニカルインターロック部140bが示されている。図12を参照すると、下側のメカニカルインターロック部140aが示されている。好ましい実施形態では、メカニカルインターロックは、ボルト、ネジ、釘等のような係合のための更なる取付具が必要ないように、オス部及びメス部を備える。更に好ましい実施形態では、下側のメカニカルインターロック部140aはオス型のメカニカルインターロック部であり、上側のメカニカルインターロック部140bはメス型のメカニカルインターロック部である。一般的に、メカニカルインターロック部140は、積層可能なトラスフレーム105の縦トラス145に隣接して配置される。このように、積層可能なトラスフレーム105の各々は、4つの上側のメカニカルインターロック部140bと4つの下側のメカニカルインターロック部140aを備える。
【0030】
図1を再び参照すると、型枠台150について具体的に示されている。使用時は、型枠台150は、積層可能なトラスフレームの配置に応じた場所に置かれるように、積層可能なトラスフレーム105に取り付けることができる。しかしながら、好ましい実施形態では、型枠台150は、積層可能なトラスフレーム105の上に配置するために、リフティング手段によって持ち上げられるように構成される。
【0031】
図4を参照すると、型枠台150がより詳細に示されている。具体的には、上記の実施形態から明らかなように、型枠台150は、剛性のための、一連の間隔を空けた梁510を更に備える。梁510は、使用される型枠台150の持ち上げ、具体的にはフォークリフトによる持ち上げを可能にするために、間隔が空けられる。このように、間隔を空けた梁510は、フォークリフトのフォークを収容できるようになっている。よって、使用時に、積層可能なトラスフレーム105の積層体が組み立てられると、型枠台150はフォークリフトによって持ち上げられ、最上段の積層可能なトラスフレーム105の上に配置される。型枠台150が配置されると、型枠台は最上段の積層可能なトラスフレーム105に固定することができる。
【0032】
型枠支持システムの組み立て方法
少なくとも1つの積層可能なトラスフレーム105を備えた型枠支持システム100の組み立て方法が提供される。本方法は、リフティング手段を使用して少なくとも1つの積層可能なトラスフレーム105のリフティング手段係合具120を係合することを含む。好ましい実施形態では、リフティング手段係合具120は、フォークリフト全体のオファーによる係合のために構成されており、種々のリフティング手段をアプリケーションに応じて使用できることが理解されるべきである。このように、リフティング手段は、2以上の積層可能なトラスフレーム105を含む積層体を形成する目的のために、積層可能なトラスフレーム105を持ち上げるように構成されている。積層可能なトラスフレーム105の積層体は、その結果、好ましい高さでの型枠台150の支持を提供する目的で使用される。積層可能なトラスフレーム105の積層体において、追加の積層可能なトラスフレーム105は、積層可能なトラスフレーム105の積層体の上に配置することができ、あるいは、積層可能なトラスフレーム105の積層体は、追加の積層可能なトラスフレーム105を積層体の下に配置できるように持ち上げることができる。
【0033】
積層可能なトラスフレーム105の積み重ねにおいて、本方法は、隣接する積層可能なトラスフレーム105の補助的なメカニカルインターロック140同士を連結することを更に含む。好ましい実施形態では、積層可能なトラスフレーム105において、オス型のメカニカルインターロック部140aは積層可能なトラスフレーム105の下部に位置し、メス型のメカニカルインターロック部140bは積層可能なトラスフレーム105の上部に位置する。このように、本方法は、メカニカルインターロックを形成するように隣接する積層可能なトラスフレーム105のメカニカルインターロック部140bをまとめることを更に含む。
【0034】
正確な高さ調整を達成するために、本方法は、型枠支持システム100の高さ調整着床手段110の高さを調整することを更に含む。好ましい実施形態では、高さ調整着床手段110は、少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚125を備える。好ましくは、少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚は、高さ調整可能な着床脚125の高さを調整する目的のためにギヤ機構130を備える。よって、本方法は、好ましくは手で、ウインチハンドル135等の使用により、少なくとも1つの高さ調整可能な着床脚125の高さを調整することを更に含む。
【0035】
少なくとも1つの積層可能なトラスフレーム105と高さ調整可能な着床手段110をこのようにして構成した後、本方法は、型枠を支持する目的のために、最上段の積層可能なトラスフレーム105の上に型枠台150を供給することを更に含む。一つの方法では、最上段の積層可能なトラスフレーム105は、型枠台150が取り付けられた状態で所定の位置に持ち上げることができ、あるいは、型枠台150は、所定の位置にある最上段の積層可能なトラスフレーム105に取り付けることができる。このように、型枠台150は、フォークリフトのフォークを収容できるように間隔が空けられた1以上の梁510を備える。このような梁510は、図5に更に詳細に示される。よって、本方法は、最上段の積層可能なトラスフレーム105の上に型枠台150を持ち上げることと、型枠台150を最上段の積層可能なトラスフレーム105に固定することを更に含む。
【0036】
中間のフロアが形成されると、本方法は、次の上のフロアへの移転のために型枠支持システム100を解体することを更に含む。このような解体は、隣接する積層可能なトラスフレーム105のメカニカルインターロック部140同士の解除と、次の上のフロアへの積層可能なトラスフレーム105の搬送を含むことができる。

図1
図2
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図4
図5
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図12
図13