(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において使用される場合、「治療する」または「治療すること」という用語は、既存の症状または障害の進行または重症度を、制止、減速、停止、または回復させることを含む。
【0011】
本明細書において使用される場合、「患者」という用語は、哺乳動物(マウス、モルモット、ラット、イヌまたはヒト等)を指す。好ましい患者がヒトであることを理解されたい。
【0012】
本明細書において使用される場合、「有効量」という用語は、患者への単一用量または複数用量投与に際して、診断または治療下で患者において所望される効果を提供する、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の量または用量を指す。
【0013】
有効量は、公知の技法の使用によって、および類似の状況下で得られた結果を観察することによって、当業者としての担当診断医により容易に決定することができる。患者のための有効量の決定において、多数の要因が担当診断医によって考慮され、それらには、哺乳動物の種;そのサイズ、年齢および全体的な健康;関与する特定の疾患または障害;疾患または障害の程度または関与または重症度;個々の患者の応答;投与された特定の化合物;投与様式;投与された調製物の生物学的利用特性;選択された用量レジメン;併用医薬物の使用;ならびに他の関連する状況が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
式Iの化合物は、幅広い投薬量範囲にわたって概して有効である。例えば、1日あたりの投薬量は、通常は約0.01〜約30mg/kg体重の範囲内である。いくつかの実例において、前記範囲の下限よりも下の投薬量レベルが十分以上であってもよく、一方で他の事例において、あらゆる有害な副作用を引き起こさずにさらに多い用量を用いることができ、したがって上記の投薬量範囲は本発明の範囲を限定することを決して意図しない。
【0015】
本発明の化合物は、好ましくは化合物を生体利用可能にする任意の経路によって投与される医薬組成物として製剤化される。最も好ましくは、かかる組成物は経口投与用である。かかる医薬組成物およびそれを調製するプロセスは当技術分野において周知である(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(D.B.Troy編、第21版、Lippincott,Williams&Wilkins、2006年)を参照)。
【0016】
本発明の更なる態様において、本化合物は、1種または複数の治療剤(抗糖尿病薬等)と組み合わせて投与される。組み合わせの投与には同時投与または連続投与が含まれる。加えて、組み合わせの同時投与は、単一の組み合わせ用量または各々の治療剤の別個の用量としてであってもよい。抗糖尿病剤の例には、メトホルミン;DPPIV阻害剤(シタグリプチンまたはリナグリプチン等);スルホニル尿素(グリメピリド等);チアゾリジンジオン(ピオグリタゾン等);基礎インスリン(グラルギン等);速効型インスリン(HUMALOGまたはNOVOLOG等);GLP−1アゴニスト(エクセナチドまたはリラグルチド等);SGLT2阻害剤(ダパグリフロジンまたはエンパグリフロジン等);グルカゴン受容体拮抗薬(LY2409021等);および同種のものが含まれる。
【0017】
以下の調製例、実施例およびスキームに例示されるように、式Iの化合物が調製される。試薬および出発材料は当業者に容易に利用可能である。すべての置換基は、特別の定めのない限り、今までに定義された通りである。これらのスキーム、調製例および実施例は、本発明の範囲に限定されるとは決して意図されないことが理解される。
【0018】
分割の例には、選択的な結晶技法またはキラルクロマトグラフィーが含まれる(例えば、J.Jacquesら、「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」、John Wiley and Sons,Inc.、1981年、およびE.L.Eliel and S.H.Wilen、「Stereochemistry of Organic Compounds」、Wiley−Interscience、1994年を参照)。式Iの個々のジアステレオマーもしくは幾何異性体または式Iをもたらす中間体の個々のジアステレオマーもしくは幾何異性体のクロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィーまたは選択的な結晶化による、分離および単離は、合成における任意の好都合な点で起こり得ることは、当業者に更に明らかであろう。
【0019】
本明細書において使用される場合、「δ」は、テトラメチルシランからのppmでの低磁場を指し、「min」は分を指し、「hrs」は時間を指し、「THF」はテトラヒドロフランを指し、「EtOAc」は酢酸エチルを指し、「MeOH」はメタノールまたはメチルアルコールを指し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を指し、「DPPA」はジフェニルホスホリルアジドを指し、「HATU」はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを指し、「CDI」は1,1’−カルボニルジイミダゾールを指し、「DDQ」は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを指し、「Xphos」は2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルを指し、「MTBE」はメチルtert−ブチルエーテルを指し、「mins」は分を指し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを指し、「Ac」は、以下の構造:
【化2】
のアセチル置換基を指し、「BOC」という用語はt−ブチルオキシカルボニル保護基を指す。
【0020】
薬学的に許容される塩およびそれらの調製のための一般的な方法論は当該技術分野において周知である。例えばGould,P.L.、「Salt selection for basic drugs」、International Journal of Pharmaceutics、33:201−217(1986);Bastinら、「Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities」、Organic Process Research and Development、4:427−435(2000);およびS.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Sciences、Vol.66、No.1、1977年1月を参照されたい。合成分野の当業者は、アミンとしての式Iの化合物が有機塩基であり、それらは当業者に周知の技法および条件を使用して容易に転換され、薬学的に許容される塩として単離されることを認識するだろう。
【化3】
【0021】
調製例1
3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−1H−インドール
【化4】
スキームI、工程A:TFA(114.4ミリモル)を、氷浴中で前冷却されたジクロロメタン(10mL)中の4−ブロモベンズアルデヒド(76.2ミリモル)、4−メチルインドール(76.2ミリモル)およびトリエチルシラン(228.4ミリモル)の溶液へ添加する。混合物を室温に加温し、2時間撹拌する。追加のトリエチルシラン(228.4ミリモル)を添加し、混合物を油浴中で30℃で一晩加温する。反応物を水(100mL)により希釈し、ジクロロメタン(2×100mL)により抽出する。有機相を分離し、水(2×100mL)およびブライン(100mL)により洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。石油エーテル中の0〜10%の酢酸エチルにより溶出するシリカゲル(120gのカートリッジ)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製して、表題化合物(8g、26.6ミリモル)を得る。MS(m/z):301(M+1)
【0022】
調製例2
3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドリン
【化5】
スキームI、工程B:シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13.3ミリモル)を、酢酸(20mL)中の3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−1H−インドール(26.6ミリモル)の溶液へ添加し、室温で一晩撹拌する。反応物を水(200mL)により希釈し、pH=6が達成されるまで重炭酸ナトリウムを添加する。酢酸エチル(3×100mL)により抽出し、合わせた有機層を水(2×100mL)およびブライン(100mL)により洗浄する。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。石油エーテル中の0〜15%の酢酸エチルにより溶出するフラッシュクロマトグラフィー(120gのシリカゲルカートリッジ)によって精製して、表題化合物(2.2g、7.3ミリモル)を得る。MS(m/z):302(M+1)。
【0023】
調製例3
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドリン−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化6】
スキームI、工程C:[(2R,4S,5R,6S)−3,4,5,6−テトラアセトキシテトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(10.6ミリモル)および3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドリン(10.6ミリモル)を、メタノール(80mL)中の酢酸(69.8ミリモル)の溶液へ添加する。室温で一晩撹拌する。ガラスフリットを介して反応混合物を濾過し、メタノール(2×10mL)により濾過ケーキを洗浄する。真空下で濾過ケーキを乾燥して、表題化合物(2.3g、3.6ミリモル)を得る。MS(m/z):632(M+H)。
【0024】
調製例4
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化7】
スキームI、工程D:酸化マンガン(IV)(172.5ミリモル)を、ジクロロメタン(20mL)中の[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドリン−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(5.85ミリモル)の溶液へ添加する。室温で48時間撹拌する。珪藻土を介して反応物を濾過し、減圧下で濃縮する。粗製生産物をジクロロメタン/メタノール(10:1で30mL)により処理し、15分間撹拌する。もたらされた沈殿物を濾過し、濾過ケーキをメタノール(2×10mL)によりすすぐ。真空下で濾過ケーキを乾燥して、無色の固体として表題化合物(2.5g、3.97ミリモル)を得る。MS(m/z):630(M+H)。
【0025】
調製例5
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化8】
スキームI、工程E:[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(1.67ミリモル)、3−ブテン−1−オール(5ミリモル)、トリエチルアミン(35.8ミリモル)およびアセトニトリル(10mL)を合わせ、窒素により10分間パージする。この混合物へ、酢酸パラジウム(0.17ミリモル)およびトリ−o−トリルホスフィン(0.33ミリモル)を添加する。この混合物を80℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却する。酢酸エチル(50mL)および水(50mL)により希釈する。有機相を分離し、ブライン(50mL)により洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。ジクロロメタン中の5〜80%の酢酸エチルにより溶出するフラッシュクロマトグラフィー(40gのシリカゲルカートリッジ)によって精製して、黄褐色泡状物として表題化合物(0.8g、1.2ミリモル)を得る。MS(m/z):622.0(M+H)。
【化9】
【0026】
調製例6
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[4−メチル−3−[[4−[(E)−4−メチルスルホニルオキシブト−1−エニル]フェニル]メチル]インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化10】
スキームII、工程A:室温にてジクロロメタン(50mL)およびトリエチルアミン(3.6ミリモル)中の[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−ヒドロキシブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(1.2ミリモル)の溶液へ、メタンスルホニルクロリド(1.56ミリモル)を5分間にわたって滴加する。室温で1時間撹拌し、次いで反応物をジクロロメタン(100mL)により希釈する。有機層を、水(2×100mL)、続いてブライン(100mL)により洗浄する。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、淡黄色泡状物として表題化合物(0.84g、1.2ミリモル)を得る。更なる精製なしで次の工程(スキームII、工程B)においてこの材料を使用する。
【0027】
調製例7
1−[2−(4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル)−2−オキソ−エチル]−3−イソブチル尿素
【化11】
【0028】
ベンジル2−(イソブチルカルバモイルアミノ)アセテートの調製
【化12】
3−メチルブタン酸(106.36g)、トルエン(800ml)およびトリエチルアミン(126.46g)を三つ首フラスコ(R1)に充填する。R1を90℃で加熱する。トルエン(400ml)中のDPPA(289.3g)の溶液を徐々に添加する(注意:N
2が放出される)。R1を90℃で30〜60分間撹拌し、次いで20〜30℃に冷却する。別個のフラスコ(R2)中に、ベンジル2−アミノアセテート塩酸塩(200g)、トリエチルアミン(150.54g)およびトルエン(1000ml)を充填し、20〜30℃で1〜2時間撹拌する。R1混合物をR2の中へ添加漏斗を介して20〜30℃で徐々に滴加して、1〜2時間撹拌する。反応混合物を水(2000ml)へ激しく撹拌しながら徐々に添加する。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×1000ml)により抽出する。有機層を合わせ、1N塩酸(1000ml)、次いで7%NaHCO
3水溶液(1000ml)、次いで水(1000ml)、次いで15%ブライン(1000ml)により洗浄する。減圧下で濃縮する。残留物をヘプタン(1000ml)によりスラリー化し、次いで固体を濾過する。40℃未満の減圧下で濾過ケーキを乾燥して、ベンジル2−(イソブチルカルバモイルアミノ)アセテート(218g;98.1%アッセイ;81.5%収率)を得る。
【0029】
2−(イソブチルカルバモイルアミノ)酢酸の調製
【化13】
ベンジル2−(イソブチルカルバモイルアミノ)アセテート(200g;98.1%アッセイ)、無水Pd/C(20g;10%w/w)およびイソプロピルアルコール(2000ml)をオートクレーブの中へ充填する。真空下で脱気し、水素により3回パージする。50〜60psiのH
2下で60℃で4時間撹拌する。混合物を20〜30℃に冷却し、珪藻土を介して濾過し、濾液を45〜50℃で減圧下で1〜2体積へ濃縮する。アセトニトリル(1000ml)を添加し、45〜50℃で減圧下で2〜3体積へ濃縮する。混合物を5〜10℃に冷却し、濾過する。45〜50℃で減圧下でケーキを乾燥して、2−(イソブチルカルバモイルアミノ)酢酸(112g;95.2%アッセイ;82.5%収率)を得る。
【0030】
最終的な表題化合物の調製
tert−ブチル4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート塩酸塩(1.38ミリモル)、2−(イソブチルカルバモイルアミノ)酢酸(1.15ミリモル)、ジメチルホルムアミド(3.8mL)、トリエチルアミン(1.72ミリモル)およびHATU(1.26ミリモル)を、丸底フラスコへ添加する。室温で16時間撹拌し、次いで水(50mL)および酢酸エチル(50mL)により希釈する。有機相を、濃塩化アンモニウム(50mL)およびブライン(50mL)により洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。酢酸エチル中の0〜10%のメタノールにより溶出するフラッシュクロマトグラフィー(40gのシリカゲルカートリッジ)によって中間体を精製して、tert−ブチル9−[2−(イソブチルカルバモイルアミノ)アセチル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−カルボキシレート(0.38g、0.93ミリモル)を得る。MS(m/z):411.2(M+H)。
【0031】
1,4−ジオキサン(1.75mL)中のtert−ブチル9−[2−(イソブチルカルバモイルアミノ)アセチル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−カルボキシレート(0.38g、0.93ミリモル)の溶液へ、1,4−ジオキサン(8.77ミリモル)中の4MのHClを添加する。反応物を室温で5時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮する。メタノール中に溶解し、SCX(イオン交換)カラムの中へ負荷することによって、残留物を精製する。負荷したカラムをメタノール(3×25mL)によりすすぎ、次いでカラムをメタノール中の2Nアンモニアによりフラッシュする。アンモニア洗浄物を合わせて濃縮して、最終的な表題化合物、1−[2−(4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル)−2−オキソ−エチル]−3−イソブチル−尿素(0.25g、0.81ミリモル)を得る。MS(m/z):311.0(M+H)。
【0032】
実施例1a
1−イソブチル−3−[2−[4−[(E)−4−[4−[[4−メチル−1−[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]インドール−3−イル]メチル]フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル]−2−オキソ−エチル]尿素
【化14】
【0033】
スキームII、工程B:アセトニトリル(2.5mL)中の1−[2−(4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル)−2−オキソ−エチル]−3−イソブチル−尿素(0.21ミリモル)の溶液へ、[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[4−メチル−3−[[4−[(E)−4−メチルスルホニルオキシブト−1−エニル]フェニル]メチル]インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(0.17ミリモル)、続いてジイソプロピルエチルアミン(0.69ミリモル)を添加する。密封した反応混合物を80℃で16時間加熱する。減圧下で粗製反応物を濃縮し、次いで粗製中間体をメタノール(5mL)中で溶解し、ナトリウムメトキシド(メタノール中の30%溶液として0.53ミリモル)を添加する。室温で1時間撹拌し、次いでドライアイスの小片の添加によって反応物をクエンチする。減圧下で粗製反応物を濃縮する。5〜70%の水(0.1%ギ酸)/アセトニトリル(0.1%ギ酸)により溶出するフラッシュクロマトグラフィー(120gのC18カラム)によって精製する。画分を含有する生産物を合わせて、減圧下で濃縮する。生産物を水(50mL)中で溶解し、水相を濃重炭酸ナトリウムにより中和する。水相をデカントし、残りの油をジクロロメタン/メタノール(10:1で50mL)中で溶解する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、オフホワイトの泡状物として表題化合物(0.08g、0.63ミリモル)を得る。MS(m/z):746.5(M+1)。
【化15】
【0034】
調製例9
tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化16】
【0035】
tert−ブチル4−(3−クロロプロピル)−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレートの調製
【化17】
1780gのTHFおよび86.6gのジイソプロピルアミンをR1に充填する。R1中の混合物を−40℃〜−60℃に冷却する。210.5gのn−BuLi(1.6当量)をR1の中へ滴加し、混合物を0.5〜1時間撹拌する。890gのTHF、次いで100.0gのtert−ブチル4−シアノピペリジン−1−カルボキシレートをR2の中へ充填する。R2中のtert−ブチル4−シアノピペリジン−1−カルボキシレートの溶液をR1へ滴加し、温度を−40℃〜−60℃にて制御する。R1中の混合物を1〜2時間撹拌する。890gのTHFおよび130.5gの1−ブロモ−3−クロロ−プロパンをR2の中へ充填する。R2中の1−ブロモ−3−クロロ−プロパンの溶液をR1へ滴加し、温度を−40℃〜−60℃にて制御する。R1中の混合物を3時間−40〜−60℃で撹拌し、次いで混合物を20〜25℃へ徐々に加温し、13〜16時間撹拌する。混合物を0〜5℃に冷却する。525gのNH
4Cl(飽和水溶液)、次いで500gの水をR1の中へ滴加する。混合物を全重量1000〜1100gへ40℃未満で濃縮し、次いで380gのMTBEを添加する。混合物を10〜20℃で20〜40分間撹拌し、次いで30〜60分間静置させる。水層を分離し、2×500gのH
2Oにより有機層を洗浄する。混合物を300gの全重量へ50℃未満で濃縮する。136gのn−ヘプタンを添加し、次いで混合物を300gの全重量へ50℃未満で濃縮する。混合物を0〜5℃に冷却し、次いで340gのn−ヘプタンを滴加する。混合物を5〜10時間撹拌し、次いで懸濁物を濾過する。68.0gのn−ヘプタンによりフラスコをすすぎ、次いでケーキを洗浄して、tert−ブチル4−(3−クロロプロピル)−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(118g、87.2%アッセイ、75.4%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):231(M+H−tBu)。フラスコへケーキを移し、610.0gのトルエンを添加する。混合物を500gの全重量へ50℃未満で濃縮する。必要とされるまで、生産物をトルエン溶液として保存する。
【0036】
tert−ブチル4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレートの調製
【化18】
435gのトルエン、次いで302.1gのナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム水素化物をR1へ充填する。混合物を−5℃〜5℃に冷却する。652.5gのトルエンおよび50gのtert−ブチル4−(3−クロロプロピル)−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレートをR2の中へ充填し、透明になるまで混合物を撹拌する。R2中のtert−ブチル4−(3−クロロプロピル)−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレートの溶液をR1へ滴加し、温度を5℃未満で制御する。R1中の混合物を−5℃〜5℃で0.5時間撹拌し、次いで混合物を15〜20℃に加温し、1〜3時間撹拌する。25gの炭酸ナトリウムをR2へ充填し、次いで1500gの水を添加し、0〜10℃に混合物を冷却する。R1中の混合物をR2へ滴加し、温度を10℃未満で制御する。混合物を20〜40℃に加温し、10〜20分間撹拌し、次いで40〜60分間静置させる。水層を分離し、有機層を、2×250gの水、次いで297.5gの25%塩化ナトリウム水溶液により洗浄する。有機層を100gの全重量へ50℃未満で濃縮し、次いで273.0gのアセトニトリルを添加する。有機層を、250gの全重量の表題化合物、tert−ブチル4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレートへ50℃未満で濃縮し、溶液として保存する。質量スペクトル(m/z):255(M+H)。
【0037】
tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート;シュウ酸の調製
【化19】
【0038】
23.7gのCH
3CN、10gのtert−ブチル4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート、9.2gのK
2CO
3、次いで8.4gの4−ブロモブト−1−インをこの順序でR1へ充填する。混合物を65〜70℃へ加熱し、混合物を65〜70℃で12〜18時間撹拌する。混合物を全重量30〜40gへ50℃未満で濃縮し、次いで76gのMTBEおよび50gの水を添加する。混合物を20〜25℃で30分間撹拌し、次いで30分間静置させる。水層を分離する。49gの水中の1gのKOHの溶液を調製し、これを20〜25℃で有機層へ添加する。混合物を20〜25℃で30分間撹拌し、次いで20〜25℃で20〜30分間静置させる。水層を分離させ、有機層を50gの水により洗浄する。有機相を40〜50gの全重量へ50℃未満でR1中で濃縮する。39.5gのアセトン中の7.4gのシュウ酸二水和物の溶液を調製し、次いで20〜25℃でシュウ酸/アセトン溶液をR1の中へ滴加する。懸濁物を20〜25℃で2〜3時間撹拌し、次いで濾過する。ケーキを15.2gのMTBEにより洗浄する。ケーキを89gのTHF中でスラリー化し、混合物を50℃で6〜8時間撹拌する。混合物を20〜25℃に冷却し、濾過する。ケーキを17.8gのTHFにより洗浄する。再び、ケーキを89gのTHF中でスラリー化し、混合物を50℃で6〜8時間撹拌する。混合物を20〜25℃に冷却し、濾過する。ケーキを17.8gのTHFにより洗浄する。真空下でケーキを50〜60℃で16〜18時間乾燥して、表題化合物、tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート;シュウ酸を得る。
【0039】
最終的な表題化合物の調製
tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート;シュウ酸(2.56モル;1.02kg)、水酸化カリウム(10%w/w水溶液;7.69モル;4.31kg)およびMTBE(34.19モル;4.06L;3.01kg)を、底部出口弁を備えた20Lの容器に充填する。2つの透明な相が形成されるまで、混合物を撹拌する。有機層を除去し、水層をMTBE(1.5L)により抽出する。有機層を合わせ、水(4L)、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液(4L)により洗浄し、減圧下で濃縮する。トルエン(2L)を残留物へ添加し、減圧下で濃縮する。再び、トルエン(2L)を残留物へ添加し、減圧下で濃縮して、tert−ブチル8−ブト−3−イニル−3,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボキシレート(787g;約2%w/wトルエンを含有;98%収率)を得る。
【0040】
tert−ブチル8−ブト−3−イニル−3,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボキシレート(2.41モル;750.86g)、塩化ジルコノセン(240.73ミリモル;62.08g)、トリエチルアミン(240.73ミリモル;33.55mL;24.36g)および2−メチルテトラヒドロフラン(738mL)の混合物へ、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.53モル;323.49g)を添加する。60℃で混合物を加熱し、一晩撹拌する。混合物を冷却し、ジクロロメタンにより溶出するシリカのプラグを通過させる。減圧下で濾液を濃縮して、最終的な表題化合物、tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(1072g、約94%純度、96%収率)を得る。
【0041】
最終的な表題化合物の代替の調製
tert−ブチル4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート塩酸塩(46.07ミリモル)および炭酸セシウム(115.2ミリモル)を、アセトニトリル(200mL)の溶液へ添加する。室温で20分間撹拌した後に、4−ブロモブチン(69.1ミリモル)を添加し、混合物を撹拌しながら一晩加熱還流する。室温に冷却し、酢酸エチル(200mL)により希釈する。反応物をガラスフリットを介して濾過し、酢酸エチル(2×100mL)によりすすぐ。減圧下で粗製混合物を濃縮し、次いで酢酸エチル(200mL)を添加し、有機層を水(200mL)およびブライン(200mL)により洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(13.6g、44.4ミリモル)を得る。MS(m/z):307.2(M+H)。窒素下で丸底フラスコへ、tert−ブチル4−ブト−3−イニル−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(44.4ミリモル)、トリエチルアミン(4.44ミリモル)、塩化ジルコノセン(4.44ミリモル)および4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(48.8ミリモル)を添加する。この混合物を60℃で3時間加熱し、次いで室温で一晩撹拌する。混合物をジクロロメタン(20mL)中で溶解し、ヘキサン中の15〜85%の酢酸エチルにより溶出するフラッシュクロマトグラフィー(330gのシリカゲルカートリッジ)によって精製して、最終的な表題化合物、tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(29.9ミリモル)を淡黄色油として得る。MS(m/z):435.2(M+H)。
【0042】
調製例10
tert−ブチル4−[(E)−4−[4−[[4−メチル−1−[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]インドール−3−イル]メチル]フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化20】
スキームIII、工程a:[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(27.8ミリモル)、tert−ブチル4−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(29.9ミリモル)、および炭酸カリウム(83.3ミリモル)を、THF(15mL)および水(20mL)の溶液へ添加する。溶液を窒素によりパージし、次いで酢酸パラジウム(1.1ミリモル)およびXphos(1.1ミリモル)を添加する。混合物を65℃で16時間加熱する。室温に冷却し、酢酸エチル(200mL)および水(200mL)により希釈する。有機相を分離し、水(200mL)およびブライン(200mL)により洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。ジクロロメタン中の10〜100%の酢酸エチルにより溶出するフラッシュクロマトグラフィー(330gのシリカゲルカートリッジ)によって残留物を精製して、表題化合物(19.4g、22.6ミリモル)を得る。MS(m/z):858.0(M+H)。
【0043】
調製例11
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−[9−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル]ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化21】
【0044】
スキームIII、工程B:1,4−ジオキサン(112.5ミリモル)中の4NのHClを、ジクロロメタン(200mL)中のtert−ブチル4−[(E)−4−[4−[[4−メチル−1−[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]インドール−3−イル]メチル]フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(22.5ミリモル)の溶液へ室温で添加する。3時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、粗製[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−(4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル)ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート二塩酸塩(22.5ミリモル)を得る。MS(m/z):758.0(M+H)。トリエチルアミン(112.5ミリモル)を、ジクロロメタン(200mL)中の[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−(4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル)ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート二塩酸塩(22.5ミリモル)の溶液へ添加する。別個のフラスコ中で、CDI(28.1ミリモル)を、ジクロロメタン(50mL)中の2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(27ミリモル)の溶液へ少量ずつ添加する。室温で45分間撹拌した後に、以前に調製したアミン溶液へ溶液を添加し、室温で1時間撹拌する。濃重炭酸ナトリウム溶液(200mL)およびブライン(200ml)により洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製表題化合物(21.6g、22.5ミリモル)を得る。MS(m/z):915.2(M+H)。
【化22】
【0045】
調製例12
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−[9−(2−アミノアセチル)−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル]ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート二塩酸塩
【化23】
スキームIV、工程A:1,4−ジオキサン(113.3ミリモル)中の4NのHClを、ジクロロメタン(200mL)中の粗製[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−[9−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル]ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(22.5ミリモル)の溶液へ添加する。室温で4.5時間撹拌し次いで減圧下で濃縮して、黄褐色固体として粗製表題化合物(22.6g、22.5ミリモル)を得る。MS(m/z):815.2(M+H)。
【0046】
実施例1b
1−イソブチル−3−[2−[4−[(E)−4−[4−[[4−メチル−1−[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]インドール−3−イル]メチル]フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル]−2−オキソ−エチル]尿素の代替合成
【化24】

スキームIV、工程B:イソブチルイソシアネート(30.6ミリモル)を、ジクロロメタン(300mL)中の[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−[9−(2−アミノアセチル)−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル]ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート二塩酸塩(22.5ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(113.3ミリモル)の溶液へ添加し、0℃に冷却する。室温に加温し、2時間撹拌する。水(200mL)により希釈し、有機相を分離する。有機相をブライン(200mL)により洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。メタノール(100mL)およびナトリウムメトキシド(11.3ミリモル)を添加する。室温で16時間撹拌し、次いでドライアイスの小片の添加によってクエンチする。減圧下で濃縮する。5〜80%の水(0.1%ギ酸)中のアセトニトリル(0.1%ギ酸)により3部で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(400gのC18カートリッジ)によって精製する。減圧下で濃縮して少量の不純物を含有するギ酸塩として表題化合物(13.4g、18ミリモル)を得る。塩(12g)を水(500mL)中で溶解する。溶液を濃重炭酸ナトリウム溶液により中和する。もたらされた沈殿物をガラスフリット上で収集し、水(2×100mL)によりすすぐ。ジクロロメタン中の15%のメタノールにより溶出するフラッシュクロマトグラフィー(330gのシリカゲルカートリッジ)によって精製する。減圧下で生産物画分を濃縮して、表題化合物(8.8g、11.8ミリモル)を得る。MS(m/z):746.6(M+H).H1 NMR(400.31MHz,DMSO−d6):δ7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.22(d,J=8.0Hz,2H),7.07(s,1H),7.06(d,J=8.4Hz,2H),6.93(t,J=7.2Hz,1H),6.65(d,J=7.2Hz,1H),6.35(d,J=16.0Hz,1H),6.26(t,J=6.0Hz,1H),6.15(dt,J=16.0,6.4Hz,1H),5.88(t,J=5.6Hz,1H),5.29(d,J=9.2Hz,1H),5.09(dd,J=11.6,6.0Hz,2H),5.01(d,J=5.2Hz,1H),4.47(t,5.6Hz,1H),4.13(bs,2H),3.78(d,J=4.8Hz,2H),3.63(m,2H),3.59−3.15(m,11H),3.12(d,5.2Hz,1H),2.76(t,J=6.4Hz,2H),2.35(s,3H),2.34−2.08(m,9H),1.61−1.17(m,10H).0.78(d,J=6.8Hz,6H)
【化25】
【0047】
調製例13
4−メチルインドリン
【化26】
方法A
スキームV、工程A:4−メチル−1H−インドール(500g;1.0当量;3.811モル)および酢酸(2000mL)を、20Lのフラスコへ室温で充填する。0℃(内部温度)に溶液を冷却し、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(359.2g;1.5当量;5.71モル)を5つの等しい部分で添加するが、反応混合物が10℃を超えて加温しないようにする。添加が完了した時に、反応混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、氷(5kg)を添加する。水酸化ナトリウム(4M)の前冷却した(5℃)溶液を非常にゆっくり添加して、pH14の反応混合物を達成する。反応混合物を酢酸エチル(2×10L)により抽出する。有機層を合わせて、水(1×10L)およびブライン(1×10L)により洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(460g、90%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):134(M+1)。
【0048】
方法B
スキームV、工程A:トリフルオロ酢酸(7.62モル;576.42mL)を、温度計、磁性撹拌機、窒素ラインおよび滴下漏斗を備えた、2000mLの三つ首フラスコへ充填する。氷/水浴中にフラスコを設置し、混合物を13℃(内部温度)に冷却する。4−メチル−1H−インドール(762.33ミリモル;94.25mL;100.00g)を3分間にわたって添加し、反応混合物の温度が25℃を上回らないようにする。添加が完了した後に混合物を約1分間撹拌し、反応混合物の温度が20℃を達成するようにし、次いでフラスコを氷浴から除去し、20℃で10分間撹拌する。トリエチルシラン(876.68ミリモル;140.47mL;101.94g)を、反応物へ41分間にわたって滴加し、温度が25℃に上昇するようにし、次いで必要に応じて冷水浴を使用して、25℃〜30℃の間の温度を維持する。添加が完了した時に、反応混合物を80分間撹拌する。反応混合物を10℃に冷却し、次いで氷(1000g)、5M塩酸(800ml)およびMTBE(2000ml)の混合物の中へ撹拌しながら注ぐ。二相性系の中でクエンチして不純物の形成を防止することが重要であることに注意されたい。水相を分離し、有機相を塩酸(400ml;2M)、次いで塩酸(2×200ml;2M)により抽出する。水性抽出物を合わせ、氷水中で冷却する。50%w/wのNaOHを添加してpH>10を達成し、30℃未満の温度を維持する。水溶性混合物をMTBE(1000ml、次いで200ml)により抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(73g;68%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):134(M+1)。
【0049】
方法C
スキームV、工程A:テトラヒドロフラン(75.00mL)中の4−メチル−1H−インドール(114.35ミリモル;15.00g)の溶液を、水(75.00mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(137.22ミリモル;23.63g)の溶液へ室温で撹拌しながら添加する。二酸化炭素のブランケット下で5%の炭素担持白金(Johnson Mattheyタイプ103;1.50g)を添加する。混合物を水素(4.2bar)の雰囲気下に設置し、室温で一晩振動させる。反応混合物を水酸化ナトリウム(2M水溶液;148.65ミリモル;74.33mL)により希釈し、MTBE(150.00mL)と共に撹拌する。珪藻土を介して混合物を濾過し、パッドをMTBE(50mL)により洗浄する。濾液を分離し、水層をMTBE(100mL)により抽出する。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(14.80g;97.17%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):134(M+1)。
【0050】
調製例14
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−メチルインドリン−1−イル)テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化27】
方法A
スキームV、工程B:エタノール:水(8000ml:1000ml)およびD−グルコース(1480g;8.25モル)中の4−メチルインドリン(1000g;7.51モル)の溶液を、20Lの三つ首フラスコへ充填する。混合物を80℃で6時間加熱する。減圧下で混合物を濃縮し、ピリジン:ジクロロメタン(8000ml:8000ml)中で残留物を溶解する。ジメチルアミノピリジン(91.79g;0.75モル)を添加し、反応混合物を10℃(内部温度)に冷却する。無水酢酸(9000ml)を滴加する。添加が完了した時に、反応混合物を45℃で1時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌する。減圧下で混合物を濃縮する。酢酸エチル(20L)および水(10L)を残留物へ添加する。有機層を分離し、酢酸エチル(2×10L)により水層を抽出する。有機層を合わせ、水中のクエン酸(5kg)の飽和溶液により洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をエタノールから結晶させて、表題化合物(3205.5g;92.11%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):464.2(M+1)。
【0051】
方法B
スキームV、工程B:水(66mL)によりD−グルコース(517.30ミリモル;93.20g)を湿らせて、次いでエタノール(394mL)中の4−メチルインドリン(65.62g;492.67ミリモル)を添加する。混合物を窒素によりパージし、窒素雰囲気下で一晩加熱還流する。次いで室温に冷却し、減圧下で濃縮する。もたらされた残留物へ、ジクロロメタン(394mL)、トリエチルアミン(2.82モル;393.72mL)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(24.63ミリモル;3.01g)を添加する。氷浴中で混合物を冷却し、次いで無水酢酸(3.94モル;372.57mL)を30分間にわたって滴加する。減圧下で混合物を濃縮し、酢酸エチル(984mL)により残留物を希釈し、水(200mL)中のクエン酸(飽和水溶液;50mL)により混合物を洗浄する。層を分離し、酢酸エチル(600mL、次いで300mL)により水層を抽出する。有機層を合わせて、ブライン(600mL)により洗浄し、減圧下で濃縮する。エタノール(656mL)を添加し、50℃で10分間混合する。混合物を室温に冷却し、次いで氷/水中へ置く。もたらされた混合物を濾過し、減圧下で乾燥して、表題化合物(112.2g;49.14%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):464.2(M+1)。
【0052】
調製例15
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−メチルインドール−1−イル)テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化28】
方法A
スキームV、工程C:[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−メチルインドリン−1−イル)テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(4200g;9.08モル)を、20Lのフラスコへ充填する。1,4ジオキサン(42000mL)を添加し、溶液を10℃に冷却する。DDQ(2057g;9.08モル)を5つの等しい部分で添加し、温度を10℃に維持する。添加が完了した後に、混合物を室温に加温し、2時間撹拌する。反応混合物を濾過し、固体を1,4−ジオキサン(3回)により洗浄する。減圧下で濾液を濃縮し、ヘキサン中の0%〜20%の酢酸エチルにより溶出するカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製する。2500gの[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−メチルインドリン−1−イル)テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテートから開始して類似の様式で調製された材料の分離したロットと純粋な画分を合わせ、減圧下で濃縮する。残留物を酢酸エチル(50L)中で溶解し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(2×20L)、次いで水(1×10L)により洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、エタノール(10L)から結晶化して、表題化合物(4.632kg;69%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):462.5(M+1)。
【0053】
方法B
スキームV、工程C:1,4−ジオキサン(1.68L)中の[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−メチルインドリン−1−イル)テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(112.2g;242.08ミリモル)を室温で溶解する。混合物を氷/水浴中で冷却し、次いで4,5−ジクロロ−3,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1,4−ジエン−1,2−ジカルボニトリル(244.50ミリモル;55.50g)を少量ずつ添加し、反応混合物の温度を15℃未満で維持する。添加が完了した時に、混合物を5分間撹拌し、次いで氷浴から除去し、更に5分間撹拌する。混合物を濾過し、固体を1,4−ジオキサン(561.00mL)により洗浄する。減圧下で濾液を濃縮し、次いでエタノール(561.00mL)を残留物へ添加し、40℃で20分間撹拌する。混合物を15分間氷水中で冷却し、濾過し、得られた固体を冷エタノール(100mL)により洗浄する。減圧下で固体を乾燥して、表題化合物(82.5g;73.9%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):462.0(M+1)。
【0054】
調製例16
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−(4−ブロモベンゾイル)−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化29】
スキームV、工程D:窒素によりパージした20Lの撹拌された反応器へ、三塩化アルミニウム(4.42モル;589.45g)およびジクロロメタン(3.40L)をこの順序で充填する。反応器ジャケットを0℃に冷却し、次いで反応混合物を10℃未満に冷却する。4−ブロモベンゾイルクロリド(1.77モル;388.07g)を添加し、10℃未満の温度を維持する。ジクロロメタン(3.40L)中の[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(4−メチルインドール−1−イル)テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(1.47モル;680.00g)の溶液を徐々に添加し、反応混合物の温度を15℃未満に維持する。添加が完了した時に、反応器ジャケットを室温に加温する。8時間後に、反応器ジャケットを4℃に冷却し、混合物を一晩撹拌する。ジャケットを0℃に冷却し、氷冷水(6.80kg)を含有する第2の撹拌された容器の中へ混合物を徐々にポンプで送り込む。添加が完了した後、相を分離させる。減圧下で有機相を濃縮する。もたらされた残留物へMTBE(7.48L)を添加し、塩酸(0.5M;5.10L)、次いで水(7.48L)、および次いで重炭酸ナトリウム(5%w/w水溶液;3.40L)により洗浄する。珪藻土のパッド(200g)を介して有機層を濾過し、次いで減圧下で濾液を濃縮する。4000mLの全体積を生ずるようにMTBEにより残留物を希釈し、次いでこの溶液を、35ml/分の速度で、迅速に撹拌しながら冷(0℃)イソ−ヘキサン(13.60L)へ添加する。添加が完了した時に、混合物を15分間撹拌し、次いで濾過する。生産物を風乾し、生産物ケーキを一晩吸引する。減圧下で固体を更に乾燥して、LCMSによって判断されるように63%の純度で表題化合物(898.4g;59.60%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):644.2/646.2(M+1)。
【0055】
調製例17
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)−ヒドロキシ−メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化30】
スキームV、工程E:窒素によりパージした20Lの撹拌された反応器へ、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(2.15モル;81.36g)、次いでテトラヒドロフラン(3.50L)を充填する。反応器ジャケットを0℃に設定し、反応混合物が2℃の時に、塩化セリウム(III)七水和物(2.15モル;530g)を充填する。テトラヒドロフラン(3.01L)中の[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−(4−ブロモベンゾイル)−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(716.86ミリモル;700.00g)の溶液を徐々に添加し、反応混合物の温度が10℃を上回らないようにする。テトラヒドロフラン(504.00mL)およびエタノール(504.00mL)の混合物を徐々に添加し、次いでエタノール(504.00mL)を徐々に添加し、反応混合物の温度が10℃を上回らないようにする(注意:エタノールの両方の追加は、潜在的な発熱が観察され得るので、徐々に注意して行うべきである)。混合物を10分間撹拌する。分離した容器へ、塩酸(2M;7.00L)、水(10.5L)および氷(10.5kg)を充填し、次いで反応混合物を冷塩酸混合物の中へ徐々にポンプで送り込む。混合物を酢酸エチル(5.07L、次いで2.66L)により抽出し、有機抽出物を合わせる。合わせた有機抽出物を、重炭酸ナトリウム(5%w/v水溶液;3.50L)、次いで塩化ナトリウム(10%w/v水溶液;3.50L)により洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。もたらされた残留物をMTBE(1.00L)中で溶解し、減圧下で濃縮して、次の工程において更なる精製なしで使用される十分な純度で、ジアステレオ異性体の混合物として表題化合物を得る。質量スペクトル(m/z):628.2/630.2(M+1−18)。
【0056】
調製例18
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート
【化31】
スキームV、工程F:20Lの温度制御反応器へ、[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)−ヒドロキシ−メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(1492.5g;65%純度;1.506モル)、次いでアセトニトリル(4.87L)、および次いでジクロロメタン(4.87L)を充填する。混合物を0℃に冷却する。トリエチルシラン(3.77モル;437.83g)を5分間にわたって添加する。反応器ジャケットを−5℃に設定する。反応混合物の温度が−2℃である時に、三フッ化ホウ素エーテラート(3.77モル;534.4g)の添加を開始する。注意:開始時に、この添加は、有意な発熱(最初の約10mlの添加の間に約8℃に温度が増加)をもたらす。一旦初期の発熱性事象が起こったなら、5℃〜7℃の間の温度を維持する速度で三フッ化ホウ素エーテラートの残りを添加する。添加が完了した時に、反応混合物を5℃で50分間撹拌する。氷(6kg)、および次いで水(約15℃;3.74kg)を、底部出口弁を備えた50Lのガラスフラスコに充填する。重炭酸ナトリウム(11.16モル;937.55g)を添加し、混合物を5分間撹拌する。反応混合物を重炭酸ナトリウム混合物の中へ約5分間にわたってポンプで送り込む。少ない沸騰は観察されるが、発泡する傾向はない。酢酸エチル(17.04L)を添加し、混合物を10分間撹拌する。撹拌を停止し、混合物を30分間静置させる。層を分離し、有機相をブライン(4.87L)により洗浄し、減圧下で濃縮する。混合物を2つのおよそ等しい部分に分割し、4.5Kgのシリカのパッドを通過させ、ジクロロメタンにより溶出することによって各々を精製する。適切な画分を濃縮して、表題化合物(990g、約70%純度)を得た(定量的NMRによって決定された場合;[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−(4−ブロモベンゾイル)−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテートから73%収率)。質量スペクトル(m/z):630.2/632.2(M+1)。
【0057】
調製例19
tert−ブチル4−[(E)−4−[4−[[4−メチル−1−[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]インドール−3−イル]メチル]フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート
【化32】
スキームV、工程G:20Lの温度制御反応器へ、[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[(4−ブロモフェニル)メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート(1.37モル;1.18kg;73%純度)、tert−ブチル8−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−3,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボキシレート(1.79モル;776.46g)、炭酸カリウム(3.85モル;532.03g)、THF(11.80L)および水(1.18L)を充填する。混合物を表面下窒素パージによって30分間脱気し、次いでPd(OAc)
2(54.99ミリモル;12.35g)およびXPhos(54.99ミリモル;26.22g)を添加する。混合物を65℃に加熱し、一晩撹拌する。追加のXPhos(13.75ミリモル;6.55g)およびPd(OAc)
2(13.75ミリモル;3.09g)を充填し、65℃で約1時間撹拌を続ける。THF(500mL)中のtert−ブチル8−[(E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エニル]−3,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボキシレート(343.71ミリモル;149.32g)の溶液を調製し、窒素による表面下のパージによって5分間脱気する。この溶液を主反応混合物へ添加し、65℃で約3時間撹拌を続ける。反応混合物を室温に冷却し、底部出口弁を備えた50Lの容器の中へポンプで送り込む。イソ−ヘキサン(11.80L)により混合物を希釈し、ブライン(11.80L)により洗浄する。層を分離し、有機相をシリカゲルのパッド(2.95kg)を介して濾過する。パッドをTHF(5.90L)およびイソ−ヘキサン(5.90L)の混合物により2回洗浄する。減圧下で濾液を濃縮して、表題化合物(1.695kg;定量的NMRによって判断された場合62%純度;88%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):858.4(M+1)。
【0058】
調製例20
[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−(4,9−ジアゾニアスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル)ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート二塩酸塩
【化33】
スキームV、工程H:ジクロロメタン(8.36L)中のtert−ブチル4−[(E)−4−[4−[[4−メチル−1−[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]インドール−3−イル]メチル]フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(1.22モル;1.68kg)を溶解し、塩化水素(ジオキサン中4M;8.52モル;2.13L)を添加し、反応物を30℃未満に維持する。反応物を室温で一晩撹拌する。減圧下で混合物を濃縮する。残留物へ、ジクロロメタン(1.04L)を撹拌しながら添加する。もたらされた溶液を、MTBE(10.45L)へ徐々に撹拌しながら添加する。もたらされた固体を濾過によって収集し、MTBE(2L)によりケーキを洗浄する。減圧下で固体を乾燥して、表題化合物(1.49kg、66%純度;97.19%収率)を得る。質量スペクトル(m/z):758.4[M(遊離塩基)+1]。
【0059】
実施例1c
1−イソブチル−3−[2−[4−[(E)−4−[4−[[4−メチル−1−[(2R,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン−2−イル]インドール−3−イル]メチル]フェニル]ブト−3−エニル]−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル]−2−オキソ−エチル]尿素の代替合成
【化34】
【0060】
スキームV、工程I:25℃に設定されたジャケットを備えた10Lの反応器へ、[(2R,3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−[3−[[4−[(E)−4−(4,9−ジアゾニアスピロ[5.5]ウンデカン−4−イル)ブト−1−エニル]フェニル]メチル]−4−メチル−インドール−1−イル]テトラヒドロピラン−2−イル]メチルアセテート二塩酸塩(782.34ミリモル;650.0g)、ジクロロメタン(2.35L)、および次いでトリエチルアミン(3.91モル;545.22mL)を添加する。混合物を10分間撹拌する。この反応器をAと標識する。2−(イソブチルカルバモイルアミノ)酢酸(899.69ミリモル;183.30g)およびジクロロメタン(2.35L)を、別個の20Lのフラスコに充填し、次いで1分間にわたって1,1’−カルボニルジイミダゾール(938.80ミリモル;152.23g)を添加する。注意:CDIの添加に際して若干のガス発生がある。混合物を5分間撹拌する。この反応器をBと標識する。反応器B中の混合物を、約3800mL/分の速度で反応器Aの中へポンプで送り込む。反応物を室温で約2時間撹拌する。清浄なフラスコへ、2−(イソブチルカルバモイルアミノ)酢酸(89.97ミリモル;18.33g)およびジクロロメタン(234.7mL)ならびに次いで1,1’−カルボニルジイミダゾール(93.88ミリモル;15.22g)を添加する。混合物を5分間撹拌し、次いで反応器Aへ添加する。混合物を約10分間撹拌する。反応混合物を水(5.04L)の中へポンプで送り込み、撹拌する。撹拌を停止し、有機相を分離し、減圧下で濃縮する。残留物をメタノール(38.66モル;1.56L;1.24kg)中で溶解し、ナトリウムメトキシド(MeOH中で25%w/w;1.56モル;352.21mL)を10分間にわたって添加する。混合物を30分間撹拌する。減圧下で反応混合物を濃縮する。残留物をメタノール(250.00mL)中で溶解し、ジクロロメタン(1.50L)を添加する。溶液を迅速に撹拌したMTBE(10.00L)へ5分間にわたって添加する。もたらされた懸濁物を濾過し、一晩風乾する。固体を、ジクロロメタン(5L)中の20%MeOH中で溶解し、ジクロロメタン中の15%v/vのMeOHにより溶出する6Kgのシリカパッドを通過させる。適切な画分を合わせて、減圧下で濃縮する。炭酸水素アンモニウム水溶液(10mM)中の25〜80%のアセトニトリルにより溶出するフラッシュクロマトグラフィー(C18カラム)によって残留物を更に精製し、次いで適切な画分を合わせて、表題化合物を得る。[α]
D20=−6.6°(C=0.976、メタノール)。
【0061】
ナトリウム依存性グルコーストランスポーター1(SGLT1)アッセイ
ヒトSGLT1(slc5a1、NM_000343)およびマウスSGLT1(slc5a1、NM_019810.4)をコードするcDNAを、Openbiosystemsから購入する。cDNAを哺乳動物発現のためにpcDNA3.1+内にクローニングし、標準的な哺乳動物トランスフェクション手順を使用して、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞内に安定的にトランスフェクトする。各々の過剰発現細胞株のSGLT発現サブクローンは、ネオマイシン(ジェネティシン、Invitrogen)への耐性、および
14C−a−メチル−D−グルコピラノシド(
14C−AMG)取り込みアッセイにおける活性に基づいて選択される(以下参照)。安定的なSGLT発現細胞は標準的な細胞培養技法を使用して維持する。
【0062】
SGLT活性は、上記の細胞株におけるナトリウム依存性
14C−AMG取り込みとして、以下に記述されるように測定する。30,000細胞を含有する100mLの培養培地を、96ウェルのBioCoatポリ−D−リジンプレート(Becton Dickson)の各々のウェルへ播種し、37℃で一晩培養する。培養培地を吸引し、細胞を、200mLの反応緩衝液(140mMのNaCl、2mMのKCl、1mMのCaCl
2、MgCl
2および14mMのN−2−ヒドロエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(ヘペス)、pH7.5)により2回洗浄する。過剰の緩衝液をペーパータオルの上へ打ち出す。35mLの反応緩衝液を各々のウェルへ添加する。変動濃度の試験化合物を含有するか、または対照として化合物なしの、5mLの反応緩衝液中の10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を、各々のウェルの中に分注する。反応は、反応緩衝液中へ10mLの
14C−AMGを添加して4mMの最終的な濃度にすることによって開始される。プレートを37℃で125分間インキュベートする。反応は、反応緩衝液を吸引し、次いで200mLの氷冷反応緩衝液により3回洗浄することによって終結させる。手動式吸引を適用して反応緩衝液の完全な除去を確実にする。10mLの0.1NのNaOHを各々のウェルへ添加し、次いで100mLのSupermixシンチレーションカクテル(PerkinElmer)を添加する。混合後に、プレート中のシンチレーションシグナルをMicroBeta(PerkinElmer)中でカウントする。10用量反応曲線を、ActivityBase(ID Business Solution)を使用して、経験的な4パラメーターのモデルにフィッティングさせて、最大半量阻害(IC
50)での阻害剤濃度を決定する。
【0063】
本明細書における実施例1の化合物は本質的に上述のように試験され、ヒトSGLT1についてのIC
50は17.4±14.6nM(n=9)、およびマウスSGLT1についてのIC
50は13.6±7.3nM(n=6)であることが示される。これらのデータは、実施例1の化合物がインビトロでヒトおよびマウスのSGLT1を阻害することを実証する。
【0064】
経口グルコース耐性試験(OGTT)におけるグルコース低下効果
試験化合物は、1%ヒドロキシエチルセルロース、0.25%のTween(登録商標)80w/0.05%消泡剤のビヒクルを前計量した試験化合物へ添加して、1mg/mlの溶液を作製することによって製剤化される。混合物をおよそ1分間プローブ超音波処理する。撹拌子を添加し、もたらされた懸濁物は投薬を通して連続的に撹拌する。
【0065】
単独飼育されたC57Bl/6マウスの2セットのうちの1つを計量し、体重を使用して、26〜30gの作業範囲内で研究群(n=5)を決定する。群分け後に、10ml/kgの試験化合物調製物またはビヒクルを、マウスに、30秒間隔で強制経口投与する。これらのマウスを使用して、18時間後のOGTTにおける化合物の効果を実証する。次いで両セットのマウスを餌へ接近させず、試験日前の夕方近くから一晩絶食させる。翌朝に、残りのマウスを計量し、グルコースのために採血する(尾部の小さな切れ目を介して)。絶食グルコース値を使用して、80〜100mg/dlの作業範囲内で研究群(n=5)を決定する。群分け後に、前日と同じプロトコルを使用して、マウスに強制経口投与する。
【0066】
それぞれの化合物処理が各々開始された8時間および18時間後に、ベースラインの血液サンプルをグルコースの測定のために採取する(第1の動物から)。次いで動物に、3g/kgの経口用量で50%デキストロース(Hospira(登録商標))を直ちに与える。グルコースについての血液サンプルを、正確に30秒間隔で尾静脈を経由して採取し、その結果、血液はデキストロース投薬後に20、40および60分で各々の動物において収集される。
【表1】
【0067】
表1に示されるように、投与の8時間または18時間後に50%デキストロース(Hospira(登録商標))の経口ボーラスを正常血糖のC57Bl/6マウスへ与えた場合、実施例1の化合物はグルコース変動幅の減少を達成する。実施例1は、両方のOGTTの間のベースライン調整グルコース曲線下面積(AUC)の減少も実証する。加えて、実施例1は、OGTTの間の血漿グルコースの平均最高濃度(Cmax)を減少させる一方で、グルコースが最高濃度に到達するのにかかる平均時間(Tmax)を増加させる。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]
以下の式の化合物:
【化35】
またはその薬学的に許容される塩。
[2]
【化36】
である、[1]に記載の化合物。
[3]
患者における糖尿病を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、[1]または[2]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、方法。
[4]
患者における1型糖尿病を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、[1]または[2]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、方法。
[5]
患者における2型糖尿病を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、[1]または[2]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、方法。
[6]
療法に使用するための、[1]または[2]に記載の化合物または塩。
[7]
糖尿病の治療に使用するための、[1]または[2]に記載の化合物または塩。
[8]
1型糖尿病の治療に使用するための、[1]または[2]に記載の化合物または塩。
[9]
2型糖尿病の治療に使用するための、[1]または[2]に記載の化合物または塩。
[10]
[1]または[2]に記載の化合物または塩を、1種または複数の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と共に含む、医薬組成物。