特許第6153752号(P6153752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナブテスコオートモーティブ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6153752-排気音抑制装置 図000002
  • 特許6153752-排気音抑制装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6153752
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】排気音抑制装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/04 20060101AFI20170619BHJP
   B01D 45/08 20060101ALI20170619BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20170619BHJP
   B60T 17/00 20060101ALI20170619BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20170619BHJP
   B60G 17/052 20060101ALN20170619BHJP
【FI】
   F04B39/04 G
   B01D45/08 Z
   B01D53/26 230
   B60T17/00 B
   F04B39/00 101R
   !B60G17/052
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-63160(P2013-63160)
(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公開番号】特開2014-190156(P2014-190156A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2016年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】510063502
【氏名又は名称】ナブテスコオートモーティブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 卓也
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−216372(JP,A)
【文献】 実開平07−010514(JP,U)
【文献】 実開昭63−103718(JP,U)
【文献】 実開平7−10478(JP,U)
【文献】 米国特許第5252034(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0201023(US,A1)
【文献】 特開平3−224861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00−39/04
B01D 45/08
B01D 53/26
B60T 17/00
B60G 17/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアドライヤから筐体内に流入したパージエアを衝突材に衝突させることで油分を分離して油分を含むドレンを回収し、清浄エアを排出するオイルセパレータと、
圧縮空気を排出する前記エアドライヤとは異なる圧縮空気排出機器から圧縮空気が排出される出口と前記オイルセパレータの入口とを接続する接続管と、を備えた
ことを特徴とする排気音抑制装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気音抑制装置において、
複数の前記接続管が接続される集合部材を備え、
前記集合部材は、複数の前記圧縮空気排出機器からの排気を集合させて前記オイルセパレータ内に導入する
ことを特徴とする排気音抑制装置。
【請求項3】
請求項2に記載の排気音抑制装置において、
前記オイルセパレータに前記集合部材を一体に設ける
ことを特徴とする排気音抑制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気排出機器の排気を抑制する排気音抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、バス、建機等の車両は、エンジンと直結したコンプレッサから送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。この圧縮空気には、大気中に含まれる水分やコンプレッサ内を潤滑する油分が含まれている。この水分や油分を含む圧縮空気が各システム内に侵入すると、錆やゴム部材(Oリング等)の膨潤を招き作動不良の原因となる。このため、エア系統のコンプレッサの下流には、圧縮空気中の水分や油分を除去するためのエアドライヤが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
エアドライヤ内には、フィルタ、シリカゲルやゼオライト等の乾燥剤が設けられている。そして、エアドライヤは、水分を除去する除湿作用と、乾燥剤に吸着させた水分を取り除き外部に放出する再生作用とを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−296038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、乾燥剤の再生時にエアドライヤから放出される空気には水分とともに油分も含まれるため、環境負荷を考慮してエア系統のコンプレッサの下流にオイルセパレータを設けることが考えられている。このオイルセパレータは、油分を含んだ空気が衝突する衝突材を筐体内に設け、油分を分離して回収し、油分を除去した清浄エアを排出する装置である。
【0006】
また、エアドライヤが設けられるトラック、バス、建機等の車両には、圧縮空気を排出するエアブレーキやエアサスペンション等の圧縮空気排出機器が設けられている。圧縮空気排出機器から圧縮空気が排出される際には排気音が発生するので、サイレンサ等の消音装置を設置して、騒音とならないよう配慮している。このため、排気音を低減するために構成が増加する傾向にあるので、簡単な構成で排気音を抑制できる排気音抑制装置が求められていた。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で排気音を抑制できる排気音抑制装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する排気音抑制装置は、エアドライヤから筐体内に流入したパージエアを衝突材に衝突させることで油分を分離して油分を含むドレンを回収し、清浄エアを排出するオイルセパレータと、圧縮空気を排出する前記エアドライヤとは異なる圧縮空気排出機器から圧縮空気が排出される出口と前記オイルセパレータの入口とを接続する接続管と、を備えたことをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、エアドライヤから排出されるパージエアから油分を分離して清浄エアを排出するオイルセパレータを備えた車両において、このオイルセパレータの入口と圧縮空気排出機器の出口と接続する接続管を備えた。このため、圧縮空気排出機器から排出される圧縮空気は大気に直接排出されず、オイルセパレータ内に導入されるので、圧縮空気が衝突材に衝突することで消音されて排気音の発生が抑制される。よって、簡単な構成で排気音を抑制できる。
【0010】
上記排気音抑制装置について、複数の前記接続管が接続される集合部材を備え、前記集合部材は、複数の前記圧縮空気排出機器からの排気を集合させて前記オイルセパレータ内に導入することが好ましい。
【0011】
同構成によれば、オイルセパレータの前段に集合部材を備えた。このため、複数の圧縮空気排出機器からの排気を集合させることで、オイルセパレータ内に導入される圧縮空気の量を安定させることができ、油分の分離と消音を効率良くできる。
【0012】
上記排気音抑制装置について、前記オイルセパレータに前記集合部材を一体に設けることが好ましい。
同構成によれば、オイルセパレータに集合部材を一体に設けた。このため、集合部材を別途設けるよりも設置空間を小さくできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成で排気音を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】排気音抑制装置の概略構成を示すブロック図。
図2】オイルセパレータの内部構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1を参照して、排気音抑制装置の一実施形態について説明する。ここでは、車両として後輪が4輪設けられたトラックに排気音抑制装置を搭載する。
図1に示されるように、車両は、コンプレッサ1から送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。このため、エア系統のコンプレッサ1の下流には、圧縮空気中の油水分を除去し、乾燥空気をタンク4に提供するためのエアドライヤ2が設けられている。エアドライヤ2内には、乾燥剤が設けられている。そして、エアドライヤ2は、油水分を除去する除湿作用と、乾燥剤に吸着させた油水分を取り除き外部に放出する再生作用とを行う。
【0016】
そこで、乾燥剤の再生時にエアドライヤ2から放出される空気(パージエア)には水分とともに油分も含まれるため、環境負荷を考慮してエアドライヤ2の排気系統にオイルセパレータ3を設ける。オイルセパレータ3は、エアドライヤ2を再生する際に排出されるパージエアから油水分を分離して回収する。
【0017】
オイルセパレータ3は、油水分を含んだ空気が衝突する複数の衝突材を筐体内に設けた衝突方式である。この衝突方式のオイルセパレータ3は、油水分を含んだ空気を衝突材に衝突させて気液分離を行うことで油分を回収し、清浄エアを排出する
【0018】
車両には、車両を制動するブレーキシステム10が設けられている。ブレーキシステム10は、運転席に設置されたブレーキペダル5の操作に基づいて空気圧を利用して車両を制動する。車両は、各車輪に設けられたブレーキドラムのブレーキシューをブレーキチャンバー14〜19が駆動することで制動される。左側の前輪には、第1フロントブレーキチャンバー14が設けられている。右側の前輪には、第2フロントブレーキチャンバー15が設けられている。左前側の後輪には、第1リアブレーキチャンバー16が設けられている。右前側の後輪には、第2リアブレーキチャンバー17が設けられている。左後側の後輪には、第3リアブレーキチャンバー18が設けられている。右後側の後輪には、第4リアブレーキチャンバー19が設けられている。
【0019】
ブレーキペダル5には、ブレーキペダル5の踏力に応じた圧縮空気を送出するブレーキバルブ11が設けられている。ブレーキバルブ11には、フロントリレーバルブ12と、リアリレーバルブ13とが接続されている。ブレーキバルブ11は、ブレーキバルブ11において不要になった圧縮空気を排出する。フロントリレーバルブ12には、第1フロントブレーキチャンバー14と、第2フロントブレーキチャンバー15とが接続されている。フロントリレーバルブ12は、フロントブレーキチャンバー14,15において不要になった圧縮空気を排出する。また、リアリレーバルブ13には、リアブレーキチャンバー16〜19が接続されている。リアリレーバルブ13は、リアブレーキチャンバー16〜19において不要になった圧縮空気を排出する。なお、ブレーキバルブ11、フロントリレーバルブ12、及びリレーバルブ13が圧縮空気排出機器に相当する。フロントリレーバルブ12は、クイックリリースバルブを用いてもよい。
【0020】
車両には、圧縮空気排出機器から排気が放出される際の排気音の発生を抑制する排気音抑制装置20が搭載されている。排気音抑制装置20は、オイルセパレータ3と、オイルセパレータ3と圧縮空気排出機器とを接続する複数の接続管21,22,23,24とから構成される。
【0021】
オイルセパレータ3には、集合部材30が一体に設けられている。集合部材30は、複数の接続管21,22,23,24が接続されて、複数の接続管21,22,23,24から流入した圧縮空気を集合させてオイルセパレータ3の筐体内に導入する。オイルセパレータ3は、集合部材30から導入された圧縮空気を衝突材に衝突させることで、消音されて排気音の発生が抑制される。また、各圧縮空気排出機器において排気音を抑制するサイレンサ等を設置しなくても済むので、圧縮空気排出機器を小型化できる。
【0022】
エアドライヤ2のパージエア排出口2aと集合部材30とは、第1接続管21によって接続されている。よって、エアドライヤ2のパージエアは、第1接続管21を介して集合部材30に流入される。ブレーキバルブ11の出口11aと集合部材30とは、第2接続管22によって接続されている。よって、ブレーキバルブ11の排気は、第2接続管22を介して集合部材30に流入される。フロントリレーバルブ12の出口12aと集合部材30とは、第3接続管23によって接続されている。よって、フロントリレーバルブ12の排気は、第3接続管23を介して集合部材30に流入される。リアリレーバルブ13の出口13aと集合部材30とは、第4接続管24によって接続されている。よって、リアリレーバルブ13の排気は、第4接続管24を介して集合部材30に流入される。
【0023】
図2に示されるように、オイルセパレータ3は、鉛直方向に延出した有底円筒状の筐体としてのケース31と、当該ケースの開口部を閉蓋する蓋32とを備えている。ケース31の底部31aには、溜まったドレンを排出するためのドレン排出口33が設けられている。ドレン排出口33には、ドレンを取り出す際に使用するドレンホース34が接続されている。
【0024】
蓋32は、複数の排気を集合させる集合部材30を兼ねている。蓋32には、複数の導入口36,37,38,39が形成されている。第1導入口36には、第1接続管21が接続されている。第2導入口37には、第2接続管22が接続されている。第3導入口38には、第3接続管23が接続されている。第4導入口39には、第4接続管24が接続されている。
【0025】
また、オイルセパレータ3の排出口40には、水平方向から鉛直下方へ曲がった接続部材41を介して排出ホース42が接続されている。排出ホース42の先端開口部は、ケース31側が短く斜めに形成されている。排出ホース42からの清浄エアの排出を容易にしながら、防水性を高めている。
【0026】
蓋32の内部空間は、導入口36,37,38,39から導入された排気を膨張させる第1膨張室45として機能する。導入口36,37,38,39から導入された排気は、第1膨張室45において集合される。第1膨張室45によって圧縮空気の量を安定させることができる。蓋32には、ケース31内から排出口40に連通する連通部32aが形成されている。
【0027】
ケース31と蓋32との間には、ケース31を閉蓋するとともに、蓋32を閉蓋する円盤状のカバー47が設けられている。カバー47は、ケース31と一緒に蓋32にボルト35によって締結されている。すなわち、蓋32に設けられたフランジ部32bに形成されたねじ穴にボルト35が締結される。また、ケース31に設けられたフランジ部31bに形成された貫通孔にボルト35の螺子部が貫通される。カバー47には、ボルト35のねじ部が貫通する貫通孔が形成されている。よって、ケース31のフランジ部31bの貫通孔とカバー47のフランジ部47aの貫通孔とにボルト35のねじ部を貫通して、蓋32のフランジ部32bのねじ穴にボルト35を螺着することで、蓋32とカバー47とケース31とが締結されている。カバー47には、ケース31内から排出口40へ連通する連通孔47cが形成されている。
【0028】
また、蓋32とカバー47とによって形成された空間が第1膨張室45として機能する。カバー47には、スポンジ等のウレタンフォーム50を収容する鉛直上方が閉じた有底円筒状の収容部材48がボルト35によって固定されている。なお、ウレタンフォーム50が衝突材として機能する。収容部材48の上端縁部と下端縁部とには、フランジ部48aとフランジ部48bとが形成されている。収容部材48の上端縁部に形成されたフランジ部48aにボルト35が貫通されて、収容部材48がカバー47に締結されている。カバー47と収容部材48の上面とによって形成された空間が第2膨張室51として機能する。カバー47には、第1膨張室45と第2膨張室51とを連通する複数の貫通孔47bが形成されている。収容部材48の上底部49の中央部分には、複数の貫通孔49aが形成されている。カバー47の貫通孔47bと収容部材48の上底部49の貫通孔49aとは対向しない位置に形成されている。収容部材48の側面の下端部側には、複数の貫通孔48cが径方向に間隔をおいて形成されている。
【0029】
収容部材48の下端縁部に形成されたフランジ部48bには、収容したウレタンフォーム50を支持する円盤状の支持蓋52がねじ53によって固定されている。支持蓋52は、ケース31の内径とほぼ同径に形成されている。なお、収容部材48の上底部49と支持蓋52とによって形成された空間が第3膨張室59として機能する。支持蓋52には、ウレタンフォーム50によって除去された油水分を落下させる複数の貫通孔52aが形成されている。よって、ケース31内の下部がドレン溜め部54として機能する。
【0030】
次に、前述のように構成された排気音抑制装置20の作用について説明する。
図1に示されるように、コンプレッサ1から圧縮空気がエアドライヤ2に供給されると、エアドライヤ2を通過することで乾燥圧縮空気がタンク4に貯留される。エアドライヤ2において、乾燥剤を再生させる再生時に排出されるパージエアがパージエア排出口2aから第1接続管21を介して集合部材30の第1導入口36に導入される。
【0031】
タンク4に貯留された乾燥圧縮空気は、ブレーキシステム10のブレーキバルブ11に供給される。ブレーキペダル5が操作されると、ブレーキペダル5の踏力に応じてブレーキバルブ11から圧縮空気がフロントリレーバルブ12に送出されるとともに、リアリレーバルブ13に送出される。フロントリレーバルブ12は、圧縮空気をフロントブレーキチャンバー14,15に送出する。リアリレーバルブ13は、圧縮空気をリアブレーキチャンバー16〜19に送出する。ブレーキチャンバー14〜19は、制動圧力が供給されると、ブレーキドラムのブレーキシューを駆動して車両を制動する。
【0032】
ブレーキペダル5の操作が解除されると、ブレーキバルブ11に供給されていた圧縮空気がブレーキバルブ11の出口11aから第2接続管22を介して集合部材30の第2導入口37に導入される。また、フロントブレーキチャンバー14,15に供給されていた圧縮空気がフロントリレーバルブ12の出口12aから第3接続管23を介して集合部材30の第3導入口38に導入される。リアブレーキチャンバー16〜19に供給された圧縮空気がリアリレーバルブ13の出口13aから第4接続管24を介して集合部材30の第4導入口39に導入される。
【0033】
図2に示されるように、集合部材30に導入された空気は、集合されてケース31内に流入され、第1膨張室45内で膨張する。第1膨張室45内で膨張した空気は、カバー47に形成された貫通孔47bから第2膨張室51に進入する。第2膨張室51内で膨張した空気は、収容部材48の上底部49の貫通孔49aから収容部材48内に進入し、ウレタンフォーム50に衝突した油水分が空気から分離される。このとき、流入した空気がウレタンフォーム50に衝突することで、消音されて排気音の発生を抑制できる。
【0034】
ウレタンフォーム50によって捕獲された水分と油分とを含むドレンは、ウレタンフォーム50内を伝って支持蓋52の上面に達し、支持蓋52の貫通孔52aからドレン溜め部54に落下して、ドレン溜め部54に溜まる。ドレン溜め部54内に溜まったドレンは、ドレン排出口33からドレンホース34内に進入する。また、ドレンホース34内に溜まったドレンの量を確認することで、ドレン溜め部54内に溜まったドレンの量を把握することができ、ドレンの量が上限に近くなったら、ドレン溜め部54からドレンホース34を介して排出する。
【0035】
一方、収容部材48の上底部49の貫通孔49aから収容部材48内に進入して油水分が分離された空気は、収容部材48の側面の貫通孔48cからケース31内に進入する。ケース31内に進入した空気は、カバー47の連通孔47cと蓋32の連通部32aとを通過して排出口40から排出される。よって、ケース31内に進入した空気は、ドレン溜め部54のドレンにほとんど触れることなく、排出口40から排出される。排出口40から排出される空気は、油分を含まない清浄エアとなっている。
【0036】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)エアドライヤ2から排出されるパージエアから油分を分離して清浄エアを排出するオイルセパレータ3を備えた車両において、このオイルセパレータ3の導入口36,37,38,39と圧縮空気排出機器の出口2a,11a,12a,13aと接続する接続管21,22,23,24を備えた。このため、圧縮空気排出機器から排出される圧縮空気は大気に直接排出されず、オイルセパレータ3内に導入されるので、圧縮空気がウレタンフォーム50に衝突することで消音されて排気音が発生しない。よって、簡単な構成で排気音を抑制できる。
【0037】
(2)オイルセパレータ3の前段に集合部材30を備えた。このため、複数の圧縮空気排出機器からの排気を集合させることで、オイルセパレータ3内に導入される圧縮空気の量を安定させることができ、油分の分離と消音を効率良くできる。
【0038】
(3)オイルセパレータ3に集合部材30を一体に設けた。このため、集合部材30を別途設けるよりも設置空間を小さくできる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
【0039】
・上記実施形態では、蓋32に集合部材30を一体に設けたが、集合部材30を蓋32の前段に別体として設けてもよい。このようにすれば、オイルセパレータ3の蓋32を変更せずに使用することができる。
【0040】
・上記実施形態では、集合部材30の構成を省略してもよい。例えば、一本の接続管の途中に接続してもよい。
・上記実施形態では、第1膨張室45と第2膨張室51と第3膨張室59をオイルセパレータ3に設けたが、第1膨張室45と第2膨張室51と第3膨張室59の少なくとも1つにしてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、ドレンホース34に目盛りを設けてもよい。
・上記実施形態では、ウレタンフォーム50の上流や下流、膨張室45,51内に不織布フィルタ等の部材を配置してもよい。このようにすれば、オイル成分の除去率を向上させることができる。さらに、不織布フィルタ等の部材に静電気を帯びさせてもよい。このようにすれば、オイル成分の除去率を更に向上させることができる。
【0042】
・上記実施形態では、衝突材としてウレタンフォーム50を採用したが、クラッシュドアルミ等の他の部材を採用してもよい。
・上記実施形態において、ドレン溜め部54に溜まったドレンを加熱して、水分を蒸発させるためのヒータを設置してもよい。ヒータは、図示しないサーモスタットによって加熱を制御する。ヒータは、ケース31を加熱しても、ドレン溜め部54に溜められたドレン自体を直接加熱してもよい。ヒータの数量は必要に応じて変更可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…コンプレッサ、2…圧縮空気排出機器としてのエアドライヤ、2a…パージエア排出口、3…オイルセパレータ、4…タンク、5…ブレーキペダル、10…ブレーキシステム、11…圧縮空気排出機器としてのブレーキバルブ、11a…出口、12…圧縮空気排出機器としてのフロントリレーバルブ、12a…出口、13…圧縮空気排出機器としてのリアリレーバルブ、13a…出口、14…第1フロントブレーキチャンバー、15…第2フロントブレーキチャンバー、16…第1リアブレーキチャンバー、17…第2リアブレーキチャンバー、18…第3リアブレーキチャンバー、19…第4リアブレーキチャンバー、20…排気音抑制装置、21…第1接続管、22…第2接続管、23…第3接続管、24…第4接続管、30…集合部材、31…筐体としてのケース、31a…底部、31b…フランジ部、32…蓋、32a…連通部、32b…フランジ部、33…ドレン排出口、34…ドレンホース、35…ボルト、36…第1導入口、37…第2導入口、38…第3導入口、39…第4導入口、40…排出口、41…接続部材、42…排出ホース、45…第1膨張室、47…カバー、47a…フランジ部、47b…貫通孔、47c…連通孔、48…収容部材、48a…フランジ部、48b…フランジ部、48c…貫通孔、49…上底部、49a…貫通孔、50…衝突材としてのウレタンフォーム、51…第2膨張室、52…支持蓋、52a…貫通孔、53…ねじ、54…ドレン溜め部、59…第3膨張室。
図1
図2