(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エレベーターの昇降路の頂部にテンション用バネを介して主ロープ端部が設置された複数の主ロープのテンションを前記テンション用バネの長さとして測定する主ロープテンション測定装置であって、
前記テンション用バネを撮影する撮影装置と、
複数の前記テンション用バネが前記撮影装置の画角に入り、かつ焦点が合うように前記昇降路の頂部で前記撮影装置を支持する支持装置と、
前記エレベーターの乗りかごを前記昇降路の中間部に移動させたときに、前記撮影装置によって前記テンション用バネを撮影し、撮影した画像を取得する制御装置と、を備えたことを特徴とする主ロープテンション測定装置。
請求項1に記載の主ロープテンション測定装置であって、前記テンション用バネの長さを計測するためのスケールが前記テンション用バネとともに撮影される前記画角内に配置されていることを特徴とする主ロープテンション測定装置。
エレベーターの昇降路の頂部にテンション用バネを介して主ロープ端部が設置された複数の主ロープテンションを前記テンション用バネの長さとして測定する主ロープテンション測定装置における主ロープテンション測定方法であって、
前記主ロープテンション測定装置が、前記テンション用バネを撮影する撮影装置と、複数の前記テンション用バネが前記撮影装置の画角に入り、かつ焦点が合うように前記昇降路の頂部で前記撮影装置を支持する支持装置と、備え、
前記エレベーターの乗りかごを前記昇降路の中間部に移動させ、前記撮影装置により前記複数の前記テンション用バネを撮影して前記テンション用バネの長さを測定し、
前記エレベーターの乗りかごを前記昇降路の頂部に移動させ、作業者が目視により前記複数の前記テンション用バネの長さを測定し、
前記昇降路の中間部に移動したときに測定した前記テンション用バネの長さと前記昇降路の頂部に移動したときに測定した前記テンション用バネの長さを比較し、両者の差が予め設定された長さ以上のときは、両者の差が予め設定された長さ未満になるまで前記テンション用バネの圧縮長さを調整することを特徴とする主ロープテンション調整方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係るエレベーターの主ロープテンション測定装置について複数の実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本実施形態の実施例1に係るエレベーターの主ロープテンション測定装置の概略を示す図である。同図(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)の側面図である。
【0014】
本実施例に係る主ロープテンション測定装置100は、主ロープテンション付与装置20における主ロープテンションを測定する装置であり、
図1(b)に示すようにカメラ11、カメラ11を支持する下部及び上部ブラケット9,12及びカメラ11で撮影した画像の画像データが送信され、送信されてきた画像データに基いて所定の処理を行うパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称す。)40を含む。パソコン40は、撮影された画像を画像処理して自身のディスプレイに表示し、また、後述するがカメラ11の遠隔操作機能を備えている。前記画像処理を行う機能及び遠隔操作機能は、パソコン40のソフトウェアの処理機能として当該パソコン40に設定されている。当然、専用の装置として構築してもよいことは言うまでもない。
【0015】
主ロープテンション付与装置20は、主ロープ30の端部の主ロープ端支持部3に取り付けられ、主ロープ30に予め設定された張力を付与するものである。各主ロープ30は端部にテンション用バネ4を備え、このテンション用バネ4の弾性力により張力が付与される。テンション用バネ4は、昇降路1の頂部の昇降路構造躯体2の上面に、当該昇降路構造躯体2に空けられた図示しない穴を通って上方に差し込まれた主ロープ端支持部3のロッド7に装着される。
【0016】
図1(a)は、主ロープテンション測定装置100の主に主ロープテンション付与装置20と主ロープ端支持部3を示す斜視図である。同図において、主ロープテンション付与装置20は、テンション用バネ4、テンション用バネ4を押さえる押さえ板5、テンション用バネ4の弾性力を調整する調整ボルト6を含む。主ロープ端支持部3は、主ロープ30の端部との接合部、接合部から延び、外周にねじ溝が切られたロッド7、調整ボルト6の脱落防止用の割りピン8を含む。
【0017】
テンション用バネ4は、ロッド7の外周に挿入され、昇降路構造躯体2と押さえ板5に挟まれ、調整ボルト6によって圧縮状態で装着される。調整ボルト6はロッド7の外周のねじ溝に沿って回転させることにより、テンション用バネ4のバネ長を調整し、これにより主ロープ30のテンション(張力)の調整を行うことができる。割りピン8はロッド7の上端に配置され、この位置より上への調整ボルト6の移動を阻止する。
【0018】
図1(b)に示すように下部ブラケット9は昇降路構造躯体2に固定ボルト10で固定され、上部ブラケット12は下部ブラケット9に連結ボルト13によって連結される。カメラ11は、レンズ11aが主ロープテンション付与装置20に対向する位置の上部ブラケット12の内側に配置される。すなわち、カメラ11は、主ロープテンション付与装置20の複数のテンション用バネ4、複数の押さえ板5、複数の調整ボルト6及び複数のロッド7を映すことができる位置にカメラの画角と主ロープテンション付与装置20との距離を考慮して位置決めされる。上部ブラケット12には、テンション用バネ4の押さえ板5の高さを中心に上下に刻まれた目盛りにより、バネ長を測定できるスケール14が備えられている。
【0019】
図2は上部ブラケット12とロッド7との関係を示す平面図である。同図から分かるように上部ブラケット12の水平面12bにはロッド7を挿入可能な切り欠き12aが形成されている。このような切り欠き12aを利用することにより、割りピン8を取り外すことなく、ロッド7を避けてスケール14を設置することができる。
【0020】
カメラ11は、暗闇でも対象物を撮影できるように例えばLEDライト11cを照明装置として備えている。また、外部のパソコン40に対して撮影した画像の画像データを送信するための無線通信装置11bを備えている。更に、パソコン40は、この無線通信装置11bを使用してパソコン40側からカメラ11の画角調整、画像の拡大及び縮小の調整、明るさの調整など、カメラ撮影に必要な機能を遠隔から操作することが可能な遠隔操作機能を備えている。すなわち、カメラ11は、画角調整(ズーミング)、画像の拡大及び縮小の調整、焦点距離の調整、及び明るさの調整などのカメラ11自体の機能を遠隔で操作可能なリモート機能を備えている。そして、このリモート機能をパソコン40からアクセスすることにより、前記各機能を使用してカメラ操作を行うことができる。
【0021】
カメラ11はテンション用バネ4の正面に、かつ複数のテンション用バネ4が画角に入るよう予め距離を確保して上部ブラケット12に取り付けられる。そのため、主ロープ30の端部のロープテンション付与装置20を撮影することは容易であり、必要な調整はパソコン40の遠隔操作機能によって行うことができることから、画像解析に必要な画像データを確実に取得することができる。
【0022】
また、主ロープ30のテンションは、乗りかご21が昇降路1の中間部に位置している状態で測定することによって正確に測定できる。そのため、本実施例では、乗りかご21が昇降路1の中間部に位置している状態のときに、遠隔操作によりカメラ撮影を行うことにより、主ロープ30のテンションを精度よく確認することが可能となる。その結果、この確認されたテンションに基いてより精度の高い調整作業を実施することができる。
【実施例2】
【0023】
図3は実施例2に係るエレベーターの主ロープテンション測定装置100の概略を示す図、
図4はその平面図である。
図3は実施例1における
図1(b)に対応する。実施例1とはカメラ11の取り付け構造を除いて同一なので、同一の各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0024】
実施例2では、実施例1における下部ブラケット9を省略し、上部ブラケット12をロッド7に保持させ、片持ち構造とした片持ちブラケット18とした例である。片持ちブラケット18は、ロッド7を把持して固定するためのクリップ部19を一端に備え、他端側でカメラ11を支持するようになっている。
【0025】
また、昇降路構造躯体2の上面にはテンション用バネ4の長さを測定するためのスケール14がロッド7と平行に設置されている。クリップ部19の下面には、スケール14の上端を押さえ、また、調整ボルト6からの片持ちブラケット18の高さを規定するための押さえ部材18aが設けられている。押さえ部材18aは、片持ちブラケット18と一体でもよいし、別体でもよい。また、弾性を備えていてもよい。
【0026】
カメラ11は実施例1と同様に、主ロープ30の端部のロープテンション付与装置20を確実に撮影することができる位置に、画角及び距離を合わせて取り付けられ、撮影された画像の画像データをパソコン40に送信する。その他の各部及び各部の機能は実施例1と同様である。
【0027】
本実施例においても、実施例1と同様にカメラ11によってスケール14を撮影することにより、スケール14の目盛りと押さえ板5の位置からテンション用バネ4の長さを測定することができる。そして、この測定結果に基いて主ロープ30のテンションを精度よく確認することが可能となり、この確認されたテンションに基いて調整作業を実施することができる。
【0028】
また、本実施例2では、実施例1のように下部ブラケット9及び上部ブラケット12の2つのブラケットを使用する場合に比べての片持ちブラケット18を1つ用いればよいので、その分の低コスト化を計ることができる。一方、実施例1では、実施例2に対してブラケットをボルト固定するので、クリップを使用する場合に比べて、固定精度が高く、安定した保持が可能であるという利点がある。
【実施例3】
【0029】
図5は実施例3に係るエレベーターの主ロープテンション測定装置100で使用されるブラケットの概略構成を示す図、
図6は
図5に示したブラケットを使用したエレベーターの主ロープテンション測定装置100の概略を示す図である。
【0030】
図5(a)はブラケットの平面図、
図5(b)はブラケットの構造を示す断面図である。
図5(a)において、ブラケット20は2つに分かれた板状の第1及び第2の本体部27a,27bと、各本体部27a,27bの一端部にそれぞれ設けられた第1及び第2のマグネット部25a,25bと、各本体部27a,27bの他端部側で各本体部27a,27bを回動可能かつスライド可能に連結する連結軸28と、を備えている。第1及び第2のマグネット部25a,25bは更に第1及び第2の軸部材26a,26bによって各本体部27a,27bに360度回動可能に取り付けられている。
【0031】
第1及び第2の本体部27a,27bは連結軸28によって回動可能かつスライド可能に連結されていることから、ブラケット20の長さの調整はスライド可能な範囲で自在であり、第1及び第2の本体部27a,27b間の角度の調整も自在である。なお、第1及び第2の本体部27a,27bを構成する板材はそれぞれ2枚の平行な板が対となっており、
図5(b)に示すように結合されている。この例では、第1の本体部27aの一対の板材を第2の本体部27bの一対の板材が外側から挟むようにして連結軸28によって連結されている。
【0032】
カメラ11は例えば連結軸28に水平方向に回転可能に取り付けられ、目標方向にレンズを向けることが可能となっている。本実施例では、モータ駆動により図示しない駆動機構を介して遠隔から水平方向の角度を変更することが可能に構成されている。なお、本実施例では、カメラ11は連結軸28に取り付けられているが、第1又は第2の本体部27a,27bの上面の他の箇所に設けてもよいことは言うまでもない。
【0033】
ブラケット20は、例えば
図6に示すように主ロープ30の端部のロープテンション付与装置20を確実に撮影することができる位置に取り付けられる。すなわち、ブラケット20は、第1及び第2のマグネット部25a,25bを昇降路1の頂部の昇降路構造躯体2の上面に磁力により吸着させ、支持される。第1及び第2のマグネット部25a,25bは、
図6(a),(b)に示すように昇降路1を跨ぐように昇降路構造躯体2の上面に吸着させるが、その際、第1及び第2のマグネット部25a,25bと第1及び第2の本体部27a,27bは第1及び第2の軸部材26a,26bにより360度回転自在に結合され、また、第1及び第2の本体部27a,27bは連結軸28により回転自在かつスライド自在に連結されているので、任意に設定することができる。
【0034】
加えてカメラ11が連結軸28に、水平方向に回動可能に取り付けられているので、レンズ11を望む方向に向かせて、主ロープテンション付与装置20の複数のテンション用バネ4、複数の押さえ板5、複数の調整ボルト6及び複数のロッド7を撮影することができる位置にカメラ11の画角と主ロープテンション付与装置20との距離を考慮して位置決めすることができる。その際、カメラ11は前述のように水平方向の回転動作を可能に構成してあるので、駆動するモータを遠隔操作できるようにしておけば、乗りかご側主ロープ端22あるいはつり合い錘側主ロープ端24のいずれも作業者の遠隔操作で撮影することができる。
【0035】
このように構成すると、複数の主ロープ端3を撮影可能な位置に、ブラケット20を固定し、撮影箇所を容易に設定して撮影することができる。その際、作業者がカメラ11のそばに待機して操作する必要もない。
【実施例4】
【0036】
実施例4は、実施例1に示した主ロープテンション測定装置を使用して主ロープテンションを測定する測定方法の実施の一例である。
図7はこの測定方法における測定手順を示すフローチャートである。
【0037】
主ロープテンションを測定する場合には、まず、ステップS1で、乗りかご21のかご上に作業者が乗り、昇降路1の頂部にかご2を移動させる。ステップS2で、作業者は、下部ブラケット9を昇降路構造躯体2に前記固定ボルト10により取り付け、更に上部ブラケット12を下部ブラケット9に連結ボルト13によって連結する。
【0038】
ステップS3で、作業者は、スケール14をテンション用バネ4と平行になるように設置し、カメラ11の電源を投入する。カメラ11は図示しないバッテリーで駆動され、前記LEDライト11c及び無線通信装置11bは、このカメラ11の電源投入後にそれぞれの機能を使用することができるようになる。
【0039】
カメラ11の電源投入後、ステップS4で、乗りかご21を昇降路1の中間部に移動させ、パソコン(PC)40の電源を投入し、無線通信装置11bの機能により、LEDライト11bを動作させて照明を点灯する。更に、パソコン40の遠隔操作機能によってカメラ11の調整を行い、カメラ11でテンション用バネ4の高さとして押さえ板5の位置をスケール14と1つの画面で撮影する。作業者は、パソコン画面でこの画像を見れば、押さえ板5の位置がスケール14のどの目盛りのところにあるかということを視覚的に把握することができる。すなわち、押さえ板5の高さ位置が一目で分かる。
【0040】
ステップS5にて、作業者は、複数の他の前記テンション用バネ4の高さとして、押さえ板5の位置をスケール14の目盛りで測定し、それぞれのテンション用バネの高さ(長さ)を目盛りと対照させて測定する。この測定された高さを(A)とする。
【0041】
そして、ステップS6で、作業者は、乗りかご21を昇降路1の頂部に移動させ、押さえ板5の位置をスケール14の目盛りによって目視で確認し、測定する。この高さを(B)とする。
【0042】
次いで、ステップS7で、ステップS5とステップS6の各テンション用バネ4の高さの差(変化量)を算出し、テンション用バネ4の高さ(圧縮力若しくは張力)の調整が必要か否か、すなわち、調整の要否を判定する。なお、変化量は(A)−(B)から算出される。ステップS7では、変化量が予め設定された値以上であれば、調整要と判定し、前記値未満であれば調整不要と判定する。
【0043】
ステップS7で調整要と判定された場合、ステップS8で、(A)−(B)の値が予め設定された値以上である変化量の大きな主ロープ30のテンション用バネ4の高さを変化させるため、図示しない工具を使用して調整ボルト6を操作し、変化量の大きな主ロープ30のテンションを他の主ロープ30のテンションと同等になるように調整する。調整後、ステップS4に戻り、(A)−(B)の値が予め設定された値未満になるまでステップS4以降の処理を繰り返す。そして、ステップS7で調整不要と判定されると、主ロープテンションの調整処理を終える。
【0044】
なお、
図7を用いた説明ではブラケット9、12を用いた実施例1の主ロープテンション測定装置100を例に取り説明したが、実施例2あるいは3の主ロープテンション測定装置100を用いても同様に主ロープテンションを測定することができる。その際、実施例2及び3を適用した場合と実施例1を適用した場合とでは、ステップS2の処理が主ロープテンション測定装置100の構成に応じて異なるだけで、それ以外の処理は同様である。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。なお、以下の実施形態における効果の説明では、本実施形態の各部について、特許請求の範囲における各構成要素をかっこ書きで示し、若しくは参照符号を付し、両者の対応関係を明確にした。
【0046】
(1) エレベーターの昇降路1の頂部にテンション用バネ4を介して主ロープ端部3が設置された複数の主ロープ30のテンションを前記テンション用バネの長さとして測定する主ロープテンション測定装置であって、前記テンション用バネ4を撮影するカメラ(撮影装置)11と、複数の前記テンション用バネ4が画角に入り、かつ焦点が合うように前記カメラ11を支持するブラケット(支持装置)9,12と、前記エレベーターの乗りかご21を前記昇降路1の中間部に移動させたときに、前記カメラ11により前記複数の前記テンション用バネ4を撮影し、撮影した画像を取得するパソコン(制御装置)40と、を備えたので、乗りかご21が昇降路1の中間部に位置しているときはカメラ11で撮影した画像により、テンション用バネ4の長さを測定することができる。これにより、作業者はかご上に乗った状態で測定作業と調整作業を効率的に行うことが可能となる。
【0047】
(2) また、テンション用バネ4の長さを計測するためのスケール14が前記テンション用バネ4とともに撮影される前記画角内に設けられているので、カメラ11によって同じ画面上でテンション用バネ4とスケール14の撮影画像を見ることができる。これにより、テンション用バネの長さをスケール14の目盛りと対比して目視により容易に測定することができる。
【0048】
(3) 前記カメラ(撮影装置)11が、撮影物を照明するLEDライト(照明装置)41cと、撮影した画像データを前記パソコン(制御装置)40に無線で送信する無線装置11bと、を備えているので、作業者はかご上にいる状態で、昇降路1の頂部の暗い環境に設置されたカメラ11から鮮明な画像を無線通信により取得することができる。
【0049】
(4) 前記支持装置が、昇降路構造躯体2に結合される下部ブラケット(第1のブラケット)9と、当該下部ブラケット9と結合され、前記カメラ11を支持する上部ブラケット(第2のブラケット)12と、を備えているので、カメラ11を簡単にかつ確実に取り付け、支持させることができる。
【0050】
(5) 前記支持装置が、テンション用バネ4が装着されるロッド7に取り付けられたブラケットを備えているので、カメラ11を簡単に取り付け、支持させることができる。
【0051】
(6) 前記支持装置が、第1及び第2の一対の本体部27a,27bと、当該本体部27a,27bを回転可能かつスライド可能に連結する連結軸28と、当該本体部27a,27bの前記連結軸設置側とは逆側の端部に回転可能に設けられ、前記昇降路構造躯体2に吸着させるための第1及び第2のマグネット部26a,26bと、を備えたので、乗りかご側主ロープ端22とつり合いおもり側主ロープ端24の2箇所のテンション用バネ4の長さを1つのカメラ11で撮影し、測定することができる。これによりテンションの確認及びテンションの調整作業を効率良く実施することができる。
【0052】
(7) 前記カメラ11が前記支持装置に水平方向に回転可能に取り付けられているので、カメラ11の水平方向の角度を変更するだけで、乗りかご側主ロープ端22とつり合いおもり側主ロープ端24の2箇所のテンション用バネ4の長さを1つのカメラで撮影し、測定することができる。
【0053】
(8) エレベーターの昇降路1の頂部にテンション用バネ4を介して主ロープ端部3が設置された複数の主ロープ30のテンションを前記テンション用バネの長さとして測定する主ロープテンション測定装置における主ロープテンション測定方法であって、前記テンション用バネ4を撮影するカメラ(撮影装置)11と、複数の前記テンション用バネ4が画角に入り、かつ焦点が合うように前記カメラ11を支持するブラケット(支持装置)9,12と、を備え、前記エレベーターの乗りかご21を前記昇降路1の中間部に移動させてカメラ(撮影装置)11により前記複数の前記テンション用バネ4を撮影して前記テンション用バネ4の長さを測定し(ステップS4,S5)、前記エレベーターの乗りかご21を前記昇降路1の頂部に移動させ、作業者が目視により前記複数の前記テンション用バネ4の長さを測定し(ステップS6)、前記昇降路1の中間部に移動したときに測定した前記テンション用バネ4の長さと前記昇降路1の頂部に移動したときに測定した前記テンション用バネ4の長さを比較し、両者の差が予め設定された長さ以上のときは(ステップS7:YES)、両者の差が予め設定された長さ未満になるまで(ステップS7:NO)前記テンション用バネの圧縮長さを調整する(ステップS8,S4,S5,S6,S7)ので、作業者はかご上に乗った状態で測定作業と調整作業を効率的に行うことができる。
【0054】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。