(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することで、本発明の特徴及び利点並びにそれらを実現する方法はより明らかとなり、本発明自体もより深く理解されるであろう。
【
図1A】植設可能なステープルカートリッジの一実施形態の斜視図である。
【
図1B】植設可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの各部分を示す。
【
図1C】植設可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの各部分を示す。
【
図1D】植設可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの各部分を示す。
【
図1E】植設可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの各部分を示す。
【
図2】エンドエフェクタが外科用ステープルカートリッジを支持し、アンビルが開放位置にある、外科用器具の一部分に結合された、別のエンドエフェクタの部分側断面図である。
【
図3】閉鎖位置における、
図2のエンドエフェクタの別の部分側断面図である。
【
図4】ナイフバーがエンドエフェクタを通って前進し始める際の、
図2及び
図3のエンドエフェクタの別の部分側断面図である。
【
図5】ナイフバーが内部を通って部分的に前進した、
図2〜4のエンドエフェクタの別の部分側断面図である。
【
図6A】少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。
【
図6B】少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。
【
図6C】少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。
【
図6D】少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。
【
図7A】圧潰式ステープルカートリッジ本体に位置決定された、ステープルを示す図である。
【
図7B】アンビルにより圧潰されている、
図7Aの圧潰式ステープルカートリッジ本体を示す図である。
【
図7C】アンビルにより更に圧潰されている、
図7Aの圧潰式ステープルカートリッジを示す図である。
【
図7D】完全に形成された状態の
図7Aのステープル、及び完全に圧潰した状態の
図7Aの圧潰式ステープルカートリッジを示す図である。
【
図8】折り畳み式ステープルカートリッジ本体に埋め込まれたステープルを備える、少なくとも1つの実施形態による、ステープルカートリッジの上面図である。
【
図9】
図8のステープルカートリッジの立面図である。
【
図10】内部にステープルを備える圧縮可能なステープルカートリッジ、及びアンビルに対してステープルを駆動するためのシステムの一代替実施形態の分解斜視図である。
【
図10A】
図10のステープルカートリッジの一代替実施形態の一部切欠図である。
【
図12】
図10のステープルカートリッジを横断し、ステープルをアンビルの方に動かすように構成されたスレッドの立面図である。
【
図13】
図12のスレッドによって、アンビルの方に持ち上げられ得る、ステープルドライバの図である。
【
図14】本発明の少なくとも1つの実施形態による、外科用ステープリング器具と共に使用するための、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの斜視図である。
【
図15】
図14のステープルカートリッジの一部分解図である。
【
図16】
図14のステープルカートリッジの完全分解図である。
【
図17】組織厚さコンペンセーターを覆うラップがない、
図14のステープルカートリッジの別の分解図である。
【
図18】
図14のステープルカートリッジのカートリッジ本体、すなわち支持部分の斜視図である。
【
図19】ステープルカートリッジからステープルを配備するための、
図14のステープルカートリッジ内で動くことができるスレッドの上面斜視図である。
【
図22】ステープルカートリッジからステープルを発射するための、1つ以上のステープルを支持し、
図19のスレッドにより上に持ち上げられるように構成されたドライバの上面斜視図である。
【
図24】ステープルカートリッジの圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを少なくとも部分的に取り囲むように構成されたラップである。
【
図25】第1のシーケンス中にステープルが非発射位置から発射位置へと移動している状態を示した、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの一部切欠図である。
【
図27】
図25のステープルカートリッジの詳細立面図である。
【
図28】
図25のステープルカートリッジの断面端面図である。
【
図30】
図25のステープルカートリッジの詳細底面図である。
【
図31】第1シーケンス中にステープルが非発射位置から発射位置へと移動している状態を示した、閉鎖位置のアンビル、並びに剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの、長手方向断面図である。
【
図32】発射シーケンスが完了した後の開放位置にあるアンビルを示した、
図31のアンビル及びステープルカートリッジの別の断面図である。
【
図33】非発射位置にあるステープルを示した、
図31のステープルカートリッジの部分詳細図である。
【
図34】非発射位置にあるステープルを示した、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの断面立面図である。
【
図36】非発射位置にあるステープルを示した、開放位置にあるアンビル、並びに剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの立面図である。
【
図37】非発射位置にあるステープル、及びアンビルと組織厚さコンペンセーターとの間に捕捉された組織を示した、閉鎖位置にあるアンビル、並びに剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの立面図である。
【
図38】
図37のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。
【
図39】非発射位置にあるステープル、及びアンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉されたより厚い組織を示した、閉鎖位置にあるアンビル、並びに剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの立面図である。
【
図40】
図39のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。
【
図41】アンビルとステープルカートリッジとの間に配置された、異なる厚さを有する組織を示した、
図39のアンビル及びステープルカートリッジの立面図である。
【
図42】
図41に示されるような、
図39のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。
【
図43】異なるステープル内に捕捉された異なる組織厚さを補正する、組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図44】ステープルラインにより切断された1つ以上の脈管に対して圧縮圧力を適用している組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図45】1つ以上のステープルが形成不良である状況を示す図である。
【
図46】形成不良のステープルを補正し得る組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図47】複数のステープルラインが交差する組織領域に配置された組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図48】ステープル内に捕捉された組織を示す図である。
【
図49】ステープル内に捕捉された組織及び組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図50】ステープル内に捕捉された組織を示す図である。
【
図51】ステープル内に捕捉された厚い組織及び組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図52】ステープル内に捕捉された薄い組織及び組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図53】ステープル内に捕捉された中間の厚さを有する組織及び組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図54】ステープル内に捕捉された別の中間の厚さを有する組織及び組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図55】ステープル内に捕捉された厚い組織及び組織厚さコンペンセーターを示す図である。
【
図56】後退した非発射位置にある発射バー及びステープル発射スレッドを示した、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの部分断面図である。
【
図57】部分的に前進した位置にある発射バー及びステープル発射スレッドを示した、
図56のエンドエフェクタの別の部分断面図である。
【
図58】完全に前進した、すなわち発射位置にある発射バーを示した、
図56のエンドエフェクタの断面図である。
【
図59】発射後の後退位置にある発射バー、及び完全に発射された位置に残されているステープル発射スレッドを示した、
図56のエンドエフェクタの断面図である。
【
図61】組織を切開するために外科用器具のエンドエフェクタ内を遠位に前進している切断ブレードの一実施形態の断面斜視図である。
【
図62】組織へ組織厚さコンペンセーター内の物質を方向づけるように構成された
図61の切断ブレード上の特徴を示した、側断面図である。
【
図63】組織を切開するために外科用器具のエンドエフェクタ内を遠位に前進している切断ブレードの一代替実施形態の断面斜視図である。
【
図64】組織を切開するために外科用器具のエンドエフェクタ内を遠位に前進している切断ブレードの別の代替実施形態の断面斜視図である。
【
図65】第2の組織厚さコンペンセーターからの物質と第1の組織厚さコンペンセーター内の物質を混合するように構成された
図64の切断ブレード上の特徴を示した、側断面図である。
【
図66】第2の組織厚さコンペンセーターからの物質と第1の組織厚さコンペンセーター内の物質を混合するように構成された
図64の切断ブレード上の特徴を示した、正面図である。
【
図67】第2の組織厚さコンペンセーターからの物質と第1の組織厚さコンペンセーター内の物質を混合するように構成された
図64の切断ブレード上の特徴を示した、上断面図である。
【
図68】組織を切開するために外科用器具のエンドエフェクタ内を遠位に前進している切断ブレードの別の代替実施形態の断面斜視図である。
【
図69】組織厚さコンペンセーター内に含まれる物質を広げるように構成された
図68の切断ブレード上の特徴を示した、側断面図である。
【
図70】物質を広げる
図68の切断ブレードの側断面図である。
【
図71】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの一部切欠斜視図である。
【
図72】組織厚さコンペンセーター内に装填されている薬剤を示す。
【
図73】内部に含まれる薬剤を含んだ、
図71の組織厚さコンペンセーター内に配置される管の断面端面図である。
【
図74】配置され患者の組織に対して圧縮されている
図71の組織厚さコンペンセーターを示す。
【
図75】
図71の組織厚さコンペンセーターを貫通して発射されているステープルを示した、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの断面端面図である。
【
図76】組織厚さコンペンセーター内に含まれるカプセルの溶解を示したグラフである。カプセルは複数の薬剤層を含む。
【
図77】溶解されている
図76のカプセルの第1の、すなわち外層を示す。
【
図80】溶解されている
図76のカプセルの第4の、すなわち内層を示す。
【
図81】複数の垂直なカプセルを備えた組織厚さコンペンセーターを備える少なくとも1つの実施形態による、ステープルカートリッジの一部切欠図である。
【
図83】内部の非発射位置に含まれるステープルを示した、
図81のステープルカートリッジの一部切欠図である。
【
図84】非発射位置から発射位置へと移動している
図83のステープルを示した、
図81のステープルカートリッジの側断面図である。
【
図85】少なくとも1つの実施形態による、内部に位置決定された垂直なカプセルを備えた組織厚さコンペンセーターの一部切欠図である。
【
図86】内部に画定された開口部を有する複数のカプセルを備えた組織厚さコンペンセーターの一部切欠図である。
【
図87】少なくとも1つの実施形態による、非発射位置の複数のステープル、及び組織厚さコンペンセーター内に含まれるカプセル又は管を断裂するように構成された複数の貫通部材を備えた、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの断面端面図である。
【
図91】発射位置のステープル及び貫通部材を示した、
図87のエンドエフェクタの断面端面図である。
【
図92】非発射位置から発射位置へと移動しているステープル及び貫通部材を示した、
図87のエンドエフェクタの側断面図である。
【
図93】内部に位置決定された複数のカプセルを備える組織厚さコンペンセーターを含む少なくとも1つの実施形態による、ステープルカートリッジの上面切欠図である。
【
図95】発射位置のステープルカートリッジ内に含まれたステープルを示した、エンドエフェクタ内に位置決定された
図93のステープルカートリッジの断面端面図である。
【
図96】組織厚さコンペンセーターのカプセルを通過して前進している切断部材を示した、
図95のエンドエフェクタの
図93のステープルカートリッジの断面端面図である。
【
図97】少なくとも1つの実施形態による、長手方向の部材を備えた組織厚さコンペンセーターの斜視図である。
【
図98】
図97の組織厚さコンペンセーターを製作するように構成された型の断面図である。
【
図99】内部に位置決定された
図97の長手方向の部材を示した、
図98の型の断面端面図である。
【
図100】
図98の型内に注入されている組織厚さコンペンセーター材料を示した、
図98の型の断面端面図である。
【
図101】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの切欠斜視図である。
【
図102】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターに埋め込まれるように構成された支持部材の斜視図である。
【
図103】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの切欠斜視図である。
【
図104】
図103の組織厚さコンペンセーターを製造するための型を示した、断面端面図である。
【
図107】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの断面端面図である。
【
図108】少なくとも1つの実施形態による、別の組織厚さコンペンセーターの断面端面図である。
【
図109】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターのための足場材料の詳細図である。
【
図110】少なくとも1つの実施形態による、未膨張状態の組織厚さコンペンセーターの詳細図である。
【
図112】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの切欠斜視図である。
【
図113】少なくとも1つの実施形態による、型内で製造されている組織厚さコンペンセーターの一部切欠斜視図である。
【
図114】少なくとも1つの代替実施形態による、組織厚さコンペンセーターの断面斜視図である。
【
図115】少なくとも1つの代替実施形態による、組織厚さコンペンセーターの断面端面図である。
【
図116】少なくとも1つの代替実施形態による、組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。
【
図117】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターを備える外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの立面図である。
【
図118】組織厚さコンペンセーターが複数の層を含んだ、
図117の組織厚さコンペンセーターの分解図である。
【
図119】組織厚さコンペンセーターの層の断面図である。
【
図120】組織厚さコンペンセーターの別の層の断面図である。
【
図121】外科用ステープリング器具のアンビルとステープルカートリッジとの間に位置決定された
図117の組織厚さコンペンセーターの部分断面立面図である。
【
図122】ステープルカートリッジから射出され外科用ステープリング器具のアンビルによって変形されたステープル内に捕捉される
図117の組織厚さコンペンセーターの別の部分断面立面図である。
【
図123】
図122のステープルによって組織に取り付けられた
図117の組織厚さコンペンセーターの別の部分断面立面図である。
【
図124】少なくとも1つの代替実施形態による、組織厚さコンペンセーターの層の斜視図である。
【
図125】
図124の層を含んだ組織厚さコンペンセーターを備える外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図126】少なくとも1つの代替実施形態による、組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。
【
図127】
図126の組織厚さコンペンセーターを備える外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図128】複数のコーティングされた繊維の斜視図である。
【
図129】コーティングされた繊維、及び/又はコーティングされた繊維に裂かれ得るコーティングされた糸状体を製作する押出工程を示した、斜視図である。
【
図130】コーティングされた繊維の断面斜視図である。
【
図131】繊維上に及び/又は繊維内に材料を付着させるように構成されたキャリア流体を利用するコーティング工程を示した、斜視図である。
【
図132】
図128の繊維を含んだ組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの斜視図である。
【
図133】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの一部切欠斜視図である。
【
図134】少なくとも1つの実施形態による、親水性材料に包まれた薬剤の断面図である。
【
図135】外科用器具のエンドエフェクタ内に位置決定された
図133の組織厚さコンペンセーターの斜視図である。
【
図136】
図133の組織厚さコンペンセーターから薬剤が滲出することができるように液体に晒されている
図134の薬剤の一部切欠斜視図である。
【
図137】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。
【
図138】液体に晒された後の
図137の組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。
【
図139】アンビルに取り付けられた
図137の組織厚さコンペンセーターを含むエンドエフェクタの斜視図である。
【
図141】複数のカプセルを含む組織厚さコンペンセーターを備えたステープルカートリッジの部分斜視図である。
【
図146】
図141のカプセルがコンペンセーター本体材料より高密度であり、
図143の型の底部上に留まる一実施形態を示す。
【
図147】
図141のカプセルがコンペンセーター本体材料より低密度であり、
図143の型の上部へ浮上することができる一実施形態を示す。
【
図148】
図141のカプセルを受容するように構成された複数の凹部又はディンプルを備える型の一代替実施形態を示す。
【
図149】少なくとも1つの実施形態による、ステープルカートリッジを覆って位置決定される組織厚さコンペンセーターを備えた外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの断面端面図である。
【
図150】ステープルカートリッジから発射され、
図149の組織厚さコンペンセーターを通過して延びるステープルを示した、
図149のエンドエフェクタの断面端面図である。
【
図151】型、及び型内に位置決定された複数の薬剤カプセルを示す。
【
図152】組織厚さコンペンセーターを形成するために型内に注入されているコンペンセーター本体材料を示した、型の断面端面図である。
【
図153】外科用ステープリング器具のアンビルに取り付けられた
図152の組織厚さコンペンセーターの斜視図である。
【
図154】型内に注入されている第1の層を示した、
図157の組織厚さコンペンセーターを形成するように構成された型の断面図である。
【
図155】第1の層に位置決定されたカプセルを示した、
図154の型の断面図である。
【
図156】カプセル上に注入されている第2の層を示した、
図154の型の断面図である。
【
図157】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターの斜視図である。
【
図158】外科用ステープリング器具のエンドエフェクタ内に位置決定された
図157の組織厚さコンペンセーターの斜視図である。
【
図159】
図162の組織厚さコンペンセーターのコンペンセーター本体の斜視図である。
【
図160】
図159のコンペンセーター本体に画定された長手方向の開口の斜視図である。
【
図161】
図160の長手方向の開口内に位置決定されているカプセルを示す図である。
【
図162】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターを含む外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図163】
図166の組織厚さコンペンセーターのコンペンセーター本体の斜視図である。
【
図164】
図163のコンペンセーター本体に画定された複数の横方向の開口の斜視図である。
【
図165】
図164の横方向の開口内に位置決定されているカプセルを示す図である。
【
図166】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターを含む外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図167】組織厚さコンペンセーターを製造するように構成された垂直な型の斜視図である。
【
図170】
図167の型に対して配置されたカバー、及び型内に位置決定されているコンペンセーター本体材料の斜視図である。
【
図172】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーター及び組織厚さコンペンセーターマットを備えたステープルカートリッジを示す。
【
図175】発射部材によって発射されている
図172のステープルカートリッジの部分断面図である。この図では、ステープルカートリッジは、上部に組織厚さコンペンセーターが位置決定されずに示される。
【
図176】
図175の発射部材に係合された切断部材によって切開されている
図172の組織厚さコンペンセーターマットの上面図である。この図では、ステープルカートリッジは、上部に組織厚さコンペンセーターが位置決定されずに示される。
【
図177】
図175の発射部材に係合された切断部材によって切開されている
図172の組織厚さコンペンセーターマットの上面図である。この図では、ステープルカートリッジは、上部に組織厚さコンペンセーターが位置決定されて示される。
【
図178】円形の組織厚さコンペンセーターマットを備えた少なくとも1つの代替実施形態による、円形のステープルカートリッジの平面図である。
【
図179】組織厚さコンペンセーターを複数のステープルカートリッジ本体上に同時に形成するように構成された複数の空洞を備えた型を示す。
【
図180】
図179の空洞内に位置決定されたステープルカートリッジ本体、及びカートリッジ本体を覆って配置されている1つ以上のシートを示す。
【
図189】少なくとも1つの実施形態による、
図179〜188で概略を示された製造工程によって製作される組織厚さコンペンセーターの断面端面図である。
【
図190】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターを備えたステープルカートリッジの上面図である。
【
図192】
図190のステープルカートリッジの組織厚さコンペンセーターの製造を示す図である。
【
図193】少なくとも1つの実施形態による、組織厚さコンペンセーターを形成するために管材料を平坦化するローラーの図である。
【
図194】少なくとも1つの代替実施形態による、組織厚さコンペンセーターを形成するローラーの図である。
【
図195】
図194に示される工程によって製作された組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの部分斜視図である。
【
図196】
図195のステープルカートリッジから配備されているステープルの断面立面図である。
【
図197】
図195のステープルカートリッジから配備されているステープルの断面端面図である。
【0004】
対応する参照符号は、いくつかの図面を通じて対応する部分を示す。本明細書で詳述される例示は、一形態では、本発明の特定の実施形態を示し、このような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本出願の出願人はまた、以下に確認される米国特許出願を所有し、これらのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許出願第12/894,311号、表題「SURGICAL INSTRUMENTS WITH RECONFIGURABLE SHAFT SEGMENTS」(代理人整理番号第END6734USNP/100058号)、
米国特許出願第12/894,340号、表題「SURGICAL STAPLE CARTRIDGES SUPPORTING NON−LINEARLY ARRANGED STAPLES AND SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH COMMON STAPLE−FORMING POCKETS」(代理人整理番号第END6735USNP/100059号)、
米国特許出願第12/894,327号、表題「JAW CLOSURE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(代理人整理番号第END6736USNP/100060号)、
米国特許出願第12/894,351号、表題「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT FASTENER DEPLOYMENT AND TISSUE CUTTING SYSTEMS」(代理人整理番号第END6839USNP/100524号)、
米国特許出願第12/894,338号、表題「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE HAVING A NON−UNIFORM ARRANGEMENT」(代理人整理番号第END6840USNP/100525号)、
米国特許出願第12/894,369号、表題「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING A SUPPORT RETAINER」(代理人整理番号第END6841USNP/100526号)、
米国特許出願第12/894,312号、表題「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING MULTIPLE LAYERS」(代理人整理番号第END6842USNP/100527号)、
米国特許出願第12/894,377号、表題「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」(代理人整理番号第END6843USNP/100528号)、
米国特許出願第12/894,339号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH COMPACT ARTICULATION CONTROL ARRANGEMENT」(代理人整理番号第END6847USNP/100532号)、
米国特許出願第12/894,360号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH A VARIABLE STAPLE FORMING SYSTEM」(代理人整理番号第END6848USNP/100533号)、
米国特許出願第12/894,322号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH INTERCHANGEABLE STAPLE CARTRIDGE ARRANGEMENTS」(代理人整理番号第END6849USNP/100534号)、
米国特許出願第12/894,350号、表題「SURGICAL STAPLE CARTRIDGES WITH DETACHABLE SUPPORT STRUCTURES AND SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SYSTEMS FOR PREVENTING ACTUATION MOTIONS WHEN A CARTRIDGE IS NOT PRESENT」(代理人整理番号第END6855USNP/100540号)、
米国特許出願第12/894,383号、表題「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING BIOABSORBABLE LAYERS」(代理人整理番号第END6856USNP/100541号)、
米国特許出願第12/894,389号、表題「COMPRESSIBLE FASTENER CARTRIDGE」(代理人整理番号第END6857USNP/100542号)、
米国特許出願第12/894,345号、表題「FASTENERS SUPPORTED BY A FASTENER CARTRIDGE SUPPORT」(代理人整理番号第END6858USNP/100543号)、
米国特許出願第12/894,306号、表題「COLLAPSIBLE FASTENER CARTRIDGE」(代理人整理番号第END6859USNP/100544号)、
米国特許出願第12/894,318号、表題「FASTENER SYSTEM COMPRISING A PLURALITY OF CONNECTED RETENTION MATRIX ELEMENTS」(代理人整理番号第END6860USNP/100546号)、
米国特許出願第12/894,330号、表題「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX AND AN ALIGNMENT MATRIX」(代理人整理番号第END6861USNP/100547号)、
米国特許出願第12/894,361号、表題「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX」(代理人整理番号第END6862USNP/100548号)、
米国特許出願第12/894,367号、表題「FASTENING INSTRUMENT FOR DEPLOYING A FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX」(代理人整理番号第END6863USNP/100549号)、
米国特許出願第12/894,388号、表題「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX AND A COVER」(代理人整理番号第END6864USNP/100550号)、
米国特許出願第12/894,376号、表題「FASTENER SYSTEM COMPRISING A PLURALITY OF FASTENER CARTRIDGES」(代理人整理番号第END6865USNP/100551号)、
米国特許出願第13/097,865号、表題「SURGICAL STAPLER ANVIL COMPRISING A PLURALITY OF FORMING POCKETS」(代理人整理番号第END6735USCIP1/100059CIP1号)、
米国特許出願第13/097,936号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR A SURGICAL STAPLER」(代理人整理番号第END6736USCIP1/100060CIP1号)、
米国特許出願第13/097,954号、表題「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A VARIABLE THICKNESS COMPRESSIBLE PORTION」(代理人整理番号第END6840USCIP1/100525CIP1号)、
米国特許出願第13/097,856号、表題「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES POSITIONED WITHIN A COMPRESSIBLE PORTION THEREOF」(代理人整理番号第END6841USCIP1/100526CIP1号)、
米国特許出願第13/097,928号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING DETACHABLE PORTIONS」(代理人整理番号第END6842USCIP1/100527CIP1号)、
米国特許出願第13/097,891号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR A SURGICAL STAPLER COMPRISING AN ADJUSTABLE ANVIL」(代理人整理番号第END6843USCIP1/100528CIP1号)、
米国特許出願第13/097,948号、表題「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING AN ADJUSTABLE DISTAL PORTION」(代理人整理番号第END6847USCIP1/100532CIP1号)、
米国特許出願第13/097,907号、表題「COMPRESSIBLE STAPLE CARTRIDGE ASSEMBLY」(代理人整理番号第END6848USCIP1/100533CIP1号)、
米国特許出願第13/097,861号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING PORTIONS HAVING DIFFERENT PROPERTIES」(代理人整理番号第END6849USCIP1/100534CIP1号)、
米国特許出願第13/097,869号、表題「STAPLE CARTRIDGE LOADING ASSEMBLY」(代理人整理番号第END6855USCIP1/100540CIP1号)、
米国特許出願第13/097,917号、表題「COMPRESSIBLE STAPLE CARTRIDGE COMPRISING ALIGNMENT MEMBERS」(代理人整理番号第END6856USCIP1/100541CIP1号)、
米国特許出願第13/097,873号、表題「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A RELEASABLE PORTION」(代理人整理番号第END6857USCIP1/100542CIP1号)、
米国特許出願第13/097,938号、表題「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING COMPRESSIBLE DISTORTION RESISTANT COMPONENTS」(代理人整理番号第END6858USCIP1/100543CIP1号)、
米国特許出願第13/097,924号、表題「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6859USCIP1/100544CIP1号)、
米国特許出願第13/242,029号、表題「SURGICAL STAPLER WITH FLOATING ANVIL」(代理人整理番号第END6841USCIP2/100526CIP2号)、
米国特許出願第13/242,066号、表題「CURVED END EFFECTOR FOR A STAPLING INSTRUMENT」(代理人整理番号第END6841USCIP3/100526CIP3号)、
米国特許出願第13/242,086号、表題「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING COLLAPSIBLE DECK」(代理人整理番号第END7020USNP/110374号)、
米国特許出願第13/241,912号、表題「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING COLLAPSIBLE DECK ARRANGEMENT」(代理人整理番号第END7019USNP/110375号)、
米国特許出願第13/241,922号、表題「SURGICAL STAPLER WITH STATIONARY STAPLE DRIVERS」(代理人整理番号第END7013USNP/110377号)、
米国特許出願第13/241,637号、表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH TRIGGER ASSEMBLY FOR GENERATING MULTIPLE ACTUATION MOTIONS」(代理人整理番号第END6888USNP3/110378号)、
及び米国特許出願第13/241,629号、表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH SELECTIVELY ARTICULATABLE END EFFECTOR」(代理人整理番号第END6888USNP2/110379号)。
【0006】
本出願の出願人はまた、本明細書と同日に出願され、それらのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、以下に確認される米国特許出願を所有する。
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF CAPSULES」(代理人整理番号第END6864USCIP1/100550CIP1号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF LAYERS」(代理人整理番号第END6864USCIP2/100550CIP2号)、
米国出願第________号、表題「EXPANDABLE TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6843USCIP2/100528CIP2号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A RESERVOIR」(代理人整理番号第END6843USCIP3/100528CIP3号)、
米国出願第________号、表題「RETAINER ASSEMBLY INCLUDING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6843USCIP4/100528CIP4号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING AT LEAST ONE MEDICAMENT」(代理人整理番号第END6843USCIP5/100528CIP5号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CONTROLLED RELEASE AND EXPANSION」(代理人整理番号第END6843USCIP6/100528CIP6号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING FIBERS TO PRODUCE A RESILIENT LOAD」(代理人整理番号第END6843USCIP7/100528CIP7号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING STRUCTURE TO PRODUCE A RESILIENT LOAD」(代理人整理番号第END6843USCIP8/100528CIP8号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING RESILIENT MEMBERS」(代理人整理番号第END6843USCIP9/100528CIP9号)、
米国出願第________号、表題「METHODS FOR FORMING TISSUE THICKNESS COMPENSATOR ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(代理人整理番号第END6843USCIP10/100528CP10号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATORS」(代理人整理番号第END6843USCIP11/100528CP11号)、
米国出願第________号、表題「LAYERED TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6843USCIP12/100528CP12号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATORS FOR CIRCULAR SURGICAL STAPLERS」(代理人整理番号第END6843USCIP13/100528CP13号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CAPSULES DEFINING A LOW PRESSURE ENVIRONMENT」(代理人整理番号第END7100USNP/110601号)、
米国出願第________号、表題「MOVABLE MEMBER FOR USE WITH A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END7107USNP/110603号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF MEDICAMENTS」(代理人整理番号第END7102USNP/110604号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR AND METHOD FOR MAKING THE SAME」(代理人整理番号第END7103USNP/110605号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CHANNELS」(代理人整理番号第END7104USNP/110606号)、
米国出願第________号、表題「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING TISSUE INGROWTH FEATURES」(代理人整理番号第END7105USNP/110607号)、及び
米国出願第________号、表題「DEVICES AND METHODS FOR ATTACHING TISSUE THICKNESS COMPENSATING MATERIALS TO SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(代理人整理番号第END7106USNP/110608号)。
【0007】
特定の例示的実施形態が、本明細書で開示される装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、以下で説明される。これらの実施形態の1つ以上の例が、添付の図面に示される。本明細書で具体的に説明され、添付の図面に示される装置及び方法が非限定的な例示的実施形態であることが、当業者には理解されるであろう。1つの例示的実施形態に関連して図示又は説明される特徴が、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。このような修正及び変形は、本発明の範囲に包含される。
【0008】
物品又は製品を製造、形成又は別途製作するための本明細書で開示又は請求される方法のいずれかは、対象の物品又は製品のすべて又は一部を製造、形成又は別途製作するために利用され得、このような方法が対象の物品又は製品の一部を製造、形成又は別途製作するために利用される場合には、物品又は製品の残りは、物品又は製品を製造、形成又は別途製作するための本明細書で開示及び請求される他の方法のいずれかを利用することを含む何らかの手法で製作され得、このように製作される様々な部分は、任意の手段で組み合わされ得る。同様に、本明細書で開示若しくは請求される任意の物品若しくは製品は、単独で若しくは組み合わせて、又はこの物品若しくは製品が両立可能な、そのように開示される任意の他の物品若しくは製品の一体部分として存在することができる。したがって、1つの物品、製品又は方法に関連して図示又は説明される個々の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の他の両立可能な物品、製品又は方法の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わされ得る。このような修正及び変形は、本発明の範囲に包含される。
【0009】
本発明の特定の実施形態又は特定の物品、製品若しくは方法が特定の構造、特性又は特徴を含み得ることが、個々の図又はその他に関連して本明細書で開示される場合には、それらの構造、特性又は特徴が任意の両立可能な組み合わせで対象の物品、製品又は方法で実施され得ることを、それが表すことを読者は理解するであろう。特に、多数の任意の構造、特性又は特徴のこのような開示は、互いの代替例として開示される構造、特性又は特徴の場合を除き、それらの構造、特性又は特徴のすべてを組み合わせて開示することも同様に理解されるであろう。このような構造、特性又は特徴が互いの代替例として開示される場合には、それが、互いに対する置き換えとしてそれらの代替例を開示することが理解されるであろう。
【0010】
「近位」及び「遠位」という用語は、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準にして、本明細書で使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れて位置する部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの、空間的な用語が、図面との関連で本明細書で使用され得ることが更に認識されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用され、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図していない。
【0011】
腹腔鏡下及び低侵襲的外科手術を実行するための様々な例示的装置及び方法が提供される。しかしながら、本明細書で開示される様々な方法及び装置が、開放的な外科手術に関連して使用される場合を含む、数多くの外科手術及び用途で使用され得ることを、読者は容易に認識するであろう。本明細書の「発明を実施するための形態」が進むにつれて、本明細書で開示される様々な器具が、例えば、自然開口部を通して、組織に形成された切開又は穿刺孔を通してなどの、何らかの手法で体内へ挿入され得ることを読者は更に認識するであろう。器具の機能部分又はエンドエフェクタ部分は、患者の体内へ直接挿入されてもよく、又は外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを前進させることができる機能チャネルを有したアクセス装置を通して挿入されてもよい。
【0012】
図面に目を向けると、図面では、同様の参照符号が、いくつかの図を通じて同様の構成要素を示す。
図1は、いくつかの固有の利点を実施できる外科用器具10を示す。外科用ステープリング器具10は、器具10に動作可能に取り付けられる様々な形態及びサイズのエンドエフェクタ12を操作及び/又は作動させるように、設計される。
図1〜1Eでは、例えば、エンドエフェクタ12は、エンドエフェクタ12の下方ジョー13を形成する細長いチャネル14を備える。細長いチャネル14は、「植設可能な」ステープルカートリッジ30を支持するように、及びエンドエフェクタ12の上方ジョー15として機能するアンビル20を移動可能に支持するように構成される。
【0013】
細長いチャネル14は、例えば、300 & 400シリーズ、17−4 & 17−7ステンレススチール、チタンなどから作製されてもよく、離間した側壁16が形成されてもよい。アンビル20は、例えば、300 & 400シリーズ、17−4 & 17−7ステンレススチール、チタンなどから作製されてもよく、内部に形成された複数のステープル形成ポケット23を有する、全般に22として標識される、ステープル形成下表面を有してもよい。
図1B〜1Eを参照されたい。加えて、アンビル20は、そこから近位に突出する二又の傾斜アセンブリ24を有する。アンビルピン26は、スロット又は開口部18への移動可能又は枢動可能な取り付けを容易にするために、細長いチャネル14の側壁16の対応するスロット又は開口部18内に受容されるように傾斜アセンブリ24のそれぞれの側面から突出する。
【0014】
様々な形態の植設可能なステープルカートリッジが、本明細書で開示される外科用器具と共に利用され得る。具体的なステープルカートリッジ構成及び構造が、以下で更に詳細に記載される。しかしながら、
図1Aでは、植設可能なステープルカートリッジ30が示される。ステープルカートリッジ30は、形成されていない金属ステープル32のラインが内部に支持される、例えば、酸化再生セルロース(「ORC」)又は生体吸収性フォームなどの、圧縮可能な止血材料からなる本体部分31を有する。ステープルが影響を受けること、止血材料が導入及び位置決定工程中に活性化することを防ぐために、カートリッジ全体が、破断するまでは不透過性である、商標名PDS(登録商標)で販売されるポリジオキサノンフィルム、若しくはポリグリセロールセバケート(PGS)フィルム、又はPGA(商標名Vicrylで市販されるポリグリセロール酸)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA、若しくはPLLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PGCL(商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25)、若しくはPGA、PCL、PLA、PDSの複合体から形成される他の生分解性フィルムなどの、生分解性フィルム38でコーティング又は被覆され得る。アンビル20がステープルカートリッジ30との接触を形成するときに、内部のそれぞれのステープル32が、アンビル内の対応するステープル形成ポケット23と位置合わせされるように、ステープルカートリッジ30の本体31は、示されるように、細長いチャネル14内で取り外し可能に支持されるようにサイズ決定される。
【0015】
使用中、一度エンドエフェクタ12が標的組織に隣接して位置決定されると、エンドエフェクタ12は、ステープルカートリッジ30の上面36とアンビル20のステープル形成表面22との間に、標的組織を捕捉又はクランプするように操作される。ステープル形成表面22、より具体的には内部のステープル形成ポケット23を、ステープルカートリッジ30の上面36と実質的に同時に接触させるために、ステープル32は、細長いチャネル14と実質的に平行な経路でアンビル20を動かすことによって形成される。アンビル20がステープルカートリッジ30内へと移動し続けると、ステープル32を「B字形」に形成するためにステープル脚部34を折り曲げるように機能するアンビル20の対応するステープル形成ポケット23に、ステープル32の脚部34は接触する。アンビル20の細長いチャネル14への更なる移動は、ステープル32を、更に圧縮し、所望の最終的な形成される高さ「FF」へと形成する。
【0016】
上記のステープル形成工程が、
図1B〜1E内に、全般に示される。例えば、
図1Bは、標的組織「T」がアンビル20と植設可能なステープルカートリッジ30の上面36との間にある、エンドエフェクタ12を示す。
図1Cは、アンビル20とステープルカートリッジ30の上面36との間で標的組織「T」をクランプするためにアンビル20が標的組織「T」上に閉鎖された、アンビル20の初期クランピング位置を示す。
図1Dは、アンビル20がステープルカートリッジ30を圧縮し始め、その結果ステープル32の脚部34がアンビル20のステープル形成ポケット23によって形成され始めている、初期ステープル形成を示す。
図1Eは、明確性の目的のためにアンビル20が取り除かれた、標的組織「T」を貫通し最終的な形成された状態の、ステープル32を示す。一度ステープル32が標的組織「T」に形成及び固締されると、外科医は、エンドエフェクタ12が患者から引き抜かれている間にカートリッジ本体31及びステープル32が標的組織に固定されたままとなることを可能にするために、アンビル20を開放位置へと移動させることになる。エンドエフェクタ12は、2つのジョー13、15が一緒にクランピングされる際に、ステープルのすべてを同時に形成する。残っている「圧潰された」本体材料31は、止血剤(ORC)及びステープルのライン補強部(PGA、PDS又は上述した他のフィルム組成物のいずれか38)の両方として機能する。また、ステープル32が、形成中に、カートリッジ本体31を離れる必要がないため、ステープル32が形成中に異常形成される可能性は極小化される。本明細書で使用するとき、用語「植設可能な」とは、ステープルに加えて、ステープルを支持するカートリッジ本体材料もまた、患者内に留まり、最終的には患者の体に吸収され得ることを意味する。このような植設可能なステープルカートリッジは、発射された後に全体がエンドエフェクタ内に位置決定されたまま残る従来のカートリッジ構成とは区別される。
【0017】
様々な実施態様では、エンドエフェクタ12は、ハンドルアセンブリ100から突出する細長いシャフトアセンブリ40に結合されるように構成される。エンドエフェクタ12(閉鎖時)及び細長いシャフトアセンブリ40は、類似の断面形状を有してもよく、別の形態のアクセス器具内のトロカール管又は機能チャネルを動作可能に通過するようにサイズ決定されてもよい。本明細書で使用するとき、「動作可能に通過」という用語は、エンドエフェクタ及び細長いシャフトアセンブリの少なくとも一部分が、チャネル又は管開口部を通して挿入され得るか又は通過することができ、外科用ステープリング手術を完了するために必要に応じて内部で操作され得ることを意味する。閉鎖位置にあるとき、エンドエフェクタ12のジョー13及び15は、エンドエフェクタに、エンドエフェクタの円形の通路/開口部の通過を容易にするおよそ円形の断面形状を提供することができる。しかしながら、本発明のエンドエフェクタ並びに細長いシャフトアセンブリには、考えられる限り、非円形の断面形状を有したアクセス通路及び開口部を別途通過することができる他の断面形状が提供され得る。したがって、閉鎖したエンドエフェクタの断面の全体的なサイズは、エンドエフェクタが通過することが意図される通路又は開口部のサイズに関連付けられることになる。したがって、あるエンドエフェクタは、例えば、直径が少なくとも約5mmである開口部をそのエンドエフェクタが動作可能に通過し得ることを意味する「5mm」エンドエフェクタと呼ばれてもよい。
【0018】
細長いシャフトアセンブリ40は、閉鎖位置にあるときのエンドエフェクタ12の外径と実質的に同じである外径を有してもよい。例えば、5mmエンドエフェクタは、5mmの断面直径を有する細長いシャフトアセンブリ40に結合されてもよい。しかしながら、本明細書の「発明を実施するための形態」が進むにつれて、本発明がエンドエフェクタの異なるサイズに関連して有効に使用され得ることが明らかとなろう。例えば、10mmエンドエフェクタが、5mmの断面直径を有する細長いシャフトに取り付けられてもよい。逆に、10mm以上のアクセス開口部又は通路が提供されるこれらの用途に対しては、細長いシャフトアセンブリ40は、10mmの(又はそれより大きい)断面直径を有してもよいが、5mm又は10mmのエンドエフェクタを作動させることもできる。したがって、外側シャフト40は、これに取り付けられる閉鎖したエンドエフェクタ12の外径と同じか又は外径とは異なる外径を有することができる。
【0019】
示されるように、細長いシャフトアセンブリ40は、長手方向軸A−Aを定めるために、ハンドルアセンブリ100から遠位に略一直線に延びる。例えば、細長いシャフトアセンブリ40は、約229〜406mm(9〜16インチ)の長さであり得る。しかしながら、細長いシャフトアセンブリ40は、他の長さで提供され得、又は内側に接合箇所を有するか、若しくは以下で更に詳細に記載されるように、シャフト又はハンドルアセンブリの他の部分に対するエンドエフェクタ12のアーティキュレーションを容易にするように別途構成され得る。細長いシャフトアセンブリ40は、ハンドルアセンブリ100からエンドエフェクタ12まで延びるスパイン部材50を備える。エンドエフェクタ12の細長いチャネル14の近位端は、エンドエフェクタ12が細長いシャフトアセンブリ40に取り外し可能に結合され得るように、スパイン部材50の遠位端内に提供された対応するトラニオン開口部又は受台52内に受容されるようにサイズ決定された近位端から突出する一対の保持トラニオン17を有する。スパイン部材50は、例えば、6061又は7075アルミニウム、ステンレススチール、チタンなどから作製されてもよい。
【0020】
ハンドルアセンブリ100は、組み立て目的のための2つ以上の部品で作製され得るピストルグリップタイプのハウジングを備える。例えば、示されるようなハンドルアセンブリ100は、ポリマー又はプラスチック材料から成形又は別途作製され互いに嵌合するように設計された、右手ケース部材102及び左手ケース部材(図示せず)を備える。このようなケース部材は、スナップ機能、ペグ及び内部に成形若しくは別途形成されたソケットにより、並びに/又は接着剤、ねじなどにより、互いに取り付けられ得る。スパイン部材50は、上部に形成されたフランジ56を有する近位端54を有する。フランジ56は、ケース部材102、104のそれぞれから内側に突出する嵌合リブ108により形成された溝106内に回転可能に支持されるように構成される。このような構成が、スパイン部材50がハンドルアセンブリ100に対して長手方向軸A−Aを中心に360°の経路で回転することを可能にすると同時に、スパイン部材50のハンドルアセンブリ100への取り付けを容易にする。
【0021】
図1に更に見られ得るように、スパイン部材50は、ハンドルアセンブリ100に回転可能に添着された取り付けブッシング60を通過し、これによって支持される。取り付けブッシング60は、その間にハンドルアセンブリ100の鼻部分101を回転可能に受容するように構成された回転溝65を画定する近位フランジ62及び遠位フランジ64を有する。このような構成は、取り付けブッシング60が、ハンドルアセンブリ100に対して長手方向軸A−Aを中心に回転することを可能にする。スパイン部材50は、スパインピン66により、取り付けブッシング60に回転不可能にピン留めされる。加えて、回転ノブ70が、取り付けブッシング60に取り付けられる。例えば、回転ノブ70は、内部に取り付けブッシング60の一部分を受容するようにサイズ決定された中空の取り付けフランジ部分72を有する。回転ノブ70は、例えば、ガラス又は炭素充填ナイロン、ポリカーボネート、Ultem(登録商標)などから作製されてもよく、同様にスパインピン66によって取り付けブッシング60に固定される。加えて、内側に突出する保持フランジ74が、取り付けフランジ部分72上に形成され、取り付けブッシング60に形成された放射状の溝68内に延びるように構成される。したがって、外科医は、回転ノブ70を握持し、ハンドルアセンブリ100に対して回転させることによって、スパイン部材50(及びこれに取り付けられたエンドエフェクタ12)を長手方向軸A−Aを中心に360°の経路で回転させることができる。
【0022】
アンビル20は、アンビルばね21及び/又は他の付勢構成によって開位置に維持される。アンビル20は、一般的に109として指定される、発射システムによって、開放位置から様々な閉鎖又はクランピング及び発射位置へと、選択的に可動である。発射システム109は、「発射部材」110を含み、中空発射管110を含む。中空発射管110は、スパイン部材50上で軸方向に可動であり、したがって、細長いシャフトアセンブリ40の外部を形成する。発射管110は、ポリマー、又は他の好適な材料から作製されてもよく、発射システム109の発射ヨーク114に取り付けられる近位端を有してもよい。例えば、発射ヨーク114は、発射管110の近位端にオーバーモールドされてもよい。しかしながら、他の締結具配置が利用されてもよい。
【0023】
図1に見られるように、発射ヨーク114は、ハンドルアセンブリ100内で軸方向に動くように構成された、支持カラー120内で回転可能に支持されてもよい。支持カラー120は、一対の横方向に貫通して延在するフィンを有し、これはそれぞれ、右手ケース部材及び左手ケース部材に形成される、フィンスロット内に摺動可能に受容されるような大きさである。したがって、支持カラー120は、ハンドルハウジング100内に軸方向に摺動可能であり得、一方で発射ヨーク114及び発射管110がこれに対して、長手方向軸A−Aを中心に回転することを可能にする。本発明によれば、細長スロットが、発射管110を通じて提供され、スパインピン66が内部を通じてスパイン部材50内に貫通して延在することを可能にし、一方で、スパイン部材50上における発射管110の軸方向の移動を促進する。
【0024】
発射システム109は更に、スパイン部材50上の発射管110の軸方向の移動を制御するように機能する、発射トリガー130を更に含む。
図1を参照されたい。発射のためにアンビル20と相互作用させる、発射管110の遠位方向のそのような軸方向の動きは、ここでは「発射運動」と称される。
図1に見られるように、発射トリガー130は、枢動ピン132によってハンドルアセンブリ100に可動又は枢動可能に連結されている。トーションばね135を利用して、発射トリガー130をハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107から、非作動の「解放」又は開始位置へと付勢する。
図1に見られるように、発射トリガー130は、支持カラー120に可動に取り付けられた(ピン留めされた)発射リンク136に可動に取り付けられた(ピン留めされた)上部134を有する。したがって、発射位置(
図1)から、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107に隣接する終了位置への、発射トリガー130の移動により、発射ヨーク114及び発射管110を遠位方向「DD」に移動させる。発射トリガー130のハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107から離れる動き(トーションばね135の付勢により)により、発射ヨーク114及び発射管110は、スパイン部材50において近位方向「PD」に移動する。
【0025】
本発明は、異なる大きさ及び構成の埋め込み可能なステープルカートリッジと共に利用することができる。例えば、外科用器具10は、第1発射アダプタ140と共に使用されるとき、植設可能なステープルカートリッジ30を支持する、およそ20mm長さ(又は他の長さ)の、5mmエンドエフェクタ12と共に使用され得る。このようなエンドエフェクタの大きさは、例えば、比較的細かい切開、及び血管横切(transactions)を完成させるために、特に好適である。しかしながら、以下でより詳細に記載されるように、外科用器具10はまた、例えば、第1発射アダプタ140を第2発射アダプタと交換することにより、他の大きさのエンドエフェクタ及びステープルカートリッジと共に利用され得る。追加的な代替例として、細長いシャフトアセンブリ40は、1つのみの形状又は大きさのエンドエフェクタに取り付けられるように構成され得る。
【0026】
エンドエフェクタ12をスパイン部材50に取り外し可能に連結する1つの方法が説明される。連結プロセスは、細長チャネル14上の保持トラニオン17を、スパイン部材50のトラニオン受台52内に挿入することにより開始される。その後、外科医が発射トリガー130を、ハウジングアセンブリ100のピストルグリップ107の方に前進させ、発射管110及び第1発射アダプタ140を、細長チャネル14の近位端部分47を超えて遠位方向に前進させ、それによってトラニオン17をこれらの各受台52に保持する。トラニオン17を超える第1発射アダプタ140のこのような位置は、本明細書において「連結位置」と称される。本発明はまた、エンドエフェクタ12がスパイン部材50に取り付けられた後、発射トリガー130を適所に固定するために、エンドエフェクタ固定アセンブリを有し得る。
【0027】
より具体的に、エンドエフェクタ固定アセンブリ160の一実施形態は、発射トリガー130の上部134内に可動に支持される、保持ピン162を含む。上記のように、発射管110は最初に、第1発射アダプタ140がエンドエフェクタ12の保持トラニオン17をスパイン部材50のトラニオン受台52内に保持する、連結位置へと、遠位方向に前進しなくてはならない。外科医は、発射トリガー130を開始位置からピストルグリップ107へと引くことによって、発射アダプタ140を連結位置へと遠位方向に前進させる。発射トリガー130が最初に作動されると、保持ピン162は、発射管110が第1発射アダプタ140を連結位置まで前進させるまで、遠位方向に動き、この連結位置の点において保持ピン162は、ケース部材内に形成される固定空洞164内に付勢される。任意に、保持ピン162が固定空洞164に入るとき、ピン162は、可聴「クリック音」又は他の音を生じてもよく、またエンドエフェクタ12がスパイン部材50に「固定された」という触覚的指示を外科医に提供してもよい。加えて、外科医は、保持ピン162を固定空洞164から意図的に付勢しない限り、不注意により発射トリガー130を作動し続けて、ステープル32をエンドエフェクタ12内に形成し始めることはない。同様に、外科医が発射トリガー130を、これが連結位置にあるときに解放するとき、これは保持ピン162によってこの位置に保持され、発射トリガー130が開始位置に戻り、よってエンドエフェクタ12をスパイン部材50から解放するのを防ぐ。
【0028】
本発明は、ハンドルアセンブリ100に枢動可能に取り付けられた、発射システム固定ボタン137を更に含み得る。一形態において、発射システム固定ボタン137は、その遠位端上に形成されたラッチ138を有するが、これは、発射解放ボタンが第1ラッチング位置にあるときに、発射ヨーク114と係合するように向けられる。
図1に見られるように、ラッチばね139は、発射システム固定ボタン137を、第1ラッチング位置へと付勢するように機能する。様々な状況において、ラッチ138は、スパイン部材50上の発射ヨーク114の位置が、第1発射アダプタ140がアンビル20上のクランピング傾斜面28を遠位方向へと前進して上り始める点と対応する点において、発射ヨーク114と係合するように機能する。第1発射アダプタ140がクランピング傾斜面28を軸方向に前進して延びると、アンビル20が、そのステープル形成表面部分22がステープルカートリッジ30の上面36と実質的に平行となるようにして経路を移動する。
【0029】
エンドエフェクタ12がスパイン部材50と連結すると、ステープル形成プロセスは、発射システム固定ボタン137を最初に押圧することによって開始され、発射ヨーク114がスパイン部材50上で遠位方向に更に移動して、最終的にアンビル20をステープルカートリッジ30へと圧迫する。発射システム固定ボタン137を押圧した後、外科医は発射トリガー130をピストルグリップ107の方向に作動し続け、それによって第1ステープルカラー140を、対応するステープル形成傾斜面29を登るように駆動し、アンビル20を、ステープルカートリッジ30内のステープル32と接触するように形成する。発射システム固定ボタン137は、外科医がプロセスに備えるまで、ステープル32の不注意による形成を防ぐ。この実施形態において、外科医は、発射トリガー130が更に作動されてステープル形成プロセスを開始する前に、発射システム固定ボタン137を押圧しなくてはならない。
【0030】
外科用器具10は、所望される場合、単に、所望により組織ステープリング装置として使用され得る。しかしながら、本発明はまた、一般的に170として指定される、組織切断システムを含み得る。少なくとも一形態において、組織切断システム170は、ナイフ部材172を含むが、これは、ナイフ前進トリガー200を作動することによって、エンドエフェクタ12の近位端に隣接する非作動位置から、作動位置へと選択的に前進し得る。ナイフ部材172は、スパイン部材50内に可動に支持され、取り付けられ、ないしは別の方法によりナイフロッド180から突出する。ナイフ部材172は、例えば、38HRC超の硬度(Rockwell硬度Cスケール)を有する420又は440ステンレススチールから作製されてもよく、その遠位端174上に形成される組織切断縁部176を有し、アンビル20のスロット、及びステープルカートリッジ30の中央に配置されたスロット33を通じて摺動可能に延びて、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織を通じて切断する。ナイフロッド180は、スパイン部材50を通って延在し、ナイフ伝達器と駆動可能に接合する近位端部分を有し、このナイフ伝達器はナイフ前進トリガー200に操作可能に取り付けられている。ナイフ前進トリガー200は、駆動ピン132に取り付けられ、それによってこれを、発射トリガー130を作動させることなく、枢動させるかないしは別の方法で作動させ得る。本発明によれば、第1ナイフギア192はまた、枢動ピン132に取り付けられ、それによってナイフ前進トリガー200の作動がまた第1ナイフギア192を枢動させる。発射戻りばね202は、第1ナイフギア192とハンドルハウジング100との間に取り付けられて、ナイフ前進トリガー200を開始又は非作動位置に付勢する。
【0031】
ナイフ伝達器は更に、第2ギアスピンドル上に回転可能に支持され、第1ナイフギア192と噛合係合する、第2ナイフギア194を含む。第2ナイフギア194は、第3ギアスピンドル上に支持される第3ナイフギア196と噛合係合する。第4ナイフギア198もまた、第3ギアスピンドル195に支持される。第4ナイフギア198は、ナイフロッド180の近位端上で一連の環状ギア歯又はリングと駆動しながら係合するように適合される。このような配置は、第4ナイフギア198がナイフロッド180を遠位方向「DD」、又は近位方向「PD」に軸方向に駆動することを可能にし、一方で、発射ロッド180が第4ナイフギア198に対して長手方向軸A−Aを中心に回転することを可能にする。したがって、外科医は、ナイフ前進トリガー200をハンドルアセンブリ100のピストルグリップ107の方に引くことによって、発射ロッド180を軸方向に前進させ、最終的にナイフ部材172を遠位方向に前進させることができる。
【0032】
本発明は、更にナイフロックアウトシステム210を含むが、これは、発射トリガー130が完全な発射位置に引かれるとき以外、ナイフ部材172の前進を防ぐ。このような特徴はしたがって、ステープルが組織内に最初に発射されるか形成されるとき以外、ナイフ前進システム170の作動を防ぐ。
図1に見られるように、ナイフロックアウトシステム210の様々な実施は、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107内に枢動可能に支持される、ナイフロックアウトバー211を含む。ナイフロックアウトバー211は、発射トリガー130が完全に発射位置にあるときに、発射トリガー130と係合するように適合される、作動端部212を有する。加えて、ナイフロックアウトバー211は、その他端に保持フック214を有するが、これは第1切断ギア192上のラッチロッド216に引っ掛けるようにして係合するように適合される。ナイフ固定ばね218は、ナイフロックアウトバー211を、「固定」位置に付勢するように利用され、保持フック214は、ラッチロッド216と係合した状態に維持され、それによって、発射トリガー130が完全に発射位置にある場合を除いてナイフ前進トリガー200の作動を防ぐ。
【0033】
ステープルが、標的組織内に「発射」(形成)された後、外科医は発射トリガー解放ボタン167を押圧して、発射トリガー130が、トーションばね135の付勢力により開始位置に戻ることを可能にし、これによりアンビル20はばね21の付勢力により開放位置に付勢される。開放位置にあるとき、外科医は、植設可能なステープルカートリッジ30及びステープル32を後ろに残してエンドエフェクタ12を引いてもよい。エンドエフェクタが経路、作業チャネルなどを通じて挿入される用途において、外科医は、経路又は作業チャネルを通じてエンドエフェクタ12を後退できるようにするために、発射トリガー130を起動することによりアンビル20を閉じた位置に戻す。しかしながら、ステープルの発射の後に外科医が標的組織を切断することを所望する場合、外科医はナイフ前進トリガー200を上記の方法で起動させて、標的組織を通じてナイフバー172を、エンドエフェクタの端部まで駆動させる。その後、外科医はナイフ前進トリガー200を解放し、これにより発射戻しばね202は、発射伝達器がナイフバー172を開始(非作動)位置に戻すことを可能にする。一度ナイフバー172が開始位置に戻ると、外科医はエンドエフェクタジョー13、15を開き、植設可能なカートリッジ30を患者内で解放し、その後エンドエフェクタ12を患者から引き抜く。したがって、このような外科用器具は、比較的小さな作業チャネル及び経路を通じて挿入され得、一方で、外科医に、組織を切断せずにステープルを発射するか、又は所望により、ステープルが発射された後に組織もまた切断する選択肢を提供する、小さい植設可能なステープルカートリッジの使用を促進する。
【0034】
本発明の様々な固有かつ新規の実施形態は、アンビルと接触する実質的に静的な位置にステープルを支持する、圧縮可能なステープルカートリッジを利用する。アンビルは未形成ステープルに対して駆動され、このとき、例えば、達成されるステープルの形成の度合いは、アンビルがどの程度までステープルに対して駆動されたかに依存する。このような構成は、外科医に、ステープルに適用される形成又は発射圧力の度合いを調節し、それによって最終的に形成されるステープルの高さを変更する能力を提供する。本発明において、外科用ステープリング構成は、ステープルをアンビルに向かって持ち上げることができるステープル駆動要素を採用することができる。これらは更に以下で詳述される。
【0035】
任意に、上記に関し、可動性アンビルに適用される発射運動の量は、発射トリガーの差動の度合いに依存する。例えば、外科医が部分的にのみ形成されたステープルを得ることを所望する場合、発射トリガーは、ピストルグリップ107の方に向かって内側に、部分的にのみ押圧される。更なるステープルの形成を得るため、外科医は単純に更に発射トリガーを圧縮し、これによりアンビルは、ステープルとより深く接触するように更に駆動される。本明細書において使用するとき、用語「接触する」とは、ステープル形成表面又はステープル形成ポケットがステープル脚部の端部と接触し、脚部を形成した位置へと形成又は屈曲させ始めたことを意味する。ステープル形成の度合いとは、ステープル脚部がどれだけ折り畳まれたかを指し、ひいては、上記のステープル形成の高さに関連する。当業者は更に、アンビル20が、発射運動がそこに適用される際に、ステープルカートリッジと実質的に平行な関係で移動するため、ステープルが実質的に同時に、実質的に同じ形成高さで形成されることを理解する。
【0036】
図2及び
図3は、上記のエンドエフェクタ12’と同様の別のエンドエフェクタ12’’を例示するが、ただしナイフバー172’に適合するように構成された、以下の差異を含むものとする。ナイフバー172’は、ナイフロッド180に連結されるか、又はこれから突出し、他の点においては、ナイフバー172に関連する上記の方法で操作される。しかしながら、本実施形態において、ナイフバー172’は、エンドエフェクタ12’’の全長を横断するために十分な長さであり、したがって別個の遠位ナイフ部材はエンドエフェクタ12’’で利用されない。ナイフバー172’は、その上に形成される、上方横断部材173’、及び下方横断部材175’を有する。上方横断部材173’は、アンビル20’’の対応する細長いスロット250を摺動自在に横断するように向けられ、下方横断部材175’は、エンドエフェクタ12’’の細長いチャネル14’’の細長いスロット252を横断するように向けられる。係合離脱スロット(図示されない)がまたアンビル20’’に提供され、それによりナイフバー172’が薄いエンドエフェクタ12’’と共に終了位置に駆動されるとき、上方横断部材173’は対応するスロットを通じて降下し、アンビル20’’が開放位置へと移動して、ステープリング及び切断された組織と係合離脱する。アンビル20’’は、その他の点においては上記のアンビル20と同一であり得、細長いチャネル14’’はその他の点においては、上記の細長いチャネル14と同一であり得る。
【0037】
これらの実施形態において、アンビル20’’は、ばね又は他の開口部構成(図示なし)によって、完全に開いた位置(
図2)に付勢される。アンビル20’’は、上記の方法により、発射アダプタ150の軸方向の移動によって、開放位置と、完全にクランプした位置との間で移動する。一度発射アダプタ150が完全にクランプした位置(
図3)まで前進すると、外科医は次にナイフバー172’’を上記の方法で遠位方向に前進させてもよい。外科医がエンドエフェクタを、組織を操作するための把持装置として使用すると、発射アダプタは近位方向に移動されて、アンビル20’’が細長チャネル14’’から離れるように移動することを可能にする(
図4に破線で表される)。この実施形態において、ナイフバー172’’が遠位方向に移動すると、上方横断部材173’、及び下方横断部材175’は、アンビル20’’及び細長いチャネル14’’を一緒に引き、ナイフバー172’’がエンドエフェクタ12’’を通じて遠位方向に前進するに伴い、所望のステープル形成を達成する。
図5を参照されたい。したがって、この実施形態において、ステープル形成は組織切断と同時に生じるが、ステープル自体は、ナイフバー172’’が遠位方向に駆動される際に順次形成されてもよい。
【0038】
本発明の様々な外科用ステープルカートリッジ、及び外科用器具の固有かつ新規の特徴は、これらのカートリッジのステープルが1つ以上の線形又は非線形のラインに構成されることを可能にする。複数のこのようなステープルのラインは、内部を通じて組織切断部材を受容するために、ステープルカートリッジ内に中央に配置された、細長いスロットの両側に提供されてもよい。一構成において、例えば、1つのライン上のステープルは、ステープルの隣接するラインのステープルと実質的に平行であるが、ここからオフセットされていてもよい。追加的な代替例として、1つ以上のステープルのラインは、非線形の性質を有してもよい。すなわち、ステープルのラインの少なくとも1つのステープルの基部は、同じステープルのラインの他のステープルの基部と、実質的に横方向である、軸に沿って延びてもよい。例えば、細長スロットの各側のステープルのラインは、ジグザグの外観を有し得る。
【0039】
本発明によれば、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体、及びカートリッジ本体内に収容される複数のステープルを含み得る。使用中、ステープルカートリッジは、手術部位に組み込まれ、処理されている組織の側に組み込まれ得る。加えて、ステープル形成アンビルは、組織の反対側に位置し得る。アンビルは、第1ジョーにより保持されることができ、ステープルカートリッジは、第2ジョーによって保持されることができ、第1ジョー及び/又は第2ジョーは互いに向かって移動し得る。一度ステープルカートリッジ及びアンビルが組織に対して相対的に位置付けられると、ステープルがステープルカートリッジ本体から発射され得、ステープルが組織を貫通してスープル形成アンビルと接触し得る。一度ステープルがステープルカートリッジ本体から配備されると、ステープルカートリッジ本体がその後、手術部位から取り除かれてもよい。ステープルカートリッジ又はステープルカートリッジの少なくとも一部分が、ステープルと共に埋め込まれ得る。例えば、以下でより詳細に記載されるように、ステープルカートリッジは、アンビルが開放位置から閉鎖位置へと移動するときに、アンビルにより圧縮、圧壊、及び/又は折り畳まれ得る、カートリッジ本体を含み得る。カートリッジ本体が圧縮される、圧潰される、及び/又は折り畳まれるとき、カートリッジ本体内に位置付けられるステープルは、アンビルによって変形され得る。あるいは、ステープルカートリッジを支持するジョーは、アンビルに向かい、閉鎖位置へと移動し得る。いずれにせよ、ステープルは、これらが少なくとも部分的にカートリッジ本体内に位置付けられるときに、変形され得る。いくつかの場合には、ステープルは、ステープルカートリッジから射出しなくてもよく、他の場合には、ステープルは、カートリッジ本体の一部分と共に、ステープルカートリッジから射出され得る。
【0040】
ここで
図6A〜6Dを参照すると、例えば、ステープルカートリッジ1000などの圧縮可能なステープルカートリッジは、圧縮可能な、植設可能なカートリッジ本体1010、及び加えて、圧縮可能なカートリッジ本体1010内に位置付けられる、複数のステープル1020を含んでもよいが、
図6A〜6Dでは、1つのステープル1020のみが示されている。
図6Aは、ステープルカートリッジ支持体、又はステープルカートリッジチャネル1030によって支持されるカートリッジ1000を例示し、ステープルカートリッジ1000は、非圧縮状態で例示される。このような非圧縮状態において、アンビル1040は、組織Tと接触してもしなくてもよい。使用中、アンビル1040は、
図6Bに見られるように、開放位置から組織Tへと接触させ、組織Tを、カートリッジ本体1010に対して位置付けるように移動してもよい。
図6Bを再び参照し、アンビル1040は、組織Tをステープルカートリッジ本体1010の組織接触表面1019に対して位置付けることができるが、ステープルカートリッジ本体1010は、このような時点において、圧縮力又は圧力を(受けたとしても)ほとんど受けないことがあり、ステープル1020は、非形成又は非発射状態にあり得る。
図6A及び
図6Bに例示されるように、ステープルカートリッジ本体1010は、1つ以上の層を含む場合があり、ステープル1020のステープル脚部1021は、これらの層を通じて上方に延びる場合がある。カートリッジ本体1010は、第1層1011、第2層1012、第3層1013を含む場合があり、第2層1012は、第1層1011と第3層1013及び第4層1014との中間に位置付けられてもよく、第3層1013は、第2層1012と第4層1014との中間に位置付けられてもよい。ステープル1020の基部1022は、第4層1014の空洞1015内に位置付けられてもよく、ステープル脚部1021は、基部1022から第4層1014、第3層1013、及び第2層1012を通じて上方に延びてもよい。任意に、各変形可能な脚部1021は、先端部、例えば、鋭い先端部1023を含んでもよく、これは、例えば、ステープルカートリッジ1000が非圧縮状態にあるときに、第2層1012に位置付けられてもよい。例えば、先端部1023は、第1層1011内に及び/又はこれを通じて延在しない場合があり、先端部1023は、ステープルカートリッジ1000が非圧縮状態にあるときに、組織接触表面1019を通じて突出しないことがある。ステープルカートリッジが非圧縮状態にあるときに、鋭い先端1023は、第3層1013、及び/又は他の任意の好適な層に位置付けられてもよい。代替的に、ステープルカートリッジのカートリッジ本体は、例えば、3層以下、又は5層以上など、任意の好適な数の層を有してもよい。
【0041】
任意に、以下でより詳細に記載されるように、第1層1011は、バットレス材料及び/又はプラスチック材料、例えば、ポリジオキサノン(PDS)及び/又はポリグリコール酸(PGA)を含むことがあり、第2層1012は、生吸収性フォーム材料及び/又は圧縮可能な止血材料、例えば、酸化再生セルロース(ORC)を含むことがある。任意に、1つ以上の第1層1011、第2層1012、第3層1013、及び第4層1014は、ステープルカートリッジ本体1010内にステープル1020を保持してもよく、加えて、ステープル1020を、互いに位置合わせした状態に維持してもよい。第3層1013は、バットレス材料、又は高度に非圧縮性又は非弾性の材料から構成される場合があり、これはステープル1020のステープル脚部1021を互いに対して適所に保持するように構成され得る。更に、第3層1013の両側に配置される、第2層1012及び第4層1014は、第2層1012及び第4層1014が、圧縮可能なフォーム又は弾性材料を含み得るにもかかわらず、ステープル1020の移動を安定化又は低減することができる。ステープル脚部1021のステープル先端1023は、一部分が第1層1011に埋め込まれていてもよい。例えば、第1層1011及び第3層1013は、協調して、かつしっかりと、ステープル脚部1021を適所に保持するように構成され得る。第1層1011及び第3層1013はそれぞれ、生吸収性プラスチックのシート、例えば、商標名Vicrylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、及び/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの複合体を含んでもよく、第2層1012及び第4層1014はそれぞれ、少なくとも1つの止血材料又は薬剤を含んでもよい。
【0042】
第1層1011は、圧縮可能であり得、第2層1012は、第1層1011よりも実質的に圧縮可能である。例えば、第2層1012は、第1層1011の約2倍圧縮可能、約3倍圧縮可能、約4倍圧縮可能、約5倍圧縮可能、及び/又は約10倍圧縮可能であり得る。換言すると、第2層1012は、所定の力により第1層1011の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、及び/又は約10倍圧縮し得る。第2層1012は、第1層1011の、約2倍〜約10倍圧縮可能であり得る。第2層1012は、内部に画定される複数の空隙を含むことがあり、第2層1012における空隙の量及び/又は大きさは、第2層1012の所望の圧縮性を提供するために制御され得る。上記と同様に、第3層1013は圧縮可能である場合があり、第4層1014は、第3層1013よりも実質的に圧縮可能であり得る。例えば、第4層1014は、第3層1013の約2倍圧縮可能、約3倍圧縮可能、約4倍圧縮可能、約5倍圧縮可能、及び/又は約10倍圧縮可能であり得る。換言すると、第4層1014は、所定の力により、第3層1013の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、及び/又は約10倍圧縮し得る。第4層1014は、第3層1013の、約2倍〜約10倍圧縮可能であり得る。第4層1014は、内部に画定される複数の空隙を含むことがあり、第4層1014における空隙の量及び/又は大きさは、第4層1014の所望の圧縮性を提供するために制御され得る。様々な状況において、カートリッジ本体の圧縮性、又はカートリッジ本体の層は、圧縮率(すなわち、所定量の力において層が圧縮される距離)という観点で表現され得る。例えば、高い圧縮率を有する層は、層に適用される所定量の圧縮力において、より低い圧縮率を有する層と比較して、より大きな距離だけ圧縮する。すなわち、第2層1012は、第1層1011よりも高い圧縮率を有することがあり、同様に第4層1014は、第3層1013よりも高い圧縮率を有することがある。第2層1012及び第4層1014は、同じ材料を含むことができ、同じ圧縮率を含み得る。第2層1012及び第4層1014は、異なる圧縮率を有する材料から構成され得る。同様に第1層1011及び第3層1013は、同じ材料を含むことがあり、同じ圧縮率を含む場合がある。第1層1011及び第3層1013は、異なる圧縮率を有する材料を含んでもよい。
【0043】
図6Cに例示されるように、アンビル1040が閉鎖位置に移動すると、アンビル1040は、組織Tに接触し、組織T及びステープルカートリッジ1000に圧縮力を適用することができる。このような状況において、アンビル1040は、カートリッジ本体1010の頂面又は組織接触表面1019を、ステープルカートリッジ支持体1030に向かって下方に押すことができる。ステープルカートリッジ支持体1030は、カートリッジ支持表面1031を含む場合があり、これは、ステープルカートリッジ1000が、カートリッジ支持表面1031とアンビル1040の組織接触表面1041との間で圧縮される際に、ステープルカートリッジ1000を支持するように構成され得る。アンビル1040により適用される圧力により、カートリッジ本体1010は圧縮され得、アンビル1040がステープル1020と接触し得る。より具体的に、カートリッジ本体1010の圧縮、及び組織接触表面1019の下方移動により、ステープル脚部1021の先端1023が、カートリッジ本体1010の第1層1011を貫通し、組織Tを貫通し、アンビル1040の形成ポケット1042内に入ることがある。カートリッジ本体1010が、アンビル1040によって更に圧縮されると、先端部1023は、形成ポケット1042を画定する壁部に接触することができ、結果として脚部1021は、例えば、
図6Cに例示されるように、変形するか、内側に湾曲し得る。やはり
図6Cに見られるように、ステープル脚部1021が変形すると、ステープル1020の基部1022は、ステープルカートリッジ支持体1030と接触するか、又はこれによって支持され得る。任意に、以下により詳細に記載されるように、ステープルカートリッジ支持体1030は、例えば、複数の支持機構(ステープル支持溝、スロット、又はトラフ1032など)を備える場合があり、これらは、ステープル1020が変形される際に、ステープル1020又は少なくともステープル1020の基部1022を支持するように構成され得る。また
図6Cに例示されるように、第4層1014の空洞1015は、ステープルカートリッジ本体1010に適用された圧縮力の結果として折り畳まれ得る。空洞1015に加えて、ステープルカートリッジ本体1010は、1つ以上の空隙、例えば、空隙1016などを更に含むことがあり、これは、内部に位置付けられたステープルの一部分を含んでも、含まなくてもよく、これは、カートリッジ本体1010が折り畳まれることを可能にするように構成され得る。空洞1015及び/又は空隙1016は、空洞及び/又は壁部を画定する壁部が下方に屈曲して、カートリッジ支持表面1031と接触し、並びに/又は空洞及び/若しくは空隙の下に位置付けられるカートリッジ本体1010の層と接触するようにして、潰れるように構成される。
【0044】
図6B及び
図6Cを比較すると、第2層1012及び第4層1014が、アンビル1040によって適用される圧縮圧力によって実質的に圧縮されていることが明らかである。第1層1011及び第3層1013が、同様に圧縮されたことが認識され得る。アンビル1040がその閉鎖位置に移動されると、アンビル1040は、組織接触表面1019をステープルカートリッジ支持体1030に向かって下方に押すことによって、カートリッジ本体1010を更に圧縮し続けてもよい。
図6Dに例示されるように、カートリッジ本体1010が更に圧縮されると、アンビル1040は、ステープル1020を、これらの完全に形成された形状に変形し得る。
図6Dを参照すると、各ステープル1020の脚部1021は、変形可能な脚部1021と基部1022との間に、組織T、第1層1011、第2層1012、第3層1013、及び第4層1014の少なくとも一部分を捕捉するため、各ステープル1020の基部1022の方に向かって下方に変形され得る。
図6C及び
図6Dを比較すると、第2層1012及び第4層1014が、アンビル1040によって適合される圧縮圧力によって実質的に圧縮されていることが明らかである。同様に、
図6C及び
図6Dを比較した際に、第1層1011及び第3層1013が更に圧縮されたことにも留意されたい。ステープル1020が完全に又は少なくとも十分に形成された後、アンビル1040が組織Tから離れるように持ち上げられる場合があり、ステープルカートリッジ1030が、ステープルカートリッジ1000から離れるように動かされること、及び/又はこれから分離されることがある。
図6Dに示されるように、上記の結果として、カートリッジ本体1010は、ステープル1020と共に植設され得る。様々な状況において、植設されたカートリッジ本体1010は、ステープルのラインに沿って組織を支持し得る。いくつかの状況において、埋め込まれたカートリッジ本体1010内に含まれる止血剤及び/又は他の任意の好適な治療用薬剤は、時間と共に組織を治療し得る。上記のように、止血剤は、ステープリング及び/又は切開された組織の出血を低減させ得る一方で、結合剤又は組織接着剤は、時間と共に組織に強度をもたらし得る。埋め込まれたカートリッジ本体1010は、例えば、ORC(酸化再生セルロース)、コラーゲンなどの細胞外タンパク質、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの複合体などの材料を含み得る。いくつかの状況において、カートリッジ本体1010は、抗生物質及び/又は抗菌剤物質、例えば、コロイド状銀及び/又はトリクロサンを含んでもよく、これらは、手術部位における感染の可能性を低減させることができる。
【0045】
カートリッジ本体1010の層は、互いに接続され得る。例えば、繊維素及び/又はタンパク質ヒドロゲルなどの少なくとも1つの接着剤を利用して、第2層1012は、第1層1011に接着されてもよく、第3層1013は、第2層1012に接着されてもよく、第4層1014は第3層1013に接着されてもよい。例示されないが、カートリッジ本体1010の層は、連結機械機構によって互いに連結され得る。例えば、第1層1011及び第2層1012はそれぞれ、例えば、舌部及び溝部構成及び/又はあり継手構成などの、対応する連結機構を含み得る。同様に、第2層1012及び第3層1013はそれぞれ、対応する連結機構を含む場合があり、一方で第3層1013及び第4層1014はそれぞれ、対応する連結機構を含み得る。例示されないが、ステープリングカートリッジ1000は、例えば、カートリッジ本体1010の1つ以上の層を通じて延び得る1つ以上のリベットを含み得る。例えば、各リベットは、第1層1011と隣接するように位置付けられる第1端部又はヘッド、及びこのリベットの第2端部によって組み立てられるか、又は形成され得る第4層1014と隣接するように位置付けられた、第2ヘッドを含み得る。カートリッジ本体1010の圧縮可能な性質により、リベットはカートリッジ本体1010を圧縮してもよく、これにより、リベットのヘッドは、例えば、組織接触表面1019、及び/又はカートリッジ本体1010の底面1018に対して陥没していることがある。例えば、リベットは、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの複合体などの生吸収性材料を含み得る。カートリッジ本体1010の層は、内部に含まれるステープル1020によって以外は、互いに接続されないことがある。例えば、ステープル脚部1021とカートリッジ本体1010との間の摩擦係合は、カートリッジ本体1010の層を一緒に保持することができ、一度ステープルが形成されると、層はステープル1020内に捕捉され得る。ステープル脚部1021の少なくとも一部分は、非平坦化表面又は非平坦なコーティングを備える場合があり、これは、ステープル1020とカートリッジ本体1010との間の摩擦力を含み得る。
【0046】
上記のように、外科用器具は、ステープルカートリッジ1030を含む第1ジョー、及びアンビル1040を含む第2ジョーを含み得る。任意に、以下でより詳細に記載されるように、ステープルカートリッジ1000は、1つ以上の保持機構を含んでもよく、これはステープルカートリッジ支持体1030と係合するように構成されてもよく、結果として、ステープルカートリッジ1000をステープルカートリッジ支持体1030に解放可能に保持する。ステープルカートリッジ1000は、例えば、繊維素及び/又はタンパク質ヒドロゲルなどの少なくとも1つの接着剤によって、ステープルカートリッジ支持体1030に接着され得る。使用中、少なくとも1つの状況において、特に腹腔鏡及び/又は内視鏡手術において、例えば、第2ジョーは第1ジョーと反対側の閉鎖位置に移動され得、それによって第1及び第2ジョーがトロカールを通じて手術部位に挿入され得る。例えば、トロカールは、およそ5mmの開口部又はカニューレを画定する場合があり、これを通じて第1及び第2ジョーが挿入され得る。第2ジョーは、開放位置と閉鎖位置との中間の部分的に閉鎖した位置に移動することができ、これは、ステープルカートリッジ本体1010内に含まれるステープル1020を変形することなく、トロカールを通じて第1及び第2ジョーが挿入されることを可能にし得る。例えば、第2ジョーがその部分的に閉じた中間位置にあるとき、アンビル1040は圧縮力をステープルカートリッジ本体1010に適用しないことがあり、第2ジョーが部分的に閉じた中間位置にあるときに、アンビル1040はステープルカートリッジ本体1010を圧縮し得る。アンビル1040が、そのような中間位置にあるときに、ステープルカートリッジ本体1010を圧縮し得るにもかかわらず、アンビル1040は、アンビル1040がステープル1020と接触するために、及び/又はステープル1020がアンビル1040によって変形されるために、ステープルカートリッジ本体1010を十分に圧縮しないことがある。一度第1及び第2ジョーが、トロカールを通じて手術部位に挿入されると、第2ジョーはもう一度開放されることがあり、アンビル1040及びステープルカートリッジ1000は、上記のように標的組織に対して相対的に位置付けられることがある。
【0047】
図7A〜7Dを参照すると、外科用ステープラーのエンドエフェクタは、アンビル1140とステープルカートリッジ支持体1130との中間に位置付けられた埋め込み可能なステープルカートリッジ1100を含み得る。上記と同様に、アンビル1140は、組織接触表面1141を含むことがあり、ステープルカートリッジ1100は、組織接触表面1119を含むことがあり、ステープルカートリッジ支持体1130は、支持表面1131を含むことがあるが、これはステープルカートリッジ1100を支持するように構成されている。
図7Aを参照すると、アンビル1140は、ステープルカートリッジ1100を変形することなく、ステープルカートリッジ1100の組織接触表面1119に対して組織Tを位置付けるために使用され得、アンビル1140がこのような位置にあるとき、組織接触表面1141は、ステープルカートリッジ支持表面1131から距離1101aで位置付けられ得、組織接触表面1119は、ステープルカートリッジ支持表面1131から距離1102aで位置付けられ得る。その後、アンビル1140がステープルカートリッジ支持体1130に向かって移動され、
図7Bを参照すると、アンビル1140は、ステープルカートリッジ1100の頂面又は組織接触表面1119を下方に押し、カートリッジ本体1110の第1層1111及び第2層1112を圧縮することができる。
図7Bを参照すると、層1111及び1112が圧縮されると、第2層1112が圧潰し、ステープル1120の脚部1121が、第1層1111を通過して組織T内に貫通し得る。例えば、ステープル1120は、第2層1112のステープル空洞又は空隙1115内に少なくとも一部分が位置付けられ得、第2層1112が圧縮されると、ステープル空洞1115が折り畳まれ、結果として、第2層1112がステープル1120の周囲で折り畳まれる。第2層1112は、カバー部分1116を含んでもよく、これはステープル空洞1115上に延在し、かつステープル空洞1115を包囲するか又は少なくとも一部分を包囲し得る。
図7Bは、ステープル空洞1115内へと下方に圧潰されている、カバー部分1116を例示する。第2層1112は、1つ以上の弱化部分を含んでもよく、これは第2層1112が折り畳まれるのを促進し得る。任意に、このような弱化部分は、例えば、刻んだ線、穿孔、及び/又は薄い断面を含んでもよく、これはカートリッジ本体1110の制御された折りたたみを促進し得る。第1層1111は、1つ以上の弱化部分を含んでもよく、これは、第1層1111を通じてステープル脚部1121の貫通を促進し得る。任意に、このような弱くした部分は、例えば、刻んだ線、穿孔、及び/又は薄い断面を含んでもよく、これはステープル脚部1121と位置合わせされるか又は少なくとも実質的に位置合わせされ得る。
【0048】
図7Aを再び参照し、アンビル1140が、部分的に閉じた、発射していない位置にあるとき、アンビル1140は、カートリッジ支持表面1131から、その間に空隙が画定されるように、距離1101aで位置付けられ得る。空隙は、ステープルカートリッジ高さ1102aを有するステープルカートリッジ1100、及び組織Tで充填され得る。
図7Bを再び参照し、アンビル1140が下方に移動されてステープルカートリッジ1100を圧縮すると、組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の距離は、距離1101aよりも短い距離1101bによって画定され得る。様々な状況において、距離1101bにより画定される、アンビル1140の組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の空隙は、元々の変形していないステープルカートリッジ高さ1102aよりも大きいことがある。ここで
図7Cを参照すると、アンビル1140がカートリッジ支持表面1131により近く移動されると、第2層1112は、折り畳み続け、ステープル脚部1121と形成ポケット1142との間の距離は減少し得る。同様に、組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の距離は、1101cまで減少することがあるが、これは、元の変形してないカートリッジ高さ1102aより大きいこと、これと等しいこと、又はこれより小さいことがある。
図7Dを参照すると、アンビル1140は、ステープル1120が完全に形成された又は少なくとも所望の高さまで形成された、最終的な、発射位置まで移動され得る。このような位置において、アンビル1140の組織接触表面1141は、カートリッジ支持表面1131から距離1101dの距離であり得、距離1101dは、元の変形していないカートリッジ高さ1102aより短い場合がある。また
図7Dに例示されるように、ステープル空洞1115は、完全に又は少なくとも実質的に、折り畳まれており、ステープル1120は、完全に又は少なくとも実質的に、折り畳まれた第2層1112によって囲まれる。様々な状況において、アンビル1140はその後、ステープルカートリッジ1100から離れるように動く場合がある。一度アンビル1140がステープルカートリッジ1100から係合離脱すると、カートリッジ本体1110は、様々な位置(すなわち、例えば、ステープル1120に隣接するステープルの中間の位置)において、少なくとも部分的に再拡張し得る。圧壊したカートリッジ本体1110は、弾性的に再拡張しないことがある。形成されたステープル1120及び、加えて、隣接するステープル1120の中間に位置付けられるカートリッジ本体1110は、組織Tに圧力、又は圧縮力を適用することがあるが、これは様々な治療的効果を提供し得る。
【0049】
上記のように、
図7Aを再び参照し、各ステープル1120は、そこから延びるステープル脚部1121を含み得る。ステープル1120は、2つのステープル脚部1121を含むものとして示されるが、1つのステープル脚部、又はあるいは2つを超えるステープル脚部、例えば、3つのステープル脚部、又は4つのステープル脚部を含む様々なステープルが使用される場合がある。
図7Aに例示されるように、各ステープル脚部1121は、ステープル1120が第2層1112内に固定されるように、カートリッジ本体1110の第2層1112に埋め込まれ得る。ステープル1120は、ステープル脚部1121の先端部1123が、基部1122の前に空洞1115内に入るようにして、カートリッジ本体1110のステープル空洞1115内に挿入されることがある。先端1123が、空洞1115内に挿入された後、先端1123は、カバー部分1116内に押し込まれて、第2層1112を切開する。ステープル1120は、ステープル1120が第2層1112に対して動かないか、又は少なくとも実質的に動かないように、第2層1112内の十分な深さに据え付けられ得る。ステープル1120は、基部1122がステープル空洞1115内に位置付けられるか又は埋め込まれるように、第2層1112内の十分な深さに位置付けられ得る。代替的に、基部1122は、第2層1112内に位置付けられないか、又は埋め込まれない場合もある。
図7Aを再び参照すると、基部1122は、カートリッジ本体1110の底面1118の下に延在してもよい。基部1122は、カートリッジ支持表面1130上に位置し得るか、又はこれに対して直接位置付けられ得る。カートリッジ支持表面1130は、そこから延びるか、及び/又は内部に画定される支持機構を含む場合があり、例えば、ステープル1120の基部1122は、以下でより詳細に記載されるように、ステープルカートリッジ支持体1130の、1つ以上の支持溝、スロット、又はトラフ1132内に位置付けられるか、これによって支持され得る。
【0050】
ここで
図8及び
図9を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ1200などのステープルカートリッジは、外層1211及び内層1212を含む、圧縮可能な、埋め込み可能なカートリッジ本体1210を含む場合がある。上記と同様に、ステープルカートリッジ1200は、カートリッジ本体1210内に位置付けられた、複数のステープル1220を含む場合がある。任意に、各ステープル1220は、基部1222及びそこから延びる1つ以上のステープル脚部1221を含み得る。例えば、ステープル脚部1221は、内層1212内に挿入され、例えば、ステープル1220の基部1222が、内層1212の底面1218と隣接する、及び/又は隣接するように位置付けられるような深さに据え付けられ得る。
図8及び
図9では、内層1212は、ステープル1220の一部分を受容するように構成されたステープル空洞を含まず、代替的に、内層1212は、このようなステープル空洞を含み得る。上記に加え、内層1212は、例えば、生吸収性フォーム及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの、圧縮可能な材料を含む場合があるが、これは、カートリッジ本体1210が、圧縮負荷がそこに適用される際に折り畳まれることを可能にするように構成され得る。内層1212は、例えば、ポリ乳酸(PLA)及び/又はポリグリコール酸(PGA)を含む凍結乾燥フォームから構成される場合がある。ORCは、商標名Surgicelで市販されている場合があり、緩く編まれた(外科用スポンジのような)ファブリック、(コットンボールのような)緩い繊維、及び/又はフォームを備え得る。内層1212は、例えば、水で活性化すること及び/又は例えば、患者の体液によって活性化することが可能な、そこに包含されている及び/又はそこに塗布されている凍結乾燥トロンビン及び/又は繊維素のような、医薬品を含む材料で構成され得る。例えば、凍結乾燥したトロンビン及び/又は繊維素をVicryl(PGA)マトリックス上に保持し得る。しかし、特定の状況では、ステープルカートリッジ1200が、例えば、患者の体内の外科的部位に挿入されたときに、活性化可能な医薬品が、意図せずして、活性化され得る。再度
図8及び
図9を参照すると、外層1211は、水不透過性、又は少なくとも実質的に水不透過性の材料から構成され得、それによりカートリッジ本体1210が圧縮されてステープル脚部が外層1211を貫通した後、及び/又は外層1211が何らかの様式により切開された後まで、液体が内層1212と接触しないか、又は少なくとも実質的に接触しない。外層1211は、例えば、ポリジオキサノン(PDS)、及び/又はポリグリコール酸(PGA)などのバットレス材料及び/又はプラスチック材料から構成され得る。外層1211は、内層1212及びステープル1220を囲むラップを含み得る。より具体的に、ステープル1220は、内層1212内に挿入されることがあり、外層1211は、内層1212及びステープル1220を含むサブアセンブリの周囲に巻かれ、その後封止され得る。
【0051】
本明細書で説明されるように、ステープルカートリッジのステープルは、アンビルが閉鎖位置に動かされるときに、アンビルによって完全に形成され得る。代替的に、
図10〜13を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ4100などのステープルカートリッジのステープルは、アンビルが閉鎖位置へと動くときにアンビルによって、加えて、ステープルを閉鎖したアンビルの方へ動かすステープルドライバシステムによって、変形され得る。ステープルカートリッジ4100は、例えば、フォーム材料、及び圧縮可能なカートリッジ本体4110内に少なくとも一部分が位置付けられた、複数のステープル4120を含み得る、圧縮可能なカートリッジ本体4110を含み得る。ステープルドライバシステムは、ドライバホルダ4160、ドライバホルダ4160内に位置付けられた複数のステープルドライバ4162、及びドライバホルダ4160にステープルドライバ4162を保持するように構成され得るステープルカートリッジパン4180を含み得る。例えば、ステープルドライバ4162は、ドライバホルダ4160の1つ以上のスロット4163内に位置付けられることがあり、スロット4163の側壁は、ステープルドライバ4162をアンビルに向かって上方に案内することを補助し得る。ステープル4120は、ステープルドライバ4162によってスロット4163内に支持されることがあり、ステープル4120は、ステープル4120及びステープルドライバ4162がこれらの非発射位置にある際に、スロット4163に完全に位置付けられることがある。代替的に、ステープル4120の少なくとも一部分は、ステープル4120及びステープルドライバ4162がこれらの非発射位置にあるときに、スロット4163の解放端部4161を通じて上方に延び得る。例えば、ここで
図11を参照すると、ステープル4120の基部は、ドライバホルダ4160内に位置付けられることがあり、ステープル4120の先端部は、圧縮可能なカートリッジ本体4110内に埋め込まれることがある。ステープル4120の高さのおよそ1/3が、ドライバホルダ4160内に位置付けられる場合があり、ステープル4120のおよそ2/3が、カートリッジ本体4110内に位置付けられることがある。
図10Aを参照すると、ステープルカートリッジ4100は、例えば、カートリッジ本体4110及びドライバホルダ4160を囲む、水透過性ラップ又は膜4111を更に備える場合がある。
【0052】
使用中、ステープルカートリッジ4100は、例えば、ステープルカートリッジチャネル内に位置付けられることがあり、アンビルは、ステープルカートリッジ4100に向かって閉鎖位置へと動かされ得る。アンビルは、アンビルがその閉鎖位置に動かされるときに、圧縮可能カートリッジ本体4110と接触し、これを圧縮することができる。アンビルは、アンビルがその閉鎖位置にあるときに、ステープル4120に接触しなくてもよい。アンビルは、アンビルがその閉鎖位置に動かされる際に、ステープル4120の脚部に接触し、少なくとも部分的にステープル4120を変形させてもよい。いずれにせよ、ステープルカートリッジ4100は、1つ以上のスレッド4170を更に含むことがあるが、これは、ステープルカートリッジ4100内で長手方向に前進することがあり、それによって、スレッド4170は、連続的にステープルドライバ4162と係合し、ステープルドライバ4162及びステープル4120をアンビルの方に動かすことができる。スレッド4170は、ステープルカートリッジパン4180とステープルドライバ4162との間で摺動し得る。アンビルのクロージャが、ステープル4120の形成プロセスを開始した場合、ステープル4120のアンビルに向かう上方への移動は、形成プロセスを完了し、ステープル4120をこれらの完全に形成した、又は少なくとも所望の高さへと変形させることができる。アンビルのクロージャが、ステープル4120を変形させていない場合、ステープル4120のアンビルの方への上方への移動は、形成プロセスを開始及び完了し、ステープル4120をこれらの完全に形成した、又は少なくとも所望の高さへと変形させることができる。スレッド4170は、ステープルカートリッジ4100の近位端から、ステープルカートリッジ4100の遠位端まで前進することができ、それによって、ステープルカートリッジ4100の近位端内に位置付けられるステープル4120は、ステープルカートリッジ4100の遠位端に位置付けられるステープル4120が完全に形成される前に、完全に形成される。
図12を参照すると、スレッド4170は、それぞれ、少なくとも1つの角度付き、又は傾いた表面4711を含むことができるが、これは、
図13に例示されるように、ステープルドライバ4162の下を摺動し、ステープルドライバ4162を持ち上げるように構成され得る。
【0053】
上記に加え、ステープル4120は、組織Tの少なくとも一部分、及びステープルカートリッジ4100の圧縮可能なカートリッジ本体4110の少なくとも一部分を内部に捕捉するために、形成され得る。ステープル4120が形成された後、外科用ステープラーのアンビル及びステープルカートリッジチャネル4130は、植設されたステープルカートリッジ4100から離れるように動かされ得る。様々な状況において、カートリッジパン4180は、ステープルカートリッジチャネル4130としっかりと固定され得、その結果、カートリッジパン4180は、ステープルカートリッジチャネル4130が、植設されたカートリッジ本体4110から引き離される際に、圧縮可能なカートリッジ本体4110から取り外され得る。
図10を再び参照し、カートリッジパン4180は、その間にカートリッジ本体4110が取り外し可能に取り付けられ得る、対向する側壁4181を含み得る。例えば、圧縮可能なカートリッジ本体4110は、カートリッジ本体4110が側壁4181の間で、使用中にその間に取り外し可能に保持され、カートリッジパン4180が引き離される際にカートリッジパン4180から解放可能に係合離脱されるように、圧縮され得る。例えば、ドライバホルダ4160は、カートリッジパン4180が手術部位から取り外されるときに、ドライバホルダ4160、ドライバ4162、及び/又はスレッド4170が、カートリッジパン4180に留まり得るようにして、カートリッジパン4180に接続され得る。ドライバ4162は、ドライバ4160から排出されて、手術部位内に残され得る。例えば、ドライバ4162は、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの複合体などの生吸収性材料から構成され得る。ドライバ4162は、ドライバ4162が、ステープル4120と共に配備されるように、ステープル4120に取り付けられ得る。例えば、各ドライバ4162は、例えば、ステープル4120の基部を受容するように構成されたトラフを含む場合があり、トラフは、圧力嵌め及び/又はスナップ嵌めの方法により、ステープル器具を受容するように構成され得る。
【0054】
更に上記に加え、ドライバホルダ4160及び/又はスレッド4170は、カートリッジパン4180から排出され得る。例えば、スレッド4170は、カートリッジパン4180とドライバホルダ4160との間で摺動する場合があり、それにより、スレッド4170がステープルドライバ4162及びステープル4120を上方に駆動するために、スレッド4170が前進する際に、同様に、スレッド4170がドライバホルダ4160もカートリッジパン4180の外側に上方へと移動させることができる。例えば、ドライバホルダ4160及び/又はスレッド4170は、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの複合体などの生吸収性材料を含み得る。スレッド4170は、ドライババー又は切断部材に一体的に形成される場合及び/又はこれに取り付けられる場合があるが、これはステープルカートリッジ4100を通じてスレッド4170を押す。このような場合には、スレッド4170は、カートリッジパン4180から排出されなくてもよく、外科用ステープラーと共に留まってもよいが、スレッド4170がドライブバーに取り付けられていない他の場合には、スレッド4170は、手術部位に残ってもよい。いずれにせよ、上記に加え、カートリッジ本体4110の圧縮性は、ステープルのアンビルが閉じるときにカートリッジ本体4110が圧縮又は収縮し得る際に、より厚いステープルカートリッジが、外科用ステープラーのエンドエフェクタ内で使用されることを可能にし得る。アンビルの閉鎖の際に少なくとも一部分が変形されるステープルの結果として、例えば、およそ4.6mm(0.18”)を有するステープルなどのより高いステープルが使用される場合があり、およそ3.0mm(0.12”)のステープルの高さが圧縮可能な層4110内に位置付けられる場合があり、圧縮可能な層4110は、例えば、およそ3.6mm(0.14”)の非圧縮高さを有し得る。
【0055】
本明細書で説明されるように、ステープルカートリッジは、内部に複数のステープルを備えることができる。任意に、このようなステープルは、2つのステープル脚部を有する実質的にU字型の構成に変形される金属ワイヤから構成されることがある。ステープルが、3つ以上のステープル脚部を有する、一緒に結合された2つ以上のワイヤなどの異なる構成を備え得る、代替例が想到される。ステープルを形成するために使用される、ワイヤが、丸い、又は少なくとも実質的に丸い断面を含み得る。ステープルワイヤは、例えば、正方形及び/又は矩形の断面などの、他の任意の好適な断面を含み得る。ステープルは、プラスチックワイヤを含み得る。ステープルは、プラスチックコーティングされた金属ワイヤを含み得る。本発明によれば、カートリッジは、ステープルに加えて、又はその代わりに、任意の好適な種類の締結具を備えることができる。例えば、このような締結具は、アンビルと係合する際に折られ得る、枢動可能なアームを備える場合がある。2つの部分に分かれる締結具が利用され得る。例えば、ステープルカートリッジは、複数の第1締結部分を備える場合があり、アンビルは、アンビルがステープルカートリッジに対して圧縮される際に、第1締結部分に接続される、複数の第2締結部分を備える場合がある。上記のように、スレッド又はドライバは、ステープルの形成プロセスを完了するために、ステープルカートリッジ内で前進し得る。スレッド又はドライバは、1つ以上の形成部材を、内部に位置付けられた、対向するステープルカートリッジ及びステープル又は締結具と係合するように、下方に動かすために、アンビル内で前進し得る。
【0056】
本明細書で説明されるように、ステープルカートリッジは、内部に保存された4列のステープルを含み得る。4つのステープル列は、2つの内側ステープル列、及び2つの外側ステープル列に構成され得る。例えば、内側ステープル列及び外側ステープル列は、ステープルカートリッジ内の切断部材又はナイフスロットの第1側部に位置付けられることがあり、同様に、内側ステープル列及び外側ステープル列は、切断部材又はナイフスロットの第2側部に位置付けられることがある。ステープルカートリッジは、切断部材スロットを含まない場合があるが、このようなステープルカートリッジは、ステープルカートリッジスロットの代わりに、切断部材によって切開されるように構成された指定部分を含み得る。内側ステープル列は、ステープルカートリッジ内において、これらが切断部材スロットから均等に、又は少なくとも実質的に均等に離間するように配置され得る。同様に、他のステープル列は、ステープルカートリッジ内において、これらが切断部材スロットから均等に、又は少なくとも実質的に均等に離間するように配置され得る。本発明によれば、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジ内に保存された5列以上、又は3列以下のステープルを備え得る。ステープルカートリッジは、6列のステープルを備え得る。例えば、ステープルカートリッジは、切断部材スロットの第1側部に3列のステープルを、及び切断部材スロットの第2側部に3列のステープルを、備え得る。ステープルカートリッジは、奇数のステープル列を備える。例えば、ステープルカートリッジは、切断部材スロットの第1側部に2列のステープルを、及び切断部材スロットの第2側部に3列のステープルを備え得る。ステープル列は、同じ又は少なくとも実質的に同じ、形成されていないステープルの高さを備え得る。代替的に、1つ以上のステープル列は、他のステープルとは異なる非形成ステープルの高さを有するステープルを備え得る。例えば、切断部材スロットの第1側部のステープルは、第1の非形成高さを有し、切断部材スロットの第2側部は、第2非形成高さを有するが、これは、例えば、第1高さとは異なる。
【0057】
任意に、上述のように、ステープルカートリッジは、内部に画定された複数のステープル空洞を有するカートリッジ本体を備え得る。カートリッジ本体は、デッキ及びデッキ上表面を備えることができ、各ステープル空洞は、デッキ表面に開口部を画定し得る。上述のように、ステープルは、そこから発射されるまでの間、カートリッジ本体内に保存されるように、各ステープル空洞内に配置することができる。ステープルは、カートリッジ本体から発射される前に、ステープルがデッキ表面の上に突出しないように、カートリッジ本体内に受容され得る。ステープルはデッキ表面の下に配置されているため、そのような場合に、ステープルの損傷及び/又は標的組織に時期尚早に接触する可能性を低減することができる。様々な状況において、ステープルは、カートリッジ本体から突出していない非発射位置と、カートリッジ本体から出現して、ステープルカートリッジに相対して配置されているアンビルに接触することができる発射済み位置との間で、移動することができる。アンビル、及び/又はアンビル内に画定されている形成ポケットは、デッキ表面の上の所定距離に配置することができ、これにより、ステープルがカートリッジ本体から配備される際に、ステープルが所定の形成高さに変形される。いくつかの状況において、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織の厚さは変化する可能性があり、その結果、より厚い組織が特定のステープル内に捕捉されることがある一方、より薄い組織が他の特定のステープル内に捕捉されることがある。いずれの場合においても、ステープルによって組織にかかるクランプ圧力又はクランプ力は、ステープルによって変化する可能性があり、あるいは、例えば、ステープル列の一方の端にあるステープルと、そのステープル列の他方の端にあるステープルとの間で変わる可能性がある。特定の状況において、アンビルとステープルカートリッジデッキとの間の隙間は、ステープルが各ステープル内に所定の最低クランプ圧力を適用するように制御することができる。しかしながら、いくつかのそのような状況において、異なるステープル内でクランプ圧力の顕著な変動が依然として存在し得る。外科用ステープリング器具が、米国特許番号第7,380,696号(2008年6月3日発行)に開示されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。外科用ステープリング及び切断用器具の例示的なマルチストロークハンドルは、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、同時係属かつ共同出願の米国特許出願第10/374,026号「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING A MULTISTROKE FIRING POSITION INDICATOR AND RETRACTION MECHANISM」に詳細が記述されている。本発明と一貫性がある他の出願は、例えば、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、同時係属かつ共同出願の米国特許出願第10/441,632号「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」に詳述されている。
【0058】
本明細書で説明されるように、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジから配備されるステープル内に捕捉される組織の厚さに関して補正を行う手段を備え得る。
図14を参照すると、ステープルカートリッジ(例えば、ステープルカートリッジ10000)は、剛性の第1部分(例えば、支持部分10010)と、圧縮可能な第2部分(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)と、を含み得る。主に
図16を参照すると、支持部分10010は、カートリッジ本体、デッキ上側表面10011、及び複数のステープル空洞10012を備え得、上記と同様に、各ステープル空洞10012はデッキ表面10011に開口部を画定し得る。例えば、ステープル10030は、各ステープル空洞10012内に取り外し可能に配置することができる。例えば、各ステープル10030は、基部10031、及び基部10031から延びる1つ以上の脚部10032を含み得る。ステープル10030が配備される前に、これも詳しくは後述されるように、ステープル10030の底面10031は、支持部分10010内に配置されているステープルドライバによって支持され得、同時に、ステープル10030の脚部10032は、ステープル空洞10012内に少なくとも部分的に収容され得る。ステープル10030は、脚部10032が組織厚さコンペンセーター10020を貫通して動き、組織厚さコンペンセーター10020の上側表面を貫通し、組織Tに入り込み、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されるアンビルに接触するよう、未発射位置と発射済み位置との間に配備することができる。脚部10032がアンビルに当たって変形されると、各ステープル10030の脚部10032が、各ステープル10030内で、組織厚さコンペンセーター10020の一部と組織Tの一部とを捕捉し、この組織に圧縮力をかけることができる。上記に対して更に、各ステープル10030の脚部10032は、ステープルの底面10031に向かって下向きに変形して、ステープルの捕捉領域10039を形成することができ、組織Tと組織厚さコンペンセーター10020が捕捉され得る。様々な状況において、ステープルの捕捉領域10039は、変形した脚部10032の内側表面と、底面10031の内側表面との間で画定され得る。ステープルの捕捉領域の大きさは、例えば、脚の長さ、脚の直径、底面の幅、及び/又は脚の変形の程度などのいくつかの要素に依存し得る。
【0059】
以前は、外科医はしばしば、ステープルを適用する組織に対して適切なステープルの高さを有する適切なステープルを選択する必要があった。例えば、外科医は、厚い組織に使用するには長いステープルを選択し、薄い組織に使用するには短いステープルを選択することができた。しかしながらいくつかの状況において、ステープルが適用されている組織は均一な厚さを有しておらず、ステープルによっては、望ましい発射形状を達成することができなかった。例えば、
図48は、薄い組織に使用された長いステープルを示す。ここで
図49を参照すると、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)を薄い組織に使用した場合、大きなステープルであっても、望ましい発射形状を形成することができる。
【0060】
組織厚さコンペンセーターの圧縮性のおかげで、組織厚さコンペンセーターは、各ステープル内に捕捉された組織の厚さを補正することができる。より具体的には、ここで
図43及び
図44を参照すると、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)は、ステープルの捕捉領域10039内に捕捉された組織の厚さ及び/又はタイプに応じて、各ステープル10030のステープルの捕捉領域10039のより大きな部分及び/又はより小さな部分を占めることができる。例えば、より薄い組織Tがステープル10030内に捕捉された場合、組織厚さコンペンセーター10020は、より厚い組織Tがそのステープル10030内に捕捉された場合に比べ、ステープルの捕捉領域10039のより大きな部分を占めることができる。これに対応して、より厚い組織Tがステープル10030内に捕捉された場合、組織厚さコンペンセーター10020は、より薄い組織Tがそのステープル10030内に捕捉された場合に比べ、ステープルの捕捉領域10039の中で、より小さな部分を占めることができる。このようにして、組織厚さコンペンセーターは、より薄い組織及び/又はより厚い組織を補正することができ、ステープル内に捕捉された組織厚さとは無関係に、又は少なくとも実質的に無関係に、圧縮圧力を組織に適用することができる。上記に加え、組織厚さコンペンセーター10020は、異なるステープル10030内に捕捉された組織の様々なタイプ又は圧縮性を、補正することができる。ここで
図44を参照すると、組織厚さコンペンセーター10020は、管Vを含み得る脈管組織Tに対して圧縮力を適用することができ、その結果、圧縮性のより低い管Vを通る血流を制限する一方、周囲の組織Tに対して望ましい圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、上記に対して更に、組織厚さコンペンセーター10020はまた、形成不良ステープルをも補正することができる。
図45を参照すると、様々なステープル10030の形成不良により、そのようなステープル内で画定される、より大きなステープルの捕捉領域10039が生じることがある。組織厚さコンペンセーター10020の弾力性のおかげで、ここで
図46を参照すると、形成不良ステープル10030内に配置された組織厚さコンペンセーター10020は、そのような形成不良ステープル10030内に画定されたステープルの捕捉領域10039が増大している場合であっても、依然として組織Tに十分な圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、例えば、隣接するステープル10030の中間にある組織厚さコンペンセーター10020は、形成不良ステープル10030を取り囲む適正形成ステープル10030により、組織Tに対して付勢することができ、その結果、周囲の組織、及び/又は形成不良ステープル10030内に捕捉された組織に対して、圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、組織厚さコンペンセーターは、例えば、石灰化、線維性領域、及び/又は以前にステープル又は治療が行われた組織などによって生じ得る、異なる組織密度を補正することができる。
【0061】
本発明によれば、固定された(変更不能な)組織間隔は、支持部分とアンビルとの間で画定することができ、その結果、ステープルは、ステープル内に捕捉された組織の厚さにかかわらず、所定の高さに変形され得る。組織厚さコンペンセーターをこのような場合に使用すると、組織厚さコンペンセーターが、アンビルと支持部分ステープルカートリッジとの間に捕捉された組織に対して適合することができ、この組織厚さコンペンセーターのおかげで、組織厚さコンペンセーターが追加の圧縮圧力を組織に対して適用することができる。ここで
図50〜55を参照すると、ステープル10030が、所定の高さHに形成されている。
図50に関して、組織厚さコンペンセーターは使用されておらず、組織Tがステープルの捕捉領域10039の全体を占めている。
図57に関して、組織厚さコンペンセーター10020の一部がステープル10030内に捕捉され、組織Tを圧縮し、ステープルの捕捉領域10039の少なくとも一部分を占めている。ここで
図52を参照すると、薄い組織Tがステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは、約2/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は、約7/9Hの高さを有する。ここで
図53を参照すると、中間の厚さを有する組織Tが、ステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは、約4/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は、約5/9Hの高さを有する。ここで
図54を参照すると、中間の厚さを有する組織Tが、ステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは、約2/3Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は、約1/3Hの高さを有する。ここで
図53を参照すると、厚い組織Tがステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは、約8/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は、約1/9Hの高さを有する。様々な状況において、この組織厚さコンペンセーターは、例えば、ステープル捕捉高さの約10%、ステープル捕捉高さの約20%、ステープル捕捉高さの約30%、ステープル捕捉高さの約40%、ステープル捕捉高さの約50%、ステープル捕捉高さの約60%、ステープル捕捉高さの約70%、ステープル捕捉高さの約80%、及び/又はステープル捕捉高さの約90%を含む圧縮高さを含み得る。
【0062】
ステープル10030は、任意の好適な未形成高さを備え得る。ステープル10030は、例えば、約2mm〜約4.8mmの未形成高さを備え得る。ステープル10030は、例えば、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.8mm、約4.0mm、約4.1mm、及び/又は約4.8mmの未形成高さを含み得る。ステープルが変形され得る高さHは、支持部分10010のデッキ表面10011と、それに相対するアンビルとの間の距離によって規定され得る。デッキ表面10011とアンビルの組織接触表面との間の距離は、例えば、約2.5mm(0.097”)であり得る。高さHは、アンビル内に画定される形成ポケットの深さによっても規定され得る。形成ポケットは、例えば、組織接触表面から測定される深さを有し得る。任意に、詳しくは後述されるように、ステープルカートリッジ10000は、更にステープルドライバを含み得るが、これはステープル10030をアンビルに向かって持ち上げることができ、ステープルをデッキ表面10011の上に持ち上げる(又は「オーバードライブさせる」)ことができる。そのような場合に、ステープル10030が形成される高さHは、ステープル10030がオーバードライブされる距離によっても規定され得る。例えば、ステープル10030は、例えば、約0.71mm(0.28”)オーバードライブされることがあり、これによりステープル10030が、例えば、約4.80mm(0.189”)の高さに形成され得る。ステープル10030は、例えば、約0.8mm、約1.0mm、約1.5mm、約1.8mm、約2.0mm、及び/又は約2.25mmの高さに形成され得る。ステープルは、例えば、約2.25mm〜約3.0mmの高さに形成され得る。上記に対して更に、ステープルの捕捉領域の高さは、ステープルの形成高さと、そのステープルを構成するワイヤの幅(又は直径)とによって決定され得る。ステープル10030のステープルの捕捉領域10039の高さは、ステープルの形成高さHから、ワイヤの直径幅の2倍を引いたものとなり得る。ステープルワイヤは、例えば、約0.23mm(0.0089”)の直径を含み得る。ステープルワイヤは、例えば、約0.18mm(0.0069”)〜約0.30mm(0.0119”)の直径を含み得る。例えば、ステープル10030の形成高さHは、例えば、約4.8mm(0.189”)であってよく、ステープルワイヤ直径は、約0.23mm(0.0089”)であってよく、これによりステープル捕捉高さは、約4.34mm(0.171”)となる。上記に対して更に、組織厚さコンペンセーターは、未圧縮(又は配備前の)高さを有し、複数の圧縮高さの1つに変形されるように構成され得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、約3.18mm(0.125”)の未圧縮の高さを備え得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、約2.0mm(0.080”)以上の未圧縮の高さを備え得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルの未発射の高さよりも高い、未圧縮(又は配備前)の高さを含み得る。組織厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)の高さは、未発射のステープルの高さよりも、例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、及び/又は約100%高くてもよい。組織厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)の高さは、例えば、未発射のステープルの高さよりも、最高約100%高くてもよい。組織厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)の高さは、例えば、未発射のステープルの高さよりも、100%以上高くてもよい。組織厚さコンペンセーターは、ステープルの未発射の高さに等しい未圧縮の高さを備え得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルの未発射の高さより低い未圧縮の高さを備え得る。厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)の高さは、例えば、ステープルの未発射の高さよりも、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、及び/又は約90%小さくてもよい。圧縮可能な第2部分は、ステープルされる組織Tの未圧縮の高さよりも高い、未圧縮の高さを有し得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルされる組織Tの未圧縮の高さに等しい未圧縮の高さを有し得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルされる組織Tの未圧縮の高さよりも低い未圧縮の高さを有し得る。
【0063】
上述のように、組織厚さコンペンセーターは、ステープル内に捕捉される組織が厚いか薄いかにかかわらず、複数の形成されたステープル内に圧縮され得る。例えば、ステープルライン(列)内のステープルは、各ステープルの捕捉領域が、例えば、約2.0mmの高さを含むように変形され得、組織Tと組織厚さコンペンセーターが、この高さ内に圧縮され得る。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープルの捕捉領域内に約1.75mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内に約0.25mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープルの捕捉領域の高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープルの捕捉領域内に約1.50mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内に約0.50mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープルの捕捉領域の高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープルの捕捉領域内に約1.25mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内に約0.75mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープルの捕捉領域の高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープルの捕捉領域内に約1.0mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内に約1.0mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープルの捕捉領域の高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープルの捕捉領域内に約0.75mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内に約1.25mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープルの捕捉領域の高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープルの捕捉領域内に約1.50mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内に約0.50mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープルの捕捉領域の高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープルの捕捉領域内に約0.25mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内に約1.75mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープルの捕捉領域の高さとなる。
【0064】
上記に対して更に、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射済みの高さよりも低い未圧縮の高さを含み得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射高さに等しい未圧縮の高さを備え得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射高さより高い未圧縮の高さを備え得る。例えば、組織厚さコンペンセーターの未圧縮の高さは、例えば、形成済みステープルの高さの約110%、形成済みステープルの高さの約120%、形成済みステープルの高さの約130%、形成済みステープルの高さの約140%、形成済みステープルの高さの約150%、形成済みステープルの高さの約160%、形成済みステープルの高さの約170%、形成済みステープルの高さの約180%、形成済みステープルの高さの約190%、及び/又は形成済みステープルの高さの約200%の厚さを備え得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射済みの高さよりも2倍以上高い未圧縮の高さを備え得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、形成済みステープルの高さの約85%〜約150%の圧縮高さを含み得る。任意に、上述のように、組織厚さコンペンセーターは、未圧縮の厚さと圧縮済みの厚さとの間まで圧縮され得る。組織厚さコンペンセーターの圧縮済みの厚さは、例えば、未圧縮の厚さの約10%、未圧縮の厚さの約20%、未圧縮の厚さの約30%、未圧縮の厚さの約40%、未圧縮の厚さの約50%、未圧縮の厚さの約60%、未圧縮の厚さの約70%、未圧縮の厚さの約80%、及び/又は未圧縮の厚さの約90%であり得る。組織厚さコンペンセーターの未圧縮の厚さは、例えば、圧縮済みの厚さの約2倍、約10倍、約50倍、及び/又は約100倍であり得る。組織厚さコンペンセーターの圧縮済みの厚さは、未圧縮の厚さの約60%〜約99%であり得る。組織厚さコンペンセーターの圧縮済みの厚さは、圧縮済みの厚さより少なくとも50%厚くてもよい。組織厚さコンペンセーターの圧縮済みの厚さは、圧縮済みの厚さより最高100倍厚くてもよい。圧縮可能な第2部分は、弾性、又は少なくとも部分的に弾性であってもよく、ステープルの変形した脚に対して組織Tを付勢し得る。例えば、圧縮可能な第2部分は、組織Tをステープルの脚に対して押し付けるために、組織Tとステープルの底面との間で弾力的に膨張し得る。詳しくは後述されるように、組織厚さコンペンセーターは、組織Tと変形したステープル脚部との中間に配置され得る。様々な状況において、上記の結果、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内の任意の隙間を埋めるように構成することができる。
【0065】
組織厚さコンペンセーターは、例えば、生体適合性、生体吸収性、生体再吸収性、生体耐久性、生分解性、圧縮性、流体吸収性、膨張性、自己拡張性、生理活性、薬効性、薬理活性、抗接着性、止血性、抗菌性、殺菌性、抗ウイルス性、栄養性、接着性、透過性、親水性、及び/又は疎水性などの、性質の1つ以上によって特徴づけられる材料を含んでもよい。本発明によれば、アンビル及びステープルカートリッジを備える外科用器具は、繊維素及びトロンビンなどの止血薬剤、doxycplなどの抗生剤、及びマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPs)などの薬剤のうちの少なくともの1つを含む、アンビル及び/又はステープルカートリッジと関連した組織厚さコンペンセーターを備えてもよい。
【0066】
組織厚さコンペンセーターは、合成及び/又は非合成材料を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、1つ以上の合成ポリマー及び/又は1つ以上の非合成ポリマーを含む、ポリマー組成物を含んでもよい。この合成ポリマーは、吸収性合成ポリマー及び/又は非吸収性合成ポリマーを含み得る。ポリマー組成物は、例えば、生体適合性フォームを含んでもよい。生体適合性フォームには、例えば、多孔質連続気泡フォーム及び/又は多孔質独立気泡フォームが含まれ得る。生体適合性フォームは、均一の孔形態を有しても、又は勾配のある孔形態(すなわち、フォームの厚さ全体にわたって一方向に、小さい孔から大きい孔へとサイズが徐々に増加する)を有してもよい。ポリマー組成物は、多孔質足場、多孔質マトリックス、ゲルマトリックス、ヒドロゲルマトリックス、溶液マトリックス、繊維状マトリックス、管状マトリックス、複合体マトリックス、膜状マトリックス、生体安定性ポリマー、及び生分解性ポリマー、並びにこれらの組み合わせのうち1つ以上を含んでもよい。例えば、組織厚さコンペンセーターは、繊維状マトリックスにより補強されたフォームを含んでもよく、また、体液の存在下で膨張して組織に更に圧力を提供する、追加のヒドロゲル層を有するフォームを含んでもよい。本発明によれば、組織厚さコンペンセーターはまた、材料上のコーティング、及び/又は体液の存在下で膨張し組織上に更に圧縮を提供する第2若しくは第3の層から構成され得る。そのような層は、例えば、合成及び/又は天然由来の材料であり得るヒドロゲルであってよく、生体耐久性及び/又は生分解性であってもよい。組織厚さコンペンセーターは、ミクロゲル又はナノゲルを含んでもよい。ヒドロゲルは、炭水化物由来のミクロゲル及び/又はナノゲルを含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、追加的な柔軟性、剛性、及び/又は強度を提供することができる、例えば、繊維性不織布材料又は繊維性メッシュタイプ要素で補強されてもよい。本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、多孔質形態を有し、この形態は、例えば、一方の表面に小さい孔、もう一方の表面に大きい孔を備えた勾配構造を呈する。このような形態は、組織内殖又は止血処置に、より最適であり得る。更に、この勾配は、様々な生体吸収性プロフィールと共に構成することもできる。短期的な吸収プロフィールは、止血対処のために好ましいことがある一方、長期的な吸収プロフィールは、漏れを生じずにより良い組織治癒を行い得る。
【0067】
非合成材料の例としては、凍結乾燥された多糖類、糖たん白質、ウシ心膜、コラーゲン、ゼラチン、繊維素、フィブリノーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、ケラチン、アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、酸化再生セルロース(ORC)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、カゼイン、アルギン酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
吸収性合成材料の例としては、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(トリメチレンカーボネート)(TMC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、グリコリド及びε−カプロラクトンのコポリマー、(PGCL)グリコリド及びトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリ(グリセロールセバケート)(PGS)、ポリ(ジオキサノン)(PDS)、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリオキサエステル、ポリエーテルエステル、ポリカーボネート、ポリアミドエステル、ポリアンヒドリド、多糖類、ポリ(エステル−アミド)、チロシン系ポリアリレート、ポリアミン、チロシン系ポリイミノカーボネート、チロシン系ポリカーボネート、ポリ(D,L−ラクチド−ウレタン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(B−ヒドロキシブチレート)、ポリ(E−カプロラクトン)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ[ビス(カルボキシルアトフェノキシ)ホスファゼン]ポリ(アミノ酸)、擬似ポリ(アミノ酸)、吸収性ポリウレタン、ポリ(ホスファジン)、ポリホスファゼン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、コポリ(エーテル−エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、シュウ酸ポリアルキレン、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリエステルは、ポリ乳酸、ポリグリコリド、トリメチレンカーボネート、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリブタエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0069】
吸収性合成ポリマーは、例えば、Ethicon、Inc.から商品名VICRYL(ポリグラクチン(polyglactic)910)で市販の90/10ポリ(グリコリド−L−ラクチド)コポリマー、American Cyanamid Co.から商品名DEXONで市販のポリグリコリド、Ethicon、Inc.から商品名PDSで市販のポリジオキサノン、American Cyanamid Co.から商品名MAXONで市販のポリ(グリコリド−トリメチレンカーボネート)ランダムブロックコポリマー、Ethiconから商品名MONOCRYLで市販の75/25ポリ(グリコリド−E−カプロラクトン−ポリグレカプロラクトン25)コポリマーのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0070】
非吸収性合成材料の例としては、ポリウレタン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロクロロエチレン(PTFCE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアセタール、ポリスルホン、シリコン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。合成非吸収性ポリマーには、例えば、シリコーン、ポリイソプレン、及びゴムなどの発泡エラストマー及び多孔質エラストマーが挙げられ得るがこれらに限定されない。合成ポリマーは、W.L.Gore & Associates、Inc.から商品名GORE−TEX Soft Tissue Patchで市販の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、及びPolyganicsから商品名NASOPOREで市販のコ−ポリエーテルエステルウレタンフォームを含んでもよい。
【0071】
ポリマー組成物は、例えば、約50重量%〜約90重量%のPLLAのポリマー組成物、及び約50重量%〜約10重量%のPCLのポリマー組成物を含んでもよい。ポリマー組成物は、例えば、約70重量%のPLLA、及び約30重量%のPCLを含んでもよい。ポリマー組成物は、例えば、約55重量%〜約85重量%のPGAのポリマー組成物、及び15重量%〜45重量%のPCLのポリマー組成物を含んでもよい。ポリマー組成物は、例えば、約65重量%のPGA、及び約35重量%のPCLを含んでもよい。ポリマー組成物は、例えば、約90重量%〜約95重量%のPGAのポリマー組成物、及び約5重量%〜約10重量%のPLAのポリマー組成物を含んでもよい。
【0072】
吸収性合成ポリマーは、生体吸収性で生体適合性のエラストマーコポリマーを含んでもよい。好適な生体吸収性で生体適合性のエラストマーコポリマーとしては、(好ましくは、約30:70〜約70:30、好ましくは35:65〜約65:35、より好ましくは45:55〜35:65のグリコリドに対するε−カプロラクトンのモル比を有する)ε−カプロラクトンとグリコリドとのコポリマー、(好ましくは、約35:65〜約65:35、より好ましくは45:55〜30:70のラクチドに対するε−カプロラクトンのモル比を有する)ε−カプロラクトンと、L−ラクチド、D−ラクチド、これらの配合物、又は乳酸コポリマーを含むラクチドとのエラストマーコポリマー、(好ましくは、約40:60〜約60:40のラクチドに対するp−ジオキサノンのモル比を有する)p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)と、L−ラクチド、D−ラクチド、及び乳酸を含むラクチドとのエラストマーコポリマー、(好ましくは、約30:70〜約70:30のp−ジオキサノンに対するε−カプロラクトンのモル比を有する)ε−カプロラクトンとp−ジオキサノンとのエラストマーコポリマー、(好ましくは、約30:70〜約70:30のトリメチレンカーボネートに対するp−ジオキサノンのモル比を有する)p−ジオキサノンとトリメチレンカーボネートとのエラストマーコポリマー、(好ましくは、約30:70〜約70:30のグリコリドに対するトリメチレンカーボネートのモル比を有する)トリメチレンカーボネートとグリコリドとのエラストマーコポリマー、(好ましくは、約30:70〜約70:30のラクチドに対するトリメチレンカーボネートのモル比を有する)トリメチレンカーボネートと、L−ラクチド、D−ラクチド、これらの配合物、又は乳酸コポリマーを含むラクチドとのエラストマーコポリマー、並びにこれらの配合物が挙げられるが、これらに限定されない。エラストマーコポリマーは、グリコリドとε−カプロラクトンとのコポリマーであってもよい。代替的に、エラストマーコポリマーは、ラクチドとε−カプロラクトンとのコポリマーである。
【0073】
米国特許番号第5,468,253号「ELASTOMERIC MEDICAL DEVICE」(1995年11月21日発行)、及び同第6,325,810号「FOAM BUTTRESS FOR STAPLING APPARATUS」(2001年12月4日)に開示されており、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
組織厚さコンペンセーターは、乳化剤を含んでもよい。乳化剤の例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PLURONICS、TWEENS、多糖類、及びこれらの組み合わせなどの、水溶性ポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0075】
組織厚さコンペンセーターは、界面活性剤を含んでもよい。
【0076】
界面活性剤の例としては、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、及びポリオキサマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0077】
ポリマー組成物は、薬理活性剤を含んでもよい。ポリマー組成物は、治療有効量の薬理活性剤を放出し得る。薬理活性剤は、ポリマー組成物が脱離/吸収される際に解放されてもよい。薬理活性剤は、ポリマー組成物上又はポリマー組成物中を通過する、例えば、血液などの流体内に解放されてもよい。薬理活性剤の例としては、例えば、繊維素、トロンビン、及び酸化再生セルロース(ORC)などの、止血薬剤及び薬物、例えば、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク、及びヒドロコルチゾンなどの、抗炎症薬、例えば、トリクロサン、銀イオン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、クロラムフェニコールなどの、抗生及び抗菌薬物又は薬剤、並びに例えば、シスプラチン、ミトマイシン、アドリアマイシンなどの、抗癌剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0078】
ポリマー組成物は、止血性材料を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアルキレンオキシド、コポリ(エーテル−エステル)、コラーゲン、ゼラチン、トロンビン、繊維素、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、エラスチン、アルブミン、ヘモグロビン、オボアルブミン、多糖類、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アガロース、マルトース、マルトデキストリン、アルギン酸、凝固因子、メタクリレート、ポリウレタン、シアノアクリレート、血小板アゴニスト、血管収縮因子、ミョウバン、カルシウム、RGDペプチド、タンパク質、硫酸プロタミン、ε−アミノカプロン酸、硫酸第二鉄、次硫酸第二鉄、塩化第二鉄、亜鉛、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、過マンガン酸塩、タンニン、骨ろう、ポリエチレングリコール、フカン、及びこれらの組み合わせを含む止血性材料を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、止血性によって特徴づけられてもよい。
【0079】
組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、例えば、パーセント有孔率、孔サイズ、及び/又は硬度によって特徴付けられ得る。ポリマー組成物は、例えば、約30体積%〜約99体積%のパーセント有孔率を有してもよい。ポリマー組成物は、例えば、約60体積%〜約98体積%のパーセント有孔率を有してもよい。ポリマー組成物は、例えば、約85体積%〜約97体積%のパーセント有孔率を有してもよい。ポリマー組成物は、例えば、約70重量%のPLLA及び約30重量%のPCLを含んでもよく、例えば、約90体積%の有孔率を有することができる。例えば、結果として、ポリマー組成物は約10体積%のコポリマーを含むことになる。ポリマー組成物は、例えば、約65重量%のPGA及び約35重量%のPCLを含んでもよく、例えば、約93体積%〜約95体積%のパーセント有孔率を有することができる。ポリマー組成物は、85体積%超の有孔率を有してもよい。ポリマー組成物は、例えば、約5マイクロメートル〜約2000マイクロメートルの孔サイズを有し得る。ポリマー組成物は、例えば、約10マイクロメートル〜約100マイクロメートルの孔サイズを有してもよい。例えば、このポリマー組成物は、例えば、PGA及びPCLのコポリマーを含むことができる。ポリマー組成物は、例えば、約100マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの孔サイズを有してもよい。例えば、このポリマー組成物は、例えば、PLLA及びPCLのコポリマーを含むことができる。
【0080】
特定の態様により、ポリマー組成物の硬度は、ショア硬度で表わすことができ、これは例えば、ショアデュロメーターなどのデュロメーターで測定される、材料の恒久的な陥凹に対する抵抗として定義され得る。所与の材料のデュロメーター値を評価するために、ASTM手順D2240−00「Standard Test Method for Rubber Property−Durometer Hardness」に従って、デュロメーターインデンターフットで、材料に対して圧力が適用される。デュロメーターインデンターフットは、例えば、15秒間などの十分な時間、材料に対して適用してよく、この測定値が適切な目盛で取得される。使用している目盛のタイプに応じて、インデンターフットが材料に完全に貫入したときに読取り値0が得られ、材料に対する貫入が起こらなかった場合に読取り値100が得られる。この読取り値は無次元である。デュロメーターは、ASTM D2240−00に従って、任意の好適なスケール、例えば、タイプA及び/又はタイプOOなどによって判定され得る。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、例えば、約4A〜約16AのショアA硬度値を有してもよく、これはショアOO範囲で約45 OO〜約65 OOである。例えば、このポリマー組成物は、例えば、PLLA/PCLコポリマー又はPGA/PCLコポリマーを含むことができる。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、15A未満のショアA硬度値を有してもよい。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、10A未満のショアA硬度値を有してもよい。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、5A未満のショアA硬度値を有してもよい。ポリマー材料は、例えば、約35 OO〜約75 OOのショアOO組成物値を有してもよい。
【0081】
ポリマー組成物は、上述の性質のうちの少なくとも2つを有してもよい。ポリマー組成物は、上述の性質のうちの少なくとも3つを有してもよい。ポリマー組成物は、85体積%〜97体積%の有孔率、5マイクロメートル〜2000マイクロメートルの孔サイズ、及び4A〜16AのショアA硬度、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有し得る。ポリマー組成物は、例えば、70重量%のPLLAのポリマー組成物及び30重量%のPCLのポリマー組成物を含み、90体積%の有孔率、100マイクロメートル〜1000マイクロメートルの孔サイズ、並びに4A〜16AのショアA硬度値、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有してもよい。ポリマー組成物は、例えば、65重量%のPGAのポリマー組成物及び35重量%のPCLのポリマー組成物を含み、93体積%〜95体積%の有孔率、10マイクロメートル〜100マイクロメートルの孔サイズ、並びに4A〜16AのショアA硬度値、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有してもよい。
【0082】
組織厚さコンペンセーターは、膨張する材料を含んでもよい。上記したように、組織厚さコンペンセーターは、例えば、圧縮されないとき又は配備されるときに膨張する圧縮された材料を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、in situで形成される自己膨張材料を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、他の前駆体(単数又は複数)、水、及び/又は体液のうちの少なくとも1つと接触するときに自発的に架橋するように選択された少なくとも1つの前駆体を含んでもよい。本発明によれば、膨張性及び/又は膨潤性の組織厚さコンペンセーターを形成するために、第1の前駆体が1つ以上の他の前駆体と接触してもよい。組織厚さコンペンセーターは、例えば、水膨潤性組成物などの流体膨潤性組成物を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、水を含むゲルを含んでもよい。
【0083】
組織厚さコンペンセーターは、乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を含む封入部を内部に埋め込んだ生分解性フォームを含んでもよい。任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、フォームの封入部は、フォームを形成するために、ヒドロゲル前駆体の水溶液及び生体適合性材料の有機溶液を接触させることによって形成され得る。水溶液及び有機溶液は、ミセルを形成することができる。水溶液及び有機溶液は、フォーム内に乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を封入するために、乾燥していてもよい。例えば、親水性ポリマーなどのヒドロゲル前駆体が、ミセルの分散を形成するために、水に溶解され得る。水溶液は、ポリ(グリコール酸)及びポリカプロラクトンを含むジオキサンの有機溶液と接触することができる。水溶液及び有機溶液は、乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を内部に分散させた生分解性フォームを形成するために、凍結乾燥され得る。任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ミセルが、乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒をフォーム構造内に分散させた封入部を形成すると考えられる。封入部は断裂されてもよく、乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒は、体液などの流体と接触して膨張してもよい。
【0084】
任意に、上記のように、組織厚さコンペンセーターは、初期の厚さ及び膨張させた厚さを備えてもよい。組織厚さコンペンセーターの初期の厚さは、例えば、膨張させた厚さの約0.001%、膨張させた厚さの約0.01%、膨張させた厚さの約0.1%、膨張させた厚さの約1%、膨張させた厚さの約10%、膨張させた厚さの約20%、膨張させた厚さの約30%、膨張させた厚さの約40%、膨張させた厚さの約50%、膨張させた厚さの約60%、膨張させた厚さの約70%、膨張させた厚さの約80%、及び/又は膨張させた厚さの約90%であり得る。組織厚さコンペンセーターの膨張させた厚さは、例えば、初期の厚さより、約2倍、約5倍、約10倍、約50倍、約100倍、約200倍、約300倍、約400倍、約500倍、約600倍、約700倍、約800倍、約900倍、及び/又は約1,000倍厚くすることができる。組織厚さコンペンセーターの初期の厚さは、膨張させた厚さの最大1%、膨張させた厚さの最大5%、膨張させた厚さの最大10%、及び膨張させた厚さの最大50%であり得る。組織厚さコンペンセーターの膨張させた厚さは、初期の厚さより少なくとも50%厚く、初期の厚さより少なくとも100%厚く、初期の厚さより少なくとも300%厚く、及び初期の厚さより少なくとも500%厚くすることができる。上記のように、様々な状況において、上記の結果として、組織厚さコンペンセーターは、ステープルの捕捉領域内の任意の隙間を埋めるように構成され得る。
【0085】
上記したように、組織厚さコンペンセーターは、ヒドロゲルを含んでもよい。ヒドロゲルは、ホモポリマーヒドロゲル、コポリマーヒドロゲル、マルチポリマーヒドロゲル、相互貫入ポリマーヒドロゲル、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。ヒドロゲルは、ミクロゲル、ナノゲル、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。ヒドロゲルは、流体を吸収及び/又は保持することが可能な親水性ポリマーネットワークを全般に含んでもよい。ヒドロゲルは、非架橋型ヒドロゲル、架橋型ヒドロゲル、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。ヒドロゲルは、化学架橋、物理架橋、疎水性セグメント、及び/又は水不溶性セグメントを含んでもよい。ヒドロゲルは、重合、低分子架橋、及び/又はポリマー−ポリマー架橋によって化学架橋されてもよい。ヒドロゲルは、イオン相互作用、疎水性相互作用、水素結合相互作用、立体複合化、及び/又は超分子の化学作用によって物理架橋されてもよい。ヒドロゲルは、架橋、疎水性セグメント、及び/又は水不溶性セグメントにより実質的に不溶性であってもよいが、流体を吸収及び/又は保持することで膨張性及び/又は膨潤性であり得る。前駆体は、内因性材料及び/又は組織と架橋してもよい。
【0086】
ヒドロゲルは、環境応答性ヒドロゲル(ESH)を含んでもよい。ESHは、環境条件に関する流体膨潤性を有した材料を含んでもよい。環境条件としては、手術部位の物理的条件、生物学的条件、及び/又は化学的条件が挙げられ得るが、これらに限定されない。ヒドロゲルは、例えば、温度、pH、電場、イオン強度、酵素及び/又は化学反応、電気及び/又は磁気刺激、並びに他の生理的及び環境変数に応答して、膨潤又は収縮してもよい。ESHは、多官能アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、弾性アクリレート、及び関連したモノマーを含んでもよい。
【0087】
ヒドロゲルを含む組織厚さコンペンセーターは、上記の非合成材料及び合成材料のうちの少なくとも1つを含んでもよい。ヒドロゲルは、合成ヒドロゲル及び/又は非合成ヒドロゲルを含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、複数の層を含んでもよい。複数の層は、多孔質層及び/又は非多孔質層を含んでもよい。例えば、組織厚さコンペンセーターは、非多孔質層及び多孔質層を含んでもよい。別の例では、組織厚さコンペンセーターは、第1の非多孔質層と第2の非多孔質層との中間に多孔質層を含んでもよい。別の例では、組織厚さコンペンセーターは、第1の多孔質層と第2の多孔質層との中間に非多孔質層を含んでもよい。非多孔質層及び多孔質層は、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルの表面と関連して、任意の順序で位置決定され得る。
【0088】
非合成材料の例としては、アルブミン、アルギン酸、炭水化物、カゼイン、セルロース、キチン、キトサン、コラーゲン、血液、デキストラン、エラスチン、繊維素、フィブリノーゲン、ゼラチン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチン、タンパク質、血清、及びデンプンが挙げられ得るが、これらに限定されない。セルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、酸化セルロース、酸化再生セルロース(ORC)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。コラーゲンは、ウシ心膜を含んでもよい。炭水化物は、凍結乾燥された多糖類などの多糖類を含んでもよい。タンパク質は、糖タンパク質、プロテオグリカン、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0089】
合成材料の例としては、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−コ−ポリプロピレンオキシド、コ−ポリエチレンオキシド、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、及びこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。上述の非合成材料は、従来の方法を利用して、例えば、合成ヒアルロン酸など、合成で調製されてもよい。
【0090】
ヒドロゲルは、1つ以上のヒドロゲル前駆体から作製されてもよい。前駆体は、モノマー及び/又はマクロマーを含んでもよい。ヒドロゲル前駆体は、求電子性の官能基及び/又は求核性求電子性の官能基を含んでもよい。一般に、求電子物質は、結合を形成するために、求核物質と反応することができる。用語「官能基」は、本明細書で使用するとき、結合を形成するために互いに反応することが可能な求電子性又は求核性の基を指す。求電子性の官能基の例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、スルホスクシンイミド、カルボニルジイミダゾール、スルホニルクロリド、アリールハロゲン化物、スルホスクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、スクシンイミジルスクシネート及び/又はスクシンイミジルプロピオネートなどのスクシンイミジルエステル、イソシアネートチオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、エポキシド、アルデヒド、マレイミド、イミドエステル、並びにこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。求電子性の官能基は、スクシンイミジルエステルを含んでもよい。求核性の官能基の例としては、−NH
2、−SH、−OH、−PH
2、及び−CO−NH−NH
2が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
ヒドロゲルは、単一の前駆体又は複数の前駆体から形成されてもよい。ヒドロゲルは、第1の前駆体及び第2の前駆体から形成されてもよい。第1のヒドロゲル前駆体及び第2のヒドロゲル前駆体は、接触の際、in situ及び/又はin vivoで、ヒドロゲルを形成してもよい。ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するために反応に関与することができるポリマー、官能基、高分子、低分子、及び/又は架橋剤を全般に指すことができる。前駆体は、例えば、水又は緩衝液などの、好適な溶媒中の、均質な溶液、不均質な、又は相分離した溶液を含んでもよい。緩衝液は、例えば、約8.2〜約9などの、約8〜約12のpHを有してもよい。緩衝液の例としては、ホウ酸塩緩衝液が挙げられるが、これに限定されない。前駆体(単数又は複数)は、エマルジョン形態であってもよい。本発明によれば、第1の前駆体が、ヒドロゲルを形成するために、第2の前駆体と反応することができる。第1の前駆体は、第2の前駆体と接触するときに、自発的に架橋してもよい。本発明によれば、第1の前駆体の第1の求電子性の官能基の組が、第2の前駆体の第2の求核性の官能基の組と反応することができる。前駆体が(例えば、pH、温度、及び/又は溶媒に関する)反応を可能にする環境下で混合されるときに、官能基は、共有結合を形成するために、互いに反応することができる。前駆体のうちの少なくともいくつかが2つ以上の他の前駆体と反応するときに、前駆体は架橋してもよい。
【0092】
組織厚さコンペンセーターは、3−スルホプロピルアクリル酸カリウム塩(「KSPA」)、アクリル酸ナトリウム(「NaA」)、N−(トリス(ヒドロキシルメチル)メチル)アクリルアミド(「トリスアクリル」)、及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)からなる群から選択される、少なくとも1つのモノマーを含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、KSPA、NaA、トリスアクリル、aMPSからなる群から選択される2つ以上のモノマーを含んだコポリマーを含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、KSPA、NaA、トリスアクリル、及びAMPSから誘導されるホモポリマーを含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、組織厚さコンペンセーターと共重合可能な親水性改変モノマーを含んでもよい。親水性改変モノマーは、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、スチレン、スチレンスルホン酸を含んでもよい。
【0093】
組織厚さコンペンセーターは、架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、エチレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジ−、トリ−又はテトラエチレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、C
2〜C
8−アルキレンジアクリレート又はジメタクリレート、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジ−及びトリビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート又はトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート又はテトラメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート又はジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド又はビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド又はエチレンビスメタクリルアミド、トリアリルフタレート又はジアリルフタレートなどの、低分子量のジ−又はポリビニル架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド「MBAA」)を含んでもよい。
【0094】
組織厚さコンペンセーターは、アクリレート及び/又はメタクリレート官能性ヒドロゲル、生体適合性光開始剤、アルキル−シアノアクリレート、アミン官能性マクロマーを任意に含むイソシアネート官能性マクロマー、アミン及び/又はスルフヒドリル官能性マクロマーを任意に含むスクシンイミジルエステル官能性マクロマー、アミン官能性マクロマーを任意に含むエポキシ官能性マクロマー、タンパク質及び/又はポリペプチドとアルデヒド架橋剤との混合物、Genipin、水溶性カルボジイミド、アニオン性多糖類及び多価カチオンのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0095】
組織厚さコンペンセーターは、不飽和有機酸モノマー、アクリル置換アルコール、及び/又はアクリルアミドを含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、メタクリル酸、アクリル酸、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−アクリル酸ヒドロキシエチル、2−メタクリル酸ジメチルアミノエチル、N−ビニルピロリドン、メタクリルアミド、及び/又はポリ(エチレングリコール)(n)ジメタクリル酸を含んでもよい。
【0096】
組織厚さコンペンセーターは、補強材料を含んでもよい。補強材料は、上記の非合成材料及び合成材料のうちの少なくとも1つを含んでもよい。補強材料は、コラーゲン、ゼラチン、繊維素、フィブリノーゲン、エラスチン、ケラチン、アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0097】
組織厚さコンペンセーターは、補強材料を含む層を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターの多孔質層及び/又は非多孔質層は、補強材料を含んでもよい。例えば、多孔質層は補強材料を含んでもよく、非多孔質層は補強材料を含まなくてもよい。補強層は、第1の非多孔質層と第2の非多孔質層との中間に内層を含んでもよい。補強層は、組織厚さコンペンセーターの外層を含んでもよい。補強層は、組織厚さコンペンセーターの外表面を含んでもよい。
【0098】
補強材料は、メッシュ、モノフィラメント、マルチフィラメントの組紐、繊維、マット、フェルト、粒子、及び/又は粉末を含んでもよい。補強材料は、組織厚さコンペンセーターの層に組み込まれてもよい。補強材料は、非多孔質層及び多孔質層のうちの少なくとも1つに組み込まれてもよい。補強材料を構成するメッシュは、例えば、編み、織り、タッチング、及び/又はニップリングなどの、従来の技術を使用して形成されてもよい。
【0099】
本発明によれば、複数の補強材料は、ランダムな方向及び/又は共通の方向に配向され得る。共通の方向は、例えば、ステープルラインと平行及びステープルラインと垂直のうちの1つであってもよい。例えば、モノフィラメント及び/又はマルチフィラメントの組紐が、ランダムな方向及び/又は共通の方向に配向されてもよい。モノフィラメント及びマルチフィラメントの組紐は、非多孔質層及び/又は多孔質層と関連してもよい。組織厚さコンペンセーターは、非多孔質層内でランダムな方向に配向された複数の補強繊維を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、非多孔質層内で共通の方向に配向された複数の補強繊維を含んでもよい。
【0100】
繊維は、例えば、マット及びフェルトなどの、不織布材料を形成してもよい。繊維は、例えば、0.1mm〜100mm及び0.4mm〜50mmなどの、任意の好適な長さを有してもよい。補強材料は、粉末に磨砕されてもよい。粉末は、例えば、10マイクロメートル〜1cmの粒径を有してもよい。粉末は、組織厚さコンペンセーターに組み込まれてもよい。
【0101】
組織厚さコンペンセーターは、in situで形成されてもよい。ヒドロゲルは、in situで形成されてもよい。組織厚さコンペンセーターは、共有、イオン、及び/又は疎水結合によって、in situで形成され得る。物理(非共有結合性の)架橋は、錯体形成、水素結合、脱溶媒和、ファンデルワールス相互作用、イオン結合、及びこれらの組み合わせから生じ得る。化学(共有結合性の)架橋は、フリーラジカル重合、縮合重合、アニオン性又はカチオン性の重合、段階的に伸びる重合(step growth polymerization)、求電子−求核反応、及びこれらの組み合わせを含む、多数の機構のうちのいずれかによって実現され得る。
【0102】
任意に、組織厚さコンペンセーターのin situでの形成は、互いに反応させてヒドロゲルを形成するために、in situで接触するまで及び/又は環境条件に反応するまで物理的に分離される、2つ以上の前駆体を反応させることを含んでもよい。in situ重合性ポリマーは、手術部位でポリマーを形成するために反応することができる前駆体(単数又は複数)から調製されてもよい。組織厚さコンペンセーターは、in situでの前駆体(単数又は複数)の架橋反応によって形成されてもよい。前駆体は、in situ組織厚さコンペンセーターの形成のための重合反応を開始することが可能な開始剤を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、架橋型ヒドロゲルを作り出すために適用時に活性化され得る前駆体を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターのin situでの形成は、結合を形成して組織厚さコンペンセーターを形成するために、少なくとも1つの前駆体を活性化させることを含んでもよい。任意に、活性化は、温度、pH、電場、イオン強度、酵素及び/又は化学反応、電気及び/又は磁気刺激、並びに他の生理的及び環境変数を含むが、これらに限定されない手術部位での物理的条件、生物学的条件、及び/又は化学的条件の変化によって、達成されてもよい。前駆体は、身体の外側で接触し、手術部位に導入されてもよい。
【0103】
組織厚さコンペンセーターは、1つ以上の封入部、すなわち、セルを備えてもよく、封入部は、内部に少なくとも1つの構成要素を保存するように構成され得る。封入部は、内部にヒドロゲル前駆体を保存するように構成されてもよい。封入部は、例えば、内部に2つの構成要素を保存するように構成されてもよい。封入部は、内部に第1のヒドロゲル前駆体及び第2のヒドロゲル前駆体を保存するように構成されてもよい。第1の封入部が内部に第1のヒドロゲル前駆体を保存するように構成されてもよく、第2の封入部が内部に第2のヒドロゲル前駆体を保存するように構成されてもよい。上記のように、ステープル脚部が封入部と接触するときに封入部を穿刺及び/又は別途断裂するように、封入部は、ステープル脚部と位置合わせされるか、又は少なくとも実質的に位置合わせされ得る。ステープルが配備されるときに、封入部は、圧縮され、圧壊され、折り畳まれ、及び/又は別途断裂され得る。封入部が断裂された後に、内部に保存される構成要素(単数又は複数)は封入部から流れ出ることができる。内部に保存される構成要素は、他の構成要素、組織厚さコンペンセーターの層、及び/又は組織と接触してもよい。他の構成要素が、組織厚さコンペンセーターの層に提供されるか及び/又は臨床医によって手術部位に提供された、同じ又は異なる封入部から流れていてもよい。上記の結果として、封入部内に保存される構成要素(単数又は複数)は、組織厚さコンペンセーターの膨張及び/又は膨潤を提供することができる。
【0104】
組織厚さコンペンセーターは、封入部を含む層を含んでもよい。封入部は、層と関連した、空隙、ポケット、ドーム、管及びこれらの組み合わせを備えてもよい。封入部は、層に空隙を備えてもよい。層は、互いに取り付けられ得る2つの層を含むことができ、封入部が、2つの層の間に画定され得る。封入部は、層の表面上にドームを備えてもよい。例えば、封入部の少なくとも一部分が、層から上側へ延びるドーム内に位置決定され得る。封入部は、層内に形成されたポケットを備えてもよい。封入部の第1の部分はドームを備えてもよく、封入部の第2の部分はポケットを備えてもよい。封入部は、層内に埋め込まれた管を備えてもよい。管は、PLAなどの、本明細書で説明される非合成材料及び/又は合成材料を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、内部に埋め込まれたPLA管を含んだ、ORCなどの生体吸収性フォームを備えてもよく、管は、例えば、ヒドロゲルを封入してもよい。封入部は、互いに接続しない別個のセルを備えてもよい。封入部のうちの1つ以上が、例えば、層を通じて延びる1つ以上の経路、導管、及び/又はチャネルを介して互いに流体連通することができる。
【0105】
封入部からの構成要素の解放の速度は、例えば、組織厚さコンペンセーターの厚さ、組織厚さコンペンセーターの組成物、構成要素のサイズ、構成要素の親水性、並びに/又は構成要素間の物理的及び/若しくは化学的な相互作用、組織厚さコンペンセーターの組成物、並びに/又は外科用器具によって制御されてもよい。層は、例えば、部分的な穿孔などの、1つ以上の薄い区分又は弱化部分を備えることができ、薄い区分又は弱化部分は、層の切開、及び封入部の断裂を容易にすることができる。部分的な穿孔は、層を通過して完全に延びなくてもよいし、場合によっては、穿孔は、層を通過して完全に延びてもよい。
【0106】
任意に、アンビルは、少なくとも1つのマイクロスフィア粒子を含む封入された構成要素を含んだ組織厚さコンペンセーターを備えてもよい。組織厚さコンペンセーターは、第1の封入された構成要素及び第2の封入された構成要素を含む封入部を備えてもよい。組織厚さコンペンセーターは、第1の封入されたマイクロスフィア粒子及び第2の封入されたマイクロスフィア粒子を含む封入部を備えてもよい。
【0107】
組織厚さコンペンセーターは、外科用器具での使用に好適であり得る。上記のように、組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルと関連し得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに装着するのに好適な、任意の形状、サイズ及び/又は寸法に構成され得る。上記のように、組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに解放可能に取り付けられ得る。組織厚さコンペンセーターは、ステープリング工程前及び工程間に、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルと接触して組織厚さコンペンセーターを維持することが可能な、任意の機械的な及び/又は化学的な手段で、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに取り付けられ得る。ステープルが組織厚さコンペンセーターを貫通した後に、組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルから除去又は解放され得る。ステープルカートリッジ及び/又はアンビルが組織厚さコンペンセーターから離れて移動する際に、組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルから除去又は解放され得る。
【0108】
ここで
図14を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ10000などのステープルカートリッジは、支持部分10010及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーター10020を備えることができる。ここで
図16〜18を参照すると、支持部分10010は、支持部分10010内に画定されたデッキ表面10011及び複数のステープル空洞10012を備えることができる。それぞれのステープル空洞10012は、内部に、例えば、ステープル10030などのステープルを取り外し可能に保存するように、サイズ決定及び構成され得る。ステープルカートリッジ10000は、複数のステープルドライバ10040を更に備えることができ、ステープルドライバ10040はそれぞれ、ステープル10030及びステープルドライバ10040が非発射位置にあるときに、ステープル空洞10012内に1つ以上のステープル10030を支持するように構成され得る。例えば、主に
図22及び
図23を参照すると、それぞれのステープルドライバ10040は、例えば、1つ以上の受台、すなわちトラフ10041を備えることができ、受台は、ステープルを支持しステープル10030とステープルドライバ10040との間の相対的な動きを制限するように構成され得る。再び
図16を参照すると、ステープルカートリッジ10000は、ステープル発射スレッド10050を更に備えることができ、ステープル発射スレッド10050は、ステープルドライバ10040及びステープル10030を、それらの非発射位置から、ステープルカートリッジ10000の反対に位置決定されたアンビルに向かって順次持ち上げるために、ステープルカートリッジの近位端10001から遠位端10002へと移動することができる。主に
図16及び
図18を参照すると、それぞれのステープル10030は、基部10031、及び基部10031から延びる1つ以上の脚部10032を含むことができ、それぞれのステープルは、例えば、実質的にU字形状及び実質的にV字形状のうちの少なくとも1つであり得る。ステープル10030は、ステープル10030が非発射位置にあるときに、ステープル脚部10032の先端が支持部分10010のデッキ表面10011に対して隠れているように構成され得る。ステープル10030は、ステープル10030が非発射位置にあるときに、ステープル脚部10032の先端が、支持部分10010のデッキ表面10011に対して面一であるように構成され得る。ステープル10030は、ステープル10030が非発射位置にあるときに、ステープル脚部10032の先端、又はステープル脚部10032の少なくともいくつかの部分が、支持部分10010のデッキ表面10011上に延びるように構成され得る。このような場合、ステープル10030が非発射位置にあるときに、ステープル脚部10032は、組織厚さコンペンセーター10020内へと延び得、組織厚さコンペンセーター10020内に埋め込まれ得る。例えば、ステープル脚部10032は、デッキ表面10011上に、例えば、約1.9mm(0.075”)延びることができる。ステープル脚部10032は、デッキ表面10011上に、例えば、約0.64mm(0.025”)〜約3.18mm(0.125”)の距離だけ延びることができる。上記に対して更に、組織厚さコンペンセーター10020は、例えば、約2.0mm(0.08”)〜約3.18mm(0.125”)の未圧縮の厚さを備えることができる。
【0109】
使用中、上記に対して更に、主に
図31を参照すると、例えば、アンビル10060などのアンビルは、ステープルカートリッジ10000の反対の閉鎖位置に移動することができる。以下により詳細に説明されるように、アンビル10060は、組織厚さコンペンセーター10020に対して組織を位置決定することができ、例えば、支持部分10010のデッキ表面10011に対して組織厚さコンペンセーター10020を圧縮することができる。一度アンビル10060が好適に位置決定されると、ステープル10030が、
図31に同様に示されるように、配備され得る。任意に、上述のように、ステープル発射スレッド10050が、
図32に示されるように、ステープルカートリッジ10000の近位端10001から、遠位端10002に向かって移動することができる。スレッド10050が前進するにつれて、スレッド10050は、ステープルドライバ10040に接触し、ステープルドライバ10040をステープル空洞10012内で上側へ持ち上げることができる。スレッド10050及びステープルドライバ10040は、それぞれ1つ以上の傾斜、すなわち傾いた表面を備えることができ、これらは協働してステープルドライバ10040を非発射位置から上側へ移動させることができる。例えば、
図19〜23を参照すると、それぞれのステープルドライバ10040は、少なくとも1つの傾いた表面10042を備えることができ、スレッド10050は、1つ以上の傾いた表面10052を備えることができ、傾いた表面10052は、スレッド10050がステープルカートリッジ内で遠位に前進するにつれて傾いた表面10052が傾いた表面10042の下を摺動することができるように構成され得る。ステープルドライバ10040がそれぞれのステープル空洞10012内で上側へ持ち上げられる際に、ステープルドライバ10040は、ステープル10030を上側へ持ち上げることができ、これによりステープル10030は、ステープルデッキ10011の開口部を通ってステープル空洞10012から現われることができる。例示的な発射シーケンスの間、主に
図25〜27を参照すると、スレッド10050は、最初にステープル10030aに接触し、ステープル10030aを上側へ持ち上げ始めることができる。スレッド10050が更に遠位に前進するにつれて、スレッド10050は、順に、ステープル10030b、10030c、10030d、10030e、及び10030f、並びに任意の他の後続のステープルを持ち上げ始めることができる。
図27に示されるように、スレッド10050は、ステープル10030を上側へ駆動することができ、これによりステープルの脚部10032は、対向するアンビルに接触し、所望の形状に変形され、支持部分10010から射出される。様々な状況では、スレッド10030は、発射シーケンスの一部として、同時にいくつかのステープルを上側へ移動させることができる。
図27に示される発射シーケンスに関しては、ステープル10030a及び10030bは、完全に発射された位置に移動させられ、支持部分10010から射出されており、ステープル10030c及び10030dは、発射が進行中で、少なくとも部分的に支持部分10010内に含まれており、ステープル10030e及び10030fはまだ非発射位置にある。
【0110】
上記したように、
図33を参照すると、ステープル10030が非発射位置にあるときに、ステープル10030のステープル脚部10032は、支持部分10010のデッキ表面10011上に延びることができる。更に、
図27に示されるこの発射シーケンスに関しては、ステープル10030e及び10030fが非発射位置に図示され、それらのステープル脚部10032が、デッキ表面10011上及び組織厚さコンペンセーター10020内へと延びる。ステープル10030が非発射位置にあるときは、ステープル脚部10032の先端、又はステープル脚部10032の任意の他の部分は、組織厚さコンペンセーター10020の組織接触上側表面10021を通過して突出することができない。ステープル10030が非発射位置から発射位置へと移動する際に、
図27に示されるように、ステープル脚部の先端は、組織接触表面10032を通過して突出することができる。ステープル脚部10032の先端は鋭い先端を含み得るが、これが組織厚さコンペンセーター10020を切開し貫入することができる。組織厚さコンペンセーター10020は複数の開口部を含み得るが、これはステープル脚部10032を受容して、ステープル脚部10032が、組織厚さコンペンセーター10020に対して相対的に摺動することができるように構成され得る。支持部分10010は更に、デッキ表面10011から延出する複数のガイド10013を備え得る。ガイド10013は、デッキ表面10011内のステープル空洞開口部に隣接して配置することができ、これによりステープル脚部10032は、ガイド10013により少なくとも部分的に支持され得る。ガイド10013は、ステープル空洞開口部の近位端及び/又は遠位端に配置され得る。本発明によれば、第1ガイド10013は、各ステープル空洞開口部の第1端に配置することができ、第2ガイド10013は、各ステープル空洞開口部の第2端に配置することができ、これにより各第1ガイド10013は、ステープル10030の第1ステープル脚部10032を支持することができ、各第2ガイド10013は、ステープルの第2ステープル脚部10032を支持することができる。
図33を参照すると、各ガイド10013は、溝又はスロット(例えば、溝10016)を備え得、この中にステープル脚部10032が摺動可能に受容され得る。任意に、各ガイド10013は、デッキ表面10011から延出し得る滑り止め、突起、及び/又はスパイクを含んでよく、これが組織厚さコンペンセーター10020内に延びることができる。詳しくは後述されるように、滑り止め、突起、及び/又はスパイクは、組織厚さコンペンセーター10020と支持部分10010との間の相対的な動きを低減させることができる。ステープル脚部10032の先端は、ガイド10013内に配置することができ、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ガイド10013の上側表面の上に延在することはできない。例えば、ガイド10013はガイド高さを画定し、ステープル10030は、未発射位置にあるときにこのガイド高さを超えて延びることはできない。
【0111】
本発明によれば、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)は、1枚の材料シートから構成され得る。組織厚さコンペンセーターは、支持部分10010のデッキ上側表面10011全体を覆うことができる、あるいは、デッキ表面10011全体よりも小さい領域を覆うことができる、1枚の連続材料シートを含み得る。材料シートは、支持部分10010のステープル空洞開口部を覆うことができる一方で、代替的に、材料シートは開口部を含み得るが、これはステープル空洞開口部と整合させること、又は少なくとも部分的に整合させることができる。本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、複数層の材料から構成され得る。ここで
図15を参照すると、組織厚さコンペンセーターは、圧縮可能コアと、その圧縮可能コアを包むラップと、を含み得る。ラップ10022は、圧縮可能コアを支持部分10010に対して解放可能に保持するように構成され得る。例えば、支持部分10010は、そこから延出する1つ以上の突起(例えば、突起10014(
図18))を含むが、これは、ラップ10022内に画定された1つ以上の開口部及び/又はスロット(例えば、開口部10024)内に受容され得る。突起10014と開口部10024は、突起10014がラップ10022を支持部分10010に対して固定できるように構成され得る。突起10014の端は、例えば、熱カシメ工程などによって変形させることができ、これにより突起10014の端を大きくし、その結果、ラップ10022と支持部分10010の間の相対的な動きを制限することができる。
図15に示すように、ラップ10022は1つ以上の穿孔10025を含むが、これがラップ10022を支持部分10010から剥がすのを促進し得る。ここで
図24を参照すると、組織厚さコンペンセーターは、複数の開口部10223を備えるラップ10222を含み得、開口部10223は、支持部分10010のステープル空洞開口部に整合、又は少なくとも部分的に整合し得る。組織厚さコンペンセーターのコアも、開口部を備え得、これらは、ラップ10222の開口部10223に整合、又は少なくとも部分的に整合し得る。代替的に、組織厚さコンペンセーターのコアは連続体を備え得、これは、連続体がデッキ表面10011のステープル空洞開口部を覆うように、開口部10223の下側に延在させることができる。
【0112】
任意に、上述のように、組織厚さコンペンセーターは、圧縮可能コアを支持部分10010に対して解放可能に保持しているラップを含み得る。例えば、
図16を参照すると、ステープルカートリッジは更に保持クリップ10026を含み得るが、これは、ラップ及び圧縮可能コアが、支持部分10010から時期尚早に外れるのを阻止するように構成することができる。任意に、各保持クリップ10026は開口部10028を備え得るが、これは、支持部分10010から延在する突起10014を受容し、これにより保持クリップ10026が支持部分10010に固定され得るように構成され得る。保持クリップ10026は、それぞれ、少なくとも1つの皿状部分10027を備え得るが、これは支持部分10010の下側に延在し、ステープルドライバ10040を支持部分10010内に保持することができる。上述のように、組織厚さコンペンセーターは、ステープル10030によって支持部分10010に取り外し可能に取り付けることができる。より具体的には、これも上述のように、ステープル10030が非発射位置にあるときに、ステープル10030の脚部が組織厚さコンペンセーター10020内に延びることができ、その結果、組織厚さコンペンセーター10020を支持部分10010に解放可能に保持することができる。ステープル10030の脚部は、各ステープル空洞10012の側壁と接触状態にあり得、ステープル脚部10032と側壁との間の摩擦のおかげで、ステープル10030がステープルカートリッジ10000から配備されるまでの間、ステープル10030と組織厚さコンペンセーター10020が定位置に保持され得る。ステープル10030が配備されたとき、組織厚さコンペンセーター10020は、ステープル10030内に捕捉され、ステープルされた組織Tに対して保持され得る。次にアンビルが開放位置に動いて組織Tを解放すると、組織に固定されている支持部分10010が、組織厚さコンペンセーター10020から離れるように動くことができる。接着剤を使用して、組織厚さコンペンセーター10020を支持部分10010に取り外し可能に保持することができる。2成分接着剤を使用することができ、接着剤第1成分をデッキ表面10011上に配置し、接着剤第2成分を組織厚さコンペンセーター10020上に配置することができ、これにより、組織厚さコンペンセーター10020がデッキ表面10011に相対して配置されたときに、第1成分が第2成分と接触して接着剤を活性化させ、組織厚さコンペンセーター10020を支持部分10010に対して取り外し可能に結合させることができる。任意に、任意の他の好適な手段を使用して、組織厚さコンペンセーターをステープルカートリッジの支持部分に取り外し可能に保持することができる。
【0113】
上記に対して更に、スレッド10050を近位端10001から遠位端10002に前進させて、ステープルカートリッジ10000内に収容されているステープル10030全てを完全に配備させることができる。ここで
図56〜60を参照すると、スレッド10050は、外科用ステープラーの発射部材(又はナイフバー)10052によって、支持部分10010内の長手方向空洞10016内で遠位方向に前進することができる。使用中、ステープルカートリッジ10000は、外科用ステープラーのジョー内のステープルカートリッジチャネル(例えば、ステープルカートリッジチャネル10070)に挿入され、これにより、
図56に示すように、発射部材10052が前進してスレッド10050に接触することができる。スレッド10050が発射部材10052によって遠位方向に前進すると、スレッド10050が最も近位側のステープルドライバ(又はドライバ10040)に接触でき、上述のように、カートリッジ本体10010からステープル10030を発射又は発出させることができる。
図56に示すように、発射部材10052は更に刃先10053を含み得るが、ステープル10030が発射されると、これが、支持部分10010のナイフスロットを通って遠位方向に前進し得る。本発明によれば、対応するナイフスロットは、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されるアンビルを貫通して延在することができ、これにより、刃先10053がアンビルと支持部分10010との間に延在し、その間にある組織及び組織厚さコンペンセーターを切断することができる。様々な状況において、スレッド10050は、
図58に示すように、スレッド10050がステープルカートリッジ10000の遠位端10002に達するまで、発射部材10052により遠位側に前進することができる。その時点において、発射部材10052を、近位側に後退させることができる。スレッド10050は、発射部材10052で近位側に後退させることができるが、ここで
図59を参照すると、スレッド10050は、発射部材10052が後退したときに、ステープルカートリッジ10000の遠位端10002側に残され得る。発射部材10052が十分に後退すると、アンビルが再び開き、組織厚さコンペンセーター10020が支持部分10010から離れ、消費されたステープルカートリッジ10000の残りの非植設部分(支持部分10010を含む)が、ステープルカートリッジチャネル10070から除去され得る。
【0114】
消費されたステープルカートリッジ10000がステープルカートリッジチャネルから除去された後、上記に対して更に、新しいステープルカートリッジ10000、又は任意の他の好適なステープルカートリッジを、ステープルカートリッジチャネル10070に挿入することができる。上記に対して更に、ステープルカートリッジチャネル10070、発射部材10052、及び/又はステープルカートリッジ10000は、協働機能を構成することができるが、これは、ステープルカートリッジチャネル10070に配置される新しい(又は未発射の)ステープルカートリッジ10000なしに、2回目(又は後続)に発射部材10052が遠位側に前進するのを阻止することができる。より具体的には、再び
図56を参照すると、発射部材10052が前進してスレッド10050に接触し、スレッド10050が近位側の非発射位置にあるとき、発射部材10052の支持ノーズ10055を、スレッド10050の支持棚部10056の上及び/又は上方に配置することができ、これにより、発射部材10052が十分に上側の位置に保持され、発射部材10052から延びるロック(又はビーム)10054が、ステープルカートリッジチャネル内に画定されるロック凹部内に落ちるのを防ぐことができる。ロック10054がロック凹部に落ちない場合、そのような状況において、ロック10054は、発射部材10052が前進する際に、ロック凹部の遠位側側壁10057に接しない。発射部材10052がスレッド10050を遠位側に押すと、発射部材10052は、支持棚部10056の上に乗った支持ノーズ10055のおかげで、上側の発射位置に支持され得る。発射部材10052がスレッド10050に対して後退すると、前述のように、かつ
図59に示すように、支持ノーズ10055がスレッド10050の支持棚部10056の上に乗った状態ではなくなり、発射部材10052がその上側位置から下に向かって落ち得る。例えば、外科用ステープルは、ばね10058、及び/又は任意の他の好適な付勢構成要素を含み得るが、これは、発射部材10052を下側位置に付勢するように構成され得る。発射部材10052がいったん完全に後退すると、
図60に示すように、発射部材10052は、使用済みステープルカートリッジ10000を通って再び遠位方向に前進することはできない。より具体的には、スレッド10050は、操作シーケンスのこの時点において、ステープルカートリッジ10000の遠位端10002に残されているため、発射部材10052は、スレッド10050によって上位置に保持されることができない。よって、前述のように、発射部材10052が再び、ステープルカートリッジの交換なしに前進された場合、ロックビーム10054がロック凹部の側壁10057に接触し、これにより発射部材10052がステープルカートリッジ10000に対して再び遠位方向に前進するのを妨げる。換言すれば、使用済みステープルカートリッジ10000を新しいステープルカートリッジと交換すれば、その新しいステープルカートリッジは近位側に配置されたスレッド10050を有し、これが発射部材10052を上側位置に保持することができ、発射部材10052が再び遠位方向に前進するのが可能になる。
【0115】
上述のように、スレッド10050は、支持部分10010からステープル10030を発射するために、第1の非発射位置と第2の発射済み位置との間で、ステープルドライバ10040を動かすように構成することができる。ステープル10030が支持部分10010から発射された後、ステープルドライバ10040は、ステープル空洞10012内に受容され得る。支持部分10010は1つ以上の保持機構を構成することができるが、これは、ステープルドライバ10040がステープル空洞10012から発射され又は脱落するのを阻止するように構成され得る。代替的に、スレッド10050は、ステープル10030内の支持部分10010からステープルドライバ10040を発射するように構成され得る。例えば、ステープルドライバ10040は、生体吸収性及び/又は生体適合性の材料(例えば、Ultemなど)から構成され得る。ステープルドライバを、ステープル10030に取り付けることができる。例えば、ステープルドライバは、ドライバがステープルと一体成形されるように、各ステープル10030の底面の上及び/又は周囲に成形することができる。米国特許出願番号第11/541,123号「SURGICAL STAPLES HAVING COMPRESSIBLE OR CRUSHABLE MEMBERS FOR SECURING TISSUE THEREIN AND STAPLING INSTRUMENTS FOR DEPLOYING THE SAME」(2006年9月29日出願)が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0116】
上述のように、外科用ステープリング器具は、ステープルカートリッジと、ステープルカートリッジチャネルに回転可能に連結されたアンビルと、アンビル及びステープルカートリッジチャネルに対して移動可能なナイフエッジを含む発射部材と、を受容するように構成された、ステープルカートリッジチャネルを含み得る。使用中、ステープルカートリッジはステープルカートリッジチャネル内に配置され、ステープルカートリッジが少なくとも部分的に消費された後、ステープルカートリッジをステープルカートリッジチャネルから取り出し、新しいステープルカートリッジに交換することができる。例えば、外科用ステープリング器具のステープルカートリッジチャネル、アンビル、及び/又は発射部材は、交換用ステープルカートリッジと共に再使用することができる。代替的に、ステープルカートリッジは、使い捨て搭載ユニットアセンブリの一部を含むことができるが、これには、ステープルカートリッジチャネル、アンビル、及び/又は発射部材が含まれ得、例えば、これは、使い捨て搭載ユニットアセンブリの交換の一環として、ステープルカートリッジと共に交換することができる。特定の使い捨て搭載ユニットアセンブリは、米国特許出願番号第12/031,817号「END EFFECTOR COUPLING ARRANGEMENTS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」(2008年2月15日出願)に開示されており、この開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0117】
組織厚さコンペンセーターは、本明細書で説明される合成及び/又は非合成材料の少なくとも1つを含んだ押出可能、キャスト可能及び/又は成形可能な組成物を含むことができる。組織厚さコンペンセーターは、2つ以上の層を含んだフィルム又はシートを備えることができる。組織厚さコンペンセーターは、例えば、混合、ブレンド、配合、吹き付け、ウィッキング、溶媒蒸発、浸漬、ブラッシング、蒸着、押出、カレンダー加工、キャスト、成形などの、従来の方法を使用して獲得され得る。押出では、出てくる押出物に形状を付与するために、開口部が、少なくとも1つの開口部を備えたダイの形態であり得る。カレンダー加工では、開口部が、2つのロール間のニップを含むことができる。従来の成形方法としては、吹き込み成形、射出成形、発泡射出、圧縮成形、熱成形、押出、発泡押出、フィルムブローイング、カレンダー加工、スピニング、溶剤溶着、浸漬コーティング及びスピンコーティングなどのコーティング方法、溶液キャスト及びフィルムキャスト、(ナイフコーティング、ローラーコーティング及びキャストを含む)プラスチゾル処理、並びにこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。射出成形では、開口部が、ノズル、並びに/又はチャネル/ランナー、並びに/又は成形キャビティ及び機能を備えることができる。圧縮成形では、組成物が、成形キャビティに位置決定され、好適な温度まで加熱され、比較的高圧下での圧縮への露呈により成形され得る。キャストでは、組成物が、型又は物体の特徴を複製するために型又は物体内に、上に及び/又は周囲に注入又は別途提供され得る液体又スラリーを含むことができる。キャストの後、組成物は、乾燥され、冷却され、及び/又は固体を形成するために硬化され得る。
【0118】
本発明によれば、内部に保存及び/又は吸収された少なくとも1つの薬剤を含む、組織厚さコンペンセーターを製造する方法は、組織厚さコンペンセーターを準備すること、及び組織厚さコンペンセーターに薬剤を維持するために組織厚さコンペンセーター及び薬剤を接触させることを一般に含むことができる。抗菌材料を含む組織厚さコンペンセーターを製造する方法は、ヒドロゲルを準備すること、ヒドロゲルを乾燥させること、硝酸銀の水溶液内でヒドロゲルを膨潤させること、抗菌性を有した組織厚さコンペンセーターを形成するためにヒドロゲル及び塩化ナトリウムの溶液を接触させることを含むことができる。組織厚さコンペンセーターは、内部に分散した銀を含むことができる。
【0119】
ここで
図71を参照すると、組織厚さコンペンセーター21020は、コンペンセーター本体21022及び内部に位置決定された複数のカプセル、すなわち管21024を備えることができる。管21024のそれぞれは、内部に1つ以上の薬剤を含むことができる管内に画定された空洞21026を含むことができる。以下により詳細に説明されるように、組織厚さコンペンセーター21020は、例えば、型内に管21024を置くこと、及び管21024の周辺にコンペンセーター本体21022を形成することによって、製造され得る。コンペンセーター本体21022が、例えば、固化、凍結乾燥、及び/又は硬化した後に、管21024がコンペンセーター本体21022に封入され得るように、管21024が型内に配置される前に、1つ以上の薬剤が管21024内に配置され得る。代替的に、ここで
図72を参照すると、組織厚さコンペンセーター21120は、コンペンセーター本体21122が管21124の周辺に形成された後に、1つ以上の薬剤が管21124内に装填され得るコンペンセーター本体21122内に位置決定された複数のカプセル、すなわち管21124を備えることができる。例えば、組織厚さコンペンセーター21120は、管21124と流体連通することができ、例えば、シリンジ21125を利用して1つ以上の薬剤を管21124に圧入できるように構成され得るポート21123を備えることができる。いくつかの状況では、組織厚さコンペンセーター21120が患者に挿入される直前に、外科医又は他の臨床医は、管21124内に1つ以上の薬剤を装填することができる。組織厚さコンペンセーター21120が、長い保存時間又は有効期間を有することが期待又は要求されるときに、これらは特に有用であり得る。
【0120】
ここで
図73を参照すると、組織厚さコンペンセーター21020のコンペンセーター本体21022は、例えば、生体吸収性材料で構成され得る。コンペンセーター本体21022は、例えば、PGA及び/又はPCLなどの、任意の好適な材料で構成され得る。管21024は、例えば、任意の好適な生体吸収性材料で構成され得る。管21024は、例えば、ヒアルロン酸、ゼラチン、PDS、及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの、任意の好適な材料で構成され得る。空洞21026内に含まれる1つ以上の薬剤21025は、例えば、ドキシサイクリンなどの流体を含むことができる。例えば、管21024の少なくとも一部分が、例えば、溶解及び/又は生体吸収されるまで、薬剤21025が管21024内に保存され得るように、管21024のそれぞれは封止され得る。使用中、ここで
図74を参照すると、管21024は、例えば、血液などの体液に晒され得るが、体液は、管21024と接触し、管21024を溶解することができる。
図75を参照すると、組織T及び組織厚さコンペンセーター21020が、例えば、アンビル21060及び/又は複数のステープル21030によって圧縮されるときに、体液は組織Tから絞出され得る。本発明によれば、生体吸収性ラップは、コンペンセーター本体21022を包囲又は少なくとも部分的に包囲するために、利用され得る。例えば、ラップは、例えば、ヒアルロン酸及び/又はORCで構成され得る。
【0121】
ここで
図77を参照すると、カプセル、すなわち管21224は、例えば、複数の層21224a〜21224dを備えることができる。それぞれの管21224は、例えば、外層すなわち第1の層21224a、第2の層21224b、第3の層21224c、及び内層21224dを備えることができる。外層21224aは、例えば、トロンビンなどの止血性材料で構成され得る。第2の層21224bは、例えば、ドキシサイクリン及び/又はゲンタマイシンなどの、抗菌及び/又は抗生材料で構成され得る。第3の層21224cは、例えば、ジクロフェナク及び/又はNSAIDSsなどの、抗炎症材料で構成され得る。内層21224dは、例えば、粉末コラーゲン合成材料などの治癒に影響を及ぼす材料で構成され得る。再び
図77を参照すると、管21224は、第2の層21224bが溶解されるか又は少なくとも部分的に溶解される前に、外層21224aが溶解されるか又は少なくとも実質的に溶解されるように、構造化及び準備され得る。
図76を参照すると、外層21224aは、体液に晒されるとすぐに、溶解を開始することができる。この時点は、時間t0として示される。外層21224aは、数分、数時間、及び/又は数日で完全に溶解され得、時間t1として示される時点で、外層21224aを構成する材料は最大の効力又は濃度に到達することができる。後のある時点で、外層21224aは、時間t2で示される時点までに、完全に又は少なくとも実質的に溶解され得る。
【0122】
外層21224aが溶解されているときに、体液は、第2の層21224bに到達することができ、第2の層21224bを少なくとも部分的に溶解し始めることができる。上記と同様に、第2の層21224bは、数分、数時間、及び/又は数日で完全に溶解され得、時間t3として示される時点で、第2の層21224bを構成する材料は最大の効力又は濃度に到達することができる。様々な状況では、外層21224a及び第2の層21224bが同時に、又は少なくとも実質的に同時に、溶解し始めることができるように、体液は、第2の層21224bに到達するために外層21224aを通過することができる。いずれにせよ、外層21224aを構成する材料が、その最大効力又は濃度に到達する時間t1が時間t3の前に生じ得ることが、読者には明らかであろう。後のある時点で、第2の層21224bは、時間t5で示される時点までに完全に又は少なくとも実質的に溶解され得る。読者には同様に明らかなように、時間t5は時間t2の後に生じ得る。第2の層21224bが溶解されているときに、体液は、第3の層21224cに到達することができ、第3の層21224cを少なくとも部分的に溶解し始めることができる。上記と同様に、第3の層21224cは、数分、数時間、及び/又は数日で完全に溶解され得、時間t6として示される時点で、第3の層21224cを構成する材料は最大の効力又は濃度に到達することができる。様々な状況では、外層21224a、第2の層21224b、及び/又は第3の層21224cが同時に、又は少なくとも実質的に同時に溶解し始めることができるように、体液は、第3の層21224cに到達するために外層21224a及び第2の層21224bを通過することができる。いずれにせよ、第2の層21224bを構成する材料が、その最大効力又は濃度に到達する時間t3が時間t6の前に生じ得ることが、読者には明らかであろう。後のある時点で、第3の層21224cは、時間t8で示される時点までに完全に又は少なくとも実質的に溶解され得る。読者には同様に明らかなように、時間t8は時間t5の後に生じ得る。
【0123】
第3の層21224cが溶解されているときに、体液は、第4の層21224dに到達することができ、時間t4で示される時点で、第4の層21224dを少なくとも部分的に溶解し始めることができる。上記と同様に、第4の層21224bは、数分、数時間、及び/又は数日で完全に溶解され得、時間t7として示される時点で、第4の層21224dを構成する材料は、最大の効力又は濃度に到達することができる。様々な状況では、外層21224a、第2の層21224b、第3の層21224c、及び/又は第4の層21224dが同時に、又は少なくとも実質的に同時に溶解し始めることができるように、体液は、第4の層21224dに到達するために外層21224a、第2の層21224b、及び第3の層21224cを通過することができる。いずれにせよ、第3の層21224cを構成する材料がその最大効力又は濃度に到達する時間t6が、時間t7の前に生じ得ることが、読者には明らかであろう。後のある時点で、第4の層21224dは、時間t9で示される時点までに完全に又は少なくとも実質的に溶解され得る。読者には同様に明らかなように、時間t9は時間t8の後に生じ得る。任意に、上記の結果として、薬剤の段階的な解放が生じ得る。
【0124】
ここで
図81及び
図83を参照すると、ステープルカートリッジ21300は、複数のステープル空洞21312及び内部に位置決定された複数のステープル21330を備えたカートリッジ本体21310を備えることができる。ステープルカートリッジ21300は、カートリッジ本体21310に対して位置決定可能なコンペンセーター本体21322、加えてコンペンセーター本体21322内に位置決定された複数の別個のカプセル21324を備えることができる組織厚さコンペンセーター21320を、更に備えることができる。カプセル21324は垂直に配向され得、ステープル21330が非発射構成であるときには、
図83に示されるように、それぞれのカプセル21324は、ステープル21330のステープル脚部21322間に位置決定され得る。例えば、ステープル21330がカプセル21324を断裂させずに非発射位置にあるとき、ステープル脚部21322は組織厚さコンペンセーター21320内へ少なくとも部分的に延びることができる。ステープル21330が非発射位置から発射位置へと移動するとき、ここで
図84を参照すると、ステープル21330は、カプセル21324を断裂させることができ、その結果、内部に保存される少なくとも1つの薬剤を解放することができる。より具体的には、ステープル脚部21332がその間に位置決定されたカプセル21324へ向かって下側及び内側に湾曲又は変形され得るように、ステープル21330が上側へ持ち上げられるときに、ステープル21330はアンビル21060に画定された形成ポケット21062によって変形され得る。ステープル21330は、ドライバ21340及びスレッド21345を備える発射システムによって上側へ持ち上げられ得、スレッド21345は、長手方向にステープルカートリッジ21000を通り抜けステープルドライバ21340及び上部に位置決定されるステープル21330を順次持ち上げて発射するように、構成され得る。いずれにせよ、カプセル21324に画定された内部空洞21326が破壊され得、そして内部空洞21326に含まれる1つ以上の薬剤がそこから流出することができるように、ステープル脚部21332はカプセル21324を貫通及び/又は圧潰することができる。1つ以上の薬剤としては、例えば、内部に含まれた1つ以上の粉末及び/又は流体を挙げることができる。ステープルカートリッジ21300は、例えば、ステープルカートリッジ21300とアンビル21060との間に位置決定された組織Tを横切るためにスレッド21345によって遠位に前進することができる切断部材21380を更に備えることができる。切断部材21380は、カートリッジ本体21310に画定されたナイフスロット21314を通過するように構成され得、例えば、切断部材21380がカプセル21324を横切ることができるように、このようなカプセル21324を始めとする1つ以上のカプセルが、ナイフスロット21314内に及び/又はナイフスロット21314より上に位置決定され得る。いずれにせよ、組織厚さコンペンセーター21320は、例えば、ヒアルロン酸で構成され得、カートリッジ本体21322及び/又はステープル21330を安定化することができる、カートリッジ本体21322の上部及び/又は底部に位置決定された層21321を更に備えることができる。例えば、切断部材21380は、切断部材21380が上記のようにステープルカートリッジ21300を通って前進するときに、層21321を横切るように構成され得る。
【0125】
ここで
図85を参照すると、組織厚さコンペンセーター21420は、コンペンセーター本体21422及び内部に位置決定された複数のカプセル21444を備えることができる。上記と同様に、それぞれのカプセル21444は、内部に1つ以上の薬剤を解放可能に保存するように構成され得る密封空胴21446を備えることができる。カプセル21444のそれぞれは、例えば、円錐及び/又はテーパ状端部21447を含むことができる。例えば、テーパ状端部21447は、カートリッジ本体21422が周辺に形成されている間に、適所にカプセル21444を保持するために利用され得る。本発明によれば、コンペンセーター材料がカプセル21444の周辺に注入されるときに、型が適所にカプセル21444を保持することができるように、型は、テーパ状端部21447を受容及び固定するように構成され得る、複数の開口及び/又は陥凹を備えることができる。上記に対して更に、例えば、使用の間、ステープルが組織厚さコンペンセーター21420内に及び/又は組織厚さコンペンセーターを通過して発射されるまで、カプセル21444が断裂又は破裂することがないように、カプセル21444は位置決定及び準備され得る。
【0126】
代替的に、ここで
図86を参照すると、組織厚さコンペンセーター21520は、コンペンセーター本体21522内に位置決定された複数のカプセル21524を備えることができる。カプセル21524は、それらの外壁に画定された1つ以上の開口21528をそれぞれ備えることができ、開口21528は、1つ以上の薬剤21525がカプセル21524に画定された空洞21526から流出できるように構成され得る。開口21528は、薬剤21525が空洞21526から流出する速度を制御するようにサイズ決定及び構成され得る。例えば、大きな開口21528は薬剤21525の速い解放を可能にすることができ、小さな開口21528は、例えば、薬剤21525の遅い解放を可能にすることができる。それぞれのカプセル21524の外壁は、閉鎖及び/又は封止された端部21527を有する管で構成され得る。カプセル21524の外壁は、例えば、1つ以上の生体吸収性ポリマーで構成され得、端部21527は、例えば、ヒートステーキング工程、熱溶接工程、及び/又はレーザー溶接工程を利用して、閉鎖及び/又は封止され得る。カプセル21524の外壁又はシェルは、射出成形工程を利用して製造され得、シェルが形成された後に1つ以上の薬剤が、シェルの1つ以上の開放端部を通過してシェル内に位置決定され得る。次いで、シェルの開放端部又は端部が、例えば、ポリマー溶液を利用して覆われ得る。カプセル21524の壁が生体吸収性材料で構成される場合には、内部に画定される開口21528は時間と共に大きくなり得る。例えば、薬剤21525が空洞21526から解放される速度は、時間と共に増加し得る。
【0127】
コンペンセーター本体21522は、例えば、ゼラチンで構成され得、例えば、凍結乾燥工程を利用してフォーム材料に製造され得る。カプセル21524は、コンペンセーター本体21522に挿入され得、例えば、コンペンセーター本体21522には、カプセル21524を受容するように構成された開口が形成され得る。例えば、層又はフィルムが、内部のカプセル21524を覆うか又は包囲するために、コンペンセーター本体21522上に続いて配置され得る。カプセル21524は型内に位置決定され得、コンペンセーター材料が、コンペンセーター本体21522を形成するためにカプセル21524の周囲に少なくとも部分的に形成され得る。いずれにせよ、カプセル21524が所望の位置に位置決定されるように、コンペンセーター本体21552は、組織厚さコンペンセーター21520をステープルカートリッジのカートリッジ本体と位置合わせし、カートリッジ本体に配向するように構成され得る1つ以上のキー又は目盛機能を含むことができる。
【0128】
ここで
図87を参照すると、外科用ステープリングシステムは、ステープルカートリッジ21600及びアンビル21060を備えることができ、ステープルカートリッジ21600及びアンビル21060は、組織Tの反対側に位置決定され得る。本明細書で開示される他のステープルカートリッジと同様に、ステープルカートリッジ21600は、複数のステープル空洞21312及び内部に位置決定された複数のステープル21330を備えた、カートリッジ本体21310を備えることができる。使用中、
図91を参照すると、ステープル21330が、アンビル21060に当たって変形するか、又はより具体的に、形成ポケット21062内で変形するように、ステープル21330は、ドライバ21340によって非発射位置から発射位置へ上側へ持ち上げられ得る。ステープル21330が発射されているとき、ステープル21330がそれらの非発射構成(
図88)とそれらの発射構成(
図89)との間で変形する前に、ステープル21330は、組織T及びアンビル21060に取り付けられた組織厚さコンペンセーター21620を貫通することができる。ステープル21330は、例えば、ステンレススチール及び/又はチタンなどの、任意の好適な材料で構成され得、組織厚さコンペンセーター21620及び組織Tに対して圧縮又はクランプ力を適用するように構成され得る。
図87に示されるように、ステープル21330は複数の列で準備され得、1つのステープル21330が、それぞれのステープル空洞21312に位置決定され得る。ステープルカートリッジ21300は、組織T、組織厚さコンペンセーター21620、及び/又は例えば組織厚さコンペンセーター21620内に位置決定された1つ以上の薬剤カプセルを係合及び貫通するように構成され得る、貫通部材21635(
図90)を更に備えることができる。例えば、貫通部材21635はステープル空洞21312内に位置決定され得、貫通部材21635は、ドライバ21340によってステープル空洞21312から発射又は射出され得る。上記に対して更に、ステープルカートリッジ21600のいくつかのステープル空洞21312は、内部に位置決定されたステープル21330を備えることができ、残りのステープル空洞21312は、内部に位置決定された貫通部材21635を備えることができる。ステープルカートリッジ21600は、ステープル21330だけを内部に位置決定させたステープル空洞21312のいくつかの列、貫通部材21635だけを内部に位置決定させたいくつかの列、並びに/又はステープル21330及び貫通部材21635の両方を内部に位置決定させたいくつかの列を備えることができる。図示されるように、
図91を参照すると、ステープル空洞21312の内側の4つの列はステープル21330を備えるだけでもよく、ステープル空洞21312の外側の列は、内部にステープル21330及び貫通部材21635の両方を備えてもよい。ステープル空洞21312の外側の列内のステープル21330及び貫通部材21635は、例えば、交互の配置で準備されてもよい。ここで
図92を参照すると、ステープル21330及び貫通部材21635は、例えば、2つのステープル21330の後に貫通部材21635が続き、その後に更に2つのステープル21330が続き、貫通部材21635が続く等、を含むパターンで準備されてもよい。
【0129】
主に
図90を参照すると、それぞれの貫通部材21635は、基部21638、及び基部21638の両側から上側へ延びる脚部21637を含むことができる。ここで
図91を参照すると、ドライバ21340は、貫通部材21635の基部21638を受容及び支持するように構成され得る、トラフ21348をそれぞれ備えることができる。ドライバ21340がスレッド21345によって上側へ押されるときに、ここで
図92を参照すると、スレッド21345は、ステープル21330及び貫通部材21635を順次発射することができる。ここで
図91を参照すると、ステープル21330はアンビル21060に当たって変形してもよいし、一方、貫通部材21635はアンビル21060に接しなくてもよい。主に
図90を参照すると、それぞれの貫通部材21635の脚部21636の一方又は両方は、組織T及び/又は組織厚さコンペンセーター21620を貫通するように構成され得る鋭い先端部21639、並びに例えば、組織T及び/又は組織厚さコンペンセーター21620で脚部21636を維持するように構成され得る少なくとも1つの返し部21637を備えることができる。組織厚さコンペンセーターが全く使用されなくてもよい。貫通部材21635の脚部21636は、アンビル21060に接するのはもちろん、組織Tを完全に通過するのに十分な長さでなくてもよい。脚部21636は、アンビル21060に接触することができ、異なる構成に変形され得るように十分な長さを有してもよい。
【0130】
貫通部材21635は、ステープル21330を構成する材料とは異なる材料で構成され得る。貫通部材21635は、例えば、PGAなどの少なくとも1つの生体吸収性ポリマーで構成され得る。貫通部材21635は、例えば、抗菌剤、抗炎症剤、痛み用の医薬剤、及び/又はMMP阻害剤などの、少なくとも1つの薬剤をそれぞれ含むことができる。貫通部材21635は、例えば、ステープルライン内に位置することができるので、貫通部材21635が溶解及び/又は生体吸収されているときに、貫通部材21635は、ステープルライン内で及び/又はステープルラインに隣接して、組織Tに1つ以上の薬剤を供給することができる。貫通部材21635は、1つ以上の薬剤でコーティングされ得る。貫通部材21635は、貫通部材21635を備える構造基材内に埋め込まれた1つ以上の薬剤を含むことができる。いくつかの貫通部材21635は、第1の構造基材及び/又は第1の薬剤で構成され得、残りの貫通部材21635は、例えば、第2の、すなわち異なる構造基材及び/又は第2の、すなわち異なる薬剤で構成され得る。貫通部材21635は、例えば、射出成形工程を利用して製造され得る。
【0131】
ここで
図93及び
図94を参照すると、ステープルカートリッジ21700は、カートリッジ本体21710、及びカートリッジ本体21710のデッキ表面21711上に又はデッキ表面21711に隣接して位置決定された組織厚さコンペンセーター21720を備えることができる。上記と同様に、カートリッジ本体21710は、複数のステープル空洞21312及び内部に位置決定された複数のステープルを備えることができる。カートリッジ本体21710はまた、内部に、例えば、切断部材21380(
図95)などの切断部材を受容するように構成され得る、スロット21714を備えることができる。使用中、
図95に示されるように、切断部材21380は、アンビル21060とステープルカートリッジ21700との間に位置決定された組織Tを横切るように構成され得る。再び
図93及び
図94を参照すると、組織厚さコンペンセーター21720は、コンペンセーター本体21722、及びコンペンセーター本体21722内に位置決定された複数の薬剤パケット21724、すなわちカプセルを備えることができる。カプセル21724がカートリッジ本体21710に画定されたスロット21714上にあるように、カプセル21724は、コンペンセーター本体21722内に位置決定及び準備され得る。使用中、主に
図96を参照すると、切断部材21380は、切断部材21380がステープルカートリッジ21700を通って前進するにつれて、カプセル21724を切開するように構成され得る。例えば、カプセル21724は切断部材21380によって切開される前に封止され得、カプセル21724が切開された後に内部に含まれる1つ以上の薬剤が解放され得る。スロット21714上のカプセル21724の位置により、1つ以上の薬剤が、切断部材21380によって横切られた組織Tの部分上へ解放され得る。カプセル21724内に含まれる1つ以上の薬剤は、例えば、粉末の形態の生物学的薬剤を含むことができる。カプセル21724内の1つ以上の薬剤は、例えば、酸化再生セルロース、アルギン酸、及び/又はカルシウムを含むことができる。
【0132】
再び
図93及び
図94を参照すると、カプセル21724は内部に同じ薬剤を含むことができる。代替的に、カプセル21724の1つ以上が、内部に1つ以上の異なる薬剤を含むことができる。第1の複数のカプセル21724が内部に第1の薬剤を含むことができ、第2の複数のカプセル21724が内部に第2の薬剤を含むことができる。例えば、カプセル21724が、例えば、切断部材21380の長手方向の経路に沿って交互の配置で準備され得、その結果、例えば、第1の薬剤を含むカプセル21724の後に、第2の薬剤を含むカプセル21724が続くことができ、その後に第1の薬剤を含むカプセル21724が続く等、続くことができる。切断部材21380は、切断部材21380がステープルカートリッジ21300を通って前進するにつれて、第1の薬剤及び第2の薬剤を混ぜ合わせるように構成され得る。再び
図93及び
図94を参照すると、組織厚さコンペンセーター21720は、それぞれのカプセル21724から外側へ延びる1つ以上のチャネル21726を備えることができる。チャネル21726は、カプセル21724が切断された後に、カプセル21724内の薬剤が組織厚さコンペンセーター21720及び組織厚さコンペンセーター21720に対して位置決定された組織T内で移動することができるように、構成され得る。カプセル21724は、圧縮荷重がアンビル21060によってカプセル21724に適用されるときに破裂しないように構成され得る。主に
図93及び
図96を参照すると、カートリッジ本体21710は、内部にカプセル21724の少なくとも一部分を受容するようにそれぞれ構成され得る、複数の凹部21715を備えることができる。例えば、カプセル21724が破裂しなくてもよいように、凹部21715は、圧縮荷重がカプセル21724に適用されるときに、カプセル21724が凹部21715内で下側へ摺動できるように構成され得る。代替的に、カプセル21724の1つ以上は、カプセル21724に適用される特定の圧縮力を満たすか又は超えるときだけ破裂するように構成され得る。例えば、カプセル21724は、アンビル21060によって適用されるクランプ圧力に耐えるように構成され得るが、例えば、ステープルカートリッジ21700を通って前進している切断部材21380によってカプセル21724に適用される圧縮圧力が増加するときには、破裂することができる。カプセル21724は、切断部材21380がステープルカートリッジ21700内で前進及び/又は後退するにつれて、切断部材21380の移動を容易にすることができる潤滑剤を内部に含むことができる。
【0133】
ここで
図97を参照すると、組織厚さコンペンセーター21820は、コンペンセーター本体21822及び内部を通って延びる長手方向の管21824を備えることができる。上記と同様に、管21824は、内部に画定された長手方向の空洞21826、及び空洞21826内に位置決定された1つ以上の薬剤21825を含むことができる。長手方向の管21824は、管21824を支持するように構成され得る管から外側へ延びた1つ以上の支持脚部21827を更に含むことができる。例えば、ここで
図98を参照すると、コンペンセーター本体21822が管21824の周辺に形成される間に、支持脚部21827は、型21890内で管21824を支持することができる。ここで
図99及び
図100を参照すると、例えば、PGA及び/又はPCLなどの、コンペンセーター本体21822を構成する材料は、管21824の周辺に注入され、続いて、例えば、凍結乾燥、発泡、及び/又は固化させることができる。再び
図98を参照すると、コンペンセーター本体21822を構成する材料は、管21824を取り囲む空洞21891内に注入され得、空洞21891は続いてカバー21892によって閉鎖され得る。
図97を参照すると、支持脚部21827の端部は、注入された材料によって覆われなくてもよく、コンペンセーター本体21822の底面21821と面一であってもよい。支持脚部21827及び/又は管21824は、例えば、ゼラチン、ヒアルロン酸、PDS、及び/又はORCなどの、溶解性及び/又は生体吸収性材料で構成され得る。脚部21827は、例えば、体液及び/又は食塩水によって速やかに溶解され得、組織厚さコンペンセーター21820の外周と内部との間に延びるチャネル又は通路が残され得る。このような通路は、管21824内に位置決定された1つ以上の薬剤21825が速やかに溶解及び/又は吸収され得るように作り出され得る。代替的に、例えば、組織厚さコンペンセーター21920は、
図101に示されるように、コンペンセーター本体21922、及び複数の支持脚部21927を備えた管21924を備えることができる。
図102を参照すると、支持脚部21927は、コンペンセーター本体21922を通って延びることができる、より大きな支持ネットワーク又は構造格子21928の一部であり得る。
【0134】
再び
図97を参照すると、管21824から延びる脚部21827はまた、内部に1つ以上の薬剤を含むことができる。上記のように脚部21827が溶解及び/又は吸収されるときに、脚部21827の1つ以上の薬剤は、第1の薬剤応答をステープリング及び/又は切開された組織に提供することができ、管21824の1つ以上の薬剤21825は第2の、すなわち後続の薬剤応答を提供することができる。ここで
図103及び
図105を参照すると、組織厚さコンペンセーター22020は、コンペンセーター本体22022、及びコンペンセーター本体22022を通って延びる長手方向の薬剤管22024を備えることができる。上記と同様に、管22024は、内部に位置決定された1つ以上の薬剤22025aを含む長手方向の空洞22026aを画定することができる。また上記と同様に、管22024は、管22024の長さに沿って延びることができる複数の長手方向の脚部支持22027を含むことができる。任意に、脚部支持22027のそれぞれは、例えば、空洞22026b及び22026cなどの長手方向の空洞を画定することができ、これらの空洞はそれぞれ、内部に、例えば、薬剤22025b及び22025cなどの1つ以上の薬剤を含むことができる。薬剤22025b及び22025cが素早く解放され得るように、脚部支持22027は、素早く溶解及び/又は吸収され得る材料で構成され得る。次いで、薬剤22025aが続いて解放され得るように、支持脚部22027及び管22024が更に溶解及び/又は吸収され得る。薬剤22025a、22025b、及び/又は22025cは、同じ材料で構成され得る。代替的に、薬剤22025a、22025b、及び/又は22025cは、異なる材料で構成され得る。薬剤22025b及び22025cが同じ材料(単数又は複数)で構成され得、これらの材料は、薬剤22025aを構成する材料(単数又は複数)とは異なるものとすることができる。
【0135】
上記に対して更に、管22024、脚部22027、及び/又は内部に画定される空洞22026a〜22026cは、射出成形工程を利用して製造され得る。管22024、脚部22027、及び/又は空洞22026a〜22026cは、例えば、押出工程を利用して製造され得、結果として、このような特徴はそれらの長さに沿って連続断面を備えることができる。このような工程によって、管22024及び脚部22027は一体形成され得る。次いで、薬剤22025a〜22025cがそれぞれ、空洞22026a〜22026c内に位置決定され得る。薬剤22025a〜22025cはそれぞれ、例えば、1つ以上の粉末及び/又は1つ以上の流体で構成され得る。ここで
図106を参照すると、空洞22026a〜22026cの端部22029は、内部に薬剤22025a〜22025cを含むために、封止され得る。いずれにせよ、管22024は続いて、例えば、上記の型21890などの型内に位置決定され得、コンペンセーター本体22022を構成する材料が、
図104に示されるように、組織厚さコンペンセーター22020を形成するために、管22024の周辺に注入され得る。様々な代替例が、
図107及び
図108に示される。
図107を参照すると、組織厚さコンペンセーター22120は、コンペンセーター本体22122及び互いに接続される複数の長手方向の管22124を備えることができる。管22124のそれぞれは、長手方向の空洞22126を画定することができ、これらの空洞は、内部に1つ以上の薬剤22125をそれぞれ含むことができる。長手方向の空洞22126は互いに流体連通しなくてもよく、又は長手方向の空洞22126の1つ以上が互いに流体連通してもよい。上記と同様に、コンペンセーター22120は、管22124から下側へ延び、長手方向の空洞22126及び内部の少なくとも1つの薬剤22125をそれぞれ備えることができる、脚部22127を、更に備えることができる。管22124及び/又は支持脚部22127は、異なる速度で溶解及び/又は生体吸収するように構成され得る材料で構成することができる。例えば、支持脚部22127は、例えば、管22124を構成する材料より速い速度で溶解及び/又は生体吸収され得る材料で構成され得る。ここで
図108を参照すると、組織厚さコンペンセーター22220は、コンペンセーター本体22222及び長手方向の管22224を備えることができ、管22224は、管から延びる複数の支持脚部22227を含むことができる。単一の長手方向の空洞22226が、管22224内に画定され得、支持脚部22227内へ延びることができる。上記と同様に、空洞22226は、内部に位置決定された1つ以上の薬剤22225を含むことができる。
【0136】
再び
図97を参照すると、支持脚部21827は、例えば、血液及び/又は食塩水などの、流体を吸収するように構成され得る1つ以上の材料で構成することができる。支持脚部21827は、管21824及び管内に含まれる1つ以上の薬剤21825へ流体をウィッキングするように構成され得る。このようなウィッキングにより、治癒工程の初期に薬剤21825を溶解及び/又は生体吸収させることができる。支持脚部21827の端部は、コンペンセーター本体21822によって覆われなくてもよく、流体に晒されてもよい。このウィッキング工程は、毛管現象によって生じ得、例えば、組織厚さコンペンセーター21820の向きに関係なく生じ得る。
【0137】
ここで
図112を参照すると、組織厚さコンペンセーター22320は、コンペンセーター本体22322及び内部に位置決定された複数の管22324を備えることができる。コンペンセーター本体23222は、例えば、無細胞網バイオマトリックス、Omentum Scaffold Material、及び/又はACellなどの、再生組織足場フォームで構成され得る。Omentum Scaffold Materialは、骸骨化された(skeletonized)網から製作された親水性フォームを含むことができ、場合によっては、圧縮可能であり得る。流体に晒されるときに、Omentum Scaffold Materialは膨張し、Omentum Scaffold Materialに対して位置決定された組織に圧力を適用することができる。ACellは、細胞の増殖及び遊走を促すために細胞外マトリックス又は足場ネットワークを提供する再生製品である。コンペンセーター本体22322を構成する組織足場は、例えば、幹細胞、PRP、又は成長因子を装填することができる。コンペンセーター本体22322を構成する組織足場は、例えば、コラーゲンマトリックスにコーティングされ得る。コンペンセーター本体22322の組織足場マトリックスは繊維マトリックスで構成され得、繊維マトリックスはランダム配向繊維で構成され得る。いくつかの状況では、ランダム配向繊維で構成された繊維マトリックスは、コンペンセーター本体22322内で所望の弾性又は弾力性を提供できない場合がある。これを補うために、ランダム配向繊維は、親水性材料で構成され得、及び/又は液体に晒された後に、膨張し、繊維マトリックスに所望の弾力性を及び/又は組織に所望の圧縮力を提供するように構成され得る、親水性材料でコーティングされ得る。様々な状況では、上記のように繊維マトリックスが複数のステープルによって組織に対して捕捉され終えるまで、繊維マトリックスは液体に晒されなくてもよい。例えば、コンペンセーター本体22322は、使用中、液体がコンペンセーター本体22322内に入り親水性繊維にアクセスできるように、例えば、破かれ、穿刺され、及び/又は切開され得る液体不透過性のラップを備えることができる。いずれにせよ、ステープル内に捕捉された足場マトリックスに液体が吸収されるときに、足場マトリックスは、ステープル内に同様に捕捉された組織に圧縮圧力を適用し、時間と共に足場マトリックス内へ組織内殖を収容するために、膨張することができる。
【0138】
上記に対して更に、組織厚さコンペンセーター22320の管22324は、溶解及び/又は生体吸収するように構成され得る分解性材料で構成することができる。上記と同様に、それぞれの管22324は、内部に1つ以上薬剤を含ませた、封止された内側の空洞を備えることができ、加えて、管22324内に保存される薬剤に到達するために分解し、液体のためのチャネル又は流路を提供するように構成され得る、1つ以上の支持脚部22327を備えることができる。支持脚部22327のこのような分解には時間がかかってもよく、結果として、管22324内に含まれる薬剤は即時に解放されなくてもよい。ある意味で、流体が脚部22327を分解するために一定の期間が必要であり得、結果として、脚部22327が、管22324内の薬剤の解放を遅らせるように設計された信管として機能することができる。したがって、様々な状況では、長い長さ及び/又は厚い断面を有する脚部22327が大きな遅れを提供することができ、短い長さ及び/又は薄い断面を有する脚部22327が小さな遅れを提供することができる。管22324は、素早く及び/又はゆっくりと溶解する材料で構成され得るが、どちらの場合も、管22324内に含まれる1つ以上の薬剤の解放を遅らせることができる時間にわたって、管22324の分解が生じ得る。本発明によれば、第1の管22324は、第1の速度で分解する第1の材料で構成され得、第2の管22324は、第2の、すなわち異なる速度で分解する第2の材料で構成され得る。このような場合、第1の管22324内に含まれる第1の薬剤は、例えば、第2の管22324内に含まれる第2の薬剤の前に解放され得る。第1の管22324は、第1の管22324を第2の管22324より速く分解させることができ、そして第1の管22334内に含まれる薬剤を、例えば、第2の管22324の薬剤の前に解放させることができる、第2の管22324より薄い外壁を有することができる。上記の結果として、第1の管22324は、第1の時点で第1の薬剤を解放するように構成され得、第2の管22324は、第2の、すなわち後の時点で第2の薬剤を解放するように構成され得、第3の管22324は、例えば、第3の、すなわち更に後の時点で第3の薬剤を解放するように構成され得る。
【0139】
ここで
図113及び
図114を参照すると、組織厚さコンペンセーター22420は、コンペンセーター本体22422、及びコンペンセーター本体22422内に位置決定された、封止された道管22424を備えることができる。上記と同様に、道管22424は、長手方向の空洞22426、及び長手方向の空洞22426内に位置決定された1つ以上の薬剤22425を画定することができる。組織厚さコンペンセーター22420が、
図114に示されるように、圧縮、すなわち平坦化されるときに、道管22424が跳ね返るか又は元の変形していない形状を維持しようとすることができるように、道管22424は弾力的であり得る。例えば、道管22424は、コンペンセーター本体22422内に位置決定された弾性ばね部材を備えることができる。道管22424は、断裂せずに形状を変化させるように構成され得る。例えば、道管22424は、本明細書で説明されるように、例えば、液体に晒されるときに、分解することができる。
【0140】
ここで
図115を参照すると、組織厚さコンペンセーター22520はコンペンセーター本体22522及び複数の封止された道管22524a〜22524cを備えることができる。道管22524a〜22524cのそれぞれは、例えば、血液及び/又は食塩水などの、液体と接触する道管の表面積を増加、最大化、及び/又は最適化するように構成された外周を画定することができる。様々な状況では、大きな表面積を有する道管は、多量の液体に晒され得、結果として、速い速度で溶解及び/又は生体吸収され得る。これに対応して、小さな表面積を有する道管は、少量の液体に晒され得、結果として、遅い速度で溶解及び/又は生体吸収され得る。道管22524a〜22524cは、例えば、ゼラチン、ヒアルロン酸、PDS、及び/又はORCで構成され得る。上記と同様に、道管22524a〜22524cは、弾力的であり得、跳ね返り又は弾性付勢力を提供することができる。ここで
図116を参照すると、組織厚さコンペンセーター22620は、コンペンセーター本体22622、及びコンペンセーター本体22622内に位置決定された複数の弾力的な層状部材22624を備えることができる。層状部材22624のそれぞれは、内部に位置決定された1つ以上の薬剤を含む封止された内側のチャネルを備えることができる。
【0141】
ここで
図117を参照すると、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタは、アンビル21060及びステープルカートリッジ22700を備えることができる。アンビル21060は、アンビル21060に取り付けられた組織厚さコンペンセーター22770を備えることができ、ステープルカートリッジ22700は、カートリッジ本体22710及び組織厚さコンペンセーター22720を備えることができる。ここで
図118を参照すると、組織厚さコンペンセーター22770は複数の層を含むことができ、組織厚さコンペンセーターが2つより多い層を含むことができる代替例が想到されるが組織厚さコンペンセーター22720は、第1層の22771及び第2の層22772を備えることができる。任意に、組織厚さコンペンセーターの層の1つ以上は、織成材料を含むことができる。第1の層22771は、第1の材料で構成された複数の第1の糸22773、及び第2の、すなわち異なる材料で構成された複数の第2の糸22774で構成され得る。同様に、第2の層22772は、複数の第1の糸22773及び複数の第2の糸22774で構成され得る。第1の層22771の第1の糸22773及び第2の糸22774の濃度は、第2の層22772の第1の糸22773及び第2の糸22774の濃度と同じであり得る。第1の層22771の第1の糸22773及び第2の糸22774の濃度は、以下でより詳細に記載されるように、第2の層22772の第1の糸22773及び第2の糸22774の濃度とは異なるものとすることができる。
【0142】
上記に対して更に、第1の糸22773は、例えば、PGA、PDS、PCL、及び/又はPLAなどの、生体吸収性ポリマーで構成され得、第2の糸22774は、例えば、酸化再生セルロース(ORC)で構成され得る。第1の層22771は、組織厚さコンペンセーター22770の外層を含むことができ、組織接触表面を備えることができる。第1の層22771は、第2の糸22774より多くの第1の糸22773を含むことができる。例えば、第1の層22771は、例えば、約20%の第2の糸22774に対する約80%の第1の糸22773の比を含むことができる。第1の層22771は、例えば、約40%の第2の糸22774に対する約60%の第1の糸22773の比、約33%の第2の糸22774に対する約67%の第1の糸22773の比、約30%の第2の糸22774に対する約70%の第1の糸22773の比、約25%の第2の糸22774に対する約75%の第1の糸22773の比、及び/又は約10%の第2の糸22774に対する約90%の第1の糸22773の比を含むことができる。
【0143】
上記に対して更に、第1の糸22773は、第2の糸22774を構成する材料より遅い速度で、溶解する、生体吸収する、及び/又は状態を変化させる材料で構成され得る。例えば、第2の糸22774は、例えば、液体に晒されるときに固体からゲルに変化することができるORC糸で構成され得、ORC糸は、例えば、血小板に晒されるときに、反応して固体からゲルに変化することができる。しかしながら、このような場合、第1の層22773は、ORC糸より非常にゆっくりと液体に反応することができる生体吸収性ポリマー糸で大部分が構成され得、したがって、第1の層22773は、その全体の形状及び構造を失わずに、複数回にわたり、組織又は体液と接触することができる。とは言うものの、第1の層22773のORC繊維は、液体及び/又は組織と最初に接触するときに、反応することができるが、ORCゲルが、少なくとも部分的に又は大部分第1層22773内に維持され得る。
【0144】
第2の層22772は、組織厚さコンペンセーター22770の内層を含むことができ、直接的な組織接触表面を含まなくてもよい。第2の層22772は、第2の糸22774より少ない第1の糸22773を含むことができる。例えば、第2の層22772は、例えば、約80%の第2の糸22774に対する約20%の第1の糸22773の比を含むことができる。第2の層22772は、例えば、約60%の第2の糸22774に対する約40%の第1の糸22773の比、約67%の第2の糸22774に対する約33%の第1の糸22773の比、約70%の第2の糸22774に対する約30%の第1の糸22773の比、約75%の第2の糸22774に対する約25%の第1の糸22773の比、及び/又は約90%の第2の糸22774に対する約10%の第1の糸22773の比を含むことができる。
【0145】
上記に対して更に、第2の層22772は、例えば、生体吸収性ポリマー糸より多くのORC糸を含むことができる。第2の層22772は、第1の層22771より多くのORC糸を含むことができる。第2の層22772は外層ではないので、液体は、第2の層22772に接触する前に第1の層22771を最初に通過しなければならず、第2の層22772に即時に接触することができない。このような場合、第2の保護された層22772のORC糸は即時にゲルに変わらないので、第2の層22772は高密度のORC糸を含むことができる。第2の層22772のORC糸が液体と接触してゲルに変わるとしても、ORCゲルは、上記のように少なくとも最初はその一般的な形状を保ち、第2の層22772に支持メッシュを提供することができる第1の層22771によって、組織厚さコンペンセーター22770に含まれ得る。ORC繊維及び生体吸収性繊維が利用され得るが、任意に他の好適な材料が利用され得る。
【0146】
上記に対して更に、ここで
図121〜123を参照すると、組織厚さコンペンセーター22770はアンビル21060と組織Tとの中間に位置決定され得、ステープル21330がステープルカートリッジ22700から発射される前に、組織厚さコンペンセーター22770は、組織Tに対して圧縮され得る。ステープル21330が内部に組織T並びに組織厚さコンペンセーター22720及び22770を捕捉するために発射された後、アンビル21060及びステープルカートリッジ22700のカートリッジ本体22710は、コンペンセーター22720、22770及び組織Tから離れて移動し、手術部位から除去され得る。ここで
図119を参照すると、組織厚さコンペンセーターの層22871は、例えば、細長い、すなわち平坦化された断面を備えることができる織糸22873を含むことができる。ここで
図120を参照すると、組織厚さコンペンセーターの層22971は、例えば、丸い断面を備えることができる織糸22973を含むことができる。
【0147】
様々な代替例が
図124〜127に示される。ここで
図125を参照すると、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタは、アンビル21060、及びアンビル21060上に位置決定された組織厚さコンペンセーター22770’を備えることができる。
図124を参照すると、組織厚さコンペンセーター22270’は、複数の第2の繊維22774’で織られた複数の第1の繊維22773’を含むことができる、層22771’を含むことができる。例えば、第1の繊維22773’は、第2の繊維22774’より速い速度で溶解及び/又は生体吸収するように構成され得る。液体が層22771’を通って流れることを可能にし得る空隙、開口部、及び/又はポケットが、第1の繊維22773’と第2の繊維22773’’との間に画定され得る。ここで
図127を参照すると、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタは、アンビル21060に取り付けられた組織厚さコンペンセーター22770’’を備えることができる。
図126を参照すると、組織厚さコンペンセーター22770’’は、基材22772’’内に埋め込まれ及び/又は包まれ得る糸22771’’の織成層を含むことができる。糸22771’’は晒され得るが、代替的に、糸22771’’が晒される前に基材22772’’の少なくとも一部分が、溶解及び/又は生体吸収されなければならない場合がある。例えば、基材22772’’を構成する材料が、糸22771’’の間に画定される任意の空隙、開口部、又はポケット内に充填され得る。
【0148】
ここで
図132を参照すると、ステープルカートリッジ23000は、組織厚さコンペンセーター23020を備えることができる。本明細書で記載されるように、組織厚さコンペンセーターは、例えば、凍結乾燥工程を利用して製造され得る。例えば、PGA及び/又はPCLを含む溶液が型内に注入され得、溶液が、例えば、真空雰囲気及び/又は低温度下で、連続気泡フォームへ成長することが可能にされ得る。例えば、PGA材料は、例えば、PLA材料に対する約64/36の重量比に従って、溶液内に存在することができる。
図128を参照すると、繊維及び/又はフィラメント23021が、例えば、溶液内へ混合され得る。PGA繊維が、一様に又は少なくとも実質的に一様に、例えば、組織厚さコンペンセーター23020の全体にわたって分布することができるように、PGA繊維は、例えば、溶液が型内に注入される前に、溶液内に分散され得る。他の状況では、PGA繊維が、例えば、型の底部へ向かって沈殿又は沈降することができるように、PGA繊維は、例えば、溶液に及び/又は直接型に配置され得る。他の状況では、PGA繊維は、溶液の上部へ浮上するように構成され得る。いずれにせよ、凍結乾燥工程を補助することができる、例えば、ジオキサン溶媒などの溶媒が溶液内に存在することができる。ジオキサン溶媒は、溶液内のPGA繊維と反応しなくても、又は少なくとも実質的に反応しなくてもよい。
【0149】
上記に対して更に、繊維23021は、溶液内に及び/又は溶液と混合される前に、1つ以上の薬剤でコーティングされ得る。
図130を参照すると、それぞれの繊維23021は、任意の好適な製造工程を利用して、コーティング23023で少なくとも部分的にコーティングされ得る基材23022を含むことができる。
図129を参照すると、繊維23021は、少なくとも1つの薬物コーティングが、例えば、PGA基材上に配置される押出工程を利用して製造され得る。これらは、押出工程の高温度に耐えることができる薬物に特に有用であり得る。
図131を参照すると、繊維23021は、例えば、超臨界二酸化炭素などのキャリア流体を利用して、薬物でコーティング及び/又は含浸され得る。いずれにせよ、繊維23021が、組織厚さコンペンセーター23020内に埋め込まれるように、薬物がコーティングされた繊維23021は、溶液と混合され得る。様々な状況では、結果として、繊維23021のコーティングが、内部に含まれる1つ以上の薬剤を溶解及び溶出し始めることができる。組織厚さコンペンセーター23020の周囲近くに位置決定された繊維23021は、組織厚さコンペンセーター23020の内部近くに位置決定された繊維23021の前に、溶解し始めることができる。このような場合、溶解された繊維23021は、組織厚さコンペンセーター23020内に複数の空洞、つまり空洞のネットワークを残して離れることができ、このような空洞が、組織厚さコンペンセーター23020内での細胞又は組織内殖を可能にすることができる。組織厚さコンペンセーターは、複数の第2の繊維より速い速度で溶解することができる複数の第1の繊維を含むことができる。例えば、第1の繊維は、例えば、ガンマ線照射されたPGA繊維を含むことができる。任意に、ガンマ線照射されたPGA繊維は、例えば、ガンマ照射されていないPGA繊維より速く溶解することができる。
【0150】
任意に、溶液から製作された組織厚さコンペンセーターが好適な色を有することができるように、1つ以上の着色剤が上記の溶液に添加され得る。組織厚さコンペンセーターがその周囲の環境と対照をなす色を有することが、望ましい場合がある。例えば、組織厚さコンペンセーターは、例えば、緑色及び/又は青色であり得る。
【0151】
ここで
図133及び
図135を参照すると、組織厚さコンペンセーター23120は、コンペンセーター本体23122、及びコンペンセーター本体23122の全体にわたって分布した複数の薬剤粒子23121を備えることができる。コンペンセーター本体23122は、疎水性材料で構成され得る。例えば、コンペンセーター本体23122は、例えば、PCL/PGAを含む材料で構成され得、PCL及びPGAは、65/35の重量比に従って、材料内に存在することができる。ここで
図134を参照すると、薬剤粒子23121は、例えば、親水性材料で構成されたケーシング又はシェル23124内に封入及び/又は組み込まれ得る、例えば、ドキシサイクリン、過炭酸塩、及び/又はアスコルビン酸リン酸エステルなどの、1つ以上の薬物23123を含むことができる。シェル23124は、例えば、低分子量ゼラチン、ヒアルロン酸、及び/又はCMCで構成され得る。溶液内に分布することができ、上記のように溶液が続いて、例えば、凍結乾燥され得る場合には、型内に注入され得る微粒子として、薬剤23121は製造され得る。一度組織厚さコンペンセーター23120が、使用中に、液体に晒されると、流体23129(
図136)は、コンペンセーター本体23122内に入ることができ、例えば、薬剤粒子23121の親水性シェル23124を溶解及び/又は吸収することができる。ここで
図139を参照すると、組織厚さコンペンセーター23220は、例えば、内部に分散した複数のコーティングされた薬物粒子23221を含むことができる第1の層23222及び第2の、すなわち、外層23224を含むことができる。上記と同様に、粒子23221は、第2の層23224から溶解及び/又は吸収され得、例えば、第2の層23224内に、例えば、開口部又は毛管経路23225を残して離れることができる。ここで
図140を参照すると、組織厚さコンペンセーター23320は、例えば、内部に分布した複数の薬剤粒子23121及び複数の繊維23021を含むコンペンセーター本体23322を備えることができる。
【0152】
ここで
図141及び142を参照すると、ステープルカートリッジ23400は、カートリッジ本体23410、及び例えば、カートリッジ本体23410上に位置決定された組織厚さコンペンセーター23420を備えることができる。組織厚さコンペンセーター23420は、コンペンセーター本体23422内に位置決定された複数のカプセル23421を備えることができる。カプセル23421は、例えば、emoulism、すなわちスピンディスク工程を利用して製造され得、カプセル23421は、例えば、固体及び/又は液体のバイオメトリクスのマイクロスフィアを含むことができる。カプセル23421は、カプセル23421から解放されるときに確実な組織封止を助けることができる1つ以上の接着剤を含むことができる。カプセル23421は、例えば、止血薬剤を含むことができる。いずれせよ、カプセル23421は、任意の好適な手段でコンペンセーター本体23422内に分布することができる。ここで
図143を参照すると、カプセル23421は、例えば、型21890に画定された成形キャビティ21891に配置され得、カプセル23421は、型21890の底部21893に静置することができる。
図144を参照すると、カプセル23421が底部21893上に均一又は少なくとも実質的に均一な層を形成することができるように、型21890は振動させられ得る。ここで
図145を参照すると、コンペンセーター本体23422を構成する材料が、カプセル23421を備えた成形キャビティ21891内に注入され得る。カプセル23421はコンペンセーター本体材料より高密度であり得、結果として、カプセル23421は、
図146に示されるように、型21890の底部21893に留まることができる。例えば、
図148を参照すると、型21890の底部21893は、カプセル23421を受容するように構成され得る複数の凹部、くぼみ、及び/又はディンプル21899を備えることができる。代替的に、
図147を参照すると、カプセル23421は、コンペンセーター本体材料より低密度であり得、型21890の上部へ浮上することができる。任意に、以下で更に詳細に説明されるように、カプセル23421がコンペンセーター本体材料の中で浮くことができるように、カプセル23421の密度が選択され得る。
【0153】
カプセル23421及びコンペンセーター本体材料を含む混合物が型21890内に好適に注入された後、組織厚さコンペンセーター23420を形成するために、混合物は、例えば、凍結乾燥工程を経ることができる。例えば、カプセル23421は、コンペンセーター本体23422内の適切な位置に固定又は冷凍乾燥され得る。次いで、再び
図141を参照すると、組織厚さコンペンセーター23420は型21890から除去され、続いて、ステープルカートリッジ23400のカートリッジ本体23410に組み付けられ得る。
図141に示されるように、カプセル23421が、組織厚さコンペンセーター23420の組織接触表面若しくは表皮23425を画定し、又は組織接触表面若しくは表皮23425に隣接して位置決定されるように、組織厚さコンペンセーター23420は位置決定及び準備され得る。カプセル23421は、例えば、組織厚さコンペンセーター23420が、例えば、組織に対して位置決定された後に素早く溶解及び/又は生体吸収され得る親水性材料で、少なくとも部分的に構成され得る。カプセル23421のそれぞれは、時間と共に溶解及び/又は生体吸収され得る材料の複数の層で構成され得る。例えば、カプセル23421の外層は、例えば、続いて溶解及び/又は生体吸収され得る第2の薬剤を含んだ第2の、すなわち内層を露出させるように溶解及び/又は生体吸収され得る第1の薬剤を含むことができる。カプセル23421のいくつかは、本明細書の他の箇所で説明される切断部材が組織及び/又は組織厚さコンペンセーター23420を切開するために遠位に進行するにつれて、切断部材によって切開されるように位置決定され得る。カプセル23421は、例えば、組織厚さコンペンセーター23420を通って切断部材を前進させるために必要な力又はエネルギーを低減させることができる組織厚さコンペンセーター23420の密度を、減少させることができる。
【0154】
上記したように、組織厚さコンペンセーター23420は、コンペンセーター本体23422の1つ以上の側面又は表皮に位置決定されたカプセル23421を備えることができる。同様に上記したように、組織厚さコンペンセーター23420は、コンペンセーター本体23422の中に分散したカプセル23421を備えることができる。例えば、カプセル23421がコンペンセーター本体材料内で浮くことができるように、カプセル23421は、同じ密度のコンペンセーター本体材料を有することができる。カプセル23421はコンペンセーター本体材料の中で分散又は均質化され得、カプセル23421が型の底部に沈降するか又は少なくとも実質的に沈降する前に、混合物が続いて冷却され得る。
【0155】
ここで
図149を参照すると、組織厚さコンペンセーター23520は、シェル23522、及びシェル23522内に位置決定された複数の移動可能な要素23524を備えることができる。シェル23322は、例えば、移動可能な要素23524が内部を移動することができる空洞23523のような、包囲及び/又は封止された空間を画定することができる。移動可能な要素23254は、例えば、球形状であり得、互いに対して、例えば、摺動及び/又はロールするように構成され得る。組織厚さコンペンセーター23520は、ステープルカートリッジのカートリッジ本体21310を覆って位置決定され得、ステープル21330は、
図150に示されるように、ステープルカートリッジから組織厚さコンペンセーター23520を通過して発射され得る。様々な状況では、要素23524が発射工程の間に断裂されなくてもよいように、移動可能な要素23524は、組織厚さコンペンセーター23520を通過して発射されたステープル21330の側方へ移動するように構成され得る。例えば、シェル23522は、移動可能な要素23524の移動を受け入れ、内部で生成された力を動的に再分配するために、屈曲及び/又はシフトするように構成され得る弾力的な材料で構成することができる。シェル23522は媒体を包囲することができる。例えば、媒体は、移動可能な要素23524が内部で移動することができる、例えば、1つ以上の粉末、液体、気体、流体、及び/又はゲルを含むことができる。移動可能な要素23524は、例えば、溶解性及び/又は生体吸収性材料、並びに内部に含まれる1つ以上の薬剤で構成され得る。例えば、このような配置は、1つ以上の薬剤の遅延及び/又は持続解放を提供するように構成され得る。代替的に、図示されないが、組織厚さコンペンセーター23520は、例えば、組織Tとアンビル21060との間に位置決定され得る。いずれにせよ、組織厚さコンペンセーター23520は、包囲された「ビーンバッグ」配置を含むことができる。シェル23522は、例えば、切断部材21380などの切断部材が通過するまで断裂しないように、又は少なくとも実質的に断裂しないように構成され得る。その時点において、移動可能な要素23524の1つ以上はシェル23522から流出することができる。
【0156】
ここで
図153を参照すると、組織厚さコンペンセーター23620は、コンペンセーター本体23622、及び内部に少なくとも部分的に含まれた複数のカプセル23624を備えることができる。ここで
図151を参照すると、型23690は、組織厚さコンペンセーター23620を製造するために利用され得る。例えば、複数の球形のカプセル23624が、型23690に画定された空洞23691内に位置決定され得、型23690内のカプセル23624の横方向の移動が、例えば、型23690の横の側壁23694、及び横の側壁23694の間に延びる横方向のストッパ23693によって抑制又は停止され得る。横の側壁23694及び横方向のストッパ23693は、内部にカプセル23624が位置決定されて含まれ得る、複数のポケットを画定することができる。カプセル23624は、型23690の底面23699上に静止するように構成され得る。代替的に、
図151及び
図152を参照すると、カプセル23624が型23690の底面23699と接触しないように、型23690は、カプセル23624を懸架するように構成され得る1つ以上の長手方向の支持体23692を更に備えることができる。例えば、長手方向の支持体23692は底面23699上に位置決定され得るが、代替的に、
図152を参照すると、長手方向の支持体23692は横方向の支持体23693上に位置決定され得る。
【0157】
再び
図151及び
図152を参照すると、カプセル23624が材料によって少なくとも実質的に取り囲まれるように、コンペンセーター本体23622を構成する材料が型23690の空洞23691内に注入され得る。主に
図153を参照すると、カプセル23624の各部分は、組織厚さコンペンセーター23620のコンペンセーター本体23622から突出することができる。例えば、コンペンセーター本体23622が凍結乾燥工程を経ている間に及び/又は経た後に、横方向の支持体23693及び/又は長手方向の支持体23692は型23691から引き抜かれ得る。その時点において、カプセル23624は、構造的支持体なしで、コンペンセーター本体23622内に懸架され得る。代替的に、横方向の支持体23693及び/又は長手方向の支持体23692が、コンペンセーター本体23622内に残されてもよい。例えば、横方向の支持体23693及び/又は長手方向の支持体23692が、例えば、生体吸収性材料で構成され得る。支持体23692及び/又は支持体23693は、例えば、コンペンセーター本体23622の弾力性を増加させることができるコンペンセーター本体23622内に位置決定される弾性部材を、備えることができる。
【0158】
ここで
図157を参照すると、組織厚さコンペンセーター23720は、第1及び第2の部分23722a及び23722bを有したコンペンセーター本体、並びにその間に位置決定された少なくとも1つのカプセル23724を備えることができる。組織厚さコンペンセーター23720は、例えば、型21890を利用して製造され得る。ここで
図154を参照すると、第1の材料が、コンペンセーター本体の第1の部分23722aを形成するために型21890内に注入され得る。次いで、
図155を参照すると、カプセル23724が第1の部分23722a上に位置決定され得る。カプセル23724は、一定の期間後及び/又は第1の材料が、例えば、凍結乾燥工程を経た後に、第1の部分23722a上に位置決定され得る。ここで
図156を参照すると、第2の材料が、コンペンセーター本体の第2の部分23722bを形成するために型21890内に注入され得る。一定の期間後及び/又は第2の材料が、例えば、凍結乾燥工程を経た後に、組織厚さコンペンセーター23720は、型21890から除去され、例えば、
図158に示されるようにステープルカートリッジ23700に関連して使用され得る。第2の材料は、第1の材料とは異なるものとすることができるが、代替的に、第2の材料が第1の材料と同じであってもよい。どちらの場合も、第1の材料及び/又は第2の材料は、生体吸収性材料で構成され得、カプセル23724は、例えば、少なくとも1つの薬剤で構成され得る。
【0159】
ここで
図162を参照すると、ステープルカートリッジ23800は、コンペンセーター本体23822及び内部に位置決定された長手方向のカプセル23824を備えることができる、組織厚さコンペンセーター23820を備えることができる。ここで
図159及び
図160を参照すると、長手方向の開口23821が、例えば、機械的な穿孔工程及び/又はレーザー穿孔工程などの、任意の好適な工程によってコンペンセーター本体23822に形成され得る。一度長手方向の開口23821が形成されると、長手方向のカプセル23824が、
図161に示されるように、長手方向の開口23821内に位置決定され得る。ここで
図166を参照すると、ステープルカートリッジ23900は、コンペンセーター本体23922及び内部に位置決定された複数の横方向のカプセル23924を備えることができる、組織厚さコンペンセーター23920を備えることができる。ここで
図163及び
図164を参照すると、横方向の開口23921が、例えば、機械的な穿孔工程及び/又はレーザー穿孔工程などの、任意の好適な工程によってコンペンセーター本体23922に形成され得る。一度横方向の開口23921が形成されると、複数の横方向のカプセル23924が、
図165に示されるように、横方向の開口23921内に位置決定され得る。
【0160】
図167〜171は、垂直な型24090を利用して組織厚さコンペンセーター23820を製造する代替方法を示す。主に
図167を参照すると、型24090は、側壁24092及び下端壁24093によって画定された空洞24091を備えることができる。
図168を参照すると、端壁24093は
図169に示されるように、長手方向のカプセル23824の端部を受容し、直立位置でカプセル23824を保持するように構成され得る、開口24094を備えることができる。次いで、ここで
図170を参照すると、コンペンセーター本体23822を構成する材料が、型24090の開放端部を通過して空洞24091内に注入され得るように、空洞24091の開放側が、カバー24095によって閉鎖及び/又は封止され得る。コンペンセーター本体を構成する材料が、例えば、固化、硬化、及び/又は凍結乾燥された後に、組織厚さコンペンセーター23820が型24090から除去され得る。
【0161】
ここで
図172を参照すると、ステープルカートリッジ24100は、カートリッジ本体24110、カートリッジ本体24110のデッキ表面24111に対して位置決定された組織厚さコンペンセーターマット24170、及び組織厚さコンペンセーターマット24170の上部に位置決定された組織厚さコンペンセーター24120を備えることができる。組織厚さコンペンセーター24120及び組織厚さコンペンセーターマット24170は、ステープルカートリッジ24100から発射された、例えば、ステープル21330(
図175)などのステープル内に捕捉された組織の厚さの変動を、共に又は単独で補正することができる。主に
図172及び
図173を参照すると、コンペンセーターマット24170は、デッキ表面24111に接するように構成された底面24171に加えて、カートリッジ本体24110に画定されたナイフスロット24114内に確実に受容されるように構成され得る、底面24171から延びた取り付けフランジ又はレール24174を備えることができる。コンペンセーターマット24170は、コンペンセーターマット24170を横切って延びることができる、複数のパケット24172を更に備えることができる。例えば、パケット24172のそれぞれは、
図176に示されるように、ナイフスロット24114によって画定される長手方向軸に対して直角及び/又は垂直である横軸に沿って画定され得る。コンペンセーターマット24170は、間にパケット24172が画定され得る複数の層を含むことができる。例えば、層は、例えば、PDS及び/又はコラーゲンで構成され得る。それぞれのパケット24172は、例えば、ドキシサイクリン、凝集剤、及び/又は抗菌材料などの1つ以上の薬剤を内部に保存するように構成され得る。
【0162】
再び
図175を参照すると、パケット24172が、カートリッジ本体24110に画定されたステープル空洞21312上にあるように、組織厚さコンペンセーターマット24170は、カートリッジ本体24110に対して相対的に位置決定され得る。より具体的には、それぞれのパケット24172は、ステープル21330のステープル脚部21332間に延びるように、位置決定及び準備され得る。コンペンセーターマット24170は、例えば、ステープル21330の端部を受容するように構成され得る複数の開口及び/又は貫通孔を備えることができる。これらの貫通孔は、例えば、パケット24172に隣接して位置決定され得る。
図175に示されるように、ステープル21330が非発射位置から発射位置まで移動する際に、ステープル21330は内部にパケット24172を捕捉するように構成され得る。例えば、ステープル21330が発射されている間に、パケット24172が穿刺又は断裂されないように、ステープル21330及びパケット24172は構成及び準備され得る。このような場合、パケット24172は、ステープル21330内に捕捉された組織Tへ弾性又は圧縮圧力を提供することができ、例えば、組織Tとステープル21330との間の空隙を占めることができる。再び
図176を参照すると、切断部材21380が、カートリッジ本体24110に画定されたナイフスロット24114、組織T、及び/又はコンペンセーターマット24170を通って前進する際に、パケット24172は切断部材21380によって切開され得る。組織厚さコンペンセーター24120が
図175及び176には示されないことが、読者には明らかであろう。ステープルカートリッジ24100が、組織厚さコンペンセーターマット24170を備え、組織厚さコンペンセーター24120を備えない様々な実施形態が想到されるが、代替的に、ここで
図177を参照すると、ステープルカートリッジ24100は、例えば、組織厚さコンペンセーターマット24170及び組織厚さコンペンセーター24120の両方を備えることができる。
【0163】
ステープルカートリッジの代替実施形態が
図178に示される。本発明によれば、円形のステープルカートリッジ24200は、例えば、同心円状に準備された複数のステープル空洞21312を備えた円形のカートリッジ本体24210を備えることができる。例えば、ステープルカートリッジ24200は、カートリッジ本体24210に位置決定された円形の組織厚さコンペンセーターマット24270を更に備えることができ、コンペンセーターマット24270は、例えば、半径方向外側へ延びるパケット24272を備えることができる。上記と同様に、パケット24272がステープル空洞21312内に位置決定されたステープル21330の脚部間に延びることができるように、パケット24272はステープル空洞21312の上の方向に延びることができる。また上記と同様に、ステープル21330は、ステープル21330がステープルカートリッジ24200から発射されるときに、内部にパケット24272を捕捉するように構成され得る。
【0164】
ここで
図189を参照すると、ステープルカートリッジ24300は、カートリッジ本体24310、並びにコンペンセーター本体24322及びコンペンセーター本体24322内に位置決定された複数の管状部材24324を含む組織厚さコンペンセーター24320を含むことができる。例えば、ステープルカートリッジ24300は、組織厚さコンペンセーター24320とカートリッジ本体24310との中間に配置された、例えば、組織厚さコンペンセーター層すなわちシート24370を更に備えることができる。ここで
図179を参照すると、複数のステープルカートリッジ24300が、型24390を利用して同時に製造され得る。型24390は、
図180に示されるように、内部にカートリッジ本体24310を受容するようにそれぞれ構成され得る複数の空洞24391を備えることができる。次いで、組織厚さコンペンセーター層24370を構成する1つ以上の大きな材料シートが、カートリッジ本体24310を覆って配置され得る。型24390は、複数の上側へ延びる支持ピン又は柱24392を備えることができ、
図181及び
図183に示されるように柱24392がシート24370を穿刺することができるように、シート24370は、柱24392に対して位置決定され、続いて下側へ押され得る。ここで
図182及び
図184を参照すると、管24324が少なくとも1回それぞれのカートリッジ本体24310上を通過するように、細長い管(単数又は複数)24324が柱24392の間に巻き付けられ得る。管24324が、例えば、6回それぞれのカートリッジ本体24310上を通過するように、管24324は柱24392の間に巻き付けられ得る。管24324はシート24370上に静止することが可能であり、管24324がピンと張られシート24370上に懸架され得るように、管24324は柱24392の間にしっかりと巻き付けられ得る。一度管24324が好適に位置決定されると、主に
図185を参照すると、コンペンセーター本体24322を構成する材料が、型24390内のシート24370の上部へ注入され得る。シート24370は、カートリッジ本体24310を保護、すなわちマスクするように構成され得、コンペンセーター本体材料24322が、例えば、カートリッジ本体24310に画定されたステープル空洞21312内へ入ることを防ぐことができる。本発明によれば、コンペンセーター本体材料24322が細長い管24322を覆うように、十分な量のコンペンセーター本体材料24322が型内に注入され得る。
【0165】
上記に対して更に、コンペンセーター本体材料24322は続いて、カートリッジ本体24310の上部に組織厚さコンペンセーター24320を形成するために、例えば、硬化、固化、及び/又は凍結乾燥され得る。次いで、ここで
図186を参照すると、切断ダイ24395が、コンペンセーター本体材料24322、組織厚さコンペンセーターシート24370、及び細長い管24322を切断するために利用され得る。ここで
図187を参照すると、切断ダイ24395は、組織厚さコンペンセーター24320及び組織厚さコンペンセーターシート24370を互いに切り離し分離するように構成され得る、複数の切断ブレード24396を備えることができる。切断ダイ24395は、
図188に示されるように、切り離された組織厚さコンペンセーター24320と組織厚さコンペンセーターシート24370との間の任意の余剰の材料を除去するように構成され得る、複数のウェル24397を備えることができる。切断ダイ24935及び/又は任意の他の好適なダイは、組織厚さコンペンセーター24320の端部及び/又は棚部を封止するように構成され得る、例えば、1つ以上の加熱要素を備えることができる。管24324には、1つ以上の流体が充填され得る。このような場合、切断ブレード24396は、管24324を切開し、同時に組織厚さコンペンセーター24320内に含まれる管部分の端部を封止するように構成され得る。次いで、複数のステープルカートリッジ24300が、型から除去され得る。
【0166】
ここで
図190及び
図191を参照すると、ステープルカートリッジ24400は、内部に複数のステープルを取り外し可能に保存するように構成され得る、カートリッジ本体24410を備えることができる。加えて、ステープルカートリッジ24400は、組織厚さコンペンセーター24420を更に備えることができる。組織厚さコンペンセーター24420は、複数の層24422で構成されたコンペンセーター本体を備えることができ、層24422は、例えば、セルロースフィルムで構成され得る。
図192に示されるように、材料24424は、2つ以上の隣接する層24422の間に位置決定され得、材料24424は、隣接する層24422を互いに離間させることができる。材料24424は、ポリブレンド生体医療用押出品(polyblend biomedics extrusion)を含むことができ、材料24424は、例えば、止血性材料、抗炎症材料、及び/又は抗生材料を含むことができる。ここで
図192を参照すると、材料24424は、例えば、波パターンでディスペンサ24490によって層24422に適用され得、材料24424がカートリッジ本体24410に画定された1つ以上のステープル空洞を覆って位置決定され得るように、波パターンは構成され得る。このような場合、材料24424は、ステープル空洞から射出されたステープル内に捕捉され得、ステープル内に同様に捕捉された組織に弾力的付勢力を提供することができる。いずれにせよ、層24422の1つ以上が、組織厚さコンペンセーター24420を作り出すために、材料24424を覆って、例えば、真空成形及び/又は熱封止され得る。組織厚さコンペンセーター22420は続いて、所定の長さに切断され得る。組織厚さコンペンセーター22420がステープルカートリッジのデッキ表面に対して位置決定され、別の組織厚さコンペンセーター22420がアンビルに対して位置決定される、様々な実施形態が想到される。
【0167】
ここで
図195を参照すると、ステープルカートリッジ24600は、カートリッジ本体24610を覆って位置決定された1つ以上の組織厚さコンペンセーター24620を備えることができる。主に
図194を参照すると、それぞれの組織厚さコンペンセーター24620は、複数の層24622、及び層24622間に位置決定された圧縮可能な、すなわち折り畳み式部材24624を備えることができる。折り畳み式部材24624は、内部に画定された複数のポケットを備える波形部材を備えることができ、1つ以上の薬剤がポケット内に保存され得る。例えば、第1の薬剤が、波形部材の第1の側のポケット内に配置され得、第2の薬剤が、例えば、波形部材の第2の側のポケット内に配置され得る。層24622及び圧縮可能な部材24624が、例えば、ローラー24590によって共に圧縮されるときに、組織厚さコンペンセーター24620は形成され得る。ここで
図193を参照にすると、組織厚さコンペンセーター24520は、部分的に平坦化された形状に、例えば、ローラー24590によって圧延された管材料から形成され得る。ここで
図196及び
図197を参照すると、ステープル21330が組織厚さコンペンセーター24620の少なくとも一部分を内部に捕捉することができるように、カートリッジ本体24610内に位置決定されたステープル21330は、カートリッジ本体24610から射出され得る。このような場合、圧縮可能な部材24624は、ステープル21330内に同様に捕捉された組織Tに対して、弾力的付勢力を適用するように構成され得る。組織厚さコンペンセーター24620の層24622も同様に、組織Tに対して弾力的付勢力を適用するように構成され得る。ステープル21330は、波形部材24624のポケットを穿刺することができ、内部に含まれる1つ以上の薬剤を解放することができる。
【0168】
上記の組織厚さコンペンセーターは、内部に物質を含んでもよい。物質としては、例えば、凝集剤、医薬剤、及び/又は抗炎症薬を挙げることができる。物質は、液体であり得るが、例えば、固体及び/又はゲルなどの、他の形態をとってもよい。このような組織厚さコンペンセーターを備える外科機器のために、外科機器が組織厚さコンペンセーターからの物質を方向づける機能を備えることが有利であり得る。例えば、物質は、組織厚さコンペンセーターから切開及びステープリングされた組織へ方向づけられ得る。別の例では、第1の組織厚さコンペンセーターは第1の物質を含むことができ、第2の厚さコンペンセーターは第2の物質を含むことができ、第1及び第2の物質が外科機器によって混合され得る。別の例として、物質は互いに離れて、例えば、外科機器のステープルカートリッジへ及び/又はアンビルへ方向づけられ得る。
【0169】
図390〜391は、刃先19016含む切断ブレード19000、ステープルカートリッジ19002、アンビル19008、ステープルカートリッジ19002上に位置決定された第1の組織厚さコンペンセーター19004、及びアンビル19008上に位置決定された第2の組織厚さコンペンセーター19006を備えた、外科用ステープリングシステムを示す。使用中、切断ブレード19000は、患者組織T、並びに第1及び第2の組織厚さコンペンセーター19004及び19006を切断するために、矢印Dの方向へ遠位に移動する。第1の組織厚さコンペンセーター19004は、内部に含まれる物質Sを含み、第2の組織厚さコンペンセーター19006は、内部に含まれる物質S’を含む。第1の組織厚さコンペンセーター19004は、内部に物質Sを含んだ容部(encasement)を備える。容部は、フィルムを切断する切断ブレード19000によって開放されるフィルム材料を含んでもよく、フィルムが開放されるときに物質Sは解放される。第2の組織厚さコンペンセーター19006が類似の容部を備えてもよく、第2の組織厚さコンペンセーター19006の容部が切断ブレード19000によって切断開放されるときに、第2の物質S’が解放され得る。ブレード19000が遠位に移動する際に、ガイド19030及び19022は、第1及び第2の組織厚さコンペンセーター19004及び19006から物質S及びS’をそれぞれ方向づけ又は変位させ得る。例えば、物質S及びS’は、切開された組織Tへ方向づけられてもよい。ブレード19000はシャフト19012に結合されてもよく、シャフト19012もまた、遠位方向D、及び矢印Pによって示される近位方向にブレード19000を移動させる作動機構に接続されてもよい。
【0170】
ガイド19030は、第1の組織厚さコンペンセーター19004から切開された組織Tへ物質Sを方向づけてもよい。ガイド19030の鏡像が、ブレード19000の対向する面に位置決定されてもよい。ガイド19030は、その間にチャネルCを画定する2つの隆起部19032及び19034を含んでもよい。外科用ステープラーが組織Tに対して位置決定されるとき、チャネルCの遠位端19035は、第1の組織厚さコンペンセーター19004の近位に位置決定され得、チャネルCの近位端19037は組織Tの近位に位置決定され得る。使用中、切断ブレード19000が遠位方向Dに移動する際に、第1の組織厚さコンペンセーター19004からの物質Sは、遠位端19035でチャネルCに入り、チャネルCを通過して流れ、組織Tの近位の近位端19037でチャネルCから出る。
【0171】
ガイド19022が、第2の組織厚さコンペンセーター19006から切開された組織Tへ物質S’を方向づけてもよい。ガイド19022は、傾いた表面19023を有した突起19025を備える。
図61に示されるように、突起19025は、物質S’を解放するために、第2の組織厚さコンペンセーター19006を貫通又は切断してもよい。ブレード19000が遠位Dに移動する際に、傾いた表面19025は物質S’を組織Tへ方向づけることができる。
【0172】
物質S及びS’が組織Tへ方向づけられる際に、物質S及びS’は混合されてもよい。物質S及びS’は、異なるものであってもよく、混合されるときに反応してもよい。例えば、物質S及びS’は、新しい物質S’’を形成するために、混合されるときに化学的に反応してもよい。新しい物質S’’は、例えば、医薬剤、抗生剤、凝集剤、及び/又は任意の他の好適なタイプの物質であり得る。ブレード19000が遠位方向Dに好適に前進した後、ブレード19000は近位Pに移動することで戻ってもよく、ブレード19000の近位の移動が物質S及びS’を更に混合させてもよい。
【0173】
代替的に、ガイド19022及び19030は、組織Tから離れて物質S及びS’を方向づけるように構成されてもよい。例えば、ガイド19030は、ステープルカートリッジ19002へ物質Sを方向づけるように構成されてもよく、ガイド19022は、アンビル19008へ物質S’を方向づけるように構成されてもよい。例えば、第1の組織厚さコンペンセーター19004が、例えば、接合部19005で接着剤によってステープルカートリッジ19002に保持される場合に、第2の組織厚さコンペンセーター19906が、例えば、接合部19007で接着剤によってアンビル19008に保持される場合に、このような配置は有利であり得る。物質S及びS’は、接着剤を溶解又は無力化してもよく、その結果、ステープルカートリッジ19002及びアンビル19008から第1及び第2の組織厚さコンペンセーター19004及び19006を、それぞれ少なくとも部分的に解放する。
【0174】
図63は、チャネルC’がブレード19014の表面のくぼみ又は溝によって画定される代替ガイド19030’を示す。チャネルC’は、単一のチャネルを備えても又は複数のチャネルを備えてもよい。
【0175】
図64〜67は、切断ブレード19060及び刃先19056、第1の組織厚さコンペンセーター19004、並びに第2の組織厚さコンペンセーター19006を備えた別の外科用ステープリングシステムを示す。ブレード19060は、ブレード19060の第1の側面上に第1の突起19062を備えてもよく、第1の突起19062は、ブレード19060の第1の側面からブレード19060の第2の側面へと通ずるオリフィス19064を画定する。第1の突起19062及び第1のオリフィス19064は、第1の組織厚さコンペンセーター19004と位置合わせされてもよい。使用中、ブレード19060が遠位に移動する際に、第1の組織厚さコンペンセーター19004の物質Sの少なくとも一部分は、第1のオリフィス19064を通過することができる。任意に、第1の突起19062の輪郭は、ブレード19060の第2の側面に及び/又は組織Tへ物質Sを方向づけることができる。
【0176】
ブレード19060はまた、ブレード19060の第2の側面上に第2の突起19066を備えてもよく、第2の突起は、ブレード19060の第2の側面からブレード19060の第1の側面へと通ずるオリフィス19068を画定する。第2の突起19066及び第2のオリフィスは、第2の組織厚さコンペンセーター19006と位置合わせされてもよい。使用中、ブレード19060が遠位に移動する際に、組織厚さコンペンセーター19006の物質S’の少なくとも一部分は、第2のオリフィス19068を通過することができる。任意に、第2の突起19066の輪郭は、ブレード19060の第1の側面に及び/又は組織Tへ物質S’を方向づけることができる。
【0177】
主に
図64及び
図65を参照すると、シャフト19059は、物質S及びS’の乱流及び/又は変位を増加させることができる、例えば、ディンプル19070などの表面の特徴を備えてもよい。この増加した乱流及び/又は変位は、例えば、物質S及びS’の大部分を互いに接触させることができる。ディンプル19070は、オリフィス19064及び19068に対して近位に位置決定され得る。ブレード19000が遠位に前進しているときには、ディンプル19070はオリフィス19064及び19068の下流にあり得るが、ブレード19000が近位に後退するときには、ディンプル19070はオリフィス19064及び19068の上流にあり得る。
【0178】
図68〜70は、ブレード19100及び刃先19108、第1の組織厚さコンペンセーター19120、並びに第2の組織厚さコンペンセーター19122を備えた別の外科用ステープラーを示す。第1の組織厚さコンペンセーター19120は、第1の物質S及び第2の物質S’を含むことができる。例えば、第1の物質Sは、上記のように、第1の容部に含まれ得る。第2の物質S’は、第1の容部の近位にあり得るか及び/又は第1の容部を取り囲み得る第2の容部に取り置かれ得る。第2の組織厚さコンペンセーター19122は、第3の物質S’’を含むことができる。第2の組織厚さコンペンセーター1922は、第4の物質S’’’を含むことができる。第3の物質S’’及び第4の物質S’’’は、上記の容部のような容部に取り置かれてもよい。ブレード19100は、物質S、S’、S’’、及びS’’’がその上に広がることができるブレード19100の第1の側面19102上にテクスチャー加工された表面19110を備えてもよい。別のテクスチャー加工された表面が、ブレード19100の対向する第2の側面(図示せず)上に位置してもよい。テクスチャー加工された表面19110は、切断され、刻み目を付けられ、エッチングされ、及び/又は第1の表面19102に別途形成された、例えば、溝などの一連の攪乱性の特徴を備えることができる。攪乱性の特徴はまた、例えば、第1の表面19102上に、隆起部などの一連の隆起特徴を備えてもよい。
図68〜70に示されるように、テクスチャー加工された表面19110の攪乱性の特徴は、攪乱性の特徴の規則的に繰り返すパターンを含んでもよい。攪乱性の特徴はまた、非繰り返しパターンで配置されてもよく、又はランダムに配置されてもよい。
【0179】
ブレード19100はまた、第1の表面19102に対して近位に位置決定された第2の表面19104を備えてもよい。第2の表面19104は、第1の表面19102に対して隆起することができる。第1の表面19102と第2の表面19104との間の接合部は、第3の表面19106を画定することができ、第3の表面19106は、ブレード19100の長手方向軸に対して一定の角度で位置決定されてもよい。遠位方向Dへのブレード19100の運動は、第3の表面19106の第2の端部19109より前を先導する第3の表面19106の第1の端部19107をもたらすことができる。結果として、
図70に示されるように、第3の表面19106は、第1の組織厚さコンペンセーター19120からの物質S及びS’を切開された組織Tへ方向をづけることができる。第2の表面19104と類似した、表面19105が、ブレード19100の対向する第2の側面に位置してもよい。
【0180】
図68〜70に示されるブレード19100が、
図61〜67に示される第1及び第2の組織厚さコンペンセーター19004及び19006を含む外科機器で使用されてもよい。上記のように、物質S及びS’が、混合され得、組織Tの近傍に位置決定され得るように、テクスチャー加工された表面19110は、それぞれの組織厚さコンペンセーター19004及び19006からの物質S及びS’をブレードの第1の表面19102上に分布させることができる。
【0181】
図68〜70に示されるブレード19100はまた、
図68〜70に示される第1の組織厚さコンペンセーター19120及び第2の組織厚さコンペンセーター19122を含む外科機器で使用されてもよい。第1の組織厚さコンペンセーター19120は、第1の物質Sを含む内部部分19121を含んでもよい。第1の組織厚さコンペンセーター19120がブレード19100の刃先19108によって切断されるときに、物質Sは内部部分19121から解放され得る。ブレード19100が組織厚さコンペンセーター19120に対して移動する際に、物質Sはテクスチャー加工された表面19110上に広げられてもよく、第3の表面19106は組織Tへ物質Sを方向づけることができる。上記のように、第1の組織厚さコンペンセーター19120は、内部部分19121の外側に第2の物質S’を含んでもよい。第1の組織厚さコンペンセーター19120がブレード19100の刃先19108によって切断されるときに、第1の物質S及び第2の物質S’の両方が、テクスチャー加工された表面19110上に分布してもよい。テクスチャー加工された表面19110上の分布が、第1の物質S及び第2の物質S’を混合させてもよい。混合されるときに、第1の物質S及び第2の物質S’は、例えば、新しい物質を形成するために化学的に反応するなどの反応をしてもよい。第3の表面19106は、第1の物質S及び第2の物質S’を組織へ方向づけてもよい。上記のように、第2の組織厚さコンペンセーター19122は、第3の物質S’’を含んでもよい。第2の組織厚さコンペンセーター19122がブレード19100の刃先19108によって切断されるときに、第3の物質S’’は、テクスチャー加工された表面19110上に分布してもよく、テクスチャー加工された表面19110で、第1の物質S及び/又は第2の物質S’と混合してもよく、組織Tへ方向づけられてもよい。上記のように、第2の組織厚さコンペンセーター19122は、第4の物質S’’’を含んでもよい。第2の組織厚さコンペンセーター19122がブレード19100の刃先19108によって切断されるときに、第3の物質S’’及び第4の物質S’’’は、テクスチャー加工された表面19110上に分布してもよく、テクスチャー加工された表面19110で、第1の物質S、第2の物質S’、及び/又は互いと混合してもよく、組織Tへ方向づけられ得る。
【0182】
上記に対して更に、組織厚さコンペンセーターは、生体適合性材料で構成され得る。フォームなどの生体適合性材料は、所望の性質を材料に提供するために、粘着付与剤、界面活性剤、充填剤、架橋剤、顔料、染料、酸化防止剤及び他の安定剤並びに/又はこれらの組み合わせを含んでもよい。生体適合性フォームは、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、材料の表面に適用されてもよいし及び/又は材料内に分散されてもよい。任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、生体適合性材料に適用される界面活性剤は、材料と接触する流体の表面張力を低減させることができる。例えば、界面活性剤は、材料内への水の浸透を加速させるために、材料と接触する水の表面張力を低減させることができる。水が触媒として作用してもよい。界面活性剤は、材料の親水性を増加させてもよい。
【0183】
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤を含むことができる。界面活性剤の例としては、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、及びポリオキサマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤は、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのコポリマーを含んでもよい。界面活性剤は、リン脂質界面活性剤を含んでもよい。リン脂質界面活性剤は、抗菌安定化特性を提供してもよいし、及び/又は生体適合性材料に他の材料を分散させてもよい。
【0184】
組織厚さコンペンセーターは、少なくとも1つの薬剤を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、本明細書で説明される天然材料、非合成材料、及び/又は合成材料のうちの1つ以上を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、ゼラチン、コラーゲン、ヒアルロン酸、酸化再生セルロース、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグレカプロン、及びこれらの組み合わせを含んだ、生体適合性フォームを含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、少なくとも1つの薬剤を含んだフィルムを備えてもよい。組織厚さコンペンセーターは、少なくとも1つの薬剤を含んだ生分解性フィルムを備えてもよい。薬剤は、液体、ゲル、及び/又は粉末を含むことができる。薬剤は、例えば、シスプラチン、マイトマイシン、及び/又はアドリアマイシンなどの、抗癌剤を含んでもよい。
【0185】
組織厚さコンペンセーターは、生分解性材料が分解される際に少なくとも1つの薬剤の制御された溶出を提供するために、生分解性材料を含んでもよい。生分解性材料が、例えば、活性剤流体などの活性剤と接触するときに、生分解性材料は、分解してもよく、又は構造的一体性を喪失する。活性剤流体は、例えば、食塩水又は任意の他の電解質溶液を含むことができる。生分解性材料は、吹付け、浸漬、及び/又はブラッシングを含むがこれらに限定されない従来の技術によって、活性剤流体と接触することができる。使用中、例えば、外科医は、エンドエフェクタ、及び/又は少なくとも1つの薬剤を含む組織厚さコンペンセーターを備えたステープルカートリッジを、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び/又は塩化カリウムなどの、塩溶液を含む活性剤流体に浸漬してもよい。組織厚さコンペンセーターが分解する際に、組織厚さコンペンセーターは薬剤を解放してもよい。組織厚さコンペンセーターからの薬剤の溶出は、速やかな初期の溶出速度及び遅い持続的な溶出速度によって特徴づけられてもよい。
【0186】
本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、例えば、酸化剤を含むことができる生体適合性材料で構成され得る。酸化剤は、有機過酸化物及び/又は無機過酸化物であってもよい。酸化剤の例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、及び過酸化マグネシウム、並びに過炭酸ナトリウムが挙げられ得るが、これらに限定されない。酸化剤は、例えば、過酸化水素、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、hypocodites、及び過炭酸塩などの、過酸素系酸化剤及び次亜ハロゲン酸塩系酸化剤を含んでもよい。酸化剤は、例えば、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、及び過ホウ酸ナトリウムなどの、アルカリ金属亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び過ホウ酸塩を含んでもよい。酸化剤は、バナジン酸塩を含んでもよい。酸化剤は、アスコルビン酸を含んでもよい。酸化剤は、活性酸素発生剤を含んでもよい。本発明によれば、組織足場は、例えば、酸化剤を含む生体適合性材料を含んでもよい。
【0187】
生体適合性材料は、液体、ゲル、及び/又は粉末を含むことができる。酸化剤は、例えば、微粒子及び/又はナノ粒子を含むことができる。例えば、酸化剤は、微粒子及び/又はナノ粒子に製粉されてもよい。酸化剤は、ポリマー溶液に酸化剤を懸濁させることによって、生体適合性材料に組み込まれてもよい。酸化剤は、凍結乾燥工程の間に、生体適合性材料に組み込まれてもよい。酸化剤は、接触時に組織と相互作用するように、凍結乾燥後に、生体適合性材料の気泡壁に取り付けられてもよい。酸化剤は、生体適合性材料に化学的に結合されなくてもよい。過炭酸塩乾燥力が、酸素の遅い解放により長期間にわたって生物学的に影響するために、生体適合性フォーム内に埋め込まれてもよい。過炭酸塩乾燥力が、酸素の遅い解放により長期間にわたって生物学的に影響するために、不織構造のポリマー繊維内に埋め込まれてもよい。生体適合性材料は、酸化剤、並びに例えば、ドキシサイクリン及びアスコルビン酸などの、薬剤を含んでもよい。
【0188】
生体適合性材料は、速放性酸化剤、及び/又は遅い持続解放性酸化剤を含んでもよい。生体適合性材料からの酸化剤の溶出は、速やかな初期の溶出速度及び遅い持続的な溶出速度によって特徴づけられてもよい。酸化剤が、例えば、水などの体液と接触するときに、酸化剤は酸素を生成してもよい。体液の例としては、血液、血漿、腹水、大脳脊髄液、尿、リンパ液、滑液、硝子体液、唾液、胃腸腔の内容物、及び/又は胆汁が挙げられ得るが、これらに限定されない。任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、酸化剤は、細胞死を低減させ、組織の生存度を強化し、並びに/又は切断及び/若しくはステープリングの間に損傷する場合がある組織間の機械的な強度を保つことができる。
【0189】
生体適合性材料は、少なくとも1つの微粒子及び/又はナノ粒子を含んでもよい。生体適合性材料は、本明細書で説明される天然材料、非合成材料、及び合成材料のうちの1つ以上を含んでもよい。生体適合性材料は、例えば、45〜50nm及び/又は45〜50μmなどの、約10nm〜約100nm及び/又は約10μm〜約100μmの平均粒径を有する粒子を含んでもよい。生体適合性材料は、内部に埋め込まれた少なくとも1つの微粒子及び/又はナノ粒子を含んだ生体適合性フォームを含んでもよい。微粒子及び/又はナノ粒子は、生体適合性材料に化学的に結合されなくてもよい。微粒子及び/又はナノ粒子は、薬剤の制御解放を提供してもよい。微粒子及び/又はナノ粒子は、少なくとも1つの薬剤を含んでもよい。微粒子及び/又はナノ粒子は、例えば、止血性薬剤、抗菌性薬剤、及び/又は酸化剤を含んでもよい。組織厚さコンペンセーターは、酸化再生セルロースを含む止血性薬剤、ドキシサイクリン及び/若しくはゲンタマイシンを含む抗菌性薬剤、並びに/又は過炭酸塩(percarbant)を含む酸化剤を含んだ、生体適合性フォームを含んでもよい。微粒子及び/又はナノ粒子は、例えば、最大3日までの薬剤の制御解放を提供してもよい。
【0190】
微粒子及び/又はナノ粒子は、製造工程の間に、生体適合性材料に埋め込まれてもよい。例えば、PGA/PCLなどの生体適合性ポリマーが、例えば、混合物を形成するために、例えば、ジオキサンなどの溶媒と接触することができる。生体適合性ポリマーが、粒子を形成するために、磨砕され得る。乾燥粒子が、ORC粒子あり又はなしで、懸濁液を形成するために、混合物と接触し得る。懸濁液が、乾燥粒子及び/又はORC粒子が内部に埋め込まれたPGA/PCLを含む生体適合性フォームを形成するために、凍結乾燥され得る。
【0191】
本明細書で開示される組織厚さコンペンセーター又は層は、例えば、吸収性ポリマーで構成され得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、フォーム、フィルム、繊維性織布、繊維性不織布PGA、PGA/PCL(ポリ(グリコール酸−コ−カプロラクトン))、PLA/PCL(ポリ(乳酸−コ−ポリカプロラクトン))、PLLA/PCL、PGA/TMC(ポリ(グリコール酸−コ−トリメチレン炭酸塩))、PDS、PEPBO、又は他の吸収性ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオルソエステル、ポリ(無水物)、ポリエステルアミド、及び/若しくはポリオキサエステルで構成され得る。本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、例えば、PGA/PLA(ポリ(グリコール酸−コ−乳酸))、及び/又はPDS/PLA(ポリ(p−ジオキサノン−コ−乳酸))で構成され得る。本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、例えば、有機材料で構成され得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、架橋ヒアルロン酸、及び/又は酸化再生セルロースで構成され得る。本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、例えば、ショアA15(ショアOO65)の最大硬度でショアA3〜7(ショアOO 30〜50)の範囲のデュロメーターで構成され得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、13N(3lbf)の負荷で40%の圧縮、27N(6lbf)の負荷で60%の圧縮、及び/又は89N(20lbf)の負荷で80%の圧縮を受けることができる。例えば、空気、窒素、二酸化炭素、及び/又は酸素などの、1つ以上の気体が、組織厚さコンペンセーター内で泡立てられ、及び/又は組織厚さコンペンセーター内に含まれ得る。組織厚さコンペンセーターは、組織厚さコンペンセーターを構成する材料硬度の約50%〜約75%で構成されるビーズを内部に含むことができる。
【0192】
本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、例えば、ヒアルロン酸、栄養物、繊維素、トロンビン、血小板を豊富に含む血漿、スルファサラジン(アザルフィジン(登録商標)−5ASA+スルファピリジン、アゾ結合))−プロドラッグ−大腸菌(アゾレダクターゼ)、メサラミン(遅延解放のために異なるプロドラッグの形態を有する5ASA)、アサコール(登録商標)(5ASA+ユドラジット−Sでコーティングされる−pH>7(コーティング分解))、ペンタサ(登録商標)(5ASA+エチルセルロースでコーティングされる−時間/pHに依存した遅い解放)、メササル(登録商標)(5ASA+ユドラジット−Lでコーティングされる−pH>6)、オルサラジン(5ASA+5ASA−大腸菌(アゾレダクターゼ))、バルサラジド(5ASA+4アミノベンゾイル−B−アラニン)−大腸菌(アゾレダクターゼ))、メサラミン顆粒、リアルダ(メサラミンの遅延及びSR製剤)、HMPL−004(TNF−アルファ、インターロイキン−1ベータ、及び核内カッパーB活性を阻害することができる混合生薬)、CCX282−B(腸粘膜へのTリンパ球の輸送に干渉する経口ケモカイン受容体アンタゴニスト)、リファキシミン(非吸収性広域抗生剤)、インフリキシマブ、murine chymieric(TNF−アルファに対して向けられたモノクローナル抗体−従来の治療に対して不適切に反応した中程度/重度の管腔性及び瘻孔性クローン病の成人/小児患者の徴候/症状を低減させ及び臨床的寛解を維持するために認可される)、アダリムマブ、全ヒトIgG1(抗TNF−アルファモノクローナル抗体−クローン病の徴候/症状を低減させるため、並びに従来の治療に対して不適切に反応するか又はインフリキシマブに不耐性となった中程度/重度の活性クローン病の成人患者の臨床的寛解を誘導及び維持するために認可される)、セルトリズマブペゴール、ヒト化抗TNF FAB’(ポリエチレングリコールに連結したモノクローン抗体フラグメント−クローン病の徴候/症状を低減させるため、並びに従来の治療に対して不適切に反応した中程度/重度の病気の成人患者の反応を誘導及び維持するために認可される)、ナタリズマブ、第1の非TNF−アルファ阻害剤(クローン病のために認可される生物化合物)、ヒト化モノクローナルIgG4抗体(アルファ−4インテグリンに対して向けられる−炎症の形跡があり、従来のクローン病の治療及びTNF−アルファの阻害剤に対して不適切に反応するか又は治療及び阻害剤に耐えることができない中程度/重度の病気の患者の臨床的反応及び寛解を誘導及び維持するためにEDA認可される)、インフリキシマブ共に与えられる場合もある併用免疫調節剤、アザチオプリン6−メルカプトプリン(プリン合成阻害剤−プロドラッグ)、メトトレキサート(テトラヒドロ葉酸合成に関与するジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)酵素と結合し、すべてのプリン合成を阻害する)、アロプリノール及びThioprine治療、PPI、癒合線を保護する酸抑制のためのH2、ディフィシレ菌(C−Diff)−フラジール、バンコマイシン(大腸菌トランスロケーション治療、プロバイオティックス、正常腔内細菌叢の再増殖)、並びに/又はリファキシミン(細菌の異常増殖(特に肝性脳症)の治療、管腔内細菌に対する作用を持つ消化管に吸収されない)を含むことができる。
【0193】
本明細書で説明されるように、組織厚さコンペンセーターは、例えば、ステープルカートリッジから射出され及び/又はステープルライン内に含まれるステープル内に捕捉された組織の厚さの変動を補償することができる。換言すると、ステープルライン内の特定のステープルは、組織の厚い部分を捕捉することができ、ステープルライン内の他のステープルは組織の薄い部分を捕捉することができる。このような状況では、組織厚さコンペンセーターは、ステープル内の異なる高さ又は厚さを想定することができ、捕捉される組織が厚いか又は薄いかどうかにかかわらず、ステープル内に捕捉された組織に圧縮力を適用することができる。本発明によれば、組織厚さコンペンセーターは、組織の硬度の変動を補償することができる。例えば、ステープルライン内の特定のステープルは、組織の圧縮性の高い部分を捕捉することができ、ステープルライン内の他のステープルは組織の圧縮性の低い部分を捕捉することができる。このような状況では、組織厚さコンペンセーターは、例えば、低い圧縮性、すなわち高い硬度を有する組織を捕捉したステープル内の低い高さ、これに対応して、高い圧縮性、すなわち低い硬度を有する組織を捕捉したステープル内の高い高さを想定するように構成され得る。いずれにせよ、組織厚さコンペンセーターは、それが例えば、組織厚さの変動及び/又は組織硬度の変動を補償するかどうかにかかわらず、例えば、「組織コンペンセーター」及び/又は「コンペンセーター」と称され得る。
【0194】
本明細書において開示される装置は、1回の使用の後に処分されるような設計とするか、又は複数回使用されるような設計とすることができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後、再使用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、これに続く洗浄工程又は特定部品の交換工程、及びその後の再組み付け工程の任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部材を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部材の洗浄及び/又は交換に際し、装置を再調整施設において、あるいは外科手術の直前に手術チームによって再組み付けしてからその後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整に、分解、洗浄/交換、及び再組み付けのための様々な技術を利用できる点は認識されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0195】
好ましくは、本明細書で説明される発明は、手術前に処理される。まず、新しい又は使用済みの器具を得て、必要に応じて洗浄する。次に、器具を滅菌することができる。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで容器及び器具を、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を貫通することができる放射線野の中に置く。この放射線によって器具上及び容器内の細菌が殺菌される。滅菌された器具は、その後、無菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設において開封されるまで器具を無菌状態に保つ。
【0196】
全体又は部分において、本明細書に参照により組み込まれると称されるいずれの特許公報又は他の開示物も、組み込まれた事物が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。このように、また必要な範囲で、本明細書に明確に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾するすべての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0197】
以上、本発明を例示的な構成を有するものとして説明したが、本発明は本開示の趣旨及び範囲内で更に改変することができる。したがって、本出願はその一般的原理を利用した本発明のあらゆる変形、使用、又は適応を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は従来の実施に含まれるところの本開示からの発展形を網羅するものとする。
【0198】
〔実施の態様〕
(1) 結合器具のアンビルに取り付け可能なコンペンセーターであって、前記アンビルが形成表面を備え、前記コンペンセーターが、
第1の繊維及び第2の繊維で構成される第1の層であって、前記第1の繊維が第1の材料で構成され、前記第2の繊維が第2の材料で構成され、前記第1の材料が前記第2の材料とは異なり、前記第1の繊維及び前記第2の繊維が第1の比に従って前記第1の層内に存在する、第1の層と、
前記第1の繊維及び前記第2の繊維で構成される第2の層であって、前記第1の繊維及び前記第2の繊維が第2の比に従って前記第2の層内に存在し、前記第1の比が前記第2の比とは異なる、第2の層と、
前記アンビルに取り付けられるように構成された取り付け部分と、を含む、コンペンセーター。
(2) 前記第1の材料が酸化再生セルロースを含み、前記第2の材料が吸収性ポリマーを含む、実施態様1に記載のコンペンセーター。
(3) 前記第1の繊維の前記第2の繊維に対する前記第1の比が約4:1であり、前記第1の繊維の前記第2の繊維に対する前記第2の比が約1:4である、実施態様1又は2に記載のコンペンセーター。
(4) 前記第1の層が組織接触表面を備え、前記第2の材料が酸化再生セルロースを含む、実施態様1又は3に記載のコンペンセーター。
(5) 前記第1の層では、前記第2の繊維が前記第1の繊維内に織られ、前記第2の層では、前記第1の繊維が前記第2の繊維内に織られる、実施態様1〜4のいずれかに記載のコンペンセーター。
【0199】
(6) 前記第1の繊維内に吸収される薬剤を更に含む、実施態様1に記載のコンペンセーター。
(7) 結合器具のアンビルに取り付け可能なコンペンセーターであって、前記アンビルが形成表面を備え、前記コンペンセーターが、
治癒工程の第1の段階の間に主に吸収されるように適合された第1の薬剤を含む吸収性外層と、
前記治癒工程の第2の段階の間に主に吸収されるように適合された第2の薬剤を含む吸収性中間層と、
前記治癒工程の第3の段階の間に主に吸収されるように適合された第3の薬剤を含む内層と、を備える、コンペンセーター。
(8) 前記第1の薬剤が止血性材料を含み、前記第2の薬剤が抗炎症材料を含み、前記第3の薬剤がコラーゲン材料を含む、実施態様7に記載のコンペンセーター。
(9) 前記第1の薬剤が止血性材料を含み、前記第2の薬剤が抗菌材料を含み、前記第3の薬剤がコラーゲン材料を含む、実施態様7又は8に記載のコンペンセーター。
(10) 少なくとも1つの前記中間層が前記内層を取り囲む環状層を含み、前記外層が少なくとも1つの前記中間層を取り囲む環状層を含む、実施態様7〜9のいずれかに記載のコンペンセーター。
【0200】
(11) 前記第1の治癒段階が前記第2の治癒段階と少なくとも部分的に重なり合い、前記第2の治癒段階が前記第3の治癒段階と少なくとも部分的に重なり合う、実施態様7〜10のいずれかに記載のコンペンセーター。
(12) 前記第1の治癒段階が、前記第3の治癒段階と部分的に重なり合う、実施態様11に記載のコンペンセーター。
(13) 組織厚さコンペンセーターを製造する方法であって、
基材及び薬剤を含む繊維を獲得することと、
第1の液体及び第2の液体の溶液を調製することと、
前記繊維を前記溶液内に混入させることと、
前記溶液を型内に注入することと、
前記溶液を凍結乾燥することと、を含む、方法。
(14) 前記繊維が、前記基材を前記薬剤でコーティングすることによって獲得される、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記繊維が、前記基材及び薬剤を同時に押し出すことによって獲得される、実施態様13に記載の方法。
【0201】
(16) 前記繊維が、前記薬剤を前記基材に含浸させることによって獲得される、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記溶液が、真空チャンバに前記型を配置すること、前記真空チャンバ内の気圧を低減させること、及び前記真空チャンバ内の温度を低下させることによって、凍結乾燥される、実施態様13〜16のいずれかに記載の方法。
(18) 前記溶液を凍結乾燥する前に前記繊維を前記型の底部に沈降させることを更に含む、実施態様13〜17のいずれかに記載の方法。
(19) 前記溶液の前記凍結乾燥により、材料シートを生成し、前記方法が、前記材料シートを裂くことを更に含む、実施態様13〜18のいずれかに記載の方法。