(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スラッジに含まれている水分が排出される孔またはスリットを有するシリンダーと、前記シリンダーの中心軸に沿って設置され、駆動源の動力を受けてスラッジを移送させながら圧搾して前記孔またはスリットを介して脱水させる圧搾手段とを含むスラッジ脱水装置において、
前記圧搾手段は、前記シリンダーの中心軸に沿って設置される第1シャフトと、前記第1シャフトにおいて脱水したスラッジが排出される側の区間である一側区間に位置するように前記第1シャフトの周囲に沿って設置され、前記第1シャフトに回転可能に結合される第2シャフトと、前記第1シャフトの周囲に沿っては結合されて一体化され、前記第2シャフトの周囲に沿っては回転可能に設置され、スラッジを移送させながら圧搾してスラッジを脱水させるスクリューとを含み、
前記第2シャフトは、別個の駆動源の動力を受け、前記第1シャフト及び前記スクリューと逆方向に回転するように構成されることを特徴とする、主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置。
前記第2シャフトは、脱水したスラッジが排出される側に向かってその外径が益々大きくなるテーパー状の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置。
前記シリンダーは、リング状の多数の固定ディスクと可動ディスクを、それらの間に隙間を持つように交互に繰り返し積層することにより構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置。
前記シリンダーは、リング状の多数の固定ディスクと可動ディスクを、それらの間に隙間を持つように交互に繰り返し積層することにより構成された積層型シリンダーと、前記積層型シリンダーの一側に連設され、打孔網状のスクリーンからなるスクリーン型シリンダーとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置。
【背景技術】
【0002】
毎年、廃水の量は急激に増加している。そのため、周辺環境の汚染問題が深刻に台頭しており、それに伴い廃水を効果的に処理するための様々な努力が行われている。すなわち、スラッジに含まれている水分を脱水させてケーキ状にするスラッジ脱水装置に関する様々な技術が開発されている。
【0003】
一方、近年では、スクリュープレス方式で、スラッジに含有されている水分を脱水させてケーキ状にするスラッジ脱水装置が主流を占めているが、このようなスクリュープレス方式のスラッジ脱水装置も、より向上した脱水効率を持つように改良されてきた。つまり、かつては、シリンダーが打孔網状のスクリーンからなっており、該スクリーンの孔を介して、スラッジに含有されている水分が外部へ排出されるように構成した。さらに具体的には、シリンダーの中心軸に沿って設置されてスラッジを移動させながら圧搾するスクリューによって、スラッジに含まれている水分がスクリーンの孔を介して外部へ排出されるように構成した。
【0004】
ところが、このようなスクリーンタイプのスラッジ脱水装置は、スクリューが回転しながらスラッジを移動させ、固定されたスクリーンの孔を介して、スラッジに含有されている水分を外部へ排出する構造を持つ。つまり、スクリーンタイプのスラッジ脱水装置は、スクリーンが固定された形態を有することにより、水分が分離される過程で、スクリーンに付着したスラッジがスムーズにクリーニングされないため排水効果の低下を引き起こし、それにより脱水効率が低下するという問題点があった。
【0005】
上述したような問題点を補完するために、スラッジ脱水装置は、シリンダーをリング状の多数の固定ディスクと可動ディスクとの間に隙間を有するように交互に繰り返し積層して構成した積層型のスラッジ脱水装置に改良された。このような積層タイプのスラッジ脱水装置は、シリンダーの中心軸に沿って設置されてスラッジを移動させながら圧搾するスクリューの回転と同時に、可動ディスクの挙動により、固定ディスクと可動ディスクとの間の隙間を介して、スラッジに含有されている水分を排出し、その隙間に付着したスラッジをセルフクリーニングすることができるように構成したものである。
【0006】
一方、上述したようなスクリーンタイプ及び積層タイプのスラッジ脱水装置は、シリンダーの中心軸に沿って設置されてスラッジを移動させながら圧搾するスクリューによって、スラッジに含まれている水分をスクリーンの孔、または固定ディスクと可動ディスクとの間の隙間を介して外部へ排出するように構成したものである。ここで、スクリューは、シリンダーの中心軸に沿って設置される駆動軸と、このような駆動軸の周囲に沿って結合されるスクリュー羽根とから構成される。つまり、従来のスクリューは、駆動軸とスクリュー羽根が一体になって一緒に回転するように構成される(例えば、特許文献1)。
【0007】
一方、初期のスクリューは、
図1に示すように、シリンダーの長手方向に同じ直径を有する駆動軸を用いた。ところが、同じ直径の駆動軸を有するスクリューの場合には、水分の含有されているスラッジが投入されるシリンダーの前端部からケーキの排出される後端部へと進むほど、スラッジ内の含水率が低くなるにも拘わらず、駆動軸が同じ直径を有することにより、スラッジが駆動軸の表面またはスクリューの羽根に付着して溜まるという問題点があった。すなわち、スラッジがスラッジ脱水装置の内部にいっぱいに満たされた状態で移送排出されないことにより、上述したようにスラッジが溜まるという問題点があった。また、スラッジがシリンダーの後端側のみへと力を受けるため、シリンダーの後端に位置する背圧板の中心から外部へ排出されなければならない。それにより、脱水性が良くて含水率が低いスラッジは、背圧板の中心から外部へ排出されながら背圧板に固着される現象により円滑な排出が難しい構造的な問題点があった。
【0008】
したがって、
図2に示すように、ケーキの排出口側に向かって直径が益々大きくなるテーパー状の駆動軸を有するようにスクリューを構成した。ところが、テーパー状の駆動軸を有するスクリューの場合も、同じ直径の駆動軸を有するスクリューのそれよりは少ない量であるが、スラッジが駆動軸の表面やスクリューの羽根に付着して溜まるという問題点があった。つまり、スラッジがスラッジ脱水装置の内部にいっぱいに満たされた状態で移送排出されないことにより、上述のようにスラッジが溜まるという問題点があった。
【0009】
一方、
図2に示すような構造は、圧搾移送時にスラッジが受ける力の方向と、スラッジから搾り出される圧搾液の排出方向とが同一であって、ケーキの含水率が良好でないだけでなく、圧搾し易いスラッジの場合には、圧搾液の排出が円滑ではないため、排出されるケーキの含水率のばらつきが激しいという問題点があった。また、スラッジがスラッジ脱水装置の内部にいっぱいに満たされた状態で移送排出されないことにより、スラッジの処理量を増加させるためにスクリューの回転数を上げると、スクリューの回転方向に圧搾された圧搾液が重力によって自動排出される前に、スクリューが前方向に進行してしまい、排出されるケーキの含水率が高いため、スラッジ処理が難しいという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、スクリューを主軸スクリュー区間及び無軸スクリュー区間から構成することにより、スラッジがスクリューの羽根などに付着することなくスムーズに外部へ排出されるようにする、主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、スクリューの主軸と無軸を互いに反対方向に回転させてスラッジを圧搾移送させることにより、スクリューの回転数の変動にも拘わらずケーキの含水率の変動がほとんどなく、スラッジの処理量を増大させることができる、主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明は、スラッジに含まれている水分が排出される孔またはスリットを有するシリンダーと、前記シリンダーの中心軸に沿って設置され、駆動源の動力を受けてスラッジを移送させながら圧搾して前記孔またはスリットを介して脱水させる圧搾手段とを含むスラッジ脱水装置において、前記圧搾手段は、前記シリンダーの中心軸に沿って設置される第1シャフトと、前記第1シャフトにお
いて脱水したスラッジ
が排出
される側の
区間である一側区間に位置するように前記第1シャフトの周囲に沿って設置され、前記第1シャフトに回転可能に結合される第2シャフトと、前記第1シャフトの周囲に沿っては結合されて一体化され、前記第2シャフトの周囲に沿っては回転可能に設置され、スラッジを移送させながら圧搾してスラッジを脱水させるスクリューとを含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明によれば、前記第2シャフトは、別個の駆動源の動力を受け、前記第1シャフト及び前記スクリューと逆方向に回転するように構成されることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記第2シャフトは、脱水したスラッジが排出される側に向かってその外径が益々大きくなるテーパー状の形状を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明によれば、前記シリンダーは打孔網状のスクリーンからなることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記シリンダーは、リング状の多数の固定ディスクと可動ディスクを、それらの間に隙間を持つように交互に繰り返し積層することにより構成されたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明によれば、前記シリンダーは、リング状の多数の固定ディスクと可動ディスクを、それらの間に隙間を持つように交互に繰り返し積層することにより構成された積層型シリンダーと、前記積層型シリンダーの一側に連設され、打孔網状のスクリーンからなるスクリーン型シリンダーとを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明によれば、前記スクリーン型シリンダーは、脱水したスラッジが排出される側に向かってその内径が益々小さくなるテーパー状の形状を有することを特徴とする。
また、本発明によれば、前記第2シャフトにおける前記スクリューと競合しない部分に設置され、脱水したスラッジをカットするカット部材をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、スクリューを主軸スクリュー区間及び無軸スクリュー区間から構成することにより、スラッジがスクリューの羽根などに付着することなくスムーズに外部へ排出することができるという長所がある。
【0019】
また、本発明は、スクリューの主軸と無軸を互いに反対方向に回転させてスラッジを圧搾移送させることにより、スクリューの回転数の変動にも拘わらずケーキの含水率の変動がほとんどなく、スラッジの処理量を増大させることができるという長所がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、スクリュープレス方式のスラッジ脱水装置の全てに適用可能である。つまり、上述したようなスクリーンタイプ及び積層タイプのスラッジ脱水装置の両方ともに適用可能である。したがって、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実施できる。但し、これらの実施形態は、本発明の開示が完全たるものとなるように、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0022】
まず、本発明に係る主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置の基本的な概念について説明する。
図3は本発明に係る主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置の概念図である。
図3に示すように、本発明のスラッジ脱水装置は、スラッジに含まれている水分を脱水させてケーキ状にするものであって、スクリューを主軸及び無軸スクリュー区間から構成したものである。つまり、スラッジが供給される前半部側は主軸スクリュー区間で構成し、ケーキ状に排出される後半部側は無軸スクリュー区間で構成した。このように、本発明は、前半部を主軸スクリュー区間で構成することにより、スラッジに含まれている水分を移送させながら効果的に脱水させ、後半部を無軸スクリュー区間で構成することにより、スラッジがシャフトの表面及びスクリューの羽根に付着することなくスムーズに外部へ排出されるようにした。
【0023】
また、本発明は、スクリューの主軸と無軸を互いに反対方向に回転させるように構成することがさらに好ましい。
図3に示すように、スラッジは、第1モーターM1によりA1〜A3の方向に移送されながら漸次圧搾されるが、A2位置からは固着されようとする。したがって、本発明では、スラッジが固着されようとする区間である無軸スクリュー区間で第2モーターM2を第1モーターM1と反対の方向に回転させることにより、スラッジがシャフトの表面及びスクリューの羽根に固着されることなくケーキの排出口へ移送されるように構成したのである。
【0024】
また、本発明は、主軸スクリュー区間のシャフトと無軸スクリュー区間のシャフトを互いに反対方向に回転させることにより、主軸スクリュー区間から移送されたスラッジが主軸と無軸との間の境界部位から積み滞った状態で無軸スクリュー区間に沿って移送されるように構成した。つまり、無軸スクリュー区間では、スラッジがその内部にいっぱいに満たされた状態で移送される。したがって、従来技術のようにスクリューのシャフトに沿って圧搾液が移動するのではないので、スクリューの回転速度が増加しても含水率の変動がほとんどなく、スラッジの処理量を増加させることができる。
【0025】
また、本発明は、無軸スクリュー区間のシャフトにおけるスクリューと衝突しない部分に設置され、脱水したスラッジをカットするカット部材をさらに含むことにより、過度に圧搾されたスラッジに傷または空間を生じさせてスラッジの円滑な移送及び排出に役立つことができる。
【0026】
次に、スクリーンタイプと積層タイプとを組み合わせて複合型に構成した、主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置の好適な実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図4は本発明の一実施形態に係る主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置の構成関係を示す部分分解斜視図、
図5は
図4に示された主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置の結合斜視図、
図6は
図4に示されたスラッジ脱水装置の圧搾手段の構成関係を示す断面図である。
【0028】
図4〜
図6に示すように、この実施形態に係るスラッジ脱水装置100は、スラッジに含まれている水分を脱水させてケーキ状にするものであって、多数の固定ディスク120と可動ディスク130をそれらの間に隙間を持つように交互に繰り返し積層することにより構成された積層型シリンダーC1と、積層型シリンダーC1の一側に連設され、打孔網状を有するスクリーン型シリンダーC2と、積層型シリンダーC1及びスクリーン型シリンダーC2の中心軸に沿って設置される第1シャフト180と、第1シャフト180にお
いて脱水したスラッジ
が排出
される側の
区間である一側区間に位置するように第1シャフト180の周囲に沿って設置され、第1シャフト180に回転可能に結合される第2シャフト190と、第1シャフト180の周囲に沿っては結合されて一体化され、第2シャフト190の周囲に沿っては回転可能に設置されるスクリュー110と、第1シャフト180の動力を受けて可動ディスク130が固定ディスク120に対して回転するように誘導する旋回誘導手段170と、第1シャフト180の一側に設置され、第1シャフト180及びスクリュー110を駆動させる動力を提供する駆動源であるモーター(図示せず)とから構成される。ここで、第1、第2シャフト180、190とスクリュー110は、駆動源の動力を受け、スラッジを移送させながら圧搾して脱水させる圧搾手段の役割を果たす。
【0029】
前述したような構成関係において、本発明の主軸スクリュー区間は第1シャフト180とスクリュー110によって形成され、無軸スクリュー区間は第2シャフト190とスクリュー110によって形成される。
【0030】
スクリュー110は、第1シャフト180を中心軸として回転しかつ第2シャフト190の周囲に沿って回転可能に設置され、スラッジを移送させながら圧搾してスラッジを脱水させる役割を果たす。ここで、スクリュー110は、第2シャフト190の周囲に沿って回転しながら第2シャフト190の表面を通り過ぎることにより、スラッジの固着が発生するケーキの排出口に近接する第2シャフト190の表面及びスクリュー110の羽根にスラッジが付着することなく、ケーキの排出口を介してスムーズに外部へ排出することができる。
【0031】
前記固定ディスク120と可動ディスク130は、一定の厚さを有する環状部材である。固定ディスク120及び可動ディスク130の中央には同じ直径の貫通孔121、131が設けられる。固定ディスク120の円周面には、外側に突出した2対の突出部122が設けられ、可動ディスク130の円周面には、外側に突出した1対の突出部132が設けられる。突出部122、132には挿入孔123、133がそれぞれ設けられる。
【0032】
このように形成された多数の固定ディスク120と可動ディスク130は、交互に繰り返し積層され、
図5に示すように一つの積層型シリンダーC1を形成する。多数の固定ディスク120の突出部122と多数の可動ディスク130の突出部132は、積層型シリンダーC1の長手方向にそれぞれ一列に並べられる。このとき、固定ディスク120の突出部122と可動ディスク130の突出部132とは互いに重なり合わない。一方、固定ディスク120の貫通孔121と可動ディスク130の貫通孔131は、直径が同じなので、連続した一つの空間を形成する。この空間はスラッジの移送通路として活用される。
【0033】
この実施形態の固定ディスク120は4つの突出部122を有する。それぞれの突出部122は固定ディスク120の貫通孔121を中心として互いに対称をなす。一方、この実施形態では固定ディスク120に4つの突出部122が設けられているが、必要に応じてその数を増減してもよい。
【0034】
突出部122の挿入孔123には、それぞれ多数の固定ディスク120を一体に連結する4つの固定バー142が積層型シリンダーC1の長手方向と平行に結合される。固定バー142は、多数の固定ディスク120が積層型シリンダーC1の長手方向だけでなく、固定ディスク120の円周方向に移動したり揺れたりしないようにしっかりと支持する役割を果たす。固定バー142には、長手方向に積層された多数の固定ディスク120間の距離を一定に維持させるスペーサー140が固定ディスク120の間々に結合される。このとき、スペーサー140は、可動ディスク130の厚さよりも厚く構成される。よって、多数の固定ディスク120と可動ディスク130との間には隙間がそれぞれ設けられる。
【0035】
この実施形態では、可動ディスク130の突出部132が固定ディスク120の突出部122同士の間に位置するように積層される。これは、可動ディスク130が旋回するとき、可動ディスク130の突出部132が固定ディスク120の突出部122の干渉をより少なく受けるようにして可動ディスク130の旋回範囲を大きくするためである。
【0036】
可動ディスク130の挿入孔133には、多数の可動ディスク130を一体に連結する2つの旋回バー143が積層型シリンダーC1の長手方向に挿入される。旋回バー143は、多数の可動ディスク130が一体に動くようにする。旋回バー143には、積層された多数の可動ディスク130の間隔を一定に維持させるスペーサー141が可動ディスク130の間々に設置される。
【0037】
このスペーサー141は固定ディスク120の厚さよりも厚く構成される。よって、積層された多数の固定ディスク120と可動ディスク130との間には、スペーサー140及びスペーサー141の厚さと固定ディスク120及び可動ディスク130の厚さとの差に相当する隙間が形成される。隙間は、スラッジに含まれている水分が積層型シリンダーC1の外部へ抜け出す排出口の役割を果たす。
【0038】
積層型シリンダーC1の他端部には、固定ディスク120の貫通孔121及び可動ディスク130の貫通孔131と同じ内径を有する連結筒150が設置される。連結筒150の両端部は、その内部の物質が長手方向に移動できるように開放される。連結筒150の外周面には流入口151が設けられる。流入口151は、スラッジを供給する通路の役割を果たす。一方、連結筒150は、常に固定された状態を保つため、旋回運動をしない固定ディスク120に結合されなければならない。よって、積層型シリンダーC1の両端部には、常に固定ディスク120が配置されるように積層しなければならない。
【0039】
スクリーン型シリンダーC2は、積層型シリンダーC1の一側に連設されるものであって、打孔網状を有する。このようなスクリーン型シリンダーC2の他側には、水分の除去されたケーキを排出する排出筒155が設置される。ここで、スクリーン型シリンダーC2は、前記排出筒155側に向かって固定ディスク120の貫通孔121と可動ディスク130の貫通孔131よりも益々小さくなる内径を持つ。つまり、スクリーン型シリンダーC2は、前記排出筒155側に向かってその内径が益々小さくなるテーパー状の形状を有する。これは、スクリーン型シリンダーC2の内部にスラッジがさらに多く満たされる状況を作って、スラッジがより効率よく圧搾された後でよりスムーズに排出されるようにするためである。ところが、スクリーン型シリンダーC2の内径を固定ディスク120の貫通孔121及び可動ディスク130の貫通孔131と同様に構成しても構わない。
【0040】
前記スクリーン型シリンダーC2は、一定の大きさの孔が等間隔で設けられ、一定の長さを有するケースと、ケースの内側面に設置され、微細な孔を有するスクリーンとから構成される。スクリーンの孔は、スラッジに含まれている水分がスクリーン型シリンダーC2の外部へ抜け出す排出口の役割を果たす。このようなスクリーン型シリンダーC2は、固定部材などにより固定された状態で設置される。
【0041】
積層型シリンダーC1及びスクリーン型シリンダーC2の内部には、前述したような第1、第2シャフト180、190とスクリュー110が設置される。このとき、第1シャフト180及びスクリュー110は、連結筒150、積層型シリンダーC1、スクリーン型シリンダーC2及び排出筒155を貫いて設置される。ところが、スクリュー110の羽根は、連結筒150、積層型シリンダーC1及びスクリーン型シリンダーC2には位置し且つ排出筒155にのみ位置しないように設置される。第2シャフト190は、スクリーン型シリンダーC2に位置するように配置される。
【0042】
一方、第2シャフト190は、スクリーン型シリンダーC2の長手方向に同じ直径を持つように構成してもよく、ケーキの排出口側、すなわち排出筒155側に向かってその外径が益々大きくなるテーパー状に構成してもよい。よって、この実施形態のスラッジ脱水装置100は、上述したスクリーン型シリンダーC2または第2シャフト190を前記排出筒155側に向かってテーパーされた形状を有することにより、スラッジをさらに効率よく圧搾して一層スムーズに排出することができる。
【0043】
前記第2シャフト190は、その一端は第1シャフト180に回転可能に結合され、他端部は排出筒155に固定される。それにより、第2シャフト190はスクリュー110に対して回転せずに固定される。ところが、第2シャフト190の両端部を第1シャフト180及び排出筒155に回転可能に支持し、排出筒155が位置する一端部に、スクリュー110を駆動させるモーター以外の別個のモーターを連結する場合、スクリュー110とは別に回転することができる。したがって、第2シャフト190をスクリュー110と逆方向に回転するように構成する場合、スラッジの移送速度を調節することができる。
【0044】
つまり、第1シャフト180と第2シャフト190を互いに反対方向に回転させることにより、主軸スクリュー区間である第1シャフト180とスクリュー110により脱水しながら移送されたスラッジが、第1シャフト180と第2シャフト190との境界部位から積み滞った状態で、無軸スクリュー区間である第2シャフト190とスクリュー110に沿って移送される。つまり、無軸スクリュー区間では、スラッジがその内部にいっぱいに満たされた状態で移送される。よって、従来技術のように第2シャフト190に沿って圧搾液が移動するのではないので、スクリュー110の回転速度が増加しても含水率の変動がほとんどないため、スラッジの処理量を増加させることができる。
【0045】
また、この実施形態に係るスラッジ脱水装置は、無軸スクリュー区間の第2シャフト190におけるスクリュー110と衝突しない部分に設置され、脱水したスラッジをカットするカット部材(図示せず)をさらに含むことにより、過度に圧搾されたスラッジに傷または空間を生じさせてスラッジの円滑な移送及び排出に役立つことができる。
【0046】
一方、スクリュー110の羽根は、第1シャフト180を中心軸として回転し、積層型シリンダーC1の一端に設置された連結筒150の流入口151に流入したスラッジを、スクリーン型シリンダーC2の他端に設置された排出筒155側へ移送させるとともに、積層型シリンダーC1及びスクリーン型シリンダーC2の長手方向に圧搾する役割を果たす。ここで、スクリュー110の羽根は、第1シャフト180の一側に設置されて動力を提供するモーターによって第1シャフト180を中心軸として回転し、第2シャフト190を中心に回転運動する。
【0047】
連結筒150の端部には、第1、第2、第3締結孔161、162、163を有する補強板160がそれぞれ結合される。補強板160の第1、第2、第3締結孔161、162、163には、第1シャフト180、固定バー142及び旋回バー143がそれぞれ結合される。第1シャフト180はベアリング(図示せず)を介して第1締結孔161に回転可能に設置され、固定バー142は第2締結孔162に固定結合され、旋回バー143は第3締結孔163に回転可能に設置される。よって、固定バー142によって一体に連結された多数の固定ディスク120は動かない。
【0048】
それぞれの補強板160の外側面には、旋回バー143を旋回させるための旋回誘導手段170が結合される。旋回誘導手段170は、スクリュー110の回転運動を旋回バー143の往復旋回運動に転換するように構成される。
【0049】
図7は
図4に示されたスラッジ脱水装置の旋回誘導手段を詳細に示す斜視図である。
図7に示すように、旋回誘導手段170は、主動ギヤ171、従動ギヤ172、原動カム173及び従動板174から構成される。
【0050】
主動ギヤ171は、第1シャフト180に結合されて第1シャフト180と一緒に回転する。第1シャフト180の左右側には従動軸172aが第1シャフト180と平行に設置されるが、この従動軸172aには、主動ギヤ171に噛み合う従動ギヤ172が設置される。
【0051】
従動ギヤ172の一面には原動カム173が結合される。原動カム173は従動ギヤ172に偏心して設置される。よって、原動カム173は、従動ギヤ172が回転すると、従動ギヤ172の従動軸172aを中心に回転する。すなわち、原動カム173は、第1シャフト180、主動ギヤ171及び従動ギヤ172からなる駆動部を介して動力の伝達を受け、駆動部は、主動ギヤ171と従動ギヤ172のギヤ組み合わせからなる動力伝達手段を介してスクリュー110の回転を原動カム173に伝達する。
【0052】
従動板174は第1シャフト180に回転可能に設置される。従動板174の平面には、積層型シリンダーC1の長手方向に貫いた複数の案内孔174aと挿入孔174bが設けられる。案内孔174aには原動カム173が挿入され、挿入孔174bには旋回バー143が結合する。
【0053】
案内孔174aは従動板174に長方形状に設けられる。案内孔174aの幅は原動カム173の直径と同じであり、案内孔の長さは原動カム173の回転直径と同一またはそれより大きい。したがって、原動カム173の案内孔174aに対する相対運動は案内孔174aの長手方向に行われる。すなわち、従動ギヤ172が従動軸172aを中心に回転すると、原動カム173が案内孔174aの壁面を押して従動板174を旋回させながら案内孔174aの長手方向に沿って移動する。一方、従動板174には旋回バー143が結合されているので、従動板174が旋回すると、旋回バー143を媒介として多数の可動ディスク130が従動板174と同じ方向に旋回運動する。
【0054】
この実施形態では、旋回誘導手段170の外側に別途の補強板160aがさらに結合される。この補強板160aは、旋回誘導手段170を外部の衝撃から保護し、それぞれの軸とロッドを支持する役割を果たす。
【0055】
図8は
図7に示された旋回誘導手段の作動過程を示す平面図である。
図8に示すように、主動ギヤ171が回転すると、従動ギヤ172が主動ギヤ171の回転と反対の方向に回転する。そうすると、従動ギヤ172に結合された原動カム173が他の円形軌跡を描きながら従動軸172aを中心に回転する。このとき、原動カム173は従動板174の案内孔174aに挿入された状態であるため、原動カム173が回転すると、原動カム173が案内孔174aの側壁を押しながら案内孔174aの長手方向に沿って移動する。これにより、従動板174は、原動カム173の回転軌道と、第1シャフト180を中心に案内孔174aが描く回転軌跡とが重複する範囲で往復旋回運動する。
【0056】
従動板174の旋回角度は、原動カム173が案内孔174aの中間位置に達したときに最高点を成し、この頂点を過ぎると、原動カム173の回転運動によってさらに反対方向に回転してその角度が減少し、案内孔174aの両端に達したときに最低点を成す。つまり、原動カム173が回転運動すると、従動板174は一定の範囲で往復旋回運動する。よって、本発明では、第1シャフト180が回転すると、原動カム173と従動板174により可動ディスク130が一定の範囲内で往復旋回運動しながら、固定ディスク120と可動ディスク130との間の隙間に挟まれた異物を除去する。一方、従動板174の旋回角度は原動カム173の回転半径によって調節することができる。
【0057】
モーターは、第1シャフト180の一側に設置され、動力を提供してスクリュー110を回転させ、かつ、第1シャフト180に噛み合って作動する旋回誘導手段170を用いて旋回バー143を媒介として多数の可動ディスク130を往復旋回運動させる。
【0058】
以下、この実施形態に係るスラッジ脱水装置の全体的な動作過程を詳細に説明する。
図9は
図5に示されたスラッジ脱水装置の作動状態を示す作動状態図である。
図4〜
図9に示すように、積層型シリンダーC1の一端に結合された連結筒150の流入口151にスラッジを投入する。その後、第1シャフト180及びスクリュー110を稼働させ、積層型シリンダーC1の内部に流入したスラッジをスクリーン型シリンダーC2を経て排出筒155側へ移送させる。
【0059】
つまり、第1シャフト180とスクリュー110によって、脱水したスラッジが主軸スクリュー区間から無軸スクリュー区間へ漸次移送される。そうすると、無軸スクリュー区間では、スクリュー110が第2シャフト190の周囲に沿って回転しながら第2シャフト190の表面を通り過ぎることにより、第2シャフト190の表面及びスクリュー110の羽根にスラッジが付着することなく、スクリーン型シリンダーC2を経て排出筒155側へ移送される。
【0060】
ここで、第1シャフト180と第2シャフト190を互いに反対方向に回転させる場合には、主軸スクリュー区間である第1シャフト180とスクリュー110によって脱水しながら移送されたスラッジが、第1シャフト180と第2シャフト190との境界部位から積み滞った状態で、無軸スクリュー区間である第2シャフト190とスクリュー110に沿って移送される。すなわち、無軸スクリュー区間では、スラッジがその内部にいっぱいに満たされた状態で移送される。よって、圧搾液が第2シャフト190に沿って移動せずにスクリーンの孔を介して徐々に抜け出すので、スクリュー110の回転速度が増加しても含水率の変動がほとんどないため、スラッジの処理量を増加させることができる。
【0061】
また、スクリュー110が稼働されることにより、従動板174が積層型シリンダーC1の長手方向を軸にして往復旋回運動を開始する。そうすると、可動ディスク130は、従動板174に結合された旋回バー143を媒介として従動板174と同様に往復旋回運動する。このとき、固定ディスク120は、補強板160に締結された固定バー142によって固定された状態なので回転しない。
【0062】
可動ディスク130の反復的な往復旋回運動は、積層型シリンダーC1の内部に持続的な動きを発生させる。このような動きは、スラッジを持続的に刺激して水分がスムーズに排出されるようにするとともに、固定ディスク120と可動ディスク130との間に形成された隙間に異物が挟まることを予防する。
【0063】
一方、積層型シリンダーC1を経てスクリーン型シリンダーC2に移送されたスラッジは、スクリュー110の羽根が回転することにより圧搾されながら、その内部の水分がスクリーンの孔を介して外部へ排出される。
【0064】
スクリュー110によってスクリーン型シリンダーC2の端部まで移送されたケーキは、スクリーン型シリンダーC2の端部に結合された排出筒155の排出口(図示せず)を介して外部へ排出される。
【0065】
以下、本発明に係る主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置を製作して比較実験した一例について説明する。
この実験では、スラッジ脱水装置のシリンダーを、スクリーンタイプと積層タイプを混合した複合型に構成し、上述したように、
図6のような構造の圧搾手段を備えたものを発明例とし、
図1に示すように一般的なスクリューを備えたものを比較例として行った。
【0066】
このとき、スラッジは、約1.3%の工業団地から出たスラッジと、約0.8%の産業団地内の廃水処理場から出たスラッジを使用し、ポリマーは、ハナロ6125(液状)を使用した。その実験結果は表1、
図10及び
図11のとおりである。
【0067】
【表1】
図10は主軸の回転速度と含水率との関係を実験した発明例と比較例の比較グラフであり、
図11は主軸の回転速度と処理量との関係を実験した発明例と比較例の比較グラフである。
【0068】
表1及び
図10から分かるように、比較例は、主軸(シャフト)の回転速度の増加に伴って主軸に沿って圧搾液の移動が多いため、回転速度の変化に伴うスラッジの含水率の変動が多かったが、発明例は、主軸の回転速度の変化に伴う含水率の変動が殆どなかった。そして、表1及び
図11から分かるように、比較例は主軸の回転速度の増加に伴ってスラッジの処理量が小幅増加したが、発明例は主軸の回転速度の増加に比例してスラッジの処理量が増加した。
【0069】
以上、本発明の主軸及び無軸スクリュー区間を有するスラッジ脱水装置に関する技術事項を添付図面に基づいて述べたが、これは本発明の最も好適な実施形態を例示的に説明したものである。よって、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく様々な修正及び変更を加え得るのは、当該技術分野における通常の知識を有する者に自明なので、それらの変更例または修正例も本発明の特許請求の範囲に属すると理解すべきである。