(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記耐火性セメント組成物が、さらに、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子を含み、かつ、上記水の量が、上記セメント、上記ポゾラン質微粉末、上記無機粉末、及び、上記繊維状粒子または薄片状粒子の合計量100質量部に対して、13〜25質量部である請求項1に記載の耐火性セメント組成物。
上記耐火性セメント組成物は、φ50×100mmの円柱状に成形してなる当該耐火性セメント組成物の硬化物を、20℃から30分間で840℃の温度まで昇温させ、840℃に達した時点から3時間で20℃に戻した場合に、ひび割れが生じず、かつ、40N/mm2以上の圧縮強度を有するものである請求項1又は2に記載の耐火性セメント組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の耐火性セメント組成物(以下、「本発明のセメント組成物」と略すことがある。)は、セメント及び乳剤を含み、かつ、硬化した状態で80N/mm
2以上の圧縮強度を有するものである。
本明細書中、「耐火性」とは、φ50×100mmの円柱状に成形してなるセメント組成物の硬化物を、常温(20℃)から30分間で840℃の温度まで昇温させ、840℃に達した時点から3時間で常温(20℃)に戻しても、爆裂が生じないことをいう。
また、本明細書中、「耐火性セメント組成物」は、硬化前の状態と硬化後の状態の両方を包含する概念を有する。
一般に、高強度のセメント組成物の硬化体は、350℃以上の高温下に置かれると、著しく劣化することが知られており、特に、火災等によって、非常な高温(例えば、840℃程度)の温度下に置かれた場合には、爆裂や大きなひび割れが生じる可能性が高い。そこで、本発明では、上述の条件下(特定の昇温速度で840℃まで昇温させた後、常温に戻すという条件下)で爆裂が生じないことを、「耐火性」と称することとした。
【0009】
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。
これらのセメントは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
本発明で用いる乳剤としては、セメント組成物に配合しうる乳剤(セメント混和用乳剤)、または、アスファルト乳剤として従来から知られているものを用いることができる。
セメント混和用乳剤の例としては、アクリル系乳剤、酢酸ビニル系乳剤、SBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)系乳剤、エポキシ系乳剤、ナイロン系乳剤、ポリプロピレン系乳剤等が挙げられる。
セメント混和用乳剤は、以前から、左官用または補修用に用いられている。本発明では、セメント混和用乳剤が、セメント組成物の耐火性を向上させることを見出したものである。
【0011】
本発明で用いるアルファルト乳剤の例としては、ノニオン系アルファルト乳剤、アニオン系アルファルト乳剤、カチオン系アルファルト乳剤等が挙げられる。
アスファルト乳剤は、以前から、アスファルトの流動性を高めて作業性を良好にするための混和剤として用いられている。本発明では、アスファルト乳剤が、セメント組成物の耐火性を向上させることを見出したものである。
【0012】
乳剤の配合量(固形分量)は、本発明のセメント組成物中の体積割合で、好ましくは0.1〜20%、より好ましくは0.5〜10%、特に好ましくは2〜8%である。該量が0.1%未満では、耐火性を十分に与えることが困難となる場合がある。該量が20%を超えると、耐火性の向上の効果が頭打ちとなる一方、乳剤の量が多くなるため、材料のコストが増大し、経済的観点から好ましくない。
【0013】
本発明のセメント組成物の好ましい実施形態例として、セメント、乳剤、ポゾラン質微粉末、該ポゾラン質微粉末よりも大きな粒径を有する無機粉末(ただし、セメントを除く。)、最大粒径2mm以下の骨材、金属繊維、減水剤、及び、水を含むものが挙げられる。また、所望により、平均粒度1mm以下の繊維状又は薄片状の粒子を配合してもよい。所望により、粗骨材を配合してもよい。
このうち、セメント及び乳剤については、上述のとおりである。
【0014】
ポゾラン質微粉末としては、例えば、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。
一般に、シリカフュームやシリカダストは、BET比表面積が5〜25m
2/gであり、粉砕等を行なう必要がないので、本発明で好ましく用いられる。
ポゾラン質微粉末のBET比表面積は、好ましくは5〜25m
2/g、より好ましくは5〜15m
2/gである。該値が5m
2/g未満では、硬化後の強度発現性の低下等が生じうる。該値が25m
2/gを超えると、所定の流動性を得るための水量が多くなるため、硬化後の強度発現性の低下等が生じうる。
ポゾラン質微粉末の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部である。該量が5〜50質量部の範囲外では、混練物の作業性の低下や、自己収縮の増大や、硬化後の強度発現性の低下等が生じうる。
【0015】
本発明で用いられる無機粉末は、ポゾラン質微粉末よりも大きな粒径を有する無機粉末(ただし、セメントを除く。)である。
無機粉末を配合することによって、混練物の流動性や、硬化後の強度及び耐久性を向上させることができる。
無機粉末としては、例えば、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、石灰石粉末及び石英粉末は、コストや硬化後の品質安定性の観点から好ましく用いられる。
【0016】
無機粉末のブレーン比表面積は、(a)3,000〜30,000cm
2/g、好ましくは4,500〜20,000cm
2/gであること、及び、(b)セメントのブレーン比表面積よりも大きな値であること(2種以上の無機粉末を含む場合には、その少なくとも1種が、セメントよりも大きなブレーン比表面積を有すること)、の2つの条件を兼ね備えることが、好ましい。
無機粉末のブレーン比表面積が3,000cm
2/g未満では、混練物の作業性の低下や、硬化後の強度発現性の低下等が生じうる。無機粉末のブレーン比表面積が30,000cm
2/gを超えると、粉砕に手間がかかり、材料が入手し難くなったり、混練物の作業性が低下する等の欠点が生じうる。
無機粉末がセメントよりも大きなブレーン比表面積を有することによって、無機粉末が、セメントとポゾラン質微粉末の間隙を埋めるような大きさの粒度を有することになり、混練物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性を向上させることができる。
無機粉末とセメントとのブレーン比表面積の差は、混練物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性の観点から、好ましくは1,000cm
2/g以上、より好ましくは2,000cm
2/g以上である。
無機粉末の配合量は、混練物の作業性や、自己収縮性や、硬化後の強度発現性及び耐久性等の観点から、セメント100質量部に対して、好ましくは5〜55質量部、より好ましくは10〜55質量部である。
【0017】
平均粒度が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子は、硬化後の靭性を高めるために用いられる。ここで、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。
繊維状粒子としては、例えば、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられる。繊維状粒子としては、硬化後の靭性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いることが好ましい。
薄片状粒子としては、例えば、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。
繊維状粒子及び薄片状粒子の配合量(これらの粒子を併用する場合は、合計量)は、混練物の作業性や、硬化後の強度発現性、耐久性及び靭性等の観点から、セメント100質量部に対して、好ましくは35質量部以下、より好ましくは5〜25質量部である。
【0018】
本発明で用いられる細骨材は、最大粒径が2mm以下の細骨材である。最大粒径が2mm以下であることによって、混練物の流動性や、硬化後の強度発現性及び耐久性等を向上させることができる。細骨材の最大粒径は、好ましくは1.5mm以下である。
細骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物等を使用することができる。
細骨材の配合量は、混練物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性等の観点から、セメント100質量部に対して、好ましくは50〜250質量部、より好ましくは80〜200質量部である。
本発明では、細骨材に加えて、粗骨材を配合することもできる。
粗骨材の配合量は、セメント組成物中の体積割合で、好ましくは20〜40%、より好ましくは25〜35%である。
【0019】
金属繊維は、硬化後の曲げ強度や破壊靭性等を大幅に高めるために用いられる。
金属繊維としては、例えば、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。中でも、鋼繊維は、大きな強度を有し、入手し易く、低コストであることから、好ましく用いられる。
金属繊維の寸法は、混練物中における金属繊維の材料分離の防止や、硬化後の曲げ強度の向上等の観点から、好ましくは、直径が0.01〜1mmで、長さが2〜30mmであり、より好ましくは、直径が0.05〜0.5mmで、長さが5〜25mmであり、特に好ましくは、直径が0.1〜0.4mmで、長さが10〜20mmである。また、金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150、特に好ましくは50〜120である。
金属繊維の配合量は、混練物(セメント組成物)中の体積百分率で、好ましくは4%以下、より好ましくは0.5〜3%、特に好ましくは1〜3%である。該配合量が4%を超えると、混練時にいわゆるファイバーボールを生じやすくなるなどの欠点がある。
【0020】
減水剤としては、例えば、リグニン系、オキシカルボン酸系等の減水剤もしくはAE減水剤や、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の高性能減水剤もしくは高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することが好ましく、特に、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することがより好ましい。
減水剤としては、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
減水剤の配合量は、セメント100質量部に対して、固形分換算で好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜3質量部、特に好ましくは0.1〜2.5質量部である。該配合量が0.001質量部未満では、混練が困難になったり、混練物の作業性が極端に低下することがある。該配合量が5質量部を超えると、材料分離や著しい凝結遅延が生じたり、硬化後の強度発現性が低下することがある。
なお、減水剤は、液状と粉末状のいずれでも使用することができる。
【0021】
水量は、セメント及び他の粉体(上述のポゾラン質微粉末、無機粉末、平均粒度1mm以下の繊維状又は薄片状の粒子)の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは12〜30質量部、特に好ましくは13〜25質量部である。該量が10質量部未満では、混練が困難になるとともに、混練物の作業性が極端に低下する。該量が40質量部を超えると、爆裂が生じ難くなり、乳剤を配合する必要性が低くなる。
なお、ここでの水量は、乳剤に含まれる水の量、及び、減水剤が水を含む場合における当該減水剤に含まれる水の量を含む。
【0022】
本発明において、上述の各材料に加えて、有機繊維を配合することが好ましい。
有機繊維を配合することによって、金属繊維のみを配合する場合に比べて、特に、耐火性を向上させることができる。
有機繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ナイロン繊維、パルプ繊維等が挙げられる。中でも、ポリプロピレン繊維及びビニロン繊維は、コストや入手し易さの観点から好ましく用いられる。
有機繊維の寸法は、混練物中における繊維の材料分離の防止や、硬化後の耐火性及び破壊靭性の向上等の観点から、好ましくは、直径が0.005〜1mmで、長さが2〜50mmであり、より好ましくは、直径が0.01〜0.5mmで、長さが5〜30mm、特に好ましくは、直径が0.1〜0.4mmで、長さが10〜25mmである。有機繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150、特に好ましくは40〜100である。
有機繊維の配合量の上限値は、混練物中の体積百分率で、好ましくは10%、より好ましくは8%、さらに好ましくは7%、特に好ましくは5%である。該量が10%を超えると、混練時にいわゆるファイバーボールを生じやすくなるなどの欠点がある。
有機繊維の配合量の下限値は、セメント組成物の耐火性を向上させる観点から、混練物中の体積百分率で、好ましくは0.01%、より好ましくは0.05%、さらに好ましくは0.1%、特に好ましくは0.2%である。
【0023】
本発明の耐火性セメント組成物の各材料の混練方法は、特に限定されるものではなく、従来から知られている通常の混練方法を採用することができる。
ただし、上述の好ましい実施形態例である耐火性セメント組成物(具体的には、セメント、乳剤、ポゾラン質微粉末、該ポゾラン質微粉末よりも大きな粒径を有する無機粉末(ただし、セメントを除く。)、最大粒径2mm以下の骨材、金属繊維、減水剤、及び、水を含むもの)を調製する場合における混練方法としては、例えば、(1)乳剤、水、液状の減水剤以外の材料を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材、乳剤、水、及び、液状の減水剤をミキサに投入し、混練する方法、(2)粉末状の減水剤を用意し、乳剤及び水以外の材料を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材、乳剤、及び水をミキサに投入し、混練する方法、(3)各材料を各々個別にミキサに投入し、混練する方法、等が挙げられる。この場合、混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、ドラム型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ、オムニミキサ等が挙げられる。
【0024】
本発明のセメント組成物の硬化体は、例えば、上述のセメント組成物を型枠内に投入して成形し、養生することによって、製造することができる。なお、養生方法は、特に限定されるものではなく、例えば、気中養生、湿空養生、水中養生、加熱促進養生(例えば、蒸気養生、オートクレーブ養生)等の慣用手段またはこれらを組み合わせたものを採用することができる
【0025】
本発明のセメント組成物の物性は、次のとおりである。なお、本明細書中、「セメント組成物」の語は、硬化前の状態、及び、硬化後の状態を包含する概念を有するものとする。
本発明のセメント組成物からなる硬化体の圧縮強度は、好ましくは80N/mm
2以上、より好ましくは100N/mm
2以上、さらに好ましくは140N/mm
2以上、特に好ましくは180N/mm
2以上である。
本発明のセメント組成物からなる硬化体の耐火性は、20℃から30分間で840℃に昇温させ、840℃に達した時点から3時間で20℃に戻すという温度履歴で温度を変化させた場合に、常温(20℃)に戻した後に、好ましくは10N/mm
2以上、より好ましくは20N/mm
2以上、さらに好ましくは30N/mm
2以上、特に好ましくは40N/mm
2以上の圧縮強度を維持するものである。
本発明のセメント組成物からなる硬化体の耐火性は、20℃から60分間で925℃に昇温させ、925℃に達した時点から3時間で20℃に戻すという温度履歴で温度を変化させた場合に、常温(20℃)に戻した後に、好ましくは5N/mm
2以上、より好ましくは10N/mm
2以上、さらに好ましくは15N/mm
2以上、さらに好ましくは20N/mm
2以上、特に好ましくは25N/mm
2以上の圧縮強度を維持するものである。
【実施例】
【0026】
(1)セメント
以下、実施例により本発明を説明する。
[使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(ブレーン比表面積:3,200cm
2/g)
(2)乳剤A;エチレン酢酸ビニル共重合体エマルション(太平洋マテリアル社製;商品名:モルトップ)
(3)乳剤B;アスファルト乳剤(ニチレキ化学社製)
(4)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(BET比表面積:11m
2/g)
(5)無機粉末;石英粉末(ブレーン比表面積:8,000cm
2/g)
(6)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ:0.3mm、長さ/直径の比:4)
(7)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:13mm)
(8)有機繊維;ポリプロピレン繊維(直径:0.3mm、長さ:15mm)
(9)細骨材;珪砂(最大粒径:0.6mm)
(10)減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
(11)水;水道水
【0027】
[実施例1]
セメント100質量部、「乳剤A」3質量部(固形分換算)、シリカフューム25質量部、石英粉末25質量部、ウォラストナイト20質量部、鋼繊維2体積%(セメント組成物中の割合)、有機繊維0.3体積%(セメント組成物中の割合)、珪砂120質量部、減水剤1質量部(固形分換算)、水25質量部をオムニミキサに投入し混練して、混練物を調製した。
[圧縮強度の測定]
この混練物を型枠(φ50×100mm)に流し込み、20℃で48時間静置後、90℃で48時間蒸気養生し、硬化体(3本)とした。これらの硬化体(3本)の圧縮強度の平均値は、209N/mm
2であった。
【0028】
[耐火性の試験1]
上述の硬化体(3本)を、15分間で540℃に昇温させた後、1時間で150℃に降温させ、次いで、25分間で840℃に昇温させ、840℃に達した後、3時間で常温(20℃)に降温させた。
その後、硬化体(3本)の圧縮強度を測定した。これらの硬化体(3本)の圧縮強度の平均値は、46N/mm
2であった。
[耐火性の試験2]
上述の硬化体(3本)を、10分間で400℃に昇温させた後、1時間30分間で150℃に降温させ、次いで、25分間で925℃に昇温させ、925℃に達した後、3時間で常温(20℃)に降温させた。
その後、硬化体(3本)の圧縮強度を測定した。これらの硬化体(3本)の圧縮強度の平均値は、29N/mm
2であった。
【0029】
[
参考例1〜3、比較例1]
表1に示すように乳剤及び繊維の配合条件を変えた以外は実施例1と同様にして、実験した。結果を表1に示す。
表1中の実施例1
および参考例1〜3と、比較例1を比較すると、乳剤を配合することによって、耐火性が向上することがわかる。また、実施例1および参考例1と、
参考例2および参考例
3を比較すると、アスファルト乳剤(
参考例2および参考例
3)よりも、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルション(実施例1および参考例1)のほうが、乳剤による耐火性の向上の効果が大きいことがわかる。さらに、実施例1と参考例1、または、
参考例2と参考例
3を比較すると、有機繊維を含まない場合(参考例1
および参考例3)よりも、有機繊維を含む場合(実施例1
および参考例2)のほうが、耐火性の向上の効果が大きいことがわかる。
【0030】
【表1】