(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザがタッチパネルに対する接触操作や、ディスプレイに対する非接触操作で機能を実行する場合、表示装置が有する機能の数の増加に伴い、ユーザの操作回数が増加するときがあり、操作が複雑となることがあった。また、ユーザの接触操作と非接触操作とを単純に組み合わせてそれぞれの操作に関連付けられた個別の機能を実行する場合、本来ユーザが目的とする機能が実行されないときがあった。例えば、ユーザが目的とする機能がタッチパネルの接触操作に関連付けられている場合、ユーザが接触操作を行おうとして指等をタッチパネルに近づけたときに、ユーザが本来意図しない非接触による操作が受け付けられて、その非接触操作に関連付けられた機能が実行されることでユーザが目的とする機能が実行されないときがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが目的とする機能を簡易に、かつ、確実に実行できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、タッチパネルを備える表示装置において、ユーザの前記タッチパネルへの近接を検出する
近接検出手段と、
ユーザの前記タッチパネルへの接触を検出する接触検出手段と、前記ユーザが前記タッチパネルに一点
で近接した場合は、前記ユーザの前記タッチパネルに対する接触により定まる接触位置を取得し、複数点で近接した場合は、前記タッチパネルに対する近接により定まる近接位置を取得する取得手段と、
前記一点で近接する距離に応じて、前記近接検出手段による検出と前記接触検出手段による検出とを切替える切替手段と、前記接触位置に関連付けられた命令である第1接触命令、および、前記近接位置に関連付けられた命令である第1近接命令のいずれかを受け付ける受付手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2の発明は、
請求項1に記載の入力操作装置において、前記近接検出手段は、前記タッチパネルに設けられた電極の浮遊容量によって前記近接を検出し、前記接触検出手段は、前記タッチパネルに設けられた複数の電極間の静電容量によって前記接触を検出する。
【0008】
また、請求項3の発明は、
請求項2に記載の入力操作装置において、前記切替手段は、前記近接検出手段による検出に基づき、前記浮遊容量の変化に関する値が、第1の閾値を下回ることで前記一点で近接したことが判定された場合に、前記第1の閾値を下回ってから連続的に変化をして第2の閾値を上回ると判定されたときは、前記近接検出手段による検出から前記接触検出手段による検出へ切り替える。
【0010】
また、請求項
4の発明は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の表示装置において、前記受付手段は、前記ユーザが前記タッチパネルに一点で近接した場合に、前記第1接触命令を受け付けて、前記ユーザが前記タッチパネルに複数点で近接した場合に、前記第1近接命令を受け付ける。
【0011】
また、請求項
5の発明は、請求項
1乃至4のいずれかに記載の表示装置において、前記タッチパネルの周辺に設けられた操作部をさらに備え、
前記近接検出手段は、ユーザの前記操作部への近接を検出し、前記接触検出手段は、ユーザの前記操作部への接触を検出し、 前記取得手段は、前記ユーザが前記操作部に一点
で近接した場合は、前記ユーザが前記操作部に接触した接触位置を取得し、複数点で近接した場合は、前記操作部に近接した近接位置を取得し、前記受付手段は、前記ユーザが前記操作領部に一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、前記操作部に対する接触位置に関連付けられた命令である第2接触命令と、前記操作部に対する近接位置に関連付けられた命令である第2近接命令とのいずれかを受け付ける。
【0012】
また、請求項
6の発明は、請求項
5に記載の表示装置において、 前記受付手段は、前記ユーザが前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかに一点で近接した場合に、前記第2接触命令を受け付けて、前記ユーザが前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかに複数点で近接した場合に、前記第2近接命令を受け付ける。
【0013】
また、請求項
7の発明は、タッチパネルを備える表示装置に対するコマンド選択方法において、
(a)ユーザの前記タッチパネルへの近接を検出する工程と、
(b)ユーザの前記タッチパネルへの接触を検出する工程と、(c)前記ユーザが前記タッチパネルに一点
で近接した場合は、前記ユーザの前記タッチパネルに対する接触により定まる接触位置を取得し、複数点で近接した場合は、前記タッチパネルに対する近接により定まる近接位置を取得する工程と、
(d)前記一点で近接する距離に応じて、前記(a)工程による検出と前記(b)工程による検出とを切替える工程と、(e)前記接触位置に関連付けられた命令である第1接触命令、および、前記近接位置に関連付けられた命令である第1近接命令のいずれかを受け付ける工程と、を備える。
【0014】
また、請求項
8の発明は、タッチパネルを備える表示装置において、ユーザの前記タッチパネルへの近接を検出する
近接検出手段と、
ユーザの前記タッチパネルへの接触を検出する接触検出手段と、前記ユーザが前記タッチパネルに一点
で近接した場合は、前記ユーザの前記タッチパネルに対する接触により定まる接触位置を取得し、複数点で近接した場合は、前記タッチパネルに対する近接により定まる近接位置を取得する取得手段と、
前記一点で近接する距離に応じて、前記近接検出手段による検出と前記接触検出手段による検出とを切替える切替手段と、前記ユーザが前記タッチパネルに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、前記表示装置の複数の機能のうち第1の機能に関連付けられた命令である第1機能命令、および、第2の機能に関連付けられた命令である第2機能命令のいずれかを受け付ける受付手段と、を有する。
【0015】
また、請求項
9の発明は、タッチパネルを備える表示装置に対するコマンド選択方法において、
(a)ユーザの前記タッチパネルへの近接を検出する工程と、
(b)ユーザの前記タッチパネルへの接触を検出する工程と、(c)前記ユーザが前記タッチパネルに一点
で近接した場合は、前記ユーザの前記タッチパネルに対する接触により定まる接触位置を取得し、複数点で近接した場合は、前記タッチパネルに対する近接により定まる近接位置を取得する工程と、
(d)前記一点で近接する距離に応じて、前記(a)工程による検出と前記(b)工程による検出とを切替える工程と、(e)前記ユーザが前記タッチパネルに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、前記表示装置の複数の機能のうち第1の機能に関連付けられた命令である第1機能命令、および、第2の機能に関連付けられた命令である第2機能命令のいずれかを受け付ける工程と、を有する。
【0016】
また、請求項
10の発明は、タッチパネルおよび該タッチパネルの周辺に設けられた操作部を備える表示装置において、ユーザの前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかへの近接を検出する
近接検出手段と、
ユーザの前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかへの接触を検出する接触検出手段と、前記ユーザが前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかに
一点で近接した場合は、前記ユーザの前記タッチパネルに対する接触により定まる接触位置又は前記操作部に接触した接触位置を取得し、複数点で近接した場合は、前記タッチパネルに対する近接により定まる近接位置又は前記操作部に近接した近接位置を取得する取得手段と、
前記一点で近接する距離に応じて、前記近接検出手段による検出と前記接触検出手段による検出とを切替える切替手段と、前記ユーザが前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、前記ユーザが前記タッチパネルに近接した位置に関連付けられた命令である第1近接命令、および、前記ユーザが近接した前記操作部に関連付けられた命令である第2近接命令のいずれかを受け付ける受付手段と、を備える。
【0017】
また、請求項
11の発明は、タッチパネルおよび該タッチパネルの周辺に設けられた操作部を備える表示装置に対するコマンド選択方法において、
(a)ユーザの前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかへの近接を検出する工程と、
(b)ユーザの前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかへの接触を検出する工程と、(c) 前記ユーザが前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかに
一点で近接した場合は、前記ユーザの前記タッチパネルに対する接触により定まる接触位置又は前記操作部に接触した接触位置を取得し、複数点で近接した場合は、前記タッチパネルに対する近接により定まる近接位置又は前記操作部に近接した近接位置を取得する工程と、
(d)前記一点で近接する距離に応じて、前記(a)工程による検出と前記(b)工程による検出とを切替える工程と、(e)前記ユーザが前記タッチパネルおよび前記操作部のいずれかに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、前記ユーザが前記タッチパネルに近接した位置に関連付けられた命令である第1近接命令、および、前記ユーザが近接した前記操作部に関連付けられた命令である第2近接命令のいずれかを受け付ける工程と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし13の発明によれば、第一の検出手段は、先ず物体の状態を検出し、当該物体による操作が第一の検出手段に対する操作か、第二の検出手段に対する操作かを判別することで、ユーザが目的とする機能を実現させる際のタッチパネルに対する操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。また、ユーザの意図する操作を判別可能となり、ユーザが目的とする機能を確実に実行できる。
【0019】
また、特に請求項2の発明によれば、第一の検出手段は空間の物体を検出する手段であり、第二の検出手段はタッチパネルであり、前記物体の状態は指の状態であることで、ユーザはタッチパネルに対する接触操作と近接操作を正確に使い分けて目的とする機能を確実に実行できる。
【0020】
また、特に請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載の入力操作装置において、前記第一の検出手段の検出範囲と前記第二の検出手段の検出範囲における隣接は、上下または左右の配置の少なくともいずれか一方を含む位置関係にあることで、ユーザが目的とする機能を実現させる際のタッチパネルに対する操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。
【0021】
また、特に請求項4の発明によれば、第一の検出手段および第二の検出手段の少なくともいずれか一方において所定期間物体による入力操作を禁止することで、ユーザの意図しない操作の受付による誤操作の発生を防止できる。
また、特に請求項5の発明によれば、接触位置に関連付けられた命令である第1接触命令、および、近接位置に関連付けられた命令である第1近接命令のいずれかを受け付けることで、ユーザが目的とする機能を実現させる際のタッチパネルに対する操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。また、ユーザの意図する操作が接触操作および近接操作のいずれの操作であるかが判別可能となり、ユーザが目的とする機能を確実に実行できる。
【0022】
また、特に請求項6の発明によれば、ユーザがタッチパネルに一点で近接した場合に、第1接触命令を受け付けて、ユーザがタッチパネルに複数点で近接した場合に、第1近接命令を受け付けることで、ユーザはタッチパネルに対する接触操作と近接操作を正確に使い分けて目的とする機能を確実に実行できる。
【0023】
また、特に請求項7の発明によれば、ユーザがタッチパネルおよび操作部のいずれかに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、操作部に対する接触位置に関連付けられた命令である第2接触命令と、操作部に対する近接位置に関連付けられた命令である第2近接命令とのいずれかを受け付けることで、ユーザが目的とする機能を実現させる際のタッチパネルおよび操作部に対する操作の操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。また、ユーザの意図する操作が接触操作および近接操作のいずれの操作であるかが判別可能となり、ユーザが目的とする機能を確実に実行できる。
【0024】
また、特に請求項8の発明によれば、ユーザがタッチパネルおよび操作部のいずれかに一点で近接した場合に、第2接触命令を受け付けて、ユーザがタッチパネルおよび操作部のいずれかに複数点で近接した場合に、第2近接命令を受け付けることで、ユーザは操作部に対する接触操作と非接触操作を正確に使い分けて目的とする機能を確実に実行できる。
【0025】
また、特に請求項10の発明によれば、ユーザがタッチパネルに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、第1機能命令および第2機能命令のいずれかを受け付けることで、ユーザはタッチパネルに対して非接触による感覚的な操作で複数の機能の中から目的とする機能を確実に実行できる。
【0026】
また、特に請求項12によれば、ユーザがタッチパネルおよび操作部のいずれかに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、第1近接命令および第2近接命令のいずれかを受け付けることで、ユーザが目的とする機能以外の他の機能を実行することなく、目的とする機能を確実に実行できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の表示装置1の外観を示す図である。この表示装置1は、例えば、自動車などの車両内において使用されるものであり、車室内のドライバなどのユーザに対して表示装置1が有する機能の実行により各種の情報を表示する。表示装置1が有する主な機能として、地図画像を表示して目的地までのルートを案内するナビゲーション機能、および、車室内に音を出力するオーディオ機能などがある。また、表示装置1は、文字入力装置としても機能し、例えば、ナビゲーション機能における目的地設定や、オーディオ機能における音声データのタイトルの変更等においてユーザが文字を入力できるようになっている。
【0030】
表示装置1は、例えばガラス基盤で構成され各種情報を表示するディスプレイ2と、ユーザが操作するタッチパネル3とを備えている。タッチパネル3の操作面には図示しない透明電極が設けられ、この透明電極における静電容量の変化を検出するセンサ(例えば、後述する
図2に示す検出部10)が接続されている。そして、タッチパネル3の操作面はディスプレイ2の表示面に重なるように配置され、タッチパネル3の操作面の位置とディスプレイ2の表示面上の位置とは対応付けられている。また、タッチパネル3の操作面は、ディスプレイ2の表示面よりもユーザ側に配置され、タッチパネル3の表面には保護カバー等が設けられる。
【0031】
また、ディスプレイ2の表示面には、適宜、ユーザの指示を受け付けるコマンドボタン5が表示される。ユーザが、このようなコマンドボタン5の領域に対応するタッチパネル3の操作面中の領域に指を接触させる接触操作を行うことで、コマンドボタン5の位置に関連付けられた命令が受け付けられて、ユーザが目的とする機能が実行される。
【0032】
ここで、接触操作は、ユーザがタッチパネル3の操作面に指を接触させた場合に生じる静電容量の変化に基づき、ユーザが接触したタッチパネル3の操作面中の位置が検出され、当該位置に関連付けられた命令が表示装置1に受け付けられる操作である。
【0033】
また、上述の接触操作とは異なる他の操作として、ユーザが指をタッチパネル3の操作面に近接させて操作する近接操作がある。この近接操作は、ユーザが指をタッチパネル3の操作面に接触させることなく、少なくともタッチパネル3の操作面に対して指が近接した(例えば、後述する
図4に示すように、ユーザ6の指先とタッチパネル3の操作面との間隔が2.0cm以下〜0.2cm以上の所定の距離範囲内となった)場合に生じる静電容量の変化に基づき行われる。そして、この静電容量の変化に基づきユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面中の位置が検出され、当該位置に関連付けられた命令が表示装置1に受け付けられる操作である。つまり、近接操作では、ユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面中の位置が検出され、当該位置に関連付けられた命令が表示装置1に受け付けられる。
【0034】
また、表示装置1のディスプレイ2の表示面の周辺に、ユーザ6が操作するための物理的なスイッチ(例えば、ハードボタン)が設けられている。そして、ユーザ6が複数のハードボタンを含む操作部4のうち特定のハードボタンに指を接触させて押圧することで、ユーザ6が選択したハードボタンに関連付けられた機能の実行命令が表示装置1に受け付けられる。
【0035】
図2は、表示装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、表示装置1は、上述したディスプレイ2、タッチパネル3、および、操作部4に加えて、検出部10、記憶部11、ナビゲーション部12、オーディオ部13、および、スピーカ14を主に備えている。
【0036】
検出部10は、例えば、ハードウェア回路であり、タッチパネル3の操作面に設けられた透明電極に接続され、当該透明電極における静電容量の変化を検出するセンサである。また、検出部10は、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に指を接触させることにより生じた静電容量の変化を検出する接触検出部10aを備えている。さらに、検出部10は、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に指を近接させた場合の静電容量の変化を検出する近接検出部10bを備えている。
【0037】
詳細には、接触検出部10aは、駆動電極及び受信電極の2電極間の静電容量の変化を測定する相互容量方式で、ユーザ6の指がタッチパネル3の操作面に接触した場合の静電容量の変化を検出する。つまり、接触検出部10aは、ユーザ6の指による電界の遮断によって受信電極の受信する電荷が減少することに基づいて、ユーザ6がタッチパネル3に接触したときの静電容量の変化を検出する。
【0038】
近接検出部10bは、ユーザ6の指の電極への近接によって浮遊容量に関して指先と透明電極との間の静電容量の変化を測定する自己容量方式で、ユーザ6の指がタッチパネル3の操作面に対して近接した場合に生じる静電容量の変化を検出する。そして、近接検出部10bは、ユーザ6が1本の指でタッチパネル3の操作面に近接した場合と、複数本の指(例えば、ユーザ6の同じ手の隣接する2本の指)でタッチパネル3の操作面に近接した場合とで異なる静電容量の変化を検出する。このように近接検出部10bは、ユーザ6のタッチパネル3への近接を検出する。言い換えると、近接検出部10bは、静電容量の変化を検出する検出範囲に相当する空間における物体を検出する。
【0039】
なお、静電容量の変化の検出は、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に近接する前や近接した状態では、近接検出部10bによる検出が行われる。そして、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に近接した状態から更にタッチパネル3の操作面に近づいた(例えば、ユーザ6の指先とタッチパネル3の操作面との間隔が0.2cm未満となった)場合に、後述する切替部20dが静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から接触検出部10aによる検出に切替える。
【0040】
記憶部11は、例えばフラッシュメモリなど、各種のデータを記憶可能な不揮発性の記憶装置である。記憶部11には、表示装置1の処理に必要な各種のデータや、プログラム11aが記憶される。
【0041】
また、ナビゲーション部12は、記憶部11に記憶された地図を利用して、目的地までのルートを案内するナビゲーション機能を実現する。オーディオ部13は、記憶部11に記憶された音声データを利用して、スピーカ14を介して音を出力するオーディオ機能を実現する。
【0042】
また、表示装置1は、装置全体を制御する制御部20を備えている。制御部20は、例えば、CPU、RAM、および、ROMなどを備えるマイクロコンピュータである。制御部20の各種の機能は、記憶部11に記憶されたプログラム11aをCPUが実行することにより実現される。このようなプログラム11aは、メモリカードなどの記録媒体からの読み出し等により取得され、記憶部11に予め記憶される。表示装置1が、ネットワークを介した通信機能を備える場合は、他の通信装置との通信によりプログラム11aが取得されてもよい。
【0043】
また、制御部20は、表示制御部20a、取得部20b、受付部20c、および、切替部20dを主に備えている。これらはプログラム11aの実行により実現される制御部20の機能のうちの一部である。
【0044】
表示制御部20aは、ディスプレイ2の表示内容を制御する。表示制御部20aは、例えば地図画像や、ユーザ6が接触操作や近接操作を行う指標となるコマンドボタン5などを、ディスプレイ2の表示面に表示させる。
【0045】
取得部20bは、検出部10の接触検出部10aにより検出された静電容量の変化に関する信号を受信し、この静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6が接触したタッチパネル3の操作面中の特定の1箇所の位置を取得する。
【0046】
また、取得部20bは、接触検出部10aからの信号とともに、近接検出部10bからの信号も受信する。つまり、取得部20bは、近接検出部10bからの静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6が一点および複数点のいずれでタッチパネル3の操作面に近接したかを判定し、近接検出部10bにより検出された静電容量の変化に関する信号に基づいてタッチパネル3の操作面中の特定の1箇所の位置を取得する。
【0047】
なお、タッチパネル3の操作面中の特定の1箇所は所定の領域を有する。そのため、ユーザ6が一点で近接した場合、および、複数点で近接した場合のどちらの場合も所定の領域に対応するタッチパネル3の操作面中の1箇所の位置が取得される。
【0048】
ここで、ユーザ6が一点でタッチパネル3の操作面に近接した場合と、複数点でタッチパネル3の操作面に近接した場合とでは静電容量の変化の状態が異なる。例えば、複数点で近接した場合の静電容量の変化は一点で近接した場合の静電容量の変化よりも大きくなる。このような静電容量の変化に基づき、取得部20bは近接検出部10bから受信した静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6のタッチパネル3の操作面への近接が一点での近接か、複数点での近接かの判定を行う。
【0049】
受付部20cは、ユーザ6がタッチパネル3の操作面中に接触した位置に関する信号を取得部20bから受信し、この位置に関する信号に基づいて当該位置に関連付けられた命令を受け付ける。例えば、受付部20cは、ユーザ6がタッチパネル3の操作面中のコマンドボタン5の領域に指を接触させた位置に関する信号を取得部20bから受信し、当該位置に関する信号に基づいてコマンドボタン5の領域に対応する位置に関連付けられた命令を受け付ける。
【0050】
また、受付部20cは、ユーザ6がタッチパネル3の操作面中に近接した位置に関する信号を取得部20bから受信し、この位置に関する信号に基づいて当該位置に関連付けられた命令の入力操作を受け付ける。例えば、受付部20cは、ユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面中のコマンドボタン5の領域に指を近接させた位置から別の位置へのユーザ6の指が連続的に移動した位置に関する信号を取得部20bから受信し、当該位置に関する信号に基づいてコマンドボタン5の領域に対応する位置に関連付けられた命令を受け付ける。なお、受付部20cは、ユーザ6の指が連続的に移動する前のタッチパネル3の操作面に指が近接した位置に関連付けられた命令を受け付けても、ユーザ6の指が連続的に移動した後のタッチパネル3の操作面に指が近接した位置に関連付けられた命令を受け付けてもよい。
【0051】
切替部20dは、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、検出部10による静電容量の変化の検出を接触検出部10aによる検出と、近接検出部10bによる検出とのいずれかに切り替える。
【0052】
ここで、切替部20dによる接触検出部10aと近接検出部10bとの検出の切替えを含めたユーザ6の一点および複数点のそれぞれの近接に基づく命令の受付について詳細に説明する。
【0053】
まずユーザ6の指がタッチパネル3の操作面に近接する前の静電容量の検出は、検出部10の近接検出部10bにより行われる。言い換えると接触検出部10aによる静電容量の変化の検出は行われていない。このような場合にユーザ6が複数点(例えば、ユーザ6の同じ手の隣接する2本の指)でタッチパネル3の操作面に近接した場合、近接検出部10bはユーザ6の複数点の近接に応じた静電容量の変化を検出する。そして、取得部20bが近接検出部10bから複数点での近接に応じた静電容量の変化に関する信号を受信し、この静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6の複数点での近接が行われた(例えば、第1の所定値を上回る静電容量の変化が検出された)と判定した場合、タッチパネル3の操作面中の特定の1箇所の位置である近接位置を取得する。受付部20cは近接位置に関する信号を取得部20bから受信し、この近接位置に関連付けられた命令を受け付ける。
【0054】
次に、ユーザ6が一点(例えば、ユーザ6の1本の指)でタッチパネル3の操作面に近接した場合に、近接検出部10bはユーザ6の一点での近接に応じた静電容量の変化を検出する。ここで、ユーザ6の指が複数本の場合と比べて1本の場合は指先の全体の面積が小さくなることから電極(例えば、透明電極)との間に生じる静電容量の変化は小さくなる。このように近接検出部10bがユーザ6の指の1本での近接に応じた静電容量の変化を検出する。そして、取得部20bが近接検出部10bから一点での近接に応じた静電容量の変化に関する信号を受信し、この静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6の一点での近接が行われた(例えば、第1の所定値を下回る静電容量の変化が検出された)と判定した場合、タッチパネル3の操作面中の特定の1箇所の位置である近接位置の取得を行わない。そのため、受付部20cは、近接位置に関する信号を取得部20bから受信することなく、この位置に関連付けられた命令も受け付けられない。
【0055】
また、ユーザ6が一点でタッチパネル3の操作面に近接した後にその一点がタッチパネル3の操作面に対して更に近づいた(例えば、ユーザ6の1本の指先とタッチパネル3の操作面との間隔が0.2cm未満となった)場合に、切替部20dは、静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から、接触検出部10aによる検出へと切り替える。つまり、ユーザ6の1本の指がタッチパネル3の操作面に近接した状態から更に近づいた(ユーザ6の指とタッチパネル3の操作面との距離が連続的に小さくなった)場合(例えば、近接検出部10bにより検出される静電容量が第2の所定値を上回った場合)に、切替部20dは静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から接触検出部10aによる検出に切替える。その結果、近接検出部10bは検出を行わず、接触検出部10aが静電容量の変化の検出を行うこととなる。
【0056】
そして、ユーザ6の指先がタッチパネル3の操作面に近接した状態から更に近づいた後、タッチパネル3の操作面に接触したことにより、接触検出部10aがユーザ6の1本の指が接触したことに応じた静電容量の変化を検出する。そして、取得部20bが静電容量の変化に関する信号を受信し、この静電容量の変化に関する信号に基づいて特定の1箇所の位置である接触位置を取得する。受付部20cは取得部20bから接触位置に関する信号を受信し、この接触位置に関する信号に基づいて接触位置に関連付けられた命令の入力を受け付ける。
【0057】
<1−2.ユーザの入力操作>
次に、表示装置1に対するユーザ6の各操作について具体的に説明する。
<1−2−1.複数点による近接操作>
図3〜
図5を用いてユーザ6の複数点による近接操作について説明する。
図3は、ユーザ6による複数点でのタッチパネル3の操作面への近接を示す図である。
図3では表示装置1のナビゲーション機能の実行に伴い地図画像mp1がディスプレイ2に表示されており、この地図画像mp1に重畳してコマンドボタン5が表示されている。そして、ユーザ6がユーザ6の同じ手の隣接する2本の指をタッチパネル3の操作面に近接させることで、近接検出部10bはユーザ6の複数点によるタッチパネル3の操作面への近接による静電容量の変化を検出する。次に、
図3の表示装置1の切断面を
図4に示して説明する。
【0058】
図4は、表示装置1のA−A線矢視断面図である。
図4に示すようにユーザ6の複数本の指がタッチパネル3に対して近接状態ではない位置(所定の距離範囲外の位置で、例えば、ユーザ6の指先からタッチパネル3の操作面までの距離が2.0cmを上回る位置)(
図4上図)からタッチパネル3の操作面に近接した位置(
図4下図)へと移動することで、ユーザ6の指先とタッチパネル3に設けられた電極との間の静電容量が変化する。つまり、ユーザ6の複数本の指先と電極との間隔が狭くなることで静電容量が増加する。近接検出部10bは、この静電容量の変化に関する信号を取得部20bに出力する。そして、取得部20bは静電容量の変化に関する信号に基づいてタッチパネル3の操作面中の特定の1箇所の位置である近接位置を取得する。
【0059】
なお、上述のようにユーザ6の指先とタッチパネル3に設けられた透明電極の間の静電容量は、ユーザ6の指の本数が増えることにより増加する。つまり、ユーザ6の指の全体面積が大きくなることにより静電容量も増加する。そのため、近接検出部10bは、
図3および
図4に示すようにユーザ6が複数点でタッチパネル3の操作面の近接することにより生じる静電容量の変化を検出し、取得部20bがこの静電容量の変化に関する信号を受信する。そして、取得部20bは、静電容量の変化が第1の所定値を上回る静電容量の変化の場合に、タッチパネル3の操作面中の特定の1箇所の位置である近接位置(例えば、コマンドボタン5の領域に対応する位置)を取得する。
【0060】
次に、ユーザ6の近接操作の受付について説明する。
図5は、ユーザ6の近接操作の受付を説明する図である。
図5上図に示すようにユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面中の位置(例えば、コマンドボタン5の領域に対応する位置)から、矢印trに示す右方向にユーザ6の指を操作面に対して略平行に移動させてタッチパネル3の操作面中の別の位置に近接させる操作を行うことで、受付部20cが取得部20bからのコマンドボタン5の領域に対応する位置に関連付けられた命令(以下、「コマンドボタン5の命令」という。)を受け付ける。
【0061】
このように受付部20cがジェスチャ操作によるコマンドボタン5の命令を受け付けた場合、コマンドボタン5の命令に対応する表示装置1の機能が実行される。例えば、コマンドボタン5の命令がオーディオ機能の実行に対応している場合、
図5上図に示す地図画像mp1から
図5下図に示すようにオーディオ画像adにディスプレイ2の表示画像が切り替えられる。
【0062】
なお、上述のようにユーザ6の指が近接したタッチパネル3の操作面中の位置から、その指をタッチパネル3の操作面中の別に位置にタッチパネル3の操作面に対して略平行に移動させることで、受付部20cがユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面の位置に関連付けられた命令を受け付ける操作を以下ではジェスチャ操作という場合がある。
<1−2−2.一点による接触操作>
次に、
図6〜
図8を用いてユーザ6の一点による接触操作について説明する。
図6は、ユーザ6の一点でのタッチパネル3の操作面への接触を示す図である。
図6では
図3と同様にナビゲーション機能の実行に伴い地図画像mp1がディスプレイ2に表示されており、この地図画像mp1に重畳してコマンドボタン5が表示されている。そして、ユーザ6が1本の指をタッチパネル3の操作面に接触させることで、接触検出部10aはユーザ6の一点によるタッチパネル3の操作面の接触による静電容量の変化を検出する。次に、
図6の表示装置1の切断面を
図7に示して説明する。
【0063】
図7は、表示装置1のA−A線矢視断面図である。この
図7に示すようにユーザ6の1本の指がタッチパネル3に対して近接した位置(
図7上図)から近接した位置よりもタッチパネル3の操作面に更に近づいた位置(例えば、ユーザ6の指先とタッチパネル3の操作面との間隔が0.2cm未満の位置)(
図7下図)へと移動することで、近接検出部10bが検出するユーザ6の指先とタッチパネル3に設けられた電極との間の静電容量が変化する。つまり、ユーザ6の1本の指先と電極との間隔が狭くなることで静電容量が増加する。
【0064】
ここで、近接検出部10bが検出する静電容量の変化が第1の所定値を上回ることにより切替部20dは、静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から接触検出部10aによる検出に切り替える。そして、接触検出部10aがユーザ6の1本の指のタッチパネル3の操作面への接触による静電容量の変化を検出した場合、取得部20bが静電容量の変化に関する信号を受信する。取得部20bは静電容量の変化に関する信号に基づいて特定の1箇所の位置である接触位置(例えば、コマンドボタン5の領域に対応する位置)を取得する。
【0065】
次に、ユーザ6の接触操作の受付について説明する。
図8は、ユーザ6の接触操作の受付を説明する図である。
図8上図に示すように、ユーザ6がタッチパネル3の操作面中の位置(例えば、コマンドボタン5の領域に対応する位置)に接触操作を行うことで、受付部20cが取得部20bからのコマンドボタン5の命令を受け付ける。このように受付部20cがコマンドボタン5の命令を受け付けた場合、コマンドボタン5の命令に対応する表示装置1の機能が実行される。例えば、コマンドボタン5の命令が目的地検索機能の実行に対応している場合、
図8上図に示す地図画像mp1から
図8下図に示す検索画像seにディスプレイ2の表示画像が切り替えられて目的地検索機能が実行される。
【0066】
なお、
図8ではコマンドボタン5に対してユーザ6が接触操作を行うことで実行される機能として目的地検索機能を説明し、先に説明した
図5ではコマンドボタン5に対してユーザ6が近接操作を行うことで実行される機能としてオーディオ機能を説明した。このように近接操作および接触操作の各操作で取得部20bが取得したタッチパネル3の操作面中の位置が同じ位置であっても、ユーザ6の異なる操作に応じて異なる機能が実行される。
【0067】
言い換えると、静電容量の変化の検出が接触検出部10aによる検出か、近接検出部10bによる検出かのいずれの検出かに応じて、タッチパネル3の操作面中の位置が同じであっても異なる命令が受け付けられて、それぞれに応じた機能が実行される。これにより、ユーザ6が目的とする機能を実現させる場合にタッチパネル3に対する操作回数が減少して簡易な操作可能となる。また、ユーザ6の意図する操作が接触操作および非接触の近接操作のいずれの操作であるかが判別可能となり、ユーザ6が目的とする機能を確実に実行できる。つまり、ユーザ6がタッチパネル3に対する接触操作と非接触操作を正確に使い分けて目的とする機能を確実に実行できる。
【0068】
また、静電容量の変化の検出方法が異なる場合でもタッチパネル3の操作面中の位置が同じの場合は同一の機能を実現するようにしてもよい。例えば、接触検出部10aにより静電容量の変化を検出してユーザ6のタッチパネル3の操作面の接触操作を受け付けた場合、および、近接検出部10bにより静電容量の変化を検出してユーザ6のタッチパネル3の操作面の近接操作を受け付けた場合のいずれの場合であっても、タッチパネル3の操作面中の位置が同じ位置のときは、受付部20cが同一の機能(例えば、オーディオ機能)に関する命令を受け付けて、対応する画像(例えば、オーディオ画像ad)がディスプレイ2に表示されるように機能が実行されてもよい。
【0069】
なお、上述のように切替部20dが、静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から接触検出部10aによる検出に切替えるのは、ユーザ6の1本の指がタッチパネル3の操作面に近接して、この1本の指がタッチパネル3の操作面に近接した状態となる所定の距離範囲内よりもタッチパネル3の操作面に更に近づいたときである。そのため、ユーザ6が複数点に対応する複数本の指(例えば、ユーザ6の同じ手の隣接する2本の指)がタッチパネル3の操作面に近接して、複数本の指が所定の距離範囲よりも更にタッチパネル3に近づいても、接触検出部10aが静電容量の変化検出を行うことはなく、近接検出部10bがユーザ6の指がタッチパネル3に近接した場合の静電容量の検出を継続して行う。つまり、ユーザ6の複数本の指が所定の距離範囲よりも更にタッチパネル3に近づいた場合でも、切替部20dは、静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から接触検出部10aによる検出に切替えることはない。このため、受付部20cはユーザ6の複数本の指での接触位置に関連付けられた命令を受け付けない。
【0070】
また、これまでの説明からタッチパネル3の操作面に対するユーザ6の指の近接を検出する所定の距離範囲と、ユーザ6の指の接触を検出するタッチパネル3の操作面とは、次のような関係にある。つまり、
図4および
図7に示すように所定の距離範囲とタッチパネル3の操作面とは近傍に位置し、隣接して配置されている。これにより、ユーザ6が目的とする機能を実現させる際のタッチパネル3に対する操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。また、ユーザ6の意図する操作を判別可能となり、ユーザ6が目的とする機能を確実に実行できる。
【0071】
また、上述のタッチパネル3の操作面と所定の距離範囲との関係を言い換えると、表示装置1のタッチパネル3の面を上側、表示装置1の背面を下側とした場合、タッチパネル3の操作面の上に所定の距離範囲が配置されていることから、これらが上下に配置されているともいえる。さらに、後述する第2の実施の形態に主に示すように操作部4に関する操作部領域teにおいてもユーザ6の近接および接触の操作の検出が可能である。そのため、タッチパネル3の操作面に関する所定の距離範囲およびタッチパネル3の操作面と、操作部4に関する所定の距離範囲および操作部4とは左右の配置の位置関係にあるといえる。このような配置により、ユーザ6は複数の操作方法を有することとなり、ユーザ6が目的とする機能を実現させる際のタッチパネルに対する操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。
【0072】
<1−3.処理の流れ>
図9は、ユーザ6の操作に対する表示装置1の処理の流れを示す図である。以下、
図9を参照して、表示装置1の処理の流れを説明する。
【0073】
まず、表示制御部20aが、ディスプレイ2の表示面に画像(例えば、地図画像mp1)を表示させる(ステップS10)。次に、検出部10の近接検出部10bがユーザ6の指先とタッチパネル3の電極との間の静電容量の変化を検出する。取得部20bは、この静電容量の変化に関する信号を受信し、当該静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6の指がタッチパネル3の操作面に近接しているか否かを判定する(ステップS11)。取得部20bが静電容量の変化が生じていると判定した場合(ステップS11でYes)、当該取得部20bは静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6の複数点での近接であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0074】
そして、取得部20bが静電容量の変化に関する値がタッチパネル3の操作面に対するユーザ6の一点での近接と複数点の近接とを判別するための閾値である第1の所定値を上回ると判定した場合、取得部20bは、ユーザ6の複数本の指がタッチパネル3の操作面に近接したと判定し(ステップS12でYes)、静電容量の変化に関する信号に基づいてユーザ6が複数点で近接するタッチパネル3の操作面の特定の1箇所の位置である近接位置を取得する(ステップS13)。
【0075】
次に、受付部20cが、取得部20bから近接位置に関する信号を受信し、この近接位置(例えば、コマンドボタン5の領域に対応する位置)に関する信号に基いて当該位置に関連付けられた命令を受け付ける(ステップS14)。このようなユーザ6の近接操作により、タッチパネル3の操作面中の位置に対応する機能が実行される。例えば、オーディオ機能の実行に伴い、ディスプレイ2にオーディオ画像adが表示される。
【0076】
そして、機能が実行されてから所定時間(例えば、約2秒)が経過した場合(ステップS21でYes)に近接操作の処理が終了する。今回の処理終了後は、次回以降の処理が繰り返し行われる。これは、ユーザ6の1回の近接操作が受け付けられた後に、ユーザ6の指がタッチパネル3の操作面から一定距離離れるまでに要する時間(所定の距離範囲外となるまで時間)が経過した後に、次回の処理を可能とするものである。つまり、近接操作および接触操作の少なくともいずれか一方の物体による操作を所定期間禁止するものである。
【0077】
これにより、ユーザ6が1回の操作を終了して、ユーザ6の指がタッチパネル3の操作面から離れまでユーザ6が意図しない操作が実行されることはない。その結果、ユーザの意図しない操作の受付による誤操作の発生を防止できる。なお、近接操作による一つの機能の実行後、所定時間が経過していない場合(ステップS21でNo)は、所定時間が経過するまでステップS20の処理が繰り返し実行される。
【0078】
ステップS11に戻り、取得部20bが静電容量の変化が検出されていないと判定した場合(ステップS11でNo)、処理は終了する。この場合、ユーザ6の指がタッチパネル3の操作面に近接していないこととなる。
【0079】
次に、ステップS12に戻り、取得部20bが静電容量の変化に関する値が第1の所定値を下回ると判定した場合(ステップS12でNo)、この場合、ユーザ6の1本の指がタッチパネル3の操作面に近接していることとなる。
【0080】
そして、取得部20bが、静電容量の変化に関する値がユーザ6の1本の指がタッチパネル3に対して所定の距離範囲内からタッチパネル3の操作面に更に近づくことによる連続的な静電容量の変化に関する値である第2の所定値を上回ると判定した場合(ステップS15でYes)は、次のような処理が行われる。
【0081】
つまり、取得部20bが、静電容量の変化に関する値が第2の所定値を上回ると判定した場合(ステップS15でYes)、切替部20dが静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から接触検出部10aによる検出に切替える(ステップS16)。
【0082】
なお、取得部20bが、静電容量の変化に関する値が第2の所定値を下回ると判定した場合(ステップS15でNo)、ステップS15の処理が継続して行われる。また、一定時間ステップS15の処理が繰り返し行われた場合は、この繰り返しの処理を終了して、最初の処理(ステップS10の処理)に戻る。
【0083】
次に、取得部20bが静電容量の変化に関する信号に基づいて、ユーザ6の一点でのタッチパネル3の操作面への接触がなされたと判定した場合(ステップS17でYes)、当該取得部20bは静電容量の変化に関する信号に基づいて、タッチパネル3の操作面中の特定の1箇所の位置である接触位置を取得する(ステップS18)。
【0084】
受付部20cは、取得部20bから接触位置に関する信号を受信し、この接触位置に関する信号に基づいて当該位置に関連付けられた命令を受け付ける(ステップS19)。このように命令が受け付けられたことにより表示装置1の機能が実行される。
【0085】
そして、取得部20bは、ユーザ6のタッチパネル3の操作面に対する一点での接触が解除されたか否かを判定する(ステップS20)。つまり、取得部20bが、接触検出部10aの検出した静電容量の変化に基づき、タッチパネル3の操作面の位置からユーザ6の指が離れたことに伴う静電容量の変化(例えば、所定の静電容量の減少)が検出されたか否かを判定する。
【0086】
取得部20bが、接触検出部10aから所定の静電容量の減少の検出の信号を受信した場合、ユーザ6のタッチパネル3の操作面への接触が解除されたと判定した場合(ステップS20でYes)、切替部20dが静電容量の変化の検出を接触検出部10aによる検出から近接検出部10bによる検出に切り替える(ステップS21)。このように静電容量の変化が切替えられた後、所定時間が経過した場合(ステップS22でYes)、処理が終了となる。
【0087】
また、ステップS20の処理において、取得部20bが接触検出部10aの検出した静電容量の変化に基づき、静電容量の変化(例えば、所定の静電容量の減少値)が検出されていないと判定した場合(ステップS20でNo)、ステップS18に戻って処理が継続して行われる。また、一定時間ステップS18〜ステップS20の処理が繰り返し行われた場合は、この繰り返しの処理を終了して、最初の処理(ステップS10の処理)に戻る。
【0088】
また、ステップS22の処理において、所定時間が経過していない場合(ステップS22でNo)は所定時間が経過したか否かが繰り返し判定される。さらに、一定時間ステップS22の処理が繰り返し行われた場合は、この繰り返しの処理を終了して、最初の処理(ステップS10の処理)に戻る。
【0089】
このように
図9のフローチャートを用いて説明した処理により、ユーザ6が目的とする機能を実現させる場合にタッチパネル3に対する操作の操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。また、ユーザ6の意図する操作が接触操作および非接触の近接操作のいずれの操作であるかが判別可能となり、ユーザ6が目的とする機能を確実に実行できる。つまり、ユーザ6はタッチパネル3に対する接触操作と非接触の近接操作とを正確に使い分けて目的とする機能を確実に実行できる。
【0090】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態の表示装置(例えば、後述する
図10に示す表示装置1a)の構成および処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるが一部で異なる。以下、異なる点を主に説明する。第1の実施の形態では、タッチパネル3の操作面に電極を設けてこの電極に対応する近接検出部10bがタッチパネル3に対するユーザ6の近接による静電容量の変化を検出することについて説明した。これに対して、第2の実施の形態の表示装置の構成は、例えば、
図10に示す構成となっている。
図10は表示装置1aの外観を示す図である。
図10に示すように表示装置1aのタッチパネル3の周辺に設けられた操作部4を含む操作部領域teに電極を設けることで、近接検出部10bが操作部領域teへのユーザ6の近接による静電容量の変化を検出する。
【0091】
そして、近接検出部10bがユーザ6が一点で操作部領域teに近接した(例えば、ユーザ6の指先と操作部領域te2.0 cm以下〜0.2 cm以上の所定の距離範囲内となった)場合よりも、更に近づいた(例えば、ユーザ6の指先と操作部4との間隔が0.2cm未満となった)ことを示す静電容量の変化が検出した場合、切替部20dは静電容量の変化の検出を近接検出部10bによる検出から接触検出部10aによる検出に切り替える。
【0092】
次に、接触検出部10aがユーザ6のタッチパネル3の操作面への接触に応じた静電容量の変化を検出したことにより、取得部20bはこの静電容量の変化に関する信号を受信し、ユーザ6が接触した操作部4(例えば、
図10に示すハードボタン4a)の特定の1箇所の位置である接触位置を取得する。そして、受付部20cは取得部20bからの接触位置に関する信号を受信し、この接触位置に関する信号に基づいて接触位置に関連付けられた命令を受付ける。
【0093】
また、近接検出部10bがユーザ6の複数点での操作部領域teへの近接に応じた静電容量の変化を検出した場合は、取得部20bは、この静電容量の変化に関する信号を受信し、静電容量の変化に関する信号に基づいて操作部4の特定の1箇所の位置である近接位置を取得する。そして、受付部20cは取得部20bから近接位置に関する信号を受信し、この近接位置に関する信号に基づいて近接位置に関連付けられた命令を受付ける。
【0094】
つまり、操作部領域teに電極を設けて、操作部領域teの範囲内にユーザ6が一点および複数点のいずれかで近接したかに応じて、ユーザ6が操作部4に接触した位置に関連付けられた命令、および、ユーザ6が操作部領域teに近接した位置に関連付けられた命令のいずれかが受け付けられる。その結果、当該位置に関連付けられた機能が実行される。これによりユーザ6が目的とする機能を実現させる場合に操作部4に対する操作の操作回数が減少して簡易な操作が可能となる。また、ユーザ6の意図する操作が接触操作および非接触操作のいずれの操作であるかが判別可能となり、ユーザが目的とする機能を確実に実行できる。
【0095】
具体的には、ユーザ6が操作部領域teに一点で近接した場合に接触操作に関する命令が受付けられ、ユーザ6が操作部領域teに複数点で近接した場合に近接操作に関する命令が受付けられる。これにより、ユーザ6は操作部4に対する接触操作と非接触操作を正確に使い分けて目的とする機能を確実に実行できる。
【0096】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、表示装置1で実行される機能は異なる機能が実行される。この第3の実施の形態の表示装置の構成および処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるが、一部が異なる。以下では、異なる点を主に説明する。
【0097】
図11は第3の実施の形態について説明する図であり、ユーザ6の一点でのタッチパネル3の操作面への近接に応じた同一機能内での表示切替を説明する図である。
図11では表示装置1のナビゲーション機能の実行に伴い地図画像mp1がディスプレイ2に表示されている。
【0098】
図11上図では、ユーザ6が一点でタッチパネル3の操作面(例えば、地図画像上)に近接している状態を示している。そして、ユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面中の位置(例えば、地図画像上の所定領域の1箇所に対応する位置)から、矢印tpに示す左方向にユーザ6の指を操作面に対して略平行に移動させてタッチパネル3の操作面中の別の位置に近接させるようなジェスチャ操作を行うことで、同一の機能内での操作に関する命令が受け付けられる。
【0099】
つまり、ユーザ6の近接操作が行われた場合に、近接操作前に実行されていた機能と同一の機能が維持された状態で、同一機能におけるユーザ6の操作に関する命令が受け付けられる。例えば、
図11に示すように表示装置1においてナビゲーション機能が実行されている状態でユーザ6の1本の指のタッチパネル3の操作面へ近接した後、ユーザ6がジェスチャ操作を行うことでナビゲーション機能の実行によりディスプレイ2に表示されている地図画像mp1がスクロールして別の範囲の地図画像mp2がディスプレイ2に表示される命令が受け付けられる。
【0100】
また、ユーザ6の複数点でのタッチパネル3の操作面への近接操作では、近接操作前の機能とは異なる機能が実行される命令が受け付けられる。具体的には、第1の実施の形態で
図5を用いて説明したようにナビゲーション機能が実行されている状態でユーザ6の複数本の指がタッチパネル3の操作面への近接した後、ユーザ6がジェスチャ操作を行うことでナビゲーション機能とは異なる機能であるオーディオ機能が実行される。
【0101】
このように近接検出部10bがユーザ6のタッチパネル3への近接を検出し、取得部20bがユーザ6がタッチパネル3に近接した特定の1箇所の位置である近接位置を取得する。そして、受付部20cはユーザ6がタッチパネル3に一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、表示装置1の複数の機能のうち一点での近接操作の実行以前に既に実行されていた機能(第1の機能)に関連付けられた命令、および、複数点での近接操作が行われる前に実行されていた機能とは異なる機能(第2の機能)に関連付けられた命令のいずれかを受け付ける。これにより、ユーザ6はタッチパネルに対して非接触による感覚的な操作で複数の機能の中から目的とする機能を確実に実行できる。
【0102】
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、タッチパネル3の操作面の近接操作、および、操作部4の近接操作のいずれかの操作が受け付けられる。この第4の実施の形態の表示装置1の構成および処理は、第1の実施の形態とほぼ同様であるが、一部が異なる。以下では、異なる点を主に説明する。
【0103】
図12〜
図14は第4の実施の形態について説明する図であり、ユーザ6の一点での近接による操作部4の近接操作の受付について説明する図である。
図12では表示装置1のナビゲーション機能の実行に伴い地図画像mp1がディスプレイ2に表示されており、ユーザ6が一点でタッチパネル3の操作面に近接している状態を示している。そして、近接検出部10bがユーザ6のタッチパネル3の操作面への近接に応じて静電容量の変化を検出し、取得部20bが静電容量の変化からユーザ6の一点での近接であると判定した場合、当該取得部20bは、操作部4の特定の1箇所の位置である近接位置を取得する。
【0104】
そして、受付部20cが、取得部20bからの近接位置に関する信号を受信し、この近接位置に関する信号に基づいてユーザ6が一点で近接した操作部4に関連付けられた命令の入力操作を受け付ける。例えば、ユーザ6が近接したハードボタン4aの位置から、矢印tdに示す下方向にユーザ6の指をハードボタン4aに対して略平行に移動させて操作部領域te内の別の位置に近接させるようなジェスチャ操作を行うことで、ハードボタン4aに関連付けられた命令が受け付けられ、ハードボタン4aに関連付けられた機能が目的地検索機能の場合、例えば、
図14に示す目的地検索機能に伴う検索画像seがディスプレイ2に表示される。
【0105】
なお、近接検出部10bが、ユーザ6のタッチパネル3の操作面への近接に応じて静電容量の変化を検出し、取得部20bが静電容量の変化からユーザ6の複数点での近接であると判定した場合、当該取得部20bは、タッチパネル3の操作面の特定の1箇所の位置である近接位置を取得する。
【0106】
そして、受付部20cが、取得部20bからの近接位置に関する信号を受信し、この近接位置に関する信号に基づいてユーザ6が複数点で近接したタッチパネル3の操作面に関連付けられた命令の入力操作を受け付ける。
【0107】
具体的には、第1の実施の形態の
図3〜
図5を用いて説明したように、
図5に示すユーザ6がジェスチャ操作を行うことで、タッチパネル3の操作面の位置に関連付けられた命令が受け付けられ、コマンドボタン5の命令がオーディオ機能の実行に対応している場合、
図5下図に示すオーディオ機能に伴うオーディオ画像adがディスプレイ2に表示される。
【0108】
このように近接検出部10bがユーザ6のタッチパネル3の操作面および操作部領域teのいずれかへの近接を検出し、取得部20bがユーザ6がタッチパネル3の操作面および操作部領域teのいずれかに近接した近接位置を取得する。そして、受付部20cがユーザ6がタッチパネル3の操作面および操作部領域teのいずれかに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、ユーザ6がタッチパネル3に近接した位置に関連付けられた命令、および、ユーザ6が近接した操作部4に関連付けられた命令のいずれかを受け付ける。これにより、ユーザ6が目的とする機能以外の他の機能を実行することなく、目的とする機能を確実に実行できる。
【0109】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0110】
上記実施の形態では、タッチパネル3の操作面に非接触で近接したユーザ6の位置を自己容量方式で検出するとしていたが、赤外線方式など他の方式で検出してもよい。
【0111】
また、上記実施の形態では、ユーザ6が複数点でタッチパネル3の操作面および操作部領域teのいずれかに近接した場合に、近接位置に関連付けられた命令が受け付けられ、ユーザ6が一点でタッチパネル3の操作面および操作部4のいずれかに接触した場合に、接触位置に関連付けられた命令が受け付けられることを例に説明した。これ以外にも、ユーザ6が一点でタッチパネル3の操作面および操作部4のいずれかに近接した場合に、近接位置に関連付けられた命令を受け付けて、ユーザ6が複数点でタッチパネル3の操作面および操作部領域teの操作部4のいずれかに接触した場合に、接触位置に関する命令が受け付けられるようにしてもよい。
【0112】
また、上記実施の形態では、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に対する近接操作の例として、ジェスチャ操作について説明した。つまり、ユーザ6の指が近接したタッチパネル3の操作面中の位置から、その指をタッチパネル3の操作面中の別に位置にタッチパネル3の操作面に対して略平行に移動させることで、受付部20cがユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面の位置に関連付けられた命令を受け付ける操作について説明した。これに対して、ユーザ6の近接操作の別の例として、ユーザ6の指が近接したタッチパネル3の操作面中の位置でユーザ6の指を近接させた状態を所定時間(例えば、2秒以上)継続することで、受付部20cがユーザ6が近接したタッチパネル3の操作面の位置に関連付けられた命令を受け付けるようにしてもよい。なお、これらに限らず、取得部20bがユーザ6の近接したタッチパネル3の操作面の位置や操作部4の位置を取得し、受付部20cが当該位置に関連付けられた命令の受け付けが可能なユーザ6の操作であれば、他の操作であってもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、タッチパネル3の操作面や操作部領域teへの複数点での近接をユーザ6の同じ手の隣接する2本の指の近接を例に説明したが、これ以外にも、ユーザ6の同じ手の隣接する3本以上の指でのタッチパネル3の操作面への近接や、異なる手の2本以上の指が隣接した状態でタッチパネル3の操作面に近接させるなどであってもよい。つまり、近接検出部10bが検出する静電容量の変化がユーザ6の一点での近接とは異なる変化となり、取得部20bがタッチパネル3の操作面上の特定の1箇所の位置を取得する近接操作であればよい。
【0114】
また、上記実施の形態では、近接検出部10bが自己容量方式によりユーザ6のタッチパネル3の操作面の近接による静電容量の変化を検出し、接触検出部10aが相互容量方式によりユーザ6のタッチパネル3の操作面の接触による静電容量の変化を検出するという説明を行った。これに対して、ユーザ6のタッチパネル3の操作面等の近接および接触の両方を相互容量方式で検出するようにしてもよい。
【0115】
また、上記実施の形態では、ユーザ6はタッチパネル3の操作面や操作部領域teに指を近接させたり接触させるものとして説明したが、それ以外のユーザ6の手の平やタッチペンなどの物体を用いて近接したり接触してもよい。この場合は、このような物体の状態に基づきこの物体の位置をユーザの位置とみなせばよい。また、物体の状態の例としては、上述のようにユーザ6の指の状態などがあげられる。
【0116】
また、上記実施の形態では、表示装置1として車両の車室内で用いられるものを例に説明を行ったが、表示装置1は、車室内のみならずそれ以外でもスマートフォンやタブレット端末など、タッチパネルを用いて文字を入力可能な電子装置であればどのようなものであってもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、ディスプレイ2に画像を表示する表示装置を例に説明したが、これ以外に画像の表示の有無にかかわらずユーザ6が装置に対して情報等の入力操作を行う入力操作装置であってもよい。
【0118】
また、第4の実施の形態では、ユーザ6がタッチパネル3の操作面に一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、タッチパネル3の操作面の近接操作、および、操作部4の近接操作のいずれかの操作が受け付けられることについて説明した。これに対して、ユーザ6が。操作部領域teに一点および複数点のいずれで近接したかに応じて、タッチパネル3の操作面の近接操作、および、操作部4の近接操作のいずれかの操作が受け付けられるようにしてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。