特許第6154172号(P6154172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6154172圧力検出装置及び圧力検出装置の組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154172
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】圧力検出装置及び圧力検出装置の組立方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 17/00 20060101AFI20170619BHJP
   B60C 23/04 20060101ALI20170619BHJP
   B60C 23/00 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   G01L17/00 301L
   B60C23/04 N
   B60C23/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-76383(P2013-76383)
(22)【出願日】2013年4月1日
(65)【公開番号】特開2014-202500(P2014-202500A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】新井 聡一
(72)【発明者】
【氏名】石森 司
(72)【発明者】
【氏名】金成 大輔
(72)【発明者】
【氏名】荒木 泰彦
【審査官】 山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/018585(WO,A1)
【文献】 特開2003−249775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00 − 23/32
B60C 23/00
B60C 23/04
H05K 1/02
H05K 7/00 − 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ内に設置されてタイヤ圧力を検出すると共に、検出したタイヤ圧力をタイヤ外に設置される制御装置へと無線送信する圧力検出装置であって、
タイヤ内の気体を通過させる孔部が底面に貫通形成されたケースと、
前記ケースの底面に複数立脚され、先細りのテーパ部が先端側に設けられた支柱部材と、
前記ケースの底面に対向配置される下面側に気体圧力検出用の検出穴を有するセンサが設けられると共に、前記支柱部材のテーパ部を嵌挿可能な取付孔を複数有する基板と、
上下の端面を連通する貫通孔が形成され、上下方向の厚みが弾性変形する弾性部材からなる板状のパッキンと、
を備え、
各支柱部材のテーパ部を前記基板の各取付孔にそれぞれ嵌挿させ、前記ケースの底面と前記センサとの間に前記パッキンを挟み込んで前記パッキンを弾性変形させ、前記孔部と前記検出穴とを前記貫通孔によって連通させた状態で、前記ケースと前記基板とを硬化させた樹脂材料によって固定したことを特徴とする圧力検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の圧力検出装置において、
前記支柱部材のテーパ部は、基端の外径が前記取付孔の内径より大きく設定される一方、先端の外径が前記取付孔の内径より小さく設定されることを特徴とする圧力検出装置。
【請求項3】
請求項2記載の圧力検出装置において、
前記支柱部材は、前記取付孔の内径より大きな外径を有する基部と、該基部の上端面に設けられた前記テーパ部とを有し、前記テーパ部の基端が前記基部の上端面に位置していることを特徴とする圧力検出装置。
【請求項4】
タイヤ内に設置されてタイヤ圧力を検出すると共に、検出したタイヤ圧力をタイヤ外に設置される制御装置へと無線送信する圧力検出装置の組立方法であって、
タイヤ内の気体を通過させる孔部が底面に貫通形成されたケースの該底面に、先細りのテーパ部が先端側に設けられた支柱部材を複数立脚させ、
下面側に気体圧力検出用の検出穴を有するセンサが設けられると共に、前記支柱部材のテーパ部を嵌挿可能な取付孔を複数有する基板の該下面側を前記ケースの底面に対向配置させた状態で、各支柱部材のテーパ部を各取付孔にそれぞれ嵌挿させると同時に、上下の端面を連通する貫通孔が形成され、上下方向の厚みが弾性変形する弾性部材からなる板状のパッキンを、前記ケースの底面と前記センサとの間で挟み込んで前記パッキンを弾性変形させ、前記孔部と前記検出穴とを前記貫通孔によって連通させ、
前記ケース内に樹脂材料を充填して硬化させることで、前記ケースと前記基板とを固定することを特徴とする圧力検出装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ内に設置されてタイヤ圧力を検出すると共に、検出したタイヤ圧力をタイヤ外に設置される制御装置へと無線送信する圧力検出装置及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等のタイヤ内の気体圧力(タイヤ圧力)を随時測定し、圧力低下時等に運転者に警告を通知するタイヤ圧力監視システムが用いられている。一般的なタイヤ圧力監視システムでは、ホイール外周面であってタイヤ内部となる位置に無線送信式の圧力検出装置が設置される。この圧力検出装置から外部の制御装置(圧力監視装置)へとタイヤ圧力の検出結果が無線送信されると、制御装置は受信したタイヤ圧力を判断し、必要に応じて圧力低下警告等の措置を行う(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−184614号公報
【特許文献2】特許第4868192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6に、このようなタイヤ圧力監視システムを構成する圧力検出装置100のタイヤ(タイヤゴム)102の内部への設置例を示す。図6に示すように、圧力検出装置100は、ホイール(タイヤホイール)104の外周面に設置される。この状態でホイール104にタイヤ102を装着することにより、圧力検出装置100は、タイヤ102のタイヤ圧力を検出し、その検出結果を外部の制御装置(図示せず)に無線送信する。
【0005】
図7は、圧力検出装置100の機能構成例を示すブロック図である。図7に示すように、圧力検出装置100の基本的な機能構成は、プリント基板106にコイン電池108、センサIC110、マイコン112、無線送信IC114、及びアンテナ116を実装したものである。圧力検出装置100は、コイン電池108の電力供給下にマイコン112を駆動し、該マイコン112のプログラムによってセンサIC110を制御してタイヤ圧力を検出すると共に、その検出結果を無線送信IC114からアンテナ116を介して外部の制御装置へと送信する。センサIC110には、気体圧力検出用の検出穴110aが開口しており、この検出穴110aにタイヤ102内のタイヤ圧力(例えば、空気圧力)が直接的に作用する構成となっている。
【0006】
センサIC110等の複数の電子部品をタイヤ102からの衝撃や振動から保護するため、圧力検出装置100は、図8に示すように、センサIC110等の各電子部品を実装したプリント基板106を上部開口箱型のケース118内に組み込み、ポッティング材120によってセンサIC110等の電子部品全体を覆った構成が一般的となっている。
【0007】
ところで、このような圧力検出装置100の組立時には、センサIC110に開口形成された検出穴110aがポッティング材120によって埋まらないようにする必要がある。そこで、従来は、図9に示すように、プリント基板106に実装されたセンサIC110の上に、上下方向の貫通孔122aを有するキャップ部材122を被せることにより、ポッティング材120がセンサ穴110aを埋めてしまうことを回避していた。ポッティング材120の硬化時におけるキャップ部材122の位置ずれを防止するため、通常、キャップ部材122は接着剤等でセンサIC110上に接着固定される。なお、図9では、図面の見易さを確保するため、プリント基板106上に実装される電子部品のうち、マイコン112等を省略している。
【0008】
しかしながら、図8に示す組立方法では、キャップ部材122を固定するために接着剤等を用いているため、その接着のための作業時間や、接着材等の硬化までの待ち時間が発生し、効率的な組立作業を行うことは難しかった。
【0009】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、作業時間を短縮し、効率的な組立作業を行うことができる圧力検出装置及び該圧力検出装置の組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る圧力検出装置は、タイヤ内に設置されてタイヤ圧力を検出すると共に、検出したタイヤ圧力をタイヤ外に設置される制御装置へと無線送信する圧力検出装置であって、タイヤ内の気体を通過させる孔部が底面に貫通形成されたケースと、前記ケースの底面に複数立脚され、先細りのテーパ部が先端側に設けられた支柱部材と、前記ケースの底面に対向配置される下面側に気体圧力検出用の検出穴を有するセンサが設けられると共に、前記支柱部材のテーパ部を嵌挿可能な取付孔を複数有する基板と、上下の端面を連通する貫通孔が形成されたパッキンとを備え、各支柱部材のテーパ部を前記基板の各取付孔にそれぞれ嵌挿させ、前記ケースの底面と前記センサとの間に前記パッキンを挟み込むことにより、前記孔部と前記検出穴とを前記貫通孔によって連通させた状態で、前記ケースと前記基板とを硬化させた樹脂材料によって固定したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る圧力検出装置の組立方法は、タイヤ内に設置されてタイヤ圧力を検出すると共に、検出したタイヤ圧力をタイヤ外に設置される制御装置へと無線送信する圧力検出装置の組立方法であって、タイヤ内の気体を通過させる孔部が底面に貫通形成されたケースの該底面に、先細りのテーパ部が先端側に設けられた支柱部材を複数立脚させ、下面側に気体圧力検出用の検出穴を有するセンサが設けられると共に、前記支柱部材のテーパ部を嵌挿可能な取付孔を複数有する基板の該下面側を前記ケースの底面に対向配置させた状態で、各支柱部材のテーパ部を各取付孔にそれぞれ嵌挿させると同時に、上下の端面を連通する貫通孔が形成されたパッキンを、前記ケースの底面と前記センサとの間で挟み込むことにより、前記孔部と前記検出穴とを前記貫通孔によって連通させ、前記ケース内に樹脂材料を充填して硬化させることで、前記ケースと前記基板とを固定することを特徴とする。
【0012】
このような構成及び方法によれば、ケースに設けた支柱部材にテーパ部を設け、該テーパ部を基板の取付孔に嵌挿させる構成としたことにより、支柱部材が楔状の支持部材として機能し、基板のガタツキを防止して、ケースに対して強固に支持・固定することができる。この際、ケースの底面とセンサとの間にパッキンを挟み込むことにより、ケースとパッキンとセンサとが一体化して安定し、且つ孔部から貫通孔を経た検出穴までの流路を外部から確実に閉塞することができ、該流路内へのポッティング材等の樹脂材料の流入を阻止することができるため、作業時間を短縮して効率的な組立作業を行うことができ、しかも樹脂材料の硬化時の各部品の位置ずれも防止できる。さらに、ケースに設けた孔部の底面側がパッキンによって確実に閉塞されるため、ケース内に充填された液体状の樹脂材料が該孔部を介して外部に漏れ出すことも防止できる。
【0013】
前記支柱部材のテーパ部は、基端の外径が前記取付孔の内径より大きく設定される一方、先端の外径が前記取付孔の内径より小さく設定されると、テーパ部の取付孔への嵌挿が容易となり、且つテーパ部を楔状の支持部材として確実に機能させることができる。
【0014】
前記支柱部材は、前記取付孔の内径より大きな外径を有する基部と、該基部の上端面に設けられた前記テーパ部とを有し、前記テーパ部の基端が前記基部の上端面に位置していると、1段目の基部の上端面によって基板のケースの底面からの高さ位置を容易に規定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、支柱部材が楔状の支持部材として機能し、基板のガタツキを防止して、ケースに対して強固に支持・固定することができる。しかも、ケースの底面とセンサとの間にパッキンを挟み込む構成としたことにより、ケースとパッキンとセンサとが一体化して安定し、且つ孔部から貫通孔を経た検出穴までの流路を外部から確実に閉塞することができ、該流路内へのポッティング材等の樹脂材料の流入を阻止することができるため、作業時間を短縮して効率的な組立作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る圧力検出装置の機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す圧力検出装置の組立方法を示す分解斜視図である。
図3図3は、図2に示す組立方法で組立された圧力検出装置の縦断面図である。
図4図4は、支柱部材の斜視図である。
図5図5は、図4に示す支柱部材でプリント基板を支持している状態での要部拡大断面図である。
図6図6は、タイヤ圧力監視システムを構成する圧力検出装置のタイヤの内部への設置例を示す説明図である。
図7図7は、従来技術に係る圧力検出装置の機能構成例を示すブロック図である。
図8図8は、図7に示す圧力検出装置の組立方法を示す分解斜視図である。
図9図9は、図7に示す圧力検出装置のセンサICにキャップ部材を被せた状態での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る圧力検出装置について、その組立方法との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る圧力検出装置10の機能構成を示すブロック図である。図1において、上記した図6図9に示される参照符号と同一の参照符号は、同一又は同様な構成を示し、このため同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして詳細な説明を省略し、以下の図2図5についても同様とする。
【0019】
本実施形態に係る圧力検出装置10は、図6に示す圧力検出装置100と同様、ホイール104の外周面であってタイヤ102の内部となる位置に設置されることにより、タイヤ102の内部に封入された空気や窒素等の気体圧力(タイヤ圧力)を検出し、その検出結果を図示しない外部の制御装置(圧力監視装置)に無線送信するセンサ無線送信機である(図6参照)。つまり、圧力検出装置10は、前記制御装置等と共に、タイヤ102のタイヤ圧力を随時測定し、その圧力低下を運転者等に警告するタイヤ圧力監視システムを構成する。
【0020】
図1に示すように、圧力検出装置10の基本的な機能構成は、プリント基板12にコイン電池108、センサIC(センサ、圧力センサ)110、マイコン112、無線送信IC114、及びアンテナ116を実装したものである。プリント基板(基板、プリント板)12は、板厚方向を貫通する取付孔12aを四隅に設けた以外は、図7に示すプリント基板106と同様な構成となっている。
【0021】
従って、圧力検出装置10は、コイン電池108の電力供給下にマイコン112を駆動し、該マイコン112のプログラムによってセンサIC110を制御してタイヤ圧力を検出すると共に、その検出結果を無線送信IC114からアンテナ116を介して外部の制御装置へと送信する。センサIC110は、気体圧力検出用の検出穴110aにタイヤ102内のタイヤ圧力(例えば、空気圧力)が直接的に作用することにより、タイヤ圧力を検出することができる。
【0022】
図2は、図1に示す圧力検出装置10の組立方法を示す分解斜視図であり、図3は、図2に示す組立方法で組立された圧力検出装置10の縦断面図である。
【0023】
圧力検出装置10についても、上記の圧力検出装置100と同様に、プリント基板12に実装されるセンサIC110等の各電子部品をタイヤ102からの衝撃や振動から保護するための構造を採用しているが、その構造及び組立方法が圧力検出装置100と異なる。
【0024】
先ず、圧力検出装置10の組立方法について説明する。
【0025】
図2及び図3に示すように、圧力検出装置10の組立方法は、先ず、タイヤ102内の気体を通過させる孔部14aが底面14bに貫通形成されたケース14の該底面14bの四隅に、先細りのテーパ部16aが先端側に設けられた支柱部材(ピン部材)16を立脚させておく。支柱部材16の設置位置は、四隅以外であっても勿論よく、その設置本数も適宜変更可能である。
【0026】
次に、センサIC110等が設けられたプリント基板12の下面側をケース14の底面14bに対向させて降下させ、各支柱部材16のテーパ部16aを各取付孔12aにそれぞれ嵌挿させる。同時に、上下の端面を連通する貫通孔18aが形成された板状のパッキン18を、ケース14の底面14bとセンサIC110の下面(検出穴110a側の面)との間で挟み込むことにより、ケース14の孔部14aとセンサIC110の検出穴110aとを貫通孔18aによって連通させる。
【0027】
このように圧力検出装置10では、検出穴110aと貫通孔18aと孔部14aとが互いに重なるように設計されている。なお、検出穴110aと貫通孔18aと孔部14aとは、図3に示すように上下方向で一直線上に連通する構成以外にも、傾斜方向に沿って連通する構成や、貫通孔18aをパッキン18の内部で屈曲或いは湾曲させることで孔部14aと検出穴110aの平面視での位置をずらし、部品配置の自由度を向上させた構成等としてもよい。
【0028】
パッキン18は、例えば矩形板状のゴム材料やシリコーン等によって形成され、押し潰されることでその厚みを変化させつつ、センサIC110の下面と底面14bとに密着する。このため、互いに連通した孔部14a、貫通孔18a、及び検出穴110aが、ケース14の内部空間から完全に遮断された管路のような状態となり、ケース14の外部に開口する。パッキン18の位置決めを容易なものとするため、貫通孔18aは、ケース14の孔部14a及び検出穴110aより大きな内径を有することが好ましい。
【0029】
取付孔12aに支柱部材16を嵌挿させ、センサIC110とケース14との間にパッキン18を挟持させた後は、プリント基板12の上面側からポッティング材120を充填する。液体状のポッティング材120がケース14の内部に行き渡って硬化すると、ケース14とプリント基板12とが固定されると共に、センサIC110等の電子部品全体がポッティング材120で覆われた状態で封止され、当該圧力検出装置10の組立作業が完了する。
【0030】
ポッティング材120としては、一般的な電子部品の封止用に用いられる硬化型の樹脂材料を用いればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、硬化剤を用いたものや熱硬化型のもの、さらには硬化後に柔軟性を有するもの等、いわゆるポッティング材(封止材)やシール材として機能するものであれば各種の樹脂材料を用いることができる。
【0031】
次に、このように組立される圧力検出装置10を構成する各部品の具体的な構成例について説明する。
【0032】
図4は、支柱部材16の斜視図であり、図5は、図4に示す支柱部材16でプリント基板12を支持している状態での要部拡大断面図である。図4に示すように、支柱部材16は、円柱部(基部)16bと、該円柱部16bの上端面から突出する角型のテーパ部16aとを有する2段構造である。テーパ部16aは、その基端が円柱部16bの上端面に位置しており、上方に向かった先細り形状である。テーパ部16aは角型以外の形状、例えば円錐形状や多角形状等であってもよく、円柱部16bは角柱形状等としてもよい。
【0033】
図5に示すように、支柱部材16において、テーパ部16aは、基端の外径D1がプリント基板12の取付孔12aの内径D2以上に設定される一方、先端の外径D3が取付孔12aの内径D2より小さく設定される(D3<D2≦D1)。また、円柱部16bの外径D4は、取付孔12aの内径D2より大きく設定される(D2<D4)。
【0034】
従って、圧力検出装置10では、図3及び図5に示すように、支柱部材16の2段目のテーパ部16aをプリント基板12の取付孔12aに嵌挿させると、テーパ部16aは基端の外径D1が取付孔12aの内径D2以上に設定され、且つ先端の外径D3が取付孔12aの内径D2より小さく設定されているため、テーパ部16aの取付孔12aへの嵌挿が容易であり、且つ支柱部材16(テーパ部16a)が楔状の支持部材として確実に機能し、プリント基板12のガタツキを防止して、強固に支持・固定することができる。また、円柱部16bの外径D4が取付孔12aの内径D2より大きく設定されているため、1段目の円柱部16bの上端面によってプリント基板12のケース14の底面14bからの高さ位置を規定することができる。
【0035】
図3に示すように、プリント基板12のケース14への組み込みが完了した状態において、プリント基板12の下面とケース14の底面14bとの間の高さをH1とすると、高さH1は、センサIC110の高さH2とパッキン18の高さH3を足した高さと等しくなっている(H1=H2+H3)。すなわち、パッキン18は、センサIC110の下面とケース14の底面14bとの間に挟持され、押し潰される前の状態(原形状。図3中の2点鎖線参照)では、その高さH4が高さH3より大きく設定されている。
【0036】
従って、圧力検出装置10では、押し潰されたパッキン18がセンサIC110とケース14とに密着するため、ケース14とパッキン18とセンサIC110とが一体化して安定し、且つ孔部14aから貫通孔18aを経た検出穴110aまでの流路(気体流路)を外部から確実に閉塞することができ、該流路内へのポッティング材120の流入を阻止することができるため、作業時間を短縮し効率的な組立作業を行うことができ、しかもポッティング材120の硬化時の各部品の位置ずれも防止できる。さらに、孔部14aの底面14b側がパッキン18によって確実に閉塞されるため、ケース14内に充填された液体状のポッティング材120が該孔部14aを介して外部に漏れ出すことも確実に防止できる。
【0037】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
10,100 圧力検出装置
12,106 プリント基板
12a 取付孔
14,118 ケース
14a 孔部
14b 底面
16 支柱部材
16a テーパ部
16b 円柱部
18 パッキン
18a 貫通孔
102 タイヤ
104 ホイール
108 コイン電池
110 センサIC
110a 検出穴
112 マイコン
114 無線IC
116 アンテナ
120 ポッティング材
122 キャップ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9