特許第6154240号(P6154240)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニューギンの特許一覧

<>
  • 特許6154240-遊技機 図000002
  • 特許6154240-遊技機 図000003
  • 特許6154240-遊技機 図000004
  • 特許6154240-遊技機 図000005
  • 特許6154240-遊技機 図000006
  • 特許6154240-遊技機 図000007
  • 特許6154240-遊技機 図000008
  • 特許6154240-遊技機 図000009
  • 特許6154240-遊技機 図000010
  • 特許6154240-遊技機 図000011
  • 特許6154240-遊技機 図000012
  • 特許6154240-遊技機 図000013
  • 特許6154240-遊技機 図000014
  • 特許6154240-遊技機 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154240
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】3
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2013-162555(P2013-162555)
(22)【出願日】2013年8月5日
(65)【公開番号】特開2015-29785(P2015-29785A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2015年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山本 恵輝
(72)【発明者】
【氏名】島 伸嘉
(72)【発明者】
【氏名】松田 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】佐野 賢直
(72)【発明者】
【氏名】原 憲文
(72)【発明者】
【氏名】坂巻 達郎
【審査官】 大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−193959(JP,A)
【文献】 特開2011−255102(JP,A)
【文献】 特開2010−051412(JP,A)
【文献】 特開2011−104217(JP,A)
【文献】 特開2013−059464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大当り抽選に当選した場合には図柄変動ゲームにて大当り表示結果が導出され、その後に特別入賞口を開放する大当り遊技を付与する遊技機において、
始動条件の成立を契機として、保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記保留情報を特定可能な情報をもとに、前記大当り抽選に当選することとなる保留情報が含まれているか否かを事前判定する事前判定手段と、
前記大当り遊技が付与されている場合であって、前記事前判定の判定結果が肯定であるときには、該事前判定の判定結果が肯定であることを報知する報知演出の実行を制御する報知演出制御手段と、を備え、
前記報知演出は、前記大当り遊技中に実行される演出に応じて実行される場合と実行されない場合とがあり、
前記報知演出が実行される条件には、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類が、前記大当り遊技の中で前記特別入賞口の合計開放時間が最も長い特別大当り遊技を付与し、該特別大当り遊技の終了後、遊技球の入球により前記始動条件が成立する始動手段への入球率を通常状態よりも向上させる入球率向上状態を付与することになる特定大当りであることを含み、
前記大当りには、前記特定大当りとは異なる非特定大当りを含み、
前記報知演出は、
前記入球率向上状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行される一方で、前記通常状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行されないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
大当り抽選に当選した場合には図柄変動ゲームにて大当り表示結果が導出され、その後に特別入賞口を開放する大当り遊技を付与する遊技機において、
始動条件の成立を契機として、保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記保留情報を特定可能な情報をもとに、前記大当り抽選に当選することとなる保留情報が含まれているか否かを事前判定する事前判定手段と、
前記大当り遊技が付与されている場合であって、前記事前判定の判定結果が肯定であるときには、該事前判定の判定結果が肯定であることを報知する報知演出の実行を制御する報知演出制御手段と、を備え、
前記報知演出は、前記大当り遊技中に実行される演出に応じて実行される場合と実行されない場合とがあり、
前記報知演出が実行される条件には、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類が、前記大当り遊技の中で前記特別入賞口の合計開放時間が最も長い特別大当り遊技を付与し、該特別大当り遊技の終了後、遊技球の入球により前記始動条件が成立する始動手段への入球率を通常状態よりも向上させる入球率向上状態を付与することになる特定大当りであることを含み、
前記報知演出は、
連続して大当りに当選した回数を示す連続大当り回数が所定回数目でないときに前記特定大当りに当選したことによる大当り遊技において実行される一方で、前記連続大当り回数が前記所定回数目であるときに前記特定大当りに当選したことによる大当り遊技において実行されないことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
大当り抽選に当選した場合には図柄変動ゲームにて大当り表示結果が導出され、その後に特別入賞口を開放する大当り遊技を付与する遊技機において、
始動条件の成立を契機として、保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記保留情報を特定可能な情報をもとに、前記大当り抽選に当選することとなる保留情報が含まれているか否かを事前判定する事前判定手段と、
前記大当り遊技が付与されている場合であって、前記事前判定の判定結果が肯定であるときには、該事前判定の判定結果が肯定であることを報知する報知演出の実行を制御する報知演出制御手段と、を備え、
前記事前判定手段は、前記事前判定の判定結果が肯定の場合、前記保留情報を特定可能な情報をもとに前記大当り遊技を付与することになる大当りの種類をさらに事前判定し、
前記報知演出は、前記大当り遊技中に実行される演出と、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類とに応じて実行される場合と実行されない場合とがあり、
前記報知演出が実行される条件には、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類が、前記大当り遊技の中で前記特別入賞口の合計開放時間が最も長い特別大当り遊技を付与し、該特別大当り遊技の終了後、遊技球の入球により前記始動条件が成立する始動手段への入球率を通常状態よりも向上させる入球率向上状態を付与することになる特定大当りであることを含み、
前記図柄変動ゲームの実行態様を特定可能な演出モードを設定するモード設定手段をさらに備え、
前記大当りには、前記特定大当りとは異なる非特定大当りを含み、
前記モード設定手段は、前記入球率向上状態及び前記通常状態のうち少なくとも前記通常状態中に前記非特定大当りに当選した場合には、前記大当り遊技の終了後における演出モードとして特定の演出モードを設定する第1設定制御、又は前記特定の演出モードとは異なる非特定の演出モードを設定する第2設定制御を実行するようになっており、
前記報知演出は、
前記入球率向上状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行される一方で、前記通常状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行されないことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄変動ゲームにて大当り表示結果を導出した後には、特別入賞口を開放する大当り遊技の生起を内容として含む大当りを付与する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、始動手段への遊技球の入球を契機に大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を実行するとともに、該大当り判定の判定結果が肯定の場合には、図柄変動ゲームにおいて大当り表示結果を導出した後に大当り遊技を付与することが行われている。
【0003】
このようなパチンコ遊技機の中には、大当り遊技中の遊技演出の一環として、保留中の図柄変動ゲームに大当りとなる図柄変動ゲームが含まれている場合に、その旨を報知する報知演出を実行するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−270225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のパチンコ遊技機では、単に保留中の図柄変動ゲームを経て大当りが付与されるか否かに応じた演出態様により報知演出を実行するに過ぎないことから、該報知演出の演出態様に工夫を加えることでさらなる興趣向上の余地を残すものとなっている。
【0006】
この発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、大当り遊技中における遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する遊技機は、大当り抽選に当選した場合には図柄変動ゲームにて大当り表示結果が導出され、その後に特別入賞口を開放する大当り遊技を付与する遊技機において、始動条件の成立を契機として、保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記保留情報を特定可能な情報をもとに、前記大当り抽選に当選することとなる保留情報が含まれているか否かを事前判定する事前判定手段と、前記大当り遊技が付与されている場合であって、前記事前判定の判定結果が肯定であるときには、該事前判定の判定結果が肯定であることを報知する報知演出の実行を制御する報知演出制御手段と、を備え、前記報知演出は、前記大当り遊技中に実行される演出に応じて実行される場合と実行されない場合とがあり、前記報知演出が実行される条件には、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類が、前記大当り遊技の中で前記特別入賞口の合計開放時間が最も長い特別大当り遊技を付与し、該特別大当り遊技の終了後、遊技球の入球により前記始動条件が成立する始動手段への入球率を通常状態よりも向上させる入球率向上状態を付与することになる特定大当りであることを含み、前記大当りには、前記特定大当りとは異なる非特定大当りを含み、前記報知演出は、前記入球率向上状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行される一方で、前記通常状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行されないことを要旨とする。
【0008】
上記課題を解決する遊技機は、大当り抽選に当選した場合には図柄変動ゲームにて大当り表示結果が導出され、その後に特別入賞口を開放する大当り遊技を付与する遊技機において、始動条件の成立を契機として、保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記保留情報を特定可能な情報をもとに、前記大当り抽選に当選することとなる保留情報が含まれているか否かを事前判定する事前判定手段と、前記大当り遊技が付与されている場合であって、前記事前判定の判定結果が肯定であるときには、該事前判定の判定結果が肯定であることを報知する報知演出の実行を制御する報知演出制御手段と、を備え、前記報知演出は、前記大当り遊技中に実行される演出に応じて実行される場合と実行されない場合とがあり、前記報知演出が実行される条件には、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類が、前記大当り遊技の中で前記特別入賞口の合計開放時間が最も長い特別大当り遊技を付与し、該特別大当り遊技の終了後、遊技球の入球により前記始動条件が成立する始動手段への入球率を通常状態よりも向上させる入球率向上状態を付与することになる特定大当りであることを含み、前記報知演出は、連続して大当りに当選した回数を示す連続大当り回数が所定回数目でないときに前記特定大当りに当選したことによる大当り遊技において実行される一方で、前記連続大当り回数が前記所定回数目であるときに前記特定大当りに当選したことによる大当り遊技において実行されないことを要旨とする。
【0009】
上記課題を解決する遊技機は、大当り抽選に当選した場合には図柄変動ゲームにて大当り表示結果が導出され、その後に特別入賞口を開放する大当り遊技を付与する遊技機において、始動条件の成立を契機として、保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記保留情報を特定可能な情報をもとに、前記大当り抽選に当選することとなる保留情報が含まれているか否かを事前判定する事前判定手段と、前記大当り遊技が付与されている場合であって、前記事前判定の判定結果が肯定であるときには、該事前判定の判定結果が肯定であることを報知する報知演出の実行を制御する報知演出制御手段と、を備え、前記事前判定手段は、前記事前判定の判定結果が肯定の場合、前記保留情報を特定可能な情報をもとに前記大当り遊技を付与することになる大当りの種類をさらに事前判定し、前記報知演出は、前記大当り遊技中に実行される演出と、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類とに応じて実行される場合と実行されない場合とがあり、前記報知演出が実行される条件には、前記事前判定手段が事前判定した大当りの種類が、前記大当り遊技の中で前記特別入賞口の合計開放時間が最も長い特別大当り遊技を付与し、該特別大当り遊技の終了後、遊技球の入球により前記始動条件が成立する始動手段への入球率を通常状態よりも向上させる入球率向上状態を付与することになる特定大当りであることを含み、前記図柄変動ゲームの実行態様を特定可能な演出モードを設定するモード設定手段をさらに備え、前記大当りには、前記特定大当りとは異なる非特定大当りを含み、前記モード設定手段は、前記入球率向上状態及び前記通常状態のうち少なくとも前記通常状態中に前記非特定大当りに当選した場合には、前記大当り遊技の終了後における演出モードとして特定の演出モードを設定する第1設定制御、又は前記特定の演出モードとは異なる非特定の演出モードを設定する第2設定制御を実行するようになっており、前記報知演出は、前記入球率向上状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行される一方で、前記通常状態中に前記非特定大当りに当選した場合には実行されないこと要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、大当り遊技中における遊技者の興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】遊技盤を示す図。
図2】大当りの種類と大当り遊技の内容を示す図。
図3】演出モードの移行態様を示す図。
図4】パチンコ遊技機の電気的構成を示す図。
図5】特別図柄入力処理を示す図。
図6】コマンド設定処理を示す図。
図7】事前判定コマンドを示す図。
図8】特別図柄開始処理を示す図。
図9】特別図柄開始処理を示す図。
図10】非変短状態中に生起された大当り遊技における遊技演出の実行態様を示す図。
図11】変短状態中に生起された大当り遊技における遊技演出の実行態様を示す図。
図12】(a)及び(b)は、報知演出の実行態様を示す図。
図13】(a)は、演出パターン振分用テーブルを示す図、(b)は、発光パターン振分用テーブルを示す図。
図14】(a)は、第1報知演出振分用テーブルを示す図、(b)は、第2報知演出振分用テーブルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機(以下、単に「遊技機」という)の遊技盤10のほぼ中央には、画像表示部(画像表示領域)GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11は、例えば液晶ディスプレイである。
【0016】
演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)の図柄を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の遊技演出としての表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。以下の説明では、飾り図柄を単に「飾図」と示し、演出表示装置11の図柄変動ゲームを「飾図変動ゲーム」と示す。本実施形態において演出表示装置11は、図柄変動ゲーム(飾図変動ゲーム)を表示するゲーム表示手段となる。
【0017】
また、演出表示装置11の左下には、8セグメント型の第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12bとが配設されている。第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bでは、特別図柄(以下「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部判定(大当り判定)の結果を示す報知用の図柄である。なお、本実施形態における大当り判定は、大当りか否かの大当り抽選としても把握できる。
【0018】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置12aの図柄変動ゲームを「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第2特別図柄表示装置12bの図柄変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとを纏めて「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。
【0019】
各特別図柄表示装置12a,12bには、複数種類の特図の中から、大当り判定の判定結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、後述する大当り遊技が付与される。本実施形態の特図変動ゲームは、特図の変動開始から確定停止表示までを1回として実行される。
【0020】
また、演出表示装置11には、図柄列毎に複数種類の飾図が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、及び各特別図柄表示装置12a,12bにおいて、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態である。
【0021】
演出表示装置11は、各特別図柄表示装置12a,12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、専ら演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り、又ははずれを認識し得る。
【0022】
そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ(例えば[222],[777]など)とされている。
【0023】
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ(例えば[135]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ(例えば[767]など)とされている。
【0024】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。なお、一旦停止表示とは、図柄がゆれ変動状態で表示されている状態であり、確定停止表示とは、図柄が確定停止されている状態である。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0025】
本実施形態の演出表示装置11では、飾図変動ゲームにおいてリーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄、又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、上記表示演出(遊技演出)の1つとしてリーチ演出が行われる場合がある。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。また、本実施形態の遊技機では、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されている。
【0026】
演出表示装置11の右下には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した第1特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下の説明では、第1特図変動ゲーム(特図1)用の始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞口14に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特図変動ゲーム中に第1始動入賞口14へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の記憶上限数(本実施形態では4)まで累積される。第1保留記憶数は、始動条件が成立したが未だ実行されていない保留中の第1特図変動ゲームの回数を示す。
【0027】
第1特別図柄保留表示装置13aの下方には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、機内部で記憶した第2特図変動ゲーム(特図2)用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、第2特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞口15に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特図変動ゲーム中に第2始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の記憶上限数(本実施形態では4)まで累積される。第2保留記憶数は、始動条件が成立したが未だ実行されていない保留中の第2特図変動ゲームの回数を示す。
【0028】
また、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bの下方には、普通図柄表示装置16が配設されている。普通図柄表示装置16では、複数種類の普通図柄(以下「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、後述する第2始動入賞口15の開閉羽根17を開状態とすることにより、第2始動入賞口15への入球率が向上される普図当り遊技(普通当り遊技)を付与する普図当り(普通当り)か否かの内部判定(普図当り判定)の結果を示す報知用の図柄である。なお、本実施形態における普図当り判定は、普図当りか否かの普図当り抽選としても把握できる。
【0029】
普通図柄表示装置16の右方には、複数個(本実施形態では2個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置16aが配設されている。普通図柄保留表示装置16aは、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、普図ゲーム用の始動保留球の記憶数を「普図保留記憶数」と示す。普図保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで1加算される一方で、普図ゲームの開始により1減算される。したがって、普図ゲーム中に作動ゲート19を遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。普図保留記憶数は、始動条件が成立したが未だ実行されていない保留中の普図ゲームの回数を示す。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
【0030】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての第1入賞口14aを有する第1始動入賞口14が配設されている。第1始動入賞口14の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されている。第1始動入賞口14は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(例えば3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0031】
また、第1始動入賞口14の下方には、当該第1始動入賞口14とは別に、遊技球の入球口としての第2入賞口15aを有する第2始動入賞口15が配設されている。第2始動入賞口15は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根17を備えている。開閉羽根17は、第2始動入賞口15へ遊技球が入球容易な開状態、及び第2始動入賞口15へ遊技球が入球困難(又は入球不能)な閉状態に動作可能である。本実施形態の遊技機において、第2始動入賞口15は、普図当り遊技中に開閉羽根17の開動作によって開放されることで遊技球の入球率が向上される。
【0032】
第2始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。第2始動入賞口15は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態では、第1始動入賞口14、及び第2始動入賞口15が始動手段として機能する。
【0033】
また、演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過(入球)した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW3で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。
【0034】
また、第2始動入賞口15の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21aを備えた大入賞口21が配設されている。大入賞口21の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4(図4に示す)が配設されている。大入賞口21は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口21は、大当り遊技中に大入賞口扉21aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、大当り遊技については後述する。本実施形態の大入賞口21は特別入賞口となる。
【0035】
また、遊技盤10において大入賞口21の下方には、各始動入賞口14,15、及び大入賞口21を含む各種入球口に入球しない遊技球を機外へ排出する排出口としてアウト口22が設けられている。
【0036】
また、演出表示装置11の上方には、例えば所定のキャラクタや文字列を模した装飾が施された演出用可動体EKが配設されている。演出用可動体EKは、図示しないアクチュエータの駆動により、図中において実線で示す初期位置P1から二点鎖線で示す演出位置P2へ移動させる態様や、上下左右に揺動させる態様により可動体演出を実行可能である。
【0037】
また、本実施形態の遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として確率変動状態(以下「確変状態」と示す)が付与される場合がある。確変状態は、大当り判定で肯定判定される確率(大当り確率)が低確率から高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態において確変状態は、予め定めた確変規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は確変規定回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りとなる。なお、以下の説明では、確変状態が付与されていない状態を「非確変状態」と示す場合がある。確変規定回数は、大当り遊技の終了後における図柄変動ゲームの実行回数が達することで確変状態が終了される上限回数となる。
【0038】
また、本実施形態の遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として変動時間短縮状態(以下「変短状態」と示す)が付与される場合がある。変短状態では、普図当り判定の判定結果を導出する普図ゲームの変動時間が、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態、以下「非変短状態」と示す)と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り判定で肯定判定される確率(普図当り確率)が低確率から高確率に変動する。また、変短状態では、普図当り判定で肯定判定された際、1回の普図当り判定で肯定判定されたことに基づく開閉羽根17の開放時間が、非変短状態中と比較して長くなる。
【0039】
本実施形態において変短状態は、予め定めた変短規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は変短規定回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。上述のように変短状態は、開閉羽根17が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口15への入球個数(入球率)が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根17の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。変短規定回数は、大当り遊技の終了後における図柄変動ゲームの実行回数が達することで入球率向上状態が終了される上限回数となる。
【0040】
本実施形態の遊技機における遊技状態には、非変短状態で且つ非確変状態である「変短なし非確変状態(通常状態)」、非変短状態で且つ確変状態である「変短なし確変状態」、及び変短状態で且つ確変状態である「変短あり確変状態」がある。なお、本実施形態では、変短状態で且つ非確変状態である「変短あり非確変状態(所謂、時短状態)」は生じ得ない。
【0041】
次に、本実施形態の遊技機に規定する大当りについて説明する。
図2に示すように、本実施形態の遊技機では、大当り判定の判定結果が肯定である場合、6種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。6種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り判定で肯定判定された場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態では、特図1として1種類のはずれ図柄と、100種類の大当り図柄が設定されているとともに、特図2として1種類のはずれ図柄と、100種類の大当り図柄が設定されている。そして、これらの大当り図柄は、特図毎に分類される。
【0042】
図1の大当り図柄として、特図ZAには30図柄が、特図ZBには30図柄が、特図ZCには30図柄が、特図ZDには10図柄が振分けられている。そして、特図1の大当り判定で肯定判定された場合に決定される特図1の大当り図柄の割合は、特図ZA〜ZCがそれぞれ「30%」、特図ZDが「10%」に設定される。この割合は、特図振分用乱数の振分け態様によって設定される。
【0043】
また、特図2の大当り図柄として、特図Zaには80図柄が、特図Zbには20図柄が振分けられている。そして、特図2の大当り判定で肯定判定された場合に決定される特図2の大当り図柄の割合は、特図Zaが「80%」、特図Zbが「20%」に設定される。この割合は、特図振分用乱数の振分け態様によって設定される。
【0044】
以下、各特図ZA〜ZD,Za,Zbの大当りに基づき付与される遊技特典(大当り遊技、確変状態、及び変短状態)について説明する。
図ZA〜ZD,Za,Zbの大当りは、遊技特典として大当り遊技を付与する。大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口扉21aが開放されるラウンド遊技が予め定めたラウンド規定回数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口21の開閉動作が規定開放回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口21は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球する第1終了条件、及びラウンド規定時間(上限開放時間)が経過する第2終了条件の何れかが成立する迄の間、開放される。本実施形態の遊技機では、前記規定個数として10個が設定されている。なお、ラウンド規定時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。本実施形態において各大当り遊技には、図中において「オープニング」の欄に示す時間がオープニング演出の演出時間として設定されているとともに、「エンディング」の欄に示す時間がエンディング演出の演出時間として設定されている。
【0045】
そして、特図ZAが決定された場合に付与される第1実質4R大当り遊技は、ラウンド規定回数として14回が、各回のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として1回が設定されている。第1実質4R大当り遊技は、1〜10回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として0.04秒が、ラウンド間インターバル時間(図中において「閉」で示す)として1.5秒が設定されている。以下の説明では、0.04秒の開放とラウンド内又はラウンド間のインターバル時間となる1.5秒の閉鎖とからなる大入賞口21の開閉動作を単に「単位開閉動作」と示す場合がある。第1実質4R大当り遊技は、11〜14回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が、ラウンド間インターバル時間として2秒が設定されている。
【0046】
図ZAに基づく第1実質4R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態に関係なく、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図ZAに対応する大当りを第1実質4R大当りZAという。
【0047】
図ZBが決定された場合に付与される第2実質4R大当り遊技は、ラウンド規定回数として12回が、1〜7回目及び9〜12回目のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として1回が設定されている。第1実質4R大当り遊技は、1〜7回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として0.04秒が、ラウンド間インターバル時間として1.5秒が設定されている。第1実質4R大当り遊技は、9〜12回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が、ラウンド間インターバル時間として2秒が設定されている。
【0048】
また、第2実質4R大当り遊技は、8回目のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として3回が設定されている。第2実質4R大当り遊技における8回目のラウンド遊技では、上述した単位開閉動作を3回繰り返すようになっており、ラウンド規定時間は0.04秒×3回=0.12秒となる。
【0049】
図ZBに基づく第2実質4R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態に関係なく、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図ZBに対応する大当りを第2実質4R大当りZBという。
【0050】
図ZCが決定された場合に付与される第1実質8R大当り遊技は、ラウンド規定回数として14回が、1〜5回目及び7〜14回目のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として1回が設定されている。第1実質8R大当り遊技は、1〜5回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として0.04秒が、ラウンド間インターバル時間として1.5秒が設定されている。第1実質8R大当り遊技は、7〜14回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が、ラウンド間インターバル時間として2秒が設定されている。
【0051】
また、第1実質8R大当り遊技は、6回目のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として5回が設定されている。第1実質8R大当り遊技における6回目のラウンド遊技では、上述した単位開閉動作を5回繰り返すようになっており、ラウンド規定時間は0.04秒×5回=0.2秒となる。
【0052】
図ZCに基づく第1実質8R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態が変短なし非確変状態、又は変短なし確変状態である場合、確変規定回数を上限とする確変状態が付与される一方で、変短状態が付与されない。その一方で、第1実質8R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態が変短あり確変状態である場合、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図ZCに対応する大当りを第1実質8R大当りZCという。
【0053】
図ZDが決定された場合に付与される第2実質8R大当り遊技は、ラウンド規定回数として12回が、1〜3回目及び5〜12回目のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として1回が設定されている。第2実質8R大当り遊技は、1〜3回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として0.04秒が、ラウンド間インターバル時間として1.5秒が設定されている。第2実質8R大当り遊技は、5〜12回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が、ラウンド間インターバル時間として2秒が設定されている。
【0054】
また、第2実質8R大当り遊技は、4回目のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として7回が設定されている。第2実質8R大当り遊技における4回目のラウンド遊技では、上述した単位開閉動作を7回繰り返すようになっており、ラウンド規定時間は0.04秒×7回=0.28秒となる。
【0055】
図ZDに基づく第2実質8R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態が変短なし非確変状態、又は変短なし確変状態である場合、確変規定回数を上限とする確変状態が付与される一方で、変短状態が付与されない。その一方で、第2実質8R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態が変短あり確変状態である場合、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図ZDに対応する大当りを第2実質8R大当りZDという。
【0056】
このように、第1実質4R大当り遊技における1R〜10R、第2実質4R大当り遊技における1R〜8R、第1実質8R大当り遊技における1R〜6R、及び第2実質8R大当り遊技における1R〜4Rでは、10回の単位開閉動作が行われる迄の間、大入賞口21の開放態様(開放時間、及びインターバル時間)が同一である。このような構成により、本実施形態では、第1実質4R大当り遊技における1R〜10R、第2実質4R大当り遊技における1R〜8R、第1実質8R大当り遊技における1R〜6R、及び第2実質8R大当り遊技における1R〜4Rにおいて、10回の単位開閉動作が行われる迄の間、大入賞口21の開放態様から大当りの種類を容易に認識できない。
【0057】
次に、特図Zaが決定された場合に付与される16R大当り遊技は、ラウンド規定回数として16回が、各回のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として1回が設定されている。16R大当り遊技は、1〜16回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が、ラウンド間インターバル時間として2秒が設定されている。
【0058】
図Zaに基づく16R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態に関係なく、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図Zaに対応する大当りを16R大当りZaという。
【0059】
図Zbが決定された場合に付与される2R大当り遊技は、ラウンド規定回数として2回が、各回のラウンド遊技における大入賞口21の規定開放回数として1回が設定されている。2R大当り遊技は、1,2回目のラウンド遊技におけるラウンド規定時間として25秒が、ラウンド間インターバル時間として2秒が設定されている。
【0060】
図Zbに基づく2R大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態に関係なく、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図Zbに対応する大当りを2R大当りZbという。
【0061】
以上のように、本実施形態では、1回の大当り遊技を通した大入賞口21の合計開放時間、即ち遊技者が獲得し得る賞球個数の期待値は、2R大当りZb<実質4R大当りZA,ZB<実質8R大当りZC,ZD<16R大当りZaの順に大きく、遊技者にとって有利度の高い大当りとなる。本実施形態の16R大当り遊技は、大当り遊技の中で、1回の大当り遊技を通した大入賞口21の合計開放時間が最も長い特別大当り遊技となる。また、本実施形態では、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態に関係なく変短状態が付与されるか否かの観点によれば、実質8R大当りZC,ZD<大当りZA,ZB,Za,Zbの順に遊技者にとって有利度の高い大当りとなる。
【0062】
したがって、本実施形態の16R大当りZaは、16R大当り遊技の生起と、該16R大当り遊技の終了後における変短状態の生起とを大当りの内容として含む特定大当りとなる一方で、大当りZA〜ZDは、16R大当りZaとは異なる非特定大当りとなる。また、第1実質4R大当りZA、及び第2実質4R大当りZBは、通常状態中に付与された場合に大当り遊技の終了後、変短状態が生起される第1非特定当りとなり、第1実質8R大当りZC、及び第2実質8R大当りZDは、通常状態中に付与された場合に大当り遊技の終了後、変短状態が生起されない第2非特定大当りとなる。なお前述のように、大当りZA〜ZDは、変短状態(変短あり確変状態)中に付与された場合には大当り遊技の終了後に変短状態が生起されるようになっている。
【0063】
また、本実施形態において、16R大当り遊技は第1大当り遊技となり、16R大当り遊技の生起を内容として含む16R大当りZaは第1大当りとなる。各大当りZA〜ZDに基づく大当り遊技は、10回の単位開閉動作が終了した後である特定期間としてのラウンド遊技において、大入賞口21の開放態様が16R大当り遊技と同一又は略同一である第2大当り遊技となる。また、各大当りZA〜ZDは、第2大当りとなる。
【0064】
また、本実施形態の遊技機では、特図変動ゲームに伴わせて各種の表示演出を演出表示装置11にて実行可能に構成されている。以下、本実施形態の遊技機に用意された表示演出について説明する。
【0065】
図3に示すように、本実施形態では、遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れであるかを遊技者に示唆するモード演出を実行可能に構成されている。このモード演出は、所定条件の成立を契機として演出モードを移行させる態様により実行され、滞在している演出モードの種類に応じて遊技状態が確変状態である可能性の高低を示す確変期待度を遊技者に報知する。なお、各演出モードでは、演出表示装置11に映し出される背景画像が異ならされており、該背景画像の種類から滞在中の演出モードを遊技者が認識可能である。
【0066】
本実施形態では、モード演出に用いられる演出モードとして、複数種類の演出モードが用意されている。詳しく説明すると、非変短状態における演出モードには、通常モードM1と第1高確モードM2とがあり、変短状態における演出モードには、第2高確モードM3がある。
【0067】
第1高確モードM2は、変短なし確変状態である場合に滞在する演出モードである。第1高確モードM2へは、遊技機の遊技状態が変短なし非確変状態、又は変短なし確変状態である場合に大当りZC,ZDの何れかが決定されたことにより移行する。第1高確モードM2は、確変状態である場合にのみ滞在可能であることから、遊技機の遊技状態が確変状態であることを確定的に認識できる確変確定の演出モードとなる。
【0068】
また、第2高確モードM3は、遊技機の遊技状態が変短あり確変状態である場合に滞在する演出モードである。第2高確モードM3へは、遊技機の遊技状態(滞在中の演出モードの種類)に関係なく大当りZA,ZB,Za,Zbの何れかが決定されたことにより移行する。また第2高確モードM3へは、遊技機の遊技状態が変短あり確変状態である場合に大当りZC,ZDの何れかが決定されたことにより移行する。本実施形態の第2高確モードM3は、確変状態である場合にのみ滞在可能であることから、遊技機の遊技状態が確変状態であることを確定的に認識できる確変確定の演出モードとなる。
【0069】
また、通常モードM1は、変短なし非確変状態(通常状態)である場合、又は変短なし確変状態である場合に滞在する演出モードである。通常モードM1へは、特図ZA,ZB,Za,Zbに基づく大当り遊技の終了後、確変規定回数及び変短規定回数の図柄変動ゲームが終了したことを条件とし、第2高確モードM3から移行する。この場合、第2高確モードM3から移行した通常モードM1は、遊技状態が変短なし非確変状態であることを確定的に認識し得る。
【0070】
また、第2高確モードM3における100回目の図柄変動ゲームでは、変短状態及び確変状態を伴う第2高確モードM3が終了され、通常モードM1へ移行されることを報知する第1移行報知演出が行われる。第1移行報知演出は、例えば「通常モードM1へ移行!」などの文字列を模した画像を演出表示装置11に表示する態様により行われる。このため、第1移行報知演出は、遊技者に有利な遊技状態(演出モード)が終了することを報知することから、第2高確モードM3のエンディング演出としても位置付けられる。
【0071】
また、通常モードM1へは、特図ZC,ZDに基づく大当り遊技の終了後、確変規定回数より少ない80回の図柄変動ゲームが終了したことを条件とし、第1高確モードM2から移行する。この場合、第1高確モードM2から移行した通常モードM1は、特図ZC,ZDに基づく大当り遊技の終了後における図柄変動ゲームの実行回数が確変規定回数に達する迄の間、遊技状態が変短なし確変状態であることを認識できる一方で、確変規定回数の図柄変動ゲームの終了後には、遊技状態が変短なし非確変状態であることを認識し得る。
【0072】
また、第1高確モードM2における80回目の図柄変動ゲームでは、第1高確モードM2が終了され、通常モードM1へ移行されることを報知する第2移行報知演出が行われる。この第2移行報知演出は、例えば「通常モードM1へ移行!」などの文字列を模した画像を演出表示装置11に表示する態様により行われる。このため、第2移行報知演出は、第1高確モードM2が終了することを報知することから、第1高確モードM2のエンディング演出としても位置付けられる。
【0073】
次に、遊技機の制御構成を図4にしたがって説明する。
遊技機の裏側には、遊技機の機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、遊技機の機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、遊技機の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力する制御指令にしたがって各種の遊技演出の実行を制御する。即ち、演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や、図示しないランプの発光態様、及びスピーカの音声出力態様を制御する。以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
【0074】
まず、主制御基板30について説明する。
図5に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30c、及び乱数生成回路30dが設けられている。なお、本実施形態の遊技機において、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c、及び乱数生成回路30dは、1チップに集積されてマイクロプロセッサを構成している。主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、各種表示装置12a,12b,13a,13b,16,16aと、各種ソレノイドSOL1,SOL2とが接続されている。
【0075】
乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。このハードウェア乱数の取り得る数値は、0〜65535の全65536通りの整数値とされている。ハードウェア乱数は、大当り判定に用いられる大当り判定用乱数、及び普図当り判定に用いられる普図当り判定用乱数として使用される。
【0076】
また、主制御用CPU30aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。主制御用CPU30aの制御周期は、例えば4msであり、ハードウェア乱数の値が1更新される時間よりも長い時間である。そして、主制御用RAM30cには、主制御用CPU30aによる乱数更新処理の実行に伴って、第1ソフトウェア乱数、第2ソフトウェア乱数、及び第3ソフトウェア乱数が記憶される。各ソフトウェア乱数は、その取り得る数値の範囲が異なっている。
【0077】
第1ソフトウェア乱数は、大当り判定で肯定判定された場合に、大当りの種類(特図の大当り図柄)を決定する際に用いる特図振分用乱数として使用される。なお、特図振分用乱数の値は、0〜99の全100通りの整数値であるとともに、前述した全100種類の特図の大当り図柄に対して各別に対応付けられている。
【0078】
また、第2ソフトウェア乱数は、大当り判定で否定判定された場合に、リーチ演出の実行を許容する否かを決定するリーチ判定(リーチ抽選)に用いるリーチ判定用乱数として使用される。リーチ判定用乱数の値は、0〜240の全241通りの整数値である。また、第3ソフトウェア乱数は、後述の変動パターンを選択する際に用いる変動パターン振分用乱数として使用される。なお、変動パターン振分用乱数の値は、0〜238の全239通りの整数値である。
【0079】
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、遊技機の遊技状態が確変状態であるか否かを特定可能な値が設定される確変フラグが記憶されている。確変フラグには、確変状態でない場合は「0」が設定される一方で、確変状態である場合は「1」が設定される。また、主制御用RAM30cには、遊技機の遊技状態が変短状態であるか否かを特定可能な値が設定される作動フラグが記憶されている。作動フラグには、変短状態でない場合は「0」が設定される一方で、変短状態である場合は「1」が設定される。
【0080】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として0〜164の全165個の値が設定されており、大当り判定で肯定判定される確率は65536分の165となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値は、前記165個の値に165〜1484の全1485個の値を加えた合計1650個の値が設定されており、大当り判定で肯定判定される確率は65536分の1650となる。
【0081】
また、リーチ判定値は、上記リーチ判定で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。普図当り判定値は、普図当り判定で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、普図当り判定値は、変短状態の有無により、その数が異なっている。具体的には、非変短状態時における普図当り判定値として、0〜16383までの16384個が定められている。一方、変短状態時における普図当り判定値として、0〜65534までの65535個が定められている。
【0082】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。
【0083】
大当り変動は、大当り判定で肯定判定された場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。また、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。
【0084】
はずれリーチ変動は、大当り判定で肯定判定されず、リーチ判定で肯定判定された場合に行われる変動である。はずれリーチ変動では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。また、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。
【0085】
はずれ変動は、大当り判定及びリーチ判定の何れも肯定判定されなかった場合に行われる変動である。はずれ変動では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。また、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。
【0086】
次に、演出制御基板31について説明する。
図4に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、演出制御用CPU31a、演出制御用ROM31b、及び演出制御用RAM31cは、1チップに集積されてマイクロプロセッサを構成している。演出制御用CPU31aには、演出用可動体EK、及び演出表示装置11が接続されている。
【0087】
また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(ソフトウェア乱数の値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aは、各種ソフトウェア乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換える乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。そして、演出制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0088】
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0089】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
図5に示すように、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSa1)。すなわち、ステップSa1において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。ステップSa1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSa5へ移行する。
【0090】
一方、ステップSa1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSa2)。ステップSa2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSa5へ移行する。
【0091】
ステップSa2の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える(ステップSa3)。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。
【0092】
続いて、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を第1保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップSa4)。詳しく説明すると、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値を乱数生成回路30dから取得するとともに、特図振分用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値と、変動パターン振分用乱数の値とを主制御用RAM30cから読み出して取得する。
【0093】
ステップSa4の処理を終了した場合、及びステップSa1,Sa2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSa5)。即ち、ステップSa5において主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2が遊技球を検知したときに出力する第2検知信号を入力したか否かを判定する。ステップSa5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0094】
一方、ステップSa5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSa6)。ステップSa6の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0095】
一方、ステップSa6の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を1加算し、第2保留記憶数を書き換える(ステップSa7)。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。
【0096】
続いて、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を第2保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップSa8)。詳しく説明すると、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値を乱数生成回路30dから取得するとともに、特図振分用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値と、変動パターン振分用乱数の値とを主制御用RAM30cから読み出して取得する。
【0097】
本実施形態では、各種乱数(大当り判定用乱数及び特図振分用乱数)の値が保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報となり、主制御用RAM30cが記憶手段となり、主制御用CPU30aが始動条件の成立を契機として保留情報を記憶させる記憶制御手段として機能する。
【0098】
次に、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理を実行する(ステップSa9)。このコマンド設定処理は、特別図柄入力処理において第2始動入賞口15で入球検知されたときに取得した各種乱数(大当り判定用乱数及び特図振分用乱数)の値に応じた事前判定コマンドを出力するための処理である。コマンド設定処理の詳細については後述する。そして、ステップSa9の処理を終了した主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0099】
次に、特別図柄入力処理のサブルーチンとして実行されるコマンド設定処理について説明する。
図6に示すように、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSa8にて取得した大当り判定用乱数の値が、現在の遊技状態で大当り判定値と一致する値であるか否かを判定する(ステップSb1)。詳しく説明すると、ステップSb1において、主制御用CPU30aは、確変フラグに設定された値を読み出し、確変状態であるか否かを特定する。そして、主制御用CPU30aは、前述のステップSa8において、第2始動入賞口15への遊技球の入球を契機として第2保留記憶数に対応付けて記憶させた大当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、読み出した値が、現在の遊技状態における大当り判定値と一致する値か否かを判定する。
【0100】
ステップSb1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSa8にて取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図2の大当り図柄を判定する(ステップSb2)。
【0101】
続けて、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を読み出して特定するとともに、該特定した第2保留記憶数、及びステップSb1,Sb2の判定結果を特定可能な事前判定コマンドを生成し、出力バッファにセットする(ステップSb3)。出力バッファにセットされた事前判定コマンドは、次周期からの制御周期における出力処理において、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力される。その後、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。
【0102】
ここで、図7に示すように、本実施形態の遊技機では、コマンド設定処理における各種判定の結果を特定可能な制御コマンドとして、事前判定コマンドE1xxH〜E3xxHが用意されている。なお、図7に示す事前判定コマンドの下位バイト(xxH)には、コマンド設定処理の実行時点における第2保留記憶数を示す値が設定される。即ち、第2保留記憶数=1である場合には01Hが、第2保留記憶数=2である場合には02Hが、第2保留記憶数=3である場合には03Hが、第2保留記憶数=4である場合には04Hが設定される。以下の説明で、事前判定コマンドに特定される第2保留記憶数の違いを区別しない場合には、「E1H」などのように、下位バイトを省略して記載する場合がある。
【0103】
事前判定コマンドE1Hは、取得した大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致しないことを特定可能なコマンドである。したがって、事前判定コマンドE1Hによれば、演出制御用CPU31aは、該事前判定コマンドに対応する第2特図変動ゲームが「はずれ変動」となることを把握できる。
【0104】
また、事前判定コマンドE2H,E3Hは、大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致することを特定可能なコマンドである。したがって、事前判定コマンドE2H,E3Hによれば、演出制御用CPU31aは、該事前判定コマンドに対応する第2特図変動ゲームが「大当り変動」となることを把握できる。
【0105】
そして、事前判定コマンドE2Hは、特図2の大当り図柄が特図Zaとなること、即ち該事前判定コマンドE2Hに対応する第2特図変動ゲームの実行に伴って16R大当りZaが付与されることを特定可能なコマンドとなる。また、事前判定コマンドE3Hは、特図2の大当り図柄が特図Zbとなること、即ち該事前判定コマンドE3Hに対応する第2特図変動ゲームの実行に伴って2R大当りZbが付与されることを特定可能なコマンドとなる。
【0106】
このように、事前判定コマンドE1H〜E3Hによれば、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)では、これらの事前判定コマンドの値から、該事前判定コマンドに対応する第2特図変動ゲームの変動内容を特定可能となる。
【0107】
コマンド設定処理の説明に戻り、図6に示すように、主制御用CPU30aは、ステップSb1の判定結果が否定の場合(現在の遊技状態における大当り判定値と一致しない場合)、第2保留記憶数を読み出して特定するとともに、該特定した第2保留記憶数、及びステップSb1の判定結果を特定可能な事前判定コマンドE1Hを生成し、出力バッファにセットする(ステップSb4)。その後、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。
【0108】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
図8に示すように、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始条件が成立したか否かを判定する(ステップSc1)。ステップSc1において、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合にステップSc1を肯定判定する一方で、特図変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合にステップSc1を否定判定する。ステップSc1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0109】
一方、ステップSc1の判定結果が肯定の場合(実行条件が成立している場合)、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を読み出し(ステップSc2)、第2保留記憶数が0(零)よりも大きいか否か判定する(ステップSc3)。主制御用CPU30aは、ステップSc3において、実行が保留されている第2特図変動ゲーム(保留情報)が存在するか否かを判定している。ステップSc3の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を読み出し(ステップSc4)、第1保留記憶数が0(零)よりも大きいか否か判定する(ステップSc5)。主制御用CPU30aは、ステップSc5において、実行が保留されている第1特図変動ゲーム(保留情報)が存在するか否かを判定している。ステップSc5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0110】
一方、ステップSc5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第1特図変動ゲームを実行することを示す値(0)を設定する(ステップSc6)。次に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を1減算し(ステップSc7)、当該第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数の値(大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値)を取得する(ステップSc8)。主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を1減算した際、1減算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。
【0111】
次に、図9に示すように、主制御用CPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するか否かの大当り判定を行う(ステップSc9)。詳しく説明すると、ステップSc9において、主制御用CPU30aは、確変フラグに設定された値を読み出し、確変状態であるか否かを特定する。そして、主制御用CPU30aは、前述のステップSc8において読み出した値が、現在の遊技状態における大当り判定値と一致する値か否かを判定する。
【0112】
ステップSc9の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、前述のステップSc8において読み出した特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる確定停止図柄を決定する(ステップSc10)。
【0113】
次に、主制御用CPU30aは、前述のステップSc8において読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき大当り変動用の変動パターンを決定する(ステップSc11)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSc12へ移行する。
【0114】
一方、ステップSc9の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出の実行を許容するか否かのリーチ判定を行う(ステップSc13)。詳しく説明すると、主制御用CPU30aは、前述のステップSc8において主制御用RAM30cから取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定値に一致するか否かを判定する。
【0115】
ステップSc13の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップSc14)。次に、主制御用CPU30aは、前述のステップSc8において読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づきはずれリーチ変動用の変動パターンを決定する(ステップSc15)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSc12へ移行する。
【0116】
一方、ステップSc13の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップSc16)。次に、主制御用CPU30aは、前述のステップSc8において読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づきはずれ変動用の変動パターンを決定する(ステップSc17)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSc12へ移行する。
【0117】
そして、ステップSc12において、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1特図変動ゲームに関する各種処理を実行する。主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに飾図による図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特図を変動開始させるように第1特別図柄表示装置12aの表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの変動時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0118】
なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した確定停止図柄を表示させるように第1特別図柄表示装置12aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0119】
一方、図8に示すように、ステップSc3の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに第2特図変動ゲームを実行することを示す値を設定する(ステップSc18)。次に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を1減算し(ステップSc19)、当該第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数の値(大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値)を取得する(ステップSc20)。また、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を1減算した際、1減算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。
【0120】
次に、図9に示すように、主制御用CPU30aは、前述のステップSc20において読み出した大当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップSc9)。なお、第2特図変動ゲームを開始させるときに行われるステップSc10〜Sc17の処理は、第1特図変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と読み替え、第1特別図柄表示装置12aを「第2特別図柄表示装置12b」と読み替えるものとする。
【0121】
本実施形態の遊技機では、第1特図変動ゲーム用の変動パターン指定コマンドと、第2特図変動ゲーム用の変動パターン指定コマンドとは値が異ならされており、該コマンドの値から第1特図変動ゲーム、及び第2特図変動ゲームうち何れのゲームに関する変動パターンを指定するコマンドであるかを特定可能である。
【0122】
また、本実施形態の遊技機では、第1特図変動ゲーム用の特図指定コマンドと、第2特図変動ゲーム用の特図指定コマンドとは値が異ならされており、該コマンドの値から第1特図変動ゲーム、及び第2特図変動ゲームうち何れのゲームに関する特図を指定するコマンドであるかを特定可能である。さらに、本実施形態の遊技機では、大当り判定時の遊技状態が変短状態である場合の特図指定コマンドと、大当り判定時の遊技状態が非変短状態である場合の特図指定コマンドとでも値が異ならされており、該コマンドの値から大当り判定時(大当りが付与された時点)における遊技状態を特定可能である。
【0123】
以上のように、ステップSb9〜Sb11,Sb13〜Sb17の処理を実行する主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームの実行条件が成立したことを契機として、主制御用RAM30cに記憶されている各種乱数の値(保留情報)に基づき図柄変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段として機能する。
【0124】
次に、主制御用CPU30aが大当り判定で肯定判定している場合に行う大当り遊技処理について説明する。
主制御用CPU30aは、大当りの図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを生成し、出力バッファに設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技毎にオープニングコマンドの値が異ならされており、該オープニングコマンドの値から大当り遊技(大当り)の種類を特定することも可能である。次に、主制御用CPU30aは、各大当り遊技に設定されたオープニング演出の演出時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを生成し、出力バッファに設定する。また、主制御用CPU30aは、各大当り遊技に設定された開放態様(パターン)にしたがって大入賞口ソレノイドSOL2を制御することにより、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉21aを開動作させて大入賞口21を開放させるとともに、各終了条件の何れかの成立を契機に大入賞口扉21aを閉動作させて大入賞口21を閉鎖させる。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを生成するとともに、出力バッファに設定する。主制御用CPU30aは、エンディング演出の演出時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって大当り遊技を終了させる。
【0125】
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。
【0126】
また、主制御用CPU30aは、確変状態を付与する場合、大当り遊技の終了後、該大当りに設定された確変規定回数(本実施形態では100回)を、確変回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが実行される毎に確変回数を1減算し、値が「0」となると、図柄変動ゲームの終了時に確変フラグに「0」を設定し、非確変コマンドを出力する。
【0127】
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。
【0128】
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当り遊技の終了後、該大当りに設定された変短規定回数(本実施形態では100回)を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、値が「0」となると、図柄変動ゲームの終了時に作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、「変短なし非確変状態(通常状態)」となる。
【0129】
このように、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、変短状態を生起させるとともに、該変短状態を大当り遊技の終了後における図柄変動ゲームの実行回数が予め定めた変短規定回数に達することを契機として終了させる。主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、確変状態を生起させるとともに、該確変状態を大当り遊技の終了後における図柄変動ゲームの実行回数が予め定めた確変規定回数に達することを契機として終了させる。したがって、本実施形態の主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後の遊技状態を制御する遊技状態制御手段として把握できる。
【0130】
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する処理を説明する。
主制御用CPU30aは、メイン制御プログラムに基づき普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理を実行する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理を実行する。
【0131】
最初に、普通図柄入力処理を説明する。
主制御用CPU30aは、作動ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW3が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算し、普図保留記憶数を書き換える。
【0132】
その後、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数の値を乱数生成回路30dから取得し、その値を普図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
【0133】
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理を説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始条件が成立したか否かの普図開始条件判定を行う。詳しく説明すると、主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中ではなく、且つ普図当り遊技中(開閉羽根17の動作中)ではない場合に普図開始条件判定を肯定判定する。その一方で、普図ゲームの実行中、又は普図当り遊技中である場合、普図開始条件判定を否定判定する。
【0134】
普図開始条件判定の判定結果が否定である場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、普図開始条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの普図保留判定を行う。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0135】
一方、普図保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1減算し、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置16aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグを確認し、非変短状態の場合、非変短状態用の普図当り判定値を用いる一方で、変短状態の場合、変短状態用の普図当り判定値を用いる。この遊技状態に応じた普図当り判定値の選択により、変短状態中は、普図当り判定で肯定判定される確率(当選確率)が高確率に変動する。
【0136】
また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を定めた普図用の変動パターンを選択する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態の場合、第1の変動時間(例えば5秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する一方で、遊技状態が変短状態の場合、第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(例えば1秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する。この遊技状態に応じた変動時間の異なる変動パターンの選択により、変短状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮される。
【0137】
続いて、主制御用CPU30aは、決定した変動パターンに従って普通図柄表示装置16に普図ゲームを実行させる。そして、主制御用CPU30aは、普図用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当り判定を肯定判定している場合には当り図柄を普通図柄表示装置16に確定停止表示させる一方で、普図当り判定を否定判定している場合にははずれ図柄を普通図柄表示装置16に確定停止表示させる。
【0138】
また、普図当り判定を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームの終了後(当り図柄の確定停止表示後)、開閉羽根17を所定の動作パターンに従って開閉動作させる。主制御用CPU30aは、非変短状態時の場合、開閉羽根17を、第1開放時間(本実施形態では0.2秒)で第1回数(本実施形態では1回)分、開放動作させる。一方、主制御用CPU30aは、変短状態時の場合、開閉羽根17を、第1開放時間よりも長い第2開放時間(本実施形態では1.5秒)で、第1回数よりも多い第2回数(本実施形態では3回)分、開放動作させる。この遊技状態に応じた異なる動作パターンによる開閉羽根17の開放動作の制御により、変短状態中は、開閉羽根17の開放時間が長くなる。
【0139】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンから特定可能な変動内容をもとに、同じく変動パターンから特定可能な変動時間にかけて実行させる遊技演出(飾図変動ゲーム)用の画像データを選択する。
【0140】
また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図を決定する。特図として大当り図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせ(例えば、[777])を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、特図ZA〜ZDで共通となる大当りの図柄組み合わせを決定する。したがって、本実施形態では、飾図による大当りの図柄組み合わせから遊技者が大当りZA〜ZDの何れであるかを認識し難くなっている。
【0141】
また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドで指示された特図が大当り図柄である場合、該大当り図柄と大当り判定時の遊技状態とを特定可能な大当り状態フラグ(情報)を演出制御用RAM31cに記憶させる。演出制御用CPU31aは、この大当り状態フラグ(情報)を参照することにより、大当り判定時の遊技状態(変短状態の有無)や大当り(大当り遊技)の種類を把握している。
【0142】
また、特図としてはずれ図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、リーチ演出を含む変動内容を特定可能な変動パターンが指示されている場合、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[121]など)を決定する。その一方で、演出制御用CPU31aは、リーチ演出を含まない変動内容を特定可能な変動パターンが指示されている場合、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[123]など)を決定する。
【0143】
そして、演出制御用CPU31aは、選択した画像データをもとに飾図変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11の飾図変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば16ms毎)に切り替える。
【0144】
その後、飾図変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて飾図変動ゲームを終了させる。このように、本実施形態の演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが決定する変動内容をもとに演出表示装置11を制御し、図柄変動ゲームを実行させるゲーム制御手段として機能する。
【0145】
次に、大当り遊技が付与された際に演出制御用CPU31aが行う制御(大当り演出処理)について説明する。
大当り演出処理において、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出の演出内容を決定するとともに、該決定した演出内容のオープニング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると前述した演出制御用RAM31cに記憶された大当り状態フラグを参照し、大当り判定時の遊技状態が変短状態であったか否か、及び大当り図柄(大当りの種類)を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、特定した大当り判定時の遊技状態と、大当りの種類とをもとにオープニング演出の演出内容を決定する。
【0146】
また、演出制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを入力する毎に、ラウンド演出の演出内容を決定するとともに、該決定した演出内容のラウンド演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、上述のように特定した大当り判定時の遊技状態と、大当りの種類とをもとに各ラウンド遊技におけるラウンド演出の演出内容を決定する。
【0147】
そして、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出の演出内容を決定するとともに、該決定した演出内容のエンディング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、上述のように特定した大当り判定時の遊技状態と、大当りの種類とをもとにエンディング演出の演出内容を決定する。各大当り遊技における各種の遊技演出(以下「大当り遊技演出」という)を実行させるために演出制御用CPU31aが行う制御については後に詳しく説明する。
【0148】
また、演出制御用CPU31aは、16R大当り遊技(16R大当りZa)用のオープニングコマンドを入力すると、演出制御用RAM31cに記憶されている連続大当り回数を読み出すとともに、該連続大当り回数に1加算して記憶させる。連続大当り回数は、遊技状態が通常状態(変短なし非確変状態)に移行することなく連続して生起された16R大当り遊技の回数(所謂、連荘回数)を示す。
【0149】
なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後に変短状態が付与された場合であって、変短規定回数の図柄変動ゲームの終了に伴って変短状態が終了されたときに、連続大当り回数として0(零)を記憶させクリア(リセット)する。なお、演出制御用CPU31aは、非作動コマンドを入力した場合であってオープニングコマンドを入力しないときに、変短規定回数の図柄変動ゲームの終了に伴って変短状態が終了されたことを把握する。
【0150】
次に、演出制御用CPU31aが大当り遊技の終了後にモード演出を実行させるために行う制御について説明する。
本実施形態において、演出制御用RAM31cには、実行中の演出モードを特定可能な値(情報)が設定されるモードフラグが記憶されている。演出制御用CPU31aは、モードフラグに設定された値から実行中の演出モードを把握している。
【0151】
演出制御用CPU31aは、遊技状態に関係なく大当り判定で肯定判定されて大当りZA,ZB,Za,Zbが決定された場合、又は変短あり確変状態において大当り判定で肯定判定され、大当りZC,ZDが決定された場合、大当り遊技が終了すると、第2高確モードM3を実行中であることを特定可能な値(情報)をモードフラグに設定する。この場合、演出制御用CPU31aは、第2高確モードM3用の背景画像が表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御し、第2高確モードM3を実行させる。
【0152】
また、演出制御用CPU31aは、第2高確モードM3を開始させると、図柄変動ゲームの開始(変動パターン指定コマンドの入力)毎に、演出制御用RAM31cに記憶されている実行回数に1加算することにより、大当り遊技の終了後に実行された図柄変動ゲームの回数を計数する。
【0153】
そして、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後における100回目の図柄変動ゲームが終了すると、通常モードM1を実行中であることを特定可能な値(情報)をモードフラグに設定する。この場合、演出制御用CPU31aは、通常モードM1用の背景画像が表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御し、通常モードM1を実行させる。
【0154】
このように、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後における図柄変動ゲームの実行回数が変短規定回数(確変規定回数)に達する迄の間、図柄変動ゲームの実行回数にかかわらず共通の遊技演出が実行されるように演出表示装置11を制御する演出制御手段として機能する。
【0155】
また、演出制御用CPU31aは、変短なし確変状態、又は変短なし非確変状態において大当り判定で肯定判定され、大当りZC,ZDが決定された場合、大当り遊技が終了すると、第1高確モードM2を実行中であることを特定可能な値(情報)をモードフラグに設定する。この場合、演出制御用CPU31aは、第1高確モードM2用の背景画像が表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御し、第1高確モードM2を実行させる。
【0156】
また、演出制御用CPU31aは、第1高確モードM2を開始させると、図柄変動ゲームの開始(変動パターン指定コマンドの入力)毎に、演出制御用RAM31cに記憶されている実行回数に1加算することにより、大当り遊技の終了後に実行された図柄変動ゲームの回数を計数する。
【0157】
そして、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後における80回目の図柄変動ゲームが終了すると、通常モードM1を実行中であることを特定可能な値(情報)をモードフラグに設定する。この場合、演出制御用CPU31aは、通常モードM1用の背景画像が表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御し、通常モードM1を実行させる。
【0158】
なお、演出制御用CPU31aは、電源投入がなされると、電源投入されてから最初の大当り遊技が開始される迄の間、通常モードM1を実行中であることを特定可能な値(情報)をモードフラグに設定する。この場合、演出制御用CPU31aは、通常モードM1用の背景画像が表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御し、通常モードM1を実行させる。
【0159】
以上のように、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの実行態様を特定可能な演出モードを設定するモード設定手段として機能する。また、本実施形態では、非変短状態中に大当りZA,ZBが付与された場合に大当り遊技終了後、第2高確モードM3を設定する制御が第1設定制御となり、非変短状態中に大当りZC,ZDが付与された場合に大当り遊技終了後、第1高確モードM2を設定する制御が第2設定制御となる。そして、演出制御用CPU31aは、設定した演出モードに基づき演出表示装置11を制御して背景画像を表示させ、その状態において図柄変動ゲームを実行させるようになっている。
【0160】
以下、大当り遊技演出を実行させるために演出制御用CPU31aが行う制御について詳しく説明する。
まず、非変短状態(変短なし非確変状態、又は変短なし確変状態)において大当り遊技が付与された場合(所謂、初当り)の制御について説明する。
【0161】
演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態が非変短状態であって、第1実質4R大当りZAが決定された場合には、オープニング演出として共通演出を実行させる。共通演出は、例えば大当りZA〜ZDの何れかに基づく大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する文字列を模した画像を演出表示装置11に表示する態様により実行される。
【0162】
また、演出制御用CPU31aは、10回の単位開閉動作が行われる迄の間(1〜10回目のラウンド遊技)において、モード報知演出としての昇格演出を実行させる。昇格演出は、大当り遊技の終了後の演出モードとして、特定の演出モードとしての第2高確モードM3が設定されるか否かを報知する大当り遊技演出である。なお、前述のように、第2高確モードM3は、遊技状態が変短あり確変状態であることを条件に設定される演出モードであることから、本実施形態の昇格演出は、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されるか否かを報知するための大当り遊技演出として把握することもできる。
【0163】
本実施形態の昇格演出は、9回の単位開閉動作が終了する迄の間に実行され、大当り遊技終了後の演出モードを認識し難い(又は認識不能な)導入演出と、10回目の単位開閉動作中に実行され、大当り遊技終了後の演出モードを遊技者に報知する結果演出とから構成されている。
【0164】
本実施形態の導入演出は、例えば所定のキャラクタを模した画像(動画)など、大当り遊技終了後の演出モードを認識し難い画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される。一方、本実施形態の結果演出は、10回目の単位開閉動作中に大当り遊技終了後の演出モードを示す文字列を模した画像を演出表示装置11に表示する態様により実行される。本実施形態の結果演出には、大当り遊技終了後に、第2高確モードM3が開始されること、即ち変短状態が付与されることを報知する文字列(例えば「おめでとう、第2高確モードM3突入確定」など)を模した画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される第1結果演出がある。また、本実施形態の結果演出には、大当り遊技終了後に第1高確モードM2が開始されること、即ち変短状態が付与されないことを報知する文字列(例えば「残念、第1高確モードM2突入」など)を模した画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される第2結果演出がある。したがって、本実施形態では演出表示装置11がモード報知演出実行手段として機能するとともに、演出制御用CPU31aがモード報知演出制御手段として機能する。
【0165】
そして、演出制御用CPU31aは、第1実質4R大当り遊技における10回目の単位開閉動作中、第1結果演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、第1実質4R大当り遊技における11〜14回目のラウンド遊技において、第1通常演出をラウンド演出(大当り遊技演出)として実行させる。第1通常演出は、例えば所定のキャラクタAが登場する画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される。
【0166】
その後、演出制御用CPU31aは、エンディング演出を実行させる。なお、本実施形態のエンディング演出は、大当り遊技終了後の演出モードを報知する文字列(例えば「○○モード突入」など)を模した画像を演出表示装置11に表示する態様により実行される(図10及び図11において「モード報知」と示す)。
【0167】
また、演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が非変短状態であって、第2実質4R大当りZBが決定された場合、第2実質4R大当り遊技におけるオープニング演出として上述した共通演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、第2実質4R大当り遊技において10回の単位開閉動作が行われる迄の間(オープニング及び1〜8回目のラウンド遊技)に、上述した昇格演出を実行させる。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、第2実質4R大当り遊技が開始してから9回の単位開閉動作が行われる迄の間に導入演出を実行させ、10回目の単位開閉動作中に第1結果演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、第2実質4R大当り遊技における9〜12回目のラウンド遊技において、上述した第1通常演出をラウンド演出(大当り遊技演出)として実行させるとともに、その後に上述したエンディング演出を実行させる。
【0168】
また、演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が非変短状態であって、第1実質8R大当りZCが決定された場合、第1実質8R大当り遊技におけるオープニング演出として上述した共通演出を実行させる。演出制御用CPU31aは、第1実質8R大当り遊技において10回の単位開閉動作が行われる迄の間(オープニング及び1〜6回目のラウンド遊技)に、上述した昇格演出を実行させる。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、第1実質8R大当り遊技が開始してから9回の単位開閉動作が行われる迄の間に導入演出を実行させ、10回目の単位開閉動作中に第2結果演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、第1実質8R大当り遊技における7〜14回目のラウンド遊技において、上述した第1通常演出をラウンド演出(大当り遊技演出)として実行させるとともに、その後に上述したエンディング演出を実行させる。
【0169】
また、演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が非変短状態であって、第2実質8R大当りZDが決定された場合、第2実質8R大当りにおけるオープニング演出として上述した共通演出を実行させる。演出制御用CPU31aは、第2実質8R大当り遊技において10回の単位開閉動作が行われる迄の間(1〜4回目のラウンド遊技)に、上述した昇格演出を実行させる。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、第2実質8R大当り遊技が開始してから9回の単位開閉動作が行われる迄の間に導入演出を実行させ、10回目の単位開閉動作中に第2結果演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、第2実質8R大当り遊技における5〜12回目のラウンド遊技において、上述した第1通常演出をラウンド演出(大当り遊技演出)として実行させるとともに、その後に上述したエンディング演出を実行させる。
【0170】
また、演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が非変短状態であって、16R大当りZaが決定された場合、及び2R大当りZbが決定された場合に、各ラウンド遊技におけるラウンド演出として上述した第1通常演出を実行させる。その後、演出制御用CPU31aは、上述したエンディング演出を実行させる。
【0171】
なお、演出制御用CPU31aは、16R大当り遊技において、オープニング演出として16R大当り遊技用のオープニング演出を実行させる一方で、2R大当り遊技において、2R大当り遊技用のオープニング演出を実行させる。なお、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が非変短状態である場合には、演出制御用RAM31cに記憶されている連続大当り回数が0(零)である。
【0172】
以上のように、本実施形態の遊技機では、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が非変短状態であって、大当りZA〜ZDが決定された場合、大当り遊技が開始されてから9回の単位開閉動作が終了する迄の間にかけて、各大当り遊技で共通となる大当り遊技演出(共通演出、及び昇格演出の導入演出)が実行される。このため、本実施形態では、大当り遊技が開始されてから9回の単位開閉動作が終了する迄の間、大入賞口21の開放態様、及び演出表示装置11における遊技演出の実行態様から、大当りZA〜ZDの何れであるのか、即ち大当り遊技の終了後に変短状態が付与されるか否かを判別し難い。
【0173】
次に、変短状態(変短あり確変状態)において大当り遊技が付与された場合(所謂、連荘中)に実行される大当り遊技演出について説明する。
図11に示すように、演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が変短状態であって、各大当りZA〜ZDが決定された場合、各大当り遊技におけるオープニング演出として上述した共通演出を実行させる。演出制御用CPU31aは、大当りZA〜ZDに基づく各大当り遊技において10回の単位開閉動作が行われる迄の間、第2通常演出をラウンド演出(大当り遊技演出)として実行させる。第2通常演出は、例えば所定のキャラクタBが登場する画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される。
【0174】
また、演出制御用CPU31aは、各大当りZA〜ZDに基づく大当り遊技において、10回目の単位開閉動作が終了してから最終回のラウンド遊技が終了する迄の間、第3通常演出をラウンド演出(大当り遊技演出)として実行させる。第3通常演出は、例えば所定のキャラクタCが登場する画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される。その後、演出制御用CPU31aは、上述したエンディング演出を実行させる。
【0175】
また、演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が変短状態であって、16R大当りZaが決定された場合、16R大当り遊技におけるオープニング演出として16R大当り遊技用のオープニング演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、16R大当り遊技用のオープニングコマンドの入力を契機に1加算した後の連続大当り回数が5回であるか否かの第1回数判定を実行する。
【0176】
演出制御用CPU31aは、第1回数判定の判定結果が肯定の場合(連続大当り回数が5回である場合)、各ラウンド遊技におけるラウンド演出として第1特別演出を実行させる。第1特別演出は、例えば所定のキャラクタDが登場する画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される。このように、第1特別演出は、連続大当り回数が5回である場合にのみ実行され得ることから、遊技者が遊技中に視認できる可能性が低く、他の大当り遊技演出(第1〜第3通常演出)と比較して希少価値の高い遊技演出(所謂、プレミアム演出)となる。その後、演出制御用CPU31aは、エンディング演出を実行させる。
【0177】
また、演出制御用CPU31aは、第1回数判定の判定結果が否定の場合(連続大当り回数が4回未満又は6回以上である場合)、16R大当り遊技用のオープニングコマンドの入力を契機に1加算した後の連続大当り回数が10回であるか否かの第2回数判定を実行する。
【0178】
演出制御用CPU31aは、第2回数判定の判定結果が肯定の場合(連続大当り回数が10回である場合)、各ラウンド遊技におけるラウンド演出として第2特別演出を実行させる。第2特別演出は、例えば所定のキャラクタEが登場する画像(動画)を演出表示装置11に表示する態様により実行される。
【0179】
このように、第2特別演出は、連続大当り回数が10回である場合にのみ実行され得ることから、遊技者が遊技中に視認できる可能性が第1特別演出よりもさらに低く、他の大当り遊技演出と比較してさらに希少価値の高い遊技演出(所謂、プレミアム演出)となる。その後、演出制御用CPU31aは、上述したエンディング演出を実行させる。
【0180】
また、演出制御用CPU31aは、第2回数判定の判定結果が否定の場合(連続大当り回数が5回又は10回ではない場合)、各ラウンド遊技におけるラウンド演出として上述した第1通常演出を実行させる。その後、演出制御用CPU31aは、上述したエンディング演出を実行させる。
【0181】
また、演出制御用CPU31aは、大当り判定で肯定判定された時の遊技状態が変短状態であって、2R大当りZbが決定された場合、2R大当り遊技におけるオープニング演出として2R大当り遊技用のオープニング演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、各ラウンド遊技におけるラウンド演出として上述した第1通常演出を実行させる。その後、演出制御用CPU31aは、上述したエンディング演出を実行させる。
【0182】
以上のように、本実施形態の遊技機では、連続大当り回数が5回に達すること、及び連続大当り回数が10回に達することにより特定条件が成立し、該特定条件の成立を契機として大当りの内容となる大当り遊技演出の演出内容を変化させる。したがって、本実施形態の演出制御用CPU31aは、特定条件の成立を契機として大当りの内容を変更する大当り内容変更手段として機能する。
【0183】
そして、本実施形態の遊技機は、各大当りの付与に伴って大当り遊技が生起されている場合に、保留中の図柄変動ゲーム(保留情報)の中に特定の変動内容(本実施形態では大当り変動)となる図柄変動ゲーム(保留情報)が含まれていることを報知する報知演出を実行可能に構成されている。以下、詳細に説明する。
【0184】
本実施形態の報知演出は、保留中の図柄変動ゲームに大当り表示結果が導出される大当り変動の図柄変動ゲームが含まれている可能性があること報知する予兆演出と、保留中の図柄変動ゲームに大当り変動の図柄変動ゲームが含まれていることを確定的に報知する確定演出とがある。
【0185】
図12(a)及び図13に示すように、本実施形態の予兆演出は、大当り遊技中における所定のタイミングにおいて、遊技盤10に配設された演出用可動体EKを上下左右に揺動させる態様により実行される。
【0186】
図12(b)及び図13に示すように、本実施形態の確定演出は、大当り遊技中における所定のタイミングにおいて、演出用可動体EKを初期位置P1から演出位置P2へ移動させるとともに、演出用可動体EKに内蔵された図示しないLEDなどの発光体を所定色(本実施形態では、青色、緑色、及び赤色)に発光させる態様により実行される。
【0187】
以下、報知演出(予兆演出、及び確定演出)を実行させるために演出制御用CPU31aが実行する制御(第1コマンド記憶処理、第2コマンド記憶処理、及び演出設定処理)について説明する。
【0188】
まず、第1コマンド記憶処理について説明する。
第1コマンド記憶処理において、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力したか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力していない場合、第1コマンド記憶処理を終了する。
【0189】
一方、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力している場合、該事前判定コマンドで特定可能な第2保留記憶数に対応する演出制御用RAM31cの記憶領域に事前判定コマンドの値を記憶させる。なお、前述のように、本実施形態の遊技機では、第2特図変動ゲームを対象とした事前判定コマンドが主制御用CPU30aから出力される。
【0190】
詳しく説明すると、演出制御用RAM31cには、第2保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域、第2保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域、第2保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域、及び第2保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域が設定されている。演出制御用CPU31aは、例えば事前判定コマンドE103Hを入力した場合、該コマンドから特定可能な第2保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に事前判定コマンドE103Hを記憶させる。その後、演出制御用CPU31aは、第1コマンド記憶処理を終了する。
【0191】
次に、第2コマンド記憶処理について説明する。
第2コマンド記憶処理において、演出制御用CPU31aは、第2特図変動ゲーム用の変動パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、第2特図変動ゲーム用の変動パターン指定コマンドを入力していない場合、第2コマンド記憶処理を終了する。
【0192】
一方、演出制御用CPU31aは、第2特図変動ゲーム用の変動パターン指定コマンドを入力している場合、演出制御用RAM31cにおいて、第2保留記憶数=n(n=2〜4)に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を第2保留記憶数=n−1に対応付けられた記憶領域に記憶させる。
【0193】
詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を第2保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶する。演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を第2保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶する。演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を第2保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶する。このとき、演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を消去(クリア)する。
【0194】
このような構成により、本実施形態では、第2始動入賞口15への入球を契機として記憶された保留情報(図柄変動ゲーム)に対応する事前判定コマンドの値が、該保留情報に基づく図柄変動ゲームが開始される迄の間、演出制御用RAM31cに保持される。
【0195】
次に、演出設定処理について説明する。
演出設定処理において、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、前述した大当り演出処理と同様にして、演出制御用RAM31cに記憶された大当り状態フラグを参照し、大当り判定時の遊技状態が変短状態であったか否か、及び大当り図柄(大当りの種類)を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、特定した大当り判定時の遊技状態や大当り図柄(大当りの種類)と、演出制御用RAM31cにおける事前判定コマンドの記憶状態とに基づいて、報知演出の実行可否、報知演出の実行タイミング、及び報知演出の演出内容を決定する。以下、詳細に説明する。
【0196】
演出制御用CPU31aは、大当り判定時の遊技状態が非変短状態(変短なし非確変状態又は変短なし確変状態)、及び変短状態(変短あり確変状態)の何れであるかに基づいて、報知演出の実行可否、及び実行可とする場合の実行タイミング(ラウンド遊技)を決定するための報知演出振分用テーブルを選択する。
【0197】
図14に示すように、報知演出振分用テーブルには、大当り判定時の遊技状態が非変短状態である場合に選択される第1報知演出振分用テーブルTAと、大当り判定時の遊技状態が変短状態である場合に選択される第2報知演出振分用テーブルTBとがある。第1報知演出振分用テーブルTA、及び第2報知演出振分用テーブルTBは演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0198】
各報知演出振分用テーブルTA,TBには、報知演出の実行可否と、報知演出を実行する場合のラウンド遊技(実行タイミング)を特定可能な実行パターンTP1〜TP12が対応付けられている。実行パターンTP1〜TP11は、報知演出の実行可と、報知演出を実行するラウンド遊技が特定されている。また、実行パターンTP12には、報知演出の実行不可(報知演出なし)が特定されている。
【0199】
そして、各報知演出振分用テーブルTA,TBでは、特図1の大当りZA〜ZC、及び特図2の大当りZa,Zbごとに区分して、実行パターンTP1〜TP12に対して第1演出振分用乱数の値が、該乱数の値の取り得る数値(全100通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。
【0200】
図中において、特図2の大当りZaの欄に示す「連続大当り回数5回」は、今回の大当りZaが連続大当り回数として5回目に計数される大当りである場合を示す一方で、「連続大当り回数10回」は、今回の大当りZaが連続大当り回数として10回目に計数される大当りである場合を示している。また、特図2の大当りZaの欄に示す「通常演出」は、今回の大当りZaが連続大当り回数として5回目又は10回目に計数されない大当りである場合を示している。
【0201】
なお、第1報知演出振分用テーブルTAには、「連続大当り回数5回」、及び「連続大当り回数10回」の場合について乱数の振分けが規定されていない。これは、非変短状態中に大当りZaが決定される場合、連続大当り回数は必ず1回であることから、「連続大当り回数5回」、及び「連続大当り回数10回」の状況が生じ得ないからである。
【0202】
図14(a)に示すように、第1報知演出振分用テーブルTAにおける乱数の値の振分け態様によれば、特図1の大当りZA〜ZDが決定されている場合には、報知演出の非実行を特定する実行パターンTP12のみが選択され得る。即ち、本実施形態の遊技機では、非変短状態において大当りZA〜ZDが付与され、大当り遊技が生起された場合(所謂初当りの場合)、該大当り遊技中に報知演出が実行され得ない。
【0203】
前述のように、非変短状態において大当りZA〜ZDが付与された場合には、大当り遊技中に昇格演出が実行される。しかしながら、本実施形態では、このような昇格演出が実行される大当り遊技中に報知演出が実行され得ないことから、昇格演出に対して遊技者に注目させ、昇格演出の興趣を向上させている。
【0204】
また、第1報知演出振分用テーブルTAによれば、特図2の16R大当りZaが決定され、且つ大当り遊技演出が通常演出である場合には、実行パターンTP1〜TP9,TP12の何れかが決定され得る。このため、非変短状態中に16R大当りが付与される場合には、大当り遊技中の2〜10回目のラウンド遊技において報知演出が実行され得るとともに、大当り遊技中に報知演出が実行されない場合もある。
【0205】
なお、第1報知演出振分用テーブルTAによれば、特図2の2R大当りZbが決定されている場合には、実行パターンTP12のみが決定され得る。このため、非変短状態中に2R大当りが付与される場合には、大当り遊技中に報知演出が実行され得ない。
【0206】
また、図14(b)に示すように、第2報知演出振分用テーブルTBにおける乱数の値の振分け態様によれば、特図1の大当りZAが決定されている場合には実行パターンTP10〜TP12が、大当りZBが決定されている場合には実行パターンTP8,TP9,TP12が決定され得る。同様に、特図1の大当りZCが決定されている場合には実行パターンTP6〜TP12が、大当りZDが決定されている場合には実行パターンTP4〜TP9,TP12が決定され得る。即ち、本実施形態の遊技機では、変短状態において大当りZA〜ZDが付与され、大当り遊技が生起された場合(所謂、連荘中における2回目以降の大当りの場合)、該大当り遊技において10回の単位開閉動作の終了後における最初のラウンド遊技から、最後から数えて3回前までのラウンド遊技において報知演出が実行され得る。
【0207】
前述のように、変短状態において大当りZA〜ZDが付与された場合には、大当り遊技の終了後に必ず変短状態が付与され、第2高確モードM3が設定されることから、大当り遊技中に昇格演出を実行しないようになっている。本実施形態の遊技機では、大当りZA〜ZCに基づく大当り遊技であっても昇格演出が実行されない場合には、報知演出を実行させることで、遊技者の興趣を向上させている。また、大当りZA〜ZCに基づく大当り遊技において、10回の単位開閉動作が終了した後には、ラウンド規定時間を25秒に設定してラウンド遊技が実行されることから、報知演出を実行するための演出時間を確保することもできる。
【0208】
また、第2報知演出振分用テーブルTBによれば、特図2の16R大当りZaが決定されている場合であって、大当り遊技演出が通常演出であるとき(連続大当り回数≠5回又は10回であるとき)には、実行パターンTP1〜TP9,TP12の何れかが決定され得る。このため、変短状態中に16R大当りが付与される場合には、非変短状態中と同様に、大当り遊技中の2〜10回目のラウンド遊技において報知演出が実行され得るとともに、大当り遊技中に報知演出が実行されない場合もある。
【0209】
このように、本実施形態の遊技機では、大当り遊技演出が通常演出となる16R大当り遊技では、大当り判定時の遊技状態に関係なく報知演出が実行され得る。これは、本実施形態の遊技機では、16R大当り遊技の終了後、大当り判定時の遊技状態に関係なく必ず変短状態が付与されることから、大当り遊技中に昇格演出を実行しないようになっているためである。
【0210】
その一方で、第2報知演出振分用テーブルTBによれば、特図2の16R大当りZaが決定されている場合であって、大当り遊技演出が第1特別演出(連続大当り回数=5回)、又は第2特別演出(連続大当り回数=10回)であるときには、実行パターンTP12のみが決定され得る。
【0211】
このため、変短状態中に16R大当りが付与される場合であって、大当り遊技演出として各特別演出の何れかが実行されるときには、大当り遊技中に報知演出が実行され得ない。前述のように、本実施形態の各特別演出は、連続大当り回数が5回又は10回のときにのみ実行される希少価値の高い大当り遊技演出である。このため、本実施形態の遊技機では、このような遊技者が高い関心を持って視認する各特別演出を伴う16R大当り遊技中に、報知演出が実行されることで却って遊技者の興趣を損なうことを抑制している。演出制御用CPU31aは、付与されている16R大当りZaが大当り遊技演出を変更された16R大当りZaである場合には、報知演出を実行させない一方で、付与されている16R大当りZaが大当り遊技演出を変更された16R大当りZa以外の16R大当りZaである場合には報知演出を実行させる。
【0212】
また、第2報知演出振分用テーブルTBによれば、特図2の2R大当りZbが決定されている場合には、実行パターンTP12のみが決定され得る。このため、変短状態中に2R大当りが付与される場合には、大当り遊技中に報知演出が実行され得ない。
【0213】
演出設定処理の説明にもどり、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから取得した第1演出振分用乱数の値をもとに、上述のように選択した第1報知演出振分用テーブルTA、又は第2報知演出振分用テーブルTBを参照し、実行パターンTP1〜TP12の何れかを決定する。演出制御用CPU31aは、実行パターンTP12を決定した場合、報知演出の実行不可を決定する。演出制御用CPU31aは、報知演出の実行不可を決定した場合、演出設定処理を終了する。この場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中に報知演出を実行させない。
【0214】
その一方で、演出制御用CPU31aは、実行パターンTP1〜TP11の何れかを決定した場合には、報知演出の実行を決定する。演出制御用CPU31aは、報知演出の実行を決定した場合、報知演出の具体的な演出内容を特定可能な演出パターンEP1〜EP4の中から何れかの演出パターンを決定する。
【0215】
図13(a)に示すように、演出パターンEP1は「ラウンド遊技の開始に伴い確定演出を実行」する演出内容を、演出パターンEP2は「ラウンド遊技の開始に伴い予兆演出を実行」する演出内容を特定している。また、演出パターンEP3は「ラウンド遊技の開始に伴い予兆演出、その後に確定演出を実行」する演出内容を、演出パターンEP4は「ラウンド遊技の開始から3秒後に確定演出を実行」する演出内容を特定している。
【0216】
そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて第2保留記憶数に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドE2Hの個数(16R大当りZaの回数)を計数する。即ち、演出制御用CPU31aは、実行が保留されている図柄変動ゲームに大当り変動となる図柄変動ゲームが含まれているか否かを事前判定するとともに、さらに大当り変動を経て付与される大当りの内容(大当りの種類)を事前判定している。したがって本実施形態では、演出制御用CPU31aが事前判定手段として機能する。
【0217】
そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第2演出振分用乱数の値を取得するとともに、該乱数の値と、計数した16R大当りZaが付与される大当り変動の回数とをもとに、演出パターン振分用テーブルTCを参照して演出パターンを決定する。演出パターン振分用テーブルTCは演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0218】
演出パターン振分用テーブルTCには、計数された16R大当りZaの回数として0回(なし)、1回、及び2回以上に区分して、各演出パターンEP1〜EP4に対して第2演出振分用乱数の値が、該乱数の取り得る数値(全251通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。演出パターン振分用テーブルTCによれば、例えば計数された16R大当りZaの回数が1回である場合、251分の51の確率で演出パターンEP1が、251分の100の確率で演出パターンEP2が、251分の50の確率で演出パターンEP3が、251分の50の確率で演出パターンEP4が決定され得る。
【0219】
演出パターン振分用テーブルTCにおける乱数の値の振分け態様によれば、16R大当りZaとなる図柄変動ゲームの実行が保留されていない場合には、演出パターンEP2が決定され得る一方で、演出パターンEP1,EP3,EP4が決定され得ない。したがって、本実施形態の確定演出は、保留中の図柄変動ゲームに16R大当りZaとなる大当り変動の図柄変動ゲームが含まれていることを確定的に報知する遊技演出として特徴づけられる。
【0220】
また、演出パターン振分用テーブルTCによれば、演出パターンEP2は、16R大当りZaとなる図柄変動ゲームの実行が保留されている場合、及び保留されていない場合の何れの場合にも決定され得る。したがって、本実施形態の予兆演出は、保留中の図柄変動ゲームに16R大当りZaとなる大当り変動の図柄変動ゲームが含まれている可能性があることを報知する遊技演出として特徴づけられる。
【0221】
演出制御用CPU31aは、確定演出を含む演出パターンEP1,EP3,EP4の何れかを決定した場合、さらに報知演出の演出内容として、演出用可動体EKの発光態様(本実施形態では発光色)を特定可能な発光パターンLP1〜LP3の中から何れかの発光パターンを決定する。
【0222】
図13(b)に示すように、発光パターンLP1は演出用可動体EKを「青色に発光」させる発光態様を、発光パターンLP2は「緑色に発光」させる発光態様を、発光パターンLP3は「赤色に発光」させる発光態様を特定している。
【0223】
そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第3演出振分用乱数の値を取得するとともに、該乱数の値と、上述のように計数した16R大当りZaが付与される大当り変動の回数とをもとに、発光パターン振分用テーブルTDを参照して発光パターンを決定する。発光パターン振分用テーブルTDは演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0224】
発光パターン振分用テーブルTDには、計数された16R大当りZaとなる大当り変動の回数として1回、及び2回以上に区分して、各発光パターンLP1〜LP3に対して第3演出振分用乱数の値が、該乱数の取り得る数値(全151通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。発光パターン振分用テーブルTDによれば、例えば計数された16R大当りZaとなる図柄変動ゲームの回数が1回である場合、151分の101の確率で発光パターンLP1が、151分の50の確率で発光パターンLP2が決定され得る。
【0225】
発光パターン振分用テーブルTDにおける乱数の値の振分け態様によれば、発光パターンLP1<LP2<LP3の順に、保留中の16R大当りZaの回数が1回である場合の決定割合と、2回以上である場合の決定割合の全体に占める、2回以上である場合の割合が高くなる。即ち、本実施形態の確定演出では、演出用可動体EKの発光色が青色<緑色<赤色の順に、16R大当りZaとなる図柄変動ゲームの実行が2回以上保留されている可能性が高くなる。
【0226】
特に、発光パターンLP3は、計数した16R大当りZaが付与される大当り変動の回数が2回以上である場合にのみ決定され得ることから、確定演出において演出用可動体EKの発光色が赤色である場合、16R大当りZaとなる大当り変動の図柄変動ゲームが2回以上、保留されていることを確定的に認識できる。そして、演出制御用CPU31aは、報知演出に関する各種パターンを決定すると演出設定処理を終了する。
【0227】
その後、演出制御用CPU31aは、決定した実行パターンから特定可能なラウンド遊技を指定するラウンド指定コマンドを入力すると、決定した演出パターンで特定される報知演出が実行されるように演出用可動体EKの動作を制御する。このとき、演出制御用CPU31aは、確定演出を含む演出パターンとともに発光パターンを決定している場合、該決定した発光パターンで特定される発光色となるように演出用可動体EKの発光態様を制御する。
【0228】
したがって、演出制御用CPU31aは、大当りの付与に伴って大当り遊技が生起されている場合であって、保留中の図柄変動ゲームに大当り変動の図柄変動ゲームが含まれるか否かの事前判定の判定結果が肯定であるときには報知演出が実行されるように報知演出実行手段としての演出表示装置11を制御する報知演出制御手段として機能する。そして、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の種類や、大当り判定時における遊技状態が変短状態であるか否か(所謂初当りであるか否か)といった、付与されている大当りの内容に応じて、報知演出を実行するラウンド遊技といった演出態様を異ならせている。
【0229】
さらに演出制御用CPU31aは、上記事前判定の判定結果や、大当り変動を経て付与される大当りの内容(16R大当りZaか否か)に応じて、確定演出及び予兆演出の何れとするかや、演出用可動体EKの発光色といった報知演出の演出態様を異ならせている。また、演出制御用CPU31aは、変短状態中に大当りが付与された場合には、該付与されている大当りが16R大当りZaであるか否かに応じて異なるラウンド遊技(期間)に報知演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、付与されている付与されている大当りが16R大当りZaである場合と、大当りZA〜ZDである場合とで異なるラウンド遊技(実行時期)に報知演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、付与されている大当りが大当りZA〜ZDである場合、10回の単位開閉動作が終了した後である特定期間としてのラウンド遊技において報知演出を実行させる。
【0230】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる
(1)大当りの付与に伴って大当り遊技が生起されている場合には、付与されている大当りの内容(大当り判定時の遊技状態が変短状態であるか否か)に応じて異なる演出態様により、保留中の図柄変動ゲームの中に大当り変動となる図柄変動ゲームが含まれていることを報知する報知演出が実行される。このため、報知演出の演出態様に変化を与え、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0231】
(2)付与されている大当りの内容(大当り判定時の遊技状態が変短状態であるか否か)と、事前判定した大当りの内容(16R大当りZaであるか否か)とに応じて異なる演出態様により報知演出が実行される。このため、さらに報知演出の演出態様に変化を与えつつ、遊技者が強い関心を抱く事項を報知することで、遊技者の興趣を向上できる。
【0232】
(3)事前判定した大当りの内容が16R大当り遊技の生起と、大当り遊技終了後の変短状態の生起とを含む16R大当りZaであることを条件に報知演出が実行される。このため、報知演出が実行されることに対する遊技者の期待感を高め、興趣の向上を図ることができる。
【0233】
(4)非変短状態において大当りZA〜ZDのうち大当りZA,ZBが付与された場合には、大当り遊技終了後に第2高確モードM3(変短あり確変状態)が設定される一方で、大当りZC,ZDが付与された場合には、大当り遊技終了後に第1高確モードM2(変短なし確変状態)が設定される。そして、変短状態において大当りZA〜ZDが付与された場合には、大当り遊技において報知演出が実行される一方で、非変短状態において大当りZA〜ZDが付与された場合には、大当り遊技において報知演出が実行されない。したがって、非変短状態における大当り(所謂初当り)であって、大当り遊技の終了後に第2高確モードM3(変短状態)が設定されるか否かについて遊技者が認識し難い状態において、報知演出を実行しないことで、大当り遊技終了後に変短状態が付与されるか否かに遊技者に注目させ、興趣を向上させることができる。
【0234】
(5)変短状態において大当りZA〜ZDが付与された場合には、大当り遊技において該大当り遊技終了後に第2高確モードM3が設定されるか否かを報知する昇格演出を実行する。したがって、昇格演出が実行される場合には、報知演出を実行しないことで、昇格演出に対して遊技者に注目させ、報知演出の実行によって却って興趣が低下することを抑制できる。
【0235】
(6)16R大当り遊技と16R大当り遊技以外の大当り遊技とで、異なる期間(ラウンド遊技)に報知演出が実行されることから、さらに報知演出の演出態様に変化を与えることができる。
【0236】
(7)大当りには、非変短状態において付与された場合、大当り遊技終了後に変短状態が付与される大当りZA,ZBと、変短状態が付与されない大当りZC,ZDがとある。そして、非変短状態中に大当りZA〜ZDが生起された場合には、報知演出を実行しないことで、大当り遊技終了後に変短状態が付与されるか否かに遊技者に注目させ、興趣を向上させることができる。
【0237】
(8)変短状態において大当りZA〜ZDが付与された場合には、大当り遊技の終了後に変短状態が付与される。そして、変短状態において大当りZA,ZBが付与された場合、及び大当りZC,ZDが付与された場合には、大当り遊技中に報知演出が実行される。したがって、大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合には、該大当り遊技中に報知演出を実行し、遊技者の興趣を向上できる。
【0238】
(9)非変短状態中に16R大当りZaが付与された場合、及び変短状態中に16R大当りZaが付与された場合には、大当り遊技中に報知演出を実行させる。したがって、大当り遊技の終了後に変短状態が生起される16R大当り遊技において報知演出を実行し、遊技者の興趣を向上できる
(10)16R大当りZaの付与に伴って16R大当り遊技が生起されている場合には、付与されている大当り遊技演出(大当りの内容)に応じて異なる演出態様により報知演出が実行される。そして、大当り遊技演出(大当りの内容)は特定条件の成立を契機として変更されることから、報知演出の演出態様の変化にさらにバリエーションを持たせることができる。したがって、報知演出の演出態様に変化を与え、大当り遊技における遊技者の興趣を向上させることができる。
【0239】
(11)大当り遊技演出を変更された16R大当りZaが付与されている場合には、報知演出が実行されないことから、特定条件が成立した場合にしか付与されない大当り遊技演出の大当りであるにも関わらず報知演出が実行されることで、遊技者が煩わしさを感じて却って興趣が低下することを抑制できる。
【0240】
(12)16R大当りZaに基づく16R大当り遊技、及び大当りZA〜ZDに基づく大当り遊技において、異なる実行時期(ラウンド遊技)に報知演出を実行することで、報知演出の実行態様に変化をあたえつつも、大入賞口の開放態様が同一又は略同一となるラウンド遊技(特定期間)に報知演出を実行することで、報知演出の関連性を想起させることができる。
【0241】
(13)特に、本実施形態では、大当りZA〜ZD,Zaに基づく大当り遊技において、ラウンド規定時間として25秒を設定したラウンド遊技にて報知演出を実行することから、報知演出の演出時間を確保できる。
【0242】
(14)連続大当り回数が5回、又は10回に達することのように、複数ある特定条件の何れかの成立により大当り遊技演出(大当りの内容)が変更されることから、該大当り遊技演出の変更に至るまでの経過にバリエーションをもたせ、遊技者の興趣を向上できる。
【0243】
(15)大当りZA〜ZD,Zaに基づく大当り遊技では報知演出が実行され得る一方で、大当りZbに基づく2R大当り遊技では報知演出を実行しない。このため、ラウンド規定回数が少ないにもかかわらず報知演出が実行されることで、大当り遊技演出として煩雑になることを抑制できる。
【0244】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・ 主制御用RAM30cに記憶する保留情報(大当り判定用乱数及び特図振分用乱数といった各種乱数の値など保留中の図柄変動ゲームを示す情報)は、主制御用RAM30cに記憶された順番とともに、最先に記憶された保留情報が何れであるかを特定可能に記憶されておればよい。例えば、主制御用RAM30cへの保留情報の記憶の手法としては、保留情報用の記憶領域において、空いている記憶領域の前から順に保留情報を記憶していくとともに、最先に保留情報を記憶した記憶領域を指示する記憶情報を主制御用RAM30cに記憶する。そして、図柄変動ゲームの開始時には、主制御用RAM30cに記憶されている記憶情報で指示される記憶領域から保留情報を読み出すとともに、その記憶領域の記憶内容を消去する。その後、次に早く保留情報を記憶した記憶領域を指示する記憶情報を主制御用RAM30cに記憶するといった手法がある。なお、演出制御用RAM31cにおける事前判定コマンドの記憶についても同様に変更できる。
【0245】
・ 報知演出は、その一部または全部を、遊技者が操作可能な演出用操作手段としての演出用ボタンの操作を契機として実行してもよい。例えば、演出制御用CPU31aは、確定演出の実行期間中に演出用ボタンの操作受付期間を設定するとともに、該操作受付期間内に演出用ボタンの操作が検出された場合には決定した発光パターンに基づき演出用可動体EKを発光させる一方で、検出されない場合には演出用可動体EKを予め定めた規定色(例えば白色など)で発光させるとよい。この場合、演出制御用CPU31aは、操作受付期間が設定されていることを報知する遊技演出を実行してもよく、該遊技演出を非実行としてもよい。
【0246】
・ 報知演出は、保留中の図柄変動ゲームの中に、特定の変動内容としてのリーチ演出を含む変動内容の図柄変動ゲームが含まれることを報知する遊技演出としてもよい。この場合、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理においてリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とを比較し、一致する場合にはその旨を示す特定の事前判定コマンドを出力するとよい。そして、演出制御用CPU31aは、前記特定の事前判定コマンドが演出制御用RAM31cに記憶されているか否かに応じて報知演出を実行するとよい。
【0247】
・ 報知演出は、大当り判定時の遊技状態が変短状態であるか否か(所謂初当りであるか否か)に関係なく、大当りZA〜ZDに基づく大当り遊技中に実行してもよい。但し、昇格演出に対する遊技者の興趣を向上させる観点からは、上記実施形態のように構成することが好ましい。
【0248】
・ 報知演出は、保留中の図柄変動ゲームに大当りZA〜ZD,Zbとなる大当り変動の図柄変動ゲームが含まれている場合に実行可能としてもよい。即ち、報知演出は、大入賞口の合計開放時間が最大ではない大当り遊技や、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない大当りを対象として実行してもよい。
【0249】
・ 報知演出は、保留中の図柄変動ゲームに大当り変動の図柄変動ゲームが含まれるか否かに基づき実行する構成とし、大当り変動を経て付与される大当りの内容(大当りの種類)を参照しなくてもよい、
・ 報知演出は、演出用可動体EKによる可動体演出に加えて、又は代えて演出表示装置11による表示演出、スピーカによる音声演出、LEDなどの発光体による発光演出として実行できる。例えば、報知演出は、所定のキャラクタを演出表示装置11に表示する態様により実行してもよい。また、報知演出は、これらの遊技演出を組み合わせて実行してもよい。その他の大当り遊技演出についても同様に変更できる。
【0250】
・ 大当りZA〜ZD,Za,Zbに基づく大当り遊技、即ちラウンド規定回数や大入賞口21の開放態様に応じて、報知演出の演出内容など報知演出の実行態様を異ならせてもよい。
【0251】
・ 大当り遊技演出を変更する特定条件は1つでもよく、3つ以上であってもよい。
・ 大当り遊技演出を変更する特定条件を変更してもよい。例えば、大当り遊技演出を変更する連続大当り回数を変更してもよい。また例えば、遊技状態が非変短状態である図柄変動ゲームを介在させることなく、16R大当りZaの付与回数が第1回数に達し、且つ2R大当りZbの付与回数が第2回数に達したことを特定条件としてもよい。
【0252】
・ 大当り遊技演出が特別演出に変更された場合であっても、16R大当り遊技中に報知演出を実行してもよい。但し、この場合には、報知演出を実行させるラウンド遊技(時期)や、報知演出の演出内容など報知演出の実行態様を異ならせる。
【0253】
・ 各大当りZA〜ZD,Za,Zbに基づく大当り遊技における大当り遊技演出を変更してもよい。例えば、大当りZA〜ZDに基づく大当り遊技中に昇格演出を実行しなくてもよく、また16R大当りZaのように特定条件の成立を契機に大当り遊技演出を変更してもよい。
【0254】
・ モード演出において移行可能な演出モードの数を変更してもよい。例えば、変短状態にて移行可能な演出モードを2種類以上に設定してもよく、非変短状態にて移行可能な演出モードを1種類、又は3種類以上に設定してもよい。
【0255】
・ 大当りの種類を変更してもよい。例えば、確変規定回数と変短規定回数とを異ならせた大当りや、大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない非確変大当りを設けてもよい。また、大当りに伴って生起される大当り遊技の内容を変更してもよい。ここで、大当り遊技の内容とは、ラウンド規定回数や、各ラウンド遊技における大入賞口21の開放時間、開放回数、及び閉鎖時間などである。
【0256】
・ 第1始動入賞口14、及び第2始動入賞口15への入球順に各特図変動ゲームを実行してもよい。
・ 第1始動入賞口14への遊技球の入球検知、及び第2始動入賞口15への遊技球の入球検知を契機に共通の特図変動ゲームを行ってもよい。
【0257】
・ 主制御用CPU30aは、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を特定可能な制御コマンドを出力してもよい。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドをもとに当りの種類を把握するようにしてもよい。
【0258】
・ 演出制御基板31をサブ統括制御基板とし、演出制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板を設けてもよい。
・ 本発明は、特図のみを用いる遊技機に具体化してもよい。
【0259】
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記大当りには、前記特定大当りとは異なる非特定大当りを含み、前記非特定大当りには、前記通常状態中に付与された場合に前記大当り遊技の終了後、前記入球率向上状態が生起される第1非特定大当りと、前記通常状態中に付与された場合に前記大当り遊技の終了後、前記入球率向上状態が生起されない第2非特定大当りと、を含み、前記報知演出制御手段は、前記通常状態中に前記第1非特定大当りが付与された場合、及び前記第2非特定大当りが付与された場合には前記報知演出を実行させないことが好ましい。
【0260】
(ロ)前記第1非特定大当り、及び前記第2非特定大当りが前記入球率向上状態中に付与された場合には、前記大当り遊技の終了後に前記入球率向上状態が生起されるようになっており、前記報知演出制御手段は、前記入球率向上状態中に前記第1非特定大当りが付与された場合、及び前記第2非特定大当りが付与された場合には前記報知演出を実行させることが好ましい。
【0261】
(ハ)前記報知演出制御手段は、前記通常状態中に前記特定大当りが付与された場合、及び前記入球率向上状態中に前記特定大当りが付与された場合には前記報知演出を実行させることが好ましい。
【符号の説明】
【0262】
EK…演出用可動体(報知演出実行手段)、M2…第1高確モード(非特定の演出モード)、M3…第2高確モード(特定の演出モード)、ZA…第1実質4R大当り(非特定大当り、第1非特定大当り、第2大当り)、ZB…第2実質4R大当り(非特定大当り、第1非特定大当り、第2大当り)、ZC…第1実質8R大当り(非特定大当り、第2非特定大当り、第2大当り)、ZD…第2実質8R大当り(非特定大当り、第2非特定大当り、第2大当り)、Za…16R大当り(特定大当り、第1大当り)、11…演出表示装置(ゲーム表示手段、モード報知演出実行手段)、21…大入賞口(特別入賞口)、30…主制御基板、30a…主制御用CPU(記憶制御手段、変動内容決定手段)、30c…主制御用RAM(記憶手段)、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU(ゲーム制御手段、事前判定手段、報知演出制御手段、モード設定手段、モード報知演出制御手段、大当り内容変更手段)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14