(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収納投出部の硬貨が所定量以上になった場合に前記収納投出部内の硬貨を前記金箱に移す自動収集モードと、手動操作に基づいて前記収納投出部内の硬貨を前記金箱に移す手動収集モードとのいずれか一方を設定する収集モード設定手段を具備している
ことを特徴とする請求項2ないし4いずれか一記載の硬貨処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、満杯近くにある金箱が複数あるとした状況で、1つの金箱が満杯になったために、満杯となった金箱の回収作業を行い、その後、硬貨処理装置の処理を再開すると、続けて別の金箱が満杯になり、金箱の回収作業を短時間に続けて何度も行わなければならないことがあり、金箱の回収作業に手間がかかる課題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、金箱の回収作業の手間を省くことができる硬貨処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の硬貨処理装置は、機体外から硬貨を受け入れ、硬貨を金種別に選別する入金部と、前記入金部で選別された硬貨を受け入れて収納するとともに、収納した硬貨を投出する金種別の収納投出部と、前記機体から取り出し可能とし、前記入金部で選別された硬貨を受け入れて収納する金種別の金箱と、前記金箱のうちのいずれかの金種の前記金箱で硬貨が満杯になった満杯時に、他の金種の前記金箱のうち硬貨が所定量以上の満杯近くにある前記金箱について、前記入金部を通じて対応する金種の硬貨を前記金箱に収納させて満杯にする同時回収処理を行う制御部とを具備しているものである。
【0008】
請求項2記載の硬貨処理装置は、機体外から硬貨を受け入れ、硬貨を金種別に選別する入金部と、前記入金部で選別された硬貨を受け入れて収納するとともに、収納した硬貨を投出する金種別の収納投出部と、前記機体から取り出し可能とし、前記入金部で選別された硬貨を受け入れて収納する金種別の金箱と、前記収納投出部から投出された硬貨を前記金箱に搬送する搬送部と、前記金箱のうちのいずれかの金種の前記金箱で硬貨が満杯になった満杯時に、他の金種の前記金箱のうち硬貨が所定量以上の満杯近くにある前記金箱について、対応する金種の硬貨を前記収納投出部から投出させるとともに前記搬送部を経て前記金箱に収納させて満杯にする同時回収処理を行う制御部とを具備しているものである。
【0009】
請求項3記載の硬貨処理装置は、機体外から硬貨を受け入れ、硬貨を金種別に選別する入金部と、前記入金部で金種別に選別された硬貨を金種別に一時保留する一時保留部と、前記一時保留部から硬貨を受け入れて収納するとともに、収納した硬貨を投出する金種別の収納投出部と、前記収納投出部から投出された硬貨を前記入金部に搬送する搬送部と、前記機体から取り出し可能とし、前記一時保留部から硬貨を受け入れて収納する金種別の金箱と、前記金箱のうちのいずれかの金種の前記金箱で硬貨が満杯になった満杯時に、他の金種の前記金箱のうち硬貨が所定量以上の満杯近くにある前記金箱について、対応する金種の硬貨を前記収納投出部から投出させるとともに前記搬送部、前記入金部および前記一時保留部を経て前記金箱に収納させて満杯にする同時回収処理を行う制御部とを具備しているものである。
【0010】
請求項4記載の硬貨処理装置は、請求項3記載の硬貨処理装置において、前記一時保留部は、金種別に独立して前記収納投出部および前記金箱のいずれか一方に硬貨を振り分けて収納させるものである。
【0011】
請求項5記載の硬貨処理装置は、請求項1ないし4いずれか一記載の硬貨処理装置において、満杯近くにある前記金箱における硬貨の収納枚数、硬貨の満杯不足枚数、および同時回収処理にかかる時間の少なくともいずれか1つを表示する同時回収表示部と、前記同時回収処理の可否を受け付ける同時回収受付手段とを具備し、前記制御部は、前記同時回収受付手段で前記同時回収処理を受け付けることにより前記同時回収処理を行うものである。
【0012】
請求項6記載の硬貨処理装置は、請求項1ないし5いずれか一記載の硬貨処理装置において、前記制御部は、前記機体外から前記入金部に受け入れた硬貨を、前記金箱に収納させ、前記金箱が満杯になったら前記収納投出部に収納させるものである。
【0013】
請求項7記載の硬貨処理装置は、請求項1ないし6いずれか一記載の硬貨処理装置において、前記金箱に収納する硬貨の枚数を計数する計数手段を備え、前記制御部は、前記計数手段による計数に基づいて前記金箱に収納される硬貨の枚数を管理し、前記金箱に所定の満杯枚数分の硬貨を収納させるものである。
【0014】
請求項8記載の硬貨処理装置は、請求項1ないし7いずれか一記載の硬貨処理装置において、前記機体からの前記金箱の取り出しを検知する金箱検知手段を具備し、前記制御部は、前記機体外から前記入金部に受け入れた硬貨のうち、前記金箱検知手段で取り出しが検知されている前記金箱に対応する金種の硬貨を、前記収納投出部に収納させるものである。
【0015】
請求項9記載の硬貨処理装置は、請求項2ないし4いずれか一記載の硬貨処理装置において、前記収納投出部の硬貨が所定量以上になった場合に前記収納投出部内の硬貨を前記金箱に移す自動収集モードと、手動操作に基づいて前記収納投出部内の硬貨を前記金箱に移す手動収集モードとのいずれか一方を設定する収集モード設定手段を具備しているものである。
【0016】
請求項10記載の硬貨処理装置は、請求項9記載の硬貨処理装置において、手動収集モードにおいて、前記収納投出部の硬貨が所定量以上あれば、手動収集を促す表示をする手動収集表示部を具備しているものである。
【0017】
請求項11記載の硬貨処理装置は、請求項9または10記載の硬貨処理装置において、金箱回収表示部を具備し、前記制御部は、自動収集モードにおいて、前記収納投出部の硬貨の収納量と前記金箱の硬貨の収納量とに基づいて自動収集によって満杯になる金種の前記金箱を判断し、前記金箱回収表示部で自動収集によって満杯になる金種の前記金箱の回収を促す表示をさせるものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の硬貨処理装置によれば、ある金種の金箱が満杯になったときに、他に満杯近くにある金箱があれば、その金箱を同時回収処理によって満杯にするため、複数の金箱の回収作業を一度に行え、金箱の回収作業の手間を省くことができる。
【0019】
請求項2や請求項3記載の硬貨処理装置によれば、ある金種の金箱が満杯になったときに、他に満杯近くにある金箱があれば、対応する金種の収納投出部の硬貨を金箱に移す同時回収処理によって満杯にするため、複数の金箱の回収作業を一度に行え、金箱の回収作業の手間を省くことができる。
【0020】
請求項4記載の硬貨処理装置によれば、請求項3記載の硬貨処理装置の効果に加えて、入金部で選別された硬貨を金種別に独立した一時保留部に受け入れ、各一時保留部から収納投出部または金箱にそれぞれ硬貨を振り分けて収納するため、金箱が満杯になった金種の硬貨は収納投出部に収納し、満杯近くの金種を含む他の金種の硬貨は金箱に収納するというように、硬貨を金種毎に任意の場所に収納できる。
【0021】
請求項5記載の硬貨処理装置によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の硬貨処理装置の効果に加えて、満杯近くにある金箱における硬貨の収納枚数、硬貨の満杯不足枚数、および同時回収処理にかかる時間の少なくともいずれか1つを表示し、同時回収処理の可否を受け付けるため、作業者が表示を見て同時回収処理の可否を任意に選択できる。
【0022】
請求項6記載の硬貨処理装置によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の硬貨処理装置の効果に加えて、機体外から入金部に受け入れた硬貨を、金箱に収納させるとともに、金箱が満杯になったら収納投出部に収納させるため、機体外から硬貨を受け入れて同時回収処理ができるとともに、金箱が満杯になっても入金処理を継続でき、満杯になった金箱の回収作業は時間に余裕のあるときに行うことができ、利便性を向上できる。
【0023】
請求項7記載の硬貨処理装置によれば、請求項1ないし6いずれか一記載の硬貨処理装置の効果に加えて、金箱に収納される硬貨の枚数を管理し、金箱に所定の満杯枚数分の硬貨を収納させるため、金箱の回収処理後の後処理を容易にできる。
【0024】
請求項8記載の硬貨処理装置によれば、請求項1ないし7いずれか一記載の硬貨処理装置の効果に加えて、機体外から入金部に受け入れた硬貨のうち、機体外に取り出されている金箱に対応する金種の硬貨を、収納投出部に収納させるため、金箱が取り出された状態でも、入金部に硬貨を受け入れて入金処理することができる。
【0025】
請求項9記載の硬貨処理装置によれば、請求項2ないし4いずれか一記載の硬貨処理装置の効果に加えて、入金処理および収集処理ともに入金部を使用することから、自動収集モードでは作業者の意思に関わらず収集処理を開始してしまうと入金処理ができなくなってしまうが、手動収集モードでは作業者の意思で収集処理を開始させるので、不用意に入金処理ができなくなるのを防止できる。
【0026】
請求項10記載の硬貨処理装置によれば、請求項9記載の硬貨処理装置の効果に加えて、手動収集モードにおいては、収納投出部の硬貨が所定量以上あれば、手動収集を促す表示をするため、収納投出部が満杯になるのを防止し、入金処理の空いている時間帯での収集処理ができる。
【0027】
請求項11記載の硬貨処理装置によれば、請求項9または10記載の硬貨処理装置の効果に加えて、自動収集モードにおいては、収納投出部の硬貨の収納量と金箱の硬貨の収納量とに基づいて自動収集によって満杯になる金種の金箱を判断し、自動収集によって満杯になる金種の金箱の回収を促す表示をするため、自動収集中に金箱が満杯になって自動収集が止まるのを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の第1の実施の形態を、
図1ないし
図9を参照して説明する。
【0030】
図2に示すように、硬貨処理装置10は、機体11を有し、機体11の上面にはシャッタで開閉される硬貨の入金口12等が形成され、機体11の前面には硬貨の出金箱13、返却箱14、入金リジェクト箱15、収納投出部ユニット16および金箱ユニット17等がそれぞれ引出可能に配設されている。
【0031】
図1(
図1では硬貨処理装置10の構成を説明するために一部を分けて示しており、そのため一部が重複して示されている)、
図3ないし
図5に示すように、硬貨処理装置10は、機体11の上部側に入金部20が配設され、この入金部20の下部側に金種別の一時保留部(入金一時保留部)21が前後方向に沿って配設され、この一時保留部21より下部側の一側(左側)に収納投出部ユニット16に搭載された金種別の収納投出部22が前後方向に沿って配設され、一時保留部21より下部側の他側(右側)に金箱ユニット17に搭載された金種別の金箱23が前後方向に沿って配設され、一時保留部21の下部側で収納投出部22と金箱23との間に返却箱14が配設され、収納投出部22の左側部に横搬送部24が前後方向に沿って配設され、横搬送部24の後部側から入金部20に亘って縦搬送部25が配設され、横搬送部24の前側に出金箱13を含めて出金機構26が配設されている。
【0032】
そして、入金部20は、入金口12から投入された硬貨を受け入れて所定量ずつ送り出す供給部30、この供給部30または縦搬送部25から送り込まれる硬貨を受け入れて1枚ずつ繰り出す繰出部31、および繰出部31から1枚ずつ繰り出される硬貨を搬送する搬送通路32を備えている。供給部30および繰出部31は、例えば回転円盤を用いた硬貨繰出構造が採用されている。搬送通路32は、通路内の硬貨を搬送する搬送ベルトなどの搬送手段を備えている。
【0033】
搬送通路32には、搬送手段によって搬送する硬貨を識別する識別部33が配設され、この識別部33より搬送方向下流側の選別通路部分が機体11の前側から後側へ向けて配設されており、この選別通路部分に硬貨を選別する複数の選別部34が配設されている。選別部34には、搬送方向上流側から、識別部33で識別不能と判別されたリジェクト硬貨を選別するリジェクト硬貨選別部、任意の金種あるいは種類の任意硬貨を選別する任意硬貨選別部、5円硬貨、1円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、10円硬貨、500円硬貨の各金種硬貨を選別する金種別選別部が含まれている。リジェクト硬貨選別部で選別されたリジェクト硬貨は入金リジェクト箱15に送り込まれ、任意硬貨選別部で選別された任意硬貨および各金種別選別部で選別された各金種硬貨は一時保留部21に金種別に送り込まれる。
【0034】
なお、識別部33は、各金箱23に収納した硬貨の枚数を管理するために、硬貨の金種を識別して各金種の金箱23に収納される各金種毎の硬貨の枚数を計数する計数手段として構成されている。
【0035】
また、一時保留部21は、機体11の前後方向に沿って金種別に配設されており、金種別の一時保留部21毎に対応して金種別に区画されていて上下方向に開口された保留枠40、および保留枠40の底面を開閉する底板(図示せず)等を有している。保留枠40は、モータなどの電気的駆動手段によって機体11の左右方向に沿って移動可能であって、収納投出部22、返却箱14、金箱23のいずれの上方位置にも移動可能としている。底板は、モータなどの電気的駆動手段によって機体11の左右方向に沿って移動可能であって、収納投出部22および返却箱14の上方位置に移動可能としている。
【0036】
保留枠40が搬送通路32の下方(各選別部34の下方)に位置するとともに返却箱14の上方に位置し、底板が保留枠40の底面を閉塞している位置を一時保留部21の一時保留位置とし、搬送通路32の金種別選別部で金種別に選別された硬貨をそれぞれ収納して一時保留する。一時保留した硬貨の収納投出部22への収納時には保留枠40のみが収納投出部22上に移動して一時保留硬貨を収納投出部22に放出し、一時保留した硬貨の金箱23への収納時には保留枠40のみが金箱23上に移動して一時保留硬貨を金箱23に放出し、一時保留した硬貨の返却時には底板のみが収納投出部22上に移動して保留枠40の底面を開放することにより一時保留硬貨を返却箱14に放出する。なお、一時保留部21と収納投出部22との間、一時保留部21と金箱23との間には、一時保留部21で金種別に一時保留された硬貨が収納投出部22や金箱23に放出される際に金種が混ざらないように、区画された放出通路(図示せず)が設けられている。
【0037】
なお、金種別の一時保留部21の最前部には、搬送通路32の任意選別部で選別された任意硬貨を一括して一時保留する一括一時保留部21aが配設されている。
【0038】
また、収納投出部22は、収納投出部ユニット16に搭載されて機体11の前後方向に沿って金種別に配設されている。収納投出部22は、一時保留部21から放出される硬貨を金種別に収納し、各収納投出部22の下部に配設されている投出機構50によって収納されている硬貨を1枚ずつ横搬送部24へ投出可能とする。投出機構50は、例えば回転円盤を用いた硬貨繰出構造が採用されている。各収納投出部22には、出金に準備して例えば200枚程度の出金準備金(
図7および
図8のAのレベルに相当)が収納可能であるとともに、さらに出金準備金よりも多い枚数の硬貨を収納可能としており、各収納投出部22に例えば2000枚程度の硬貨を収納可能としている。
【0039】
なお、金種別の収納投出部22の最前部には、一括一時保留部21aから放出される任意硬貨や後述する精査時におけるリジェクト硬貨を収納する一括収納箱22aが配設されている。この一括収納箱22aは、硬貨を繰り出すことはできない構造である。一括収納箱22a中の硬貨は、収納投出部22と一体的に機体11の前面に引き出して取り出すことができる。
【0040】
また、金箱23は、金箱ユニット17に搭載されて機体11の前後方向に沿って金種別に配設されている。各金箱23は、個別に設けられていて、上面を開口した箱状に形成されており、例えば4000枚程度の硬貨を収納可能としている。各金箱23は、金箱ユニット17を機体11から引き出した状態で、その金箱ユニット17に対して上方に抜き取り、および上方から差し込み可能としている。
【0041】
なお、金種別の金箱23の最前部には、一括一時保留部21aから放出される任意硬貨を収納する一括金箱23aが配設されている。
【0042】
また、返却箱14は、機体11の前後方向に沿って長く、上面が開口された箱状に形成されており、一時保留部21(一括一時保留部21aも含む)から放出される硬貨を一括して受け入れて収納可能とする。
【0043】
また、横搬送部24は、機体11の前後方向に沿って配設されていて各収納投出部22(一括収納箱22aは除く)から投出される硬貨を受け入れて搬送するベルトコンベヤによって構成されている。このベルトコンベヤは、受け入れた硬貨を、回収時または精査時に機体11の後部側へ搬送し、出金時に機体11の前部側へ搬送するように構成されている。
【0044】
また、縦搬送部25は、横搬送部24の後部側へ搬送された硬貨を受け入れて上方の入金部20に搬送するベルトコンベヤによって構成されている。このベルトコンベヤは、表面に硬貨を引っ掛けて搬送する突起付きのベルトを用いて上方の入金部20に搬送可能としている。本実施の形態では、縦搬送部25によって硬貨を入金部20の繰出部31に搬送するようにしているが、入金部20の供給部30に搬送するようにしてもよい。
【0045】
そして、横搬送部24および縦搬送部25によって収納投出部22から投出された硬貨を入金部20に搬送する搬送部55が構成されている。
【0046】
また、出金機構26は、横搬送部24の前部側から送り込まれる出金硬貨を受け入れる出金一時保留部60、横搬送部24から出金一時保留部60に送り込まれる出金硬貨の金種を判別する判別部61、および出金箱13を昇降させるリフト62等を備えている。
【0047】
出金一時保留部60は、横搬送部24の前部側の一時保留位置にて横搬送部24から送り込まれる出金硬貨を受け入れて一時保留し、一時保留後の出金時にはリフト62によって下方の受取位置に下降された出金箱13上に移動して出金硬貨を放出し、一時保留後の回収時(判別部61の判別で、出金金種および金額との不一致等の出金異常と判別した場合)には機体11内に配置される出金リジェクト箱63上に移動して硬貨を放出する。
【0048】
リフト62は、出金箱13を、機体11から取出可能とする上方の取出位置と、出金一時保留部60から出金硬貨を受け入れる下方の受取位置との間で昇降させる。
【0049】
また、
図6に示すように、硬貨処理装置10は、この硬貨処理装置10を制御する制御部70を備えている。制御部70には、操作部71、表示部72、機体11からの各金箱23の取り出し(未装着)を検知する金箱検知手段73、および上述した硬貨処理装置10の各構成が接続されている。なお、操作部71および表示部72は、タッチパネルディスプレイで一体に構成されている。
【0050】
制御部70は、金箱23のうちのいずれかの金種の金箱23で硬貨が満杯になった満杯時に、他の金種の金箱のうち硬貨が所定量以上の満杯近くにある金箱について、入金部20を通じて対応する金種の硬貨を金箱23に収納させて満杯にする同時回収処理を行う機能を有している。
【0051】
同時回収処理では、対応する金種の硬貨を収納投出部22から投出させるとともに搬送部55、入金部20および一時保留部21を経て金箱23に収納させて満杯にする第1の同時回収処理方式と、機体11外から投入される硬貨を入金部20および一時保留部21を経て金箱23に収納させて満杯にする第2の同時回収処理方式とがある。
【0052】
表示部72は、満杯近くにある金箱23における硬貨の収納枚数、硬貨の満杯不足枚数、および同時回収処理にかかる時間の少なくともいずれか1つを表示する同時回収表示部として構成され、また、操作部71は、同時回収処理の可否を受け付ける同時回収受付手段として構成され、そして、制御部70は、同時回収受付手段で同時回収処理を受け付けることにより同時回収処理を行う機能を有している。
【0053】
制御部70は、識別部33で構成される計数手段による計数に基づいて金箱23に収納される硬貨の枚数を管理し、金箱23に所定の満杯枚数分の硬貨を収納させる機能を有している。
【0054】
制御部70は、機体11外から入金部20に受け入れた硬貨のうち、金箱検知手段73で取り出しが検知されている金箱23に対応する金種の硬貨を、収納投出部22に収納させる機能を有している。
【0055】
また、操作部71は、収納投出部22の硬貨が所定量以上になった場合に収納投出部22内の硬貨を金箱23に移す自動収集モードと、手動操作に基づいて収納投出部22内の硬貨を金箱23に移す手動収集モードとのいずれか一方を設定する収集モード設定手段として構成されている。なお、自動収集モードでは、収集を開始する収納投出部22の硬貨枚数を任意に設定可能とする。
【0056】
表示部72は、手動収集モードにおいて、収納投出部22の硬貨が所定量以上あれば、手動収集を促す表示をする手動収集表示部として構成されており、そして、制御部70は、手動収集モードにおいて、収納投出部22の硬貨が所定量以上あるか否かを判断し、所定量以上あれば、手動収集表示部で手動収集を促す表示をさせる機能を有している。
【0057】
表示部72は、自動収集モードにおいて、自動収集によって満杯になる金種の金箱23の回収を促す表示をする金箱回収表示部として構成されており、そして、制御部70は、自動収集モードにおいて、収納投出部22の硬貨の収納量と金箱23の硬貨の収納量とに基づいて自動収集によって満杯になる金種の金箱23を判断し、金箱回収表示部で自動収集によって満杯になる金種の金箱23の回収を促す表示をさせる機能を有している。
【0058】
次に、硬貨処理装置10の動作を説明する。
【0060】
入金部20に受け入れた入金硬貨を、繰出部31から1枚ずつ搬送通路32に繰り出し、搬送通路32に沿って搬送する。
【0061】
搬送通路32を搬送する入金硬貨を識別部33で識別し、処理対象外や識別不能な入金リジェクト硬貨は入金リジェクト硬貨選別部で選別して入金リジェクト箱15に送り込み、また、正常な入金硬貨は金種別選別部で選別し、それぞれ選別した硬貨を一時保留部21に金種別に一時保留する。入金リジェクト硬貨を収納した入金リジェクト箱15は、機体11から引き出して入金リジェクト硬貨を取出可能とする。なお、入金リジェクト箱15は、機体11から引き出す箱型タイプでなく、前面のシャッタを開けて中の硬貨を取り出すタイプのものでもよい。
【0062】
一時保留後の入金承認指令により、一時保留部21の保留枠40が金箱23上に移動し、一時保留部21内の入金硬貨を放出して金箱23に金種別に収納する。なお、通常は、入金硬貨を金箱23に収納するが、収納投出部22のうち出金準備金が少ない収納投出部22がある場合には、一時保留した入金硬貨を収納投出部22に収納してもよい。
【0063】
一時保留後の返却指令により、一時保留部21の底板が開放移動し、一時保留部21内の返却硬貨を放出して返却箱14に収納する。返却硬貨を収納した返却箱14は、機体11から引き出して返却硬貨を取り出すことができる。
【0064】
また、入金処理中には、識別部33で識別する金種の硬貨を金箱23に収納した場合の収納枚数を監視している。ある金種の金箱23で満杯となる硬貨(例えば4000枚目の硬貨)を識別部33で識別したら、その満杯となる硬貨よりも後続の硬貨の搬送を停止させ、その満杯となる硬貨が一時保留部21に一時保留された後、一時保留部21の硬貨を金箱23に収納することにより、ある金種の金箱23に所定枚数(例えば4000枚)の硬貨を収納させて満杯にする。
【0065】
その後、停止させていた後続の硬貨の入金処理を再開し、硬貨を識別および選別して一時保留部21に保留するが、一時保留部21に一時保留された硬貨は、金箱23でなく、収納投出部22に収納させる。なお、入金処理の再開後、識別部33で満杯の金種の硬貨が識別されなかった場合には、一時保留部21の硬貨を金箱23に収納してもよい。
【0066】
そして、ある金箱23が満杯になった場合の動作を
図7ないし
図9を参照して説明する。
図7は同時回収処理前の収納投出部22および金箱23の硬貨収納状態を示す説明図、
図8は同時回収処理後の収納投出部22および金箱23の硬貨収納状態を示す説明図、
図9は同時回収処理のフローチャートである。なお、ここでは、収納投出部22の硬貨を金箱23に移動させて満杯にする第1の同時回収処理方式について説明する。
【0067】
図7に示すように、100円硬貨の金箱23が満杯になったとする。表示部72で、満杯となった金種および回収を促す表示を行う。作業者が金箱23の回収作業を行うために、操作部71で回収操作をすると(ステップ1)、100円硬貨以外の他の金種の金箱23のうち同時回収処理が可能な金箱23があるか否かを判断する(ステップ2)。同時回収処理が可能な条件としては、硬貨が所定量以上の満杯近くあり、該当金種の収納投出部22に満杯に不足枚数分の硬貨が収納されているとともにその収納投出部22に十分な量の出金準備金がある場合としている。
【0068】
例えば50円硬貨および10円硬貨の金箱23で同時回収処理が可能であったとする。表示部(同時回収表示部)72では、「同時回収可能な金種があります」という案内表示、同時回収可能な金種の一覧表示、同時回収する金種を選択する選択ボタン表示、さらに、同時回収可能な金箱23における収納枚数、満杯不足枚数、同時回収にかかる時間の少なくともいずれか1つを表示する。さらに、表示部72では、同時回収しないを選択するための選択ボタンも表示する。
【0069】
このとき、作業者が同時回収を待つ時間がなくて後で回収すればよいと考える場合には、操作部71で同時回収しないを選択し、満杯になった100円硬貨の金箱23のみを回収作業する。
【0070】
そして、作業者が、時間に余裕があり、同時回収を待っても複数の金箱23を一度に回収したいと考え、操作部71で同時回収する金種を選択した場合には(ステップ3)、選択された金種の同時回収処理を実行する(ステップ4)。同時回収処理中には、表示部72で同時回収処理中であることを表示する。
【0071】
同時回収処理では、50円硬貨および10円硬貨の収納投出部22から硬貨を1枚ずつ計数しながら投出し、満杯不足枚数分の硬貨を投出し終えたら収納投出部22からの硬貨の投出を停止する。例えば、満杯には200枚不足している場合には、収納投出部22から200枚の硬貨を投出する。収納投出部22から投出された硬貨は、横搬送部24、縦搬送部25、入金部20を経て一時保留部21に一時保留する。満杯不足枚数分の硬貨の一時保留後に、一時保留部21の硬貨を金箱23に放出し、50円硬貨および10円硬貨の金箱23も満杯にする(
図8参照)。
【0072】
同時回収処理が終了したら(ステップ5)、表示部72で回収待ちの画面を表示する。
【0073】
作業者は、金箱ユニット17を機体11から引き出し、金箱ユニット17から100円硬貨の金箱23とともに50円硬貨の金箱23および10円硬貨の金箱23をそれぞれ取り出し、これら金箱23を所定の場所に運搬して硬貨を回収する。
【0074】
その後、空とした金箱23を金箱ユニット17に戻し、金箱ユニット17を機体11に戻し、次の処理が可能となる。
【0075】
また、金箱ユニット17とともに金箱23が機体11外にある場合、回収作業を行う金箱23が取り出された状態で金箱ユニット17が機体11内に配置されている場合、金箱検知手段73で金箱23の取り出し(未装着)を検知している。この状態においても、入金部20に硬貨を受け入れて入金処理することができる。すなわち、入金部20では受け入れた硬貨を識別および選別して一時保留部21に一時保留するが、一時保留部21の硬貨は、金箱23でなく、収納投出部22に収納する。したがって、金箱23が装着されていなくても、入金部20に硬貨を受け入れて入金処理することができる。
【0076】
また、第2の同時回収処理方式でも、複数の金箱23の同時回収ができる。すなわち、表示部72で満杯近い金種が表示されるため、1つの満杯近い金種の硬貨を入金部20に投入し、入金処理を開始する。入金処理中には、識別部33で識別する金種の硬貨を金箱23に収納した場合の収納枚数を監視しているため、満杯となる硬貨(例えば4000枚目の硬貨)を識別部33で識別したら、その満杯となる硬貨よりも後続の硬貨の搬送を停止させ、その満杯となる硬貨が一時保留部21に一時保留された後、一時保留部21の硬貨を金箱23に収納することにより、ある金種の金箱23に所定枚数(例えば4000枚)の硬貨を収納させて満杯にする。
【0077】
その後、停止させていた後続の硬貨の入金処理を再開し、硬貨を選別して一時保留部21に一時保留するが、一時保留部21に一時保留された硬貨は、金箱23でなく、収納投出部22に収納する。例えば、満杯には200枚不足していて、500枚の硬貨を投入した場合、200枚の硬貨を金箱23に収納し、残りの300枚は対応する金種の収納投出部22に収納する。したがって、第2の同時回収処理方式でも、複数の金箱23の同時回収ができる。
【0078】
このように、硬貨処理装置10では、ある金種の金箱23が満杯になったときに、他に満杯近くにある金箱23があれば、その金箱23を同時回収処理によって満杯にするため、複数の金箱23の回収作業を一度に行え、金箱23の回収作業の手間を省くことができる。
【0079】
しかも、対応する金種の収納投出部22の硬貨を金箱23に移すことによって金箱23を満杯にすることができ、また、機体11外から投入される硬貨を金箱23に収納させることによって金箱23を満杯にすることができる。
【0080】
また、満杯近くにある金箱23における硬貨の収納枚数、硬貨の満杯不足枚数、および同時回収処理にかかる時間の少なくともいずれか1つを表示し、同時回収処理の可否を受け付けるため、作業者が表示を見て同時回収処理の可否を任意に選択できる。
【0081】
また、機体11外から入金部に受け入れた硬貨を、金箱23に収納させるとともに、金箱23が満杯になったら収納投出部22に収納させるため、機体11外から硬貨を受け入れて同時回収処理ができるとともに、金箱23が満杯になっても入金処理を継続でき、満杯になった金箱23の回収作業は時間に余裕のあるときに行うことができ、利便性を向上できる。
【0082】
また、金箱23に収納される硬貨の枚数を識別部33で計数して管理し、金箱23に所定の満杯枚数分の硬貨を収納させるため、再度の計数作業を行わずに済み、金箱23の回収処理後の後処理を容易にできる。
【0083】
また、機体11外から入金部20に受け入れた硬貨のうち、機体11外に取り出されている金箱23に対応する金種の硬貨を、収納投出部22に収納させるため、金箱23が取り出された状態でも、入金部20に硬貨を受け入れて入金処理することができる。
【0085】
出金対象金種の収納投出部22から所定の出金枚数分の出金硬貨を投出する。投出された出金硬貨は、横搬送部24により前部側へ搬送して出金一時保留部60に放出する。横搬送部24から出金一時保留部60に放出する出金硬貨は判別部61で判別・計数する。
【0086】
収納投出部22からの出金額分の出金硬貨の投出が完了し、判別部61での判別によって出金額分の出金硬貨が横搬送部24から出金一時保留部60に放出されたことを確認したら、出金一時保留部60が出金箱13側に移動して出金硬貨を放出して出金箱13に収納する。なお、出金箱13は、予め下方の受取位置に移動して待機している。
【0087】
出金一時保留部60が横搬送部24から出金硬貨を受け入れる位置に戻り、出金硬貨を収納した出金箱13がリフト62によって上方の取出位置に移動する。出金箱13を機体11から引き出し、出金硬貨を取り出す。
【0088】
出金硬貨を取り出した出金箱13が機体11内に戻されると、出金箱13がリフト62によって下方の受取位置に移動し、次の出金硬貨の搬送に待機する。
【0090】
収集処理は、収納投出部22内の硬貨を金箱23に移す処理であり、この処理によって収納投出部22内の硬貨量を少なくし、後述する精査処理や回収処理を短時間で容易に行えるようにする。収集処理により、収納投出部22内の硬貨量を、所定の出金準備金を残し、かつ一時保留部21の一時保留可能な硬貨量より少ない量とする。
【0091】
収集処理には、収納投出部22の硬貨が所定量以上になった場合に収納投出部22内の硬貨を金箱23に移す自動収集モードと、手動操作に基づいて収納投出部22内の硬貨を金箱23に移す手動収集モードとがあり、操作部71でいずれか一方のモードを任意に設定することができる。
【0092】
収集処理では、収納投出部22から投出した硬貨を、横搬送部24、縦搬送部25、入金部20を経て一時保留部21に一時保留し、金箱23に収納するため、入金部20および一時保留部21が入金処理と同じ経路を通ることになる。そのため、収集処理中には入金処理ができないことになる。
【0093】
自動収集モードでは、収納投出部22の硬貨が所定量以上になった場合、自動的に収納投出部22内の硬貨を金箱23に移すため、作業者の手間がかからない利点がある。しかし、作業者の意思に関わらず、収集処理を開始し、入金処理ができなくなることがある。
【0094】
手動収集モードでは、作業者が収集処理を選択操作しなければ行われないが、入金処理の空いている時間帯などに、作業者の意思で収集処理を開始させることができ、不用意に入金処理ができなくなることがない。
【0095】
また、手動収集モードにおいては、収納投出部22の硬貨が所定量以上あれば、表示部(手動収集表示部)72で手動収集を促す表示をするため、収納投出部22が満杯になるのを防止し、入金処理の空いている時間帯での収集処理ができる。
【0096】
さらに、自動収集モードにおいては、収納投出部22の硬貨の収納量と金箱23の硬貨の収納量とに基づいて自動収集によって満杯になる金種の金箱23を判断し、表示部(金箱回収表示部)72で自動収集によって満杯になる金種の金箱23の回収を促す表示をするため、自動収集中に金箱23が満杯になって自動収集が止まるのを防止できる。
【0098】
精査処理では、収納投出部22に収納されている硬貨を全て取り出し、識別計数した後、該当金種の収納投出部22に戻す処理であり、精査を複数金種混合して行う場合と1金種ずつ行う場合とがある。
【0099】
そして、収納投出部22に収納されている金種別の硬貨量が一時保留部21の金種別の一時保留容量より少ない場合には、複数金種混合して行う。
【0100】
全ての金種の収納投出部22から同時に硬貨を投出する。投出された硬貨を、横搬送部24および縦搬送部25を経て入金部20に搬送し、入金部20で識別および選別して一時保留部21に一時保留する。
【0101】
収納投出部22から投出された全ての硬貨を一時保留部21に収納したら、一時保留部21内の硬貨を元の収納投出部22に放出して戻す。
【0102】
また、収納投出部22に収納されている硬貨量が一時保留部21の一時保留容量より多い場合には、1金種ずつ行う。
【0103】
例えば1円硬貨の精査処理を行う場合、1円硬貨の収納投出部22から1円硬貨を投出し、横搬送部24および縦搬送部25を経て入金部20に搬送し、入金部20で識別および選別して一時保留部21に一時保留する。
【0104】
一時保留部21に一時保留した1円硬貨の枚数が一時保留部21の一時保留容量に達したら、入金部20からの搬送を停止し、それ以降は収納投出部22から投出される1円硬貨を入金部20が有するホッパ12a内に保留する。収納投出部22内の1円硬貨を全て投出して空になると、一時保留部21内の1円硬貨を収納投出部22に放出して戻す。
【0105】
一時保留部21を空にしたら、入金部20の動作を再開し、入金部20のホッパ12aに保留されている1円硬貨を識別および選別して一時保留部21に一時保留する。ホッパ12aの硬貨を一時保留部21に収納したら、一時保留部21内の硬貨を元の収納投出部22に放出して戻す。
【0106】
また、他の金種の硬貨についても同様の処理を繰り返して精査を継続する。
【0107】
そして、上述した収集処理において、収納投出部22内の硬貨量を一時保留部21の一時保留容量より少なくしておくことにより、上述した全ての金種の同時精査が可能となり、精査処理を短時間で行うことができる。
【0108】
なお、精査処理中に識別部33でリジェクトと判定された硬貨は、入金リジェクト箱15に送られるのでなく、一括一時保留部21aへ送られ、一括一時保留部21aから一括収納箱22aへ送られる。これは、精査対象の収納投出部22内の硬貨は、機内在高で管理されているので、入金リジェクト箱15へ送って外部から取り出されることのないようにするためである。
【0110】
回収処理では、全ての収納投出部22に収納されている硬貨を、金箱23に回収する処理である。
【0111】
全ての金種の収納投出部22から同時に硬貨を投出する。投出された硬貨を、横搬送部24および縦搬送部25を経て入金部20に搬送し、入金部20で識別および選別して一時保留部21に一時保留する。
【0112】
収納投出部22に収納されている金種別の硬貨量が一時保留部21の金種別の一時保留容量より少ない場合には、収納投出部22から投出された全ての硬貨が一時保留部21に収納される。一時収納後に、一時保留部21内の硬貨を金箱23に放出して収納する。
【0113】
また、収納投出部22に収納されている硬貨量が一時保留部21の一時保留容量より多い場合には、一時保留部21に一時保留した硬貨の枚数が一時保留部21の一時保留容量に達したら、収納投出部22および入金部20の動作を一旦停止し、一時保留部21内の硬貨を金箱23に放出して収納する。
【0114】
一時保留部21を空にしたら、収納投出部22および入金部20の動作を再開し、上述したように、硬貨を一時保留部21に一時保留し、一時保留部21内の硬貨を金箱23に放出して収納する動作を繰り返す。
【0115】
そして、上述した収集処理において、収納投出部22内の硬貨量を一時保留部21の一時保留容量より少なくしておくことにより、回収処理を短時間で行うことができる。
【0116】
次に、
図10および
図11に第2の実施の形態を示す。なお、第1の実施の形態と同じ構成および作用効果については同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0117】
一時保留部21は、金種別に独立して形成されるとともに、モータなどの電気的駆動手段によって機体11の左右方向に沿って移動可能であって、収納投出部22、返却箱14、金箱23のいずれの上方位置にも独立して移動可能としている。
【0118】
そのため、入金部20で選別された硬貨を金種別に独立した一時保留部21に受け入れ、各一時保留部21から収納投出部22または金箱23にそれぞれ硬貨を振り分けて収納することができる。そのため、金箱23が満杯になった金種の硬貨は収納投出部22に収納し、満杯近くの金種を含む他の金種の硬貨は金箱23に収納するというように、硬貨を金箱23に効率的に収納することができる。
【0119】
例えば、100円硬貨の金箱23が満杯になるとともに、50円硬貨の金箱23が満杯近くにあり、100円硬貨および50円硬貨が混合状態で入金部20に入金された場合、100円硬貨および50円硬貨の一時保留部21に硬貨を一時保留した後、50円硬貨の一時保留部21は金箱23上に移動して50円硬貨を金箱23に収納し、100円硬貨の一時保留部21は収納投出部22上に移動して100円硬貨を収納投出部22に収納させることができる。