(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上流側ハウジング(2U、32U)の底部(3UB、33UB)は、支持体(7U、37U)の側部(S)側と、前記側壁(3USW、33USW)との間に、末端(DE)側に向けて小突起(3T、33T)を形成した、ことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁(1、31)。
前記上流側ハウジング(32U)の側壁(33USW)の外側と前記下流側ハウジング(32D)の側壁(33DSW)の内側とを超音波溶着した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の逆止弁(31)。
前記弁(10)の内側は、変形部(10H)の頂部(10P)からフランジ(10F)の基端(PE)側にわたって、前記支持体(7U)の外側の末端(DE)側から基端(PE)側にわたって当接され、
前記弁(10)のフランジ(10F)は、基端(PE)側から小突起(3T)に押され、末端(DE)側から下流側ハウジング(2D)の底部(3DB)に押され、
弁(10)は上流側弁収納部(3U)の側壁(3USW)の内側に圧入・固定した、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の逆止弁(1)。
前記弁(40)の変形部(40H)の内側は、スリット(40SL)近傍からフランジ(40F)の基端(PE)側にわたって、支持体(37U)の外側の末端(DE)側から基端(PE)側にわたって当接され、
前記弁(40)のフランジ(40F)は、基端(PE)側から小突起(33T)に押され、末端(DE)側から下流側ハウジング(32D)の底部(33DB)に押され、
前記弁(40)は、上流側弁収納部(33U)の側壁(33USW)の内側に圧入・固定した、ことを特徴とする請求項1から請求項2、請求項4のいずれか1項に記載の逆止弁(31)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は(以下、後述する本願発明で、特許文献1の発明の説明で使用されている部材と異なる名称であるが、対応ないし関連する部材の名称に《 》を付けた。)固定用蓋体〈6〉《上流側ハウジング》の逆止弁〈1〉側の端部《支持体》の液体流通口《開口部》は、逆止弁〈1〉のスリット〈3〉近傍で、上流側の略垂直位置に隣接して形成している。
このため特許文献1に記載の発明は、液体が逆止弁収納体〈5〉《下流側ハウジング》から固定用蓋体〈6〉《上流側ハウジング》側へ流れるとき、特に液体の流体圧が大きい場合(急激に逆流する場合)、逆止弁〈1〉のスリット〈3〉近傍(肉薄部)が流体圧に押されて変形して、スリット〈3〉が開き、液体が逆流(下流側から上流側へ流れる)するのを防ぐことができない等の課題があった。
そこで、本発明者は以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次の発明に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明は、上流側ハウジング(2U、32U)と下流側ハウジング(2D、32D)と弁(10、40)を有し、
前記上流側ハウジング(2U、32U)は、上流側弁収納部(3U、33U)と上流側管状部(5U、35U)とを有し、
前記上流側弁収納部(3U、33U)は、末端(DE)側に底部(3UB、33UB)を有し、
当該底部(3UB、33UB)から基端(PE)側に上流側管状部(5U、35U)を突設し、
前記下流側ハウジング(2D、32D)は、下流側弁収納部(3D、33D)と下流側管状部(5D、35D)とを有し、
前記下流側弁収納部(3D、33D)は、基端(PE)側に底部(3DB、33DB)を有し、
当該底部(3DB、33DB)は、基端(PE)側から末端(DE)側に向けて、下流側管状部(5D、35D)を突設し、
前記弁(10、40)は、スリット(10SL、40SL)を形成した変形部(10H、40)とフランジ(10F、40F)とを有し、
前記上流側ハウジング(2U、32U)の底部(3UB、33UB)は略中心部に開口部(3UBO、33UBO)を形成し、
当該開口部(3UBO、33UBO)の側部(S)方向から末端(DE)側に向けて支持体(7U、37U)を突設し、
当該支持体(7U、37U)の側部(S)方向から末端(DE)側に向けて
側壁(3USW、33USW)を突設し、
前記支持体(7U、37U)は、側部(S)の二方向に基端(PE)側から末端(DE)側に向けて下る傾斜部(7UTP、37UTP)を有し、
当該傾斜部(7UTP、37UTP)は、貫通孔(7UTH、37UTH)を形成し、
当該傾斜部(7UTP、37UTP)は、末端(DE)側に閉塞した頂部(7UP、37UP)を形成し、
前記下流側ハウジング(2D、32D)の底部(3DB、33DB)は、略中心部に開口部(3DO、33DO)を形成し、
当該開口部(3DO、33DO)の側部(S)側に、基端(PE)側に向けて側壁(3DSW、33DSW)を突設し、
前記上流側弁収納部(3U、33U)の側壁(3USW、33USW)の内側に、前記弁(10、40)を装着し、
前記下流側弁収納部(3D、33D)の側壁(3DSW、33DSW)の内側を前記上流側弁収納部(3U、33U)の側壁(3DSW、33DSW)の外側に嵌合または溶着し、
前記上流側ハウジング(2U、32U)の開口部(3UBO、33UBO)と、前記弁(10、40)のスリット(10SL、40SL)との間には、前記支持体(7U、37U)を配置し、
前記スリット(10SL、40SL)近傍の上流(U)側の略垂直位置には、前記支持体(7U、37U)の閉塞した頂部(7UP、37UP)を配置し、
前記支持体(7U、37U)の貫通孔(7UTH、37UTH)は、前記スリット(10SL、40SL)近傍の上流(U)側の略垂直位置から、側部(S)側に離間した位置に配置した逆止弁(1、31)を提供する。
【0007】
[2]本発明は、前記上流側ハウジング(2U、32U)の底部(3UB、33UB)は、支持体(7U、37U)の側部(S)側と、前記側壁(3USW、33USW)との間に、末端(DE)側に向けて小突起(3T、33T)を形成した[1]に記載の逆止弁(1、31)を提供する。
[3]本発明は、前記上流側ハウジング(2U)の側壁(3USW)の外側に接続部(3US)を形成し、
前記下流側ハウジング(2D)の側壁(3DSW)の内側に接続部(3DS)を形成し、
前記上流側ハウジング(2U)の接続部(3US)と、前記下流側ハウジング(2D)の接続部(3DS)とを機械嵌合した[1]または[2]に記載の逆止弁(1)を提供する。
[4]本発明は、前記上流側ハウジング(32U)の側壁(33USW)の外側と前記下流側ハウジング(32D)の側壁(33DSW)の内側とを超音波溶着した前記[1]または[2]に記載の逆止弁(31)を提供する。
【0008】
[5]本発明は、前記弁(10)の内側は、変形部(10H)の頂部(10P)からフランジ(10F)の基端(PE)側にわたって、前記支持体(7U)の外側の末端(DE)側から基端(PE)側にわたって当接され、
前記弁(10)のフランジ(10F)は、基端(PE)側から小突起(3T)に押され、末端(DE)側から下流側ハウジング(2D)の底部(3DB)に押され、
弁(10)は上流側弁収納部(3U)の側壁(3USW)の内側に圧入・固定した[1]から[3]のいずれか1に記載の逆止弁(1)を提供する。
[6]本発明は、前記弁(40)の変形部(40H)の内側は、スリット(40SL)近傍からフランジ(40F)の基端(PE)側にわたって、支持体(37U)の外側の末端(DE)側から基端(PE)側にわたって当接され、
前記弁(40)のフランジ(40F)は、基端(PE)側から小突起(33T)に押され、末端(DE)側から下流側ハウジング(32D)の底部(33DB)に押され、
前記弁(40)は、上流側弁収納部(33U)の側壁(33USW)の内側に圧入・固定した[1]から[2]、[4]のいずれか1に記載の逆止弁(31)を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の逆止弁(1、31)によれば、
上流側ハウジング(2U、32U)の開口部(3UBO、33UBO)と、弁(10、40)のスリット(10SL、40SL)との間には、支持体(7U、37U)を配置し、
スリット(10SL、40SL)近傍の上流(U)側の略垂直位置には、支持体(7U、37U)の閉塞した頂部(7UP、37UP)を配置し、
支持体(7U、37U)の貫通孔(7UTH、37UTH)は、スリット(10SL、40SL)近傍の上流(U)側の略垂直位置から、側部S側に離間した位置に配置している。
このため液体を上流U側から下流D側へ流すときには、弁(10、40)を内側(上流U側)から外側(下部D側)へ膨らますことができるので、スリット(10SL、40SL)を十分に開くことができ、液体の流量を十分に確保することができる。
【0010】
また液体が下流D側から上流U側へ流れようとするときには、弁(10、40)の
変形部(10H、40H)は、支持体(7U、37U)の傾斜部(7UTP、37UTP)と頂部(7UP、37UP)に押しつけられる。
スリット(10SL、40SL)は、頂部(7UP、37UP)に、当接されて流体の流路は塞がれる。
また弁10の貫通孔7UTHは、変形部10Hの傾斜部10TPに閉塞され、弁40の貫通孔37UTHは、変形部40Hの内側により閉塞される。
以上のように、本発明の逆止弁(1、31)は、液体の逆流(下流D側から上流U側への流れ)を二段階で押さえることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
以下、符号の煩雑化を避けるため、例えば「逆止弁1、31」とあるのは、単に「逆止弁1」等と記載する。「逆止弁1」等と記載しても、「逆止弁31」等に共通する部分は、「逆止弁31」も含む。
以下、本発明を明確に説明するため、次の定義をおく。
(定義1)本発明の逆止弁1、31において、「第一状態」とは、
図15、
図17に示すように、液体が上流U側から下流D側に流れる状態において、弁10の場合は、変形部10Hが、上流U側から下流D側に膨らんで、スリット10SLが開いた状態を意味する。弁40の場合は、変形部40Hが、上流U側から下流D側に膨らんで、スリット40SLが開いた状態を意味する。
【0013】
「第二状態」とは、例えば
図16、
図18に示すように、液体が下流D側から上流U側に流れる状態において、弁10の場合は、変形部10Hが、下流D側から上流U側に押されて、変形部10Hが、支持体7Uに接触し、スリット10SLは、支持体7Uの閉塞した頂点7UPに密接し、傾斜部10TPが貫通孔7UTHに密接して閉塞した状態を意味する。
弁40の場合は、変形部40Hが、下流D側から上流U側に押されて、変形部40Hが、支持体37Uに接触し、スリット40SLは、支持体37Uの閉塞した頂点37UPに密接し、変形部40Hの内側が貫通孔37UTHに密接して閉塞した状態を意味する。
【0014】
(定義2)本発明の逆止弁1、31において、「上流U側(または方向という場合がある)」とは、
図1から
図4、
図8から
図11、
図15から
図18に示すように、外部器具(例えば透析装置、輸液ポンプ、シリンジ)から使用する医療器具内(例えば血液回路、輸液セット)に液体を導入する時に、液体を導入する外部器具の方向を意味する。
また「上流U側(または方向という場合がある)」とは、「基端部PE側(または方向という場合がある)」という場合がある。
さらにいえば「上流U側(または方向という場合がある)」及び「基端部PE側(または方向という場合がある)」とは、上流側管状部5U(35U)の「基端部PE側(または方向という場合がある)」を意味する。
【0015】
「下流側(または方向という場合がある)」とは、
図1から
図4、
図8から
図11、
図15から
図18に示すように、外部器具(例えば透析装置)から使用する医療器具内に液体を導入する時に、液体を導入される医療器具(例えば血液回路)の方向を意味する。
また「下流D側(または方向という場合がある)」とは、「末端部DE側(または方向という場合がある)」という場合がある。
さらにいえば「下流D側(または方向という場合がある)」及び「末端部DE側(または方向という場合がある)」とは、下流側管状部5D(35D)の「末端部DE側(または方向という場合がある)」を意味する。
【0016】
(定義3)本発明の逆止弁1、31で、「第1側部S1側(または方向という場合がある)」とは、
図1では、図の正面側の方向(図の破線矢印参照)を意味する。
「第2側部S2側(または方向という場合がある)」とは、
図1では、図の背面側の方向(図の破線矢印参照)を意味する。
「第3側部S3側(または方向という場合がある)」とは、
図1では、図の右側の方向(図の破線矢印参照)を意味する。
「第4側部S4側(または方向という場合がある)」とは、
図1では、図の左側の方向(図の破線矢印参照)を意味する。
また側部S方向とは、前記第1側部S1から第4側部S4の全ての方向を含む。
側部Sの一方向とは、前記第1側部S1から第4側部S4方向の一部の方向、例えば第1側部S1方向、第1側部S1と第2側部S2方向の間のいずれかの一方向を意味する。
側部Sの二方向とは、例えば第1側部S1−第2側部S2方向または例えば第3側部S3−第4側部S4方向のいずれかの二方向を意味する。
【0017】
(定義4)
本発明の本発明の逆止弁1、31で、「長手方向」とは、「逆止弁1、31」の長尺方向(長い方向)を意味する。
本発明の図面及び発明の説明の中で、例えば
図1に示すように、構成部材の上流U側を「・・・U」、下流D側を「・・・D」と記載した。
なお各構成部品の名称で、「・・U側」、「・・S側」等の位置・配置等の方向性を示す符号は、発明の理解ができ、必要と認められる範囲内で、図面及び発明の説明の中で一部のみについて記載した。
【0018】
本発明(第一実施形態、第二実施形態)の逆止弁1、31について、以下、図面を参照しながら説明する。
図1から
図7は、第一実施形態の逆止弁1、
図8から
図14は、第二実施形態の逆止弁31を例示している。
第二実施形態の逆止弁31が、第一実施形態の逆止弁1と主に異なる部材は、支持体37Uと弁40の形態である。
【0019】
以下、発明の説明、図面において、説明、符号の煩雑化を防ぐために、第二実施形態の逆止弁31の各構成部材の符号は、第一実施形態の逆止弁1の各構成部材に対応ないし相当する部材の符号(数字)に、「30」をたした。
第二実施形態の逆止弁31は、第一実施形態の逆止弁1と異なる部材のみに、異なる符号を記載した。
【0020】
[逆止弁1、31]
本発明の第一実施形態の逆止弁1は、上流側ハウジング2Uと下流側ハウジング2Dとを有する。
第二実施形態の逆止弁31も、上流側ハウジング32Uと下流側ハウジング32Dとを有する。
【0021】
[上流側ハウジング2U、32U]
上流側ハウジング2U、32Uは、上流側弁収納部3U、33Uと上流側管状部5U、35Uとを有する。
上流側弁収納部3U、33Uは、いわゆる平らな「略円筒状」の形態を有している。
上流側弁収納部3U、33Uは、基端PE側に底部3UB、33UBを有する。
上流側弁収納部3U、33Uは、底部3UB、33UBから基端PE側に上流側管状部5U、35Uを突設している。
底部3UB、33UBは略中心部に開口部3UBO、33UBOを有する。
底部3UB、33UBは、当該開口部3UBO、33UBOの外側(側部S方向)から末端DE側に向けて支持体7U、37Uを突設している。
底部3UB、33UBは、支持体7U、37Uの外側(側部S側)に、末端DE側に向けて小突起3T、33Tを環状に形成している。
底部3UB、33UBは、突起3T、33Tの外側(側部S側)に、末端DE側に向けて側壁3USW、33USWを形成している。
さらに詳述すれば、上流側ハウジング(2U、32U)の底部3UB、33UBは、支持体7U、37Uの側部S側と、側壁3USW、33USWとの間に、末端DE側に向けて小突起3T、33Tを形成している。
【0022】
側壁3USWは、外側に接続部3US(嵌合部ともいう)を形成している。
第一実施形態の逆止弁1は、上流側ハウジング2Uと下流側ハウジング2Dを機械嵌合するので、接続部3USは、凹状または凸状に形成する。これらは環状、螺子状でもよい。
第二実施形態の逆止弁31は、上流側ハウジング32Uと下流側ハウジング32Dを、超音波溶着するので、第一実施形態の逆止弁1のように、あえて接続部3USに相当する部材を形成しなくてもよい。相互に超音波溶着する箇所は、超音波溶着できる形状であれば何でもよい。
底部3UB、33UBは外周に、フランジ3UF、33UFを突設している。
【0023】
支持体7U、37Uは、側部Sの二方向(第3側部S3側と第4側部S4側)に基端PE側から末端DE側に向けて下る傾斜部7UTP、37UTPを有する。
側部Sの二方向(第3側部S3側と第4側部S4側の傾斜部7UTP、37UTPは、末端DE側で合流して、頂部7UP、37UPとなっている。頂部7UP、37UPは閉塞している。
傾斜部7UTP、37UTPは、側部Sの二方向の各方向毎に、貫通孔7UTH、37UTHを形成している。貫通孔7UTH、37UTHは、一箇所のみ形成しても良いし、複数箇所形成しても良い。
第一実施形態の傾斜部7UTPの貫通孔7UTHは、いわゆる「略小円形状」の形態を有する。
第2実施形態の傾斜部37UTPの貫通孔37UTHは、いわゆる「略長円形状」またはいわゆる「略矩形状」の形態を有する。
【0024】
[下流側ハウジング2D]
下流側ハウジング2D、32Dは、下流側弁収納部3D、33Dと下流側管状部5D、35Dとを有する。
下流側ハウジング2D、32Dは、基端PE側から末端DE側に向けて、下流側管状部5D、35Dを突設している。
下流側弁収納部3D、33Dは、いわゆる平らな「略円筒状」の形態を有している。
下流側弁収納部3D、33Dは、基端PE側に底部3DB、33DBを有する。
底部3DB、33DBは、略中心部に開口部3DO、33DOを有する。
下流側ハウジング2D、32Dは、開口部3DO、33DOの外側(側部S側)に、基端PE側に向けて側壁3DSW、33DSWを突設している。
【0025】
側壁3DSWは、内側に接続部3DS成している。
第一実施形態の逆止弁1は、上流側ハウジング2Uと下流側ハウジング2Dを機械嵌合するので、接続部3DS(嵌合部ともいう)は、凹状または凸状に形成する。これらは環状、螺子状でもよい。
第二実施形態の逆止弁31は、上流側ハウジング32Uと下流側ハウジング32Dを、超音波溶着するので、第一実施形態の逆止弁1のように、あえて接続部3DSに相当する部材を形成しなくてもよい。相互に超音波溶着する箇所は、超音波溶着できる形状であれば何でもよい。
【0026】
第一状態では、上流側管状部5U、35Uの液体流路5ULP、35ULPは、開口部3UBO、33UBO、貫通孔7UTH、37UTHを経て、下流側管状部5D、35Dの開口部3DO、33DO、液体流路5DLP、35DLPと連通する。
第二状態では、上流側管状部5U、35Uの液体流路5ULP、35ULPは、支持体7U、37U及び弁10により遮断される。
【0027】
[弁10]
第一実施形態の弁10は、変形部10H(ダックビル部、あひるのくちばし部ともいう)とフランジ10Fとを有する。
変形部10Hは、基端PE側から末端DE側に向けて側部Sの二方向(第3側部S3−第4側部S4)に下る傾斜部10TPを有し、傾斜部10TPの末端DE側の頂部10Pには、側部Sの二方向(第1側部S1−第2側部S2)に延びるスリット10SLを形成している。
【0028】
[弁40]
第2実施形態の弁40は、変形部40Hとフランジ40Fとを有する。
変形部40Hの略中央部には、側部Sの二方向(第1側部S1−第2側部S2)に延びるスリット40SLを形成している。
変形部40Hは、側部Sの二方向(第3側部S3と第4側部S4側)からスリット40SL側に向けて、次第に肉薄となるように形成している。
【0029】
[逆止弁1の組み立て]
図2〜
図4に示すように、(上流側ハウジング2Uの)上流側弁収納部3Uの側壁3USWの内側に、末端DE側から弁10を装着する。
弁10の内側は、変形部10Hの頂部10Pからフランジ10Fの基端PE側にわたって、支持体7Uの外側の末端DE側から基端PE側にわたって、当接される。
さらに末端D側から、(下流側ハウジング2Dの)下流側弁収納部3Dの側壁3DSWの内側を上流側弁収納部3Uの側壁3USWの外側に嵌合する。
(上流側弁収納部3Uの側壁3USWの)接続部3USと(下流側弁収納部3Dの側壁3DSWの)接続部3DSとが側部S側から相互に嵌合し、(弁10の)フランジ10Fは、上流側弁収納部3Uの底部3UBと下流側弁収納部3Dの底部3DBとの間に挟持される。これによりフランジ10Fは、基端PE側から小突起3Tに押され、さらに末端DE側から下流側ハウジング2Dの底部3DBに押されて、弁10は(上流側弁収納部3Uの)側壁3USWの内側に圧入・固定される。
【0030】
[逆止弁31の組み立て]
図9〜
図11に示すように、(上流側ハウジング32Uの)上流側弁収納部33Uの側壁33USWの内側に、末端DE側から弁40を装着する。
(弁40の)変形部40H内側は、スリット40SL近傍からフランジ40Fの基端PE側にわたって、支持体37Uの外側の末端DE側から基端PE側にわたって、当接される。
さらに末端D側から、(下流側ハウジング32Dの)下流側弁収納部33Dの側壁33DSWの内側を、上流側弁収納部33Uの側壁33DSWの外側に超音波溶着する。
上流側弁収納部33Uの側壁33USWの外側と下流側弁収納部33Dの側壁33DSWの内側とが側部S側から相互に溶着し、(弁40の)フランジ40Fは、上流側弁収納部33Uの底部33UBと下流側弁収納部33Dの底部33DBとの間に挟持される。これによりフランジ40Fは、基端PE側から小突起33Tに押され、末端DE側から下流側ハウジング32Dの底部33DBに押され、さらに弁40は、(上流側弁収納部33Uの)側壁33USWの内側に圧入・固定される。
【0031】
以上のように本発明の逆止弁(1、31)の特徴は、
上流側ハウジング(2U、32U)の開口部(3UBO、33UBO)と、弁(10、40)のスリット(10SL、40SL)との間には、支持体(7U、37U)を配置し、隔てて配置している点である。
またスリット(10SL、40SL)近傍の上流U側の略垂直位置には、支持体(7U、37U)の閉塞した頂部(7UP、37UP)を配置している点である。
さらに支持体(7U、37U)の貫通孔(7UTH、37UTH)は、スリット(10SL、40SL)近傍の上流U側の略垂直位置から、側部S側に離間した位置に配置している点である。
【0032】
[逆止弁1の使用例]
図15に示すように、液体が上流U側(透析装置側)から下流D側(血液回路側)からへ流れるとき、液体は、液体流路5ULP、開口部3UBO、貫通孔7UTHを経て、(変形部10H)の傾斜部10TPに上流U側から衝突する。これにより傾斜部10TPは上流U側へ変形し、スリット10SLが開口する。
液体は、(開口した)スリット10SL、開口部3DO、液体流路5DLPを経て、血液回路側へ導入される。
【0033】
図16に示すように、液体が下流D側(血液回路側)から上流U側(透析装置側)
へ流れるとき(流れようとするとき)、液体は、液体流路5DLP、開口部3DOを経て、(変形部10H)の傾斜部10TPに下流D側から衝突する。
傾斜部10TPは、支持体7Uの傾斜部7UTPにより、上流U側へ変形するのを阻止される。このためスリット10SLは閉じた状態を維持し、スリット10SLは、閉塞した頂部7UPに当接される。また支持体7Uの貫通孔7UTHは、変形部10Hの傾斜部10TPにより閉塞されている。したがって、液体は、スリット10SLを経て、上流U側(透析装置側)へ侵入することはない。
【0034】
[逆止弁31の使用例]
図17に示すように、液体が上流U側(透析装置側)から下流D側(血液回路側)へ流れるとき、液体は、液体流路35ULP、開口部33UBO、貫通孔37UTHを経て、変形部40Hに上流U側から衝突する。これにより変形部40Hは上流U側へ変形し、スリット40SLが開口する。
液体は、(開口した)スリット40SL、開口部33DO、液体流路35DLPを経て、血液回路側へ導入される。
【0035】
図18に示すように、液体が下流D側(血液回路側)から上流U側(血液回路側)へ流れるとき(流れようとするとき)、液体は、液体流路35DLP、開口部33DOを経て、変形部40Hに下流D側から衝突する。
変形部40Hは、支持体37Uの傾斜部37UTPにより、上流U側へ変形するのを阻止される。このためスリット40SLは閉じた状態を維持し、スリット40SLは、閉塞した頂部37UPに当接される。また支持体37Uの貫通孔37UTHは、変形部40Hの内側により閉塞されている。したがって、液体は、スリット40SLを経て、上流U側へ侵入することはない。
【0036】
以上を総括すると、液体を上流U側から下流D側へ流すときには、弁(10、40)を内側(上流U側)から外側(下部D側)へ膨らますことができるので、スリット(10SL、40SL)を十分に開くことができ、液体の流量を十分に確保することができる。
また液体が下流D側から上流U側へ流れようとするときには、弁(10、40)の
変形部(10H、40H)は、支持体(7U、37U)の傾斜部(7UTP、37UTP)と頂部(7UP、37UP)に押しつけられる。
スリット(10SL、40SL)は、頂部(7UP、37UP)に、当接されて流体の流路は塞がれる。
また貫通孔(7UTH、37UTH)は、変形部10Hの傾斜部10TP、変形部40Hの内側により閉塞される。
以上のように、本発明の逆止弁(1、31)は、液体の逆流(下流D側から上流U側への流れ)を二段階で押さえることができる。
【0037】
本発明の逆止弁1、31の各構成部材(例えば上流側ハウジング2U、32U、上流側弁収納部3U、33U、上流側管状部5U、35U、支持体7U、37U、弁10、40等は、前記したように相互に嵌合、係止、係合、装着等が可能な形態(形状、構造)であって、本発明の目的を達成できる形態であれば、前記した説明、図面に記載したものに限定されない。
【0038】
(材料)
上流側ハウジング2U、下流側ハウジング2D等の材料は、ポリプロピレン、ポリカーボネート等、射出成形等により一体成形できる材料であれば何でも使用できる。
また弁10、40の材料は、シリコーン樹脂、合成ゴム、エラストマー等の弾性のある材料であれば何でも使用できる。