(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−2−オン、
ラセミ3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン、
(R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン、
(3aS,7aS)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−ヘキサヒドロ−ベンゾオキサゾール−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−メトキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−(D8−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
ギ酸(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−メチル−2−オキソ−オキサゾリジン−4−イルメチルエステル、
(S)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−D8−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(3aR,6aR)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−テトラヒドロフロ[3,4−d]オキサゾール−2(3H)−オン、
ラセミ(3aR*,6R*,6aR*)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン、
(3aR,6R,6aR)−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン、
(3aS,6S,6aS)−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン、および
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
から選択される、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(4S,5R)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、および
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩。
がんが、固形腫瘍、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、食道、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣若しくは甲状腺のがん、肉腫、グリア芽細胞腫、多発性骨髄腫または消化器がん、頸部および頭部の腫瘍、扁平上皮癌、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、血漿細胞ミエローマ、ホジキンリンパ腫または白血病から選択されるものである、請求項18に記載の化合物。
がんが、固形腫瘍、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、食道、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣若しくは甲状腺のがん、肉腫、グリア芽細胞腫、多発性骨髄腫または消化器がん、頸部および頭部の腫瘍、扁平上皮癌、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、血漿細胞ミエローマ、ホジキンリンパ腫または白血病から選択されるものである、請求項19に記載の使用。
がんが、固形腫瘍、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、食道、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣若しくは甲状腺のがん、肉腫、グリア芽細胞腫、多発性骨髄腫または消化器がん、頸部および頭部の腫瘍、扁平上皮癌、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、血漿細胞ミエローマ、ホジキンリンパ腫または白血病から選択されるものである、請求項24に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の様々な実施形態が本明細書中に記載されている。各実施形態において特定された特徴を他の特定された特徴と組み合わせることによって、本発明のさらなる実施形態を提供することができることを認識されたい。本発明の様々な(列挙された)実施形態もまた本明細書中に記載されている。
【0030】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
1=
【0031】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)、
またはR
1=
【0032】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=HおよびR
3=H;
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH;または
R
4=−CH
2OH、およびR
5=H;
あるいは
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2CH(OH)CH
3もしくは−CH
2C(OH)(CH
3)
2およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2CH(OH)CH
3もしくは−CH
2C(OH)(CH
3)
2、または
R
4=Hもしくは−CH
3、およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=HおよびR
4=H;
R
2およびR
5が一緒になって、−(CH
2)
4−を形成するか;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;ならびに
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH;
あるいは
R
2=HおよびR
4=H;ならびに
R
3およびR
5が一緒になって、基
【0033】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
もしくは基
【0034】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するか、
あるいは
R
3=HおよびR
5=H;ならびに
R
2およびR
4が一緒になって、基
【0035】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
を形成する)
による化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0036】
その態様の好ましい実施形態では、
R
1=
【0037】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)、
またはR
1=
【0038】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=HおよびR
3=H;
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH;または
R
4=−CH
2OH、およびR
5=H;
あるいは
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2CH(OH)CH
3もしくは−CH
2C(OH)(CH
3)
2およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=HおよびR
4=H;
R
2およびR
5が一緒になって、−(CH
2)
4−を形成するか、
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;ならびに
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH;
あるいは
R
2=HおよびR
4=H;ならびに
R
3およびR
5が一緒になって、基
【0039】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
または基
【0040】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するか、
あるいは
R
3=HおよびR
5=H;ならびに
R
2およびR
4が一緒になって、基
【0041】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
を形成する
式(I)による化合物、または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0042】
その態様のさらに好ましい実施形態では、
R
1=
【0043】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)、
またはR
1=
【0044】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=HおよびR
3=H;
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH;または
R
4=−CH
2OH、およびR
5=H;
あるいは
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2CH(OH)CH
3もしくは−CH
2C(OH)(CH
3)
2およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=HおよびR
4=H;
R
2およびR
5が一緒になって、−(CH
2)
4−を形成するか;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;ならびに
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OHである
式(I)による化合物、または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0045】
さらなる好ましい実施形態では、式(I)
【0046】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
1=
【0047】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0048】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=HおよびR
3=H;
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH;または
R
4=−CH
2OH、およびR
5=H;
あるいは
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=HおよびR
4=H;
R
2およびR
5が一緒になって、−(CH
2)
4−を形成するか;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;ならびに
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH)
の化合物または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0049】
さらなる代替の好ましい実施形態では、式(I)
【0050】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
1=
【0051】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0052】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2およびR
3=H;
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH;または
R
4=−CH
2OH、およびR
5=H;
あるいは
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OH、−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=R
4=H;
R
2およびR
5が一緒になって、−(CH
2)
4−を形成するか;
あるいは
R
4=R
5=H;および
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH)
による化合物または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0053】
上述の実施形態のうちのいずれか1つにおける式(I)に関して、以下の詳細な記載を示す。
【0054】
R
1a
一実施形態では、R
1aはHである。
【0055】
別の実施形態ではR
1aは−CH
3である。
【0056】
好ましい実施形態ではR
1aはHである。
【0057】
本発明のさらなる実施形態を、以下に記載する。
【0059】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0060】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=HおよびR
4=H;
R
2およびR
5=−(CH
2)
4−;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;および
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0062】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0063】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;および
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0065】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0066】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0068】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0070】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0071】
別の実施形態では、好ましくは、
R
1=
【0072】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3または−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OHおよびR
5=Hまたは
R
4=HおよびR
5=CH
3もしくは−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0073】
別の実施形態では、好ましくは、
R
1=
【0074】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2CH
2OH、および
R
5=H、
または薬学的に許容されるその塩。
【0076】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0077】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OH、−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=R
4=H
R
2およびR
5=−(CH
2)
4−;
あるいは
R
4=R
5=H;および
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0079】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0080】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OH、−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
4=R
5=H;および
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0082】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0083】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OH、−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0085】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OH、−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0087】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0088】
別の実施形態では、好ましくは、
R
1=
【0089】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OHおよびR
5=Hまたは
R
4=HおよびR
5=CH
3もしくは−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0090】
別の実施形態では、好ましくは、
R
1=
【0091】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、および
R
5=H、
または薬学的に許容されるその塩。
【0093】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
R
2=−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、および
R
5=H、
または薬学的に許容されるその塩。
【0095】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a、R
2、R
3、R
4およびR
5は、上述の実施形態のうちのいずれかに記載されている通りである)
の化合物が提供される。
【0096】
一実施形態では、R
1aは水素であってよく、したがって、以下の式(IA)
【0097】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3)
の化合物または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0098】
式(IA)の化合物の一実施形態では、
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0099】
式(IA)の化合物の別の実施形態では、
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OHおよびR
5=Hまたは
R
4=HおよびR
5=CH
3もしくは−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0100】
式(IA)の化合物の別の実施形態では、
R
2=−CH
3または−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3または−CH
2CH
2OHおよび
R
5=H、
または薬学的に許容されるその塩。
【0101】
式(IA)の化合物の別の実施形態では、
R
2=−CH
3;
R
3=H;
R
4=−CH
2CH
2OH、および
R
5=H、
または薬学的に許容されるその塩。
【0102】
代わりに、R
1aが水素であってもよい実施形態では、以下の式(IA)
【0103】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OH、−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3)
の化合物または薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0104】
式(IA)の化合物の一実施形態では、
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=R
5=Hもしくは−CH
3、
または薬学的に許容されるその塩。
【0105】
式(IA)の化合物の別の実施形態では、
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3もしくは−CH
2OHおよびR
5=Hまたは
R
4=HおよびR
5=CH
3もしくは−CH
2OH、
または薬学的に許容されるその塩。
【0106】
式(IA)の化合物の別の実施形態では、
R
2=−CH
3または−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、および
R
5=H、
または薬学的に許容されるその塩。
【0107】
式(IA)の化合物の好ましい実施形態では、
R
2=−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、および
R
5=H、
または薬学的に許容されるその塩。
【0108】
さらなる実施形態(列挙される)は以下の通りである:
実施形態1
式(I)
【0109】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
1=
【0110】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
またはR
1=
【0111】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、D=重水素);
R
2=HおよびR
3=H;
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH;または
R
4=−CH
2OH、およびR
5=H;
あるいは
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−CH
2CH(OH)CH
3もしくは−CH
2C(OH)(CH
3)
2およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2CH(OH)CH
3もしくは−CH
2C(OH)(CH
3)
2、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=HおよびR
4=H;
R
2およびR
5が一緒になって、−(CH
2)
4−を形成するか;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;ならびに
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH;
あるいは
R
2=HおよびR
4=H;ならびに
R
3およびR
5が一緒になって、基
【0112】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
もしくは基
【0113】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するか、
あるいは
R
3=HおよびR
5=H;ならびに
R
2およびR
4が一緒になって、基
【0114】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
を形成する)
の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0115】
実施形態2
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
3=HおよびR
4=H;
R
2およびR
5=−(CH
2)
4−;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;ならびに
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH
である、実施形態1による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0116】
実施形態3
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3;
あるいは
R
4=HおよびR
5=H;ならびに
R
2=−CH
2OH、およびR
3=−CH
3;または
R
2=Hもしくは−CH
3、およびR
3=−CH
2OH
である、実施形態1もしくは実施形態2による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0117】
実施形態4
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3
である、実施形態1から3のいずれか1つの実施形態による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0119】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1a=Hまたは−CH
3)
である、実施形態1から4のいずれか1つによる化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0121】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
2=−CH
3、−CH
2OH、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2OHもしくは−CH
2OC(O)H;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3)
である、実施形態1による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0122】
実施形態7
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OH、およびR
5=H、または
R
4=H、およびR
5=−CH
3もしくは−CH
2OH、または
R
4=Hもしくは−CH
3およびR
5=Hもしくは−CH
3
である、実施形態6による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0123】
実施形態8
R
2=−CH
3もしくは−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3、−CH
2OHもしくは−CH
2CH
2OHおよびR
5=Hまたは
R
4=HおよびR
5=CH
3もしくは−CH
2OH
である、実施形態7による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0124】
実施形態9
R
2=−CH
3または−CH
2OH;
R
3=H;
R
4=−CH
3または−CH
2CH
2OHおよび
R
5=H
である、実施形態8による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0125】
実施形態10
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−2−オン、
ラセミ3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン(絶対立体配置は未確定)、
(R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン(絶対立体配置は未確定)、
(3aS,7aS)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−ヘキサヒドロ−ベンゾオキサゾール−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−メトキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−(D8−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
ギ酸(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−メチル−2−オキソ−オキサゾリジン−4−イルメチルエステル、
(S)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(S)−3−(2’−アミノ−2−D8−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン、
(3aR,6aR)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−テトラヒドロフロ[3,4−d]オキサゾール−2(3H)−オン、
ラセミ(3aR
*,6R
*,6aR
*)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン、
(3aR,6R,6aR)−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン、
(3aS,6S,6aS)−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン、および
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
から選択される、実施形態1による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0126】
実施形態11
(4S,5R)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、および
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
から選択される、実施形態1による化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【0127】
実施形態12
(4S,5R)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン、および
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
から選択される化合物。
【0128】
実施形態13
化合物(4S,5R)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン。
【0129】
実施形態14
化合物(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン。
【0130】
実施形態15
化合物(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン。
【0131】
実施形態16
実施形態13、実施形態14または実施形態15の化合物の薬学的に許容される塩。
【0132】
本発明のさらに別の態様では、
図2に示されている粉末X線回折スペクトルと実質的に同じエックス線回折スペクトルを有する、実施例10で得た化合物の結晶形態が提供される。
【0133】
本発明のさらに別の態様では、
図4に示されている粉末X線回折スペクトルと実質的に同じエックス線回折スペクトルを有する、実施例18、バッチAで得た化合物の結晶形態が提供される。
【0134】
本発明のさらに別の態様では、
図6に示されている粉末X線回折スペクトルと実質的に同じエックス線回折スペクトルを有する、実施例18、バッチBで得た化合物の結晶形態が提供される。
【0135】
本発明のさらに別の態様では、
図8に示されている粉末X線回折スペクトルと実質的に同じエックス線回折スペクトルを有する、実施例18、バッチCで得た化合物の結晶形態が提供される。
【0136】
本発明のさらに別の態様では、
図10に示されている粉末X線回折スペクトルと実質的に同じエックス線回折スペクトルを有する、実施例18、バッチDで得た化合物の結晶形態が提供される。
【0137】
本発明のさらに別の態様では、
図12に示されている粉末X線回折スペクトルと実質的に同じエックス線回折スペクトルを有する、実施例18、バッチEで得た化合物の結晶形態が提供される。
【0138】
エックス線回折ピーク位置に関して「基本的に同じ」という用語は、典型的なピーク位置および強度のばらつきが考慮に入れられていることを意味する。例えば、当業者であれば、ピーク位置(2θ)は、通常0.2°分だけのいくらかの装置間のばらつきを示すことを理解されよう。さらに、当業者であれば、相対的ピーク強度は、装置間のばらつき、ならびに結晶化度の程度、好ましい配向性、調製した試料表面、および当業者に公知の他の要素によるばらつきを示し、定性的尺度のみで解釈されるべきであることを理解されよう。
【0139】
特定の実施形態は、本明細書中に記載されている特定の例示された化合物により提供される。
【0140】
本発明は、PI3Kが本明細書中に記載されている疾病病因をもたらしている疾患、状態および/または障害の治療において有用な化合物およびその医薬製剤を提供する。
【0141】
本発明の化合物は、特に本明細書中に含有されている記載を考慮して、化学薬品技術において周知のプロセスに類似のプロセスを含む合成経路により合成することができる。出発物質は一般的に、Aldrich Chemicals(Milwaukee、Wis.)などの販売元から入手可能であるか、または当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F. FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、1〜19巻、Wiley、New York (1967〜1999編)、または補足を含めた、Beilsteins Handbuch der organischen Chemie、4、Aufl.編 Springer-Verlag、Berlin(Beilsteinオンラインデータベースを介しても入手可能)に一般的に記載されている方法により調製)。
【0142】
例示目的のため、以下に描写されている反応スキームは、本発明の化合物を合成するための有望な経路ならびに主要中間体を提供する。個々の反応ステップのさらに詳細な記載については、以下の実施例のセクションを参照されたい。当業者であれば、他の合成経路を使用して、本発明の化合物を合成することができることを理解されよう。特定の出発物質および試薬が以下のスキームに描写され、考察されているが、他の出発物質および試薬で容易に置換することによって、様々な誘導体および/または反応条件を提供することができる。加えて、以下に記載されている方法により調製された化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学反応を使用して、本開示を考慮してさらに改質することができる。
【0143】
本発明の化合物の調製において、中間体の遠くの官能基(例えば、第一級または第二級アミノ、ヒドロキシルまたはカルボキシル基)の保護が必要なこともある。このような保護に対する必要性は遠くの官能基の性質および調製方法の条件に応じて異なることになる。適切なアミノ保護基(NH−Pg)として、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。適切なヒドロキシル保護基として、トリアルキルシリルエーテルが挙げられ、このアルキル基のうちの1または2つをフェニルに置き換えることができる。適切なカルボキシル保護基(C(O)O−Pg)として、アルキルエステル(例えば、メチル、エチルまたはt−ブチル)、ベンジルエステル、シリルエステルなどが挙げられる。このような保護に対する必要性は、当業者により容易に決定することができる。保護基の一般的な記載およびこれらの使用については、T. W. Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、New York、1991を参照されたい。
【0144】
スキーム1(以下)は、式(IA’)の化合物(式中、R
1〜R
5は上記に定義された通りである)を生成するために有望な経路について記載している。保護基が存在する場合、脱保護ステップを加えることによって、保護されたIA’をIA’へと変換する。
【0145】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
代わりに、式(IA’)の化合物はまた、スキームIに示されているステップを逆転する、すなわちSuzukiカップリングを最初に、続いてIbとのBuchwald反応により合成することもできる。
【0147】
市販されていないオキサゾリジン−2−オンIbに対して、以下のスキーム2は、前記中間体(式中、R
2〜R
5は上記に定義された通りである)を調製するためのプロセスを提供する。第一級ヒドロキシル基がR
2〜R
5のいずれかに存在する場合、スキーム3に例示されているように選択的保護ステップが先行する。スキーム4に示されているように、アミン基はさらに先行するステップにおいて保護することができ、スキーム4では異なるヒドロキシル保護基も示されている。
【0148】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0149】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0151】
スキーム3の、およびスキーム2に一般的に示されているようにトリホスゲンで環化され、スキーム5で具体的に示されている、保護された生成物は、Ib中間体の例を提供するものである。
【0152】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
スキーム4の、およびスキーム6に示されているように水素化ナトリウムで環化された、二重保護された生成物は、Ib中間体の例を提供するものである。
【0154】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0155】
スキーム7は、スキーム4の二重保護された中間体の代替の経路を描写しており、この中間体は、スキーム6にすでに示されているように次いで環化することができる。
【0156】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
以下のスキーム8は、ボロン酸エステル中間体Bの合成を示す。
【0158】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
スキーム1に示されているように、スキーム6の環化した生成物と、4,6−ジクロロ−ピリミジン中間体(例えば、中間体Aまたはステップ10.1の生成物であり、両方とも本明細書中以下で言及されている)との反応により、さらなる中間体を提供でき、特定のものを示すと以下の通りである:
【0160】
【化66】
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【0161】
スキーム1に示されているような形成された中間体と、中間体Bとのさらなる反応により、以下のような保護された生成物IA’をもたらされる:
【0162】
【化67】
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【0163】
したがって、本発明の中間体化合物は、以下の式
【0164】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む。
【0165】
前記式において、R
1aおよびR
4は、本明細書中で以前に定義された通りであり、Halは、ハロゲン、例えばクロロなどであり、PGは保護基、例えばシリル保護基であり、このシリル保護基が、例えばトリアルキルシリルエーテル(ここで、アルキル基のうちの1または2つをフェニルで置き換えることができる)、例えばアルキル−ジフェニル−シリルエーテル保護基、具体的にはジメチル−tertブチル−シリル、またはジフェニル−tertブチルシリルを形成する。
【0166】
本発明の別の中間体化合物は、以下の式
【0167】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む。
【0168】
本明細書中で上記に描写されているような、同様に保護された他の中間体化合物は、第一級ヒドロキシル基がR
2〜R
5のいずれかに存在する場合、本明細書中で式を参照して想定することができる。このような保護された化合物もまた本開示に含まれる。例えば、R
4が基−CH
2CH
2OHである場合、これを保護することによって、R
4が−CH
2CH
2O−PG(式中、PGは上記に定義された通りである)である化合物、例えば、
【0169】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
を提供することができる。
【0170】
例えば、最終生成物を得るための、保護された生成物IA’の第三級ブチルジフェニルシリルまたは第三級ブチルジメチルシリルで保護されたヒドロキシル基の脱保護(シリルエーテルの一般的脱保護)は、HF.ピリジン(例えば、THF中)またはHClを使用して達成することができる。
【0171】
本発明の化合物、または本明細書中で使用されている中間体は、単離され、それ自体化合物として(例えば遊離塩基形態)使用することができるか、または例えば化合物のpKA値が塩形成を可能にするようなものである場合にはその塩として使用することができる。本明細書で使用される場合、「塩」または「塩類」という用語は、本発明の化合物の酸付加塩または塩基付加塩を指す。「塩」は、特に「薬学の(pharmaceutical)許容される塩」を含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、通常、生物学的にまたは他の点で不所望でない塩を指す。本発明の化合物は、アミノ基の存在により、酸付加塩を形成することが可能となり得る。本発明の化合物、それ自体が好ましい。
【0172】
薬学的に許容される酸付加塩の形成のための無機酸および有機酸として、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホルネート(camphorsulfornate)、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィリン酸塩、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
【0173】
塩誘導のための無機酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
【0174】
塩誘導のための有機酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などが挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基と共に形成することができる。
【0175】
塩誘導のための無機塩基として、例えば、アンモニウム塩および周期表I〜XII段の金属が挙げられる。特定の実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、および銅から誘導することができ;特に適切な塩として、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩が挙げられる。
【0176】
塩誘導のための有機塩基として、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、置換アミン、例えば自然発生の置換アミン、環式アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含めたものなどが挙げられる。特定の有機アミンとして、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンが挙げられる。
【0177】
本発明の薬学的に許容される塩を形成することができる場合、これらは、親化合物、塩基性または酸性の部分から、従来の化学的手法により合成することができる。一般的に、このような塩は、遊離酸形態のこれらの化合物を、化学量論的量の適当な塩基(例えば、Na、Ca、Mg、またはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)と反応させること、または遊離塩基形態のこれらの化合物を、化学量論的量の適当な酸と反応させることによって調製することができる。このような反応は通常、水中または有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で行われる。一般的に、実行可能な場合には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体の使用が望ましい。追加の適切な塩のリストは、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第20版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、(1985);ならびに「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties、Selection、and Use」、StahlおよびWermuth (Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002)に見出すことができる。
【0178】
別途示されていない限り、本明細書中で与えられているあらゆる式は、標識されていない形態を表すことが意図されている。重水素で同位体標識した形態の化合物は、Hの代わりに置換基として重水素(D)で示されている。他の同位体標識した本発明の化合物を調製することができ、これは、1個または複数の原子が選択された原子量または質量数を有する原子により置き換えられていること以外は、本明細書中で与えられた式により描写されている構造を有することができる。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体、例えば、それぞれ
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
15N、
18F
31P、
32P、
35S、
36Cl、
125Iなどが挙げられる。本発明は、本明細書中で定義されたような様々な同位体標識した化合物、例えば、
3H、
13C、および
14Cなどの放射性同位元素がその中に存在するようなものなどを含むことができる。このような同位体標識された化合物は、代謝性実験(
14Cを用いる)、反応動態実験(例えば
2Hまたは
3Hを用いる)、検出または画像化技術、例えば、薬物もしくは基質の組織分布アッセイを含めたポジトロン放出断層撮影(PET)または単一光子放射断層撮影(SPECT)などにおいて、または患者の放射線治療において有用である。特に、
18Fまたは標識化合物は、PETまたはSPECT実験に対して特に望ましいものとなり得る。同位体標識した本発明の化合物は一般的に、スキームにおいて開示されている手順を実行することにより、または以下に記載されている実施例および調製において、非同位体標識した試薬、例えば重水素標識したモルホリン(D8−モルホリン)を、すぐに利用できる同位体標識した試薬で置換することによって、調製することができる。
【0179】
さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、
2HまたはD)との置換により、より高い代謝安定性の結果として得られる特定の療法上の利点、例えばインビボでの半減期の増加、必要とされる用量の減少、CYP阻害の減少(競合的または時間依存性の)または療法指数の改善が生じ得る。例えば、重水素との置換により、重水素で置換されていない化合物の有害副作用、例えば、競合的CYP阻害、時間依存性CYP不活性化などをモジュレートすることができる。この文脈において重水素は、本発明の化合物における置換基とみなされることを理解されたい。このようなより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体の濃縮係数により定義され得る。「同位体の濃縮係数」という用語は、本明細書で使用される場合、同位体の存在度と、特定された同位体の天然存在度との間の比を意味する。本発明の化合物の中の置換基が重水素と表示された場合、このような化合物は、それぞれ指定された重水素原子に対して、少なくとも3500(各指定された重水素原子において52.5%の重水素結合)、少なくとも4000(60%の重水素結合)、少なくとも4500(67.5%の重水素結合)、少なくとも5000(75%の重水素結合)、少なくとも5500(82.5%の重水素結合)、少なくとも6000(90%の重水素結合)、少なくとも6333.3(95%の重水素結合)、少なくとも6466.7(97%の重水素結合)、少なくとも6600(99%の重水素結合)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素結合)の同位体の濃縮係数を有する。
【0180】
さらに、本発明の化合物は、それらの塩を含めて、それらの水和物の形態でも得ることができ、またはそれらの結晶化のために使用される他の溶媒を含むことができる。本発明の化合物は、本質的にまたは設計により、薬学的に許容される溶媒(水を含む)と共に溶媒和物を形成することができる。このような溶媒分子は、薬学的技術において一般的に使用されているものであり、レシピエントに無害であることが知られている、例えば、水、エタノールなどである。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。「溶媒和物」という用語は、1個または複数の溶媒分子が結晶格子構造に組み込まれている、本発明の化合物(薬学的に許容されるその塩を含む)の分子複合体を指す。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配置および/または非規則的な配置で存在することができる。溶媒和物は、化学量論的量または非化学量論的量の溶媒分子を含むことができる。例えば、非化学量論的量の溶媒分子を有する溶媒和物は、溶媒和物からの溶媒の部分的な損失から生じ得る。溶媒和物は、結晶格子構造内に2個以上の本発明による分子または化合物を含む、ダイマーまたはオリゴマーとして生じ得る。
【0181】
本発明の化合物は、その塩、水和物および溶媒和物を含めて、本質的にまたは設計により、多形体を形成することができる。
【0182】
本明細書で使用される場合「多形体」とは、化学組成は同じだが、結晶を形成する分子、原子、および/またはイオンの空間的な配置が異なる結晶形態を指す。
【0183】
本明細書で使用される場合、「非晶質」とは、結晶ではない固形の分子、原子、および/またはイオンを指す。アモルファス固体は、明確なエックス線回折パターンを示さない。
【0184】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体置換されていてもよいもの、例えばD
2O、d
6−アセトン、d
6−DMSOなどを含む。
【0185】
本発明の化合物は、キラル中心を含有し、よって異性体の形態で存在することを当業者であれば認識されよう。本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、分子式は同じだが、原子の配置および構成が異なる、異なる化合物を指す。また本明細書で使用される場合、「光学異性体」または「立体異性体」という用語は、所与の本発明の化合物に対して存在し得る様々な立体異性体の構成のいずれかを指す。置換基は、炭素原子のキラル中心において付加していることができることを理解されたい。したがって、本発明の化合物は、本発明の化合物の構造的描写において、キラル中心に立体特異性配置を指し示すことで示されるエナンチオマーを含み、破線状のくさびの結合は、付加した置換基または原子が平面の下にあることを示し、実線状のくさびの結合は、付加した置換基または原子が平面の上にあることを示している。
【0186】
「エナンチオマー」は、互いに重ね合せできないミラーイメージである一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は「ラセミ」混合物である。この用語は、適当な場合、ラセミ混合物を意味するように使用される。
【0187】
「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の非対称的原子を有するが、これらは互いにミラーイメージではない立体異性体である。
【0188】
絶対立体配置は、Cahn−Ingold−Prelog R−Sシステムに従い特定される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル炭素での立体配置は、RまたはSのいずれかで特定することができる。絶対配置が不明な分解化合物は、これらが、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)または(−)(右旋性または左旋性)を指定することができる。本明細書中に記載されている特定の化合物は、1つまたは複数の不斉中心または軸を含有し、したがって、絶対立体配置に関して、(R)−または(S)−と定義することができる、エナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性形態を生じ得る。
【0189】
本発明の化合物の任意の非対称的原子(例えば、キラル炭素など)は、エナンチオマーを豊富に含む、例えば(R)−または(S)−構成であることができる。特定の実施形態では、各非対称的原子は、特定の非対称的原子(例えばキラル炭素)に対して記載されている(R)−または(S)−構成において、少なくとも50%の不斉収率、少なくとも60%の不斉収率、少なくとも70%の不斉収率、少なくとも80%の不斉収率、少なくとも90%の不斉収率、少なくとも95%の不斉収率、または少なくとも99%の不斉収率を有する。
【0190】
したがって、本発明の化合物は、実質的に純粋なエナンチオマーの形態であることができる。
【0191】
結果として得た任意の異性体混合物は、構成成分の物理化学的な差に基づいて、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別再結晶により、純粋なまたは実質的に純粋な光学異性体へと分離することができる。
【0192】
光学活性な(R)異性体および(S)異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製することができ、または従来の技法を使用して分離することができる。最終生成物または中間体の結果として得た任意のラセミ体は、公知の方法で光学対掌体へと分離することができる。例えば、公知の方法には、光学活性な酸または塩基を用いて得たそのジアステレオマー塩の分離、および光学活性な酸性化合物または塩基性化合物の遊離が含まれる。特に塩基性部分をこうして採用することによって、例えば、光学活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸と共に形成される塩の分別再結晶により、本発明の化合物をこれらの光学対掌体へと分離することができる。ラセミ生成物はまた、キラル吸着剤を使用して、キラルクロマトグラフィー、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離することができる。
【0193】
化合物が二重結合を含有する場合、置換基はEまたはZ構成であってよい。化合物が二置換のシクロアルキルを含有する場合、シクロアルキル置換基はcis構成またはtrans構成を有してもよい。すべての互変異性体形態もまた含まれることが意図されている。
【0194】
水素結合に対してドナーおよび/またはアクセプターとして作用することが可能な基を含有する本発明の化合物は、適切な共結晶形成剤と共に共結晶を形成することが可能となり得る。これらの共結晶は、公知の共結晶形成手順により本発明の化合物から調製することができる。このような手順は、粉砕すること、加熱すること、共昇華すること、共溶融すること、または溶液中で本発明の化合物を共結晶形成剤と、結晶化条件下で接触させること、およびこれによって形成された共結晶を単離することを含む。適切な共結晶形成剤として、WO2004/078163において記載されているものが挙げられる。したがって本発明は、本発明の化合物を含む共結晶をさらに提供する。
【0195】
式(I)の化合物はPI3キナーゼ(PI3K)を阻害し、したがって、タンパク質または脂質キナーゼ依存性疾患、特にクラスIのPI3キナーゼ、PI3Kアルファ、PI3Kベータ、PI3KデルタおよびPI3Kガンマまたはその個々のキナーゼメンバーの1種もしくは複数または述べられたキナーゼのうちの任意の2種以上の任意の組合せに依存する疾患の治療において有用となり得る。
【0196】
2種以上のクラスIのPI3Kアイソフォーム(アルファ、ベータ、デルタおよびガンマ)、特にクラスIAメンバーと実質的に等しい効力を有するp110a、p110bおよびp110d、ならびに、任意選択で、クラスIBメンバーp110gの活性を阻害する化合物は、利点があると考えられる。なぜなら、このような化合物は、独自の特異性、例えば、PI3KクラスIのファミリーの1つのメンバーに対する特異性を有する化合物と比較して、他のアイソフォームを介した経路再編成により、適応メカニム(mechanim)を回避する能力を有すると考えられるからである。「等しい効力を有する」とは、化合物が、数種のアイソフォームを、例えば本明細書中に記載されている酵素アッセイまたは細胞アッセイで測定した場合、同等の範囲まで阻害することを意味する。
【0197】
PI3Kアイソフォームのうちの少なくとも1種の阻害能力の増加(すなわち少なくとも1種のPI3Kアイソフォームをより低い濃度で阻害する)もまた有利となり得る。例えばPTENの無効な腫瘍の場合、推進するアイソフォームはp110bであるが、完全な効力を得るためには、他のクラスIのAアイソフォームの参加を必要とする可能性がある。例えば、アルファおよびベータアイソフォームに対する能力は有利となり得る。
【0198】
例えば、p110a(例えばPIK3CA H1047RまたはE545K)をコード化している発がん性形態の遺伝子により主に推進されるがん、ならびにPIK3CAのより多くのコピー数を示す腫瘍の治療のため、PI3Kアルファキナーゼを強力に阻害する化合物に対する必要性もまた存在する。
【0199】
本発明の化合物が、mTORに対する活性を示すことなく、述べられているPI3キナーゼ活性を示す、またはmTORよりも、1種または複数のクラスIのPI3キナーゼを阻害することに対して有利な選択性を少なくとも示すことが望ましい。例えば、mTOR阻害作用は、さらに特に化合物がPI3Kよりもさらに強くmTORを阻害する場合(好ましくない比)、安全窓を一般的に減少させるので、mTORと比較して、1種または複数のPI3Kアイソフォーム(例えば少なくとも2種、好ましくは3種、例えば、アルファ、ベータおよびデルタアイソフォーム)を好んで選択的に阻害する化合物が望ましい。
【0200】
さらに、オフターゲット効果がより低い、またはオフターゲット効果を保有しない、例えば、チューブリン結合を保有しないようなPI3K阻害剤が望まれる。これは、このような作用が、オンターゲットPI3K阻害に関連しない毒性作用を引き起こす可能性があり、したがってこのような化合物は、治療効果がPI3K阻害に対して確実に制御可能となり、これに起因するものとなるよう、追加の注意深い投薬制御が必要となり得るからである。本発明の化合物は,本明細書中に記載されている手順を使用して測定した場合、弱いオフターゲット効果(チューブリン結合)を示すか、または観察されるこのような効果を示さない。
【0201】
2種以上のクラスIのPI3Kアイソフォーム(アルファ、ベータ、デルタおよびガンマ)、特に実質的に等しい効力を有するクラスIAメンバーであるp110a、p110bおよびp110d、ならびに、任意選択でクラスIBメンバーp110gの活性を阻害し、加えてより低いオフターゲット効果を有する、またはオフターゲット効果を保有しない、例えば、チューブリン結合を保有しない、または減少したチューブリン結合を示す化合物が望まれる。
【0202】
望ましくは、少なくとも1種(例えばPI3Kアルファ)、しかし特に2種(例えばPI3KアルファおよびPI3Kベータ)または3種(例えばPI3Kアルファ、PI3KベータおよびPI3Kデルタ)、または4種すべてのクラス1のPI3K(PI3Kアルファ、PI3Kベータ、PI3KデルタおよびPI3Kガンマ)の改善された阻害、ならびにより低いオフターゲット効果(特に、オフターゲット効果のない)(例えばより低いチューブリン結合またはチューブリン結合のない)を示す化合物が探究される。望ましくは、これらの化合物は、mTORと比較して、1種または複数のPI3Kアイソフォーム(例えば、少なくとも2種、好ましくは3種、例えば、アルファ、ベータおよびデルタアイソフォーム)に対して選択的な阻害を示す。
【0203】
結果的に、本発明の化合物のさらなる態様は、対象(例えば哺乳動物、好ましくはヒト)におけるPI3キナーゼの阻害またはアンタゴニズムに関連する疾患、状態または障害の治療のために使用することができる(例えば医薬品の製造において)。したがって、PI3キナーゼ阻害との関連性のために、本発明の化合物は、がんなどの増殖性疾患の治療に有用と考えられる。本発明の化合物による治療に対する特定の疾患/状態として、良性、または特に悪性の腫瘍、固形腫瘍、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃(特に胃の腫瘍)、食道、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺(例えば非小細胞肺がん、小細胞肺がん)、膣、甲状腺、肉腫、グリア芽細胞腫、多発性骨髄腫または消化器がん、特に結腸癌または結腸直腸の腺腫、または頸部および頭部の腫瘍、他の疾患、例えば、Cowden症候群、Lhermitte−Duclos病およびBannayan−Zonana症候群など(またはPI3K/PKB経路が異常に活性化する疾患)、前立腺過形成、新生物、特に上皮の特徴のもの、好ましくは乳房の癌または扁平上皮癌、B細胞悪性腫瘍、例えば、慢性リンパ球性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)など、血漿細胞ミエローマおよびホジキンリンパ腫(NH)または白血病が挙げられる。化合物は望ましくは、腫瘍の退化をもたらし、腫瘍転移の形成および転移(また微小転移も)の増大を予防することができる。数種のまたは、特に、個々の脂質キナーゼおよび/または(さらなる)セリン/トレオニンタンパク質キナーゼが含まれる場合、式(I)の化合物を免疫系の疾患の治療に使用することも可能となり得る。
【0204】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、「the」という用語、および本発明との関連で(特に特許請求の範囲との関連で)使用されている同様の用語は、本明細書中で他に指摘されていない限りまたは状況から明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を網羅すると解釈されるものとする。
【0205】
本明細書中に記載されているすべての方法は、他に指摘されていない限り本明細書中でまたはさもなければ状況により明らかに矛盾していない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書中に示す任意のおよびすべての実施例、または例示的言語(例えば「例えば」)の使用は、本発明を単により良く解明することだけを意図するもので、他に特許請求された本発明の範囲に対して制限を提示するものではない。
【0206】
本発明の化合物は通常、医薬組成物(例えば、本発明の化合物と少なくとも1種の薬学的に許容される担体)として使用される。
【0207】
したがって、別の態様では、本発明は、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0208】
本発明の化合物は、非晶質形態の組成物で提供することができる。本発明の化合物は、その遊離形態、すなわち、塩の形態でない(遊離塩基形態)組成物で提供することができる。本発明の化合物は、その遊離形態、すなわち、塩の形態でなく(遊離塩基形態)、また非晶質形態でもある組成物で提供することができる。
【0209】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語には、これらは当業者には公知であるような、一般的に安全な(GRAS)溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗かび剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊薬剤、滑沢剤、甘味剤、着香剤、色素、緩衝剤(例えば、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなど)などとして認識されるものおよびそれらの組合せが含まれる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版Mack Printing Company、1990、1289〜1329頁を参照されたい)。任意の従来の担体が活性成分と不相容性である場合を除いて、療法用組成物または医薬組成物におけるその使用が想定される。本発明の目的のため、溶媒和物および水和物は、本発明の化合物および溶媒(すなわち、溶媒和物)または水(すなわち、水和物)を含む医薬組成物と考えられる。
【0210】
従来の溶解手順および混合手順を使用して、製剤を調製することができる。例えば、原薬(すなわち、本発明の化合物または安定化した形態の化合物(例えば、シクロデキストリン誘導体または他の公知の複合体形成薬剤との複合体))を、上記に記載されている賦形剤のうちの1種または複数の存在下で適切な溶媒中に溶解する。本発明の化合物は、通常薬学的剤形に製剤化することによって、容易に制御可能な用量の薬物を提供し、エレガントで、容易に取り扱うことのできる製品を患者に与える。
【0211】
医薬組成物は、特定の投与経路、例えば、経口投与、非経口投与、および直腸投与などに対して製剤化することができる。加えて、本発明の医薬組成物は、固形形態(制限なしでカプセル剤、錠剤、丸剤、粒剤、散剤または坐剤を含む)、または液体形態(制限なしで液剤、懸濁剤または乳剤を含む)へと作製することができる。医薬組成物は、従来の製薬工程、例えば、殺菌などの対象とすることができ、ならびに/または従来の不活性希釈剤、滑沢剤、もしくは緩衝剤、およびアジュバント、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含有することができる。
【0212】
通常、医薬組成物は、
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/もしくはグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/もしくはポリエチレングリコール;錠剤に関しては更に、
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/もしくはポリビニルピロリドン;所望ならば
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、もしくは発泡性混合物;ならびに/または
e)吸収剤、着色料、香味料および甘味料
と一緒に活性成分を含む錠剤またはゼラチンカプセル剤である。
【0213】
錠剤は、当技術分野で公知の方法に従い、膜コーティングまたは腸溶コーティングされていてもよい。
【0214】
活性成分の溶液、さらに懸濁液、および特に等張水溶液または懸濁液を使用することができ、これは、例えば、活性成分を単独でまたはマンニトールなどの担体と一緒に含む凍結乾燥した組成物の場合、このような溶液または懸濁液を使用直前に生成することが可能である。医薬組成物は、無菌化することができ、および/またはアジュバント、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調整するための塩および/または緩衝剤を含んでもよく、それ自体公知の方式、例えば、従来の溶解プロセスまたは凍結乾燥プロセスを用いて調製される。前記溶液または懸濁液は、粘性増加物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンなどを含み得る。
【0215】
油中の懸濁液は、油成分として、注射目的のために慣習的な植物油、合成油または半合成油を含む。特に、酸成分として、8〜22個の炭素原子、特に12〜22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸、例えば、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸または対応する不飽和の酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸またはリノール酸を、所望する場合、抗酸化剤、例えば、ビタミンE、ベータカロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンの添加と共に含有する液体脂肪酸エステルを挙げることができる。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、最大6個の炭素原子を有し、モノヒドロキシもしくはポリヒドロキシ、例えば、モノヒドロキシ、ジヒドロキシもしくはトリヒドロキシ;アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールもしくはペンタノール;またはそれらの異性体、特にグリコールおよびグリセロールである。したがって以下の脂肪酸エステルの例が挙げられる:オレイン酸エチルエステル、ミリスチン酸イソプロピルエステル、パルミチン酸イソプロピルエステル、「Labrafil M2375」(三オレイン酸ポリオキシエチレングリセロールエステル、Gattefosse、Paris)、「Miglyol 812」(C
8〜C
12の鎖長を有する飽和脂肪酸のトリグリセリド、Huls AG、Germany)、特に植物油、例えば、綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、ダイズ油など、さらに特にラッカセイ油。
【0216】
注射用組成物を、慣習的方式で滅菌の条件下で調製する;組成物のアンプルまたはバイアルへの導入、および容器の密閉にもこれが同様に適用される。
【0217】
経口投与のための医薬組成物は、活性成分を固体担体と組み合わせて、所望する場合、結果として得られた混合物を造粒し、所望する場合、または必要な場合、適当な賦形剤を、錠剤、糖衣錠コアまたはカプセル剤に添加後、混合物を処理することによって得ることができる。活性成分を拡散させ、または定められた量で放出することができるプラスチック担体にこれらを組み込むことも可能である。
【0218】
経口投与に対して適切な組成物は、錠剤、ロゼンジ剤、水性懸濁液または油性懸濁液、分散性散剤または粒剤、乳剤、硬質または軟質カプセル剤、またはシロップ剤またはエリキシル剤の形態で有効量の本発明の化合物を含む。経口の使用を目的とする組成物は、医薬組成物の製造に対して当技術分野で公知の任意の方法に従い調製され、このような組成物は、甘味剤、着香剤、着色剤および保存料からなる群から選択される1種または複数の薬剤を含有することによって、薬学的にエレガントで、口に合う調製物を提供することができる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に対して適切であり非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど;造粒および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはアルギン酸など;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシアなど;および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどである。錠剤は、コーティングされていないか、または消化管での崩壊および吸収を遅らせ、より長い期間にわたり長持ちする作用を提供するために、公知の技術によりコーティングされている。例えば、時間遅延物質、例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどを採用することができる。経口使用のための製剤は、活性成分が、不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が、水もしくは油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されている軟質ゼラチンカプセル剤として提示することができる。
【0219】
局所的投与のための医薬組成物は、活性成分を、この活性物質を溶解するもしくは分散するための液体担体(例えば、水性の液体担体)と、さらに場合によって、製剤化成分、例えば、液剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤もしくは軟膏剤を提供するための、例えば、溶媒/可溶化剤、ゲル化剤、油、安定剤、緩衝剤および保存剤などと一緒に組み合わせることによって得ることができる。局所的投与のための医薬組成物は、例えば、皮膚への塗布のために提供することができる。局所的投与のための医薬組成物は、ほぼ0.1%〜ほぼ2%の活性成分を含むことができ、この活性成分は特に式(I)の化合物、特に、本明細書中で個々の実施例に記載されている化合物である。
【0220】
塗布用の医薬組成物(または製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて、様々な方式で包装することができる。一般的に、流通用の製品は、適当な形態で医薬製剤が入れられている容器を含む。適切な容器は当業者には周知であり、ボトル(プラスチックおよびガラス)、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダーなどの材料を含む。容器はまた、パッケージ内容物に安易に手が届かないよう、不正開封防止用集合体を含むこともできる。加えて、容器には、容器の内容物について記載するラベルがその上についている。ラベルはまた適当な警告も含む。
【0221】
治療有効量の本発明の化合物を含む医薬組成物は、非経口投与として使用するために製剤化することができる。医薬組成物(例えば、静注用(iv)製剤)は、従来の製薬工程、例えば殺菌などの対象とすることができ、および/または従来の不活性希釈剤、または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば、当業者などには周知の保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含有することができる。
【0222】
水は特定の化合物の分解を促進する可能性があるので、本発明は、本発明の化合物を活性成分として含む無水の医薬組成物および剤形をさらに提供する。本発明の無水の医薬組成物および剤形は、無水または低水分を含有する成分および低水分条件または低湿度条件を使用して調製することができる。無水の医薬組成物を調製し、その無水の性質が維持されるように保存することができる。したがって、無水組成物は、これらを適切な処方キット内に含めることができるように、水への曝露を防止することで知られている物質を使用して包装される。適切なパッケージングの例として、これらに限定されないが、密閉されたホイル、プラスチック、単位容量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられる。
【0223】
本発明は、本発明の化合物が活性成分として分解する速度を減少させる1種または複数の薬剤を含む医薬組成物および剤形をさらに提供する。このような薬剤は、本明細書中で「安定剤」として言及され、これらに限定されないが、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、pH緩衝剤、または塩緩衝剤などを含む。
【0224】
本発明の化合物、特に、本明細書中で個々の実施例に記載されている化合物は、非晶質形態で提供することができる。
【0225】
本発明の化合物、特に、本明細書中で個々の実施例に記載されている化合物は、標準懸濁剤、ナノ懸濁剤および固体分散液として、例えば以下ようにして、製剤化することができる。
【0226】
標準懸濁剤:
1.)ターゲットとする製剤濃度3mg/mlを目指して、実施例18、バッチEの結晶性物質の必要量を秤量した。
2.)次いで、実施例18、バッチEの結晶性物質を0.5%[w/w]カルボキシメチルセルロース/0.5%[w/w]Tween80/水に分散した
3.)懸濁剤をボルテックスしてホモジナイズした
4.)プローブソニケーターを使用して、懸濁剤を超音波処理することによって、粒径を減少させた(2分)
ナノ懸濁剤:
1.)実施例18、バッチEの結晶性物質32mgを正確に秤量して特注の大理石粉砕デバイスに入れた
2.)2.148gの0.2mmジルコニア粉砕媒体を粉砕デバイスに加えた
3.)0.608mlの1%[w/V]HPMC603(ヒドロキシプロピルメチルセルロース等級603)/0.05%[/w]SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)/水を粉砕デバイスに加えた
4.)粉砕デバイスを密閉し、回転式微粉砕にかけた
5.)試料を400rpmで4時間微粉砕した
6.)シリンジを使用してナノ懸濁剤を収集した
固体分散液:
1.)実施例18、バッチEの結晶性物質30mgを秤量して凍結乾燥バイアルに入れた
2.)30mgのHPMC603(ヒドロキシプロピルメチルセルロース等級603)を同じバイアルに加えた
3.)5.6mlのジオキサンをバイアルに加えた。バイアルを蓋で密閉した。
4.)試料を周囲条件で12時間撹拌した
5.)得た溶液を以下の条件に従い凍結乾燥した
【0227】
【表1】
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【0228】
本発明の化合物が、安定性の理由で、例えば、化合物を担体(例えば、ポリマー、例えばHPMCなど)および溶媒と組み合わせ、この混合物を凍結乾燥させることによって(結晶形態よりも、むしろ非晶質形態で化合物を提供することを意図して)調製された固体分散液として提供される場合、担体の量と化合物の量との比を増加させることによって、静置した際に化合物の再結晶化を回避することが有利となり得る。
【0229】
特定の場合には、本発明の化合物を、少なくとも1種の追加の薬学的(または療法用の)薬剤(例えば、抗増殖剤または抗がん剤または化学療法に通常使用される補助療法)と組み合わせて投与することが有利となり得る。本発明の化合物は、1種または複数の他の治療薬と同時に、またはその前後に投与することができる。代わりに、本発明の化合物は、同一もしくは異なる投与経路により別々に、または他の薬剤と同じ医薬組成物中で一緒に投与することもできる。適切な追加の抗がん剤としては、以下を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0230】
HER2およびHER3受容体阻害剤:HER2陽性の乳がんモデルにおいて最近例示されたように、PI3K阻害は、FoxO依存性HER2/HER3転写誘発を介して、再活性化の経路へとつながり、これは、この設定でのHER2阻害剤の使用を意味する(Serraら、2011 Oncogene 30;Chandarlapatyら、2011 Cancer Cell 19;Chakrabartyら2012、PNAS 109)。例えばトラスツズマブ(Genentech/Rocheから、商標Herceptin(登録商標)で販売されている)、ペルツズマブ(Genentech/Rocheから、商標Perjeta(商標)で販売されている)、Genentech/Roche製の抗体薬物コンジュゲート、トラスツズマブエムタンシン(T−DM1)、エルロチニブ(Genentech/Rocheから、商標Tarceva(登録商標)で販売されている、ゲフィチニブ(AstraZenecaから、商標Iressa(商標)で販売されている)、MOR10703、ネラチニブ(またHKI−272、(2E)−N−[4−[[3−クロロ−4−[(ピリジン−2−イル)メトキシ]フェニル]アミノ]−3−シアノ−7−エトキシキノリン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エナミドとしても知られており、PCT公開WO05/028443において記載されている)、ラパチニブまたはトシル酸ラパチニブ(GlaxoSmithKlineから、商標Tykerb(登録商標)で販売されている)。このような組合せは、例えばHER2陽性乳がんおよびHER2が増幅した胃がんにおいて有用である。療法のターゲットとして、HER3(ErbB3)は、不活性なチロシンキナーゼを有するという難題を提示し、したがってATP−模倣剤チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の有用性を排除する。この難題を回避するのは、ErbB3(例えば、MM−121)へのリガンド結合を遮断するか、またはErbB2が過剰発現する細胞においてErbB2を用いて、ErbB3の二量体化の遮断する(例えば、ペルツズマブ)ことを目指す抗体媒介性ストラテジーである
【0231】
エストロゲン受容体ダウンレギュレーター/アロマターゼ阻害剤:例えばフルベストラント(商標名Faslodex(登録商標)で販売されている)、レトロゾール(Novartisから、商標Femara(登録商標)で販売されている)またはエクセメスタン(Pfizerより商標Aromasin(登録商標)で販売されている)。このような組合せは、例えば、ER陽性乳がんの治療に有用である。この組合せに対する論理的根拠は、PI3K関連のホルモン耐性に対処することを目指すものである。
【0232】
マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MEK)阻害剤:例えばXL−518(CasNo.1029872−29−4、ACC Corp.から入手可能)、AZD6244またはセルメチニブ(AstraZeneca)、GSK1120212(GlaxoSmithKline)、AZD8330(AstraZeneca)、またはMEK162。このような組合せは、例えば、KRAS変異型の肺がん、直腸結腸がん(CRC)および膵臓がんの治療に有用である。
【0233】
Bcl2/BclXL阻害剤:例えばABT737(Abbott)。
【0234】
抗アンドロゲン:例えば、ニルタミド(商標名Nilandron(登録商標)およびAnandron(登録商標)で販売されている)、ビカルタミド(商標名Casodex(登録商標)で販売されている)、フルタミド(商標名Fulexin(商標)で販売されている)、MDV3100(エンザルタミド、Medivationにより商標名Xtandi(登録商標)で販売されている)およびアビラテロン(Janssenから、商標名Zytiga(登録商標)で販売されている)。このような組合せは、例えば、PTEN不活性化を有する、ホルモン依存性前立腺がんの治療に有用である。この組合せに対する論理的根拠は、PI3Kとアンドロゲン受容体経路との間のやりとりに対処することを目指すものである。
【0235】
熱ショックタンパク質90(HSP90)阻害剤:例えばタネスピマイシン(17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、KOS−953および17−AAGとしても知られ、SIGMAから入手可能であり、米国特許第4,261,989号に記載されている)および5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド(AUY922としても知られており、PCT公開WO2004/072051に記載されている)。このような組合せは、例えばEGFR依存性肺がんの治療またはEGR阻害剤に対して治療抵抗性となるEGRmutを阻害するため、またはHER2陽性乳がん、またはHER2陽性胃がんにおいて有用である。
【0236】
タキサン抗腫瘍剤:例えばカバジタキセル(1−ヒドロキシ−7β,10β−ジメトキシ−9−オキソ−5β,20−エポキシタクサ−11−エン−2α,4,13α−トリイル−4−アセテート−2−ベンゾエート−13−[(2R,3S)−3−{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパノエート)、ラロタキセル((2α,3ξ,4α,5β,7α,10β,13α)−4,10−ビス(アセチルオキシ)−13−({(2R,3S)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパノイル}オキシ)−1−ヒドロキシ−9−オキソ−5,20−エポキシ−7,19−シクロタキサ−11−エン−2−イルベンゾエート);
【0237】
抗有糸分裂剤:例えばドセタキセル(Sanofi−Aventisから、商標名Taxotere(登録商標)で販売されている)、乳がんの治療に対して有用である。
【0238】
植物アルカロイド:例えばパクリタキセル(商標名TaxolおよびOnxal(商標)で販売されている)およびパクリタキセルタンパク質結合(商標名Abraxane(登録商標)で販売されている)および前立腺がんの治療に対して有用である、ビンブラスチン(硫酸ビンブラスチン、ビンカロイコブラスチンおよびVLBとしても知られている、商標名Alkaban−AQ(登録商標)およびVelban(登録商標)で販売されている)、ビンクリスチン(硫酸ビンクリスチン、LCR、およびVCRとしても知られている、商標名Oncovin(登録商標)およびVincasar Pfs(登録商標)で販売されている)およびビノレルビン(商標名Navelbine(登録商標)で販売されている)。
【0239】
抗インスリン様成長因子1受容体(IGF−1R)抗体:例えば、フィギツムマブ(CP−751,871としても知られている、ACC Corpから入手可能)、およびロバツムマブ(CAS No.934235−44−6)。
【0240】
PARP(ポリADP−リボースポリメラーゼ)阻害剤:例えばBSI−201(イニパリブ)およびオラパリブ。このような組合せは、例えばPI3K阻害剤によるDNA損傷機構の可能な誘発に対処するのに有用である。
【0241】
補助療法に対して適切な治療薬として、ステロイド、抗炎症剤、抗ヒスタミン、抗嘔吐剤、および本明細書中に記載されている疾患、状態、または障害に対する治療を受けている患者に対するケアの品質改善における使用のための、当業者に周知の他の薬剤が挙げられる。
【0242】
PI3K/Akt経路の活性化は細胞生存を推進するので、経路の阻害は、放射線療法および化学療法を含めた、がん細胞におけるアポトーシスを推進する療法と組み合わせると、結果として応答を改善することになり得る(Ghobrialら、CA Cancer J. Clin 55:178〜194頁(2005))。例として、PI3キナーゼ阻害剤とカルボプラチンの組合せは、インビトロの増殖およびアポトーシスアッセイの両方において、ならびに卵巣がんの異種移植片モデルにおけるインビボでの腫瘍効力において相乗効果を実証した(WestfallおよびSkinner、Mol. Cancer Ther. 4:1764〜1771頁(2005))。本発明の化合物は放射線療法と共に投与することができる。
【0243】
本発明の化合物またはその医薬組成物は、以下の経路により投与することができる:経腸、例えば、経鼻など;経直腸もしくは経口;非経口、例えば、筋肉内もしくは静脈内など;または局所的、例えば、皮膚投与など。ヒトにおける使用のための本発明の化合物またはその医薬組成物は、好ましくは経口的に投与される(例えば、錠剤形態で)。
【0244】
本発明の医薬組成物または組合せは、およそ50kg〜およそ70kgの対象に対して、およそ1mg〜およそ1000mgの活性成分、またはおよそ1mg〜およそ500mgまたはおよそ1mg〜およそ250mgまたはおよそ1mg〜およそ150mgまたはおよそ0.5mg〜およそ100mg、またはおよそ1mg〜およそ50mgの活性成分の単位用量とすることができる。単位用量はまた、およそ50kg〜およそ70kgの対象に対して、およそ50mgおよそ1000mgの活性成分、またはおよそ50mg〜およそ500mgまたはおよそ50mg〜およそ250mgまたはおよそ50mg〜およそ150mgまたはおよそ50mg〜およそ100mgの活性成分とすることもできる。単位用量はまた、およそ50kg〜およそ70kgの対象に対して、およそ100mg〜およそ500mgの活性成分、またはおよそ200mg〜およそ500mgまたはおよそ300mg〜およそ500mgまたはおよそ300mg〜およそ400mgの活性成分とすることもできる。これらの用量は、全一日の用量として提供してもよいし、単位用量または分割した用量で提供してもよい。用量は、活性成分を送達するために使用される特定の剤形に依存し得る。一般的に、化合物、医薬組成物、またはその組合せの治療有効投与量は、対象の種、その体重、年齢および個々の状態、治療を受けている障害もしくは疾患またはその重症度に依存する。用量はまた、治療を受けている種における活性成分のバイオアベイラビリティーにも依存し得る。通常のスキルの医師、薬剤師、臨床医または獣医は、障害または疾患の進行を予防、治療または阻害するために必要な活性成分のそれぞれの有効量を容易に決定することができる。
【0245】
上記引用された用量特性は、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離した器官、組織およびその調製物を使用して、インビトロおよびインビボ試験で実証できる。本発明の化合物は、例えば10mMのDMSO保存液から調製した、例えば水溶液などの溶液の形態で、インビトロで、経腸、非経口的に、有利には静脈内に、例えば、懸濁液として、または水溶液中で、インビボで適用することができる。インビトロの用量は、およそ10
−3モル濃度〜およそ10
−9モル濃度の間の領域であってよい。インビボでの治療有効量は、投与経路に応じて、およそ0.1〜およそ500mg/kgの間、またはおよそ1〜およそ100mg/kgの間の範囲にわたってもよい。
【0246】
一般的に、本発明の化合物の治療有効量が、治療を必要とする患者に投与される。本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、対象の生物学的または医学的応答、例えば、酵素活性もしくはタンパク質活性もしくはタンパク質複合体活性の減少もしくは阻害を誘発する、または症状を回復させ、状態を軽減し、病状悪化を遅延もしくは遅らせる、または疾患を予防する本発明の化合物の量を指す。
【0247】
さらに別の態様では、哺乳動物においてがんを治療するための方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に本発明の化合物の有効量を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0248】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、動物を指す。通常、動物は哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、男性または女性のヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、トリなどを指す。特定の実施形態では、対象は霊長類である。好ましくは、対象はヒトである。
【0249】
本明細書で使用される場合、「阻害する」、「阻害」または「阻害している」という用語は、所与の状態、症状、もしくは障害、もしくは疾患の減少もしくは抑制、または生物活性もしくは生物学的過程のベースライン活性における有意な低減を指す。
【0250】
本明細書で使用される場合、任意の疾患または障害の「治療する」、「治療している」または「治療」という用語は、(i)疾患または障害を回復させること(すなわち、疾患またはその臨床像のうちの少なくとも1つの発症を遅延させるまたは止めるまたは減少させる);(ii)患者により識別可能でない可能性のあるものを含めて、少なくとも1つの物理的パラメーターを軽減するまたは回復させる;あるいは(iii)疾患もしくは障害の開始または発症または進行を予防するまたは遅らせることを指す。一般的に、「治療する」または「治療」という用語は、疾患、状態、または障害と闘う目的のための患者の管理およびケアについて記載しており、症状もしくは合併症の開始を予防する、症状もしくは合併症を軽減する、または疾患、状態もしくは障害を排除するための本発明の化合物の投与を含む。
【0251】
本明細書で使用される場合、このような対象が、このような治療から生物学的に、医学的にまたは生活の質において(好ましくは、対象はヒトである)利益を得るとすれば、対象は治療「を必要としている」のである。
【0252】
本発明の別の態様は、本発明の化合物と、アポトーシスを強化するための療法において同時の、別々のまたは連続的な使用のために、組み合わせた調製物として、少なくとも1種の他の治療薬(または医薬品)とを含む製品である。
【0253】
本発明の組合せ療法において、本発明の化合物および他の治療薬は、同一または異なる製造者により製造および/または製剤化することができる。さらに、本発明の化合物および他の治療薬(または医薬品)は、(i)組合せ製品を医師へ譲渡する以前に(例えば、本発明の化合物および他の治療薬を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身により(または医師の指導のもと);(iii)患者自身で、例えば、本発明の化合物および他の治療薬の連続投与中に、一緒にまとめて組合せ療法に含めることができる。
【0254】
したがって、本発明は、PI3Kを阻害するまたはPI3Kに拮抗することにより疾患または状態を治療するための本発明の化合物の使用であって、医薬品が、別の治療薬と共に投与するために調製される、使用を提供する。本発明はまた、別の治療薬の使用も提供し、この場合、医薬品は、本発明の化合物と他の治療薬との組合せとして投与される。
【0255】
本発明の実施形態は以下の実施例により例示される。しかし、他の変形形態が当業者には公知であるかまたは本開示に鑑みて当業者には明らかであるように、本発明の実施形態はこれらの実施例の特定の詳細に限られるわけではないことを理解されたい。
[実施例]
【0256】
他に特定されていない限り、出発物質は、Aldrich Chemicals Co.(Milwaukee、Wis.)、Lancaster Synthesis、Inc.(Windham、N.H.)、Acros Organics(Fairlawn、N.J.)、Maybridge Chemical Company、Ltd.(Cornwall、England)、Tyger Scientific(Princeton、N.J.)、Chem−Impex International、Inc.(Wood Dale、IL)、およびAstraZeneca Pharmaceuticals(London、England)などの販売元から一般的に入手可能である。
【0257】
以下の実施例において使用されている略語は、以下に列挙した対応する意味を有する。
AcOH 酢酸
AlCl
3 三塩化アルミニウム
API 気圧イオン化
Boc tert−ブトキシカルボニル
Brine 塩化ナトリウム飽和溶液(室温で)
br.s 幅広い一重線
nBuOH n−ブタノール
tBu tert−ブチル
CDI カルボニルジイミダゾール
Celite Celite Corp.の商標(World Minerals Inc.)、Santa Barbara、CA、USA、kieselguhrに基づく濾過補助用
CH
3CN アセトニトリル
conc. 濃縮した
d 二重線
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIEA N,N−ジエチル−イソプロピルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ES−MS エレクトロスプレー質量分析法
Et エチル
Et
3N トリエチルアミン
Et
2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
H 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Hyflo Hyflo Super Cel(登録商標)
iPr イソプロピル
K
2CO
3 炭酸カリウム
KOH 水酸化カリウム
K
3PO
4 リン酸カリウム
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LC 液体クロマトグラフィー
Me メチル
MeI ヨウ化メチル
MeOH メタノール
MgSO
4 硫酸マグネシウム
M 多重線
min 分
mL ミリリットル
m.p. 融点
MS 質量分析法
NaH 水素化ナトリウム
NaHCO
3 重炭酸ナトリウム
Na
2CO
3 炭酸ナトリウム
NaHMDS ヘキサメチルジシラザンナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
Na
2SO
4 硫酸ナトリウム
MgSO
4 硫酸マグネシウム
NaOAc 酢酸ナトリウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
NH
4Cl 塩化アンモニウム
NH
4OH 水酸化アンモニウム
NMR 核磁気共鳴
POCl
3 オキシ塩化リン(III)
RT 室温
R
f TLC保持因子
s 一重線
scCO
2 超臨界CO
2
t 三重線
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBDPSCl 塩化tert−ブチルジフェニルシリル
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TEA トリエチルアミン
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS トリメチルシリル
TMSCl クロロトリメチルシラン
t
R 保持時間
TsCl 塩化p−トルエンスルホニル
TsOH p−トルエンスルホン酸
UV 紫外線
【0258】
一般的方法
トリメチルシランを内部標準として使用してまたはしないで、1H−NMR測定をBruker Ultrashield(商標)400(400MHz)、Bruker Ultrashield(商標)600(600MHz)または500MHz DRX Bruker CryoProbe(500MHz)分光器で実施した。化学シフト(d値)は、テトラメチルシランから低磁場においてppmで報告され、結合定数(J)はHzで示され、スペクトル分割パターンは、一重線(s)、二重線(d)、二重線二重線(dd)、三重線(t)、四重線(q)、多重線またはさらに重複する信号(m)、幅広い信号(br)として表されている。溶媒は括弧の中に示されている。
【0259】
それぞれの命名された溶媒系を使用して、プレコートしたシリカゲル60F
254ガラスプレート(Merck、Darmstadt、Germany)を用いてTLCを実施した。可視化は一般的に紫外光(254nm)で行った。
【0260】
HPLC条件:
LC−MS 1:
カラム:Acquity HSS T3 2.1×50mm、1.8μm。流量:1.2mL/min。カラム温度:50℃。勾配:1.4minで2%〜98%B、98%Bを0.75min、0.04minで98%〜2%B、2%Bを0.01min;A=水+0.05%ギ酸+3.75mM 酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル+0.04%ギ酸
検出の完全スキャン:215〜350nm
【0261】
LC−MS 2:
カラム:Acquity HSS T3 2.1×50mm、1.8μm。流量:1.2mL/min。カラム温度:50℃。勾配:1.4minで2%〜98%B、98%Bを0.75min、0.04minで98%〜2%B、2%Bを0.01min;A=水+0.05%ギ酸+0.05%酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル+0.04%ギ酸
検出の完全スキャン:215〜350nm
【0262】
LC−MS 3:
カラム:Acquity HSS T3 2.1×50mm、1.8μm。流量:1.0mL/min。カラム温度:60℃。勾配:1.4minで5%〜98%B、98%Bを0.75min、0.04minで98%〜5%B、5%Bを0.01min;A=水+0.05%ギ酸+3.75mM 酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル+0.04%ギ酸
検出の完全スキャン:215〜350nm
【0263】
HPLC 1:
カラム:Chromolith performance RP18e 4.6×100mm、流量:2.0mL/min。勾配:4.5minで2%〜100%B、100%Bを1min、A=水+0.1%TFA、B=アセトニトリル+0.1%TFA
検出:215nm
【0264】
UPLC 1:
カラム:Acquity UPLC HSS T3 C18、1.7μm 2.1×50mm、流量:1.0mL/min。勾配:1.5minで5%〜100%B、100%Bを1min、A=水+0.1%TFA、B=アセトニトリル+0.1%TFA
検出:218nm
【0265】
中間体A:4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イル)−モルホリン
中間体Aは市販されており、または以下の手順を使用して調製することもできる。
【0266】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
2,4,6−トリクロロピリミジン(5.0mL、42.6mmol)のメシチレン(80mL)中溶液に、モルホリン(4.83mL、55.4mmol)のメシチレン(20mL)中溶液を165℃で滴加し、懸濁液を165℃で30min撹拌した。反応混合物をH
2O、EtOAcおよびNaHCO
3で処理した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘキサン/EtOAc、100:0→7:3)。残渣をヘキサン中で粉砕し、濾過することによって、表題化合物を得た(3.36g、33%)。t
R:1.11min(LC−MS1);ESI−MS:234.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0268】
中間体B:5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルアミン
【0269】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
ステップB.1からの生成物(16.2g、66.3mmol)、ビス−ピナコラトジボロン(18.5g、72.9mmol)およびKOAc(19.5g、199mmol)のジオキサン(300mL)中懸濁液に、アルゴン下で、PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2付加物(2.4g、2.98mmol)を加え、混合物を115℃で4h撹拌した。反応混合物を50℃に冷却し、EtOAcで処理した。結果として得た懸濁液をHyflo上で濾過し、EtOAcで洗浄した。合わせ、濾過したもの(filtrated)を濃縮した。残渣を2N NaOH中に懸濁させ、RTで5min撹拌し,次いでEt
2OおよびH
2Oを加え、二成分混合物を、Hyfloを介して濾過した。濾液の相を分離した。結果として得た水層のpHをHCl 4Nで5〜6に調節し、次いでEtOAcで抽出した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をEt
2Oおよびヘキサン中で粉砕し、濾過することによって、表題化合物を得た(8.33g、42%)。t
R:1.00min(LC−MS 1);ESI−MS:290.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0270】
ステップB1:5−ブロモ−4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルアミン
【0271】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−4−トリフルオロメチルピリミジン(25g、0.15モル)のCH
3CN(800mL)中溶液に、200mLのCH
3CN中に溶解したNBS(34.8g、0.195モル)を暗所で滴加した(2.5時間にわたり)。混合物をRTで4.5h、暗所で撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAcおよびH2O中に溶解し、二成分混合物を分液漏斗に移した。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層をH2Oおよびブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、蒸発させた。ヘキサン/EtOAc9:1〜3:2の勾配を使用する、シリカゲル上でクロマトグラフィーで残渣を精製した。合わせた純粋な画分を蒸発させ、残渣を40mLのヘキサン中に懸濁させ、10min撹拌し、濾過し、2×20mLのヘキサンで洗浄することによって、ベージュ色の固体として表題生成物を得た(31.2g、85%)。t
R:0.82min(LC−MS1)。
【実施例1】
【0272】
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0273】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ1.1からの生成物(350mg、1.16mmol)、中間体B(449mg、1.51mmol)、Na
2CO
3(2M、1.7mL、3.48mmol)およびPdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2(95mg、0.17mmol)のDME(10mL)中溶液を、アルゴン下、80℃で1h撹拌した。混合物をEtOAc中で希釈し、飽和したNaHCO
3で抽出した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(CH
2Cl
2/EtOH、99.5:0.5→98:2)。残渣をヘキサン中で粉砕し、濾過し、乾燥させた。残渣を分取HPLCで精製することによって(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5um;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜100%)、表題化合物を得た(260mg、52%)。t
R:0.93min(LC−MS 1);ESI−MS:426.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0274】
ステップ1.1:(S)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0275】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−メチル−2−オキサゾリジノン(432mg、4.19mmol)のDMF(10mL)中溶液に、アルゴン雰囲気下で、NaH(60%鉱油、201mg、5.02mmol)をゆっくりと加え、懸濁液をrtで30min撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、中間体A(1g、4.19mmol)を加えた。混合物をRTで4h撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、H
2Oで抽出した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘキサン/EtOAc、97:3→1:1)、表題化合物を得た(605mg、47%)。t
R:1.00min(LC−MS 1);ESI−MS:299.2/301.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例2】
【0276】
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0277】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ2.1からの生成物(28mg、0.04mmol)およびTBAF(2mL、2.0mmol、THF中1M)の溶液をrtで一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(DCM/MeOH、100:0→95:5)、表題生成物を得た。t
R:0.89min(LC−MS 1);ESI−MS:470.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0278】
ステップ2.1:(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0279】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例1に対して使用した手順と同様の手順で、ただし、ステップ2.2からの生成物を使用して調製した。混合を100℃で40min実施した。抽出後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc、100:0→30:70)、表題生成物を得た。t
R:1.45min(LC−MS 1);ESI−MS:708.4[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0280】
ステップ2.2:(S)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0281】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ2.3からの生成物(95mg、0.25mmol)、中間体A(58mg、0.25mmol)、キサントホス(10mg、0.02mmol)、Pd
2dba
3(4.5mg、4.95umol)およびCs
2CO
3(121mg、0.37mmol)のジオキサン中溶液を、アルゴン下、100℃で3h撹拌した。混合物をrtに冷却し、EtOAcで希釈し、NaHCO
3飽和溶液で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc、100:0→0:100)、表題生成物を得た(85mg、56%)。t
R:1.54min(LC−MS 1);ESI−MS:581.4/583.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0282】
ステップ2.3:(S)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0283】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ6.2に対して使用した手順と同様の手順で、ただしステップ2.4からの生成物を使用し、イミダゾールの代わりにEt
3Nを使用して調製した。混合物をRTで16h撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc、100:0→55:45)、表題生成物を得た。t
R:1.33min(LC−MS 1);ESI−MS:384.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0284】
ステップ2.4:(S)−4−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0285】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ2.5からの生成物(110mg、0.59mmol)およびHCl(ジオキサン中4M、5mL、20mmol)の溶液をRTで4h撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をさらなる精製なしで使用した。
【0286】
ステップ2.5:(S)−1,1,5,5−テトラメチル−ジヒドロ−オキサゾロ[3,4−c]オキサゾール−3−オン
【0287】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ2.6からの生成物(190mg、0.73mmol)のDMF(6mL)中溶液に、アルゴン下、0℃で、NaH(88mg、2.20mmol、油中60%)を加え、混合物を0℃で6h撹拌した。反応混合物をH
2Oでクエンチし、濃縮した。残渣をEtOAc中で粉砕し、濾過した。濾過した溶液を脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、100:0→60:40)。
【0288】
ステップ2.6:(S)−4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0289】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−3−tert−ブチル4−メチル2,2−ジメチルオキサゾリジン−3,4−ジカルボキシレート(500mg、1.93mmol)のTHF(15mL)中溶液に、アルゴン下、0℃で臭化メチルマグネシウム(1.4mL、4.24mmol)を滴加し、混合物を0℃で2h撹拌した。反応をNH
4Cl飽和溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、100:0→65:35)。t
R:1.01min(LC−MS 1);ESI−MS:260.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例3】
【0290】
ラセミ3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0291】
【化83】
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中間体B(68mg、0.21mmol)、ステップ3.1からの生成物(120mg、021mmol)、2M Na
2CO
3溶液(317μL、0.63mmol)およびテトラキス(15mg、0.01mmol)のDME(2mL)中溶液を、80℃で3h撹拌した。反応混合物をEtOAc中で希釈し、Na
2SO
4を加えた。結果として得た懸濁液を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をTHF(2ML)と共に溶解し、TBAF(212μL、0.21mmol)を加えた。混合物をrtで16h撹拌し、濃縮した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(DCM/EtOH、99:1→96:4)。残渣をDCM/ヘキサン中で粉砕することによって、表題化合物を得た。t
R:0.85min(LC−MS 1);ESI−MS:456.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0292】
ステップ3.1:4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0293】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ3.2からの生成物を使用して調製した。抽出後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘキサン/EtOAc:9:1→1:1)、表題化合物を得た。
【0294】
ステップ3.2:4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0295】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ6.4に対して記載されている手順と同様に、ただし、4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンを使用し、DMFの代わりにDCMを使用して調製した。反応混合物をEt
2Oで抽出した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。結果として得た固体をヘキサン中で粉砕し、濾過することによって、表題化合物を得た。t
R:1.20min(LC−MS 1);ESI−MS:339.2/341.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0296】
[実施例3A]
3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの最初に溶出するエナンチオマー
絶対立体配置は未確定。
【0297】
【化86】
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実施例3のラセミ生成物の分取によるキラルSFC分離後、表題化合物を得た。(カラム:Chiralpak AD−H、30×250mm。流量80mL/min。scCO
2/MeOH85:15)。t
R:3.97min(カラム:Chiralpak AD−H、4.6×250mm。流量3mL/min。scCO
2/MeOH85:15)。
【0298】
[実施例3B]
3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−4,5’−ビピリミジン−6−イル)−4−(ヒドロキシメチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの第2に溶出するエナンチオマー
絶対立体配置は未確定。
【0299】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
実施例3のラセミ生成物の分取によるキラルSFC分離後、表題化合物を得た。(カラム:Chiralpak AD−H、30×250mm。流量80mL/min。scCO
2/MeOH85:15)。t
R:4.49min(カラム:Chiralpak AD−H、4.6×250mm。流量3mL/min。scCO
2/MeOH85:15)。
【実施例4】
【0300】
(3aS,7aS)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−ヘキサヒドロ−ベンゾオキサゾール−2−オン
【0301】
【化88】
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ステップ4.1からの生成物(60mg、0.17mmol)、中間体B(54mg、0.17mmol)、Na
2CO
3(2M、260μL、0.52mmol)およびパラジウムテトラキス(10mg、8.7μmol)のDME(1.5mL)中溶液をアルゴン下、密封されたバイアルの中で、80℃で2h撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(CH
2Cl
2/EtOH、99.8:0.2→97.5:2.5)。残渣をDCM(2mL)中に溶解し、次いでヘキサン(4mL)中で処置した。結晶を濾過し、ヘキサン(3ml)で洗浄することによって、表題化合物を得た(36mg、44%)。t
R:1.10min(LC−MS 1);ESI−MS:466.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0302】
ステップ4.1:(3aS,7aS)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−ヘキサヒドロ−ベンゾオキサゾール−2−オン
【0303】
【化89】
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表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ4.2からの生成物を使用して調製した。反応を100℃で1h実施した。反応混合物を、Hyfloを介して濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘキサン/EtOAc:9:1→1:1)、表題化合物を得た。t
R:1.20min(LC−MS 1);ESI−MS:339.2/341.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0304】
ステップ4.2:(3aS,7aS)−ヘキサヒドロ−ベンゾオキサゾール−2−オン
【0305】
【化90】
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(1S,2S)−2−アミノシクロヘキサノール(750mg、6.51mmol)および2−ニトロフェニルクロロホルメート(1378mg、6.84mmol)を密封されたバイアル内で、90℃で1h、DCE(15mL)中で、DIEA(2.39mL、13.68mmol)と共に撹拌した。反応混合物を、50mLのEtOAcおよび50mLのNaHCO
3飽和溶液と共に分液漏斗に取った。水層を50mLのEtOAcで洗浄した。有機層を合わせ、50mLのH2O、50mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘキサン/EtOAc:7:3→3:7)、表題化合物を得た(770mg、5.13mmol)。t
R:0.69min(LC−MS 1);
1H NMR (400MHz, <dmso>) δ ppm 1.19 - 1.44 (m, 3 H) 1.45 - 1.61 (m, 1 H) 1.65 (d, J=9.77Hz, 1 H) 1.76 (d, J=11.34Hz, 1 H) 1.82 - 1.93 (m, 1 H) 1.93 - 2.10 (m, 1 H) 3.03 - 3.23 (m, 1 H) 3.74 (td, J=11.34, 3.52Hz, 1 H) 7.53 (br. s., 1 H)
【実施例5】
【0306】
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−メトキシメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0307】
【化91】
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マイクロ波バイアル内で、ステップ5.1からの生成物(116mg、0.28mmol)および中間体B(90mg、0.31mmol)のDME(2.1mL)中溶液に、Na
2CO
3飽和溶液(0.7ml)およびPdCl
2(dppf)
2.CH
2Cl
2(23mg、0.03mmol)を加えた。混合物をアルゴンで5minバブリングした。これを、マイクロ波の照射下、120℃で15min撹拌した。反応混合物をDCMおよび水中に取り込んだ。層を分離し、いくらかのDCMで水層をもう2回抽出した。次いで有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(DCM/MeOH:100%→95%DCM)。得た残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(MeCN/H2O:10%→100%MeCN)、表題化合物を得た(19mg、13%)。t
R:0.91min(LC−MS 1);ESI−MS:456.1[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0308】
ステップ5.1:(S)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−4−メトキシメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0309】
【化92】
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表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ5.2からの生成物を使用して調製した。反応を115℃で80min実施した。反応混合物を濃縮し、DCM/水で取り込んだ。層を分離し、水性の層をDCMで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで脱水した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc:100%→60%ヘプタン.)、表題化合物を得た(116mg、22%)。t
R:0.98min(LC−MS 1);ESI−MS:329.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0310】
ステップ5.2:(S)−4−メトキシメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0311】
【化93】
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TsOH(800mg、4.21mmol)を、ステップ5.3からの生成物(1.013g、4.13mmol)のMeOH(10ml)中黄色溶液に加えた。混合物をRTで90min撹拌した。次いでTsOH(140mg、0.74mmol)を加え、これをRTで70min撹拌した。次いで溶媒を除去し、残渣をトリエチルアミン(1.44ml、10.32mmol)と共にDCM(6mL)中に溶解した。トリホスゲン(0.613g、2.07mmol)のDCM(4mL)中溶液を混合物にゆっくりと加えた。反応混合物をRTで2h30撹拌した。反応を数滴の水でクエンチした。次いで、緩衝剤を加えて、これをpH=4に酸性化し、次いで層を分離した。水性の層を1回抽出し、いくらかのDCMでもう一回抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(DCM/MeOH:100%→90%DCM)、表題化合物を得た(231mg、38%)。ESI−MS:132.1[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0312】
ステップ5.3:(S)−4−メトキシメチル−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0313】
【化94】
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NaH(265mg、6.63mmol)を、(S)−1−Boc−2,2−ジメチル−4−ヒドロキシメチルオキサゾリジン(AstaTech Inc.、Bristol、Pennsylvania)(1g、4.19mmol)のTHF(10ml)中黄色溶液に加えた。次いで、混合物を周辺温度で15min撹拌した。ヨウ化メチル(323μL、5.19mmol)を黄色懸濁液に加え、混合物をrtで2h30撹拌した。次いで水を加えることによって、反応をクエンチした。溶媒を除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(DCM/MeOH:5%→10%MeOH)、表題化合物を得た(1.013g、94%)。ESI−MS:246.1[M+H]
+(LC−MS 1);1H NMR (400MHz, <cdcl3>) δ ppm 1.48 (s, 9 H) 1.53 (br. s., 6 H) 3.30 (m, 1 H) 3.36 (s, 3 H) 3.41 - 3.63 (m, 2 H) 3.88 - 4.00 (m, 2 H)
【実施例6】
【0314】
(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0315】
【化95】
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プラスチックバイアル内で、RTで4日間、ステップ6.1からの生成物(600mg、0.82mmol)のTHF(5mL)中溶液を、THF(7.14mL、57.5mmol)中HF.ピリジンで処理した。次いで、反応混合物を、NaHCO
3飽和溶液(300mL)およびEtOAc(200mL)の撹拌混合物に滴加した。次いで、pH約8になるまで固体NaHCO3を加え、層を分離した。水性の層を100mLのEtOAcで洗浄した。有機抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄した。次いで、これをNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(DCM/EtOH:99:1→95:5)。画分を合わせ、濃縮した。残渣をDCM中で超音波処理し、次いでヘキサンを加えた。得た結晶を濾別し、フラッシュクロマトグラフィーで3回再精製することによって(DCM/EtAOc:9:1→3:7、次いでヘキサン/THF:9:1→1:1、次いでヘキサン/THF:7:3→1:1)、表題化合物を得た(243mg、64%)。t
R:0.80min(LC−MS 1);ESI−MS:456.6[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0316】
ステップ6.1:(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0317】
【化96】
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表題化合物を、実施例1に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ6.2からの生成物を使用して調製した。反応を80℃で1h実施した。抽出後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(DCM/EtOH:95.5:0.5→97:3)、表題化合物を得た。t
R:1.43min(LC−MS 1);ESI−MS:694.5[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0318】
ステップ6.2:(4S,5S)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0319】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ6.3からの生成物を使用して調製した。反応を100℃で3h30実施した。反応混合物をEtOAcで取り込み、NaHCO
3飽和溶液およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc:100%→30%ヘプタン.)、表題化合物を得た(116mg、22%)。t
R:1.51min(LC−MS 1);ESI−MS:567.4/569.5[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0320】
ステップ6.3:(4S,5S)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0321】
【化98】
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ステップ6.4からの生成物(3.2g、9.31mmol)をDCM(32ml)中に溶解し、Et3N(3.25ml、23.29mmol)で処理した。溶液をアルゴンでフラッシュし、RTで5min撹拌した。次いで、これをトリホスゲン(1.382g、4.66mmol)で処理し、RTで16H撹拌した。反応をNH4Cl飽和溶液(10mL)でクエンチし、RTで10min撹拌した。水層を分離し、有機層を水で洗浄した。合わせた水層をDCMで3回出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc:100%→50%ヘプタン.)、表題化合物を得た(2.22g、61%)。t
R:1.28min(LC−MS 1);ESI−MS:387.3[M+18]
+(LC−MS 1)。
【0322】
ステップ6.4:(2S,3S)−3−アミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−ブタン−2−オール
【0323】
【化99】
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D−トレオニノール(2g、19.02mmol)をDMF(15ml)中に溶解し、イミダゾール(3.89g、57.1mmol)で処理し、RTで5min撹拌した。次いで、アルゴン下、TBDPS−Cl(5.13ml、19.97mmol)を反応液に滴加した。反応液をRTで16H撹拌した。次いで、これをEtOAc中で希釈し、NaHCO
3飽和溶液で2回洗浄し、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc:100%→0%ヘプタン)、表題化合物を得た(3.21g、47%)。t
R:0.98min(LC−MS 1);ESI−MS:344.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例7】
【0324】
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0325】
【化100】
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ステップ7.1からの生成物(200mg、0.35mmol)、中間体B(131mg、0.39mmol)、Na
2CO
3(2M、526μL、1.05mmol)およびパラジウムテトラキス(24mg、0.21mmol)のDME(4mL)中溶液を、アルゴン下、80℃で2h撹拌した。反応混合物をNa
2SO
4で処理し、EtOAc中で希釈し、不溶性の部分を濾別した。フィルターケーキをEtOAcで3回洗浄し、濾液を蒸発させた。次いで、残渣をTHF中に溶解し、TBAF溶液(1N、351μL、0.35mmol)を加えた。混合物をRTで1h撹拌した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(DCM/EtOH:99:1→95:5)、表題化合物を得た。t
R:0.74min(LC−MS 1)。
【0326】
ステップ7.1:(R)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−オキサゾリジン−2−オン
【0327】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ7.2からの生成物を使用して調製した。反応を100℃で3h実施した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘキサン/EtOAc:9:1→6:4)、表題化合物を得た。t
R:1.53min(LC−MS 1);ESI−MS:553.4/555.5[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0328】
ステップ7.2:(R)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−オキサゾリジン−2−オン
【0329】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ6.4に対して記載されている手順と同様に、ただし、(S)−4−(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン−2−オン(SpeedChemical Corp.Shanghai)を使用し、DMFの代わりにDCMを使用して調製した。反応をRTで16h実施した。反応混合物を水で希釈し、Et
2Oで2回抽出した。有機層を合わせ、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘキサン/EtOAc:98:2→4:6)。残渣をヘキサンおよびEt
2Oで処理した。得た結晶を濾別することによって、表題化合物を得た。t
R:1.26min(LC−MS 1)、
1H NMR (400MHz, <dmso>) δ ppm 0.98 (s, 9 H) 3.51 - 3.63 (m, 2 H) 3.88 (dd, J=8.60, 4.30Hz, 1 H) 4.14 (dd, J=8.60, 4.69Hz, 1 H) 4.30 - 4.38 (m, 1 H) 7.37 - 7.50 (m, 6 H) 7.57 - 7.65 (m, 4 H) 7.71 (s, 1 H).
【実施例8】
【0330】
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−(D8−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0331】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例6に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、中間体Aの代わりにステップ8.1からの生成物を使用し、D−トレオニノールの代わりにD−アロ−トレオニノールを使用して調製した。t
R:0.79min(LC−MS 1);ESI−MS:464.5[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0332】
ステップ8.1:4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イル)−D8−モルホリン
【0333】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
2,4,6−トリクロロピリミジンを、Et
3NおよびD8−モルホリンと共にEtOH中に溶解した。反応混合物をRTで1H撹拌した。次いで、これをNaHCO
3飽和溶液で希釈し、EtOAcで2回抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄した。次いで、これをNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘキサン/EtOAc:0%ヘキサン→40%)。t
R:0.94min(LC−MS 1);ESI−MS:242.3/244.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例9】
【0334】
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−オキサゾリジン−2−オン
【0335】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例6に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ9.1からの生成物を使用して調製した。抽出をDCM中で実施した。残渣を分取HPLCで精製し(H
2O/ACN)、次いでフラッシュクロマトグラフィーで精製した(DCM/MeOH、100:0→95:5)。t
R:0.78min(LC−MS 1);ESI−MS:456.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0336】
ステップ9.1:(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−[1,3]オキサジナン−2−オン
【0337】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例1に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ9.2からの生成物を使用して調製した。反応を120℃で15min実施した。反応混合物をDCM中に溶解し、H
2Oで抽出した。有機層を脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、8:2→4:6)。t
R:1.54min(LC−MS 1);ESI−MS:694.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0338】
ステップ9.2:(S)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−[1,3]オキサジナン−2−オン
【0339】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ9.3からの生成物を使用して調製した。反応を115℃で2.5h実施した。混合物を濃縮した。残渣を分取HPLC(H
2O/ACN)で精製し、次いでフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、9:1→0:100)。t
R:1.49min(LC−MS 1);ESI−MS:567.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0340】
ステップ9.3:(S)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−[1,3]オキサジナン−2−オン
【0341】
【化108】
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ステップ9.4からの生成物(900mg、2.03mmol)のTHF(40mL)中溶液に、アルゴン下で、油中NaH60%(160mg、4.0mmol)を加え、混合物をrtで4h撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、H
2Oで抽出した。有機層を脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、100:0→0:100)。t
R:1.23min(LC−MS 1);ESI−MS:370.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0342】
ステップ9.4:[(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−ヒドロキシ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0343】
【化109】
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ステップ9.5からの生成物(40g、73mmol)のTBME(400mL)中溶液に、0℃で、LiBH
4(THF中2M、74mL、146mmol)を滴加し、混合物を0℃で10min撹拌し、次いでrtで温め、5h撹拌した。反応混合物をH
2Oでクエンチし、次いで0.5Mクエン酸溶液でクエンチした。混合物をTBMEで抽出した。有機層を脱水し(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。生成物をさらなる精製なしで使用した。
【0344】
ステップ9.5:(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−酪酸ベンジルエステル
【0345】
【化110】
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表題生成物を、ステップ6.4に対して記載されている手順と同様に調製した。R
f:0.7(ヘキサン/EtOAc、8:2)
【0346】
ステップ9.6:(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ−酪酸ベンジルエステル
【0347】
【化111】
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Boc−L−アスパラギン酸−4−ベンジルエステル(100g、309mmol)のDME(1.8L)中溶液に、−20℃で、NMM(34mL、309mmol)を加え、次いでイソ−ブチルクロロホルメート(40mL、309mmol)を滴加し、混合物を−20℃で20min撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を−20℃に冷却した。NaBH
4(17.5g、463mmol)を−20℃で少しずつ加えた。混合物を温め、rtで1h撹拌した。混合物を20%クエン酸溶液でクエンチし、次いでAcOEtで抽出した。有機層をNaHCO
3溶液、H
2Oおよびブラインで洗浄し、脱水し(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。次のステップに対して、生成物をさらなる精製なしで使用した。
【実施例10】
【0348】
(4S,5R)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0349】
【化112】
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表題化合物を、実施例6に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、中間体Aの代わりにステップ10.1からの生成物を使用し、D−トレオニノールの代わりにD−アロ−トレオニノールを使用して調製した。混合物をNa
2CO
3の飽和溶液に滴加した。添加後、NaHCO
3の飽和溶液を加えた(最終pHは約7〜8であった。これを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣を分取HPLCで精製した(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜100%)。残渣をEt2O/ヘキサン(3/1)中で再結晶させた。結晶を濾別し、ヘキサンで洗浄することによって、表題化合物を得た。t
R:2.89min(HPLC 1);ESI−MS:470.3[M+H]
+(LC−MS 1);m.p.217.7℃(開始)。
【0350】
ステップ10.1:(S)−4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イル)−3−メチル−モルホリン
【0351】
【化113】
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2,4,6−トリクロロピリミジン(100mg、053mmol)をDIPEA(280μL、1.6mmol)および(S)−3−メチルモルホリン(54mg、0.53mmol)と共にジオキサン(2mL)中に溶解した。マイクロ波照射下で、反応混合物を130℃で15min温めた。次いで、これをEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLCで精製することによって(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜100%)、表題化合物を得た(45mg、34%)。t
R:3.70min(HPLC 1);ESI−MS:248.2/250.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例11】
【0352】
(比較目的のため):3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−オキサゾリジン−2−オン
【0353】
【化114】
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表題化合物を、実施例5(ステップ5.1を含む)と同様に、ただし、ステップ11.1からの生成物を使用して調製した。反応を100℃で1h実施した。抽出をEtOAc中で実施した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、100:0→0:100)。t
R:0.87min(LC−MS 1);ESI−MS:412.4[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0354】
ステップ11.1:3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−オキサゾリジン−2−オン
【0355】
【化115】
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表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、オキサゾリジン−2−オンを使用して調製した。t
R:0.93min(LC−MS 1);ESI−MS:285.5/287.4[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例12】
【0356】
ギ酸(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−メチル−2−オキソ−オキサゾリジン−4−イルメチルエステル
【0357】
【化116】
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実施例18の化合物(47mg、0.10mmol)をギ酸(80μL、2.09mmol)中に溶解し、5℃で4日間保存した。次いで、これをRTまで温め、これを2日間保存した。次いでこれをEtOAcで取り込み、NaHCO
3飽和溶液およびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLCで精製することによって(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜70%)、表題化合物を得た(57mg、80%)。t
R:0.88min(LC−MS 1);ESI−MS:484.4[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例13】
【0358】
(S)−3−[2’−アミノ−2−((S)−3−メチル−モルホリン−4−イル)−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル]−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0359】
【化117】
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表題化合物を、実施例11に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、中間体Aの代わりにステップ10.1からの生成物を使用し、オキサゾリジン−2−オンの代わりに(S)−4−メチル−2−オキサゾリジノンを使用して調製した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し(DCM/EtOH:99.8/0.2→98/2)、次いで分取HPLCで精製することによって(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜100%)、表題化合物を得た(35mg、32%)。t
R:0.98min(LC−MS 1);ESI−MS:440.1[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例14】
【0360】
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0361】
【化118】
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表題化合物を、実施例6に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ14.1からの生成物を使用して調製した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(DCM/MeOH、100:0→95:5)。t
R:0.77min(LC−MS 1);ESI−MS:442.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0362】
ステップ14.1:(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−オキサゾリジン−2−オン
【0363】
【化119】
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表題化合物を、実施例5に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ14.2からの生成物を使用して調製した。反応を、油浴内で、100℃で1h実施した。抽出をEtOAc中で実施した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、100:0→0:100)。t
R:1.40min(LC−MS 1);ESI−MS:680.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0364】
ステップ14.2:(S)−5−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−オキサゾリジン−2−オン
【0365】
【化120】
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表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ14.3からの生成物を使用して調製した。抽出後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、100:0→40:60)。t
R:1.49min(LC−MS 1);ESI−MS:553.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0366】
ステップ14.3:(S)−5−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−オキサゾリジン−2−オン
【0367】
【化121】
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ステップ14.4からの生成物(2.72g、8.27mmol)およびEt
3N(2.88mL、20.67mmol)のDCM中溶液に、アルゴン下でトリホスゲン(982mg、3.31mmol)を滴加し、混合物をrtで5h撹拌した。反応混合物をNH
4Cl溶液でクエンチした。有機層を脱水し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、100:0→0:100)。t
R:1.21min(LC−MS 1);ESI−MS:373.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0368】
ステップ14.4:(S)−1−アミノ−3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−プロパン−2−オール
【0369】
【化122】
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表題化合物を、ステップ6.4に対して記載されている手順と同様に、ただし、(S)−3−アミノプロパン−1,2−ジオールを使用し、イミダゾールの代わりにEt
3Nを使用して調製した。抽出後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(DCM/MeOH、100:0→90/10)。t
R:0.93min(LC−MS 1);ESI−MS:330.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例15】
【0370】
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0371】
【化123】
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表題化合物を、実施例6に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、D−トレオニノールの代わりにステップ15.1からの生成物を使用して調製した。t
R:0.98min(LC−MS 1);ESI−MS:344.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0372】
ステップ15.1:(2R,3S)−3−アミノ−ブタン−1,2−ジオール
【0373】
【化124】
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表題化合物を、ステップ19.1の手順と同様に、ただし、ステップ15.2からの生成物を使用して調製した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し(DCM/EtOH:99.8/0.2→98/2)、次いで分取HPLCで精製することによって(Waters Sun Fire C18、30x100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜100%)、表題化合物を得た(35mg、32%)。t
R:0.98min(LC−MS 1);ESI−MS:440.1[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0374】
ステップ15.2:N−ベンジル−N−[(S)−1−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−ヒドロキシルアミン
【0375】
【化125】
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表題化合物は、ステップ19.2中に形成された第2の異性体である(1.07g、57%)。t
R:0.91min(LC−MS 1);ESI−MS:252.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例16】
【0376】
(S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0377】
【化126】
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表題化合物を、実施例11と同様に、ただし、(R)−4−メチル−2−オキサゾリジノンの代わりにステップ16.1からの生成物を使用して調製した。反応を100℃で1H実施した。反応混合物をEtOAcで取り込んだ。これを、NaHCO
3飽和溶液で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc:0%→85%EtOAc)、表題化合物を得た(9.6mg、58%)。.t
R:0.94min(LC−MS 1);ESI−MS:426.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【0378】
ステップ16.1:(S)−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0379】
【化127】
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表題化合物を、ステップ6.3に対して記載されている手順と同様に、ただし、(S)−1−アミノプロパン−2−オールを使用して調製した。反応をRTで3H実施した。反応をNH4Cl飽和溶液(10mL)でクエンチし、RTで10min撹拌した。水層を分離し、有機層を水で洗浄した。合わせた水層をDCMで3回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘプタン/EtOAc:0%→100%EtOAc)、表題化合物を得た(38mg、9%)。
1H NMR (400MHz, <DMSO>) δ ppm 1.27 (d, J=6.25Hz, 3 H) 2.94 - 3.08 (m, 1 H) 3.48 - 3.58 (m, 1 H) 4.62 (m, 1 H) 7.37 (br. s., 1 H)
【実施例17】
【0380】
(S)−3−(2’−アミノ−2−D8−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0381】
【化128】
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表題化合物を、実施例4に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ17.1からの生成物を使用して調製した。完了後、反応混合物を、セライトを介して濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(DCM/EtOH、99.5:0.5→98:2)。残渣をDCM中で粉砕し、および、およびヘキサンで洗浄することによって、表題化合物を得た。t
R:0.89min(LC−MS 1);ESI−MS:434.4[M+H]
+(LC−MS 1);R
f:0.67(DCM/EtOH、95:5)。
【0382】
ステップ17.1:(S)−3−(6−クロロ−2−D8−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0383】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ2.2に対して記載されている手順と同様に、ただし、ステップ8.1からの生成物および(S)−4−メチル−2−オキサゾリジノンを使用して調製した。抽出をDCM中で実施した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘプタン/EtOAc、9:1→7:3)。t
R:0.97min(LC−MS 1);ESI−MS:307.3/309.3[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例18】
【0384】
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0385】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例6に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、D−トレオニノールの代わりにD−アロ−トレオニノールを使用して調製した。反応をRTで33H実施した。混合物をNa
2CO
3飽和溶液に滴加した。添加後、pHは約7〜8であった。これを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣を分取HPLCで精製した(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜60%)。画分を合わせ、5%NaHCO
3溶液で塩基性化した。生成物が沈殿し、これを濾別した。残留するパラジウムを排除するため、生成物をDCM/MeOH(4/1)中に溶解し、polymerlabsのMP−チオールのSPEカートリッジに通し、次いで溶媒を蒸発させた。本方法に基づきいくつかのバッチを生成し、いくつかのワークアップにより、以下の通り結晶性物質を得た。
【0386】
バッチA:
このバッチの調製のため、生成物は、polymerlabsのMP−チオールのSPEカートリッジに通さなかった。分取HPLC後に得た純粋な画分を合わせ、NaHCO3で処理した。CH
3CNを蒸発させると、この時点で生成物が結晶化した。生成物を濾過で収集し、水で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として表題化合物を得た。m.p.221.3℃(開始)。
【0387】
バッチB:
このバッチの調製のため、生成物は、polymerlabsのMP−チオールのSPEカートリッジに通さなかった。分取HPLC後に得た純粋な画分を合わせ、固体NaHCO3で処理した。CH
3CNを蒸発させると、この時点で生成物が結晶化した。水性混合物を冷蔵庫内で1h保管し、濾過し、水で洗浄し、HV下で一晩乾燥させることによって、白色の固体を得た、m=298mg。m.p.249.9℃(開始)
【0388】
バッチC:
このバッチの調製のため、生成物は、polymerlabsのMP−チオールのSPEカートリッジに通さなかった。分取HPLC後に得た純粋な画分を合わせ、蒸発させた。残渣をCH
3CN中に取り込み、次いで0.1%TFAを含有する水を加え、続いて固体NaHCO
3を加えた。溶液を濃縮し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させることによって、白色の固体として表題生成物を得た。m.p.237.9℃(開始)
【0389】
バッチD:
polymerlabsのMP−チオールのSPEカートリッジに通した後、溶媒を蒸発させた。残渣をCH
3CN中に溶解し、次いで同じ量の水で希釈した。CH
3CNを蒸発させ、生成物の結晶化の直前に、バッチBのいくらかの結晶を加えた。次いで、CH
3CNを完全に蒸発させ、懸濁液を冷蔵庫の中で冷却した。次いでこれを濾過し、収集し、HV下で一晩乾燥させることによって、白色の固体として表題生成物を得た、m.p.259.0℃(開始)
【0390】
バッチE:
バッチCに対して記載されている手順と同じ手順であるが、ただし、バッチDのいくらかの結晶を加えることによって、結晶化を誘発させた。表題生成物を白色の固体として得た、m.p.258.8℃(開始)。
【実施例19】
【0391】
(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−オキサゾリジン−2−オン
【0392】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例6に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、D−トレオニノールの代わりにステップ19.1からの生成物を使用して調製した。反応をRTで16H30実施した。混合物をNa
2CO
3の飽和溶液に滴加した。添加後、これを水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣を、分取HPLC(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜80%)で精製することによって、表題化合物を得た(16.3mg、75%)。t
R:2.79min(HPLC 1);ESI−MS:456.1[M+H]
+。
【0393】
ステップ19.1:(2S,3S)−3−アミノ−ブタン−1,2−ジオール
【0394】
【化132】
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ステップ19.2からの生成物をEtOH中の溶液中のHClの中で、RTで2H撹拌した。溶媒を除去することによって、HCl塩として表題化合物を得た(303mg、100%)。
1H NMR (400MHz, <dmso>) δ ppm 1.08 (d, J=6.65Hz, 3 H) 3.18 - 3.33 (m, 1 H) 3.33 - 3.45 (m, 1 H) 3.61 - 3.72 (m, 1 H) 7.85 (br. s., 2 H)
【0395】
ステップ19.2:(S)−1−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチルアミン
【0396】
【化133】
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ステップ19.3からの生成物(生成物2、最終溶出、538mg、2.14mmol)をPd/C(100mg)と共にAcOH(25mL)中に溶解し、反応混合物を、H
2条件下、RTで11H撹拌した。次いで、これをセライト上で濾過し、次いで溶媒を除去することによって、表題化合物を得た(311mg、100%)。
1H NMR (400MHz, <dmso>) δ ppm 0.90 - 1.04 (m, 3 H) 1.16 - 1.38 (m, 6 H) 2.76 - 2.90 (m, 1 H) 3.75 (dd, J=13.86, 7.22Hz, 2 H) 3.90 (br. s., 1 H); t
R: 3.13 min (HPLC 1).
【0397】
ステップ19.3:N−ベンジル−N−[(R)−1−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−ヒドロキシルアミンおよびN−ベンジル−N−[(S)−1−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−エチル]−ヒドロキシルアミン
【0398】
【化134】
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ステップ19.4からの生成物の80mlのEt
2O中のよく撹拌した溶液(1.48g(6.29mmol))を、ヘキサン中6.29ml(6.29mmol)の1M Et
2AlClに一度に加え、撹拌を15min継続した。次いで、混合物を−60℃に冷却し、Et
2O中の6.29ml(18.87mmol)の3M臭化メチルマグネシウムで処理した。混合物を−60℃で2h撹拌し、次いで夜の間に撹拌下で、ゆっくりとRTまで温めた。その後、反応物をNaOH(2M、40ml)で処理した。RTで15min撹拌後、混合物をEt
2Oと共に抽出した(3×120)。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をMeOH中に溶解し、逆相分取HPLC、8回の注入により精製した(20minで、H
2O[+0.1%TFA]/CH
3CN97:3〜50:50):
− 画分1〜3を一緒に収集し、約2gのNaHCO
3で塩基性化してから、濃縮した。結果として得た層を2×150mlのEt
2Oで抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発乾燥させることによって、1.01gの無色の油を得た。これをゆっくりと結晶化させた(1HNMRにより純度約99%;HPLC Rt=2.36;ESI−MS:252.2[M+H]
+(LC−MS 1))−>生成物1
− 画分5〜7を一緒に収集し、約2gのNaHCO
3で塩基性化してから、濃縮した。結果として得た懸濁液を2×150mlのEt
2Oで抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発乾燥させることによって、363mgの白色の固体を得た(1HNMRによる純度約99%;HPLC Rt=2.44;ESI−MS:252.3[M+H]+(LC−MS 1))−>生成物2。
【0399】
ステップ19.4:(S,Z)−N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチレン)−1−フェニルメタンアミンオキシド
【0400】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
1.50g(11.53mmol)(R)−2,2−ジメチル−1.3−ジオキソラン−4−カルボキサルデヒド(Fluorochem、Hadfield、UK)を60mlのDCM中に溶解し、1.64g(11.53mmol)の硫酸ナトリウムで処理した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、1.42g(11.53mmol)のN−ベンジル−ヒドロキシルアミン(市販の塩酸塩から調製)の20mlのCH2Cl2中溶液で処理した。反応混合物を、アルゴン下、RTで16.5h撹拌し、次いで濾過した。シリカゲルを濾液に加え、あらかじめ吸収させてから、シリカゲル上でのクロマトグラフィーで精製した(勾配:30minでヘプタン/EtOAc 0%〜100%)。Fr.20〜80を収集し、蒸発乾燥させ、真空下で一晩乾燥させることによって、1.48gの白色の固体を得た(HPLCによる純度約100%、Rt=1.43);ESI−MS:236.2[M+H]+(LC−MS 1))
【実施例20】
【0401】
(R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリン−4−イル−4’−トリフルオロメチル−[4,5’]ビピリミジニル−6−イル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン
【0402】
【化136】
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表題化合物を、実施例6に対して記載されている全体の順序と同様に、ただし、D−トレオニノールの代わりに(R)−3−アミノプロパン−1,2−ジオールを使用して調製した。反応をRTで16H実施した。次いで、反応混合物をNaHCO
3で慎重にクエンチした。次いで、これをEtOAcで希釈し、NaHCO3飽和溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(DCM/EtOH:0%→10%MeOH)、表題化合物を得た(22.8mg、38%)。t
R:0.77min(HPLC 1);ESI−MS:442.2[M+H]
+(LC−MS 1)。
【実施例21】
【0403】
(3aR,6aR)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)テトラヒドロフロ[3,4−d]オキサゾール−2(3H)−オン
【0404】
【化137】
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(3aR,6aR)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)テトラヒドロフロ[3,4−d]オキサゾール−2(3H)−オン(100mg、0.306mmol)、中間体B(115mg、0.398mmol)、K
3PO
4(195mg、0.918mmol)およびPdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2(25mg、0.031mmol)のDME/H
2O(2.2mL)中溶液を、アルゴン下、80℃で1.5h撹拌した。混合物をEtOAc中で希釈し、飽和したNaHCO
3で抽出した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって(ヘキサン−EtOAc 70:30→0:100)、無色の固体として、表題化合物を得た(88mg、62%):t
R=0.84min(LC−MS 3);ESI−MS:454[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0405】
ステップ21.1:(3aR,6aR)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)テトラヒドロフロ[3,4−d]オキサゾール−2(3H)−オン
【0406】
【化138】
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(3aR,6aR)−テトラヒドロフロ[3,4−d]オキサゾール−2(3H)−オン(500mg、3.87mmol)、4−(4,6−ジクロロピリミジン−2−イル)モルホリン(1088mg、4.65mmol)およびCs
2CO
3(2.14g、6.58mmol)のジオキサン(20mL)中溶液に、アルゴンで脱気後、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(157mg、0.271mmol)およびPd
2(dba)
3(70.9mg、0.077mmol)を加え、反応混合物を85℃で6h温めた。反応混合物を10%のNaHCO
3水溶液に加え、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物をMeOH中で一晩粉砕し、濾別し、乾燥させることによって、無色の固体として、表題化合物を得た(1.12g、87%):t
R=0.92min(LC−MS 3);ESI−MS:327、329[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0407】
ステップ21.2:(3aR,6aR)−テトラヒドロフロ[3,4−d]オキサゾール−2(3H)−オン
【0408】
【化139】
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(3R,4R)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−オール(1.1g、7.88mmol)およびDIEA(4.54ml、26.0mmol)のCH
2Cl
2(30mL)中溶液に、CH
2Cl
2(5mL)中に溶解した(ビス(トリクロロメチル)カーボネート(1.75g、5.91mmol)を、RTで30minの期間にわたり加えた。25℃で0.5h撹拌した後、反応混合物をK
2CO
3水溶液に加え、1h撹拌し、CH
2Cl
2を蒸発させた。水相をEt
2Oで洗浄し、その後蒸発乾燥させた。残渣をEtOH/THF1:1と共に粉砕し、シリカゲルのプラグを介して、無機塩を濾過で除去し、濾液を濃縮することによって、ベージュ色の固体として表題化合物を得た(930mg、90%):ESI−MS:147[M+NH]
+。
【実施例22】
【0409】
(3aR
*,6R
*,6aR
*)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン
【0410】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
(3aR
*,6R
*,6aR
*)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン(810mg、1.253mmol)のTHF(12mL)中溶液に、THF(1.0mL、1.0mmol)中1M TBAFを0℃で滴加した。反応混合物を0℃で30minおよびRTで2h撹拌してから、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘキサン−THF60:40→0:100)。残渣をEt
2O中で粉砕し、濾過し、乾燥させた。残渣を分取HPLCで精製することによって(Waters Sun Fire C18、30×100mm、5μm;0.1%TFA−水/アセトニトリル;勾配、20minでアセトニトリル5〜100%)、表題化合物を得た(430mg、72%);t
R=0.93min(UPLC 1)、t
R=0.81min(LC−MS 3);ESI−MS:468[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0411】
ステップ22.1:(3aR
*,6R
*,6aR
*)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン
【0412】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例21に対して記載されている手順と同様に、(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オンおよび中間体Bから、PdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2の代わりにPd(PPh
3)
4を使用し、K
3PO
4の代わりにNa
2CO
3を使用して調製することによって、EtOAc/ヘキサンからの結晶化後、白色の固体として表題化合物を得た:t
R=1.62min(UPLC 1)、t
R=1.47min(LC−MS 3);ESI−MS:582[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0413】
ステップ22.2:(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン
【0414】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ21.1に対して記載されている手順と同様に、(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オンおよび中間体Aから調製した:t
R=1.76min(UPLC 1)、t
R=1.58min(LC−MS 3);ESI−MS:455、457[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0415】
ステップ22.3:(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン
【0416】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−((2−ニトロフェニル)スルホニル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン(1.47g、3.32mmol)およびCs
2CO
3(2.164g、6.64mmol)のDMF(25mL)中懸濁液に、N−アセチル−L−システイン(0.921g、5.65mmol)を加え、反応混合物をRTで16h撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣をNaHCO3飽和溶液中に懸濁させ、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製後(ヘプタン/EtOAc 90:10→50:50)、黄色の油として、表題化合物を得た(0.84g、98%):TLC(ヘプタン/EtOAc 1:1)R
f=0.28。
【0417】
ステップ22.4:(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−((2−ニトロフェニル)−スルホニル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン
【0418】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−ヒドロキシ−3−((2−ニトロフェニル)スルホニル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン(1.2g、3.66mmol)および2,6−ルチジン(0.851mL、7.31mmol)のCH
2Cl
2(25mL)中溶液に、0℃でtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.091mL、4.75mmol)を滴加した。反応混合物を0℃で1h、続いてRTで2h撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、20%のNaH
2PO
4水溶液およびH
2Oで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。EtOAc/ヘプタンからの結晶化後、白色の固体として表題化合物を得た(1.5g、88%):TLC(ヘプタン/EtOAc 1:1)R
f=0.54;t
R=1.58min(UPLC 1)、t
R=1.43min(LC−MS 3);ESI−MS:460[M+NH
4]
+(LC−MS 3)。
【0419】
ステップ22.5:(3aR
*,6R
*,6aR
*)−6−ヒドロキシ−3−((2−ニトロフェニル)スルホニル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オン
【0420】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
tert−ブチル(1R
*,2S
*,5S
*)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル((2−ニトロフェニル)スルホニル)カルバメート(2.0g、5.10mmol)のMeOH(40mL)中溶液に、アンバーリスト15(4.0g)を加え、結果として得た懸濁液を25℃で1.5h撹拌した。反応混合物を濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘプタン−EtOAc 90:10→EtOAc)後、ベージュ色の固体として表題化合物を得た(1.24g、73%):TLC(ヘプタン/EtOAc 1:2)R
f=0.36;t
R=0.80min(UPLC 1)、t
R=0.77min(LC−MS 3);ESI−MS:346[M+NH
4]
+(LC−MS 3)。
【0421】
ステップ22.6:(tert−ブチル(1R
*,2S
*,5S
*)−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル((2−ニトロフェニル)スルホニル)カルバメート
【0422】
【化146】
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tert−ブチルシクロペンタ−2−エン−1−イル((2−ニトロフェニル)スルホニル)カルバメート(2.75g、7.46mmol)およびNaHCO
3(1.254g、14.93mmol)のCH
2Cl
2(60mL)中懸濁液に、メタクロロ過安息香酸(2.58g、14.93mmol)を一度に加えた。結果として得た反応混合物をRTで一晩撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、20%のNa
2SO
3水溶液、NaHCO
3飽和溶液および水で洗浄した。有機相をMgSO
4で脱水し、濃縮した。EtOAcからの結晶化後、白色結晶として表題化合物を得た(2.01g、68%):TLC(ヘプタン−EtOAc 1:1)R
f=0.48;t
R=1.20min(UPLC 1)、t
R=1.12min(LC−MS 3);ESI−MS:329[M−イソブチレン]
+(LC−MS 3)。
【0423】
ステップ22.7:(tert−ブチルシクロペンタ−2−エン−1−イル((2−ニトロフェニル)スルホニル)カルバメート
【0424】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
トリフェニルホスフィン(3.09g、11.77mmol)、tert−ブチル2−ニトロフェニルスルホニルカルバメート(3.40g、11.23mmol)およびシクロペンタ−2−エノール(0.900g、10.70mmol)のトルエン(60mL)中懸濁液に、−20℃でアゾジカルボン酸ジエチル(1.948mL、12.30mmol)を滴加した。反応混合物を−20℃で2h、続いて0℃で3h撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘプタン/EtOAc 95:5→3:1)後、白色の固体として表題化合物を得た(2.79g、67%):t
R=1.34min(UPLC 1)、t
R=1.24min(LC−MS 3);ESI−MS:386M+NH
4]
+(LC−MS 3)。
【0425】
[実施例22A]
(3aR,6R,6aR)−および(3aS,6S,6aS)−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オンのChiralpak AD上で最初に溶出するエナンチオマー
絶対立体配置は未確定。
実施例22のラセミ生成物の分取によるキラルHPLC分離後、表題化合物を得た。(カラム:Chiralpak AD 20μm5×500mm。流量70mL/min。ヘプタン/EtOH/DEA20:80:0.01)。t
R:17.7min(カラム:Chiralpak AD−H、4.6×250mm。流量1.2mL/min。ヘプタン/EtOH70:30)。
【0426】
[実施例22B]
(3aR,6R,6aR)−および(3aS,6S,6aS)−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−6−ヒドロキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[d]オキサゾール−2−オンのChiralpak AD上で第2に溶出するエナンチオマー
絶対立体配置は未確定。
実施例22のラセミ生成物の分取によるキラルHPLC分離後、表題化合物を得た。(カラム:Chiralpak AD 20μm5×500mm。流量70mL/min。ヘプタン/EtOH/DEA20:80:0.01)。t
R:23.3min(カラム:Chiralpak AD−H、4.6×250mm。流量1.2mL/min。ヘプタン/EtOH70:30)。
【実施例23】
【0427】
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0428】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン(2.1g、3mmol)のTHF(20mL)中溶液に、THF(3mL、3mmol)中1M TBAFを0℃で滴加した。反応混合物を0℃で1h撹拌してから、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(ヘキサン/EtOAc/MeOH 90:10:1→0:100:10)。精製した生成物をMeOHから再結晶化することによって、白色の固体として、表題化合物を得た(1.17g、83%):t
R=0.80min(UPLC 1)、t
R=0.82min(LC−MS 3);ESI−MS:470[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0429】
ステップ23.1:(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0430】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例22.1に対して記載されている手順と同様に、4S,5R)−5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンおよび中間体Bから調製することによって、MeOHからの結晶化後、表題化合物を得た:t
R=1.72min(UPLC 1)、t
R=1.55min(LC−MS 3);ESI−MS:708[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0431】
ステップ23.2:(4S,5R)−5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0432】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ21.1に対して記載されている手順と同様に、5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の4:1混合物と中間体Aとから調製することによって、THF/MeOHからの2回の再結晶化により(4S,5S)−ジアステレオ異性体を除去した後、表題化合物の(4S,5R)−ジアステレオ異性体のみを得た:t
R=1.88min(UPLC 1)、t
R=1.64min(LC−MS 3);ESI−MS:581、583[M+H]
+(LC−MS 3);
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 1.08 (s, 9H), 1.36 (d, 3H), 2.02 (m, 2H), 3.70-3.90 (m,10H), 4.82 (m, 2H), 7.40-7.50 (m, 6H), 7.51 (s, 1H), 7.67 (m, 4H).
【0433】
ステップ23.3:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0434】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン(4.1g、7.8mmol)の(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の4:1混合物のアセトニトリル(40mL)中溶液に、(NH
4)
2Ce(NO
3)
6(10.71g、19.5mmol)のH
2O(20mL)中溶液を0℃で加えた。反応混合物を0〜5℃で4h撹拌した。混合物を氷水に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をNaHCO
3飽和溶液およびブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘプタン/EtOAc 10:1→EtOAc)の後、ジアステレオマーの、4:1混合物として表題化合物を得た(2.2g、71%):TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1)R
f=0.23;t
R=1.47min(UPLC 1)、t
R=1.33min(LC−MS 3);ESI−MS:401[M+NH4]
+(LC−MS 3)。
【0435】
ステップ23.4:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−(2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)エチル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0436】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
5−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン(2.65g、10mmol)の(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオマーの4:1混合物のDMF(30mL)中溶液に、イミダゾール(1.73g、25mmol)およびTBDPSCl(3.57g、13mmol)を0〜5℃で加えた。反応混合物をRTに温め、RTで一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留する油をTBME中に溶解し、10%のKHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3飽和溶液およびブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘプタン/EtOAc 20:1→2:1)後、ジアステレオマーの4:1混合物として表題化合物を得た(4.18g、80%):TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1)R
f=0.27;t
R=1.70min(UPLC 1)、t
R=1.52min(LC−MS 3);ESI−MS:526[M+Na]
+(LC−MS 3)。
【0437】
ステップ23.5:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0438】
【化153】
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(4S,5R)−および(4S,5S)−5−アリル−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン(2.67g、10mmol)のCH
2Cl
2−MeOH2:1(40mL)中4:1混合物を、−78℃でオゾン処理した。完全なオゾニド形成後、NaBH
4(0.57g、15mmol)を加え、反応混合物をRTに温め、RTで2時間撹拌した。反応混合物を20%のK
2CO
3水溶液に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮することによって、淡黄色の油として、表題化合物を生成した(2.65g、99%):TLC(EtOAc)R
f=0.28;t
R=0.68min(UPLC 1)、t
R=0.69min(LC−MS 3);ESI−MS:266[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0439】
ステップ23.6:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−アリル−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0440】
【化154】
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ベンジル((2S,3R)−3−ヒドロキシヘキサ−5−エン−2−イル)(4−メトキシベンジル)カルバメートおよびベンジル((2S,3S)−3−ヒドロキシヘキサ−5−エン−2−イル)(4−メトキシベンジル)カルバメート(3.55g、9.5mmol)の4:1混合物のTHF(60mL)中溶液に、アルゴン下、−50℃でNaHMDSのTHF(10.5mL)中1M溶液を加えた。反応混合物を−40℃で0.5h撹拌後、混合物を冷たい10%のKHSO
4水溶液に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc10:1→1:1)後、無色の油として表題化合物を得た(2.4g、97%):TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.42;t
R=1.03min(UPLC 1)、t
R=0.99min(LC−MS 3);ESI−MS:262[M+H]
+(LC−MS 3);
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 1.06 (d, 2.4H), 1.13 (d, 0.6H), 2.30-2.40 (m, 2H), 3.25 (m, 0.2H), 3.66 (m, 0.8H, 4.54のシグナルに対して強いNOE), 3.75 (s, 3H), 4.07 (d, 1H), 4.10 (m, 0.2H), 4.48 (d, 1H), 4.54 (m, 0.8H), 5.05-5,20 (m, 2H), 5.23 (m, 0.2H), 5.78 (m, 0.8H), 6.92 (d, 2H), 7.22 (d, 0.4H), 7.24 (d, 1.6H).
【0441】
ステップ23.7:(2S,3R)−および(2S,3S)−ベンジル4−メトキシベンジル(1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート
【0442】
【化155】
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(S)−ベンジル4−メトキシベンジル(1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(3.86g、10mmol)のTHF(30mL)中溶液に、亜鉛ダスト(1.64g、25mmol)、NH
4Cl飽和水溶液(5mL)および臭化アリル(2.2mL、25mmol)を加え、反応混合物を25〜30℃で1h撹拌した。反応混合物をH
2Oで希釈し、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を10%のKHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3およびブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→2:1)後、無色の油として、表題化合物を得た(3.5g、97%):t
R=1.25minおよび1.27min(UPLC 1)((2S,3R)−および(2S,3S)−ジアステレオ異性体の4:1混合物)、TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.51;t
R=1.68minおよび1.69min(LC−MS 3);ESI−MS:370[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0443】
ステップ23.8:(S)−ベンジル4−メトキシベンジル(1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート
【0444】
【化156】
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(S)−ベンジル(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)(4−メトキシベンジル)カルバメート(11.8g、35.5mmol)のCH
2Cl
2中溶液に、NaHCO
3(3.28g、39mmol)、KBr(0.25g、2.1mmol)およびTEMPO0.168g、1.07mmol)を加えた。反応混合物を0〜5℃に冷却し、5%のNaClO水溶液(85mL、71mmol)を30min以内に加えた。0〜5℃で1h撹拌した後、反応混合物をNa
2S
2O
3溶液に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をNaH
2PO
4水溶液、H
2Oおよびブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮することによって、黄色の油として、表題化合物を得た(11.2g、96%):TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.55;t
R=1.29min(UPLC 1)、t
R=1.15min(LC−MS 3);ESI−MS:328[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0445】
ステップ23.10:(S)−ベンジル(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)(4−メトキシベンジル)カルバメート
【0446】
【化157】
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(S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)(4−メトキシベンジル)アミノ)プロパン酸[439589−23−8](16g、41.9mmol)のTHF(150mL)中溶液に、アルゴン下、0〜5℃で、ボランジメチルスルフィド(8.4mL、84mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を、0〜5℃で1h、続いて40〜45℃で3h撹拌した。MeOHの注意深い添加により過剰のボランを粉砕し、反応混合物を、200mLのMeOH(3×)、およびCHCl
3(2×)と共に蒸発させた。乾燥後、無色の油として、表題化合物を得た(13.7g、99%):TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.22;t
R=1.06min(UPLC 1)、t
R=1.02min(LC−MS 3);ESI−MS:330[M+H]
+(LC−MS 3)。
【実施例24】
【0447】
(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−((R)−2−ヒドロキシプロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンのLC−MS 3上で最初に溶出するジアステレオ異性体
2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(R)−構成を任意に振り分けた。
【0448】
【化158】
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表題化合物を、実施例23に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンおよびTBAFから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 5:1→EtOAc/MeOH 10:1)後、およびMeOHからの再結晶化後、白色の固体として、表題化合物を得た:TLC(EtOAc)R
f=0.50;t
R=0.88min(LC−MS 3);ESI−MS:484[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0449】
ステップ24.1:(4S,5R)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(R)−構成を任意に振り分けた。
【0450】
【化159】
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表題化合物を、ステップ22.1に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンおよび中間体Bから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→EtOAc)後、淡黄色の発泡体として、表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.45;t
R=1.57min(LC−MS 3);ESI−MS:722[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0451】
ステップ24.2:(4S,5R)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(R)−構成を任意に振り分けた。
【0452】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ21.1に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンおよび中間体Aから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→3:1)後、無色の油として、表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.65;t
R=1.67min(LC−MS 3);ESI−MS:595、597[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0453】
ステップ24.3:(4S,5R)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(R)−構成を任意に振り分けた。
【0454】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ23.3に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→EtOAc)後、無色の油として、表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.28;t
R=1.38min(LC−MS 3);ESI−MS:415[M+NH
4]
+(LC−MS 3)。
【0455】
ステップ24.4:(4S,5R)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(R)−構成を任意に振り分けた。
【0456】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ23.4に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−5−((R)−2−ヒドロキシプロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン(ステップ24.5からの最初に溶出する(2S,4S,5R)−ジアステレオ異性体の15%が混入)から調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→EtOAc)後、無色の油として、表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1)R
f=0.26;t
R=1.55min(LC−MS 3);ESI−MS:540[M+Na]
+(LC−MS 3)。
【0457】
ステップ24.5:(4S,5R)−5−((S)−および(4S,5R)−5−((R)−2−ヒドロキシプロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
ケトンの還元後の2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(S)−構成を最初に溶出する生成物(4S,5R,5S)−ジアステレオ異性体に任意に割り当てた。
【0458】
最初に溶出する生成物は(4S,5R,5S)−ジアステレオ異性体である:
【0459】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【0460】
第2に溶出する生成物は、(2R,4S,5R)−ジアステレオ異性体(2−ヒドロキシプロピル部分に対して(2R)−構成を任意に割り当てた)の混合物であり:
【0461】
【化164】
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これには最初に溶出する(4S,5R,5S)−ジアステレオ異性体が混入していた:
【0462】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0463】
表題化合物を、ステップ23.5に対して記載されている手順と同様に、3−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−5−(2−メチルアリル)オキサゾリジン−2−オンの(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の3:1混合物から調製することによって、異性体の3:3:1:1混合物のフラッシュクロマトグラフィーの複数の分離(RediSep Rf Gold シリカゲル;ヘキサン/EtOAc 1:1→EtOAcおよびトルエン/EtOAc 3:1→EtOAc)後、無色の油として、個々の2つのマイナーな(2S,4S,5S)−および(2R,4S,5S)−ジアステレオ異性体ならびに個々の2つのメジャーな(2S,4S,5R)−および(2R,4S,5R)−ジアステレオ異性体を得た:
表題化合物(2−ヒドロキシプロピル部分に対して(2S)−構成を任意に割り当てた)の最初に溶出する(2S,4S,5R)−ジアステレオ異性体:TLC(EtOAc)R
f=0.39;t
R=0.752min(UPLC 1);t
R=0.76min(LC−MS 3);ESI−MS:280[M+H]
+(LC−MS 3);
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 1.12 (d, 3H), 1.28 (d, 3H), 1.5-1.63 (m, 1H), 1.81 (m, 1H), 1.90 (d, 1H), 3.68 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.03 (d, 1H), 4.14 (m, 1H), 4.60 (ddd, 1H), 4.79 (d, 1H), 6.89 (d, 2H), 7.22 (d, 2H).
最初に溶出する(2S,4S,5R)−ジアステレオ異性体の15%が混入した、表題化合物(2−ヒドロキシプロピル部分に対して(2R)−構成を任意に割り当てた)の第2に溶出する(2R,4S,5R)−ジアステレオ異性体:TLC(EtOAc)R
f=0.35;t
R=0.742minおよび0.752min(UPLC 1);t
R=0.75minおよび0.76min(LC−MS 3);ESI−MS:280[M+H]
+(LC−MS 3);
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 1.12 (d, 3H), 1.28 (d, 3H), 1.50-1.64 (m, 1H), 1.81 (m, 0.15H), 1.90 (d, 0.15H). 1.94 (m, 0.85H), 2.21 (d, 0.85H), 3.67 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.01 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 4.73 (m, 0.85H), 4.79 (d, 0.15H), 4.80 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 7.22 (d, 2H).
【0464】
ステップ24.6:3−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−5−(2−メチルアリル)オキサゾリジン−2−オンの(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体
【0465】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ23.6に対して記載されている手順と同様に、ベンジル((2S)−3−ヒドロキシ−5−メチルヘキサ−5−エン−2−イル)(4−メトキシベンジル)カルバメートの(2S,3R)−および(2S,3S)−ジアステレオ異性体の3:1混合物から調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→1:1)後、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の3:1混合物として、表題化合物を得た:t
R=1.112min(UPLC 1);t
R=1.05min(LC−MS 3);ESI−MS:276[M+H]
+(LC−MS 3);
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 1.13 (d, 2.2H), 1,20 (d, 0.8H), 1.76 (s, 0.8H), 1.80 (s, 2.2H), 2.23 (ddd, 0.25H), 2.27 (dd, 0.75H), 2.39 (dd, 0.25H) 2.46 (dd, 0.75H), 3.28 (m,0.25H), 3.68 (m, 0.75H), 3.83 (s, 3H), 3.99 (d, 0.75H), 4.04 (d, 0.35H), 4.14 (m, 0.25H), 4.62 (m, 0.75H), 4.70-4.90 (m, 4H), 6.90 (d, 2H), 7.25 (d, 2H).
【0466】
ステップ24.7:ベンジル(3−ヒドロキシ−5−メチルヘキサ−5−エン−2−イル)(4−メトキシベンジル)カルバメートの(2S,3R)−および(2S,3S)−ジアステレオマー
【0467】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ23.7に対して記載されている手順と同様に、(S)−ベンジル4−メトキシベンジル(1−オキソプロパン−2−イル)カルバメートおよび3−ブロモ−2−メチルプロパ−1−エンから調製することによって、(2S,3R)−および(2S,3S)−ジアステレオマーの3:1混合物として表題化合物を得た:t
R=1.322min(メジャーな異性体)および1.329min(マイナーな異性体)(UPLC 1);t
R=1.23min(メジャーな異性体)および1.24min(マイナーな異性体)(LC−MS 3);ESI−MS:384[M+H]
+(LC−MS 3)。
【実施例25】
【0468】
(4S,5R)−および(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−((S)−2−ヒドロキシプロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの9:1混合物である、LC MS 3上で第2に溶出する生成物
2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(S)−構成を任意に振り分けた。
【0469】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、実施例23に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−および(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの8:1混合物およびTBAFから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 5:1→EtOAc/MeOH 10:1)後、およびMeOHからの再結晶化後、白色の固体として、表題化合物を得た:TLC(EtOAc)R
f=0.50;t
R=0.87min(マイナーな(4S,5S)−ジアステレオマー)および0.89min(メジャーな(4S,5R)−ジアステレオマー)(LC−MS 3);ESI−MS:484[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0470】
ステップ25.1:(4S,5R)−および(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(S)−構成を任意に振り分けた。
【0471】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ22.1に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((R)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの7:1混合物および中間体Bから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→EtOAc)後、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の8:1混合物として、表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.45;t
R=1.58min(LC−MS 3);ESI−MS:722[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0472】
ステップ25.2:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(S)−構成を任意に振り分けた。
【0473】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ21.1に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの7:1混合物および中間体Aから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→3:1)後、およびMeOH/THFからの結晶化後、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の7:1混合物として、表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.65;t
R=1.67min(LC−MS 3);ESI−MS:595、597[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0474】
ステップ25.3:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(S)−構成を任意に振り分けた。
【0475】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
表題化合物を、ステップ23.3に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの7:1混合物から調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→2:1)後、無色の油として、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の10:1混合物としての表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)R
f=0.30;t
R=1.38min(LC−MS 3);ESI−MS:415[M+NH
4]
+(LC−MS 3)。
【0476】
ステップ25.4:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
保護された2−ヒドロキシプロピル部分の絶対立体配置は未確定であり、(S)−構成を任意に振り分けた。
【0477】
【化172】
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表題化合物を、ステップ23.4に対して記載されている手順と同様に、ステップ24.5で調製した(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((S)−2−ヒドロキシプロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの7:1混合物から調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→EtOAc)後、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の7:1混合物として、表題化合物を得た:TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1)R
f=0.26;t
R=1.56min(LC−MS 3);ESI−MS:540[M+Na]
+(LC−MS 3)。
【実施例26】
【0478】
(4S,5R)−および(4S,5S)−3−(2’−アミノ−2−モルホリノ−4’−(トリフルオロメチル)−[4,5’−ビピリミジン]−6−イル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0479】
【化173】
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表題化合物を、ステップ22.1に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−および(4S,5S)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの5:1混合物ならびに中間体Bから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc/MeOH 90:10:1→10:100:10)後およびMeOHからの再結晶化後、白色の固体としてならびに(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の7:1混合物として、表題化合物を得た:TLC(EtOAc)R
f=0.43;t
R=0.93min(LC−MS 3);ESI−MS:498[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0480】
ステップ26.1:(4S,5R)−および(4S,5S)−3−(6−クロロ−2−モルホリノピリミジン−4−イル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0481】
【化174】
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表題化合物を、ステップ21.1に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−および(4S,5S)−5−((S)−2−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)プロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの5:1混合物および中間体Aから調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 10:1→EtOAc)後、淡黄色の発泡体としてならびに(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の5:1混合物として、表題化合物を得た:TLC(EtOAc/MeOH 10:1)R
f=0.55;t
R=1.02min(LC−MS 3);ESI−MS:371、373[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0482】
ステップ26.2:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0483】
【化175】
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表題化合物を、ステップ23.3に対して記載されている手順と同様に、(4S,5R)−および(4S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オンの5:1混合物から調製することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン−EtOAc 1:1→EtOAc−MeOH 5:1)後、無色の油として、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の5:1混合物としての表題化合物を得た:TLC(EtOAc/MeOH 10:1)R
f=0.40;t
R=0.41min(LC−MS 3);ESI−MS:174[M+H]
+(LC−MS 3)。
【0484】
ステップ26.3:(4S,5R)−および(4S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチルオキサゾリジン−2−オン
【0485】
【化176】
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メチル2−((4S,5R)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)アセテートおよびメチル2−((4S,5S)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)アセテート(2.0g、6.82mmol)の3:1混合物のTHF(50mL)中溶液に、アルゴン下、−78℃で、THF(6.82ml、20.46mmol)中3M塩化メチルマグネシウム溶液をゆっくりと加えた。添加後、反応混合物をRTに温めた。10%のNH4Cl水溶液の添加後、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をH
2Oで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→EtOAc)後、無色の油として表題化合物を得た(1.2g、59%、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の3:1混合物):TLC(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)R
f=0.43;t
R=0.80minおよび0.81min(LC−MS 3);ESI−MS:294[M+H]
+(LC−MS 3);
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 1.12 (d, 2.25H), 1.22 (d, 0.75), 1.32 (s, 1.5H), 1.34 (s, 4.5H), 1.68 (dd, 1H), 1.86 (dd, 0.25H), 1.93 (dd, 0.75H), 3.23 (m, 0.25H), 3.64 (m, 0.75H), 3.83 (s, 3H), 3.99 (d, 0.75H), 4.04 (d, 0.25H), 4.26 (d, 0.25H), 4.72 (d, 0.25H), 4.73 (m, 0.75H), 4.80 (d, 0.75H), 6.89 (d, 0.5H), 6.90 (d, 1.5H), 7.23 (d, 0.5H), 7.24 (1.5H).
【0486】
ステップ26.4:メチル2−((4S,5R)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)アセテートおよびメチル2−((4S,5S)−3−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)アセテート
【0487】
【化177】
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(3R,4S)−および(3S,4S)−メチル3−ヒドロキシ−4−((4メトキシベンジル)アミノ)ペンテノナ−ト(4.1g、10.74mmol)の3:1混合物のCH
2Cl
2(80mL)中懸濁液に、DIEA(8.44ml、48.3mmol)を加え、CH
2Cl
2(10mL)中に溶解した(ビス(トリクロロメチル)カーボネート(2.389g、8.05mmol)の溶液を0℃で加えた。RTで0.5h撹拌後、反応混合物をNaHCO
3飽和溶液に加え、生成物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた抽出物をH
2Oで洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、濃縮することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン/EtOAc 20:1→EtOAc)後の後、淡黄色の発泡体として、表題化合物を生成した(2.02g、63%、(4S,5R)−および(4S,5S)−ジアステレオ異性体の3:1混合物):TLC(トルエン/EtOAc 1:1)R
f=0.47;t
R=0.84min(LC−MS 3);ESI−MS:294[M+H]
+(LC−MS 3);
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 1.11 (d, 2.25H), 1.27 (d, 0.75H), 2.57 (dd, 0.25H), 2.67 (dd, 0.75H), 2.75 (dd, 0.25H), 2.81 (dd, 0.75H), 3.34 (m, 0.25H), 3.70 (s, 0.75H), 3.73 (s, 2.25H), 3.77 (m, 0.75H), 3.83 (s, 3H), 3.99 (d, 0.75H), 4.04 (d, 0.25H), 4.44 (m, 0.25H), 4.75 (d, 0.25H), 4.78 (d, 0.75H), 4.88 (m, 0.75H), 6.90 (d, 2H), 7.22 (d, 0.5H), 7.23 (d, 1.5H).
【0488】
ステップ26.5:(3R,4S)−および(3S,4S)−メチル3−ヒドロキシ−4−((4−メトキシベンジル)アミノ)ペンテノナ−ト
【0489】
【化178】
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(3R,4S)−メチル4−アミノ−3−ヒドロキシペンテノナ−ト塩酸塩[111061−25−7](2.17g、11.8mmol)のCH
2Cl
2(60mL)およびMeOH(60mL)中懸濁液に、NaOAc(1.357g、16.54mmol)を加え、10minの撹拌後、p−アニスアルデヒド(1.37mL、11.2mmol)およびモレキュラーシーブ(2g)を加えた。反応混合物をRTで16h撹拌した。2mLのAcOHの添加後、NaBH
3CN(1.11g、17.7mmol)を30minの期間にわたり少しずつ加えた。RTでさらに30min撹拌後、反応混合物を濾過し、濾液を4Nの水性HClで酸性化し、蒸発乾燥させた。残渣を最初にEt
2Oで洗浄し、次いでCH
2Cl
2/MeOH 1:1中に懸濁させ、無機物質を濾別した。50℃で4h乾燥後、濾液を濃縮することによって、ベージュ色の固体として、表題化合物を得た(2.9g、80%、(3R,4S)−および(3S,4S)−ジアステレオ異性体の3:1混合物):t
R=0.46min((3R,4S)−ジアステレオ異性体)および0.48min((3S,4S)−ジアステレオ異性体)(LC−MS 3);ESI−MS:268[M+H]+(LC−MS 3)。
【0490】
上記実施例の化合物に対する
1H NMRデータを、以下の表に示す。
【0491】
【表2-1】
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【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
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【表2-5】
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【表2-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表2-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0492】
さらなる物理的特性
実施例10および18から得た結晶性物質、バッチA〜Eは、以下の通りさらに特徴付けられた。
【0493】
融点測定:
融点は示差走査熱量測定(DSC)で決定した。TA装置、DSC 2000、シリアルNo.100036を使用してDSCを測定した。1〜5mgの試料を秤量して標準的アルミニウムパンに入れた(パン+蓋、TA 900786.901、900779.901)。Thermal Advantage Q−シリーズソフトウエアV.2.6.0.367およびThermal AdvantageソフトウエアV4.6.9を使用して、装置を作動した。Universal Analysis V4.3A Build 4.3.0.6を使用して熱イベントを特徴付けた。空のパンに対して試料を測定した。以下のプロトコルに従い試料を処置した:
ステップ1:−40℃で平衡化する
ステップ2:10℃/min/300℃で加熱する
モジュレーション:なし
【0494】
得たグラフは、
図1、3、5、7、9および11において示されている。
【0495】
粉末X線回折(PXRD):
およそ2〜5mgの試料量を対物レンズスライド上に配置し、CuKaアノードを有するBruker D8 GADDS Discover(シリアルNo.002482)上でエックス線ビームの中央に置いた。試料と検出器の距離は30cmであった。2つのフレームを5と40°2−シータの間で記録した。GADDSソフトウエア4.1.27を使用してフレームを融合した。EVA 10.0.0を使用して評価を行った。
【0496】
得たグラフは、
図2、4、6、8、10および12において示されている。
【0497】
代表的な2−シータ[°]ピークを以下の表において提供する:
【0498】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0499】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0500】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0501】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0502】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0503】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0504】
生物活性
本発明の化合物のPI3キナーゼ阻害剤としての効力は、以下の通り実証することができる:
化合物希釈物の調製(384−ウェル)
試験化合物をDMSO(10mM)中に溶解し、個々のNovartisコンパウンドハブにより、独自の2Dマトリクスチップを保持する1.4mLの平底またはV形状のマトリクス管に移した。これらのチップの数は、Novartis Pharma Numbersにはっきりと連結されていた。直ちに使用しない場合、保存液は−20℃で保存した。試験手順に対して、バイアルは霜取りし、スキャナーで特定し、これによって、作業シートを作成し、これに従いそれに続く作業ステップを行った。
【0505】
化合物は、記載されているように、個々の実験(8つの濃度(シングルポイント)で10の化合物を可能とする96ウェル)用にDMSO中で、手作業で希釈するか、または384−ウェルでプロファイリング用に試験する場合、以下に記載されているように調製した。このフォーマットは、4つの参照化合物を含む、8つの濃度(シングルポイント)で、最大40の個々の試験化合物のアッセイを可能にした。希釈プロトコルには、「事前希釈プレート」、「マスタープレート」および「アッセイプレート」の生成が含まれる。
【0506】
事前希釈プレート:96ポリプロピレンウェルプレートを事前希釈プレートとして使用した。プレート位置A1〜A10上にそれぞれ10の試験化合物を含み、1つの標準化合物をA11に、1つのDMSO対照をA12に含む、全部で4つの事前希釈プレートを調製した。希釈ステップのパターンは表1に要約されている。プログラムは、これらのピペットステップを、HamiltonSTARロボットで実行するように書かれている。
【0507】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0508】
マスタープレート:4つの「事前希釈プレート」の標準化合物および対照を含む、個々の化合物希釈物100μLを、それぞれ90%DMSO中の以下の濃度、1’820、564、182、54.6、18.2、5.46、1.82および0.546μMを含む、384の「マスタープレート」に移した。
【0509】
アッセイプレート:次いで、「マスタープレート」の化合物希釈物のそれぞれ50nLを384−ウェル「アッセイプレート」へとピペットで取ることによって同一の「アッセイプレート」を調製した。化合物を、1:181希釈に対応するアッセイ成分4.5μLプラス酵素4.5μLと混合し、それぞれ10、3.0、1.0、0.3、0.1、0.03、0.01および0.003μMの最終濃度を可能にした。「マスタープレート」の調製は、Matrix PlateMate Plusロボットで、「アッセイプレート」の複製はHummingBirdロボットで操作した。
【0510】
発現構造体を生成する方法
触媒活性物質ヒトPI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、およびmTORを、記載されているように、クローン化し、発現させ、精製した(Maira SM、Stauffer F、Brueggen J、Furet P、Schnell C、Fritsch C、Brachmann S、Chene P、de Pover A、Schoemaker K、Fabbro D、Gabriel D、Simonen M、Murphy L、Finan P、Sellers W、Garcia-Echeverria C (2008)、Mol Cancer Ther.7:1851〜63頁およびMaira SM、Pecchi S、Brueggen J、Huh K、Schnell C、Fritsch C、Nagel T、Wiesmann M、Brachmann S、Dorsch M、Chene P、Schoemaker K、De Pover A、Menezes D、Fabbro D、Sellers W、Garcia-Echeverria C、Voliva CF (2011)、Mol. Cancer Ther. 受理済み)。
【0511】
PI3Kアルファ、PI3Kベータに対する生化学的試験法
ルミネセンスベースのATP検出試薬KinaseGloを、Catalys、Wallisellen、Switzerlandを介してPromega、(Cat.No.V6714、Lot No.236161)から入手した。(L−アルファ−ホスファチジルイノシトール(PI)、Liver、Bovine)をAvanti Polar Lipid(Cat.No.840042C、Lot#LPI−274)から入手し、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート(PIP(4,5)2(Avanti、Cat.No.840046X)またはL−α−ホスファチジルイノシトール(PI)をAvanti Polar Lipid(Cat.No.840042C、Lot#LPI−274)から入手した。L−α−ホスファチジルセリン(PS)は、Avanti Polar Lipid(Cat.No.840032C)製のもので、n−オクチルグルコシドはAvanti Polar Lipid(Cat.No.10634425001)製のものであった。ルミネセンスは、ATP濃度を求めるための確実な読出しであり、したがって、多くのキナーゼの活性を、これらの基質に関わらず追跡調査するために使用されている。Kinase Glo Luminescent Kinase Assay(Promega、Madison/WI、USA)は、キナーゼ反応後に溶液中に残存するATPの量を定量化することによって、キナーゼ活性を測定する均質なHTS方法である。
【0512】
セクション8.2に記載されている通り、50nLの化合物希釈物をブラック384−ウェル低容量Non Binding Styrene(NBS)プレート(Costar Cat.No.NBS#3676)上に分配した。メタノール中10mg/ml溶液として提供されるL−α−ホスファチジルイノシトール(PI)をガラス管に移し、窒素ビーム下で乾燥させた。次いでこれをボルテックスすることにより3%のオクチルグルコシド中に再懸濁させ、4℃で保存した。PI/OGのミックス5μLを、PI3KaおよびPi3Kbサブタイプと共に加えた。最終容量10μLの10mM トリス−HCl pH7.5、3mM MgCl
2、50mM NaCl、0.05%CHAPS、1mM DTTおよび1μM ATPを含有するATP−ミックス5μlの添加によりキナーゼ反応が開始し、反応は室温で生じた。10μlのKinaseGloにより反応を停止し、10mins後、各ウェル当たり0.1秒の統合時間を使用して、Synergy2リーダーにおいてプレートを読み取った。2.5μMのNVP−BGT226(標準)をアッセイプレートに加えることによって、キナーゼ反応の100%阻害を生成し、0%阻害は溶媒ビヒクル(水中90%DMSO)により得た。NVP−BGT226は参照化合物として使用し、これを16の希釈ポイントの形態で(2通り)すべてのアッセイプレートに含めた。
【0513】
各化合物の8つの濃度(普通10、3.0、1.0、0.3、0.1、0.030、0.010および0.003μM)でのパーセンテージ阻害のIC
50値、n=2は、記載されているように、シグモイドの用量反応曲線を、阻害剤の濃度にわたりアッセイの読出しプロットにフィッティングさせることによって導いた。すべてのフィッティングは、プログラムXLfit4(ID Business Solutions、Guildford、UK)を用いて実施した。
【0514】
PI3Kデルタ、PI3Kガンマに対する生化学的試験法
TR−FRET Adapta(商標) Universal Kinase Assay KitをInvitrogen Corporation(Carlsbad/CA、USA)(Cat.No.PV5099)から購入した。キットは以下の試薬を含有している:Adapta Eu−anti−ADP Antibody(HEPES緩衝生理食塩水中のユウロピウム標識した抗ADP抗体、Cat.No.PV5097)、Alexa Fluor(登録商標)647標識したADPトレイサー(Alexa Fluor(登録商標)、HEPES緩衝生理食塩水中の647標識したADPトレイサーCat.No.PV5098)、専売のTR−FRET希釈緩衝液pH7.5(Cat.No.PV3574)。
【0515】
PIK3CD基質ホスファチジルイノシトールをInvitrogenから入手した(50mM HEPES pH7.5中2mM PIからなるベシクル;Cat.No.PV5371)。PIK3CG基質ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート(PIP(4,5)2をInvitrogenから入手した(PIP2:PS、1mM PIP2:50mM HEPES pH7.5中19mM PS、3mM MgCl2、1mM EGTAからなる大単層ベシクル;Cat.No.PV5100)。
【0516】
時間分解蛍光共鳴エネルギー移動法(TR−FRET)は、1つの色素(ドナー)内の励起させた電子から、共鳴を介して、隣接する色素(アクセプター)の電子へ伝達され、次いでフォトンとして放出される、2つの隣接する色素間のエネルギー伝達に基づく技術である。このエネルギー伝達は、アクセプターの蛍光発光の増加、およびドナーの蛍光発光の低減により検出される。タンパク質キナーゼに対するTR−FRETアッセイは、化合物の自己蛍光からの干渉または沈殿した化合物からの光散乱を、フラッシュランプ励起源による励起後に遅延を導入することによって克服する、長寿命のランタニドテルビウムまたはユウロピウムキレートをドナー種として使用している。結果は多くの場合、アクセプターおよびドナー蛍光体の強度の比として表現される。このような値のレシオメトリックな(ratiometric)性質は、ウェルの間のアッセイ量の差を補正し、ならびに有色の化合物によるクエンチ作用を補正する。Adapta(商標)アッセイは、2つの段階:キナーゼ反応段階およびADP検出段階に分割することができる。キナーゼ反応段階では、すべてのキナーゼ反応成分をウェルに加え、各キナーゼに対して特異的に設定した期間の間、反応物をインキュベートさせておく。反応後、Eu標識した抗ADP抗体の検出溶液、Alexa Fluor(登録商標)647標識したADPトレイサー、およびEDTA(キナーゼ反応を停止するため)をアッセイウェルに加える。キナーゼ反応で形成されたADPが、抗体からのAlexa Fluor(登録商標)647標識したADPトレイサーに取って代わり、結果としてTR−FRET信号の低減が生じる。阻害剤の存在下では、キナーゼ反応により形成されるADPの量は減少し、結果として得られる、影響無しの抗体トレイサー相互作用は高いTR−FRET信号を維持する。Adapta(商標)アッセイでは、ドナー(ユウロピウム抗ADP抗体)は340nmにおいて励起し、そのエネルギーをアクセプターへと移す(Alexa Fluor(登録商標)647標識したADPトレイサー)。Alexa Fluor(登録商標)647からの発光は、これがドナーの発光ピーク(615/620nmで測定)の間に位置することから、665nmに中心を置くフィルターでモニターすることができる。
【0517】
セクション2.2に記載されている通り、50nLの化合物希釈物を白色の384−ウェル小容量ポリスチレンプレートに分配した。次いで、5μLのPI3KgおよびPI3Kdおよび脂質基質(PIまたはPIP2:PS)、続いて5μLのATP(最終アッセイ量10μL)をRTでインキュベートする。Adapta(商標)TR−FRETアッセイ用の標準反応緩衝液は、10mM Tris−HCl pH7.5、3mM MgCl2、50mM NaCl、1mM DTT、0.05%CHAPSを含有した。Eu標識した抗ADP抗体およびTR−FRET希釈緩衝液中のAlexa Fluor(登録商標)647標識したADPトレイサー(IVG専売)を含有するEDTA混合物5μLで反応を停止させた。15〜60mins後、統合時間0.4秒および遅延0.05秒を使用して、Synergy2リーダーにおいてプレートを読み取る。キナーゼ反応の100%阻害に対する対照は、PI3Kを、標準反応緩衝液で置き換えていることにより実施した。0%阻害に対する対照は、化合物の溶媒ビヒクル(H
2O中90%DMSO)より得た。標準的化合物NVP−BGT226は、参照化合物として使用し、これを16の希釈ポイントの形態で(2通り)すべてのアッセイプレートに含めた。
【0518】
ExcelフィットのソフトウエアまたはGraphpad Prismを使用してデータを分析した。EC
50値は、シグモイド用量反応曲線を、阻害剤濃度にわたりアッセイ読出しプロットにフィッティングさせることによって導かれた。すべてのフィッティングは、プログラムXLfit4(ID Business Solutions、Guildford、UK)を用いて実施した。8つの濃度(普通10、3.0、1.0、0.3、0.1、0.030、0.010および0.003μM)での各化合物のパーセンテージ阻害のEC
50値の測定、n=2は、シグモイドの用量反応曲線を、阻害剤濃度にわたりアッセイ読出しのプロットにフィッティングさせることによって導いた。すべてのフィッティングは、プログラムXLfit4(ID Business Solutions、Guildford、UK)を用いて実施した。
【0519】
mTORに対する生化学的試験法
タンパク質キナーゼに対するTR−FRETアッセイは、化合物の自己蛍光による干渉または沈殿した化合物からの光散乱を、フラッシュランプ励起源による励起後に遅延を導入することによって克服する、長寿命のランタニドテルビウムまたはユウロピウムキレートをドナー種として使用する。結果は、多くの場合、アクセプターとドナー蛍光体の強度の比として表現される。このような値のレシオメトリック性質は、ウェル間のアッセイ量の差を補正し、ならびに有色の化合物によるクエンチ作用を補正する。
【0520】
結合アッセイは、Alexa Fluor(登録商標)647標識した、ATP−競合的キナーゼ阻害剤の、対象となるキナーゼへの結合および置換に基づく。Invitrogenの「キナーゼトレイサー」は、広範囲なキナーゼターゲットに対処するために開発され、ATP−競合的キナーゼ阻害剤に基づくもので、これにより、Invitrogenの「キナーゼトレイサー」はATP部位またはATP部位の構造を変化させるアロステリック部位に結合する任意の化合物の検出に適切となっている。ATP部位に結合する阻害剤は、ATP部位だけに結合するタイプIキナーゼ阻害剤と、ATP部位およびDFG−out(非活性)構造において曝露された疎水性部位の両方に結合するタイプII阻害剤(例えば、Gleevec(登録商標)/イマチニブ、ソラフェニブ、BIRB−796)の両方を含む。III型阻害剤は、ATPと競合しない化合物であり、大まかには、アロステリック阻害剤と呼ばれる。15種の多様なIII型阻害剤の研究では、1種を除く全部の化合物が、活性アッセイに相当する能力で、結合実験において検出されたことが実証された。ただひとつの例外は、基質競合的化合物であり、したがって真のアロステリック阻害剤ではなかった。
【0521】
大部分の蛍光ベースのキナーゼ活性アッセイとは対照的に、LanthaScreen(登録商標)Eu
3+キナーゼ結合実験は、持続的に読み取ることができ、これは、遅い結合反応速度を有する化合物の評価を促進する。また、大部分の活性アッセイとは異なり、結合実験は、活性のあるまたは非活性化したキナーゼ調製物のいずれかを使用して実施することができ、これによって、非活性化キナーゼ、例えば、Gleevec(登録商標)/イマチニブおよび一部のアロステリック阻害剤などに優先的に結合する化合物の特徴付けが可能となる。
【0522】
Lanthascreen(商標)キナーゼ結合実験において、ドナー(Eu
3+−抗GST抗体)は340nmで励起し、そのエネルギーをアクセプター(Alexa Fluor(登録商標)647標識したATP競合的キナーゼ阻害剤=Tracer−314)に移す。Tracer−314(Alexa Fluor(登録商標)647阻害剤)からの発光は、これがドナーの発光ピーク(615/620nmで測定)の間に位置することから、665nmに中心を置くフィルターでモニターすることができる。トレイサー314とEu
3+−抗GST抗体の両方のキナーゼへの結合は、Eu
3+−ドナー蛍光体からトレイサー314上のAlexa−Fluor(登録商標)647−アクセプター蛍光体への高度のFRETを結果として生じる。阻害剤のキナーゼへの結合は、トレイサーとの結合と競合し、結果としてFRETの損失が生じる。
【0523】
セクション2.2に記載されている通り、50nLの化合物希釈物を、白色384−ウェル小容量ポリスチレンプレートに分配した。次いで5μLのGST−mTORおよびユウロピウム−抗GST抗体、続いて5μLのトレイサー−314(最終アッセイ量10μL)をRTでインキュベートする。Lanthascreen(商標)キナーゼ結合実験用の標準反応緩衝液は、50mM HEPES pH7.5、5mM MgCl2、1mM EGTA、0.01%PluronicF−127を含有した。60mins後、統合時間0.2ミクロ秒および遅延0.1ミクロ秒を使用して、Synergy2リーダーにおいてプレートを読み取る。
【0524】
発光比を計算するために、アクセプター(Alexa Fluor(登録商標)647標識したトレイサー−314)から665nmで発光した信号を、ドナー(Eu
3+抗GST抗体)から620nmで発光した信号で割る。
【0525】
0%阻害に対する対照は、化合物の溶媒ビヒクル(H
2O中90%DMSO)より得た。相対的100%阻害に対する対照は、GST−mTORおよびユウロピウム抗GST抗体を含有するミックスに10μMを加えることによって実施した。絶対的0%阻害に対する追加の対照は、GST−mTORなしでのEu
3+抗GST抗体により得る。
【0526】
PI3Kアルファ、ベータおよびデルタに対する細胞アッセイ
AlphaScreen(増幅発光近接均質解析(Amplified Luminescent proximity Homogeneous assay)、ALPHA、Perkin Elmer)は、均質のマイクロタイタープレートフォーマットにおける生体分子の相互作用を研究するための非放射性ビーズベースの近接アッセイ技術である。商品名SureFireは、抗ホスホキナーゼおよび抗キナーゼ抗体からなるマッチさせた抗体ペアを使用することによって、細胞溶解物中の内因性細胞タンパク質のリン酸化を定量化することに適応したAlphaScreenアッセイを意味する。アッセイは、細胞におけるキナーゼシグナル伝達の特徴付けならびにキナーゼ阻害剤作用の測定を可能にする。AlphaScreen技術は、多大な時間を必要とする洗浄手順を回避し、プレートの取扱いを減少させることから、標準的アッセイ技術、例えば、ELISAなどを超えたいくつかの利点を提供する。さらに、AlphaScreenは、少なくとも384−ウェルフォーマットに小型化可能であり、個々のAlphaScreen SureFire アッセイキットに含まれている抗体の親和性に応じて、フェムトモルの範囲までの感度を提供する。高い感度は、一重項酸素分子の生成を含む内因性増幅機構により達成される。SureFireアッセイキットは、特定のターゲットに対して市販されており、有効な抗体のペアを含む(PerkinElmer)。この報告は、AlphaScreen SureFire アッセイに対して適用される一般的手順および細胞ベースアッセイにおける慣用的キナーゼ阻害剤プロファイリングに対してそれぞれ半自動化されたステップについて記載している。
【0527】
ラット−1細胞株を安定して過剰発現させる、活性化したPI3KクラスIアイソフォームRat−1 pBABEpuro Myr−HA−hp110デルタ(Rat−1_PI3Kデルタ)およびRat−1 pBABEpuro Myr−HA−hp110アルファ(Rat−1_PI3Kアルファ)およびRat−1pBABEpuro Myr−HA−hp110ベータ(Rat−1_PI3ベータ)を(Maira SM、Stauffer F、Brueggen J、Furet P、Schnell C、Fritsch C、Brachmann S、Chene P、de Pover A、Schoemaker K、Fabbro D、Gabriel D、Simonen M、Murphy L、Finan P、Sellers W、Garcia-Echeverria C (2008)、Mol Cancer Ther. 7:1851-63頁およびMaira SM、Pecchi S、Brueggen J、Huh K、Schnell C、Fritsch C、Nagel T、Wiesmann M、Brachmann S、Dorsch M、Chene P, Schoemaker K、De Pover A、Menezes D、Fabbro D、Sellers W、Garcia-Echeverria C、Voliva CF (2011)、Mol. Cancer Ther.、受理済み)に記載されている通りに調製した。すべて細胞株は、完全な成長培地内(DMEM高グルコース、10%(v/v)ウシ胎児血清、1%(v/v)MEM NEAA、10mM HEPES、2mM L−グルタミン、ピューロマイシン(Rat−1_PI3KデルタおよびRat−1_PI3Kアルファに対して10μg/mL、Rat−1_PI3ベータに対して4μg/mL)、1%(v/v)Pen/Strep)、90%密集度まで、加湿したCO
2インキュベーター内で、37℃/5%CO
2/90%湿度で培養し、週2回分割した。
【0528】
ラット−1細胞溶解物中のp−AKT(S473)検出用に以下の物質を使用した:Dulbecco改質Eagle培地(DMEM)高グルコース(Gibco Invitrogen、Basel、Switzerland、Cat.No.41965)、加熱した不活化ウシ胎児血清、承認済み(HI FBS;Gibco Invitrogen、Basel、Switzerland、Lot.No.16140)、MEM非必須アミノ酸(NEAA;Gibco Invitrogen、Basel、Switzerland、Cat.No.11140)、HEPES(Gibco Invitrogen、Basel、Switzerland、Cat.No.15630)、ペニシリン/ストレプトマイシン(Pen/Strep、100x;Gibco Invitrogen、Basel、Switzerland、Cat.No.15140−122)、L−グルタミン(Gibco Invitrogen、Basel、Switzerland、Cat.No.25030)、ピューロマイシン(Sigma Aldrich、Buchs、Switzerland、Cat.No.P9620)、DMSO(MERCK、Dietikon、Switzerland、Cat.No.8.02912.2500)、H
2O、MilliQ−H
2O(他に述べられていない限り)(MILLIPORE QGARDOOR1、Millipore、Zug、Switzerland)、ウシ血清アルブミン(BSA;Sigma Aldrich、Buchs、SwitzerlandCat.No.A8412)、SureFire p−Akt1/2(Ser473)アッセイキット(PerkinElmer、Schwerzenbach、Switzerland、Cat.No.TGRAS50K)。
【0529】
p−Akt(S473)SureFireアッセイは、細胞溶解物中のSer473における内因性細胞Akt1/2のリン酸化を測定する。myr−HA−タグ付きバージョンのヒトPI3Kデルタ、PI3Kアルファ、またはPI3Kベータのp110触媒サブユニットアイソフォームを安定して発現するRat−1細胞を使用して、アッセイは、384−ウェルフォーマットの2プレートプロトコルとして開発された。
【0530】
化合物試験のため、細胞を、20μlの完全成長培地中、4000(ラット−1_PI3Kデルタ)、7500(ラット−1_PI3Kアルファ)または6200(Rat−1_PI3Kベータ)細胞の密度で細胞培養処理した384ウェルプレートに播種し、37℃/5%CO
2/90%の湿度で24h培養した。化合物を移す直前に、完全培地を除去し、30μlのアッセイ緩衝液(DMEM高グルコース、1×MEM NEAA、10mM HEPES、2mM L−グルタミン、0.1%(w/v)BSA)を加え、10μlの化合物の前希釈物を細胞に移した。2010年2月以降の試験のため、アッセイ緩衝液を完全な成長培地と置換し、これにより同様の結果が明らかにされた(データは示されていない)。化合物を1h処理した後、0.24%(w/v)BSAを補充した20μlの溶解緩衝液の添加により、細胞を溶解した。全検出量12μl中の細胞溶解物5μlを使用して、製造者の指示書に従い、SureFire p−Akt1/2(Ser473)アッセイキットを用いて、p−AKT(Ser473)の検出を実施した。
【0531】
8つの濃度(普通10、3.0、1.0、0.3、0.1、0.030、0.010および0.003μM)での各化合物のパーセンテージ阻害のIC
50値、n=2は、記載されている通り、シグモイドの用量反応曲線を、阻害剤濃度わたりアッセイ読出しのプロットにフィッティングさせることによって導いた。すべてのフィッティングは、プログラムXLfit4(ID Business Solutions、Guildford、UK)を用いて実施した。
【0532】
mTORに対する細胞アッセイ
細胞ベースのアッセイ(384−ウェルフォーマット)が、TSC1(結節性硬化症複合体1)、mTORキナーゼ活性の強力な抑制剤が欠如しているマウスから誘導された、MEF(マウス胎仔繊維芽細胞)細胞における細胞mTORキナーゼ活性に対する化合物の作用の測定のために開発された。TSC1の欠如により、mTORキナーゼは、構成的に活性化され、結果として、mTORの下流ターゲットの1つであるS6キナーゼ1(S6K1)のThr389の永久的リン酸化が生じる。
【0533】
S6K1上のThr389のリン酸化を求めることを可能にするSureFireキットを使用して、細胞溶解物におけるS6K1のホスホ−T389の定量的測定を可能にするアルファ−スクリーニングフォーマットで、アッセイを開発し、有効化し、実行した。mTOR特異的な(またはmTOR経路−)阻害剤でMEFTSC1−/−細胞を処理することにより、S6K1上のホスホ−T389のレベルを投与量依存的に減少させ、IC50値の計算を可能にした。これらは、生化学的mTOR ATP−結合実験を用いて得た値と一致し、mTOR阻害剤の能力の定量的比較を可能にした。
【0534】
TSC1−/−MEF細胞(Kwiatkowski、D. J.、Zhang、H.、Bandura、J. L.、Heiberger、K. M.、Glogauer、M.、el-Hashemite、N.、およびOnda、H. (2002) Hum. Mol. Genet. 11、525-534頁)を、10%FBS(Invitrogen)、2mMグルタミンおよび1%(w/v)ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM高グルコース培地内で、37℃、5%CO
2で培養した。
【0535】
P70S6キナーゼのリン酸化の測定のためのSureFireキットを、Perkin Elmer(p70S6K p−T389、#TGR70S50K)から購入し、供給元の指示に従い、およびSureFireアッセイに対する一般的な方法に従いアッセイを実施した。直ちに、1ウェル当たり5μLの細胞溶解物を384−ウェル白色プロキシプレート(発光の読出し用)に移し、7μLのAおよび5μLのB(最終容量:12μL)と混合した。暗所で、RTでの3hのインキュベーション後、ルミネセンスをEnvision Reader(Perkin Elmer)で読み取った。未処理の細胞を対照(高度の対照)として使用し、3μM BEZ235で処理した細胞を低度の対照として使用した。高度および低度の対照に対して得た信号間のアッセイウィンドウを100%と定義し、化合物作用をパーセント阻害と表現した。グラフの外挿による用量反応曲線からIC50値を計算した。
【0536】
上に記載されたアッセイを使用して得た結果を、以下の表に示す。ここで、SEMは、平均値の標準的誤差であり、nはデータ測定の数である。
【0537】
【表10】
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【0538】
【表11】
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【0539】
【表12】
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【0540】
【表13】
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【0541】
【表14】
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【0542】
【表15】
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【0543】
【表16】
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【0544】
【表17】
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【0545】
オフターゲット効果(チューブリン結合の証拠)を以下の通り測定した。
【0546】
サイトスピンアッセイの記載:
細胞周期G2/Mは、サイトスピンアッセイを停止させることによってMAPP誘導体のチューブリン結合(的外れの)結合活性を検出する:5×10
5細胞のA2058細胞を、2mLのDMEM(1%ピルビン酸ナトリウム、1%グルタミンおよび10%FCSを含有する高グルコース)を有する6−ウェルクラスターにプレーティングした。18時間後、試験アイテムを濃度5μM(試験アイテムの1μLの10mM溶液をスパイクする)で加えた。24時間後、細胞をトリプシン処理し、15mLの円錐体の管に移した。次いで細胞を遠心分離でペレットにし、PBS/O(10%FCSを含有)で再懸濁させた。細胞をCASYカウンターでカウントし、各試料を1×10
6細胞/mLに平衡化した。次いで、200μL(2×10
5細胞)を1.5mLのサイトスピン管(Heraeus Sepatec、Ref 1152)に移し、顕微鏡スライド(Thermo−Scientific、Ref:#PH040820の上で調節した、Sepatech装置(Heraeus、Ref #3425)を含有するサイトスピン装置を用いて50×gで、4℃で5min遠心分離した。次いで、細胞を室温で15min固定し、製造者の推奨に従い、Diff Quick(登録商標)アッセイ(Medion Diagnostics、Ref:#130832)で着色した。G2/M停止を反映して濃縮したDNAが、顕微鏡下でスライドを検査した際に、細胞内で強調された染色により明らかになる。染色は、濃縮したDNAの存在に対して目視により評価し、スコアを付けた(0=濃縮したDNAが観察されない(オフターゲット活性がないことを示唆)、1=(弱いオフターゲット活性を示唆)、2=(中程度のオフターゲット活性を示唆)、3=多量の濃縮DNAが観察された(強い的外れの活性を示唆))。
【0547】
この方法を使用して得たデータを以下の表に示す:
【0548】
【表18】
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