特許第6154493号(P6154493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6154493ヘッダを備える植込み型装置およびヘッダの形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154493
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】ヘッダを備える植込み型装置およびヘッダの形成方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/375 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   A61N1/375
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-561394(P2015-561394)
(86)(22)【出願日】2014年2月26日
(65)【公表番号】特表2016-508829(P2016-508829A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(86)【国際出願番号】US2014018542
(87)【国際公開番号】WO2014137684
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2015年9月25日
(31)【優先権主張番号】61/773,302
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スウィーニー、モイラ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ケーン、マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フォーイ、ジェームズ
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−534226(JP,A)
【文献】 特表2005−518894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/375
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型ハウジングと、
前記植込み型ハウジングに装着され、かつ、コネクターブロックキャビティを有するヘッダと、
前記コネクターブロックキャビティ内に位置するコネクターブロックであって、プラスチックハウジング部、コイルばね、および前記コイルばねに接続され、かつ、前記プラスチックハウジング部の外部に露出し、さらに前記ハウジングから前記ヘッダ内へ延びるフィードスルーと電気的に接続するように構成されている金属終端部材を備えるコネクターブロックと、を備えており、前記プラスチックハウジング部が外面を有しており、その外面に対して前記金属終端部材が同一平面上に位置している、装置。
【請求項2】
前記金属終端部材は前記コイルばねのまわりを円周状に囲んでいない、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コネクターブロックキャビティは、前記コネクターブロックが前記ヘッダに側面装着されるように、前記ヘッダの側面において開放している、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記プラスチックハウジング部は、前記コイルばねの少なくとも一部を受容するように構成された受け部を備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記プラスチックハウジング部は、前記コネクターブロックキャビティ内においてヘッダに一体化されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記プラスチックハウジング部は、前記コネクターブロックキャビティ内に装着された別個のプラスチックハウジング本体を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記金属終端部材は平坦なリボンコネクターを備える、請求項1乃至4および6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記金属終端部材は、前記コイルばねを受容するように構成された少なくとも一部を含む金属ブロックを備える、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記プラスチックハウジング部は平坦な平面状の外面を備え、前記平坦なコネクターリボンは前記平坦な平面状の外面に対して同一平面上に存在する、請求項1乃至4および6乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記プラスチックハウジング部は非平面状の外面を備える、請求項1乃至4および6乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記金属終端部材は、前記コネクターブロックから離反して延び、前記フィードスルーに直接接続された平坦なリボンコネクターを備える、請求項1乃至4および6乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ヘッダはエポキシ樹脂でオーバーモールドされたヘッダコアを含む、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
植込み型ハウジングと、
前記植込み型ハウジングに装着され、かつ、コネクターブロックキャビティを有するプラスチックヘッダコアを備えたヘッダと、
前記ヘッダから前記ハウジングへ延びるフィードスルーと、
前記コネクターブロックキャビティ内に位置するコネクターブロックであって、ばねを保持するプラスチックハウジング部、および前記ばねに接続され、かつ、前記プラスチックハウジング部の外部に露出し、さらに前記フィードスルーと電気的に接続するように構成されている金属終端部材を備えるコネクターブロックと、を備えており
前記プラスチックハウジング部が外面を有しており、その外面に対して前記金属終端部材が同一平面上に位置しており、
前記ヘッダコアは、前記コネクターブロックおよびヘッダコアを包封するために、エポキシ樹脂によってオーバーモールドされている、装置。
【請求項14】
前記金属終端部材は前記ばねのまわりを円周状に囲んでいない、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プラスチックハウジング部は、前記ばねの少なくとも一部を受容するように構成された受け部を備える、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記プラスチックハウジング部は前記コネクターブロックキャビティ内においてヘッダに一体化されている、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記プラスチックハウジング部は、前記コネクターブロックキャビティ内に装着された別個のプラスチックハウジング本体を備える、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
プラスチックコネクターブロックハウジング部をヘッダのコネクターブロックキャビティ内に配置することと、
前記コネクターブロックハウジング部にコイルばねを配置することと、
前記コイルばねに金属終端部材を接続し、前記金属終端部材をプラスチックハウジング部の外部に露出させ、かつ、前記ハウジングから前記ヘッダ内へ延びるフィードスルーと電気的に接続するように配置することと、を含み、前記プラスチックハウジング部が外面を有しており、その外面に対して前記金属終端部材が同一平面上に位置する、方法。
【請求項19】
前記金属終端部材は前記コイルばねのまわりを円周状に囲んでいない、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ヘッダをエポキシ樹脂でオーバーモールドすることをさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植込み型医療装置に関し、より詳細には、植込み型医療装置のヘッダ用のヘッダコアに関する。
【背景技術】
【0002】
ペースメーカーまたは除細動器のような植込み型装置は、ハウジングと、付属ヘッダとを備える。付属ヘッダは、植込み型リードの端子端部を受容するために1つ以上のポートを備える。ヘッダは、リード上の端子接点と電気的に導通する接点を有するコネクターブロックを備える。コネクターブロック接点は、ハウジング内の電子装置と接触するフィードスルーに電気的に接続されている。(特許文献1)は、植込み型装置用ヘッダ接点について検討している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許番号第5,076,270号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来例に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例1は、植込み型ハウジングと、植込み型ハウジングに装着され、かつ、コネクターブロックキャビティを有するヘッダと、コネクターブロックキャビティ内に位置するコネクターブロックであって、プラスチックハウジング部、およびコイルばね、コイルばねに接続され、かつ、プラスチックハウジング部の外部に露出した金属終端部材(metallic termination member)を備えるコネクターブロックと、を備える装置を含む主題を包含する。
【0006】
実施例2において、請求項1の主題は、任意で、金属終端部材が、コイルばねのまわりを円周状に囲んでいない(non−circumferential)ことを含む。
実施例3において、実施例1または2のうちのいずれかの主題は、任意で、コネクターブロックキャビティが、コネクターブロックがヘッダに側面装着される(side−mounted)ように、ヘッダの側面において開放していることを含む。
【0007】
実施例4において、実施例1乃至3のうちのいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が、コイルばねの少なくとも一部を受容するように構成された受け部を備えることを含む。
【0008】
実施例5において、実施例1乃至4のうちのいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が、コネクターブロックキャビティ内においてヘッダに一体化されていることを含む。
【0009】
実施例6において、実施例1乃至4のうちのいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が、コネクターブロックキャビティ内に装着された別個のプラスチックハウジング本体を備えることを含む。
【0010】
実施例7において、実施例1乃至4および6のうちのいずれかの主題は、任意で、金属終端部材が平坦なリボンコネクターを備えることを含む。
実施例8において、実施例1乃至6のうちのいずれかの主題は、任意で、金属終端部材が、傾斜コイルばねを受容するように構成された少なくとも一部を含む金属ブロックを備えることを含む。
【0011】
実施例9において、実施例1乃至4および6乃至8のうちのいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が、平坦な平面状の外面を備え、平坦なコネクターリボンが、平坦な平面状の外面に対して同一平面上に存在することを含む。
【0012】
実施例10において、実施例1乃至4および6乃至8のうちのいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が非平面状の外面を備えることを含む。
実施例11において、実施例1乃至4および6乃至8のうちのいずれかの主題は、任意で、金属終端部材が、コネクターブロックから離反して延び、フィードスルーに直接接続された平坦なリボンコネクターを備えることを含む。
【0013】
実施例12において、実施例1乃至11のうちのいずれかの主題は、任意で、ヘッダが、エポキシ樹脂でオーバーモールドされたヘッダコアを備えることを含む。
実施例13は、植込み型ハウジングと、植込み型ハウジングに装着され、かつ、コネクターブロックキャビティを有するプラスチックヘッダコアを備えたヘッダと、コネクターブロックキャビティ内に位置するコネクターブロックであって、ばねを保持するプラスチックハウジング部、およびばねに接続され、かつ、プラスチックハウジング部の外部に露出した金属終端部材を備えるコネクターブロックと、を備え、ヘッダコアは、コネクターブロックおよびヘッダコアを包封するために、エポキシ樹脂によってオーバーモールドされている、装置を含む主題を包含する。
【0014】
実施例14において、実施例13の主題は、任意で、金属終端部材が、ばねのまわりを円周状に囲んでいないことを含む。
実施例15において、実施例13乃至14のうちのいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が、ばねの少なくとも一部を受容するように構成された受け部を備えることを含む。
【0015】
実施例16において、実施例13乃至15のうちのいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が、コネクターブロックキャビティ内においてヘッダに一体化されていることを含む。
【0016】
実施例17において、実施例15のいずれかの主題は、任意で、プラスチックハウジング部が、コネクターブロックキャビティ内に装着された別個のプラスチックハウジング本体を備えることを含む。
【0017】
実施例18は、プラスチックコネクターブロックハウジング部をヘッダのコネクターブロックキャビティ内に配置することと、コネクターブロックハウジング部にコイルばねを配置することと、コイルばねに金属終端部材を接続し、金属終端部材をプラスチックハウジング部の外部に露出させるように配置することと、を含む方法を有する主題を包含する。
【0018】
実施例19において、実施例18の主題は、任意で、金属終端部材が、コイルばねのまわりを円周状に囲んでいないことを含む。
実施例20において、実施例18または19のうちのいずれかの主題は、任意で、ヘッダをエポキシ樹脂でオーバーモールドすることを含む。
【0019】
これらの実施例は任意の順列または組合せで組み合わせることができる。本概要は、本特許出願の主題の概要を提供するものである。本概要は、本発明の排他的または網羅的な説明を提供するものではない。本特許出願についてのさらなる情報を提供するために詳細な説明が含まれている。
【0020】
図面において、図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、同一の数字は、異なる視野における類似した構成要素を説明し得る。異なる文字の接尾辞を有する同一の数字は、類似した構成要素の異なる例を表す。
【0021】
図面は、概して、本文書で検討される様々な実施形態を、例として、しかし限定する目的ではなく、示している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一例による植込み型医療装置を示す図。
図2】一例による植込み型医療装置のヘッダ用のヘッダコアの斜視図。
図3】一例によるコネクターブロックハウジングの斜視図。
図4】一例によるコネクターブロックの斜視図。
図5】一例による終端部材の斜視図。
図6】一例による終端部材の斜視図。
図7A】一例によるコネクターブロックハウジングの斜視図。
図7B】一例によるコネクターブロックハウジングの斜視図。
図8A】一例によるコネクターブロックの斜視図。
図8B図8Aのコネクターブロックの側断面図。
図9】一例によるコネクターブロックの分解斜視図。
図10図9のコネクターブロックの側面図。
図11】一例によるフィードスルーに対するコネクターブロック接続部の側面図。
図12】一例による植込み型医療装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は一例による植込み型医療装置100を示している。植込み型医療装置100は、金属ハウジング110と、付属ヘッダ120とを備える。ヘッダ120は、植込み型リード130の端子ピン124を受容するために1つ以上のポート122を備える。リード130は、例えば、心臓にペーシングパルス、除細動ショックエネルギー、またはカルディオバージョン治療を与えるように構成されている。植込み型医療装置100は、患者の胸部または他の所望の位置に外科的に形成されたポケット内に植え込むことができる。植込み型医療装置100は、概して、信号解析、処理、および制御を行う電子部品を備える。植込み型医療装置100は、ハウジング110内に収容されたバッテリーのような電源、コンデンサ、および他の構成要素を備え得る。植込み型医療装置100は、リード130の1つ以上の電極を通じて、細動、頻脈および徐脈を含む心不整脈に応答して、心臓に対する心室除細動、カルディオバージョンおよびペーシングために異なるエネルギーレベルおよびタイミングの電気ショックおよびパルスを決定し送達するために、処理および評価を提供するマイクロプロセッサを備え得る。
【0024】
図2は、一例による植込み型医療装置のヘッダのためのヘッダコア220の斜視図を示している。ヘッダコア220は、例えば、成形プラスチックから形成されたコア本体225を備える。ヘッダコア220は、リードの端子ピンを受容するために、ヘッダコア本体225内に形成された1つ以上の孔222を備える。ヘッダコア220は1つ以上のコネクターブロックキャビティ230を備える。コネクターブロックキャビティ230はヘッダコア220の側面232において開放する。コネクターブロックキャビティ230は、コネクターブロック290をそれぞれ受容するような形状および寸法に形成される。コネクターブロック290は、ヘッダコア220の側面に位置するコネクターブロックキャビティ230に側面装着(side−mounted)される。コネクターブロック290は、ヘッダから植込み型装置のハウジングに延びるフィードスルーに接続される。よって、コネクターブロック290は、リード端子ピンを受容し、そのリード端子ピンをフィードスルーを介してハウジング内の電子装置に電気的に接続することができる。
【0025】
図3は、一例によるコネクターブロックプラスチックハウジング部260の斜視図を示しており、図4は、一例によるコネクターブロック290の斜視図を示している。
プラスチックハウジング部260は、コネクターブロックキャビティ230(図2)内に少なくとも部分的に嵌合するような寸法に形成された別個の成形プラスチック本体261を備える。プラスチックハウジング部260は、傾斜コイルばね280のようなばねを内部に受容するように構成された孔262を備える。プラスチックハウジング部260はコイルばね受け部264、例えば、孔262の周囲のプラスチックハウジング部260の表面に形成された案内溝(race)または溝(groove)265を備える。他の選択肢としては、コイルばね280を受容し保持するために、壁または他の構造を孔262内に形成することができる。
【0026】
プラスチックハウジング部260は、孔262からプラスチックハウジング部260の外側に延びるスロット266を備える。スロット266は、コイルばね262からプラスチックハウジング部260の外部に延びる金属終端部材270を保持することができる。金属終端部材270はステンレス鋼、MP35N、または他の適当な金属材料から形成される。金属終端部材270はコイルばね280に接続され、スロット266を通って延び、プラスチックハウジング部260の露出した外面263と同一平面上に位置するように形成される。プラスチックハウジング部260は平坦な平面状の外面263を備える。平坦な平面状の外面263は、金属終端部材270に対するさらなる接続を容易にする。
【0027】
図5は、一例による金属終端部材270の斜視図を示している。例えば、金属終端部材270は、プレス加工(stamping)によって形成された平坦なリボンコネクター294を備える。金属終端部材は、コイルばねに付着する第1端部296と、コネクター294をフィードスルーに付着させるための上面298とを有するL字形を備える。
【0028】
図6は、一例による金属終端部材300の斜視図を示している。例えば、金属終端部材300は、プレス加工によって形成された平坦なリボンコネクター302を備える。金属終端部材300は、コイルばね280を部分的に包囲するような寸法に形成されたカール部304を備える。金属終端部材300は、真っ直ぐなリードアウト部305と、平坦な上部接続面306と、を備える。金属終端部材300は、カール部304が孔262内に位置し、リードアウト部305はスロット266を通って延び、かつ、上部接続面306はプラスチックハウジング部260の外面263に対して同一平面上に存在するように、コネクターブロックプラスチックハウジング部260(図3)内に装着される。次に、コイルばね280がカール部304内に装着される。
【0029】
上記で検討した金属終端部材270,300の各々について、金属終端部材270,300はコイルばね280のまわりを円周状に囲んでいないか、または半円状である。これにより、製造が容易になり、より低コストが可能となる。これまでのブロックコネクターは、ばねを円周方向に保持する案内溝を有する金属ハウジング内に装着された傾斜コイルばねを備えていた。そのような円周状の金属ハウジングの形成は、金属ハウジングの機械加工を必要とする。対照的に、コネクターブロック290のプラスチックハウジング部260は成形プラスチックから形成することができ、金属終端部材270,300は金属プレス加工によって形成することができる。これらは比較的安価なプロセスであり、完全に円周状の金属部品を機械加工するよりも低コストの材料を用いる。
【0030】
図7Aは、一例によるコネクターブロックのプラスチックハウジング部320の斜視図を示している。プラスチックハウジング部320は成形プラスチック本体を備えることができ、コイルばね280および金属終端部材270,300を受容するように構成された孔322、コイルばね受け部324、およびスロット326を備える。プラスチックハウジング部320は非平面状の外面328を備える。非平面状の外面328は、植込み型装置の電子配置またはフィードスルーの位置に応じて、金属終端部材にコネクターを付着させるためのより容易な接続面を提供するように構成された傾斜部329または他の形状を備える。
【0031】
図7Bは、一例によるコネクターブロックのプラスチックハウジング部340の斜視図を示している。プラスチックハウジング部340は、成形プラスチック本体を備えることができ、コイルばね280および金属終端部材270,300(図4)を受容するように構成された孔342、コイルばね受け部344、およびスロット346を備える。プラスチックハウジング部340は非平面状の外面347を備える。非平面状の外面347は突起348を備える。突起348は、金属終端部材270,300に対して、突起348の向こう側に延びる配線からの電気的絶縁を提供することができる。
【0032】
図8Aは一例によるコネクターブロック349の斜視図を示しており、図8Bはコネクターブロック349の側断面図を示している。コネクターブロック349は、金属終端部材350と嵌合するような寸法に形成されたプラスチックハウジング部360と部分的に入れ子になった構造を備え、金属終端部材350およびプラスチックハウジング部360の双方はコイルばね280を保持する。金属終端部材350はステンレス鋼、MP35Nまたは他の適当な金属材料から形成され得る。金属終端部材350は、コネクターをフィードスルーに付着させるための上面362を備える。
【0033】
図9は一例によるコネクターブロック400の分解斜視図を示しており、図10はコネクターブロック400の側面図を示している。
コネクターブロック400は、金属ブロック404のような金属終端部材402を備える。金属ブロック404は、金属ブロック404が傾斜コイルばね406を包囲しないような部分ブロックを備える。金属ブロック404は、例えば半分のブロック、3/4のブロック、または1/4のブロックでありる。金属ブロック404はステンレス鋼、MP35Nまたは他の適当な金属材料から成形によって形成される。金属ブロック404をコイルばね406のまわりにおいて非円周状のものとして形成することによって、金属ブロック404は、円周状のコネクターブロックに必要とされるように機械加工する代わりに、成形するか、または焼結させることができる。金属ブロック404は、コイルばね受け部408を含むアーチ形部407を備える。コイルばね受け領域408は溝409を備える。
【0034】
コネクターブロック400は、プラスチックヘッダコア420と一体に形成されたコイルばね受け部418を含むコネクターブロックプラスチックハウジング部416をさらに備える。コイル受け部418は溝419を備える。よって、プラスチックハウジング部416は、プラスチックヘッダコア420が成形されるときに、ヘッダコア420のコネクターブロックキャビティの一部として一体的に形成される。プラスチックハウジング部416は、コイルばね408および金属ブロック404と組み合ってそれらを受容することができる。金属ブロック404のコイルばね受け部408と、プラスチックハウジング部416のコイルばね受け部418とは、コイルばね406のための円周状の受け部を形成するように整合される。一例において、金属ブロック溝409は、プラスチックハウジング部溝419と整合されて、コイルばね406を受容する円周溝を画定する。金属ブロック404はプラスチックハウジング部416内に装着され、かつ、ヘッダコア420に付着される。コネクターの付着は、金属ブロック404の上側付着面430においてなされる。
【0035】
図11は、一例によるフィードスルー512に対するコネクターブロック502の接続部の側面図を示している。コネクターブロック502は、上記で検討したように、コネクターブロックプラスチックハウジング506およびコイルばね508を備える。金属終端部材510は、平坦なリボンコネクターを備え、コイルばね508に接続され、かつ、ハウジング110に内部で連絡するフィードスルー512に直接接続するように延在する。この構造は、金属終端部材とフィードスルー512との間にコネクターを溶着する必要をなくす。よって、単一の溶着は、2つの溶着接続と比較して、複雑さを低減し、かつ、信頼性を増大することができる。オーバーモールド514は、この例では、ヘッダコアを包封する。いくつかの実施形態では、予め成形されたヘッダを用いることができ、コネクターブロックを医療用粘着性封止材によって被覆することができる。
【0036】
図12は、一例による植込み型医療装置100の斜視図を示している。植込み型医療装置100は、ハウジング110に装着されたヘッダ120を備える。ヘッダ120はヘッダコア220を備えることができ、コネクターブロック290はヘッダコア220のコネクターブロックキャビティに装着されている。コネクターブロック290は、上記で検討したように形成され、かつ、ヘッダコア220に側面搭載され得る。本願で検討したコネクターブロックを有するヘッダの形成において、一例は、プラスチックコネクターブロックハウジング部をヘッダのコネクターブロックキャビティ内に配置することと、コネクターブロックハウジング部にコイルばねを配置することと、コイルばねに金属終端部材を接続し、金属終端部材をプラスチックハウジング部の外部に露出させるように配置することと、を含む。コネクターブロック290とハウジング110のフィードスルーとの間ですべての接続がなされた後、ヘッダコア220はエポキシオーバーモールド602によって包封される。
【0037】
付記
上記の詳細な説明は、該詳細な説明の一部をなす添付図面への言及を含む。図面は、例証として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示している。これらの実施形態はまた本願では「実施例」とも称される。そのような実施例は、示されているか、または記載されているものの他にも要素を含み得る。しかしながら、本発明者らはまた、示されているか、または記載されているそれらの要素のみが備えられた実施例も企図する。さらに、本発明者らはまた、本願に示されているか、または記載されている特定の実施例(またはその1つ以上の態様)、または他の実施例(またはその1つ以上の態様)のいずれかに関して、示されているか、または記載されているそれらの要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組合せまたは順列を用いた実施例も企図する。
【0038】
本文書において参照した全ての刊行物、特許および特許文献は、参照により個々に援用されるかのように、参照により余すところなく本願に援用される。本文書と、そのように参照により援用された文書との間で用法が一致しない場合には、援用された参考文献における用法は、本文書のそれに対する補足であると考えられるべきであり、相容れない矛盾については本文書における用法が支配する。
【0039】
本文書において、用語「a」または「an」は、特許文献において共通であるように、「少なくとも1つ(at least one)」または「1つ以上(one or more)」の任意の他の例または用法とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように用いられる。この文書において、用語「または」は非排他的論理和を示すために用いられており、よって、別段の指示がない限り、「AまたはB」が、「AだがBではない」、「BだがAではない」、および「AおよびB」を含む。添付する請求項において、用語「備える(including)」および「前記〜において(in which)」は、「備える(comprising)」および「前記〜において(wherein)」という各用語の平易な英語の同意義として用いられる。また、以下の請求項において、用語「備える(including)」および「備える(comprising)」は非制限的であり、すなわち、請求項においてそのような用語の後に列記されたものの他にも要素を含むシステム、装置、物品またはプロセスは、依然としてその請求項の範囲内にあると見なされる。さらに、以下の請求項において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単に標識として用いられており、それらの対象に対して数的な要件を課するようには意図されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12